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Karakuri Maiden


1 :2011/05/14 〜 最終レス :2018/10/17
前々スレはクライシスで、前スレは容量オーバーで落ちました。
何はともあれ、【からくりメイデン】三度の開幕でございます。
前スレhttp://speedo.ula.cc/test/k.so/yuzuru.2ch.sc/mitemite/1283744105/606

2 :

     |┃三          /::::::::ハ、\、::::::::\\::::::::::::', 
     |┃            i:::::::イ  ` ̄ー─--ミ::::::::::::|  
     |┃            {::::::::|    ::\:::/::::  \:::リ-}
 ガラッ. |┃            ',::r、:|  <●>  <●>  !> イ 
     |┃  ノ//        |:、`{  ` ̄ .::  、      __ノ 
     |┃三          |::∧ヘ  /、__r)\   |:::::|    
     |┃            |::::::`~', 〈 ,_ィェァ 〉  l::::::》     
     |┃            |:::::::::::::'、  `=='´  ,,イ::ノノ从
     |┃三         ノ从、:::::::::`i、,, ... ..,,/ |::::://:从


3 :
スレ立て有り難うございます。
なお、当スレに出てくる登場人物の大半は18歳以上でございます。(ドール含む)
もう少ししたら一話前から再開します。
投下予定日(昨日)に投下出来なくてスミマセンでした!!


4 :

予告

「貴方が見るのは地獄よドットーレ!!」
倒す……大切な“彼女”の為に、全てを棄てようとも、倒す!!
「見せて貰いたいものだな……地獄というものを!!」
壊す……忌々しい“あいつ”に似ているから、全てを否定し、壊す!!
最凶のドール対最凶の自動人形……
人形を破壊する堕天使の羽と全てを凍らせる悪魔の手……
血も涙も凍りつく闘いが始まる……!!
          そして…

「私は…本当にジャンクなの……?」

     そ  し  て  ……

「お前はジャンクだよ、スイギントウ……」

 黒 薔 薇 の 処 刑 は 始 ま る !!


【からくりメイデン】ドールズダンス編
第11場〜虐(ぎゃく)〜
只今より投下。
乞うご期待下さい。


5 :

       ブカブカ ドンドン

待ちに待ったはこの瞬間!!
愛しき者を手に掛けた、憎き敵は目の前に!
圧倒的な強さのドットーレに、ルシールの意志を継いだ水銀燈が再び挑む!
憎悪渦巻く狂気を秘めて、『がらくた』(ジャンク)水銀燈が踊るは死の舞踏!
ご存じ、超熱血骨董活劇、『紺碧の手』対『しろがねの羽』の第11場で御座います



6 :

      ドールズダンス〜人形達の舞踏〜
           第11場〜虐(ぎゃく)〜

〜とある場所〜

雪華結晶「アノス、パーティーの状況は……?」
アノス「は、はい…現在薔薇乙女としろがね組は最古の四人の内三体を倒したそ
うです……」
雪華結晶「ケニス、残っている最古の四人はだぁれ?」
ケニス「ド、ドットーレ様でございます。ドットーレ様は現在ローゼンメイデン
第一ドールである水銀燈と交戦をしているそうです…」
雪華結晶「そう……」
アノス「……」ブルッ…!
ケニス「……」ゾワッ…!
雪華結晶「ねぇ、アノス、ケニス……」
アノス・ケニス「「は、はい!何で御座いましょう雪華結晶様!!」」
雪華結晶「ドットーレは黒薔薇のお姉さまに勝てると思う……?」
アノス「も、もちろんで御座います!!」
雪華結晶「最古の四人が三体も倒されているとしても……?」
ケニス「う……っ!!」


7 :

雪華結晶「安心して……2人とも……ドットーレに与えた茨は少し特別……」
雪華結晶「あの茨は、宿主の憎しみを吸い取り、力と怒りを吐き出すの……ドッ
トーレにはその茨を生かせる才能がある……」
雪華結晶「黒薔薇のお姉さまがどんなにいけない羽を武器にしていても…」
雪華結晶「血も凍るような怒りと絶望の前では、それはただの羽に過ぎない……

雪華結晶「 で し ょ う ? 」
  に  こ  …  …

   ゾ   ク   ッ   !!!!!

アノス「も、もちろんで……」
ケニス「ございます……」
雪華結晶「少しここを空けるわ……お留守番をお願い……」ズ…ズズ…
ケニス「あ、あの…雪華結晶様はいったい何処へ…?」
雪華結晶「新しい『お人形』を探して来るわ…」
ドプ…ン


8 :

水銀燈「……」
ドットーレ「……」ニヤニヤ
ドクン…
水銀燈「……」
ドットーレ「くくく……っ」

 ド ク ン … ッ !!

水銀燈「……」バサァッ!
ドットーレ「ははあ……っ!!」パキキッ!
水銀燈「……っ!!」ピクッ
水銀燈「……」タッ
ドットーレ「後ろに下がったか。随分と慎重じゃないか」ニヤ
水銀燈「……」
水銀燈(貴方の力がどれだけイカレてるかぐらい、この血が昇りかけた頭でも分か
るわよ!!)
ドットーレ「そろそろ戦おうぜぇ……。この調子では己がつまらないではないか

水銀燈「それなら……」
水銀燈「お望みどおりにしてあげるわ!!」バアッッ!!

9 :

水銀燈(まずは羽を出す事が最優先。羽の数は多ければ多いほどこちらが
有利になる!!)バササササササ……
ドットーレ「うーむ、ようやくやる気になってくれたか」
水銀燈「あら、動かないの?こうしてる間に私の羽の数はどんどん増えていくわ
よ」バササ…
ドットーレ「これは余裕と言うものだよ水銀燈」ニヤ
水銀燈「そう。じゃあ……」バサササササ…
水銀燈「串刺しにしてあげるっ!!」バサァッ!!
 ビ ュ ン ッ !!
ドットーレ「またこれか、芸のない奴め」スカッ
ドットーレ「こんな羽じゃあリンゴだって撃ち落とせないぜ」
水銀燈「ほざいてなさいッ!!」バサァァァァアッ!!
ビュオオオオッ!!
ドットーレ「なかなかの数の羽だが…己のもとへ届かせるにはまだ足りぬ」パシ
ドットーレ「そろそろ己も動くか……」ピキピキ…


10 :

ビキ……パキッ……!!
水銀燈(私の羽を凍らせ始めた…?一体何をする気!?)
ドットーレ「さて、己の手には凍ったお前の羽が5枚ある。それをどうすると思う
?」
 ポ ー ン …
水銀燈「これは…ジャグリング…?」
ドットーレ「そうだ。己は真夜中のサーカスのジャグラー。どうぞ己の芸を心ゆ
くまで堪能してくれ……」ポーン…ポーン…
水銀燈「ふ、何よ。お手玉するのが貴方の芸なの?」
ドットーレ「わかってないなぁ…水銀燈ォ。己の手はどんな事が出来るんだった
かな?」ポーン…ポーン…
水銀燈「こ、これは…っ!!」
 パ キ パ キ …

水銀燈(奴が凍った羽を宙に投げる度に氷の塊が大きく…!?)
ドットーレ「ようやく気が付いたか。紺碧の手によって強大になった『これ』を
己はどうすると思う…?」ポーン……ガシッッ!!
水銀燈「まずい…!!」
ドットーレ「さあ、お楽しみの時間だ!いくつ当たるかなっ!?」

  ブ  ン  ッ  !!!


11 :

水銀燈「くっ!!素直に当たる訳ないでしょう!!」バサアッ!!
  ド  ガ  ガ  ガ  ガ  ガ  …  …
水銀燈「……っ!!」
ドットーレ「はははは!宙に逃げたか。やるじゃないか水銀燈」
水銀燈(私の羽を…一撃必殺の羽を恐れていない…!?)
ドットーレ「お前の唯一の武器は、いくら打っても届かない。今のやり取りで
力の差が嫌と云うほどわかったろう?」
ドットーレ「だから安心して壊れろ」
 に た ぁ …
水銀燈「このッ!!」ギリッ!!
ーダンッ!!ー
水銀燈「ジャンクにしてあげるわ!!」ドガガガガガッ!!
ドットーレ「ほお、紺碧の手を持っている己に近づくのか。それはなかなか
思い切った決断だな」
ドットーレ「だが……」パシッ
水銀燈(くっ!はや…)
ドットーレ「その程度で一撃をもらってやるほど、己は甘くないぜェェ」
 ド ス ッ ッ !


12 :

水銀燈「う…ぐっ…!!」ミシミシミシ…!!
ドットーレ「ううん。軋む軋む、心地よい音だ。おや?」
水銀燈「ぐ……っ!!」ガクッ
ドットーレ「どうしたァ!?己に地獄を見せてくれるのではなかったのか?」ズガ
ッ!!
水銀燈「がふ……っ!!」バキッ!!
ドットーレ「あははははは!!どうしたジャンクゥゥ」ドガガガガガッッ!!
バキッ!!グシャッ!!
水銀燈「く……ぁ……」ふら…
ドットーレ「もう終わりか。そんな性能で己に挑むとは…」ドゴッ!
水銀燈「うぐぅっ!!」
ドットーレ「やはり貴様は壊れている。お前はジャンクだよ水銀燈ォ!!」
バキィィイィィッ!!
水銀燈「がっ…」
ドゴォッ!パラパラ…
水銀燈「がっ…あぁ…」ズル…


13 :

ドットーレ「弱い、弱すぎるぞ水銀燈!!お前の怒りはこんなものか?」
水銀燈(これだけなワケ…ないでしょう?)ぐぐぐ…
ピキピキ……
ドットーレ「ようやく体の再生が始まったか」
水銀燈(これだけなワケ…ッ!!)ダンッ!!
ドットーレ「ブラーヴォ!素晴らしい。よくぞ立ち上がった。だがなァ…」
ドットーレ「 無 駄 だ !! 」ガンッ!!
水銀燈「……っ!!」ズザザァァッ…
ドットーレ「休憩でも入れてやろうか?水銀燈ォォ」ニヤッ
水銀燈「結構よ…」ゼェ…ゼェ…


14 :

ドットーレ「くくく、いつまで強がっていられるかな」
水銀燈(もう少しで『あれ』が奴の所まで届く…時間にして…30秒……!!)
ドットーレ「どうした?攻めて来ないのか」ザッ…
ドットーレ「これでは初めて会った時から全く進歩してないではないか。ああ、
そうか。お前は『ジャンク』だったからな」ニイ…
水銀燈(挑発に乗ってはダメ…。あと20秒…)
ドットーレ「おい、何を突っ立っている?己はお前を馬鹿にしてるんだぜ。お前
には誇りもないのか?」
水銀燈(10秒…ッ!!)
ドットーレ「最低だな、どうやらお前は薔薇乙女で一番弱いようだ、水銀燈ォ…

水銀燈「…ッ!!」ギリィッ!!
ドットーレ「はははは!!睨むだけじゃなくて反撃してみろ!!ジャンクの水銀燈ォ
…」にたり…
水銀燈(耐えるのよ!!耐えて耐えて耐えて……)ブルブル……
水銀燈(あいつを地獄に叩き落としてやる!!!!)
ドットーレ「反応がないと、つまらんな……終わらせるとするか」ビキビキビキ
…ッッ!!
水銀燈(3…2……1…!!)
水銀燈( 今 よ ッ !! )


15 :

水銀燈「足下を御覧なさい、お馬鹿さんッ!」ス…ッ
 バ ゴ オ ッ !
ビシュシュシュ……
ドットーレ「地中から羽が!?先程のやり取りの中で地面に忍ばせていたのかっ!!

