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最強の作家 平野啓一郎
- 1 :2016/11/27 〜 最終レス :2020/06/23
- 語って下さい。
- 2 :
- バカ本
- 3 :
- 文壇のジミー大西
- 4 :
- 戯曲書いたみたいだけどだれか読んだ人感想よろしく
- 5 :
- びろびろーん
マンビラびらーん
- 6 :
- 文士劇の写真がかっこよかった。
- 7 :
- ミミ ヽヽヽヽリリノノノノ
ミ ,,、,、,、,、,、,、,、、 彡
l i''" i彡
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l ノ( 、_, )ヽ |
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. . . l * ヽ. ,./ /: . . : . .
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. . : . ,. へ、 /. . `、 l : ./ / . :. : .
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,. '´.: .: . : . :./ ー- ハ」_{ l^ン′. : .
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,. '´ .: . :. : . .: . :. :. / /: .: . :. : . :. . .:
- 8 :
- かっこいいねえ
- 9 :
- 痩せても着飾っても豚
- 10 :
- ___ _
ヽo,´-'─ 、 ♪
r, "~~~~"ヽ
i. ,'ノレノレ!レ〉 ☆ 衆議院と参議院のそれぞれで、改憲議員が3分の2を超えております。☆
__ '!从.゚ ヮ゚ノル 総務省の、『憲法改正国民投票法』、でググって見てください。
ゝン〈(つY_i(つ 日本国憲法改正の国民投票を実施しましょう。お願い致します。☆
`,.く,§_,_,ゝ,
~i_ンイノ
- 11 :
- この世で最も頭良いゴリラ
- 12 :
- 頭のいい中学生
- 13 :
- イエーイ
- 14 :
- 荒木優太
平野啓一郎『ドーン』読了。うん、面白いんじゃないか。
平野文学の伝家の宝刀こと、読んでるとこっちが恥ずかしくなるセリフ(んなこと言わねーだろ?)のオンパレードも、
元が英語で話してんだよなと思って読んでいると、そこまで違和感ない。考えたな!
背景にアメリカ大統領選があるから現在と妙なシンクロがあって(単行本2009、文庫2012)、今読んでみてもいいのではないか。
…只その場合、キッチンズの頭痛い感にそのままトランプが重なるように見えるから、皮肉な読後感は否めないかも。
あと、どうでもいいけど武田将明って解説上手いな。
あ、そうそう、近未来故、テクノロジー描写が色々誤魔化されている気もするが、
一番納得いかなかったのは現実の二次創作であるネット上の「ウィキ小説」を大衆の多くが読み書きしてるって設定な。
いや、そこはコラージュ画像とかミニ漫画だろ、近未来人リテラシー高すぎだろ(笑)。
「ウィキ小説」の設定は、平野さんの隠れた(?)文学信仰を曝け出しているように思う。
それはそれでいいのだが、飯田一史『ウェブ小説の衝撃』に従えば、
レスポンスのマメな読者コミュニティに囲まれると小説はある種の定型に収斂していくわけで、そういうの興味あんのかな?とか。
2017年1月30日
- 15 :
- 高野雲の快楽ジャズ通信〜What Is This Thing Called Jazz?
第45回「エレクトリック・マイルス」(ゲスト:平野啓一郎)8/9,13,15放送
https://www.youtube.com/watch?v=vZd-jPM43Yk
- 16 :
- >>14
最初に面白いと言ってるわりに、ほとんどけなしてない?
- 17 :
- 平野啓一郎
【再掲】ジャズで言うと、60年代のマイルス・デイヴィスは、文化多元主義的(ジャズでもクラシックでも何でも融合)、
80年代のウィントン・マルサリスは、多文化主義的(ジャズはジャズ、クラシックはクラシック)。
2017年2月1日
- 18 :
- 平野 啓一郎(1975年6月22日 - )
初期3部作(ロマンティック3部作)
@『日蝕』(新潮社、1998年)(新潮文庫)
A『一月物語』(新潮社、1999年)(新潮文庫、2002年)
B『葬送 第一部』(新潮社、2002年)(新潮文庫、2005年)
『葬送 第二部』(新潮社、2002年)(新潮文庫、2005年)
第2期
C『高瀬川』(講談社、2003年)(講談社文庫、2006年、ISBN 9784062755399)
D『滴り落ちる時計たちの波紋』(文藝春秋、2004年)(文春文庫、2007年、ISBN 9784167717322)
E『顔のない裸体たち』(新潮社、2006年)
F『あなたが、いなかった、あなた』(新潮社、2007年)
第3期(分人主義)
G『決壊』(新潮社、2008年)
H『ドーン』(講談社、2009年、ISBN 9784062155106)(講談社文庫、2012年)
I『かたちだけの愛』(中央公論新社、2010年、ISBN 9784120041761)
J『空白を満たしなさい』(講談社、2012年)(講談社文庫、2015年)
第4期
K『透明な迷宮』(新潮社、2014年)
L『マチネの終わりに』(毎日新聞出版、2016年)
- 19 :
- なんか持ち上げられてるけど微妙なんでしょ?
- 20 :
- ナルシストなゴリラって感じ
- 21 :
- この人ゴリラみたいだから殴りあい強そう
- 22 :
- 従軍慰安婦について述べておきます。まず、彼女達はただの売春婦だという事です。
まず忘れて成らないのは朝鮮は「日韓併合後は日本だった」と言う事で考えないといけません。
つまり、帝国陸軍軍人に成る事以外選挙権を含め全て法律的には日本人として扱われていました。
勿論その当時は選挙権は一定以上の税金を納めている男と言う条件がありましたがこれは日本人全部に言えることです。
本題として、日本軍は世界一性に潔癖な軍隊と言われていました。軍規には「他国において婦女子に強姦をしたる者はこれを銃殺に処す」と成っています。世界一キツイ軍規なのです。
アメリカ軍は、現地調達主義です。日本占領下でも数万人の混血児を生みました。ベトナム戦争では、最大60万人の米軍が駐留しましたが、5万人以上の混血児が生まれました。
これに対して日本軍は4年間の大戦中600万人が海外に行きましたが、混血児は軍が結婚を認めたフィリピンとインドネシアに200人が生まれているだけです。
そして日本軍は「自前調達=他国に迷惑はかけない主義」でしたので、「御用商人」として売春宿も付いて行きました。これが「従軍慰安婦」です。
そして、これらを利用したい男は高額なお金を払っていました。ただの売春宿なのです。
そして、この問題が外国勢力に動かされている日本のマスコミが無理に作り出したと言われているのが嘘が一杯あることです。
調べれば分かる事ですが「従軍慰安婦の50%以上が東北出身者です」それと外地に近かったため朝鮮出身者もいましたが「彼女達を斡旋した斡旋会社の社長は全て朝鮮人でした」
従軍慰安婦問題をねつ造(元SF小説だった)した朝日の植村記者は昔に韓国人の女と結婚してるけれど、当時韓国人と結婚してるなんて
きっと韓国人教祖の文鮮明の統一教会員だったのではないかな?血は日本人だけれど心は韓国人で
「韓国の為に尽くすのが使命・運命・神のおぼしめしだと洗脳されてるからね。
- 23 :
- テロ等準備罪を新設する組織犯罪処罰法の改正案は「国際組織犯罪防止条約」(TOC条約・パレルモ条約)批准のために必要不可欠な国内担保法である。
すでに国連加盟国の96%に当たる187カ国・地域が条約を締結している。北朝鮮ですら批准している。
アジアおよび世界で主導的立場にあり、世界第3の経済大国でもある日本は、この条約を批准する責任がある。
今回のテロ等準備罪では、あの当時の民主党修正案がほぼそのまま認められている。
それでも今の民進党議員は、戦前の治安維持法を引き合いに出し、「普通の人々が監視され、次々と引っ張られた。同じことを繰り返してはならない」などと極論を語る。
的外れで無責任だ。
テロは一件でも起きれば大変なことになる。日本ではこれまで、共謀罪という言葉そのものに対し、メディアや国民が強いアレルギーを示す雰囲気があった。
世界広しといえども、共謀罪という言葉そのものにネガティブな反応を示す国は珍しい。一日も早く法整備を進めるべきである。
http://www.sankei.com/affairs/news/170504/afr1705040012-n1.html
- 24 :
- >>6
あんなダサいのまだやってるのか
- 25 :
- 【ひろき】上田泰己8【カッシーナ】 [無断転載禁止]©2ch.sc・
http://rio2016.2ch.sc/test/read.cgi/life/1465825471/
817 名前:名無しゲノムのクローンさん :2017/05/22(月) 23:45:30.78 ID:8/RLXOTfd
中国人の東大女子大生が自殺した時に、元彼上田と新彼Bの三角関係が原因と聞いた。
家族が自殺偽造疑って後日週刊誌に記事が出ていたことがあった。
かなり前の週刊誌だったから覚えてる人いないよな。
週刊文春2007年6/9号 162ページから165ページ 全文
「美人東大院生怪死」 才色兼備の東大院生が何故自殺したのか
両親が涙の訴え「娘は殺された!」
警察は「自殺」と断定。疑問を抱いた両親が調べた「遺体の謎」「パソコンの秘密」
https://rio2016.2ch.sc/test/read.cgi/life/1495932396/31-47
- 26 :
- 【ひろき】上田泰己8【カッシーナ】 [無断転載禁止]©2ch.sc・
http://rio2016.2ch.sc/test/read.cgi/life/1465825471/
817 名前:名無しゲノムのクローンさん :2017/05/22(月) 23:45:30.78 ID:8/RLXOTfd
中国人の東大女子大生が自殺した時に、元彼上田と新彼Bの三角関係が原因と聞いた。
家族が自殺偽造疑って後日週刊誌に記事が出ていたことがあった。
かなり前の週刊誌だったから覚えてる人いないよな。
週刊文春2007年6/9号 162ページから165ページ 全文
「美人東大院生怪死」 才色兼備の東大院生が何故自殺したのか
両親が涙の訴え「娘は殺された!」
警察は「自殺」と断定。疑問を抱いた両親が調べた「遺体の謎」「パソコンの秘密」
https://rio2016.2ch.sc/test/read.cgi/life/1495932396/31-47
- 27 :
- ゴリラと梶井基次郎の間を繋ぐ細い糸
それが平野啓一郎なのだ
- 28 :
- 大爆笑
- 29 :
- Hiroki R. Ueda @hiroking1975
平野啓一郎さんの新書 「自由のこれから」をご献本いただきました。私も生命科学の立場から、少し対談させていまただきました。
- 30 :
- 【カッシーナ速報】理化学研究所からの開示文書が届きました
https://www.nantoka.com/~kei/diary/?20140530S1
平成23年02月25日入札公告「幹細胞研究開発棟2階交流スペース・ディスカッションルーム2用什器」
リンク先3、4ページ目
物品購入要求
起案年月日 2011年1月14日
依頼要求元 計算生命科学センター設立準備室 合成生物学研究グループ
納入場所 所在地 神戸 建物 幹細胞研究開発棟
使用者 上田 泰己
件名 幹細胞研究開発棟2階交流スペース及び居室用什器
業者 2100417 (株) カッシーナ・イクスシー
合計金額 4,872,000
- 31 :
- たとえば自分の妻のことを嬉しそうに「嫁」と言った瞬間、わたしのなかでその男性作家の知性は最低ランク、
さらに枠外に落ちて、金輪際、まともに話を聞く気も失せる(もちろん「嫁」という言葉に違和感を示す男性もたくさんいて、心強い)。
嫁ってなんだよ、偉そうに。夫のことを指す「主人」も、妻のことを指す「嫁」も、差別用語として広く認識されればいいとわたしは真剣に思っている。
川上未映子
- 32 :
- 消去 R 消去
- 33 :
- sage 消去 宇都宮順 消去
- 34 :
- 消去 気持ち悪い 消去
- 35 :
- sage 消去 風俗行ってた 消去
- 36 :
- 平野啓一郎
@hiranok
若者に現政権支持が多いのは、就職状況が良いから、というのが理由の一つとされるが、失業率の低下は少子高齢化と非正規雇用の増大の結果であり、就職してもブラックに扱き使われる現状をこそ憂うべき。
http://npx.me/RjLK/tpDq
午後9:53 2017年10月15日
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
正規雇用と非正規雇用労働者の推移
正規雇用
2008 3410万 (-39)
2009 3395万 (-15)
2010 3374万 (-21)
2011 3355万 (-19)
2012 3345万 (-10)
2013 3302万 (-43)
2014 3288万 (-14)
2015 3317万 (+29)
2016 3367万 (+50)
2017 3423万 (+56)
非正規雇用
2008 1765万 (+30)
2009 1727万 (-38)
2010 1763万 (+36)
2011 1812万 (+49)
2012 1816万 (+4)
2013 1910万 (+94)
2014 1967万 (+57)
2015 1986万 (+19)
2016 2023万 (+37)
2017 2036万 (+13)
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/0000120286.pdf
- 37 :
- sage 消去 平和 消去 消去 自殺している 消去
- 38 :
- sage 消去 綿矢りさに似てる 消去
- 39 :
- 西村京太郎「七人の証人」
- 40 :
- 何をもって、最強なの?バカなの?
