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【ファンタジー】ドラゴンズリング6【TRPG】
創作系 煽り合戦 口論 議論専用スレ
ロボットアニメバトルロワイアル
- 1 :2010/10/17 〜 最終レス :2018/10/17
- スパロボ未参のキャラも入れてバトルロワイアル
スパロワとは別でグレンラガンとか勇者もOK
- 2 :
- ドラえもんからザンダクロス
クレヨンしんちゃんからカンタムロボ
アンパンマンからスーパーカビダンダン
もおk?
- 3 :
- 1が具体的なプランを示さずスレ立て逃げとは
- 4 :
- ドラえもん自体ロボットじゃん
- 5 :
- パソコンの調子が悪くて考えが投下できなかったんだ。すまない
ルールの案としては
・まずは作品投票→決まった作品の中からキャラ投票
・支給品をロボにすると話がやりにくくなる可能性があるので、ロボは「第○回放送」まで生き残ったキャラに支給される。それまでは白兵戦
・意思や心を持ち会話能力のあるロボットは参加者として、縮小されて登場する(上のルールで生き残った場合は巨大化)
・テッカマンブレードやベターマンのようにロボットアニメでないものは出せない
・東方不敗やアルベルトのように生身で強いキャラ、ダグオンのような変身キャラの能力は白兵戦で制限
・アニメーションとして未完の作品(タクト、スパロボOG)は出さない。何らかの形での完結が必要
・イデオンにおけるイデなど、各作品に関しては投票で決定した場合のみ議論して問題点を考える
- 6 :
- 驚くほど具体性のない案が出てきたな
妄想スレでやれとしか言いようがない
- 7 :
- 即死させようぜ
これ以降のレス不要
- 8 :
- もし書き手として企画する気があるのであれば、
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/13744/
をオススメする。
ロワスレは乱立気味だから、よほど具体的に定まってない限りはあまり立てないほうが良いよ。
あと、もうちょい具体的な案でないと、こういう作品が読みたいから書いてとしかとられないよ。
- 9 :
- 投票や議論がうまく行くと思うな
参加者とルールはまず全部自分で決めろ
地図としたらばも自分で用意しろ
もちろんOPも自分で書け
それくらいやってからならやる気があるんだと認めて手伝ってたらんでもない
- 10 :
- お前みたいな上から目線の馬鹿にはこのスレがお似合いだよ
- 11 :
- >>9
どうせSS書いたこと無いんだろ?
そんな君が何を手伝うんだい? 人が書いたものにいちゃもんでもつけるのか?
- 12 :
- ほら馬鹿ばっかり釣れる
だから見切り発車でスレ乱立させるなと言うのに
- 13 :
- キャプテーン!
早く来てくれーーーーー!!
- 14 :
- カオスロワー!
早く来てくれーーーーー!
- 15 :
- 三次スパが廃墟になってんのに似たようなロワとか無茶だろ
- 16 :
- 済みません、考えが足りませんでした今回は見送ります
このスレはにもう書き込まないのでどなたか削除申請しておいてください
- 17 :
- 後始末まで人まかせw
- 18 :
- まさに1の見本やで
- 19 :
- 別に他の部分は他ロワのルール流用でよくね?
三次が過疎ってるしできることはできる
- 20 :
- n
- 21 :
- /::.::.::/:// .::.::.::.::.::.:./ ! .::.::.::.::.::.::.::.::.::.:|::.::.::.::.::.::.::.::.
\ ゝ‐<::./::./ .::.::.::.::\/ | .::.::.::.::.::.:: /::.::.:|::.::.::.::.::.::.::.:::
\ 〃 / _ ヽ:/::.::.::.::.::.:/\ |::.::.::.::.::.:: /::.::.:: |::.::.::.::.::.ヽ::.::
{{ / / __ ヽ ',.::/::./ `ー |::.::.::.::.:: / |::.::.:/|_::.::.::.::.:l::.::
. ── | ! /r ) } |イ斤テ左≡ォz /::.::.::.::/ 斗七 !::.::.::.::.::.::.|::.::
. ∧ ヽヽ _/ /::! レヘ :::::::::/ /::.::. / j / | .::.::.::.::.:: |::.::
. , -―ヘ `ー /.::.| rー'゚:::::::/ /::.:/ テ左≠=ヵ::.::.::.::.::. |::.::
____/ { /.::.::.| ゞ辷zン // う。::::::7 /イ .::. |::.::.::.|::.::
彡_/ ヽ イ ::.::. | /ヘ:::::::/ |.::.::.:|::.::.:∧::.
〃 V ヽ ヽ.::.: | ヾ辷:ン /:l::.::./!::.:/
l { ∨ }__.::.|\ <! ・ /::.l::|::./│/
ヽ ヽ {  ̄ ̄ ̄`ヽ _ イ::.: l::|:/ j/
、 \ \ } ) / ̄ ̄ ̄l7::.:|::.::.j::l′ /
このスレは我々(らき☆ロワ)が乗っ取った!
