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新ジャンル「堂守」


1 :2010/08/07 〜 最終レス :2018/10/17
落葉掃けばころころ木の実

2 :
壁の新聞の女はいつも泣いて居るんですね

3 :
放哉かよw

4 :
漏れら極悪非道のageブラザーズ!
今日もネタもないのにageてやるからな!
 ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  ∧_∧   ∧_∧    age
 (・∀・∩)(∩・∀・)    age
 (つ  丿 (   ⊂) age
  ( ヽノ   ヽ/  )   age
  し(_)   (_)J

5 :
なぜだろう
荒れ寺で柱にもたれかかって茶碗酒呑んでる用心棒の先生が思い浮かんだ

6 :
実家近くのお堂は確か野良鶏の巣になってたっけな……

7 :
放哉と先生と鶏か……

なにこの無茶苦茶な三題噺?

8 :


9 :
どう考えても喪暮らししか思い浮かばねえw

10 :
もちろん若い女の子じゃなくてジジィですよね?

11 :
「「 自由な人たち 」」 011+01  2010.22.9.6--001 
*** 知人たち ***
 公園に入りベンチに座った。じっと見つめられている。
 「なぜ、そんなに見るの」
 じっと見つめていたいのに理由を聞くのかと思った。
 「好きだから」
 見るだけじゃなくて、何か面白い事を言えばいいのにと思った。
 「何か言ってよ」
 何か言えって、何も言いたく無かった。言った所でしょうがないと思った。
髪を触り、指に絡ませてみた。
 「何よ、何も言う事ないの」
 髪が指に絡み、その感触がたまらない。
 「綺麗な髪だね、君は綺麗だよ」
 手を払い、髪を触るのを辞めさせた。
 「何か言ってよ。何か聞きたいのよ」

12 :
「「 自由な人たち 」」 011+02  2010.22.9.7--002 
*** 知人たち ***
 公園で何を話せと言うのだろう。
 「好きと言うだけじゃいけない訳」
 好きな事は分った。好きなだけじゃやなのよ。
 「好きになるなんて、簡単でしょう」
 どうして、好きになって、好きという気持を言葉で伝える事は大変なことでしょう。
 「好きに成る事を告白することは簡単じゃないよ。人を好きになり、それを相手に
伝え、そして、相手にも好きと言わせる。何処が、簡単なんだ」
 だから、私の何処が好きになり、二人はこれからどうなるのよ。それを言いなさいよ。
 「分った。私を好きなのね。私も、好きと言った。でも、それだけよ」
 考えたんだ。大分悩んだ。告白するかどうか。止めようと思った。でも、なぜか、
諦めることが出来なかった。会うと嬉しくなり、合わないと不安に成った。前に、
言ったじゃないか。
 「好きに成った理由なんて、分らない。全てが好きなのかもしれない」
 具体的に聞きたい。抽象的は嫌い。はっきりして欲しい。
 「これから、どうするの」
 焦るなよ。時間は幾らでもあると思うけど。

13 :
「「 自由な人たち 」」 011+03  2010.22.9.8--003 
*** 知人たち ***
 「好きで、一緒にいたくて、会っていると楽しい。それから」
 私が求めているものは何だろう。欲しいものは何だろう。
 「何が欲しい。一緒にいてどうするの」
 だから、焦るなって言うの、欲しいものを聞いてどうする訳、好きと言っているのに
それ以上、答えようがないと思うけど。
 「取り合えず、好きなんだ、何が欲しいって、言っていい分け」
 何か言わなければ分らない。何でも言って欲しい。
 「別に、貴方の欲望を聞いているわけじゃないのよ」
 欲望、それが全てと思うけど、男と女がいて、欲望が無かったら、好きなんて
言えない。
 「多分、欲望だけしかないと思うけど、好きと言ったわけだから」
 誘ったのは貴方よ。声を掛けたのは貴方、感じが良くて、話を聞きたくなった。
だから、誘いに乗ったのに、欲望だけなんて、何だかおかしい。
 「好きなことは分ったわ、趣味なんか在るの」
 趣味なんか聞いてどうする。まともに答えられない。多分、悪趣味と思われる。
 「趣味か、沢山あるよ。何でもしたいのが趣味かな、多趣味、趣味って欠点にも
なるよね。言っていい趣味と言わないほうがいい趣味」

14 :
「「 自由な人たち 」」 011+04  2010.22.9.9--004 
*** 知人たち ***
 公園のベンチに座り、詰まらない話ね。趣味もなさそう、これからどうする訳。
 「私は無趣味です。無趣味ってどうですか」
 趣味なんか、お互い違ってもいいじゃないか。趣味が在ったからって、その
趣味に付き合う必要も無いと思うけど。
 「無趣味ですか。それは珍しいですね。今日の服装は趣味がいいと思うけど、
おしゃれが趣味だったりして」
 好きな相手が趣味が在ろうが無かろうが関係ない。自分に取って大事な事は
その人といることで、満足できればいいし、より高い位置を望む意欲が増せば
それでいいと思っている。
 貴方に取って私は何なの女というだけ、それならば女なんて幾らでもいるで
しょう。
 「こんな感じが好きなの」
 「そうです。でも、何でも似合うと思うけど、好きだから、何でも」
 女なら何でもいいって言ってるよう。まあ、そんなものでしょうね。
 「どうして、そんなに好きって言うの、それは分った」
 好きと言えば、何でも済むと思っている。
 「尻痛くないですか。このベンチ少し堅いですね」
 公園のベンチなんてみんな堅い。貴方が誘ったのに。確かに、お尻が痛くなりだした。

15 :
「「 自由な人たち 」」 011+05  2010.22.9.11--005 
*** 知人たち ***
 「お尻、見て、痛そうと思った訳」
 「いえ、そんな、そんな事は考えてない、ですよ」
 何よ、考えているくせに、いつも何もしないで、訳の分らない話ばかり、
うんざりだわ。
 「ここでいつまでも話しているつもりですか」
 そんなつもりはないけど、今、考え中なんだ。食事か、映画、それとも、何処か、
二人になれる所。
 「食事出来ます。出来れば、一緒にしたいですね」
 当然でしょう。そのつもりで来ているのに、食事しないって言ったら、許さない。
でもまだ時間は早いけど。
 「食事にはまだ時間早くない」
 話し方が雑になりだした。多分、性格が雑なんだな。
 「どうするかな、ここで話します」
 尻が痛いでしょうと言っておきながら、ここで話すなんて結論はない。
 「私のお尻、気にならない」
 話すだけならばここでもいいと思うけど、尻が痛いのではしょうがないな。
 「何処かに入りますか」
 「ホテルですか」

16 :
「「 自由な人たち 」」 011+06  2010.22.9.13--006 
*** 知人たち ***
 好きな人とホテルに入る。それも良いか。でも、それは余りにも短絡的であり、
無謀な感じもする。
 「そんな事を言って、良いの。現状ではホテルは結び付かない」
 本気ならば、別にいいけど、でも、本気じゃなければ、まだ、許すことは出来ない。
大事な体を自由にされてはたまらないわ。ホテルでお茶って言っておこう。
 「ホテルで何するつもりと思っているの。ホテルでお茶はどう」
 お茶かそれはそうだ。好きと言っただけで、ホテルに行こうじゃ恋も冷めるよ。
 「ホテルって言ったので驚いたよ。お茶だね」
 私も、つい言ってしまったけど、本気なら、ホテル行ってもいいと思った。本気って
何処で判断するのか分らない。今はホテルで二人で泊るなんて、在りえない。
 二人は歩き出し、手を繋いだ。しかし、直に離した。何かを確かめたのか。多分、
何かを感じたかったのかも知れない。指先が触れ、その後から、軽く握り在って、
その感触を確認した。

17 :
「「 自由な人たち 」」 011+07  2010.22.9.14--007 
*** 知人たち ***
 歩きながら思ったことは一緒にいたいという事だ。
 「好きに成るって、どういうこと」
 難しい質問、姿形で好きに成ったり、話し合っている間に好きに成ったり、色々
だろう。
 「歩いているときに答えられない」
 それもそうね。好きに成った理由なんて、そんなに簡単に答えられない。
 「お茶でも飲みながら、聞こうかな」
 簡単に答えられなくもないか。体が貴方を求める。こんな答えならいつでも言える。
 「君も好きなんだろう」
 お茶を飲みながらって言ったばかりなのに同じ事を聞くなんて、馬鹿な人。
 「好きよ」
 好きに、理由なんて必要か。必要だろうな。どれくらい好きかとか、その好きさを
どんな形で表すことができるとか。

18 :
「「 自由な人たち 」」 011+08  2010.22.9.15--008
*** 知人たち ***
 好きになって、相手も好きと言ったときから、何だか、考えることが増えてきて、
息苦しくなる。自分だけが好きなとき、片思いのときは夢が無限に広がり、全てが
ばら色、それが相手に告白し、相手もその気になり、好きと言ったときから、何となく
重く感じる。
 「好きって、好きだけじゃないね」
 思わず、口に出してしまった。好きなだけじゃなかったら、他に何かがあると
言う事に成る。
 「何で、何があるの」
 何言っているのよ。好きじゃないって事、そんなに付き合っていないのに、答えを
聞かなくっちゃ。
 「何かおかしかった。好きだから、それは間違いない。でも、それだけじゃない。
どこかおかしいかな」
 答えようとしない。まあいいか、好きだけで解決する問題なんて、世の中には
少ないし、好きじゃないことは非常に多い。

19 :
「「 自由な人たち 」」 011+09  2010.22.9.15--009
*** 知人たち ***
 「好きに成ったことで実現することが沢山あるでしょう。それに好きだから、
それを守る為に、好きじゃないことも乗り越えることが出来る」
 性格は道徳的だね。世の中は道徳だけでは生きられないけど、道徳が無ければ
生きられない。好きな人が道徳的ってどういうことに成るわけ。
 「好きに成ると想像することが多くなるね。何でも想像する」
 例えば、君の体のこととか。想像すると止まらなくなるし、それを実行したくなる。
これって道徳的か。好きになって相手の体を想像しても、それを道徳が無いとは
言わないだろう。
 「想像する事はいいことでしょう。現実は想像通りには行かないけど」
 何を想像しているの。想像するのは勝手だけど、目の前にいることを忘れないで
欲しい。
 「別に、違っていても、そんなに気にはしないよ。今は想像するほかないし」
 二人の未来を想像しているの、それとも単に二人の交わりを想像しているの、
なんなのよ。

20 :
「「 自由な人たち 」」 011+10  2010.22.9.16--010
*** 知人たち ***
 コーヒーの香りがする店内に入り、多くの人たちの顔を見ながら、空いている
席を探し、二人は座った。
 「こんなに込んでいるだ。驚き」
 結局、何もないのかも知れない。やっぱり、少し冒険がしたいし、好きなときに
触れ合う感触は欲望を越えた愛欲の世界を味わう事ができるはずだ。
 「コーヒー。それに何か食べます。ケーキでも」
 薄笑いを浮かべながら、頷いた。何でもいいよ。たかがコーヒーなんだから。
ケーキは太るよ。太った体もいいけど。
 「何もないのかな、何か少し、在ってもいいと思うけど」
 何よ、それって、何か要求しているつもり、ホテルに誘ったのは私よ。それで
十分と思うけど。この先は任せる。
 「ここは初めて、いいわね。ガラスに貴方が映ってる。少し、横向いて」
 馬鹿ね。そんなにいい顔とは思わないのに、何となく興味を持ってしまった。
顔じゃないといいたいけど、顔も大事ね。でも、この辺で決めるかな。
 「貴女も映ってる。貴女を見ている誰かの顔はあまりいい男とは言えないね」

21 :
「「 自由な人たち 」」 011+11  2010.22.9.16--011
*** 知人たち ***
 お互いガラスに映った姿に話し掛け、自分の心と顔との違いを確かめようと
しているようだ。
 「貴方って、素敵よ」
 何だよ、突然、ガラスの中の自分を見た。にやけてる。馬鹿、にやけている場合か。
 「先に言わないでよ。美しい二人の貴女にこんな所で会えるなんて思ってもいな
かった」
 貴方でいいかな。幸せにしてくれそうだから。でも、まだ、愛してるって言葉聞いて
いない。
 「私、綺麗、そんな事を言われた事ない」
 みんな言うのよ。美しいとか綺麗とか、でも本心じゃない。その場限り。目的を
達成する為に適当に言うだけ、みんなその場限りなのよ。
 「これから、何回も会いたいと思っている。貴女はどうかな」
 目の前の3Dとガラスに映った顔を交互に見ながら、確かめた。でも、分らない、
本気のようでもある。でも、まだ、よく分らない。この人を好きと思う自分を信じる
ほかないのかな、結局、人生なんて運と賭けのようなもの。
 「それはかまわないけど、というより、それは当然でしょう。好きっていたでしょう」
 嘘っぽい顔、本気なのに、何で、顔と心が合わないの。もう一度言わせて欲しい。
 「声が大きいよ」

22 :
別板に行って下さい

23 :
「「 自由な人たち 」」 011+12  2010.22.9.17--012
*** 知人たち ***
 だって、今日が人生の大事な日になりそうだから、でも、冷静にならなくちゃね。
 「少し、興奮気味、なんでだろう。変な顔」
 一人で盛り上がっている。可愛いけど、余裕が無いね。もっと、優雅に振舞って
欲しい。
 「考えてみるとこんな気持になったの初めて、そんな感じかな、言葉に出来ない」
 何で、分る訳、そんな感じ、この胸の内を言葉にすると、私、これから生きていけ
ないような感じ。
 ガラスの中の自分が別人のようだ。貴女は誰なの、私は恋する乙女、貴女は。
私は嘘吐き女、恋する乙女なんかじゃない。
 「きっと、二人は合うと思うよ」
 暗示にかけようとしている。何が合うというのよ。好きだから、ただ、それだけで。
 「いつから、その、好きだったのは」
 これが定番ね。好きに成ったのはいつよ。どうして、なぜ、私なの。言えばいいのよ。
適当にどうぞ、聞いてやる。
 「ずっと前から」
 品定めをした。適当じゃ駄目と思った。その為に自分を変えようと思った。

24 :
「「 自由な人たち 」」 011+14  2010.22.9.18--014
*** 知人たち ***
 「合格した訳、貴方の女として、嬉しいと言えばいいの」
 馬鹿、馬鹿、何てこと言うのよ。恋する乙女なのに。最低。
 「君に会ったときから合格をしていた。でも、僕が不合格だった」
 一目ぼれなんだ。それって弱みね。いじめてもいいって事かな。面白そう。
貴方は私しだいってこと、合格、不合格を出すのは貴方じゃなくって、私ね。
 「勿論、君が決める事なんだ。僕が合格かどうかは」
 それはそうよ。でも、心を見透かされている感じ。何となく、侮れない。私は
貴方に合格点を付けたい。だから、合格して欲しい。
 「私の事を何も知らないのに合格した訳、それっておかしくない」
 人生には色々な関門があるって事。そして、その都度、合格しないとね。安心
出来ない。めがねにかなったと言うだけ。全てはこれから。まだ、幾らでも不合格を
出せるんだよ。
 「良く君を見ていた。君が分らなかっただけ、そして、合格点を付け、次の段階に
入った」
 そうなんだ。貴方はそういう人なのね。貴方に任せるわ。貴方が不合格になれば
私は貴方から去ればいいだけだから。

25 :
漏れら極悪非道のageブラザーズ!
今日もネタもないのにageてやるからな!
 ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  ∧_∧   ∧_∧    age
 (・∀・∩)(∩・∀・)    age
 (つ  丿 (   ⊂) age
  ( ヽノ   ヽ/  )   age
  し(_)   (_)J

26 :
「「 自由な人たち 」」 011+14  2010.22.9.19--014
*** 知人たち ***
 「人を好きに成ると自分を見つめ直し、自らの至らなさに気付き、嘆き苦しみ、
少しでもその苦しみを和らげようと努力する。君のハードルは高かった」
 勝手にハードル高くされても困るな。お互い好きならそれでいいと思うけど。
 「何事も私が貴方を好きに成らないと始まらない。だから、貴方に取って私は
知人でしか無かったと言うわけね」
 何も知らない同士がお互いを見て興味を抱き、言葉を交わし、自らが抱いた
感情を確かめる為に恐る恐るお互いを知ろうと距離を狭め、息遣いが分る
位置まで近付き、それと共に胸の高まりの異常に驚き、言葉を交わす前に
未だ経験しない恋する相手に対する胸の鼓動の速さと高鳴る鼓動の強さに
耐えがたい重圧と悲しみとも取れる喜びを感じ、初めての言葉を交わす瞬間、
新たな世界が目の前に広がるような気持とそこには別人になった自分が存在
している事に気付く。
 好きと告白された人に取って、大変なのはそのとき、何一つ感情がないことよ。
貴方は私を好きでも私は貴方を好きでも嫌いでもない。貴方はただの男なのよ。
興味もなければ尊敬もない、貴方に対して、好きという感情の欠片もない。全く
持って白紙なのよ。残念ながら。それなのに私は貴方の誘いに乗り、好きと
言ってしまった。その理由をこれから探さなければ成らない。もし、貴方にその理由
が見つからなければ、私は嘘吐きに成るし、貴方から去らなければならない。

27 :
「「 自由な人たち 」」 011+15  2010.22.9.20--015
*** 知人たち ***
 「僕が好きなったのは貴女の幻であって、貴女でないことがだんだん分って来た」
 当然でしょう。貴方が好きに成ったのは貴方が想像した私よ。それが間違いよ。
貴方に本当の私を想像できる筈が無いわ。これからみっちり私を知ってもらうわ。
 「貴方が想像した私はわたしではないの、それは貴方が作った虚像よ。幻よ。
貴方が私を知れば知るほどそれが破壊され。そして、本当の私が現れる。
貴方は地獄に落ちるのよ」
 その通り、でも、始まりはみんなそんなものでしょう。貴女の笑顔を見て、貴女の
話す姿を見て、貴女の声を聞いて、貴女に惹かれ、想像を含ませ、寝ても醒めても
貴女のことを考え出し、貴女に直接会って思いを告白しなければならない状況が
訪れた。それも相当悩み、その悩みを解消する為に学び、自分に足らないものを
揃えようと努力をした。僕の人生のパートナーの為に出来る事は全て準備した
かった。
 「地獄に落ちるんだ。何で、最初から、そんな事を聞かなければ成らないのか
分らない」
 好きに成るってことはそう言うことよ。地獄から這い上がってこそ本物ね。

28 :
「「 自由な人たち 」」 011+16  2010.22.9.21--016
*** 知人たち ***
 「好きだからこそ、地獄のような私に耐えられる筈よ」
 貴方は知らないのよ我侭な私を、好きだからできる事なんて、たかが知れている。
嫌いになって私に尽くす事こそが本当の愛、それが出来ないのなら私には意味が
ない人ね。私が欲しいのは私に取って必要な人なの。
 愛の代償なんのか、それとも、地獄のような天使と言う事か。始めから天国という
のも詰まらない。地獄からの出発、上等じゃないか。
 「君を判断するのは僕だ。君はありのままでいいよ。多分、地獄でも天国でも
一緒の筈だから、いつも一緒ならばそれも仕方ない」
 二人になれば、何もかもが変わる筈だ。君も僕も変わる。どのように変わるかは
お互いがどのように深く関わるかによって決まる。
 別々の人格がお互いの人格と接し、結ばれるものもあれば結ばれないものも
あり、その数やその強さによって、お互いの絆を確かめ合い、関係が続く場合も
あれば続かない場合もある。それは仕方ないこと。

29 :
「「 自由な人たち 」」 011+17  2010.22.9.22--017
*** 知人たち ***
 「退屈な生活は耐えられない。貴方に何を望めるの」
 人生なんて気の持ちようでどうにでもなると思うけど、でも、好きな人と退屈な
日々を考えてみると退屈な日々が好きな人といることで我慢できると思う。
 「人生は時間と共に変わると思うから、退屈はさせないと思うけど、ただ、
何を持って退屈というかかな」
 今は会うだけで満足するけど、会うだけでいつまでも満足は出来ない。貴方は
私に何を与えてくれるの。
 「欲しいものが一杯あるの」
 それは君しだいだね。君が欲しいものは何でも叶えて遣りたいけど、それには
条件がある。与えるだけの価値があるかという事と与える事で君が変化して行くか
という事。
 それに君に与える事で私自身も変化して行くかと言うこと。

30 :
「「 自由な人たち 」」 011+18  2010.22.9.24--018
*** 知人たち ***
 「人生は退屈でもないだろう。仕事も友達も恋人もいる。それに日々の生活には
身の回りのもろもろの雑用が沢山あるよ。顔を洗い、食事して、歯を磨き、トイレに
入って、風呂に入る。君は化粧もするだろう」
 生きるだけで、大変だ。好きな人の面倒も見なければ成らない。そう言えば
夜のお勤めもある。幾ら時間があっても足りない。それが現実だろう。
 「私、食事作るの」
 私は楽しく生きたいの食事作るのはどうも苦手なのよ。食事作るの大変よ。
買い物から始まり、野菜を洗い、食べ易い大きさに切ったり、擦ったりしなければ
成らない。そして、煮る、炒める、焼く、材料は野菜だけではなく、肉、魚、果物、
缶詰、瓶詰めなどね、これを料理して、盛り付ける。そして、食べてからは後
片付けをする。こんなの出来ない。貴方も手伝うの。
 「料理好き、好きじゃなの」
 料理は作ればいいってものではない。味だ、それに栄養、栄養もあればいいって
ものではない。それぞれの体調を考える必要がある。季節感もあるし、土地による
名品もあり、色々と工夫をすることで、人生を楽しく送る事ができる。

31 :
「「 自由な人たち 」」 011+19  2010.22.9.28--019
*** 知人たち ***
 「料理って、難しいでしょう。結婚したら、でも、作れるよ。多分」
 結婚したい訳、早いよ。料理が出来なければ、結婚しないってこと。まだ、
何もしてないのに、それとも料理作って食べさせてってこと。
 「僕は料理しますよ。まあ、適当ですが、中々上手いですよ」
 なんだ、自分が出来る訳か。ということは料理を食べさせてくれる。それって、
家に誘われ、遊びにこないか。そう言うことか。その手には乗らない。
 「どんなものが作れるって聞くと、食べたいと思うでしょうね」
 別に誘ったつもりは無いけど、食べたいのなら作ってもいいか。
 「食べに来ます。もし、食べたい物があれば言ってください。何でも作りますよ」
 もう、食べに行くかな、でも、食べるだけではすまないだろうな、行けば私の
肉体は食べられる。それは間違いない。
 「食べに行ったら、食べられそう。食べないって約束できます」
 何だよ、それって、もういいだろう。我慢の限界だ。
 「勿論、変な事はしません。食べるのは料理ですよ。僕が貴女を食べると
思ったわけですか。そうでしょうね。そう思うでしょうね。でも、心配しないでください」
 まだ、早いのに、何も知らないし、だからと言って、知るためには冒険も必要だし、
でも、食べられてしまったら、私の鮮度はまた落ちる。
 「料理の仕方で、食材は結構変わりますよ。少し鮮度の落ちたものも大丈夫
ですよ。でも、僕は鮮度のいいものしか食べませんが」

32 :
「「 自由な人たち 」」 011+20  2010.22.10.1--020
*** 知人たち ***
 料理なんてどうでもいい、私が知りたいのはそっちの料理ではなくって、私の
料理よ。私をどう料理するつもりなのよ。
 「私の鮮度はどう思います」
 何だよ、自分の鮮度が気になる訳、好きとか、嫌いに鮮度なんてないだろう。
どうかしてる。でも、気になるか。
 「突然ですね。僕は人には鮮度を感じたことはないですね。それって、どう
知ることが出来ます。それにそんな事を聞けるはずが無い」
 不味かったとか、良かったとか、そんな事も鮮度に入ると思うけど、私の事を
好きと言うのなら、何で好きかとか、どうしたいとか言って欲しいし、それに
よって、女は変わるのに。
 「聞いて欲しいけど、新鮮度も大事でしょう。表現の仕方には色々あると
思うけど」
 まあ、鮮度がよければ、それに越した事はないか。でも、鮮度が保たれている
方が大事かもしれない。荒波を乗り越えても常に鮮度を持ちつづける。まあ、
理想はこれだな。
 「人は気持だから、新鮮度はどうですかね。新鮮じゃなければ駄目って
ものでもないでしょう」

33 :
>>32
エロパロ板に移動して下さい!

