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茨木敬くんの日常


1 :2020/05/06 〜 最終レス :2020/06/21
主人公は茨木敬くん、33歳独身のヤクザです。
顔も身体も傷だらけで喧嘩もメチャメチャ強く、見た目は怖いけど心は優しい人です。
子供、女性、老人は絶対に殴ることが出来ず、スイーツが大好きです。
孤児院出身なので、特に身寄りのない人に対してはとっても優しいです。
そのくせお酒や辛いものも好きで、敵対する人をブッ殺したことも何度もあって、渋みが全身から滲み出ています。
そんな茨木くんの平凡な日常。さて、今日はどんなことが起こるのかな?

2 :
茨木くんは今日はパチンコに行きました。
「出ないなぁ」

3 :
茨木「出ないのは俺の日頃の行いが悪いからだな。ハハッ」

4 :
茨木くんは国営暴力団 桜田門組に所属していますがみんなには秘密です。

5 :
そこへ敵対する組のチンピラが後ろからドスを構えて襲いかかって来ました。
「Rやぁー茨木ィー!!」

6 :
ドスを構えたその組員の名は、「茨木男夫(いばらき だんぷ)」。
茨木敬の実の兄であった─────!

7 :
茨木敬「待って待って!ちょっと今は待って!激アツリーチ来たコレ!」

8 :
激熱リーチは外れた。
二人は並んで肩を落とした。

9 :
茨木敬は茨木男夫に銃刀法違反で手錠をかけた。
実の兄とて容赦はない。これが桜田門組の掟なのだ。

10 :
男夫「聞け。俺は実はお前の本当の兄さんじゃない!」

11 :
茨木「なん...だと...」

茨木は絶望した。そしてウンコを漏らした

12 :
茨木のウンコはズボンに染み込み、海へと辿り着いた。

13 :
海には1と描かれたタコや4と描かれたサメ、7と描かれたイルカなどが泳ぎ回っていた。

14 :
そしてそいつ等は死んだ
どうやら茨木のウンコによって海が汚染された様だ

15 :
茨木「ちっ。死んでたのか……。どうりでパチンコが出ないわかけだ」

16 :
茨木「ところで俺は主人公なんて柄じゃないんだが……。友達も彼女もいない俺に何を求めてんだ?」

17 :
突如現れたデブ「ククク、主人公の座はこのボクが頂こう...」

18 :
茨木「ああ、頼む。アンタならタレント性がありそうだ。何かぶちかましてやってくれ」

19 :
そう言うと茨木はパチンコ海物語を諦め、ジャグラーEXのシマのほうへ移動した。

20 :
そして茨木は暴れだした

21 :
出禁になった

22 :
「ペカれ!」と言いながらコンビニでトイレのレバーを叩く。

23 :
そんな何でもないようなことが幸せだったと思う

24 :
台湾の戦いで死んでいったはずの戦友たちが地獄の底から這い出してきたのだ

25 :
「しっ、しっ。這うな、這うな」
茨木くんは亡霊達をしつけようとしました。

26 :
「うわ〜っ死にたくない、助けてくれぇ!」
上半身だけの一体の亡者が茨木のズボンの裾を摑んだ。
「…じょ、成仏して」

上半身だけの亡者は戦死した上官、兵藤だった。

27 :
茨木「これでもくらえーっ」

28 :
森永チョコボールを投げつけた

29 :
「あくりょう、たいさーんっ」
呑気な声が聞こえたかと思うと、悪霊は甲高い声を上げて逃げ出した。
声のしたほうを見ると、少年なのか少女なのか判然としない色黒な人物が立っていた。
顔も黒くてよくわからない。ただひとつはっきりしているのは、その人物が全裸だということだけだった。

30 :
「ありがとう、助かったよ」
茨木が笑顔でそう言うと、黒い人物はいきなり茨木の頬に平手打ちを喰らわせた。
「てめー主人公だろーが。てめーが何とかしなきゃいけねーだろぉ〜」
そいつの声はやはり中性的で、しかものんびりしていた。
「オレがお前の友達になってやんよ。お前、友達いねーんだろ?」
「あぁ、よろしく」
茨木はそう言うと無理矢理また笑顔を作った。

31 :
「俺の名は茨木敬だ」
自己紹介するなりまた黒い平手が飛んで来て茨木の頬を張った。
「だーかーらー、とっくに知ってんよ。てめーは主人公なんだからよ」
「あぁ、そうか」
「てめー主人公ってモンをわかってなさすぎ」
「あぁ、そうかもな」
「いいか? 主人公は目的を持て。野望を持て」
「そうなのか」
「友達も彼女もいないとか言ってる場合じゃねーよ。ないなら作れ。じゃ、次は彼女を作ってみろ」
「いや、それは無理だな」
「なんでだよ?」
「ハハ……。恥ずかしいから」