- 22 :
- パロロワを題材にしたパロロワ――つまりは3次創作となるので、よくわからないという人はまず「2chパロロワ辞典」からどうぞ。
また、流血やキャラクターの死亡を扱う題材ですので、あらかじめそれを警告しておきます。
2chパロロワ辞典@wikii
http://www11.atwiki.jp/row/
前スレ
その時々に合わせて書き換えてください。
らき☆ロワ@wiki
http://www24.atwiki.jp/rakirowa/
らき☆ロワ専用したらば掲示板
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/12294/
【参加者一覧】
(7/7)【らき☆すた (原作)】
○泉こなた/○柊かがみ/○柊つかさ/○高良みゆき/○小早川ゆたか/○岩崎みなみ/○黒井ななこ
(6/6)【アニメキャラ・バトルロワイアル2nd (アニ2)】
○相羽シンヤ/○アルフォンス・エルリック/○衝撃のアルベルト/○Dボゥイ/○結城奈緒/○ラッド・ルッソ
(7/7)【漫画キャラバトルロワイアル (漫画ロワ)】
○赤木しげる(19歳)/○桂ヒナギク/○川田章吾/○ジョセフ・ジョースター/○パピヨン/○三村信史/○村雨良
(9/9)【テラカオスバトルロワイアル (カオスロワ)】
○6/氏/○赤木しげる(13歳)/○アナゴ/○朝倉涼子/○笑天のピンク/○真・長門有希/○南千秋/○南春香/○武藤遊戯
(6/6)【リリカルなのはクロス作品バトルロワイアル (なのはロワ)】
○シグナム/○スバル・ナカジマ/○セフィロス/○高町なのは(StS)/○フェイト・T・ハラオウン(StS)/○遊城十代
(7/7)【ニコニコ動画バトルロワイアル (ニコロワ)】
○阿部高和/○いさじ/○ゴマモン/○涼宮ハルヒ/○園崎魅音/○ピッピ/○前原圭一
(6/6)【書き手ロワイアル2nd (書き手2)】
○クールなロリスキー/○静かなる 〜Chain-情〜/○素晴らしきフラグビルド
○地球破壊爆弾No.V-7/○熱血王子/○忘却のウッカリデス
(6/6)【オールジャンルバトルロワイアル (オールロワ)】
○6/氏(外見がかがみ)/○6/氏(神)/○かえる/○ランキング作成人/○竜/○ロアルド・アムンゼン(その3)
(6/6)【やる夫がバトル・ロワイアルに参加しているようです (やる夫ロワ)】
○桂言葉/○キョン/○でっていう/○前原圭一/○やる夫/○ルイズ
60/60
名簿 http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/0c/15ef21c2f95f2bc2925ae7d1146e7a26.png (あいうえお順)
地図 http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/75/9ca773d3ead39a30842fac32728cdf0d.png (上が北/1マスの一辺が1km)
ロゴ. http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/28/0e822f749086ac76353f9bd29084a172.jpg
- 23 :
- 【書き手向けのルール】
1.リレーSS企画
当企画はリレーSS企画です。なのでルールを無視した作品の投下は受け付けていません。ご注意ください。
2.予約制度
作品を投下するに当たっては、まず該当スレにてその旨を宣言(書き込み)してください。
必要なのは書き込んだ人の同一性を保障するトリップと、作品に登場させるキャラクターの名前です。
予約以後3日間、そのキャラクターの作品を投下する優先権利が有効となります。
期間を過ぎれば権利は失効しますが投下できなくなるということはありません。あくまで優先されないというだけです。
また失効後、続けて予約することは期限が無限に続くことと同義なのでそれを禁じます。
予約スレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12294/1231980608/
3.修正/破棄要求
投下された作品内に修正や部分的もしくは全体として破棄する必要な箇所があると感じられた場合、
それを指摘し改善を求めることができます。
指摘に当たっては該当スレを使用し、それが正当なものであれば誰でもその権利を行使することが可能です。
要求が出てから72時間は保留期間とし、該当作品およびそこに関わる部分の進行を凍結。
話し合いや修正/破棄により解決した場合はその通りに、そうでなかった場合は作品を破棄し投下以前の状態へと戻します。
修正/破棄要求、議論スレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12294/1231980961/
4.自己リレー
リレー企画であることを尊重し、原則として自己リレー(自作の後に自作を続けること)を禁止とします。
ただし、投下以後2週間経っても続きが書かれなかった場合はそれを解禁するとします。
5.能力制限
バトルロワイアルおよびリレーがつつがなく進行するよう、それを害する能力は制限されているとします。
全体への影響力が強すぎるものだったり、ロワが成り立たなくなる能力(例えば蘇生)などがこれに当たりますが、
制限の種類や程度はそれを書かれる方の裁量に委ねられます。
そこに問題があると感じられた場合は、「3.修正/破棄要求」に基づきそれを申告してください。
6.登場時期
その参加者が原作(元のロワ)のどの時期/状態からこのらき☆ロワに参加させられるのかは作者の裁量に委ねられます。
7.支給品の選出
参加者に配布されるランダム支給品の内容は、それを書かれる方の裁量に委ねられます。
ただし、その内容の範囲は参加者達が登場する原作内(※1)または現実世界にある物(※2)までと限定します。
また、参加者と同等に扱われるようなキャラクターや能力制限に引っかかる物の支給はこれを原則禁止とします。
(※1)らき☆ロワにおいては、「らき☆すた」「各ロワ内に登場した物」「現実にある物」が支給できる物の範囲です。
(※2)首輪探知機(レーダー)や写真付詳細名簿などのパロロワオリジナルアイテムの類もここに含まれます。
- 24 :
- 【状態表のテンプレおよび時間表記について】