水銀燈「驚いてるヒマは無いわよッッ!!!!」
  ズ  ド  ド  ド  ッ  !!!!
ドットーレ「だがァ…」ニヤッ
バシバシバシ!
ドットーレ「こんな羽がお前の切り札か?つまらんぞ…!!」ガシィッ!!
水銀燈(くっ!予想してたわよそれぐらい。本命はこっち!!)くいっ…
ドットーレ「何!?後ろからも!?」
水銀燈「貴方の紺碧の手はその手を開いて初めて威力を発揮するッ!!今の奇襲で
手が塞がってる貴方にこの数の羽が避けられるかしらッ!?」
   ギ   ュ   ン   ッ   !!!!!!!


16 :

ドットーレ「スイギントウ、貴様ぁ……っ!!」
水銀燈(一撃……。そう、一撃!!刺さらなくても、かするだけでもいい。その一撃が当たればっっっ!!)
 ズ ド ド ド ド ッ !!

  ズ  ド  オ  ォ  ォ  ォ  ! ! ! ! !

水銀燈「……」
水銀燈「地獄でルシールに懺悔しなさい…」
「ククク…それはできぬなァ」ふ…っ
水銀燈「なっ!?」
  ガ  シ  ッ  
水銀燈(マズイ!!羽を捕まれ…)
ドットーレ「  紺  碧  の  手  」
ビキビキビキ…………!!!!

  パ  キ  …  ン


17 :

水銀燈「く…っ!!羽が…」ピキ…
ドットーレ「これで忌々しい羽使えなくなった。ようやく話ができる…なァ…?
水銀燈…」ニヤ…
水銀燈「どうしてっ!!確かに今の奇襲で貴方の手は封じたはず…!?」
ドットーレ「誠に残念ながら手というものは2つあるんだよ」ゆらぁ…
ドットーレ「お前が小細工を弄していたのは感づいていたぞ。だが、何故この己
がわざわざそんな手に乗ってやったと思う?」
ドットーレ「お前を絶望させる為さ」ニヤッ
ドットーレ「最高だったぜェェ、プライドも捨てて必死に挑発に耐えてるお前の
顔はなァァァァ!!」
水銀燈「なめるんじゃないわ!!羽が使えなくたって諦めるもんですか!!」ダンッ!!
ドットーレ「おっと」パシ……
パキキッ!!
水銀燈「あぐ……っ!!」ドサッ…!
ドットーレ「これで足も凍った。次はどこを凍らせて欲しい!?顔か?腕か?」
水銀燈「くっ……!!」
ドットーレ「お前は相変わらず弱いな、スイギントウ…」
ドットーレ「まあ、絶望したカオを見れた分お前との戦いは少しは楽しめたがな
。それに比べてルシールは最低だったよなァ〜最期まで済ましたカオをしやがっ
て」
水銀燈「……」ピクッ


18 :

ドットーレ「でもな、あいつがあの仏頂面を崩した時があったんだよ。それは
いつだと思う?」
ドットーレ「己があいつの息子の首を撃ち落とした時さ!!あのルシールが叫ん
だんだぜェェ!?笑えるよなァ…」
水銀燈「黙りなさいドットーレ!!ルシールを侮辱するのは許さないわっ!!」
ドットーレ「おやァ、珍しい。今まで冷静だったお前がこんなに感情をむき出
しにするとは……」
ドットーレ「くくく。けどなァ……そんな事を言われると、もっともっと苛めて
やりたくなるよなァ〜」にやぁ…
ドットーレ「『しろがねの血』なんて言う大層な武器を持っていながら、結局ル
シールもお前も己に一撃さえ入れる事は出来なかった。信じられるか?たった一
撃でさえだぜェ?」
ドットーレ「全く…契約者もドールもクズだ。いや、ジャンクだったなぁ!!あは
ははは!!」
水銀燈「黙れッ!!黙れェエェェェェェ!!!!」ベリベリベリ……ッ!
ドットーレ「はははは!!無理に動くと羽が破けるぞ」
水銀燈「R……ッ!!殺してやる……ッッ!!」ポタタ…
ドットーレ「ははは、結構、結構。んん?そうか、この羽はルシールがお前に与
えた物か……」
ドットーレ「……」ニヤッ
ドットーレ「なァ、スイギントウ。その羽はボロボロだ。もういらないだろ……
?」
水銀燈「貴方……まさか……っ!?」
ドットーレ「 剥 が す の 、 手 伝 っ て や る よ 」

   ベ   リ   ッ

水銀燈「あ………」
ベリベリベリベリベリベリ……!!!!!
水銀燈「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!」
ブシュウウウ……


19 :

 ベ リ ベ リ ベ リ ベ リ ベ リ ベ リ !!!!!!!!!!!

ドットーレ「あははははははははははははははは!!!!!!!」ぐっ!!
ブチ……ン

水銀燈「あ……がぁぁぁ………っ!!」ズキッ!!ズキッ!!ズキッッ!!

ドットーレ「ふうん。これがルシールの残した羽か」ぶら……ん
ドットーレ「 下 ら ん な 」グチャッ!!
水銀燈「……ッッ!!」
ドットーレ「何が『ルシール』だ?何が『メグ』だぁ?クズなお前なんかが頑張
っても意味はないんだよ!!」ぐり…
水銀燈「ドットーレ……」
ドットーレ「おや、こんな羽でも足拭きには使えるな」ぐりぐり…
水銀燈「ドットーレ……ッッ!!」
ドットーレ「よろこべ、水銀燈。お前の羽はただのゴミではないみたいだぞ」ニ
ヤアァ
水銀燈「 ド ッ ト オ ォ レ ェ ェ ェ ェ ェ ェ ! ! ! 
! ! ! ! 」


20 :

ドットーレ「くくく、いくら足掻いても無駄だ。お前はおしまいなんだよ!!」
水銀燈「この……っ!!」
ドットーレ「ははははは!!無様だなぁ、スイギントウ!!」
水銀燈(私は…コイツに勝てないの?)
ドットーレ「あははははははははははははははは。なかなか良い顔になってきた
じゃないか。スイギントウ」
水銀燈(どうして、私は……)
ドットーレ「はははははははははは!!!!!」
水銀燈(どうして…コイツに勝てない……っ!?)
水銀燈(私は誇りも感情も棄てたのに……っ!!)
水銀燈(どうして…奴は笑っているの……!?)
水銀燈(どうして…私は……)
ポタッ


21 :

ドットーレ「ん?お前、泣いているのか!?己に地獄を見せてくれるのではなか
ったのか!?ええ!?」
ドットーレ「答えてくれよォ…なァ!?ジャンクのスイギントオォ……!!」
水銀燈「……」
水銀燈(ねえ、メグ、ルシール……)
水銀燈(ここまでやって……こんなにまでなって……奴に傷ひとつ付けることの出
来ない私は……)
私は……
水銀燈「 私 は … 本 当 に ジ ャ ン ク な の … … ? 」
ドットーレ「……」ニヤッ
ドットーレ「 お 前 は ジ ャ ン ク だ よ 、 ス イ ギ ン ト
 ウ 」
水銀燈「……」
ポタッ……
水銀燈「……」ポロポロ……


22 :

ドットーレ「さてさて、観客の皆さま…」ガシッ
水銀燈「……」ぶら……
ドットーレ「誇りも、笑顔も捨て復讐を誓う。そんな少女の結末とはぁ〜〜?」スッ

  ヴ  …  ン

ドットーレ「    絶    望    …    だ    」

水銀燈「……」
パキキ…ッ…!!
ドットーレ「ははは!絶望しろ水銀燈!!!貴様は欠陥品だ!!ジャンクだ!!」
水銀燈「……」
ピキキ…パキキ…
ドットーレ「あはははは!!!!」
ごめんね、ルシール…
ドットーレ「はははははははははははははははははははははははは!!!!!!
!!」
ごめんね、メグ…

水銀燈「ごめんね、ごめんね……」ポロポロ……
ドットーレ「ふはははははははははははははははははは!!!」

 「だまれよ、ドットーレ」
ドットーレ「は…?」

     ド     ゴ     オ     ッ     ! !
! !

23 :

ドットーレ「ぐおおおおおおお!?」ズザザザザザザザッ!!
水銀燈(だ…れ……?)
???「何とか間に合ったみたいだな」カツ…カツ…

 「こんな所で諦めるなんて君らしくないんじゃないかな、水銀燈」
 ズ バ ア ッ !!
  バ  キ  ィ  ン  ッ  !!

パラパラ……
水銀燈「え…!?」

???「今夜は思いきり暴れていいよ。レンピカ、スィドリーム」カツ…

水銀燈「あ、あなた達…」
 鳴 海 ・ 蒼 星 石 「 … … 」

     ザ     ン     ッ     ッ     !!!!



24 :

ドットーレ「殴られたのか……己は……!?」
ドットーレ「己は今…………人間なんぞに殴られたのか………!!?」ブルブル
……
ドットーレ「 き… 貴 様 等 ァ ァ ァ ァ ! ! ! ! 」
ドットーレ「貴様が己を殴ったのかッ!?人間の分際でこの己の顔を殴ったのか
ッッッ!!?」
鳴海「それがどうした!!もっと殴ってやるよドットーレ!!」
蒼星石「ドットーレを倒すよマスターッ!!」
鳴海「おおッ!!!」
鳴海「おれの仲間を笑ったヤツを…ッ」
蒼星石「僕の姉を泣かせたお前を…ッ」
鳴海・蒼星石「 絶 対 に 許 す も の か !!!! 」

     〜からくりメイデン〜



25 :

      ブカブカ ドンドン

わずかな希望を砕くのは、絶望的な力の差……
身も心も傷ついて、黒薔薇が折れしとき、遂に来たるは怒りし姉妹と頼れる男!!
仲間という名の希望を燃やし、『薔薇乙女』(ローゼンメイデン)水銀燈が踊るは
絆の舞踏!!
ご存知、超熱血骨董人形活劇!悪夢粉砕の第12場でございます!!


26 :

〜地上、フウの屋敷〜
翠星石「ほっ!……と。よっ!……と」あせあせ
フウ「キミがやらなくてもメイド人形がすべてやってくれるのに……」
翠星石「せっかく翠星石が働いてるのに口出すなです、このピエロ人間!!」
フウ「へえ、あたしはピエロか。それは嬉しいねぇ」
翠星石「クッキー焼いて、掃除して、お皿洗って、ああ忙しい。忙し過ぎて目が
回っちまいますよ」
フウ「その食器はあたしのお気に入りでね。家一件が建つぐらいの値がするんだ。くれぐれも落とさないように頼むよ

翠星石「はいはい、わかってるですよ」ガチャガチャ
フウ「……」
フウ「彼らが無事に帰って来るか不安かい」
翠星石「なっ!!」
ガチャン


27 :

フウ「ほら、落とさないよう言ったのに。どうやら図星かな?」ニヤ
翠星石「そ、そ、そんな事あるわけねえです!!蒼星石たちなら余裕ですよ、ヨ
ユー!!」
翠星石「翠星石の姉妹はみぃ〜んな、やるときゃヤル奴らなんですよピエロ人間!!
蒼星石や真紅なら、例えば……」
翠星石「例えば……そう!きっと世界だって救えちまいますね」
フウ「世界をねぇ……」
翠星石(うっ……。ちょっと言い過ぎたかもです)
翠星石「そ、そういうピエロ人間の世界のヤツらはどうなんですか!?」
翠星石「翠星石が見たところ、イノシシにキザ人間に、カマボコマユゲ……頼り
ねぇったらないですよ」
フウ「そうだねぇ。あたしもキミと同じ『ヨユー』ってやつさ」
フウ「なにせ、彼らも一度は世界を救ったんだからね」ニカッ
翠星石「…………はぁっ!?」


28 :

       ドールズダンス〜人形達の舞踏
          第12場〜【微笑】(びしょう)〜
ドットーレ「ぐ…………っ!!」ゆらっ
「どうしたの?早く立ちなよ」
「立ち上がれなくても俺はぶん殴るけどな」
ドットーレ「こ…の………っ」
蒼星石「僕も同感だ」ジャキンッ
蒼星石「お前の腕も切り落としてあげようか?」
蒼星石「ドットーレ……!!」チャキ

  ド  ン  ッ  !!