32 :
一番強烈な平手打ちがやって来て茨木は吹っ飛ばされた。

33 :
黒い人物は言った。
「オレの名前はクロ。今日からお前のショボい主人公根性、オレが叩き直してやる」

34 :
>>33
糞スレたてんなキチガイ

35 :
クロは天才的な頭脳を持つキャラクターだ。

36 :
茨木「しかし俺は本当に主人公なんて柄じゃ……」
クロ「今度それ言ったら罰ゲームな」
茨木「しかし本当に……」
クロ「スレタイ見てみろ。お前が主人公じゃねーと困るんだよ」
茨木「むぅ」
クロ「わかったらさっさと物語起こせ」
茨木「な、何をしたらいい? とりあえず何かお題をくれ」

37 :
「わっ」
そこへトラックが突っ込んできた。
トラックはクロを跳ね飛ばし、壁にぶつかり
大破しながら停まった。

38 :
「ひねくれすぎだろ、お前!」
茨木はツッコんだ。
「お題くれる前に死ぬなや!」

39 :
ジョットダコラ

40 :
すると、ゆがんだトラックのドアが開き
1人の男が降り立った。
「・・・外したか」
初老のその男は何かを呟いたあと、茨木をにらみながら手をかざした。
男の手はみるみるうちに巨大化していく。
「・・・こいつ、わざわざ台湾から俺を追ってきたのか!?」
茨木はこの男を知っている。茨木はハッとした。
初老の男は巨大化した腕を振り下ろしてきたのだ。

41 :
「我が名はタオパイパイ、裏切り者共の生き残りを皆殺しにするため、この世に帰ってきた!」
タオ爺は雄叫びをあげ、逃走しようとする茨木に追撃を仕掛けてきた。

42 :
大阪府三島郡島本町は
「大阪府三島郡島本町のいじめはいじめられた本人が悪い」
と公言してはばからない町
島本町のいじめ加害者やその周囲の多くの町民
そしていじめを放置ないし容認している島本町の行政機関等に
重大な問題があるとしか思えない

こんな町は非難されて当然

43 :
「いや、これはイジメじゃない!」
茨木は逃げながら、言った。
そして知り合いに電話をした。
「頼む! 戦車を貸してくれ!」

44 :
ピノキオが戦車に乗ってやって来た。

45 :
俺も一度だけキャンプ場で子ども探しを手伝ったことがある
夕暮れどき
オチを言うと管理事務所に保護されてたんだが、あれはむりだ
気絶か、冒険か、イタズラか
想像する
まずはヤバイ気絶に対応する方針で探し始める
短時間放置で絶命リスクが高いとこを探し出す
草むら
ほんのちょっと丈のある草が捜索にスゴい邪魔なんだわ
声が出せない状態を想定して探してみると、いや、どうやって探すのさ?
すべての草をかき分けるなんてムリだもの
それって捜索範囲すべてを草刈り機で除草するのと同じ手間
警察の大量投入は相当経ってからだったじゃん
そんなん、ムリだよ
少しでもやってみりゃわかる

46 :
茨木は盗んだ自転車で逃走した。

47 :
茨木「よし決めた! この物語はハッピーエンドにするぞ」

48 :
そうとなればまず必要なのはヒロインだ。

49 :
茨木は(ヒロイン募集中)の貼り紙をパチンコ屋の入口に貼り出した。

50 :
中條あや「貼り紙を見て来たんですけど」

51 :
中條は拳銃を発砲した。

52 :
「ですけど……何だ?」
茨木は凄い美女が来た緊張でつい睨みつけてしまった。
そして中條あやの撃った銃弾が心臓に命中すると、困ったような顔をした。

53 :
「ここ、ダメなんだ、俺」
銃弾は心臓に命中したが、茨木は倒れなかった。
そして自分の頭を指差すと、言った。
「狙うならここだ」

54 :
中條は茨木の眉間に銃弾を数発打ち込み、さらにチェーンソーを使い頭部を切断した

55 :
「ひどいな……。ここまでするかよ」
切り取られた茨木の首は無表情に困り顔を浮かべた。
「チッ……。女は殴れねぇ」

56 :
「っていうか何で俺、生きてんだ?」
斬られた首をひねって不思議がる茨木の後ろから、それに答える声がした。
「それはお前が主人公だからだ」
茨木の生首が振り向くと、そこには無傷で相変わらず全裸のクロが立っていた。
「クロ!」
茨木は喜びの声を上げた。
「生きてたのか。よかった!」