34 :
「「 自由な人たち 」」 011+21  2010.22.10.4--021
*** 知人たち ***
 思い返せば人生って一度きりのことがほとんど、だから、何でも大事にしたい。
これからも、初めての経験があると思うけど、ただ、通り過ぎるのではなく、出来る
限り忘れないようにして、そして、振り返れるような経験をしたいなぁ。
 「こんど何処かに行かない。そこで、美味しい物を食べて、色々な所に行って
楽しみたいの」
 それもいいな、君を知る為にも、僕を知ってもらうためにも、見たり、食べたり、
そして、語り合う事で、新しい発見もあるだろうし、お互いの欠点も知ることが
出来る。
 「付き合ってくれるの。何処でも行くよ。山、それとも、海、好きな所に行こう」
 何だかいい感じ、私の言う事を聞いてくれるんだ、好きだから、好きじゃなかったら
見向きもしないのかしら。
 「早いかな、好きと言われて、直に何処かに行きたいっていうのは」
 何だか、簡単過ぎる感じがする。軽い感じ、これでいいのだろうか。でも、誘って
誘われたと言う事は君も好きに成ったということ。
 「早くないよ。早い方がいい。人の心は光の速さぐらい早く感じ取れるときがあると
聞くよ。僕もそうだった。君を見た瞬間、好きと思った。光の速さという根拠は
正しいと思う。君は多分、大分前に僕を好きに成ったと思う」

35 :
「「 自由な人たち 」」 011+22  2010.22.10.5--022
*** 知人たち ***
 好きという感情を大事にしたい。誰でも好きに成るわけではないし、次から次へと
変える事は出来ない。出来ないというより、してはいけない。
 「私のどこが好きって言ったけ。聞かせて、いいでしょう」
 何回も言ったのに、何て言ったか忘れたよ。何でも好きって訳でもないし、こうして
会えば色々な発見がある。
 「全てかな、何が好きか、最近、分らなくなった。会う事で、新しい発見があるし、
洋服や髪型、化粧、話す内容、しぐさや顔の表情、別れる時の寂しさ、上げると
きりが無い」
 私は何を求めているのだろう。退屈な生活から逃れる為、仕事の疲れか
解放されたいから、肉体が求める本能が持つ欲望の為、知りたいけど、分らない。
 「そんな事を知っても、しょうがないか。貴方が好きなのは私そのものということに
するかな、でも、それでは駄目ね、私が私のことを知らない感じがするから」
 難しいことを考えるな。何回も会う事で、それが絆になり、その絆が太くなると
考えれば、好きと感じたときのことは単なるスターと地点あり、それは細い絆で
しかない。
 「会って二人で何をするか。何をしたいか。それが会わない時より、どれほど、
会っている方がいいか。楽しいか。会いたいかということかな。だから、会いたいか
ということ」

36 :
※エロ・18禁等の作品はお絵描き・創作板、エロパロ板へお願いします。

37 :
「「 自由な人たち 」」 011+23  2010.22.10.10--023
*** 知人たち ***
 会えないとき、会う事が出来ないとき、会いたいとき、そのとき、何を考え
過ごしているか。会えなくても、満たされれば。隣にいなくても、その存在を感じて
満足できれば。そんな存在で在って欲しい。そんな存在で在りたいなんて。
 「会えないときもあると思うけど、そのとき会いたくなったら」
 会えないときの方が長いだろうな。一緒にいる時間は短い。だから、会いたく
なったら、会えばいいと思うけど。
 「会いに行くよ。呼んでくれれば、一生の中で一緒にいる時間は短いよ」
 会えないときも私のことを考えていてくれる。考えないだろうね。考えるときも
あると思うけど、私も貴方がいないときは、何を考えているだろう。仕事のことや
本のこと、ふと、思い出すときが幸せかな。
 「最初は好きだから、いつも一緒にいたいのかな。これから、どうなのか」
 
 好きなのは分ってくれたし、好きと言ってくれた。これから、会って何をするか。
何をしたいか。何をすればいいんだ。
 「何も考えなくてもいいと思う。自然に気持を感じて貰いたいし、在りのままを
感じるだけ」

38 :
「「 自由な人たち 」」 011+23  2010.22.10.11--024
*** 知人たち ***
 風がふっと吹き、髪を揺らし、顔にも当たり心地よい感触で風が通り過ぎた。
 「風よ。店の人が窓を開けたのよ。風もいいね。すごく気持ちよかった」
 風に吹かれてか、これから、風は何処に向って吹くのかな。風のような人生は
ご免だ。まあ、普通は風に向って行くものだろうな。風を吹かせるとか風を起こす。
風に乗る。色々な風がある。
 「今、見たよ。君の髪が風に揺れて、目を閉じた顔を、綺麗な顔なんだな。
驚いた」
 目を閉じただけで、驚くんだ。好きに成られると何と無く徳な感じ、目を閉じて
驚かれたら、何をしても驚くわね。
 「いつも目を閉じていようかな。いつも、こうしてる。こんな感じ」
 風に乗ってきたのかな、変な感じだ。そんな事無いか。好きに成ればそんな
ものだよ。風に乗るしかないな。でも、風はいつかは止むけど。止まない。
この風は止まない。
 「目を閉じた顔を見て、また、好きに成った。そんな顔は僕だけにして欲しい」
 目を閉じたまま、頷き、笑った。好きなんだなと思った。どうすればいいのかと
手のひらで顔を塞いだ。

39 :
「「 自由な人たち 」」 011+25  2010.22.10.13--025
*** 知人たち ***
 生きることの難しさは、まず、一人では生きることが出来ないこと。どのような
生き方を望んでも、一人では何も出来ない。
 「貴方は私のことが好きな訳でしょう。私は今、好きと言われた訳でしょう。だから、
直には好きとは言えないと思わない。好きと言ったら嘘になる」
 好きと言ってくれると楽なんだけどね。生きる為に必要な人と思っているから、
好きと打ち明けた訳で、好きなものは自分のものにしたい。
 「好きって言ってくれてもいいけど、嘘でもいいから、それは無理か」
 でも、印象はいい。感じるものはあるし、嫌いじゃない。どちらかと言えば、
好きなタイプ。
 「私がここにいるから、それは想像して欲しい。ても、好きとは今は言えない。
それはいいでしょう。貴方だって、私に声を掛ける為に何か葛藤があったでしょう」
 勿論、何回も確かめた。君は気付かなかったけど、君とは何回もすれ違ったし、
君を360度から見つめた。そうだ、上かも見たな、残念だけど、下からは見てない。
 「観察の対象だったな。観察する事で益々好きになった。そして、夢に見た。
夢の中では良く話したな」
 夢の中ね。それは私ではないわね。あくまでも夢であって、空想の中の私。
多分、夢の話したいだろうな。私は聞きたくないけど。
 「夢の中の私と何した。話だけ、何にを話した。夢の中の私と現実の私は
違うと思うけど、それを確かめる」

40 :
「「 自由な人たち 」」 011+26  2010.22.10.16--026
*** 知人たち ***
 夢の話は止めておこう。夢の話をしたら、多分、分らないだろうし、好きな人間と
好きになるかどうか分らない人間では感じるものも違うし、夢は所詮夢だから。
 「今の所、君は夢以上、夢では君を空を飛んで追いかけた。中々上手く飛べなくて、
君に追いつけない、君は振り返り僕を見て、笑っていた」
 やっぱり、話してしまった。話すと思ってた。結局、それしか話すことがないからな。
 「夢見ます」
 
 夢の中の私と何をしたのよ。きっと、話すわ。そんな顔をしている。きっと、変な
事をしたと思う。
 「夢ですか。私はあまり見ません。どんな夢でした。話したいような顔してる」
 困ったな。夢だから、それを話すのはどうかと思う。ほくろがあったけど、それを
夢の中で話したな。でも、何処にあったかを話す訳には行かない。
 「夢は想像以上に過激なもので、いつもの自分ではない自分がいる訳ですよ。
なんたって、空を飛ぶわけだから、そんな事、現実には出来ないでしょう」
 飛ぶだけじゃないでしょう。現実に出来ることを夢の中でしたでしょう。何だか、
困らせているようで、どうかしている。
 「夢の中と現実とは違うと思うけど、夢の中で現実に出来る事もあるでしょう。
例えば正夢とか、夢遊病者が夢と現実が同時進行するとか」
 夢の話は失敗だったな、これでは何となく、間違った方向に進みそうで、何とか
しないと嫌われそうだ。
 「夢ですよ。止めます。子供のようで恥ずかしい」

41 :
「「 自由な人たち 」」 011+26  2010.22.10.16--026
*** 知人たち ***
 夢の話は止めておこう。夢の話をしたら、多分、分らないだろうし、好きな人間と
好きになるかどうか分らない人間では感じるものも違うし、夢は所詮夢だから。
 「今の所、君は夢以上、夢では君を空を飛んで追いかけた。中々上手く飛べなくて、
君に追いつけない、君は振り返り僕を見て、笑っていた」
 やっぱり、話してしまった。話すと思ってた。結局、それしか話すことがないからな。
 「夢見ます」
 
 夢の中の私と何をしたのよ。きっと、話すわ。そんな顔をしている。きっと、変な
事をしたと思う。
 「夢ですか。私はあまり見ません。どんな夢でした。話したいような顔してる」
 困ったな。夢だから、それを話すのはどうかと思う。ほくろがあったけど、それを
夢の中で話したな。でも、何処にあったかを話す訳には行かない。
 「夢は想像以上に過激なもので、いつもの自分ではない自分がいる訳ですよ。
なんたって、空を飛ぶわけだから、そんな事、現実には出来ないでしょう」
 飛ぶだけじゃないでしょう。現実に出来ることを夢の中でしたでしょう。何だか、
困らせているようで、どうかしている。
 「夢の中と現実とは違うと思うけど、夢の中で現実に出来る事もあるでしょう。
例えば正夢とか、夢遊病者が夢と現実が同時進行するとか」
 夢の話は失敗だったな、これでは何となく、間違った方向に進みそうで、何とか
しないと嫌われそうだ。
 「夢ですよ。止めます。子供のようで恥ずかしい」

42 :
落葉掃けばころころ木の実ナナ

43 :
「「 自由な人たち 」」 011+27  2010.22.10.21--027
*** 知人たち ***
 もう、大人の付き合いをしたいのに、私たちはいつまでも知人と同じ、どうすれば
いいの、時間は過ぎるだけ、私も歳を取ってしまう。
 「歳は取りたくない。理由は簡単よ。化粧が必要になるし、化粧は嫌いなの」
 誰の為に化粧をするのか、美しくなって何をしたいのか、誰かに何かをされて
嬉しいのか、それも歳をとることで、分らなくなる。
 「結局、好きな人には素肌を見られるから化粧しても意味がないと思う」
 化粧している人たちは、まだ、誰かを探しているのかも知れない。化けの皮を
剥されるの期待して。
 「化粧は自分の為よ、誰の為でもない。自分を飾る事で幸せになれる。だから、
化粧は必要、化粧をすることで別な人格に成れる」
 変化するということは、ただ、外見が変わるだけではない、全てが変わるのよ。
特に気持が違う、素顔の自分と化粧した自分は別人と言ってもいい。
 「化粧して誰かに好きになって欲しいとは思わない。好きな人には隠し通すことは
出来ない。だから、化粧は好きな人の為にする訳ではない」
 化粧したからと言って、そんなに変わるかしら、もし、別人になってしまったら、
それは化粧ではなく、特殊メイクと言った方がいいでしょう。

44 :
「「 自由な人たち 」」 011+28  2010.22.10.23--028
*** 知人たち ***
 私は仕事を優先したい。女だから。そんな女は嫌い。それならそうと言っても
いいけど。
 「貴方は仕事と私、どっちを取る。私は仕事を取るけど」
 好きにすればいい。金が無ければ、君を幸せには出来ない。仕事を取って
くれれば、その方がいい。
 「仕事と何を比べる訳、仕事と君、僕は君を取るけど、ただ、仕事と結び付ける
理由が分らない。仕事と子供なら分るような感じはするけど」
 なるほど、その方が正しい意見ね。どう答えればいいの、仕事と言えば子供は
産まないと思われる。子供は欲しい。子供は産む。
 「そうね、男と女に取って、子供の存在は無視できない。女はそれが重大な
問題ね」
 仕事を取るにしてもその理由が何であるかだろう。闇雲に仕事を取ると言っても、
全てに仕事を優先する人って、何となくおかしい感じがするけど。
 「君は何か勘違いしているよ。それは僕を好きに成ってから考えればいいよ。
僕が君に取ってどんな存在になるかで全ては決まると思う。それからでも
遅くはない。でも、仕事は大事なことだから、無視するつもりはないけど」
 女と仕事即ち金はどちらも大事なのは分っているけど、どちらも自由にならない。
自由にしたい気持が強過ぎるのかもしれない。

45 :
「「 自由な人たち 」」 011+29  2010.22.10.26--029
*** 知人たち ***
 貴方を受け入れるのにお金も仕事も関係ないのよ。全ては、私の軟らかい皮膚が
この体にまつわりつく貴方を受け入れられるかどうか
 「結局、こうして二人でいることで全てを理解できると思う」
 何が言いたい訳、理解するってどういうこと。僕は合格ということなのか。
 「そうだよ。こうしていればいつか分るし、理解するはずだ。簡単なことだな」
 でも、受け入れただけではないと思う。私にも欲がある。私はどん欲よ。貴方に
求めるものはこの私の柔肌に纏わり付く貴方だけではないと言う事ね。
 「私は貴方に取って何者、それを考えて欲しい。私は貴方を受け入れでも、
直に、次のことを考えると思うわ」
 全てを欲しいということか、僕の全てを独占し、更に僕の可能性すらも自分の
ものにしたいということ。
 「好きとか愛とかは二人に取ってほんの一部でしかない。僕もそう思うよ」
 一部って何よ。それは永遠に続く事よ。その為の努力を私は貴方に求めると
言いたいわ。

46 :
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47 :
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48 :
「「 自由な人たち 」」 011+30  2010.22.10.28--030
*** 知人たち ***
 きっと始めは何も分らない。分ったころはもう取り返しが付かないで、諦める
しかない。多分、私の人生はそんなもの、だから、始めに拘るのよ。
 「考えすぎで、面倒臭いでしょう。考え直した。人間って、話して見ないと
分らないものでしょう」
 きっと始める前から分ってる。分ったとしても何も変られない、諦めろと言われても
それも出来ない。多分、私はそんな人生を歩むはず、だから、始めなければならない。
 「千江美さんには分らない、千江美さんの良さがある。それが分るのは僕だけ。
そう思いません」
 貴方が私の人生を探してくれると言うの、私が知らない私の人生なんて、何処に
あるというのよ。
 「なんで、そんな大変なことをするの、貴方の人生は貴方だけのもので、私の
人生は私だけのものでしょう」
 たった一人で生きるのは余りにも寂しい。その寂しさを癒してくれるのが人の
温もり、その温もりを僕も欲しい。その温もりを貴方にも知って欲しい。
 「千江美さんの人生に関わりたい、それって、必要ですよ。体も温まると思うし、
いつか、必ず、誰かとそうなる筈だから、その誰かが僕と思えばいい」
 嘘よね。嘘吐き、騙されると思う。貴方が私の人生に入り込んだら、それは
私の人生ではなくなるでしょう。

49 :
「「 自由な人たち 」」 011+31  2010.22.10.30--031
*** 知人たち ***
 君は単なる小娘じゃないか、人間として、女として、どれほどの人間なんだ。
人と人と交じ合うことで、人として成長し、更に自分自身も知ることができる。
それが人間というもだろう。
 「別に、結論を求めている訳じゃないよ。ただ、僕が千江美さんと一緒にいたい
だけなんだ」
 貴方じゃなければ成らない理由はあるの、貴方がいつも私の傍に居なければ
成らない訳は何なのよ。
 「私は貴方に取って、足手まといに成るわよ。貴方は自分の事ができなくなる
私は貴方に色々なことを求め、貴方の時間を奪ったりして」
 それもそれそうだな、女なんか幾らでもいる。別に君じゃなくても、満足は出来る。
でも、それは別な満足であって、君しかないものがある訳よ。
 「まあ、色々あると思うけど、男と女と考えると必要なもの、相手は必要と思うけど。
そうでしょう。人間として、すべきことがある訳だから、仕事は仕事と考えれば、
千江美さんと仕事は別で、人間として大事な人と言う事になる」
 私をただの女としてしか見てないくせに、人間として、そんな大それた考え方
する。貴方に取って、私は女なのよ。それだけでしょう。
 「貴方は私を女にしたいだけでしょう。私が女だから」
 何だよ。女だろう。男かよ。女を女として見て、とごが悪い。それが聞きたいね。
勿論、女として好きだから、好きと言っているのに。
 「そんな、千江美さんを女としてだけ、見ている訳じゃない。僕の人生そのもの
としてですよ」

50 :
「「 自由な人たち 」」 012+01  2010.22.11.9--032
*** 太陽に照らされた月 ***
 二人は楽しく話していた。月明かりに照らされ、二人の影もそれにつられ楽し
そうに揺らいだ。
 「貴方が話掛けたときを思い出した。あの時は少し驚いた」
 冨美はいつも行くパン屋で、何回か、幸雄を見かけていたので、顔は知っていた。
いつしか、幸雄は冨美を見ると笑って挨拶をするようになった。そのときから、
冨美はいつか、話でもしたいなと思っていた。
 「私と話したいっていたのよ。何だか、私の気持が通じたのかと思ったわ。
それに、貴方は何となく、思い出させるの、話さなくても、顔を見るだけで、
嬉しくなった」
 幸雄は冨美を見たとき、子供のころに見た憧れの人に似ていたので、少し胸に
感じるものがあり、いつしか、挨拶をするようになり、そのときから、身近な存在に
成った。
 「私ね、貴方が話していると嬉しくなって、少し、はしゃいでしまうの、それ、
見てて分る」

51 :
「「 自由な人たち 」」 012+02  2010.22.11.10--033
*** 太陽に照らされた月 ***
 夕食時になり、買い物帰りの早苗とときが冨美の噂をしていた。早苗が冨美を
夕方、公園で見かけ、誰かと歩いている所を見たというのだ。それを聞いたともも
何日か前に、近くの川べりで男の人と歩いている冨美を見たと言う。
 二人は冨美に友達でも出来たのかと何となく思った。そんなとき、冨美も
夕食の用意の為に買い物を終え、二人が話している所に居合わせた。
 「買い物ですか。先日は有難うございました。美味しいみかんだったわ。一人で
食べちゃった」
 冨美はよく、早苗やときから貰い物して、また、冨美もお返しをして、親しく付き合って
いた。冨美が挨拶をして、これから夕食の用意があるので、分かれようとすると、
早苗がこないだの男の人誰って聞いたので、冨美は、
 「え、いつ、どこで見たの最近は男の人と歩いた事も無いけど」
 と言って、聞き返した。
 早苗はそれ以上は聞かないで、適当に別れの言葉を言って、話を止めた。
冨美も何となく、会釈してその場を離れた。
 冨美は早苗とときが何を言っているのか分ってはいたが知らない振りをした自分が
何か後ろめたい気持がして成らなかった。

52 :
「「 自由な人たち 」」 012+03  2010.22.11.11--034
*** 太陽に照らされた月 ***
 早苗とときは冨美の後姿を見ながら、冨美が何となく嘘を言っていることに疑い
の眼差しで、冨美の美しい後姿を見送っていた。
 早苗は確かに公園で冨美を見かけ、声を掛けようと近付いたのだが木の陰で
見えなかった男が冨美に近付き声を掛けたので、直に木陰に隠れ二人に見えない
ように木陰から見ていたのだ。
 まだ、何日もたっていないので、冨美が忘れるはずがないのに冨美は知らない
振りをしたので、早苗は何となく、冨美に嫉妬心を抱いた。
 ときも冨美が川べりを男と二人で歩いているところを橋の上で見かけ、足を止めて
暫く見ていたので、冨美であるのは間違いなかった。
 早苗とときはお互い顔を見合わせ、笑みを浮かべた。早苗とときは人一倍
気が合い、いつも二人で言いたいことを言い合う中で、二人は冨美の秘密を
知りたくなり、冨美をいつか付ける約束をした。
 冨美は電気を決して月明かりの中で風呂につかるのが好きだった。暗い中で、
月明かりと廊下の淡い光で、時間を掛けて風呂につかり体の中の全ての
疲れを出し切る事が冨美にとって、一番の楽しみだった。
 「あの二人に見られたのね。用心していたけど、駄目だった」
 温めの湯は体を芯から暖め、体の穴という穴から体の中に入り込み、その湯の
流れに体の疲れが汗となって体の外に逆流するようで、素肌に吹き出る汗が疲れの
水滴となって体に浮かんでいるのを見ると体の疲れが取れるのを感じだ。

53 :
「「 自由な人たち 」」 012+04  2010.22.11.15--035
*** 太陽に照らされた月 ***
 早苗は男運が悪く、幸せそうな女を見ると誰にでも嫉妬した。早苗に取って
トイレはいつも嫉妬の場所だった。下着を下ろし便座に座るそのとき、なぜか、
開放感を感じ、気になる女の事を思い出すのだ。その女が男と何をしたのか、
昨日の夜も一緒にいたのか、色々なことを想像しながら、便座に尻を押し付け
たり、便座から尻を浮かしたりするのだ。
 今日は冨美のことが忘れられなくて、いつもより長いトイレになっている。なぜ、
冨美さんが男といたのだろう。もう、冨美さんは長い間、男の影は無かった筈
なのに、早苗の嫉妬心はじょじょに増し、便座に座った白い足の膝を手で握った。
 早苗は何回か男に騙されて来たが、根っからの男好きで、男のいない生活は
考えられなかった。ときにはトイレで男との事を考えながら、暫く楽しかった
ときのことを思い出し、一人でトイレのひと時を過ごした。
 冨美はそれほど綺麗な女ではなかったが体のバランスは女が見ても結構綺麗で
あの体で男に愛されている冨美を想像するとなぜか、嫉妬心が湧き上がり、
下着を下ろし、剥き出しになった下半身が熱く疼き、手を両足で挟み強く閉じた。
 早苗にとって、たった一人で過ごす、このトイレの時間が嫉妬心を和らげる
唯一の場所であり、女として実感できるささやかな秘密の場でもあった。

54 :
「「 自由な人たち 」」 012+05  2010.22.11.16--036
*** 太陽に照らされた月 ***
 冨美は仕事に追われ、忙しい日々を過ごしていた。幸雄は暫く、冨美に会えず
冨美のことを心配する毎日だったが連絡はしなかった。
 幸雄に冨美から久しぶりに連絡があった。
 「忙しかったの、今度の日曜日10時にあの店に行くけど、会えない」
 幸雄はいつも連絡したかったが自分からは連絡しないと冨美に言っていた。
 「貴方から何で連絡してくれないのいつでもいいのに」
 冨美も別に連絡をしないでと言っていた訳ではなかった。幸雄も深い意味は
無かったが、憧れの人に似ている冨美の自由を奪いたくなかった。
 「このパン、公園で食べない。やっぱり、連絡くれなかった。連絡待っていたのに。
でも、会うことは出来なかったけど。夜遅くなら会えた、今度、夜でもいい」
 幸雄は頷いて笑った。冨美は幸せそうだった。仕事だけが生きがいとは
思っていないが、自分の意見を通す為に多くの時間が必要で、女の人と
付き合う時間が取れない。
 「お互い仕事が忙しすぎるね。でも、こうしてると全てを忘れてしまう。
私が仕事を辞めると言ったら、何を想像する」

55 :
ID:hijbxxft ※エロ・18禁等の作品はお絵描き・創作板、エロパロ板へお願いします。

56 :
「「 自由な人たち 」」 012+06  2010.22.11.17--037
*** 太陽に照らされた月 ***
 公園を早苗は子供と遊びに来ていた。早苗には小さな娘が一人いて、水曜日は
休みで、公園に来るのが習慣だった。
 茂も公園には良く来ていた。良くと言うより毎日一度は来て、行き交う人に挨拶
することが楽しみのうちだった。今日も、早苗に挨拶をし、早苗に話し掛けた。
 「早苗さん、今日は、娘さんも今日は」
 早苗も挨拶を返し、娘にも挨拶させた。茂は誉めながら小さな子供の頭をなぜた。
 「茂さん、いつも、楽しそう、何でそんなに楽しそうなの」
 「ここにいると早苗さんのようなべっぴんさんを見る事が出来るからかな」
 茂は会うたびに誰でも誉めた。早苗のようなそれほど美しくない女も取り合えず
誉めるようにしていた。
 「茂さん、誰でもそんな事を言っているでしょう。いつか、高瀬さんの奥さん、
茂さんに誉められたって、喜んでいた」
 「早苗さんは綺麗ですよ。早苗さんに惚れたな」
 「ほんと、嘘でしょう。何か証明できる。惚れたならその証拠が必要よ」

57 :
「「 自由な人たち 」」 012+06  2010.22.11.17--037
*** 太陽に照らされた月 ***
 早苗は茂るが座っているベンチに並んで座り、笑いながら言った。前から、
茂を見ると何となく気になる雰囲気があり、嫌いではなかった。
 「これなんかどうかな、気に入ってくれるかな」
 脇のバックから小さな箱を早苗の娘に上げた。それは綺麗な箱に入った小さな
人形で小さい子供が気に入りそうな綺麗な人形だった。
 早苗はそれを見て、少し驚き、冗談のつもりで言ったのにと思ったが、意外な
茂の反応に少し躊躇した。
 「そんな、これは貰えません。誰かに遣るものでしょう」
 「高いものではないから、早苗さんと友達に慣れればといつも持っていたもの、
恥ずかしいけど友達に成るための小道具かな」
 「そんなことをしなくても友達ならいつでも成れますよ」
 「早苗さんにはこれはどうだろう」
 「なんですか、これ、商品券でしょう。こんなの困ります」
 「これも小道具なんだ。でも、本物だよ。僕の気持なんだ、色々考えたけど、家に
結構溜まっていて、品物よりいいかなって思った訳、でも、友達ならこれぐらいは
いいかなって思った」
 早苗は少し考えた。友達になるって事は何か下心があるってこと、商品券は
お金も同然、そんなの貰えるはずがない。
 「これは貰えない。こんなことしなくても友達には成れますよ」