ドットーレ「クズみたいな奴らが……っ!!」
鳴海「クズ…か……」
鳴海「何とでも…呼びな、人形」
鳴海「さびついた……声が出るうちにな!」スッ

   ド   ン   ッ   ! ! !

水銀燈「鳴海……蒼星石…ありがとう……」

29 :

ドットーレ「こ……っ」
ドットーレ「このオォオォォオォオ!!!許さんッ!許さんぞォオ!!貴様ァァァ
ァア!!!」
  ビ  リ  ビ  リ
ドットーレ「Rだけでは生ぬるい!!死ぬよりもむごい目にあわせてやるから
覚悟しろ!!!!」
  ヴ  ン  ッ  !!!!!!
バキキ…ビキビキビキッッ!!
水銀燈「ナルミ、蒼星石!!その氷の塊に気をつけて!!」
ドットーレ「特別巨大な物をぶつけてやる………!!!!」ズガガガガガァ…
ビキビキ……ッッ

蒼星石「それは任せたよマスター」
鳴海「ああ」ジャ…キ
ドットーレ「骨ごと砕け散ろォォォオ!!!!!!!!!!!」
ブンッ!!
鳴海「砕けねぇよ、バカヤロウ!!」

 ザ ン ッ !!!

水銀燈(聖ジョルジュの剣……!)


30 :

鳴海「デカイ塊なんざ、この剣におあつらえ向きだ」
ドットーレ「……」
ドットーレ「かかった…」にいっ
ヴンッッ……

  ピ  キ  キ  …  ッ

鳴海「がっ…!?何だ……!?」ゴヒュッ…
ドットーレ「ふはは、呼吸ができなくなっただけで機能が鈍るとは、人間は本当
に脆いなッ!」ピキピキ…
ドットーレ「己を殴った罪は貴様の目玉で贖って貰おうか!!」メキイッ
鳴海(マズ…い……体の自由が……!!)
ドットーレ「代わりにガラス球でも詰め込んでおいてやるよぉ!!」ビュッ!!
鳴海「ぐ……お……っ!!」
水銀燈「ナ…ナルミィィィッ!!」


31 :

  ス  ッ
蒼星石「呼吸なんて僕には関係ないね」
ガキインッ!!
ドットーレ「ちィィィっ!!」
蒼星石(重い……!!そう何度も受け止めはできないか)ビリビリ
鳴海「かはっ…。助かったぜ蒼星石!」
鳴海「おかげで、もっぱつ…」ヒュオオ…
ドットーレ「く……っ!!」
鳴海「 こ い つ に ブ チ こ ん で や れ ら ぁ ぁ ぁ ぁ 
ぁ あ !! 」


    ズ   バ    ァ    ァ    ン    ! ! ! ! ! ! ! ! !


32 :

ドットーレ「う……がぁ……っ!?」ガクッ
水銀燈「ウソ…あのドットーレを…跪かせた…!?」
ドットーレ「ぐ…おお……!?一度ならず二度も己に傷を付けたのか……!!」
ドットーレ「よくも…」ギリッ!
ドットーレ「よくも己にこれ程の屈辱を与えたな……!!」
蒼星石「……っ!!」ピリピリ……
ドットーレ「雪華結晶様…ドットーレは怒りで…どうにかなってしまいそうです
…」
(もっと…)
(もっと怒って良いのよ…ドットーレ……)
(その怒りは…憎しみは…)
(貴方の力になるのだから…)
  ズ  ク  ン
ドットーレ「…………!?」


33 :

ズクン!!ズクン!!ズクン……!!
(さあ、ドットーレ……)
ドットーレ「お……おおおお………!!?」

(全てを……)

ドットーレ「おおおおおおおおおお!!!!!!」

( 壊 し な さ い )

  ズ  ク  ン  ッ  !!

ドットーレ「…………ッッッ!!」
ドットーレ「…………」フシュウウウ……
蒼星石「ドットーレの動きが…止まった……」
鳴海「やったのか!?」
蒼星石「いいや、違う」
ドットーレ「……」

 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ……

蒼星石「最悪の…展開だ…!!」


34 :

ドットーレ「……」シュウウゥ…
ドットーレ「……」
ドットーレ「ふ……」
ドットーレ「ふはははははは!!これが力か!!これが己に与えられたモノか!!」
ドットーレ「素晴らしいぞこれは!!力が次々とみなぎり、迸る!!」めきぃっ!!
ドットーレ「己は負けぬ!!もう、誰も己に触れる事すらできんっっ!!」
鳴海「喋りすぎだ」ふっ
ドットーレ「貴様、いつの間に……っ!!」
鳴海「あばよ」ヒュバッ

 ズ バ ア ア ア ア ン !!

シュウウウ……
鳴海「……」
ドットーレ「……」
ドットーレ「……」ニヤッ
ピキ……パキ……
蒼星石「な……」
蒼星石「何だこれは!?」
パキ……ン


35 :

鳴海「こいつ……氷で壁を作りやがった!!」
ドットーレ「そうか、己の紺碧の手は『こういう使い方』もできるのか」スッ
水銀燈(ドットーレの力が上がった?いや、今も上がり続けている!!)
ドットーレ「拳などではこの盾は壊れんなぁ、ナルミ君……」
鳴海「なら、ぶった切るまでだ!!」ガキンッ!!
 イ … … ィ ン
ドットーレ「なァ?壊れんだろう」ニヤ
鳴海(堅てえ……っ!!)
ドットーレ「どれ、早速この力を試してみるか」グアッ
鳴海「……ッ!!」
鳴海(マズい!この手で掴まれたら俺が氷の壁になっちまう……っ!!)
蒼星石「マスターっ!!」ドン
鳴海「蒼星石……!?」
ドットーレ「このォ!!邪魔をしおって」ガシッ!!
蒼星石「があああああっ!!」
 ピ キ ピ キ … … !!!!

   パ   キ   ン   ! !


36 :

鳴海「蒼星石っィィィ!!」
蒼星石「僕は…大丈夫……」スッ
レンピカ「……」ふらふら〜
鳴海(蒼星石を守ってくれたのか……)
ドットーレ「ふん、命拾いしたか!!」
鳴海「ドットーレ、てめぇ!!」
ドットーレ「ナルミ君。君の目玉は後で頂こう」フッ
鳴海(引いた!?なぜ俺を狙わない)
ドットーレ「獲物は『お前だ』!!」

鳴海「まさか……っ!!」
ドットーレ「ははははは!!!!!」
 ザ ウ ッ !!
鳴海「やってくれるぜ、このやろう!!」
ドットーレ「やはり最初の生け贄は『お前』じゃないとなぁ。だろう?」ビキビ
キ……!!
ドットーレ「 ス イ ギ ン ト ウ !!!! 」


37 :

水銀燈「弱ってる獲物を……徹底的にいたぶるてくれるってワケ……」ぐぐ……
ドットーレ「いま、お前の命の灯火を凍てつかせてやろう!!」
蒼星石(間に合うか……っ!?)ポウッ!!
蒼星石「いけっ!!スィドリーム!!!!」
スィドリーム「……」カッ!!
ドットーレ「邪魔だ」ヴ…ン
 ビ キ ィ ッ !!
スィドリーム「……」フッ
ポトッ
蒼星石(すまない……!!)
蒼星石「……っ!!」キッ!!
蒼星石「僕はドットーレを抑える!!だからマスターは水銀燈の下へ!!」
鳴海「蒼星石、ムチャだ!!」
蒼星石「……」
鳴海「おい!!蒼星石ッッッ!!」
蒼星石「……」ダッ!!


38 :

ギュンッ……!!
蒼星石「……」
蒼星石(マスターはドットーレを二回も殴った。でも、僕はまだ何もしていないん
だ……)
蒼星石(水銀燈と僕は決して仲が良いとは言えなかった。それでも、分かる)
蒼星石(あの水銀燈が泣くほどの事を、ドットーレはやった……!!)
蒼星石(怒っているのは…マスターだけじゃないんだ…っ!!)
蒼星石(僕だって……僕だってせめて一撃!!)
蒼星石「ドットーレェェェェ!!!!」ザウっ!!
ドットーレ「くくく、まずはオンボロ人形が楽しませてくれるのか」
ドットーレ「貴様も、そこのジャンクのように壊してやるぜェェエ!!」ヴゥゥ
ンッ!!
蒼星石「二度と……僕の姉を馬鹿にするなっ!!!」ガギィン!!


39 :

 ガッ!ガッ!キィン!
蒼星石「く…っ!!」
ドットーレ「ははは!!さっきまでの威勢はどうした!?」ガンッ!ガンッ!ガンッ
!!
蒼星石「くぅ……っ!!」キン…キン…キィン…ッ!!
ドットーレ「何だ不甲斐ない!!防ぐだけで精一杯か!!」ドゴンッッ!!
蒼星石「あぐ…っ!」ガッ
ドットーレ「ふん!!虫けら風情が調子に乗りよって、この程度の力で己に勝てる
と思っていたのか!?」
蒼星石「勝てるなんて…思ってないさ……」ぐぐぐ……
蒼星石「僕たちは弱い…そんな事わかってる……。お前には勝てないこともわか
ってる……」
蒼星石「それでも、水銀燈はこの場所に来たんだ……!!」ブンッ!
ドットーレ「しつこいぞ、ジャンクが!!」パシッ
蒼星石「絶対に勝てないと知っていてもお前に戦いを挑んだんだッ…!!!!」
ギリギリギリギリ……!!
ドットーレ「この……っ!!」
蒼星石「そんな水銀燈をお前は泣かせたんだッッ!!!!!!」ザンッ!!
ハラ……
ドットーレ「貴様…良くも雪華結晶様にいただいた服を……っっ!!」
蒼星石「薔薇乙女として、お父さまに誓う……」
蒼星石「ドットーレ、お前を倒す!!!!!!!!」チャキッ


ドットーレ「 や っ て み ろ ゴ ミ ク ズ が ! ! 」



40 :