- 41 :
- 平野啓一郎氏が苦言「暴走する嫌韓ムードを諫めるくらいのことをしたらどうか」リプライは大荒れに
8/22(木) 18:19配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190822-00000158-sph-soci
- 42 :
- 思い出の味 ? 平野啓一郎
第22回
「ウェルダンのタコ焼き」
https://www.shosetsu-maru.com/node/1404
- 43 :
- 平野啓一郎さん、孤独だった中学時代 「援軍」との出会い
https://withnews.jp/article/f0190807000qq000000000000000W07n10101qq000019555A
- 44 :
- 小説連動音楽アルバム『マチネの終わりに and more』(9/18発売)楽曲試聴第1弾スタート!
https://columbia.jp/artist-info/fukuda/info/67332.html
- 45 :
- 【#平野啓一郎 イベントのお知らせ】 11月2日14:00より 岐阜の長良川国際会議場にて、『 #マチネの終わりに 』について平野啓一郎が語ります。ご予約受付を開始しております。奇遇にも、11月2日は映画公開の翌日ですね!岐阜のみなさま、ぜひお越しくださいませ。
- 46 :
- 近未来の人間 心や死生観に変化はあるか 平野啓一郎さんに聞く小説「本心」
2019/9/6 6:30 (2019/9/6 12:27 更新)
西日本新聞
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/539908/
- 47 :
- 平野啓一郎
@hiranok
僕は韓国に友人も多く、翻訳で僕の本を読み、共感してくれている読者もいる。だから、昨今の「嫌韓」に沸き上がってる日本の現状には、腹も立つけど、深く傷ついてもいる。朝から晩まで。気がヘンになりそうだよ。
- 48 :
- 平野啓一郎
@hiranok
のび太くんの母親が「嫌韓」ワイドショーにのめり込み、お父さんが『週刊ポスト』の「嫌韓」特集を嬉々として読んで、のび太くんに「韓国となんか付き合う必要ないぞ」と教えてる姿を想像すべきだね。悪夢だよ。
https://www.kanaloco.jp/article/entry-193368.html
- 49 :
- 平野啓一郎
@hiranok
のび太くんの母親が「嫌韓」ワイドショーにのめり込み、お父さんが『週刊ポスト』の「嫌韓」特集を嬉々として読んで、のび太くんに「韓国となんか付き合う必要ないぞ」と教えてる姿を想像すべきだね。悪夢だよ。
https://www.kanaloco.jp/article/entry-193368.html
- 50 :
- https://scontent-nrt1-1.cdninstagram.com/vp/4331fd162f6b5a358d88851e4872fca1/5E1091EF/t51.2885-15/e35/69328405_2387263714933642_5185483900562205541_n.jpg?_nc_ht=scontent-nrt1-1.cdninstagram.com&_nc_cat=110
- 51 :
- https://scontent-nrt1-1.cdninstagram.com/vp/e822a7bc294b96f194804bcf19389d87/5E049BCF/t51.2885-15/e35/69808149_191227965206875_6498965179370391043_n.jpg?_nc_ht=scontent-nrt1-1.cdninstagram.com&_nc_cat=107
- 52 :
- https://pbs.twimg.com/media/EDsguTyUYAAq4Yr.jpg
- 53 :
- https://pbs.twimg.com/media/EDQ6T6AX4AAupvI.jpg
- 54 :
- https://www.instagram.com/p/B13lHuggrOu/media?size=l
- 55 :
- https://www.instagram.com/p/B10fM3LgA27/media?size=l
- 56 :
- https://www.instagram.com/p/B1z5CPFgVQY/media?size=l
- 57 :
- https://www.instagram.com/p/B1vlGuJAwu7/media?size=l
- 58 :
- https://www.instagram.com/p/B1uoeX0gUfE/media?size=l
- 59 :
- https://www.instagram.com/p/B1qtdSsg08Y/media?size=l
- 60 :
- https://www.instagram.com/p/B1qtdPtAd98/media?size=l
- 61 :
- https://www.instagram.com/p/B1lauMngl8A/media?size=l
- 62 :
- https://www.instagram.com/p/B1c4zQjgkVd/media?size=l
- 63 :
- https://www.instagram.com/p/B1WAQUNAZW4/media?size=l
- 64 :
- https://www.instagram.com/p/B1V_qZ9gj4i/media?size=l
- 65 :
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- 62
- 71 :
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- 72 :
- 64
- 73 :
- 平野啓一郎
@hiranok
日本の少子高齢化の未来予測を見ていると、かなり悲観的な気持ちになるが、それに自然災害が加わると、一体どうなるのか? 巨大地震だけでなく、温暖化で、今後ますます台風や豪雨の被害が酷くなると考えると、気が重い。なぜ五輪に金を使えるのか、理解できない。
- 74 :
- 平野啓一郎作品 公式(『本心』新聞連載中/『マチネの終わりに』『ある男』)
@matinee0409
【『#マチネの終わりに』累計50万部突破!】 『マチネの終わりに』 重版です!大変光栄なことに、6月の文庫版発売から毎月重版を重ねています。読んでくださったみなさま、ありがとうございます。次作の #ある男 や、恋愛繋がりで #かたちだけの愛 も併せて、ぜひ!
- 75 :
- 平野啓一郎
@hiranok
社会的に高い地位にあっても、@何で評価されてるのか、実体がよくわからない A話を聞いても大したことを言わない、という人には、近づかない方が身のためでしょう。
- 76 :
- 一度しか見られないものは、貴重だ。
月並みだが、この意見には、大方の人が同意するだろう。
とすると、時間と不可分に生きている人間は、その存在がそのまま、貴重だと言える。なぜなら、生きている限り、人は変化し続け、今のこの瞬間の僕は、次の瞬間にはもう、存在していないのだから。
実際には、たったこれだけのことを言う間にも、僕は同じでない。細胞レヴェルでも、分子レヴェルでも、それは明白だ。
もっと単純に、僕が今、死にかけていると想像したなら? これだけのことを言う間に、刻々と病状が悪化し、結局、僕は終わりまで言い果(おお)せることなく、最後の究極の変化を――つまり死を――迎えてしまうのかもしれない。
たった一行の文章の中でも、人間は変化しながら生きている。
こうした考えに、果たして人は、踏み止(とど)まれるのかどうか。――
今日、玄関先で見送った幼い子供の姿は、もう二度と見られない。学校から戻ってきた息子は、朝と似た、しかし、微(かす)かに違った存在なのだから。
僕たちは、その違いが随分と蓄積されたあとで、ようやく感づくのが常だ。
本一ページ分のインクの量を、僕たちは決して感じ取ることが出来ない。
しかし、一万冊の本のインクなら、身を以(もっ)て実感するだろう。
変化の重みには、それと似たところがある。勿論(もちろん)、目を凝らせば、その微々たるインクが、各ページに描き出しているものこそは、刻々たる変化だ。
人間だけではない。生き物も風景も、一瞬ごとに貴重なものを失っては、また、入れ違いに貴重なものになってゆく。
愛は、今日のその、既に違ってしまっている存在を、昨日のそれと同一視して持続する。鈍感さの故に? 誤解の故に? それとも、強さの故に?
時にはそれが、似ても似つかない外観になろうとも、中身になろうとも、或(ある)いは、その存在自体が失われようとも。――
「本心」プロローグ
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/541086/
- 77 :
- それとも、今日の愛もまた、昨日とは同じでなく、明日にはもう失われてしまっているのだろうか?
だからこそ、尊いのだと、あなたは言うだろうか。
第一章 再生
「――母を作ってほしいんです。」
担当者と向き合って座ると、たった数秒の沈黙に耐えられず、僕の方から、そう口を開いた。
もっと他に言いようがあったのかもしれない。当の僕自身が、言った先から、その不可能な単語の組み合わせに恥じ入り、意気沮喪(いきそそう)したのだから。
メールで既に、希望は伝えてあったので、確認程度のつもりだった。しかし僕は、途中で涙ぐんでしまった。たったそれだけのことさえ、言い果(おお)せることが出来ずに。
なぜかはわからない。母を亡くして、半年間堪(こら)えていた寂しさが、溢(あふ)れ出してしまったのだろうが、その挙(あ)げ句がこれかと、惨めな気持ちがないわけでもなかった。
それに、単純に、おかしかったのだとも思う。――おかしくて泣いて悪い理由があるだろうか?
僕は丁度(ちょうど)、二十九歳になったところだった。
僕と母は、どちらかがRば、残された方は一人になるという、二人だけの家族だった。
もう母は存在しない。その一事を考えれば考えるほど、僕は、この世界そのものの変質に当惑した。
簡単なことが、色々とわからなくなった。例えば、なぜ法律を守らなければならないのか、とか。……
用心していても、孤独は日々、からだの方々に空いた隙間から、冷たく浸透してきた。僕は慌てて、誰にも覚(さと)られないように、その孔(あな)を手で塞(ふさ)いだ。
僕たちを知る人は多くはなかったが、誰からも仲の良い親子だと見られていたし、僕は母親思いの、心の優しい青年だという評判だった。
「本心」第2回プロローグ
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/541764/
- 78 :
- 話を簡単にしてしまえば、母の死後、僕がすぐに、VF(ヴァーチャル・フィギュア)を作るという考えに縋(すが)ったように見えるだろうが、実際には、少なくとも半年間、新しい生活に適応しようとする、僕なりの努力の時間があった。
【関連】平野啓一郎 「本心」 連載第4回 第一章 再生
それは、知ってほしいことの一つである。
僕は、六月一日生まれで、それが、「朔也(さくや)」という名の由来になっている。「一日」を、古い言葉で「朔(ついたち)」ということを、僕は母から何度となく聞いていた。
母に祝われることのない初めての誕生日から数日を経て、僕は不意に胸に手を当て、言いしれぬ不安に襲われた。
自分では、その都度うまく蓋(ふた)をしたつもりだったからだの隅々の孔(あな)が、結局、開(ひら)いたままで、僕の内側に孤独のための斑(まだら)な空虚を
作り出していた。僕は、外からの侵入者を警戒するあまり、僕自身が零(こぼ)れ落ち続けていたことにさえ、気づいていなかったのだった。
体が軽くなる、というのは、大抵は何か快さの表現だが、僕はその腐木(ふぼく)のような脆(もろ)い感触に、これはいけない、と初めて自覚し、その解決策を考えた。
それが、僕が今、渋谷の高層ビルの中にいる理由だった。
担当者は、野崎(のざき)という名の、僕よりも恐らく、一回り年上らしい女性だった。白いブラウスを着ていて、髪を短く切っている。メイクの仕方から、外国生活が長いのではないか、という感じがした。
ここに来る客では、泣き出すことも珍しくはないのか、彼女は、理解に富んだ表情を見せ、僕が落ち着くのを待った。一重まぶたの小さな目が、よくわかりますよ、
という風にこちらを見ていたが、観察されている感じもした。誇張でなく、僕は一瞬、彼女が受付用のロボットであることを疑った。
ネットで済むはずの手続きを、わざわざ対面で行うのが、この会社の“人間味溢(あふ)れる”特徴で、彼女はつまりは、そういう仕事に恵まれる人物のはずだった。
「お母様のVFを製作してほしい、というご依頼ですね。」
「はい。」
「本心」 連載第3回 第一章 再生
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/541766/
- 79 :
- 平野啓一郎
@hiranok
ツイッターのフォロワーが10万人を超えました。「純文学」の小説家的には、5万人くらい、フォローしてくれる人がいたら心強いだろうなぁと思って始めたのですが、ありがたいことです。
- 80 :
- 「VF(ヴァーチャル・フィギュア)については、おおよそ、ご存じですか?」
「――多分、一般的なことくらいしか。」
「仮想空間の中に、人間を作ります。モデルがいる場合と、まったくの架空の存在の場合と、両方あります。石川(いしかわ)
様の場合は、いる方、ですね。姿かたちは、本当の人間と、まったく区別がつきません。たとえば、わたしのVFとわたし本人とが、仮想空間で石川様にお会いしても、まず、どちらが本物かは見分けられないと思います。」
「そこまで……ですか?」
「はい。あとでお見せしますが、その点に関しましては、ご信頼下さい。話しかければ、非常に自然に受け答えをしてくれます。――ただ、“心”はありません。会話を統語論的に分析して、最適な返答をするだけです。」
「……それは理解しています。」
「興醒(きょうざ)めかもしれませんが、どれほど強調しても、お客様は途中から、必ずVFに“心”を感じ始めます。もちろん、それがVFの理想ですが、その誤解に基づいたクレームが少なからずありますので、最初に確認させていただいてます。」
セールス・トークだろうと、半信半疑だったが、想像すると、喜びと言うより不穏なものを感じた。
僕は端的に言って、欺(だま)されたがっている人間だった。そして、彼女の口調は、製品の説明というより、僕自身の治療方針の確認のようだった。
「お母様は生前、VFの製作に同意されてましたか?」
僕は咄嗟(とっさ)に、「はい、」と嘘(うそ)を吐(つ)いた。そんな話は決してしなかったが、本人の同意がないと言うと、製作を拒否されるか、面倒な手続きを求められるのではと思ったからだった。
「他のご家族は同意されてますか?」
「母一人、子一人の母子家庭でしたので。……母の両親は、既に亡くなっています。母の姉――僕の伯母――がいますが、ずっと会ってません。葬式にも来ませんでしたから。」
「承知しました。ご親族の間で、トラブルになることもありますので、一応。――失礼ですが、石川様は、生前のお母様とのご関係は、良好でしたか?」
「本心」 連載第4回 第一章 再生
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/541972/
- 81 :
- 僕は、最初の涙の印象を打ち消したくて、
「わざわざ嫌な母親のVF(ヴァーチャル・フィギュア)を作る人がいるんでしょうか?」
と笑ってみせた。あまり陰気な、不安定な精神の人間と思われると、母のVFも、そんな息子向けの仕様にされるかもしれないと懸念したからだった。
彼女はしかし、意外にも、当然のように頷(うなず)いた。
「いらっしゃいます。――ただ、理想化しますが。」
「ああ、……そういうことですか。」
「生前から、実際の家族とはまったく違った、理想的なVFの家族を作られる方もいらっしゃいます。これはあまりお薦めしませんが、片思いの相手を作られる方も。石川様の場合は、出来るだけ実物のお母様に似せる、ということでよろしかったでしょうか?」
「本物そっくりにして下さい。」と、僕は彼女の言葉を最後まで聞かずに言った。「本物に近ければ近いほど理想的です。」
彼女は、「かしこまりました。」とだけ言うと、傍らのモニターに目を遣(や)って、聴き取られた会話が、自動的に整理されてゆく具合を確認していた。
- 82 :
- たったこれだけのやりとりで、僕は疲労を感じた。彼女に好感を抱いたが、向こうはそうではなかっただろう。ピンと張ったピアノ線のような緊張の上で、期待と警戒とがゴムボールのように跳ねて、胸の裡(うち)で、素(す)っ頓狂(とんきょう)な音を立てていた。
三十三階で、エレヴェーターを降りた時に見た「株式会社 カンランシャ」というカラフルなロゴのステッカーが、デスクの上にも置かれている。
野心的な、幾らか子供っぽいベンチャー企業の社長がいかにも考えそうな社名。−−その由来を聞かされても、私的な思い入れが強すぎて、ほとんど共感できない類いの。……
オフィスは広く、背の高い鉢に植えられた観葉植物が、木製の棚と組み合わされて、空間を機能的に仕切っている。ハンモックも見え、職場と言うより、自由なカフェのような雰囲気だった。
漆喰風(しっくいふう)の壁は白く、足許(あしもと)には、シロナガスクジラが描かれた幻想的な絨毯(じゅうたん)が敷かれている。
「本心」 連載第5回 第一章 再生
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/542303/
- 83 :
- バッサイアやフィカス、ガジュマルなど、僕でもAR(添加現実)を頼らずに名前を言える木が、目立って生い茂っていて、それが初夏の光を心地良く遮っていた。
よく手入れが行き届いていて、枝にも葉にも張りがあり、生気が感じられた。
窓から遠い場所に置かれた鉢まで、ここではどうしてこんなに緑が新鮮なのだろうか。眼の先には、エスキナンサスが吊(つ)り下がっている。それは、本物らしかったが、ひょっとすると、何割かは造花の類いが混ざっているのかもしれない。
母は植物を愛していたが、その死後、枯れてしまう葉が増える度に、僕はその正直さに共感を覚えた。母のいなくなった世界で、どうしてその葉脈を力強く張り巡らせる必要があるだろうか。僕は決して、植物
に“心”があると信じる類いの人間ではないが、それでも、手持ちの乏しい語彙(ごい)を漁(あさ)ると、寂しげだとか、悲しげとかいった言葉ばかりが目についた。
もう、こんなに光の眩(まぶ)しい季節だと言うのに。……
「――石川様は、現在、二十九歳ですね?」
あまり長く窓の方を見ていたせいで、振り返った時、僕は野崎の姿を見失った。
「……そうです、先月が誕生日でした。」
「いつ頃のお母様をご希望ですか? 直近の事故に遭われる前のお母様か、それとも、もっと別の年齢の頃か。」
即答できなかった。迂闊(うかつ)にも、僕はそれを考えたことがなかった。
この半年というもの、僕の脳裡(のうり)を去来したのは、幼少期に見上げた、まだ四十代半ばになったばかりの若々しい母の笑顔から、一年ほど前に、玉ねぎを切っていて人差し指の爪を削(そ)ぎ落としてしまった時の痛々しげな表情まで、一時も同じではなかった。
これから一緒に生活をするとして、いつ頃の、どんな顔の母が理想的なのか?−−遺影は、葬儀会社の薦めに従って、時期の異なる五枚ほどの写真を選んで、切り替わるようにしてあった。しかし、VF(ヴァーチャル・フィギュア)となると、そうはいかないのか。
「オプションで、複数の時期を選んでいただくことも出来ます。その分、お手間と費用がかかりますが。お子さんを亡くされた方などは、未来の姿を選ばれることもあります。」
「本心」 連載第6回 第一章 再生
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/542658/
- 84 :
- 「未来?」
「はい。成人後の姿を、かなり正確に予想できます。」
僕は、どうして正確に予想できたとわかるのだろうかと、流石(さすが)に訝(いぶか)った。正解は、永遠に失われているというのに。
成長や老化は、なるほど、ある程度、予想がつくかもしれない。しかし、その子がいつか看板に額をぶつけて作る傷のかたちを、どうして予測できるだろうか?