作品内の情報を共有するため、それをテンプレートにそって記し作品内に付け加えることを義務とします。
【(エリア名)/(具体的な場所名)/(日数)-(時間帯名)】
【(キャラクター名)@(登場元となる作品名)】
[状態]:(肉体的、精神的なキャラクターの状態)
[装備]:(キャラクターが携帯している物の名前)
[持物]:(キャラクターがデイパックの中に仕舞っている物の名前)
[方針/目的]
基本方針:(基本的な方針、または最終的な目的)
1:(現在、優先したいと思っている方針/目的)
2:(1よりも優先順位の低い方針/目的)
3:(2よりも優先順位の低い方針/目的)
[備考]
※(上記のテンプレには当てはまらない事柄)
例)
【3-C/駅構内/1日目-早朝】
【柊かがみ@らき☆すた(原作)】
[状態]:疲労(軽)、空腹(強)、右膝に擦過傷(軽)、左足首骨折(添え木にて手当て済み)
[装備]:ベレッタ 90Two(11/17発)、風華学園制服@アニ2
[持物]:デイパック、基本支給品一式、鷲巣麻雀セット@漫画ロワ、うまい棒@カオスロワ
[方針/目的]
基本方針:生き残るために行動する。
1:安全な場所で食事をとる。
2:つかさを殺した誰かを見つけ出し復讐する。
3:みゆきとは口をきかない。
[備考]
※ツインテールをといています。
コピペ用)
【-//-】
【@】
[状態]:
[装備]:
[持物]:
[方針/行動]
基本方針:
1:
2:
3:
[備考]
※
方針/行動の数は不定です。1つでも10まであっても構いません。
備考欄は書くことがなければ省略してください。
時間帯名は、以下のものを参照してそこに当てはめてください。
[00:00-01:59 >深夜] [02:00-03:59 >黎明] [04:00-05:59 >早朝]
[06:00-07:59 >朝] [08:00-09:59 >午前] [10:00-11:59 >昼]
[12:00-13:59 >日中] [14:00-15:59 >午後] [16:00-17:59 >夕方]
[18:00-19:59 >夜] [20:00-21:59 >夜中] [22:00-23:59 >真夜中]
- 25 :
- 以上テンプレここまで
したらば進行でもいいかなあと思うけど、でもまだ生きているってことを証明したかったので
平常通り乗っ取り進行です。
- 26 :
- 乗っ取り乙ー
- 27 :
- 乗っ取りおツインテール
- 28 :
- 「戦闘があったことは確かなようだが……、誰もいないな」
『あちー』
放送後のF-4の一画。溶けた道路を中心に、未だ炎が上がっている。
炭化した街路樹を踏み砕き、そこに立つのは相羽シンヤ。
漂う熱気に眉一つ動かさないまま、目の前に横たわる白と赤の異形を見下ろす。
(こいつが燃えていないところをみると……、火を使った戦闘に巻き込まれた訳じゃあなさそうだな)
『あっちーー』
銃器が近くに転がっていたので確認したが、弾は入っていない。
これによる火災だろうか。銃器をデイパックにしまう。
役立ちそうにないが、最悪鈍器として使えばいい。
(武器か能力か……、道路を溶かすほどの炎を使う奴がいるのか。一応、警戒はしておいたほうがいいだろう)
『あっちーよーーー』
ジャケットのポケットから聞こえる、夏奈の声は無視する。
と、いうかお前ただの紙だろ。暑いとか寒いとか関係ないだろ。
『視覚嗅覚味覚触覚姉妹センサー、と完全装備ですがなにか? 今は真っ暗でなにも見えないけどな!
つーか、お前さっきから何やってんだー? 蒸し暑くてたまらないぞ』
「黙ってろ」
なんで人の考えが分かる、とか、姉妹センサーってなんだ、とか五感一個足りてねえよ、とかとツッコむのは止めた。
こいつのおしゃべりに付き合っていてはきりが無い。
シンヤは足元の死体に目当てのものを見つけると、その場に屈んだ。
白い異形はやる夫、その傍に横たわっているのは、"お姉ちゃん人形"こと6/。
281 名前: ◆X5fSBupbmM[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 01:16:09 ID:R31TZLSA0 [3/27]
死体の格好から見て、柊つかさの話にあった涼宮ハルヒ主催のパーティ会場は、ここで間違いない。
名も知らない男の亡骸があることと、炎が上がっている理由は掴めないが……。
(そんなことはどうでもいい)
シンヤはそこまで理解した上で、なんの感慨も抱かずやる夫の頭部に手をかける。
潰れて中身を露出させたイチゴ饅頭のようなそれを、胴体からねじ切った。
銀色の輪を残して、邪魔になった饅頭は炎の中に投げ入れる。
女の頸椎を力任せに折り、首と胴が泣き別れしている男からは、そのまま首輪を抜き取った。
「……制限ってやつにうんざりしててね。これは貰っていくよ」
シンヤがつかさから聞いたこの場所に来た理由は、"一度目"の行動と同じ。
強いられた制限の解除、即ち首輪の解体のためだ。
「……おい。お前の姉妹や知り合いに、機械に強い奴はいるか?」
『ん? んー、海馬なら……ダメだ、この会場にはいない。……もしかして、首輪持っているのか?』
「ほう。それくらいは気付くか」
胸ポケットからカードを覗かせ、首輪の一つをかざす。
夏奈はここで初めて周囲の風景を視野に入れたらしく、急に騒ぎ出した。
『うっわー……って、かがみぃ? つーかなんだこの惨状!?
シンヤ、このヤロっ! お前この短時間になんちゅーことを……!』
「死体の首を切っただけだ。殺しも火も俺じゃない。それに、柊かがみの名前は放送で呼ばれていないだろう」
『あ、6/って彫ってある。そーか、お前ここで……つかさが言ってたこと、本当だったんだなぁ。
十代とアカギの奴も死んじまったし……、アカギってなんで二人いるんだろう……?』
話聞けよ。……しかも、独り言が脱線しっぱなしだ。
夏奈は一旦放っておいて、手に入れた三つの首輪に目を移した。
- 29 :
- 284 名前: ◆X5fSBupbmM[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 01:18:18 ID:R31TZLSA0 [6/27]
死んだと思っていた園崎魅音は、放送で呼ばれなかった。
柊つかさの話通りならば、ゲームに乗った涼宮ハルヒと共にいるらしいが、何を考えての行動だろうか。
混乱していたつかさからの情報である為にその真意は測れないが、市民プールで合流という約束はやはり無効だろうと判断する。
