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ラジオな音ですみません


1 :2017/01/06 〜 最終レス :2019/03/22
問答無用の名盤なのに。。。音が悪い!
そんなラジオな音と奮闘している人。
励まし合っていきましょう。

例)
フルトヴェングラーのライブ盤
チャーリー・パーカーの初期録音
エルヴィスの初期録音
戦前のデルタ・ブルース

2 :
ちなみに最近買ったCD。

三木鶏郎 NHK日曜娯楽版(1951〜54)
ソニーのG型テープレコーダー(第1号機!)で録音したアーカイヴ。
基本的にはコミックソングだが、痛烈な皮肉で番組終了。

フルトヴェングラーの指輪(1953 RAI盤)
ローマでやってたバイロイト裏番組。物語の理解を深めるべく
里中満智子のマンガと一緒に購入。

美空ひばり 青春アワー(1958)
TBSラジオの歌番組。芸能10周年の実況録音を含む。

キング・コール・トリオ ラジオ・トランスクリプション(1938〜40)
NBCのラジオ番組に出演してた頃のアセテート盤復刻。
米デッカの復刻よりはましかな。

3 :
再生装置の問題はずっとつきまとっていて
オリジナル盤、ビンテージ機器を買い揃える金もないのに
かれこれ30年以上奮闘している。

現在はジェンセンのギターアンプ用フルレンジを元手に
CD再生用システムを構築してようやく形になってきた。

4 :
ジェンセンのギターアンプ用ユニットの復刻版は
もともと1947年に開発されたシリーズで、そのときは汎用のトランスデューサー。
電蓄、ラジオ、テレビのスピーカー入れ替えに有効と宣伝していた。
ttps://www.jensentone.com/vintage_alnico
ttp://www.hifilit.com/Jensen/1955-1.jpg
ttp://www.alliedcatalogs.com/html/1947-112/hr100.html
ジュークボックスの修理屋が、これこそ代替ユニットの定番と言ってたので
音もろくに聴かずに購入してモノラル再生。実に安くて良い。
今は1インチドライバーを付けて、汎用性が増した。

5 :
CECのCDプレイヤーからデノンのプリメインアンプの間には
ヤマハの簡易ミキサー、UTCのマイク用トランス、ベリンガーのチャンデバと
音調を整えるトラップを仕掛けている。
ttp://quwa.fc2web.com/monoralsystem15.jpg
ステレオアンプはモノラルスピーカーのマルチアンプに流用。
真空管のデバイスは、EL84プッシュ、45シングル、色々試してみたけど
音が日に日に変わるので、付けたり外したりの繰り返し。
ある音調が気に入ったら、それをソリッドステートで追認して安定化。

6 :
スピーカーの遍歴は、ヤマハのテンモニからスタートして
英パイのマグネチックスピーカー、JBL D130+Altec 802C+511B
英ステントリアンJr、エレボイ SP8Bなどなど、色々試して
現在はジェンセンに落ち着いてる。モノラル再生は終わりのない旅。

7 :
ジェンセンに落ち着くというのは、モノラルで問題になる
SP盤とLP盤との規格が切れ変わる1947年問題に対処できること。

1950年代に旧規格50〜8,000Hzから新規格50〜15,000Hzに変わったが
クラシックやジャズは、もともと音楽が長尺なのですぐに移行した。
そのため、ビンテージ機器のハイファイ再生のノウハウがそのまま使える。
モノラル名盤というと、この頃の録音を指す。

ところが、ロカビリー、流行歌の類は、AMラジオ放送が主流なので
1960年代前半までこの問題を引きずっている。
ドイツでのクラシック放送用録音も、旧式のマグネトフォンの規格のまま。
モノラルの優秀録音は、時代のなかでも氷山の一角、
草の根のレベルまで探索すると、モノラルはラジオ音が主役になる。

8 :
この草の根のラジオ音声というのがやっかいで
音楽的な「事件」はいつもラジオのような音で収録されている。

例えば、ベニー・グッドマンの1938年カーネギー・ホール・ジャズ・コンサート。
スウィングジャズをアメリカの文化として認知させた、記録として聴くべきものだが
放送録音のメソッドに沿って、低域を切って中域を際立たせると
テレビ中継のような音質までは追いつける。

戦前の1937〜40年頃のメンゲルベルク、トスカニーニ、フルトヴェングラーなども
同じようなキリっとした音に整えると、実況的なドキュメンタリーに変わる。
SP録音はフルオーケストラではやらないが、ラジオ実況は可能だった。

ビートルズのBBC音源、ディランのロンドン公演、ベルベットの解散ライブ
1960年代に入っても事件はいつもラジオ品質で残される。

100〜6,000HzのAMラジオ品質でも、帯域内をきっちり再生すれば
大きな音で部屋中を満たしても、素晴らしい音楽として楽しめる。
歴史的な事件に立ち会えたと実感したときの喜びは、何事にも代えがたい。

9 :
今聴けるAMラジオの音は200〜4,000Hz
ヘタすると高域は3,000Hzからロールオフする。
8kHzのバンド幅で混信を避けるために
早めにフィルターでカットして、ノイズを軽減する。
蛍光灯はおろか、デジタル家電など
サージ電流をばら撒く電子機器はそこかしこにあり
AMラジオの音質も落ちる一方である。
このため、AMラジオの規格そのものへの偏見がやまない。

もうひとつの問題は、今のオーディオ機器には
倍音=歪み成分が少なく、音の輝き、パンチ力が全く出ない。
ラジオ音域で見落としがちなのが、この倍音成分で
レコード針の針鳴き、真空管の共鳴、トランスのリンギング
スピーカーの分割振動と、音に味付けが加わる要素が
かつては沢山あった。それでナローレンジのバランスが取れてた。
入ってる信号が2kHzでも、その2倍音、3倍音と累加する。

だから、漠然と周波数レンジが狭ければラジオ風なのではなく
周波数レンジが狭いのに、全体に力のみなぎるサウンドである。

10 :
車の運転中のマスメディアはAMラジオで十分。
長年ラジオの音質に慣れているため、音楽鑑賞はMP3で十分になっている。
別にハイレゾにこだわらなくてもいいじゃん。

11 :
モノラル音源をMP3に落とすと、高域の余計なノイズが減って聴きやすくなる半面
キレのある音が出しにくくなる。別にジャズばかりではなく、流行歌やブルースでも
歌の臨場感というか、迫ってくる感じが希薄になる。レンジは狭いんだけどね。
1950年代のラジオ音源は、ラジオという言葉だけで損をしやすい気がする。
30cm、38cmのフィックスドエッジで支えると、ドカンと来るのがあまり知られてない。

12 :
フルヴェンの指輪(1953、ローマ放送)の再生はイマイチだったけど
美空ひばりの青春アワー(1958、TBS)は本当に良かった。
上品なラジオ〜トーキーの音で、レンジは8kHzくらいまでだけど
ボーカル域にいっぱい歪み成分があって、ベルベットのような光沢がある。

個人的には、ヤマハのエフェクターに付いてる「ラジオボイス」というのが好きで
800Hzあたりをマルッと切り取った音を混ぜ合わせると
ボーカルにピントを絞ったあと、同心円状にピンボケが広がるバランスになる。

エフェクター〜アンプ〜スピーカーのトータルの特性を測ると以下通り。

「ラジオボイス」フィルター100%の特性:ボーカルだけの電話なみの音
ttp://quwa.fc2web.com/wps_clip_image-26140.png

フィルター70%、元音30%の特性:これでトーキー風の特性
ttp://quwa.fc2web.com/wps_clip_image-2258.png
これのパルス応答(実音より大きいけど、最初の出音だけ)
ttp://quwa.fc2web.com/wps_clip_image-2598.png

13 :
爺さんの朝は早い

14 :
ついでに高域も聞こえにくくなって、ラジオの音が耳になじむ、とくりゃ。

15 :
”ディラン”の人ですか。ガンガン行ってください!