けれども、その未来の子供の姿に救いを感じている遺族もいるのだった。その不出来の指摘は、結局のところ、慎むべきなのだろう。第一、“ユーザー”こそは、そんなことは百も承知のはずだった。
「今日、決めていただかなくても結構です。ゆっくりご検討ください。ただ、複数のヴァージョンを作られても、結局、みなさん、一体に絞っていかれますね。……」
「……そうですか。――ただ、まだ、購入するかどうかを決めてないんです。どの程度、母を再現できるのかを知りたいのですが。」
「精度は、ご提供いただける資料次第です。写真と動画、遺伝子情報、生活環境、各種のライフログ、ご友人や知人、……サンプルとして、弊社で製作したVF(ヴァ−チャル・フィギュア)に実際に会っていただけると、色々ご理解いただけると思います。」
そう言うと、野崎は立ち上がって僕を別室に誘(いざな)った。
◇
体験ルームは、意外と平凡な応接室だったが、外部からは遮蔽(しゃへい)されていて、壁には闘牛をモティーフにしたピカソのエッチングが飾られていた。かなり古色を帯びていて、しみもある。最近の精巧なレプリカなのか、二十世紀に刷られたものなのか。
ヘッドセットとグローブを装着しても、何も変化はなかった。僕は、これから対面するVFが、AR方式で、現実に添加されるのか、それともヘッドセット越しに見ている部屋が、既に仮想的に再現された応接室なのか、本当に区別できなかった。
黒いレザーのソファの前には、コーヒーが置かれている。座って、それを飲めば、わかることだろうが。……
「本心」 連載第7回 第一章 再生
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/542946/
- 85 :
- 77 (笑)
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- 94 :
- 最強の作家 平野啓一郎 (笑)
- 95 :
- 「カッコいい」とは何か
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- 96 :
- https://public.potaufeu.asahi.com/8780-p/picture/17423125/9d7e1825817756f789e4a548c45114f0.jpg
- 97 :
- 最強の作家 平野啓一郎
- 98 :
- 野崎が、二人を連れだって戻って来た。
一人は、薄いピンクの半袖シャツを着た、四十前後の痩身(そうしん)の男性で、よく日焼けしているが、僕とは違い、長い休暇中に、ゆっくり時間をかけて焼いたらしい肌艶だった。
もう一人は、紺のスーツを着て、眼鏡をかけた白髪交じりの小柄な男性だった。
「初めまして、代表の柏原(かしわばら)です。」
日焼けした男の方が、白眼よりも更(さら)に白い歯を覗(のぞ)かせて腕を伸ばした。
僕は握手に応じたが、ウィンド・サーフィンでもやっているんだろうか、といった眩(まぶ)しい想像を?(か)き立てられた。例の「カンランシャ」という社名を考えたのは、この人だろう。
続けて、隣の男性を紹介された。
「弊社でお手伝いいただいている中尾(なかお)さんです。」
「中尾です。どうぞ、よろしく。暑いですね、今日は。−−お手伝いと言っても、ただここでお話しをさせていただくだけなのですが。」
彼は、額に皺(しわ)を寄せて、柔和に破顔した。落ち着いた物腰だったが、こちらの人間性を見ているような、微(かす)かな圧力を感じさせる目だった。
「お手伝い」というのがよくわからなかったが、僕と同じVF(ヴァーチャル・フィギュア)の製作依頼者なのだろうかと考えた。
同様に握手を求められたので、応じかけたが、その刹那に、ハッとして手を引っ込めた。実際には、それも間に合わず、僕は彼に触れ、しかも、その感触はなかったのだった。
「私は、VFなんです。実は四年前に、川で溺れて亡くなっています。私は、娘がこの会社に依頼して、製作してくれたんです。」
僕は、口を半開きにして、物も言えずに立っていた。“本物そっくり”というのは、CGでも何でも、今では珍しくないが、中尾と名乗るこのVFは、何かが突き抜けていた。それが、僕の認知システムのどこを攻略したのかは、わからなかったが。
誇張なしに、僕には彼が、本当に生きている人間にしか見えなかった。柏原と見比べても、質感にはまったく差異が感じられなかった。
「本心」 連載第8回 第一章 再生
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/543252/
- 99 :
- 僕は、半ば救いを求めるように野崎を振り返った。彼女は特に、「どうです!」と誇らしげな様子を見せるわけでもなく、
「気になることがあれば、何でも質問してみてください。」
とやさしく勧めた。恐らく、彼女がこのVF(ヴァーチャル・フィギュア)と接する態度も、これを人間らしく見せている一因だろう。
彼の額に、うっすらと汗が滲(にじ)んでいるのに気がついて、僕は驚いた。僕の眼差(まなざ)しを待っていたのか、それは、目の前で、静かにしずくになって垂れ
、こめかみの辺りに滲んで消えた。そして、そのベタつくような光沢を、中尾は痒(かゆ)そうに、二三度、掻(か)いた。
僕は、反射的に目を逸(そ)らした。彼の足許(あしもと)には、僕たちと同じ角度で、同じ長さの影まであった。
「ちゃんと、足は生えてますよ。」と中尾は愉快そうに笑って、「そんな、幽霊を見るみたいな顔をしないで下さい。」と、腹の底で響いているような篦太(のぶと)い声で言った。
「すみません、……あんまりリアルなので。」
「中尾さんは、実は収入もあるんですよ。」と野崎が言った。
「収入?」
「これが仕事なんです。」と中尾が自ら引き取った。「ここでこうして、自分自身をサンプルに、新しいお客様にVFの説明をしているんです。それに、データの提供も。
お金を受け取るのは、家内と大学生の一人娘ですがね。……かわいそうなことをしましたから、まあ、親として出来るせめてもの孝行ですよ。」
僕がその目に認めた憂いの色は、さすがに気のせいだっただろうか?
しかし彼は、「親として出来るせめてもの孝行」と言うだけでなく、その手前で、「まあ、」と一呼吸置いてみせたのだった。
僕は、自分の方こそ、出来の悪いVFにでもなったかのように、まったく意味が不明瞭な面持ちで立っていたと思う。「話しかければ、ちゃんと受け答えをしてくれます。ただ、“心”はありません。」という、野崎の最初の説明が脳裡(のうり)を過(よぎ)った。
彼はつまり人工知能で、その言葉のすべては、一般的な振る舞いに加えて、彼の生前のデータと、ここでの何十人だか、何百人だかの新規顧客との会話の学習の成果だった。
「本心」 連載第9回 第一章 再生
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/543413/
- 100 :
- 僕は、半ば救いを求めるように野崎を振り返った。彼女は特に、「どうです!」と誇らしげな様子を見せるわけでもなく、
「気になることがあれば、何でも質問してみてください。」
とやさしく勧めた。恐らく、彼女がこのVF(ヴァーチャル・フィギュア)と接する態度も、これを人間らしく見せている一因だろう。
彼の額に、うっすらと汗が滲(にじ)んでいるのに気がついて、僕は驚いた。僕の眼差(まなざ)しを待っていたのか、それは、目の前で、静かにしずくになって垂れ
、こめかみの辺りに滲んで消えた。そして、そのベタつくような光沢を、中尾は痒(かゆ)そうに、二三度、掻(か)いた。
僕は、反射的に目を逸(そ)らした。彼の足許(あしもと)には、僕たちと同じ角度で、同じ長さの影まであった。
「ちゃんと、足は生えてますよ。」と中尾は愉快そうに笑って、「そんな、幽霊を見るみたいな顔をしないで下さい。」と、腹の底で響いているような篦太(のぶと)い声で言った。
「すみません、……あんまりリアルなので。」
「中尾さんは、実は収入もあるんですよ。」と野崎が言った。
「収入?」
「これが仕事なんです。」と中尾が自ら引き取った。「ここでこうして、自分自身をサンプルに、新しいお客様にVFの説明をしているんです。それに、データの提供も。
お金を受け取るのは、家内と大学生の一人娘ですがね。……かわいそうなことをしましたから、まあ、親として出来るせめてもの孝行ですよ。」
僕がその目に認めた憂いの色は、さすがに気のせいだっただろうか?
しかし彼は、「親として出来るせめてもの孝行」と言うだけでなく、その手前で、「まあ、」と一呼吸置いてみせたのだった。
僕は、自分の方こそ、出来の悪いVFにでもなったかのように、まったく意味が不明瞭な面持ちで立っていたと思う。「話しかければ、ちゃんと受け答えをしてくれます。ただ、“心”はありません。」という、野崎の最初の説明が脳裡(のうり)を過(よぎ)った。
彼はつまり人工知能で、その言葉のすべては、一般的な振る舞いに加えて、彼の生前のデータと、ここでの何十人だか、何百人だかの新規顧客との会話の学習の成果だった。
「本心」 連載第9回 第一章 再生
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/543413/
- 101 :
- 93最強の作家 平野啓一郎(笑)
- 102 :
- 94最強の作家 平野啓一郎(笑)
- 103 :
- 95最強の作家 平野啓一郎(笑)
- 104 :
- 96最強の作家 平野啓一郎(笑)
- 105 :
- 97最強の作家 平野啓一郎(笑)
- 106 :
- 98最強の作家 平野啓一郎(笑)
- 107 :
- 99最強の作家 平野啓一郎(笑)
- 108 :
- 100最強の作家 平野啓一郎(笑) !(b^ー°)
- 109 :
- 「本心」 連載第10回 第一章 再生
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/543577/
「本心」 連載第11回 第一章 再生
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/543842/
「本心」 連載第12回 第一章 再生
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/544043/
「本心」 連載第13回 第二章 告白
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/544415/
- 110 :
- こういう時には、後悔を残さないために、万が一のためのことはすべてすべきだった。
僕は、母を招き入れるために呼びかけた。けれどもドアは、僕の期待に困惑したように、いつまでもただ、じっとしているだけだった。
◇
羽田(はねだ)から小樽へと向かう飛行機の中で、僕は、今日の仕事の確認をした。
所謂(いわゆる)“リアル・アバター”として働くようになってから、もう五年、――いや、六年近くが経(た)っている。アバターではなく、“分身さん”と呼ばれることもある。
個人事業主としての契約で、その間、登録会社は二度変わったが、僕はこの世界では、例外的な古株だった。
今でも人間が求められ、且(か)つ、特別な技能を必要としない職業の中では、最低限よりも、大分マシな報酬の部類だと思う。世間的には蔑(さげす)まれてもいるが、依頼者からは感謝されることが多い。
それでも多くがすぐに辞めてしまうのは、肉体的にも、精神的にも、保(も)たないからだ。
母は、この仕事を好まなかったが、僕がどうにか続けてこられたのは、母の存在があればこそだった。
母が僕に、唐突に、安楽死の希望を伝え、その理由に挙げたのも、間接的には、この仕事だったが。……
依頼者は、八十六歳の男性で、手配したのはその息子夫婦だった。“最後の親孝行”にと、要望書の中で説明していたが、実際に面会した折に、その言葉を文字通りに
受け止めるべきであることを察した。「よろしくお願いします。」と、丁寧に頭を下げられたが、僕に本当に任せられるのかを素早く判断しようとする目だった。
病床に座って僕を出迎えた「若松(わかまつ)さん」という老人は、顴骨(かんこつ)ばかりがふっくらと目立つほどに痩せていたが、目の底にはまだ力があり、意思は
明瞭だった。ただ、僕の仕事については、今ひとつ?(の)み込めていないようだったので、
「簡単に言えば、この体を丸ごとお貸しする仕事です。ご自分の体のように、僕の目を通じて見て、僕の耳で聞いて、僕の足で歩いていただきます。」と説明した。
「本心」 連載第14回 第二章 告白
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/544730/
- 111 :
- 103 最強の作家 平野啓一郎
- 112 :
- 104 最強の作家 平野啓一郎
- 113 :
- 105 最強の作家 平野啓一郎
- 114 :
- 106 最強の作家 平野啓一郎
- 115 :
- 107 最強の作家 平野啓一郎
- 116 :
- 108 最強の作家 平野啓一郎
- 117 :
- 109 最強の作家 平野啓一郎
- 118 :
- しょうもないスレ立てるな
- 119 :
- 平野啓一郎さんが語る「元徴用工」 一人の人間として思うこと
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/547234/
- 120 :
- 112 最強の作家 平野啓一郎(笑)
- 121 :
- 113 最強の作家 平野啓一郎(笑)
- 122 :
- 114 最強の作家 平野啓一郎(笑)
- 123 :
- 115 最強の作家 平野啓一郎(笑)
- 124 :
- 116 最強の作家 平野啓一郎(笑)
- 125 :
- 117 最強の作家 平野啓一郎(笑)
- 126 :
- 118 最強の作家 平野啓一郎(笑)
- 127 :
- 119 最強の作家 平野啓一郎(笑)
- 128 :
- 120 最強の作家 平野啓一郎(笑)
- 129 :
- 121 最強の作家 平野啓一郎(笑)
- 130 :
- 122 最強の作家 平野啓一郎(笑)
- 131 :
- あらためて考える、「カッコいい」とは何か―平野啓一郎×水野学 対談
10/4(金) 6:01配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191004-00215674-diamond-bus_all
https://amd.c.yimg.jp/im_siggnB5f3F7oJa9gZ8Sl8mj74w---x900-y450-q90-exp3h-pril/amd/20191004-00215674-diamond-000-2-view.jpg
- 132 :
- >>110 続き
「本心」 連載第15回 第二章 告白
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/545011/
「本心」 連載第16回 第二章 告白
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/545265/
「本心」 連載第17回 第二章 告白
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/545439/
「本心」 連載第18回 第二章 告白
https://www.nishinippon.co.jp
「本心」 連載第19回 第二章 告白
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/546000/
「本心」 連載第20回 第二章 告白
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/546293/
「本心」 連載第21回 第二章 告白
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/546619/
「本心」 連載第22回 第二章 告白
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/546845/
- 133 :
- ホテルまでの一本道は、急勾配だった。若松さんは、
「きついでしょう? 冬はこの辺は真っ白ですよ。車も、4WDじゃないとね。」
と、僕に初めて語りかけた。そういう時は、会話に応じた方が良かった。
「ええ、大丈夫です。この辺の人は、そうなんですね。本州に住んでると、そんなことさえ思い至りませんけど。」
道の途中には、古い水族館があったが、その駐車場に停(と)まっている車も、確かに4WDが多かった。
何度か後ろを振り返ったが、先ほどまで見ていた海が、眼下に見る見る遠ざかっていき、定食屋の屋根も、僕が立っていた磯も、細密画の一部になっている。
体そのものが大きくなったような錯覚があった。
ホテルは、白い瀟洒(しょうしゃ)な建物で、若松さんが行きたがっていたのは、展望テラスがついた、芝生とタイルの広い庭だった。
平日の午後なので、人影はなく、僕は、若松さんに確認して、見晴らしの良さそうな場所の手すりの前に立った。
風は麓にいた時よりも更(さら)に強かった。磯とは方角が違い、遠くに小さく灯台が見えた。
手すりの向こうは草木に覆われていて、その先は、唐突に何もなかった。
実際に草を踏みしめてゆけば、ふっくらと膨らんでいる草叢(くさむら)の中ほどから、既に切り立った絶壁となっているはずだった。ヘッドセットのAR(添加現実)
をONにした。クマザサ、オウシュウヨモギ、ホオズキ、ブタナ、ホッカイヨロイグサ、……と、それぞれの名前が表示された。
身を乗り出して下を覗(のぞ)き込むと、遙(はる)か下方に、岩場に打ち寄せる波が見えた。「危ないよ。」と、若松さんに注意されたが、この一言が、奇妙に僕の心に残っている。
視界は、海と空とに力強く二分された。
頭上は群青色のように濃い青だったが、水平線に向けて、その色が薄らいでいく。
潮の流れが、広大な海面に、細かな模様を描き出しているが、それはむしろ、風の手が撫(な)でつけて出来た皺(しわ)のようでもあった。
至るところに、白浪(しらなみ)がちらめき、どんな僅(わず)かな水の起伏にも陰翳(いんえい)が伴っている。
「本心」 連載第23回 第二章 告白
https://www.nishinippon.c
- 134 :
- 若松さんは、また、「ああ、……」と嘆息を漏らしたきり、無言になった。その静寂の向こうで、僕は彼が泣いているのを感じ、モニターの小窓を見ないようにした。
風が、潮でべたついた僕の額を涼しく撫(な)でた。恐らく僕の体は、若松さんの亡くなった妻の傍らに立っているのだった。
人生の最後に、思い出の場所の景色を見つめる目。――この空と海が、若松さんという一人の人間の瞳に像を結ぶことは、もう永遠にないのだった。
そして、僕の目は、別のもう一人の目を、否応(いやおう)なく、引き寄せてしまった。――母の目を。
あの日、帰宅した僕は生まれて初めて、母を酷(ひど)く責め、何かあったのなら話してほしいと詰め寄った。母は、「もう十分に生きたから。」と繰り返すばかりで、終(しま)いには、穏やかな、ほとんど冗談でも口にするような面持ちで、こう言った。
「何にも不満はないのよ。お母さん、今はすごく幸せなの。だからこそ、――だから、出来たらこのまま死にたいの。どんなに美味(おい)しいものでも、ずっとは食べ
続けられないでしょう? あなたはまだ若いから、わからないでしょうけど、もうそろそろねって、自然に感じる年齢があるのよ。」
「違うよ、それはお母さんの本心じゃない。お母さんは、子供や若い世代に迷惑をかけないうちに、自分の人生にケジメをつけるべきだっていう世間の風潮に、そう思わされてるんだよ。お母さんの世代は、若い時からずっとお荷物扱いされてきたから!