58 :
「「 自由な人たち 」」 012+08  2010.22.11.17--039
*** 太陽に照らされた月 ***
 見せることが大事と茂は思っていた。早苗も見たものは忘れない性格で貰える
ものは貰いたいのだが。
 商品券が入った袋を茂に差出した。茂はそれを取らずに別な話を始めた。
 「早苗さんはいつも娘さんと二人でいるけど」
 「二人だけです」
 「旦那さんは」
 「いません、何処かに行ってしまい。分かれました。二人でも寂しくないよね」
 娘を抱き上げ、商品券の入った袋を握り締めた。茂を見て笑った。商品券の
入った袋を早苗は放そうとはしなかった。
 「こんど私の家に遊びに来てください。料理でもご馳走します」
 「茂さん、料理できるの。私、これでもプロですよ」
 「私も腕はプロ級ですよ。来週でもどうです」
 「いいんですか。でも」
 「友達と一緒にどうです。一人では心配でしょうから。歳をとっても男ですからね」
 早苗は行く事にした。茂は何人にでもいいと行ったので、ときに電話して、来週、
一緒に行けるか確かめた。
 「友達にときさんって人がいて、この人と私と娘と三人ではどうです」
 「勿論、かまいません。楽しみにしてます。お嬢ちゃん、待ってるからね」
 茂の家は早苗の知っている家の近くで、よく知っていた。時間を決め、早苗は
茂と別れた。

59 :
「「 自由な人たち 」」 012+09  2010.22.11.26--040
*** 太陽に照らされた月 ***
 幸雄と秋子は酔いを醒ましながら、街並みの中を歩いていた。秋子は仕事仲間
で、幸雄は秋子から沢山の仕事を教えて貰い、深く感謝していた。そんな秋子が
仕事を辞めて、故郷に帰るということで、友氏が集まり、簡単な送別会を開いたの
だった。
 「貴方の挨拶には驚いたわ。突然、秋子さんにはお世話になり、一生忘れません
なんて言うんだもの」
 秋子は幸雄の抜け目のない性格が好きで、いつも気付いた事を注意してくれる
頼りになる先輩で幸雄も信頼していた一人だった。先輩と言ってもそれほど歳は
離れては居ないが仕事の面では大変お世話になったので、故郷に帰ると聞いた
ときには驚くとともに寂しい気持で一杯になった。
 「秋子さんが居なくなると寂しくなるな、僕の仕事を叱っる人も居なくなる」
 「仕事は私より出来るでしょう。貴方にはもう勝てない。心配してないわ」
 秋子は幸雄の顔を見て、幸雄の手を握った。歩いているとき突然手を握られたが
幸雄を何も言わず、手を握り返した。
 「本当はこうして歩きたかった。貴方が好きな人が出来たと聞いたとき、何だか、
私の中の何かが崩れたと思ったの」

60 :
「「 自由な人たち 」」 012+10  2010.22.11.26--041
*** 太陽に照らされた月 ***
 ほろ酔い気分は二人にかつて味わったことの無い甘い雰囲気と手を繋ぐ事で、
流れるお互いの血液が行き交うかのように相手の熱い血液がお互いの体に
流れ込むこみ二人の気持と体が一つになったように秋子は感じた。
 「やっぱり貴方の手は暖かくて軟らかい、でも、もう遅いのね」
 秋子は笑った。そして、泣いた。泣きたくなかったけど、涙が止まらなくなった。
 「涙が止まらないわ、どうしょうも無いのにね」
 幸雄はハンカチをだし、秋子に渡した。
 「秋子さん、僕に出来る事はないですか。これまでの恩返しもしたいし」
 「本当、何でもいい」
 「何でもと言っても、出来ることですよ」
 「簡単にできる。私を抱いて欲しい。私に恩返しをしたいのなら、私を抱いて
欲しい。それが恩返し、そして、私を一生忘れて欲しくない」
 「それは出来ない。そのほかに無いですか」

61 :
「「 自由な人たち 」」 012+11  2010.22.11.26--042
*** 太陽に照らされた月 ***
 幸雄の言葉を聞いた秋子は突然、人が行き交う歩道で座り込んでしまった。
 「私が馬鹿だった。貴方が恩返しをしたというから、何て馬鹿なことを言って
しまったのかしら、ごめんなさい」
 「秋子さん、どうしたんです。困ったな」
 「でも、本気なの、本気なのよ。ごめんね。一度でいいから」
 涙ぐんだ秋子の目は幸雄を見詰め、淡い恋心を抱いていた女の気持が幸雄に
逃げ場を失わせてしまった。
 幸雄は秋子を抱きお越した。秋子の少し肉付きのいい体は強く女の体を
感じさせ、酒の臭いと共に女の体が放す男を虜にする香りが幸雄の体に
浸透してくるのを感じた。
 「秋子さん、どこかで休んで行きますか。それとも」
 「私の家に寄れない。明日、休みだし、明日は都合が悪い」
 「そうですね。秋子さんの家にはいけない。どこかに行きましょう」
 秋子は笑った。嬉しかった。一度でよかった。一度だけで満足できると思った。

62 :
「「 自由な人たち 」」 012+12  2010.22.11.28--043
*** 太陽に照らされた月 ***
 通りかかったタクシーに秋子を乗せ、幸雄はホテルに向った。幸雄は秋子の
話に納得した訳ではなく。秋子に説明し、出来ないというつもりだった。
 「とりあえず、秋子さん休める所に行きましょう」
 秋子はじっと黙ったままだった。幸雄にうなだれるように寄り添い。酔った振りを
続け、このまま、幸雄と一緒に一夜を過ごすにはどうすればいいか考えながら、
幸雄の腿の上に頭を載せ、寝たふりをした。腿の温かさが頬に感じ、なんとなく
幸雄の男を感じた。
 「秋子さん、大丈夫ですか」
 「大丈夫、少し、眠いの」

63 :
「「 自由な人たち 」」 012+13  2010.22.11.29--044
*** 太陽に照らされた月 ***
 膝の上に頭を載せて横たわる秋子を見て、自分を求める女をどうすればいいのか
幸雄は迷った。幸雄には心を寄せる冨美という存在があり、冨美を思うと秋子と
一夜を過ごすことに躊躇いもあり、しかし、自分を求める同僚としてのいとおしさ
もあり、どうすればいいのか悩んでいた。
 「今日だけ、今日だけは一緒にいたい」
 秋子は寝言のようにつぶやいた。そして、深い息を幸雄の腿に吹きかけ、その
熱い吐息がスボンの生地を通って幸雄の内股を暖めた。生暖かい秋子の息は
生き物のように幸雄の男性自身に届き、既に、秋子との戦いが始まっている
のを感じ取った。秋子はすかさずもう一度深い息を吹きかけ、その反応を頬で
感じ取った。明らかに幸雄の体はそれに反応し、秋子の頬はそれを捉えた。
 「秋子さん、息をそんな所に吹きかけたら」
 「ごめんなさい、まだ、少しおかしいの、このままにしておいて」
 タクシーは僅かに揺れながら、幸雄の一部は秋子の頭の重みと秋子の吹く息とで
既にその形状は原型を残さない形状へと変形させ、秋子の頬にその存在が明らかに
変身していることを感じさせた。

64 :
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65 :
創作発表@2ch掲示板
創作物全般を作って発表し感想を貰う板です。
オリジナル、二次創作、競作等幅広く受け入れています。
※エロ・18禁等の作品はお絵描き・創作板、エロパロ板へお願いします。
板に関することは自治スレッドまでどうぞ。

66 :
  ∧_∧   ∧_∧    age
 (・∀・∩)(∩・∀・)    age
 (つ  丿 (   ⊂) age
  ( ヽノ   ヽ/  )   age
  し(_)   (_)J

67 :
「「 自由な人たち 」」 012+14  2010.22.12.1--045
*** 太陽に照らされた月 ***
 タクシーの揺れと共に秋子は強く頭を幸雄に押し付けた、押し付けられた頭は
幸雄を我に変えさせ、冨美に抱く強い愛情が自分の今しようとしている事を誡め、
冨美の悲しむ顔が瞼に浮かんだ。
 「秋子さん、家に帰りましょう。家に送り、僕は返ります」
 暫く、幸雄の腿の上で、じっとしていた。時間とともに幸雄のものが元に戻るのを
秋子の頬が感じだ。熱がさめるように潮が引くように、積み上げた砂の山が一つの
大きな波に呑まれ、跡形も無い砂浜に戻ったように、幸雄の腿を感じだ。
 「思い出したの。愛している人がいて、別な女は抱けないというの。私も貴方を
愛してる。でも、今まで、告白が出来なかった。遅すぎたわけ、愛する女は愛する
男に抱いて貰えない訳、貴方の愛する人は貴方を愛しているの、抱かれたいと
思っているの、抱かれたいと思っている女を抱く事も出来ないの。貴方は私に
恩返しをしたいと言ったくせに、私は一生の思い出にしたのよ。貴方に愛が
無くても私には愛がある、それで十分なのよ。私が望む恩返しは私の愛を
満足させて欲しい」
 秋子は幸雄の股間を強く噛んだ。
 「秋子さん」
 秋子はすっと起き上がり、身なりを整え、タクシーの運転手に自分の家に向う
事を言ってから、幸雄に言った。
 「降りて、ここでいいでしょう。何もなかったのよ。先輩として忠告しておく。でも、
全て、本当のこと、私は田舎に帰る、幸せになってね」

68 :
「「 自由な人たち 」」 012+15  2010.22.12.3--046
*** 太陽に照らされた月 ***
 幸雄はふーとため息を吐いた。タクシーを見送り、手を振った。でも、何も感じ
なかった。何もなかった事は仕方なかった。愛は欲望より強し、とりあえず、
先輩には愛に勝つだけの欲望を持ってなかっただけかもしれない。もっといい
女なら危なかった。
 先輩も悪くはないが余りにも身近な人間なので、多分、不安が在ったのかも
しれない。自分も男だから、寄り道は嫌いではないが愛する人に寄り道をした
ことを知られたくはない。勿論、愛する女が寄り道をしたということが分れば、
素直に愛し続けることは出来ない。そのことを知っても、もし、愛し続けている
とすれば、それは多分、女の肉体に対する欲望だけになるのではないだろうか。
 そんな時、別な女が現れ、きょうのようなことにでもなれば、全ては終わって
しまうのか、それとも、寄り道をすることで、一度愛した女と居続けることが
出来るのか、そのときは未練があるかないかかもしれない。
 タクシーはもう見えなくなっていたが、暫く、そこにたたずみ、何となく、勿体無い事
をしたかなとも思った。これまで、受身になることはなく、自分を愛してる女と一夜を
過すことは一度も無かった。
 自分が愛することで女が自分を愛するという形で、一方的に自分を愛する女に
体を任せることは無かったので、そう考えると、少し、勿体無かったと思った。

69 :
「「 自由な人たち 」」 012+16  2010.22.12.13--047
*** 太陽に照らされた月 ***
 若い幸雄に取って、冨美への体と心を結ぶ切っ掛けをなんとか見つける手立てを
探さなければ、身も心もこのままでは耐えられない気持になり掛けていた。
 「好きと言ったの、そんな事は言ったわよね。私ならいつでもいいけど。そうは
行かないわよね」
 「取り合えず、言うべきことは言ったと思うけど、何か足りない感じはする」
 「誠意じゃない。女は誠意とか誠実な言葉に弱いかもよ。私もそうだから」
 飲むと辿り就く、いつもの店でそこのママと詰まらない話をしながら、飲む酒が
なぜか、気分を落ち着かせた。
 「どうする。もう、終わりよ。でも、いいか、少しはいいけど」
 「帰りますよ。帰ればいいんでしょう」
 「そうは言ってないけど、もう一杯頂く。もう、二杯にする。皆も飲みなさいよ」
 「なんで、みんななんだ。皆はおかしいよ」
 
 「冗談よ、これから帰るの大変ね。内に泊って行く」
 「そうします。泊めてください」

70 :
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「「 自由な人たち 」」 012+16  2010.22.12.13--047

71 :
「「 自由な人たち 」」 012+17  2010.22.12.20--048
*** 太陽に照らされた月 ***
 朝の日差しが部屋を照らし、空気がすがすがしかった。寝返りをうち、見かけない
部屋に目が覚めた。
 自分の部屋ではない、女の部屋だ、ドアを叩く音がした、声がでない。
 「もしもし、起きた。開けるわよ」
 忘れてはいない。全て、覚えている。でも、酒に酔った為に、弁解をするのか、
声が出た。
 「どうぞ、いいですよ」
 「朝よ、食事の用意が出来た。食べる、それともまだ寝てる」
 「食べます」
 「よく寝てた。食べましょう。その前にシャワーでもどう」
 「いえ、それはいいです」
 部屋を見回し、女の部屋が何て綺麗で清潔なのかと思った。なんとなく、暖かい
ような、掛け布団の肌触り、ベットのやわらかさ、少し驚いた。
 昨夜は脱ぎ捨てた服が綺麗にたたんだり、ハンガーに掛けてあった。下着も
たたまれ傍にあった。裸のままで寝たようだ。確か、寝るときは一緒だったはずだ。
 「食べて、一杯作っちゃた」
 無言で食べた。
 「どうしたの変なことをしたの、忘れられないと思うけど、忘れなさい」
 「忘れる」
 「いいじゃない。それで」

72 :
「「 自由な人たち 」」 012+18  2010.22.12.20--049
*** 太陽に照らされた月 ***
 笑ってしまった。タイミング悪い、非常に悪い、何が在ったのか、全てを思い出し、
忘れられない、それを忘れてと言われ、笑ってしまった。
 笑うといっても、声を出して笑った訳ではない。ただ、どちらかといえば歓喜の
笑い、なんというか体全体で感じる喜び、素直に成れた時間を与えてくれた
感謝の喜び、取り合えず、感じさせてもらった喜びの表現が笑いだった。
 「料理、美味いです。料理まで作ってもらって、申し訳なくて」
 「いつも、こんなものよ。少し、多く作ったけど、沢山食べて」
 「笑ってすみません。何だか夢のようだ。夢じゃあないのに」
 「何も気にしないで、夢でいいんじゃない。私もそう思っているから」
 二人は笑った。その空気はもう決して訪れないように感じた。多分、これからも
経験する事はない、素敵な夢の一つ、この夢は決して訪れはしないがいつまでも
記憶に残り、繰り返し思い出す夢になると思った。
 「食器を洗います。洗うのは得意です。とりあえず、出来ます」
 「大丈夫、それにこれ高いのよ」
 取り合えず、どうすればいいんだ。どうすれば、この夢から醒めるか、醒めたくは
無いが、現実に戻らないとこのまま夢の世界に連れて行かれそうだ。

73 :
「「 自由な人たち 」」 012+19  2010.22.12.20--050
*** 太陽に照らされた月 ***
 現実の中に存在する不思議な世界観というかその空間だけが別な感覚を覚える
感じ、頭の中で目に映る風景が別な色に見えるように流れている。
 「素敵な住まいですね。こんな感じ、いいですね。メルヘンのようなロマンチック
というか、驚いた」
 「始めてだからよ。でも、掃除が大変。普段は埃を立てないように何もしないの、
趣味がいつまで経っても女の子なのよ」
 「そんな感じ、でも、女の子じゃなくて、女の人かな」
 「女の子にはもう成れないわね。もう、女よね、女の人か」
 「絵が綺麗ですね。これ、何処か似ている感じ」
 「その絵ね、この絵のことを覚えている」
 「この絵なんだ、この絵を見たんだ」
 「この絵のようなポーズを取って欲しいって、頼まれた。この絵よ。モデルじゃ
ないって、断ったけど」
 「申し訳ありません。この絵ですね」
 夢が蘇りそうだった。二人が何をしたかを辿ることは夢の世界に戻ってしまい
兼ねない。夢を見た人が現実に目の前に居て、二人で見た夢を語り合うそれは
耐えられそうも無い。あの笑顔、あのしぐさ、あの肌触り、あの感触、あの温もり、
全てを体が覚えている。

74 :
「「 自由な人たち 」」 012+21  2010.22.12.28--052
*** 太陽に照らされた月 ***
 「このまま帰っていいんですか」
 「どうして、帰りたくないの。気にしなくていいって言ったでしょう。気にされる
と困るわ。これからもいつものように飲みに来て欲しい」
 「何だか、悪い事をしたような感じがしてきて」
 「そうね、確かに、二人で過ごした時間を考えると、少し虚しくなるけど、直ぐに
忘れるわよ。忘れないと」
 「駄目ですね、忘れる事は出来ない。忘れられない」
 「そう言ってくれると嬉しいけど、忘れるわよ。忘れて欲しい。もう、
こんな事ないでしょう」
 「不思議な事として、胸にしまっておきます」
 「不思議な事か、そうね、少しはしゃぎすぎたかな、不思議なくらい相性が
良かった」
 
 「そうですね。二人は相性が良かった」
 結局、全ては相性の問題で、同じ事をしても、相性が合うと別な世界に行った
ような感覚になり、その不思議な一体感を表現する言葉は喜びが最も適切な
言葉かもしれない。

75 :
「「 自由な人たち 」」 012+21  2010.22.12.29--052
*** 太陽に照らされた月 ***
 一夜の男と女の交わりが忘れられない記憶として残ると言う事は何を意味する
のかと考えた。行ったことは経験として、脳に記憶され、その記憶を分析し、
どのように今後処理し、活用していくか考慮し、それが知識として脳に存在して
行く。脳に残った知識はこれから起こる全ての現象を判断する基礎知識として
活用され、ものごとの良し悪しを決めていく。
 脳に記憶されたものは常に知識として記憶され、新たな知識を生み出して
行く。経験することで、新しい自分が生まれて行く訳か。
 「少し大人に成ったかな、知らなかった経験をしたから」
 「しちゃたことは忘れられないかな、それも仕方ないことよ。これからどうするかね」
 「どうすればいいんです」
 「それは貴方が考えて、私には何も言えない。ただ、したからと言って、それが
全てではないと思うけど。男と女の関係はそれぞれの人生を変えなければ
ならないわね。貴方が貴方で無くなり、私が私で無くなるわ」
 「そうですよね、何だか、一夜にして変わってしまったように感じる」
 「好きな人がいるんでしょう。その人を忘れられるの、忘れられないでしょう。
私がその女を忘れて欲しいと言ったどうするの」

76 :
「「 自由な人たち 」」 012+22  2010.22.12.30--053
*** 太陽に照らされた月 ***
 そういう問題なのか、そうではないのではないか、でも、そうなのかもしれない。
好きでなければ、一心同体には成れない。好きな人を目の前にして、別な人と
関係を持っても平常心が保たれるかと言えば、それは出来ない。だからといって、
離れていれば、出来るのかといってもそれも出来ないというのが本当なのか。
 それとも、出来ると言い切るべきなのか。多分、出来る人もいるというのが
本当ではないか。好きな人がいても、別な人を好きになれる。しかし、好きな人
には貴方だけを好きと言う訳だ。
 簡単な事だ、何事も出来るか出来ないかであり、出来れば可能であり、出来ない
という理由はない。身勝手なようだが人間の思考力はそんなものだろう。
 「好みと好きは違います。好きなタイプと好きな人の違い」
 「そうね、好きな人と好きな好みは違うわね。私は好みであり、好きではない。
その通りね。恋は一夜にしてならずね」
 「そんなことは言わないで下さい」
 「そうよ。何も言わない方がいい。結局、辛くなるのよね」
 「辛くなるんですよね」

77 :
「「 自由な人たち 」」 012+23  2010.22.12.31--054
*** 太陽に照らされた月 ***
 欲望のままに生きる訳には行かない。多分、そんな人生は詰まらないだろう。
好きだから、好き、それを通せば満足できるかというとそうではない。好きと
思うとともにもっと、好きに成れるものがあるかもしれないと考え、今好きなものも
結果として、捨ててしまうときがある。多分、人の持つ欲望は好きなものを守る
のではなく、好きなものを捨てることとも言える。
 「いい思い出よ。コーヒーでもどう。それとも紅茶にする」
 「コーヒーを」
 「私は幸せに成れない女かも知れないわ、自分の事が一番好きなのよ」
 「そうですか」
 「自分で自分を幸せにすることね。誰かに幸せにして欲しいとは思わない」
 「だから、好きな人が出来ないということですか」
 「そうなのかしら、よく分らないけど、私を満足させてくれる人がいない」
 「いなかった。相手は満足しても、満足出来ない。多分、そんな人はいない」
 「そうね。人はどこか違うし、違うと拒否してしまう。性格悪いのよ。裸で接して
いるときは言葉は要らないのね。それはまた別な世界なのよ」
 多分、そうなのだろう。恋は一夜にしてならずか、何だか、人間の身勝手な
部分を味わってしまった事を少し後悔をしてしまった。美味しい果実をただ食べる
人とその美味しい果実を種から育て、試行錯誤を繰り返し、誰もが美味しいと
言う果実を育て、それを味わい、その味に満足し、更に、美味しい実を付ける為に
努力する人との違い。

78 :
「「 自由な人たち 」」 012+24  2011.23.1.12--055
*** 太陽に照らされた月 ***
 太陽が眩しくて目を伏せた。休みの日の開放感と人には言えない満足感で、
久しぶりに味わう気分だ。
 身も心も汚れてしまったのか、それとも、身も心も磨きが掛かったのか、不思議な
気分の中で、朝日に照らされ、これから何をするか考えた。
 人肌に接し、その肌から肌へ伝わるなぬらかな感触を十分に味わい、筋肉と
筋肉がしなやかに反応し、絡み合う肉体が求める欲望の渦の中で放すチーズの
ような臭いは成熟した果実そのものだった。
 記憶を振り払う為にサウナに行く事にした。まだ午前中なので客は少ないと
思っていたが結構人はいた。それでも、風呂には人は居なかった。鏡の前に
座り、シャワー浴び石鹸で体を洗った。石鹸を流す為にシャワーを浴びると
ママとの事が思い出され体が反応してしまった。
 誰も居ない風呂につかり、反応した体を誰かに見られなかったか、周りを見たが
誰も居なかった。浅い風呂は体を伸ばし、風呂の底に手を付き、腰を挙げると
風呂の湯の中から僅かに反応した頭が水面に現れた。このままでは風呂から
出る事が出来ないなと思いながら、ゆっくり風呂の底に尻を付けた。
 熱いサウナに入り、汗が皮膚を伝わり床に落ちるの眺めながら、体に染み
付いた女の香りを絞りだそうと熱い空気の中で、幸雄は冨美のことを考えた。

79 :
「「 自由な人たち 」」 012+25  2011.23.1.14--056
*** 太陽に照らされた月 ***
 冨美を思いながら、別な女を抱いた自分が情けなく感じた。そして、冨美への
思いが更に増した。無防備の女の体から感じる体感は欲望そのものであり、
生身の肉体が無心で求め感じるものは快楽という言葉しか浮かばなかった。
 冨美を丸裸にして、その体を抱き締める。愛する女が生まれたままの姿で
自分の腕の中で蠢く、軟らかい生肌が蠢くことで同じ人間の皮膚と皮膚が擦れ
合い、密着した肌が更にお互いを刺激する。
 男と女、することは対して変わらないのに好きな人とそうでもない人では正に
月とすっぽん、冨美のことが好きなのに冨美を抱かなければ、本当のところの
欲望を知ることはできない。
 人間は好きなものを欲しがり、好きなものをどん欲に求め、それが何処かに在れば
何処までも追い求め、自分のものにする。それが生きている証明であり、人間と
しての本能だ。
 ただ、好きとか嫌いとかという感情は非常に曖昧であり、僅かな事で消えて
しまう。目で見る美しさと耳で感じる美しさがあるが、この二つはお互いに強く
連動しいて、その美しさがお互いを牽制しあい、この二つの美しさが反発し合う
と人は美しいと判断しない。絶世の美女でも男のような性格では耳から聞いた
判断は美女と判断出来ない。美しい女には言葉使いも美しく在って欲しい。

80 :
「「 自由な人たち 」」 2011.23.2.12--056
*** マダム肩をお揉みします *** 013+1
 久々に会社に来て見るといつもの変わらぬ風景が在ったので、少し安心した。
佐野は生活用品を扱う会社の営業兼企画を担当しているが主に営業が主で
仕事は外回りがほとんどで会社にはあまり来たことがない。
 今日は特に用事はないが自分の立場を確認したくて寄ってみた。
 「分かっているだろうな、内の会社の製品は売れるものばかりで、売れない
ものはないよ。売れるのは製品がいいから売れるのであって、売り方が
上手いから売れる訳ではないんだ」
 「だったら、私たちは必要ない訳ですか。そんなのおかしいですよ」
 「じゃもっと売れよ。もっと売ったら認めてやる。佐野、この子に教えてやってよ。
営業のいろはを」
 「君は誰だっけ」
 「私は山本加奈です。課長っていつもああなんですよ」
 「佐野健一、よろしく、気にするな、君なら遣れるよ。結構、成績いいじゃないか」
 「佐野さんには負けます。佐野さんはいつも成績は一番ですね」
 「そんなことは無いよ。最近はちょといいかな、でも、売れないときもあった」
 山本加奈にはじめてあった日だった。結構いい女で佐野はいい気分だった。