水銀燈「貴方たち、どうしてここに来たの!?」
鳴海「そんなの俺たちの勝手だろ?」
水銀燈「バカじゃないのぉ……っ」グスッ
鳴海「オレと契約しな。水銀燈」
水銀燈「ええ、わかったわ」
鳴海「ただし、契約したら全力を出せ。オレの力を根こそぎ使うんだ」
水銀燈「そんな事……出来るわけないしゃない!!ドール2体と契約するだけでも
体に負担がかかるのに私が全力を出したら貴方の命が…」
鳴海「蒼星石から聞いた。前の世界でのお前の契約者は病気だったんだってな…
…」
鳴海「前の世界でお前はほとんど契約者の力を借りなかった。それは、病気で弱
ってる契約者が死ぬのが怖かったんだろ!?」
鳴海「そして、新しく契約したルシールの力も使わなかったんだよな……」
水銀燈「……」


41 :

鳴海「なあ、水銀燈。お前、恐れてるんじゃないのか?自分が力を出すと契約者
が死んじまうかもしれないって……」
鳴海「でもな……今、俺たちが奴に勝つにはこれしか無ぇんだよ!」
水銀燈「いやよ!絶対にいやっ!!」
鳴海「病気から子供達を守るんだろ!?ルシールの敵を討つんだろ!!?オレを信じろ!!
命を懸けてお前を助けに来た蒼星石を信じろ!!!」

ドットーレ「はははははははぁぁぁぁ!!!!!」ガキガキガキィィィ!!!
蒼星石「…………っっっ!!!!!」ギィ……ン

水銀燈「……」
水銀燈「私が全力を出したら……死ぬかもしれないのよ?」
鳴海「死んだら化けて出てやるさ」ニッ
水銀燈「……おばかさぁん」くすっ
鳴海「さあ!アイツを思いっ切りぶん殴ってやろうぜ!!」
水銀燈「ええ!!足を引っ張ったりなんかしたら承知しないわよ!」


42 :

      パアアアアアア…

ドットーレ「何だ?この光は…」
鳴海(やべぇ…予想より全然きちぃじゃねぇかよコレ…こりゃ、ぶっ倒れちまうか
もな…)ふらっ
鳴海(でも……倒れてやらねえ!!)
水銀燈(ルシール……私ね、本当は天使が描きたかったのよ。綺麗で、優しい天使
を……)
水銀燈(でも、それもここまでね。お願い…力を…私はいくら穢れても良い。壊れ
てしまっても良い…だから力を…あいつを倒せるぐらい強い力を!!!!)

アアアアアアアァァァ………………
蒼星石「光が晴れていく……」
ドットーレ「あれは…スイギントウなのか!?」
蒼星石「翼が…銀色に……」
鳴海(そうか、お前も完全な『しろがね』になったんだな……)ふっ
水銀燈「……」バサ……
蒼星石「きれい……」
鳴海「ああ、まるで天使みたいだな……」
水銀燈「めぐぅ…ルシール…私……わたし……っ!!」ぼろぼろ…

『ほらねぇ?あたしの言った通りでしょう』
『ほうら、やっぱり私の言った通りじゃないか』

『スイギントー。あなたは……』
『水銀燈。おまえさんは……』


  『『  ジ  ャ  ン  ク  な  ん  か  じ  ゃ  、  
な  い  』』



43 :

ドットーレ「ほほお、面白い!!『しろがね』になったドールか」
ドットーレ「お前の首を差し出せば、雪華綺晶様はきっと己をお褒めになるだろ
う!」ビキビキ……!!
ドットーレ「ジャンクめェ!!今すぐ首を打ち落としてくれるッッ!」ダッ
水銀燈「違う…私は…なんかじゃない…」ビシュ…
−ヒュンッ−
ドットーレ「ふん!ジャンクが…己の紺碧の手を忘れたのか!こんなもの凍らせ
て…」ピキキ…
水銀燈「違うッ!!」
水銀燈「 私 は ジ ャ ン ク な ん か じ ゃ な い !!! 」

   パ   キ   イ   イ   ン   !  !

      ザクッ…


44 :

ドットーレ「な、なにぃぃ!?」
鳴海「すげぇ、冷気ごと突き破りやがった!」
蒼星石「あの銀の翼、なんて強ささだ……」
 ド ク … ン
ドットーレ「ぐガぁあぁぁあぁぁあ!生命の水が己の体の中にィィイ!?」ガクガ
ク!!
鳴海「生命の水は自動人形にとって猛毒だ。お前はもうおしまいだよ」
ドットーレ「ガ…ガアァ…アァァァァアァアァ!!」ブショッ!ブシュシュッ!!
水銀燈「その身をもって思い知りなさい…ゾナハ病にかかった人間達の苦しみを
…自動人形と闘う為に全てを捨てたルシールの怒りをッッッ!!!!」
ドットーレ「ぬおおお!!ジャンクめぇ……許さん、許さんぞおおお!!!!」
ガボボ…
ドットーレ「こ…この手が…この手がァアァアァァ!!」ガギギ…
ブチイッッ!!
蒼星石「体に生命の水が体内に廻りきる前に自分の腕を!?なんて執念だ…!!」


45 :

ドットーレ「はあ……っ!!はあっ……!!」ポタっ……
ドットーレ「このオッ!!よくも…よくもォォォォ!!」ピキ…ビキビキビキッ!!
ドットーレ「くたばれくたばれくたばれくたばれくたばれくたばれッ!!くたばれ
ェェェェ!!」ピキキキキッッ…
ドットーレ「低俗で卑しく穢らわしい弱い弱い弱い弱い弱いッッ……」
ドットーレ「この……ッ!!ジャンクがぁぁぁぁぁぁぁ!!」ビキィィィィンッ!!
水銀燈「何度だって言ってあげるわ!お馬鹿なドットーレ!!」
水銀燈「メグも……」
ぎゅうう…っっ
水銀燈「ルシールも…」
ぐぐぐ……
水銀燈(そして私も!!)
ダンッッ!!
水銀燈「ジャンクなんかじゃ…ッ」
ぐんっ!!
水銀燈「ないッッッッッッ!!!!!!!!!!!!」


    ド    ゴ    オ    オ    オ    オ    ッ    ! ! ! ! 



46 :
熱すぎるw

47 :

ドットーレ「くっ!!」ザザァ…
ドットーレ「軽い……軽いなァ!!己にこんな打撃が効くと思ったか、馬鹿者奴!!」
蒼星石「馬鹿はお前だドットーレ!!後ろを見てみろ!!」
ドットーレ「まさか……ッ!?」ゾクッ…
水銀燈「鳴海!力を溜めるわ!!支えて頂戴っ!!」
 ド ン ッ !!
鳴海「ああ!ドデケぇのを喰らわせろ!!」
 バ ン ッ !!

 グオオ…
ドットーレ「くっ…避けねば……」
蒼星石「させないっ!!」ゴイィン!
ドットーレ「ぐうっ」ドシャアッ
グオオオオオオオオオ…
蒼星石「覚悟しろドットーレ!」
鳴海「全力でぶっ潰す!!」
水銀燈「末期の懺悔は終わったかしら!?おばかさんっっ!!!」
ドットーレ「こんな…そんな……馬鹿な!!」

   グ   オ   オ   オ   ッ   !!

水銀燈・鳴海・蒼星石「「「いけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!!!!!
」」」
ドバババババババババババババババババババババババババババババババアッ!!!!!!

  グ  サ  ッ  …  グ  サ  サ  サ  サ  …
ドットーレ「き…雪華綺晶さまぁぁぁぁぁぁ…」ザスッ!!ザス!!ザス!!!!!



48 :

ドットーレ「ど……どうか……己を……お……お救いください、雪華結晶様ァァ〜〜」
水銀燈「どうやら絶望するのはあなただったようね、ドットーレ」ヒュッ
ザクウッ!
ドットーレ「あ…ああぁぁ……」ガタガタガタ…
 バ キ イ ィ ィ ン ! !
水銀燈「……」
水銀燈「ルシール…ようやく敵を討てたわ……」
蒼星石「水銀燈……」
水銀燈「さあ、みんなの所へ行きましょう」
鳴海「お、おう……」
蒼星石(戦いは終わった。でも、水銀燈の受けたキズは……)

カツ…カツ…カツ…
  カツ…カツ…カツ…
  ピタッ

水銀燈(AU revoir<さようなら>、ルシール)ぼそっ
蒼星石「ねえ、今なんて言ったの?」
水銀燈「なんでもないわ……」
鳴海「気になるじゃねぇか、教えろよ」
水銀燈「なんでもないのよ」

水銀燈「 お ば か さ ぁ ん …… 」 

   ク   ス   ッ


からくりメイデン〜一時閉幕〜


49 :
投下乙!

50 :

コメントありがとうございます。
しばらくたったら(とりあえず今日中)コミック・ショウを投下します。書きながら投下するから遅いよ、きっと。
ともかく、見てくれて有り難う御座いました!!


51 :

ゴソ
???「ここがあいつらの言ってた場所か」
???「ああ、そうみたいだな。しかし、フウの屋敷の裏にこんなものを作っているとは僕も恐れ入ったよ」
鳴海「けどよ、いくら雛苺たちの頼みとはいえ」



52 :

鳴海「なんで俺たちがあいつ等のコーナーの代わりをやらなきゃいけないんだよ……」
ギイ「猿人間マンには血も涙も無いのか。金糸雀は泣いて僕に頼んだというのに」
鳴海「その涙、腹痛の涙だと思うぞ」
鳴海「というか、何で人形の体調が悪くなるんだよ?」
ギイ「僕に聞くな」
鳴海「ははぁ〜ん。普段は『僕は何でも知ってる〜』とか言っても、知らない事あるじゃねぇかよ」
ギイ「ママ〜ン。脳みそ空っぽ男が僕の頭脳をねたんで嫌がらせをするよ〜〜」しくしく
鳴海「ああ、もう、めんどくせえ!!さっさと終わらせようぜ」
鳴海「加藤鳴海と……」
ギイ「ギイ・クリストフ・レッシュの……」
鳴海「 こ の 人 だ あ れ 」
ギイ「……」
鳴海「お前も言えよ!!」


53 :

ギイ「大の大人がそんなこと言える訳ないだろう、チョンマゲザル」
鳴海「金糸雀に頼まれたんじゃなかったのかよ!?」
ギイ「確かに『このコーナーの代わり』をやるとは言ったが、『タイトルコールを言う』とは言ってはいないな」
鳴海「屁理屈こねやがって……」
ギイ「それよりも早くゲストを呼ぶぞ。この調子だと話が進まないからな」
鳴海「ちっ!!確かにな。ゲストの人、来てくれよ」



鳴海「……」
ギイ「……」
鳴海「誰も来ないぞ?」
ギイ「おかしいな。金糸雀の話だと、この時間のハズ……」
ドスン!!
鳴海・ギイ「……!!」
???「いてっ!!あのクソウサギ……」


54 :

???「ここはどこだ?変な扉を開けちゃったから……」
ギイ(あの少年、僕たちには気づいてないみたいだぞ)ひそひそ
鳴海(勝よかデカいな。中学生ぐらいか)ぼそぼそ
???「あ……っ!!」
鳴海「お、気づいたか」
???(マズい、『別の世界』の奴だ。っていうか、今の独りごと聞かれてないよな!?)
???「う……あ……っ」キョロキョロ
鳴海「なんか、落ちつかない奴だな。どうする?」
ギイ「どうするもこうするも、人間同士が出会ったらまずは挨拶だ。イノシシ語はわかっても、一般常識はわからないのか?」
鳴海「もう、勝手にやってろよ……」
ギイ「やあ、僕はギイ・クリストフ・レッシュ。ギイでいい。少年、キミの名前は?」
???「ジュン……」
ジュン「桜田ジュン…………です」