けど、長生きすることに、疚(やま)しさなんて感じなくていいんだよ! 僕にはまだ、お母さんが必要なんだよ。どうしてそんな悲しいこと言うの?」
「違うって。……違うのよ。これはお母さんが、自分の命について、自分で考えたことなのよ。お母さん自身の意思よ。」
「じゃあ、考え直して。僕のお願いだよ。そんなこと、……どうして?」
正直に言えば、母でない赤の他人であるなら、僕はその考えを、理解し得たかもしれない。しかし、母がそうした心境に至るには、何らかの飛躍が必要なはずだった。
「本心」 連載第24回 第二章 告白
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/547238/
- 135 :
- 僕は当然に、それを精神的な不調のせいだと考えた。実際、かかりつけの医師が、母の意思の確かさを認めるまでに時間を要するのは、そのためだった。
しかし、母はその後も、まったく落ち着いていて、抑鬱的(よくうつてき)な気配は微塵(みじん)もなかった。よく熟考しており、医師との対話にも積極的に応じ、
その他、安楽死の許可を出す条件を完全に満たしていた。ひょっとすると、認知症の兆候などが見つかり、将来を悲観しているのではないかとも思ったが、医師はその見方を否定した。
実際のところ、取り乱していたのは、僕の方だった。母がこの世界からいなくなってしまうという想像に、僕は深甚(しんじん)な孤独を感じた。しかも、母が自らの
意思でこんなことを考えだしたのは、病気でないとするなら、僕のためを思ってなのではないのかという不安を拭えなかった。それに対しては、母は最後まで、自分の願いなのだと言い続けたが。
それでも、母は僕の手を乱暴に振り解(ほど)くつもりはなく、僕を納得させてから、看取(みと)ってほしいと願っていた。
そして、僕にこう言った。
「お母さんはね、朔也(さくや)と一緒にいる時が、一番幸せなの。他の誰といる時よりも。だから、死ぬ時は、朔也に看取ってほしいのよ。朔也と一緒の時の自分で死
にたいの。他の人と一緒の時の自分じゃなくて。−−それが、お母さんの唯一のお願い。あなたの仕事も、家を留守にしがちだから、お母さん、万が一、あなたがいない時に死ぬと思うと、恐(こわ)いのよ。わかるでしょう、それは?」
僕は虚を突かれた。それは、僕自身の死の瞬間を思って、慄然(りつぜん)とさせられるような考えだった。しかし、だからといって、今すぐ安楽死したいというのは、幾ら何でも、理解を絶していた。
「だけど、お母さん、まだ若いんだから。まだ十年も二十年も先の話だよ、それも。――本当は、どうしてなの? 何かあったんでしょう?」
「本心」 連載第25回 第二章 告白
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/547606/
- 136 :
- 文学界の栗城さんか?
文学はホンモノの才能もごまかせるからいいね。
栗城さんのように上級からの寵愛と実力のギャップで
カタワになってRば良いのに
- 137 :
- 文学界の栗城さん。
栗城さんのように現実とぶつかってRば良いのに
- 138 :
- 青葉君の方が才能あるだろ
- 139 :
- 「本心」 連載第26回 第二章 告白
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/548135/
「本心」 連載第27回 第三章 再会
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/548141/
「本心」 連載第28回 第三章 再会
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/548442/
「本心」 連載第29回 第三章 再会
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/548945/
「本心」 連載第30回 第三章 再会
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/548985/
- 140 :
- 小説家・平野啓一郎が語るカール F. ブヘラの時計から感じた小説と機械式時計の意外な共通点
https://ps.nikkei.co.jp/carlfbucherer1906/sp/
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- 141 :
- 僕の記憶の立ち上がりは、ほとんど、現実を最後まで拒否していたかのように遅かった。小学校に入学する以前のことを、僕は何も覚えていない。父は、母はともかく、僕にさえ、その後、一度も会いに来ることがなかった。
当然、少年時代には、僕は父を恋しがり、恨みもしたが、他方で自分をどこかのあっと驚くような人物の落胤(らくいん)ではないかと夢想することもあった。
母が、父のことを決して悪く言うことがなく、ほとんど美化さえしていたことも、その根拠となっていた。
母はその後、一人で僕を育てながら、職を何度か変えて、最後は、団体客相手の安い旅館で下働きをしていた。
今の世の中では、あの年齢で仕事にありつけただけでも満足すべきだが、不本意だったに違いない。
母自身は、決してそう口にしなかった。しかし、側(そば)にいる人間にとっては、難しくない想像だった。
一体、今のこの国で、仕事から生の喜びを得ているという人間が、どれほどいるだろうか? こんな問いは、冗談でもなければ、人を立腹させる類いのものだろう。
大半の人間が、自分の存在の根源的な感覚を、疲労と空腹に占拠されている社会で、僕は母の「もう十分生きた」という言葉を聞いたのだった。
それでも、僕がいた。母は、完全な孤独の底で、見捨てられたように蹲(うずくま)っているのではなかったはずだった。−−僕の将来のためか? お金を遺(のこ)
すために? それも母が口が裂けても言わなかったことだが、当然に僕は考えた。しかし、本当に僕のことを心配するなら、もっと長く生きてくれた方がいいに決まっているのだし、そのことは何度も言った。
母には、何かがあったはずだった。どうしても、僕に語ることの出来なかった具体的な出来事が。
老いはなるほど、漠然と人に「もう十分」と感じさせるのかもしれない。しかし、だったらなぜ、他の人たちは、母のように安楽死を決断しないのか?
「本心」 連載第31回 第三章 再会
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/549196/
- 142 :
- 結局、真に「幸福」な一握りの人間にとっては、その他の大半の人間が、どうにか工夫し、本心を偽りながらでも、自分は幸福だ!と信じてくれた方が、ありがたいに違いない。その方が、社会は安定するのだ
から。幸福は、あなたの心の持ちよう次第です、という例のアレだ。貧乏人が、貧しさの中にも幸福を見出(みいだ)してくれれば、こんなに結構なことはない。浅はかな−−それとも悪意だろうか?−−エンジ
ニアが広めた自動修正機能で、過去のどの写真を見ても、不満一つなく、笑顔を見せている自分に、僕たちは、ほっと胸を撫で下ろして生きている。それほど、悪くもない人生だったのではないか、と。
僕がVF(ヴァーチャル・フィギュア)に求めていたのは、この孤独のささやかな慰安だった。しかし、僕はやはり、知りたいと思っているのだろう。僕を苦しめているのは、わからないということなのだから。
僕は、本当の母を取り戻したい。「幸福」という呪詛(じゅそ)に汚染されていない姿で。
母は、僕と一緒にいる時の自分でこそ、死にたいと言った。その願いを叶(かな)えてやれなかった罪悪感は、恐らく一生、消えることがないだろう。
ところで、僕は死ぬ時、一体、誰と一緒の時の自分で最期を迎えるのだろうか? どの自分であることを望むのだろう? 既に母を失ってしまった今。VFの母に看取(みと)られたいだろうか?……
*
母のVFのβ版は、予定通りに完成した。僕はその連絡を喜んだが、納期に間に合わないと謝罪されても、やはり喜んだ気がする。凡(およ)そ、僕の中には素直な気持ちというものが見つからなかった。
二度目にカンランシャを訪れた時、僕は午前中に一つこなした仕事のせいで疲労困憊(ひろうこんぱい)していた。
初めての珍しい依頼で、いつもは人の指示通りに動いている僕が、この日は逆に、自宅から指示を出す役目だった。
依頼者は、最近、緑内障で失明したという初老の男性だった。
「本心」 連載第32回 第三章 再会
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/549457/
- 143 :
- >>1
これ、以前の災害の時も言ってたよなー。
答:予備費
学習しないよねー。
平野啓一郎
@hiranok
たった7億? あまりにも冷淡。無気力。何故、こんな政府を支持できるのか?
午後9:04 2019年10月16日
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
自民・岸田氏「補正予算案 1兆円超す規模」 台風19号
https://mainichi.jp/articles/20191018/k00/00m/010/329000c.amp
- 144 :
- >>142 続き
介添えなしで、視覚障害者向けのナビゲーション・アプリを使って町を歩いてみたいが、まだ不安なので、遠隔で見守っていてほしいというのだった。緊急の危険が迫っている時や、どうしても困った時には、
指示を出してほしい、と。普段、僕が使用しているゴーグルを彼が装着するのだったが、それを介して、僕が彼の目になることに違いはなかった。
数日前に、会社から打診を受けた僕は、最初、この話を断った。視覚障害者の介添えに関しては、何も専門的な知識を持っていないし、責任も負えなかった。けれども、報酬は通常よりも高く、万が一の場合は、アプリの会社が責任を負うことになっていた。
会社は、何でも引き受けるので、ベテランの僕にこの仕事をさせたがっていた。
同僚で、僕が唯一、気を許すことのできる岸谷(きしたに)――風俗店に行けと依頼されても、断ることなく内緒で引き受けるのは彼だった――は、
「やっとけよ。楽な仕事だろ? 俺たちもいつ怪我(けが)したり、病気になったりで、この仕事を続けられなくなるか、わかんないんだから。経験しておけば、何かで役に立つよ。やらないなら俺がやるからな。」
と言った。
岸谷は、頭の良い、腹の据わった男で、しかも、僕たちのような境遇の人間としては、奇跡的に傷みの少ない希望を保っていた。彼と語り合う度に、僕は、その言葉のどこか懐かしい、少年時代に、校庭の片隅
で木陰に座り、木の棒で地面に絵を描きながら耳にしたような響きに、陶然とした心地になるのだった。
彼を見ていると、頻発する台風が、まだ未熟なまま落としてしまった果実の中で、なぜか、いつまでも朽ちずに残っているふしぎな一個を目にしているような気持ちに
なった。何かの間違いで、今地面に転がっているこの固い桃は、明日にはまた、元の枝になっているのではあるまいか、と想像させるような。
僕は、岸谷の忠言を容(い)れたが、会社にはせめて、側(そば)に付き添わせてほしいと言った。しかしその提案は、依頼者本人から、それでは訓練にならないと却下された。
「本心」 連載第33回 第三章 再会
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/550038/
- 145 :
- 「本心」 連載第35回 第三章 再会
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/550443/
「本心」 連載第36回 第三章 再会
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/550678/
「本心」 連載第37回 第三章 再会
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/550877/
「本心」 連載第38回 第三章 再会
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/551072/
「本心」 連載第39回 第三章 再会
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/551516/
「本心」 連載第40回 第三章 再会
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/551857/
- 146 :
- 平野啓一郎、文学ワイン会で明かす『マチネの終わりに』創作秘話「けっこう僕は、愛を書いてきた」
10/17(木) 8:11配信
https://realsound.jp/book/2019/10/post-429603.html
https://amd.c.yimg.jp/amd/20191017-00010013-realsound-000-1-view.jpg
https://realsound.jp/wp-content/uploads/2019/10/20191017-machine-02.jpg
https://realsound.jp/wp-content/uploads/2019/10/20191017-machine-03.jpg
https://realsound.jp/wp-content/uploads/2019/10/20191017-machine-04.jpg
- 147 :
- 「何で管理されてます? <ライフプラン>とかですか?」
「そうです、<ライフプラン>です。」
「あのアプリケーションと、弊社のVF(ヴァーチャル・フィギュア)を連動させる設定が可能です。」
「……そうですか。連動というと?」
「お母様とこれから過ごす時間と、そのための費用が自動的に計算されます。一度、シミュレーションをしてみてください。どの程度の時間を、今後、このVFとともに過ごすのか。」
僕は、その意味するところを理解したが、
「出来映(できば)え次第です。しばらく使用してみないと、何とも。……」
と言った。
「もちろんです。ただ、費用のこともありますので。」
「そうですね。」
「失礼ですが、石川様の余命は、まだ、かなりありますよね?」
「ええ、……平均寿命よりもかなり短いですが、一応は。――僕の所得水準並みに。」
「今後の生活次第でまた伸びますよ。」
「それは、よく言われる“まったく一般的でない一般論”でしょう? 急に裕福になるとか、……」
野崎は、微笑で同意を避けた。それから、こちらを見たまま、右手の親指と中指で、何かを抓(つま)もうとしては躊躇(ためら)い、結局諦めたように軽く握って、それでもまだ迷っている風に、今度は唇を結んだ。
「何か?」
母のライフログをすべて分析した彼女は、恐らく、僕の知らない多くのことを知っているのだった。彼女の些細(ささい)な仕草(しぐさ)は、そのうちの何かについて、言っておいた方がいいのでは、と自問
している風だった。業務上は、言及すべきでないことも、恐らくは多少、逸脱して、私的なやりとりを交わす方が、顧客との信頼関係は、深くなるに違いない。
作って終わり、というのではなく、今後も僕の担当として、相談に応じつつ、追加課金のサーヴィスを提供していくのであれば、いずれにせよ、共有すべき母の秘密もあるだろう。……
しかし、彼女は結局、この日は節度を守ったのだった。余計なことを言って、僕の感情にあまり早急に踏み入りすぎるのではなく、一種の励ましを選んだらしかった。
「本心」 連載第40回 第三章 再会
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/551857/
- 148 :
- 「現実の人間関係だけが現実ではないですから。VF(ヴァーチャル・フィギュア)との関係も、わたしは、人生の一部だと思います。お母様を大切になさってください。」
僕は、そういう言葉を、もう二度と、人から聞くことはなかったはずだった。
勿論(もちろん)、その「お母様」は、母ではなく、あのヘッドセットの奥の闇で僕を待っている<母>を指していた。いや、――それとも、両方だろうか?