16 :
ちょっと変わった本で「再現・昭和30年代 団地2DKの暮らし」ろいうのがあって
千葉県松戸市が造った団地まるごと博物館のパンフレットのような本。
そこの内容が面白くて、洗濯機、冷蔵庫、テレビと買い揃えていくワクワク感というか
時代が少しずつ上向いていくときの高揚感が、モノの歴史で浮き上がってくる。

2DKという小さな生活空間で、当時としてはモダンな生活を志向した「ダンチ族」。
当時としてはテレビのほうが必需品で、洗濯機、冷蔵庫は贅沢品というのが面白い。
夕飯の支度、衣類の手洗いは、節約できるが、テレビは他に代りがない。
さらに嗜好品が、ステレオセット。アンサンブル型という一体型コンポだが
ジャズが好きな旦那が一部屋占領してたらしい。2DKのなかで一番の贅沢だ。

今だと、例えば無印良品が、こういう団地暮らしのリノベ^ーションをしているが
片や清楚でシンプルと思っていて、この時代の慎ましい贅沢感との差がみえる。

17 :
私たちがラジオ的な音響の原風景とイメージするものも
2DKのなかの慎ましい贅沢というのが精々で
それ以上の贅沢な仕様はふさわしくないと思ってしまう。
ここでは、20cmウーハー+コーンツイーターが最高点で
それ以上の装置は、音源そのものを選別しないと
バチがあたるというもの。針先の摩耗だってあるんだから。

ところが、この大衆的でどこにでもある音響=AMラジオ規格は
ちゃんと調整して突き詰めると、バランスよい上品な音で鳴りだす。
清貧のオーディオではない、昔日の演奏を生き生きと鳴らすために
最適なスペックと十分なコストを掛けることが重要だと思うのだ。

18 :
オーディオ批評家が出会った機器の物語で
岩崎千明氏のJBL D130、瀬川冬樹氏のAxiom80は
憧憬のなかにあるオーディオの音として双璧だろう。
ttp://www.audiosharing.com/people/iwasaki/houkou/hou_23_1.htm
ttp://www.audiosharing.com/people/segawa/kyokou/kyo_28_1.htm
そのどちらを見ても、ちゃんとした使い方をしていない。
それなのに、自分のサウンドというものを、堂々と語っている。
心の耳で聴いているというものかもしれない。
音楽を聴く心も備わって初めて、オーディオは一人前に語り出すのだ。

実はラジオっぽい音は、ともすると、物理的なスペックで見限りやすい。
小さなラジオでも、大きな機材を投入しても、スペックの数字は同じである。
ましてや、聴いてるソフトの音質も、元は同じものを聴いている。
しかし、D130もAxiom80も、当時としては大変高価なユニットである。
その再生能力の差は、単純なスペック表では語りつくせないのだ。
だから文系の作文で何とか伝えようとする。益々、心の音に染まっていく。
このことの悪循環が、ラジオな音の本質を見失わせるのだ。

19 :
ラジオのような公共の電波は、聴いてる音は同じものという前提があって
いわゆるアナログ盤を所有することによる優越感というものがない。
しかし、AMラジオ用音源もしくは旧規格のモノラル音声でも
スペックを絞り込んでコストを掛けると、ヘタなステレオを簡単に凌駕できる。

20 :
TBSの美空ひばり 青春アワーのCDで面白い志向だったのは
芸能10周年を振り返って、昔のヒット曲のレコードを流している番組で
それならオリジナルSPの復刻盤を聴けばいいんじゃないかと思うけど
実はリリースして10年も経たないオリジナルSPの盤質を聴けるという
二段落ちのマニアックな音源になってる。
ひばりさん自身のスピーチと比較することで
SP盤の復刻で見失いやすいトーンバランスも確認できる。

21 :
リノベーションした団地に似合うのはやっぱりコンソールステレオだよなあ。

いっそ、自作したろかと思ってます。

22 :
例のモノラル礼賛の人が建てたスレか。自分のページだけでやっていればいいのに。
http://quwa.fc2web.com/Audio-1162.html#Top

23 :
>21
コーンスピーカー、小型ビーム管までは手に入るけど
キラーアイテムのクリスタル・カートリッジが。。。
あのジャリついた音が加わらないと、洞窟の奥なんでござんす。

>22
ステレオ音源のモノラル・ミックスというのは序の口。
ぜひここも読んで修行していただければ。
ttp://quwa.fc2web.com/Audio-119.html
45ドライブ-MOS-FETアンプですよ。
これで悟りをえて、ソリッドステートで組み直したのがコレ。
ttp://quwa.fc2web.com/Audio-121.html
正月休みの宿題&マイ・ブームでございます。

24 :
クラシックからロックまで30点で卒なくこなすある意味完璧なおーでお
それがラジオ

25 :
今聴いているのは、Rev, Garry Davisの1962年弾き語りライブ。
フォーク歌手のS,グロスマンが個人蔵で残してたテープによる。
ディランに貸し出したときもそうだが、おそらくアンペックスの可搬型リール。
スペック上は10kHzより少し下回る高域しか入らない。

デイビス牧師は、戦前のブルース・ゴスペルを伝承する生き証人で
ニューヨークの路頭で、ずっと歌ってたらしい。
盲目で黒人という強力なハンディキャップが
R&B、ドゥーワップなど時代の流行に埋もれることなく
ドスの効いた声を惜しげもなく披露する。

戦前のブルースのダミ声がSP盤特有の歪みと思ってるのが
大きな間違いだと判る。怒鳴って声を割ってる。
基本的にマイクの生音をほぼそのまま収録しているので
ジェンセンのようなステージPA用スピーカーのもつ
過入力時の荒くれ感がないと、小さな所作がビシッとこない。

26 :
>24
スタジオ・ハイファイ70点、放送用アーカイブ60点、個人ブートレグ50点だな。
普通のオーデイオだと、ハイファイ90点、他が20〜30点。

27 :
今のオーディオは、ステレオ音場を繊細に再生するため
エコー成分を比較的大きく再生するようにできている。
例えば、ディランのビッグピンクでの私家録音では
スプリングエコーを深くかけた、変な録音が入ってる。
おそらくアンペックスのオーデプンリールと対になるアクティブスピーカーが
それほどエコーに反応しない古いタイプのスピーカーなのが理由だ。
同じことは、古いロカビリーにも言えて
今のスピーカーだと洞窟で聴いてるようで面喰らう。
フィックスドエッジのスピーカーでタイトに支えてあげなければ芯が出てこない。
ラジオな音は、しっかり制動してないと、音楽の推進力が不足する。

28 :
制動力というと、遊びのないタイトな音だけを想像してしまうが
ただタイトなのではなく、立ち上がりのパルス音に隈取りのような
倍音とかリンギングがビシッと入るんだけど、それが尾を引かない。

こういう音は、JBLのようなアメリカン・サウンドを思い浮かべるかもしれないが
古いイギリス製のラジオも、楕円スピーカー+小型双極管でパリっとしてる。
ドイツの16〜25cmのフルレンジも、ジャーマン・サウンドと言われるカチッとした音。
日本でも、長岡鉄男が1960年代末にテレビの音がジャリジャリしていると言ってた。
それでいてアナウンサーの声は、生声と間違うほどリアルだと好意的だった。
100〜8,000Hzというラジオ音声にも、盛り上げるコツがあるようだ。

29 :
日本でラジオな音が不利だと思えるのが、戦後の技術史と絡んでいて
意外に見落としがちなのが、テレビ塔としての東京タワーの存在で
1958年にテレビでのFM音声と歌謡番組が広く家庭に知れ渡った。
その前後のオーディオ技術は、並四ラジオからステレオ盤に一気に飛んでおり
上質なモノラル再生機器を味わう時代を経験していない。

同じように敗戦したドイツでさえ、ラジオ受信機のオーディオ品質が高く
膨大なモノラルのクラシック・ライブ録音を残している。
アメリカだって貧しい人は大勢いたけど、ジュークボックスで上質なモノラルが聴けた。
日本もふたを開けてみると、良質な放送用アーカイブがあるんだけど
それを活かす音響機器が16cmフルレンジ以上で想像がつかない。
個人的には、せめてジュークボックスなみの規模で鳴らすことで
かなり印象が変わるように思っている。

30 :
ビング・クロスビーが1947〜51年頃に残したSingin' with Bingという歌番組。
アセテート盤でのアーカイブだが、自身の財団がちゃんと管理していたもの。
この手のアセテート盤も崩壊の危機にさらされていて、2004年復刻はおそらく最後だろう。

この歌番の面白さは、ビングが誘ったゲストの多彩さも魅力で
アンドリュース・シスター、ナットキング・コール、サッチモ、エラ・フィッツジェラルドなど
スタンダード・ナンバーの名歌手がゾロリと揃って、音楽を楽しむ志向。

ところが、復刻は高域にフィルターをかけたナローレンジで、なかなか手ごわい。
2kHzあたりにカリッとしたアクセントを加えると持ちなおす。
アメリカンなテイストが合うんだけど、全体はシルクのような柔らかさを保ってる。
揚げたてのドーナッツのような感じかな。

31 :
アメリカン・サウンドというと西海岸のアクの強い音を思い浮かべるけど
実際は東海岸のRCAとかエレボイのマイクで収録したものが多い。
スピーカーだと、ARとかBOSEのように低域偏重のニュアンスがあるけど
中立的なフラットな感じの音で、まさに放送にふさわしい感じ。
あとUREIという録音機器全般を製造してた会社もあって
真空管のテイストを残しながら、太い中音域を重視したサウンドだ。
よく、JBLにマッキンという組合せがあったけど
本当はマッキントッシュのような脂っこい音が本質なのかもしれない。

32 :
>>31
>実際は東海岸のRCAとかエレボイのマイクで収録したものが多い。

2010年頃までアメリカのリアルラジオ放送局のリアル放送が
ネットで聞き放題だったんだで良く聴いていた。

それで東海岸と西海岸だと音色に違いが確かにありましたね。

お気に入りの放送局はニューヨークのCBSラジオでした。
お天気オジさんとかメッチャくちゃニューヨーク訛りで早口で
聞き始めの頃は何を言っているかサッパリ解らなかったw

慣れたら、気分はニューヨーカー!

