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自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた 第110章
一度は言ってみたいひとこと
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【TRPG】バンパイアを殲滅せよ【現代ファンタジー】
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【防衛】要塞を守りきれ!ファンタジーTRPGスレ 5
5レスごとに完結するリレー小説
テストスレ

○●○合作しようぜin創発板○●○ Part2


1 :2010/08/12 〜 最終レス :2018/10/17
様々なジャンルの担い手が出入りするであろう創作発表板。
利用しない手はない!ってことで集まれじゃんけんぽん。
映像、アニメーション、漫画、文芸、音楽、等々・・・などなど・・・
などなどいるなら出て来いや!じゃんけんぽん!あ〜いこっしょ!
ズコー
あぷろだ   http://u6.getuploader.com/sousaku
あぷろだ2 http://loda.jp/mitemite/

2 :
>>1 乙!

3 :
>>1乙です

4 :
>>1乙だよ

5 :
前スレ
○●○合作しようぜin創発板○●○
http://yuzuru.2ch.sc/test/read.cgi/mitemite/1220191704/

6 :
合作に向けて、ほしゅ

7 :
hosyu

8 :
栄えろー保守!

9 :
前スレより。
>235 :創る名無しに見る名無し:2010/07/08(木) 02:23:29 ID:4KP6+sxZ
>初利用、転んでも泣かない。絵1枚だけでも良いのかな?
>ttp://loda.jp/mitemite/?id=1229.jpg
>左上はオカマ。
の、SSを書いてみた。二番手かもしれないけど、どうしても心残りなので投下します。

10 :
「もうすぐ来る頃だ。安心しろ」
「どのくらい?」
「そうだな……、お話が一つできるぐらいだ」
木目だらけの小さな部屋に、茜色の花がぱっと咲く。おおよそ飾り気のない部屋にはもったいない。
たった一輪、それだけでもこの部屋には明るすぎる。シンシアは側の老紳士に飲み物を持ってくるようにお願いをした。
幼いシンシアと老紳士とは血の繋がらない関係。それは真っ直ぐな血の繋がりよりも濃く、またここに来るべき人が二人を繋ぐ。
古びた大きなカップと若々しい色をした小さなカップがテーブルに並ぶ。老紳士がシンシアに小さなカップを握らせて、
たった今注いできたミルクをごくりと少女は口に含む。ゆっくりと、頬を赤らめながら肩を縮めている。
不安に怯えるシンシアを安心させようと、ぽんと老紳士は小さな肩に手を乗せると、ふわりとシンシアの髪が彼の手をくすぐった。
子ども特有のシュガーのような甘い香りが、ほんのりとつぼみを開き、そして閉じる。
「……おいしい」
「そうだな」
「うん」
右目が痒いとシンシアは触ろうと薄い手を顔に近づけるが、老紳士はそっと遮る。包帯で閉ざされるから不用意に触ってはいけない。
左目の瞳は良く磨かれた鉱石のような光が映る。シンシアは老紳士の口ひげを指で摘んで、軽く瞬きをした。
「右目はすぐに直る。もうすぐ来るドクターはすごい腕を持っているんだ」
「すごいって、どのくらい?」
「真夏に雪を降らせてしまうぐらいだ」
老紳士はシンシアの為にドクターを依頼した。風の噂でしか聞かないが、本当にすごいらしい。
繋がったばかりの電話のダイヤルを廻し、回線状態の悪いなか彼女の右目の手術の契約をした。机の上のインクのビンの蓋を開ける。
受話器から漏れるやや高い男の声は淡々と、必要以上のことは喋らず、温もりを忘れた機械のような、
そして、まるで自分のことをひた隠しにしたいが為と、悪意に満ちた受け取られ方をされても仕方がない印象。
老紳士はシンシアの側で約束の時間を羽根ペンで紙切れにすらすらと書き連ね、シンシアは来訪の時間を尋ねる。
無論、シンシアとて文字は理解できる年齢だ。読み書きも出来る。だが、今のシンシアにはその方法しか来訪の時間を知る手立てはない。
その時間を待ちながら、シンシアは髪の毛を手で触り続け、老紳士は胸ポケットに紙切れを入れた。
約束の時間へのときを刻む歯車の音。無機質な回転。ふと、気を許した隙に飛び込む、柱の軋み。どの音も不安を煽る。
茜色の花は色あせて、まだまだ遠いというのに冬のような薄暗い空気。冷たく、また冷たく。
老紳士の足音。シンシアが椅子を揺らす音。とみに襲うのどの渇きを潤すミルクを口に含む音。そして、扉を叩く音。
「はーい。どなたですかー」
再び灰色の部屋を彩りあざやかにしたのはシンシアの返事だった。

11 :
椅子から立ち上がろうとするシンシアの肩を押さえる老紳士に、ふくれっ面を見せようとシンシアは口を細める。
扉に耳を当てて老紳士は「どなたでしょうか」と低い声で警戒した。トアノブを簡単に開けさせまいと強く握り締める。
「……」
「だれですかー」
「しっ」
「もしかして、ドクター?」
「シンシア、音をさせない。……ああ……。分かった」
ゆっくりとドアノブを緩めると、外の光が線になって床に伸びる。線は面に、影は光に。
じりじりと床を白く塗りつぶされると共に、男の声がする。
「遅くなりました」
はっと、目を見張る。
「ドクターは?」
老紳士は椅子から軋む音をさせて立ち上がり、来客者を一瞥するとシンシアは椅子の陰に隠れた。
無理もない。何故なら来客者はネコ……。いや、ただのネコならば両脇を抱え揚げて高い高いをしてやればよい。
だが、二人の目の前にいるネコは獣人というべきだろうか、二つの脚で床に立ち、二つの腕(かいな)でカバンを引っさげるネコのケモノだからだ。
シンシアが立ち上がると弾みで椅子が倒れ、大きな音が部屋を欲しい侭にする。硬い木も音はネコの耳を自然に背けさせる。
彼女は恐らく気配でネコを察知したのであろう。獣のにおいは幼いシンシアには刺激が強すぎる。
こういうことは慣れたもの、と自分に言い聞かせながらネコのケモノは爪をすっと指から伸ばして自分の牙で噛む。
「せんせい?」
ぽんと飛び出したシンシアの言葉をネコのケモノは否定した。
その報いに答えんかのごとく、老紳士の失望の声が響く。大砲のように。
「騙された!!約束が違うじゃないか!」
「いや……時間を少々、わたしたちに頂けないでしょうか。先生はもうすぐ来ます」
「わたしたち!」
「はい。わたくし、先生の診療以外のことを任されておりまして……。先生は怪我や病を治すこと以外まるっきり興味をお持ちでないんです」
妖艶な脚、豊満な胸。夜の街に似合う香水。そして、花の髪飾り。
医術の神に逆らうかの如くの出で立ちの人物がネコのケモノの側をすり抜け、老紳士の前に現れた。
冒涜?
異端?
それとも。
才媛?
老紳士は来訪者を形容する言葉を探るもの、どれも当てはまらない。鞘に納まらぬ剣をそのままにしておくことは、自分に非常に危険だ。
相手に渡った剣を自由にさせてはならない。なんとか自分の鞘に戻したい。だが、一つ方法がある。