81 :
「「 自由な人たち 」」 2011.23.2.12--058
*** マダム肩をお揉みします *** 013+2
 佐野は久しぶりに女性に興味を抱いた。同僚ではあるが佐野はそんなことは
気にしなかった。
 「課長、山本と食事に行ってきす」
 「そうしろ、教えてやってくれ、人生の厳しさをな」
 「まだ、仕事があります。今はちょっと」
 「分かった待っている。終わったら、ここに電話を」
 携帯の番号と店の名前を書いたメモを渡した。近くのレストランでコヒーでも
飲みながら待つことにした。会社に居ても居場所がないような感じがして居心地は
良くなかった。
 「それでは課長、帰ります」
 「帰るのか、山本は」
 「話が済んだら、今日は帰します」
 「山本もか、大事に扱えよ。内のホープだから」
 「また来ます。新しい製品の情報はまた貰いに来ます」
 「また、メールで送っておく。何か意見が在ったら送ってくれ。山本、いい子だから、
分かったな」
 「心配ですか。心配でしょうね。いつものことだから」
 「心配なんかしていない。君を信用しているよ」

82 :
「「 自由な人たち 」」 2011.23.2.14--059
*** マダム肩をお揉みします *** 013+3
 落ち着いた内装で隣の客を気にしない作りで、開放感もあり、佐野は気に入って
いるレストランだ。
 
 「佐野さん、久しぶりね」
 「知恵さん、相変わらず、綺麗ですね」
 「今日はどうしたの、いつでも暇なら在るわよ。電話頂戴よ。まだ、番号は
変わってないから、待ってるよ」
 「知恵さんの顔を見に来たといいたいけど、会社の女の子とデートなんだ」
 「そうなの、私よりずっと若い人」
 「若いね」
 「そう、焼けるわね。ゆっくりしていってね」
 武山知恵はこのレストランの経営者で、佐野とは関係をもった女だった。あの時は
寒い日で、知恵がこんなことを言い始めた。
 「内の人って、ケチなのよ。寝室の暖房を付けないの寒くて、それでいて、私を
求めるのよ。何かいい方法ない」
 このとき佐野は寝室の暖房機器を販売していて、省エネの為に寝室を狭くして、
小型の空調機によって、寝室を快適に過ごせる製品を売っていた。

83 :
「「 自由な人たち 」」 2011.23.2.15--060
*** マダム肩をお揉みします *** 013+4
 「知恵さんはどんな寝室」
 「ベットよ」
 「ダブルで、大きなベットですか」
 「そうね。大きいわね」
 「蚊帳型の省エネ寝具が在りますよ。ベットを覆って、その中を温度調節可能な
空調機で埃や湿度、殺菌の管理が可能で、寝室全体の温度調節するより、ベット
の部分だけだから、電気代もそんなに掛からないし、冬も夏も快適な睡眠が可能
というものなんです」
 「本当、幾らぐらいなの」
 「値段は色々で、十万ぐらいから在りますよ」
 「裸でも大丈夫」
 「勿論、大丈夫ですよ。温度管理も出来ますよ」
 「それいいわね。どんなのか見たいわね」
 佐野はこの次にパンフレットを持ってくること言った。そして、自分も使っている
居ることを言うと知恵は一度、見たいといい始めた。
 「佐野さんの所に在るのならそれを見せてよ」
 「それはどうでしょう」
 「駄目、駄目なら止めようかしら」
 「駄目のはずがないでしょう。いつでもいいですよ。ただ、私も男ですから」
 「主人と行くわよ。それならいいでしょう」

84 :
< 2 >
 しかし、知恵は一人で来たのだ。何となくそんな感じはしたがこれも仕方ないと
思った。
 「主人はどうしても時間が取れなくて、ごめんなさい。タクシーが少し迷ったわ」
 「電話をしてくれれば、迎えに行ったのに」
 佐野は知恵のコートを預かり、部屋に入れた。香水のいい香りが漂った。
レストランでは香水を付けないと聞いていたので、少し、新鮮な感じがした。
 「香水ですか」
 「ちょと、店では付けないけど、それ以外は主人が好きなもので、付けるのよ」
 「ご主人が来ないのなら、連絡をもらえれば」
 「佐野さん、断るでしょう。だから、電話するの止めたのよ」
 佐野は覚悟を決めた。これも修行のうちと思った。経験は力なりと先輩が酔って
言っていたのを思い出した。女は何人も経験があるが本当に好きになった女は
いない。好きでもない女と同じベットに入るのは少し我慢と努力が必要だった。

85 :
「「 自由な人たち 」」 2011.23.2.15--061
*** マダム肩をお揉みします *** 013+5
 知恵は何となく嬉しくなった。若い男の家に入るのは初めてで、何だか変な
気持ちになった。これから何が起こるのか興味津々で久しぶりに心がときめく
ような感じだ。
 佐野は知恵を見て、微笑んだ。知恵は目を輝かせながら部屋を目回していた。
 「知恵さん、何か見付かりました。一人暮らしの男の部屋は何も無いですよ」
 「ごめんなさい。何だか、つい見てしまって、綺麗になってる」
 「掃除ぐらいしますよ。今日も、早くから掃除をしました」
 「落ち着いた部屋ね。すごく感じがいい」
 「そこに座ってください。飲み物を持ってきます。何がいいですか。アルコール
は駄目ですよ。まだ、早いですからね」
 「任せるわ。ビールぐらいなら、いいけど」
 「ビールにしますか。今日は帰りますよね」
 「泊まっていいんの。だったら、泊まろうかしら」
 「僕はかまいませんよ。ただ、ご主人が」
 「帰るわよ。泊まるのはよすわ。そんなの変でしょう」
 知恵はソファーに座り、佐野は台所からビールとつまみを持って来て、知美の
隣に座った。

86 :
< 2 >
 佐野はこれから何が起こるのか想像したが何も想像が出来なかった。知恵とは
二三年の付き合いで、レストランで話すだけで、個人的な付き合いは無かった。
 それが、知恵夫婦の夜の営みを快適にする為に佐野が扱う省エネ寝具を
進めた為に家にまで来てしまったのである。
 「乾杯しますか。知恵さんの若さに、乾杯」
 「乾杯、佐野さんの若さに」
 「知恵さんは若くて健康そうで、いいですね」
 「そうでもないわ、肩が最近凝るのよ。佐野さんはどう」
 「肩ですか。揉みましょうか。マッサージは得意ですよ」
 「本当、揉んで貰おうかしら、悪いわね。押しかけて来て、肩まで揉んでもらったら
何か、お返ししないと」
 知恵はどうすればいいのか迷ったが、佐野に何も言わずに背中を向けた。
 「それでは疲れるでしょう」と言って、クッションを持って来て、自分の座って
いる前に置き、クッションに知恵を座らせ、肩をもみ始めた。
 「何だか、悪いはビールを飲んで、肩を揉まれたら、何だか天国に来た感じ」
知恵はいい感じと思った。期待通りに進んでいるようで、嬉しかった。
 「いい感じ、凝っているでしょう。主人はこんなこと一度もしてくれないわ」
 「そうでしょうね。これも好き嫌いがあるから、僕は好きなんです。こうして
揉むのが、肩こりの人って結構多くて、これも仕事の内と思ってます」

87 :
「「 自由な人たち 」」 2011.23.2.16--062
*** マダム肩をお揉みします *** 013+6
 「天蓋ベットってあるでしょう」知恵は言った。天蓋ベットはベットに天蓋が付いた
物でベットをレースなどの布で覆ったベットで、広い寝室で使う寝具で、豪華な
ベットとして使われている。
 「キャノピーベットですね。天蓋ベットのようなものですよ。ただ、あのような
豪華なものではなく、寝室の中のテントのようなもので、蚊帳程度のものなんです」
 佐野は知恵の肩を揉みながら知恵が見たいという今日の目的の省エネ寝具の
説明を始めた。
 知恵はどうでも良かった。目を瞑り、何だか気持ちがいいし、佐野の足の間で
体が感じるぬくもりががたまらなかった。
 「いいわね。嘘みたい。来て良かった。それ買うわよ。適当なものを持って来て、
主人も何でもいいから買えって言ってたし、けちなあの人が欲しいって言うのよ。
多分、寒いのよ。冬は寒いわよ。寒くても暖房は付けないし、暖房はあるのよ。
寒い中で私の体のぬくもりがいいんだって、寒くてたまらないわ」
 佐野は黙々と肩を揉みながら聞いていた。このまま、寝室に行ってしまったら、
何となく、結果は見えているので少し心配には成った。でも、見せない訳には
いかないし、何となく気が重くなった。
 「ねえ、佐野さんもう肩はいいと思うの、見せて欲しいわ、その寝具を」
 「そうですね。見てください」

88 :
< 2 >
 佐野は知恵を寝室に連れて行った。既に、空調機がかすかな音を出して、
動いていた。音はそんなに気にならない。
 「空調機の音はそんなに気にならないでしょう。寝る前の30分ぐらい前に
スイッチを入れるといいですよ」
 「何だか、不思議な感じね。ベットが完全に覆われていて、結構、低いのね」
 「省エネが最大の目的ですから、見た目より、寝心地と省エネですね」
 「どうしたらいい、寝てみたいけど、中は暖かいの」
 佐野は頷いた。知恵は直ぐに服を脱ぎだし、下着になった。
 「じゃ寝るわね。佐野さんはどうするの、寝るでしょう」
 「そうですね。寝てもいいですか」
 佐野も服を脱ぎ、下着になって、ベットに入った。
 「確かに暖かいわ、布団も軽いし、空気が綺麗な感じがする」
 「いいでしょう。空気は綺麗ですよ。空気清浄装置が付いているので、埃は
無くなり、空気は綺麗です。温度もこれで自由に変えられるから、布団は軽い
もので十分です。真冬は零下に成っても、この中は何度でも可能です」
 「裸になってもいい」
 「裸ですか。そうですね。ご主人とのことを考えれば、裸ですよね。でも、今でも
裸同然ですよ」
 「照明もいいわね。狭いけど、寝るだけなら、こんな感じでもいいわね。主人は
空調は直ぐに止めると思うわ、遣るべきことをすれば、無駄な電気は使わないと
思うけど」

89 :
「「 自由な人たち 」」 2011.23.2.17--063
*** マダム肩をお揉みします *** 013+7
< 1 >
 「結構、寝具は埃を出しますよ。特に二人で寝るときはこの中は空気を循環させて
常に空気を清浄しているので、ご主人と何をしても快適ですよ」
 「何となく、そんな感じね。それと照明の色は変えられるの」
 佐野は照明の色を濃いピンクに変えた。知恵の肌が鮮やかなピンクに変わり、知恵は
掛けていた掛け布団を剥がした。
 「綺麗ね。恥ずかしいけど、何だか、変な気分になるわ。どうかしら、触るだけ
ならいい」
 佐野は何も言わないで頷いた。そして、知恵は握りながら、昔の話を始めた。
 「私ね、好きな人とドライブするとき、いつも、触ってた。彼は何も言わないで、
触らせていたの、最初は危ないから、止めて欲しいって言われたけど、黙って
触っていたら、何も言わなくなった。子供のころ父親を風呂や寝ていたときに、触って
いたの、何で触っていたのか分からないけど何となく落ち着く感じで、好きだった」
 「へえ、変わったお父さんですね。そんなこと在るんですかね」
 「子供のときよ。小学校までは覚えているけど、中学からはないけど、一度、
高校のとき、コタツで父の横で寝てしまい、起きた時、父のを握っていたの
驚いたわ。でも、父は気付かなかったのか、寝ていたわ」
 佐野は我慢強くされるままでいた。積極的に求めるより、相手に任せる
ことで、自分を表現する方が自然なときがあり、知恵には何も求めないで
すべてを任せることにした。

90 :
< 2 >
 「これって、売れているの、付けるのが大変ね。寝室にこんなテントのような
物を下げたら、邪魔と思うわ」
 そう言いながら知恵は佐野の手を足の狭間に乗せた。まあ、自然な成り行きで、
佐野はされるがままに手を知恵の狭間に忍ばせ優しく指を巧みに折り曲げて。
知恵の体のぬくもりを指先で感じながら、佐野の手はマジシャンのように手の
妙技が知恵を攻め始めた。何となく、佐野の体に火が付いたようだ。
 「遣るわね。さすが寝具を売っている人ね。期待通りだわ。メリハリが在って、
たまらないわ。触られている感じがしないのに体が感じるのよ。何だか、不思議」
 「この寝具は掛け布団を釣ることが出来るんですよ。一晩中、空調機を付けて
いると省エネとは言えないでしょう。だから、中が温まったら止めて掛け布団で
寝る訳です。ご主人と寝るときも、夫婦の営みが終われば、後は寝るだけで
しょう。その時は掛け布団の中で寝た方が省エネですからね。でも、冬の掛け
布団は軽くても時間が経つと湿気を持って、結構体に感じるほどの重みが
あり、寝ている間に体を圧迫する。その圧迫を無くす為に、あらかじめ、掛け布団を
釣って重みが体を圧迫しないようにする訳です」

91 :
「「 自由な人たち 」」 2011.23.2.18--057
*** 見知らぬ人々 *** 014+1
< 1 >
 「はい、キャンプトレジャーです」
 「そちらは、私設金庫のトレジャーでしょうか」
 「はいそうです。キュンプトレジャーの谷川です」
 「私設金庫を作りたいのですがどうすればいいのでしょう」
 「私どものホームページを見ていただきたいのですが、今、見れるでしょうか」
 「今、見ています」
 「ありがとうございます。それでは、私設金庫を見てください」
 「見てます」
 「直ぐに入会しますか」
 「あの、本当に1パーセントでいいのでしょうか。それ以外何も掛からないのですか」
 「何も掛かりません。入会して、アドレスを送ります。それで、終わりです。入金
されるお金の入金口座もそのとき送ります。必要資料を送ります。住所とお名前を
ホームページから送ってください。お願いします」
 「入会金もないのですか」
 「手続きだけです。お金は必要ないです。安心してください。ただ、入金されるか
どうかは分かりませんが、その入金された金額の1パーセントが私設金庫の使用料
ということに成ります」
 「分かりました」
 「それではよろしくお願いします」

92 :
< 2 >
 キャンプトレジャーはインターネットの私設金庫で、簡単に個人が私設金庫を
インターネット上に作れる仕事をしている。インターネット上で、簡単に読者から
料金を得られるシステムで、多くの人たちが利用している。
 「最近はどんなものにも私設金庫を利用しているね。ホームページを読んだ方は
購読料を払ってくださいだって。払う人がいると思うか」
 「結構、儲かっている人も居るようだよ。シークレットページを読みたい人が払う
らしいね」
 「入金したら、シークレットページが読める訳だ。購読料も1円とか10円だから
みんな読むらしいね」

93 :
「「 自由な人たち 」」 2011.23.3.25--065
*** 過去にさよならが言いたくて *** 015+1
< 1 >
 結婚をすると決めたのに、結婚前に留学をしたというので、驚いたが気持ちは
変わりそうも無いようで許すことにした。留学といっても半年足らずの短い出張の
ようなもので、それならいいかと思ったのだ。
 結婚を決めたときからふっと浮かんだのが、過去の自分にさよならを言うことだった。
別に過去に何か問題がある訳ではないが、これまで、過ごして来たところに行って
みて、そのときに出会った街や人にもう一度会って、心の中でさよならが言いたく
なったのだ。

94 :
「「 自由な人たち 」」 2011.23.4.1--066
*** 美しく、清潔 *** 016+1
< 1 >
 車をぶっとばして着いたのがこの海岸だった。どうでもいいけど、あの美しさには
驚いた。
 好きにならずに居られない。美しくそして清潔なんだ。美しいものは全て清潔と
思う。目の前に広がる海のように美しいし、海に泳ぐ魚のように新鮮で清潔な
存在、それしかないと思うし、好きに成って感じる事は全てが清潔ということ。
 何でもいい訳じゃない。誰でもいい訳じゃない。美しいから好きになったとも
言えない。美しいものなんかどこにでもあるし、美しいから認める訳じゃない、
何で好きに成るのかと言えば、美しく、清潔ということなんだ。清潔だから何でも
出来るし、清潔だから受け入れられる。清潔ならば食べる事もできる。清潔と
思うと全てを欲しくなる。

95 :
「「 自由な人たち 」」 2011.23.5.24--067
*** 過去にさよならが言いたくて *** 015+2
< 1 >
 しばらく振りに飲みたくなった。仕事帰りに飲む機会が大分最近は減ってしまった。
 「しばらく、元気だった」
 「高木さん、しばらくです。お元気でしたか」
 「中々来れなくて、申し訳ない。色々在ってね」
 「いつでもどうぞ、結婚するって、聞きましたが」
 「誰に聞いたの、時間が掛かったけど、何とかなった」
 「以前、一緒に来た人ですか」
 「そう、そのとき、結婚の事を言った」
 「言ってましたね。でも、相手の人はその気がないようなことを言っていたかな」
 「仕事と女はこれまではどうも上手く行かなかったけど、何とかなってよかったよ」
 「今日は一緒じゃないんですか」
 「結婚前に留学したいって、半年ばかり出かけた。変かな」
 「そうですか。それは寂しいですね。変じゃないでしょう」
 「良く分からないけど、行きたいものを止めるのもね。この機会に僕も色々な
所に行って見ようと思ってね」
 「いいですね。一人旅ですか」
 店を見渡して、ここにも自分の過去があることに気付いた。過去にさよなら
なんって、おかしいと思った。グラスの中の酒を揺らし、その酒を見て、少し、
微笑んだ。

96 :
「「 自由な人たち 」」 2011.23.5.25--068
*** 記憶の中の少女 *** 017+1
< 1 >
 階段を上ると神社があり、それを抜けると商店街があった。学校の帰り、そこは
通学路ではなかったが、妙子を誘い友彦は学校の帰りはそこを通って家に帰った。
 「妙ちゃん、先に行って」
 友彦は妙子の後から、階段を上がり、妙子が階段を上がる姿を後から見て、
子供ながら興奮らしきものを感じた。
 「明日も、一緒に帰ろう」
 「分かった。校門で待ってて」
 まだ、幼い妙子は友彦がなぜ階段を上がるとき、妙子を先にするのか分から
なかったが、何となく見られているような感じがしていた。
 友彦が妙子の体を見て感じるようになったのは最近だった。それは母親との
入浴からだった。
 その日は父親は出張に行き、姉は友達の所に泊まり、友彦と母親だけになり
母親が友彦と一緒に風呂に入ろうと言って来たのだ。
 「友彦、風呂に一緒に入ろう」

97 :
< 2 >
 父親とは風呂に入っていたが母親とは最近、入ったことはなかったので、
友彦は驚いた。
 「いいよ。一人で入るから」
 「なんでよ。入ろうよ。もう、誰もこないから」
 「姉さんから電話が来たら」
 「さっき、お父さんからは電話はあったし、お姉さんには電話を掛けて、様子を
聞いたから、電話はないよ」
 「そう、なら、入ってもいいけど」
 「先に入っていて」
 別に女を意識する歳でもなかったので、そのときは何とも思わなかった。ただ、
女の体には少し興味を持ち始めていたのでなんだか少し不安を感じたが、
それほどではなく、服を脱ぎ風呂に入った。
 「入った。入るわよ」
 「いいよ」
 風呂の扉が開き、母が入って来た。勿論、何も着ていない。
 「どうお」
 母はポーズを取った。

98 :
「「 自由な人たち 」」 2011.23.5.27--069
*** 老いたいい訳 *** 018+1
< 1 >
 年老いた男と中年に成りかけた女が布団の中で何やら語っていた。昼を過ぎ
女は男の家を訪ねて来た。この時間は夕方の買い物の時間で自由に過ごす
事が出来る。
 「奥さんに悪いは」 時枝は仰向けになり、天井を見ながら、声を漏らした。
 「今日は帰らないよ。ゆっくりは出来ないが心配は要らない」
 「心配はしていないけど、何となく」
 文夫は最近年老いたと思い始め、残りの人生を考るように成っていた。
 「時ちゃんとこんなことをしていると歳を忘れるよ。最近、考えるんだ自分に
残された時間を」
 「私は時間潰しなの」 時枝は体をよじって行った。
 「時ちゃん、いいとこだったのにそれはないよ」 時枝と文夫は笑った。
 文夫は時枝が買い物をしているとき、見かけた女で、よく顔を見ようと、何となく、
気付かれないように後を付けていたら、時枝が店の品物を万引きするところを見て
しまったのだった。

99 :
< 2 >
 「あのう、今のを見ました」 文夫は言うつもりは無かったのに、気付いた時には
時枝のそばに行って、見たことを言ってしまった。
 「いけませんよ。それは」 時枝は驚いたようで、黙って見つめていた。
 「私が買います。私の籠の中に入れてください。今なら、見えないし、見えても、
今なら、誰も何も言いませんよ」 
 時枝は黙って、文夫の籠に化粧品を入れた。なぜか、女の化粧品が男の買い物
籠の中に入れられ、時枝は何も言わず、文夫から去っていた。その後姿は文夫の
男心を燃え上がらせた。体がぞくっとしたのだ。おかしな感覚で、急に心臓が
どきどきしだした。気の弱い文夫に取っては自分でも訳が分からない。いつもなら
見て見ぬ振りをしていたところなのになんだが、大変な事をしたように感じた。
 店を出た時枝は店の外で文夫を待っていた。
 「おじさん、さっきはどうも、化粧品くれる」 
 「ああ、さっきの奥さん、万引きはどうも」
 「だからなんなの、おじさんに関係ないでしょう。いつも、あんな事をしている
訳じゃないの、さっきはつい魔が指しただけ」
 「そうですか、それなら、声を掛けてよかったですね。もし、そのまま、店を出て
誰かに見られていたら、大変でしたよ」

100 :
「「 自由な人たち 」」 2011.23.5.28--070
*** 月明かりの訪問者 *** 019+1
 月の光は辺りの風景から色を奪い、薄黒く木々を浮かびあがらせ、いっそうと
月の明かりが眩しく感じる夜だった。
 耳を澄ますと風に揺れる木の葉の音が暗闇の中に人の気配を感じさせ、何となく
背筋が寒くなった。
 「誰も居ないのに、誰かが居そうな感じがするな」 観鳳は月明かりに照らされた
風景を見ながら、独り言を言った。
 「今日も一人か、最近はいいことも無いし、こんな夜を過ごすのはやだなー」
 また、独り言をつぶやいた。
 「観鳳さん」 突然、後ろから、声がした。そして、暗闇の中から、近くの武雄が
現れた。
 「武雄さん、何ですか」
 「明かりが見えたので、居るかと思って、ちっよ、顔を見たくてね」

101 :
< 2 >
 武雄とは子供のときからの知り合いで、親しいと言えば親しいし、そうでないと
言えばそうでもないけど、親の代からの付き合いは長く、気の知れた人では在るが
素性はそれほどいいとは言えず、うわさ話では在るが多くの借金を抱えている
と聞いていたが定かではない。
 「一杯どうです。少し飲みたくなって、一緒にどうかと思って」 武雄を手に
ビニール袋が下げられ、何やらビールのような物が入っているようだ。
 「どうしました。かまいませんが、今日は何も無いかもしれないな。缶詰ぐらいは
あるかな、酒も在るな」
 「酒は持ってきたよ」 武雄はビニール袋を観鳳の顔の前に突き出し、月明かりの
中で笑った。
 「用意がいいね。じゃ、中に」 
 二人は家の中に入っり、観鳳は台所に行って、ある物をお盆に載せ、武雄が
座っている前に置いた。
 「こんな物しかないけど、一人暮らしなもので恥ずかしいよ」

102 :
「「 自由な人たち 」」 2011.23.5.30--071
*** 美しく、清潔 *** 016+2
< 1 >
 人を好きになってその人に夢中になる。人生それで終わりなのか。燃え尽きて
しまうのと燃え続けいるのと、どちらを選べばいいのか。選ぶ事が出来るのか。
 人を好きになって分かる事は汚いものが美しく、清潔に成るということ。昨日まで
何も感じなかったのに、今日はその人の全てを受け入れる事が出来る。
 話をしたときは何も感じなかった。何も感じなかったのは嘘で、こんな子は
どうなのかなって思っていた。下心があったけど、それが好きってこととは
思えなかった。
 隣にいる人を何とかしたいけど、どうすればいいか分からない。顔も体型も
それなりに気に入っている。話してもなぜか気を引くし、退屈はしない。みんなの
手前話し辛いけど、機会があったら気持ちを話したいと思っている。
 別に今日でなくてもいいけど、でも、隣にいるのに今日じゃなければいつなんだ。
考えてもしょうがないか。手でも握ったらどうなるだろうと思って手をテーブルの
下に持っていき、何となく、相手の手に近づけてみた。そして、触ろうとしたら、
突然、その人が手を握ってきた。そして、「好きって」言った。よく分からなかった。
隣に座って、他の人と話していたと思っていたのに、耳元で囁くように言われたので、
何が起こったのかと思い。その人の顔を見た。

103 :
< 2 >
 酔っているようなので、握られた手を解こうとしたら、更に強く握り返して来た。
なぜと思った。誰かに見られたら誤解されると思った。
 
 「あの、酔ってます。酔ってますよ」 手を離して言った。そして、今度はこちらから
手を握り返した。柔らかい手だ。その人は言った。
 「なんだか、気持ち悪い」 どうしたんだ。気持ち悪いと言われても困るけど。
 「どうします。送りましょうか」 結局、会社の人に言ったら送って欲しいとの
ことだ。送ることになってしまったが、どうすればいいのか。さっぱり分からない。
 荷物を持ち、酔った人を支えながら、外に出た。少し、重く感じるが何かが
起こりそうな予感がする。問題は起こしたくないので、極力体には触れない
ように注意をしたが、耐えられそうに無い。

