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1 :2018/08/22 〜 最終レス :2019/04/23
とりたてて特徴のない剣と魔法のTRPG系スレです。
楽しく仲良く遊びましょう。

名前:
年齢:
性別:
身長:
体重:
職業:
性格:
能力:
所持品:
容姿の特徴・風貌:
簡単なキャラ解説:

2 :
「しょっく……」

ショック、とは暗黒魔法における初級魔法の意。
ここにきて三十七度目のショック。

「しょっくしょっくしょっく……」

何度試みても一向に発動する気配がない。
いつもは雷みたいなのがバリバリーッと前方に出る(はず)なのだ。

「うわーん!!」

遂に魔物に囲まれ、やけくそで駆け出していた。
僕自身を追い込んでいるとも知らず、暗い森の奥へと逃げ出していた。



名前:シリル
年齢:14
性別:女
身長:155
体重:ないしょ
職業:魔法使い
性格:自信家
能力:暗黒魔法
所持品:杖
容姿の特徴・風貌:銀髪、ローブ
簡単なキャラ解説:
とりたてて喋ることもないが、自信だけはある、しがない魔法使いとは僕のこと!
物欲に駆られて幻のアイテムを探しています。情報があれば僕に免じて教えてくれたまえっ。

3 :
名前:エル・ニュトレ 年齢:480
性別:両性 身長:31cm
体重:3.02kg 職業:エルフ
性格:楽天的 能力:治癒
所持品:なし
容姿の特徴・風貌:淡い光に包まれ、トンガリ耳に4枚羽
簡単なキャラ解説:ふわふわ飛んでる

ん?この感じ
木の枝に腰掛け月を眺めていたエルは風が動くのを感じながら多くの魔物の匂いのなかに、微かに魔法の匂いを嗅ぎ取ってた。
まぁたあの子かなぁ
そろりと匂いのする方へ羽を羽ばたかせる。
ウフフっ、いたいた、また走ってる。
いたずら気味の薄笑いを浮かべた先には、半泣きになりながら必死に走るその子がいた。
エルは最近この子を見るのが日課になっていた。
が、どうやら今夜はいつもと違い森の奥へ走っている。

あ、あんまり奥はやばいと思うよ

そう思いながら、エルは好奇心にかられその子の後をそっと追っていった。

4 :
「はぁ、はぁ、はぁ……上手くまけたかな?」

後ろを振り返る。
青色のゲル状物質の群れを無事ふりきったようだ……。

僕の言語センスでは上手く表現できないが、
敵をふりきったということ……すなわち撤退に成功したということ。
すなわち、それは僕の勝利ということ……!!

「誰がなんと言おうと勝ったな……控えめに考えても負けていないから……」

圧倒的勝利の余韻も束の間、僕は完全に油断していた。
敵を倒した時こそ最も隙が多いとはよく言ったものだ。
気がつけばガサガサとそこら中の草むらから怪しげな音がするではないか。

「うわっ!?」

心の中では女の子っぽくきゃーっ。僕の心を占めるのは動揺と恐怖!
おばけ植物が猛然と襲い掛かり、抵抗も出来ず僕は捕まってしまったのだった。
手、胴、脚、首……ツタが万力のようにすこしずつ締め付けてくる。

「だ、だれか……助けてくれまいか??」

僕の都合のよい呟きに反応してくれる救世主は果たしているのだろうか……?

5 :
>>1-4はウンコです
ウンコスレ確定記念マキコ

6 :
うんこ祭りと聞いちゃ黙っていられねえ・・・ ウンコー!!!    
  |  /  /  |便|/ // /         人    
  |/  /.  _.| ̄|/|/|/          ( _ )
/|\/  / /  |/ /           (___)
/|    / /  /ヽ     人       /〔 糞 〕〕つ
  |   | ̄|  | |ヽ/l    (__)     `/二二ヽ
  |   |  |/| |__|/   (__)     / /(_)  人
  |   |/|  |/      ( ´∀`)   (_)    ( _)
  |   |  |/      // /  ^ ̄]゚        (`   )
  |   |/        ゚/ ̄ ̄_ヽ         ⊂〔〔 糞 〕
  |  /         /_ノ(_)          ┌|___|
  |/          (__)             (_ノ ヽ ヽ
/                                (_)

うんこ祭りと聞いちゃ黙っていられねえ・・・ ウンコー!!!    
  |  /  /  |便|/ // /         人    
  |/  /.  _.| ̄|/|/|/          ( _ )
/|\/  / /  |/ /           (___)
/|    / /  /ヽ     人       /〔 糞 〕〕つ
  |   | ̄|  | |ヽ/l    (__)     `/二二ヽ
  |   |  |/| |__|/   (__)     / /(_)  人
  |   |/|  |/      ( ´∀`)   (_)    ( _)
  |   |  |/      // /  ^ ̄]゚        (`   )
  |   |/        ゚/ ̄ ̄_ヽ         ⊂〔〔 糞 〕
  |  /         /_ノ(_)          ┌|___|
  |/          (__)             (_ノ ヽ ヽ
/                                (_)
>>1 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:1341adc37120578f18dba9451e6c8c3b)


7 :
>>1は自演するウンコ注意
        / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/\
      / ̄ ̄ 人  ̄ ̄ ̄ ̄\/|
.    ___|___.(__)___     |::: |__
   /      (__) ネー    |::::|/|
(○)  人   .(,,・∀・,,) | |__|/  |
.ヽ|〃_.(__)__.(「 と )_|__.|   |  /
 □ (__)  |;;;;;| ̄///|__|/
   .(    ) ウンコーってイイよねー
  ̄ ̄ ̄\ )_/;;;;;;┃|_;;|/
::::::::::::::::::::::|| ┃
::::::::::::::::::::::::|_,) ┃        / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/\
      / ̄ ̄ 人  ̄ ̄ ̄ ̄\/|
.    ___|___.(__)___     |::: |__
   /      (__) ネー    |::::|/|
(○)  人   .(,,・∀・,,) | |__|/  |
.ヽ|〃_.(__)__.(「 と )_|__.|   |  /
 □ (__)  |;;;;;| ̄///|__|/
   .(    ) ウンコーってイイよねー
  ̄ ̄ ̄\ )_/;;;;;;┃|_;;|/
::::::::::::::::::::::|| ┃
::::::::::::::::::::::::|_,) ┃

8 :
        / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/\
      / ̄ ̄ 人  ̄ ̄ ̄ ̄\/|
.    ___|___.(__)___     |::: |__
   /      (__) ネー    |::::|/|
(○)  人   .(,,・∀・,,) | |__|/  |
.ヽ|〃_.(__)__.(「 と )_|__.|   |  /
 □ (__)  |;;;;;| ̄///|__|/
   .(    ) ウンコーってイイよねー
  ̄ ̄ ̄\ )_/;;;;;;┃|_;;|/
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        / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/\
      / ̄ ̄ 人  ̄ ̄ ̄ ̄\/|
.    ___|___.(__)___     |::: |__
   /      (__) ネー    |::::|/|
(○)  人   .(,,・∀・,,) | |__|/  |
.ヽ|〃_.(__)__.(「 と )_|__.|   |  /
 □ (__)  |;;;;;| ̄///|__|/
   .(    ) ウンコーって>>1よねー
  ̄ ̄ ̄\ )_/;;;;;;┃|_;;|/
::::::::::::::::::::::|| ┃
::::::::::::::::::::::::|_,) ┃ 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:1341adc37120578f18dba9451e6c8c3b)


9 :
 ∧_ 人
   (;´Д(__)
   ( つ (__)  イケメン風に
   ) 「( ・∀・) 
     |/~~~~~~ヽ

10 :
ウンコスライムが あらわれた

11 :
ウンコスライムは
いきなり とびかかってきた!

12 :
>>4
ん? あれは、エルの視線の先にはあの子を追いかける複数の魔物、というと怖そうな感じだけどあの青いゲル状の、まぁ実体は夜露に群がる花粉の精霊みたいなものでこんな月夜には花から花へと密を集め受粉する精霊でも最下級の奴らさ、が群をなしていた。

危害だって? そんな能力はあいつらには無いよ でもこんな夜中にカコまれたら、そりゃ大抵の人間はビビるだろうね

えいっ!
おいらは傍らの木の枝を先頭の一匹めがけて、シュッと投げた。
先頭のそいつがピシャっと弾ける、それを見て他の奴らは足を止めて右往左往している。

まぁおいらの投げた枝には妖精にしか利かないおまじないをしてあるからなぁ、所詮は夜露と花の粉からできたジュレイルだ、簡単に対処できる。

さて、あの子は……あちゃ、あれはやばいぞ。

13 :
助けを呼ぶ声は……誰にも届かなかった!!
それにしてもこのおばけ植物、どこかでみたことある……うん。何かの厳めしい図鑑とかで。
そう、確かこの魔物は……マンドレイク。
自分のツタを手足のように操り、人を絞め殺してしまうという危ない魔物だ。

だとすれば、本体がどこかにいるに違いない。
記憶が正しければキノコとゴボウを足して割ったようなのが本体のはずだ。

「それより、く、くるしい……」

いずれにせよ絡みつくツタをなんとかしなくてはいけない。
ツタは確実に首を締め付け、僕のHPを確実に減らしつつあるのだ。

そこでシリル戦法1。何も分からないときはしゃにむに暴れろ!
えいや!必死の抵抗。右へ左へ、舞かよろめいているのか、よく分からない動きで暴れる。
しめた、腕のロックが甘い。するりと左腕のツタを抜けると杖を握りしめる。

(トドメだ!!左腕の杖をッ!首とツタの隙間につっこんでッ!気道を確保するッ!!)

果たして成功や如何に……?

14 :
忘れてた……宣伝にちょっとageておくね。
僕に免じて許してくれたまえー。

15 :
>>14
よう自演の
ウンコ

16 :
ウンコ、コロッケだぞ!

ウンコ「うまい、モシャモシャん?






キャベツはどうした〜」

17 :
>>13
エルは上空からそっと見守っていた。
助けないのかって?
だってマンドレイクだぞ!
あいつ偉そうにどっしりとしてて他人の言うことなんか全く聴かないんだよ

あぁあの子食べられちゃうかな

あの子の泣き顔が最近の夜の楽しみだったんだけどな
楽しみを奪われるのは少ししゃくなエルは、あの子が雷魔法を使えることを思い出した。
そうだ雷魔法ならちょいと土の精霊を起こしてやれば静電気を興してカミナリが発動しやすく成るはずだ、そう考えるとすぐに地面に木の枝を突き刺した。
果たして、むくむくと土の精霊が顔を出した。
あとはあの子が杖を振ればいいだけだ。
エルはじっと上空から見守った。

18 :
>>17
えるしっているか

お前はウンコが臭い

19 :
ここ臭すぎ

20 :
>>18
【沖縄】「ヒトの肛門周辺には平均0・14グラムの便が付着」 生理中のプール授業は強制? 医学、人権上問題は?★2
http://asahi.2ch.sc/test/read.cgi/newsplus/1535000483/

21 :
名前:キャトラ
種族:妖精猫ケットシー
年齢:外見17
性別:不詳(外見上性差の少ない種族であるため)
身長:161
体重:48ぐらい
職業:トレジャーハンター
性格:ノンストップバカ
能力:スカウト技能・身軽さを生かした近接戦闘・便利系魔法を少々
所持品:ショートソード・バックラー
容姿の特徴・風貌:猫耳猫尻尾・金髪のセミショート
簡単なキャラ解説:
お宝求めて駆けずり回る自称凄腕トレジャーハンター。
実際にはまだこれといったお宝を見つけたことは無く、
実質冒険者、要するにお使いのようなことばかりやっている。

オッスオラキャトラ! 今日は森に来ている!
なんでかは知らないがこの森は魔法が発動しにくいらしく、その名も”幻想殺しの樹海”と呼ばれている。
魔法使いにとっては相性最悪なダンジョンだ。
今日の依頼は珍味として一部では人気のあるマンドレイクの収穫。
絶叫されないためには思い切って一気に引き抜くことがコツだ!
モブを蹴散らしながら森の奥に進むと、マンドレイクに魔法使いが襲われていた。
魔法使いを襲っている最中でこちらに気付かないマンドレイクに忍び足で近づき、

「どっこいしょー!」

容赦なく引っこ抜いた!

22 :
ふいーっ。生き返る〜。気道の確保に成功したので、なんとか一命をとりとめたぞ。
あとはこのマンドレイクを倒すだけなのだが、肝心の魔法が使えないのでは倒しようがない。
かよわい女の子がガッシボカッと杖でぶん殴っても本体はおろかツタの締め付けも緩まないだろう。

「はっくしゅん!」

息ができるようになって少し余裕ができたのか、鼻がむずむずしてしまった。
おかーさんがいたらアウトだった……はしたないって怒られてた。良かった誰もいなくて。
森に入った時から花粉がそこら中で飛んでいるようだ。

おっといけない。こんな余毎を考えている暇はない。
しかし、締め付けが徐々に強まる今、逃げきるのは難しいし、本体も見つからない。
これでは八方塞がりだ。

「どーしよ……」

途方に暮れていたそのとき、救世主(メシア)は突如として現れた。

>「どっこいしょー!」

なんと金髪猫耳の救世主がマンドレイクを引っこ抜いてくれたのだ。
しめた。敵はあそこだ!奴を倒しさえすれば生存&珍味ゲットのチャンスー!
だが、この森に入ってから碌に魔法が発動しない。果たして四十一度目のショックは成功するのだろうか?

(おお神よ、どうかお願いです。今だけはいやしい僕に力をお貸しください。
 もし生き残ったあかつきにはつまみ食いは致しません。教会のお祈りをサボったりしません。はしたないことはしません……などなど。
 とにかく、人として改めます。どうか、神に唾吐き続けてきた哀れな魔法使いに力をお貸しください……なむなむ!)

神父は言った。神に祈りを捧げなさいと。今にして分かる。かの翁の言う通りだということが。
魔法が発動しない原因はサッパリ分からないが、なんだか杖を振れば発動する気がしてきた。

「まさに天啓!そして名も知らぬ救世主(ケットシー)さん、上手く躱して!」

振るう杖はまさに福音!神の祝福!放つ魔法は暗黒魔法!
魔界に存在する黒い雷を呼び出す禁忌の魔法(威力は低い)なのだ!

「ショック!!」

かくして発動は成功し、黒い雷がマンドレイク目掛けて放たれた。

23 :
引っこ抜かれたマンドレイクと目が合う。

「なんだよこっち見んな!」

マンドレイクというのは普通引っこ抜かれたらすぐ死ぬものなのだが、
このマンドレイクはワンテンポ遅れて自分が引っこ抜かれたことに気付いたようで
今まさに断末魔の絶叫をあげんとしていた!

「叫んじゃらめぇえええええええ!!」

マンドレイクの断末魔はそれはそれは恐ろしいという噂で、すわ大惨事と思われたその時!

>「まさに天啓!そして名も知らぬ救世主(ケットシー)さん、上手く躱して!」

「おっとお!」

さっき襲われていた魔法使いが杖を振ると、何故か魔法が発動。
オレがサッと飛び退った次の瞬間、凄まじい漆黒の雷撃に、マンドレイクはこんがりと焼けた。
倒すついでに調理までやってしまうとは一石二鳥!

「オレはキャトラ。凄腕のトレジャーハンターだ!
この森で魔法が使えたなんてキミ凄いな! もしかしたら……妖精さんが力を貸してくれたのかな? ……なーんてね」

そこでキリッとした顔を作り……

「ところでこの森、何かおかしいと思わないか? 魔物が活性化してるみたいだ……。
というわけでここで会ったのも何かの縁、一緒に行こう! 何を隠そう、道に迷って帰り道が分からないんだ!」

と、ドヤ顔で言い放った!

24 :
ウンコマン
名無し自演

25 :
楽しい?

26 :
 ∧_ 人 
   (;´Д(__) 
   ( つ (__)  イケメン風に 
   ) 「( ・∀・)  
     |/~~~~~~ヽ

ウンコスレ伝統

27 :
>>23
焦げた匂いがエルの鼻をくすぐる。
うーんマンドレイクの丸焼けかぁ
あまり旨そうじゃないなぁ
まぁおいら達エルフはあんな物は喰わないからどうでもいいけど
にしてもあのケットシー、なんか嫌な感じだ

まだまだ夜は長そうだし、も少しあの子の様子を見るのも悪くないかな

エルは二人をじっと上空から見守ることにし、そっと後を付けた。

28 :
とにもかくにもマンドレイクを倒し、出会ったのがケットシーのキャトラくんだ。
何でも凄腕のトレジャーハンターのようで、僕は彼(?)と一緒に帰り道を探すことにした。
言うまでもない。適当に逃げて来たから帰り道が分からないのだ。

「問題ない。シリル戦法2だ、分からない時は敵でもいいから聞け……と、僕の辞書に書いてある」

つまり、魔物を活性化している原因をつきとめ、そいつに手もみで聞けばいいのだ。
なんて危ない発想なんだろう。でもそこは暗黒魔法の使い手の僕だ。ワルっぽく聞けば意外となんとかなる。たぶん。

「それに、僕はこの"幻想殺しの樹海"にしか咲かないという幻の花を探しにきたんだ。
 何でも森の主である樹海の王女アルルーナが知っているとか……見つければ高値で売れるんだぞ〜!」

そんなこんなで森をかきわけテキトーにそれっぽいところを歩いていると、花粉がたちまちに濃くなってきた。
人前でくしゃみをしないよう堪えるなんて次元じゃない。花粉症になるぞ。

29 :
ウンコのにおいで
花粉症になりそうだ

30 :
糞ってのは

出るときには出るもんだ

デルモンテ

31 :
>「問題ない。シリル戦法2だ、分からない時は敵でもいいから聞け……と、僕の辞書に書いてある」

「にゃに!?」

>「それに、僕はこの"幻想殺しの樹海"にしか咲かないという幻の花を探しにきたんだ。
 何でも森の主である樹海の王女アルルーナが知っているとか……見つければ高値で売れるんだぞ〜!」

樹海の王女アルルーナ――この森を支配するドライアード(植物の精)の名だ。
一説によると、この森で魔法が発動しにくいのは彼女の仕業で、森が荒らされないためにそうしているとか。
今までに多くの者が幻の花探しに挑んだが、未だかつて見つけた者はいない。
それを探そうと思う時点でつまりコイツ、只者じゃねえ!

「よし! 一緒に探そう!」

そうして進んでいると、花粉が濃くなってきた。そして、なんだか眠くなってくる。

「……ただの花粉じゃない! 寝るなー! 寝たら死ぬぞ! ファイト一発!」

茶色い小瓶に入った眠気覚ましの飲み薬を2本取り出し、一本を一気飲みしてもう一本をシリルに渡す。
そうこうしていると、どこからともなく物凄い美少女が現れて目の前に立ちはだかる。

「ここから先に行っては駄目……!」

「もしかして……樹海の王女アルルーナ!?」

32 :
>>31
アナルーナの間違い


もしくはオシリーナ

33 :
糞尿処理車が参加します

34 :
ウンコバーはあるかい?

三杯はいけるぜ

35 :
エスコバーなら

36 :
花粉なんかじゃないんだよ
エルはだんだんと霞んでくる二人を見失わないよう、そして二人に悟られないように慎重に上空から森の中に入った降りていた。

この霧のようなのは樹海に迷い込んだ冒険者に幻想を見させてしまう危険なガスなんだ。主に古樹オークスピリットが樹液を気化させてるんだけど、見た目とは裏腹に何千年もの間、そうやって侵入者から森の治安を守っているんだ。

美少女だって?
そんな悠長なこと言ってると痛い目みるよ……

エルは、まだキャットシーの得体の無さにそっと遠巻きに見ていた。

37 :
「うーん……ねむねむ……」

花粉に含まれる睡眠効果が眠りへ誘ってくる。
こっくりこっくり頭をさせながら、足を棒にして歩く。

>「……ただの花粉じゃない! 寝るなー! 寝たら死ぬぞ! ファイト一発!」

流石は凄腕トレジャーハンター。痒い所に手が届く。
眠気覚ましの薬を飲み干すと不思議と眠気が吹っ飛んでしまった。

夜はいっそうその闇を濃くしはじめた頃。
花粉の濃くなる方に何かあると踏み進むと一人の美少女に出会った。
少女は忽然と現れたかと思うと立ち阻み、通せんぼしてきたのだ。

>「ここから先に行っては駄目……!」
>「もしかして……樹海の王女アルルーナ!?」

「そ、そうなの……?いちおー樹海の王女だし跪いたりした方がいいのかな?えへへ。
 い……いやさぁ、幻の花を見つけた者はいないと聞くし……でもただの冒険者に見せてくれるわけないよね……」

ぼそぼそとキャトラに耳打ちする僕。だ、だめだ。既得権益に弱いヒトとしての本能が……。
僕はこれでも魔法使いなんだ。しっかりしなきゃ。師匠の爺さんも言ってた。偉い人は金蔓だと思えって。
魔法使いたるもの、ここぞいうときにそれらしい事を言えなくてはならない。ここは頑張って交渉してみよう。

「おほん、貴女がかの樹海の王女アルルーナ……!申し遅れました。僕は魔法使いのシリル。
大魔道士様の占いによるお告げに従い、国々を廻り、伝説のアイテムを探している者です……」

しょうもないスケベな年寄り師匠が大魔道士とは僕も口が上手くなったものだ。
占いもお告げもないからそこは嘘なんだけど……。まあ、ちょっとくらいいいよね……?

「ここより遥かとおいところ……。暗い、闇の国々から、魔の手が伸びつつある……。
世界が再び混迷の時代に陥るかもしれぬ時。種族の垣根を超えこれから蔓延る危機を王たちは憂いている。
かの"幻想殺しの樹海"の王女よ、貴女がよろしければ、幻の花を一目見せてはくださらないか?」

自分でも驚くほど迫真の演技だ……。
我が脳髄からこんなにそれらしい言葉が出てくるとは。

ぶっちゃけ国の悩み事と僕の物欲は全く関係ないんだけど……。
嘘はついてないから問題ないよね。

38 :
ごめん、やっぱり嘘はよくないよね。ちょっと訂正。

>しょうもないスケベな年寄り師匠が大魔道士とは僕も口が上手くなったものだ。
>占いもお告げもないからそこは嘘なんだけど……。まあ、ちょっとくらいいいよね……?



しょうもないスケベな年寄り師匠が大魔道士とは僕も口が上手くなったものだ。
占いって言っても旅をして修行しろってだけなんだけど……

に修正しておくね。申し訳ありません。

39 :
名前: デブニフィーツォ 
年齢: 12 
性別: 男 
身長: 255 
体重: 200 
スリーサイズ:超デブ 
職業: 警備員 
性格: 陰険 
装備: 上質なスーツ 
旅の目的: 旅してない 
容姿の特徴・風貌:デブでナマズヒゲ 
簡単なキャラ解説:大貴族の警備員、普段は彫刻として動かない 
その実力は世界最強 
ウンコとは旧知の仲だった 


味方で参加します

40 :
俺はダミーだ
もうダミーだ

41 :
>「そ、そうなの……?いちおー樹海の王女だし跪いたりした方がいいのかな?えへへ。
 い……いやさぁ、幻の花を見つけた者はいないと聞くし……でもただの冒険者に見せてくれるわけないよね……」

「いや、以外と名だたる有名冒険者達が駄目だったものを何故か駆け出し冒険者がポッと成功させてしまったという逸話は多いからな……
ダメもとでいってみよう」

という内輪の作戦会議を経て、知力で勝る魔法使いのシリルが交渉を試みることになった。

>「おほん、貴女がかの樹海の王女アルルーナ……!申し遅れました。僕は魔法使いのシリル。
大魔道士様の占いによるお告げに従い、国々を廻り、伝説のアイテムを探している者です……」
>「ここより遥かとおいところ……。暗い、闇の国々から、魔の手が伸びつつある……。
世界が再び混迷の時代に陥るかもしれぬ時。種族の垣根を超えこれから蔓延る危機を王たちは憂いている。
かの"幻想殺しの樹海"の王女よ、貴女がよろしければ、幻の花を一目見せてはくださらないか?」

「すげえ! なんかかっこいいぞ!」

「分かりました――そういうことならお見せしましょう」

案内してくれるようなので美少女にホイホイっと付いていく。
(※幻想ガス補正があるので本当は化け物とかなのかもしれないがキャトラビジョンでは美少女)

その先にあったのは、人間が花の中にすっぽり入ってしまいそうなほどの巨大花を持つ巨大植物――

「ん? なんだか嫌な予感がするぞ……」

と思っていると案の定、巨大植物が四方八方から触手を伸ばし捕食せんと襲い掛かってきた!

「なるほど、誰も見つけた者がいないんじゃなく見つけた者は全員食べられたってオチか……!」

気付けば美少女は絵に描いたような悪役笑いをしている。

「ご名答! でも案ずることはないわ――あなた達はこの森の一部となるのよ!
さぁ、やっておしまいなさい!」

絶体絶命のピンチだ! それにしてもこの美少女、ノリノリである。

42 :
ぁあ言わんこっちゃない

エルは予想通りの展開にややほっとした、というかケットシーもどうやらあの子と同じ少しお間抜けかな? っと安心した

さて、とは言え古樹のオークのおじさんが簡単にあの子達を解くとは思えない、なんせ彼らは森を侵入者から守るといういにしえの約束があるから……
さてどうした物かと、思案にふけるエルだった。

43 :
毛っとシーに

新しいウンコエネミーが

支援と自演希望だ

44 :
ちなみに舞台は
足立区竹ノ塚である

45 :
ここでトランプが
敵に回った

そして宣言を出す↓

46 :
>「分かりました――そういうことならお見せしましょう」

感謝、感激、雨あられ、渡りに船とはこういう事を言うのだろう。
美少女は幻の花の居場所まで案内してくれるようだ。
ところで幻の花を持って帰られるかどうか……それはまた要交渉だ。
まぁ任せておきたまえ知力で鳴らしたこの弁舌の才にかかれば
神々の黄昏だろうが創世の剣だろうがいくらでも見せてやろうではないか。

>「ん? なんだか嫌な予感がするぞ……」

内心調子に乗っていたのだろう。
キャトラの発言も右から左へ流してしまい、僕は気付くのが遅れた。
少女が案内してくれたのは、花は花でも見るも触手を備えた巨大花だったのだ!

「ゑ?」

巨大花は奇麗と言えば奇麗な見てくれをしているが、
人間より大きいのでは一種の気味悪さの方が目立ってしまう。
花は無数の触手を伸ばしながら四方八方から襲い掛かってくる。

>「ご名答! でも案ずることはないわ――あなた達はこの森の一部となるのよ!
>さぁ、やっておしまいなさい!」

「あ、あのー……ところで、帰り道はどこか分かるでしょうか……?」

手もみかつゴマスリを発動してみるが、聞く耳を持つタイプではなさそうだ……。
触手はそのまま僕に襲い掛かるも、シリル戦法1で杖をぶん回し触手を追い払う。

「うわうわうわ!こっちに来るな!しっしっ!」

素人殺法でなんとか触手をいなしつつ、僕は後ろ歩きで距離を置く。
本来なら魔法で応戦するのだが、奇跡は一度しか降りかからない。
神でも妖精でもいいからもう少し助けて下さいよぉ(泣)。

47 :
もうもうと浮かぶ花粉のようなもの――最早、霧と言っても差支えの無いそれが視界を悪くする。
おかげで触手の動きが捉えにくい。足を掬われかけたが、僕は危うく後ろへ飛びのく。

「……そうか!この花粉らしきものの正体が分かったぞ!昔師匠が教えてくれた、古樹が放つガスだ!
 そいつは樹液を気化させて旅人に幻覚を見せ、侵入者を追い払うんだ!」

全ての謎を解き明かして見せる。じっちゃんの名に賭けて!

「キャトラ、その女の子は樹海の王女なんかじゃない、この霧が見せる幻だ!
 巨大植物は……えーっとえーっと確かプラントフラワーとかいう魔物のはずだ!」

森が魔物を利用して侵入者を追い払おうという構図のわけだ。
謎の一端を解くやにわかにプラントフラワーの暴れ方が激しくなってきた。
触手はかなりの太さのためかやや鈍い。魔法使いでも避けられるくらいだ。
しかし捕まれば餌になるのは覚悟した方がいいだろう。

「うふふ、その調子であの子達を森の一部にしてしまいなさい……!」

ノリの良い古樹の幻影がそれらしい台詞を喋りながらくっくっと笑う。
その時、霧に覆われた森を裂いて、一筋の月光が射しこんで来た。
もしその光がなければ僕は彼女に気がつかなかっただろう。
月明かりに照らされた彼女は素朴だが整った顔立ちをしていて、木々に紛れるようにそっと佇んでいる。
少女が発する意味深な台詞を僕は聞き逃さなかった。

「そいつをやっつけたら、私の頼み事を聞かせてあげるね」

魔法が使えない手前、僕に出来る事には限りがある。
キャトラに任せきりにするのも無理があるし……。
そこまで考えたところで、背負っていた珍味マンドレイクの重みを感じた。

「……閃いたぞ!これでも食らえっ!!」

僕は背負っていたマンドレイクを振りかぶり、全力で投擲。
黒焦げの珍味は放物線を描きつつ巨大植物の花の口にゴールした。
マンドレイクの実は珍味として有名だが、根っこは催眠作用や神経毒など激ヤバな成分でいっぱいなのだ。
そんなものを食べてしまえば魔物といえどタダでは済まないはずだ。

48 :
ゴールドって名前のホモが
竹ノ塚公園からでてきたらしいぞ

しかも食糞

49 :
定期的に脱糞しないとゴールドは死ぬ

さあどうするシリル?

50 :
>>47
文章にヒネリがない
無気力さを感じる

51 :
>>50
意見ありがとう!
文章力に関しては……まことに申し訳ない……。
適当に遊べるがコンセプトのスレだけど文章力はこれが限界かな……。
改善できるときは頑張ってやってみるね。

52 :
>>51
もうやめて足立区舞台にすれば?
ウンコとの戦いを書こう
人結構くるかもよ

53 :
それなら支援しちゃうわ
誰か路線図作って

54 :
>>47
あらら、マンドレイクの焼き身かぁあんなの口に入れたらいくら長生きしてる魔族でも昇天しちゃうよなぁ……そう思って事の顛末をそっと見ていると、奥の方からの怪しい光に気が付いた。

あ、あの人影? えっ? まさかあれは

エルは息をゴクリと呑んでその少女のような面影に目を奪われた。

しかし喉元まで出ている名前が出てこない、いや記憶の彼方のその名前を口にしては行けないような気がしていたのだ。

55 :
>「うわうわうわ!こっちに来るな!しっしっ!」

杖を振り回して辛うじて触手をいなすシリル。今回は魔法は使えないようだ。
そう都合よく毎回妖精さんが助けてくれるわけではないらしい。

「くしゅんっ! 誰かが噂している気がするぞ。
オレが腹に一物抱えてシリルに近付いた悪役じゃないかって!? そんな高尚なもののはずないじゃないか」

(くしゃみも噂されている妄想も、多分幻覚を見せる花粉もどきのせいだ)

>「……そうか!この花粉らしきものの正体が分かったぞ!昔師匠が教えてくれた、古樹が放つガスだ!
 そいつは樹液を気化させて旅人に幻覚を見せ、侵入者を追い払うんだ!」
>「キャトラ、その女の子は樹海の王女なんかじゃない、この霧が見せる幻だ!
 巨大植物は……えーっとえーっと確かプラントフラワーとかいう魔物のはずだ!」

魔法使いというのは往々にして学者技能も習得している場合が多いが、シリルもその例に漏れなかったようだ。
見事にモンスターの正体を言い当てて見せた。

「ナイスだシリル! 」

>「うふふ、その調子であの子達を森の一部にしてしまいなさい……!」

美少女の幻影は相変わらずノリがいいが、幻影だと分かってしまえば怖くない。
シリルに巻き付こうとした触手を切り飛ばし、声をかける。

「確かプラントフラワーが根が生えてて移動できなかったはず……! さっさとおさらばだ!」

逃走を提案したその時、只者ではなさげな少女が意味深な言葉を呟いた。

56 :
>「そいつをやっつけたら、私の頼み事を聞かせてあげるね」

これもただの幻影だろうか、とも思うが、大冒険が始まるフラグの予感がする!
とはいえここでは魔法が使えない以上、弱点属性の炎での攻撃もできない。
どうしたものかと思っていると、シリルが名案を思い付いたようだ。

>「……閃いたぞ!これでも食らえっ!!」

マンドレイクを花の中に放り込んだ!
プラントフラワーはひとしきり悶え苦しむかのように蠢いた後、風化するように崩れ去った。

「やっつけたよ。頼み事って何?」

「”ここより遥かとおいところ……。暗い、闇の国々から、魔の手が伸びつつある……。
世界が再び混迷の時代に陥るかもしれぬ時。種族の垣根を超えこれから蔓延る危機を王たちは憂いている”」

謎の少女は、詩を諳んじるように、先程シリルが言った台詞と全く同じ一節で答えた。
これは実は遥か古に繰り広げられた闇の軍勢との戦いが綴られた伝説の一節だ。

「それ知ってる! 幻想探訪《ファンタジークエスト》の冒頭だよね」

「ええ、そしてまた……魔王の封印が解かれようとしている……
単刀直入に言いましょう、……闇の軍勢の王――”魔王”の復活を阻止し世界を救ってほしいのです!」

「な、なんだってー!?」

(※スレのコンセプトが魔王を倒すとか世界を救う系じゃないんですけど!?
って場合は遠慮なく後手キャンセルしちゃって!)

57 :
自演勢力を
パラリラパラリラと

竹ノ塚の暴走族が駆逐していく

58 :
竹ノ塚の魔王

トネリコ・ウエンツが復活

59 :
>>56
エルはその言葉を遠い過去に聴いた覚えがある。
そう、たしかまだ人間達が生まれる遙か前だ、精霊たちが豊かに暮らしていた世界に突如として現れた闇の勢力ー魔王、その封印が解かれる時に現れるのが彼女だ。

ま、また世界が混沌に?

確かに最近は不可思議な事が多くなっているのも事実、マンドレイクにしたって本来は毒なんか無くとても美味しいんだ、なのに今では危険な魔の実と化してる。

でも封印され……あ、ま、まさか封印の印を人間が解いてしまったのか?
あの魔術師の子の前に彼女が現れたって事は、もしや何か関係があるのかも?

エルはそっと会話に耳を澄ました。

60 :
L知ってるか


この世はウンコに満たされる

61 :
そしてアップルパイになる。

62 :
あ、出そう

すげえ濃厚なウンコ

63 :
風化していくプラントフラワーを眺めながら、僕は勝ち誇った。

「……やった!魔法が使えなくても戦えるんだぞ!」

バァァァンと決めポーズっぽいなにかを決めつつ勝利!
疑問形じゃなければフラグは立たないらしい!!