12 :
剣の刃をへし折ればよい。
確かに依頼したときは男の声がした。たしかにドクターだと名乗った。
「ふざけるな!まだ、わたしたちを騙すつもりなのか!」
「シンシアさんの瞳の治療にやってきました」
不明瞭な電話の声と重なる。彼女、いや……彼の声。
剣の刃はへし折られた。折れた光が床に突き刺さる。
ドクターの細く繊細な指が、シンシアの頬を伝わる。
「もう大丈夫、右目は直る。きっと」
「右目……は、ですね」
柔らかいシンシアの髪をそっと撫でると、幼女は左目で瞬きをして瞳を潤す。嫌に寂しげ。

「ねえ、ドクター。ドクターってどんな人?」
「そうだな。余りわたしのことを知らない方が良いかもしれないな」
「ふーん。でも、ふしぎだなあ。おかあさんのかおりがする」
包帯で覆われた右目を触ろうとシンシアは右手を頬に当てるが、ドクターの指がそれを阻む。代わりに彼女はドクターの髪先を触っていた。
光に満ちた腕でドクターがシンシアを抱き上げると、シンシアはほっとしたのか名医の頬に顔を寄せた。大きな胸がシンシアを安堵へと誘う。
一見、血の繋がった母と子のように見えるもの、けっして血は繋がらず、そして母となることは書類の上でもなり得ない二人だった。
歩くたびに揺れるシンシアの髪。ドクターの長い髪も昔を思い出したのか、少女のものと同じように揺れていた。
「せんせい。ネコさんのにおいがするよ」
「……」
ドクターの背後でネコのケモノはシンシアのあどけない言葉遣いに自分の爪を噛む。
シンシアを抱いたまま、ドクターとネコのケモノは彼らの診療所へと向かっていった。
「さあ、シンシア。このドクターはすご腕なんだ。右目でだけでもいいんだ。わたしの命が続くまでの間に、再び姿を見ておくれ」
自分の手から離れてゆく一輪の花。老紳士は胸ポケットから『術式の契約書』を取り出し、ネコのケモノに手渡すと、
ゆっくりと肩を震わせながら拳を握った。ネコのケモノは手持ちの万年筆でサインをすると、老紳士の蓄えたひげは薄暗く見えた。
「保障します。先生はすごいです。もちろんそれなりの契約は結ばねばなりません。しかし、わたくしもネコなもんで、
契約書に書かれた債権のことを三日ですっかり忘れてしまうかもしれません。まあ、ネコにはよくあることです」
長く部屋の中に伸びる老紳士の影が、入り口から差し込む日光で長く伸びる。その影は今、誰も踏むことはない。
ドクターとシンシアの姿は既に部屋にはなく、ネコのケモノが老紳士に一言残して消えた。
「四日後、シンシアさんを連れて戻ってきますよ。先生は本当に怪我と病を治すこと以外興味をお持ちにならない」

おしまい。

13 :
もっとこのスレが盛り上がりますように。
投下終了です。

14 :
うおおお!まさか前スレから引っ張ってくれるとは。1枚だけ描いて、作者さんが
それぞれ違う解釈で作るって、すごい。
胸がじわじわしてきました。

…で、1枚描いたものの、またじじぃで内容的にも同じものに/(^o^)\
ttp://loda.jp/mitemite/?id=1323.jpg

15 :
上手いなそしてかわいいな

16 :
>>14 ケープの文様見たらこうなった。正直すまんかった\(^o^)/
夜も満ちた頃。大きな影、二つ。
「待たせた」
「いや、全然平気だよ。全然、ちっとも、さっとも。
 七回目だから気にするな。あぁ・・・七回目だし、ね」
一人は銀色の挑発をオールバックから背中へ流す偉丈夫の初老。赤いロングコートを着こなし、整えられた口と顎にヒゲ。力強い光が瞳の奥に伺えるが、ほんの少しだけ細めて言葉を零す。
「目が笑ってなさそうだな」
「えー。わからないだろう、わかんないさ」
「そうだが、他の部位から想像くらい出来る」
「まぁねぇ、そうかも。そうでないと」
一人は口を糸の様に細く伸ばし、目が笑っていなさそうな男。
男、のはずだ。
曖昧な言葉。ーー笑っていそうなーー男、のはずーー
実に簡単な理由。糸の様な細い笑みを浮かべたものは、仮面をつけていた。
狐毛のような橙と、狸の様な灰の色。狐毛は鼻から眉間を超え、本来なら髪の生え際に当たる部分までを覆い尽くす。そこから後頭部へ続くのが灰の色。ピクピクと動く大きな耳を模すように膨らんでいた。ズボンから伸びる灰の色をした尾も、獣人の血を持つことが連想される。
「んでさ、まだなの。まだですか、いい加減進もうよ」
「そうだな、月のあるうちに」
影が揺れる、ただし三つ。大きな影は二つ。そして初老の男と合わせて動く影一つ。
「ふーん、こいつが、この子が。初見だね」
「慌ただしい奴は会えんもんだ」
小さな影。幼子一人。藍色の瞳はどこか虚ろで、体ごと誰もいない空間を眺めている。年は一桁ほどだろうか、小さな身体をしている。赤いケープを纏うが腰まで届き、全身をすっぽりと覆っている。裾には広く鱗の様な装飾が施されている。
「見ないね、見てない。こっちの声も聞こえんか」
「五体問題ない。興味がないだけだ」
「いつもだけど添えてるね、絡めててるね。でっかいよね」
ふいに仮面の男の視線が少女の首元へ移る。そこにはケープを抑える様に、初老の男が左手を首に添えている。
「必要だ。捕まえるのに良い」
「たしかにね、そうですよ。部位だけってのがエコロジー?」
「好みの問題だ」
そう、手だ。赤いコートから伸びている。それはいいが、大きさが異端。少女の顔を覆う程の大きさで、獣の用に毛むくじゃら。
「で」
「ど?」
「・・・評価は」
「そうか、そういや」
「・・・」
「・・・」
「d「で?」取るな」
初老の男の目が狭まる。怒気を滲ませて。仮面の男は改めて、視線を向ける、向ける。向ける。
「・・・でもなんでだろ、なんでかな。見えないね」
「どう、・・・! やめないかっ」
「あれなんだ、残念な。赤いね、絡んでら」
いつの間にか仮面の男の手には鈍色の金属があった。いつの間にか少女の足を覆っていた布がやぶれ、穴をあけている。左足はガータの紐も切れ、完全に素肌をさらけ出している。
赤い模様。太ももに浮かぶのは丸と折れ線を混ぜ合わせたものだった。入れ墨にも見えるそれは、喜ぶようにじくじくと藍色に変わろうとしていた。酸化する様な、まるで開放された様な印象を与えながらじくじくと。
「おぉ」
仮面の男は感嘆の声をあげ視線をあげる。藍色は犯す、ケープも犯す。真白の模様に藍色が交じっていく。まるで溝を掘るように、真白だけをなぞって広がっていく。
のぼる、のぼる。藍色はのぼる。次の目標を求め。次は・・・少女の目。満たすように藍色が増していき、そしてー
「買う前に・・・破るな」
初老の男の左手が震える。握りつぶすような、へし折るような震え。少女の口が細まり、何かを求めるように数度開いて閉じてを繰り返し、止まる。模様から、目から、藍色がどこかへ消えるのを仮面の男は前のめりになりながら眺める。
「それで」
見下ろすように初老の男は聞いた仮面の男は、楽しそうに、少女から視線を外さない。
「呪われた盾娘、買うのか、買わないのか」
続かない。