マンハッタンのタワービルで勤務するリーマンになりきる
妄想をした。

33 :
WCBSは今でも普通に聞けるけど?

34 :
ローカルCBSは駄目なんよ。

WCBS聴くなら沖縄のAFNの方が面白いよ。

35 :
今のネットラジオで聴けるAFNの音は、送信側で高域をシャリシャリにした音を
そのまま配信しているから、ちょっと聞き辛いね。曲もヒップホップ系が多いし。
昔のウルフマンジャックの頃が懐かしい。

と思って、スピーカーを古レンジだけで鳴らすと、ラジオの音に戻った。
ttp://quwa.fc2web.com/wps_clip_image-5841.png
30cmスピーカーのラジオは、なんというか、声がセクシーだ。

36 :
何がセクシーかというと、アゴの付近から出るゴリッとした胸声が
小口径だとバスレフなりの箱の共鳴を待つので、ボワンかモゴモゴになるけど
30cmフィックスドエッジともなると、ダイレクトに発音と一緒のタイミングで出てくる。

これは男性、女性を問わず、バランスは違うけど出てくる。
ttp://quwa.fc2web.com/image64.jpg
この分布図のうち、第一フォルマウントと第二フォルマウントの
バランスとタイミングが両方揃ってることが重要で
自然なボーカル域の条件になる。

なので、大口径でも重たいコーン紙で1〜2kHzの倍音が出にくいウーハーは
胸声が出過ぎてモゴモゴする。
1950年代の古レンジのスピーカーは、この辺のバランスが絶妙にできてる。

37 :
大口径で古レンジのスピーカーというのは、高音も伸びないけど
実は重低音もでない。スペック的には、中途半端なシロモノだ。
しかし、パンっと張った中低音のスピード(時にはヘッドホンより速い)
それと800〜2,000Hzくらいの抜けの良さは、他のどれにも代えがたい。

さらに薦めるのは、ツイーターの追加で3kHz前後でクロスさせると
恐ろしく強健なサウンドに仕上がる。JBL D130+075が有名だが
ジェンセン C12R+ホーンツイーターでも結構バリバリ鳴る。
こちらのほうが、古いロカビリー時代のジュークボックスの仕様に近い。

初期のハイファイというのが、ともかく聴く人をビックリさせようとしていた
そういうワクワク感が楽しいサウンドだ。ドラムがまんまでドカっと出てくる。
ボーカルがそこで話してるかのようなリアリティも出る。

しかし、ラジオな音で足らないのは、ほんの1オクターブ程度。
そこの帯域から分割振動で、さらにオクターブ上の倍音を狙うのが
リアリティを増す秘訣なのだ。

38 :
ラジオな音の敗退する時期は、
録音用ミキサーが真空管からトランジスターに変わる頃で
1960年代末にチャンネル数の倍増で
ノイズの軽減のためトランジスターが増えた。
そのときの印象は、音の天井が低くパンチのない音というものだった。

実際、ロックバンドのドアーズを担当してた録音エンジニアは
セッションの合間で、経営者が勝手にトランジスターに変えたため
まったくサウンドが変わってしまい、結局やめて他に移る決意をしたという。
その後は、リバーブなどで倍音を別途加えることで、倍音を確保したが
逆のことを言えば、ラジオな音は、豊かな倍音がなければ
天井の低いパンチのない音になる。これって現在のラジオな音の印象そのまま。

このため、オーディオ装置が倍音を出す要因を掻き集めて
録音に本来必要だった輝きを取り戻さなければならない。
かつて私も、これは周波数バランスの問題だと考え
イコライザーで周波数を整えていたが、倍音成分が出す輝きは出ない。
ライントランス、真空管バッファ、分割振動の多いスピーカーなどで
かつての輝きが取り戻せることが判った。

39 :
今日は今日とて、フルヴェンのローマでの指輪が調子いい。
エフェクターで少し残響を増してあげて、高域を増してあげると
歌手の声の響きがスッキリして、神話の住人たちが暴れまわる。
いわゆるゲルマンの森に潜む得体の知れぬ精霊たちが渦巻く世界ではなく
ギリシア彫刻のような筋肉隆々の男女が公開討論しながら織りなすドラマ。
なので、フルヴェンの魔法の杖というよりも、ローマ皇帝の指輪という感覚が強い。

おそらく、トスカニーニのワーグナー演奏がそれに近いんだけど
金管の乾いた響き、弦のブッファ風の推進力が、不思議な合金を造ってるようで
それが、ラインの黄金の指輪、ジークムントの剣という、明快な強さを引き出す。
ワーグナーが近代文明の愚かさをKしようとした、暗鬱な思いとは裏腹に
理想の神々しい世界が、今や崩れていく瞬間を画いているようなのだ。
気高ければ気高いほど、その悲劇の影が深くなる。
イタリアでのワーグナー受容史の一幕というより
歯切れのいい明晰なドラマを展開する新しいワーグナー解釈を打ち出してる。

40 :
ワーグナーの描く指輪の世界は、神々の世界の崩壊が
人間の愚かな思い、貪欲さ、ねたみによって蝕まれていく感じがするけど
不思議なことに、フルヴェンはもはやそのことを人間のせいにはしない。
気高い神々の世界が崩壊していく、その事実だけを真摯に受け止めるよう促す。
崩れゆく世界のなかで、小さな愛をはぐくむ兄妹さえ、災難に呑み込まれる。
しかし、その災難を取り除くことができなかったと嘆かないし、犯人を責めない。
そのことが、中世の物語を語り聞かせる吟遊詩人のようで
指輪物語の原作のスタンスにより深く分け入ってるように思える。

41 :
変な感想だけど、1960年代のディランも合衆国の没落を歌ってた点で
同じような感覚をおぼえる。引き留めるよりも、事実として提示する。
一方で、ロックが政治的なパワーをもたらすという幻想に惑わされる大衆に
深い猜疑心をもって隠遁の道を選んだような気もする。
ビッグピンクで子育てに励んでた、というのも、ワーグナーのモチーフに似てる。
1953年のローマ、1968年のウッドストック。もう少し慎重に考えてみよう。

42 :
今日は今日とて、シュナイダーハンのモーツァルトのバイオリン・ソナタが機嫌いい。
ゼーマンとのモノラル録音だが、帯域が狭いのにヴァイオリンが細くてどうしようもない。
これがウィーンの伝統だと言われたら、誰もが疑問に感じるだろう。
ところが、昨夜のフルヴェンの指輪でトレーニングした後、何か皮が取れたように
スッキリとなって解決していた。生まれたての赤ん坊の肌のようにモチモチしてる。
戦時中はウィーンフィルのコンマスとして、フルヴェンと一緒に楽団の維持に奔走した人。
何かの縁で、ラジオな音で結びついたようだ。

同じく、戦前にベルリンフィルを錐揉みしていたが、ユダヤ系のためあえなく亡命した
ゴールドベルクのブラームスのヴァイオリン・ソナタ集も試聴。
独グラモフォンの米国での販売権をもってた米デッカによる録音だが
ヨーロッパ録音でないというだけで、ちょっと割の食わない扱いを受けてる。
こちらは、中音域を渋く響かせる正統なベルリン楽派の音。

43 :
今日はヌヴーのヴァイオリンでブラームスVn協奏曲など。
ブラームスだからと、バックの北ドイツ放送響の音をしっかり出したくなるんだけど
ここは我慢してバイオリンの音が前に出るように調整。
そうすると本来のラジオ実況のバランスが見えてくるし
ヌヴーの音色が惑うことなきフランコ・ベルギー派のそれだと判る。
同じ年代のボベスコやグリュミオーなどに比べて録音機会が薄いが
炎のような演奏を聴くと、ヨアヒム門下の構成感とは違うものの
艶やかで妖艶なバイオリンの音色から
ブラームスがハンガリー舞曲の作曲家でもあったことを思い出す。

44 :
昨日からは、サンレコードのシングル盤全集Vol.1と
チャーリー・パーカーの1950年スウェーデン公演などを聴いてる。

サンレコードの初期はSP盤でのリリースで、録音もダイレクトカット。
そういう時代なので、基本的にレンジは狭く荒々しい。
サム・フィリップス自身がDJをやってたラジオで流すこともあったらしいが
RCAやコロンビアのような大手とは比べようもなく貧しい音質。
しかしミュージシャンに対する目利きが全く違う。ともかく変人ばかり。
そのなかにエルヴィスが居た。たった5枚のシングルはともすると聞き逃すようなもの。
ロシアン・ルーレットのように、個性いっぱいの音楽に隠れている。

バードのスウェーデン公演は、おそらく実況中継のエアーチェック。
当時はアセテート盤での録音で、同じようなものがフルトヴェングラーの
ベト8、ドイツ・レクイエムにも残されているが、電話越しのような貧しい音。
と思ったら、例のごとくウェブスター社のワイヤーレコーダーによるらしい。
ただ、最近のウッディ・ガトリー、美空ひばりのライブ録音のリカバリー状態では
全く別の音質で蘇える可能性もある。