55 :

ギイ「そうか、ではジュンと呼ばせてもらおう。ジュンは今日ここn
鳴海「ははは!!ジュンって言うのか、女みたいな名前だな。まあ、俺の名前も鳴海で珍しい名前なんだけどよ!!」
ジュン「そう……ですね……」
ジュン(何だこの人。初対面なのに馴れ馴れしい。僕が絶対に仲良くなれないタイプだ)
ギイ「ええい、邪魔するなナルミ!お前が会話に入ると話の進行が遅れる」
鳴海「いいじゃねえかよギイ〜〜。俺とてめえの仲だろう〜〜」
ギイ「変な事を言わないでくれ。全身の力が抜ける」
ジュン「……」


56 :

鳴海「何だよ、せっかく人が下手に出たのに」
ギイ「いや、お前に言われると、どうしても気分が悪くなるんだ」
鳴海「照れんなよ〜〜」
ギイ「……っ!!」ぞわっ
ジュン「……」
鳴海「なんだよジュン。さっきから元気ないな。まるで引きこもりみたいだぜ」
ジュン「う……っ!!」
鳴海「え……?」
ギイ「シェイクスピア曰わく、『どんな毒舌も馬鹿者には効果なし!』。少しは言葉を選べ」
ギイ「とは言っても、僕は医者でね。多少ながら精神科も心得ている。だからジュン、君が何かしらの問題を抱えている事も気づいた」
ジュン「……」
ギイ「良ければ僕に教えてくれないかな?」


57 :

ジュン「……っ!!」
ジュン(『良ければ』だって?このタイミング、この状況で話さなかったら、僕はまるで嫌な奴みたいじゃないか!!)
ジュン(最初から僕には選択肢なんて無いじゃないか!!ズルイ、汚いぞ!!)
ジュン(でも……話さないと……いけない……)
ジュン(僕は、弱いから……何も言い返せないから……)
ジュン(そうさ、僕は慣れてる。『僕は引きこもりです』って言えば、みんな気まずそうに僕の前から消えていくんだ!)
ジュン「あの……」
鳴海「悪い!!俺が悪かった。別の話しようぜ。そうだ、ジュン。お前何か好きな食べ物あるか?」
ジュン「え……っ!?」
鳴海「ロールキャベツとかどうだ?作るのが上手い奴がいるんだよ」
ジュン(気を許すな!!いま僕を庇ったのは罪悪感からだ。心を開いちゃダメだ)


58 :

ジュン「食べ物の好き嫌いとかは別に……」
ギイ(やれやれ、これはなかなか重症だな)
ギイ「別の話とは、食べ物の話か。ナルミ、お前の会話の引き出しはそんなものか」
鳴海「なっ!!じゃあテメエはどうなんだよ!?」
ギイ「僕か?そうだな。シェイクスピアやロマンティックな場所、街角にあるコジャレた店の話をだな」
鳴海「全部オンナを口説くための話じゃねえか!!」
ジュン(ほら、みろ……)
鳴海「だいたいテメェはなあ!」
ギイ「そう言うお前こそ!」
ジュン(仲の良い奴だけで盛り上がる。盛り上がれる)
ジュン(住んでる世界が違うんだ。弱い奴は強い奴と同じ場所にもいれない)
ジュン(だって、そうなると自分の弱さに気づいちゃうから……)
鳴海「なあ、ジュン」
ジュン「……何ですか?」ムスッ
鳴海「お前、いま楽しいか?」
ジュン「……別に…………」


59 :

鳴海「なら、一緒に話そうぜ。コイツ、意外といい奴なんだ」
ギイ「意外とは何だ」
鳴海「ほら、こっち来いよ」
ジュン「……」
鳴海「どうした?」
ジュン「出来るわけないだろ……」
ジュン「出来るわけないだろっ!!」
ジュン「だいたい少し話して分かるだろ?僕がどんな人間かって。そうさ、僕は引きこもりさ!!」
ジュン「家に籠もりっきりで学校にも行ってない。外にだってめったに出ない!!」
ジュン「そんな僕と、あんたらみたいに誰にでも話かけれるような人間とじゃ住んでる世界が違うんだ!!」
ジュン「っていうか、何だよあんた!!」
鳴海「……」
ジュン「さっきから僕につきまとって!!余裕かよ!?自分は強いから、弱っちくてみすぼらしい僕に声かけて優越感にでも浸ってるのかよ!!」


60 :

スミマセンが予想以上にコミック・ショウが長くなったので、今日はここまで。
後日ゆっくりと再開します。

61 :

ジュン「ハァ……ハァ……っ!!」
ジュン(どうだ!?言ってやった。言ってやったぞ!!)
鳴海「……」
鳴海「お前さぁ、学校でイジメられてんのか?」
ジュン(何言い出すんだ、こいつ?)
ジュン「いや、別にそんな事はないけど……」
鳴海「学校でさ。階段から押されて足の骨にヒビが入ったり、アルコールランプの火を太ももに押し付けられたり……。そんな目に遭ってた奴がいたんだ」
ジュン「……っ!!」ゴクリ
鳴海「言っておくけど俺じゃないぜ。ただ、そいつは色々あって、本当に色々あって……。今は俺よりも良い笑顔で笑うんだ」ニカッ
鳴海「だから、お前もきっと笑えるようになるよ」
ジュン(また、そうやって希望を持たせて!!)
ジュン「きっと、その人は強い人間だったんだ……」
鳴海「ああ、あいつは強くなってたなァ」ふっ
ジュン「僕はいちおう、自分の立場を分かってる。僕みたいな弱い人間の気持ちは、あんた等みたいな強い人間にはわからないんだ!!」
鳴海「俺が強いって?」
鳴海「よし、ちょっと待ってろ」
ジュン「……?」


62 :

鳴海「ちょうどアルバム壊れたから写真だけ持ってたんだよな〜〜」ゴソゴソ
鳴海「ちょっと、こっち来い」
ジュン「何だよ?」
鳴海「ほれ」ピラッ
ジュン「……」
ジュン(誰だ?このリアルのび太は)
鳴海「これは、小学校行きたくねぇって、泣いてるトコ」ピラッ
鳴海「これは、牛乳飲めねえって残されてるトコ」ピラッ
鳴海「これは運動会で……」
ジュン(何だ?この写真の奴。僕よりダメダメじゃん!!)
鳴海「これ、全部俺」
ジュン「えええっ!?」
ギイ「なるほど、幼いときの貧相な体にコンプレックスを抱き、今に至ると」
鳴海「見てんじゃね〜よ!!」
ギイ「仕方ないだろう。お前たち2人の会話に入れなかったのだから」
ギイ「しかし……くくく。見たまえジュン。この男の写真は大半で泣いている。これなんか最高だぞ」
鳴海「うわあああ!それだけはホントに見んな〜〜!!」
ギイ「そら、そら」ピラッ、ピラッ、ピラッ
鳴海「やめろ!!やめてくれ〜〜〜〜!!!!」
ジュン(何だよこいつら……)
ジュン「ばっかみたい」クスッ


63 :

ジュン「あはははは!!」
ギイ「やったなナルミ。お前の失態でジュンが笑ってくれたぞ」
鳴海「お前は泣かす!!」ぶん
ギイ「ただではやられん!!」ぐん

ゴチン!!(グサッ!!)

鳴海・ギイ「……」シュウウウゥ……
ジュン(同時討ち……)
鳴海「ともかくだ。お前から見たら俺は強く見えたかもしれないけど、実際はこんな奴だったんだ」
鳴海「つまりさ……」
鳴海「オレとおまえは似てるんだよ」
ジュン「ぼ、僕が……?」
ジュン「まさか、僕が……そんな……」
ジュン(でも、もしかしたら)
ジュン「僕も…あんたみたいに……」
鳴海「ああ、オレよか、強くなれるぜ」
ジュン「……っ!!」


64 :

ポウッ……
ギイ・鳴海・ジュン「「「……!!」」」
ジュン「コレ、またあのウサギの仕業だ。たぶん今から元の世界に戻される」
鳴海「早いな。やっとまともに話できたのによ」
ギイ「では、旅立つ君に僕から一言」
ギイ「『 Du Courage 』<がんばりたまえ少年>」
ギイ「ではな」ふっ
ジュン「あ……ありがとう」
鳴海「……」
鳴海「あのさ、さっき何でお前に構ってくるんだって言ってたけどさ。そいつにも似てたんだよ……」
ジュン「え?」
鳴海「お前は、さっき言った『良い笑顔する奴』にも似てたんだ。だから、報っておけなくてよ」
ジュン「そっか……」ふっ
鳴海「応援してるぜ、ジュン」
ジュン「ありがとう、鳴海」ニコッ
ギギギギ……バタン
ギイ「……」
ギイ「何だかあっという間だったな」
鳴海「そうだな」
鳴海「……」
鳴海「ギイ、今夜いっしょに酒飲もうぜ」
ギイ「お前は弱いからごめんだな」
「なんだよ、付き合いワリーな〜」


65 :

〜ジュンの世界〜
ガチャッ!!
ジュン「いてっ!!」ドスン
ジュン「くそ。あのウサギの作る扉はどうしてこうも地面に激突しやすいんだ」
ジュン「さて、帰って来たからパソコンでもつけて……」
『オレよか、強くなれるぜ』
ジュン「……」
ジュン「たまには体でも鍛えてみるかな」
ギッチ……ギッチ……
ジュン「ふっ!ふっ!」
ジュン「はあっ……!!かなり、汗かいた。腕が重い。腹筋が痛い」
ジュン(でも……悪くはない)ふっ
ジュン「よし!!目標は腕立て、腹筋、背筋30回。やるぞ!!」


ギチ……
のり「あら、二階から変な音が?」
ギシッ……ギシッ……
のり「ジュン君ったら……」ポッ
〜一時閉幕〜


66 :
イイハナシダナー
がんばれ脱ひきこもり!
のりはどんな勘違いしたんだw

67 :

第13場(ドールズ・ダンス編最終章)、途中まで投下します。
あと、裏話を語るスレに最古の四人戦のいろいろを書いたので良ければぜひご覧ください。

68 :

「いててて」
ギイ「男なら騒ぐな。まさか手のひらを負傷するとは……治す方の身にもなって
ほしいものだな」ぺちん
勝「ぎゃあっ!!」
雛苺「でも、このヤケドは友情の証なのよ」
金糸雀「ヤケドから友情?それはもしや『根性焼き』という儀式かしら!!」
真紅「どうしてそんな物騒な言葉が出るのか、一度でいいから貴女の頭の中を覗
いてみたいわ」
しろがね「機能性を考えると、空洞になっている可能性が高いと思います」
金糸雀「んなぁ〜〜っ!!それってカナはアタマ空っぽって言う事かしらぁぁぁぁ!!