17 :
>>16
すげええ!おつおつ、面白かったよー!

18 :
>>17 ありがとおおおおおお、シッポふりふり喜びです!wレスひゃっはーい

19 :
ttp://loda.jp/mitemite/?id=1355.jpg
藍色!こんな感じになるのかなぁ。

20 :
>>19 ふぉおおおお、色が変わりよった:(;゙゚'ω゚'):
波打ってる髪の毛も美味しいですっ

21 :
カメラさん! もっと下! 下でお願いします!!

22 :
材料希望

23 :
>>19
書いた!

24 :
前略、お兄さま。
わたしとしばらく会えなくなっても、悲しまないでください。
悲しみの後には、必ず喜びがやって来ることはお兄さまもご承知でしょう。
お兄さまはどんなに歳をおとりになっても、わたしのお兄さまには変わりありません。
わたしには、この世界は寒すぎます。
真夏の太陽の日差しでさえ鳥肌が立ち、秋風も凍てつくような吹雪に感じるのです。
春の日差しさえも弱く、小川のせせらぎの水もしもやけが出来るほどの感覚です。
無論、冬の季節になるとわたしの命の保障さえ出来なくなることは、お兄さまもお分かりですよね。
雪原を跳ね回るお兄さまの姿、暖炉の炎立つ部屋の中から見るだけのわたし。
いつかいっしょに白い野原を駆け巡りたいと思っていました。しかし、それは叶わぬ夢。
わたしの体温が極端に低いことが発覚したのは、雪解けの季節でした。
冷血性極低体温症。臨床例は未だなし。
生まれながら血液の温度が上がらず、熱を持っても保つことが出来ない。色素も薄く、常温でも寒気を及ぼす特異例。
治療法は未だ見つからず。臨床例がない為に病理検査も滞る状態。神のいたずらとしか思えない運命。
ただ、わたしに施すことが出来るのは、将来に治療法が見つかるまで結界でわたしの体を守ること。
意識を持ったまま、長い間生命活動を行ったまま、組織は死んだように止まり、そして横たわるだけのです。
特殊な病棟に設けられた、結界を作り出す『組織活動停止型人工生命維持装置』。
丸く光が横たわったわたしに当てられて、このまま治療のときを待つのだそうです。
結界の中では気温も関係なく、たんぱく質を長期にわたって保持が出来ます。
光線による経皮栄養補給法が取られ、生命を維持することが出来ます。
ここまでの技術が発達しているのに、わたしの病気が治らないとはなんとも皮肉な話でしょうか。
さらに皮肉なことに、もしかして、治療法が見つかる前にこの星は今以上に暑くなっているかもしれません。
そんな言葉を担当ドクターや看護師からちらほら聞きます。
「今年の夏は暑かった」
来年はもっと、再来年はもっともっと。もしかして、わたしの冷たい血液でも十分に暮らせるまでに、この星の温度が上がるかもしれません。
その言葉を胸に、明日、わたしの組織を停止させます。
いつか、この結界から離れて地上に舞い戻り、太陽の光さんさんと浴びた冬の日にお兄さまと海水浴に行きたいと思います。
カキ氷を食べながら、お正月を迎えるのも良いでしょう。
ただ、その頃にはお兄さまも立派な紳士、いや、老紳士になっていることでしょうね。
年齢を重ね、人としての貫禄十分のお兄さまも魅力的ですね。
わたしの体は少女のままでも、年老いたお兄さまはお兄さまに変わりありません。
その日まで、お兄さまもお体にお気をつけて。
肌寒い、残暑の吉日より。
かしこ。

25 :
キャラ一人だけから、むずかった!
投下終了。

26 :
あ、これって前後の話が繋がってなくてもいいのね

27 :

よかったら読んでください
http://yuzuru.2ch.sc/test/read.cgi/mitemite/1284090735/l50

28 :
前略妹へ。
馬鹿。
余計な置き手紙なんか書くから、こんなことをしなければいけなくなった。
俺は、お前なんかほっといて、今を生きる予定だったのに。
それなりの仕事について、それなりの家庭を築いて、
それなりの人生を謳歌して、その終盤にお前と再会して。
感動の再会。
大団円。
だけど、予定が狂ってしまった。
お前が手紙に、あんな夢見がちなことを書くから。
俺はお前が、時間の旅先でひとりぼっちになって泣いてるんじゃないかって、
心配で夜も眠れなくなった。
コールドスリープなんていう、『夏への扉』みたいな機械を使わないと、眠れないくらい。
『夏への扉』、知ってるか。
ハインラインていう人が書いた有名なSFだ。
そっちに、つまり未来にだって残ってるだろ?
面白いから読んでおくこと。
ああ、起きる頃には、地上はいつでも“夏”か。
たしかにこいつは夏への扉だ。
じゃあ、お前が良くなって、世界が暖かくなったら、モーニングコールを掛けてくれよ。