で、こういう非情に悪い録音を、それなりの大音量で聴くには
ジェンセンのギターアンプ用ユニットは、恐ろしいほどの耐性を示す。
毒をもって毒を制すというか、なるほどこういう感じで
ラジオの音に噛り付いて聴いていたのか。。。と思えるところがある。

45 :
キング・コール・トリオの1938〜40年の放送録音集を購入したのだが
今来ているのはVol.2、Vol.4、Vol.5で、
ドイツ経由で5枚がバラバラに送られてくるのでやや難儀する。

トリオ・ジャズとは言いながら、ビバップのような激しいものではなく
軽妙でおしゃれな雰囲気で、むしろ現在のほうが受け容れ易いだろう。
各々にゲストのボーカルが加わったときの古風な歌い口が面白い。

ビックバンドによるスウィングジャズが全盛だった時代に
こうしたリリシズムに溢れた音楽をあえてやろうというのも面白い。
本当なら、ジャンゴ・ラインハルトのグループと双璧のはずだが
この後のナット・キング・コールのボーカリストへの転身が評価を阻んでいる。

46 :
軽妙さを売りにしていたピアニストではファッツ・ウォーラーのほうが有名で
ソロからビッグバンドまで、いたるところに出現する。
個性がどうのというより、何にでも合わせてしまう感じもあり
引き立て役に回ることでもそつなくこなすマルチタレントぶりも発揮する。

考えてみればピアノというのは評価の難しい楽器で
ガーシュウィンのように作曲家としてのネームバリューのある人から
名前もクレジットされない単なる伴奏まで本当に幅がある。
そういう意味では、ファッツ・ウォーラーはえり好みせずにセッションするタイプで
むしろナット・キング・コールのほうが、強いコダワリをもっていたかもしれない。
しかし、そのシンプルで洒脱な雰囲気を保つのは本当に難しかったと思う。

47 :
キング・コール・トリオのトランスクリプション・ディスク集だが
英国Naxsosの復刻は、昔のParlほどではないが
高域のノイズをフィルタリングした、全体に落ち着きのあるサウンド。

こういう復刻は、ともすると録音が古いから高域が少ないと思われがちだが
中高域でも2〜3kHzに辛目のピークを付けてあげると
途端にシャキッとした音に変わる。
単純な周波数バランスだけではノイズが目立つんだけど
共振したときのピンと立つ音が加わると、オーディオ的に面白くなる。

むしろ、トランスクリプション・ディスクの音は
テ−プ収録よりもエッジが立っているというか、切れ味がいい。
それがキング・コール・トリオのスマッシュ感と合っている。

48 :
レコード各社のサウンド傾向の違いで
最も引き合いに出されるのはEMIとデッカの違い
EMIはビロードのような底光り、デッカが金銀のようにキラキラ。
両者の差として引き合いに出されるのがEQカーブで
デッカがRIAAに加入した後も、この問題は引き摺ってる。
ttp://quwa.fc2web.com/londonffrr.jpg
ところが、このEQカーブの違いは、トーンコントローラーのそれと
非常に良く似ている。
ttp://quwa.fc2web.com/sq63-3.jpg

デジタル時代になって、ない方が良いみたいにいわれるけど
リマスターも種々雑多に出てくる現状では
トーンコントローラーも結構重宝する。
EMI派か?デッカ派か?
そういう区分をしておくと色々と便利だ。

ちなみにラジオな機材で映えるのはデッカ派。
チープな装置でも輝かしい音。
中途半端な機材だと高域がうるさい。
これの差分をトーンコントローラーが取り持ってくれる。

49 :
クラシック系でドイツの古い放送音源についていうと
旧来の墺プライザ−、米M&AなどはEMI以上のカマボコ形
新興のオルフェオ、ターラなどはデッカ派と言えそうだ。

どうやら試聴している機器の年代に合わせているようで
デッカ風のほうが新しい機器と相性がいいので
そちらを最新リマスター盤として選ぶ傾向にあるかもしれない。
旧来のバランスは中高域の辛いラジオ用フルレンジを対象にしてる。

英ナクソス、パールは、明らかに古いグループで
今どきのオーディオ機器で聴くと、埃っぽい感じで
それがラジオ風と誤解されているように思う。
これも分割振動バリバリで鳴らすと、キリッと二枚目に変わる。

50 :
今日は、ギュンター・ラミン指揮のマタイ受難曲を聞いてる。
英国資本だった独エレクトローラの戦中最後期のセッション録音で
ウォルター・レッグが協会制予約販売のマタイ受難曲の最初の全曲録音で
録音風景のなかにEMI製のダイナミック型マイクが写っている。

このマイクは、ステレオ録音で有名なブルムライン博士の開発したものだが
高S/N比を買いかぶったせいか、マイク位置の遠いダイナミックレンジの狭い音が多く
個人的にはあまり良い印象がない。例えば、英コロンビアのカヤヌスのシベリウス録音は
このマイクによる最初期のもので、フィンランド政府が肝入りで大金をつぎ込んだ
にも拘わらず、条件の悪いなかで日雇いのオーケスラで録音されたなんて
変な噂が立つほどのもの。

実はEMIはステレオのパイロット録音をビーチャム/ロンドン響のドイツ公演に合わせ
マグネトフォンの開発元である独AEG社の社内ホールで行っており
そういう意味からしても、色んな技術的な新規性を盛り込めたはずだが
相手が長尺のマタイ受難曲の最初の全曲録音となると、保守的にならざるをえない。

で、この復刻盤には甘酸っぱい思い出があって
どうにか良い音で鳴ってはくれないものか?と悩んで
ビンテージショップの戸を最初に開けたときの品。
店主もサジを投げて、20cmのフルレンジを格安で分けてくれた。
ラジオな音の求道初日のできごとである。

51 :
とはいえ、カマボコ系の録音で一番面食らったのは
グレン・グールドのゴルドベルク変奏曲(1955)だ。
まず最初に感じるのは、ピアノらしい輝きがほとんどない。
よくジャズ風に解釈されたような話も聞くけど
それほどタッチに切れがあるとも感じられない。
なかなかツボの判りにくい録音&演奏である。

それもそのはず、例の鼻歌をマイクに入れないために
頭上にマイクを吊るして、遠巻きにピアノの弦をねらっている。
ttp://quwa.fc2web.com/glenn-gould-studio-piano.jpg
ピアノの余韻は絶ち切れになり、タッチも曇りがちになる。

最近になって、この録音に足らないものの正体も判ってきて
ひとつは高域における余韻、次に低域のスピードである。
実はこのふたつは、普通に考えると両立しない。
余韻が増えるとタッチは遅れ、タッチをタイトに引き締めると音が痩せる。
自分の場合は、四角四面の部屋の響きをシミュレートしたデジタルリバーブで
鳴き竜と呼ばれる響きを累加して、何となくバランスが取れた。

リズムと響きという単純な要素が、全音域で一度に鳴らないと
グールドベルク変奏曲は生き生きと再生しないようだ。

52 :
最近判ってきたのは、このグールドベルクがちゃんと鳴れば
他のカマボコ族のピアノ録音が、瞬く間に氷解して生き返る。
どうせ1950年より昔の冷凍食品だから、味だってソコソコだろう。。。
ところがその頃にしか獲れなかった食材となれば、話は別である。
ケンプのベートーヴェン、コルトーのショパン、ペルルミシュテールのラヴェル。。。
もっと良い音のする同曲の録音はあるが、独特の味わいは出ない。
例えば、同じ版画でも、少しクリーム掛かったマット紙に刷るのと
ツヤツヤのホワイトに刷るのとでは、色の出方が全く違う。
一聴してレンジの狭いラジオな音も、調整すれば深い味わいが出る。

53 :
ここのところクラシックを中心に「ラジオな音」を取り上げているが
思うにこの手のアーカイブの発掘は欧米のほうが圧倒的に多い。

逆に日本では、記録メディアに高い税金が掛けられ
NHKでも録音・録画を渋ったといわれるくらいで
何とももったいないものである。
自分で持ってるのも、三木鶏郎「日曜娯楽版」
美空ひばり10周年記念番組くらいで
ラジオ、テレビのドラマ主題歌などはシングル盤も出てたので
グレーゾーンに属する。

あと、やっぱり思うのは、ラジオ=貧相な音という誤解が多い。
わざわざ「オリジナル音源に基づく雑音があります」云々の注意書きは
むしろ「昔のままの音をお楽しみください」と言うくらい気を利かしてほしい。
あとは何度も書いてる再生装置の最適化である。
このスピーカーはSP盤の復刻に最適です。。。くらいの落ち着きが欲しい。

54 :
リマスター盤の音の良し悪しの基準は
もちろん今どきの最新スピーカーで聴いても良い、というものだが
ラジオな音のCDも100枚を超すようなコレクションともなると
オーディオ機器のほうから録音に寄り添ったほうが合理的である。