>「やっつけたよ。頼み事って何?」
>「”ここより遥かとおいところ……。暗い、闇の国々から、魔の手が伸びつつある……。
>世界が再び混迷の時代に陥るかもしれぬ時。種族の垣根を超えこれから蔓延る危機を王たちは憂いている”」

「それは僕が言っ……あれ……もしかして何かの一節をそのまま暗唱しちゃったのかな……」

ふむ、と指で顎を触りながら考えるも、なかなか思い出せない。
僕がぼやぼや思い出せないでいるうちにキャトラがあっさりと答えてくれた。

>「それ知ってる! 幻想探訪《ファンタジークエスト》の冒頭だよね」

嫌な予感がしてきた。

>「ええ、そしてまた……魔王の封印が解かれようとしている……
>単刀直入に言いましょう、……闇の軍勢の王――”魔王”の復活を阻止し世界を救ってほしいのです!」

「ひいえええぇぇぇっ!!」

ガバッとその場に這いつくばる。
恥も何もかも忘れて亀の状態になりながら、
僕は一度聞かされたきりの嫌な占いを思い出していた。

師匠は言った。そう遠くない将来、闇の軍勢と戦い、そして――……
――――勇敢な魔法使いとして華々しく散るだろうと(笑)

「いっ、いやだーーーっ死にたくないぃぃーーーっ!!
 おかあさーん、シリルが悪い子だったよーーっだから助けてー!」

だから死ななくて済むように旅に出て修行しろと言われたのだ。
だがそんな事知ったこっちゃない。シリル戦法3、ピンチの時は泣き落とし……だ。
ごっごめん普通に怖いから泣いてるんだけど一応戦法ってことにしといてホント……。

「ひっくひっく……」

恥ずかしながら、僕のそれらしい所など暗黒魔法が使えるところくらい……。
魔法学校ではよくないものとされているから、教えてない体系の魔法だからだ。
その暗黒魔法だって適当な(実際僕の師匠は超テキトー)魔法使いに師事すれば誰だって覚えられる。

「…………」

シリルの返事を待つ少女。

「……分かった。いたいけな少女の頼みを無下にはできない。
 シリル・フラマリオンがここに誓う。必ずや魔王の復活を阻止してみせるよ……」

ここで逃げたら魔法使いがすたる。僕は勇気を振り絞った。
そして半べそをかきながら弱々しく答えたのだった。
その瞬間、僕の送った人生が遠い過去のものになっていくのを感じた。
魔法学校で育んできた青春、勝手な休学、そしてこの小さな冒険までもが……。
亡くなるその瞬間まで、この"幻想殺しの樹海"での出来事を、僕は生涯忘れることはないだろう。

64 :
>>56
むしろ僕が振り回してるような気がしなくもないから大丈夫だよ〜。
僕だけだと牧歌的なアイテム集めの旅を展開する予定だったからね……
これからどんな冒険が待ち受けているのやら……


【☆旅の仲間大募集】
ファンタジークエストに興味があるそこの君!
一緒に魔王の復活を阻止する冒険をしてみませんか?
旅をしながら魔物と戦い問題を解決していくだけの簡単な冒険です!

抽選で豪華特典プレゼント!

・マンドレイクの丸焼き……10名様
・プラントフラワーの触手……5名様
・樹海の王女ブロマイド……5名様
・シリルの持ってる杖……1名様

65 :
しかしその募集は
一塊のウンコが阻止した!


どうする?

66 :
頑張ってひり出せ!!!

67 :
>「いっ、いやだーーーっ死にたくないぃぃーーーっ!!
 おかあさーん、シリルが悪い子だったよーーっだから助けてー!」
>「ひっくひっく……」

「シリル……?」

いきなり世界を救えなどと言われたら驚くのは当然だが、これにはそれ以上の何かがあるようだ。

「こんな無茶振り、後手キャン……じゃなかった、断っても全然いいと思うよ。
でもさ、世界を救うなんてかっこいいじゃん!
やめるのはいつでも出来るからとりあえず引き受けてガチでヤバいと思えばやめればいいんじゃないかな!?」

>「……分かった。いたいけな少女の頼みを無下にはできない。
 シリル・フラマリオンがここに誓う。必ずや魔王の復活を阻止してみせるよ……」

「誓っちゃった―――――ッ!?」

――こうして世界を救う冒険が始まった!

「魔王の復活を阻止するっていっても具体的にどうすればいいのか分かんないし……
とりあえずはクエストをこなしつつ牧歌的なアイテム集めの旅を展開すればいいんじゃね?」

どうやらシリルは仲間を増やしたそうにしている。

「ふっふっふ、仲間を増やしたいならルイージの墓場に行けばいい……とどこかで聞いた事がある!
ダンジョンに出会いを求めるのが最先端のトレンドだからな!」

68 :
>>64
二人の冒険者がキョロキョロと周りを気にしているので、エルは傍らの草はの陰に身を伏せた。

「ふぅあぶないあぶない」

そこに大きなフリップを出すシリル、そこには
「☆旅の仲間大募集」

なんだ募集か!じゃエルもしようかな、とかしこまるエル。

「えへん! そ、そこの君、一緒にこのヘンテコ冒険者を見守る旅にい、行こう……行かないか?……うん、なんかしっくりこないなぁ……えい、おいでよ!一緒に」

#脱線でした(>_<)

69 :
僕が世界を救う旅を承諾すると、少女はふっと幻のように消え去ってしまった。
目下今後どうするかキャトラと相談中。

「うん、魔王復活を阻止するには旅の仲間を増やすのが一番だ!」

この理屈には自信がある。
あの有名な幻想探訪《ファンタジークエスト》でも長い旅の末、
各地で仲間を作り、遂には魔王をも封印してしまったのだ。
僕たちも先人に倣って仲間を増やすべきではないだろうか。

>「ふっふっふ、仲間を増やしたいならルイージの墓場に行けばいい……とどこかで聞いた事がある!
>ダンジョンに出会いを求めるのが最先端のトレンドだからな!」

キャトラが仲間を増やすにはルイージの墓場が良いというので、
行先まで決まってしまった。行動指針がはっきりしていると分かりやすくて良いね。
死出の旅路になるかもしれないんだけどね。

「…………」

やっぱりげんなりしてきた……。完全に勢いでいっちゃったよ……。
キャトラには言っておこうかな占いのこと……。
でも魔王に復活されると死ぬ可能性むしろ増しそうだし……。
乗っかった方が生き残る可能性は高いかも知れないんだよね。

「アナタ、死相が出ているわね」

後ろから声を掛けて来たのは、桃色の髪をしたちんちくりんの精だった。
またか……むしろ魔物の方が流れとして自然なのではと思いつつ僕は振り返った。

「がらっ、話は聞かせてもらった。私、アルルーナ。
 ふぅむ……ルイージの墓場は目の付け所良いわね。
 噂では魔王を封印した勇者の墓がそこで眠っているとか。」

70 :
僕の樫の杖を眺めながらアルルーナは尚も語り続ける。

「これは好きくないかな……どうせならもっと素材を活かして作ってくれない?
 すごくムカつk……ごめん私も脱線しちゃった。話をちょっと戻すけれど。」

今度はキャトラをじーっと眺めてしっぽを勝手にさわさわしたり引っ張ったりした。

「……ま、とにかく、魔王と因縁浅からぬ人物が寝てることだし、丁度良さそうね。
 勇者が使っていた伝説の武器もそこに眠っているとか。うん、良い感じ。
 魔王復活の手がかりもあるかもね。私は応援するわよ。この森で。」

そんな感じでアルルーナは急に現れて雑談を仕掛けてきたのだ。
まさかかの樹海の王女が自ら現れてくるとは。

「私はありのまま主義だから。でも蔓延る瘴気が自然を魔物にしちゃうのは迷惑かな。
 アナタ達が頑張るなら応援……これあげる。シトラの花。幻想殺しの樹海印のお守りよ。」

その花はガラスのように透き通っていて、月の光に照らされると美しかった。
人間達が幻の花と呼ぶものが、この花なのだ。

「いいの……!?」

「いいわよ。大切にしてね」

幸運とは思いもよらない時にやってくるものだ。
僕は図らずも目的の花を手に入れたのだ。

「ついてきて。森の出口まで案内してあげる。
 普段は寝てるからオークスピリットに任せるんだけど。
 アタシも女神なんて始めて見ちゃったし、何かしてあげたい気分なの」

アルルーナに連れられながら、僕は思った。
キャトラが言ったように投げ出すのは難しい雰囲気になってきた気がする。
でも、占いの事は黙っていよう。本当なのかどうか分からないし。
あの適当な師匠の占いだ。きっとデタラメに決まっている。

「……ちなみに、森で魔物が活性化している原因は魔王が復活しつつあるから。
 瘴気が溢れちゃってここも大変。本当はもっときれいだから。人がよく迷うのは同じだけど。
 もう一度封印できたら、来て。色々と案内してあげる……私が起きていたらだけどね」

森の出口に到着すると、アルルーナはすっかりいなくなっていた。
振り返っても、薄暗い森がただ広がっているだけだ。
あの女神も、樹海の王女も、幻だったのか――。
答えは手にしっかり握っていた一輪の花だけが知っている。

71 :
☆アイテムデータ

【結晶花シトラ】

"幻想殺しに樹海"の奥地に咲くガラスのように透き通った花。
とても繊細で採取できるのはこの森だけだとか。
魔力を貯め込む性質を持っているようだ。

72 :
>68
メインストーリーと裏で暗躍する見守り組のザッピングストーリーなんてのも新しくて良いかもしれない!

>69
>「アナタ、死相が出ているわね」

いきなり現れたピンク髪の精が不吉なことを言ってきた。

「死相!? でもオレが一緒にいるからには死なせはしないぜ!
……でも念のため仲間は増やしとくに越したことはないだろうな念のため!」

>「がらっ、話は聞かせてもらった。私、アルルーナ。
 ふぅむ……ルイージの墓場は目の付け所良いわね。
 噂では魔王を封印した勇者の墓がそこで眠っているとか。」

「ごろごろにゃー」

アルルーナにしっぽをさわさわされて猫っぽくじゃれ合う。

>「……ま、とにかく、魔王と因縁浅からぬ人物が寝てることだし、丁度良さそうね。
 勇者が使っていた伝説の武器もそこに眠っているとか。うん、良い感じ。
 魔王復活の手がかりもあるかもね。私は応援するわよ。この森で。」
>「私はありのまま主義だから。でも蔓延る瘴気が自然を魔物にしちゃうのは迷惑かな。
 アナタ達が頑張るなら応援……これあげる。シトラの花。幻想殺しの樹海印のお守りよ。」

そう言って、アルルーナは透き通った花をくれた。
これはきっとここぞという時に重要な意味を持つキーアイテムというやつだ!

>「……ちなみに、森で魔物が活性化している原因は魔王が復活しつつあるから。
 瘴気が溢れちゃってここも大変。本当はもっときれいだから。人がよく迷うのは同じだけど。
 もう一度封印できたら、来て。色々と案内してあげる……私が起きていたらだけどね」

「うん、ありがとう!」

アルルーナの案内で森から出て、地図を広げる。

「まずはルイージの墓場の近くにあるハジマーリの街に向かおう」

ハジマーリの街とは、ルイージの墓場攻略の拠点であり、駆け出しの冒険者が多いことでも有名な街だ。
もしかしたら挨拶すれば楽しい旅の仲間がポポポポーンと増えるかもしれない。

73 :
>>72
ルイージの墓にハジマーリの街かぁ
エルはなんだかわくわくしてきた。
そろそろこの森での生活にも飽きてたとこだしあの子が行くならおいらが見守ってやらないとまだまだ魔法も半人前だしな!
そんなお節介というか親心というかまぁ、暇つぶしについて行くことにした。
実際あの子の魔法は本人も気づいては居ないけどコツさえつかめば発動は容易い、ただし魔法の本質である精霊やエレメントへの感謝の気持ちを忘れなければ、だけどね。まぁ体調とか気象とか色々な要素はあるけど……。

うん、楽しくなりそうだ。
そう一人うなずくとエルは森を出る二人を追ってそっと飛んだ。
その背中の羽には、朝焼けの光が輝いていた。

#こういうの初めてなので絡み方わからんのでこのままザッピングでw

74 :
新章開幕記念!適当すぎたので一応ルールを決めておきました。
投下は明日するから待っててね。


【剣と魔法】ファンタジークエスト【TRPG】

ジャンル:剣と魔法のファンタジー
コンセプト:適当かつライトに冒険を楽しもう
期間(目安):特になし
GM:なし
決定リール:可能
○日ルール:5日(延長あり)
版権・越境:なし
敵役参加:あり
避難所の有無:なし


☆これまでのファンタジークエスト☆

"幻想殺しの樹海"を修行で彷徨っていた魔法使いシリル。
マンドレイクに襲われたシリルは冒険者のキャトラに救われ、仲間になる。
やがて彼らは女神の神託を受け、魔王の復活を阻止し、世界を救う旅に出る事になる。
そして、その様子を眺めていたエルフのエルも彼らを見守る旅に出掛ける。

現在は仲間を集めるためハジマーリの街を目指しているぞ!

75 :
>>74
遅い

舞台:足立区竹ノ塚
ジャンル:現代糞尿ファンタジー
コンセプト:適当かつライトに掃除を楽しもう&#160;
期間(目安):特になし&#160;
GM:なし&#160;
決定リール:可能&#160;
○日ルール:5日(延長なし)&#160;
版権・越境:なし&#160;
敵役参加:あり&#160;
避難所の有無:なし&#160;

76 :
ハジマーリの街に到着すると、早速僕たちは宿屋に泊まることにした。
もう朝を回っていたが、体調不良では冒険の能率も悪くなる。
ルイージの墓場へは万全の状態で臨んだ方がいい。

気がつくとまた朝を迎えていた。あまりの疲れに丸一日眠っていたようだ。
無理もない。森では魔法使いらしからぬ体力仕事も多かったのだから。
……杖振り回して暴れてただけなんだけどね。

「ふわぁ〜。よく寝たぁー」

朝食のパンを適当にもむもむ食べながら作戦会議の時間だ。
何せここはルイージの墓場の攻略拠点。墓場の情報も何かあるに違いない。
初心者冒険者が多いと聞くので、僕のようなか弱い魔法使いでも安心だ。

「ねぇ、墓場へ行く前に情報を集めない?
 始めてのダンジョンへ考えなしに突っ込むのも怖いからね」

"幻想殺しの森"のように魔法が使えない環境だと僕が無能になってしまう。
攻略情報をある程度入手してから挑みたいところだ。

「酒場や冒険者ギルドに行けば墓場の話も聞けると思うんだ。
 ついでに魔王の封印に関する手掛かりも分かるといいんだけど……」

そんな感じでキャトラに提案してみる僕だった。

77 :
×"幻想殺しの森"
〇"幻想殺しの樹海"

78 :
幻想殺しのニート、谷岡か


彼は呟くと、足立区の奥地へ向かった

79 :
王道の
西新井

80 :
日が高くなりつつある頃に無事にハジマーリの街に到着。
宿屋に泊まり、次の日の朝。

「なんだか妙な夢を見た気がするなあ……」

普通に考えてみれば魔王自体伝説上の存在だし、仮に万が一魔王が復活するとして
女神が神託をするとしたらもっと凄い国家レベルの英雄クラスの人に頼むはずだ。
きっと夢だったに違いない。

>「ふわぁ〜。よく寝たぁー」

「……って夢じゃなかった!」

シリルは昨日の動揺が嘘のようにけろっとしている。

>「ねぇ、墓場へ行く前に情報を集めない?
 始めてのダンジョンへ考えなしに突っ込むのも怖いからね」
>「酒場や冒険者ギルドに行けば墓場の話も聞けると思うんだ。
 ついでに魔王の封印に関する手掛かりも分かるといいんだけど……」

それどころか凄い順応力を発揮。オレが最初に見込んだとおり大物のようだ。

「そうだね。この近くにも冒険者の店があったし行ってみよう」

というわけで、“緑の帽子亭”というらしい冒険者の店にやってきた。

「ルイージの墓場に行きたいんだけど仲間を探してるような人はいないかな?」

「悪いことは言わん、今はやめときな。最近帰ってこない奴らが後をたたないんだ。
ルイージの呪いじゃないかってまことしやかに囁かれてるよ」

「ルイージって魔王を倒した伝説のパーティーのうちの一人じゃん。何を今更呪うのさ」

魔王を倒して大金持ちになったルイージは、故郷に帰ってから自分の巨大な墓を作らせたという。
その理由は単に目立ちたがり屋だったとか、無職対策のための公共事業のようなものだったとか、諸説ある。

「ところでお前さん達新顔だね。
うちの店の看板メニューの“スーパーなキノコ”をサービスするよ」

そのまんまなネーミングの看板メニューを勝手にサービスしてくれる店主。
赤に白い斑点という色んな意味で危険な外見のキノコが出てきた。
確かに間違ってはないのかもしれないが、正確にはスーパーな(気分になる)キノコじゃないだろうか。

81 :
ハジマーリこと竹ノ塚にロシア軍が介入

足立区の大半が占拠された。

82 :
だが、北千住は……

83 :
朝の澄んだまだ空気に滴が混じっている感じを吸い込みながら、草原の一本道をゆっくりと進むエル。
前方には二人組の新米冒険者がいるはず……だったのだが、どうやら捲かれてしまっていた。

微かな匂いを頼りに進むと二股の分かれ道にたどり着いたエルはふと考えていた。
確かに匂いは左の方、ハジマーリの街への立て札の方に行っているが確かこの右手には龍鱗の滝があり、そこには主であるドラゴン、水龍のガルゲイルが居るはずだった。
久しぶりだし会っておくか、もしかしたら何か知ってるかも知れないし。それにきっと街で準備するのに時間も掛かるはずだ。それに、あの子に水魔法が使える手助けにもなるかも……。
そう思うやいなや、エルは一目散に滝へと向かうのであった。

84 :
自演をしていたようだ

85 :
滝からは糞が漏れていた


どうする?


ニア

86 :
“緑の帽子亭”なる店へやってきた僕とキャトラは店主に墓場の話を聞くのだった。
どうも危険なかほりがプンプンするデンジャラスゾーンと化しているらしい。
その原因は墓場で眠っているルイージなる伝説のパーティの一人の呪いだとか。

>「ところでお前さん達新顔だね。
>うちの店の看板メニューの“スーパーなキノコ”をサービスするよ」

「あ、ありがとう……調理済みとかじゃないんだね……」

なんと看板メニューのキノコをそのまま貰うことに。
食材には明るくないが食べたらお花畑が見えそうだ。

「ところで店主さん、墓場って何か罠とかあるの?」

「そりゃごまんとあるらしいよ。落とし穴に針天上、土管……おっといけない。
 今のはオフレコで頼むよ。後はそうだな、魔物がちらほらといるみたいだね」

ダンジョンに罠を望まないのは間違っているのか?
すまない、出来の悪い魔法使いで。題名しか知らないんだ……。

「ルイージの呪いで随分人が減ったよ。こkも活気に溢れてたんだけどね。
 肝心の冒険者が行方不明になるばかりじゃ人も減る訳だよ」

店主は悲しい目で外を見つめた。
確かに昼に差し掛かろうと言うのに店に活気はなく、往来も少ない。
厳しい時期だろうがそれでも街は廻っている。頑張って店主さん。

87 :
かなりくさい


山のトナリ

↑ヒントがこの言葉に隠されている!

88 :
「おいおい、ルイージの墓場は今危険だぜ?
 普通の攻撃じゃ倒せねぇスケルトンやマミーが湧いてるって話だ。
 パーティーに僧侶がいないんじゃあ尚更だ……斬っても斬っても甦りやがる」

「普段なら吸血コウモリみたいな弱い魔物ばかりなのにねー」

「墓場に行くなら聖水は常備しておくといいぞ。復活を阻止できる」

なんと親切な先輩冒険者たちがアドバイスをくれた!ありがたや。
その後もルイージの墓場の情報は店にいる人達によく教えて貰った。
けれど魔王が復活しつつある……という噂はとんと聞かない。
まぁ、その辺は後に回しておこう。

ずばり、一番興味があるのは墓場に眠っているという伝説のアイテム!
前回の冒険で樹海の王女が教えてくれたんだ。墓場には勇者の武器が眠っているって。
僕の物欲が反応してしまうのも無理はない。

「えーっと……必要なものは聖水だね。早速道具屋に行こうよ!」

仲間になってくれそうな人はいなかったが、情報はたらふく貰った。
後は必要なものを買い揃えるだけだ。
アンデッド系の魔物が多いそうなので倒した後聖水をひっかける必要があるらしい。
神聖魔法を行使できる唯一の存在――僧侶がいれば話は別なんだけど、僕たちのパーティーにはいない。

危険そうな反面、楽しみでわくわくしている自分がいる。
僕はダンジョンに潜るのが初めてなのだ。

「いやぁ、いやぁ、恥ずかしいけど、ダンジョンアタックは始めてなんだ〜。
 キャトラがいて良かったよ。何せ凄腕トレジャーハンターだからね〜!!」

89 :
☆アイテムデータ

【スーパーなキノコ】
"緑の帽子亭"で貰った危険な外見のキノコ。
店の看板メニューらしいが味と効能の保証は出来ない。

90 :
お化けが出るルイージダンジョン!

91 :
ルイージがアタマに

ウンコ乗せてる

92 :
白ウンコ発見?

93 :
「こう見えてダンジョンアタックはちょっとした腕前でさ、
具体的には目ぼしいものは見つけられず帰ろうとしたところ
うっかり落とし穴に落ちた拍子に冒険者が落としたらしき100Gを見つけたぐらいの腕前だ!」

(※文字通りのちょっとした腕前だった!
しかし冷静に考えてみると大勢の冒険者が訪れるダンジョンで都合よく
めぼしいものが残っているはずはなく、現実的にはそんなものではないだろうか)

何はともあれ道具屋を訪れる。

「聖水ください」

「はいはい、聖水一丁!」

出てきたものは、瓶だけ聖水っぽい瓶に入った茶色っぽい液体だった。
蓋を開けて匂いを嗅いでみると、いかにもキノコを炒めたらおいしそうな調味料の気配がする。
しかし商品名が聖水であるからには聖水なのだろう。多分。

☆ アイテムデータ
【聖水】
色が茶色っぽくて美味しそうな香りがするが聖水と表示されているので聖水。
スーパーなキノコと一緒に使用すると何かが起こるかもしれない。

94 :
せいすい=ウンコとションベン
常識だよ 

95 :
カチャカチャ
パンパン

二階堂

96 :
久しぶりに水龍のガルゲイルおじさんに会ったエルは、長い話に付き合いながら、どうにかハジマーリの街へとたどりついた頃には、太陽が真上に来ていた。

もうこんな時間か、既にダンジョンに向かったかな?

そう思いながら上空から街を見回すエル。
まぁ、普通の人間にはおいら達エルフの姿は見えないんだけど、魔王の復活の影響だろうか、途中ですれ違う旅人や商人たちがおびえてるような気配があったので見えているような気もして、用心することにした。

97 :
糞尿や



続き

98 :
>「こう見えてダンジョンアタックはちょっとした腕前でさ、
>具体的には目ぼしいものは見つけられず帰ろうとしたところ
>うっかり落とし穴に落ちた拍子に冒険者が落としたらしき100Gを見つけたぐらいの腕前だ!」

「僕はキャトラが怪我しなくてホッとしてるよ」

そんな感じで雑談しつつ、僕はダンジョン探索の厳しさを思い知った。
幸い、ルイージの墓場はまだ完全に攻略されたという話は聞かない。
目玉である伝説の武器さえ無事ならそれでいいのだ。

「幻の花も無事ゲット出来たし、今回のダンジョンも当たりに違いないよ……!
 前は前、今回は今回だ。僕はキャトラの冒険者としての嗅覚を信じるよ」

懐に入っている結晶花をポンポンと叩いてみせる。
樹海の王女の貰い物なので売る気はないけど、結構値は張るはずだ。
この花は美しさもさることながら、魔力を吸収し貯め込むという類を見ない性質がある。
だから僕は昨日から少しずつ魔力を花に貯めて、いざという時のお守りにしている。

>「聖水ください」
>「はいはい、聖水一丁!」

そして道具屋に訪れた僕たちは、聖水を購入した。
中身は茶色い調味料のようだけど……。

司祭が祈ってれば聖水だし大丈夫だよね。
大切なのは液体の色でも味でもなくて祝福を受けてる事のはず。
……ついでにお料理に使えると思えばそれでオーケーだ。
そういえば、さっきまで朝だったのに、もうすっかり太陽が真上に来ている。

「よし、必要なものは揃ったし、そろそろ行こう!!」

遂にダンジョン攻略に乗り出す時が来たのだ――!!

99 :
ハジマーリの街を出てほど近い、荒涼とした大地に眠る広大な洞窟。
その最奥部で眠る者こそ伝説のパーティーの一人、"緑の勇者"ルイージだ。
冒険者を試すように罠が幾重にも仕掛けられており、多分に危険になっている。

加えて最近では探索に向かった冒険者が軒並み行方不明になっているとか。
ルイージの呪いだと人々は口を揃えて言い、ハジマーリの街の住民は呪いに怯えている。

「これがダンジョンかぁ……薄暗くって何もわからないね……
 それにしても、魔王を封印するような人が後世の人間を呪うのかなぁ……」

松明をかざしながら前に進む。
新米冒険者の攻略対象だという事は、まだ大粒のお宝が眠っているに違いない。
きっとそれが件の勇者が使っていたという伝説の武器なんだろう。
情報によると階層が深くなるほど危険らしいので、入り口付近はまだ安全だと思う。

「うわっ、危ない!」

僕が誤って何かのスイッチを踏んだらしい。吊り天井が勢いよく落ちてきた。
寸でのところで躱したから助かったものの、落ちてきた天上には鋭い針がびっしりと生え揃っている。
これでまだ安全だって?冗談じゃない!

「ルイージの呪いはあながち嘘じゃない気がしてきたよ!」

闇の軍勢と戦い活躍したつわものは漏れなく英雄に数えられている。
中でも伝説のパーティー四名は魔王と戦った最高峰の英雄であり、全員が冒険者でもあると聞く。
目立ちたがり屋の緑の勇者、陽気で頼もしい赤の戦士、冷静沈着な白の僧侶、寡黙な青の魔法使い!
幻想探訪《ファンタジークエスト》を知らなくても一度くらい聞いたことがある勇者パーティー達。
中でも緑の勇者と赤の戦士は兄弟だったという。

本来は僕たちに御利益のありそうな場所の気もするが、現代の冒険者に容赦などない。
墓荒らし対策の罠を踏み越えて眠っているお宝をゲットする有様である。
……世界を救った仕打ちがコレなら怒って呪いをかけても自然なのか……?

道の向こう側から怪しい物音がした。
松明で照らすと、左右の通路から骸骨の魔物、スケルトンが現れたようだ。
数える限り十体はくだらないだろう。カタカタと音を鳴らしながらこちらへ接近してくる。

「魔物か……!」

スケルトン達は瘴気に中てられた冒険者のなれの果てのようで、
めいめい剣と盾を装備しており、一筋縄では行かなさそうだ。
左の通路からスケルトンの二体がこちらに猛進し、剣を袈裟切りで振り下ろす!

100 :
自演のにおいってすげー



101 :
>>99
エルはハジマーリの街の出口に微かに小さくなる二人組見つけた。
あ、あそこか、よし!この距離なら追いつきそうだ。
そう安心したが、先ほどのカルゲイルの話が頭をよぎった。なんでもあの洞窟は来る者を惑わすために幾つもの仕掛けがある。中でもその入り口じゃ。
何にもない入り口だと入ると大けがする。中には荒涼の4戦士がそれぞれ、スケルトンの洞窟、ガルーダの洞窟……あと、なんだったかのぉ、それぞれの領地じゃで兎に角、
入り口だけは間違えるな、この水龍の飛沫を掛ければ、その入り口が本物かどうか解る。緑にひかった入り口にはいられよ、尊い若きエルフの王よ!

そんなやりとりを思い出しだのもつかの間、あっ!
二人組は洞窟へと消えていった。
あわてて貰った飛沫を振りかける。
スケルトンの洞窟
主、一つ目トロルスケルトン
そう入り口に浮かび上がった

102 :
足立区に

悪いやついない

でも便器多すぎ

103 :
>「これがダンジョンかぁ……薄暗くって何もわからないね……
 それにしても、魔王を封印するような人が後世の人間を呪うのかなぁ……」

「飽くまでも噂だからね……実際のところはどうだか」

単に魔王の復活が近くなり魔物が強くなった結果という可能性も考えられるわけで、
もしそうだとしたらルイージにとっては酷い風評被害だ。

「よし、先に行くよ」

スカウトの罠発見技能を生かして先頭を行くことにする。

「見て、こういうのは罠だから押すなよ? 絶対押すなよ?」

トレジャーハンターの本領を遺憾なく発揮し、見るからにそれらしいボタンや、
足元にいかにもな感じで張られたロープを見事に発見しながら進む。
そんな時だった。

>「うわっ、危ない!」

シリルが体を張った罠の解除――いわゆる漢解除を敢行した。

「伏せ!」

すばやく地面に這いつくばって回避し、そのまま匍匐前進で脱出する。

>「魔物か……!」

一難去ってまた一難、スケルトンの群れが現れた!

「前は任せろ! ――魔力付与《エンチャント》炎《ファイア》」

抜き放った剣が炎の魔力を纏い紅く輝く。アンデッドの弱点属性の炎の魔力付与だ。
一般的に刃物はスケルトン系の敵には効きにくいと言われているが……
特化型戦士のような強い膂力は無くとも弱点を突いて大ダメージを与えることが出来るのがスカウト系クラスの特徴だ。

「隙あり!」

数撃打ち合った後に剣をスケルトンの関節部分にヒットさせる。
スケルトンはそこからバラバラになり崩れ去った。
しかし後ろにまだ多くのスケルトンが控えており、一斉に襲い掛かってくる。

「流石にこの数はキツいな……そうだ! シリル――合体技だ。オレの剣に魔法の付与を!」

キャトラも魔法が少し使えるが、魔法だけでまともに敵を攻撃できるほどの魔力は無い。
つまり自分で魔力付与をかけるよりも、本職の魔法使いであるシリルがかければ何倍もの威力になるだろう。

「そうだな……相手はスケルトンだからあの電撃の魔法なんていいかもしれない!」

そう言って魔法をかけやすいように剣を掲げた。
スケルトンに電撃が効きやすいというのは雷に撃たれてる状況が骨が透けることで
表現されるというところからきた勝手なイメージかもしれないが、魔法はイメージこそが重要なのだ。

104 :
的に刃物は糞尿系の敵には効きにくいと言われているが……&#160;
特化型戦士のような強い膂力は無くとも弱点を突いて大ダメージを与えることが出来るのがスカウト系クラスの特徴だ。&#160;

「糞あり!」&#160;

数撃打ち合った後に剣を糞尿の関節部分にヒットさせる。&#160;
糞尿はそこからバラバラになり崩れ去った。
しかし後ろにまだ多くの糞尿が控えており、一斉に襲い掛かってくる。&#160;

「流石にこの糞はキツいな……そうだ! シリル――合体技だ。オレの剣に魔法の付与を!」&#160;

キャトラも魔法が少し使えるが、魔法だけでまともに敵を攻撃できるほどの魔力は無い。&#160;
つまり自分で魔力付与をかけるよりも、本職の魔法使いで尻がかければ何倍もの威力になるだろう。&#160;

「そうだな……相手は糞尿だからあの電撃の魔法なんていいかもしれない!」&#160;

105 :
流石は前衛職、スケルトンとの斬り合いに一歩も退くことなく一体倒して見せた。
残るは九体。一斉に襲い掛かってくるのを見て、キャトラはきりがないと判断したようだ。

>「流石にこの数はキツいな……そうだ! シリル――合体技だ。オレの剣に魔法の付与を!」

合体技――!ロマンの塊ツープラトンだ!!
スケルトンといったアンデッドの弱点属性といえば炎や光。
ちなみに僕は暗黒魔法の使い手なので闇だ。一般的に相性は微妙なところだが、
アンデッド系を支配下における死霊術も闇属性なので一概には言えない。

>「そうだな……相手はスケルトンだからあの電撃の魔法なんていいかもしれない!」

「分かった!ショック!」

杖からバチィッ!と電気が飛び出し、キャトラの剣を黒い雷が覆う!
弱点属性ではないが広範囲の敵を倒してしまうのにショックは最適だ。

「あとは奴らの動きを止める……!バインドっ!!」

杖が暗黒に輝くと、敵の足元から黒い靄のような触手が何本も現れ、スケルトン達の足を縛る。
これでキャトラが攻めやすくなったはず。こういう絡め手の魔法が多いのも暗黒魔法の特徴だ。

「これでスケルトンは動けない!キャトラ、一気にやっちゃって!」

106 :
>「分かった!ショック!」

剣がまとうは漆黒の雷――

>「あとは奴らの動きを止める……!バインドっ!!」

「グッジョブ!」

動きが止まったスケルトン達の渦中に突撃し、剣を円状に振るう。
シリル:ショック+ キャトラ:回転斬り。名付けて――

「ショックウェーブ!」

雷撃が波紋状に走り、スケルトン達をなぎ倒した。
ところでシリルが使う闇黒魔法は一般的によくない物として
魔法学校等では教えられていない体系であり、物語に出て来る悪の魔法使いの十八番でもある。
実際に悪の魔法使いにこの系統の魔法の使い手が多いのだが、
悪い奴ほど適性が高いというわけではなく、高い素質を持つ者にしか使えないというのが本当のところのようだ。
そのため一般的ではなくなっていき、強大な力を持てば悪に堕ちる者も出てくるため、
結果的によくない系統の魔法というイメージが広がったのではないだろうか。

「そういえば……聖水をかけなきゃ復活するんだったね」

骨の山に調味料……じゃなくて聖水を振りかける。すると信じられないことが起こった!
骨の山だったはずのところにポポポポーンと十数人の人間が現れたのだ。
聖水マジパネェ。

「聖水をかけたら復活した……だと!?」

「あれ……? 俺は何を……?」
「確かルイージの墓場ツアーに来て……一つ目の化け物に会ったところまでは覚えてるんだが……」
「入口間違えたのかなぁ」
「なんか全身の骨がきしむんだが……」

どうやらこの元スケルトン達は団体のツアー客だったらしい。

「お前達、この先にはいかないほうがいい気がするぞ」

ツアー客の一人が親切に忠告してくれた。さあどうする!?

107 :
つまり、ルイージマンションは

糞屋敷だったんだよ!


三村「なんだって!?」

108 :
>>106
ショックウエーブゥゥゥ!