夏を探す子猫へ、兄より。
かしこ。

29 :
この手紙を読む頃の妹は…
兄さまー

30 :
ぬおお、すごい。まったく違う方面で作っていくのも大アリすぎる!
妹ちゃん…(´;ω;`)
絵、というか、漫画の切り抜きみたいなのはどうなんじゃろー。
(ちょいとグロめなので注意)
ttp://loda.jp/mitemite/?id=1390.jpg

31 :
 《無人の家にて発見された日記の最後のページ》
 俺の妹、いつかが”それ”に目覚めたのは何時の頃だったのだろうか?
 世間一般で言う超能力、スプーンを曲げたり、箱の中の物を透視したり……
そんな子供だましな力とは全く違う、もっと異質で、恐ろしい力。
 最初の頃は、軽い物を動かす程度だった”それ”は、
何時しか、ある程度の重量の物体ならば自在に操り、動かせるようになっていた。
……思えば、其処からいつかはおかしくなり始めたのかもしれない。
 今から半年前、いつかが飼っていた小鳥を殺した。
 理由は、小鳥が俺の手を突っついたから。
 きつく叱っておくと、いつかは反省していた様なのでその時はそれで終わりだった。
 今から4ヶ月前、いつかが野良猫を殺した。
 理由は、俺の手を引っ掻いて怪我をさせたから。
 その時、声を荒げる俺に対していつかは笑っていた。背筋に寒い物を感じた。
 今から1ヶ月前、いつかが隣の家の犬を殺した。
 理由は、『いつも吼えててうるさいな、あの犬』という食事中の俺の何気ない一言。
 『これでうるさくなくなったね、お兄ちゃん』と笑ういつかのその顔は、かつての俺が知る妹の物ではなかった。
 この時、俺は泣きながら『そんな事、もうしなくてもいい』と、必死にいつかへ言って聞かせた。
 これで妹の凶行が終わってくれれば……俺は藁にもすがる想いだった。
 ……だが、その祈りは無駄に終わった。
 昨日、いつかが俺のクラスメイトを殺したのだ。
 理由は、その日にクラスメイトと喧嘩した事に対しての愚痴を、いつかに聞かれてしまった為。
 俺の、声を震わせながらの問い掛けに対して、いつかは『どうして? お兄ちゃんの為じゃない』と笑っていた。
 それは、見ているだけで心の底まで冷え切ってしまうような、底知れぬ物を秘めた笑顔。
 
 ……あいつが殺されてしまったのは俺の所為だ。俺の責任だ。俺が殺したような物だ!
 このままでは、いつかは『俺の為』に次から次へと”それ”を使って、殺し、命を奪い続けていく事だろう。
 そうなってしまう前に、俺が、いつかを止めなければならない! 兄として、そして人として。
 ……そして、いつかが完全に人間である事を止めてしまう、その前に。
 (この行以降はページに付着した大量の血痕によって判読不能となっている)

 (……そして、この日記の主である兄と、その妹の行方は未だに不明となっている)
 ―――――――――――了――――――――――――

32 :
>>30を見ている内にささっと書き上げた。反省している。

33 :
>>19
>>24
>>28
やらかしてみた。
ttp://loda.jp/mitemite/?id=1391

34 :
これはいい!
雰囲気出てるし、すげえ合作っぽい

35 :
>>30>>31 乙ー
うわぁ、なんか凄いことになってる。
これがヤンデレか……

36 :
>>30
シリアス成分が揮発してしまった!
http://loda.jp/mitemite/?id=1392

37 :
ヤンデレの妹がなんとかかんとかで眠れない!

38 :
h抜き忘れた

39 :
ここってもうテキトーにガンガン乗っかっていっておkな感じ?

40 :
むしろガンガン乗っかってもらわんとスレが盛り上がらん

41 :
28と36は俺なんだが、今のところテキトーに乗っかってお叱りは受けてない

42 :
動画もSSもきてるすげえ失禁しt
>>36
oi おい みす いいぞもっとやれふきだした
色んな方向に、テキトーにガンガン乗っていった方がやり易いし、すごく
面白いと思う。自分も絵と漫画しか投下してないし…('∀`)ハハハ

43 :
おk。うまそうなエサ来たら食いつくw

44 :
>>36の裏
ttp://loda.jp/mitemite/?id=1397

45 :
クリムゾンヘッドはGCバイオのゾンビを放置したら現れる強敵です。
本来は頭がないと復活しないので、安心してください(?)

46 :
>>30
出遅れ感もあるけど、わっちき視点で書いたから、いいか!!
しかし、ヤンデレ怖い!

47 :
「あ」
血腥い。滴る血液を恐れもせずに、いつかは家に帰って来た。
己の血?けがれに歯向かうことなく、息もしない頭と共に妹はなにごともなく我が家に戻ってきた。
「……い、つか……」
ぼくの冷え固まった体中の血液を不思議に思ったのか、いつかはきょとんと小首を傾げる。
ただ、手にした生首は首筋からどす黒い血液を吐き続けていたのが、いもうとの仕草に不釣合いでもある。
まるでかわいがってきたぬいぐるみと同じように、血色を欠けた人間の首を無造作に扱う。
その人間はつい、きのうまでぼくに関わってきた人間だった。ふと、いつかの周りには刃物が浮かんでいるように見えてきた。
ふわふわと、冷たい刃物の光は幻想ながら非常に現実的だ。それはいつかから伸びている線のようなものに繋がって、そして操られ。
「いつか!お前、なにして」
「なにって、お兄ちゃんがこの人のこと嫌ってたからころしたの」
Rって。簡単に言ってくれるな。ソイツは二度と笑うことも、好物を食べられることも出来ないんだぞ。
確かにきのう、ソイツの手によってぼくが命を落としそうになった。だが、いつかの手によってソイツをほしいままにしていいのか?
いいのだ。いいんだよ。世間が許す。法律が許す。けっして、そのことを誰も咎めることはしない。いい時代だろ?
ぼくの知る、あどけなくも素直ないつかが色あせる。素直ないつかは素直すぎて純粋すぎる。
「もういい!そんな事もうしなくていいって、言ったはずだろ!」
「どうして?」
一歩近寄るいつかは、ぼくの言うことを拒否し続けた。多感な時期が裏目に出る。
法律。掟。決まりごと。
訴え。裁き。
罪。罰。償い。赦し。
命乞い。そして、復讐。
オトナが勝手にきめたこと。どうしてこういう決まりなんか創った。
偉い人、威張りん坊、権力者、独裁者、平等の天秤と復讐の剣、罪刑法定主義。
堅苦しい言葉が決めたことだからしょうがない、と納得すればいいのだろか。
でも、わからない。真実を知りたい。この世が許した本当の正義を。