57 :
「お前に礼を言う」
クロはのんびりした声で言った。
「お前がオレに生きててほしいと願ったから、生き返れた」
「俺が?」
「あぁ。それこそ主人公のみに許された特権だ。
 お前が主人公である限りお前は死なないし、お前にとって必要な人物も、お前が主人公である限り死なないんだ」
「でもTPパニックの主人公、あっさり死んだぞ?」
「アイツは物語の中心地へ赴くべき時にあさっての方向へ行こうとした。物語の中心から外れれば、主人公ではなくなり、死ぬこともある」

58 :
クロは茨木に言った。
「つまりはこの物語(スレ)は、『主人公とは何か』を追求する物語なのだ」
「そ、そうなのか?」
茨木は釈然としない調子で言った。
「よそ見してんじゃないわよ!」
中條あやがさらに3発ピストルをぶっぱなして来た。

59 :
「まぁ、そうとなれば……」
茨木は胸に銃弾を受け止めると、言った。
「俺が主人公である限り、誰も死なさない!」
そして中條あやの肩をがっしり掴むと、いきなりその唇にキスをした。
「お前は俺の彼女になれ! そして俺はお前のことも絶対に死なさない!」

60 :
「何言ってんの?」
中條あやはフラフラと足をもうれさせながら、言った。
「私は敵対する剛力組のヒットマンなのよ? あなたを殺しに来たのよ?」
「寝返れ」
茨木は真剣な顔で答えた。
「お前が好きになった。俺の側へつけ」

61 :
「バ……バッカじゃないの!?」
中條は茨木の抱擁を振りほどいた。
「人の心までアンタの自由に出来ると思って!?」

「それが出来るのが主人公というもの」
茨木は真顔で言った。
「……だよな、クロ?」

「あ? えーと……」
クロは言葉を濁した。
「あぁ、うんうん。そうかもしれないしけど、どうかなぁ〜」

62 :
「ウチの組を舐めるんじゃないわよ」
中條は言った。
「組長の剛力あやの、副組長の上戸あやこ。……二人とも凶悪狂暴な上に、他にも恐ろしい殺し屋がいっぱいいるのよ?」

63 :
中條は次々と自分の組の兵力を茨木に漏らした。
高島あやみ。気さくに笑いながら狙撃する恐怖の女子アナ系スナイパー。
山本さあや。ギターでも何でも武器にする実力派アイドル喧嘩師。
西脇あやや。恐ろしい広島弁を使う殺人テクノポップグループ「バフューム」のリーダー。
大本あやよ。同じく「バフューム」のメンバー。最も狂暴。
樫野あやゆか。同じく「バフューム」のメンバー。ハムスターのごとき声を出す。

64 :
ちなみに「バフューム」のメンバーの通り名はそれぞれ「ヤ〜ちゃん」、「ボッチ」、「殺ゆか」である。

65 :
茨木「女ばっかりなのか。困ったな」
中條「そうよ。女の極道は怖いんだから」
茨木「しかもみんな『あや』じゃないか」
中條「そうよ。他にも恐ろしい『あや』はいっぱいいるわ。えーと、えーと……」

66 :
中條とイチャつく茨木の背後に、タオ・パイパイが忍び寄る。
「しねぃっ!」
タオパイパイの貫手が、茨木のズボンを突き破り直腸に侵入し、彼の魂を掴んだ。

67 :
「あっ、そうだ。松浦……」
中條は言葉を最後まで言えなかった。
目の前の全身鎧のような男の尻から、腕を突っ込むように生えているジジイの姿を見たのだ。
中條は甲高い悲鳴を上げた。

68 :
「やめてくれよ、爺さん」
やりきれなさそうに茨木は振り向いた。
「俺は主人公として、まだまだやることが沢山あるんだ」
『フフ……。茨木の奴……』
ほくそ笑みながらクロは思った。
『いいぞ。なかなか主人公の自覚が出て来たじゃないか』

69 :
しかし、タオ爺は表情一つ変えず、茨木の魂を掴む手を引いた。
彼には日本語は通じてなかったのだ。

「はうあっ!?」
茨木は痙攣しながら情けない声を上げた。彼の顔は青ざめ、白目をむき口からは泡が吹き出してきた。

70 :
そこに新キャラが登場!
ヨコヤ「クククク...」
糸目でオールバックの謎の男が現れた

71 :
ヨコヤ? 『ライアーゲーム』のヨコヤか?