しろがね「ご、誤解です!」
金糸雀「問答無用!!無色透明(?)無味無臭(!?)!!今から、あなたの髪をクシ
ャクシャにするかしら〜」わしゃわしゃ
しろがね「そ、そんなっ!!」
ギイ「金糸雀、ほどほどにな」
「やめてくださ〜い」「まだまだかしらぁ!!」
勝「あははははっ」
勝(ようやく戻って来たんだ。僕たちの日常に)
勝(あとは……)
雛苺「あ!!来たの〜〜」
ガチャッ
勝「お帰り、ナルミ兄ちゃん」

「おう、ただいま」

  ドールズダンス〜人形達の舞踏
      第13場 薔薇と病


69 :

蒼星石「この扉は……」
勝「うん。その先にこの戦いの目的があるんだ」
水銀燈(新しいゾナハ病の情報……!!)
しろがね「ご無事なようで何よりです、ナルミ」ボサっ
鳴海「お前もかすり傷だけで良かったよ」ニカッ
ギイ「無傷なのはお前だけかナルミ。どうせ戦いはドールに任せっきりだったん
だろ、スカポンタンめ」
鳴海「うっせえ!!オレだって服の下は青タンだらけだし、目玉も取られかけたっ
ての!!」
しろがね「はい……!?」
蒼星石「なにもボロボロにされた自慢をしなくても……」
雛苺「蒼星石の体、氷がたくさん付いてるの〜」
蒼星石「ああ、これはちょっとね」
金糸雀「……」じ〜
水銀燈「何よ」
金糸雀「水銀燈、羽の色変えたかしら?」
水銀燈「もっと他に気の利いたことは言えないのかしら、おばかさん」
金糸雀「なぁ〜っ!!バカって言ったかしら!!バカって言われたかしら!」
水銀燈「私が『おばかさん』て言葉を覚えたのは貴女のおかげよ」
金糸雀「なっ、なっ……!!」

70 :

雛苺「マサル!!マサル!!水銀燈、元気出たみたいなの!!」
勝「だねっ!」にこっ
真紅(けじめは、とれたのね)
鳴海「……」にっ
蒼星石「……」ふっ
真紅「まあ、その……こういうとき、何て言えば良いのかしらね。ともかく……

真紅「お帰りなさい、水銀燈」にこっ
水銀燈「……」
水銀燈「ありがとう……」
雛苺・金糸雀「「……っ!!」」じ〜ん

水銀燈「 ブ サ イ ク な 真 紅 」にこり

しろがね・勝「「     」」あんぐり


71 :

真紅「そう……」
真紅「……」
真紅「…………」
真紅「………………」
真紅「何ですってぇ〜!!私のどこがブサイクなのよ。説明しなさいよ!!」
水銀燈「全部」
真紅「私がブサイクなら貴女はドブサイクよ!!」
水銀燈「今ブサイクって認めたわよ」
真紅「五月蝿いわ、折角の好意を見事に裏切って!!」
水銀燈「一方的な好意は迷惑というのよ、おばかさぁん」
真紅「……」ゴゴゴ……!!

「ノータリン!!」
「ちんちくりん!!」
「てるてるぼ−ず(?)!!」
「かしら・かしら・かしら〜〜!!」
「便乗しないで雛苺。紛らわしいわ!!」
「馬鹿は消えなさい!!」
雛苺「怒鳴られたの……」しょぼ〜ん
金糸雀「消えてって言われたかしら……」しょぼしょぼ〜ん
蒼星石(やれやれ……)ふう


72 :

真紅「はあ、はあ……」
水銀燈「ぜえ、ぜえ……」
真紅「まあ、貴女の笑顔に免じて私が引いてあげるわ」
水銀燈「あら、逃げる気?」
真紅「何とでも言いなさいな」
水銀燈「……」ふっ
ギイ「おふざけもここまでにして、そろそろ『ゲェムの商品』を頂こうじゃない
か」
雛苺「今までが戦いっぱなしだったから、ちょっと先に進むのが怖いわね」
勝「心配しないで雛苺。例え最古の四人がまた来ても、みんながいるから大丈夫
だよ。それに、ぼくもいるから」
雛苺「…………うんっ!!」
真紅(マサルと雛苺は、また絆が深まったみたいね。水銀燈に蒼星石、そして金糸
雀……。もちろんこの私も最古の四人との戦いを通して強くなった!!)
金糸雀(あんな自動人形がまた出てきたら、カナは一秒で気絶する自信があるかし
ら……)
鳴海「『4つの扉』の終点か……」
鳴海(ここには、あまり良い思い出が無かったな……)
しろがね「ナルミ、ここは以前のサハラではありません。私たちは皆生きていま
すよ」
鳴海「ああ、そうだな。そうだよな……!!」
ギイ「……」
金糸雀「ギイさん、何か良いことでもあったの?」
ギイ「何でもないよ」ふっ
水銀燈「じゃ、さっさと行くわよ」


73 :

  ガ  チ  ャ  ッ

ギイイイイイ……
キリキリキリキリ……

蒼星石「この音は……っ!!」
金糸雀「ひぃっ!!自動人形!?」
???「お初に……御目にかかる。ドールよ……」
しろがね「……っ!!」
雛苺「えっ!?これって、えっ!?」
水銀燈「どうやら『こちら側の人間』は知ってるみたいよ」
勝「この人形は……っ」
ギイ「フランシーヌ人形……!!」
鳴海「いや、偽物だ……」
偽フランシーヌ人形「そう、あなたの言う通り。わたしは……」
偽フランシーヌ人形「わたしはフランシーヌ様に造られた人形です」
真紅(フランシーヌ人形はしろがねに似ていると聞いていたけれど、これは似てい
るというより……)
雛苺「まるでしろがねが2人いるみたなの」
しろがね「そう、私はフランシーヌ人形の生まれ変わり……」
水銀燈「どう言う事……貴女が生まれ変わり?自動人形の!?」ピクッ
鳴海「赤ん坊だった頃、しろがねは『フランシーヌ人形が溶けた生命の水』を飲
んだんだ」
蒼星石「なる程、生命の水に溶けたフランシーヌ人形の記憶が、しろがねさんの
中にあるということか……」
金糸雀「一体全体、どうやったらそんな状況になるのかしら」
勝「いろいろあったんだ。本当に、いろいろ……」
ギイ「……」


74 :

偽フランシーヌ人形「この場所にあなた達が来たということは、最古の四人は破
られたのですね……」
しろがね「ああ、そうだ!だから答えろ、人形フランシーヌ!!お前たちは何が
目的だ!?新しいゾナハ病の情報とは何だ!?」
偽フランシーヌ人形「全ての問いに答えられるほど、私は複雑に出来ておりませ
ん……。しかし、私の知る情報を、順を追って伝えることが出来るのなら……そ
れに近いことは出来るでしょう」
偽フランシーヌ人形「私たち、自動人形の目的は雪華結晶様の願いの成就……」
偽フランシーヌ人形「雪華結晶様は新しい体を……求めています。雪華結晶様の
お言葉をお借りすると、『空っぽの器』を…………」
雛苺「う……っ」びくっ!
勝「そんな事させるもんか!!雛苺にはぼくが手を出させない!」
雛苺「マサル……」
偽フランシーヌ人形「雪華結晶様の求める器はあなたではありません……。雪華
結晶様は気が付かれたのです」
偽フランシーヌ人形「『ドールだけが器ではない』という事に」
真紅「まさか……それは……っ!!」
偽フランシーヌ人形「そう。初め、『それ』は力を吸い上げる為だけの対象だっ
た。ただ、それだけの存在だった……」

偽フランシーヌ人形「 雪 華 結 晶 様 は 人 間 を 御 自 身 の 器 に な さ る お つ も り で す 」


75 :

金糸雀「な、何を言ってるかしら。そんな事出来るわけが……。あっ!!」
しろがね「出来ます。そう、私のように……」
鳴海「だからお前らは『生命の水』を……いや、『柔らかい石』を探しているの
か!?」
勝(『柔らかい石』はしろがねの心臓と一体化してるんだ。奴らの狙いが『柔らか
い石』なら、しろがねの命が……)
偽フランシーヌ人形「いいえ、それは違います」
雛苺「……!!」
雛苺(今のおはなし、ちょっとおかしいの。雪華結晶は実体がないから生命の水に
溶けられないの!!)
偽フランシーヌ人形「雪華結晶様は別の方法を。もっと良い方法を……とったの
です」
偽フランシーヌ人形「この世界に着いたとき、雪華結晶様は新しい世界を知るた
め、偶然見つけた人間の記憶の扉を覗き込みました。その男の名は、フウ・クロ
ード・ボワロウ」
鳴海(クソ!奴の知識、情報量、経験……。あいつ程『この世界』の出来事を把握
している奴はいない!!)
偽フランシーヌ人形「そこで、雪華結晶様は面白い事を3つも知ることができた
と仰っていました」
偽フランシーヌ人形「ひとつは、自動人形のこと。もうひとつは、ゾナハ病のこ
と。そして最後のひとつは……」
偽フランシーヌ人形「記憶の転送、『ダウンロード』のこと……」
ギイ「ダウンロード……!!雪華結晶は自分の意識を人間にダウンロードさせて、
人格を乗っ取ろうしようとしているのか!?」
偽フランシーヌ人形「御名答です、人間よ。しかし、そこで計画にズレが起きたのです」


76 :

偽フランシーヌ人形「ダウンロードを行うのは簡単でした。茨を通して意識を送
るだけで良いのだから。生命の水に溶ける必要がなく、雪華結晶様には何の問題もなかっ
た。問題は人間の方にあったのです」
勝「……」
偽フランシーヌ人形「雪華結晶様の……薔薇乙女という、莫大な量の意識に人間
の意識は耐えきれず、壊れ、空っぽになった。空っぽになっただけで、器にはな
れませんでした」
真紅「順当な結果ね。そうなる事はあの子も少なからず予想出来たでしょうに…
…」
偽フランシーヌ人形「ダウンロードに失敗した……空っぽになった『だけ』の人
間には雪華結晶様は『ある種』を植え付けました」
偽フランシーヌ人形「その種は、成長すると宿主にゾナハ病と似た症状を引き起
こさせる」
しろがね「なぜそんな事を!?」
偽フランシーヌ人形「当時、雪華結晶様は力を蓄える必要があった。やがて、ご
自分を追って来る薔薇乙女……6体の姉たちと戦えるように」
水銀燈「そんな事は聞いてないわ。何故、自我を失った人間にそんな事をするの
か……聞きたいのはそれだけよ!!」
偽フランシーヌ人形「黒薔薇……水銀燈。雪華結晶様の報告と、若干ズレがあるようですね

水銀燈「……ジャンクにするわよ?」
偽フランシーヌ人形「……では、『これ』を……」カチッ
蒼星石「また、映像を流す自動人形か」


77 :

ヴ……ン
子供『ぜひっ!!ぜひっ!!』
水銀燈「この子もゾナハ病に……」
父親『どこの病院に行っても治せないらしい…もうダメだ…』
母親『何言ってるの!!この子を見殺しにするつもりなの!?』
父親『そんなつもりは……』
母親『まだ方法は沢山あるわ!!』
父親『……うるさいっ!!』
父親『病院で診てもらうだけでいくらかかると思ってるんだ!?私だって助けたい
さ!でも、どこに行ったって同じだ!!』
父親『だから、それなら……。苦しんで生きるよりなら……いっそのこと……』
金糸雀「こんなの酷すぎるかしら……!!」
雛苺「気が付いていないのがせめてもの救いね……」
偽フランシーヌ人形「もし……」
しろがね(嫌な胸騒ぎが止まらない)ドクン、ドクン
偽フランシーヌ人形「もしも、この人間に意識があるとしたら……?」
勝「そんな……っ!?」
子供『……』
お父さんとお母さんがケンカしてる。ぼくのせいだ。ぼくのせいで大好きな2人
がケンカしたんだ。
真紅「やめて…」
偽フランシーヌ人形「そして、この人間はこう思う……」