104 :
漏れら極悪非道のageブラザーズ!
今日もネタもないのにageてやるからな!
 ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  ∧_∧   ∧_∧    age
 (・∀・∩)(∩・∀・)    age
 (つ  丿 (   ⊂) age
  ( ヽノ   ヽ/  )   age
  し(_)   (_)J

105 :
1

106 :
「「 自由な人たち 」」 2011.23.6.17--072
*** 記憶の中の少女 *** 017+2
< 1 >
 確かに母は女だった。しかし、雑誌で見る女とは違い。何も着ていない裸の体で
笑いながら目の前にいる。どう表現すればいいのか迷った。父とは違うし、自分とも
違う。どこともなく体の中に不思議な変化を感じつつ、母の体から目をそらした。
 「お父さんとは風呂に入るけど、お母さんとは久しぶりね。赤ちゃんのことは
いつも入っていたのに」
 母はシャワーで体を洗い。湯船に入って来た。節目がちでは在るが良く母の
体を見た。脇の毛は良く剃られていたが下半身の毛はそのままだった。湯に
濡れた陰毛は肌に張り付き、恥丘が良く見えた。男と女の違いを気にする頃の
子供に取っては興味深々で妖しげな体感が体中を走った。
 「少し狭いわね。友彦も大きななったわね。こうして、だっこして二人で入った
あの頃が懐かしいな」
 母に後ろから抱きしめられ、母の母乳が体に押し当てられ、母の手が僕の
腹部に触れた。そして、その手は下半身を優しく握ったのだ。不思議な感じ
だった。そして、子供の体は反応してしまった。

107 :
< 2 >
 「大きくなった。もう大きくなるんだ。友彦も大人ね。これからする事は誰に
話してはだめよ。これはお母さんの役目ね。友彦が大人になる為には必要な
こと」
 母は優しく膨張させた子供の体を湯船の中で立たせた。
 「お母さん、何するの」
 少し抵抗したが言われるままに従う事にした。そのときは体中を熱い電流が
走り回るのを感じたが子供ながら平静を保ち、母の大人としての役目を見届ける
為に感情を押し殺し母に従った。
 母の目の前に立った。母は湯船に母乳を半分沈め、乳首が出たり入ったり
している。
 「これね包皮って言うのよ。ここが大きくなったら、この皮は剥がれていないと
ここにゴミが溜まるの、ここにゴミが溜まると汚いでしょう。だから、ここが大きく
なったら、こうして、剥がしなさい」
 母は強引に包皮を剥がそうとした。
 「痛いよ」
 「痛くても、剥がすの、大人になる為にはしょうがないのよ」
 急にいつもの母に戻ってしまい。子供の体は急激に小さくなってしまった。

108 :
「「 自由な人たち 」」 2011.23.6.17--073
*** 月明かりの訪問者 *** 019+2
< 1 >
 井村観鳳と武雄はグラスにビールを注ぎ笑いながらグラスを合わせた。武雄は
観鳳に言った。
 「一人で詰まらなくないか」 観鳳は頷いた。でも、別に詰まらないとは思って
いなかったが、詰まらないと言った方がいいと思ったので、こんな事を言って
しまった。
 「いい人はいないかな。夜になるとここは寂しくてね」 武雄はそれを聞いて、
持っているカバンから写真を出した。
 「この写真の女どう思う。綺麗だろう」
 その写真には武雄と若い女が写っていた。観鳳はそれを見て、美しい女と
思った。
 「付き合ってみる。いい子だよ。でも、結婚はどうかな、観鳳さんの腕次第」
 「なんだよ。腕次第って」 
 「少し好き者なんだ。紹介するよ。俺とは関係ないよ。知り合いに頼まれて
たまたま一緒に写真を取っただけ、今、仕事を止めて家にいるんだ。ここなら、
一人ぐらい住まわすことはできるだろう」
 観鳳は突然、思いも掛けないことを言われたので驚いた。
 「冗談でしょう。そんなことを突然言われても、困るよ」
 武雄はビールを注ぎながら、観鳳に言った。

109 :
< 2 >
 「今、外に居るんだ。呼んで来るよ。いいだろう」 観鳳は驚いた。急に酔いが
醒めてしまった。酔いが回って来たときに、何を言い出すかと思えば、若い
女を連れて来て居るなんて、
 「どんな理由があるんだ。何となく、変な感じはしたが余りにも急過ぎるよ」
 「分かっている。でも、今日だけでもいいから、会ってくれよ。恩に着るよ」
 武雄は何を考えているのか必死に頼むので、観鳳も醒めかけた酔いが少し
回って来たのと平凡な生活を繰り返していたので、今日ぐらいはいいかと
思ってしまった。
 「連れて来たのであれば、仕方ないか。でも、自分の所に連れて行けば
いいだろう」
 「俺のところは駄目だ。家族も嫁もいる。子供もいるし、若い女を連れて
行ったら、どうなると思う」
 「ホテルでは」
 「そんな事を言わないで、いいだろう。外に居るんだ、暗い中可哀想だろう」
 「分かったよ」
 武雄は直ぐに女を呼びに外に出って行った。しかし、しばらく経っても武雄は
帰って来ない。観鳳は酒を飲みながら、思わぬ展開に何となく不安を感じたが
美しく若い女が来ると思うと少し嬉しかった。
 それにしても、武雄は帰って来ない。観鳳はその間酒を飲み続けてしまい。
いつしか酔いが回り、寝込んでしまった。

110 :
「「 自由な人たち 」」 2011.23.7.24--074
*** 記憶の中の少女 *** 017+3
< 1 >
 風が吹いているのだろうか。風に揺れる木の葉の音が聞こえる。友彦は母の
事を考えた。母は何を言いたかったのか。何を求めていたのかよくは分からない
が、女により男の体が興奮し、そのとき大きくなった男の体の一部は包皮が
剥けていなければいけないと母は言いたかったのだ。
 こんな子供に自分の裸体を露にして教えたかった事が包皮の事だった。男は
清潔にしていなければ行けないので、包皮が剥けていないと体の滓が溜まって
不潔になるというのだ。
 「男のここは清潔にしておくのよ。理由は大きくなってから分かると思うけど、
好きな女の子を見たとき、ここが大きくならない」
 小さくなった子供をさわり始めた。後ろから抱き抱え、母は湯船の中で、被った
包皮を剥こうとしているのだ。
 「これはね。小さいとき剥くのよ。こうすればいいわ、いたくなんでしょう。
大きくなったとき、むくと痛いから、いつも被ったら剥くのよ」
 確かに、小さいとき剥くと痛くなかった。しかし、触られることで何となく変な
気持ちになり、そこは大きくなり痛みが走った。
 「痛いよ。大きくなって痛く成った」

111 :
< 2 >
 母と言えども、裸で触られればこどもとは言っても反応し、そこは大きくなり
だしたのだ。
 「いたいよ。どうすればいいの」
 痛いので湯船の中で子供は立ち上がり、母の目の前に大きくなって、包皮が
剥け大きいといってもなんだか可愛い感じで、母に取っては小さかったのか。
 「痛くても、我慢しなさい。ここはこうなっていないとだめよ。小さくて可愛い」
 その痛さは締め付けられる痛さと大きくなったことで包皮が伸びる痛さなのか、
複雑な痛さを感じた。
 「大丈夫、痛いのね。痛いのならこしてあげる」
 結局、あれから、母に言われたように、包皮を剥く日々が始まり、女を見ると
大きくなり痛みを感じる日が続いた。

112 :
創作発表@2ch掲示板
創作物全般を作って発表し感想を貰う板です。
オリジナル、二次創作、競作等幅広く受け入れています。
※エロ・18禁等の作品はお絵描き・創作板、エロパロ板へお願いします。
板に関することは自治スレッドまでどうぞ。


113 :
「「 自由な人たち 」」 2011.23.7.26--075
*** 月明かりの訪問者 *** 019+3
< 1 >
 暗闇の中で、かすかな寝息と甘い女の匂いを感じ、観鳳は目を覚ました。
目は開いているが何も見えない。かすかな寝息と甘い匂いを頼りにその方に
手を差し伸べた。そして、直ぐに手を引いた。確かに、手は何にか触れた。
 観鳳は誰かがいる、それも女だ。確か、昨夜、武雄と酒を飲み、武雄が
若い女が外にいて、武雄がその女を呼びに行ったまま、帰ってこないので、
観鳳はそのまま酒を飲み続け、そのまま寝てしまったのだ。
 「と言う事は、武雄は女を呼んで来て、俺はその女と寝ている訳か」
 しかし、何も覚えていない。観鳳は衣服を確かめ、下半身を触って見た。
あれっと思った。何となく、衣服が乱れ、下半身がおかしい。
 「おきました。突然、お邪魔してすみません」
 真っ暗な中から女の声が聞こえ、立ち上がったのか甘い香りと共に声の位置
が変わった。
 「はあ」
 観鳳はただ、あっけに取られ、言葉に詰まった。

114 :
< 2 >
 「明かりを付けますね」
 観鳳は電気を付ける為に立ち上がろうとすると、見知らぬ女はすかさず、
 「出来れば、まだ、このままでいたいのですが」
 女は暗闇のままで居たいというのか、電気を付けないで欲しいと言うのだ。
 「私、今、何も着ていないのです」
 「何も着ていない、それはどうしてです」と聞こうとしたが声が出ない。
 「そうですか。そうですよね。裸では」
 「服を着ますね。真っ暗なんで、良く分からない」
 真っ暗な中で、女は服を探した。何で、服を着ていないのか。その訳は
一つ、しかし、記憶がない。記憶が一つもないなんて事があるのか。
 「あの、一つ聞いてもいいですか」
 
 「何で、私が裸なのかと言う事ですか。それは、あなたが知っている筈です。
私の服を返して貰えないでしょうか」
 観鳳は改めて下半身を触った。なぜだ、なぜ思い出せないのか。
 「あなたの服をどうしたと言うのです、私があなたの服を奪った」

115 :
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「「 自由な人たち 」」のレス削除依頼提出済み
http://qb5.2ch.sc/test/read.cgi/saku/1220329074/78-n

116 :
「「 自由な人たち 」」 2011.23.8.1--076-020
*** 何をしているのあなたたちは *** 020+1
< 1 >
 昼を少し回った頃だった。太陽の日差しが強く、少し動くと汗ばむような日で、
暑さをしのぐ為に何か器具が必要な日だったが、古びた時代を感じさせる家屋
は、ほど良い風を外から入れる事で何とか過ごすことが出来た。
 「おかず持って来たけど、もう、食事は終わった」
 近所の農家の門田真希さんがお昼を過ぎて、お昼のおかずと言ってサトイモの
煮っ転がしを持って来てくれた。
 「まだ、食べてないんだ。丁度良かった。サトイモ、いつも、ごちそうさま」
 「良かった。こんな物だけど」
 「サトイモか、何かに似ているね」
 「そう言えばそうね」
 吉川良はデザインの仕事をしていて、昼は作業場で自分の作った弁当を
食べていた。
 作業場は古い民家をリサイクルした建物で、結構いたんでいたので、
リサイクルの費用はそれなりに掛かった。

117 :
< 2 >
 「この家に住んでいた前の人を知っているの」
 「ここは知り合いの紹介で買う事にしたんだ。住んでいた人を知っている」
 「知っているよ。いい人たちだった。子供の所に行くって言ってた」
 「ここに座れば」
 「そお、そおする。食べさせてあげる。少し甘いかな、甘くしたの」
 「甘いの好きだよ。真希さんと同じくらい」
 「私はサトイモと同じ。食べてくれる」
 「サトイモを食べてから、まきさんも食べよ」
 門田真希はサトイモを口に含み、それを吉川良に口移して食べさせた。
 
 「真希さん、最高に美味い」
 「一味違うでしょう」
 「真希さん、お返し」
 吉川は真希から口移しされたサトイモを口の中で半分にして、真希に口移しした。

118 :
「「 自由な人たち 」」 2011.23.8.3--076-020
*** 何をしているのあなたたちは *** 020+2
< 1 >
 街の中心から離れたところまで散歩に来て、辺りを見ると農地も大分あるのに
気付いた。遠くを見ると山もよく見え、街中とは違った風景があった。
 休日には散歩するときが最近増え、当てもなく歩き、家に帰ってから、地図を
パソコンで開き、何処を散歩してきたか調べ、その地図に日付を付け、散歩した
道路を色分けして楽しんでいた。
 「吉川デザイン事務所か、こんな所にデザイン事務所があるんだ」
 琴美は美しく、聡明で誰からも好かれるタイプで、男に取っては申し分のない
女と言える。何と言ってもスタイルがいい。何処から見ても、バランスが取れた
体は何を着ても男に取ってはその中身を想像させる色気を持っていた。
 散歩の時は清潔な感じの服装で、白を基調にした薄での布でその魅力的な
体を覆っている。誰でも、そばに寄りたくなるような雰囲気のある女だった。
 散歩すると汗もかくので、香りのいい汗止めを脇の下に付けているので、
ほのかな香りを漂わせている。
 
 「ああー」

119 :
< 2 >
 琴美は吉川デザイン事務所を見ていて、足が縺れ転んでしまった。
 「痛い、手首を痛めたかな」
 転び方はそれほど派手ではなかったが、転んだときの手の付き方が悪かった
ようで、手首を少し痛めたようだ、でも、痛いが医者に見せるほどではなく、手の平を
閉じたり、開いたりしても特に違和感は無かった。ただ、手首を少し回すと痛みが
あるがそれほどでもなかった。
 「あら、派手に転んだわね。手首を捻ったでしょう。大丈夫」
 吉川の事務所から出て来た門田真希の目の前で塩田琴美は美しくそして
無様に転んでしまった。
 「何だか、足が縺れてしまって」
 「立てる。膝から血が出てる。ここ私の知り合いなの、応急手当して行きなさいよ」
 「本当だ、血が出てる。でも、かすり傷ですよ」
 「消毒ぐらいはしないと、行きましょう」
 真希は立ち上がった琴美の手を取って、吉川の事務所に行った。

120 :
「「 自由な人たち 」」 2011.23.8.4--078-020
*** 何をしているのあなたたちは *** 020+3
< 1 >
 真希は琴美の手を握り、その手の柔らかさと肌の感触に自分にない女の
肉体の神秘を感じた。
 「あなたの手、柔らくて綺麗ね」
 「ここの方にご迷惑ではないでしょうか」
 「大丈夫よ。気にしないで」
 二人は事務所に入った。
 「良さん、この人が家の前の歩道で転んで、膝を擦りむき血がでているの
消毒してやって、それに手首を少し捻ったようでシップしたいの」
 「塩田琴美です。突然、お邪魔して、申し訳ありません」
 吉川は琴美を見た瞬間、驚いてしまった。目の前に立っている琴美が余りにも
美しく、清らかな感じで、この世の者とは思えない女だったからだ。
 「良さんどうしたの、何か持ってきてよ」

121 :
< 2 >
 真希は吉川の顔を見て直ぐに分かった。吉川が琴美を気に入ってしまったことを、
 「綺麗な人でしょう。見とれている場合じゃないの、早く、薬持って来て」
 「分かった」
 突然の訪問者に何が何だか分からないが言われるままに救急箱を探しに奥の
部屋へ向かった。
 「あの人、吉川良って言うの私より少し若いけどもう結構歳よ。あなたを見て
驚いていた。あなた、本当に綺麗ね。私も驚いたわ。この辺では見かけないわね」
 「ええ、散歩していたら、何となく来てしまいました。こんな事はよく
あるんです。そんなに遠出はしないけど、道を決めないで、歩くんです」
 「へー、面白そう、私、門田真希、よろしく」
 「私、塩田琴美です。お世話になりました。こんな事はなんですが、この家を
見ていたら、足が縺れてしまって」
 「お待ちどう様、擦り傷と捻挫、これとこれ、真希さん付けてやって」
 真希は膝の擦り傷を見て、履いているズボンを脱がないと消毒できないと思い、
 「ズボン脱がないと膝は消毒出来ないわね。それにズボンの血も早めに
洗ったほうがいいわね。良さん、大き目のタオルと洗面所を借りるわね」
 吉川は真希の言うままに大き目のタオルを取りに行ったが、何となく、不思議な
感じがした。美しい女が突然来て、自分が使っているタオルを腰に巻くと考える
と頭がぼーとする感じになった。

122 :
創作発表@2ch掲示板
創作物全般を作って発表し感想を貰う板です。
オリジナル、二次創作、競作等幅広く受け入れています。
※エロ・18禁等の作品はお絵描き・創作板、エロパロ板へお願いします。
板に関することは自治スレッドまでどうぞ。
「「 自由な人たち 」」のレス削除依頼提出済み
http://qb5.2ch.sc/test/read.cgi/saku/1220329074/78-n

123 :
「「 自由な人たち 」」 2011.23.8.5--079-020
*** 何をしているのあなたたちは *** 020+4
< 1 >
 吉川は考えた。自分が使っているタオルでいいのだろうか。洗濯はされていても
自分が使ったタオルを使わせる訳にいかないと考えた。
 新しいタオルでなければ失礼と思い、新しいタオルを出す事にした。
 「良さん、どうしたの」
 門田真希が突然、吉川良の寝室に入ってきた。
 「今、持って行く。やっぱり、新しいタオルがいいと思って、これだ」
 吉川は箱に入っているタオルを出して、真希に渡した。真希は無表情でタオルを
受け取った。左手でタオルを受け取り、右手で吉川の股間を握った。
吉川は真希の顔を驚いた表情で見た。そして、
 
 「何と」
 と言って、声を詰まらせ、少し呆れ顔になり、
 「何で」
 と言った。

124 :
< 2 >
 「やっぱり、無理はないわね。当然よ。良さんも男ね」
 不覚にも、吉川はタオルを探している時から、塩田琴美のタオルを巻いた姿を
想像をしてしまい、体が男前に成り、自らのズボンで隠す事が難しいほどに
なっていたのだ。
 「良さんもタオルが必要なようね。そんな状態で、あの人の前に出たら、
犯罪者になるわよ。良さんはいいから、呼ぶまで、仕事していて」
 「そうだね、別に、変な事を考えていた訳ではないだけどな、おかしいな」
 吉川は真希にタオルを渡し、事務所で仕事をしながら、持つ事にした。
 「琴美さん、これ使って、ズボン脱いだら、血を落としてあげる。消毒は自分で
出来る」
 「ズボンは私が洗濯します。そこまでして貰っては申し訳ないです」
 「タオルを巻いて、洗濯するつもり、私がしてあげる」
 琴美は、真希の言う通りと思い、タオルを腰に巻き、血の付いたズボンを脱ごうと
したが手首が痛いので一人では脱げない。
 「駄目だわ、手首が痛くて」
 「そうか、手首があったわね。手伝うわ、消毒もしてあげる」

125 :
「「 自由な人たち 」」 2011.23.8.8--080-020
*** 何をしているのあなたたちは *** 020+5
< 1 >
 塩田琴美と門田真希はお互いを見つめながら、琴美は申し訳なさそうに、
そして、真希は全て私に任せてというように頷きあった。
 琴美は真希にタオルを渡し、自分では何も出来ないと思った。
 「ごめんなさい。手首が痛くて、タオルも巻けないようです」
 真希はタオルを受け取り、琴美の腰に巻き付けた。そして、どのように
ズボンを脱がせばいいか考えたが結局、タオルを巻いたらスボンを脱がす
事は出来ない。
 「困ったわ、これではズボンを脱がせない」
 「かまいません、気にしないでください。真希さんは女ですから」
 「そうよね。私は女、琴美さんも女、気にするほうが可笑しいわ。でも、
一人、男が居るわよ」
 真希は吉川良が突然入って来たら困るので、良に一言言っておかないと
いけないと思い、仕事をしている良の部屋へ急いで行って、良に言った。

126 :
< 2 >
 「良さん、分かっていると思うけど、私が終わったと言うまで、来ないでね。
琴美さん、手首がまだ痛いので、タオルを自分で巻けないのよ。だから、
少しの時間、下着になるのよ。私がスボンを脱がさなければ成らないの。
分かった。お願いね」
 「分かってますよ。早く、消毒しないと」
 良は呆れるように言った。良は仕事が手に付かない状況で、琴美と真希が
何をしているのか気になって仕方が無かった。
 確かに、手首が痛ければ、タオルなんか腰に負けないし、タオルを巻いた状態で
スボンを脱ぐ事は出来ない。
 タオルを巻いた姿を想像しただけで、頭の中に物語が進行し琴美さんと自分が
主人公になって、どたばたした物語が浮かんだと言うのに、今度は琴美さんが
手首が痛いので自分ではスボンを脱げないということだ、良の頭はパニックに
成ってしまった。どうすればスボンを脱がす事が出来るのか、良の頭の中は
美しい琴美のスボンが真希によって脱がされるシーンを既に作り出していた。
 真希は直ぐに琴美の所に戻り、琴美のスボン脱がし、膝の傷を消毒しないと
思い、急いで、琴美のところに戻った。
 「琴美さんごめんね」

127 :
< 3 >
 と言って真希は部屋に入った。そこにはタオルを巻いた琴美が膝の消毒を
していたのだ。真希が良の所に行っている間に、琴美は自分でズボンを脱ぎ、
タオルを腰に巻いていた。
 「一人で出来たの」
 「スボンを脱いでから、タオルを巻いたら手首も痛くなかった。消毒もしました。
もう大丈夫です。洗濯も出来ますよ」
 「洗濯は私がしてあげる」
 真希は少しがっかりした。琴美がどんな下着を着ているのか見たかったのだ。

128 :
創作発表@2ch掲示板
創作物全般を作って発表し感想を貰う板です。
オリジナル、二次創作、競作等幅広く受け入れています。
※エロ・18禁等の作品はお絵描き・創作板、エロパロ板へお願いします。
板に関することは自治スレッドまでどうぞ。
「「 自由な人たち 」」のレス削除依頼提出済み
http://qb5.2ch.sc/test/read.cgi/saku/1220329074/78-n


129 :
「「 自由な人たち 」」 2011.23.8.10--081-020
*** 何をしているのあなたたちは *** 020+6
< 1 >
 鏡が外の空の雲を美しく捉え、うつろなまなざしで鏡に映る空を眺める
吉川にその鏡はつまらないおとぎ話を提供してくれた。
 誰でも美しい人を見ると脳細胞が活発に働き出し、どうでもいいおとぎ話を作る。
 吉川も仕事に集中出来ないで、頭が無意識の内に作り出す、おとぎ話を楽しんで
いた。
 「美しい人に取って、自分自身をどう思うの」
 「美しいからといって、何も変わらないと思うけど」
 「でも、見る方としては何か特別な事があるのかなと思うよ」
 「特別なことなんてない。私も美しい人を見ると何か特別なことでもあるのか
と考えるけど」
 「美しい人が美しい人を見たときの気持ちとしては、美しくない人が美しい人を
見たときと同じ事を想像する訳だ」

130 :
「「 自由な人たち 」」 2011.23.8.11--082-020
*** 何をしているのあなたたちは *** 020+7
< 1 >
 頭の中の会話は吉川良が作り出した。デタラメな会話でそのときの気分で
自由自在に話が進み、それは何の意味もなさない作業だった。
 「私は美しいですか。美しいと何がどうなるのか、知りたい」
 「人間は美しいものを見ると脳が活性化して、体中の血が燃え上がり、
生きる意欲が増し、全ての力が普段の何倍にもなる」
 「本当かしら、そんな経験はないけど」
 「それは美しいと感じた事がないか、まだ、体が成長していないか、不感症
かもしれない」
 「不感症ね。不感症かな」
 「そんな事はないよと思うよ。不感症は治るよ。ただ、治す方法には
色々なると思うけど」
 「どんな方法がある訳」

131 :
< 2 >
 別に変な方向に話を持って行くつもりはないが。人間として生きて行くことを
考えると肉体と精神の葛藤により理性を維持する方法を追求すると何となく、
肉体と精神の神秘的な関係を男女の肉体で表現したくなるのだ。
 「そんなに難しいことはないと思うけど、ただ、多少の我慢は必要と思う、
学ぶと考える事も必要で、人間が成長する上で、大事なことは予習、復讐かな」
 「勿論、何も努力しないで、成長することはない筈ね。でも、不感症は病気
なの」
 「それは病気でしょう。何も感じない訳だから、生きて行く上に必要な感動が
無いなんて、寂しいことと思わない」
 「思う。でも、考えてみれば何も感じないわけではないわ」
 「感度の問題かな、感度を良くする事で、人生を楽しく出来る訳だ。
 「確かに感度良好のもうがいいわね」
 「ただ、それを知ることが大事なんだ。ただ、感じるのではなく、感度を
上げられることが出来る」
 「感度が上がれば、いい訳だ」

132 :
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創作物全般を作って発表し感想を貰う板です。
オリジナル、二次創作、競作等幅広く受け入れています。
※エロ・18禁等の作品はお絵描き・創作板、http://pele.bbspink.com/erocg/エロパロ板http://pele.bbspink.com/eroparo/へお願いします。
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133 :
  ∧_∧   ∧_∧    age
 (・∀・∩)(∩・∀・)    age
 (つ  丿 (   ⊂) age
  ( ヽノ   ヽ/  )   age
  し(_)   (_)J