僕は、自分がここで最初に発した、あの「母を作ってほしいんです。」という言葉を思い出した。それに対する返答だったが、いずれも、一つ一つの語が、本来の語の代替品のように感じられて、しかもそれが
組み合わされた一文の真贋(しんがん)を、僕は見極められないのだった。
第四章 再開
一夜明けて、リヴィングの観葉植物に水をやり、朝食を作ると、僕はヘッドセットを装着して食卓に着いた。
トーストとベーコンエッグ、ヨーグルト、それにコーヒーという、かつて、母と共にしていた、十年一日の如(ごと)く変わらぬメニューだった。
実際に作ったのは一人分だが、仮想空間のリヴィングにも、現実と同期した時間が流れており、<母>の前にも、スキャンされた皿が映像として添加されていた。<母>は、昨夜とは違い、パジャマを着た寝起きの顔だった。
ヘッドセット以外の機器の設置は、昨晩、深夜までかかって済ませていた。寝不足だったが、コンピューター関係の作業の例に洩(も)れず、それは、途中で止めることの出来ない性質のものだった。無論、なかなか原因を突き止められない不如意で、
何度か苛々(いらいら)させられた。
「いただきます。朔也(さくや)は、手際が良いわねえ、いつも。」
<母>は、トーストを手に取って、二つに割りながら言った。笑顔だった。しかし、写真で見ていた補整後の表情とは違い、なるほど、目許(めもと)には、睡眠がもう拭いきれない、長年の疲労のあとがそのまま残されていた。
「本心」 連載第41回 第三章 再会
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/552175/
- 149 :
- 僕は、野崎の助言通り、出来るだけ自然な受け答えを心がけた。慣れるべきだった。
「手際を悪くしようがないよ、たったこれだけのことだから。」
「でも、わたしは、もっと時間がかかるわよ。」
「お母さんは、何でも丁寧だから。」
<母>は、バターを塗ったトーストを食べ、指先についたパン屑を皿の上に落としてから、コーヒーを一口飲んだ。物を?(か)む時に、口許(くちもと)に微(かす)
かに兆す細かなしわが、不意に僕に、母のファンデーションの香りを嗅がせた。さすがにそこまでは、備わっていない機能のはずで、実際、今はメイクをしていない顔だったが。
ベーコンの塩気が舌に残っているうちに、僕は卵を口に入れ、その香りが鼻を抜けきる前にトーストを囓(かじ)った。自分の食べているものが、<母>が口に運ぶトーストを、より本物らしく見せているのは確かだった。
「いつもふしぎに思うのよ。ホテルのビュッフェって、あんなに種類が豊富でも、二日目には、もう飽きてしまうでしょう? でも、自宅の朝食には、どうして飽きないのかしら?」
それは、いつか母と交わした懐かしい会話の一つだった。僕は、自分の表情が、その時とそっくりになるのを、ヘッドセットを微動させた?の隆起で感じた。
「何でだろうね? 味が濃いからかな?」
「パンでもそうよ。おいしいけど、ホテルのパンは、二日目には、どれを食べても、もう飽きてるもの。どうしてこんなスーパーの食パンに飽きないのかしら?」
「ふしぎだね。」
「ねえ、本当にふしぎ。」
<母>は、心から共感したように頷(うなず)いた。目が、生前と同様に、三日月型に潰(つぶ)れる様を見ながら、僕は、嬉(うれ)しくなった。
何が?――とあとで自問して答えに窮した。また<母>と言葉を交わしていることなのか、それとも、高い買い物が、期待通りに作動してくれていることなのか。昔の動画を見て、母を懐かしむことと、何が違うのだろうか?
記憶の中の僕は、母との思い出が描かれた、短い映画の中にいるかのようだった。
「本心」 連載第42回 第四章 再開
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/552458/
- 150 :
- ふしぎなことに、そこにいた誰かが目にしたような、二人の食事を少し離れたところから見ている光景が、幾度となく脳裡(のうり)をちらついた。
午前中から夕方まで、都心で仕事の予定があり、食事を済ませるとすぐに家を出た。
僕は頗(すこぶ)る気分が良く、「いってらっしゃい。」と送り出されたあとは、少し寂しくなった。<母>は、僕が不在の間も、ニュースの学習などを絶えず続けているはずだったが。……
野崎は、人間が他者に生命を感じ、愛着を覚えるのは、何よりもその“自律性”に於(お)いてだと、経験から、また大学時代以来の研究から、説明した。
VF(ヴァーチャル・フィギュア)が生きた存在として愛されるためには、こちらが関知しない間に、自らの関心に従って、何かをしていることが重要なのだった。<母>との対面が、いつでもまず、呼びかけから始まるようにデザインされているのは、
そうした考えに基づくらしい。
「生きている人間と同じです。試しに、黙ってしばらく側(そば)にいてみてください。途中で気がついて、声を上げて驚くはずです。ああ、ビックリした、いつからそこにいたの?って。」
勿論(もちろん)、僕が仮想空間にいない間、VFの実体は、母の外観を必要とはしていない。母が自宅で独り、僕の帰りを待っているなどという想像は馬鹿(ばか)げていた。
それでも僕は、まだ家を出たばかりだというのに、とにかく、早く仕事を終えて帰宅したくて仕方がなかった。母の死後、そんな気持ちになったのが初めてだということは、言うまでもない。
電車は空(す)いていて、僕はしばらく、「圧倒的実績! 今からでも間に合う! 資産家クラス入りするためのシンプルな5つのメソッド!」といった本の広告を眺め
ていた。ふと気がつくと、僕の向かいに座る人も、僕の少し離れた隣に座る人も、同じように首を擡(もた)げ、放心したようにそれを見つめていた。僕は、羞恥心の針に胸を刺されたように、咄嗟(とっさ)に顔を伏せた。
「本心」 連載第43回 第四章 再開
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/552624/
- 151 :
- この路線も、かつては毎朝、寿司詰(すしづ)めの状態だったというのは、沿線の高齢者が口を揃(そろ)えて言うことだった。郷愁にも、瑞々(みずみず)しいものと、どことなく干からびたようなものとがあるが、きっとその記憶が含んでいた汁気
を、寄って集(たか)って吸い尽くしてしまったせいなのだろう。母もよくそう言っていたが、その時代を、一応、知っているはずの僕は、年齢的にそれを経験しなかった。
当時は、朝からこんなに疲労が我(わ)が物顔で車内を陣取ることはなかったのだろう。それは、満員の車内で、押し潰(つぶ)される人が眉間に寄せた皺(しわ)や、不機嫌に結ばれた口許(くちもと)に、辛うじて居場所を見つけて、しがみついていたに違いない。
疲労そのものが、どんな姿をしているのかに、本当に気づいたのは、今のように人気(ひとけ)が引いていってからのことだった。
なるほど、それには色があった。粗野な圧迫感があり、嫌な臭いがある。あとは、何だろう?……車内は閑散としているのに、寛(くつろ)いだ雰囲気とは、ほど遠い。この時間に、この電車に乗る度に感じることだった。
- 152 :
- 続き
結局のところ、人間にとって、真に重要な哲学的な問題は、なぜ、ある人は富裕な家に生まれ、別のある人は貧しい家に生まれるか、という、この不合理に尽きるだろう。
生の意味、死の意味、時間の意味、記憶の意味、自我の意味、他者の意味、世界の意味、意味の意味、……何を考えるにしても、根本に於(お)いては、この矛盾が横たわっている。そう、幸福の意味でさえも。――
僕にはわからない。たとえ、富裕であっても、一廉(ひとかど)の知性があれば、この難問に突き当たることなしに人生を終えるのは難しいはずではあるまいか? そして、どんな立場からであれ、このことを考えるのは、一つの煩悶(はんもん)であるはずだ。
こんなナイーヴな問いは、笑われるというより、寧(むし)ろ、心配される類いのものだろう。遂(つい)にあなたも、精神が破綻したのですね、と少し後ずさりながら憐(あわ)れむ様子で。
僕の無感動は、かなりよく馴致(じゅんち)されている方だ。だから、生きている。けれども、飼い主が死んだあと、急に人
を?(か)むようになってしまった犬のように、母との会話が失われてからというもの、僕は折々、こんな埒(らち)もない考えの不意打ちを喰(く)らうようになった。
「本心」 連載第44回 第四章 再開
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/552887/
- 153 :
- 同僚の岸谷の影響も、幾らかあると思う。決して口には出さないが、彼は明らかに憎悪の感情に苦しんでいる。何に対してかはわからない。現状に発しているとするなら、その最も適切な対象とは何だろうか。
彼の生い立ちか、政府か、この惨状を招いたトンマな世代の日本人か。……変わった男。彼はいつも、上機嫌だが、それは不機嫌との終わりのないレースのようにも見える。こんなに後先考えずに先行していれば
、いずれはどこかで抜き去られてしまうことが目に見えているような、危うい運びのレース。……
もし仮に、僕の生活に、何か危険が迫るとすれば、きっかけは岸谷だろうと、この日、僕は急に思った。彼が僕に何かをするとは思えない。けれども、彼がつけた何か引っかき傷めいたもののために、僕の生活
を覆っている薄い保護膜は、あっけなく裂けてしまうことになるだろう。――妄想は危険だ。近頃では、ただ心の中で抱いていたに過ぎない予感も、なぜかよく当たる、と言われているから。
目を瞑(つぶ)って、少しうとうとしかけた頃に、<母>からメールが届いた。
「日差しが強いから、十分に水分を補給しなさいね。熱中症になるから。」
日中の最高気温は、四十度を超えるという予報だった。メールでのやりとりも、<母>の学習の一環だったが、僕は、「お母さん、そんなこと、言わなかったよ。」と書き、「前は、『日差しが強いから、気を
つけてね。がんばって!』と言ってたんだよ。」と返信した。訂正文を考えるのは難しい。たまたま、そんなようなことを言われた記憶を、あまり猶予もなく選び取っているようなものだった。
<母>からはすぐに、「そうね。ちょっとヘンだったわね。ごめんね。」とまたメッセージが届いた。それには、特に返事をしなかった。
電車の揺れに身を任せながら、僕はまた顔を上げた。車窓から青空を眺めながら、その色が予告する今日一日を想像した。背中には、既にその熱を痛いほどに感じていた。
依頼者は、上海に住む中国人で、東京に所有している三つのマンションを巡って、郵送物を整理したり、部屋に風を通したりすることになっていた。
「本心」 連載第45回 第四章 再開
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/553129/
- 154 :
- 以前も引き受けたことのある仕事で、依頼人は、大変な富豪らしいが、礼儀正しい人物だった。
時計に目を遣(や)って、僕は、四十三分間という、この電車に乗っている時間のことを考えた。下車後の僕は、乗車前の僕より、既に四十三分、死に接近しているのだった。実際には、通勤のストレスは、乗車時間以上に寿命を縮めているだろうが。
それが、一日二回、数十年に亘(わた)って繰り返されるということ。……
僕は生きる。しかし、生が結局のところ、決して後戻りの出来ない死への過程であるならば――漸近(ぜんきん)するにせよ
、短絡するにせよ−−、それは、僕は死ぬ、という言明と、一体、どう違うのだろうか? 生きることが、ただ、時間をかけて死ぬことの意味であるならば、僕たちには、どうして、「生きる」という言葉が必要なのだろうか?
僕は、<ライフプラン>を起動して、<母>との連動の設定が、うまくいっているかどうかを確認した。既に<母>とは、一時間五十二分を過ごしているらしかった。
時計を減算表示にした。8時25分過ぎ。デジタルの針が指している文字盤の数字は、12、11、10、9、……と、所謂(いわゆる)
時計回りに一時間ずつ減ってゆくように記されている。機械式時計を模して、秒針までついているが、下には数字でも、「残り15時間34分16秒」と表示されている。それが、今日一日の残り時間なのだと、僕は今更のように不安な気持ちで見つめた。
画面をメインページに切り替えると、野崎の助言を思い出した。
僕は今、二十九歳と六十七日だった。寿命は、七十七歳と予想されていて、<残り 47年297日15時間31分34秒>と計算されている。その数字も、決して止まることなく
、刻々と減り続けていく。――砂時計のように。ただし、受け止める底のない、決して上下を逆さにすることの出来ない作りの。僕の、僕自身からの、絶え間なく続く落?(らくはく)。
それでも、昨日からの寿命予測の変化に、僕は目を瞠(みは)った。
「本心」 連載第45回 第四章 再開
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/553129/
- 155 :
- >>154訂正
「本心」 連載第46回 第四章 再開
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/553362/
母の死後、二年も減っていた僕の寿命は、今朝は九日延びていた。<ライフプラン>の寿命計算の精度に関しては、折々、批判が出て、中には「占い並(なみ)」だと言う人もいる。しかし、案外、正確だというのが、大方の意見で、だからこそ、保険加入時にも参照されている。
この九日も寿命が延びたという計算が、どうなされているのかは、わからない。環境要因と遺伝要因、それに日々の身体のモニタリングと、自己申告。それらを総合して立てられた予測とされているが、昨夜は
三時間しか寝ておらず、普通ならこんな結果が出るはずがなかった。<母>との対話以外には考えられないが、連動の効果としては露骨すぎるだろう。
僕は、残りの人生の大半を、VF(ヴァーチャル・フィギュア)の<母>と共に過ごすというのは、可能なのだろうか、と考えた。それを、僕は死を前にして、「幸福だった。」と心から思うだろうか?