ちなみに私は400枚くらいはあるかもしれない。
むしろモノラルで録音の良いものは100枚あるかどうか。
おそらくモノラルの名録音は全体の15〜20%というのは間違ってないだろう。
さらに演奏内容まで厳選すると、5%以下になるかもしれない。
そして多くのモノラル盤愛好家は、この数%の名盤のために投資する。
残りの80%のアーカイブのためには、方策が示されないまま。
しかし、よく飽きもせず次から次へと売り出されるものだと思う。

55 :
今日の調子の良い鍛冶屋は、ワーグナーのジークフリート。
フルトヴェングラー/ローマ公演だが、金槌の音がカチンとしっかり鳴る。
昨日までやってたグールドベルクでの調整で完全によみがえった。

フルヴェンなので、低音のおどろおどろしさは必須と思ってたが
思い切ってトンコンの低域を-3dB落としてみると
何ともメリハリの良い舞台が浮かび上がってきた。

まるでテレビの実況みたい、何て言うと怒られそうだが
テレビだってFM音声なのでほどほどに良いハズだが
そのツボにうまくハマるまで、やや遠回りしたようだ。

56 :
ワルター/コロンビアフィルのマーラーの1番って、
CBS/SONYレーベルで買うと超良録音盤なんですが
オデッセイ/コロンビアで買ったら
レンジが狭いのに音が前にでてくる
こういうのを目指してるんですか??

57 :
基本的に後者なんだけど、そういう音でしか録れてない演奏があって
1960年代末、つまりFMステレオ放送が世界的に広がる頃から
この手のアーカイブがゴミ同然のように扱われてきた経緯があるんです。
ある意味、オーディオの発展という面から言えば正常なんだけど
元の演奏を主体にみると、進化でも発展でもない。
この手の演奏はただ記録データとして存在しているだけでなく
文字通り再生されて、はじめて意味をもつと思うんです。

例えば、ワルターのマーラーでも
ステレオの1番はエバーグリーンな名盤だが
モノラルの5番はどちらかというとマニア向け。
この敷居が外せれば、全く違う世界がみえてくるわけです。

58 :
英米の録音で1947年問題というのがあって
ワルター マーラー5番
フルトヴェングラー ベト7番
トスカニーニ オテロ
などがそれに当たり、SP盤のフォーマットで録音されたが
翌年のLP発売の時期と重なり、難しい局面にあった名演だ。

面白いのがフルトヴェングラーで
録られたのは磁気テープだったが、SP原盤を作った後に破棄。
これをまたテープに起こして保存する際に、女性の会話が漏れて入った
という曰くつきのもの。

こういう録音は、実際に今のオーディオ機器では音に輝きと張りがない。
原因は、後の録音がホールの残響、機械的なエコーを取り入れてるためで
実際に古い録音にリバーブを掛けると聞きやすくなる。
代りに音の芯というか、モノラルっぽい骨格のいい躍動感というのが減退する。

実際には、クレデンザ、オートグラフなど、残響成分を造り出すような
オーディオ機器が多かったことを考えると、リバーブなどは方便のひとつだろうと思う。
ターラのような新しいリマスターでは、リバーブを加えているものがあり
あえて「エコーの累加なし」という原音主義を謳ったCDも存在する。

59 :
 ___ _
  ヽo,´-'─ 、 ♪
   r, "~~~~"ヽ
   i. ,'ノレノレ!レ〉 ☆ 衆議院と参議院のそれぞれで、改憲議員が3分の2を超えております。☆
 __ '!从.゚ ヮ゚ノル  総務省の、『憲法改正国民投票法』、でググって見てください。
 ゝン〈(つY_i(つ 日本国憲法改正の国民投票を実施しましょう。お願い致します。☆
  `,.く,§_,_,ゝ,
   ~i_ンイノ

60 :
ラジオな音の面白さは、ラジオが持っている実況的なライブ感だと思う。
今はスタジオでライブは少なくなっているけど、昔の録音にはそれが多い。
ラジオがマスメディアで独占的な地位にあった時代だからとも言えるが
録音機材が高価な割にそれほど性能が良くないので
生演奏のほうが手軽だった、という今では嘘のような話が多い。

その今では貴重な生演奏の記録だが
実演ならではの、空気の揺らぎがあって、それだけで心が躍る。
ラジオな音は、音質的には劣るのに、この身体的な揺らぎの信号が
たっぷり含まれている。ややラフスケッチだが、味のある描画という感じ。
描線のうねり、構造の浮き立たせ方、デフォルメ。。。
こうした味わいは、正確をモットーとする写真では難しい。
ラジオな音には、アーチストの琴線に触れる、アナログ的な揺らぎがある。

61 :
ラジオっぽい音というのがある一方で、テレビっぽい音というのもある。
何が違うか?というと
AMモノラル100〜8,000Hzか、FMモノラル80〜12,000Hzか
大型マイクで近接配置か、小型マイク、ショットガンで集音か
という違いがあって、テレビはラジオに比べてさらに辛口な音になる。

見掛けの周波数特性はテレビのほうが優秀なのだが
ライブ会場、スタジオ照明など、色々なノイズ源が多いので
実際には、各マイクのレンジをかなり区切って寄せ集めている。
なので、AM音源の元テープの収録のほうが、揺らぎの成分が多い。
これに倍音が加われば、鬼に金棒なのである。

62 :
アナログ盤にはワウフラッターという揺らぎがあって
ターンテーブルの性能以外にも、溝の偏心、盤の反りなどで生じる。
これが音楽全体にノリを造り出す効果がある。
テープのワウでは、こうしたノリは出ないので
おそらくスピードによる変化ではないと思う。

時折、デジタルリバーブのフランジャーを加えてやると
このワウ感が含まれてきて、音が渦を巻くように溢れてくる。
古い歌謡曲を聴くときなど、何かが足らない、空気が凍っている
と思うとき、フランジャーを薄く掛けると、メリーゴーランドのように
リズムに重力のアップダウンが加わって、場がほぐれるときがある。

考えてみれば、フランジャーもテープデッキの故障から生まれたのだが
それぐらい露骨なワウフラッターでないと、認識できないというのも事実だ。

63 :
昨日聴いていたヨゼフ・ホフマンのショパンP協(1938)は、
高音の出し方が本当にデリケートで
アントン・ルービンシュタインの秘蔵っ子というのに全く気負いがない
まさに天賦の詩人のような感じだった。

こういう音が出るならと、ニキタ・マガロフの1990年録音「舞踏への勧誘」を聴く。
恐ろしいことに、同じ高音の冴えを聞き取れたのでびっくり。
録音品質はアセテート盤からデジタルに変わっても
実はピアノ演奏の技術は変わりない。それどころか音色のパレットは減ってる。

こんなことを書くと、さぞかしローファイな音で聴いているのだろうと思うかもしれないが
Jensen C12R+ツイーターの素の特性は以下のとおり。
ttp://quwa.fc2web.com/wps_clip_image-16718.png
ラジオボイスというフィルターで入り口を少しいじると以下のとおり。
ttp://quwa.fc2web.com/wps_clip_image-2258.png
これは大型蓄音機のトーンと似ていて堂々としたローファイだ。
ttp://quwa.fc2web.com/plan-img036.jpg
50年間の目まぐるしいオーディオの発展とは逆に
演奏の中身を検証する方法が、発展の影で破棄されていると思っていい。

64 :
個人的にJensenのエクステンデッドレンジ・スピーカーを薦めるのは
ラジオな音がミュージック・シーンの主役だった時代の入門機だというのと
現在も安く安定して供給されているのが、一番の理由だ。

入門用らしく、ツイーターを足してグレードアップというのも容易だし
明るく張りのあるミッドローは、ローファイな音源でも生き生きと再生する。

一方で、やんちゃな一面もあって、音の濁り、歪みを嫌う人には薦められない。
むしろ、録音自体が歪みっぽいもの、カマボコ型でレンジの狭いものに
艶と潤いを与えてくれる。リバーブとかが生まれる前に、その役割を果たしたのだ。

現在は、録音側であらかじめ艶や潤いを与えるのがデフォルトで
いわば調味料や防腐剤は最初から入れた状態で売っている。
もちろんリマスターと称して、今風にチンするだけでOKというような録音もあるが
そうでない録音のほうが圧倒的に多いのも事実。
その壁を取り除けるリプロデューサーがJensenのユニットだ。

65 :
ピアノで、ニキタ・マガロフとヨゼフ・ホフマンを並べたが
バッハの無伴奏バイオリンで、シゲティとクイケンという聴き比べも可能だ。
それぞれ、間にホロヴィッツ、シェリングが入ることで補完されるが
録音の発展史のように聴くと、本来の意図が失われるだろう。

例えば、シゲティとシェリングだと、ヨアヒム門下のポリフォニックで構造的な美が
浮彫になるが、クイケンの第一期の録音は、イタリア的な古楽器奏法よりも
作品解釈としての伝統に挑んでいる感じが強い。
このため、基本的にはフランコ・ベルギー派の源流に戻ろうとしていて
バッハがフランス風組曲として考えた無伴奏チェロと同じ血筋として
バイオリン奏法を開示しているのである。