エルは洞窟の奥の方から響く声と微かに光る青白い閃光に二人の場所が分かった、が

さてどうしよう
意気揚々と来ては見たものの、おいらがいっても邪魔なだけかも知れないし……そもそも人間にエルフは見える訳ないし……
そんな想いでじっとその場で奥を見つめるだけしか出来なかいエルだった。

109 :
雷を纏った剣はスケルトン目掛け、回転しながら放たれた。
波紋状に広がる雷撃が骸骨たちを一気になぎ倒し、骨を砕く。
ショックは初級にあたる魔法だが、合体させるだけでこうも威力が上がるとは。

>「そういえば……聖水をかけなきゃ復活するんだったね」

キャトラが砕け散った骨に調味料的聖水を振りかけると、浄化の燐光が注ぎ、
なんと目映い光と共にスケルトンにされてしまった人たちが元に戻ったのだ。

「これが調味料の力なのか……!?」

あまりの奇跡に僕は思わずあとずさった。
消滅するとか昇天するとかそんなんだと思ってたから。
効果覿面とか通り越して、聖水じゃなくて命をどうこうする水なのでは……?
だって死んで白骨化して魔物になった冒険者が……ってツアー客?

「待て。君達は素性が怪しいぞ。こんな罠だらけのダンジョンにツアー客? 冗談は止めたまえ」

僕はそのまま矢継ぎ早に言葉を浴びせる事にした。
魔法使いとして、細かいところを気にするのが僕の悪い癖。

「君達の正体の可能性は3通りある。
 @――聖水の効果が凄くて命を拾った盗賊の類。
 A――スケルトンがまだ生きていて人間の姿に化けている。
 B――ダンジョンに潜む魔物が仕掛けた人払いの幻……ってところかな」

@の場合ならラッキーだったと思う。
Aの場合ならもう一戦交えるしかないみたいだ。
Bの場合なら……近付いて欲しくない理由があるらしい。

「判別する方法は……これだ!リジェクトっ!!」

暗黒魔法の初歩の初歩、自称ツアー客たちに軽く吹っ飛ぶ衝撃波を放った。
もし幻ならリジェクトは命中せず、命中したならそのまま尋問するだけだ。

110 :
リジェクトの結果

それは

糞尿

だと判別された
匂いで気づけよ!

111 :
>「待て。君達は素性が怪しいぞ。こんな罠だらけのダンジョンにツアー客? 冗談は止めたまえ」
>「君達の正体の可能性は3通りある。
 @――聖水の効果が凄くて命を拾った盗賊の類。
 A――スケルトンがまだ生きていて人間の姿に化けている。
 B――ダンジョンに潜む魔物が仕掛けた人払いの幻……ってところかな」

シリルが紅茶好きの伝説の名探偵ばりに名推理を披露しはじめた。さすが相棒。

「んー、まあそこはツアーでも盗掘ツアーとかトレジャーハントツアーとか
レベル上げツアーとかいろいろあるじゃん?」
(※ 盗掘ツアーとトレジャーハントツアーの違いについては突っ込んではいけない)

>「判別する方法は……これだ!リジェクトっ!!」

「な、なにをするきさまー! 貴様らのような奴はこの先に進んで死んでしまえ!」

吹っ飛ばされた自称ツアー客は抗議の声をあげながら壁にめりこんだ!
Aだとしたら当然の反応だし、@だとしても当然の反応だ。
軽く吹っ飛ぶ衝撃波らしいが、多少効き過ぎたようだ。

「這い出て来るのを待ってたらどっちにしろ戦いになるだけだし放っといて先に進めば良くね?」

好奇心よりも実利を優先して真相は藪の中のまま先に進むという実に現実的な選択である。
推理ものだとしたら大ブーイングだが、冒険ものなので多分大した問題はない。
そうしてしばらく進んでいくと、ご丁寧に”一つ目トロルスケルトンの部屋”と札がかかった
いかにもボスの部屋っぽいでかい扉が現れた!

112 :
ごめん、黙って進めようかと思ったけど僕がおかしかった。
このまま進むけど意地の悪いレスをしてしまい申し訳ございません。気を付けます。

113 :
作中人物と中の人を混同してないので全然大丈夫
こちらこそ適当過ぎたかもしれないけど現時点では色んな可能性を残しとく的な意味で……

114 :
お、おいらは適当に無視してもいいんだからねつ!

てか、ほとんど絡んでないけど(>_<)

115 :
>>114
キモいからほんと消えて

つ「包丁」

116 :
世の中が白と黒の二つに分かれているとして、僕はうっかり黒の方へ足を踏み入れたようだ。
女神の神託を受けておきながら、なんて危険な手段を取ってしまったんだろう。
結局真実が明らかになる事はなく、僕たちは先に進むことになった。

「ごめん、余計な事しちゃって……悪気はなかったんだ」

どうにもばつが悪い。穴があったら入りたい。
もっとも、死相が出ているとはいえ墓穴に入る気はないよ。
こういう時、故郷の魔法学校で廊下に突っ立たされた事を思い出す。
冒険の旅に叱ってくれる先生はいないんだ。僕自身がしっかりしなくちゃ。

気掛かりなのはルイージの呪いだ。
呪いの正体とは一体何なのか――その一端がこの奥にあるのかも。

「ここで行き止まり……?」

重く閉ざされた扉にはご丁寧にトロルスケルトンの部屋と書かれている。
無理に危険を冒さずこの部屋はスルーしても良いんだけど……。
……やっぱり、さっきの人達のことも諸々含めて挑んでみた方がいいのかな。

「シリル戦法2……分からない時は敵に聞け!」

自分で言うのも何だけど、この戦法2不利なことしか言ってなくない?
そんなことを考えていると、眼前の鉄扉が勢いよく開け放たれ、トロルスケルトンが姿を現した。
その名の通りトロルほど大きい巨体と一つしかない眼窩を持った巨大な骸骨の魔物だ。

「えーっと……この先にお宝とかありま」

『我、荒涼の四戦士トロルスケルトン!我が洞窟に侵入する汝らを排除する!』

舌や喉を持たないスケルトン系に喋る能力はない。これは念話だ。
僕が言い切る前にトロルスケルトンは問答無用で巨大なこん棒を振るい、襲い掛かってきた。

117 :
「やっば、怒らせたかも! 逃げろ逃げろ!」

シリルの突然の攻撃に怒った自称ツアー客達が壁から這い出て来る前に急いでその場から離れる。
その道中。シリルが神妙な面持ちで謝ってきた。

>「ごめん、余計な事しちゃって……悪気はなかったんだ」

「気にすんなって!
本当に親切な人達だったらまずかったかもだけどもし敵なら結果オーライってことよ!
それより解き明かすべき謎はルイージの呪いだ……!」

>「ここで行き止まり……?」

>「シリル戦法2……分からない時は敵に聞け!」

「いやいやいや、それ戦法が”戦って勝つ”って言ってるようなもんだから!
聞く(物理)的な意味で!」

とトロルスケルトンの部屋の前で漫才していると、トロルスケルトンが親切に向かうから出てきた。

「えっマジで? このパターンでそっちから出てくるとか反則じゃね!?」

>「えーっと……この先にお宝とかありま」
>『我、荒涼の四戦士トロルスケルトン!我が洞窟に侵入する汝らを排除する!』

「ですよねー!」

というわけで、戦闘が始まった!
振り下ろされた棍棒をスライディングして避け、そのまま相手の脚の間をくぐって背後へ。
巨大な相手というのは足元が死角になりがち。その上獲物はリーチが長い棍棒。
体格差を逆に利用して懐に潜り込み相手を翻弄する作戦だ。

「どこを見ている? ここだッ!」

短剣を一閃すると、切った場所から煙が上がる。

『ぐ、ぐあああああああッ! おのれ!』

ご丁寧に念話で悲鳴をあげるトロルスケルトン、長いので略してトロスケ。
普通なら刃物はスケルトン系には効きにくいはずだが――

『貴様、まさか……』

「そう、そのまさかさ――ハジマーリの街名物、かけて炒めればあら不思議、
どんな素材も美味しく仕上がる聖水!」

そう、実は戦闘開始直後に聖水(たくさん買ってある)を剣の刃部分にかけていたのだ。

『知らんぞ! 聖水ネタの収集つかなくなっても知らんぞ!』

「そうだな――この聖水について真面目に考え始めると泥沼にはまりそうなので
コメディもの特有のノリで適当に流すのが吉かもしれない! というわけでもう一丁!」

『ぐぎゃあ!』

こうしてトロスケと適当に漫才しつつ聖水ドーピングした剣で追いつめていく!

118 :
は自演するウンコ注意&#160;
        / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/\&#160;
      / ̄ ̄ 人  ̄ ̄ ̄ ̄\/|&#160;
.    ___|___.(__)___     |::: |__&#160;
   /      (__) ネー    |::::|/|&#160;
(○)  人   .(,,・∀・,,) | |__|/  |&#160;
.ヽ|〃_.(__)__.(「 と )_|__.|   |  /&#160;
 □ (__)  |;;;;;| ̄///|__|/&#160;
   .(    ) ウンコーってイイよねー&#160;
  ̄ ̄ ̄\ )_/;;;;;;┃|_;;|/&#160;
::::::::::::::::::::::|| ┃&#160;
::::::::::::::::::::::::|_,) ┃        / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/\&#160;
      / ̄ ̄ 人  ̄ ̄ ̄ ̄\/|&#160;
.    ___|___.(__)___     |::: |__&#160;
   /      (__) ネー    |::::|/|&#160;
(○)  人   .(,,・∀・,,) | |__|/  |&#160;
.ヽ|〃_.(__)__.(「 と )_|__.|   |  /&#160;
 □ (__)  |;;;;;| ̄///|__|/&#160;
   .(    ) ウンコーってイイよねー&#160;
  ̄ ̄ ̄\ )_/;;;;;;┃|_;;|/&#160;

119 :
そして>>1は自演する

(そして命は流転する)

120 :
糞は育てるもの

121 :
否応なしにトロルスケルトンとの戦闘が始まると、キャトラの動きは速かった。
身軽さを活かして相手の足元を潜り、背中に回って短剣で一閃。
不死のアンデッドにも関わらずトロルスケルトンは悲鳴を上げた。

>『貴様、まさか……』

>「そう、そのまさかさ――ハジマーリの街名物、かけて炒めればあら不思議、
>どんな素材も美味しく仕上がる聖水!」

どうやら短剣に聖水を掛ける事で即席の祝福儀礼を施したという事らしい。
流石はトレジャーハンターだ。工夫や知恵に長けている。
これでトロルスケルトン相手には怖いものなしだ。

>『ぐぎゃあ!』

聖水を浴びた短剣で瞬く間に追い詰められていく。
それにしてもアンデッドに成り果てているとはいえ、よもやトロルと戦う事になろうとは。
故郷の里、カルデアで暮らしてた頃はトロルといえば両親や先生の脅し文句の典型だった。
悪いことをするとトロルがやってきて攫われちまうぞとよく言われたものだ――。

「これでどうだ――ラセラトリス!」

これは僕が使える魔法の中で一番強い衝撃波を出せる魔法だ。
杖が怪しく輝き、黒い衝撃がトロルスケルトンのどてっぱらに命中する!

『ぐぅぅぅっ……!』

聖水攻撃で相当弱っているのか、トロルスケルトンは苦痛の声を漏らしながら崩れ落ちる。
本来の僕たちの力量で戦えばかなり苦戦しそうな敵だが、聖水という弱点のおかげでなんとかなった。
そういえば、荒涼の四戦士の情報はハジマーリの街では貰えなかったな……。一体何者なんだ?

「荒涼の四戦士、と言ったね。他にもいるのか……?君達のような魔物が?」

『我、ただの魔物に非ず。今は亡き勇者に仕えし使い魔なり……』

息もたえだえといった様子でトロルスケルトンは答えた。この洞窟、入り口が何本も分かれてたな……。
そのうち一本の主がこのトロスケなのか?もしかしてここはハズレの道だったのかも知れない。

「参ったな……これじゃまだ攻略されてない訳だ!
 正解を見つけるまで途方もなく時間がかかるじゃないか」

122 :
今はエルが絡みづらいだろうからスケルトンの洞窟が終わるまで
話を進めるんだけど大丈夫かな?いつ絡んでも大丈夫だからね。

123 :
早速間違えてたのでちょっと訂正……すみません。

×「荒涼の四戦士、と言ったね。他にもいるのか……?君達のような魔物が?」
〇「荒涼の四戦士、と言ったね。他にもいるのか……?君のような魔物が?」

124 :
ウンコである以上
どっちも同じと思うの

ウンコ大明神まだ〜♪?

125 :
>「参ったな……これじゃまだ攻略されてない訳だ!
 正解を見つけるまで途方もなく時間がかかるじゃないか」

「この洞窟はここで行き止まりみたいだ。とりあえず入り口まで戻ってみよう」

どうするかは後で考える事にして入り口まで戻ってみる。
入り口は全部で4つあった。

「……残りのどれかが正解ってこと? あてずっぽうでいくと三分の一かあ。……ん?」

よく見るとたった今出てきた洞窟の入り口に、
“スケルトンの洞窟  主、一つ目トロルスケルトン”という文字が浮かび上がっている。

「入る時は無かったはずだけど……何かをやったら浮かび上がってくるのかもしれない!」

というわけで、他の洞窟の入り口を火で焙ったりいろいろやってみる。

126 :
>>125
ねえ
自演するのもいいけどさ

僕と郊外でウンコバトルしようよ(*´・ω・)


絶対たのしいよ!

127 :
あ、俺の友達が中学時代RPGツクール1で即興で作ったRPGのタイトルと同じ名前だ
これで長続きしなかったらあんまりいい名前じゃないって事になるな(?)

128 :
糞ゲー確定やなw
まさに

129 :
一度入り口まで戻ってきた僕たちは宝を探り当てるため、
火で焙ったりして何とか正解が分からないか知恵を搾っていた。

戻る途中、スケルトンの洞窟で人間に戻った人たちは忽然といなくなっていた。
その答えは呪いの正体と併せてダンジョン攻略に見出すしかない。

ちなみにトロルスケルトンはあの洞窟の主でもあるらしく、とどめを刺す必要もないのでそのままにしておいた。
まさか外れを引いた上に頭脳労働までやらされるとは、まったく僕たちはルイージの墓場を見縊っていた。

「うーん……聖水をかけてみるなんてどうかな……?」

懐から聖水を取り出し蓋を開け、ばしゃっと洞窟の壁に浴びせる。効果なし。
そりゃそうだ。聖水とこの洞窟に因果関係はない。何の意味があるんだ。

「……そうだ! チャラララー、シリルの占いコーナーッ!」

こういう時こそ魔法使いが「難題を一刀両断に解くが如く」答えを導き出すものだ。
ハイこれが有名なゴルディアスの結び目ね。ここテストに出るからメモしといて!
古来より強力な力を持つ予言者は権力者達に重用され、為政に欠かせない道具とされてきた。
経験は一切ないが今ここで都合良く占いの才能に目覚めれば正解の洞窟が分かるかもしれない。

僕は入口の中央で静謐さを湛えた神秘的な瞳で三つの洞窟を見据える。
そして神妙に杖を立たせ、神の気まぐれに全て託すことにした。
述懐していて思ったがこの時の僕はまともではない。

「ダラララララ↓……(※ドラムロールの口真似です)……ランッ↑」

その時、そよそよと吹いた風が墓場の入り口に注ぎ込み、運命の杖は羅針盤の針の如く道を示した。
杖はくっきりと左から二番目の洞窟を指している。すると杖が指した洞窟から微かに羽音が聞こえた。
ばさばさ、ばさばさ、羽音は次第にその音を大きくさせ、迂闊な冒険者達を待ち受けるかのようだ。

「……棒倒しじゃダメか……ヤバい気配がするよ」

そういえば死相が出ているという話をすっかり忘れていた。

130 :
お前本当オナニみたいな文章書くよな
一人でやってて楽しいの?

チャララーとか、ヤバい気配がするよ
じゃねーよ

なあクソル

131 :
ルイージの呪いはどーした? 

132 :
>>131
何やってんだ僕〜〜。
呪いについては……いずれ分かる……はず。


【☆旅の仲間大募集2】

ファンタジークエストではじめるお手軽冒険譚!
そこの君、一緒にルイージの墓場を探索してみませんか?
待ち受けるボスキャラ『荒涼の四戦士』を倒すだけの簡単な冒険です!

抽選で豪華特典をプレゼント!

聖水……10名様
キャトラの地図……1名様
スーパーなキノコ……1名様
トロルスケルトンのこん棒……1名様

133 :
早速倒してきたよ!

じゃあ全部ください!


(ウンコ勇者は聖水浴びて溶けた)

134 :
◆ロールプレイング・ノベル入門【1】◆
https://mao.2ch.sc/test/read.cgi/mitemite/1537503921/

【VRP=バーチャル・ロールプレイング】
コテハンで架空のバーチャル・キャラクターを作って、ロールプレイをする遊びです。
応用すればTRPGや、個人あるいは共同での小説執筆のようなことも可能です。

RPNとはVRPを基礎とし多人数で小説創作のようなことを行う遊びと演習を兼ねた究極のメソッドです。

135 :
>「……そうだ! チャラララー、シリルの占いコーナーッ!」
>「ダラララララ↓……(※ドラムロールの口真似です)……ランッ↑」

運命の杖は二番目の洞窟を示した。
その洞窟からは、いかにもヤバげな羽音が聞こえる。

「マジでここで大丈夫!? アカン羽音が聞こえるけど!」

>「……棒倒しじゃダメか……ヤバい気配がするよ」

と迷走しているところに、手に意味ありげなベルを持った白い法衣をまとった人物が現れた。

「ルイージの呪いはどーした?」

「まあ……いずれ分かるんじゃないですかね。というかどちら様?」

等と言っていると、その人物は意味ありげなベルを渡してきた。

「仕方ないのう、そなたらにそれを授けよう。それはロールプレイングのベルといっての……」

「ロールプレイングのベルだって!?
鳴らせばあらゆる呪いが解けるとかいう噂のお宝じゃないか!」

ちなみにロールプレイングの語源は聖なる祈りが綴られた巻物のことらしいよ。(※作中独自設定)

「こんないい物をありがとう! ……あれ?」

法衣の人物はいつの間にか消えていた。

「2番目の洞窟はヤバそうだから……3番目の洞窟行ってみる?」

当たるも八卦、当たらぬも八卦。
都合よく妖精さんでも出てきていい感じのアイテムで正解の入り口を教えてくれると助かるんだけど……
等と詮無いことを思うのであった。

☆ アイテムデータ
【ロールプレイングのベル】
謎の人物から貰った、あらゆる呪いを解く(という噂の)聖なるベル。
ルイージの墓場攻略に多分役に立つだろう。

136 :
ベルはウンコとともに

粉々に砕け散った!

137 :
そのあと糞遊びが始まったんや!

ええで

138 :
僕が全力で迷走しているところに現われたのは法衣をまとった謎の人物だった。
法衣の人物は老人のような口調で、複雑な紋様が施された純金のベルを渡してくれた。

>「ロールプレイングのベルだって!?
>鳴らせばあらゆる呪いが解けるとかいう噂のお宝じゃないか!」

「そんなアイテムがあったとは……! 僕も知らなかった」

>「こんないい物をありがとう! ……あれ?」

高価そうなベルに目を奪われている間に法衣の人物はいつの間にかいなくなった。
幻想の女王や神託の女神のように、ふっ……といなくなってしまったのだ。

「法衣の人物……一体何者なんだろう。とにかくそのベルは大切にしないと!」

謎は深まるばかり……。
どの洞窟に入るか悩んでいると、キャトラから提案が出た。

>「2番目の洞窟はヤバそうだから……3番目の洞窟行ってみる?」

「なるほど、それもそうだね」

三番目の洞窟は今のところ不穏な羽音も気配も感じない。
僕はその洞窟へ踏み入ると、松明で前を照らし探索を再開した。

139 :
再開ついでにここで今までの経過を整理してみようと思う。
最初の洞窟で僕の予想は外れた。『荒涼の四戦士』は呪いの一端ではなく勇者の使い魔だったのだ。
たしかに、勇者の死後この洞窟を守り続けて来たであろう彼らが、呪いの正体だとは考えにくい。
呪いは最近発生してる現象だから、ずっと洞窟を守ってる荒涼の四戦士とは関係がないと推測できる。

では一体呪いとは何なのだろうか。
まぁ、呪いに出くわさないのが一番かもしれないんだけど……。
魔王の復活を阻止する人間が人々を困らせている原因を無視して宝だけ狙うのも沽券に関わる。

これは冒険者としての在り様の問題だぞ。ハジマーリの街に活気を取り戻すんだ!
こんな感じで決意を新たに、僕たちは何でもない洞窟を更に進んでいく。

「さっきと違ってどんどん地下へくだっていくね。もしかして当たりかも」

深い階層=財宝に近いなんて我ながらありきたりな発想だ。
キャトラのおかげで釣り天井や針の床といった罠にも慣れてきた。
体力のない僕の足が疲れ始めた頃、僕たちはようやくそれらしい部屋に出くわした。

「ひぃぇ……」

僕は思わず後ずさった。ダンジョンにこんな出会いは求めていない。
真新しい冒険者の亡骸だ。心臓を刃で一突きされた遺体が二つ。
恐らく僕たちのようにパーティーだったのだろう。

「冒険者ギルドに持って帰れば、誰か分かるかもしれないね
 家族がいるなら亡くなったかどうか知りたいだろうし……」

140 :
そう言ったきり、僕はつい物思いに耽ってしまった。遺体の奇妙さについて考えてしまったのだ。
この洞窟、魔物らしい魔物もいないのに誰に刺されたのだろうか、と。
少なくとも僕たちはここに辿り着くまで一度も魔物に出くわさなかった。
剣を固く握りしめているあたり戦った形跡は確かにあるが、誰と戦ったのだろう。

「ねぇ、これってもしかして……」

前回の反省もあるので、断定はできない。
だが、そういう推測も可能だ。

「自分たちで殺し合ったんじゃないかな……」

そう言うや否や、僕はするりとキャトラが帯びている短剣を引き抜いた。
盗賊顔負けの抜け目ない動きで、僕自身もあっ、と叫んだが、声が出ない。
魔法を扱う者なら、僕の周囲を取り巻く毒々しい瘴気のような魔力を感じただろう。

呪いの仕業か?それとも何か恐ろしいものが僕に憑りついているのか?
僕の身体を僕でない何かが動かしているように、松明を地面に落とす。
そして両手で短剣を握りしめ、キャトラの心臓目掛けて振り下ろした!

141 :
幻想の女王じゃなくて樹海の王女だった……ごめん。
余談だけどこのスレの〇日ルールは強制パスになるだけだから
いつでも復帰して大丈夫だよ(連絡を入れるのが一番だけど)。

142 :
>「冒険者ギルドに持って帰れば、誰か分かるかもしれないね
 家族がいるなら亡くなったかどうか知りたいだろうし……」

そこまで言って言葉を止めるシリル。またもや推理が始まったようだ。

>「ねぇ、これってもしかして……」
>「自分たちで殺し合ったんじゃないかな……」

「え、いやいや、そんなまさか……」

今回に限っては迷推理であってくれ、と願うも、状況を見れば見るほど筋が通ってしまう。
その時、突然シリルがオレの短剣を引き抜いた!
魔法使いのシリルが出来ないであろう盗賊顔負けの動き。明らかに操られている!
心臓目掛けて振り下ろされた刃を何とか避け――
そして、気付けばシリルの杖を奪い取り、脳天目掛けて振り下ろしていた。
避けて!と心の中で叫ぶと、幸いシリルはうまく避けてくれたが……安心してはいられない。
先刻の二つの変死体を見る限り、おそらくこれは二人で殺陣を繰り広げた末に最終的には相打ちになる、という呪いなのだ。
ヤバイぞこれ、どうにかしないとマジでアレじゃん、と思っていると
あっと気付いた時には、足元に転がっていた石に蹴っつまずいて転んでいた。
これシリルにとどめ刺されるパターンじゃん!と一瞬思ったが、凄腕トレジャーハンターの”運の良さ”の数値は半端無かった!
転んだ拍子にさっき貰ったロールプレイングのベルが道具袋から転がり出て、涼やかな音が辺りに鳴り響いた!

【別行動でシーン自体が別なのでエルちゃんはこっち側のレス順には組み込まれてなくて
適宜のタイミングで、という認識だったけど違ったかな?
どちらにせよいつでも復帰お待ちしてます! 
もし継続参加は難しくても直接絡まず別行動というスタイルなら不定期の参加もアリだと思う!】

143 :
(キャトラ、上手く避けて!)

果たせるかな、心臓目掛けて振り下ろした凶刃は難なく躱された。
勢いのまま両膝を地面につき、顔が勝手に右を向いた。
視界の端に相方を捉えたかと思うと、不意にローブの内へ彼の手が入り込んでくる。

僕はそれを払うこともできず、腰に帯びていた杖を奪い取られてしまう。
すかさず闇の中でキャトラが動き、脳天めがけてこぶのような杖の先端が落ちてきた。
僕の身体は慌てて上体を仰け反らせて避けると、短剣を片手で握り直す。

(しまった……キャトラも操られているんだ)

短剣を避け、杖を凌ぎ、闇の中で死の攻防を何度も繰り返す。
このままでは遺体になっている冒険者の二の舞だ。
だが、身体が動かない、呪文も唱えられないでは如何ともしがたい。

(……あっ!)

攻防の最中、なんとキャトラが大きい石に躓き転んでしまった。
敏捷で抜け目ない本来の彼なら、きっとこんなヘマはしないだろう。
隙ありと見た僕の身体は満身の力を込め、大きく振りかぶり、再び短剣を振り下ろさんとする!

その時、転んだ拍子にロールプレイングのベルが道具袋から零れ落ち、三番目の洞窟のしじまを破った。
なんとも涼やかな音色だろう!小さなベルの音は、緊張と死が交錯していた空間をたちまち安らぎに塗り替えた。
振りかぶっていた手はいつの間にか短剣を力なく地面に落としていた。僕たちを覆っていた妖しい魔力も吹き飛んでいる。
死の攻防は魔法使いらしからぬ運動量だったので、僕は肩で息を切らしながらその場にへたり込んでしまった。

144 :
「はぁ……はぁ……危なかった……」

これは間違いなく呪いによるものだ。それが自然的なものか、人為的なものかはわからない。
だが、この呪いに引っ掛かったパーティーは皆お互いに殺し合って命を落としてきたのだろう。
法衣の人物がいなければ、僕たちも遠からずそうなっていただろうと思うと身が震えた。

「さ、さぁ、先を急ごう。ロールプレイングのベルを鳴らしながらね」

もうあんな恐ろしい目に遭うのはごめんだ。
そう言いながら立ち上がり松明を拾おうとすると、僕は先程のキャトラと同じく盛大に転んだ。
といっても、石に躓いたからじゃなかった。誰かが僕の足を引っ張ったんだ。
振り返ると、暗がりの中に犬歯を剥いた冒険者の躯が這い出て、僕の足を掴んでいるではないか。

「うわぁぁっ!!?」

冒険者の躯は瞳孔を開いたまま片手で剣を、片手で僕の細い足を掴み、こちらへにじり寄ってくる。
咄嗟に呪文を唱えようとしたが、もう一人の冒険者はむくりと僕に覆いかぶさり首にその両手を重ねた。
気道を絞めれてしまっては、僕の十八番にして生命線である魔法も唱えられない。
二体の冒険者ゾンビに不意に襲われ、地面で銀の短髪を振り乱しながら、僕は必死に抵抗した。

「う、ぐ、た、助けて……!」

――悲しいかな、力自慢の冒険者だったゾンビと貧弱魔法使いの僕とでじゃあ、力の差は明白だった。
例え手頃な武器を持っていたとしても、取っ組み合いではとてもかなわない。魔法使いの悲しい性だ。
それは同時にシリル戦法の一番目、「遮二無二暴れろ」が如何に無力かという事も証明していたのだった。

145 :
>>142
ごめん、僕が適当なのでその辺は設定後も曖昧……。
けどたしかにエルは不定期でも大丈夫だね。

今は前に決めた投下期限の5日+キャトラの提案で進めるね。
(期限は7日にするか未だに迷ってるんだけど、現状は5日に落ち着けておくよ)
とにかく、僕もいつでもエルの復帰をお待ちしています。

146 :
俺もお前の自演支援するよ
確かウンコ投下するんだったね?

147 :
俺もお前の自演支援するよ
確かウンコ投下するんだったね?


せいいっぱいの ウンコ

148 :
クスリきめてんな
ここの1

149 :
>「さ、さぁ、先を急ごう。ロールプレイングのベルを鳴らしながらね」

「うん、どこの誰だか知らないけど本当に感謝だよ」

そう言ってロールプレイングのベル片手に歩き始める、とシリルがいきなり転んだ。

>「うわぁぁっ!!?」

一難去ってまた一難。二体の冒険者がゾンビと化して襲い掛かってきた。
組みつかれたら無力な魔法使いを寄ってたかって狙い撃ちにするあたり、知性があると見える。
しかし裏を返せばこっちはガラ空きというわけで……

>「う、ぐ、た、助けて……!」

「させるかぁ!」

シリルの首を絞めているゾンビの両腕の腱を断ち切る。
続いて這いつくばっている体勢の足を掴んでいるゾンビの頭を思いっきり踏みつけ、逃げ出す隙を作る。
シリルが何とか抜け出すと、ロールプレイングのベルで二体のゾンビの脳天をぶっ叩いた。
昏倒するゾンビ達。ロールプレイングのベルは鈍器にもなる優れものなのである。

「さあ今のうちに!」

シリルの手を引いて逃げようとしたときだった。

「ああそうか……私達は呪いにやられてしまったのだな……。
でもキミ達なら……どうか……この洞窟の呪いを……」

ゾンビが何事か呟き、今度こそ息絶えた。
今際の際の一瞬だけ正気に戻ったということだろう。

「呪いを解きに来た人達だったんだね……。ということはこの洞窟が正解なのかも」

150 :
冒険者のゾンビに組みつかれて抵抗できない。けど持つべきものは旅の仲間だ。
キャトラが逃げ出す隙を作りだし、僕は慌てて地面から立ち上がり態勢を整える。
ロールプレイングのベルで殴られるとゾンビはがくりと動かなくなった。

>「さあ今のうちに!」

「うん!」

差し伸べられた手をしっかり握る。急いで逃げようとしたときだった。
言葉を紡ぐことのないゾンビの口がかすかに動いた。

>「ああそうか……私達は呪いにやられてしまったのだな……。
>でもキミ達なら……どうか……この洞窟の呪いを……」

>「呪いを解きに来た人達だったんだね……。ということはこの洞窟が正解なのかも」

「うん……呪いの正体は僕たちが代わりにつきとめよう」

キャトラの手を握ったまま聖水を取り出すと、ふたつの亡骸に降りかける。
あの人たちは十分戦った。僕たちが生き残れたのはただ幸運だったからだ。
せめて冒険者たちの魂が浄化され、大いなる太陽の神のもとへ召されますように。

暗闇を松明で照らしながら、しばらく無言で歩き続けた。
ルイージの呪いは絶対に解き明かしてみせる。
でないとあの冒険者たちが報われない。

151 :
行き着いたのは"ロードスライムの部屋"と書かれた場所だった。

「開けよう。どうかここが正解でありますように!」

重い鉄扉を開けると、ぴょんぴょんと透明の塊が僕らを迎えてくれた。
楕円っぽい形状にどんぐり眼をくっつけた魔物。スライムだ。

「重要な場面で脱力させないでよ、もうー」

力は皆無だけど人間を積極的に攻撃してくる不可解な魔物だ。
僕は透明の塊に触ろうとすると、足に突進してきた。痛くはない。
スライムは魔物なのに他の種族にほとんど害がない。
暗黒魔法の師匠は魔界が生んだ失敗作と言っていた。

「よくぞ参られた冒険者達よ。我が名はロードスライム」

かん高い声が響くと、ひとりでに部屋の四隅から火が燃え上がる。
明るくなった部屋の中央に人のような透明の塊が立っていた。
肩にマントを羽織り、頭には鉄王冠をかぶった人間型スライムだ。

「ここより先は亡きルイージが眠る最深部になっている。
 もてなすことは出来ない。立ち去るがいい」

152 :
ロードスライムの背後には入り口と同じような意匠をした鉄扉がある。
ようやく辿り着いた。ここが墓場の奥へと続く正解の洞窟なんだ。

「逃げる気はない!僕たちには墓場の呪いを解く役目がある!」

ロードスライムは珍しいものをみるような目で僕たちを見た。
そして少し考え込んだ様子のあと、会話に応じてくれた。

「それでも通すことはできん。荒涼の四戦士の役割は領地の守護。
 邪悪なる者の呪いにどれほど荒らされ変わり果てようともな。
 その者達は洞窟の魔物を淘汰した。さっきのスライムは唯一の生き残りだ」

この先に呪いを生み出した元凶がいる。
ロードスライムの発言はそれを示唆していた。
ごくりと息を飲んだ。僕はちょっと緊張していた。

「どうしても先へ通りたければ力を示せ!私が相手になろう!」

「僕たちはここで立ち止まる訳にはいかない。望むところだ!」

僕は松明を地面に置き、杖を右手に持って意気込んだ。
にわかに戦闘特有の緊張が部屋を包み始めた。

153 :
その自演さ、
やってて空しくならない?

ねえ?

154 :
>「開けよう。どうかここが正解でありますように!」
>「重要な場面で脱力させないでよ、もうー」

扉を開けたオレ達を出迎えたのは、駆け出し冒険者が街から出て
最初に遭遇するモンスターとして名高いスライムであった。

>「よくぞ参られた冒険者達よ。我が名はロードスライム」

大層な演出と共に、人間型を取ったスライムが現れた。
決して王冠を被った大きいだけのスライムではない。

>「ここより先は亡きルイージが眠る最深部になっている。
 もてなすことは出来ない。立ち去るがいい」
>「逃げる気はない!僕たちには墓場の呪いを解く役目がある!」
>「それでも通すことはできん。荒涼の四戦士の役割は領地の守護。
 邪悪なる者の呪いにどれほど荒らされ変わり果てようともな。
 その者達は洞窟の魔物を淘汰した。さっきのスライムは唯一の生き残りだ」

「ここの守護者なら……どうして邪悪な呪いをそのままにしておくんだ!」

と聞いたものの、なんとなく答えは分かる。
自分達では手に負えないと悟っているからだろう。

>「どうしても先へ通りたければ力を示せ!私が相手になろう!」
>「僕たちはここで立ち止まる訳にはいかない。望むところだ!」

こうして戦いの火蓋は切って落とされた。
非定型のスライムに刃物は最悪の相性だ。だが――

「ふっふっふ、弱点は知っているぞ――ズバリ王冠だな!?
何故ならロードスライムをロードたらしめるのは王冠だからだッ!」

と、合っているのか合っていないのか分からない説を自信満々で言いながら
一気に距離を詰め接近戦に持ち込もうとするキャトラだったが、
ロードスライムは自らの体の一部を分離させ、無数のスライムを作り出した。
一匹一匹は取るに足らないものだが、地味に大変邪魔で本体に近づけない!