134 :
「「 自由な人たち 」」 2011.23.8.26--083-021
*** 芽生え始めた感情 *** 021+1
< 1 >
 芝生に寝転び通り過ぎる人々を眺め、何となく生きている自分を動物に
例えると何かなと考えながら、目の前に次々に現れる人々の下半身を
チックしている自分が既に動物のように感じていた。
 動物たちの目線は多分こんな風景を見ていると思うと何となく、その風景が
気になりだした。
 よく見れば、公園の中の芝生に寝転び、行き交う人々を結構観察ている人が
いる事に気付いた。
 確かに、何となく、楽しい感じがする。色々な人々が何も疑いなく、自分が
寝ている目の前を颯爽と歩く人や何処となく寂しそうに歩く人、何人かで
話しながら歩く人々が自分が見られていることも知らないで、何の防御もなく
通り過ぎて行くのを見つめることがこんなに不思議なこととは思わなかった。

135 :
「「 自由な人たち 」」 2011.23.10.27--084-022
*** 時計を気にする少女 *** 022+1
< 1 >
 私、朝が弱いの、朝の姿は誰に見られたくないわね。自分でも何で、こんな
姿で寝ていたのかと思うよな姿勢で目が醒める時がある。
 目覚まし時計がけたたましく成った。時間に弱い乙女早苗は時計に管理される
可愛い女の子なのだ、人一倍時間を気にするので常に時計が目に入るところに
ないと不安になり、時計は最も大事な存在だった。
 「えーと、何時だ。6時32分、2分か」
 目覚まし時計は6時30分に合わせあるが、いつも、何分かは目は覚めて
いるが起きる事が出来ない。
 一人暮らしも半年が過ぎ、6時30分に起きて、食事の用意をして、食事して
会社に行く。
 時間を気にする早苗は家を出るまで、全てを時計に従い行動する。ベットから
転がるように起きる。そして、立ち上がり、箪笥の上の時計を持ち、目覚めの
悪い目で時計の文字盤を確かめる。
 「なんだ、6時33分、よーし、何とか成る」
 パジャマから半分尻が見える状態で、洗面所に向かった。

136 :
「「 自由な人たち 」」 2011.23.10.31--085-022
*** 時計を気にする少女 *** 022+2
< 1 >
 朝の顔は全くの無防備なのになぜか自分の顔は気に入っている。
 「おはよう。今日もがんばるね」
 顔を荒い、口を漱いだ。朝食の前に口を漱ぐと気持ちよく食事が出来るので、
鏡を見ながら、顔の運動を兼ね、色々な顔をしながら、口を漱いだ。
 口に水を含み頬を膨らました顔は自分でも可愛いと思った。唇をつぼめ、
キスをするようにしたり、口の中の水を右に移動したり、左に移動したりして
楽しんだ。
 口を漱ぎ、洗い立てのタオルを顔に押し付け、顔を包むように顔に付いている
水を拭いた。洗い立てのタオルの香りは早苗に幸せを送ってくるように感じた。
 「気持ちいい、タオルはやっぱ、洗い立てね」
 鏡は早苗の胸の下まで、腹の上まで映している。顔を洗い、口を漱ぎ終わると
次に始めるのは少しセクシーな体操だった。誰も見いてない早苗の洗面所は
何でもありの場所でもある。鏡をじっと見詰め、気持ちを高めた。
 パジャマのボタンが外れているので少し乳房が見える。早苗は胸が良く見える
ようにボタンを外し、乳首を摘んでみた。上下左右そしてくるりと回し、朝の乳房
体操を始めた。洗面所にも時計があり、6時40分を指していた。乳房の体操は
1分程度で最後に乳房を手のひらに載せ、セクシーホーズを決める体操で、これは
決して人には見せる事が出来ない姿なんだが、早苗は少し気に入っている時間
だった。形のいい乳房は何かをまとめ初めているに早苗の手のひらの中で
ぷるんと悶えた。
 朝食は前の晩に作り、朝暖めて食べるようにしている。

137 :
「「 自由な人たち 」」 2011.23.11.11--086-022
*** 時計を気にする少女 *** 022+3
< 1 >
 朝食を作るときはパジャマのままだ、はだけた胸のボタンはそのまま、
尻が見えていた、ずれたズボンは上げてはいるが、少しだらしなく尻の
膨らみに掛かっている程度で、一人暮らしだから出来るあるがままの
感じで、一人暮らしの女の無防備な匂いがぷんぷんする感じだ。
 昨日の晩に作った肉と野菜炒めのパックをレンジに入れ、暖め直す。
最近、肉が多く、少し体重を気にしているが、肉は大好物でつい使ってします。
 「サラダとお米と味噌汁、それと牛乳、いつもの品はそろったね」
 小さなテーブルに朝食を並べ、その時間を計り、制限時間通りかいつも
気にしながら、朝の朝食の支度をするのが早苗は好きだった。
 レンジが時間通り切れる音がし、肉と野菜炒めが温まり、皿に盛り付け、
食卓に並べた。
 結構、見た目は豪華な感じで、早苗は満足したがよく見れば、大したものは
なかった。
 「今日も一人か、話す相手がいない。知恵に電話しようかな、でも、
止めよう。まだ、寝ている」
 早苗は中々男友達が出来ないで、最近悩んでいた。

138 :
さげ

139 :
どういうジャンル?

140 :
tsts

141 :
「「 自由な人たち 」」 2012.24.3.26--087-023
*** 頭の中の映像 *** 023+1
< 1 >
 現実と頭の中の映像を同時に見て生きている男が自転車で街の中のいつも
の道を通って、今日の仕事を終えて家に向かっていた。
 目に見える現実と頭の中で作り出された映像が常に頭の中を巡っているので、
男の精神状態はいつも不安定であり、的確にものごとを判断出来ない。
 現実の映像が自分の脳に入る事で自分の意志とは違う映像が頭の中で作ら
れる、現実と非現実の中でいつも戸惑って生きているのだ。
 いつも通る薬屋の前で、いつものように店の中を見て、店員の幸恵さんを探し
ガラス越しに挨拶をした。少し会釈をして笑った。店の前で止まって商品を見て
いる振りをして幸恵さんの姿を見ていた。
 幸恵はこちらに気付き、手を上げて待ってと言っているように口を動かした。
幸恵は急いで、外に出て来た。
 「今、帰ったの、奥さん実家に帰ったは」
 「お世話に成りました」
 「奥さん何か言っていなかった」
 「いえ、別に何も言ってなかったです」
 「そう」
 「昭夫さん、食事どうするの、奥さんが心配していたけど」
 「何とか」
 「もし、良かったら、私のところで食べない。奥さんもそんな事を言ってたわ」

142 :
「「 自由な人たち 」」 2012.24.3.27--088-023
*** 頭の中の映像 *** 023+2
< 1 >
 幸恵は薬局で薬剤師として働いている少し年上の感じのいい女性で、妻の
美紀がよく子供の薬と生理用品などを買うので友達になった人で、見た目は
清潔でふくよかな感じの素敵な人だ。
 「ご迷惑ですよ。二日間ですから、何とかなります」
 「そう、かまないのに、奥さんからもそうして欲しいって言われたのよ」
 「でも、それは」
 「迷惑じゃないの、私もそうしたいの、おかしいかしら」
 「そんな事もないと思うけど、ただ、幸恵さんの家族に悪いですよ」
 「大丈夫、誰も気にしないし、食事は大勢の方が楽しいわよ」
 「悪いですよ。今日は一人で何とかします、大丈夫です」
 「もう直ぐ、交代だから、後で電話するから、じゃね」
 昭夫は突然、話を打ち切られ、唖然としながら、幸恵の目がキラリと鋭く刺すように
昭夫の脳を刺激した。
 「私はもう決めたの、パスタは好きでしょう。奥さんがよく言っていたわ」
 「バスタですか。食べたいな」
 「クリーム味ですっきりまろやか、麺に纏わり付くクリーミーの味でどうかしら」
 「そうですか、美味しそうですね、クリーム味、早く食べそせてください」
 「一時間後に来て、一緒に作りましょう」
 「え、一緒に」

143 :
「「 自由な人たち 」」 2012.24.3.27--089-023
*** 頭の中の映像 *** 023+2
< 2 >
 白い白衣の後ろ姿が昭夫の目の前を嬉しそうに遠ざかって行く。昭夫の脳は
明らかにこれから起こるであろう映像を映し出し、昭夫は憂鬱に成った。
 白い白衣の後姿から浮かぶ体のライン、そのラインを辿る目線、スロー
モーションの映像がいつしか野原を追いかけている映像に変わり、白衣が
羽衣ように薄くなり、包まれた女体が野原を飛び回り、その後をただ追い
駆けながら、羽衣を掴もうとするが中々掴むことが出来ない。
 「待ってください。話があるです」
 「話なんか無いわ、付いて来れるの」
 「少し止まりませんか」
 「それは出来ないわ」
 「なぜです」
 「楽しいからよ。捕まえなさいよ」
 「捕まえていいんですか」
 「勿論よ、捕まりたいの」
 幸恵の後ろ姿が店の中に消え、昭夫の脳の映像も消えた。昭夫は思った。
これまでも脳に浮かんだ映像が現実になったことはないが、映像を作り出す
切っ掛けは自分が感じる思いと相手の思いがなぜか、刺激し合い、思わぬ
思いを映像として見えるのではないかと言う事だ。多分、幸恵さんの思いは
羽衣をまとった女体であり、その映像から想像すると男から追い駆けられる
ことを期待している。

144 :
「「 自由な人たち 」」 2012.24.3.28--090-023
*** 頭の中の映像 *** 023+4
< 1 >
 難しい選択を迫られている感じがする。白衣に包まれた清潔感のある女性から
食事に誘われると言う事は平凡な生活を送っている昭夫に取って、一生の内に
在るか無いかのことであり、無いのが当然であり、在ったらそれは人生を天秤に
駆けるほどの出来事になるに違いない。
 妻である美紀が薬屋の店員である薬剤師の幸恵さんに本当に自分の食事を
頼んだのか、それは冗談で、そんな話になっただけで、本当は妻である美紀は
そんな事は望んでいない。
 妻である美紀に対しては絶対服従であり、如何なるときも逆らったことはなく、
学生のとき、家庭教師のバイトで知り合って以来、美紀は昭夫を支配して来た
のは間違いなかった。
 「やあ、どうそちらは」
 「どうしたの、寂しくなった」
 「まあ、そんなところかな、何かあったら連絡待ってる」
 「ありがとう」
 「そうだ、薬屋の幸恵さんに食事を頼んだ」
 「頼んだわよ。幸恵さん、いい人よ。お世話に成ったら、何となくそうなったの」
 「言ってくれればよかったな、突然、薬屋の前でそんな話になって」
 「驚いたの、でも、冗談のつもりだったけど、本気だったんだ」
 「断ってもいいかな、どうもおかしいよ」
 「どうして断るの、断らなくてもいいでしょう。帰るとき、お土産を買って渡すから」
 「本当にいいのかな」
 「また、連絡するから、何も無ければ連絡はしないけど、子供も元気よ」
 「そうか、分かった」

145 :
「「 自由な人たち 」」 2012.24.3.30--092-023
*** 頭の中の映像 *** 023+5
< 1 >
 夕日が落ちて、何十分か過ぎただろうか。家の近くの公園のベンチの背に
体を寄せて夜空に輝く星を眺めた。星は何も語らないが星を見ることで星が
語りかけてくるように感じるときがあるが今夜がそんな感じだ。
 「何かある筈だ。薬屋の幸恵さんは何かを期待していると思うよ」と星が言った。
 「だろうね。でも、分からないよ。妻美紀との成り行きで食事をつくることになった」
 「相手は塾女だ」
 「塾女と言うほどでもないと思うけど」
 「そうか、顔は幼顔というか非常にあどけないけど、眼差しは鋭いように感じる」
 「確かに、目から伝わる女の気持は熟しているようないないような」
 「お前も何か期待している。してないなんてことはないよな。それは失礼だ」
 「失礼の無いようにするけど、男と女の関係になるとすると」
 「ほら、男と女の関係を望んでいるな」
 「それは仕方ないと思うけど、ただ、それはどうかな」
 「それしかないだろう。食事が終わり、食事の後始末で台所で急接近する」
 「台所で、それはないだろう。台所では難しい」
 「そんな事は無いさ、台所でも可能だろう。経験済みってことは知っている」
 「それはどこでも可能だけど、確かに体が接近したときが一番その感覚は伝わる」
 「だろう。それしかないよ」
 「でも、全てはそのときが来ないと、もし来たら」
 「来ると言う前提で行かないといけない。まずは家に帰り、身を清めないと」
 「清める。ただの食事だけでか」
 「そうだよ。正にただの食事だろう。ささと家に帰り、身を清めろ」と星は言った。

146 :
「「 自由な人たち 」」 2012.24.3.30--093-023
*** 頭の中の映像 *** 023+6
< 1 >
 ベンチから腰を上げたとき、携帯がなった。胸がどっきんとした。
 「はい、川辺です」
 「中西です。薬屋の幸恵です。今、家に着きました。これから造りますから
良かったら、直ぐに来て貰ってもいいでよ。造るまで、休んでいてください」
 「はい、えーと、20分、いや、30分かな、それぐらい後でいいですか」
 「はい、いいです。いつでもいいです。でも、遅くなるときは連絡ください」
 「30分前には必ず、20分は無理だな、早く行きます。出来るだけ、そうします」
 「焦らなくても」
 「ではまた、そうだ、本当に失礼ではないのですか」
 「本当になんて、本当に失礼ではないです。余りに期待しないでくださいね」
 何でだ。なぜか焦った。おかしな感じ、精神に異常来たしたような、何となく
幸恵さんのところで失敗しそう。
 「清めると言っても、30分じゃ無理だ。行くのに10分は掛かる。自転車で5分、もし、
酒が出たら、自転車では違反になる。歩けばいいか」と独り言を言った。
 「清めるって、どうする訳だ」
 「食事だけならいいが、もし、何か別な方向に進んだとすると」
 「別な方向って、私と何か起こるというの」と頭の中で、想像人間の幸恵が言った。

147 :
< 2 >
 「勿論、何も無いとは思うけど」
 「私の体はそのままよ。働いたままで、昭夫さんを待っている。清める時間なんて
ないわ。働いて汗を欠いたわ、汗をかいた体は不潔なの」
 「そういう意味で言った訳ではない」
 「汗をかいた塾女は不潔だわ」なぜか、想像人間の母親が現れた。
 「汗は刺激的で魅力的な物質で、汗は異性を感じさせる要素だ」
 「汗は汗よ。人間が出す不純物でしかないないのでは」
 「求める対象としての異性の汗は別段気にならない」
 「汗は臭いわ」
 「臭い汗はシャワーで洗えばいいだろう。シャワーの後の新鮮な汗ならいいよ」
 「好きにしなさい。私の夫は汗臭い私を好きじゃなかった」

148 :
「「 自由な人たち 」」 2012.24.4.3--094-023
*** 頭の中の映像 *** 023+7
< 1 >
 生活の中に締める異性への欲望は大きいがその欲望を満たす機会はほんの
僅かであり、ほとんどは日々の生活の中で埋没し、生きる為に如何に生活費を
稼ぎ、家族の願望を満たす為の時間が過ぎ去っていくだけで、異性への欲望
を達成する為の努力は気薄になり、当然では在るが欲望の捌け口は妻である
美紀と言う事になり、いつのまにか美紀の体の全てを知り尽くしてしまった。
 知り尽くしたとはいえ、欲望を満たす秘めたる技は発展途上であり、真新しさは
無くなっても意外性は存在し精神的にも肉体的にもまだ美紀で満足している。
勿論、他の人に異性を感じない訳ではないが、その異性と無理に関係を持とう
としていないのは事実だ。
 中西幸恵の家に近くに来たので、確認の為電話を掛けて着いたことを知らせた。
 「もしもし、川辺です。これから伺います。よろしいですか」
 「はい、いつでもいいですよ」
 
 思いのほか、幸恵の声が明るく感じた。何となく、不思議な感じだ。なぜか、
この場に及んで断ればよかったと思った。でも今更どうにもならず、恐る恐る
インターホーンを押した。玄関のドアが押すと同時に開き、そこには幸恵が
満面な笑みを浮かべて立ってた。服装は白衣ではなく黄色いタイトな上着と
下は紺色のパンツ姿で髪をポニーテールに束ね意外に若く感じだ。

149 :
< 2 >
 「本当にお邪魔ではないですか。図々しい感じがして」
 「まだそんな事を言っているですか。娘も居るんですよ。那美さん、川辺さんよ」
 「いらっしゃい」幸恵の長女で薬学科の学生だ。
 「しばらく、また、美しくなったね」那美さんも感じがいい人で何回か会っている。
 「美しいですか、何処がって聞きたいけど、止めておきます」
 「美しいのならそれでいいでしょう。川辺さん、どうぞ」
 「那美さんとは半年振りぐらいかな、お母さんの店の前で、少し話したね」
 「そうですね。あの時は楽しかったです」
 「何が楽しかったの、そんなに話した」
 「何を話したか忘れたわ。川辺さん覚えています」
 「僕も忘れたな、特に大した話はしなったかな、うちの妻とお母さんの話を
聞いていただけだったような」
 「私は食事の途中で失礼するかも知れませんが」
 「これから、学校の寮に帰るです」
 「これからですか」
 「いつもこんな時間なんです。でも、十分、門限には間に合います」
 「門限があるんですか」
 三人は食事をしながら取り止めの無い話をして、楽しいひと時を過した。
 「そろそろ帰るわ。川辺さんも一緒にどうですか」
 「そうですね。私もそろそろ帰ります」
 「冗談ですよ。まだ、食事終わってないです」
 「川辺さんに冗談なんて言うものではないでしょう」
 「川辺さんゆっくりしていってくださいね」
 「送らないで大丈夫ですか」
 「送って貰いたいけど、でも、今日は一人で帰ります」
 「これ寮に帰ったら食べて、サンドイッチよ」

150 :
「「 自由な人たち 」」 2012.24.4.4--095-023
*** 頭の中の映像 *** 023+8
< 1 >
 女は怖いと思った。幸恵さんの異様な色気はなんだろう。自分の家で安心して
いる感じと自分の姿に自信があるのか、人生が満たされている感じで、何となく
女力に魅了される。食事に招待されたことで思いがけない経験が出来るかも
しれないと思うとラッキーと思わざるを得ない。
 「びっくりするようなご馳走なんで、驚きました」
 「娘がいて驚いた。娘が会いたいって言い出して、疑いの目で見られちゃた」
 「それはそうでしょうね。少し無理があったような、お断りすれば、ただ、努力は
したつもりなんですが」
 なんだろう。方向性は見えているがその方法が定まらない。妻の約束を安易に
考えて、それに少しは興味深い人でもあったのは事実で下心は無かったと思う
けど、確かに勝手におかしな映像が頭の中を流れたのは間違いないが、それは
成り行きであり、現実ではないが、今となっては目の前に現実が存在する訳で、
その現実を如何に頭の中の映像に近付けるか。
 「色々と用意はしておいたの、私、誰かを呼んで食事をする事が趣味なの」
 「そーですか」
 「でも、男の人は少ないのよ。親戚ぐらいかな、ほとんど女友達よ」

151 :
「「 自由な人たち 」」 2012.24.4.4--096-023
*** 頭の中の映像 *** 023+9
< 1 >
 どのような話題に興味を持つのだろうか、こちらの方から話を振って、もしも、
失敗したらと思うと取りあえず様子を見て、今後の成り行き次第にしようと思う。
それにしても中々の家で驚いた。部屋もそれなりに整理され、結構まめな人
なのか。見た目も清潔感が溢れる身なりで、部屋も同じように何処からも気持が
いい感じに成れる造りで色彩も豊か、調度品や美術品もいい感じで申し分が
ない、こんな空間で生活するなんて羨ましいと思った。
 「自分なりに用意したもので、口に合いました」
 「驚きました。家でこんなに美味しいものが造れるんですね」
 「お世辞が上手いですね」
 「お世辞だったらすみません。本当に美味しいと、余り料理の味を理解して
いない人間が言っても駄目ですよね。でも、僕は美味しいと」
 「私が悪かったわ、素直に喜べばよかった」
 「料理の味は本当に難しいと思います。同じ料理でも家によって調味料の量が
違う訳で、初めて、食べる料理が美味しいと感じるのは奇跡に近いと思います」
 「色々と失敗を重ねながら、料理の味を見つけるの、自分だけの味では何か
満足できない。だから、誉められるより、何か意見を言っていただくと料理を造る
側に取っては嬉しい。厳しい意見は歓迎するわ」
 「そうですか、確かに、でも、それは難しいですね。美味しいものは美味しいと
しかいいようがない」

152 :
< 2 >
 「無理に言わなくてもいいですよ。でも、美味しかったと言ってもらえればそれに
越した事はないです」
 「例えば、次があったとして、この味を覚えていれば更に美味しくなっていれば」
 「次があったとすれば、多分、別な料理を作ると思う」
 「なるほど、それも楽しみですね」
 「招待するとき、何を食べたいか聞かない事にしているの、味覚をその人の
人格や雰囲気から判断して、その人に合った料理を考えるのが楽しいわね。
 肉とか魚、野菜もその人が好きそうなものを工夫する」
 「料理によって、人格が分かる」
 「人格によって、料理が分かる。料理によって、色々なことが分かると思う」
 「なるほど、それでは今日の料理で、私の性格が分かる訳だ」
 「大体、分かるわね。生ものの好きな人と焼いたものが好きな人では違うわね
でも、外れることが多いの、人間の性格って千差万別よ」
 「料理って奥が深いですね。驚きました」
 「薬剤師と料理の話聞きたい」
 「聞きたいですが、そろそろ帰らないと」
 「え、そんな時間」

153 :
「「 自由な人たち 」」 2012.24.4.5--097-023
*** 頭の中の映像 *** 023+10
< 1 >
 職業は薬剤師で料理が得意で、気の利いた家に住み、家族も居る。こんな人を
どう扱えばいいと言うのだ。一つ間違えば全ての歯車が狂い身の破滅ではないか。
 自分自身も家庭があり、不満もなく満足している生活を送っているのに、今置
かれている状況は非常に危険であり、この状況から逃げることが一番懸命であり
それ以外の選択は考えられない。
 「これが最後なの、ケーキとコーヒーよ、ケーキは手作りで口に合えばいいけど」
 「もう、満足です。これ以上の食事はこれまでもこの先もないと思います。ご家族
が羨ましいです」
 「アルコールを出せなかったのが残念ね」
 「アルコールはいけません。それは正しい選択と思います」
 「もっと、色々な話がしたかったけど」
 「人生ってこんなものでしょう。最初は何となく断ることを考えたけど、今は断らなく
でよかったと思っています」
 ケーキとコーヒーを持ってきた幸恵はこれまで縛っていた髪の毛を肩まで下ろし、
更に、女の魅力を増した。
 もう限界だった。これは妻からの試練なのか、それとも罰ゲームなのか、男と
してここで立たなくて、何処で立てというのか、全く、いかれている、なぜ、美紀は
夫にこんな試練を与えるのか。
 美紀と幸恵はタイプは違うが本質は同じとすれば、正に、服従してもいい女で
あり、服従する事で、更なる喜びが得られるとすれば、服従せざるを得ない。
服従するは我にありってなものだ。

154 :
< 2 >
 欲望から愛情に変わり、そして、信頼へと辿る男と女の人生は欲望だけでは
犯罪であり、欲望の無い愛情は偽りであり、そして、本来最も必要とする
ものは信頼であり、信頼のない欲望も愛情も中身の無いプレゼントのような
もので、見た目は美しいが結局、心のない人形でしかない。
 欲望を満たすだけでは収まらないのが人生であり、欲望だけで終わる人生
なんて何処にもない。
 欲望を満たす為に愛情を語る事は余りにも簡単なことではなるが、欲望を
満たす事で愛情を育む労力は並大抵ではない。愛情が得られた後の後始末は
信頼へと発展し、切っても切れない関係がそこで生まれる。
 もし、そんな事になれば、妻である美紀の運命はどうなってしまうのか。

155 :
「「 自由な人たち 」」 2012.24.4.8--098-023
*** 頭の中の映像 *** 023+11
< 1 >
 生きていく上で障害は沢山あり、それをどのように処理するかによって、人格は
形成され、人生に深みを与え、自らの知識となり、歴史になって存在するとすれば
何事も経験であり、経験しない限り、新たな知識は生まれない。
 人を愛することは人格を形成する中では大きな試練であり、それを経験する事で
得られる知識は非常に重要であり、貴重と言える。
 問題は目の前にいる幸恵さんに愛情を感じているかだ。確かに男として女に
対する感情は存在するがそれは愛情ではなく欲望でないか。ふくよかで温か
そうな白い肌と若々しく整った顔は多分、誰でも抱きしめたくなり、その肉体に
体をうずめたくなるだろう。そして、それによって得られる快楽はそれまで形成
した人格を破壊する喜びと満足を与え、生きている証明を強く印象付けるので
はないか。
 欲望は人間に取って必要であり、欲望が無ければ強い意志と幸運を掴むことは
出来ない。
 ただ、愛情に対する欲望は単なる生理現象であり、欲望では在るが理性のない
欲望になったとき、それは犯罪であり、ただ、人を傷つけるだけの存在であり、
そして、自らの人格さえも破壊しかねない。簡単に言えば、トイレを求めるときは
トイレ以外はトイレにしてはいけないと言う事だ。
 妻である美紀に対する最初の感情は欲望だった。それは正に男として異性で
ある女の肉体を求めた欲望であり、一人の人間として必要な愛情へと進む道を
切り開く上での生理的現象であり、経験すべき人間の道程と言えた。