ここで、ドイツ風、つまり形而上の哲学的な論調がどこで形成されたかを
考えるとき、イタリアとフランスの音楽観の論争と同じようなことが
バッハの作品にも投影されていると考えていいだろう。

で、シゲティとクイケンを聴き比べると、その論争の起点と結論が
録音年代的とは逆転して、再解釈されていることが判る。
クイケンを聴くことで、ヨアヒム門下の伝統がさらに理解しやすくなる。
逆に、シゲティを聴くことで、クイケンの構造的な主張が判りやすくなる。
このデジャブな体験が、私なりのオーディオ装置の調整の方向性にある。

66 :
話をJensenの古レンジに戻すと
このタイプのフィックスドエッジ&エクステンデッドレンジのレジェンドは
JBL D130、D123、Altec 600B、WE728などのいわゆるウェスタン系列である。
Jensenはもう2ランクくらい格下のユニットであり
PA用という更に荒っぽい現場での使用になる。

しかしながら、1950年代にはそういう区分けは難しかった。
それどころか、あらゆるところでJensenのユニットがOEM供給され
アメリカンな音楽のサウンドはこれでチューニングされている
と思っても問題ないくらいである。

ところで、アメリカン・サウンドというと、ジャズ、ロック、ブルースを思い浮かべるが
戦後しばらくは世界のレコード市場の中心で、クラシックで言うと
独グラモフォンは米デッカがプレスしていて、そっちの品質のほうが高かったし
墺プライザーは今でもモニターがアルテック604Eである。
日本の歌謡曲の場合も、技術のベースはアメリカ経由である。

つまり、今のようにレンジが広く中域が沈んでいるヨーロピアン・サウンドは
BBCのモニターシリーズが出たずっと後の時代のものであり
それに合わせたリマスター盤が出たのも20世紀末からなので
古いLPで凌ぎを削ってきた人にとっては、アメリカン・サウンドが基礎にある。

とは言っても、Jensenだってデンマーク移民。つまり生粋のヨーロッパ人である。
むしろ商業的な拡大路線のなかに、スウィング・ジャズ、ブルース、ロックがあったわけで
基本的な部分はドイツもイギリスも同じ傾向にある。
戦争で技術史が分離して、再び統一されるまで50年掛かったという感じだろう。
その50年間の録音技術の進展の誤差について、あれこれ考えるわけである。

67 :
アメリカの移民社会のなかで、特異な位置にあるのがニューイングランド地方で
ここでのオーディオ嗜好が、極めてハイ落ちの低音重視。
AR、ボザーク、BOSEなどがそれにあたる。
つまり生粋の白人文化をもつ人々は、カマボコ型が好みなのだ。
そういえば、英パールのSP復刻盤もカマボコ型で、いつも疑問に思ってた。

これよりも低音好きなのがジャマイカ人で、巨大ウーハーが並ばないと
音楽にならないらしい。街頭のPAシステムはサウンドマシーンと呼ばれる。

68 :
なんだこの密なスレは
ラジ音スレと呼ばせてくれ

69 :
ローファイは世界を結ぶ

70 :
今から30年くらい前に山下洋輔のヨーロッパ演奏旅行のエッセイ本がありました
ヨーロッパのラジオは、信じられないくらい音が良いというのです

米と技術体系が球からして異なること
もう1つには、球時代にFM放送が普及してる
上下ランクの差が大きくて
高級ラジオは、日米の電蓄クラスから、簡易クラスは、球の少ないのもあるのです
日米が2A5とか42の出力管をつかっていた頃にヨーロッパは、
米より種類が多くレス球もあるのですが例を挙げるとPEN45とかって、
6BQ5的のような少ない入力で、振れる多極出力管を使っていました
ドライバー3極管が無くても済むので、PEN45DDは、
険波2極管付出力管で4球スーパーがあるようです
http://www.radiomuseum.org/r/murphy_a124a_12.html

日本の管球電蓄でOTLのアンプの物があってようですが、
フィリップスのBX998Aは、マルチアンプで高音EL84 低音PL81のSRPPのOTLです
http://www.radiomuseum.org/r/philips_bi_ampli_bx998a.html

ヨーロッパのラジオは、マニアックです
=>聴いた事も無いですが

71 :
戦前〜戦中は、ラジオの実況ライブのほうが
SP盤よりも音が良かった時代があり
例えば、ドイツのマグネトフォンは連合軍側が実況と間違った
という逸話が残るほどで、逆に考えると、実況のほうが優れていた。

アメリカも1930年代も後半に入ると、Hi-Fiという言葉が登場し
大型ラジオともなると、ダブル・ウーハー+ツイーターという
1950年代とそれほど変わらないスペックでした。
SP盤のスクラッチノイズ除去のためノッチフィルターが付属してた程。

マグネトフォンの話に戻ると、国策としてドイツ傘下の放送局に
設備が行き渡っていたので、ジーメンス〜ツァイスの技術が
ラジオにまで浸透していたと考えるのが妥当ですね。

72 :
AM伝送か、FM伝送か、というと周波数レンジのことを思い浮かべるけど
オンラインでの伝送となれば話は異なってくる。

ラジオ用アーカイブを聴いていると、AM時代は確かにレンジを欲張っていない。
しかし、中域のしっとり感と、中高域のキレの良さが両立している。
これを、実際のラジオの音のようにしようとすると、わざと劣化させなければいけないほど。

もうひとつは、現在のAMラジオは、実装しているフィルターのレンジが狭く
4kHz辺りからロールオフするものがほとんど。
昔は8kHzは当たり前、16kHzも存在した。(フィルター幅はその倍数である)
コリンズ製のフィルターは、キレ味がすごくて、スパッとその周波数で切る。

では、8kHzまでフラットだと、どう聞こえるかというと
少し出過ぎと感じるほどに、意外にうるさく感じる。
実は、一般のステレオでも少し首を振ると、5kHz辺りからロールオフしている。
定位置から逸れるとステレオ定位が崩れやすいのは、このためである。

73 :
スーパーヘテロダインは、感度がよいがビート障害が起きやすいけど
高1検波程度のAMチューナーを作るとそういうのが全く無いです。
選択度も広いので広域もすっきり伸びます
ただ、感度が悪くて2-3mのアンテナが無いと受信できないし
高い方の周波数は、あまり入らない。
TBSとNHKしか入らない

74 :
高1検波チューナー面白そうですね。
ネットで調べて、1950年代にスーパーvs高1論争があったことを知りました。
NHK放送技術研究所まで乗り出して、ブラインドテストしたとのこと。
結果、広帯域化した高1ラジオのほうが優れてるという評価だったようです。
面白いのは、上杉佳郎氏が晩年に、高周波2段増幅の改良版を製作した
というもので、なかなかコアな世界だと思いました。

受信感度の問題は、個人の努力ではどうしようもなく
ウチは市内に中継局のあるニッポン放送しか届きません。

75 :
>>58
自分がLPを買った1970年代にモノラルLPは、店頭に無かったので
わからないのですがLPの初期は、SPの質の録音だったのですか?
ワルター マーラー5番 は、そういう狭い感じの音がします

骨董市でみつけたアンセルメ/スイスロマンド管弦のドビッシーの
曲のLPレコードは、モノラルなのに音が澄み切っていて、時代がちがうのか?
ステレオLPの時代に?モノLPをあえて出していたとしたら、
いつ頃までそういう事をしていましたか?

76 :
公式には1947年までがSP盤、つまりラッカー盤に78rpmダイレクトカットです。
その後1957年までがテープ録音をオリジナルにしたモノラルLP、
1958年以降はステレオLPという順になりますが
ステレオ録音開発元のEMI、RCAでは1955年頃からステレオテープが残っています。
実際には1960年代に新譜で、モノラルLPはおろかSP盤も併売してました。

ポップスのほうは、1960年代中頃までモノラル録音が主流で
1955年頃もまだSP盤が主流でした。
プレスリーのデビュー盤もSP盤です。

クラシックやジャズは長尺の録音のメリットが多かったのですが
そのままHi-Fiオーディオの偏愛の対象として残っていることになります。

77 :
>>76
おかげさまで理解できました。
テープ録音以前のモノLPがあったとは、知りませんでした

そういうテープ録音の初期の時代によい録音がいっぱいあって
あとあと千円盤で売られるようなのは、そういう旧録音の再販
で、古い元盤を聴くと、異なる音質でそういうのがおもしろいです

78 :
そうやって初期プレス盤とかにハマっていく人も多いんだけど。。。
50年以上は文化遺産に近づくので、消費(摩耗)するために蒐集するのは
個人的に気が引けるのです。。。
ちゃんとしたコレクターの出す復刻CDを聴くにつれ、そういう思いが募ります。