ぼくなんか、このまま死んだ方が良いのかなぁ

真紅「 や め て っ っ ! ! 」


78 :
うわぁあああああ

79 :

息ができないよ……からだがいたいよ……
「ぜひ………」
だれも……たすけてくれないよ……
「 ぜ ひ っ ぜ ひ っ 」

         …………死にたいよ
「     ぜ     ひ     っ    !  !  !  !  」

偽フランシーヌ人形「人間の心は些細な出来事で変化する。今、この人間の心は乱れ
、傷つき、腐り、そして堕ちていった」
偽フランシーヌ人形「雪華結晶様は人間の心を糧とする。『あの子』は今、極上
の『土壌』になった。『土壌』は多ければ多いほど、良い」
偽フランシーヌ「だからゾナハ病を広めた。病に蝕まれたからだは最高の養分となり
、絶望に堕ちた心は至高の土壌となり、雪華結晶様を美しく、美しく育て上げるのです
…………!!」


80 :

雛苺「そんな……。そんな事のためにあんな酷い病気を広めたの!?」
偽フランシーヌ人形「はい……。雪華結晶様は他の自動人形のように……ゾナハ
病にかかった人間には関心を持たず……ひたすら……御自身の力を蓄えていらっ
しゃいます……」
蒼星石「ゾナハ病になった人の心も体も弄ぶ気か!!」
偽フランシーヌ人形「弄んでなど……いません……。最大限に利用している……
だけ……」ギ……
鳴海「お前らは……悪魔かよ……っっっ!!?」
偽フランシーヌ人形「私たちは……人形……。人形は……造物主の為だけに……
存在して……いる……」ギギギ……
ギイ(活動時間の限界が近いか)
偽フランシーヌ人形「自動…人形の本能は……造物主を笑わせること…………」
偽フランシーヌ人形「しかし……雪華結晶様……は……いつまで…経っても……
笑って……くださら…ない……だんだん……私は……『疲れて』……きた……」
金糸雀「これって、この自動人形はもうすぐ停まっちゃうんじゃないかしら!?」
偽フランシーヌ人形「笑わない……雪華結晶様…………泣き叫ぶ…人間……こん
な……何の意味も……ない日々は………私の……頭と……体を……遅くして……
いく」ギギ…ギ……
勝「いったい、このゾナハ病はどうやって治せば良いんだっ!?」
偽フランシーヌ人形「ゾナ……ハ病は……雪……華結晶様にしか……治せ……な
……」ギギギギギギ……
水銀燈「待ちなさい!!停止する前に雪華結晶の居場所を答えなさいっ!!」
偽フランシーヌ人形「雪華結…晶様は……人間…の夢を……伝って……ダウ……
ロー……を……だから………誰も……知らな……」ガクガクガク……
偽フランシーヌ人形「……もう……体と…頭が……遅くなってきた……私は……
『疲れて』……しまいまし…た……」ギギギ…………
偽フランシーヌ人形「さ…よ……な……」
偽フランシーヌ人形「薔……薇の……乙女と……かつ……て……戦っ……た者た
ち……よ」
偽フランシーヌ人形「……」ギ……ッ
偽フランシーヌ人形「……」ギィ……ッ


81 :

水銀燈「……」
真紅「この子は私たちにメッセージを伝える。それだけの為に作らたのね……」
勝「なんだか、ちょっと可哀想だね……」
雛苺「ええ。このお人形は……たくさん『疲れた』から、たくさん休ませてあげ
てたいの」
しろがね「……」
鳴海「ゾナハ病の情報は手に入れたけど、一番肝心な治す方法が……」
ギイ「雪華結晶の行方も手掛かり無しか……」
金糸雀「いいえ、雪華結晶の探し方なら今ヒントをもらったかしら」
しろがね「本当ですか!?」
蒼星石(金糸雀も気付いたか)
真紅「それは一体どういう−

  ザ  ……  ア  ……  ァ  ……

ドールズ「……ッ!!」ピクッ


82 :

勝「みんなどうしたの!?」
雛苺「マサル!!ドールの気配がするの!」
金糸雀「って事は雪華結晶……っっ!!」
「それは間違い……」
ギイ「この声は雪華結晶の声ではない!」
しろがね「では、いったい誰が!?」
真紅「答えなさい!貴女はだれ!?」
「クスクス……貴女はだれ?」
鳴海「ふざけるな!!」
「ふざけるな……」
蒼星石「隠れていないで姿を表せ!!」

「では……」

ズズズズズズズズズズズズズズズ……

カキ……ピキキキ……

水銀燈「地面から何か出て来たわ!」
ギイ「これは…水晶……!!」

    パ    キ    イ    ィ    ン

薔薇水晶「初めまして“お姉さま方”私の名前は薔薇水晶」
  ペ  コ  ッ


83 :
 

84 :

真紅「『お姉さま』ですって!?」
しろがね「8体目のローゼンメイデン!?」
蒼星石「あり得ない!!薔薇乙女は7体しかいないはずだ」
薔薇水晶「そう、私は薔薇乙女ではない」
薔薇乙女「私のお父さまと、お姉さま方のお父さまは違う」
薔薇乙女「でも、雪華結晶お姉さまは言ってくれたわ。私は『ドール』だと。私
はお姉さまの姉妹だと」
水銀燈「私を姉妹と言い張るおばかさん、貴女は雪華結晶の方に付くのかしら?

薔薇水晶「勿論、私は雪華結晶お姉さまの妹なのですから。だから貴女たちは私
の敵」
真紅「そう。それなら……」
真紅「敵を打ち砕きなさい、ホーリエッ!!」
 カ ッ
水銀燈「『しろがね』になったドールの力を見せるわよメイメイッ!!」
 カ ッ
蒼星石「雪華結晶の仲間なら容赦はしないっ!!瞬け!レンピカ、スィドリーム!
!」
 カ カ ッ
金糸雀「ほどほどにね、ピチカート……」
 カ ッ
雛苺「こんな悲しい病気はもう広めちゃだめなの。だから、みんなの笑顔の為に
……」
雛苺「闘うわよ、ベリーベルッッ!!!!」

   カ   ッ   ! ! ! !

薔薇水晶「五体のドールに、6つの人工聖霊」
薔薇水晶「そして……」


85 :
 

86 :

しろがね「レ・ザア・マシオウ<戦いのアート>っ!!あるるかんっっ!!!!」
ギュィっっ!!
鳴海「ゾナハ病になった子供たちへ懺悔しろ……!!」ゴオォ……!!!
ギイ「オリンピアは使えないが、僕自身も弱くはないぞ?」
勝「覚悟しろ!!薔薇水晶っっ!!」
薔薇水晶「人間が4人」
薔薇水晶「……」
薔薇水晶「何という事は、ない」
鳴海「言ってろ!!」ザッ!!
薔薇水晶「……」スッ
 ド ゴ ッ !!
鳴海「なん……だ?」ガフッ
蒼星石「マス……っ!!」ベギッ!!
キラキラ……
蒼星石(これは水晶……水晶の塊を打ち込んだのか……!?)ズル……ッ


87 :

しろがね「貴様ァァッ!!」
薔薇水晶「……」ばらぁ……
金糸雀「まさか、両手から水晶を打ち出すつもりじゃ……」
薔薇水晶「 あ た り 」

 ド ド ド ド ド ド ド  ! ! ! ! ! ! !

しろがね「がっ!!」
金糸雀「あいだだだだっ!!」
真紅「しろがね、金糸雀!!」
薔薇水晶「後ろです、お姉さま」
真紅「な……っ!!」
 ズ ド ッ
真紅「は…や…い……」ドサッ
薔薇水晶「遅い」スッ
 ド ウ ッ !!
ギイ「……っ!!」メリハリ……
ギイ「強い……っ!!」ガクッ
薔薇水晶「弱い」スッ
 ズ ド ド ド !!
雛苺「きゃあっ!!」バギッ!
勝「ひないち……ぐあっ!!」メリッ!!
勝「あぐ……ぁぁ……」
薔薇水晶「……」
勝(強い……強すぎる……!!)


88 :

薔薇水晶「もう終わり?」
雛苺「ま……だ終わってないの……ヒ…ナ……たちは……ゾナハ病に…かかった
人を……可哀想な……人を……これ以上……増やしちゃ……ダメなの……」
「良く言ったわ、雛苺」
薔薇水晶「貴女は……」
水銀燈「……」ドンっ!!
雛苺「良か……た………すいぎ……と……無事で……」ドサッ
水銀燈「……っ」
薔薇水晶「私の水晶を防ぐなんて、強い羽……」
水銀燈「私たちは負けない!!こんな所で負けてなんかいられるものですか!!」
薔薇水晶「そう。でも……」
薔薇水晶「 こ れ を 見 て も そ う 言 え る ? 」

  ガ  キ  ガ  キ  ガ  キ  

水銀燈(小さな水晶が……一つに!!?)
薔薇水晶「パーティーはこれで御開き。だから」
薔薇水晶「 お や す み な さ い 」

  ス  ッ


  ズ  ド  ン  ッ  ッ  !!!!!!!!


水銀燈「……っ!!!!」


89 :



「…………」
水銀燈「……っ」
水銀燈「う……っ!!」
水銀燈(薔薇水晶……は……っ!?)
「今夜はお姉さまたちの勝ち。だから命は奪わない」
「今度会うときは万全の体勢で、また『遊びましょう』?」
「 お 姉 さ ま 方 」

   フ   ッ

水銀燈(私たちは、負けた……)
しろがね「みんな…無事ですか」
金糸雀「助かった……かしら?」
蒼星石「いや……『見逃してもらった』んだ……っ!!」
ギイ「最古の四人と戦った後とは言え、この様だ。力の差を痛感したな……」
真紅「でも、諦めるのではないでしょう?」
鳴海「ああ、当たり前だ……!!」
勝「待っていろ、雪華結晶!!」
雛苺「貴女の事はヒナ達が絶対に止めるの!!」

「絶対に……絶対に……っ!!!!」


     【からくりメイデン】ドールズ・ダンス編
              〜一時閉幕〜




90 :

以上で【からくりメイデン】ドールズ・ダンス編は終わります。
急展開気味ですいません。説明が不親切で超すみません。
支援ありがとうございました!!
最近リアルが絶望的になってきて、月1に投下できるか危うくなってまいりました!
クーラー買ったよ!!さすが天下のデンコードーやぁ!!

91 :

勝「うい〜っ。あれ〜、このドアノブまわんないぞ」
雛苺「マ、マ、マ、マサルがヒナのお胸を!?」
しろがね「くんくん探偵…ダサイですね。このだらしのない舌が小憎らしい」
真紅「謝って!!くんくんに謝って!!」
鳴海「読むだけで人を笑わせることができる本が今だけ十万円だと!?買うか…」
蒼星石「早まっちゃダメだマスター!!」
ギイ「金糸雀。いまお前が食べてる玉子焼きは、本来ならヒヨコになって幸せな
人生を送るはずだったんだ…。何でだろうなぁ、ヒヨコは悪くないのに。どうし
てだろうなぁ、お前がそんなに笑顔玉子やきを食べていられるのは…」
金糸雀「やめて!!言わないで〜!!」
翠星石「出番が欲しいですぅ……」
水銀燈「諦めなさい…」

−次回、引きこもり少年ジュンが獣の槍とかバネ足とかで、歪んだお伽話を正す
!!−
フウ「嘘で」
ラプラスの魔「御座います」
じかい、[幕間] ドールと・ダンス〜お人形さんと遊ぼう!!〜
こうごきたいください。
投下日未定。書き溜まるまでもう少しお待ち頂きたい。


92 :

  
     ブカブカドンドン
 
   さぁさ、御覧なさい!