「シリル、こいつら焼き払ってくれ!」

155 :
そう言う
キャトラの尻からは

大粒の糞がボトボトと垂れていた

156 :
誰かが言った

「楽しいの?」

157 :
>「ふっふっふ、弱点は知っているぞ――ズバリ王冠だな!?
>何故ならロードスライムをロードたらしめるのは王冠だからだッ!」

「キャトラってばもう……そんな冗談言ってる場合じゃないよっ」

「ほう、面白い珍説だ。ではこの鉄王冠を奪ったあかつきには君達の力を認めてやるとしよう」

言うや否やロードスライムの身体の一部が分離した。
小さなスライムの群れとなって僕たちに体当たりを敢行してくる。
スライムといっても最初のスライムと違って顔はない。

ジェルの塊がひたすら突っ込んでくる。
攻撃は痛くない。痛くはないけど中々ロードスライムに近付けない。
僕が杖でばしっと払ってもすぐ再生して飛び掛かってくる。

>「シリル、こいつら焼き払ってくれ!」

「任せて!」

といっても、僕は炎魔法は使えない。
暗黒魔法には魔界の黒い炎を召喚するものもあるが、僕は未修得だ。
となるとここはいつも通りショックに頼るしかない。

「これでも食らえ、ショック!」

小さいスライム目掛けて杖から暗黒の雷を迸らせる。
すると雷はスライムに命中するが、スライムが焼け焦げることはなかった。
スライムのゲルボディを素通りして地面や空気に散っていく。

「なんで!?」

「私は水の魔物。電気はこの五体を通るだけで効かないのだ」

ぐぬぅぅぅぅ。なんだその理屈は!
シリル戦法1、2に続きショックまで役に立たない!
ちょっと僕に厳しくないかなぁ。

158 :
分離した小さいスライム達がぴょんぴょん跳ねると僕に腕や顔にもちもち激突する。
めんどいので無視していたけど、そのうち何匹か僕のローブの内に潜り込んできた。
恐るべきことにちまいスライム達は僕の脇腹にへばりついてくすぐり攻撃を行ってきた。

「あっははははは……くすぐったい、くすぐったい、やめてくれまえ、ははは!」

ロードスライムは更に身体を分離させると小さいスライム達が僕の周りに集まってくる。
段々とそれはひとつになって水球を形成する。僕の頭はその中に閉じ込められてしまった。
完全に水の中みたいだ。しばらく息はもつだろうけど完全に詰んだ。こんなんばっかだ。

「これで一人脱落だ。その魔法使いは足りないものが多すぎる」

ロードスライムは腕組みをしながら幻滅した様子だ。
なんでかなぁ勝つ自信はあったんだけど……。
頼んますよキャトラのアニキ。僕の仇ぃとってつかぁさい!

「そろそろ全力でいかせてもらおう……!」

透明の右腕がずずず……と伸びたかと思うとそれは細身の剣を為した。
王の癖に騎士っぽい戦闘スタイルとはなんて節操のないスライムだ!

「剣に生き、剣に死ぬ!お手並み拝見だ!」

透明のレイピアでキャトラの心臓目掛けて突きを放ってきた!

159 :
何やってんだ僕〜〜!ロードスライムの台詞がおかしいからちょっと訂正(すみません)
電気通ったら効いちゃうよね……。

×「私は水の魔物。電気はこの五体を通るだけで効かないのだ」
〇「私は水の魔物。電気がこのジェルボディを通ることはないのだ」

160 :
スゴく臭い山が
迫ってきてるて

どうするシリル
自演で耐えるかい?

161 :
>「キャトラってばもう……そんな冗談言ってる場合じゃないよっ」
>「ほう、面白い珍説だ。ではこの鉄王冠を奪ったあかつきには君達の力を認めてやるとしよう」

「言ったな!? 取り消しは無しだぜ!?」

結果オーライというか、言ってみるものである――
じゃなくてロードスライムは見事にオレの深遠なる策略に乗っかってきた!

>「任せて!」
>「これでも食らえ、ショック!」

ここにきてシリルってもしやショックしか使えない?という疑惑が発生。魔法使いレベル1的な。
まあ蹴散らせればなんでもいいや、と思ったのだが。

>「なんで!?」
>「私は水の魔物。電気がこのジェルボディを通ることはないのだ」

「もしかしてあれか!?
水系だから電気が弱点と見せかけて”純度100%の水は電気を通さないッ”的な属性能力バトルでありがちなやつ!?」

そうこうしている間にシリルはスライムで団子になっていた。

>「あっははははは……くすぐったい、くすぐったい、やめてくれまえ、ははは!」

>「これで一人脱落だ。その魔法使いは足りないものが多すぎる」
>「そろそろ全力でいかせてもらおう……!」
>「剣に生き、剣に死ぬ!お手並み拝見だ!」

どこかノリノリなロードスライムはレイピアのようなものを右手に生成し、
騎士同士の一騎打ちのような雰囲気となった。

「こっちは騎士じゃなくてトレジャーハンターなんだけどな……仕方ない、受けて立とう!
エンチャント”ファイア”」

糠に釘ならぬジェルに刃物では話にならないので、短剣に炎の魔力を付与する。
とはいってもオレの魔力では牽制程度にしかならない。飽くまでも狙いは王冠。
王冠を奪いさえすればこちらの勝ちというのは大きなアドバンテージだ。
奴は寸分たがわぬ狙いで心臓目掛けて突きを放ってきた。

162 :
「おおーっと、滑った!」

わざと地面のスライムの欠片を踏んづけてスライディング。
やべえぞこりゃ! 今の一撃で分かる、かなりの手練れだ!
間髪入れずに追撃が叩き込まれ、目にも止まらぬ打ち合いが始まった。
傍から見れば互角に見えるかもしれないが、次第に押されていくのが分かる。
ついに壁際まで追い詰められた。

「やっば、マジ勘弁! 許して! ――スモークスクリーン!」

追い詰められた風を演出してから使ったのは、煙幕の魔法。
あたりに煙がもくもくと立ち込め何も見えなくなる。
トンズラする時によく使われる、魔法をかじったスカウト系クラスの定番魔法だ。

「貴様……仲間を見捨てて逃げるというのか、見損なった……な!?」

「かかったなァ!!」

煙幕が立ち込めた瞬間に大きくジャンプ。
相手が逃亡したと思って油断しきっていた隙に、天上から魔力のロープでぶら下がり
ターザンロープの要領で王冠を掠め取ったのだ。
煌びやかな王冠を指先で回しながら見せつける。

「最初に言ったろ? 騎士じゃなくてトレジャーハンターだって。
お宝をみすみす諦めるものか。さ、さっさとシリルを解放するんだ」

これだけ見ると一見一人で勝ったようだが、それは違う。
奴はシリルを封じるために肉体のかなりの部分を割いていた。
そのため本体の能力値は本来よりも大幅に下がっており、もし100%の力の奴と戦っていたら即死していただろう。
おそらくロードスライム自身もそれは分かっていて、
そうまでしてでもシリルを先に封じておかないと危険と判断したからそうしたのだろう。
シリル――闇黒魔法を扱う無垢なる少女とは一体……。
いや、今はルイージの呪いの謎を解き明かすのが先だ。

「あ、言っとくけど戦いに負けたから殺せとかそういう意味分かんないの無しな。
ほら、騎士ってやたらそういうノリが好きだから念のため」

こうして、ついに真相へと至る扉が開かれる。

163 :
キャトラってなんなん?
ウンコのけんぞくか?

164 :
荒涼の四戦士の称号は伊達じゃなかった。
ロードスライムの剣技は凄まじくキャトラが次第に押されていく。
遂に壁際まで追い詰められたとき煙幕の魔法が一帯を包んだ。

無論発動したのは僕じゃなくキャトラだ。
そして煙の中、天井に魔力の綱を繋いで宙を飛び、王冠を見事奪い取った!

>「最初に言ったろ? 騎士じゃなくてトレジャーハンターだって。
>お宝をみすみす諦めるものか。さ、さっさとシリルを解放するんだ」

「……見事だ。君の力を認めよう」

ぱつんっと僕の顔を覆っていた水球が弾けた。
水球だったものはロードスライムの一部として戻っていく。

>「あ、言っとくけど戦いに負けたから殺せとかそういう意味分かんないの無しな。
>ほら、騎士ってやたらそういうノリが好きだから念のため」

「ふ……心配無用だ。私はこの洞窟の領主でもある。おいそれと死ぬ訳にはいかんのでな」

ロードスライムはマントを翻すと僕に手を差し伸べてくれた。
トロルスケルトンの奴よりは気が利くようだね……。僕は感謝しつつすっくと立ちあがった。

一応弁明しとくけどショック以外にも色々な暗黒魔法が使えるんだからね。
バインド(拘束)とかリジェクト(低級衝撃波)とかラセラトリス(中級衝撃波)とか。
衝撃波ばっかだね……。

「俊敏なるケットシー、キャトラよ。この先は気をつけられよ。奴の力は恐らく君の想像を超えているだろう。
 この私でさえ為す術なく敗北を喫してしまった。幸い私は再生力が高いので生き延びることが出来たがな……
 荒涼の四戦士は永く領地を守るためそれぞれ長命でしぶとい者が選任されているのだ」

トロスケは長命通り越して死んでるけどね。
松明を拾って鉄扉を開けると、先には粘りつくような闇が広がっている。
どうやら下り坂になっているようだ。

「そして……魔法使いよ。死の淵に立っても希望は捨てぬことだ。
 未来はいくらでも変えられる……生前勇者が言っていた言葉を贈ろう」

死相が出ているという話をまた思い出す。
実は僕って隙を生じぬ二段構えの死亡フラグが立ってるんだよね……。
とにかくロードスライムの言葉に感謝すると僕たちは先に進むことにした。

165 :
ルイージの墓場の最深部は松明で照らしてなお暗い。
まるで闇が生き物のように蠢いて纏わりつくようだった。

この薄気味悪さと不快感には覚えがある。
暗黒魔法を使う時に感じる魔界の気配と似たものだ。

やがて開けた空間に出ると闇の中で何かが動いた。
一つ、二つどころじゃない。夥しい影を感じる。

「そこにいるのは誰なんだ……?」

恐る恐る声を掛けてみると、闇の中から二つの影が前に進み出た。
不思議なことにその影の周囲だけがぼんやりと明るくなる。魔法の類だろうか。
幽鬼のように覚束ない足取りで進み出てきたのはローブを羽織った男。

「名乗るべき名は捨てた。私は何者でもなく……ただこの世に暗黒を齎す存在なり……」

何かの骨でできた杖で地面を突きながらこちらへ近づいてくる。
僕は松明でその男を照らしてみるとフードに隠された顔が露になった。
――肌も肉も削げ落ちた死者。腐り果てた骸骨だ。

「呪術、死霊術、暗黒魔法……外法の全てに手を染め、外道に堕ちた不死の魔術師――。
 それが私だ。判る、判るぞ、貴様から漂う闇の魔力を……私と同じ禁忌に手を染めし気配を……」

「リッチだな……!倫理はおろか人間も捨てたアンデッドがどうして勇者の墓にいる!
 今まで行方不明になった冒険者達は何処にいるんだ!?」

ゾンビと化した二人の冒険者の光景がフラッシュバックする。
僕は思わず語気を荒げて不死の魔術師(リッチ)に問う。
骸骨は僅かな腐臭を放ちながら超然としていた。
まるで俎上の魚を眺めているかの如くだ。

「終焉が迫っている……遠くない将来世界は瘴気に包まれ、闇の軍勢が解き放たれるであろう……」

166 :
リッチといえば高い知性と魔力を残した魔法使いのアンデッドだ。
その多くは暗黒魔法といった外法に手を染めている事が多い。
研究の過程で闇に唆されたか、あるいは限りある生に限界でも感じたか。
いずれにせよ道を踏み外した魔法使いの末路に違いない。

「質問の答えになってない……!早く答えろっ!」

「……私がこの最深部に達して以来、ここまで足を踏み入れたのは貴様らが初めて。
 戯れに応じてやるのも一興というもの……私が敢えてここに腰を据えたのは勇者の墓を暴くため。
 そして我が秘法の死霊術にて尊厳を踏み躙るためだ。伝説を汚辱で濡らし、そして――」

「やめろ。君の呪詛は聞いてない……!」

「私は不死の魔術師……かつて世界を混乱に陥れた魔王に共感せし者……
 全ては不死の軍団を築き、魔王に捧げる準備のため……全ては破壊と混沌のために……」

これがルイージの呪いの正体。
ロードスライムが言っていた邪悪な者がこのリッチなのだろう。
僕とキャトラに呪いをかけ、殺し合わせたのもこいつなんだ。
皮肉なことに奴の邪悪な行いは全てルイージが被っている状態だ。

「魔王に心酔するまで闇に堕ちたのか……!理解に苦しむよ。
 そんな姿になってまでやりたかったのが呪詛を撒き散らすことなのか……?」

「この世に呪いあれ。無辜の民に須らく災いを。我が不死の軍団の糧とならんことを。
 その瑞々しい肌を裂き、血と肉を墓に撒いてやる。貴様たちも我が下僕の同胞となるがいい……!」

リッチの背後で蠢いていた何かが一斉にこちらへやって来る。
もう考えるまでもなかった。それらは今まで行方不明になっていた冒険者達だ。
奴に呪い殺され、歩く死者と化した魔物。全部で三十といったところか。

「く……リジェクト!」

杖の先端から闇の衝撃波を放つと、前方のゾンビが二人吹き飛んだ。
しかしゾンビは即座に立ち上がってこちらへ近寄って来る。
さっきまで戦ったスケルトンやゾンビと比べてしぶとさが段違いだ。
数の暴力に押され、僕達はアンデッドに包囲されつつあった。

167 :
>「俊敏なるケットシー、キャトラよ。この先は気をつけられよ。奴の力は恐らく君の想像を超えているだろう。
 この私でさえ為す術なく敗北を喫してしまった。幸い私は再生力が高いので生き延びることが出来たがな……
 荒涼の四戦士は永く領地を守るためそれぞれ長命でしぶとい者が選任されているのだ」
>「そして……魔法使いよ。死の淵に立っても希望は捨てぬことだ。
 未来はいくらでも変えられる……生前勇者が言っていた言葉を贈ろう」

ロードスライムはオレに警戒を促し、シリルに希望を捨てるなと諭す。

「任せとけって! なんてったってオレ達は神託の勇者だからな!」

そして意気揚々と墓場の最深部に突入! ……したのはいいのだが。

「何これ! 暗っ! 怖っ!」

あまりの異様な雰囲気にビビりまくりであった。
物理的に暗いのは今までと一緒なのだが、なんともいえない気配を感じる。
シリルによると魔界の気配と似たものだそうだ。
普段感じているものと同種の気配であるせいか、シリルの方が少しは落ち着いているようにも見える。
そしてついに何か蠢くものが出現した。

「で、出た―――――ッ!!」

お化け屋敷の定番台詞を叫ぶオレとは対照的に、シリルは冷静に問いかける。

>「そこにいるのは誰なんだ……?」

>「名乗るべき名は捨てた。私は何者でもなく……ただこの世に暗黒を齎す存在なり……」
>「呪術、死霊術、暗黒魔法……外法の全てに手を染め、外道に堕ちた不死の魔術師――。
 それが私だ。判る、判るぞ、貴様から漂う闇の魔力を……私と同じ禁忌に手を染めし気配を……」

「一緒にするな! シリルはなあ! みんなを助けるために闇黒魔法を使ってるんだ!
お前みたいに道を踏み外したりしない!」

一方のシリルは特にその点には触れず、相手の正体を言い当てる。

>「リッチだな……!倫理はおろか人間も捨てたアンデッドがどうして勇者の墓にいる!
 今まで行方不明になった冒険者達は何処にいるんだ!?」

>「終焉が迫っている……遠くない将来世界は瘴気に包まれ、闇の軍勢が解き放たれるであろう……」
>「質問の答えになってない……!早く答えろっ!」

168 :
シリルとリッチの一連の噛み合わない問答から分かったことは、
このリッチが分っかりやすい魔王様万歳系の魔王の手下ということであった。

169 :
>「魔王に心酔するまで闇に堕ちたのか……!理解に苦しむよ。
 そんな姿になってまでやりたかったのが呪詛を撒き散らすことなのか……?」
>「この世に呪いあれ。無辜の民に須らく災いを。我が不死の軍団の糧とならんことを。
 その瑞々しい肌を裂き、血と肉を墓に撒いてやる。貴様たちも我が下僕の同胞となるがいい……!」

不死者と化した冒険者達がわらわらと迫ってくる。

>「く……リジェクト!」

シリルが魔法でゾンビ2匹を吹き飛ばすが、多勢に無勢。あっというまに周囲を包囲された。
これってもしかして絶対絶命!?

「マジでヤバくね!? かっこよさげに言うと死の淵ってやつじゃね!?」

でも! オレは! 諦めない!
死の淵に立っても希望は捨てぬこと!と言われたばかりだからな!

「即席! 三秒クッキングー!」

まずスーパーなキノコを取り出します! 聖水をぶっかけます! はい完成!
試食の時間です!っということで完成したそれをそのまま齧った!

「うおおおおおおおおおお! み・な・ぎ・るうううううう!」

自分でも訳が分からないことにとんでもない身体能力が発揮され、ゾンビ達を次々と倒していく。
ひと段落着いたところで。

「あ、シリルも食べてみる?」

と齧りかけのキノコをシリルに勧めるのであった。

170 :
そのキノコ

ウンコだぜ?

171 :
クソフトが動く

そして、糞がボトボト動く

172 :
ここ激戦区だよな、糞の

173 :
じりじりと追い詰められる僕達。暗がりの中で死者達の包囲網は遂に完成する。
万事休すかと思われたとき、突如キャトラが尋常ではない身体能力を発揮した。
ゾンビ達を次々と薙ぎ倒して制圧していく姿は圧巻だ。

>「あ、シリルも食べてみる?」

「僕に気遣いは無用だ。存分に暴れてくれ!」

風向きがこちらに吹いている今が好機だ。可能な限り形勢を有利にしておきたい。
懐から聖水を取り出して倒れたゾンビに片端から掛けていくと、淡い光と共に事切れていく。
くどいがアンデッド系の魔物は倒してもすぐ復活してしまう。
倒した後は聖水や聖なる魔法で浄化する必要がある。

後衛職の僕が身体能力を底上げするより後処理に徹した方が効率的だ。
ゾンビに襲われた時やロードスライム戦では足を引っ張ったけど、今度は役に立ってみせるぞ。

「リッチ、自慢の手下も壊滅寸前……大人しく降参して浄化されるのが身のためじゃないのか。
 もっとも君の行く先は犠牲になった冒険者達とは違うところになる……冥府でおのれの罪を数えて貰うんだな!」

「降伏し這い蹲るのは貴様らの方だ。同じ禁忌に手を染めし者として、私は忠告したはず。
 "お前達、この先にはいかないほうがいい気がするぞ"とな……ここまで来たことを後悔するがいい」

「多くの人を毒牙にかけておいて慈悲でもかけたつもりか!ふざけるな!」

リッチの魔力が次第に膨らんでいくのを感じた。
何か魔法攻撃を行う気のようだが、魔法には詠唱がつきものだ。
どうせ使ってくるのは暗黒魔法だ。こちらも暗黒魔法は得手とするところ。
呪文名さえ聞けば対処は難しくない。

「……うわっ!?」

と、高を括っていたが無言で放たれた衝撃波に僕は思わず驚きの声を上げた。
距離が離れていたので咄嗟に身を伏せて躱したが、キャトラは大丈夫だろうか。
松明があるとはいえ暗がりでよく見えない。
衝撃波は後方の壁を大きく穿ち、耳を聾する破壊音が響いた。

174 :
「え、詠唱なしで魔法を発動できるのか……高等技術だぞ……」

魔法を唱えるには大なり小なり呪文を詠唱するものだが、
その練度を限りなく高めた者はそれを省略して無言で魔法を放てる。
冷静に考えるとリッチもトロルスケルトンと同じで普通喋れないし無言で魔法を唱えられて当然だ。
今のは恐らく衝撃波を放つ"リジェクト"だろうけど、僕のものより威力は圧倒的に上だ。

「キャトラ……と、とにかく魔法には気をつけるんだ。僕が可能な限り防ぐけど……たぶん……」

リッチの魔力が再び膨張するのを感じた。さっきよりも大きい。
いけない。攻撃範囲の広い魔法で一気に制圧する気だ。

「――ラセラトリス!!」

僕はリジェクトより上位の衝撃波の魔法、ラセラトリスを唱えた。
闇属性の衝撃波をワイドレンジに放つと、猛然とリッチへ迫る。
しかし、放った衝撃波は同種の衝撃波とぶつかった。相手が唱えたのも同じ魔法らしい。

「脆弱な魔力だ……その程度で暗黒魔法を習得したつもりか。
 分不相応も度が過ぎると憐れなものよ……羽虫は消え去るがいい!」

僕の放った魔法はリッチの魔法を相殺しきれずに掻き消え、衝撃波が周囲を襲った。
衝撃波を食らった僕の身体が大きく吹き飛ぶ。その余波は壁を抉り、ダンジョンの天井を壊した。
天井からがらがらと巨大な岩片が落ちてくる。さいわい下敷きにはなってない。

衝撃波を食らいはしたが意識はしっかりとある。でも身体がぴくりとも動かない。
周囲もなんだか真っ暗だ……何も見えない。ぼんやりと音は聞こえる。
あのリッチの魔力がまた膨らんでいくのを感じる……今度はなんだ。

鳥肌の立つ気味悪さと悪寒、嫌なにおい……。
恐らくは暗黒魔法のアンフォームモルドを使ったのだろう。
触れたものを分解する黒い黴を大量に散布する厄介な魔法だ。

この暗い場所であれを使うなんて姑息な奴だ。
松明があるとはいえ、黒い黴が闇に同化して視認も困難だろう。
知らず知らずの内に身体が粉微塵なんて最悪のケースも考えられる。

アンフォームモルドは強力な分解効果を持つ魔法だが、弱点もある。
衝撃波や風の魔法で簡単に吹き飛ばせることだ。でもそれを伝える術がない……。
キャトラが相手の魔力の動きを目ざとく感知して、上手く避けてくれることを祈るしかない……。
自分が役立たずなのが、これほどまでに恨めしいと思ったことはなかった。

175 :
中学生でもできるネットで稼げる情報とか
暇な人は見てみるといいかもしれません
いいことありますよーに『金持ちになる方法 羽山のサユレイザ』とはなんですかね

T97

176 :
糞のぶつけあい

それは岡山で、はじまった

177 :
>「僕に気遣いは無用だ。存分に暴れてくれ!」

気遣いは無用、という言葉でキノコを食べるのを断るシリルだが、キノコで底上げされるのは身体能力だけとは限らない。
もしや断った真の理由は得体の知れないキノコを食べるのが嫌だからでは!?
という疑惑はこの際置いておく。

>「リッチ、自慢の手下も壊滅寸前……大人しく降参して浄化されるのが身のためじゃないのか。
 もっとも君の行く先は犠牲になった冒険者達とは違うところになる……冥府でおのれの罪を数えて貰うんだな!」
>「降伏し這い蹲るのは貴様らの方だ。同じ禁忌に手を染めし者として、私は忠告したはず。
 "お前達、この先にはいかないほうがいい気がするぞ"とな……ここまで来たことを後悔するがいい」
>「多くの人を毒牙にかけておいて慈悲でもかけたつもりか!ふざけるな!」

リッチは魔法の発動の準備に入ったようだ。
通常、魔法を発動するにあたっては、呪文が唱えられるはずだが――

>「……うわっ!?」

急に衝撃波が辺りをかけぬける。

>「キャトラ……と、とにかく魔法には気をつけるんだ。僕が可能な限り防ぐけど……たぶん……」

オレはというと天上に張り付いて難を逃れていた。
魔法が発動する気配にとっさに反応できたのは、キノコによるドーピングのお陰だろう。
シリルは相手が使おうとしている魔法を予測し、迎え撃つ作戦に出る。

>「――ラセラトリス!!」

同種の衝撃波がぶつかりあう。

「やるじゃん、シリル!」

しかし――

>「脆弱な魔力だ……その程度で暗黒魔法を習得したつもりか。
 分不相応も度が過ぎると憐れなものよ……羽虫は消え去るがいい!」

衝撃波はしばらく拮抗していたかに見えたがシリルの方が押し負け、
シリルは相手が放った衝撃波に吹き飛ばされた。

178 :
「シリル……!」

すぐに駆け寄りたいところだが、相手がそんな暇を許さない。
遠目から見る限り、ぴくりとも動かないし声を発する様子もない。

「よくもシリルを……!」

リッチを睨みつける。奴はまた何らかの魔法を使ったようだ。

「言い忘れていたがオレは結構夜目が効くんだ……。何故なら猫だからなぁ!」

黒い黴のようなものが辺りに広がっていくのが分かった。
その効果はよく分からないが、当たるか吸い込むかすれば碌なことになりそうにない。

「エンチャント”エアリアル”――からの回転斬りッ!!」

風を纏わせた剣を円形状に振り切ると、黒い黴は案外あっさりと雲散霧消した。
その時ついでに確信した。キノコの力で魔力も底上げされている――!
ちなみにオレがこの黒い黴の正体を聞き、戦慄するのはこれよりもう少し後のこととなる。
もしもオレが人間だったらこの場でお陀仏だっただろう。

「そりゃあ!」

さっき天上から崩れてきた岩を持ち上げてリッチに投げつけ時間稼ぎをしつつ、倒れているシリルに駆け寄る。
息があることを確認してひとまず胸をなでおろすと、問答無用でキノコを口に突っ込むという暴挙に出た!

「頼む、得体の知れないキノコは嫌かもしれないが食べてくれ。君の力が必要だ――!」

179 :
リッチの放った魔法を防ぎ切れず、僕は攻撃を食らってしまった。
枯葉のように吹き飛び、指ひとつ動かせず、何も見えない。
遂にその意識すら薄らいできた。思考が霞み、深淵をただ覗いているかのようだ。

(魔法使い、魔法使いよ――目を覚ますのだ。まだ戦いは終わっていない)

もう寝かせてくれ……ちょっと疲れたよ。死相がどうとかって当たるんだね……。
だいたい、僕なんて誰の役にも立ちやしない。昔からそうだ。
ルイージの墓場の探索にしたってそうじゃないか。
足手纏いになった回数の方がきっと多いよ。

(そう言うな。お主にはまだ可能性が残されている――。
 それは魔法使いに等しく与えられたものであり、お主にも出来る事じゃ……
 その後は君達次第だが……君達ならあの死者にも勝てる、と私は確信しておる)

この妙な声は余程何かを伝授したいらしい。
可能性、可能性か。何の可能性かは分からないけど、僕も冒険者らしく往生際は悪い。
聞くだけでいいならいくらでも聞くことにした。

(この洞窟にも、僅かだが水が流れておる……
 水の声に――精霊達のささやきに耳を傾けてみなさい)

み、水……?水魔法を使えってこと……?出来ない、出来ないよ。
僕は暗黒魔法しか使えないんだ。それに暗黒魔法の使い手が精霊と言葉を交わすだなんてそんな。
精霊にも嫌われてるんじゃないかな……怖いからそういう精霊的な目は閉じてるよ。

(案ずるな。今は私もいる故、精霊の声を聴き取り易くなっているはず……集中するのだ。
 そして霊感を働かせよ。水の精が君を心配しているぞ……さぁ、耳を傾けて……)

その時、僕は口の辺りに何か生っぽいものを押し込められた気がした。
味とか分からないけど絶対キノコだよ……生で食ってお腹とか壊さないのかな。
それだけ心配だ……。

180 :
僕は深淵と化した視界で仄かに光る粒を見た気がした。
粒は少しずつ集まってゆき、僕の周りを囲んだ。水の精霊達だ。
土しかない環境でこんなにすぐ水の精が集まって来るなんて只事じゃない。

僕に話しかけるこの声は一体何者なんだ?
そう思った矢先、あの法衣の人物の影が映った。

(私は水龍のガルゲイル……さぁ、立ち上がるのじゃ。
 この様子では若きエルフの王に笑われてしまうぞ……)

僕は刮目するとよろよろと立ち上がった。
相変わらず暗いが、松明がなくともなんとか周囲を見渡せる。
リッチが立っている場所の奥に、何処かへ続く道があるようだ。

「なんだ……その魔力は……?」

リッチが怪訝そうに呟いた。
キノコでドーピングした影響か、夥しい魔力が僕の身体を覆っている。
それも暗黒魔法の使い手特有の毒々しい色ではなく、青白い輝きを帯びていた。
僕が発する魔力の光で暗闇が照らされ、肉眼でも周囲を視認できる。

「まぁ良い。これで諸共に消えろ……!」

骨の杖を上空に翳すと紫電を迸らせながら巨大な闇の球体が形成されていく。
デッドリースクリームだ。自身の命を削って放つ強力な上位の暗黒魔法。
なるほど、既に死者であるリッチなら代償を踏み倒して行使できる。

「キャトラ、さっき言った通り魔法は僕が防ぐよ。その隙にリッチに攻撃を。
 周囲の黒い黴には気をつけてね。触れたもの分解する効果がある」

181 :
その時、僕は昔に魔導書で読んだ水魔法を思い出していた。
記憶の中のページを手繰り、詠唱を紡いだ。

「潺に囁く水の精霊達よ。涅槃の蓮華、聖蛇を見よ。
 水天の零せし涙、今ひとつの暴威となりて万象を押し潰せ!」

水魔法。四大元素たる水の精霊の力を詠唱によって引き出し、行使する魔法。
周囲の水を操り、あるいは呼び寄せる。今回僕は水場のないここに水を呼び寄せた。
魔法陣が僕の足下に浮かぶと、大量の水が魔法陣より逆巻く。

空中で渦を巻きながら空中で巨大な水球を形成していく。
これは水の上位魔法、敵に水の塊を叩きつける質量攻撃だ。
その魔法はこう命名されている。

「――アクアプレッシャー!!」

リッチの放った暗黒魔法と僕の水魔法が激突する。
衝撃波と同じく押し負けるかに見えたが、ふたつの球体は空中で爆ぜた。
今回は見事、相殺に成功したのだ。といっても、それは僕だけの力じゃない。
キャトラや法衣の人物が僕に力を貸してくれたからこそ出来たことだ。

「……ぐっ。こうなれば我が呪術で……!激痛に悶えて死ぬがいい!」

上位魔法を防がれてリッチは焦ったのか、何かの呪術を行使しようと詠唱を始める。
ただ呪術というのは強力な分詠唱もそれに比例して長いものであり、隙だらけだ。
どちらにせよ、こちらにはロールプレイングのベルがある。今が攻撃のチャンスだ。

182 :
キノコのおかげか、なんとかシリルが起き上がってくれた。

>「なんだ……その魔力は……?」

リッチが怪訝そうに驚く。
この時はキノコによるドーピングで魔力が上昇していることを言っているのだと思ったが
それだけでは無かったことはこの後すぐに分かることになった。

>「まぁ良い。これで諸共に消えろ……!」

リッチはなんかでかい闇の球体を作り始めた。

>「キャトラ、さっき言った通り魔法は僕が防ぐよ。その隙にリッチに攻撃を。
 周囲の黒い黴には気をつけてね。触れたもの分解する効果がある」

「にゃんだって!? そんなに危険なものだったのか……!」

黒い黴の正体を知り今更ながらに戦慄しているオレを後目に、シリルは呪文を唱え始める。

>「潺に囁く水の精霊達よ。涅槃の蓮華、聖蛇を見よ。
 水天の零せし涙、今ひとつの暴威となりて万象を押し潰せ!」

「それは――水の上位魔法……!」

闇黒魔法専門であったはずのシリルが水の、しかも上位魔法を行使している。
気絶している間になんらかの覚醒があったとでもいうのか。
先程リッチが驚いていたのは魔力の上昇自体よりもこちらがメインだったのかもしれない。

>「――アクアプレッシャー!!」

二つの球体がぶつかり合い、空中で爆ぜる。今度こそ相殺に成功したのだ。

「よっしゃあ!」

>「……ぐっ。こうなれば我が呪術で……!激痛に悶えて死ぬがいい!」

確かに激痛に悶えて死ぬことになるのだろう。――呪術が発動すれば。
しかし流石のリッチといえど、呪術ともなれば詠唱無しというわけにはいかない。
つまりその間は隙だらけ。苦し紛れのヤケクソというわけだ。
この好機を逃す手はない。オレは一気に距離を詰め、刃を喉元に突き立てんと剣を突き出す。
魔術師系とはいえ相手も手練れ、後ろに飛び退って避けるが――実は剣の方はフェイント。

「甘いな――本命は……こっちだぁあああああああ!」

もう片方の手で後手に隠し持ったロールプレイングのベルで脳天をぶっ叩いた。
絵面にそぐわない無駄に涼やかな音が響き渡る!

183 :
しゃららーん♪

184 :
またキャトラ糞の自演ですか
しゃらららーん

185 :
リッチは呪術の発動に必要なまじないの詠唱を始めた。
いかに死後魔力を高めたリッチといえど呪いには相応の準備が伴う。
念話でぶつぶつと文言を唱えていたそのとき、キャトラが果敢に距離を詰めた。

喉元を狙った一撃を咄嗟に飛び退いて躱すも、それはフェイントに過ぎなかった。
キャトラは隠し持っていたベルを振りかぶると脳天に一撃見舞う。
涼やかな音を響かせながら、衝撃でリッチの首が千切れ飛び、地面へ転がり落ちる。

「……おのれ……おのれ……ただではおかぬぞ!貴様らを永劫呪ってくれるわ!」

「いいや、年貢の納め時だ。君が誰かを呪いR時は永遠に来ない」

懐から取り出した聖水をリッチに浴びせると、彼は苦痛に悶え苦しんだ。
聖水が調味料で出来ているという事は言わないでおいてやろう。
苦痛の上に屈辱まで与える気はない。

「うぼあぁぁ……ま、魔王よ……どうかこの世を闇に包んでくださいますよう……
 それが我が唯一の望み……私を排斥した世界など滅べ……ば……い……い……」

冒険者達を苦しめた死者の魔術師が聖水によって昇天していく。
何とも後味の悪い最期(調味料だけに)だったが、これでリッチは倒した。
すなわちルイージの墓場は忌まわしい呪いから解き放たれたのだ。

「やった……やったんだ。これで亡くなった冒険者達も浮かばれる!」

そう言ってはしゃいだのも束の間、体中を異常な疲れが襲った。
ドーピングしていたとはいえ、無理に上級魔法を使ったせいに違いない。
僕の本来のレベルでは中級魔法を扱うのが関の山だ。
慣れない水魔法だった事も相まって反動も大きいのだろう。

「疲れた……キャトラ、信じられない話は……また後でするとして、そこの道を見て。
 その先にきっと勇者が使っていたという伝説の武器が眠っているはず……!」

死の淵に立った時、法衣の人物が助けてくれて水魔法を教えてくれたこと。
今すぐ話したい気もしたけど、それは探索しながら話せばいい。
勇者の墓が荒らされていないかも気掛かりだし、あの道を探索しない手はない。

186 :
その時、不思議なことが起こった!