48 :
―――うちに帰ると、妹のいつかがいなかった。
きのうから姿を見ない。何処に行ったのだろう。心配が心配を呼ぶ。
いつかのそばにいたのは、一緒に街でウインドゥショッピングをしていたときのことだった。
秋のブーツに目を輝かせる姿は、お年頃の女の子そのまま。「お兄ちゃん、アレ買ってよ」とおねだりすると、
ぼくは決まって「父さんに頼めよ」と軽くおでこを指で跳ねる。いつかは嫌がることなくぼくの腕に絡まるのだ。
ぼくの妹は異様にぼくに懐く。それが不安材料にならなければいいのだが、それを目の当たりにする恐怖がやって来る。
甘い時間は続かない。すれ違いざまに肩に触れた不良二人組みがぼくらを呼び止める。
見覚えのある二人。噂は聞いている。よその学校のワルだ。ちょっとした有名人。「関わりたくないよなあ。あーヤダヤダ」
と、ぼくらの間では嫌われものだった。不良AとBは、ぼくらには分からない因縁をつけて、いきなり胸倉を掴んできた。
「謝らないなら、きさまRぞ。マジで」
不良Aの文字にするにも汚れた言葉が体を冷やし、不良Bへ指図する声が薄っすらと聞こえる。
いかつい不良Bの目はもはや人間ではなく、血を好む獣。ぎらりと鈍く光ナイフが不良Aの懐から見える。
「イタッ……。イテテテテッテ!クソアマ!」
襟元が緩む。地面に投げ出される。手を出してきた不良Bの手首に、いつかの歯が食い込んでいるのが見えた。
「……ず、ずらかれ!やばいぞ、このオンナ!!目が本気だ!」
「お兄ちゃんをこまらせるやつは、ぜったいにゆるさない!」
立ち去ろうとする不良二人組みの腕に噛み付きながら、いつかは路地に消えた。
いつかを引き離そうとぼくが呼ぶと、こともあろうに街中のオトナというオトナがぼくを無視する。
その中には警察官も居たような気がした。そして「いい世の中になったよなあ」と呟く老人の姿が目に焼きついた。
ぼくは「この世は、なんだか違う」と感じ始めていた。
その晩、いつかは不貞腐れた顔をしてうちに戻ってきた。フリルのついた袖を通した腕からは、ほんのりと血の香りがした。
「そ、そんなことはするな!」
「……わるいことなの?ねえ」
胸を張って答えられない世の中。
そして「もう一匹はぜったいにゆるさないの」と、冷たい声で呟き再び表に出て行ったきのうの晩。
それから、きょう。いつかは不良Aの首を携えて、うちに戻ってきた。
生々しい首。血腥さが玄関に漂う。そして、いもうとの声。
「なにって、お兄ちゃんがこの人のこと嫌ってたからころしたの」

49 :
いつかが選んだ不良Aへの裁きは『死』。不服申し立ては一切無用。
ぼくのため。いつかのため。みんなのため。よのなかのため。
刑法35条の2「復讐の正当性」
1 三親等以内の者の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避ける為、若しくは復讐する為、
個人の判断によってそれ相当、必要ならばそれ以上の私的刑罰を与えることを得る。
2 それを全て正当行為と看做す。
早い話が、この国が復讐を認めたことだ。
そりゃ、いつかのやったことを誰もが誉めてくれるのはこの時代なら当然だ。
両親も、学校の先生も、知人知り合いもいつかのことを誉めていた。
「いつかの欲しいもの、なんでも買ってやるぞ。洋服か?携帯か?」と、父が尻尾を振る。
「アイツ、殺されて当たり前だよなあ」と、クラスメイトが冷ややかな笑い。
たしかにアイツらは彼らの学内、学外でも鼻つまみにされていた札付きのワルだ。口にしないもの、影で疎ましく思っているものも多い。
だが、いつかのやったこととは次元は違う。「いつかちゃん、校長から表彰されるんだってね」と、クラス委員がささやく。
狂ってる。気違い染みている。法律が正しいなんて、理解が出来ない。
六法全書がいくら権威を誇っても、ぼくの理解の範囲を超えることは違いない。
ぼくにだって、正義がある。しかし、ホンモノの正義かどうかの自信はない。
こんな時代を許したオトナたちが憎い。
友達や両親から頭をなでられ、自分のしでかしたことを分かっているのかどうなのか。いつかがどんどんぼくから遠ざかる。
だが、これはこの国では当たり前。アイツは殺されて当然、と国が認めたものと同じだ。
ぼくは、戸惑う。国の決めたことって、本当なのか。
そして。命が消える。法律の名の下で。
「だって、みんなが……お兄ちゃんが、喜んでくれるんだもん」

おしまい。

50 :
非日常のなかの日常って、怖い。
投下おしまい。

51 :
しかしそれは民法の私的自治の禁止と関わって憲法解釈が云々
妹ちゃんスゲェ怖いなぁ

52 :
司法判断を完全に国民に丸投げしたら、何のために国があるかわからんわな

53 :
細けえこたぁいいんだよ!