その時、ラダムによって強化された聴覚がパンッ、という音を捉えた。続いて、ガラガラという音。どちらも小さい。
多少の距離があるようだが、近くに他の参加者がいるのだろう。
この場に留まるのも時間の無駄だと結論付けたシンヤは、そちらの方へ駆け出す。
兄や首輪について、他の参加者から聞き出したい情報はいくらでもあった。
『どーした?』
「銃声と崩壊音が聞こえた。誰かが争っている」
『あたしには聞こえなかったぞ?』
「お前と違って、僕の聴覚は鋭敏でね」
まあ、とにかく。首輪解除の手がかりは余力のある時でいいだろう。
最優先目的は、Dボゥイと決着をつけることなのだから。
価値のある情報持っている相手ならばいいのだが、と銃声と轟音の元へ足を速めた。
(しかし……)
先ほどの夏奈の間抜けな呼びかけ。あれで、冷静さをやや取り戻せた。
もしあれがなければ、苛立ちの為に銃声にも気付かなかっただろうな、とシンヤは少しだけ反省した。
「……そういえばお前、柊かがみを知っているのか?」
『おう、前のゲームの時の仲間だよ。変態だったけど』
「…………へんたい?」
『ガチレズでこなたにベッタリでなー。聞いた話じゃ、6/をおk』「いい、黙れ」
- 30 :
- 意味がわからない単語は無視し、セリフ遮りの仕返しも兼ねてカードをポケットにねじ込んだ。
遮る直前に、もっとおかしな単語が聞こえた気がしたが、「OK」と言ったということにしておこう。
☆☆☆
E-3、映画館。今日、映画館といえば商業施設に付属した複合型映画館を連想しやすいだろう。
だが、会場に設置されたここはミニシアター。スクリーンが一つだけの小さな施設である。
その2階、従業員休憩室前の廊下。
「もういいかーい?」
「ま、まーだだよー♪」
するする、もぞもぞ。
コリコリ、パカッ。
「もういいかーい?」
「ま、まままだだよーっ♪」
コト、カチカチ。
もがもが、ごそごそ。……どてっ。
「もういいかーい?」
「痛たた……あっ。ま、まままだ! ちょっと待ってーっ」
調達したパイプ椅子に座ったパピヨンは、マイクロドライバーを手に龍騎のカードデッキの解体に勤しんでいた。
とはいえ工具の関係上、外装を外して内部を見る程度しかできないのだが。
この映画館、チケット売り場や事務室にコンピュータがなかったばかりか、工具類も古いドライバーしか見つからなかったのだ。
ミニシアターといえど受付や事務処理にパソコンが、映写機材の整備に工具が必須だろうに。
地図に記された場所に役立つ道具をたっぷり置いてやる程、主催は気が利いていないということだろうか。
パピヨンが支給品を確認している間、つかさは半日の間にズタボロになった服を着替えていた。
というより、彼らが未だ映画館に残っている理由がこれである。
鞭を打たれ、バルサミコ酢をぶっ掛けられて、裂け目と染みが散乱した制服の惨状に、つかさは気づかなかったのだ。
パピヨンがそのことを気にもせず、自然体で彼女に接していたのも一因である。
一旦劇場の外に出て第二回放送を確認した後にようやく、下着まで酢で赤黒く湿っていたことに彼女は気づいた。
そして顔を赤青紫色と変化させながら、ここに駆け込んだのだった。
ちなみに、パピヨンはつかさの承認を得て作業に着手している。
細工などされないと思っているのだろう。つくづく、甘い奴だ。
小細工なんてする気は毛頭ないけど。
(しかしこれは……外部からエネルギー源を取り入れているのか? そうなると、このカード自体が生物……まさかな)
一般人でも仮面ライダーに変身できるアイテム、龍騎のカードデッキ。
だがこれには変身により発せられる莫大な力、それに見合うエネルギー源らしきものが見当たらなかった。
あと強いているなら、後付されたような装置が気になった。
ピンク色の小さなボックス。これだけ、他の部品とは質が異なっている。
BADAN主催のゲームで、支給品となっていた核鉄のことをパピヨンは思い返す。
核鉄により形成される武装錬金というものは、使用者の潜在能力と闘争本能によって形成される唯一無二の武器である。
核鉄のシリアルナンバーが異なっても、使用者が同じならば武装錬金アナザータイプとしての具現が可能だ。逆に言えば、特定の武装錬金は本人にしか扱えない。
だがバトル・ロワイアルという環境において、これは通じなかった。
BADAN主催のゲームでは、複数の人間が早坂桜花のエンゼル御前を展開し、今回もでっていうという女がパピヨンのニアデスハピネスを発動さている。
前回の現象に関してはシリアルナンバーごとに核鉄を察知、変化させる『闘争心誤読装置』が首輪に設置されていた。
カードデッキのこのボックス、同じ類のものだろうか?
(首輪の確認していない以上、断言はできない、か。
自分の首輪を解体するにせよ、支給品の解析をするにせよ、サンプルは必要だな)
- 31 :
- 287 名前: ◆X5fSBupbmM[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 01:20:41 ID:R31TZLSA0 [9/28]
パピヨンはBADAN製の首輪の構造を知っている。『闘争心誤読装置』はその一つだ。
もろもろの事情で、監視装置が盗聴機能とGPSを用いた位置確認しかなかったことも、分かっている。
こうして首輪に関する知識を持つ者を参戦させている点と、第一回定時放送の"映像"流出を考えると、今回はBADAN製の首輪を用いている訳ではないだろう。
前回の核鉄のことを考えると、龍騎のベルトの解析には首輪の解析も必要になってくる。
(BADANの技術の応用か、新規のものかまだ分からないが……いずれその力、俺の手に収める。
……ま、貴様ら組織の人材は要らないがな)
パピヨンは二回目の定時放送を見て確信した。あの赤いナメクジはいらない。
それを御し切れていない道化も同様だ。
ふと、放送を聞いた直後に聞き出した、柊つかさの持つ情報を思い出す。
6/とやる夫の名前が呼ばれた時には目を伏せたが、彼女の友人が呼ばれなかったことに安堵していた。
尋ねれば、説明を共に聞いた友人もいたと言っていた。みんなこんなゲーム、知らないようだった、とも。
即ちそれは、"彼女"がやはりどこにも存在しないと証明になる訳で。
(……まあ、分かりきっていたことだ)
首を振って思考を半ば無理やり打ち止め、カードデッキを組み立て直す。
ドライバーを持った指の隙間から、掌のホムンクルスの口が見えた。