187 :
もちろん!

糞の暴発である。。。あ

188 :
箱入り猫ルル

https://m.youtube.com/watch?v=ThOl9Vogobs

189 :
リッチは調味料的聖水でとどめを刺された。敵ながらご愁傷様である。

>「うぼあぁぁ……ま、魔王よ……どうかこの世を闇に包んでくださいますよう……
 それが我が唯一の望み……私を排斥した世界など滅べ……ば……い……い……」

>「やった……やったんだ。これで亡くなった冒険者達も浮かばれる!」

リッチの最期の言葉から、もしかしたら生前に世界を恨み闇に堕ちるに値するぐらい不遇なことがあったのかもしれない、
とちらりと思ったが、考えても詮無きことなので考えないことにした。
とにかく、これでルイージの呪いは解決したのだ。

>「疲れた……キャトラ、信じられない話は……また後でするとして、そこの道を見て。
 その先にきっと勇者が使っていたという伝説の武器が眠っているはず……!」

ふらふらになったシリルを支えつつ、伝説の武器へと至る道へ進む。
ついに最深部まで辿り着き、その時不思議なことが起こった。
緑の帽子をかぶった青年(?)の幻影が現れる。

「僕の墓に救った不届きものをたおしてくれてありがとう。お礼にこれをあげよう!」

仰々しさは全くなく、ポップなノリで伝説の武器を渡してくる。
それは、一枚のマントだった。定番の杖や剣じゃなく敢えてのマント。

「これは……?」

「なんだっけ、スーパーマントだったかハイパーマントだったかな?
見た目はただのマントかもしれないが使う者次第で無限の可能性を秘めている――
普通に着て防具として使えるのはもちろんのこと、振り回して敵を払ったり、
上手くやれば空を滑空するなんてことも出来るかもしれない」

「ありがとう! とりあえずシリル着とく? そのローブに合いそうだし」

190 :
キャトラに支えられながら最深部へ向かうと、その時不思議なことが起こった。
緑の帽子を被ったおっさ……髭を蓄えた青年の幻影が現れ、伝説の武器を渡してくれたのだ。

>「なんだっけ、スーパーマントだったかハイパーマントだったかな?
>見た目はただのマントかもしれないが使う者次第で無限の可能性を秘めている――
>普通に着て防具として使えるのはもちろんのこと、振り回して敵を払ったり、
>上手くやれば空を滑空するなんてことも出来るかもしれない」

自分の所持品なのにふわっとしすぎだぞ緑の帽子男。
ひらりマントだと思ってたら違ってた。スーパーマントでいいみたいだ。

>「ありがとう! とりあえずシリル着とく? そのローブに合いそうだし」

帽子を被った青年の霊が消えるのを見計らってキャトラの肩をがっ!と寄せた。
満身創痍の中、精一杯あくどい笑みを浮かべる。

「このマントは売り払おう。なに、効果つきの魔道具だし商人が節穴でも高値で売れるよ。
 魔王の復活を阻止する旅は長いんだ。路銀の方が大事じゃないか。そうは思わないかな……?」

一度やってみたかったんだ、値の張る道具を売り払うの。
元はと言えば僕は一獲千金を狙って伝説のアイテム探しをしていたのだ。
これから困難な旅が待ち受ける事を考えたら少しくらい我儘に振る舞ってもいいよね……?

そして僕達はハジマーリの街へ戻り、事の顛末を緑の帽子亭で皆に伝えた。
ルイージの墓場にリッチという恐ろしいアンデッドが潜んでいたこと。その魔物が呪いの原因だということ。
そして話の最中、僕を助け、ロールプレイングのベルを譲ってくれた人物が誰なのかも判明した。
僕はその人物に感謝しながら、マスターの奢りでキノコパーティに興じた。

全てが解決に導かれた夜――僕はある夢を見た。
暖かい光の中に、"魔王の復活を阻止してほしい"と告げた女神がいる夢だ。
あるいはキャトラも同じ夢を見ているのかも知れないな、とふと思った。

「東へ歩みを進めなさい……古の歴史が眠るシャンバラへと向かうのです」

まだ聞きたい事がある――そう言おうとしたところで僕の目は覚めた。
いつもと変わらない朝、あれを鵜呑みにするのは馬鹿らしいように思えた。
だが何の手掛かりも掴んでいない僕達にとって、それは運命の羅針盤に等しい。
次の目的地は数多の古代遺跡が眠る街。東の都シャンバラだ。


【第二章ルイージの墓場編完!次章へ続く】

191 :
☆アイテムデータ

【スーパーマント】
ルイージの墓場で青年の幻影から受け取ったマント。
曰く、防具として使える他、敵を払ったり滑空する事が出来るとか。

192 :
そして、束の間の平和がもたらされた数日後……

「ここが、ハジマーリ……ここに神託の……」

騎乗した一人の女騎士が街の入り口にやってきた。
彼女が、新たな事件の幕を開くことになる……

193 :
しかし
それは糞の壁(ようろう、もうしせんせい)
によって

阻まれてしまった!

194 :
>>192
もしや、参加希望の方かな……!?
参加されるのであれば>>1のテンプレ記入をお願いします!

ところで重大な発表があるんだけど、
中の人の事情により投下の期限を七日に伸ばします。
時間を取れない事が多くなるので投下の頻度も落ちるかも……。
急な発表で申し訳ありませんが、今後ともファンタジークエストをよろしくお願いします。

195 :
>「このマントは売り払おう。なに、効果つきの魔道具だし商人が節穴でも高値で売れるよ。
 魔王の復活を阻止する旅は長いんだ。路銀の方が大事じゃないか。そうは思わないかな……?」

「ふははははっ! 気が合うな! オレもそう思っていたところだ!
宝石や宝剣ならならともかくこんな見た感じショボいマント役に立たなさそうだし!
役に立つか分からないふわっとしたアイテムより明日の路銀だぜ!」

(あろうことかノリノリでシリルの提案に乗るキャトラ!
トレジャーハンターの矜持など見る影もない!)

こうしてマントを売り払おうとしたオレ達だったが――

「あはは、バカ言っちゃいけないよ、そんなヒラヒラのマントが伝説のお宝なわけないだろう!」
「作り話ならもっとありそうな話を作りな」
「一昨日きやがれ!」

行く店行く店でこんな感じであしらわれた。
(メタな言い方をすると売れない枠のアイテムということだろう)

「やっぱり伝説のアイテムを売ろうなんて考えたオレ達が間違っていたんだ――
持って行こう、必ずいつか役に立つはずだ!」

こんな感じでいい話っぽく(?)まとめてごまかしたのであった。
で、結局路銀の問題は解決せぬまま夜になってマスターの驕りでキノコパーティーに突入。
その中で、いろいろな話が聞けた。

「それにしてもあの人……水龍だったのか! 気絶中に水魔法を教えてくれたんだって!?」

その夜、夢を見た。

>「東へ歩みを進めなさい……古の歴史が眠るシャンバラへと向かうのです」

どうやらシリルも同じ夢を見たようだ。
一人ならともかく二人一緒の夢を見たということは何かの意味がありそうだし、
特に次の行き先も決まっていないので従ってみることにする。
しかしここに大きな問題が立ちはだかる。そう、路銀だ。

196 :
「レンタル馬を借りるお金も路線馬車に乗るお金も無いし……まさかの徒歩!?」

しかし、この問題は思わぬ形で解決することになったのであった。
諦めて徒歩でシャンバラに向かおうと街を出ようとしたその時。
騎乗した女騎士が何かを探すようにきょろきょろしている。

>「ここが、ハジマーリ……ここに神託の……」

「誰かを探してるのか? もしかして信託の……勇者とか?」

女騎士は血相を変えて詰め寄ってきた。

「えっ、神託の勇者を知っているのですか!?」

「一応オレ達だけど……」

「なんですって!?」

彼女はシャンバラの神殿に使える神殿騎士で、この町に来れば神託の勇者に会えるとのお告げを受けてやってきたらしい。
まさに渡りに船だ!

197 :
>192
勝手に少し設定付けちゃったけどもし参加希望の方なら遠慮なく変更してもらって全く構わないので!
継続参加までは難しくてもNPCとして時々来て動かしてもらってもいいし!

>194
期限の変更了解です!
ここは名無し参加もアリの形式でいいんだよね!? もう既成事実的にいくつか拾っちゃってるけど!

198 :
ちょっと下痢出そう

199 :
>196-197
大体それでいいです。
ただ、肝心な女騎士のデザインが固まってなくて……

*19歳の娘がいる17歳
*17歳の母がいる19歳
*某刑事局長の弟君と同じくらいで独身
*去年もおととしも来年も再来年もずーーーっと28歳
*心はいつも15歳

どれがいいですか?

200 :
>199
全部を合体させて妙齢の独身で自称&外見年齢は28歳で心はいつも15歳でいいと思う!
それで若干17歳にして神殿のトップに立つ聖女に仕えていて19歳の妹分の部下がいる、なんてどうだろう!(適当)

201 :
>>197
正直名無し参加ありのスレがどんな具合か知らないんだよね……。
スレの進行具合で変えるかもしれないけど、当面はありということでお願いします。

>>199
どれも癖が強い……。
個人的には上から一番、二番、四番目のどれかが良いな。
僕のは完全に好みを言っただけなんだけどね。
全部盛りは無理があるだろうから自分の好みに従うのが一番だと思います。

202 :
>201
>名無し参加ありのスレ
大体今すでにやってるような感じのイメージで合ってる
人口密度が高ければほぼ名無しのネタ振りへのリアクションだけで進んでいく形態も出来るんだけど今の人口密度では無理だす

上から1番とか2番を採用するとすれば本人もしくは母親が何十年か石化か封印か何かで時を止められてて年齢が逆転!とか面白そう!

203 :
一人でやってて楽しいかい?

204 :
芸術がかった
自演糞スレ

205 :
とりあえず第三章開始しますね。
よろしくお願いします。


☆これまでのファンタジークエスト☆

第一章:幻想殺しの樹海編
魔法使いのシリルは物欲に駆られ"幻想殺しの樹海"に咲くという幻の花を求めて彷徨っていた。
シリルは偶然マンドレイクの収穫に訪れていたキャトラと出会い、二人は道を共にする事になる。
二人は幻の花を見つけ樹海の出口を探す過程で、女神の神託を受け、魔王の復活を阻止する旅に出ることになるのだった。

第二章:ルイージの墓場編
魔王復活を阻止するため仲間を集めるべくシリルとキャトラはダンジョン"ルイージの墓場"に出会いを求めた。
攻略の拠点ハジマーリの街で情報収集を行った結果、ルイージの墓場では何人もの冒険者が行方を晦ましているという。
探索に向かった二人は原因が魔物と化した魔法使いリッチであると突き止め、見事撃破するのだった。

第三章:現在
墓場の探索を終えた二人は女神が現れる夢を見る。しかし女神はシャンバラの街を目指せと言い残したきり消えてしまう。
時を同じくして、神託の勇者に会えるというお告げに従い一人の神殿騎士がハジマーリの街を訪れるのだった……。

206 :
降って湧いた神託を聞いた僕とトレジャーハンターのキャトラは魔王の復活を阻止する旅へ出る事になった。
まずは仲間を集めるためハジマーリの街を訪れ、ルイージの墓場を探索した僕らだったが成果なし。
その過程で手に入れた伝説のアイテム「スーパーマント」を売り捌こうとした僕らだったが相手にされない。
憎しみで人を殺せたなら……!僕は女神の頼み事も忘れて暗黒面に堕ちつつ懐を探る……。

(足りない――ゴールドが……!)

背景で稲妻を奔らせながら倒置表現で絶句した。
G(ゴールド)――世界共通で使われている通貨単位――が圧倒的に!不足していた。
あんな売れないマント風呂敷の代わりにもなりゃしない。旅は金が嵩むんだよ。

「これは由々しき事態だよ。女神の導きはシャンバラの街を指しているというのに!」

なぁ神託の勇者様、あれだけ頑張って商人に邪険にされるなんて酷い話じゃないか。
女神は相変わらずアバウトな事しか言わないしどうなってるんだか。ぷんすか。

オルビア王国が誇る辺境の辺境、魔法使いの里"カルデア"からやって来た僕もシャンバラくらいは知っている。
シャンバラは神殿の街、古の歴史が眠る遺跡の街だ。
つまりあの女神を奉じる場所であり、神託の女神ゆかりの土地だ。

重要なのはここからだ。ハジマーリからシャンバラまで徒歩は遠すぎる。
資金繰りの目途が立たない今、冒険の道は閉ざされた。

>「ここが、ハジマーリ……ここに神託の……」

途方に暮れていたところ、馬に乗った騎士が何かを探しているのが目に入った。
キャトラは耳が良いのか手が早いのか騎士に近付いて話しかけた。

>「誰かを探してるのか? もしかして信託の……勇者とか?」

驚いた事に(騎士の人も驚いていた)騎士はシャンバラの神殿に仕える神殿騎士だった。
女神のお告げを聞いた彼女は神託を聞いた者達を探してここまで来たらしい。
神託の勇者って自称じゃないんだね……。僕は女神の使い走りだと思ってたよ。

「僕はシリル・フラマリオン。女神の神託を偶然聞いてしまった者……。
 本来は幻のアイテムを探求する冒険者なのです。神殿騎士様、貴女のお名前は?」

207 :
>200-201
全部盛りとか言い出す前に実年齢へのツッコミはっ!?

まあ、外見年齢28歳、精神年齢15歳程度のハーフエルフにします。
シャンバラを統べる当代の聖女は17歳も実年齢19歳の部下も行けないことはない、の、か……

(結局全部盛り)

名前:192(シャンバラの神殿騎士は任意の三桁の数字を名乗るのだ!)
年齢:外見28歳、精神15歳 性別:女
身長:167.2cm 体重:48.5kg
職業:神殿騎士
性格:心優しいが頭に血が上りやすい
能力:二刀流による剣の舞、騎射、魔法は使えない
所持品:カタナ、マンゴーシュ、エルフ産駒(ハイネケン)、重藤弓
容姿の特徴・風貌:金髪縦ロール、グリーンベレー
簡単なキャラ解説:東の旧き聖都シャンバラの神殿に仕えるハーフエルフの女騎士。
神託の女神に仕える聖女より神託を受け、勇者を探す旅に出た。

208 :
>196,206
「あ、あなた方が神託の勇者様……こんなにも早く出会えるとは……」
思わず片膝をつく。
たとえ相手が14歳の女の子とケットシーであろうとも、だ。

「わたくしのことは、ただ“192”とお呼びください。それがシャンバラの神殿騎士の習わしなのです」
それは、かつて流浪の果てにシャンバラにたどり着いた彼女の誓い。
過去も涙も捨てたのさ。ただ女は今を生きている、それだけの事なのです。

「わたくしの使命はあなた方をシャンバラまでお連れすること。さあ、参りましょう……え?路銀?」
財布を確かめる。当座の蓄えはある。あとは途中で魔物退治などしながら稼ごう。

209 :
【>192さん
よろしくお願いします!
ガチ魔法使い、ちょい魔法も使えるスカウトと来てガチ前衛戦士
なかなかバランスが取れてきたかも!?】

名前:キャトラ
種族:妖精猫ケットシー
年齢:外見17 実年齢は不詳だが妖精系種族のため少なくとも外見よりは上だと思われる
性別:服装や口調的には少年のようだが不詳
  (外見上性差の少ない種族であるため。というか自然発生説もありそもそも性別があるのかも不明)
身長:161
体重:48ぐらい
職業:自称トレジャーハンター ・データ的には多少魔法を使えるスカウト系クラス
性格:ノンストップバカ・ノリと勢いで適当に生きている・無駄に明るい
能力:スカウト技能・身軽さを生かした近接戦闘・便利系魔法を少々
所持品:ショートソード・バックラー
容姿の特徴・風貌:猫耳猫尻尾・金髪のセミショート・基本軽装のスカウト系の服装
簡単なキャラ解説:
お宝求めて駆けずり回る自称凄腕トレジャーハンター。
実際にはまだこれといったお宝を見つけたことは無くお使いのような事ばかりをやってその日暮らしをしていたが
ひょんな事からシリルと出会い共に神託を受け、世界を救う冒険が始まった。


神殿騎士は、いきなり凄い偉い人に対するように片膝をついた。

>「あ、あなた方が神託の勇者様……こんなにも早く出会えるとは……」

「立って立って! 神託の勇者っつったってたまたま世界救うように言われちゃっただけだし!
あ、オレはキャトラ、本職は凄腕トレジャーハンターだッ!」

>「僕はシリル・フラマリオン。女神の神託を偶然聞いてしまった者……。
 本来は幻のアイテムを探求する冒険者なのです。神殿騎士様、貴女のお名前は?」

>「わたくしのことは、ただ“192”とお呼びください。それがシャンバラの神殿騎士の習わしなのです」

「ふーん、コードネームみたいなものか……なんかよく分からないけどかっこいいな!」

>「わたくしの使命はあなた方をシャンバラまでお連れすること。さあ、参りましょう……え?路銀?」

「そうそう、すげーマントが手に入ったから売っぱらおうと思ったんだけど売れなくて!
192さんは馬で来てるから……レンタル馬2頭借りれそう?」

とりあえずレンタル馬を2頭借りて貰い、行けそうなところまで行くことにする。
3人で地図を見ながら作戦会議。

「まずは……丁度経路上にあるケーユチ村を目指して行くのがいいかな」

こうして新たな仲間を加えたオレ達は、次の舞台へ向けて出発した!

210 :
僕が神殿騎士の名を問うと、彼女は恭しく答えてくれた。
神に仕えし者の慇懃な態度を前に、暗黒魔法の使い手たる僕はその光輝に焼かれそうになる。
まるで懺悔でもしてる気分だ。彼女の慇懃な雰囲気に接するとハジマーリの商人への恨み節が雲散霧消した。

>「わたくしのことは、ただ“192”とお呼びください。それがシャンバラの神殿騎士の習わしなのです」

ここからは少し申し訳ない話になる。
なんと神託の勇者達は出会って間もない神殿騎士に堂々と金を借りた。
勇者とは……僕達とは一体……うごごごご。借りた金で乗る馬は心地いいれす。

>「まずは……丁度経路上にあるケーユチ村を目指して行くのがいいかな」

東の聖都シャンバラ目指し、僕達はハジマーリの街を発つ。
慣れない鞍の上で手綱を引きながら二人の後をついていく。
実は馬に乗るの始めてなんだよね。
馬主が大人しい牝馬を選んでくれたのでなんとかなってるよ。

「よしよし、アルキュオネ!お腹は減った?喉は渇いてない?」

休憩中、借りた馬の名前を呼びながら水を差しだす。
するとアルキュオネは水をぴちゃぴちゃと飲み始めた。かわいい。
毛並みも綺麗だしいい子だな。返さなくちゃいけないのが惜しいよ。
まだ日も跨いでいないのに僕は早速愛着がわき始めていた。

「そうそう、キャトラ。冒険者ギルドで依頼を仕入れてきたよ。
 最近ケーユチ村の周りにゴブリンの棲家が出来たらしいんだ。
 作物にも被害が出ていて大変みたいだよ」

荷物から羊皮紙を一枚取り出して受領した依頼届をキャトラに見せた。
依頼者はケーユチ村。報酬は20万G(※1G=1円)。これで借りたお金は返せるよ。

「というわけでゴブリン退治で冒険の資金を稼ごう。
 20万ゴールドは割安だけど馬代を返してもお釣りがくるよ。
 192さん、シャンバラへの到着が若干遅れるかもしれないけど大丈夫かな……?」

連中は弱いけど武器を持っていて一般の人には危険な相手だ。
駆け出し冒険者が最も足下を掬われやすい相手でもある。気をつけないと。
僕は気を引き締めなおすとケーユチ村目指して旅を再開した。

211 :
名前:シリル・フラマリオン
種族:人間
年齢:14
性別:女
身長:155
体重:46
職業:魔法使い
性格:自信家
能力:暗黒魔法、水魔法
所持品:杖
容姿の特徴・風貌:短い銀髪、灰色のローブ。
簡単なキャラ解説:
幻のアイテムを求める物欲の強い魔法使い。
魔王の配下「闇の軍勢」と戦い死ぬ運命にある。実は薄幸。
女神の神託を聞き、魔王復活を阻止する冒険に出る事になった。

212 :
>>210
だぁぁぁ。開始早々やってしまったぁぁぁぁ。
すみません、内容が不自然なのでこのレスは無かった事にしてください。

213 :
>>210の代わりのレスです。重ね重ね申し訳ありません)

僕が神殿騎士の名を問うと、彼女は恭しく答えてくれた。
神に仕えし者の慇懃な態度を前に、暗黒魔法の使い手たる僕はその光輝に焼かれそうになる。
まるで懺悔でもしてる気分だ。彼女の慇懃な雰囲気に接するとハジマーリの商人への恨み節が雲散霧消した。

>「わたくしのことは、ただ“192”とお呼びください。それがシャンバラの神殿騎士の習わしなのです」

ここからは少し申し訳ない話になる。
なんと神託の勇者達は出会って間もない神殿騎士に堂々と金を借りた。
勇者とは……僕達とは一体……うごごごご。借りた金で乗る馬は心地いいれす。

>「まずは……丁度経路上にあるケーユチ村を目指して行くのがいいかな」

東の聖都シャンバラ目指し、僕達はハジマーリの街を発つ。
慣れない鞍の上で手綱を引きながら二人の後をついていく。

実は馬に乗るの始めてなんだよね。
馬主が大人しい牝馬を選んでくれたのでなんとかなってるよ。
アルキュオネって言うんだけど優しくて毛並みの綺麗な子だ。
日も跨いでないのにもう愛着を感じるよ。

馬での旅は便利で快適。つまりらくちん良い感じって具合だ。
アルキュオネが駆けると前から後ろへ景色が裂けていくようだ。

ケーユチ村へ近づいてきた頃、僕達はゆっくり坂道を登っていた。
真横の草むらを掻き分ける音がしたので訝し気に眺めると、唐突に草陰から矢が飛んでくる。

「――!!!??」

あまりに突然だったので、僕は声にならない声を上げる。矢は僕の頭を狙って放たれた。
僕は咄嗟に鐙に体重をかけて立ち乗りになると、鞍にひいていた敷物を頭の前で勢いよく翻した!
その敷物はさる墓場で緑帽子の青年から譲り受けた、曰く伝説のマント――。
マントに込められた魔力が効力を発揮し、矢はひらりと180度回転して射手へとその進行方向を変える。

「ギャッ!!」

短い叫び声を上げながら草陰で倒れる音が聞こえる。
あ、危なかった。寸でのところで助かったけど一歩間違えれば死んでいた。
ありがとう。青年の幻影。まさか本当に役に立つ日が来るとは……。

味方がやられた音に応じて木の上に隠れ潜んでいた魔物達が一斉に飛び掛かって来る。
緑の矮躯に手製の石斧、棍棒、くすねた短剣に小さな弓矢。
駆け出し冒険者が足元を掬われがちな低級魔物、ゴブリンだ。

「二人とも、気をつけるんだ。ゴブリンが襲ってきたぞ!」

馬に乗ったまま杖を取り出して叫んだ。
この日、僕は生まれて始めて馬上での戦いを経験することになるのだ。

214 :
山がくさい



あれはウンコだ!!

215 :
>209
【こちらこそよろしくお願いします。ダンジョンアタックならあと3人は欲しいですね】

「いえ、たまたまで神託が下されるはずはありません。
 きっと、その技能が必要になると判断されたからです」

思い起こせば自分がシャンバラにたどり着けたのも神託ゆえに。

「そうですね……ひとまずケーユチまで馬を借り、場合によっては乗り換えますが……
 その後、港湾都市ナントカまで行くことも視野に入れますか?」
このルートだと大きな街道もあるし手段が選びやすい。

>213
「勇者といえど世俗と切り離すことはできません。この程度はお気になさらず」
あと、ナントカまで行けば金策も何とかなる。

乗馬に慣れないシリルに教えつつ、旅をする。
そして、とある坂道で……

「ゴブリン!」
この間合いでは弓矢には近すぎる。
二刀を引き抜いてハイネケンから飛び降り、パーティーの前衛に立った。


【ちなみにマンゴーシュは盾替わりなのでもっぱらカタナで斬りかかります】

216 :
ゴブリンが

糞ブリんに
見えた

217 :
ここの主、一人で何やってるの

218 :
借金して借りた馬でケーユチ村を目指す。

(ところでシリルとキャトラがなんとなくそうなっているように、
正式にパーティーを組むとなんとなく財布が一緒になるのが慣例である。
つまり192は今のところはゲストキャラ扱いということなのかもしれない。
シャンバラに着いたあたりで正式加入イベント来るかも!?)

馬での旅は順調に進み、間もなくケーユチ村に着くという頃だった。

>「――!!!??」

シリルを狙って矢が放たれた。
あまりに突然で、オレは半ば混乱しながら叫ぶしかできなかった。

「シリルー! マントマント!」

シリルは敷物扱いになっていたマントを翻し、矢を跳ね返した!

>「ギャッ!!」

「すげー! あのマントマジだったんだ!
売らなくて……というより売れなくてよかった……!」

味方が一匹やられたのを契機に、ゴブリンが一斉に襲い掛かってくる。

>「二人とも、気をつけるんだ。ゴブリンが襲ってきたぞ!」

馬から飛び降り前衛に立つ192。
シリルは魔法使いなので後衛、ならばオレは中衛というところか。
服の内側からダーツを何本か取り出し――

「エンチャント”エアリアル”」

――腕を一閃。
百発百中、狙ったところに当たる。
どころか軌道も自由自在で味方を避けたりできるので、当然192に当たることはない。
これはオレが超人級のダーツの腕前を持っているとかではなく、風の魔法を付与して軌道操作しているからだ。
ゴブリン一匹につき一本ずつにダーツが命中し、痛みにひるむ。
致命傷には至らないが、シリルが攻撃魔法を撃ち込む隙としては十分だ。

>212
(ん? 別に書き直すほど不自然でもないと思うけど……
でも訂正後の方が躍動感があるので今回はこの流れでいこう!)

219 :
糞をひり出す

という選択肢

ありですねえby本田

220 :
ゴブリンが襲い掛かってくるや臨戦態勢に入る192さんとキャトラ。
192さんの見慣れない形状の剣に僕は思わず見惚れた。
水気を纏ったかのような綺麗な刀身に特異な紋様の柄。
一風シミターを思わせる片刃の剣だが、どこの国のものだろうか。

>「エンチャント”エアリアル”」

風魔法で軌道を操作しつつダーツを投擲。
ゴブリンの身体に一発ずつ命中し、動きが怯んだ。

「罪と罰は愚者を繋ぐ楔。叫喚せよ。蹂躙せよ。
 荒れ狂う無間の烈風を解き放て……ラセラトリスっ!」

僕は暗黒魔法の中級にあたる衝撃波の呪文を唱えた。
杖の先端から闇の波動が放たれ、ダーツの刺さったゴブリン達を吹き飛ばす。
念押しで詠唱しといたから威力も高くなってる。これで六体ほど倒せた。

「よし。後は192さんの援護を!」

残りのゴブリン達がにわかに192さんを囲みつつあった。
そうは問屋が卸さない。縛り付けにしてやる。
拘束魔法を唱えようとした瞬間、僕は思わず舌を噛んだ。

なぜなら乗っていた馬が戦闘の光景に怯えて暴れ始めたからである。
舌をひりつかせながら、どうどうと馬を宥めなくてはいけなくなった。
借りている馬はあくまで移動用であって戦闘には慣れていない。

ゴブリン達は奇怪な声を発しながら192目掛けて突撃した。
ある者は棍棒を持ち頭を狙って大きく跳躍し、ある者は腹を狙い短剣で突いてくる。
数にして総勢五体。矮躯の魔物達が神殿騎士へ迫る。

221 :
イエニスタの
ヘァンタジックシュートが入る


しかしそれはウンコ

222 :
>「罪と罰は愚者を繋ぐ楔。叫喚せよ。蹂躙せよ。
 荒れ狂う無間の烈風を解き放て……ラセラトリスっ!」

シリルの放った魔法が、6体のゴブリンをなぎ倒す。

「やるじゃん!」

>「よし。後は192さんの援護を!」

そのまま一気に畳みかける――と思われたが、
シリルは乗っている馬が暴れ始めそれどころではなくなったようだ。
そうしている間に、総勢5体の192さんに突撃する。
いかに192といえど、5体に一斉攻撃されては危ないだろう。

「させるかぁ! ――ルーンロープ!」

魔力の縄を作り、大きく跳躍した一体のゴブリンを捕獲。
それをぶん回す要領で他のゴブリンに激突させる。
数が減ったゴブリンたちを無事に192さんが殲滅し、戦闘は終了した。

そして暫く進むと、ケーユチ村に辿り着いた。
村に着くなり、よくありがちな村の入り口に暇そうに立っている人が親切に教えてくれた。

「ここはケーユチ村だよ!」

「案内ありがとう。さっきゴブリンに襲われちゃって大変だったんだ」

「ああ、それは災難だったな。
最近村の周りにゴブリンの棲家が出来たらしくてね……ほとほと困ってるんだ」

【1週間経ったので投下させてもらったけど192さんは復帰できそうならいつでもどうぞ!】

223 :
略考えた

フンクエ

224 :
【申し訳ありません、色々あって遅れました】


「はあぁっ!」
襲い来るゴブリンの攻撃をマンゴーシュで払い、カタナで反撃。
振り切ったところに新手が来るも、とっさに逆手に持ち替えてのカウンター。
一度は躱されるもダーツが刺さったことで出来た隙に衝撃波の追い打ち。

しかし、別の一群が包囲。
飛び掛ってきたゴブリンは魔法の縄で捕縛され、数が減らされたので残りに斬りかかった。

キャトラとシリルの援護もあって、無事にゴブリンを殲滅した。
倒した後の死骸を三人で始末(放置したらゾンビ化したりする可能性もあるので)し、先へ。

そして、ケーユチ村。

「ゴブリンの……とすると、まだまだ出てくるということでしょうか……」
ゴブリンと言えばわらわら出てくるものと、古代帝国崩壊期の昔から決まってる。

「……どうしましょう?」
返ってくるであろう答えはなんとなくわかってはいるが。

225 :
「落ち着くんだ、いい子だから……!」

僕が馬を宥める隙を突いて攻勢に出るゴブリン達。
残り五体の一斉攻撃だ。いくら低級な魔物といえど分が悪い。
この数を処理をするのは熟練の冒険者でも慎重を期する。

>「させるかぁ! ――ルーンロープ!」

キャトラが咄嗟に魔力で縄を作りゴブリンの一匹を捕獲した。
そして捕獲したゴブリンを投げ飛ばし、他のゴブリン達に激突させる。
これはひとたまりもない。怯んだところで192さんに斬りかかられ戦況はこちらに傾く。

借り馬のアルキュオネが落ち着いたところで僕も援護に参加した。
(といっても、適当にリジェクトを撃ちまくるだけなんだけど)。
こんな感じで戦闘はつつがなく終了した。

「馬の上で戦うもんじゃないね。キャトラのフォローで助かったよ!」

聖都シャンバラの神殿騎士の強さは噂に聞くとかなりのものだ。
曰く、ワーウルフの群れを一人で退治したとか、恐ろしい岩の巨人を追い払ったとか。
五体のゴブリンを切り伏せるくらい訳はなさそうだが、僕の失態を埋めて貰った格好だ。

戦闘後、三人で死骸を念入りに焼き払いはじめた。
これは魔物がゾンビ化して復活しないための始末だ。
また、この坂道を通る旅人や商人達へ危害を向けないためのマナーでもある。
たまに風化して消え去る立つ鳥跡を濁さぬタイプもいるが、ゴブリンは死体を残すタイプだ。

226 :
坂道を登り切ると、目的地であるケーユチ村が一望できた。
何の変哲もない普通の村って感じだね……。
僕達はケーユチ村を目指してゆっくり下っていった。

村に着くと最近ゴブリンの棲家が出来て困っているとのこと。
正直僕達には関係のない話なんだけど……。

>「……どうしましょう?」

192さんが目配せしながらゴブリンをどうするか問うてくる。
やめてよそんな純粋な眼で見ないで。
僕は普通にスルーしても構わないんだからね。

「おっほん。僕達はしがない冒険者なのですが……。
 村長殿、ゴブリンの棲家が出来て悩みの種になっておられるとか。
 ここで会ったのも何かの縁。そのお困り事、僕達に任せては頂けませんか?」

「おお、それは助かる。宿屋の主人には言っておくので
 今晩の宿代は結構ですじゃ。是非ともよろしく頼みますぞ」

村長と話をつけると、なんと宿代が浮いた。やったね。徳は積むものだよ。
さぁ、今日中にケリを着けてタダで枕を高くして寝ようじゃないか。

「棲家はケーユチ村にほど近い洞窟にある。
 僕が援護するから二人でひたすら斬り倒してくれたまえ!
 なぁに、所詮は低級魔物。きっとゴリ押しでなんとかなるよ!」

お誂え向きに棲家から飛び出してきたゴブリンにショックを唱える。
杖から暗黒の雷が飛び出し、ゴブリンは丸焼きになった。

「なんか時短テクとかあったら存分にやっちゃって!僕も手伝うから!」

227 :
>「ゴブリンの……とすると、まだまだ出てくるということでしょうか……」
>「……どうしましょう?」

192さんが純粋な瞳でどうするか目配せしてくる。
ちなみにオレ達のようなこの手の勇者というのは魔王を何とかするために
先を急がないといけないはずなのに、何故かお使いイベントを引き受けてしまうのが鉄板である。
その理由をお教えしよう。
勇者といえど常に路銀が潤沢にあるとは限らず、こういう依頼を引き受けると
宿代と飯代がタダになった上に、運が良ければお礼に凄いアイテムが貰えるという特典があるのだ。
つまり答えは一つしかない。
しかしオレが深謀と打算に満ちたその答えを言う前に、シリルが反射的に純粋な善意でもって答える。
結果的には答えは一緒なので何の問題もない。

>「おっほん。僕達はしがない冒険者なのですが……。
村長殿、ゴブリンの棲家が出来て悩みの種になっておられるとか。
ここで会ったのも何かの縁。そのお困り事、僕達に任せては頂けませんか?」

>「おお、それは助かる。宿屋の主人には言っておくので
 今晩の宿代は結構ですじゃ。是非ともよろしく頼みますぞ」

よっしゃあ! タダ宿ゲット! と心の中でガッツポーズをしつつ

「そんな申し訳ない……でも折角なのでお言葉に甘えさせていただきます!」
と有難くタダで宿屋に泊まらせてもらうこととする。

>「棲家はケーユチ村にほど近い洞窟にある。
僕が援護するから二人でひたすら斬り倒してくれたまえ!
なぁに、所詮は低級魔物。きっとゴリ押しでなんとかなるよ!」

早速ゴブリンの住処に向かう。
飛び出してきたゴブリンはシリルの魔法によって丸焼きになった。

>「なんか時短テクとかあったら存分にやっちゃって!僕も手伝うから!」

「じゃあ焙りだして一網打尽なんてどう? スモークスクリーン!」

魔法で作り出した煙幕をゴブリンの住処内に流し込みまくると、
案の定何事かとゴブリンがわらわら飛び出してきた。
あとは混乱しているところを切り飛ばしまくればなんとかなるはずだ。

228 :
今晩のお夕飯はウンコです


大盛りにもできますよ?