72 :
シュンエイの特性上、単体攻撃になかなかお目にかかれないのですが、シュンエイを景門まで育成したことに後悔はありません。



ナイトメアギースの悪夢効果にはかなり苦戦を強いられますが、それでもシュンエイは強い!!w

最高の攻撃力で、相手を一撃必殺!これこそLRの醍醐味ですよね。

オズワルドきたらどうしようかなぁwwタン先生ww

73 :
「残念だったな」
茨木は演技をやめ、平然とした顔で言った。
「俺の魂はここにあるんだ」

そして上着のポケットから魂を取り出した。
それは古びた少女の人形の形をしていた。

74 :
「なぜ俺の魂がこんな形をしているか……、少し昔話をさせてもらおう。なに、そんなに長い話じゃない」

茨木はそう言うと、自分の過去の話を始めた。

75 :
タオ爺は茨木のアナルから臓物を抜き出した。

76 :
「ぎゃああああああっ」
茨木は断末魔をあげた。不死身だろうが魂が何だろうが痛いモノは痛いのだ

77 :
タオパイパイは茨木がのたうち回ってる隙に
人形を奪い取った

78 :
「フッ。かかったな? 爺さん」
茨木は笑った。
「忘れたのか? 物語の中心から外れようとする者は消されるということを?」

79 :
「今は主人公であるこの俺がしようとしていた昔話が物語の中心だ。あさっての方向へ行こうとしたお前は、消えろタオ・パイパイ」
茨木がそう言うと、タオ・パイパイはこの物語(スレ)から永久追放された。
もはやこの物語(スレ)の誰も彼のことを覚えていない。

80 :
「許してくれな。あまり主人公面はしたくないが、仕方がなかった」
茨木はそう言うと、古い人形を握りしめた。
「俺はこの物語で誰も死なせたくはない。もちろん自分もだ」

81 :
「タオ・パイパイの存在は皆から忘れ去られたが、俺だけはアンタのこと覚えておいてやるよ」
そして人形をポケットにしまうと、昔話をするのはやめてしまった。
「気がそがれた。それにやはりあのことは俺の心の中だけにしまっておくこととしよう」

82 :
茨木が目を覚ますと、そこは病院のベッドの上だった。
「…」

83 :
ベッドの傍らで中條が眠っていた。
茨木『俺の看病を……?』

84 :
中條「あっ、気がついた?」
茨木「あぁ……。お前、大丈夫だったか?」
中條「何言ってんのよ。自分の心配しなさいよ。えーと……。あんた、何かにケツを掘られて重傷だったんだから」
茨木「俺は不死身の茨木だ。心配ない。お前にさえ怪我がなければ俺はいいんだ」
中條「……きゅん」

85 :
茨木は瞬く間に身体が完治した。
どうやら不死者は自己治癒能力が高い様だ

86 :
茨木「ところでヨコヤって奴はどうした? 登場してから何かしたか?」

中條「え……。知らな……覚えてないわ」

87 :
「ところでお前の名前、まだ聞いてなかった……よな?」

医師の許可が下りるまでの暇を持て余した茨木は、ベッドに再び身を横たえると、聞いた。

「あやよ。中條あや」

「あや……?」

「どうしたの?」

「いや……」
茨木は中條あやを全面的に信じるように、隙だらけの背中を見せて向こうを向いた。
「いい名前だ」

88 :
ヨコヤはずっと再登場する機会を伺っていた。

89 :
茨木(・・・くそ、なんてこった。)
実は中條の背中に亡者がとりついていたのだ。
それも、南方の戦いで死んだヤクザ仲間の飛島優太そっくり・・・いや、本人だった。
優太「ふぅ・・・はぁ・・・やっぱいい女だなぁ・・・茨木には勿体ねえ・・・」
優太は口から長い舌を伸ばして、中條の頬から首筋をなめ回している。
しかし彼女は気がついていないようだ。
茨木(・・・てめぇその汚い舌をしまえっ、いいかげんにしねえとぶったぎるぞ・・・!)