最後のネジを回し終えた時、「お待たせー」と篭もったつかさの声と共に扉が開いた。
そこから現れた彼女の姿は――。
「ごめんね、待たせちゃって。この服、動きづらくって……」
黒かった。
外套、靴、ズボン。その他全て、真っ黒だった。
動きづらいのは当たり前だろう。その衣装は成人男性用だ。
パピヨンは知らないが、彼女が着ているのはダースベイダーの衣装。
体格の良い男が着れば栄えるだろうが、華奢な女子高生が装備したことで、衣装本来の貫禄やら威圧感やらが見事にぶち壊れていた。
- 32 :
- 288 名前: ◆X5fSBupbmM[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 01:21:11 ID:R31TZLSA0 [10/28]
マントの裾はずるずると引きずられ、足元は覚束なく、今にも裾を踏んでひっくり返りそうだ。
篭もった声を発する顔も、少女の面影はない。これまた黒く、厳つい兜のような装飾品で覆われている。
あんまりだ、という感想がパピヨンの脳を支配した。
なんて、なんて華がない。
だというのに柊つかさは小さく頭を傾げ、こうのたまうのだ。
「えへへ、似合うかな……?」
普段の姿ならその仕草を可愛いと思う者もいるだろう。思い出したくもないが、川田章吾とか。
だが呼吸の度に兜のどこからか空気が漏れているのか、シュコー、シュコー、と音を響かせている。
そこを女子らしく傾けても、異様なだけだった。
パピヨンは馴染みの収納場所から、自らのマスクのスペアを取り出す。
なぜかつかさが小さな悲鳴を上げたが、無視して蝶マスクを兜に装着させた。
二歩ほど引いて、その姿をしばし眺める。
そして、一言。
「全く似合わん」
「え、えぇー……」
蝶でも矯正できないとは、なんて絶望的な姿だ。
☆☆☆
「岩崎みなみさん、無理にとは言わないわ。
だけど……もしできるのなら、そのナイフで私の心臓を貫いて」
E-3、地図に載っている公道ではなく、小さな店が並ぶ通り。その路上。
- 33 :
- 289 名前: ◆X5fSBupbmM[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 01:22:09 ID:R31TZLSA0 [11/28]
岩崎みなみは"柊かがみ"を前に、言葉を失って立ち尽くしていた。
普通の女の子である彼女が、人間と思えない程の力を振るった為に。
かがみは涙ぐむ。彼女を、妹を、親友を魔女と罵る放送を耳にしながら。
音声の出所は、道路沿いの電柱上部にあるスピーカーからだ。
みなみもその内容を理解する。
『柊かがみとその妹のつかさ、そしてこの二人と同じ赤い制服を着た連中…、こいつらは全員、この殺し合いに乗った魔女なんだ!』
(……嘘)
でも、納得はできない。だって彼女達は、ただの女子高生ではないか。
そこで違和感を覚えたみなみは、かがみをもう一度見つめた。
(コンクリートを踏み砕くような力を持つ人が、ただの女子高生……?)
スピーカーを通して、さっきとは違う甲高い声が喚いている。"かがみ"へ意識が集中したみなみは、その話を理解できない。
「せ、んぱい、どうしてそんなことを言うんですか……?」
「……私、もう疲れちゃったの。誤解されて巻き込まれてばっかりで。
何をやっても裏目に出ちゃって……無力だったの。この放送がいい証拠。
それにね……。あいつがいない世界なんて、考えられない。
生きていく、自信がない……。ううん、生きる意味がないのよ」
自嘲気味に笑む、かがみの青い瞳には光がない。
かがみは誰かの死に悲しんでいるのだろう。でも、誰のこと?
陵桜学園の人間の名は、二回目の放送で呼ばれていなかった。
みゆきの死に反応しているとしたら、遅すぎる。
それに彼女の言い分は、まるで恋人が死んだようではないか。そうなると、いよいよ誰のことか分からなくなってくる。
「あいつって、誰ですか……?」
「こなた」
- 34 :
- 290 名前: ◆X5fSBupbmM[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 01:22:46 ID:R31TZLSA0 [12/28]
「え?」
「私にとってのこなた……爆弾よ」
「……え?」
かがみが、こなたのことを好き? 爆弾ってなんだろう?
そんな名前が、名簿にあったような気がする。支給品の説明書にもあったような気がする。
……分からない。
みなみは混乱していく。目の前の"柊かがみ"が、得体の知れない何かに感じ始める。
――『柊かがみは魔女だ』――
もう途切れた放送の内容が、さらにみなみを追い詰める。
違う、違う。この先輩はそんな人じゃない。
混乱していくみなみを見て、かがみは笑みを深めた。
「ごめん……無理だよね。私、あなたの格好を見て、早まっちゃったみたい」
「ッ!?」
自分が血を浴びた状態であることを失念していたみなみは、その言葉に動揺する。
だから、みなみは自分より後方を見据えたかがみの言葉を受けても、俊敏に反応できない。
「……ねえ。あんたは、私を殺してくれる?」
誰かのため息を聞いてようやく、みなみは自分の後方に他の人物が立っていたことに気付いた。
ビクリ、と体を震わせて……みなみはすぐにポケットのナイフを握った。
誰だろう、誰が先輩をRというのだろう。
誰が、自分達に……ゆたかに、危害を加えようとするのだろう?
恐れを抱きながらも、後ろへ振り向こうとするみなみ。しかしその動作は、後ろにいた彼を見た瞬間に停止してしまった。
(Dボゥイ、さん……?)
- 35 :
- 291 名前: ◆X5fSBupbmM[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 01:23:46 ID:R31TZLSA0 [13/28]
☆☆☆
「……くそッ!」
E-3、インターネットカフェの個室スペース。
コンピュータのモーター音の中に悔しげな声とガツッ、と壁を叩く音が混ざった。
ここへ向かう途中、定時放送で朝倉の名前を聞いたDボゥイは愕然とした。
自分は人間ではない、と自信を込めた笑顔で別れた彼女が、別れた数時間後に死んで……いや、直後に死んだのだろうか。
安易な考えだったのか?
朝倉と別れたのは、よかれと思って彼女達と離れたのは、軽率な行動だったのか?
自責の念に雁字搦めになる寸前に、Dボゥイは疑念という網に掬われる。
(みなみは、どうなった?)