世にも珍しいコミック・ショウが、これより当人形劇にて始まりまする。

決して出会う事のない彼、彼女らとの掛け合いが楽しめますこと請け合いの、【
からくりメイデン】幕間、鷹揚の御見物を願います!

93 :

ラプラスの魔「これはこれは皆様、ご機嫌麗しく」
ラプラスの魔「この度は【ドールズ・ダンス編】……長きに渡る闘いの物語を最
後までご覧になって頂き、誠に有難うございます。では、さっそく次の物語を開
幕し……
???「見つけた……」
真紅「よくよく考えたら、貴方を絞り上げて知ってることを白状させたら話の進
行がだいぶ楽になるじゃない!!」
ラプラスの魔「お気を確かに、五番目の薔薇。物語には筋書きというものがあり

雛苺「正直、筋書き通りにお話を進めて行くのはかったるいの〜」
金糸雀「だから今ここでちゃちゃちゃ〜っと物語の確信を聞いて、あと数話で最
後まで持っていって、『絆というの〜』で終わりで良いんじゃないかしら」
ギイ・水銀燈「「奇才あらわる」」
ラプラスの魔「では、兎風情はこの辺りで」
鳴海「待てコラぁぁ〜〜!!」ダッ
蒼星石「では、からくりメイデン幕間。【ドールとダンス】お楽しみ下さい」
勝「どうして蒼星石が進行役になってるの?」
蒼星石「それはね、誰もやってくれないからだよ……」(遠い目)


94 :

『サハラ砂漠での戦いから2日目』

〜フウの屋敷〜
しろがね「ふふふ、まさか真紅が弱音を吐くとは思いもしませんでした」
真紅「そ、それは言わない約束よ!!」
翠星石(あの真紅が弱音を!?うう……詳しく聞きたいけど、頼むのもシャクです)
「マサルとコロンビーヌが握手してぇ〜」
翠星石(何で敵と握手するんですか。ああ、もう気になります!)
「ドットーレの手はエターナルフォースブリザードだったかしら〜」
翠星石(何なんですか!!エターナルフォースブリザードって!!)
わ〜わ〜!キャッキャウフフ!クサレチョンマゲ!……ゴチンッ!……ママン〜

翠星石「……」イライラ
翠星石「ふんっ!翠星石は先に寝るです!!」
鳴海「面倒な奴のキゲン損ねちまったか。ん?ギイの奴、いつの間に逃げた!?

蒼星石(う〜ん。もう少し翠星石も会話に混ぜれば良かったかな)
翠星石「ああ、どいつもこいつも翠星石を置いてけぼりにしてぇ……」
金糸雀「ふ〜〜ふふ〜ん♪」テクテク
翠星石(あれはチビカナ……アイツも早めにおいとましたんですか)
翠星石「……」ニヤリ

95 :
金糸雀「ああ〜食べ過ぎたかしら。飲み過ぎたかしら。幸せかしら〜」ポワ〜
翠星石(その緩みきったホクホク顔もここまでです。お前が鞄に入ったら、その鞄
をガムテープでぐるぐる巻きにして……イヒヒヒヒ!)
金糸雀「さて、今日は寝る前の自主トレでも始めるかしら」
翠星石(ん?何か面白い事が起こる予感が……。しばらく様子を見ておきますか)
金糸雀「この幸せな余韻に浸りつつも、向上心を忘れない!カナは自分の勤勉さ
が恐ろしいかしら……」
翠星石(翠星石はお前の単純さが恐ろしいです)
金糸雀「だってカナはギイさんに『言われた』んだもん」
金糸雀「カナは自分の幸せを守るために強くならないいけないって、そしたらカ
ナだって……」
金糸雀「ギイさんみたいに強くなれるって!!」キラ〜ン
翠星石(わかったです……どうして翠星石が、チビカナを姉として見れていないか
が……)
翠星石(コイツは常に脳天気で、キザ人間の言ったことを疑うつもりは、全くない
。自分は何だって『できる』と思っていやがるんです!)
翠星石(コイツはまるで……どす黒く燃える太陽みたいなバカです!!)
金糸雀「カナは頭脳で戦うタイプだから、運動は辞めね」
翠星石(って、さっそくダラけてるんじゃねぇですよ!!)
金糸雀「カナに合う戦い方は……頭脳的な戦い方は…………『分解』かしら」
ジャコ「……」
金糸雀「んむぅ!?丁度良いところにマサルのジャコが!ふふふ、実験台はあなた
に決まりね」
金糸雀「工具を借りて〜マサルみたいにこうやってぇ〜」
金糸雀「分解っっ!!」しゅぱぱぱっ
ジャコ「……」
金糸雀「なぁ〜んて、上手くいくわけ……」
ジャコ「ヒヒ……」ぐら……
金糸雀「へ?」
バラバラバラバラバラバラ〜〜
金糸雀「えええええ〜〜!?」

からくりメイデン【幕間】 ドールと・ダンス〜お人形さんと遊ぼう〜


96 :

ジャコ「ヒ……ヒヒ…………」ガクガク
金糸雀「あわわわわ、まさか本当に分解出来るなんて……こんなところ誰かに見
られたらカナはおしまいかしら」
???「ふっふっふっ、現場はおさえちまったから観念するですよ」
金糸雀「そ、そ、そ、その声は……」
翠星石「うわ〜酷い!いくらカマボコマユゲの物だからって酷すぎですぅ。大切
なマリオネットがバラバラになってたら誰だってカンカンでしょうねぇ」
金糸雀「あ、あうぅ……」
翠星石「この件を黙っていてほしかったら、翠星石の下僕になりやがれですぅ!

金糸雀(そんな!!カナは一生翠星石の言うことを聞かないといけなくなるの!?)
翠星石「まずはお前のたまごやきを1日ひときれ翠星石に献上してもらうとしま
すかねぇ」にやにや
金糸雀「う゛……う゛う゛…………」
金糸雀「誰か助けて……」
金糸雀「助けて!ギイさんっっ!!」
翠星石「いひひひ、助け何か呼んだって……」
ギイ「呼んだか金糸雀」ヌッ
翠星石「ばぶふぁっ!!」


97 :

金糸雀「うわぁぁん!ギイさん、ギイさぁ〜んっ!!」
ギイ「おお、よしよし。僕が来たからもう安心だ」なでなで
翠星石「え?何でお前がここにいるんですかキザ人間っっ!?」
ギイ「僕は常日頃から、朝昼晩からおやつの時間まで金糸雀を見守っているのさ
。そう、今だって扉の陰に隠れて2人のやり取りを見守っていたんだ」
金糸雀「ギイさん……」キラキラ
翠星石(コイツ頭のネジがぶっ飛んでるです)
翠星石「で……でも、このバラけたマリオネットをどうするつもりですか」
ギイ「僕が直そう」
金糸雀「ギイさんは頼りになるかしら〜!!」
翠星石(ぐぬぬ。せっかくチビカナをイジメるチャンスでしたのに)
ギイ「ここをこうしてだな」
金糸雀「ほうほう」
ギイ「これはこうだったかな」
金糸雀「ふむふむ」
ギイ「……こうなれば良いのか?」
金糸雀「……あれっ?」
ギイ「自分の物ではないマリオネットを直すのは難しいな」
金糸雀「ギイさんファイト!」
翠星石(ああ、この雰囲気だとカマボコマユゲのマリオネットは直らんです。って
いうか絶対に最初より酷くなります)
翠星石(普段なら蒼星石やしろがねが、最悪の状況になる前に待ったをかけるんで
すが…………)
翠星石(翠星石は煽るだけ煽ってやるです!!)


98 :

翠星石「おっ!だんだん元の形に戻ってきやがりましたね。さすがキザ人間!だ
てにチビカナのマスターはやってないですぅ!」
金糸雀「でも、このジャコさっきと明らかに様子が……」
翠星石「いやぁ〜出来る姉を持つと助かりますねぇ〜〜。ホント、誇らしいです
ぅ」
金糸雀「翠星石は……カナが誇らしいのかしら?」ぴくっ
翠星石「モチロンです。金糸雀は翠星石の中でお姉ちゃんになって欲しいドール
ランキングぶっちぎりの一位なんですよ!」
金糸雀「お……お姉……ちゃん…………」
翠星石(ただし、ワーストですけどね)にたり
金糸雀「安心するかしら翠星石!!ここはお姉ちゃんに任せて!!薔薇乙女1の頑
固職人の金糸雀が動いたからには大船に乗ったつもりでいるかしら〜〜」
翠星石(ちょろいもんです)
ギイ「レディに誉められて悪い気はしないな。どれ、最後の追い込みをかけるか

翠星石(いひひひひ、明日が楽しみで仕方ねぇです)


99 :

〜次の日〜
雛苺「今日はお天気が良いからお散歩に行ってくるの」
勝「お昼ご飯は持った?」
雛苺「今日のお昼までには帰って来るから、いらないわ」
勝「そっか、みんなで食べたいもんね。行ってらっしゃい雛苺」
雛苺「お土産に何か面白い物を持って来てあげるの〜」ふりふり
勝「じゃあ、ぼくはまたジャコをいじろうかな。よし、今日は前からやりたかっ
た飛行のテストをしよう!!」
勝「最近は荒っぽく使っちゃったから、おかしくなってないといいなぁ」カチャ
カチャ
ジャコ「……」
ゴソ……
金糸雀(ジャコの見た目良〜し。1ミリのズレもないわ。これなら誰もジャコが分
解された事に気づかないかしら)
翠星石(じゃあ、何で隠れてやがるんですか)
ギイ(万が一という事もあるだろう。……静かに、勝がジャコを動かすぞ)
勝「さあ、立ち上がれジャック・オー・ランターンッ!!」ギュイッ!!
ジャコ「……」

ジャコ「…ヒヒヒ…」

ジャコ「フヒヒヒヒ!!」

勝「    」

翠星石(ああ、これは違和感ありありですぅ)
ギイ(スマナイ金糸雀。どうやら僕の力不足だったようだ)
金糸雀(バレちゃうバレちゃう!!バレちゃうかしらあぁぁぁぁぁ……!!)ガチ
ガチ

100 :

勝「あれ……?あれ?あれ?あれぇ〜〜〜?」
勝「おかしいなぁ……今、ジャコから変な声が……」

勝「……」キュッ

ジャコ「フヒッ」

勝「……」ギュイッ…

ジャコ「フヒイッ」

勝「……」

勝「……」ギュイッ!!

ジャコ「フヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ!!」

勝「うわあああああああん!!」

ギイ・翠星石「「〜〜ッ」」バンバン

金糸雀(マサルからどうやって許してもらおうかしら……)
勝「何だコレ?何だコレえぇぇ!?」ギュッ、ギュイッ

ジャコ「フヒッ、フヒィッ!」
ギイ「ダメだ勝!!そんなに糸を引っ張ってしまえばジャコが暴走してしまう」
勝「ギイさん、どうしてここに!?って……わあっ!!」バッ

ジャコ「フヒヒヒヒ」ビュン!!
翠星石(ブハッ!と、飛んで行きやがったですぅ)



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