90 :
「そうだ、クロ」
茨木は病室の隅でずっと折り鶴を折っていたクロを振り返った。
クロは呼ばれるとにこっと笑った。真っ黒な顔に白い歯が覗いた。
「なに?」
「お前……言ってたよな? 主人公の特権。死んだ者を生き返らせることが出来るって」

91 :
「あぁ。ただし、お前が心から生き返りを望んだ者なら、な」
クロは説明した。
「そしてその者が物語の中で何らかの活躍することも必要だ。つまりモブは生き返らせられない」
「なるほど。……じゃあ」
「そしてもうひとつ。物語の根幹に『そいつが死ぬことが必要』とされた場合は、そのキャラは生き返れない」
「どういうことだ?」
「例えばな、そいつが死んだことで主人公のお前の怒りに火がつき、お前がパワーアップしたために強敵に勝った、とかの場合だ」
「……なるほど」
「つまり生き返らせることが出来るのは、物語の根幹に大した影響も与えずに死んだモブキャラじゃない奴、ということになるんだ」

92 :
「お前が心から生き返りを望んでいる奴で、条件に当てはまる奴なら誰でも生き返らせることが出来るぞ」
クロの言葉に茨木は考え込んだ。
自分は心から、コイツを生き返らせたいと思っているか?
「よし」
茨木は言った。
「優太、生き返れ」
本心だった。
一緒にいて居心地の悪い奴ではまったくなかったし、腕が立つ。
何よりも中條も目に見えれば避けてくれるに違いないと思った。

93 :
10畳の部屋で床の間に飾った日本刀を惚れ惚れとしながら見つめていた剛力組組長 剛力あやのは、報せを聞いて振り返った。

「何でおじゃると?」
麿眉の間に皺を寄せ、剛力は言った。
「中條がマロらを裏切ったでおじゃると?」

「バカなぁーッ!?」
手前に控えていた副組長の上戸あやこが声を荒らげた。
「中條はウチの組で1、2を争う美人ぞーーッ!?」

「それは関係ないでおじゃる」
剛力組長が突っ込んだ。

94 :
「茨木に惚れよったのかーーッ!?」
上戸は悔しそうに畳やら壁やら襖やら障子やらを叩きながら喚いた。
「中條ーーッ!? 茨木なんぞに惚れよったかーーッ!?」

「これ、破れるでおじゃる」
剛力組長がたしなめた。
「あ、もう破れておるでおじゃる」

95 :
「組長ーーッ! 高島を差し向けましょうぞーーッ!!」
上戸は机に勢いよく両手を叩きつけて提案した。
お茶がこぼれ、茶菓子が畳に散乱した。
「あの辣腕女子アナスナイパーに! 遠くから茨木の額を撃ち抜いて貰いましょうやーーッ!」

「いいね」
剛力組長は賛成した。
「それよりそれ、全部お前が片付けておいておくのでおじゃるよ」

96 :
「ヤッター! 俺様のリアルチンポふっかーつ!」

びっくりして固まっている中條の口へ早速それを突っ込みにかかった飛島優太を、茨木がハグで止めた。

「よかったな、優太! また会えたな」

「離せオッサン! 男と抱き合う趣味はねーぞゴルァ!」

優太は茨木の腹に必殺の拳を入れ、茨木は鋼の腹筋でそれを受け止めた。

97 :
「いい話があるんだ」
暴れる優太を抱き締めながら、茨木は言った。
「女ばっかりの組があるらしいんだ。お前、知ってたか?」

98 :
黒いビニールのコートに赤いブーツを履いた女が、ギターのハードケースを手に、ビルの階段を昇って行った。
年頃は30歳代前半位だろうか。サングラスをしていてもいい女だというのがわかる。
彼女を見かけたスケベな男達は口々にザーメン臭い言葉を交わしていた。
「おっ、おい。今のAV女優の大槻ひびたんじゃないか?」
「似てたな〜。ズボンの前がいきなり膨らんだぜ」
話が聞こえたのか、女はピンク色のルージュを塗った唇を柔らかく笑わせた。
男達はそれだけで昇天してしまった。

99 :
女はビルの一室に入ると、ギターケースを開けた。
中にはライフルと銃弾、スコープなどが綺麗に収められていた。
それらをチェックし終えると、女はスマートフォンを取り出し、電話をかけた。
「こちら高島あやみ。待機場所に到着した」
そしてすぐに電話を切ると、窓から見える病室を眺めながらサングラスを外した。

100 :
マスカラで黒く囲った目に双眼鏡を当て、標的の窓を探す。
「あらら。カーテンが閉まっていますわ」
高島はそう呟くと、床に腰を下ろし、ギターケースの中からサンドイッチとコーヒー牛乳を取り出した。
「カーテンが開くのを待つしかないですわね」
鼻唄を歌いながら機嫌よく食事を始める。


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