54 :
重大な事だろw

55 :
正統派ヤンデレと、ヤンデレを肯定する世間か
同じシーンでも背景変わると印象かわるんだな
そして漫画は独自路線すぎるwいいぞもっとやれw

56 :
最近の私はどうかしている。
気がつくと、例の部屋の前に居る。
やめておこう。
いや、でも、少しだけ。
しかし……。
そうだな……少しだけ、少しだけ。
私は部屋の前でウロウロし、内なる声の逡巡に惑いながら、
結局は指紋認証と虹彩認証で鍵を開け、その部屋の中に入るのだった。
扉を潜ってもまだ室内ではない。
扉の向こうには前室があり、銀色のジャンプスーツみたいな通称グレイスーツがロッカーに収まっている。
それを着込んで、エアシャワーを浴びる。
それが終わると漸く前室と部屋の扉が開き、中への道が完全に繋がる。
私は鼓動が高まっているのを感じた。
まるで変質者だ。
そうやって自嘲してみるも、鼓動は更に高鳴るのだった。
まさに変質者だ。
静謐な室内は暗く沈んでいる。
蛍光灯やダイオードの発する微弱な熱さえ遠ざけねばならない理由がその部屋にはあった。
氷点下に保たれたその病室の中心に、青白い光を浴びて薄く輝く少女が居た。
いや、此所には居ない。
ずっと、ずっと昔から、ずっと昔に止まっている。
極度に体温が低いという60億分の1の奇病を患い、未来に治療の希望を求め、停止を続ける少女の部屋。
眠っているようでもあり、死んでいるようでもある。
肌は、見ているこちらまで凍り付きそうなほど白く、その下には灰色の血管が透けている。
……まるで。
私は不謹慎にも、この少女を、もはや病院の所有物のように、備品のように考えてしまっていた。
それどころか。
……まるで、“生きている”みたいだ。
手を伸せば届く。
タンパク質を停止させるこの光線も、常人ならしばらくは耐えられる。
その頬に、灰色の血管が透ける首筋に、触れたい。
触れてみたい。
ただ、彼女の肌に降りた霜を、払うだけ。
ただ、撫でるだけで良いから……。
私は指先を凍える停止の蒼光の中に。

差し延べる直前で、止めた。
止まれる少女を眺め、私は室内を出た。
私がこの院に研修医として来た時、既に彼女は止まっていた。
私が結婚しても、子供が生まれても、院長になった今も、変わらず止まっている。
代々の院長が、彼女のカルテを書き留めている。
彼らは彼女を残して院を去ることに、未練は無かったのだろうか。
私はあと1年ほどで死ぬ。
現代の医療では直せない病気、という奴だ。
進行性アルツハイマー。
もはや時間を止めてまで助かりたいと考えることは出来なかった。
院長室の荷物をまとめながら、ただひとつ忘れたくない記憶として、
止まれる彼女の灰色の血管を瞼の裏で撫でることしか、忘れゆく老骨に赦される慰みはないのだろう。
終わり

57 :
>>19を見守る何代目かの医者目線ということで

58 :
このロリコンェ……

59 :
そろそろ寝ようやw

60 :
>>56
オカルティックに乗るぜ。

61 :
 彼女は待っていた。
 長い年月を経ても、その身体は今だに氷のように冷たいままだった。
 閉ざされた空間の中で、魔法陣と医療システムに守られた彼女の身体は、まだ復活の時を迎えて居ない。
 だが、最近ではある変化が起き始めていたのだ。
 定期的な体温の上昇である。
 非常に小さな変化だった。体内のほんの一部が、一℃から二℃、数分間だけ上昇する。本当に小さな変化ではあったが、今まで時を止めていた彼女には大事件なのだ。
 悠久の時を経て、医学的に彼女を治療する事は出来なかった。
 その間に医療は劇的な進化を遂げ、遂には死者を歩かせる程に到達した。だが、それでも彼女の症例には手も足も出ずに居たのだ
 医師達は困惑したが、彼らは根本的な事を理解出来ずにいた。
 彼女は、まだ「誕生していない」のだ。
 彼女はトンネルの中を進んでいた。
 正確にはまるで別物だが、そう表現するしかなかったのだ。長いチューブのような物を突き進み、やがて辿り着くは、無限の宇宙の先の場所。
 争っていた。そこに居た二人は、無限の敵愾心を持って闘っていた。
 時代は二千九百九十七年。
 人類は新たな千年を迎えようとしていた。
 彼女は本来、この時代に生まれる予定だったのだ。だが、少しばかり早く生まれ過ぎたために、生命の本質的な部分が抜け落ち、結果、医療では対処不能の奇病を患ってしまった。
 抜け落ちた物。それは、魂の欠落である。
 結果として彼女は「生きて」はいない。肉体が現し世に存在し、脳のシナプスがファイヤーダンスを踊り、意識を得てもなお。
 彼女はまだ、人間として未完成なのだ。だから彼女は、生きてはいない。死んでもいない。
 宇宙の先で争う二人の決着は、間もなく付くはずだ。次の千年を賭け、彼女の魂となるべく。
 また彼女の体温が上昇して行く。リバースデーは近い。肉体は、それを察知して居る。
 目覚める時、彼女に宿るのは天使か、悪魔か――

62 :
トリ忘れた

63 :
なんか一気に話のスケールがでかくなったなw

64 :
こんなんしか出来ない……。

65 :
エサをくれ……!

66 :
視界には自機体の位置情報と航行速度と環境情報と、
討つべき敵の位置が目まぐるしく変化する数字の羅列で表されている。
彼我の間隔が近い。
計器に視線をやると、光速を表すCが15倍されている。15C。
インタラクティブアーカイブでみたあのビックバイパーの僚機ロードブリティッシュの3倍の機動性能だ。
秒間299792458m×15倍の速度での航行中において接近は双方に取って宜しくない事態をまねく。
星の数ほどある操作パネルを視線認証で動かして敵機に斥力線を放射。
重力レンズに乗せて曲線軌道からの照射だったが、ヒッグス粒子線によって中和されているようだ、被我は迫る。
閃光。
エーテル陥穽に潜航して移動するA.C.C航法の自機は軌道を暫時変える事が出来ず、
軌道を捕捉されることは背後から銃を突き付けられることとなんの違いもない一大事だった。
チェックメイト。
王手。
ビンゴ。
一本。
軌道を読み切ったあちらの機の搭載員は既にそんな風な感嘆符付の嬌声をあげているかもしれない。
僕は舌打ちをして、自爆スイッチを目一杯叩いた。
自機がエーテル界面を劈いて先まで居た宇宙を“巻き取る”光の矢に変わった。
僕が操作していた超光速戦闘機は無限多元平行宇宙のひとつの可能性の寿命を千億年ほど巻添えにして拡散して消えた。