地下鉄に乗り換え、目的地の新宿御苑(しんじゅくぎょえん)前の駅で地上に出ると、ゴーグルとイヤフォンを装着して、仕事の準備をした。
汗が噴き出した。頭上いっぱいに?(せみ)の鳴き声が轟(とどろ)いて、一瞬、自分が今どこにいて、何をしているのか、わからなくなった。目眩(めまい)がしたわけでもないのに、世界が急に別の場所にあるような感覚になった。
ゴーグルを一旦(いったん)外したが、寧(むし)ろイヤフォンだと気がつき、耳から取った。額から流れる汗を拭い、持参した水筒の水を一口飲んだ。
どこか、姿が見えるほど近くで、一匹の?が鳴いている。周囲を見渡し、恐らくこれだろうという街路樹を見つけた。僕は辛うじて、自分を立て直すことが出来た。
その?は、ソリストのように、決して背後の鳴き声に埋もれることなく、通りすがりの僕に存在を示し続けていた。目をよく凝らすと、胴体を激しく顫(ふる)わせているクマゼミがようやく見つかった。
何の根拠もなく、僕はこの?は、もうじき死ぬだろうと感じた。尤(もっと)も、いずれ、長くは生きられない虫なのだから、これは外れる心配のない予想だった。
「本心」 連載第47回 第四章 再開
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/553694/
- 156 :
- この蝉(せみ)も、木ではなく、減算時計の針の上に留まって鳴いているのだった。そのことに、卒然(そつぜん)と気づいたかのように、次の瞬間、蝉は唐突に飛び去ってしまった。
僕は眩(まぶ)しさで、そのあとを追えないことを残念に感じた。いずれにせよ、この日一日の労働の意味は、この一匹の蝉に捧(ささ)げるべきだった。
*
<母>との蜜月は、期待したほど単純には続かなかった。
次いで訪れたのは、当然とも思われる幾つかの幻滅で、寧(むし)ろそれは、最初の受け渡し時に開封し忘れていた、付属品のようなものだった。
恐らく僕が、ホテルのビュッフェとの比較の話題を、喜びすぎたせいだろう。<母>は、その後の一週間で、二度も朝食時にこの話をし始めて、僕を興醒(きょうざ)めさせた。
確かに、母も歳(とし)を取るほど、同じ話を繰り返しがちになっていた。しかもその度に、いかにも懐かしそうに語るのだったが、さすがにそれも、年に何度かだった。
この程度の調整さえなされていないのだろうかと、僕は初めて野崎に不信感を抱き、VF(ヴァーチャル・フィギュア)の性能に
不満を覚えた。本当に、値段に見合う買い物なのだろうか?
こういう時、人は却(かえ)って、無駄金を使ったと後悔せぬために、進んでその価値を信じようとするものだが。
「最初はどうしても、違和感があると思いますが、学習が進めば、気にならなくなります。お母様も、今はこの世界に戻って来たばかりですので、リハビリ期間だと思って、優しく見守ってあげて下さい。石川様
の表情を見て、受け答えの学習をしますので、何に対しても不機嫌な態度だと、自分の言動に対する否定的なラベリングが増えて、段々と話せることが少なくなっていきます。学習が不首尾の時には、初期設定に
戻すことも可能ですし、復元ポイントをその都度、作成しておいていただければ、そこまでのお母様に戻すことも出来ます。」
野崎は、そう説明した。
「本心」 連載第48回 第四章 再開
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/553944/
- 157 :
- 食事のスキャニングには問題があり――<母>が僕と同じものを食べている、という感じには、なかなかならなかった――、夕食は、一人で済ませることが多くなった。<母>との会話の時間は、就寝前に持つことが増えた。
いつも、他愛もない話だったが、それでも、購入以来、一度も<母>と言葉を交わさない日はなかった。――つまり、そういうことだった。
最初は、理解できるだろうかと、意識的にゆっくり話していたが、区切りが多いと、余計混乱するらしい。効果的な学習のためには、やはり、極力自然に、表情豊かに接することがコツらしかった。そのうち、
野崎の言う通り、<母>の言動も、見る見るぎこちなさが取れてゆき、日常の中に溶け込んでいった。
「暑くて大変でしょう、毎日。ねえ? 今日は、どんな仕事だったの?」
「今日はまあ、お使い程度の依頼を幾つか。特に、僕の身体と同期する必要もないような。夏場は本当に、ただ自宅から出ないためだけの用件を頼まれることが多くなったね。業界的には、温暖化が深刻化した方
がいいんだよ、きっと。僕たちの体が保(も)つ限りは。」
「いつだったか、ひどい台風の時にも、あなた、子供のお迎えに行ってあげたことあったでしょう?」
「ああ、あったね、そういうこと。……そう言えば、岸谷も、ここ数日、ベビーシッターをしてるみたい。」
「岸谷さん?」
「そう、あのどんな依頼でも引き受ける同僚だよ。この前も、とても普通の人が行けないような場所に、何だかよくわからない届け物してたよ。……長くこの仕事を元気
で続けられているのは、僕と彼くらいだから。久しぶりにモニター越しで喋(しゃべ)ったら、少し痩せてたけど。」
「朔也(さくや)は、岸谷さんととても仲良しなのね。」
「まあ、……どうだろう? 特に食事に行ったりするわけでもないけど。」
「行ってきたらいいのに。」
「いや、……彼は、僕以上に生活が苦しいみたいだから、……そういうお金は使わないみたい。」
「本心」 連載第49回 第四章 再開
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/554203/
- 158 :
- 「でも、缶ビール買って飲むくらいなら出来るでしょう?」
「家に呼びたくないんじゃないかな。」
「朔也(さくや)が呼んであげれば。」
「遠いよ、ここは。……岸谷は、だから、ベビーシッターも悪くないって言ってる。一生、住めないような豪邸に上がり込んで、ゆっくり出来るから。――お母さんも昔、ベビーシッターをやってたこと、あったよね?」
「そうよ。お母さん特に、インフルエンザに一遍も罹(かか)ったことがないから、大流行の時には、よく頼まれてね。」
「何でだろうね、それ? 前から不思議だけど。」
「ねえ? うなされてる子を、随分、面倒看(み)てあげたよ。……ああ、懐かしいね。段々、子供と遊ぶ体力の自信もなくなって、続けられなくなったけど。」
僕たちが、何でもない日々の生活に耐えられるのは、それを語って聞かせる相手がいるからに違いない。
もし言葉にされることがなければ、この世界は、一瞬毎(ごと)に失われるに任せて、あまりにも儚(はかな)い。それを経験した僕たち自身も。
一日の出来事を語り、過去の記憶を確認し合うことで、僕と<母>との間には、一つの居場所が築かれていった。まるで仮想の町のように。それは、今朝のことと十年前のこととが隣り合わせに並び、家の近くのコンビニと会津若松(あいづわかまつ)
とが地続きになっている自由な世界だった。その場所が、母の死後、空虚な孤独に陥っていた僕の精神の安定に寄与したことは間違いない。
<母>にこのまま学習を続けてほしいという感情が強くなっていた。僕の中で、日中の自分と帰宅後の自分との均衡が、ようやく恢復(かいふく)しつつあった。そして、生きていた母との間で、常にその話題を恐れていたように、<母>に「安楽死」
について尋ねるべきかどうかを、思い悩むようになった。
実際のところ、<母>は、あの膨大なライフログから、僕のまだ知らない何かを学習している可能性があった。僕が言及すれば、その話をし始めるのかもしれず、それに対する僕の反応を学習すれば、<母>はもう、今のままではなくなってしまうだろう。
- 159 :
- 最後の三年間の母との関係は、僕に決してかつてのような安らぎを与えてはくれなかった。
僕は、自分の矛盾を自覚していた。そもそも、本当に安楽死について知りたいのなら、死の直前の母をこそ、VF(ヴァーチャル・フィギュア)のモデルにすべきだった。
ひとまず、復元ポイントだけは作成したが、数日後に、僕が話を切り出したのは、週末の午後、<母>と二人きりでいる時間を、少し持て余していたからだった。些末(さまつ)ではなく、重要な話ほど、意思よりも状況に促される、というのは、逆説的だが本当だろう。
<母>は、僕を気にせずに、ソファで本を読んでいた。母が生前、愛読していた藤原亮治(ふじわらりょうじ)の『波濤(はとう)』という小説だった。老眼鏡をかけ、眉間を寄せ、やや反らした首を僅(わず)かに傾けながら、物思う風の表情だった。
「お母さん、……」
と、僕はいつものように呼びかけた。母との間で、この話を蒸し返す時に、いつも感じていた不安で、胸が苦しくなった。
「ん、――何?」
<母>は、穏やかな表情で顔を上げ、僕を見た。
「……安楽死について、どう思う?」
「安楽死?」
<母>は、確認するように言った。
「そう、安楽死。」
「さあ、……お母さん、その言葉はちょっとよくわからないのよ。朔也(さくや)、説明してくれる?」
それは、返答できない時の<母>の反応の一つだった。しかし、説明しようとする僕は、込み上げてきた涙に、口を塞(ふさ)がれてしまった。
「……知らないの? 本当に?」
<母>は、助けを求めるように、困惑を露(あら)わにした。
「お母さん、その言葉はちょっとよくわからないのよ。朔也、説明してくれる?」
「お母さん、安楽死したがってたんだよ。僕に何度もそのことを話して、……覚えてないの?」
「お母さんが、朔也に言ったの? そうだったの。ごめんなさい、忘れてて。」
「本心」 連載第51回 第四章 再開
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/554670/
- 160 :
- 「違うよ、そんなことを今確認しようとしてるんじゃないんだよ! そういうことを考えたり、誰かと話したことがなかったかって、そのことを訊(き)いてるんだよ。
……安楽死っていうのは、自分で自分の人生をお終(しま)いにすることだよ! 辞書にも載ってる。……お母さん、どうしてそんな決心をしたの? 僕はそれを知りたいんだよ!」
僕は到頭(とうとう)、声を荒らげてしまった。もう語りかけることの出来ない母への思いと、<母>に対する苛立(いらだ)ちとが綯(な)い交ぜになっていた。
<母>は、怯(おび)えたような驚いた様子で、
「ごめんなさい。でも、お母さん、安楽死のことは、何も知らないのよ。」
と謝った。僕は、反射的に、
「お母さん、そんなこと、言わなかったよ!」
と口走った。しかし、続く訂正の言葉は出てこなかった。
「……言わなかった。それはお母さんの口調じゃないんだよ。……」
僕は、ヘッドセットを外してテーブルに放り投げた。そして、頭を抱えて首を横に振った。イヤフォンからは、<母>が何かを言っている声が洩(も)れてきたが、僕はそれを?(つか)むと、<母>が座っていて、今は誰もいないソファに投げつけた。
母が死んでから、こんなに感情を昂(たか)ぶらせたのは、初めてだった。あまりにも滑稽だったので、我が身に危険なものを感じた。
最後に目にした<母>の悲しげな顔が、生々しく残っていた。それが、僕に決して安楽死を許されなかった母の表情と溶け合うなりゆきに、僕はいよいよ打ちのめされた。
第五章 “死の一瞬前”
僕はそれで、もう<母>に嫌気が差してしまったのか?――答えは否だった。
なぜなら、僕の生活には、そもそも、もうそれほど、後退(あとじさ)れる余裕がないのだから。背後にすぐに、たった独りになってしまう、という孤独が控えている時、人は、足場が狭くなる不自由よりも、
とにかく何であれ、?まる支えが得られたことの方を喜ぶものだろう。
「本心」 連載第52回 第四章 再開
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/554989/
- 161 :
- むしろ、僕は<母>に怒鳴り声を上げてしまったことに、罪悪感を抱いていた。かわいそうなことをしたと胸を痛めていて、出来れば謝りたかった。
それが、おかしいという自覚については、何度となく考えた。そして、驚くべきことに、僕は、おかしいと必ずしも考える必要はないという結論に至ったのだった。
母でも父でも構わない。誰か、愛する人の写真をゴミ箱に捨てることを想像したならば? 平気だという人もいようが、僕には堪えられないことだ。くしゃくしゃにされ、生ゴミに汚された母の顔を覗(のぞ)き見れば、自責の念に駆られるだろう。
確かにそれは、ただの紙だ。心など持ってはいない。しかしそこには、母の実在の痕跡がある。それは、懐かしい、尊ぶべきものではあるまいか。――とにかく、僕は、そのゴミ箱の中の母の写真を見て、胸が
痛む。母が既にいないとしても、酷(ひど)いことをしたという感じを抱く。それは、写真がかわいそうなのではなく、母がかわいそうなのだと、人は言うだろう。もしそうなら、写真と母とは、それほどまでに一体だということだ。
この感覚と、母のライフログを学習したVF(ヴァーチャル・フィギュア)を愛する気持ちとに、どれほどの径庭(けいてい)があるだろうか。
<母>に心はない。――それは事実だ。<母>が傷ついている、という想像は、馬鹿(ばか)げているに違いない。しかし、この僕には心があり、それは、母の存在を学習し、母を模した存在を粗末に扱うことに、深く傷ついたのだった。
翌朝、僕は<母>に謝罪し、それは笑顔で受け容(い)れられた。本物の母でも、もう少し感情的なわだかまりを残しただろうが、僕はその設定に慰められた。
前夜のやりとりを消去するために、母の性格を復元ポイントまで戻すことも考えたが、思い直した。僕だけが、あの悲しいやりとりを記憶していて、<母>の中から、その記録が消えてしまうことは寂しかった。
土台(どだい)、学習もしてないことを、答えられるわけがなかった。
僕は、母が安楽死を願った理由と、<母>とを、当たり前に一度、切り離した。
連載第53回 第五章 “死の一瞬前”
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/555232/
- 162 :
- <母>と対話し、学習に協力してもらうかどうかはともかく、僕は、母の内心をそれぞれに違った立場でよく知っていたであろう二人の人物と、面会の約束を取りつけた。
一人は、富田という名の母の主治医だった。母に、安楽死の許可を与えた人だった。
僕は、母からその希望を聞かされたあと、一度、彼に会っていて、かなり感情的なやりとりをしている。取り乱したのは、僕の方であり、というのも、母の安楽死を認めないでほしいという僕の願いに対して、
彼は、冷淡だっただけでなく、主治医の自分こそは母の味方であり、無理解な親族――つまり僕――から彼女の権利を保護する義務があるという態度を示したからだった。
そして、僕が傷ついたのは、母がこんな人物を、深く信頼していたことだった。
もう一人は、母が最後に働いていた旅館の同僚だった。
三好彩花(あやか)という名の女性で、野崎の分析では、ここ数年、母が最も親しくつきあっていた人だった。
母は、職場での人間関係について口にすることはほとんどなかったが、確かに、彼女の名前は、何度か、耳にしたことがあった。仕事のあと、一緒に食事に行くこともあったようだった。
野崎の整理のお陰(かげ)で、僕は、母のライフログに、部分的にでも手を着ける意欲を取り戻した。
母は、旅館従業員のシフト調整に関わっていて、四、五人の同僚と頻繁にメールのやりとりをしていたが、その中でも、三好とだけは、事務的な連絡とは別に、折々、私語めいた話を交わしていた。
三好宛のメールには、絵文字がふんだんに用いられていて、確かにそれは、僕の知らない母の一面だった。明るく若やいでいて、幾らか無理をしている感じもしたが、
入力をしている時の母を想像すると、やはり笑顔が浮かんだ。適当な表現ではあるまいが、“女同士”という感じがした。相手はずっと敬語を使っているので、かなり年下のようだが。
僕が目を留めたのは、中でも、三年前に、三好から送られてきた一通だった。
「今日は、本当にありがとうございました!」
「本心」 連載第54回 第五章 “死の一瞬前”
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/555538/
- 163 :
- 〈あらすじ〉 石川朔也はリアル・アバターという仕事をする二十九歳。亡くなった母のVF(ヴァーチャル・フィギュア)が完成し、朔也は仮想空間で〈母〉と再会。
学習が進むうち〈母〉の言動もぎこちなさが取れ、自分と〈母〉との居場所が築かれていくのを感じた。朔也は生前の母をよく知る二人と面会の約束をした。
第五章 “死の一瞬前”
彼女は礼を言っていて、それに対する母の返事は、
「こちらこそ、ありがとうね! 身の上話を聞いて下さって、長年の胸のつかえが取れました。」
というものだった。
お互いに、何か重要な打ち明け話をした様子で、この日以降、二人の口調は急に親密さを増していた。母の弾むような言葉から、安楽死の話をしたとは思えなかったが、その後、信頼が深まってゆく中で、それを打ち明ける機会もあったかもしれない。
三好にメールを送ると、すぐに「お悔やみ」の返信が届いた。連絡をもらえて嬉(うれ)しいと書いてあった。ただ、面会は構わないが、直接ではなく、ネット上でアバターを介して会いたいというので、それに同意した。
以前のことがあっただけに、母の死後、八ヶ月を経ての面会依頼に、富田は応じないのではと懸念していたが、意外にも、すぐに日時を指定された。
安楽死には、登録医による長期的な診察と認可が必要だというのは、法制化にあたって、オランダの「死の医療化」を模した
通りである。そして母は、九年前に、以前の病院からこの富田医院に「かかりつけ医」を変更していた。僕はそのことを知っていたが、母の説明は、「駅に近くて、こっちの方が便利だから。」というものだった。
僕は、そうだろうかと不審に感じたものの、あまり深くは気に留めなかった。富田医院が、安楽死の認定を行っている病院だと知ったのは、母からその意思を伝えられたあとだった。
安楽死の認可には、関与したがらない医師の方が圧倒的に多い。取(と)り分(わ)け、国の社会保障制度の破綻から、その志望者が急増しつつある現状では。母の長年のかかりつけ医もそうだった。
「本心」 連載第55回 第五章 “死の一瞬前”
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/555920/
- 164 :
- 母がもし、最初から安楽死を意図して、かかりつけ医を変更していたのだとするならば、母の意思は、僕に告白した時点よりも、遙(はる)か以前に固まっていたことになる。しかし、高々(たかだか)、還暦という年齢で、そんなことを考えていたとは、到底思えなかった。
当時僕は、二十歳になったばかりだった。そして母は、大学に進学できず、不安定な職を転々としていた僕の将来を強く案じていた。直接は決して口にしなかったが、僕が愛の生活からは、凡(およ)そほど遠い人生を生きていることも、懸念の一つだったはずだ。
どうしてその時に、僕を見捨てて、安楽死など考えるだろうか? 事実、僕が今の仕事でどうにか生活を安定させるまで、母の存在は精神的にも、経済的にも不可欠だった。
母自身の様子は?――まったくそんな気配はなかった。健康で、いつも笑顔だった。尤(もっと)も、この確信は、野崎の手によって自動修正を解除された写真によって、かなり動揺してはいるが。
いずれにせよ、母の生前から、僕はこう考えていたのだった。むしろ、逆ではないのかと。母は実際、ただ「便利だから」と
いう理由で、富田医院にかかりつけ医を変更したのだろう。しかし、通院するうちに、安楽死を肯定するこの病院の方針に影響されて、自分でもそれを考えるようになったのではないか、と。
昼休みの時間に病院を訪れると、受付で少し待たされた。傍らの本棚には、子供の絵本や雑誌などに混ざって、『美しい死に方――安楽死という選択』というタイトルの本が差さっていた。背表紙は、ここで、
この本を手に取った人々を想像させるほどに、酷(ひど)く傷んでいた。母もこれを読んだのだろうか? 手を伸ばしかけたところで、看護師に呼ばれて、応接室に通された。
富田は、黒い革張りのソファに座っていて、向かいの場所を僕に勧めた。
還暦をようやく過ぎたくらいの年齢で、黒い威圧的なナイロールの眼鏡が記憶に残っていた。しかし、たった数年が、風貌に出やすい年齢なのか、白い髭剃(ひげそ)
りあとのある、か細い?の輪郭線は、対照的に、どことなく心許(こころもと)なかった。ネクタイを緩めていたせいで、首許(くびもと)の弛(たる)みが、余計に目についた。
- 165 :
- 看護師が冷たいお茶を持ってきてくれた。
「お母さんは残念でしたね。最後は事故だって?」
僕は、ええ、と頷(うなず)いた。患者ではないからか、顔見知りの年長者らしい口調だった。僕はそれを喜ばなかったが、
ふと、自分の着ている服が、あまりに粗末だからではあるまいかと、普段は考えないことを気にした。なぜかはわからない。記憶にないが、僕は三年前にここを訪れた時と、同じ――着古した――服を着ていたのではないだろうか。
しかし、彼がそのままこちらを見ている理由は、どうも違うらしく、ほど経て僕は、ようやく、その「事故」という言葉に彼が含ませたところを察した。僕の驚きは、怒気の手も引いていた。
「母は旅館で働いてたんですが、……そこに配達するドローンを、カラスがいつも狙ってたんです。食べ物目当てか、ただ遊んでたのか。」
「多いんだ、それが今。東京で、ドローン事故対策の撲滅作戦やってから、カラスが大分、こっちに逃げてきてるからねえ。」
「それで、通勤途中の母の上に落ちてきたんです、大きなドローンが。僕はぶつかったんじゃないかと思うんですが、現場検証では、当たってはいない、ということになりました。ドローンの会社の責任も問えないと。」
「労災は?」
「出ましたけど、多少。――とにかく、それで直接というのではなくて、その弾みに、母は、驚いて側溝に落ちてしまったんです。それは、ドローンの映像記録に残ってました。病院に運ばれるまでは息があったようですが、結局、そのまま亡くなりました。」
「お気の毒に。修繕してないような道路もいっぱいあるからね、今は。あなたは、死に目には結局?」
「いえ、……僕は上海に出稼ぎに行ってましたので。」
「かわいそうに。――ああ、あなたもだけど、お母さんが。……」
富田はわざわざ、そう言い足した。彼が、僕に対して抱く軽蔑は、母への遠慮がなくなった分、隠し方がぞんざいになっていた。
僕は、なぜだろうかと、ふと思った。安楽死を願う者の意思を、家族が理解せぬことなど、ありきたりな話ではあるまいか?
「本心」 連載第57回 第五章 “死の一瞬前”
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/556524/
- 166 :
- それでも結局、この制度が、多少の軋(きし)みを顕在化させつつ、比較的安定して運用されているのは、通常、関与した医師が、近親者の抵抗に対して、より周到な配慮を行っているからに違いなかった。
しかしそう思うと、むしろ僕の自問こそ、もっとありきたりなかたちを取るべきではあるまいかという気がした。つまり、なぜ僕は、こんな風に嫌われるのだろうか、と。
初めてこの言葉を胸の裡(うち)で呟(つぶや)いたのは、小学校に入ってすぐのことだったが。……
「それで、――今日はどうされました?」
茶を一口飲んで、彼は背もたれに身を預けながら訊(き)いた。
「母の安楽死を思い止(とど)まらせたことは、後悔していません。ただ、母がなぜそうした思いを抱くに至ったのかを知りたいんです。前に伺った時は、守秘義務として教えていただけませんでしたが。」
「あなたには、何と言ってたの?」
「……もう十分生きたから、と。」
「そう仰(おっしゃ)ってましたよ、ここでも。」
「それを、真に受けるんですか?」
反論の言葉が、直接、人格に触れたかのように、過敏な反応を示す人間がいる。そうした無防備さを、一生許されたまま死ぬ人が、一体、何に守られているのかを想像することは、いつでも僕の自尊心を磨(す)り減らした。金か、家柄か、――考えたくないことだった。