79 :
ラジオ局の専属オーケストラというのは、思ったより少ない。
自分としては、NBC交響楽団を一番に思い浮かべるが
創立は1937年ということだ。
NHK交響楽団が1931年、フィンランド放送響が1927年と比べ
思ったより後初なのだが、録音量となれば全く規模が違う。

1937年というと、随分古いようにも思えるけど
このスタート時点で、現在のライブ放送の基本形が出来上がっている。
一番の担い手は、77型リボンマイク、Presto社のアセテート録音機
6L6真空管アンプ、ランシングのアイコニック・モニターなどである。
ttp://www.coutant.org/antler/index.html
ttp://l7.alamy.com/zooms/fff9f1d57cfa49dd9c5c22f2b6b6bf2e/arturo-toscanini-1867-1957-receives-the-applause-at-radio-city-on-cwag2e.jpg
ttp://www.prestohistory.com/Presto2.html
ttp://www.bunkerofdoom.com/xfm/THOR_MISC/THOR1937SAG.pdf
ttp://quwa.fc2web.com/1939cat-1.jpg
この時代は10kHzまで再生できてHi-Fiと呼んでいたが
今でも十分に通用する実力のあったことが判る。

80 :
今日、新宿でワルターが1938年にウィーン・フィルで
でマーラー9番というレコードがみつかりました。
tp://usedrecords.blog.fc2.com/blog-entry-317.html
モノの録音なのですが、
自分は、後に録音されたニューヨークフィルの方が良いはずと思っていたが
こっちの1938年のウィーンフィルの方が
同じモノ録音でもクリアーだったのです
おまけの5番のアダージョがあったのもめっけものでした。
ヨーロッパの方がテープで録音が早く行われた例ということですか?

81 :
1938年のウィーンライブが上出来なら、この手の録音のオーディオ装置としては
かなり良い仕上がりだと思います。まずは、おめでとう、と言いましょう!

1938年のウィーンライブは、EMI傘下の独エレクトローラの録音なので
オリジナルはアセテート盤録音からのSP盤かその原盤だと思います。
同じ時期のヨーロッパでのアセテート録音は、メンゲルベルクのライブなどで聴けますが
それなりに良い録音です。

テープ録音が一定の水準に達したのは1941年に交流バイアスを採用した後で
EMIも1935年にビーチャムのドイツ演奏旅行で
テープでのステレオ録音までテストしましたが、音質はラッカー盤より下でした。
当時のリリースも当然、SP盤のほうです。

マグネトフォンは、テープ録音→SP原盤→テープ復刻という
ややこしい仕組みも存在し、テープの劣化が早いという側面もありました。
EMIのフルヴェン/ベト7は、そういう手順のなかでダビング室の女性の会話が混入
というものもあって、なかなかユニークです。

82 :
かの宇野功芳さんは、スピーカーをワーフェデールで聴いていたが
メンゲルベルクのマーラー4番を「色彩感のない録音で魅力が半減」ということを
言っていたけど、今の時分で聴くと、そうとは思えない。
飴色の木管の響き、絹のような弦の絡まりなど、まさにアールヌーボーの家具に
囲まれた部屋に入ったかのような、アンティークだけど雅な音だ。
おそらくドイツ系のユニットで聴くと、かなり味わいが違ったのではないだろうか。

演奏の癖が相当強いので、なかなかこの辺のニュアンスは伝わりにくいが
けして各楽器の音色が疎かにされているわけではなく
むしろ細部に凝りすぎて、空中分解しないように、リズムの流れを造り出している。
この歌モノを集積したアンサンブルの切り分けは、ワルターの5番にも聴けるもので
NYPの演奏はアッサリしているようで、楽器間の流れが一体感をもって紡がれる。
まだ多重人格的な雰囲気が認められない時代のマーラー像だと判るが
その内声の動きを読み取るのは、それほど難しいことでもない。

83 :
トスカニーニ生誕150周年の記念ボックスCDを購入したけど
録音史の流れとしても興味深いものだった。
1929〜52年まで全てモノラルだが
1929〜39年が初期の電機吹き込み
1941〜47年がHi-Fi移行期
1949〜52年がテープ収録
という具合に、ほぼ3期の録音規格に分かれる。

一番の収穫は、1941〜47年のSP盤ダイレクトカットの時代で
放送用アセテート盤と金属マスターの音の差が歴然としている。
この時期の末期にはオテロ、ボエームなどの定番が目白押しだが
録音手法としても円熟期に入っていたことが判る。

賛否両論なのは、8Hスタジオのエコーを全く抜いた音源を出していることで
個人的には、自分でエコーなりリバーブなり好みで味付けすれば良い
と思っている。1950年代には高域を持ち上げ、エコーを掛けるということをした。
一方で、音響バランスは、低域、高域を+2dB/oct程持ち上げた感じで
少しワイドレンジに見せかけたように思える。

この2点が、自分なりに納得いくかたちで処理できれば
色々と楽しめるボックスセットだと思った。

84 :
録音技術について保守的と思えるトスカニーニだが
アメリカで最初の放送管弦楽団を組織して
ラジオでの高音質な実況放送を行ったことから始め
その時代のRCAの録音技術を柔軟に受け入れている。
この点に関しては、ストコフスキーがパイオニアだが
その数年後に録音システムが熟した頃には採用している。

トスカニーニは、最晩年にアルテックVOTTとウィリアムソン・アンプ
アンペックスのテープレコーダーで試聴したが
8Hスタジオを離れ、カーネギーホールでのセッションに移っている。
むしろ8Hスタジオは、フルオーケストラでも音のクリアネスを強く意識した
新しい発想の録音環境だったことも思える。
この時代は、まだレコード用に小編成オケで録音した時代だったが
トスカニーニのライブ実況以降は、多くの巨匠がフルオケで挑んでいる。

85 :
ちなみに1949年頃からのトスカニーニ自宅のシステムは以下のとおり。
トスカニーニ個人が集めたというより、NBC響のバイオリン奏者だった
デヴィッド・サーサーに依頼して組んでもらったもの。
( ttp://www.audiohistory.com/files/documents/AudioSystemsOfTheRichAndFamous.html)
Tape Library in basement:
RCA 16" Transcription turntable, then
Jerry Minter 16" Transcription turntable
early Westrex disc cutting lathe
Pultec pre amp (custom made for AT)
Musician's Amplifier (Nov. 1949 by David Sarser)
Altec 604 and Olson LC-1A speakers
Main Hall:
Altec Voice of the Theater (furniture finish)

デヴィッド・サーサーに作ってもらったウィリアムソン・アンプは以下のとおり。
ttp://oestex.com/tubes/maestro.html
アルテックのVOTTは、A7の前身にあたる800型を家具調にアレンジしたのだろう。
ttp://www.lansingheritage.org/html/altec/specs/pro-speakers/800.htm
サーサーの業績全般は以下のとおり。
ttp://www.reevesaudio.com/studiothree.html

86 :
デヴィッド・サーサーはコロンビア側のエンジニアで
スタジオではアルテックのプレイバック・システム(商標)を使っていた。
グレン・グールドのセッションでも、プレイバックにアルテック800型が見える。
ttps://www.youtube.com/watch?v=g0MZrnuSGGg
RCAなので、例えばラビリンス・システムを思い浮かべるが
ttp://zozosir.blogspot.jp/2013/12/rca-64-speaker-8.html
実際はコロンビアのようなシステムを導入した。

初期型のRCA LC-1Aが持ち込まれているが
RCAとしては、自社のシステムへのこだわりと
トーキー時代からの技術競争の名残も感じられる。

87 :
トスカニーニの録音でどうしても比較してしまうのが
モノラル時代のハイフェッツやモントゥーの録音との格差である。
豪華賢覧なビクターのHi-Fiサウンドがほとんど生かされていない。
逆に、イコライザーをいじり過ぎてギスギスしたサウンドのイメージもあり
LP時代のトスカニーニのイメージを牽引してきた。

一方で、アメリカで牽引していたのはラジオでの実況ライブ放送である。
高級電蓄で試聴できたのは一握りと思われるが
残響をなくしてクリアネスを増した8Hスタジオの音が電波に流れた。
この手法が取られたのが1949年までで
例えば、1947年にカーネギーホールで録られた「悲愴」などは
木管のバランスが奥まるなど、マイク位置がまだ完璧ではない。
逆に1949年の8Hスタジオでの「ライン」は、硬さが抜けない。
その2週間後のカーネギーホールでの「ダフニスとクロエ」は完璧である。
LPへの移行期での試行錯誤はこれで落ち着いたはずであった。

88 :
>>81
ありがとうございます。
ワルターのマーラーの9番の2枚組は、
うちのMONO盤では、良い方の物らしく
ワルター/ウィーンフィルのMONO盤で
モーツアルトの「レクイエム」とマーラーの「大地の歌」
があったのを思い出してかけてみましたが
そんなによくありません。
1つ良いのがみつかるとほかのアラがみえるのは、
難しいですね。