156 :
「「 自由な人たち 」」 2012.24.3.26--099-024
*** 月影 *** 024+1
< 1 >
 夜も深まり月の光が強く、長い影を作っていた。信夫は月に背を向け自分の
影をじっと見ていた。
 風が吹いて来た。月の光に照らされた木の枝の影が風に吹かれて揺れた。
その中で信夫の影は微動ともしない。じっと動かない影を見詰めたその目は
死人のように動くことは無かった。
 耳に風の音が微かに聞こえだし、風が強くなって来たようだ。突然、突風が
吹き目には見えないが土ぼこりが顔を襲い、微動だもしなった信夫の体が大きく
揺れた。
 風の音に混ざり、明子の声が月の方から聞こえた。信夫は振り返った。月の
光は強く、信夫は明子の体の輪郭しか見えなかった。月に照らされた信夫は
明子からよく見えたが月を背にした明子の顔は暗く何も見えなかった。
 明子は信夫に小走りで近づいて来た。信夫は僅かに後ずさりをした。
 「信夫さん待った」
 「いいえ、そうでも」
 「家に入ろう」
 月明かりが二人の影を映し、二人はその影を追うように牧場の作業場に急いだ。

157 :
「「 自由な人たち 」」 2012.24.4.11--100-024
*** 月影 *** 024+2
< 1 >
 古びた牛舎にある作業員の仮眠室が二人の密会の場で、ここで二人はしばし
昆虫のように狭いベットの上で蠢き、絡み合い命を作り出す生き物としての姿を
繰り返した。理性を持った人間としては考えられない動物のように欲望を隠さず
お互いの肉体を求め合う姿は人であって人とは思えない、二人の体が一つに絡み
在ったその姿は月明かりの中で人ではない別な生物のように息づいていた。
 狭い部屋を月の光がうっすらと照らし、蠢いていた生物は姿を消し、信夫の胸の
上に興奮から醒め始めた心臓の音を聞いている明子の体が覆い被さっていた。
 明子の肌は僅かに汗で濡れて、信夫の指がその肌を欲望から醒めて行く気持
を羨むようにその余韻を感じながら蠢いていた。
 「信夫さんはいつも満足させてくれる」
 明子は満足そうに言った。体中から染み出した汗がほてった体を冷やし、
よく張った肉付きのいい明子の肌が信夫の肌に張り付いた。
 月明かりの中で、明子は信夫が求めるままに体を許した。そして、それが明子の
心を癒したのだ。
 ほんの僅かな時間の間に凝縮される喜びを教えてくれたのは信夫をだった。

158 :
何一つ纏わない二人の肉体が生み出す喜びによって、苦しみから開放される
喜びを知った明子はこの喜びが永遠に続く事を願っては居るが、今の二人の
関係からはそれは叶わぬもので、また、新たな苦しみを抱えたのも事実だった。
 太陽が沈み、月が上がり、夜の闇に光る月が異様に明子の体を興奮させ、
その興奮した体を癒してこれる信夫を失う訳には行かなかった。
 それは今夜のように月が全ての物に影を落し、物静かな夜のことだった。
信夫は慣れない牧場の仕事に疲れ、牛舎の前で月夜を見上げていたときから
この二人の関係は始まった。

159 :
「「 自由な人たち 」」 2012.24.4.12--101-024
*** 月影 *** 024+3
< 1 >
 夜の闇の中に月明かりで大きな影を作る林の太い幹の大木の根元で何かが
動くのを信夫は見た。
 月の光は闇の中では全てのものの色彩を奪い、知識の目が識別する事でその
存在を捕らえる。目で見えるというより感じるということか、夜の暗闇の中で月
明かりの見辛さが五感を敏感に働かせ、色彩の無い闇の中で、変化をする影を
信夫は感じ取った。
 じっとその影を見詰めた。そのとき、なぜか信夫は体が興奮してくることに
驚いた。何で在るかも分からないのになぜか見詰められているような、何かが
自分を狙っているような、そんな気持がしたので、確かめる事にした。
 以前、牧場主人が家畜泥棒のことを話していた事を思い出した。ここは少し民家
から離れているし、主要道路にも近いので、油断は出来ない。ただ、実感としては
泥棒ではないように感じた。
 信夫はあの林の中で動く月影は人かそれとも動物か、確かめる為に、まず、
牛舎に入り、それから牛舎を抜け出し、その月影に気付かれないように後方に
回って、確認することにした。

160 :
< 2 >
 もしものことを考え、仮眠室にある素振りようの棒を持って行こうとしたが何かの
間違いでも起こしたら大変なので、武器は持たない事にした。何となく、子供の
頃のことを思い出したのだ。夕方、犬と散歩するとき、祖父の杖を持って行かないと
散歩が出来なかった。杖は夜の闇が子供ながらに怖かったのだ、しかし、怖がる
ことで、益々、武器になるものを求める自分に気付き、このままでは暗闇を歩けなく
成るのではないかと思い、杖を持つのを止めて、犬と共に散歩を始めた。最初は
怖かったがなぜか、武器になる杖を持たなくなった開放感の方が心地よくなって
いる自分に気付き、夜の闇が怖くなくなり、犬の散歩が楽しくなったのだ。
 今、まだ、慣れない土地で在るが、ここで武器を持ってしまったら、自分の弱さを
表す事になるので、何も分からない今は不必要なものになるかもしれない武器を
持つ事を止め、懐中電灯をもって、仮面室の窓から外に出た。

161 :
「「 自由な人たち 」」 2012.24.4.16--102-024
*** 月影 *** 024+4
< 1 >
 暗闇の草むらを注意深く、月明かりを頼りに、未確認の人間らしきものに気付
かれないようにまだ不慣れな地形の中を急いだ。
 牛舎から一旦、反対側に行って、それから、裏手を回り、動く未確認物体が見える
ところまで来た。身を隠しているので、向こうからは見えないはずだ。
 林の暗がりの中をじっと見詰めた。中々、見えない、月の光は木々の葉に光が
遮られ、全てが大きな闇の塊となって、その未確認物体は塊の中で牛舎を見定めて
いるのだろうか、信夫はもう少し、近づいて見る事にした。そして、二三歩いた
とき、大きな闇の塊の片隅からその未確認物体が月の光を受けて確認できる
位置に立っているのに気付いた。
 その姿を見る限り、人間であるのは間違いなく、斜め後ろから見ているので、
誰なのか定かではない。もう少し近づき、その人が後ろを向けばある程度は
検討が付きそうだ。しかし、月明かりでは難しいかも知れない。
 信夫は息を凝らし、身をかがめて更に近づいた。僅かな音でさえ。気付かれ
そうなところまで来た。ここだったら、何となく、誰であるかは分かりそうなところまで
来た。
 そして、信夫はその姿に驚いた。それは顔を見るまでもなく、その人は牧場主の
妻である明子婦人だった。
 信夫はこの牧場で働き出して、まだ、僅かで、色々と仕事を明子から教わって
いる最中で、明子の姿を間違えることは無かった。

162 :
「「 自由な人たち 」」 2012.24.4.18--103-024
*** 月影 *** 024+5
< 1 >
 はっきりしたのは確かにあの陰は動き、信夫の姿を見ていたのだ。その未確認
物体が明子婦人とは思わなかったが、現実に目の前に立っている訳で、どのよう
な理由で暗闇の中から信夫を見ていたのかと考えると何となく分かるような感じが
するがあくまでも推測であり真実は分からない。それにしても動く陰を確認して
から時間は大分経ったのではないか。
 明子婦人は牧場の仕事は素人の信夫に熱心に教え、早く成れて欲しいと言って
信夫の体を手のひらで叩いた。その手の感覚は何処か親近感を感じるもので、
暖かく、何故か、明子婦人の態度から信夫に好意を擁いているように感じていた。
 暗闇の中で明子婦人は何を思い信夫がいる牛舎を見ているのか、信夫は
明子婦人に声を掛けるべきか悩んだが、信夫は声を掛けないで、このまま
牛舎に戻ることにした。ここで声を掛けてもどのような展開が起こるのか予測も
付かないし、明子婦人の気持も理解していない今は明子婦人の行動を見守った
ほうが自然のように思った。
 信夫は仮眠室に帰り、ビールとラジオを持って牛舎の外で夜空でも見ながら、
明子婦人の出方を見ようと思った。
 ラジオのボリュームを少し抑えて、いつも天気のいい夜にビールを飲みながら
夜空を見上げ、星を見ながら色々な事を考える事が信夫は好きで、この牧場に
来た当初から、外でラジオを聞きながら、ビールを飲んでいた。
 もしかすると明子婦人はそんな信夫をいつも見ていたのかと思ったがそれは
ない筈だ、信夫はあれこれ考えてみたら今日は牧場主が突然、他県の友達
から連絡があり、出かけた事を思い出した、それに牧場主と明子ぶじんが少し
口争いをしていたようだった。

163 :
「「 自由な人たち 」」 2012.24.4.19--104-024
*** 月影 *** 024+6
< 1 >
 信夫は明子夫人の潜む林の方は見ないように星空を眺めながらビールを
飲み終わった。信夫はビールを飲むと決まってする事は広い草原に向かい
子供のように放尿した。これが結構開放感があり、たまらなく気持のいいもで
誰も見ていない夜にする放尿は男の特権とも言える思っている。
 信夫は酔っているほどではないが、今日はどっちを向いて放尿をしようか
それとも、近くの簡易トイレでしようか迷った。なぜなら、明子夫人が夜の闇の
中でこちらを見ているのに違いないと思った。
 信夫は考えた所詮この世は男と女がいて、お互いが好意を持ってば求める
ものは同じ、そして、求める者が放尿する姿を見ることも好意を持っている
者と何も感じない者の放尿では天と地ほどの違いがあり、好意を持っている
者がする放尿は底知れない興奮をするのではないか。ただ、それも人による
とは思うが少し酔った信夫には明子夫人は多分、興奮し精神的に理性を失う
のではないかと思った。
 かれこれ考えているうちに放尿と明子夫人を思う男の性によって、昭夫の陰茎は
限界に達したようだ。信夫を明子夫人が見ているであろう方向に向けて、自慢
出来るほどの陰茎ではないがズボンのチャックを外し、放尿を始めた。

164 :
< 2 >
 信夫はこんなに放尿に興奮したことはこれまで無かった。正に興奮そのもので
あり、このままで、明子夫人の所に突撃したい気分だ。
 興奮と生理現象とで、はちきれんばかりの陰茎が放尿により、落ち着きは
したが、興奮は未だに収まらず、まだ、スボンに納めるには少し、大きさが治
まっていない、信夫はまだ納まっていない陰茎が良く見えるように月明かりが
照らすかもしれないので、90度、体を回転させ体から突き出た陰茎の大きさを
見せるように放尿の残りの水滴を陰茎を指で勢いよく上下に左右に振り回し
残留する尿を陰茎の尿道から振り飛ばした。
 陰茎もスボンに収まる大きさになり、満足した思いでおもむろに収め、チャック
をして、なんとも言いがたいこどものような経験をした信夫はこれで明子夫人が
どう出るか全ては明子夫人に任せることにした。

165 :
「「 自由な人たち 」」 2012.24.4.22--105-024
*** 月影 *** 024+7
< 1 >
 仮眠所には簡単なシャワー施設があり、作業で汚れた体と家畜の匂いを消す為に
備えてあり、ここで仮眠するときはいつもシャワーを浴びて、仮眠室でごろ寝をして、
夜を過している。
 ビールで少しほてった体と今日の作業による体の汚れ、そして、もしかして、
現れるであろう明子夫人を受け入れる体にする為に、信夫は衣服を脱ぎ
シャワー室に入った。
 家畜の世話による匂いは明子夫人も同じであり、多分気にはならないはず、
でも、出来れば明子夫人を受け入れるのに相応しい香りを体に付けておきたくて
女と過すときにいつも使っていた石鹸を思い出し、荷物入れを探して見た。
 普段は石鹸なんてどうでもいいのだが、女と会うときは特別な空気を吸いたくて
ほのかに漂う香水の香りのする石鹸を使っていた。特別な香りに包まれ体で
女を抱きしめる心地よさはなんとも表現しがたい満足感を味わえた。
 信夫はシャワーを体に当て、肌を濡らし、その肌の上にいい香りのする高給な
石鹸を滑らせた。いい匂いが狭いシャワー室に漂い、気分はもうその気十分で、
今まで、静かに収まっていた陰茎は心のままに勃起した。
 勃起した陰茎は信夫に取って特別な状態ではなく、男なら誰でもシャワーを
浴びながら嫌らしいことを考えれば起こる生理現象であり、当然なことだ。

166 :
< 2 >
 信夫は勿論、勃起した陰茎にも石鹸を塗り、手で陰茎を握り、石鹸を泡だたせた。
この石鹸はあわ立ちもよく、タオルに石鹸を塗り込み体中を泡だらけにした。
石鹸が泡立ち、いい香りがシャワー室に充満した。
 体を早々と洗い、シャワーでその泡を洗い流し、タオルで体を拭き、新しい
タオルを腰に巻いて、シャワー室を出た。
 そのとき、何となく、第六感に人の気配を感じた。

167 :
「「 自由な人たち 」」 2012.24.4.24--106-024
*** 月影 *** 024+8
< 1 >
 シャワー室から出て、牛舎の家畜たちに飼料をやる通路を覗いてみた。
腰にタオルを巻まいたままの姿で、夜の保安灯に照らされた薄暗い通路を
見ると、長い通路の出入り口を塞ぐように人がこちらの方に歩いてくるのが
分かった。
 信夫は素早く、仮眠室に戻ろうとしたが、信子夫人の方が早く、信夫を
呼び止めた。
 「信夫さん、います」信夫はとっさに答えてしまった。
 「はあ、なんですか、今、シャワーを浴びたところで、着替えさせてください」
 「そっちに行っていい。行くわね」明子は信夫を無視し、仮眠室に入って来た。
 「あら、シャワーだったのごめんなさ」信夫は急いで、パンツを穿き、スボンを
穿くところだった。
 「今、着ますから」
 「こんな時間にごめんなさい」
 「いいですよ。なんですか」
 「きよう、渡し忘れた健康診断の結果を持って来たの」
 「そうですか」
 「明日でも、よかったわね」
 「いいえ、ありがとうございます」
 「診断書見ないの」
 「そうですね、見ますか」

168 :
< 2 >
 明子は健康な男を求めていた。今日は覚悟を決めて来たのだ、ただ、健康な
肉体が条件であり、自分の体を自由にされる限りは健康で逞しい肉体でなけ
れば成らなかった。
 「健康そうね。どこか悪いところはないの」
 「何となくこの診断書分かりずらいな、明子夫人、見て貰えます」
 「いいわよ、貸して見て、どれどれ」
 なんだ、簡単に信夫の健康状態を知ることが出来たので、少し、嬉しくなって
しまった。
 信夫の体はいたって健康そのもので、特に問題はなかった。
 「大丈夫そうよ、健康そのもの」
 「そうですか、それは良かった」
 明子は健康かどうか確かめに来た訳だ。取り合えず体に関しては合格という事か。
信夫も明子夫人の診断を聞きたくなった。
 「明子夫人はどうでしたか」
 「大丈夫だった。信夫さんと一緒で健康そのもの」

169 :
< 3 >
 確かに、見るからに健康そうな人で、もう、我慢の限界に近いわけで、どうすれ
ばいいのか。自分から迫るべきなのか、それとも、流れを見るのか。
 切っ掛けだけなのにその切っ掛けを作るべきか、それとも、様子を見る冪なのか。
 それは簡単だった。切っ掛けは明子の方から作った。
 「信夫さんはどんな人が好きなの」
 信子は早く、進めたかった。もう、体から分泌物が溢れ出しそうで、これ以上
は肉体的に持たない。
 信夫ももうどうでもいいと思った。男と女、ここまでくれば、もうどうでもいいの
ではないか。
 二人の健康を確かめ合い、こんな時間に女が尋ねて来て、こんなむさくるしい
仮面室に推し掛けて来た女を黙って帰す訳にはいかない。
 「例えば、例えばですよ。明子夫人のような人は好きですね」
 「嘘でしょ、嘘よ」
 「嘘じゃないですよ。明子夫人だったら何でもできますよ」
 「本当に」
 「任せてください」
 「任せるって、何を」
 「それは明子夫人の体、なんて、言ってまったりして」
 「本当に、私は何をすればいいの」
 二人の探りあいはお互いの心を開き、そして、肉体を快く開く為に順調に進んだ。

170 :
「「 自由な人たち 」」 2012.24.4.24--107-024
*** 月影 *** 024+9
< 1 >
 大問題なのは明子は人妻ということだ。信夫は独身だ、明らかに明子に取って
不倫で夫に対して不貞を働く事になる、それは姦通罪ではないか。
 信夫は少し、怖いと思った。不倫ということで事は重大と思う。
 「明子夫人は」と信夫は名前を言って尋ねようとしら、明子が突然、信夫の
口を手のひらで抑えた。
 「明子夫人じゃなくて、明子か明子さんでいいわ」
 「明子さんにします。明子さんは僕のことを好きですか」
 「そうね、どうかしら、好きじゃなければだめなの」
 「好きなのかなって思ってみたりして」
 「好きじゃなければ、ここにこないと思わない」
 「僕は男で独身です。明子さんは女で人妻、もし、男と女の関係に成れば、
明子さんの方が大変なことになる」
 「詰まらない話ね、そんなことは分かっている。でも、来てしまったのよ」
 「遊びですよね。好きと言っても」
 明子は信夫の口を自らの口で塞いだ。力強く抱きしめた。
 「遊びよ、遊びにきまっているでしょう」と明子は言って二人は信夫の万年床
に倒れ込んだ。

171 :
< 2 >
 信夫はある程度観念した。男と女ただそれだけだ。別に特別なことは一つも
ない。ただ、本当に好きになり、愛情を感じるようになることが怖いのだ。
 肉体を求め合えば必ず愛情が芽生え、相手を独占することになり、もし、障害が
あれば、その障害を取り除こうとするか、その障害から逃れようとして、本来の
人生から外れることになる。
 どんな人生もその人に取っては本当の人生であり、本道もわき道もないのかも
知れないが、他人の強い意志により、人生が曲げられるのは耐えられないと
信夫は思っている。
 明子は遊びというが、この関係は遊びでは済まされない。
 「遊びじゃ駄目でしょう。遊びだったら明子さんが傷付くと思う」
 「もう遅いでしょう。もう、遊びじゃなのよ。でも、遊びじゃなければいけない、
遊びじゃなければ、信夫さんの負担に成ってしまう」

172 :
「「 自由な人たち 」」 2012.24.4.25--108-024
*** 月影 *** 024+10
< 1 >
 女の体はいたってふくよか、抱き締めれば締めるほど陶酔の世界に吸い込まれ
て行く。二つの肉体が合わさる事で生み出される神秘な世界は時には未来の
生命すら生み出す訳で、生物が生きて行く上に必要な底知れないエネルギー
が存在する訳で、だから、男と女が抱き合う事は人間に取って特別な行為と
成り得る訳だ。
 「好きに成った理由は」信夫は唐突に聞いた。
 「信夫さんは、どうして、受け入れるの」明子も聞いた。
 明子は運命と思った。ただ、体が燃え上がったのだ、誰でもよかったのかも
知れないし、信夫じゃなければいけなかったのかもしれないが、信夫に会った
ときから、心と体には大きな渦となって支配する異性への欲望が次第に現実感
を帯びて襲いかかる日々に耐えられそうもない自分と葛藤していたのだった。
 信夫はいたって冷静だった。明子の目の輝きを何となく気付いてはいた。そして、
いつしか、その目の力に押し切られるときが来るのではないかと思った。
 毎日の仕事の中で家畜たちの糞尿との戦いを制し、牧場の利益を生み出す
力強い肉体は強さだけではなく、女としての美しさを備えていた。確かに、一緒に
仕事していて、明子の後ろ姿を見て、どれほど、嫌らしいことを想像したか
分からない。しかし、それはあくまでも男としての助平な目線であり、それを実現
にしようなどということは一度も思わなかった。明子は雇い主であって、欲望の
対象には成りえなかった。

173 :
< 2 >
 男の嫌らしさは明子の作業着に包まれた肉体と家畜たちの無防備な肉体を比較
することだ、比較するのもおかしいが明子と家畜が並んで尻を信夫を方に向けて
いるときなど、嫌らしい想像をしない男なんていない訳がないのだ。
 明子は信夫の陰茎が既に十分に勃起していることを確認した。それと共に
自分の膣口に分泌物の存在を感じている。
 「もう、こうなったら仕方ないわね」と明子は期待感で満足そうに言った。
 「あまり、期待しないでください」信夫は明子の目に圧倒される自分を感じた。
 「別に期待なんかしないわ、私は未経験者じゃないのよ」
 明子は洗い立ての作業着を脱いだ、抱きしめたときから、信夫とは違う少し
香りの強い香水が明子の体から発せられていた。作業着を信夫にまたがった
ままで脱ぎ捨てた明子の体から更に強い香りが信夫を襲った。
 「いい匂いだ。この香り好きです」信夫は明子の腰に腕を回して、体に鼻を
押し付け、強くその香りを吸い込んだ。
 「特別なときに着ける香水なの、いい香りでしょう」
 「こんなに強いと何日も残らない」
 「残ってもいいでしょう」
 次第に、二人の肉体は特別な雰囲気に包まれ、誰にも邪魔される事の無い
野生の生き物へと変容して行く人間の性を感じながら、安らかで力強い
エネルギーを秘めたお互いの肉体が求める未知なる世界を堪能し始めた。

174 :
「「 自由な人たち 」」 2012.24.4.26--109-025
*** 月影 *** 024+11
< 1 >
 狭い仮眠室を月明かりが窓ガラスを通して、僅かな光りが男女の肉体を闇の
中に浮かび上がらせ、その僅かな光を頼りにお互いの肉体を確かめ合いながら、
想像と現実の狭間の中で知識を持った生物たちの欲望を達成する為の営みが
開始された。
 信夫は明子の僅かな動きで体から発せられる体臭が空気の流れに漂い信夫の
鼻腔に達し、その体臭によって信夫は女の持つ肉体の匂いを楽しんだ。
 どんな物にも匂いは存在し、女の体が発する匂いを嗅ぐ機会はこんなときで
無ければ味わうことは出来ない。信夫は鼻を明子に擦り付け、明子の体臭を
吸った。その匂いは複雑な匂いを発し信夫の神経を刺激する。瞼を閉じ明子の
体に自分の鼻を押し付けた肌感覚と鼻腔から感じる女の匂いを十分に吸い込む
ことで、信夫は今の現実を十分に堪能している自分に満足した。
 明子は信夫が自分の体をどのように思っているか知りたかった。明子は自分の
体に自信がある訳ではないが、女の肉体としての美しさは持っていると思って
いる。
 女に取って、美しさを保つことは非常に大変なことであり、生活の豊かさや
楽しい人生から男に求められる肉体美を維持する事は普通では出来ない。
 肉体美を維持する事は女でも男でも望むところではあるがそれはあくまでも
願望で、現実にそれを達成する為にはその肉体美を必要とする状況を作り、
その肉体美を自らの努力で作り上げなければ成らない、その努力はいたって
苦痛であり、肉体美を維持することで何の利益もない女や男たちは肉体美を
肉体を備蓄する肉体備に変えて、人生を楽しみ、その緩んだ生活に甘ん
じているのだ。

175 :
「「 自由な人たち 」」 2012.24.4.27--110-024
*** 月影 *** 024+12
< 1 >
 明子は久々に女を感じていると思った。多分、この喜びはほんの僅かなひと時
であり、また、直ぐに現実に帰ることは分かっている。それだからそこ、今が大事
で、得られるものは全て得て、与えられるものは全て与えなければと思った。
 明子はあらゆる場所で信夫に素肌の自分を表現し、信夫を験して来た。勿論、
信夫には分からないように、それは体全体でテレパシーを発するように試みた。
 人はよく背中を見てその人の思いを感じたと言うので、信夫が自分の背後に
回り、明子の背中を見ているとき、自分の思いの全てを全身に表現し、自分が
如何に信夫を欲しがっているかを体で表現した。
 歩く姿やこごんでお尻を強調し、信夫の目に入り易いところで、それとなく、女の
下半身に物を言わせてもみた。
 下半身が物を言う訳ではないか、自分の気持を理解しているのは下半身であり、
そこを使って表現することで、自分自身も自分の気持を確認できるのは確かだ。
 男が女の体を見るとき、衣服を着ていようが衣服を着ていまいがそこに女として
感じる肉体が存在し、その肉体を思うがままにできると感じさせることが出来れば
女としては男の心を奪ったことになり、心を奪った男は自らの肉体を与えることで
支配することが出来、男は女の奴隷になるという訳だ。