しますか!。?ニア

229 :
どうしましょうか、などと聞くまでもないだろうとは思っていたが、ゴブリン退治を受け負う事になった。
報酬など取り決めたら早速現場に。

「おそらくリーダーのようなのが一匹くらいはいると思いますが、それさえ倒せば後はどうにでも」
とるに足らない微々たる短刀術だが、そのくらいの役には立つ。

というわけでゴブリンの住処の前。
最初の一匹はシリルの魔法の餌食に。
さらにキヤトラが魔法の煙で燻り出す。
こうなれば出口のすぐわきに陣取って一匹ずつ仕留めればいい。

230 :
そうするとキャトラのウンスジが見えますが


よろしいですかな?

231 :
便利魔法による煙で洞窟を焙り出す。
準備は整った。後はゴブリンを一網打尽にするだけだ。
といっても、ぞろぞろと列を為して現れたゴブリンは二十はくだらない。
二人に任せて援護に徹すればいいと思っていたが、少々骨が折れそうだ。

僕も樹海や墓場での探索を経て多少なりとも成長した。
例えば少し昔の僕が水魔法を修得したなんて聞けば驚いて飛び上がってしまうだろう。
今なら魔力も多少なりとも向上しているはず。
"知ってはいたが使えなかった魔法"も幾つか使えるはずだ。

「卑しき者を灼く餞は撒かれた。凍える肝を食み全てを侵せ!」

唱えた魔法はかつて戦ったリッチも使った暗黒魔法。
杖を翳すと空中に魔法陣が浮かび上がる。
陣が錠前を開けるように回転して黒い黴を散布し始めた。

「アンフォーム・モルド!」

触れたものを分解する黴が風に乗ってゴブリンを侵す。
断末魔を上げる暇もなく無言で魔物達が分解され消失していく。
残るのは魔物の残骸らしきものだけだ。

「へっへっへ〜。二人の出番がないくらい効率的だよ!
 ゴブリンももう出てこなさそうだし、これで終わりかな……!?」

ビジュアル面がヒロイックじゃない事以外は最高に使える魔法だよ。
今の魔力的にはちょっとキツイけど燃費も悪くない方だと思う。

粗方ゴブリンを片付けたところ、のそのそと洞窟から出てくるひとつの影があった。
二メートル近くはあろうその影はゴブリンの矮躯とは思えぬほど大きい。
僕は別の魔物が現れたのかと思ってまずぎょっとした。

232 :
「いいっ……!?キングゴブリン……!?」

192さんが言った通り統率役にあたるゴブリンがいたようだ。
僕はそいつが普通のゴブリンに毛が生えた程度の存在だと思っていたが違っていた。
ケーユチ村を襲ったゴブリンの頭目は、異常成長したゴブリンだったのだ。

強さの程は僕も知らないが、ゴブリンより弱いスライムの王(ロードスライム)も十分強かった。
と、すると、こいつの強さは侮れないものだ。野生の魔物なだけに特に注意した方がいい。

「今までのゴブリンは子供くらいのサイズだったけど、
 こいつは体躯が他のヤツとは違う。二人とも気をつけて!」

魔力を流し込み黴を操る。
ふわふわと滞留していた黒い黴がキングゴブリンへと向かった。
キングゴブリンはそれを素早く回避しながら、僕目掛けて突っ込んでくる。

「ばっ……バインド!」

慌てて拘束魔法を唱えてようやく動きを止めた。
足元から現れた黒い触手がキングゴブリンの四肢を拘束する。
いや、そうじゃない。ゴブリンの王は布でも裂く様に易々と拘束魔法を振り解いた。
ぶちぶちと触手を引き千切りながら眼光をぎらつかせて周囲を見渡す。

そして上体を大きく反らして息を大きく吸い込んだ。
すぅ……という大きな音と共に肺が風船のように膨らむ。

「ま、まさか……」

キングゴブリンは息を大きく吐いた。それは突風となって黒黴を吹き飛ばす。
するとアンフォーム・モルドの黴が真っ直ぐ僕達に向かってくるではないか。
しまった。この魔法、発動の仕方は覚えていたけど解呪の仕方は知らないんだった。

「ごごご、ごめんなさい!この魔法、どう解除していいかは知らないんだったー!!」

このままでは僕とキャトラは黒黴の格好の餌食だ!

233 :
【キングゴブリン戦は長引かせる予定じゃないから僕のターンまでに倒してくれると嬉しいかな!】

234 :
>「おそらくリーダーのようなのが一匹くらいはいると思いますが、それさえ倒せば後はどうにでも」

「リーダーだって……!?」

192さんとゴブリン達を一匹ずつ倒していると、シリルから下がるようにとの合図が。

>「卑しき者を灼く餞は撒かれた。凍える肝を食み全てを侵せ!」
>「アンフォーム・モルド!」

シリルの魔法によって雑魚ゴブリン達が一気に分解されていく。
煙で炙り出し→闇黒魔法で分解とは我ながらビジュアル的に勇者らしからぬ所業である。

>「へっへっへ〜。二人の出番がないくらい効率的だよ!
 ゴブリンももう出てこなさそうだし、これで終わりかな……!?」

そうは問屋が卸さず、満を持してボスキャラが登場。
こういうのは何故か配下が全滅させられてから出て来るのがお約束。

>「いいっ……!?キングゴブリン……!?」
>「今までのゴブリンは子供くらいのサイズだったけど、
 こいつは体躯が他のヤツとは違う。二人とも気をつけて!」

「おうっ、見るからにヤバそうだな!」

>「ばっ……バインド!」

シリルが拘束魔法を唱えるも、それをやすやすと破り、吐息で黒い黴を吹き飛ばしてくる。

>「ごごご、ごめんなさい!この魔法、どう解除していいかは知らないんだったー!!」

「所詮黴ならば……コンカッション!」

目の前で見た目ド派手な爆発が炸裂する。
これは劇場型の怪盗系キャラがド派手に登場する時に演出としてよく使われるもので、
見た目が派手な割に攻撃用として使える程のものではない。
それでも黴を焼き払うには十分だったようだ。
ついでに、キングゴブリンがビビって一瞬固まるという思わぬ追加効果もあった。
図体がでかい割に案外気は小さいらしい。その隙を見逃すオレではない。

「エンチャント――エアリアル!」

両腕を一閃し、ダーツを奴の両目に突き立てる。

「192さん、とどめだ!」

【ずんばらりとやっちゃって!】

235 :
      / ̄ ̄ 人  ̄ ̄ ̄ ̄\/|
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   .(    ) ウンコーってイイよねー
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Rock54: Caution(BBR-MD5:1341adc37120578f18dba9451e6c8c3b)


236 :
ある程度数を減らしたところでシリルの魔法が一気にゴブリンを殲滅する。
だが、最後に出てきたのは……

「キング……ゴブリン……!?」

見通しが甘かった。ホブゴブリンかせいぜいゴブリンリーダー程度だと高をくくっていたら……
飛び散るであろうカビを警戒してマントの裾で口元を覆うが……

……

キャトラの魔法が黴を焼き払い、キングゴブリンの隙を作った上に目を潰す。
勝負は一瞬、だが、たかが一瞬……!

一気にキングゴブリンの懐に飛び込みつつマントの裾を翻す。
おそらく二人には敵の前を横切ったようにしか見えないだろう。だが、それで十分。

 左手のマンゴーシュがキングゴブリンの心臓に突き刺さる。
 ほんの僅かな手元の動きが体内で大きくうねり、抉る。
 刃を抜いた時、出血や血曇りは殆どなく、しかし致命的である。

この間約2秒、これぞ秘剣・鬼の爪。


【とどめ演出、やっちゃいました。シャンバラでは藤沢周平が聖典扱いされているのかも】

237 :
192さんが放ったカタナがキングゴブリンに致命の一撃を与える。
巨躯のゴブリンはどっと倒れ伏してそのまま事切れた。

「すごい!流石シャンバラの神殿騎士だ!」

僕は思わずぱちぱちと拍手して192さんのもとへ駆け寄った。
冗談ではなくこの人が神託の勇者でいいんじゃないかな。
たまに思うけどなんで神殿騎士の人に神託しないんだろう。
はっきり言って僕やキャトラ如きにモノを頼まれる能力はないと思う。

勇者って柄でもないし……。だいいち僕は魔法使いだからね。
きっと勇者候補に碌なのがいないな……?
前回の勇者が訳の分からん帽子のおっさんなのも知ってるよ。

「ショック!」

僕はキングゴブリンをショックの電撃で焼き、最後の後始末をした。
瘴気に中てられてアンデッド化しないようにするための措置だ。
ケーユチ村に到着する前もやったので今回もせっせと始末する。

大半はアンフォーム・モルドが完全に分解したので処理の数も少ない。
まぁ、もしゴブリンゾンビになって復活しても聖水(余り)があるけど。

「処理も終わって……圧倒的勝利だ……!」

足を引っ張っておきながら寒い冗談を平然と口にして洞窟をあとにした。

238 :
ゴブリン退治も終わり、ケーユチ村に戻った僕達は宿屋で歓待を受ける事になった。
魔物が活発化して被害が増え始めて以来、村はゴブリンに幾度も苦しめられてきたらしい。
作物を荒らされ、村人の数名も犠牲になったという。時には旅の商人も襲ったとか。

という訳で、宿屋はちょっとしたドンチャン騒ぎに包まれたのだった。
皆エールを片手に飲めや歌えやで僕も少し愉快な気分だ!

「……というわけで、僕は魔法を封じられてなお、
 樹海でちぎってはなげ、ちぎってはなげの活躍を……」

皆、冒険の話を聞きたいらしく僕は真実をありのまま伝えた。
世界とは困難と危険に満ちており――しかし、知恵と勇気で乗り越えられる事を。
女神の話は流石にしないけど、それらしい冒険ならもう二度もしてるじゃないか。

「亡くなったアデクも浮かばれるだろうよ。
 お前さんら、ありがとうな!おかげでこの村に平和が戻った!」

村人の一人が杯を掲げ、僕も楽しい時間をありがとうと杯を掲げた。
宴もたけなわの一方で心が急速に冷え込んでいくのを感じる。
彼らは知らないんだ。この平凡な世界に危機が迫っている事に。
闇の軍勢を率いる魔王が復活しつつある事を、皆は知らない。

魔王が復活すればこのオルビア王国にも闇の軍勢が攻めて来るだろう。
僕はこれまでの冒険で、故郷よりも広い世界を知った。
この国には今まで冒険してきた場所も、僕の故郷もある。
幻想殺しの樹海、ハジマーリの街、ルイージの墓場。そしてケーユチ村。

樹海やハジマーリの街、ケーユチ村が滅びるのはとても恐ろしいことに感じた。
つけ加えれば(占いを信じるならだが)この冒険には僕自身の命も懸かっている。
今までは"女神の神託を受けた"という事について深く考えてこなかった。
でも、これからの旅には強い決意や覚悟が必要な気がした。

「まぁ今はいいや。木苺のパイおいしいね!」

239 :
夜も更けて飲み会が落ち着いた頃。
僕達は広間に残って旅のルートを確認する事にした。
東の聖都シャンバラまでの道程は長い。

「湾港都市ナントカから海路で行くのかぁ……。
 ナントカはオルビアの中でも貿易が盛んなんだって。
 僕、海って見たことないなぁ。見渡す限り水が広がってるんだよね?」

地図を睨みつけながらじっと経路を見つめる。
そしてふとオルビア王国の国土の最西端の森の辺りを眺めた。
地図上には何も描かれていないが、そこには僕の故郷がある。

魔法使いだけの秘密の里、カルデア。
故郷には一般的に穢れた魔法使い扱いされかねない人も多くいる。
彼らは魔法の発展ために時として禁呪や古代魔法を研究する事もあるのだ。

無用な争いを避けるため場所を口外するのは厳禁となっている。
もっとも話したところで里の魔法使い以外出入りできない。

「そういえばキャトラの故郷ってどこなの?僕は西の方なんだ。
 田舎過ぎてよく地図だと端折られててさぁ……ははは」

故郷の慣例でカルデアとは関係ない場所を適当に指差して笑った。
小さい嘘を吐くまでの事ではないが、僕はふと思ってしまったのだ。
この国のことを、世界のことをよく知らない。そして旅の仲間の事も。

これからどんな旅になるのか分からない。
長い旅路の仲間なんだ。皆の事を少しずつ知っていきたい。

「ところで192さん、シャンバラってどんなとこなの?
 聖都ってくらいだしきっと壮麗な街なんだろうなぁ……」

僕は呑気な口調で椅子にもたれかかった。


【幕間タイム。このまま明日ってことにして旅を再開してもおkだよ】

240 :
>「すごい!流石シャンバラの神殿騎士だ!」

「マジでそれ!」

241 :
>「すごい!流石シャンバラの神殿騎士だ!」

「マジでそれ!」

242 :
(ちなみに数々の武勲を立てている英雄ではなくしがない一介の雑兵Aとか村の少年Aとかが
勇者に選ばれがちなのは、その方が作話上の都合でドラマチックだからだと思う。多分。)

>「処理も終わって……圧倒的勝利だ……!」

「おう、圧倒的勝利だな……!」

(シリルの台詞に仕込まれた高度な韻に気付かないキャトラであった)

そして村に戻って勝利を報告し、お約束の宴会に突入。
ここぞとばかりに料理を食べまくる。

>「湾港都市ナントカから海路で行くのかぁ……。
 ナントカはオルビアの中でも貿易が盛んなんだって。
 僕、海って見たことないなぁ。見渡す限り水が広がってるんだよね?」

「そうなんだ、それは楽しみだね!
そうそう、見渡す限りの水の果てに海と空の境目が見えるんだ!」

>「そういえばキャトラの故郷ってどこなの?僕は西の方なんだ。
 田舎過ぎてよく地図だと端折られててさぁ……ははは」

「この森のこの辺りに妖精猫の里があるんだけど子どもとか心の綺麗な人しか入れないんだ。
シリルなら大人になってもきっと入れるだろうからいつか遊びに来るといいよ」
(そう言ってキャトラが指さしたのは、奇しくもシリルの故郷の割と近くだった)

「そういえば10年ぐらい前だったっけ……小さい女の子が迷い込んできたことがあったなぁ。
今思えばその子が外の世界に出るきっかけをくれたっけ」

>「ところで192さん、シャンバラってどんなとこなの?
 聖都ってくらいだしきっと壮麗な街なんだろうなぁ……」

「確かに! 聖都って枕詞だけでかっこいい感じ!」

昔話はそこそこに切り上げ、シリルに便乗し、シャンバラについての話題に移る。

【思わせぶりなことを言ったけど実は昔出会っていたパターンでも全然関係ない別人パターンでも可!】

243 :
なんかね

すっげえぶっとい
ウンコ
出るの

244 :
かくして、戦いは終わった。厳密にはとどめはカタナではないのだが、まあ些細なことだ。
後始末も済ませ、村に戻るとちょっとした祝勝会である。


……そして、今後の旅についての確認。

次なる目的地は港湾都市ナントカ。
あの街に行くのはもう何十年ぶりになるか……
「ナントカから海路でスカゲラク海峡を越え、アライアンスまで。
 そこからまた陸路で……幾つかルートはありますが、どれがいいかはその時にならないと……」
ひょっとしたら海峡を越えられないかもしれないが。

「シャンバラですか。壮麗、と言うのとは違いますね……
 広大な竹林に囲まれていて、竹が主要な建材ですから」
私も最初はイメージと違って驚いたものだ。
「でも、神殿内部は、その、空気が違うんですよ。
 こればかりは口では説明出来ませんね」

245 :
糞だらけで
俺には説明できない

246 :
>>237のレスですが、致命の一撃はカタナでなく正しくはマンゴーシュでした。申し訳ありません。】

247 :
>「この森のこの辺りに妖精猫の里があるんだけど子どもとか心の綺麗な人しか入れないんだ。
>シリルなら大人になってもきっと入れるだろうからいつか遊びに来るといいよ」

妖精というのはおおよそ人の目に触れないことが多い。
キャトラの棲家のように基本的に立ち入れない場所に住んでいたりする。
そもそも人に見えない妖精もいるが、見えない妖精の事は僕にも分からない。
大魔道士ともなれば話は別だろうが所詮僕は一介の駆け出し魔法使いなのだ。

「う、うん……機会があればね」

自分が死ぬかもしれない事を思い出して僕は背筋が凍った。
ああ、この占いばかりは師匠の適当でありますように!

>「そういえば10年ぐらい前だったっけ……小さい女の子が迷い込んできたことがあったなぁ。
>今思えばその子が外の世界に出るきっかけをくれたっけ」

キャトラの話に何かひっかかるものを感じたが、よく思い出せない。
まぁ思い出せないってことは大したことじゃないってことだ。
僕は呑気に椅子にもたれかかって192さんの話を聞いた。

>「シャンバラですか。壮麗、と言うのとは違いますね……
> 広大な竹林に囲まれていて、竹が主要な建材ですから」

「たけ、たけ……竹かぁ」

流石東の果て……。実際の街の様相は現地人でなければ分からない。
オルビア王国とは違った文化の色濃いとも聞くが、今まで噂に聞いた話とは随分違う。
神殿があるとか東の聖都とか遺跡が眠る街と聞けばもう石造りみたいな絵を想像してしまっていた。
前にシャンバラくらい知っていると述懐したがそれは改めなければならないようだ。

>「でも、神殿内部は、その、空気が違うんですよ。
> こればかりは口では説明出来ませんね」

192さんがそう言って少し雑談を交わしたあと、僕達はそれぞれの部屋で就寝した。
旅はまだまだ長い。今は始めの一歩を切ったばかりなんだ。
休めるときに休んでおかないとね。

248 :
湾港都市ナントカ――。
オルビア王国においてもっとも貿易が盛んな場所だ。
同時に最大の港町でもある。

貿易が盛んなだけあってこの都市には古今東西の品が集う。
武器、道具、調度品、食料と、ありとあらゆるものが行き交っている。
ナントカは活気があり、皆人当たりが良く、明るい人が多い。

ケーユチ村を出発した僕達は魔物と遭遇する事もなく無事ナントカへと辿り着いた。
道中は馬に乗った快適なものだったので特に苦もなかったかな!

「うわー!これが海かぁ!」

波止場の手すりからのりだして僕は思わず大きな声を出した。
これが潮風にあれが水平線!カモメ!帆船!

海にも驚いたけど海を渡るためのキャラック船にも驚いたよ。
横で休憩してた船乗りに笑われてすごい恥ずかしかったけど!
でも僕の反応は無理もない。故郷には小さいイカダしかなかったんだ。

「船の出航は明日みたいだ。今日はどうする?
 遊ぶしかないよね。でもお金がないんだよねー……」

聖都へ向かうにはアライアンスというところまでのようだ。
僕はその町について詳しく知らないので何も言えない。港町なのだろうか?
ところで、借り馬のアルキュオネだが、船に乗るのでなくなく返した。
馬は船輸送に弱くて輸送熱を発症したり体調を崩すから馬主が船に乗せるのは許さない。
だから陸路になったらまた馬を借りることになるという訳だ。

それにしても今日一日どうしよう。旅のお金に手ぇつける訳にもいかないしなぁ。
元を辿ればシャンバラの神殿のお金の訳なんだよね。
ここまでの旅費も含めていずれ返すお金だよ。
露店の食べ物とか色々気になるものがあるのに。

「なんか良いお金稼ぎの手段とかないかなぁ……」

こういう時定番なのは魔物退治だが正直面倒だ。
だいたい退治で怪我でもしたら観光どころじゃない。
手頃な金策の手段はないものか。


【魔法使いは観光のためにお金稼ぎがしたいようだ……】

249 :
【×聖都へ向かうにはアライアンスというところまでのようだ。
 〇聖都へ向かうには船でアライアンスというところまで行くようだ。】

250 :
>「船の出航は明日みたいだ。今日はどうする?
 遊ぶしかないよね。でもお金がないんだよねー……」

「お、おう。それは困ったな……」

お金を使わずに適当に時間を潰すという選択肢もあるのではないかと思ったが
敢えてツッコまないことにした。

>「なんか良いお金稼ぎの手段とかないかなぁ……」

「そんないいものが都合よく転がってることなんて……」

街の掲示板を何気なく見ていたオレの目にとある仕事募集の広告が飛び込んできた。

【お散歩相手募集中!
 希望属性:ボクッ娘魔法少女・猫耳妖精・神殿騎士お姉さま
 報酬は応相談! 応募者は白いカモメ亭まで!】

おっさんとお散歩することで金銭を受け取るという主に美少女が行うビジネスがあるとは
噂に聞いた事があったが、その類だろうか。
それにしても――

「ははは、属性の指定がマニアック過ぎるっつーの!
こんなんぴったり当てはまる奴らいるのかよ……ん?」

数秒置いてあることに気付いた。

「ってもろオレ達じゃーん! お散歩するだけでいいなんて行くっきゃなくね!?」

(何者かの罠かもしれないという可能性には思い至らないキャトラであった!)

251 :
そこに飛び込む糞

どうする?キャトラ

252 :
>「ってもろオレ達じゃーん! お散歩するだけでいいなんて行くっきゃなくね!?」

どうやらこのケットシーは疲れているようだ。
いくら懐が寂しいからっていかがわしい商売に手を出すほど愚かじゃない。
一緒にお散歩したいというより別の悪だくみを考えているに違いない。

「そうかな……けど僕は行かないからね。
 なんたって僕は魔法少女じゃなくて魔法使いなんだから!」

他にも何かないか街の掲示板を眺めているとある一文が飛び込んだ。
スカゲラク海峡で船が何隻も沈没している。海峡を抜ける船は注意されたし……。
ええ。スカゲラク海峡を抜けないとシャンバラへ行けないのに。
だがこればかりは僕達の力ではどうにもならない。船乗りと船に任せるしかない。

その問題はさておくとして、働かざる者遊ぶべからず。
というより192さんに借りた馬代を返すためにもここで稼ぐっきゃない。

と、なれば冒険者ギルドに頼るのが吉だ。
湾港都市ナントカにもギルドの施設があるはず――。
僕達は逸るキャトラを宥めて冒険者ギルドへ向かうことにした。

「冒険者の方ですね。何か御用ですか?」

酒場のような風体の店の扉を叩くと待っていたのがギルドの受付嬢だった。
手頃な依頼を探している事を伝えるとバインダーに羊皮紙を何枚か挟んで持って来てくれた。
コカトリスの退治、マレアムス洞窟の探索、名工サテュラの武器の収集などなど。
どれも一筋縄ではいかないものばかりだ……。

「……子猫の捜索みたいならくちんお使い仕事ないんですか?」

「ないですね。この辺りではこれが普通の依頼ですから」

僕はすごすご退散しようかと思い始めた。とてもじゃないが僕のレベルでは達成できない。
プロの冒険者とは日々あのような依頼をこなして報酬を得ているのだ――。

「あ……人を騙して身包みを剥ぐ悪質な盗賊団の調査という依頼もありますね。
 普段は白いカモメ亭にたむろしているようです。どうしますか?」

報酬は20万ゴールド(※1ゴールド=1円)のようだ。
それほど割りは悪くないが白いカモメ亭がどうとかお散歩ビジネスの時に聞いたような……。


【何者かの罠を回避。白いカモメ亭へ行きますか?】
【192さんは大丈夫かな?いつでも戻って来ておkだよ】

253 :
そして彼は
広島からウンコ大明神を呼んだ

254 :
>「そうかな……けど僕は行かないからね。
 なんたって僕は魔法少女じゃなくて魔法使いなんだから!」

「ふーん、そういうもんか」

(あまり物事を深く考えないキャトラであった!
ちなみに厳密には魔法少女とは現代を舞台にしたローファンタジーものにおける概念で
ごく普通の少女が何かのきっかけで魔法の力を授かった存在のことを指すらしいので
魔法が存在する世界を舞台にしたハイファンタジーものである本作におけるシリルは
魔法少女じゃなくて魔法使いという指摘はしごく真っ当なものである。
余談だがローファンタジーものにおいて、異世界からやってきた魔法使いの少女のことは魔女っ娘と呼ぶらしい。
さらに余談だが、魔法使いサ〇ーは魔法の国から現代日本にやってきた設定だから
その分類でいけば魔女っ娘ということになるのだが、魔法使いという枕詞が付いている。
つまり魔法使いは魔法を使う人全てを包括する広い概念と言えるだろう。
魔法少女講釈はこの辺でさておくとして……)

>「冒険者の方ですね。何か御用ですか?」

>「……子猫の捜索みたいならくちんお使い仕事ないんですか?」

>「ないですね。この辺りではこれが普通の依頼ですから」

>「あ……人を騙して身包みを剥ぐ悪質な盗賊団の調査という依頼もありますね。
 普段は白いカモメ亭にたむろしているようです。どうしますか?」

「強い奴らなら騙すなんて面倒くさいことをせずに問答無用で襲い掛かって身ぐるみ剥ぐだろう。
……わざわざ騙すということは腕っぷしにはそれ程自身がないということだな!
案外狙い目かもしれない!
白いカモメ亭に行ってみよう!」

(お散歩ビジネスと同じ場所ということは特に気にしないのであった!
というかすでに忘れているのかもしれない!)

そしてやってきました白いカモメ亭。
そこには見るからにチャラい集団がたむろしており、
見るからに駆け出し冒険者っぽい少女達が話しかけているところであった。

「お散歩するだけでお金くれるってマジ!?」
「マジマジ!」

(どうやら街中の色んな掲示板を使って他のパーティーにも罠をしかけていたようだ)

マスターのところに行ってこっそり聞いてみる。

「あれってここの店を通してる仕事なのか……?」

「いや、うちは何も知らないぞ」

(どう見ても悪質な盗賊団です。本当にありがとうございました)

255 :
盗賊段がウンチの旗を掲げて
襲いかかる!

256 :
――白いカモメ亭。
様々なものが行き交うナントカに於いて、この酒場は癒しである。
広々とした酒場の一角には見るからに軽薄そうな集団が冒険者達と会話を弾ませていた。

>「お散歩するだけでお金くれるってマジ!?」
>「マジマジ!」

冒険者達はまだその道を歩み始めたばかりの少女達だ。
武闘家、僧侶、戦士、遊び人、そして魔法使い。
魔法使いは灰色のローブを纏い、少年とも少女ともつかぬ顔立ちをしていた。
星を散りばめたような銀の髪が一際目を引き、翡翠の瞳で相手を見つめる。

軽薄そうな集団の中でも率先して話を膨らませている男は思わず息を呑んだ。
その瞳に見つめられると足を踏み外して深淵へ堕ちていくような、不思議な魔力を秘めている気がした。
相手は魔法使い、のせられてはいけない。男は意識を切り替えて自身の仕事に戻った。

彼は冒険者を誘い出して強盗を働くことを企んでいた。
軽薄な集団は近年湾港都市ナントカを騒がせている盗賊団であり、
架空の商売を持ち掛けて金品を盗む悪事を働いていた。

>「あれってここの店を通してる仕事なのか……?」

>「いや、うちは何も知らないぞ」

酒場のカウンターにいる仲間の合図を嚆矢に魔法使いは動いた。
罠に絡めとられた冒険者達を毒牙にかけるべく盗賊団達は白いカモメ亭を出ようとした時。

「――"バインド"」

魔法使いが呪文を紡ぐ。
軽薄な集団は瞬く間に地面から伸びる靄のような触手に拘束された。
触手は盗賊団の面々を容赦なく蓑巻きにし、酒場に混乱の波が押し寄せる。

魔法使いの名はシリル・フラマリオン。
しがない暗黒魔法の使い手にして冒険者である。
冒険者ギルドから依頼を受け、彼らを捕らえるのが今回の仕事だった。

「僕の仲間が衛兵団を呼んでいる最中だ。無駄な抵抗は止めておきたまえ」

シリルは仲間の神殿騎士の顔を思い浮かべてそう言った。
言うや否や、どかどかと忙しない複数の足音が聞こえてきた――。
恐らくはナントカの衛兵達だろう。

257 :
衛兵達に盗賊を引き渡し、ギルドから報酬を得ると、まずは借り馬代を仲間に返した。
たとえ旅の仲間といえど借りたものは返すのが常識。
報酬は借りた金を返してもお釣りがくる程度にはある。

「明日には船だね。折角だから今日は遊ぶとしようじゃないか!
 買い物にでも行ってパーッと欲しいものを買うとしよう」

そう言って旅の仲間であるキャトラに小遣いを渡すと、一同は湾港都市を練り歩いた。
大道芸を見たり、海鮮料理に舌鼓を打ったり、買い物を楽しんだり……。
最後にシリルは露店で懐かしいものを見つけた。
魔法使いには欠かせないアイテムのひとつ、魔導書である。

「懐かしいなぁ。昔は四属性の本を学校で読み漁ったっけ。
 当時は土魔法以外はてんでものにならなかったけど……よし、すみません……」

ちょうど風と土の魔導書が売ってあったので二冊を購入。
背負っている旅用の荷物入れに放り込むとそのまま歩き出す。
気が付けば日が沈みそうになっていた。
海の波間が夕日を照り返し、幻想的な光景を作り出している。
シリルは湾港都市にきて初めて海を見たので、それがとても珍しいものに映った。

明日になればいよいよ港町アライアンス行きの船に乗る。
そこからは陸路で聖都シャンバラを目指すことになるのだ。
オルビア王国の最東端に一体何が待ち受けているのか――。
魔法使いは嫌な予感とともに身を震わせた。


【盗賊達を見事逮捕。遊びに練り出す。一日が終わりそう】
【話の回転を良くするために文体を変えてみました。引き続きよろしくお願いします】

258 :
文体変えても

バレバレだぜ

259 :
192さんが、街の衛兵団を呼んでくるという。流石は神殿騎士、用意周到だ。
念のためにマスターに聞いて、彼らが件の盗賊団だと確信したオレは、シリルに合図を出す。

>「――"バインド"」

シリルの魔法が、盗賊団を文字通りに一網打尽にする。

>「僕の仲間が衛兵団を呼んでいる最中だ。無駄な抵抗は止めておきたまえ」

「ち、ちっくしょ――ッ!」

「逃げすかッ!」

運よく触手を逃れ逃げようとした一人に短剣で切りかかると見せかけ、壁ドンの要領で短剣の柄の方を壁に突き立てる。
(刃の方を突き立てると壁を傷つけちゃうからね)

「残念だったな、仲間と一緒に大人しくお縄になりな」

こうして無事に盗賊団を衛兵に引き渡し、多額の報酬を得た。

>「明日には船だね。折角だから今日は遊ぶとしようじゃないか!
 買い物にでも行ってパーッと欲しいものを買うとしよう」

街を練り歩いてみると、シリルがあるものに目を止めた。

>「懐かしいなぁ。昔は四属性の本を学校で読み漁ったっけ。
 当時は土魔法以外はてんでものにならなかったけど……よし、すみません……」

「へぇー、人間はこういうので魔法を覚えるんだな!」

妖精系種族は感覚で魔法を使うため、魔導書を使っての習得というのはあまりしない。

「見て見て、夕日が綺麗! ……シリル?」

一瞬シリルが浮かない顔をしているように見えた。

「あ、もしかして船苦手? ……そんなことない? それならいいけど」

その夜、不思議な夢を見た。
姿ははっきり見えないが、魔法使いのような人影が語り掛けて来る夢。

「どうか――どうか我が弟子を運命から守ってやってくれ」

「運命ってなんだよ。死なないようにとか?」

「それもある。そして、闇に堕ちることが無きように――」

「なんだよそれ、どういう意味だ!? というかお前誰……」

人影の正体を見定めようとするも、目が覚めてしまった。

「なーんか妙な夢見たな〜。ま、いっか!」

港に行ってみると、すでにアライアンス行きの船が出航を待っていた。
船賃を渡し、駆け乗る。

「ヒャッハー! 船旅だ!」

こうして船は港町アライアンスへと向かって出発した!