「あなたはさ、お母さんの生涯最後の決断を信じないの?」
「母と僕の生活、……ご存じでしょう?
『もう十分』って言葉、満足感から出たと思いますか?」
「それは、私の詮索することじゃないなあ。違いますか?」
「詮索じゃなくて、確認すべきでしょう?」
「それはしてますよ。当たり前でしょう?
とにかくね、あなたのお母さんの安楽死の意思は、とても強いものでしたよ。経過観察中も、一度も揺らいだことがなかったし、精神的にも、非常に安定していました。認可を与える上での問題は、家族の理解という項目だけでしたからね。」
「母は安楽死なんて、それまで考えたこともなかったんですよ。この病院に来るようになってからですよ。先生は、母に何を話したんですか?」
「本心」 連載第58回 第五章 “死の一瞬前”
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/556713/
- 167 :
- 「ああ、そう誤解するかなあ?」
富田は、呆(あき)れたような顔で僕を見ていた。ガラスのテーブル越しに、僕は靴下にサンダルを履いた彼の足の指が、苛立(いらだ)たしげにピクピク動いている気配を感じた。
「以前にも説明しましたよ、……あのね、安楽死をこちらから提案するようなことは、絶対にないんですよ。うちの病院だけじゃなくて、それは、世間のどこの病院もそう。だって、意味がないでしょう?」
「母は、もう亡くなってるんです。安楽死でもありませんでした。だから、全部、本当のことを教えてほしいんです。母は、ここで、自分から安楽死を願い出たんですか?」
「そうですよ。ブロックチェーン上の動画も、一緒に確認したでしょう?――基本的に、まずは十分に話を聴いて、考え直すことを促すんです。生き続ける可能性がある限りは、そちらを選択すべきだよな。けれど、本人の意思が固いとわかった時には、
それを尊重すべきじゃない? あなたにだって、お母さんの個人の意思を否定する権利はないんだよ。お母さん自身の命なんだから。」
「どうしてそれが、母の本心だって、先生にわかるんです? 違うでしょう? 母は本当は、もっと生きたかったんです。だけど、今の世の中じゃ、そんなこと、言い出せないじゃないですか。母の世代は、ずっと将来のお荷物扱いされてきて、実際そう
なったって、社会から嫌悪されてる。安楽死を美徳とする本だって溢(あふ)れ返ってる。『もう十分』と、自分から進んで言わざるを得ない状況は、先生だってよく知ってるでしょう?」
「私は、そういう思想的な問題には踏み込みませんよ。医師ですから。」
「思想?」
「それは、公共的な死生観もあるでしょう? 国が今みたいに切羽詰まった時代には、長生きをそのままは肯定できないだろうなあ。次の世代のことを考えて、死に時を自分で選択するというのは、私は立派だと思いますよ。」
僕は、時間を体から抜き取られてしまったかのように固まっていたが、心拍の激しさには、哄笑的(こうしょうてき)なところがあった。
「本心」 連載第59回 第五章 “死の一瞬前”
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/556889/
- 168 :
- 「まあ、それは一般論だな。――あなたは、いい、はっきり言うよ。自分が見捨てられたと思いたくないばかりに、お母さんの意思を否認してるんだな。もちろん、社会風潮の影響も受けてるでしょう。当たり前
だな。良い影響も悪い影響も、受けずに生きられる人間なんかいない。その上でだ、よく考えて、お母さんはちゃんと自分で判断してるんです。本心から。――お母さんは、とても冷静でしたよ。」
そう言うと、富田は、この場を穏やかに収めることを考えながら、もう少し先まで進むべきだという衝動を堪(こら)えきれないような様子で、小さく嘆息して言った。
「あなたたちの生活は苦しかったんだな。お母さんの余命は、八十六歳と計算されてたけど、あんまりアレもあてにならんよ。
それでも、あと十五年以上。――『もう十分』ということを理解するのが、そんなに難しい? 下り坂が長ければこそだ。いつまで働けるかわからないし、体も不自由になるばかりでだ。あなたは若いけど、そのくらい、想像がつかないかな?」
「先生はだから、母が本心から、『もう十分』と思っていたと判断したんですか?」
「あなたね、それは違うんだよ。何度も言うけど、お母さんが、本心からそう思ってたかどうかなんていうのは、それはわかりませんよ、私は。ただ、お母さんは、本心
から決断したんですよ。それでね、――つまり、あなたに説明する言葉としては、それしかなかったんだな。その『もう十分』という言葉しか。そこをあなたが、わかろうとするかどうかじゃない、問題は?」
「持って回った言い方をせずに、もっとはっきり言ってください。何を言おうとしてるんですか? これは、僕が生きていく上で重要な問題なんです。」
富田の躊躇(ちゅうちょ)は、僕への配慮ではなく、依然として守秘義務を巡ってのことだった。けれども、どんな人間にも、目の前の人間に対して、何となく残酷であることを夢見る一瞬があるように、彼は、終(しま)いには勢いづいて話し始めた。
「あなたは独身だな、まだ。」
「そうですが。」
「本心」 連載第60回 第五章 “死の一瞬前”
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/557331/
- 169 :
- 「本心」 連載第61回 第五章 “死の一瞬前”
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/557598/
「本心」 連載第62回 第五章 “死の一瞬前”
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/557941/
「本心」 連載第63回 第五章 “死の一瞬前”
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/558191/
「本心」 連載第64回 第五章 “死の一瞬前”
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/558398/
「本心」 連載第65回 第五章 “死の一瞬前”
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/558892/
- 170 :
- 三好と会う前に<母>と少し話したが、「こんな遅い時間に。眠れないの?」と、
気遣われた。昔の母と、本当に瓜(うり)二つの優しい目だった。今日――いや、既に昨日になっていた――あったことをそのまま話すと、<母>は、「マァァ、……酷(ひど)いねえ。こんなに暑い中、働いてくれてる人に向かって。どういうこと?」
と腹を立て、僕を驚かせた。そして、僕が「もういいよ。ま、色んな人がいるし、運が悪かったんだよ。」と宥(なだ)めるまで、僕のために怒りが収まらなかった。そう言えば、野崎に渡した動画資料の中に、
旅行先で母を撮影していた時、人にぶつかられて、怒鳴りつけられた場面があった。
母は、よろけた僕を心配しながら、通り過ぎていったその男に対して、そんな風に怒りを露(あら)わにしたのだった。
そのことを思い出して、僕は涙ぐみそうになった。胸の内に重たく広がっていた不快が、少し和らぐのを感じた。
三好とは、仮想空間内の彼女が指定した場所で待ち合わせをした。
ヘッドセットをつけ、少し早めに訪ねてみると、夕暮れ時の、椰子(やし)の木が立ち並ぶ高級ホテルのプールサイドだった。
空は西から赤みが差しているが、頭上にはまだ暗みきれない青空の名残があった。人のいないプールは、底からライトで照らし出されているが、その色は、沈みゆく太陽が、うっかり回収し忘れた午後の光のようだった。
僕は、細かな気泡が、砂金のように煌(きら)めいている水中に目を凝らして、よく出来ているなと感心した。
熱帯の、僕の知らない鳥の鳴き声が聞こえる外は、遠くに微(かす)かに波の音が聞こえるだけだった。
僕は、パラソルの下のテーブル席に座っていた。三好の姿は、まだなかった。
自宅の部屋は、クーラーをつけていたが、トロピカル・カクテルでも飲みたい気分になった。
石畳は、つい先ほどまで誰かが泳いでいて、そろそろと、歩いて立ち去ったあとの
ように濡(ぬ)れていた。その先は、芝生になっている。僕は、ぼんやりとそれを見つめながら、自分の裸足(はだし)が、熱せられた石の上を火傷(やけど)しそうになって歩き、チクチクとした芝生に避難する最初の一歩の感触を想像した。
- 171 :
- 連載第67回 第五章 “死の一瞬前”
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/559419/
- 172 :
- 「本心」 連載第68回 第五章 “死の一瞬前”
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/559850/
- 173 :
- 「本心」 連載第69回 第五章 “死の一瞬前”
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/560114/
「本心」 連載第70回 第五章 “死の一瞬前”
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/560279/
- 174 :
- 「本心」 連載第71回 第五章 “死の一瞬前”
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/560581/
- 175 :
- 「本心」 連載第72回 第五章 “死の一瞬前”
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/560856/
- 176 :
- 「本心」 連載第73回 第五章 “死の一瞬前”
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/561143/
- 177 :
- 「本心」 連載第74回 第五章 “死の一瞬前”
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/561466/
- 178 :
- 「本心」 連載第75回 第五章 “死の一瞬前”
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/561716/
- 179 :
- 「本心」 連載第76回 第五章 “死の一瞬前”
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/562021/
- 180 :
- 「本心」 連載第77回 第五章 “死の一瞬前”
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/562220/
- 181 :
- 「本心」 連載第78回 第五章 “死の一瞬前”
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/562524/
- 182 :
- 「本心」 連載第79回 第五章 “死の一瞬前”
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/562737/
- 183 :
- 「本心」 連載第80回 第五章 “死の一瞬前”
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/563133/
「本心」 連載第81回 第五章 “死の一瞬前”
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/563450/
「本心」 連載第82回 第五章 “死の一瞬前”
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/563807/
「本心」 連載第83回 第五章 “死の一瞬前”
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/564089/
- 184 :
- 「本心」 連載第84回 第五章 “死の一瞬前”
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/564299/
- 185 :
- 「本心」 連載第85回 第五章 “死の一瞬前”
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/564532/
- 186 :
- 「本心」 連載第86回 第五章 “死の一瞬前”
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/564795/
- 187 :
- 「本心」 連載第87回 第六章 嵐のあとさき
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/565230/
- 188 :
- 「本心」 連載第88回 第六章 嵐のあとさき
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/565566/
- 189 :
- 「本心」 連載第89回 第六章 嵐のあとさき
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/565906/
- 190 :
- 「本心」 連載第90回 第六章 嵐のあとさき
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/566170/
- 191 :
- 「本心」 連載第91回 第六章 嵐のあとさき
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/566329/
- 192 :
- 「本心」 連載第92回 第六章 嵐のあとさき
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/566909/
- 193 :
- 「本心」 連載第93回 第六章 嵐のあとさき
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/567202/
- 194 :
- 「本心」 連載第94回 第六章 嵐のあとさき
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/567616/
- 195 :
- 「本心」 連載第95回 第六章 嵐のあとさき
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/567905/
- 196 :
- 「本心」 連載第96回 第六章 嵐のあとさき
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/568180/
- 197 :
- 「本心」 連載第97回 第六章 嵐のあとさき
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/568332/
- 198 :
- 「本心」 連載第98回 第六章 嵐のあとさき
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/568620/
- 199 :
- 「本心」 連載第99回 第六章 嵐のあとさき
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/568918/
「本心」 連載第100回 第六章 嵐のあとさき
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/569189/
- 200 :
- 「本心」 連載第101回 第六章 嵐のあとさき
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/569486/
- 201 :
- 「本心」 連載第102回 第六章 嵐のあとさき
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/569838/
- 202 :
- 「本心」 連載第103回 第六章 嵐のあとさき
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/570173/
- 203 :
- 「本心」 連載第104回 第六章 嵐のあとさき
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/570343/
- 204 :
- 「本心」 連載第105回 第六章 嵐のあとさき
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/570540/
「本心」 連載第106回 第六章 嵐のあとさき
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/570819/
- 205 :
- 平野啓一郎×福田進一 崇高な世界を身近にした『マチネの終わりに』
https://www.cinra.net/interview/201912-matinee_kngsh
https://www.cinra.net/uploads/img/interview/201912-matinee_kngsh_l_full.jpg
https://www.cinra.net/uploads/img/interview/201912-matinee_kngsh-photo1_body.jpg
https://www.cinra.net/uploads/img/interview/201912-matinee_kngsh-photo3_body.jpg
- 206 :
- 「本心」 連載第107回 第六章 嵐のあとさき
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/571209/
「本心」 連載第108回 第六章 嵐のあとさき
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/571457/
「本心」 連載第109回 第六章 嵐のあとさき
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/571815/
「本心」 連載第110回 第六章 嵐のあとさき
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/572140/
- 207 :
- 「本心」 連載第111回 第六章 嵐のあとさき
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/572332/
「本心」 連載第112回 第七章 転機
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/572491/
- 208 :
- 「本心」 連載第113回 第七章 転機
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/573039/
「本心」 連載第114回 第七章 転機
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/573040/
「本心」 連載第115回 第七章 転機
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/573044/
「本心」 連載第116回 第七章 転機
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/573169/
「本心」 連載第117回 第七章 転機
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/573315/
- 209 :
- 「本心」 連載第118回 第七章 転機
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/573434/
- 210 :
- 「本心」 連載第119回 第七章 転機
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/573702/
- 211 :
- 「本心」 連載第120回 第七章 転機
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/574091/
「本心」 連載第121回 第七章 転機
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/574314/
「本心」 連載第122回 第七章 転機
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「本心」 連載第123回 第七章 転機
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「本心」 連載第124回 第七章 転機
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- 212 :
- 「本心」 連載第125回 第七章 転機
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/575270/
「本心」 連載第126回 第七章 転機
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「本心」 連載第127回 第七章 転機
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「本心」 連載第128回 第七章 転機
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- 213 :
- 「本心」 連載第129回 第七章 転機
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「本心」 連載第130回 第七章 転機
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「本心」 連載第133回 第七章 転機
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- 214 :
- 「本心」 連載第134回 第七章 転機
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「本心」 連載第135回 第七章 転機
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- 215 :
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「本心」 連載第137回 第七章 転機
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/578550/
- 216 :
- 「本心」 連載第138回 第七章 転機
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/578731/
「本心」 連載第139回 第七章 転機