観境内での死による強制ログアウトさせられたときの気持ち悪さは筆舌に尽くしがたいものがある。
激しい動揺が脳味噌をぐちゃぐちゃに掻き回し、
視界が暗いトンネルを抜けた様に遠くの一点から拡大して行き、
集中線とボカシのフィルタを伴ってそれが視界いっぱいに広がると、
漸くいつもの自己領域アバターに戻ることができる。
今回もそのはずだった。
だが、僕は何故か、暗い部屋でスポットライトみたいな青い光を当てられている、
やけにノイズの多い、女性型のアバターに接続してしまった。
というか。
「じ、実体がある?アバターじゃない!」
その日、少女の身体は、未だ眠れる魂を置き去りに、目を覚ました。
2997年。
正確には、2997.92458年。
2997年12月3日午前11時58分15秒。
生まれるべき時を間違え、時空の法則を超越した代償に体温を支払い続けた少女の身体に、
未来の超光速戦闘機のパイロットが接続した。
戦闘機の速度は15c。
少女の歳は、停止したときちょうど15歳。
数理上の奇異な特異点が時空の歪みを足し引きゼロに安定させるべく起こした珍事だったが、
まだ二人の兄妹も、未来からきたパイロットも、そのことに気付く由はない。

67 :
もはや書いてるほうもわけわからねぇw

68 :
エサがハイレベル過ぎるwww

69 :
なるほどわからん

70 :
これを処理出来る猛者は居るのだろうか……?w

71 :
>>19
模写してみますた
先に説明しておくと携帯で撮ってアドビイラレで二値ライブトレスしたら下半分潰れた
けど塗った
http://imepita.jp/20100922/025050

72 :
トラブルらしいけど侵食されてるみたいで面白いかも。

新規素材になるといいな、と。
ttp://loda.jp/mitemite/?id=1417.jpg

73 :
おお!
その絵完成したのか!

74 :
>>72さんにインスピレーションを得て、ショートストーリーを3作投下します。
各々は完全に独立。

75 :
 


76 :

男は、舟に揺られていた。
辺りに見えるのは、どこまでも広がるかのような海と、雲間から覗く月。そして霞みつつある後方の陸。
ただ、波の音、舟の軋む音、風の音、が聞こえない。潮風の匂いも感じない。ただ甘く気怠い空気に包まれ、男は揺られていた。
舟には船頭と思しき女が一人。漕ぎ手は見当たらない。
女は、時折男の様子を伺う以外は微動だにせず、ただ前を向いていた。
だが男は彼女に何の興味も示すことなく、ただ心地の良い揺り篭に揺られていた。
やがて舟が岸に着く。
男は舟を下ろされ、彼の一つの“個”としての意識は薄れていった――


77 :




78 :

「しっかしまぁ、嬢ちゃんもこんな時間に物好きだねぇ」
そう言って船頭はただ一人の客を茶化す。
既に月の魔力が世界を覆い尽くしている時間。普通ならば、舟どころか外を出歩くことさえ憚られる中、こうして夜の舟を出して欲しいと申し出る客は、珍しいが、いないことはなかった。
そういった客はたいてい羽振りが良かったし、大抵の場合並々ならぬ事情を抱えた面々であるので、船頭も詰まらないことは聞かないよう努めていた。
例えフードから覗かれる彼女の顔が、街で見た王族の肖像画に似ていたとしても、彼には関係のない事だった。
舟は静かに水面を滑ってゆく――
「あの、帆先に立ってもよろしいでしょうか」
「……構わんよ。だが危ないから荷物はここに置いていきなせえ」
船頭がこう言ったのは、彼女の荷物をスろうと考えたからではない。もちろん、厚意からでもなかった。
ただ彼女が舟から落ちたときに、助けないだけだ。
足取りの定まらない彼女は、案の定落ちた。
舟は滑るように向こう岸へ進む。
ぱしゃぱしゃという音と悲鳴が、しばらくの間聞こえていた――

79 :



80 :

「やっと…やっと、ここまで辿り着いたわ……」
「ここまで、長い道のりだったにゃあ」
「ほら見て、桃鈴灯がこんなに光ってる」
「この長い旅の、有終の美を飾るには相応しい光景だにゃん」
「うん……綺麗…」
「さて、伝説によるとこの湖の下に例のアレが沈んでるはずにゃ」
「そうよ。これでみんなが助かるんだわ……」
「で、ここまで来たはいいけど、どうやって取るのにゃ?」
「どうやってって、決まってるじゃない」
「にゃ、にゃにかにゃあ、その視線は……にゃあちょっとムズ痒いにゃあ……」
「どうしてあなたを旅のパートナーに選んだのか、今ここで教えてあ・げ・る(はぁと)」
「ぎにゃあ!?もう言わずとも大体想像付くにゃあ。というかネコは泳げないにゃよ?にゃあはネコなのに犬死にかにゃあ?」
「あー、それそれ、今まで黙ってたんだけど、あなた実はネコじゃないから」
「にゃ、にゃんですとーーーー!?」
「じゃあそういう事で。行って、らっしゃーーい!」
ポーン
「うにゃあああああん」
「さよなら。月に重なったあなたの姿は忘れないわグスン……(いい土産話になるからね)」
「勝手にRにゃああ!本気で7代祟るにゃよ!」ゼェハァ
「あら早かったわね。それで?例のアレは?」
「………………ほらこれにゃ」
「えらーいさすがー、あなたなら絶対やってくれると思ってたわあ」ナデナデ
「なでるにゃあああああ納得いかないにゃああ!」
――
「こうして一人と一匹の勇者は、無事例のアレを持ち帰る事が出来ましたとさ。めでたし、めでたし」
「にゃあ的にはぜんぜんめでたくないにゃあ!」

81 :