彼女の名前は呼ばれていない。だが、朝倉が死んだことから何かあったことは明白だ。
彼女達と別れたここへ戻ってみると、そこにいたのは事切れた遺体のみ。
念のためカフェ中を捜してみたが、誰も見つからなかった。
みなみを捜しに行かなくてはと考えたが、かといって、朝倉をこのまま放置するのはあまりにも……。
せめて寝かせてやろうと、Dボゥイは朝倉をPC前の椅子から抱え上げる。血が抜けたせいだろう、彼女は驚くほど軽かった。
触れた温度はスパイダーマンのスーツに遮られて、伝わらなかった。
だが、関節の柔らかさからまだ死後硬直が始まって間もないのは理解できた。
個室のベッドに仰向けに横たわらせる。
驚いたように見開かれた目の瞼を、そっと下ろす。それでも驚愕に凍りついた表情が和らぐことはなかった。
左頬、唇の上から鼻梁まで付着していた血液をシーツで拭ってやる。
- 36 :
- 292 名前: ◆X5fSBupbmM[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 01:24:24 ID:R31TZLSA0 [14/28]
出会った時も彼女は血だらけだった。
だが鼻血に塗れ頬を赤らめた彼女は、どこか幸せそうだった気がする。
そこで、みなみと良く似た声の少女を思い出した。彼女と朝倉との関係も。
「……」
Dボゥイは携えていた日本刀を抜く。
朝倉の首輪に反射した照明が、白銀の刃にも映りより鋭さを増した。
(朝倉、すまない。無茶な頼みをしてしまった。だが……)
軽く力を入れて、Dボゥイは日本刀を振った。この作業、ほんの小さな力でも十分な。
ザクリ。
葉物を刻んだような音が、響いた。
☆☆☆
「本物のお前が、自殺志願者だとはね……柊かがみ。妹のことはどうでもいいのか?」
一瞬だけDボゥイに見えた人物は、顔は良く似てはいたけど別人だった。
驚きの次にみなみが感じたのは、安堵。
いまDボゥイに会っても何を言えばいいのか、分からなかったから。
男の人の言葉を聞いたかがみが、苦々しげに笑う。
「あんたも……うん、まあいいか。最初に言っておくけど、私に妹なんていないわ」
「……どういうことだ?」
「そのままの意味よ……たぶん、だけどね。
私は、自分の家族も友だちも、覚えていないから。
- 37 :
- 293 名前: ◆X5fSBupbmM[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 01:24:56 ID:R31TZLSA0 [15/28]
ただ、これだけは言える。私はこれまでの人生で一度も、"柊つかさ"と会ったことも、口をきいたこともないわ」
(先輩……?)
みなみの世界が壊れていく気がした。
みゆきが殺され、その犯人を自分の手で殺し、出逢えた知り合いは、自分の半身をどうでもいいと吐き棄てている。
堪えかねて、みなみは彼女に尋ねた。
「……あなたは、だれですか?
柊先輩じゃないのなら、一体何なんですか……?」
みなみはもう、彼女を柊かがみと認識することができなかった。
"かがみに似た人物"は目を細める。
「……どうでもいいじゃない、そんなこと」
「俺も聞きたいね、貴様はなんだ? 柊かがみじゃないのか?」
「このッ、どうでもいいって言っているじゃないッなに、あんたもかがみに恨みでもあるの!?」
「フン、馬鹿かお前は。
さっきの放送を聞いて、柊かがみに関心がない方が変だろう?
おまけにこっちは半日の間に、何度もお前の名前と顔を見聞きしたんだ。
気にするなという方が無理な話さ」
「……そう。あんた、私が"魔女"だったらどうする?」
「R」
間髪なく、なんの躊躇いもなくそう言った彼の赤い瞳は、嫌な光を湛えていた。
見覚えのある光だと感じたみなみは、やがてその正体に気付いてしまう。
血に濡れたネットカフェの床、とろりとした水面に映ったみなみの目と、同じ光だった。
紛れもない、殺意だった。
「"弱者を装って取り入る"なんて、いかにも兄さんが引っかかりそうな相手なんでね。
俺と兄さんの戦いの邪魔になるものは、全て排除させてもらうよ」
- 38 :
- 294 名前: ◆X5fSBupbmM[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 01:25:56 ID:R31TZLSA0 [16/28]
「……へえ」
かがみに似た人は虚ろにほほ笑んだ。
みなみは分かった。この人は魔女と名乗って殺される気だ、と。
「あのっ……」
それを制止するために、みなみは声を上げた。
彼女が"魔女・かがみ"として殺されてしまったら、この男の人はどう思うだろう。
さっきの放送を鵜呑みにしてしまうんじゃないだろうか。
彼女は"柊かがみ"であることを一度は否定したけれど、彼がそれを信じるとは限らない。
信用できない。彼の態度と目からは、危険なことしか感じられない。
彼はかがみ先輩に妹がいることを知っていた。
なら、陵桜学園の制服を知っているんじゃないだろうか。やがて、ゆたかを殺しにかかるのではないだろうか。
ぐるぐるとぐるぐるとみなみの思考は迷走していく。
本人に自覚はない。
信用した人物が自分の姉のような存在を殺していたという裏切りを受けて、みなみは人を信じられなくなっていた。
そんな状態で錯乱した柊かがみとそっくりな人物と、異様な雰囲気を漂わせるDボゥイに酷似した人物と遭遇したのだ。
まともな判断力は、彼らの話を聞くのに比例して失われていった。
「……何だい? 随分とおかしな格好をしているね」
不機嫌そうに男の人が振り向いた。みなみの姿を見て、尚更目つきを鋭くする。
彼に声をかけたのは、もう一つ理由があった。彼に確かめなくてはならないことがあった。
――((Dボゥイさんは、ゆたかを保護するために探しているんですよね……。
決して『Rために探している』わけではないんですよね……))――
みなみは自分が抱いた疑念を思い出して、ごくり、と喉を鳴らした。
まだあの人が、ゆたかにとって安全な存在か判明していない。
はっきりしているのは、"ゆたかを捜している"ということだけ。
Dボゥイは、信用できる……はずだ。だってあんなにゆたかを心配してくれていたんだもの。
それでも、この男の目に見た殺意にその期待が邪魔される。
ある人物を捜していると言ったDボゥイが見せた目の鋭さが、先ほどの彼と良く似ていたから。
それを、確かめられるかもしれない。
- 39 :
- 295 名前: ◆X5fSBupbmM[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 01:26:29 ID:R31TZLSA0 [17/28]
Dボゥイと似た顔。男の人が言った「兄さん」という言葉。そして、みなみの未知のDボゥイの知り合い。
そこから導き出された名前を言った。
「あなたは、相羽シンヤさんですよね……?」
「…………そうだが」
「私は……岩崎みなみといいます。……ゆたかの友人です」
「ッ!」
ゆたかの名前を聞いた、彼の表情が歪む。ああ、この人も知っていたんだ。
こんな危なそうな人まで、ゆたかのことを知っていたのか。
「桃色の髪の背の低い女の子です……知っていますよね」
「お前……、誰から聞いた」
「Dボゥイさんです」
そう答えた時、彼が少しだけ安心したように見えたのは気のせいだろうか。
みなみは言葉を続ける。あまり長く話すのは得意ではないのだけれども。
「前に、同じようなゲームに巻き込まれたと聞きました。
その時に、彼がゆたかと知り合ったことも……今、彼がどこにいるのかも、知っています」
たぶん、あのインターネットカフェの近くにいるのだろう。交渉材料はある。
「取引するつもりか? お前を痛めつけて吐かせるという手も……」
「……早く行かないと、あの人はどこかに移動してしまうと思います」
「……」
二、三秒して、男の人が舌打ちして肯いた。
かがみに似た人が、みなみをまじまじと眺めながら口を挟む。
「シンヤ、だっけ。あんたこの子の血を見て、何も疑わないの?