260 :
銃もったウンチ兵も
一緒に乗り込んだぜ

261 :
湾港都市ナントカを出航した船は、吹き付ける風を帆で受け止めて快晴を突き進む。
船乗りたちが忙しく動くのを眺めながら手元の魔導書のページを捲る。

興味本位で買ったものだが、今読み返してみると中々どうして面白い。
当時は土を少し操るのが精一杯だったが、今やればどうだろう。
もっとも、自分は暗黒魔法の使い手なので使う意味も薄いが……。

自分達に割り振られた船室に入ってみると、
清潔感はあるが調度品すらない物置のような部屋といった感じだ。
ベッドはなくハンモックが吊ってあり、机と椅子代わりに樽が置いてある。

「……清潔なだけまともなのかな」

船賃を払う時に船長があまりの豪奢ぶりに開いた口が塞がらないだろうよと言っていたが……。
皮肉なのは理解していたが、衛生的には悪い環境なので嘘を言ったつもりもないのだろう。
なんというか、これでも過酷な陸路を行くよりマシだ。

キャトラの部屋も同じような具合なのか冷やかしに行こうとすると
192さんに出くわしたので一緒にキャトラに会いに行った。

「やぁキャトラ!度々僕は思うんだけど、君は両手に花だね。
 その徳を理解したつもりで、まぁ、僕の暇つぶしに協力したまえ!」

シリルはそう言ってどっかと樽に座ると机に肘をついて柔和に微笑んだ。
海の風景を眺め続ける訳にもいかず、暇を持て余した魔法使いは暇つぶしに駄弁りに付き合えと言っているのだ。
一緒に旅に出る前の事でも聞こうとしていたが、口火を切ったのは192だった。

262 :
目的地シャンバラの神殿騎士である彼女が率先して軽薄な会話に混ざる印象はない。
事実、彼女が告げたのはスカゲラク海峡の事についてだった。
彼女はシリル達と出会うまで陸路であったが、湾港都市ナントカには何十年か前に訪れたことがあるようだった。

192曰く、スカゲラク海峡にはある伝承が残されている。
闇の軍勢と魔王がまだ健在であった頃、スカゲラク海峡にはある魔物が棲んでいた。
それは驚異的な大きさを誇る頭足類のような魔物であり、海峡を越えんとする船を何隻も食い荒らしたという。
魔物は嵐と共に現れ、嵐と共に去る。名をクラーケンという。

シリルが掲示板で見た海峡で船が何隻も沈んでいるという情報も加えて、192は気を揉んでいた。
果たして無事に海峡を越えられるかどうか……と。
近年魔物が活性化している事を考えれば、あながち無視できる話ではない。

「遺憾ながらここはクラーケンが来ないように神に祈るしかないよ。
 僕達にできることは少ない。海の魔物相手にどこまで戦えるかも分からないし、ね。
 あと数時間でスカゲラク海峡だ。吉と出るか凶と出るか。僕達の女神に任せておくとしよう」

船は快晴の中を順調に進んでいる。
しかし――海峡に近付くほどに航路は悪天候を増し、嵐の気配が漂い始める。
キャラック船"バロック号"が大波で傾き、船体が大きく揺れる。
吹き付ける強風を察して船長のドレークは帆を畳ませた。
雨の匂いを嗅ぎ取りながら深刻な顔で船員に呟く。

「クラーケンの野郎に出くわすことになるかもしれん……。
 まさか俺の代でこんなことになろうとはな……」

「船長、どうするんですか?」

「どうすることもできんさ……神にでも祈るんだな」

「……アイアイサー」

263 :
アイアイサー

ウンコ大明神やウンコ隊が支援にきた
「キャトラを汚そう」

264 :
>「やぁキャトラ!度々僕は思うんだけど、君は両手に花だね。
 その徳を理解したつもりで、まぁ、僕の暇つぶしに協力したまえ!」

「……う、うん! そういえばそうだね」

自分は性別の意識が薄い妖精族だし、シリルはローブをまとった中性的な雰囲気なので、
言われてみればそうなのか、という感じだ。
しかし決してシリルが美人ではないとかいうわけではなくむしろ逆。
美少年とも美少女ともとれる、性を超越したような整った顔立ちをしている。
暇つぶしとはなんとことはない、雑談であった。
その中で192さんがスカゲラク海峡のクラーケンの伝承を語る。

「スカゲラク海峡って……もろ今から通るとこじゃん!」

>「遺憾ながらここはクラーケンが来ないように神に祈るしかないよ。
 僕達にできることは少ない。海の魔物相手にどこまで戦えるかも分からないし、ね。
 あと数時間でスカゲラク海峡だ。吉と出るか凶と出るか。僕達の女神に任せておくとしよう」

快晴だった天気が一変、海峡に近づくほどに悪天候となり、大波で揺れる船。
様子を見に出て行ってみると、何やら船長と船員が深刻な顔で話している。

>「クラーケンの野郎に出くわすことになるかもしれん……。
 まさか俺の代でこんなことになろうとはな……」
>「船長、どうするんですか?」
>「どうすることもできんさ……神にでも祈るんだな」
>「……アイアイサー」

「おいおい、マジかよ……ってぎにゃあああああああああああ!?」

一際強い揺れが来たかと思うと、吸盤のついた巨大なイカの足のようなものが海面から現れ、船の甲板に叩きつけられた。
たちまちのうちに船上は混沌の戦場と化す。

「ぎゃー! お助けー!」

「お客様の中に勇者、剣士、魔法使い、その他戦える方はいませんかー!?」

「これでも一応神託の勇者らしいからさ……エンチャント”ファイア”!」

炎をまとった短剣で脚に切りかかると、相手は暫しひるんだように見えた。

「あなた方は!?」

「話は後! 残念だけどオレ達には倒せる気がしない……!
なんとか牽制している間に全速力で海峡を抜けてくれ!」

265 :
>>264
エンチャント、ウンコ

お前に狂化剤がぶちこまれる

266 :
嵐の中を進むバロック号は遂にクラーケンと遭遇した。
その巨大な足を船上に叩きつけ、海底の底であぎとを広げ沈没を待っている。

>「話は後! 残念だけどオレ達には倒せる気がしない……!
>なんとか牽制している間に全速力で海峡を抜けてくれ!」

「この荒天の中、風も静まっていないのに船を走らせろだって!?
 冗談じゃない。転覆してクラーケンに食われる前にお陀仏になっちまう!」

船員がマストに捕まりながら悪態をつくと、船長は猛禽のように獰猛な表情で笑った。

「面白い、やってみようじゃねぇか。一か八か奇跡を信じて行動してみるとしよう。
 きっと我らが女神も微笑んでくれるだろうよ!」

「船長!」

船長のドレークの台詞と共に、船が再び揺れる。
二本目のクラーケンの足が船に絡みつき、船体を万力のように締め上げ始めた。

「こりゃまずい。クラーケンの野郎は船をぶち壊す気だぞ……。
 おい冒険者共。方法は問わねぇからあいつを何とか引き剥がせ。でなければ船が動かせん」

「方法が一つだけあるよ。僕の仲間次第だけどね」

船室からつかつかとシリルが歩み出てくると、きっと、船体に絡みつくクラーケンの足を見据える。
途中から話は聞かせて貰った、といった風情で参上すると、自身の魔法で何ができるか考えてみた。
ショック、リジェクト、ラセラトリスでは威力が足りない。アンフォームモルドもこの風雨の中で使うのは自殺行為。
水魔法のアクアプレッシャーは――質量攻撃のため、バロック号も傷つけかねない。ならば方法はひとつ。

「キャトラー!そのままエンチャントファイアを維持したまえ!合体攻撃で追い払うぞ!」

267 :
記憶のページを捲りながら師匠との修行を思い出す――。
暗黒魔法には、如何なる魔法をも吸収し糧とするアンチマジックが存在する。
自身の今の力量で使いこなせるかは五分五分といったところだ。少なくとも旅に出る前は発動しなかった。
だが今、これ以外にクラーケンを追い払う手段はない。

瞼を閉じ、魔力を練り上げる。
そしてイメージする。暗黒をも飲み込む混沌の力を。

「戒めの鎖錠を破りし混沌の扉よ、魔の力を簒奪し深淵へと誘え!カオスアブゾーブ!!」

詠唱を紡ぎ、杖を前に差し出す。
空間に浮かぶのは全てを飲み込む混沌の扉。風で揺らぐ銀の髪が静止した。
巨大な魔力のうねりが嵐とぶつかり、悪天候が翳りを見せ、弱まっていく。

「対象属性は炎!エンチャントファイアを吸収しろ!」

キャトラの短剣から炎が消え、空中の闇の扉へと飲み込まれていく。
暗黒魔法の上級に位置するカオスアブゾーブは、魔法を吸収し無力化するアンチマジック。
だが、カオスアブゾーブにはもう一つの使い方が存在する。

「これが闇を征する暗黒魔法の真髄だ!僕はこの魔法を一段階上の暗黒魔法へと再構築する!
 奔放なる妖精猫の勇者よ、燃ゆる魂が地獄の業火を呼び覚ます!勇猛果敢に寄せ来る敵を焼き払え!」

それこそが暗黒魔法への変換能力。
上空に展開していた闇の扉から光の柱が降り、キャトラの短剣がそれを受け止めた。
発光する短剣は炎で長剣を形成し、より強力なエンチャントファイアへと生まれ変わった。

「セントエルモの火だ……」

船員の一人が夥しく発光する剣を見て呟いた。

「僕の魔力全部をぶち込んだ!それなら行けるはずだ、一気に決めろ!」


【エンチャントファイアを魔法で更に強化。合体攻撃でクラーケンを追い払う算段】

268 :
>「面白い、やってみようじゃねぇか。一か八か奇跡を信じて行動してみるとしよう。
 きっと我らが女神も微笑んでくれるだろうよ!」

キャトラの無理無茶無謀な作戦に難色を示す船員だったが、船長が乗ってきた。

「さっすが船長! それでこそ海の男!」

逃がすものかと、二本目の足を絡みつかせ船体を締め上げるクラーケン。

>「こりゃまずい。クラーケンの野郎は船をぶち壊す気だぞ……。
 おい冒険者共。方法は問わねぇからあいつを何とか引き剥がせ。でなければ船が動かせん」

「引きはがせって言われても!」

そこにナイスなタイミングでシリルが登場。

>「方法が一つだけあるよ。僕の仲間次第だけどね」
>「キャトラー!そのままエンチャントファイアを維持したまえ!合体攻撃で追い払うぞ!」

>「戒めの鎖錠を破りし混沌の扉よ、魔の力を簒奪し深淵へと誘え!カオスアブゾーブ!!」
>「対象属性は炎!エンチャントファイアを吸収しろ!」

「……?」

一瞬怪訝な顔をするキャトラ。
これは、通常は敵が使う魔法攻撃を吸収するために使われるものだ。
それを味方の補助魔法を吸収するのに使ってどうしようというのか。

>「これが闇を征する暗黒魔法の真髄だ!僕はこの魔法を一段階上の暗黒魔法へと再構築する!
 奔放なる妖精猫の勇者よ、燃ゆる魂が地獄の業火を呼び覚ます!勇猛果敢に寄せ来る敵を焼き払え!」

「そういうことか……!」

魔法を吸収した上でより強力な闇黒魔法へと変換する上級魔術――
短剣のはずの剣により強力な炎の魔力が宿り、一時的に両手剣と化す。

「す、すごい力だ……!」

>「僕の魔力全部をぶち込んだ!それなら行けるはずだ、一気に決めろ!」

裏を返せば、シリルにもう戦う力は残っていないということ。これで決めなければ後がない
だが、恐怖はなかった。何故なら――いける気しかしない!
剣を下段に構えて力を溜め、猫妖精特有の瞬発力をもって猛ダッシュ。

「必殺!――ダークフレイムスラッシュ!!」

なんかそれっぽい技名を叫びながら一気に切り上げると、船体に巻き付いていた肢が一刀両断に切り飛ばされた。
断末魔の悲鳴のようなものが聞こえ、切られた側の巨大な肢が甲板上に転がる。見事な切り口だ。
肢一本切られた程度で死にはしないだろうが、暫しの間戦意喪失させることには成功しただろう。
キャトラは船長や船員達に声を掛ける。

「さぁ、今のうちに! 無事に辿り着いた暁にはたこ焼きパーティーだ!」

269 :
今年も糞尿一同よろしく

270 :
キャトラの剣がクラーケンの足を叩き切り、船を発進させる準備は整った。
今は悪天候も心なしか弱まっている。今が逃げる好機だ。

「帆を張れ!全速前進で逃げるぞ!」

「アイアイサー!!」

嵐を突っ切ってバロック号は遂に海峡を抜け出す事に成功した。
シリルはそれを見送るとふらふらと覚束ない足取りで船室へと戻っていく。

「……すまない、無理をしすぎた。
 魔力回復の為に三日くらい寝るだろうけど、心配はいらないよ」

それから誰とも顔を合わせず三日ほど部屋で眠りに就いた。
その間というもの、シリルは悪夢のようなものに魘された。
今まで感じた事のない悍ましい何かが手ぐすねを引いて待っているような――。
そんな気味の悪い感覚が肌に纏わりついて離れなかった。

「……はっ、夢か……」

シリルが目を覚ました時、船はもう港町に迫っていた。
アライアンスと呼ばれる寂れた港町だ。
出航時の快晴とは打って変わって曇天に包まれている。

「相変わらずシケた町だな。ここはいつもどんよりしてやがる。
 さっさとナントカに帰りたいところだが、海峡にはクラーケンがいやがるしな……」

「船長、ここからならロンバルディア王国が近いですよ。
 あっちでまた旅客船で一旗上げましょうや」

「……そうだな。クラーケンが斃されるまでナントカは封鎖されて
 船が出航できる状況じゃなくなっちまうだろうしな……その間商売あがったりも御免だ」

「うぅん、また船乗りの雑談か。君達も飽きないね。もう着くのかい?」

「あいよ、冒険者様。もうじき港町アライアンスだ――それまでどうか大人しくしてな!」

271 :
【港町アライアンスに無事到着】

272 :
緊急アライメント!


ウンコ接近、ウンコ接近!


(ウンコ大明神が接近しつつある)


全員警戒!

273 :
>「帆を張れ!全速前進で逃げるぞ!」
>「アイアイサー!!」

やれるだけのことはやった。
後は船員達に託して無事に海峡を抜けることをひたすら祈るだけだ。
そして――永遠に続くかと思われた海峡をついに抜けたのだった。

「やった……助かったんだ! ……シリル?」

>「……すまない、無理をしすぎた。
 魔力回復の為に三日くらい寝るだろうけど、心配はいらないよ」

やはりあの高位魔術は相当負担が大きいものだったようだ。
しかし三日くらいと言われて、まさか本当に昏々と眠り続けるとは思っていなかった。
丸一日経っても目を覚まさないため、様子を見に行ってみると、シリルは悪夢のようなものにうなされていた。

「シリル……おい、起きろ!」

あまりにもひどかったため、揺すり起そうとするが一向に起きない。

「これは……ただの夢じゃない……!? まさか、何者かが精神に干渉している……?」

気が気ではなくシリルが無事に目覚めることを祈り続けたキャトラ。
そして宣言通り三日経ったころ、シリルは目を覚ました。

>「相変わらずシケた町だな。ここはいつもどんよりしてやがる。
 さっさとナントカに帰りたいところだが、海峡にはクラーケンがいやがるしな……」
>「船長、ここからならロンバルディア王国が近いですよ。
 あっちでまた旅客船で一旗上げましょうや」
>「……そうだな。クラーケンが斃されるまでナントカは封鎖されて
 船が出航できる状況じゃなくなっちまうだろうしな……その間商売あがったりも御免だ」

船乗り達の雑談を何気なく聞いていると、何事もなかったかのようにシリルが現れた。
気が気ではなかったことを悟られぬよう軽い調子で茶化す。

「おはようシリル。いくら何でもちょっと寝すぎだろ〜!」

>「うぅん、また船乗りの雑談か。君達も飽きないね。もう着くのかい?」
>「あいよ、冒険者様。もうじき港町アライアンスだ――それまでどうか大人しくしてな!」

そして―― 一行は港街アライアンスに到着した。
ここから陸路でシャンバラを目指すこととなる。

「ありがとう、お世話になったよ」

と、船長や船員達に礼を告げ、別れようとしたときだった。

「おお、これを持っていきな」

船長が何かが入った袋を渡してきた。受け取ると、ずっしりとした重みがある。

「ほんの気持ちだが受け取ってくれ。お前らがいなきゃ俺達全員船ごとお陀仏だったからな」

「あ……ありがとう! 大事に使わせてもらうよ!」

こうして、クラーケン牽制の報酬をゲットし、降り立った港町には防具屋や武器屋など様々な店が並んでいる。
路銀がなくならない程度に装備を整えておくのもいいかもしれない。

274 :
クラーケンは糞尿に変わった!

275 :
なんとクラーケンを追い払ったお礼にお金を貰った。
自分の命を守るためにやったことなので正直受け取る義理はない。
だが折角の厚意なのでありがたく頂戴することにしたのだった。
さらに折角なので装備を整える運びとなり、お買い物に乗り出すことになった。

暗雲が垂れ込め、日中にも関わらずどんよりと暗いアライアンス。
武器屋のひとつが目に映り入ってみる。どことなく湿っぽい雰囲気だ。
店主の顔も影が差し込んでいて浮かない色をしている。

「いらっしゃい。魔法使いかね。何をお求めかな」

「杖が欲しいな」

「あるよ。魔杖ロアクルスなんてどうだい」

店の奥から引っ張り出してきたのは十字をあしらった銀製の杖だった。
元来杖とは魔法使いの魔力を高め、魔法発動の補助を行ってくれるためのものだ。
ロアクルスは高名な魔道士が使っていたという杖で、南方の商人が譲ってくれたものらしい。
破邪の効果があり、怪しいものや瘴気から身を守ってくれるという。

「なんつうかな。武器商人の勘って奴よ。
 こいつがお前さんのトコに行きたがってる……。
 代金は譲らねぇけど、できることなら買い取ってくれないか」

「珍しい物言いだね……買うよ。今の僕には丁度良い」

三日三晩悪夢に魘されたシリルには丁度良い武器だ。
初心者時代から使い続けてきた樫の杖に別れを告げて新たな武器を得た。

276 :
アライアンスからシャンバラまでは馬でひとっ飛びの距離だ。
広大な竹林に囲まれたシャンバラには現地の人々が慎ましく暮らしていた。
ところどころに遺構をみることができ、かつてこの土地を支配していたという超古代帝国の名残が見て取れる。
シャンバラに入るなり、シリル達は軽鎧に身を包んだ神殿騎士達に囲まれた。

「な……なにかな。僕は何もしてないよ。本当だよ」

神殿騎士は恭しく頭を垂れると192に声を掛ける。

「192、ご苦労だった。貴方様達がかの神託の勇者。突然のご無礼をお許しください。
 私は001……神殿の外では"鏡の騎士"ロートレックと呼ばれている者です。
 僭越ながら、勇者様達のお名前は?」

一番に名乗りを上げたのは端正な顔立ちをした青年だった。
しかし引き締まった顔立ちは相当の錬磨を積んだ戦士であることを思わせる。
恐らくは192にも劣らない強者なのだろう。

「シリル。シリル・フラマリオンだよ。よろしく。
 えっと、001とロートレック、どっちで呼べばいいのかな?」

「001は神殿の習わしで与えられた名。
 本名はロートレックですが、勇者様のご随意に」

「じゃあロートレック。積もる話もあるから、どこかで話をしよう」

「では神殿へ向かいましょう。聖女様も貴方様達に会いたがっています」

一同は小高い丘の上にある神殿へと向かう。
馬と神殿騎士を引き連れ歩くさまはちょっとした見物のように思えた。
クリスタルのみで建築された静謐な神殿は、鬱蒼と伸びる竹がどうにもミスマッチだ。
道に敷かれた玉砂利を踏みながらシャンバラで最も重要な施設である神殿へと足を踏み入れた。

277 :
神殿の最奥――予言の間と呼ばれるその場所に、聖女はいた。
黄金を散りばめたような目映い金髪と神性を帯びた瞳に息を呑む。
シリルは途端に緊張した。彼女を前にすると丸裸になった気分だ。
それに、なんだか力がなくなっていく気がする。

「暗黒魔法の使い手に神殿はきついよ。神性に灼かれそうだ」

ぼそりとキャトラに呟いてシリルは黙った。
聖女はにこやかに微笑むと神託の勇者達を出迎えた。

「貴方達が神託の勇者ですね。私はソフィア。
 遠路の旅ご苦労でした。そこにお座りなさい」

小間使い達が椅子を用意してくれると、僕達はそこに座った。

「ありがとう。早速聞きたいことがあるんだ。なぜ僕達を探してたの?
 いや、僕達もシャンバラを目指してたし、192さんには世話になったけど……」

「でしょう。簡潔に言ってしまえば、貴方達の旅の手助けをすること。
 それが私達の神託だったのです……。貴方達が、これから挑む困難な戦いの為に」

シリルは驚いて頓狂な声を上げた。

「た、戦い!?何と戦うって言うんだい?」

「魔王を完全に封印するため――闇の軍勢と戦うのです。
 彼らは今、瘴気を振り撒きながらシャンバラを目指しています。
 より正確には、シャンバラの地下に眠る超古代帝国の遺跡に……」

聖女は女神の神託を一言一句違わず唱える。

「女神は言いました。"神託の勇者達が、超古代帝国の遺跡を攻略し、
 欲望のまま封印の柱を穢す邪悪なる召喚士を止めてくれるはずです"……」


【シャンバラ到着。聖女から新たな神託を聞く】

278 :
思わぬ臨時報酬を得たオレ達は、買い物に乗り出した。

>「なんつうかな。武器商人の勘って奴よ。
 こいつがお前さんのトコに行きたがってる……。
 代金は譲らねぇけど、できることなら買い取ってくれないか」
>「珍しい物言いだね……買うよ。今の僕には丁度良い」

シリルは運よく珍しい杖をゲットしたようだ。
店主の自分の元から早く手放したがっているようにも聞こえる物言いが
少し気にならなくも無かったが、相応しい者に使ってほしいという純粋な厚意ということにしておこう。

「お連れさんは猫妖精のスカウトというところかな? 獲物は短剣あたりかい?」

「当たり! 魔力付与の効果が大きくなりやすいのがあるといいんだけど」

「それならこのミスリル銀製の短剣はどうかね? 素性不明だから安くしとくよ」

見た目は古びているので売れ残っていたのだろう。
試しにエンチャントをかけてみたところ、ミスリル銀製というのは嘘では無いようだ。

「よし、それもらい! あとダーツを一束いいかな?」

こうして武器を新調したオレ達は、シャンバラまで馬でひとっとび。
着いたと思ったら、何故か取り囲まれた。

279 :
「うわ、何だ何だ!?」

>「192、ご苦労だった。貴方様達がかの神託の勇者。突然のご無礼をお許しください。
 私は001……神殿の外では"鏡の騎士"ロートレックと呼ばれている者です。
 僭越ながら、勇者様達のお名前は?」

>「シリル。シリル・フラマリオンだよ。よろしく。」

「妖精猫のキャトラだよ!」

>「えっと、001とロートレック、どっちで呼べばいいのかな?」
>「001は神殿の習わしで与えられた名。
 本名はロートレックですが、勇者様のご随意に」
>「じゃあロートレック。積もる話もあるから、どこかで話をしよう」
>「では神殿へ向かいましょう。聖女様も貴方様達に会いたがっています」

こうして神殿に案内されることになった。
神殿に足を踏み入れると、心なしかシリルの元気が無くなった気がする。

>「暗黒魔法の使い手に神殿はきついよ。神性に灼かれそうだ」

シリルは悪の魔法使いでは無いが、やはりそれでも闇黒魔法と神の力というのは相性が悪いらしい。
それではなぜ闇黒魔法の使い手が神託の勇者に選ばれたのか――謎は深まるばかりである。

>「魔王を完全に封印するため――闇の軍勢と戦うのです。
 彼らは今、瘴気を振り撒きながらシャンバラを目指しています。
 より正確には、シャンバラの地下に眠る超古代帝国の遺跡に……」
>「女神は言いました。"神託の勇者達が、超古代帝国の遺跡を攻略し、
 欲望のまま封印の柱を穢す邪悪なる召喚士を止めてくれるはずです"……」

「えーと、遺跡とやらに封印の一柱があって邪悪なる召喚士が闇の軍勢を引き連れてそれを壊しに来てるってこと……?
それなら遺跡攻略するよりも遺跡の入り口で待ち構えて迎え撃った方が確実じゃない?」

「実は……遥か古にかけられた封印が解けかけているようです。
おそらく闇の軍勢はそこに目を付けたのでしょう。
このまま放置しておけば解けるのは時間の問題――
どちらにせよ遺跡の最深部に赴き再度封印を施さなければなりません」

「再封印……そんな凄い術が使える人なんているのか?」

「お察しの通り並の神官では不可能――ですので私自ら同行させていただきます」

「なんだって……!?」

こうして聖女に案内され、古代帝国の遺跡の入口へと向かう。

【聖女ソフィアが仲間に加わった!
レギュラー参加でもスポット参戦でも気が向いた時のNPC操作でもいいので動かしてみたい人は是非!】

280 :
【ウンコ大明神登場】

「いやいや、ソフィアってそれ、自作自演じゃん。。、



そう言ってキャラメルマキアートを
でかいウンコにする。


【キャトラに襲撃】

281 :
ほー、意外に続いているもんだな

282 :
>「えーと、遺跡とやらに封印の一柱があって邪悪なる召喚士が闇の軍勢を引き連れてそれを壊しに来てるってこと……?
>それなら遺跡攻略するよりも遺跡の入り口で待ち構えて迎え撃った方が確実じゃない?」

状況と神託を繋ぎ合わせればそういうことになる。
だが、女神が託すのはいつだって不確定な情報だけだ。それが真実だとは限らないのではないか。
そして――どうしたことか、シリルは歯噛みして苛立ちを隠そうともしていない。

(自信家の僕と言えど、実力差くらいは分かるよ……闇の軍勢には勝てっこないって!)

そう、土台倒せるわけがない。
闇の軍勢と真っ向から戦うということは即ち――。

"師匠は言った。そう遠くない将来、闇の軍勢と戦い、そして――……
――――勇敢な魔法使いとして華々しく散るだろうと(笑)"

この占いがまさしく的中することになるのだ。シリルは正直家に帰りたかった。
占いを回避するための旅がその実、自身を死地に追い込む旅になりつつあったのだ。

>「実は……遥か古にかけられた封印が解けかけているようです。
>おそらく闇の軍勢はそこに目を付けたのでしょう。
>このまま放置しておけば解けるのは時間の問題――
>どちらにせよ遺跡の最深部に赴き再度封印を施さなければなりません」

要約すると再度封印を施すには聖女の力が不可欠であるという。
つまり再封印に同行してくれるという運びになった。
聖女は話を続ける。

「防備はシャンバラの神殿騎士が担いますが、如何に彼らといえど闇の軍勢が相手では敗北は必定。
 ですが、闇の軍勢と戦わずしてシャンバラを守る手段こそが――」

「闇の軍勢は魔王の眷属だ。再封印を施すことで魔界に強制送還できるんだね」

聖女が静かに頷く。
伊達にシリルも暗黒魔法の使い手ではない。
魔王のこと、魔界のことは多少なりとも頭に入っているのだ。
なんとか死なずに済みそうだ、とシリルは心の中で安堵した。

283 :
話が終わると早速地下に眠る超古代帝国の遺跡へと一行は向かう。
出発には神殿騎士の人たちが見送りに来てくれた。

「シャンバラの守りは我らにお任せください。聖女様もお気をつけて」

001こと"鏡の騎士"ロートレックが神殿騎士を代表して言う。
優男風ながら実力の高さを窺わせる歴戦の面持ちだ。

「よしなに。勇者に選ばれる者達はいずれも後に大成する冒険家達だと聞きます。
 遺跡の探索においてもその力を存分に発揮して下さることでしょう」

「大船に乗ったつもりで……と、言いたいところだけど、今回は小船に乗ったつもりでいてくれたまえ……。
 あの恐ろしいお伽話にもなっている闇の軍勢とニアミスするんだぞ。僕は身体が震えっぱなしだよ」

出立の雑談もそこそこに一同はシャンバラの中央に聳える封印の塔へと赴いた。
中へ入ると永遠とも思えるような巨大な螺旋階段が下へと伸びている。
一段、また一段と松明を片手に降りていくと、その終着には無窮の遺跡が広がっていた。
かつて一夜にして闇の軍勢に滅ぼされたという超古代帝国の名残。

「ここが今や名も無き超古代帝国の遺跡……!広すぎてどこを探せばいいのやらだね!」

遺跡は昔の建築の跡や瓦礫の山で入り乱れていた。最早迷路の様相を呈している。
松明で空間をぶんぶんと引っ掻き回すシリルをよそに、聖女は足元を見て戦慄した。

「……見てください。誰かが先に侵入した形跡があります。
 件の"邪悪なる召喚士"なのかもしれません」

シリルが無言で足元を照らすと、そこにはくっきりとブーツの足跡が残っているではないか。
足跡は点々と遺跡の奥へと続いている。


【遺跡に先客がいる模様……】

284 :
千客万来

先客はウンコ大明神だった!

285 :
【何か思い付きで書いたサイドストーリーを投下するよ。本編にはあまり関係ないから気にしないでね】

286 :
<サイドストーリー:鏡の騎士の戦い その1>

神託の勇者達が遺跡の探索に乗り出して暫くの事。
闇の軍勢の襲来に備えてシャンバラの防備に当たっていた神殿騎士が異変を捉える。
予定より早く、むせかえるような濃い瘴気を振り撒きながら、闇の軍勢がシャンバラに近付きつつあった。

闇の軍勢と一口に言ってもその構成は実に雑多である。
そのため爵位を持つ魔族がそれぞれの系統の魔物を支配するのが通例となっていた。
だが、総支配にして唯一の君主たる魔王が封印されて以来、久しくその通例は廃れている。
端的に言ってしまえばシャンバラに現われた闇の軍勢は、魔物・魔族の混成軍団に違いない。

闇の軍勢は猛烈な勢いのまま大挙としてシャンバラに攻め入った。
数にして千は下らない魔物達の群れは聖都に住む人々を蹂躙し、啄もうとするが――。
旧き聖都と謳われた歴史ある都はもぬけの殻だった。

「鏡界剣――"鏡面世界"」

代わりに立ち尽くしていたのは一人の神殿騎士。見るからに優男といった出で立ちの男だ。
だが同時に歴戦の剣士を思わせる静かな炎のような、並々ならぬ闘気を発していた。
地面に突き立てていた剣を引き抜くと、磨き抜かれた刀身が闇の軍勢を映す。
――そう、鏡のように。

「私の名は001……人は私を"鏡の騎士"ロートレックと呼ぶ。
 闇の軍勢よ。聖都に手出しはさせない。貴様たちの相手はこの私だ……!」

偽りの世界に声だけが響き渡った。
鏡の性質を持ち、鏡の如く真実を映しだす。これこそ彼が編み出した剣技『鏡界剣』である。
鏡界剣奥義・鏡面世界は膨大な魔力にて現実世界を写し取り、全てが反転した鏡の世界を作り出す。
その空間範囲はちょうど聖都シャンバラと同程度。並大抵の魔力では実現不可能な芸当である。
術者たるロートレックを起点として広がり、射程圏の者を強制的に鏡面世界へと引きずり込める。

魔物達の群れは驚いた様子でどよめきを隠せずにいたが、魔物を率いる魔族は冷静だった。
悠々と街を闊歩し、その悍ましい容貌に見合わぬ小散策と洒落込んだ。
術者を探すためだ。しかし姿は見当たらない。微弱な人の魔力は感じる。
それでも魔族の優れた眼を以ってしても術者を見つけ出すことは出来なかった。

(鏡界剣――"光彩"。光の屈折を操り姿を隠すまやかしの技。
 探しても無駄だ。どれだけ目が良かろうと私を見つけることはできない)

287 :
いまいち統率のとれていない闇の軍勢は三三五五、各々で勝手に動き始めた。
魔物は食料たる人間がいないか草の根を掻き分けて探し、魔族たちは泰然と状況を静観していた。
その隙を鏡の騎士は逃さない。

「鏡界剣――"雲外鏡"」

声だけが鏡の世界に響き渡ると、幾つもの魔力でできた姿鏡が形成された。
この鏡は映した者の真実の姿を、あるいは邪悪な側面を暴き出す。
そして真の姿を暴かれた者は鏡に映った自身に襲われてしまうのだ。

相手が魔族、魔物であれば、どれほどの効果を発揮するか想像に難くない。
闇の軍勢は泡を食った様子で姿鏡の自分と戦い始めた。

(……こんなものか。後は勇者様達が再封印さえ施してくれれば全て終わる)

他の神殿騎士達も共に戦うことを進言してくれたが、ロートレックはそれを固辞した。
聖女がいない今なら、乱暴な表現をしてしまえば神殿騎士のリーダーである自分が好き勝手にできる。
彼は、格別に優しい男だった。聖都の住民にも、聖女にも、神殿騎士達にも、勇者達にも。
傷ついて欲しくなかった。特に、闇の軍勢などには指一本として触れさせたくなかった。
だから彼はもしもの時は一人で時間を稼ぐことにした。

(――気取られたな。魔力の探知に長けた魔族がいるか)

魔族の一人が魔物を引き連れてこちらへやって来る。
頭足類のような容貌にローブを纏い、片眼鏡を掛けた怪しい魔族だ。
身長は魔族にしては然程高くなく、せいぜい180センチ程度だろう。

引き連れている魔物はアンデッド系の魔物。首なしの騎士デュラハンだ。
闇の軍勢の尖兵として有名な魔物であり、本体を鎧の内に隠すため聖水も効き辛い厄介な敵だ。

「見つけたぞ、貴様が術者か。私は"夢幻の闇"メリオニュスだ。
 階級は子爵――と、言えばいいのかな。闇の軍勢は階級を爵位で表すのでね」

頭足類の怪物はモノクルを越しに魔力を探知し続けていた。
デュラハンに大まかな位置を指示すると、首のない騎達士が猛然と剣を振り下ろす。

288 :
術者という言い回し通り、鏡界剣は面と向かって斬り合う剣技ではない。
相手を惑わせ、自身を安全圏に置いてから確実に相手の戦力を削いでいく戦闘法。
ゆえに居所を知られてしまえばその力も半減してしまうのは紛れもない事実だ。
ただ、彼は鏡界剣の剣技そのものを披露した訳でもない。

「鏡界剣――"光芒"」

ロートレックが剣を振るうと同時、刀身がブレた。
プリズムを通った光のように剣の刃が増え、デュラハン達の剣を全て受け止める。
光の魔力で複数の刀身を形成して無数の斬撃を浴びせる――それが鏡界剣"光芒"。

「はっ!」

鍔迫り合う剣を弾き、裂帛の気合を込めて一閃。無数の斬撃がデュラハン達を裂いた。
闇と相反する光属性の刃に灼かれて首なしの騎士達は瞬く間に全滅した。
お見事。メリオニュスはその手際の良さにパチパチと手を叩く。

「魔法剣か……やるではないか。貴様ほどの使い手そうはおるまい」

メリオニュスの評価は人間に与えるには珍しいほどの高評価だ。
事実ロートレックは大陸で五本の指に入る剣士だと言われていた。

「だがその剣技、人をまやかし撹乱する技が主体と見た。
 "夢幻の闇"と呼ばれた私に果たして通用するかな……?」

瞬間、魔族の手から衝撃波が発せられた。
暗黒魔法の中級衝撃魔法"ラセラトリス"である。
一度、二度、三度。詠唱破棄で間断なく放たれる衝撃波が騎士を襲う。

「ふふふ、どこまで逃げられるか見物だな!」

優れた魔力感知能力を持つこの魔族に姿を隠しても無意味。
衝撃波は正確にロートレックを狙ってくる。
魔族の魔力で練られた魔法だ。当たれば致命傷は免れない。

289 :
魔力の無駄と判断してロートレックは"光彩"によるステルスを解除する。
鏡の騎士が姿を現すと魔族は口角を上げて衝撃波を更に放った。
横に跳躍して魔法を躱すと剣を正眼に構えて鏡界剣を発動。

「うぬ……!?」

メリオニュスの怪訝な声。鏡の騎士が複数人に分身したのだ。
鏡界剣"万華鏡"は自身を分身させ相手を撹乱する技。
手を変え品を変え、相手を惑わせるのがこの剣術の肝だ。

「ふん、ならば叩き潰すまでよ!」

鼻を鳴らして手を振りかざすと大規模な黒い衝撃波が一帯を覆う。
竹を建材とした建築物を叩き潰しながら分身したロートレック全てを薙ぎ払った。
自身を起点に500mを更地に変えて、メリオニュスは勝利を確信した。
剣に一刀両断されていたと気づいたのはその直後である。

「馬鹿な……なぜ……ッ」

地に伏せる魔族を一瞥してロートレックは胸元で十字を切った。
鏡界剣――"鏡花水月"。光が持つ透過する性質を自身に付与する第二の奥義。
悲しいかなメリオニュスの魔法はロートレックに命中していなかった。

「湖面に映る月を引っ掻き回しても、闇夜を照らす光は消せないものだ」

衝撃波を躱し続けた影響か。若干息を切らした様子で呟く。
鏡花水月は一度発動すればおおよその攻撃を躱せる回避技だが、魔力の消耗も激しい。
魔力を切らしてしまうと鏡面世界も維持できなくなる。持久戦を要求されるこの戦いで多用は禁物。
魔族の死を見届けると、やがて"光彩"で再び姿を隠した。


<その2に続く>

290 :
>「防備はシャンバラの神殿騎士が担いますが、如何に彼らといえど闇の軍勢が相手では敗北は必定。
 ですが、闇の軍勢と戦わずしてシャンバラを守る手段こそが――」
>「闇の軍勢は魔王の眷属だ。再封印を施すことで魔界に強制送還できるんだね」

「なるほど、そういうことか……!
あはは、考えてみれば闇の軍勢と真っ向対決なんて無謀すぎるよなあ!」

こうして超古代帝国の遺跡へと向かう運びとなったオレ達。

>「シャンバラの守りは我らにお任せください。聖女様もお気をつけて」
>「よしなに。勇者に選ばれる者達はいずれも後に大成する冒険家達だと聞きます。
 遺跡の探索においてもその力を存分に発揮して下さることでしょう」

>「大船に乗ったつもりで……と、言いたいところだけど、今回は小船に乗ったつもりでいてくれたまえ……。
 あの恐ろしいお伽話にもなっている闇の軍勢とニアミスするんだぞ。僕は身体が震えっぱなしだよ」

「闇の軍勢が到着する前に遺跡の最奥に到着して再封印しないといけないってことだよね!?
タイムアタックじゃん、早くいかなきゃ!」

というわけで、話を切り上げて遺跡へと急ぐ。

>「ここが今や名も無き超古代帝国の遺跡……!広すぎてどこを探せばいいのやらだね!」

>「……見てください。誰かが先に侵入した形跡があります。
 件の"邪悪なる召喚士"なのかもしれません」

「どういうことだ!? まさか……遺跡の再封印を阻止するために邪悪なる召喚士が先行して来てるとか!?
ヤバイじゃん、邪悪なる召喚士って名前からして超強そうだし!」

考えていても仕方がないので、足跡を辿っていく。
辿って行った先には、巨大なクリスタルのようなものの前に一人の人物が佇んでいた。
いかにも召喚士風のローブをまとったその人物は、大仰な動作で両腕を広げ口上をあげる。

291 :
「ほー、意外に続いているもんだな。余程運が良かったのだろう……。
だがそれも今日で最後。お前たちの冒険はここで終わりだ!」

「ぎゃははははは!」

オレは笑いを堪えることが出来なかった。
何故なら――そいつが奇妙な帽子を被っているからだ。

「何を笑っている!? 言っておくがこの帽子のモチーフはチョコソフトだ!
貴様……一体何を想像したのだ!?」

「いえ、何も」

「まあ良い。我が名は闇の軍勢四天王の一柱――”邪悪なる召喚士”キャラメ=ル=マキアート!」

「うっせーわ! 四天王っつったってどうせ昨今の幹部枠拡大の要求に圧されて5人以上いるんだろ!」

しかも名前、そこは普通ソフト・クリィムとかじゃねーのか!まあいいけど。

「何故我が名を教えたか分かるか……お前達はここで死ぬからだ!」

こうして、邪悪なる召喚士キャラメ=ル=マキアートとの戦闘が始まった。
奇妙な形の帽子を被っているからといって侮ってはいけない。
きっとそれもこちらを脱力させるための作戦なのだろう。

「召喚――渦巻スライム!」

キャラメの被っている帽子と同じような形の奇妙な形のスライムが大量に召喚され、襲い掛かってきた!