89 :
声楽は癖が判りやすいのと、SP時代はオケとのバランスが難しく
コンサートホールで聴くようには再生できません。
かわりにラジオ・ドラマのように聴くと、そういうもんだという感じになります。
有名な指揮者の云々というより、劇判の付いた歌物語という感じで
ワーグナーの楽劇でさえ歌手が中心という感覚です。

オケとのバランスには、新即物主義の恩恵も絡んでいて
例えば、フリッツ・ブッシュの指揮したモーツァルトのオペラは
歌とオケが全体でアンサンブルとして進行しているのに対し
ビーチャムの指揮では、歌手が大見得を切っていて、歌手本意です。
トスカニーニとセラフィンも、その違いを感じ取ることができるでしょう。
さらにメトロポリタン歌劇場の職人指揮者ともなると
指揮者の名前はそれ以外では全く聞かないような人たちで
歌手のほうが名声もギャラも高いことは一目瞭然です。

90 :
モノラル時代に録音機会が不遇だったのがホロヴィッツで
自分ではライブをアセテート盤でこまめに記録していたのだが
1947年問題もあり、ほとんどがお蔵入りとなった。
当時は、ミスタッチに関する考え方も厳しく
レコードが後世まで永遠に残る記録として考えられ
小さなミスタッチがお蔵入りの理由ともなったようだ。
ヒストリック・リターンでも、修正箇所が話題になった。

話をトスカニーニに戻すと
SP録音はクレデンザ(これもアメリカ製)での再生に適した音
放送用録音はAM放送でも負けないドライでメリハリの強い音
そこからHi-Fiのモノラル・システムに移行する際のドタバタが
1947〜49年に現れている。
1941年のフィラデルフィア管のほうがサウンドが落ち着いている。

91 :
トスカニーニの150周年ボックスCDの選曲をみると
いわゆる超名盤は外されている。
メンデルスゾーンのイタリア、ベト7の新盤、ロッシーニ序曲集
レスピーギのローマ三部作、展覧会の絵、ヴェルディのレクイエムなど
これらは既にXRCDで発売されており、リマスターは行き届いている。
一方で、これらの録音は、最晩年の録音に限定されているのが実情だ。

150周年ボックスは、いずれもそれより前の時代をクローズアップして
功成り名遂げたはずの60歳以降のマエストロの戦歴を鳥瞰させてくれる。
戦歴と言ったのは、60〜80歳にかけての芸術への向上心がことのほか強いのだ。

その中で目玉なのが、ヴェルディ「オテロ」「フォルスタッフ」
プッチーニ「ボエーム」のリマスター盤で
「オテロ」と「ボエーム」は、全く残響なしのバージョン。
「フォルスタッフ」はマイク位置を少し引いて響きを取り入れてる。

この残響なしバージョンには、1948年のLP発売に絡んだ紆余曲折があって
もともとSP盤でのリリースで企画され、ラッカー盤のダイレクトカットで収録されたが
いざプレスしようとする段階で、LP発売となって一端ストップが掛かった。
特にオテロは、録音当初は輝かしい芯のあるSP盤らしい美質に溢れていたが
リリース段階でテープにダビングするとき、エコーを付加して全く別物になったとのこと。
その反証として、英GuildからLPと併売されたSP盤復刻CDが出ている。
ttp://www.hmv.co.jp/artist_%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%87%E3%82%A3%EF%BC%881813-1901%EF%BC%89_000000000018199/item_Otello-Toscanini-Nbc-so-Vinay-Nelli-Valdengo-Etc-1947-reheasal_1847707
今回は、こうした反証をもとに出された最新リマスターなのである。

逆に、ここで「音の詰まったような放送録音」といわれた「ボエーム」も
「オテロ」とほぼ同質の音質に収まっている。RCA陣営も一矢報いたと言うべきか。
この2つのオペラだけでも、5,000円の価値は十分にあるというもの。

92 :
よくトスカニーニの演奏をギリシア彫刻に喩えるが
硬質なのにカンタービレの効いた感覚は、まさに磨き込んだ肌合いがある。
晩年のブラームス第二がそうで、造形美をそのまま表出している。

対極にあると言われるフルトヴェングラーが情念的、形而上的と言われるが
どちらかというとホール全体を空間的に鳴らすという建築的なニュアンスがあって
ドカーンとくるのに躍動的に感じるのは、やはり造詣的な持ち味があってのこと。

両者のシンフォニーの在り方の根底に、音響の造詣というキーワードがあるなら
その再生がどうあるべきか? 色々と考えさせられるわけである。

93 :
オーディオ・システムで造詣というと
周波数レンジ、音響出力、S/N比、歪み率のような数値化があって
電子工学という背景から説明しようとする。
それは製造側が大量の製品を安定供給するための考え方で
ユーザーとの間で取り交わされた性能保証のようなものだ。

録音のテクニックというのもあって、モノラル時代からマルチマイクはあったし
ステレオ録音になってエフェクターを多用するようになった。
デッカのウィーンフィルやマントヴァーニの音は、本物よりも美しいと言われ
今でもウィーンのムジークRインだから音が違うのだと思われてる。

トスカニーニの音楽の造形は、明らかにラジオ、レコードという
新しいメディアのために切磋琢磨されたもののような気がする。
楽器の質感とかホールの響きとか、そういう要素が無くても
骨格がしっかりしていて、筋肉の動きがわかる、という類の造形だ。
よくカラヤンが発展形だと言われるが、骨格の良さは同じだが
楽器の質感へのこだわりは、新しいHi-Fiオーディオへの追従である。

フルトヴェングラーのほうも、あまり各楽器の質感は気にならない。
それよりも何もかも呑み込んでしまうカオスのような
ホール全体の響きのコントロールが巧みなのだ。
こうした収録方法は、現在ではほとんど顧みられないが
それはスコアを見通すような演奏方法が主流だからだろう。
かわりにステレオ装置という幅の間で展開する録音しかなくなってしまった。
これはシンフォニーという製品規格に収まっていることに他ならない。

94 :
フルトヴェングラーの晩年の指揮棒がプルプル震える件について
コリオラン序曲のジャ〜〜〜〜〜ジャン!の「ジャン」のタイミングを
ティンパニー奏者に問うたところ
ウィーン・フィル:我慢できなくなったところで打つ
ベルリン・フィル:何回目かをあらかじめ決めておく

面白いことにベルリン・フィルの方法でも、日によってプルプルの波長が違うので
なんとなくそれらしくなるらしい。

ウィーン・フィルの場合は、リハに時間を掛けない指揮者も何人かいて
クナッパーツブッシュはともかく、クレンペラーのような人でも
一見放任主義ともとれる方法でライブにのぞむことがあったらしい。
ウィーン・フィルという楽器をあまりいじることをしないで
自然な状態で鳴らすということから、音楽がはじまっている。

95 :
そのウィーン・フィルの音だが、各レコード会社で大分違う。
デッカかグラモフォンかの議論は、高価なステレオを持っていない人でも話題になり
これにEMI、フィリップスを加えると、そのどれもが違う。

最近では、テクニクスが映像も含めたパートナーシップを取っているので
サラウンド技術などを含めると、このことの議論は尽きない。
ウィーン・フィルの楽器のメンテナンスも、現在はヤマハが行っているので
日本人ほどウィーン・フィルを愛している国民もそれほどないであろう。
それもこれも過去のレコードのお陰なのだが、どうも話が噛み合わない。
いったいどのレーベルの音をイメージしているのだろうか?

これにオーディオ装置の癖まで勘定すると、際限のないものになる。
タンノイなのか、ハーベスなのか、それだけでも議論を呼ぶし
一時期グラモフォンがモニターに使ってたJBLまで加われば混乱間違いなし。
アンプも古株なら、クォードかマランツか、というところだが
アキュフェーズ、ラックスマンでも全体のトーンはかなり変わるだろう。

そうなると、音楽を骨格で聴くことが必要になるのである。

96 :
ラジオの音でびっくりしたのは、
SONYのラジオでデジタル目覚ましクロックラジオで
まあ。FM放送をとても小さいスピーカーで聴いて鮮鋭なのに驚いたのです
https://www.youtube.com/watch?v=wC5BT39D-nA

97 :
https://www.youtube.com/watch?v=7KmNC58Jl-8
こっちの方が音が入ってる

98 :
あの頃は、AMしか聴いていなかったのと
トランジスターラジオは、トランスが2個くらいで
高音がすぱっと切れた音だったが、こちらは、10cmもないSPで
鮮明な音がするラジオだった

99 :
ICF-801の音質はRadiko.jpを遥かに凌駕する。
※受信状態が良ければの話だが…。

最近のカーラジオはDSP回路を組み込んだモデルも増えた。
※カーラジオは移動しながらラジオを聞くため、受信感度が高いものが多い。

車がトンネルに入るとラジオは聞こえない(当たり前田のクラッカー)。

100 :
こんなスレあったんだ。
自分、ドイツの60年代ラジオスピーカー好きでいつくか使ってる(モノラル、ステレオ両方)けど、
なんか高尚な難しい話ばかりで付いていくのが大変。
勉強するよ。


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1977年4月2日〜1978年4月1日生まれ☆73
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