お兄さんがこの子に殺された、とか」
「こんな虫けらが兄さんをR? ありえないね」
どうしてこの人は、こんなどす黒く人を見下す目をしているのだろう。
みなみは疑問に思った。同時に、彼と知り合いであるDボゥイへの不信感が募る。
「話を戻す……お前は、何が知りたいんだ?」
同時にゆたかを守るためには、彼らのことを知らないままではいけないという思いが、強くなった。
「教えて下さい……あなた達はどうして、ゆたかを捜しているんですか?
あなた達は……何者なんですか?」
☆☆☆
現在位置は……さて、どこだろう。判断つかない。
分からないのは、地図も周りの風景も自分からは見られないからだ。決して、オツムが足りないからじゃない。
支給品・レッドアイズブラックドラゴンのカードこと南夏奈は、高らかに笑うシンヤのジャケットのポケットの中で、彼らの会話を聞いていた。
- 40 :
- 296 名前: ◆X5fSBupbmM[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 01:28:00 ID:R31TZLSA0 [18/28]
「っ、ハハ、ハハハッ! なんだ、"また"知らせてなかったのか、兄さん。
でも安心したよ。ゆたかのことを知っているなら、ここにいるのは俺の知っている兄さんだ。
……感謝するよ、人間。
御礼に教えてやろうじゃないか。俺とタカヤ兄さん……Dボゥイの正体を」
「タカヤ……さん?」
静かな口調で話す、みなみという女の子。
彼女の声を聞いた時は、チアキが見つかった! と思ったが、喜びはすぐに収束した。
喋り方が千秋にしては大人びすぎているし、大人しすぎていたのだ。
なにより、姉妹センサーが作動していな……ん? あれは冗談だったっけ?
さっきまで騒いでいたかがみは、黙ったままだ。シンヤの話にまるで興味ないらしい。
かがみの「つかさは妹じゃない」という言動が少し気になったが、夏奈は気にしないでおいた。
どうせこいつのことだ、「こなたも6/もつかさも私の嫁!」というつもりで言ったんだろう。肉欲的な意味で。
(それとも、悪口言われて拗ねてんのか?)
さっきの流れた誰かの言い争いの内容が、ショックだったんだろうか。
いや、あれ以上にもっとひどいことを前のロワで言われていたし、それはないか。
シンヤは、嬉しそうに楽しそうに語っている。
そういえば、自分が話すばっかりでこいつのことはあまり知らなかったなあ、と夏奈は思った。
「そう、君がDボゥイと呼ぶあの人の本名は、相羽タカヤ。俺とは正真正銘血を分けた兄弟さ。
Dは……兄さんの気質を考えるとやっぱり、デンジャラスの略だろうね」
シンヤは語り続ける。
ラダムという宇宙生命体が、第二の故郷を求めていること。その場所を地球に定めたこと。
自分がラダムによって造り出された、地球を侵攻するための化け物、テッカマンであること。
「そうだ、兄さんはある支給品を探していなかったか? ……宝石のような奇妙な結晶とか」
「あ……」
「覚えがあるんだな。どうして、それを求めているか考えたかい?
……殺し合いの中で、金目のものに手を出すとは思わないだろう?」
(あたしなら出すなあ……)
「兄さんがその結晶――テッククリスタルを求めているのはね、"変身"に必要なものだからだ」
「黙ってろ」と言われた手前、沈黙している夏奈だったが、次第に落ち着かなくなってきた。
そんな夏奈をよそに、シンヤはみなみに告げた。
Dボゥイも同じラダムのテッカマン……化け物ということを。
ショックだったのか、みなみが息を飲む音が聞こえた。
ビーム打ち放題だったり遊戯王カードが実体化したりカード化されたりと、チートや変なもんが蔓延しているバトロワで、一体なにがショックだったのだろうか。
かがみのことといい、何かおかしい。
みなみの反応に気を良くしたのか、シンヤはより饒舌になる。
というか、首輪を回収した時のイライラを発散させているんじゃないだろうか、こいつ。
なーんか不機嫌みたいだったし。
「信じるか?