176 :
< 2 >
 女は男の金によって支配される女と自分の肉体によって男を支配する女に
大雑把に別けることが出来るが明子は後者であり、誰でもいいと言う女では
無かった。
 信夫の容姿と性格、そして、健康状態をトータルに評価算定を繰り返し、
自分の肉体を与えることが出来る逸材かどうかを常に思い、今日に至った。
 明子は自分の肉体で蠢く信夫が間違っていなかった男と確信しつつ、これから
どのように支配し、奴隷として扱うか、信夫が齎す肉体の歓喜の中で、月影と
共に女の喜びが尽きないことを願い、笑いが止まる事がなかった。 (おわり)

177 :
「「 自由な人たち 」」 2012.24.5.2--5.2--111-025
** 縞模様 *** 025+1
< 1 >
 時計を気にしながら待ち続けたが結局、妙子は来なかった。会おうと言ったのは
私で予想はしていたが折角時間を空けたのに無駄足だった。
 約束はするがいつも無駄骨になるけど、それは思いを寄せる人だから仕方ない、
意志を通す為には決して諦めないで、我慢強く思いを伝え続けるしかない。
 何回も妙子に振られることで、心が折れそうになるが、思いを寄せる人は妙子
だけ、振られても諦めるつもりはない、妙子が存在する限りこの気持は変わらない。
 それにしてもなぜ妙子なんだ、他の女では駄目なのか、それとも他の女でもと
思うのだが、気持はいつも妙子を求めてしまう。
 妙子があるときこんな事を言っていた。
 「人間を愛するのとペットを愛するのとどう違うの、貴方はいつも私を求めるけど、
それは本当の愛と言えるの」
 私は答えに困った。ペットを愛する事が分からなかった。ペットを愛している
人がいるのは分かるが、その愛は人間を愛すること同じなのか。
 人間とペットは違うだろう。例え、ペットを愛していたからといって人間を愛する
ことと同じとは思えない。

178 :
「「 自由な人たち 」」 2012.24.5.2--5.3--112-025
** 縞模様 *** 025+2
< 1 >
 実際、愛を告白しても、愛を現実にするには数々の障害があり、愛は障害に
よって砕け散る。何回も砕け、そして、また、結集し強くなりながら、愛という
精気は肉体に宿り、肉体を操りながら、あらゆる障害に立ち向かわせる。
 妙子は中々、私を受け入れようとしない。あるとき、こんな事も言った。
 「貴方がいう愛ってなんなの。私には理解出来ない。愛はどんなものなの。
感じるものなの、それとも、与えられて理解するものなの」
 なんだか、非常に時間が掛かりそうだ。愛を妙子に理解して貰うにはどうすれば
いいのか。それとも、理解させるものではないのか。
 人には一目惚れという精気を表現する言葉があり、一目見ただけでその人を
好きになると言うときに使われる。
 ただ、それは愛とは言えないのか。一方的に好きになるだけであり、見る
だけだから、その人の肌にも触れていないし、その人の人格も分からないが
その人の概観だけで、その人を好きになることでも愛なのだろう。
 考えてみれば、妙子からの愛を感じたことがない。相手の愛を感じなければ、
本当の愛と言えないのか。

179 :
< 2 >
 そんな事はない。愛にはこれといった決まりはなく、愛と自分自身が感じれば
それが愛だろう。
 自分に取って特別な感情として存在し、自分の想像を超越した自分にも理解
出来ない感情を感じたとき、その感情を自分ではコントロールできないとき、
自分でも驚く変化が肉体に感じるとき、例えば、胸を締め付けるような痛みを
感じるとき、息が苦しくなり強い不安や喜びを感じたとき、それが愛なのかも
しれないが、その感情は非常に儚く、脆い感情であり、自分ではコントロール
出来ない厄介なもの、それが愛なのか。

180 :
「「 自由な人たち 」」 2012.24.5.2--5.18--114-025
** 縞模様 *** 025+4
< 1 >
 生きること、それは運命と思う。毎日を生きている自分を見詰めて、目的を
持って生きようとする自分に疲れたとき、ふっと目の前に現れたのが妙子だ、
そのときの心の動揺は生きていることを幸せと感じさせ、生きていることの
意味を理解させられた。
 会うといつも妙子との温度差を感じる。妙子は生きることについてこんな事を
言った。
 「私は女だから、美しく生きたいの、楽に美しく生きていける方法を知りたいわ。
何か、知らないかな。貴方は私を美しいと思う。多分、思っているでしょうね。
でも、私は満足してない。もっと、美しく成りたい」
 妙子は美しかった。どれほど美しいかと言えばいいのか、私は非常に
繊細で、美しい女を見ても直ぐにその美しさを否定する見る角度を見つけ、
美しい女を美しくない女に変えてしまうが、妙子にはそれがない。どの方角
から見ても美しい。
 私は美しいものを見ると嬉しくなり幸せを感じる。多分、誰でも同じように美しさ
には自分なりの基準があり、自分の美しさの基準を超えた美しい女を見たとき
その美しさによって人生に明るい光が差し込み、自然に心の底から喜びが
湧いてきて、嬉しくなる。
 余りに美しく自分の基準を超えてしまうとその美しさは芸術の領域に達し、
自分には手が届かない存在になってしまう。異性である女性を異性として
感じる為には欲望を駆り立てる美しさでなければ成らない。

181 :
「「 自由な人たち 」」 2012.24.10.4--10.4--115-026
** 鼓動 *** 026+1
< 1 >
 いつもより、小走りに階段を登った。好きな人がいるということがこんなに
自分を変えるなんて思わなかったが、今の自分は完全にあの人の虜になって
しまったようだ。
 最初は何とも思わなかったのに、突然、好きになってしまった。それからと
いうものこの思いをどのようにあの人に知らせればいいのかと思う日々が続き、
毎日を悶々として過した。
 もう若くないのは分かっているが、この思いをどうしても達成したかった。

182 :
a

183 :
「「 自由な人たち 」」 2012.24.11.12--10.4--116-026
** 鼓動 *** 026+2
< 1 >
 今日は日ごろお世話に成っているお寺の庭の手入れのお手伝いを皆でする
ということで、汚れてもいいような服装をして来た。
 「みなさん、いいですか、怪我のないようにお願いします」

184 :
「「 自由な人たち 」」 2012.24.11.12--10.4--117-026
** 鼓動 *** 026+3
< 1 >
 何名かに分かれて作業が始まった。草取りや枝集めが主な作業で皆楽しそうに
話しながら作業をした。
 「加藤さん、昼食はどうします」
 「弁当ですよ。愛妻弁当、いらないと言ったのに作ったと言うから」
 「羨ましい」
 「山城さん、食べますか、実は山城さんのも作ったと言うので」
 「本当ですか、それは嬉しい」
 「山城さんも来るって言ったら、作るって言うので」
 「申し訳ない。内のはそういうことはしないな、でも、加藤さんにはよろしくって」
 「奥さん、最近はどうです」
 「ええ、何とか最近は体調がいいんです」
 「また、奥さんに会いたいな」
 「けっこう、話が合ってましたね、妻もあの時は喜んでました」
 「内のも加藤さんを気に入ったようで、自分から弁当を作るって」
 加藤と山城の妻同士は幼友達だった。

185 :
「「 自由な人たち 」」 2012.24.11.17--10.4--118-026
** 鼓動 *** 026+4
< 1 >
 加藤の妻と山城の妻は今も連絡を続けている。加藤の妻、加藤淑子は夫の
加藤信也にいつも申し訳けないと思っていた。夫を嫌いではないが病弱な体は
夫を満足させることが出来ず、自分を責め続け、毎日が辛かった。
 一方、山城の妻、山城登喜子は夫である山城治夫の体調が悪く、十分な
肉体的な関係が得られず、精神的に晴れない日々を過していた。
 淑子と登喜子が幼友達であると言う事を夫たちには言ってなかった。ある日、
山城が加藤を家に連れて来たときは驚いたがそのとき、どう言う訳か登喜子は
淑子の事を話さなかった。その事を淑子に話したら、淑子も夫には言わないで
いようということだった。

186 :
「「 自由な人たち 」」 2012.24.11.22--10.4--119-026
** 鼓動 *** 026+5
< 1 >
 仲原章子は寺の階段を駆け上がり、息を弾ませながらサークルの集団に
入った。
 「遅れてすみません」章子はタオルで額の汗を拭きながら、徳寺利夫に囁いた。
 「まだ、始まってないよ。走って来たの、汗なんかかいて」利夫は汗を拭く章子に
射抜くような眼差しを向けた。章子の肉体は利夫の眼光に晒され輝いた。利夫は
章子の手から小さなタオルを奪うように取り、章子の額の汗を拭いた。突然の
利夫の行動に章子は戸惑ったが利夫のするがままに、目を閉じで汗を拭かせた。
 「作業の前に汗はないよな、それともどこかで作業でもしてきたの」
 「時間に遅れそうなので、そこの階段を走って上がって」
 「誰かに会いたくて、走った訳ではないよね」
 章子は目を閉じたまま、無言で唇を動かした。
 「聞こえないけど、言いたくないんだ」しかし、章子は「あなた」と唇を動かした
のは明らかだった。

187 :
「「 自由な人たち 」」 2012.24.11.23--10.4--120-026
** 鼓動 *** 026+6
< 1 >
 歳を取る事で家族の居ない山辺幸生は家族の中での生活を夢見るように
なって来た。自由な生活と思った一人の生き方が歳を取る事で自由ではなく
なったのだ、何でも自分が出来たのに肉体的に老いると何をするにもおっくうに
なり、その結果、全てのことが不自由に成ってしまった。
 「良美さん、今日は娘さんの美奈ちゃんはどうしたの」
 「ああ、山辺さん、良く来ましたね。美奈は預けて来ました」
 「どこに」
 「友達の所に」
 田代良美は娘の奈美と2人で大きな家に住んでいた。山辺幸生は田代良美の
家に下宿出来ないかと良美に頼んでいた。

188 :
「「 自由な人たち 」」 2012.24.11.25--10.4--121-026
** 鼓動 *** 026+7
< 1 >
 田代良美は以前、山辺に金銭的に困っていると話したことがあった。突然、
夫が事故で無くなり、幼い娘と大きな家を残し、天国に行ってしまい。自分の
収入では先行き困るのではないかと思っていると話したことがあった。
 「どうしたらいいかしら、もう、再婚するつもりはないんです」
 「その歳でそんなことを考えなくても、時間を掛けても再婚も考えてもいいと
思うけどね」
 「問題があるとすれば、私の収入かな計算するとほとんど余裕が無くて、
将来が心配でならない」
 「だから、再婚すれば」
 「収入の為に再婚ですか、もう、男はいいと思っている」
 「その歳では」
 「余裕がないでしょう。娘と生きて行くだけで精一杯」
 「まあ、男女の関係は何が起こるか分からないから、何とも言えない」
 「山辺さんはどうなんです。一人でしょ」
 「そうなんだ、最近、何となく一人が寂しくて」
 「そうでしょうね。どうします」
 「田代さんの所に下宿させてくれないかな、そうすれば、少しでも収入の足しに
なるよ」
 山辺は何も考えないで、気軽に話した。良美は驚いたような顔をして、山辺を
見て笑い始めた。

189 :
「「 自由な人たち 」」 2012.24.12.30--10.4--122-026
** 鼓動 *** 026+8
< 1 >
 山辺は年老いてはいるが何となく男を感じる老人で、下宿させるには不安が
あった。
 「山辺さんは自宅で仕事をしているのでしょう」
 「仕事というほどのものではないですよ」
 「下宿なんて考えたことも無いし、どうすればいいか分からない」
 「下宿に対する制約をこれから決めませんか」
 「話し合いで色々なことを決めてからならば、少しでも収入が増えればいいと
思うけど」
 「私は田代さんの条件に従いますよ。他人が家に入る訳だから十分に考えて
から決めれば何事も解決しますよ」
 良美は何となく、山辺の下宿を喜んでいるのではないかと感じた。老人では
あるが男には違い無い訳で、そのことが何となく気になるが収入の為に割り
切って考えてもいいと思おうとしている自分がいるのだ。

190 :
「「 自由な人たち 」」(123) (026)--(2012.24.10.4)--(2013.25.1.31)
** 鼓動 *** 026+9
< 1 >
 加藤と山城は草むしりをしながら、話していた。
 「そろそろ終わりますかね」と加藤が言った。
 「どうでしょう。大分経ちますね」と山城は辺りを見ながら答えた。
 「終わってからどうします」
 「どこかで休んで行きますか」と山城は加藤を誘った。
 山城は加藤に頼みたいことがあった。
 「そうしましょうよ」と加藤は嬉しそうだった。

191 :
「「 自由な人たち 」」(124) (026)--(2012.24.10.4)--(2013.25.6.12)
** 鼓動 *** 026+10
< 1 >
 昼食を挟んで3時間程度の清掃作業は終わった。代表者が参加した人たちを
労った。
 「ありがとうございました。日ごろ、使わして貰っている寺の境内に感謝の
つもりで、住職に申し出ました。今後も続けたいと思いますのでよろしく
お願いします。この清掃作業も心身の鍛錬と皆さんと共同して行うので人と
人との連帯感を感じ、精神的に有意義な時間を過ごす事が出来ると思います。
何事も、参加する事が大事と思います。疲れた体と心をこの自然豊かな寺で
汗を流すことは決して、無駄ではありません。どうです、何となく、いい気分では
ありませなんか。それでは最後に住職から一言いただきたいと思います。住職
お願いします」
 「いや、私はいいですよ」
 「いいじゃなんですか、適当でいいですよ。皆さん、何か聞きたいですよね」
 「皆さん、お疲れ様でした。境内がこんなに綺麗になり、墓で眠る人たちも
感謝していると思います。掃除は毎日行っているのですが十分に出来ません。
代表がこれからも、続けたいというので大変嬉しいです。寺を守る住職としては
皆さんの清掃により、寺の威厳が増し、人々が集う場所として私も面目が
立ちます。皆さんの健康と繁栄を仏様に祈願したいと思います」
 「結構なお言葉を住職から承りました。ありがとうございます。それでは
これで解散します」
 山城と加藤は一緒に帰ることにした。

192 :
A

193 :
「「 自由な人たち 」」(126) (026)--(2012.24.10.4)--(2014.26.10.1)
** 鼓動 *** 026+12
< 1 >
 仲原章子は徳寺利夫に溺れている自分を抑えきれないと思った。もし、徳寺に
付いて行ってしまったら私はどうなってしまうのか不安が体を過ぎる。今の私には
愛する対象が確かに存在し、その愛は日々育まれ満足な生活を送っている。
 「秘密って、守れるのかしら」章子は言った。
 「秘密は守れないと思った方がいいな」徳寺は笑みを浮かべながら言った。
 「秘密でしょう。秘密でないと」章子は愛される事を望んだ。でも、秘密でないと
大変なことになることも分かっている。
 「僕を好きということ、そして、秘密にする訳だ」
 「そうでしょう。それしか方法はない」
 「無理だな、止めた方がいいよ。結局、遊びでしかない。危険すぎる」
 「遊んではいけないわけ、そうよね、遊びなんて出来ない」
 「男と女、することは一緒だ、単なる快楽でしかない。愛じゃないよ」
 「愛よ。私の心の中では愛」
 「簡単に愛されても困るよ。家族を愛している奥さんが別の男を愛するわけだ。
それは無理だ。家族の愛が壊れると思うけど」
 「だから、秘密でしょう。秘密にすればいいのよ」
 「遊びならいいけど、君の目は遊びには見えない。だから、秘密は守れないよ。
頭を覚ませよ」
 「駄目なんだ。いいと思ったけど、徳寺さんはそういう人なんだ」
 「仲原さんとはいつまでも友達でいようよ。僕には君の愛を受け止めることは
できない」
 「真面目そうな、そうでもなさそうな」

194 :
< 2 >
 「真面目じゃなくて、愛を受け止めることができないからさ、生活を送る上で
愛が全てだろう。別な女を愛したら、今の愛は壊れる。秘密にすれば秘密に
するほど、愛は壊れる」
 「家族を愛しているのね」
 「まあ、そういうことかな」
 徳寺は用心深い男だった。愛することと欲望は別で、章子に自分の欲望を
満たさせるには余りにも幸せな家庭を持っていると思っていた。

195 :
「「 自由な人たち 」」(127) (026)--(2012.24.10.4)--(2014.26.10.2)
** 鼓動 *** 026+13
< 1 >
 境内の人目の付かない所で滝本静子と加藤洋介は清掃作業をしながら
話していた。
 「洋平君、今日どうかな」滝本は加藤洋介の家主だ。加藤は滝本静子の
アパートを借りている学生、滝本静子は加藤が好きだった。
 「今日ですか、今日は少し忙しくて」
 「どうしてよ、家賃は払ってもらわないと」加藤は何回か家賃が遅れ、滝本に
頼み込み家賃の支払いを遅らしてもらっていた。
 「家賃遅れて、すみません」加藤は静子の手を握って、謝った。
 「何するのよ。だから、今日はどうって言っているのよ」
 「明日にでも家賃は入金します」
 「お金あるの、だから、今日話し合いをしましょう」
 「今日は論文を書かないと、提出日に間に合わないので」
 「論文も大事と思うけど、家賃も大事よ」
 「家賃、もう少し、待ってもらえると」静子は洋介の手を握り返し。
 「家賃は少し待つけど、今日はどうかな」
 「今日ですか」加藤は考え込んでしまった。滝本静子が自分を好きということは
分かっているが、加藤は何も感じていない振りを続けていた。

196 :
「「 自由な人たち 」」(128) (026)--(2012.24.10.4)--(2014.26.10.17)
** 鼓動 *** 026+14
< 1 >
 滝本静子は人生を楽しみたかった。その為には犠牲もしかたないと思っている。
夫や家族との生活だけでは物足りないのだ。
 「人生をどう思う」静子は加藤の耳元で囁いた。
 「人生、そんなことを考えても」静子の息が加藤の肌に掛かった。大人の女の
匂いだろうか。加藤の神経が少し危険信号を感じた。
 「あなたは私に借りがあるのよ」静子は加藤にのめり込んで行く自分を感じた。
 「分かってますよ」加藤は静子の顔を見た。静子は笑っている。家賃を大家が
催促するのは当然で、悪いのは自分だ。
 「少し話し合いをしない」静子には時間の余裕が十分にある。有り余る時間を
何に使うか。人生を楽しむ為にはどのように使えばいいのか。
 「家賃は払います。話し合いをしなくても」加藤は静子をアパートの部屋には
入れたくなかった。以前、家賃が払えず、大家である滝本に電話すると静子が
直ぐにアパートに来て、部屋に上がり家賃が払えない理由を聞き、どうすれば
いいか、加藤と話し合った。その時から静子は大家らしくなく、加藤に好意を
感じさせる態度だった。それから、加藤は何となく逃れられない身の危険を
感じたのだ。
 人生を楽しみたい静子と人生を歩み始めた洋介、洋介には静子の好意を
受け止めるだけの人生の経験も余裕も無かった。

197 :
「「 自由な人たち 」」(129) (026)--(2012.24.10.4)--(2014.26.10.24)
** 鼓動 *** 026+15
< 1 >
 死者が葬られる寺は何百年もの歴史を経て現在に至り、そこに存在する
数え切れない機運の思いが何故か心に染みて来るようで、何となく落ち着く
ような落ち着かないような空気を感じる。
 「ねえ、お寺って好き」佳代が聞いた。吉田佳代も寺の清掃作業に参加して
いた。ふくよかな体と何となく美しい顔立ちをしたいい女風の女だ。
 「特に好きじゃない、好きな人いるのかな」少し若い新藤利夫が答えた。
 「こないだ言っていた尻を洗う話、どうなった」
 「今、試験中ですよ。まあ、合格かな。佳代さんもどうです」
 「上手く行くようだったら、やってみようかな」
 「佳代さんの所は便座に尻洗い付いていましたね」
 「そうよ、必要ないけど、面白そうだから」
 「面白くなんか無いですよ。ただ、紙を節約できるし、少しでもきれいな方が」
 「綺麗にして、どうするつもり」
 「綺麗といっても、尻ですからね」
 「お尻はきれいな方がいいでしょう」
 「100円ショプで見つけましたよ。押すと水が出るですよ」
 「100円なの、安い」
 「安いでしょう。ホースの曲がり具合がよくて、便座に座って出来るし」
 「今度、見せてくれる」
 二人の下らない話が寺で続いている。周りの人たちもそれぞれ適当に清掃活動を
行っているので、佳代と利夫が何を話しているのか興味を持つ人はいない。

198 :
「「 自由な人たち 」」(130) (026)--(2012.24.10.4)--(2014.26.10.26)
** 鼓動 *** 026+16
< 1 >
 時間が過ぎ、肉体が老化し、全ての万物が朽ち果ても、人の心は変わる事が
なく、ただ、過ぎ去って行く空間の中で、もがき苦しみ心と体が剥離する現実に
戸惑うだけ。
 「寺に葬られる人々のことを考えたことがある」佳代にとって、老いは絶えられ
ない心の苦しみであり、衰える肉体は恐怖でしかない。
 「考えたことはないですね。死ぬのはやだけど、仕方ないこと、死なない
訳には行かないでしょう」利夫は佳代を見て、いい女が言う言葉ではないと
思った。
 「勿論、人は死ぬわよね。その人たちがこのお寺に葬られている。
何となく、考える訳よ」
 「どうでも、いいでしょう。寺に眠る人たちは過去に生きた証明だけで、
死んだ人たちはこの世に存在しない。考えれば人々の心には存在
するのかな。死んだ人も永遠に誰かの心に存在すると考えると、
人は死なないのかもしれない」
 「肉体は朽ちても、永遠に人の心の中で生き続ける」
 「そんなことも無いでしょう。人は直ぐに忘れますよ。それに間違う。
全ては妄想でしかない。全ては過去に置き去りになる」
 「お寺って、何となく、気が重いわね。それも仕方ないか」
 「それより、尻の洗浄の方が大事ですよ」
 「そんなことを言って、罰が当たるから」
 二人に取って、寺の清掃は心の清掃には成らず、結局、尻の清掃の方が
大事のようだ。

199 :
「「 自由な人たち 」」(131) (026)--(2012.24.10.4)--(2014.26.11.14)
** 鼓動 *** 026+17
< 1 >
 沢山の樹木が佳代の目の前に在る、静寂な空間の中を漂っているような
気持だ。樹木をじっと見詰めているとその中に顔らしき形状が浮かび上がった。
 「あの木の幹の所を見て」佳代は指差した。樹木が重なり、その一部が佳代には
顔に見えたのだ。
 「あそこ顔に見えない」佳代は利夫に言った。利夫は指差す佳代の方を見た。
 「どんな顔に見える」無邪気な佳代の姿を見て、利夫は微笑んだ。
 「顔に見えないの。そうだな、どんな顔でもいいのよ。顔に見えるけど」
 人は何かを見て、何かを感じそれを擬人化し、人の顔や姿に例える。壁の
染みや絨毯の柄の中を見て、それが人の顔などに見えることは良くあることだ。
 「見えないな。どこを見ている」俊夫は佳代の体の後ろから佳代の指差す方を
見た。佳代の肩に手を置き少し興奮した体を擦り寄せた。
 「何するのよ。近づき過ぎよ」佳代は肩に触れた俊夫の手を握って言った。
 「どこが顔に見えるの」俊夫は佳代の耳元で囁いた。
 「そうね。顔じゅなくてもいいかな。でも、顔に見えるのよ」利夫に触れられ、
利夫の体の温もりが佳代の体を支配し、佳代の脳裏に別な思いを齎した。
 「今日、この清掃が終わったら、どうするの」佳代は利夫の手を強く握った。
 「ゆっこりしよう。体も疲れたし、何か美味しい物でも食べて、精力付けよう」
 「精力ね。そうしよう。見えないかな顔に」
 「見えるよ。でも、木でしょう。そうだな、写真に取って」
 「ここ、お寺よ、木でいいわ。何となく、別な物に見えて来た」

200 :
「「 自由な人たち 」」(132) (026)--(2012.24.10.4)--(2015.27.7.21)
** 鼓動 *** 026+18
< 1 >
 静かな所から少しにぎやかな所に来た。利夫は佳代の後姿を見ながら歩いた。
街の色に溶け込むよう佳代の姿が揺れた。いつもの休日と少し違う感じだ。
利夫は佳代の体を頭から肩へそして尻と足、全身を透かすように見詰めた。
 「ねえ、どうする私の所にこない」佳代は歩きながら振り返って言った。
 「ええ」利夫は驚いた。
二人は食べ物を買って佳代の所に急いだ。
 「汗をかいたでしょう。体洗ったら」佳代は台所で料理を始めた。
 「何だか、変な感じ」利夫は佳代の後に立った。
 「何立っての」佳代はわざと無防備を装った。

201 :
家で不労所得的に稼げる方法など
参考までに、
⇒ 『武藤のムロイエウレ』 というHPで見ることができるらしいです。

グーグル検索⇒『武藤のムロイエウレ』"

7ZS3YXNBYK

202 :
知り合いから教えてもらったパソコン一台でお金持ちになれるやり方
参考までに書いておきます
グーグルで検索するといいかも『ネットで稼ぐ方法 モニアレフヌノ』

EH3TR

203 :
GBQ

204 :2018/10/17
中学生でもできるネットで稼げる情報とか
暇な人は見てみるといいかもしれません
いいことありますよーに『金持ちになる方法 羽山のサユレイザ』とはなんですかね

6NZ

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