292 :
【おお、投下してみたいらいつの間にか凄いのが投下されてる!
リロードしてなかったけど丁度きりのいいところで良かった!
本編でコメディ路線(?)に走っちゃってギャップが凄くて申し訳ないけど
きっと帽子とかスライムが奇妙な形なのはこっちを油断させるための作戦で奴は普通に強いのです(震え声)】

293 :
僕も至らぬ所が多いのであまり言いたくありませんが
う◯こネタは控えてください
荒らしにしか見えません

294 :
【すんません! 奇妙な帽子ネタは無しで! スライムは普通のスライムで脳内変換お願いします!】

295 :
ウンコ大明神ばくげきき

大量のうんこをばらまく


どうなるお前ら!

296 :
>>293
普段トリ付けてるのにそういう時にトリ無しだとお前さんこそ荒らしの成り済ましに見えるぞ

297 :
>>296
すみません、以後気をつけます。
乱暴な書き方をしてしまい重ねてお詫びします。
ようするに荒らしのレスを本編に組み込まないでくださいという事です。
自由度を下げるのはよくないけど、無法地帯でもないので。

空気を悪くしてしまってごめん、嫌な話はこれまで!
三章もいよいよ大詰めだし気合入れて行きましょう!!

298 :
点々と続く足跡を追った先には巨大な水晶の柱が一本伸びていた。
聳え立つ柱の前に人影。男のようだ。彼こそが神託にあった召喚士なのだろうか。
自ら邪悪なる召喚士と名乗ったその男は高らかな口上と共に攻撃を仕掛けてきた。

召喚士が呼び出したのは最弱の魔物スライムだ。生きたゲル状物質が突貫してくる。
シリルはそれを適当に蹴っ飛ばすとサッカーボールのようにドリブルした。
スライムの王、ロードスライムに比べれば恐れるに足りない。

「こんなものっ――――!」

がっしぼかっ!占いに怯えていた自分が馬鹿のようだ。
この程度の召喚士ハジマーリの街を探せばザラにいそうだ。
魔杖ロアクルスでスライムをゴルフスイングすると面白いように飛んでいく。
それを繰り返してスライム掃除を終えたところでシリルが言った。

「召喚士が召喚するのは召喚獣のはず。
 ただものではなさそうだけど召喚するのがスライムじゃなぁ……」

魔杖の柄で地面を突っつきながらシリルは暇してた。
こんなしょうもない相手に時間を割く必要もあるまい。
彼は自分を闇の軍勢四天王だと思い込んでいる一般人なのだ。たぶん。
「せいっ」

魔杖を振りかぶって召喚士の頭を殴打すると彼はその場に倒れた。
所詮後衛職の体力だ。魔物を呼べても本体は大したことがない。
頭部に大きな瘤ができたかもしれないが、致し方なし。

「さぁ、聖女様。再封印を施して全て終わらせましょう」

「は、はい……分かりました」

何の手応えもないがこれでいいのだろうか――これでいいのだ。
大山鳴動して鼠一匹といった着地点だが、平和的に終われるならそれに越した事もない。
現実は世の創作物のように劇的なんかじゃない。
クライマックスは案外呆気ないものなのだ。

299 :
四天王ではなかったが、自称邪悪なる召喚士もまた闇の軍勢の一人に違いなかった。
だが、彼の出自はシリルがなんとなく思った通り掃いて捨てるほどいる初心者召喚士の一人に過ぎない。
彼は力を求めた結果禁術に飲み込まれ、闇の軍勢に憑りつかれてしまった憐れな被害者だった。
闇の軍勢として神託の勇者を倒せば助けてくれると言われ、彼は悪魔に魂を売ったのだ。
だが――レベルの差は歴然で、彼は勇者達に敗北してしまった。

「見事だ。人間では相手にならないようだな……ならば私が相手をしよう」

瞬間、背後のクリスタルの塔が倒壊し、脆く崩れ去っていくのが見えた。
召喚された魔族が放った魔力の塊が水晶の柱を打ち壊したのだ。
諧謔とシリアスの高低差に戸惑いながらシリルは呆気に取られていた。

「自己紹介がまだだったな。私はアスタロト。序列は"公爵"。
 闇の軍勢の一人にして魔王様にお仕えする側近の一人……といったところだ。
 よくやった凡百なる召喚士よ。それでこそ人間を甘言で騙し軍勢に引き入れた甲斐があるというもの」

現れたのは黒竜に跨る魔人。5メートルはあろう巨大な魔族だ。
右手に毒蛇を持ち、天使のような翼を生やした禍々しい威容。

「あ……あの野郎……!なんてことを……!」

「ふ……これが運命だったのだ。諦めるがよい。
 貴様らが神託の勇者か……見るからに脆弱で鬱陶しそうな連中だ」

シリルは額に汗を滲ませ、それを拭う。
力量差が違い過ぎる戦いは何度も経験したが、こればかりはもう……。
奴が地上に上がれば一瞬にしてシャンバラは灰に帰るだろう。
いや――いずれにせよ闇の軍勢が迫ってきている。

「キャトラ……今まで黙ってきたけど、僕は"こうなる運命"だったんだ。
 闇の軍勢と戦い、華々しく死ぬ運命……この戦いにキャトラは巻き込めない。
 逃げて良いよ。無理なんてしなくていいんだ。今なら一か八か逃げ切れるかもしれない」

僕が時間を稼ぐから。
そう言うと、シリルは杖を両手でぎゅっと握りしめて対抗の意志を見せた。
アスタロトはくつくつと嘲笑する。

「……愚かな。よもや勇敢である必要もないというのに。
 跪き命乞いをするなら少しは考えてやるぞ?」


【キャトラ選択:逃げるか?逃げないか?】

300 :
【キャトラはウンコ焼きになるという選択をしました】

301 :
老害の昔語りごめん!
このスレ最初に見た時に雰囲気がすごく懐かしい感じがしたんだよね
短文でも気軽に参加出来てエルさんみたいなコテとスポットNPC操作の中間みたいな人がいたりするところが
というのも最近は超気合入れないと参加できないガチのリレー小説みたいなスレばっかりになってしまったので
こういうの久しぶりでいいなーって、つい初動のスポット参戦のNPC程度のノリでレスしてしまったのがはじまり
だから名無しネタとか(荒らしじゃないやつ)やスポット参戦もたくさんある賑やかなスレになればいいなーって思ってたんだけど
隙あらばスポット参戦を呼び掛けてみたりもするんだけど誰も来ないしやっぱり今の少ない人口ではそういうノリは無理なのかな〜って思ったりして
昔はスレによっては荒らしレスすら逆手に取ってネタにしてしまえ!って方針のところもあって
今回ついそのノリが出てしまって不快な思いをさせてごめんなさい!

というわけでトリを付けてないのも公式区分としては一応NPC、
という意図なので気が向いたらそちらのレスの中で動かしてもらっても構いません!
シリルさん以外の方も動かしてみたい奇特な方がいたら単発で動かしてみてもらったりしても大丈夫です!
といっても少なくとも対面進行の間は来なくなることはないので安心してね

302 :
>「せいっ」

現れた召喚士は、シリルに杖で殴られてあっさりと倒れた。

>「さぁ、聖女様。再封印を施して全て終わらせましょう」
>「は、はい……分かりました」

「やりぃ! 思ったより楽勝だったな!」

と、さっさと再封印をしようと帰る算段を始めたのだが――

>「見事だ。人間では相手にならないようだな……ならば私が相手をしよう」

いきなり背後のクリスタルの塔が崩壊して、何者かがド派手に登場。

「マジ!? 再封印しようとしてたのってあれだよね!?
壊れちゃったけど!? 再封印どころじゃないじゃん!」

>「自己紹介がまだだったな。私はアスタロト。序列は"公爵"。
 闇の軍勢の一人にして魔王様にお仕えする側近の一人……といったところだ。
 よくやった凡百なる召喚士よ。それでこそ人間を甘言で騙し軍勢に引き入れた甲斐があるというもの」

「派手に壊してくれちゃって! どうしてくれるのさ!」

>「あ……あの野郎……!なんてことを……!」

>「ふ……これが運命だったのだ。諦めるがよい。
 貴様らが神託の勇者か……見るからに脆弱で鬱陶しそうな連中だ」

「てめーがやっといて運命だったのだは無いだろ! シリル、こいつやっちまおうぜ!」

だがシリルは、いつにない悲壮な決意を固めたような顔をしていた。

>「キャトラ……今まで黙ってきたけど、僕は"こうなる運命"だったんだ。
 闇の軍勢と戦い、華々しく死ぬ運命……この戦いにキャトラは巻き込めない。
 逃げて良いよ。無理なんてしなくていいんだ。今なら一か八か逃げ切れるかもしれない」

「はぁ!? 意味分かんないんだけど!」

ノリだけで生きているオレとは違い、魔法使いであるシリルには相手との力量差がはっきりと分かるということだろう。

>「……愚かな。よもや勇敢である必要もないというのに。
 跪き命乞いをするなら少しは考えてやるぞ?」

「そうだよな、マジでバカだよな。運命ってのは――ぶち壊すためにあるんだぜ!」

その時だった。
砕け散ったクリスタルの欠片の上に、美しい女性の人影が浮かびあがる。
遥か昔、魔王を封印した時代の聖女だろうか。

303 :
「あなたは……初代聖女様……!?」

聖女ソフィアが驚いたような声をあげる。

『勇敢なる貴方達に我が力の一片を授けます――お願いです、どうかこの世界を……』

クリスタルの欠片の一片が目の前に浮かび上がり、体の中に吸い込まれるように入っていく。
シリルにも同じことが起こっているのだろうか。

「私も出来る限りお手伝いしましょう!――セラフィックローサイト!」

聖女ソフィアが聖句を唱えると、アスタロトは白い光に包まれた。
魔族を弱体化させる魔法か何かだろう。

「――ホーリィ・ウェポン!」

新しく授かった力は、まるでずっと前から自分のものだったように使いこなせた。
呪文を唱えると、手の中に白銀に輝く聖なる弓矢が現れた。

「まずは地上に引きずり降ろしてやる!」

アスタロトが跨る黒竜の翼を狙い、光の矢を連射する。

【キャトラは聖属性の魔法を習得したけどシリルは闇黒魔法使いなので相性が悪いようなら他の属性でも!】

304 :
飯テロならぬ糞テロ


ついに放たれる

305 :
糞、
ウンコが最強の時代が

きたようだ

306 :
シリルの言葉に激昂するキャトラだが、シリルは悲愴な表情のまま動かなかった。
突然死ぬ運命がどうだのと言われても理解が追い付かないのは仕方ない。
だがシリルの胸中はせめて華々しく散る運命ならば、魔族をどうにか食い止めようという魂胆。
この戦いに旅の仲間を巻き込むわけにはいかない。

>「そうだよな、マジでバカだよな。運命ってのは――ぶち壊すためにあるんだぜ!」

偶然か、あるいは彼の声に呼応したのか。
砕け散ったクリスタルの欠片から女性の人影が浮かび上がる。
聖女ソフィアはその形のよい眼を丸くして驚いた。
彼女こそは、今は亡き魔王を封印した時代の初代聖女なのだから。

>『勇敢なる貴方達に我が力の一片を授けます――お願いです、どうかこの世界を……』

シリルの前にクリスタルの欠片が浮かび上がる。
溶けるように胸の内に吸い込まれていくと、
シリルは胸の内で暖かな光がじんわりと拡がるのを感じた。

「暗黒魔法の使い手、シリル。光を恐れないでください。
 貴女に溶けたのは初代聖女様の力。神託の魔法使いたる貴女なら使いこなせるはずです」

聖女ソフィアがシリルに語り掛ける。
初代聖女の光は闇を浄化してシリルを光魔法の使い手に変容させた!
故に暗黒魔法の使い手シリルでも問題なく使いこなせるはず。

光と闇は対となるもの。光魔法の使い手たる今は暗黒魔法は使えない。
だがしかし、それを補って余りあるほどの強力な魔法の数々が頭に流れ込んでくる!

「神託の勇者の言葉通り、運命は変えるためにあるもの――。
 占いや神託は邪悪な未来から皆を救うためにあるのです。決して従うものではありません」

「聖女様……」

聖なる力を手に入れた一同は、魔族アスタロト目掛けて次々と強力な魔法を行使した。
聖女ソフィアが魔族の力を弱体化させ、キャトラが光の矢で黒竜の翼を射抜かんとする。
息の合ったコンビネーションの前に魔族もまた屈するかと思われたが――。

307 :
光の矢を黒い闘気の盾が阻んだ。
魔族の莫大な魔力で練られた魔力の障壁がキャトラの作戦を叩き潰す。

「自惚れるな、神託の勇者。そして聖女よ。
 貴様らは憎きあの女の力を借りて私との差を埋めただけ。勝負はまだ始まってすらいない」

アスタロトの魔力が膨張していくのをシリルは感じた。
使うのはきっと暗黒魔法だ。元来暗黒魔法とは魔界の事象を喚起する魔族の呪文。
魔族にとっては普遍的なものであり、また共通の武器でもある。
人間が発動するものとはきっと桁が違う。

「"力を奪う呪われし鎖よ"、"光をも呑む暗黒よ"、"爆ぜる鎧が我が身を食らう"、"命綱を断たれし遭難者"……!」

「な、なんだ!?魔法の詠唱を混ぜて読むだなんて……!!?」

シリルは愕然とした。アストロトが唱えたのは他者の力を抑制する妨害系暗黒魔法の呪文ばかり。
それも異なる魔法の呪文を混ぜこぜに詠唱するとは。シリルに嫌な予感が走った。
アスタロトが行ったのは混合詠唱による魔法の同時発動――!?

魔法攻撃の威力を下げる暗黒魔法カースドチェインが。
光魔法の力を抑制し効果を半減させるライトインターRンスが。
防御魔法の展開を不可能とするアンチマジック、ダークディスチャージが。
相手の挙動を遅くするスロウモーションが。

それぞれの魔法が同時に展開し、漆黒の波動が問答無用で神託の勇者と聖女を弱体化させた。
相手が聖の魔法というバフで拮抗してくるならばデバフを実行して力の差を再び広げてやればいい。
これがアスタロトの考えであり常套手段。キャトラ達は翼をもがれたに等しい。

「そうはさせるか!悪魔のように細心に、天使のように大胆にだーっ!!」

頭に流れ込んでくる情報通りシリルは光の魔法を紡いだ。
唱えたのは妨害系魔法を解除する解呪魔法、キュアリフレッシュ。
アスタロトが紡いだ妨害魔法が全て解除され、キャトラ達は元の状態に戻った。

「勝負はこれからだアスタロト!僕達は君を倒し、シャンバラを守る!」

「愚かな事を言う……!良いだろう、ならば望み通り直接攻撃を以って潰してやる……!
 "罪人を焼く業火よ"、"滲みだす混濁の波濤よ"、"地よ平伏せ魔轟の雷霆"、"腐海に沈みし汚泥が濯ぐ"」

魔界に潜む驚天動地の現象――。
黒い地獄の業火が、淀んだ黒い津波が、穢れた閃光を放つ雷撃が、汚染された泥の海が。
キャトラ達の視界を覆いつくさんばかりの暗黒魔法による上級呪文の群れが襲い掛かった。


【アスタロト、上級呪文を連発して攻撃】

308 :
>>301
僕の方こそごめんなさい、荒らされっぱなしなので過敏になっていました。
キャトラの言う通り、気軽に参加できる敷居の低いスレがコンセプトです。
というより実力的にそういうスレしか建てられないというのもあるけれど……。
だからもしこのスレを読んでる方がいれば気軽に参加してみて下さいね(宣伝)

309 :
<サイドストーリー:鏡の騎士の戦い その2>


鏡界剣奥義『鏡面世界』によって構築した偽りの世界に闇の軍勢を拘留して数時間。
シャンバラの神殿騎士ロートレックの仕掛けた時間稼ぎは順調そのものだった。
魔族側も原因が術者の固有結界によるものだと気がついており、手を打っていた。

「メリオニュスがやられた?
 ……しまったな、魔力探知に長けたのは奴だけだと言うのに」

魔族を率いるフォルファクス伯爵は頭を掻いた。
単独で魔族を屠るなど敵の人間も一筋縄では行かない相手――と、僅かに気を引き締める。
今、他の魔族に言って手当たり次第に周辺を焼き払わせているが、中々結界が解ける気配はない。

(……なんて連中だ。"雲外鏡"を自力で脱するだけでなく、街を焼き払い私を炙り出す作戦とは……)

ロートレックの頬に一筋の冷や汗が伝う。
これが現実のシャンバラであったらどうだったろう、と思うと背筋が凍った。
三々五々としている魔物はともかくとして、魔族だけはどうにかしなくては。
このままでは"光彩"で隠れ続けていてもいずれ彼らの大規模魔法に焼き払われてしまう。

(……まずは頭から狙う……!)

ロートレックが狙うのは頭に雄々しい二本角を持ち、顎を撫でる大男。
魔族の中でもひと際巨体で、中心核らしかった。
他の魔族連中と離れた隙を突いて背後から首を狙う。

「しッッ!!」

放たれた剣の一閃は魔族メリオニュス子爵をも一刀両断した必殺の一撃。
毎日の弛まぬ鍛錬のみが生み出し得る純然たる剣戟だ。

(受け止めた……!?)

"光彩"に紛れたまま放った剣の一撃をフォルファクスは動物的勘を以って腕で防いだ。
魔族特有の硬質な肉体を硬直させ、鋼の楯とする技術により、剣は肉で止まりそれ以上刃が食い込まない。
フォルファクスは思わず笑みを零した。

310 :
「おおっと……フッフ、やるじゃないか。だが剣筋が若いぞ。
 まさか術者自ら私を殺りにきたと。中々勇ましい行動じゃないか、え?」

泰然とした態度を崩さないフォルファクス。
底が知れない相手だ……。一層油断はできない。
だが"光彩"により通常は姿を捕捉できないはずだ。
本来漲っているはずの殺気もロートレックは日々の鍛錬で完全に消している。
水のように静かに、落ち着いた心で――彼は敵を殺せる。

「さて……もう少し手の内を見せてくれ。楽しませてくれよ、この私を」

言われなくても見せてやろう。
ロートレックは曇りない刀身に日光を反射させ、フォルファクスの目を潰しに行った。
光は鏡の魔法の力で増大し、確実に相手を目を潰す。これが鏡界剣"光輝"。

「ぐ……!?」

堪らないとばかりに目を押さえたフォルファクスの隙を突いて、神殿騎士は心臓を狙った。
"通す"ような突きの一閃を放ち、それは見事魔族の左胸を貫いた――!
瞬間、剣は粉々に叩き砕かれ、ロートレックは咄嗟に距離を取った。

「魔族の心臓を狙うなど愚の骨頂だよ。急所が人間と同じ位置にあると思わぬ方が良い。
 さて……これで一つ、君の武器を奪ったわけだが、後は何ができるね?」

刀身を喪ってなおロートレックの意思は潰えていなかった。
何故ならば鏡界剣にはプリズムのように刀身を増やす"光芒"がある。
彼の剣術はまだ終わりではない。

「望み通り見せてやろう、鏡界剣の力を!」

増えた刀身で一気に攻勢に出る。
フォルファクスは両腕を硬化させガードするも、
ハイブロックで空いた脇や肩を狙われなで斬りに晒される。
姿の見えない敵に翻弄され、抵抗できぬまま倒れ伏す。それがロートレックの剣術だ。

「――なるほど。"光"ではなく"鏡"か。この世界を見れば一目瞭然。
 何故ならば人間の世界の言葉で描かれた看板や絵が反転してとても不自然だからね。
 と、なれば種は全て割れた。まやかしの剣術風情でこのフォルファクスを倒そうなどと片腹痛いわ」

311 :
「口だけは達者のようだが、貴様に手は打たせん!鏡界剣奥義・明鏡止水!」

鏡界剣最後の奥義、明鏡止水――邪念を消し澄み切った心を鏡のようにし、相手を写し取る技。
すなわち相手の技を全て見切ることで後の先を必ず取れる剣。
いわば究極のカウンターだ。これで何が来ようと恐れるものはない。

ロートレックは再び首を狙い、大きく剣を振りかぶった。
しかし、その時彼は見た。鏡の世界が闇で覆われて行く様を。

「残念だが対象は君ではない。この鏡の世界そのものだ!!」

漆黒の闇は徐々に"鏡面世界"を覆い、鏡の世界を黒で塗りつぶしていく。
文字通り、固有結界を新たな固有結界で塗り替えているのだ。
光なき侵食結界、"暗黒世界"に。

「鏡界剣といったか……その剣技には致命的な弱点があるね。
 そう……鏡は見る者すべてを反射し、真実を暴く。だが……決して光源ではないという事だ。
 何が言いたいか分かるね?君の剣は光の無いところでは全くの無力だということだよ……!」

そう。ロートレック自身は光魔法を使えない。
彼を聖なるシャンバラの神殿騎士たらしめているのは、光あってこそ。
光源を元手に鏡のように魔力で増幅させ、光の魔法を行使していたのである。
故に光が一切ないこの闇の固有結界の前にロートレックの剣術は全て封殺されたに等しい。

「そして。魔界に生きる我々にとって闇は本領。昼間のようによく見えるよ。
 子猫のように怯える君の姿がね!!やれ。魔物達よ!」

獰猛な狗のように駆け寄る魔物達を折れた剣で追い払おうとするが、無駄だった。
視覚を奪われたロートレックに抵抗の術はなかった。
襲い掛かる魔物達に鎧ごと食い荒らされ、鮮血をばら撒いた。

(聖女様、申し訳ありません――!)

鏡の暗殺剣・鏡界剣の使い手ロートレック。
大陸で五本の指に入ると謳われた彼もその最期は呆気ないものであった。
硝子細工のように砕け散る鏡面世界を見て神殿騎士達は戦慄した。
闇の軍勢が、シャンバラにやって来る。


<おわり>

312 :
終了した物語をウンコが埋める

もはやウンコの繁殖は止まることを知らない


終了

313 :
>「自惚れるな、神託の勇者。そして聖女よ。
 貴様らは憎きあの女の力を借りて私との差を埋めただけ。勝負はまだ始まってすらいない」
>「"力を奪う呪われし鎖よ"、"光をも呑む暗黒よ"、"爆ぜる鎧が我が身を食らう"、"命綱を断たれし遭難者"……!」
>「な、なんだ!?魔法の詠唱を混ぜて読むだなんて……!!?」

なんとアスタロトは妨害魔法の多重詠唱をいう離れ業を繰り出してきた。
流石は魔族、人間とは格が違うということだろう。
光の矢が目に見えてショボくなり、挙動が遅くなるのが自分でも分かる。

「これ、ヤバイんじゃね!?」

>「そうはさせるか!悪魔のように細心に、天使のように大胆にだーっ!!」

シリルの魔法によって状態異常が解除される。
属性違いとはいえ元々魔法使いだけあって、キャトラとは桁違いに強力な光魔法を使えるようだ。

>「勝負はこれからだアスタロト!僕達は君を倒し、シャンバラを守る!」
>「愚かな事を言う……!良いだろう、ならば望み通り直接攻撃を以って潰してやる……!
 "罪人を焼く業火よ"、"滲みだす混濁の波濤よ"、"地よ平伏せ魔轟の雷霆"、"腐海に沈みし汚泥が濯ぐ"」

状態異常が解除されることを悟ったアスタロトは、今度は分かりやすく大規模攻撃魔法の多重詠唱をはじめた。
あれ程の攻撃魔法を防ぎきれるほどの防御魔法は誰も使えまい。
今度こそ終わりかと思われたその時だった。
突如としてロートレックの幻影が現れ、聖女の前に跪く。

『力及ばず申し訳ありません、聖女様――私の鏡の魔力を貴女に託します。
どうか勇者達をお守りください』

「どういうことだ!?」

戸惑っているオレ達と対照的に、聖女は全てを悟ったようだった。
ロートレックの幻影から聖女に凄まじい魔力が流れ込んでいく。

「ああ、それこそが境界剣の本当の最期の奥義なのですね……。
ロートレック、あなたの犠牲は決して無駄にはしません。
必ず勇者を守り抜き勝利しましょう!」

「馬鹿め! いくら鏡の力を得たとて光の無いところでは全くの無力なのだぞ!」

アスタロトが嘲け笑うのを尻目に、聖女は朗々と呪文を唱えた。

「ミラージュ・リフレクション!」

怒涛の攻撃魔法の波がオレ達に届く寸前、味方全体全方位を覆う巨大な魔力の防壁が展開される。
なんと、それにぶつかった攻撃魔法が全て反射して詠唱者たるアスタロトに向かっていくではないか!

「なっ!?」

「侮りましたね。聖女たる私が光の力を持たぬとでも思ったのですか?」

元々光の魔力を持つ聖女が鏡の魔力を得た、それすなわち最強ということらしい。

「今です! 一気に畳み掛けましょう!」

アスタロトは自らが放った怒涛の攻撃魔法にまみれている。千載一遇のチャンスだ!

314 :
アスタロトの放った四重攻撃魔法が視界を覆わんばかりの怒涛なって迫ってくる。
もう終わりかとシリルも諦めかけたその時、聖女が魔法を紡いだ。

>「ミラージュ・リフレクション!」

攻撃魔法全てが鏡の光のように反射して、その全てが術者に向かっていく。
すなわち、四重の魔法を唱えたアスタロト目掛けてだ。
アスタロトは咄嗟に障壁を張るも、紙屑のように障壁は砕かれ魔法の海に飲まれた。

「ぐっ……おお……!これしきの事で……!」

地獄の業火に、混濁の波濤に、穢れた雷撃に、汚染された泥の海に。
全ての攻撃を食らってなお、魔法は留まる事を知らずアスタロトを飲み込もうとする。
この機を逃せば倒すチャンスは永久に訪れない。ここで畳み掛けるしかない。

「……アスタロト、僕は今まで軽い気持ちで冒険を続け、ここまでやって来た。
 だけどそれじゃだめなんだってことを君との戦いで思い知った……。
 僕は、僕の大切な人や故郷を守りたい。君達なんかに壊させやしない」

魔杖ロアクルスをぎゅっと握りしめて、シリルは言葉を続ける。

「――僕は戦う!闇の軍勢なんかにこの世界は絶対に負けたりしない!」

「……黙れ女神の使い走り、一人では何も出来ぬゴミクズが……!
 その口、二度と聞けんように貴様の決意を粉々に打ち砕いてくれよう!」

二人が詠唱を始めたのは同時。流石は高位の魔族というべきか、
恐るべき耐久性を誇るアスタロトは自身の攻撃を食らってなお呪文を詠唱する余裕があった。

「聖堂に響きし天使の鐘、終焉の喇叭、黙示録の騎士達よ。
 明かされた啓示に運命を渡し、切なる望みを打ち砕け。ああこの世に二度と明けぬ破滅を!」

「天球に溢れし星辰の輝き、宵の明星、北斗に輝く七星。
 星墜つるともまた昇る。再び輝く!無限の煌めきが未知なる力を呼び覚ます!」

そして――詠唱が若干短い分だけ、シリルの最上級魔法が先に発動した。
アスタロトは顔を苦悶に歪ませて最上級暗黒魔法を紡ぎきる。

「――フォトンバーストストリーム!」

「――カオスアポカリプス!」

中空で激突する光と闇の奔流が遺跡を揺るがす。
シリルの攻撃は防がれてしまったが、まだ聖女とキャトラの攻撃が残っている。
今、アスタロトは自身の魔法に襲われ、シリルの攻撃を打ち消すのに躍起になっている。

「キャトラ――このチャンスを逃すな。君に全て託すよ!」


【シリルの放った魔法攻撃を相Rるアスタロト】

315 :
「アイツ、あの状態で呪文を……!」

反射された自身の攻撃を一身に受けながらも呪文を唱えるアスタロト。
しかしシリルも負けじと呪文を唱える。

>「聖堂に響きし天使の鐘、終焉の喇叭、黙示録の騎士達よ。
 明かされた啓示に運命を渡し、切なる望みを打ち砕け。ああこの世に二度と明けぬ破滅を!」

>「天球に溢れし星辰の輝き、宵の明星、北斗に輝く七星。
 星墜つるともまた昇る。再び輝く!無限の煌めきが未知なる力を呼び覚ます!」

>「――フォトンバーストストリーム!」
>「――カオスアポカリプス!」

シリルの魔法の方が少し先に発動し、アスタロトに襲い掛かると思われたところでアスタロトの魔法が発動。
二つの最上級魔法がぶつかりあう。結果――どちらが押されるでもなく、拮抗している。
二つの魔法の威力が全くの互角だったということだろう。
しかしアスタロトはただでさえ自分自身の攻撃魔法にも襲われながらシリルの魔法の相殺にかかりっきりということだ。

>「キャトラ――このチャンスを逃すな。君に全て託すよ!」

相手が相手、生半可な魔法では通用しないだろう。
かといって、専門の魔法使いではないオレには、シリルほどの強力な魔法は使えない。
やはりここは十八番の魔法剣か――そう思い、武器を弓から剣へ変える。
作り出したのは、光り輝く魔法の大剣。
でもあんなところに飛び込んだら最初にアスタロトが自分で放った魔法のとばっちりを食らってお陀仏だ。どうする!?
その思考を読んだかのように、聖女がオレに魔法をかける。

「――ミラージュリフレクション! これであらゆる魔法攻撃はあなたに届きません!
さぁ――任せましたよ!」

体全体が魔法反射の光をまとう。
オレは大剣を掲げ大きくジャンプすると、アスタロトの真上から流星のごとく落下し剣を突き立てにかかる。

「シューティングスター・ストライク!」

聖女の魔法のおかげでアスタロトの魔法はオレには届かず、光の剣はあやまたずアスタロトの体の中心を穿つ――

316 :
しかしアスタロトはウンコになった!

アスタリスク

317 :
【ごめん!超過してから書くのもなんだけど今多忙だから土日まで待ってください!】

318 :
大丈夫、こっちは飽くまでも公式区分は定期的に現れるNPCだから君は何もルール違反していないッ!
そちらのペースでOKです!

319 :
ただの糞の投げ合いにしか見えない

320 :2019/04/23
飽きたか
まぁいつもの事だわな

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