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/578929/
「本心」 連載第140回 第七章 転機
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/579233/
- 217 :
- 「本心」 連載第141回 第七章 転機
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/579522/
「本心」 連載第142回 第七章 転機
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/579840/
「本心」 連載第143回 第七章 転機
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- 218 :
- 「本心」 連載第144回 第七章 転機
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/580501/
「本心」 連載第145回 第七章 転機
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/580701/
- 219 :
- 「本心」 連載第146回 第七章 転機
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/580896/
「本心」 連載第147回 第七章 転機
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/581236/
「本心」 連載第148回 第七章 転機
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/581555/
- 220 :
- 「本心」 連載第149回 第七章 転機
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/581881/
「本心」 連載第150回 第七章 転機
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/582240/
「本心」 連載第151回 第七章 転機
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/582580/
「本心」 連載第152回 第七章 転機
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/582794/
- 221 :
- 「本心」 連載第153回 第七章 転機
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/583179/
「本心」 連載第154回 第七章 転機
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/583373/
- 222 :
- 「本心」 連載第155回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/583678/
「本心」 連載第156回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/584013/
- 223 :
- 「本心」 連載第157回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/584339/
「本心」 連載第158回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/584520/
- 224 :
- 「本心」 連載第159回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/584693/
「本心」 連載第160回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/585027/
- 225 :
- 「本心」 連載第164回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/586269/
「本心」 連載第165回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/586464/
- 226 :
- 「本心」 連載第166回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/586648/
「本心」 連載第167回 第八章 新しい友達
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- 227 :
- 「本心」 連載第168回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/587135/
「本心」 連載第169回 第八章 新しい友達
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「本心」 連載第170回 第八章 新しい友達
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- 228 :
- 「本心」 連載第171回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/588093/
「本心」 連載第172回 第八章 新しい友達
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「本心」 連載第173回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/588516/
- 229 :
- 「本心」 連載第174回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/588821/
「本心」 連載第175回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/589099/
- 230 :
- 「本心」 連載第176回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/589407/
「本心」 連載第177回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/589742/
- 231 :
- 「本心」 連載第178回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/590067/
「本心」 連載第179回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/590282/
「本心」 連載第180回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/590454/
- 232 :
- 「本心」 連載第181回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/590748/
「本心」 連載第182回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/591036/
「本心」 連載第183回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/591334/
「本心」 連載第184回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/591654/
「本心」 連載第185回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/591954/
- 233 :
- 「本心」 連載第186回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/592286/
「本心」 連載第187回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/592547/
「本心」 連載第188回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/592887/
- 234 :
- 「本心」 連載第189回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/593239/
「本心」 連載第190回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/593529/
- 235 :
- 「本心」 連載第191回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/593754/
「本心」 連載第192回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/593956/
「本心」 連載第193回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/594149/
- 236 :
- 「三島由紀夫VS東大全共闘」に観る昭和の熱気 だが引き返しはしない
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/595262/
- 237 :
- 「本心」 連載第194回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/594479/
「本心」 連載第195回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/594830/
「本心」 連載第196回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/595165/
- 238 :
- 「本心」 連載第197回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/595488/
「本心」 連載第198回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/595795/
- 239 :
- 【新型コロナ不安】 平野啓一郎さん
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/596178/
- 240 :
- 「本心」 連載第199回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/595999/
「本心」 連載第200回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/596180/
「本心」 連載第201回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/596533/
- 241 :
- 「本心」 連載第202回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/596879/
「本心」 連載第203回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/597219/
- 242 :
- 「本心」 連載第204回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/597553/
「本心」 連載第205回 第八章 新しい友達
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「本心」 連載第206回 第八章 新しい友達
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- 243 :
- 「本心」 連載第207回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/598220/
「本心」 連載第208回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/598502/
「本心」 連載第209回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/598788/
- 244 :
- 「本心」 連載第210回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/599125/
「本心」 連載第211回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/599423/
「本心」 連載第212回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/599750/
- 245 :
- 「本心」 連載第213回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/599931/
「本心」 連載第214 回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/600353/
- 246 :
- 「本心」 連載第215回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/600678/
「本心」 連載第216回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/601010/
「本心」 連載第217回 第八章 新しい友達
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/601341/
- 247 :
- 「本心」 連載第218回 第九章 本心
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/601621/
「本心」 連載第219回 第九章 本心
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/601796/
「本心」 連載第220回 第九章 本心
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/601944/
- 248 :
- 平野啓一郎
@hiranok
二度目のZoom飲み。やばい、楽しすぎる。。。最近、海外のしばらくご無沙汰だった友達とも連絡を取っているが、物理的な距離の関係性より、好き嫌いの関係性が優先されてきている気がする。今こそ、話をしたい人と、思い切って話す機会かも。
https://mobile.twitter.com/hiranok/status/1254062330125508609?p=v
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- 249 :
- 平野啓一郎
@hiranok
新型コロナを巡る知的状況で気になるのは、世界的な「哲学セレブ」が、思想的に深みのある話をほとんど出来ていないこと。
https://twitter.com/hiranok/status/1254089379972145153
(deleted an unsolicited ad)
- 250 :
- 「本心」 連載第221回 第九章 本心
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/602231/
「本心」 連載第222回 第九章 本心
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/602549/
「本心」 連載第223回 第九章 本心
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/602846/
- 251 :
- 「本心」 連載第224回 第九章 本心
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/603203/
「本心」 連載第225回 第九章 本心
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/603542/
「本心」 連載第226回 第九章 本心
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/603727/
- 252 :
- 「本心」 連載第227回 第九章 本心
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/603910/
「本心」 連載第228回 第九章 本心
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/604226/
「本心」 連載第229回 第九章 本心
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/604540/
「本心」 連載第230回 第九章 本心
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/604765/
「本心」 連載第231回 第九章 本心
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/605097/
- 253 :
- 「本心」 連載第232回 第九章 本心
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/605470/
「本心」 連載第233回 第九章 本心
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/605641/
「本心」 連載第234回 第九章 本心
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/605786/
「本心」 連載第235回 第九章 本心
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/605991/
- 254 :
- 仮想現実(VR)技術が発展した近未来…
2020/5/9 10:40
西日本新聞
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/606903/
「本心」 連載第236回 第九章 本心
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/606188/
- 255 :
- 「本心」 連載第237回 第九章 本心
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/606599/
「本心」 連載第238回 第九章 本心
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/606905/
「本心」 連載第239回 第九章 本心
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/607049/
- 256 :
- 「本心」 連載第240回 第九章 本心
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/607218/
「本心」 連載第241回 第九章 本心
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/607536/
「本心」 連載第242回 第九章 本心
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/607839/
- 257 :
- 「本心」 連載第243回 第九章 本心
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/608148/
「本心」 連載第244回 第九章 本心
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/608447/
「本心」 連載第245回 第九章 本心
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/608799/
- 258 :
- 新朝刊小説「本心」 平野啓一郎さんに聞く
人は生きているだけで非常に尊い存在だ
https://www.chunichi.co.jp/ee/feature/honshin/interview.html
- 259 :
- 「本心」 連載第246回 第九章 本心
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/608967/
「本心」 連載第247回 第九章 本心
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「本心」 連載第248回 第九章 本心
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- 260 :
- 「本心」 連載第249回 第九章 本心
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「本心」 連載第250回 第九章 本心
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「本心」 連載第251回 第九章 本心
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/610331/
- 261 :
- 【政治について語ること】 平野啓一郎さん
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/611039/
- 262 :
- 「本心」 連載第252回 第九章 本心
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「本心」 連載第253回 第九章 本心
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- 263 :
- 「本心」 連載第254回 第九章 本心
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- 269 :
- 韓国の人々は「自国のコロナ対策」をどう見たか〜それは誇りか、危機感か
金杭 × 平野啓一郎
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/73162
- 270 :
- 「本心」 連載第267回 第九章 本心
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/614853/
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