以上です。

82 :
乙。畜生、先にやられたぜw

83 :
それは、一艘の木の葉舟だった。
一人の女が、灯と杖を持って、夜の海に浮かんでいた。
満月の夜、水面が、つうっ、と平らかな時間。
女は、静寂に沈んだ昏い海に歌う。
ランプにともる碧い光は、力を失った灯の精霊。
それが、海に帰って行く。
女は歌う。
労うように、慈しむように。
まるで聴くものの心根を撫でるような、伸びやかで暖かな声だった。
やがてその、撫でるようだった愛撫の歌声が、激しさを増して行く。
調子が高まり、声が音の階梯を駆けてゆく。
声音は音律に詞の魔力を纏わせ、海の精霊を楽しませた。
紅の夜光虫が、灯の精霊が、調子に誘われ、歌声に魅せられ、木の葉舟に集い始めた。
興がのったのか、女は、羽織っていた外套を取り払った。
女の背中には、人には有り得ない、異形の羽根が生えていた。
しかしそれは、風切り羽を切り揃えられた、飛べなくされた、飼われている羽根だった。
女は人に飼われる異形の亜人、ハーピーであった。
船を沈める、死の魅惑を秘めた歌声のハーピーは、人に恐れられた。
人は、恐れを抱く対象を、徹底的に支配することで、恐れを克服する。
克服されたハーピーは、人の様に振る舞うことを強制された。
ランプに、灯の精霊を詰めて売り、人のように暮らした。
一艘の、木の葉舟しかいない、静かな夜。
女は一人で、歌声を奏でる。
その姿は、羽根は飛べなくとも。
鏡のような海に、月の浮かぶ、深淵の空が映れば。
境界が曖昧な、海は空と繋がり、二つの月が浮かぶ空に。
自由な鳥が舞っているようだった。
終わり

84 :
なんか、悲しいリュミヌーになったw

85 :
>>72で書いてみた。

86 :
「先輩、ぼくの話を聞いてくれますか」
後輩の治樹の声を耳にして、副部長のちさとは長い髪を秋風に乗せていた。秋が来てしまうのを惜しんでいるようでもある。
小さな天文部の部室の中、流石に窓を開け放しておくのは寒い。ちさとが窓ガラスに近づくと、薄い影がほんのりと映る。
「うん、ちょっと待ってて」
ぴしゃりと窓を閉じて秋めく空を眺める少女の後姿は心なしか寂しく映る。
今年の夏の合宿で高原へみんなで出かけた。夜空がきれいだった。子どもの頃に見た、金平糖のようだと思った。
そんな写真アルバムを一枚一枚捲って、治樹はちさとの夏を思い出す。ちさとの夏は戻らない。
もう制服も秋色。カーディガンが大人っぽく、細いちさとを包みこむ。袖からちまっと覗かせる手が先輩を少女に戻す。
華奢といえば華奢。まだまだ九月も入ったばかりなのに、ちさとは肌寒そうな顔をしてやまなかった。
「なあに。お話って」
「夢を見るんです」
「わたしも見るよ」
「いや。ぼくは、毎晩同じ夢を見るんです」
治樹の言葉で空気がすっと色がつく。
「月の出ているきれいな夜なんです。雲から掻き分けるように差し込む月明かりは、まるで神さまが俗世間を見下ろしているようでした。
ぼくは舟に乗っているんです。舳先が大きく弓のように曲がった舟、それが遠浅の海に浮かんでゆらりと揺れているんです。
そして、ぼくはそこから海を眺めていると……蛍のような光がふわふわと、澪引く舟の周りに集まってきたんですよ」
静かに椅子の脚を軋ませて、ちさとは治樹の右斜めの位置に椅子を移動させて腰掛ける。
長い髪をそっと撫でて、ちさとは治樹の話に興味深く耳を傾ける。
「一人で乗ってるの?」
「いいえ、舟に乗っているのはぼくだけではありません。ぼくの後ろには一人の……女の人が立っているんです。
真っ黒なローブに包まれて、不思議なランプを手にしてて。そして釣竿のように長い杖の先に小さな明かりが灯されていました。
ぼくが『見てくださいよ!あんなにきれいな光の珠がたくさん!』って、彼女に伝えようとしても……」
ふと、治樹はちさとと目を合わせるのをためらった。自然と。

87 :
「出来ませんでした。彼女は光の珠の群れを恐れているようでした。背中を向けて、すっぽりと体を覆うローブで光を避けるように。
もしかして、手にしているランプは光の珠を脅かす為に持っていたのかもしれませんね!!」
ちさとは余りにも治樹が熱を込めて話すので、くすっと頬を緩めてしまった。だが、それをも気にせず話を続ける。
「でも、ぼくが彼女にそのことを伝えられない理由は……えっと」
「あら。理由って?」
「ぼくが仔犬だったからです」
今年の夏の合宿で高原へみんなで出かけた。夜空がきれいだった。
だが、ちさとは見られなかった。夏風邪に祟られたのだ。夏の夜空に、ちさとは近づくことが出来なかったのだ。
一人宿舎で寝込むちさとを案じて、治樹は付き添ったのだが、ちさとは「せっかく来たから、みんなで夜空を楽しんでね」と、
治樹を金平糖の降り注ぐ甘い夜空へ突き飛ばしたのだった。布団に包まるちさとの姿が目に焼きつく。
言えなかった。伝えたくても、伝えられなかった。
ぼくが仔犬で無かったら、光かき消すランプを海に放り、全てを包むローブをそっと外して、小舟の上で光の珠を見つめられたのに。
仔犬だったから。ぼくは言葉を知らない、そっと側にいるだけの無力な仔犬。
「先輩に……」
「なあに。はーるきくん!」
「なんでもありませんっ」
アルバムを閉じて「『夜空を見せたかった』って、なんか言えない!」とちさとの視線をかわす治樹は、
小舟に乗ったようにゆらゆらと少年の純真が揺らいでいた。
今夜もきっと、あの夢を見るんだろう。

おしまい

88 :
投下おしまい。ですよ。

89 :
乙です

90 :
色夢になりそこねましたなぁ

91 :
皆乙ですー
同じ絵が元なのにいろんな方向に広がるねえ。面白い。

92 :
絵から小説にって言うのは多数見かけるけど
小説を漫画にしてみたいって言う人はいませんか?
漫画にして欲しい小説があるんですが

93 :
漫画は作業量が多いからね
相手のジャンルを指定するなら絵師募集スレのほうが目に留まるとおもうよ

94 :
このスレだと「もとの作品がどんなベクトルに向いてもOK」みたいな
自由度あるしね。元作品からの指定多くて自由度少ないなら
>>93のスレもあるよ。

95 :
>>93-94
thx
そこ行ってみる

96 :
放置しすぎage

97 :
うむ

98 :
あがれ!

99 :

"うんち・おならで例える原発解説"の最近作を製作するスレ 14Bq
http://yuzuru.2ch.sc/test/read.cgi/mitemite/1306046832/

100 :
kitai


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