前のゲームじゃ、ある馬鹿が参加者の前で派手に変身してみせたから、ゆたかにも説明しやすかったんだが」
「あなたが、教えた……? Dボゥイさんは、ゆたかにそのことを言ってなかったんですか?」
- 41 :
- 297 名前: ◆X5fSBupbmM[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 01:28:46 ID:R31TZLSA0 [19/28]
「人間――お前ら虫けらに、兄さんは知られたくたんだろうね。
地球で保護された時も、記憶喪失を装っていたくらいだ。ゆたかは、俺と兄さんが殺し合いを始めた時は驚いていたよ」
「…………っ」
「あの時はクリスタルがなくて、勝負は保留にしたんだ。
ゆたかは……その時、兄さんが連れていたのを俺が預かった。それだけの関係さ。
そう、まだだ……。まだ俺は兄さんに勝っていない……、俺も兄さんも死んでいない……!」
こいつは、変なヤツだ。夏奈はない首を傾げた。
シンヤはDボゥイと戦って勝ちたいと言っていた。殺し合いが前提のゲームで、だ
いま話していることを聞くと、バトロワに巻き込まれる前も、しつこく兄を狙っていたという。
こいつは兄弟――家族との殺し合いを望んでいる。それが理解できない。
(そりゃあ、あたしだってロワ中に千秋に襲い掛かったことはあったけれど……う、ごめんなさい忘れてくださいッ。
あの時はバイトをクビになって、むしゃくしゃしてたんだよぉ…………)
なんにしろ、全てはバトルロワイアル法という馬鹿な法案が可決したことが原因だ。
あれはバトル・ロワイアルという、狂った環境が前提の事態だった。
家族っていうものは、好んで殺し合いをする相手じゃないと、夏奈は思う。
そりゃあ楽しみにしていたプリンを食べられたり、朝、強引に起こされたりといった些細なきっかけでの喧嘩くらいあるだろう。
養子に出された子どもがそれを決めた親と、親と共に安穏と暮らせる兄弟も憎む、なんて話もあるだろう。
けど、根底にある家族への愛情は変わらないはずだ。
仕返しや喧嘩にしても、梅雨に相手の傘を隠す程度だろう、常識的に考えて。
馬鹿な理由で妹に襲い掛かって、怒られて、許してもらって、嬉しくて泣きはらした夏奈は心底そう思う。
マムクートの一族とか、ラダムとか、平行世界の違いとか、そんなことは関係ないだろうに。
しかも双子だ。本気で嫌いあうはずなんてないだろう。
夏奈は次第に、そう言いたくなってきた。
「ゆたかは……ゆたかはどうなったんですか?」
「……、……さあね。
俺はあいつを連れている途中で、このゲームに参加させられたんだ。ゆたかが最終的にどうなったのかは知らない。
もしかしたら、僕らの知っているあいつがここに呼ばれているのかもしれないね。
……今度こそ目の前でテッカマン同士の殺し合いを見れば、ゆたかの甘い考えも……」
ああ、もの凄くまどろっこしい。声だけしか聞こえないのが、またこそばゆい。
「……ラグ」と、かがみの小さな独り言が聞こえる。
こっちも口挟もうかな。「このブラコン野郎め」と、言ってやろうかな。
そう夏奈が思った時だった。
聞きなれないフレーズを唱える、妹と似た声が聞こえたのは。
☆☆☆
E-3、ネットカフェ内。
スパイダープロテクターを着用した男の手には、朝倉のスカーフの切れ端で束ねた彼女の髪があった。
先ほど、日本刀で切り取ったものだ。
(すまない……あんたに、俺はこう言うことしかできない。
だが……せめて、せめてこの髪は長門に届けようと思う)
- 42 :
- 298 名前: ◆X5fSBupbmM[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 01:29:39 ID:R31TZLSA0 [20/28]
慰めにもならないだろうと、分かっている。偽善ですらない、それも分かっている。
だが、もう彼女とその伴侶にしてやれることはこれくらいしか思いつかなかった。
カリカリ、とパソコンがHDを読む音につかれて、Dボゥイはディスプレイを見た。
何かが画面に映っている。
乾いた血で画面の大部分は汚れていたが、それが無数のフォルダの群れであることは分かった。時々圧縮ファイルや、ワードデータのアイコンある。
「なん――ッ!?」
中身を確認しようとした時、ズン、と軽い振動が伝わってきた。
ネットカフェ自体が防音されているのか、音はBGMに遮られ聞こえなかった。
だが、ネットカフェの外、しかも近くで戦闘が行われていると悟った。
朝倉を殺した犯人によるものか。違うとしても、みなみが巻き込まれていないとも限らない。
どちらにしろ、ここに滞在する暇はなかった。
Dボゥイは、画面に映ったフォルダの群れをドライブに入れっぱなしだったCDに記録する。
容量が足りなかった分は、元からCDに記録されていたフォルダの内、容量の多い方を削除して補った
受付にあったノートパソコンとバッテリーを再生用に頂戴する。
なぜかノートパソコンは電源が入っていた。デスクトップではステンドグラスのような色彩の羽根をもった少女が得意げに笑っている。
スリープモードに移行させてデイパックに突っ込むと、Dボゥイはネットカフェを後にした。
外を見渡すと、市街の向こう、公道のあたりで黒煙をもくもくと昇らせている場所がある。
その反対側にも、煙が上がっている場所があった。
双方の距離は大差ない。
みなみと、朝倉殺害の犯人はどこにいるのだろうか。
(クソッ。……どうする?)
Dボゥイはどこへ向かうか決めかね、心の中で悪態を吐いた。
☆☆☆
「禁止エリアになっちゃうけど、やっぱり放送局の方に行きたいな」
今、柊つかさはオレンジ色の柔らかなフリルとギャザーが施された服を着ている。
なぜ初めからこの服を着なかったとパピヨンが尋ねれば、スカートが短くて恥ずかしかったという。下着の替えは更衣室に置いてなかったそうだ。
ぶっちゃけると、パピヨンは彼女の羞恥心などどうでもよかった。
次の行き先を決めさせることが、あえて柊つかさを一人にした理由。
目的地だった放送局が、禁止エリアに指定されたためだ。
これからの行動について、パピヨン自身の考えもいくつかある。だが、彼女の思うようにさせてみたかった。
彼女がみせた決意と甘え、そのどちらが真実か見極めるために。
「ホウ、理由は?」
「放送局の近くには病院があるんだよね? ケガした人や道具が欲しい人が、たくさん集まると思うんだ」
彼女の言葉は正しいだろう。
そもそも、ただでさえ他者との接触が欲しい参加者が集まりやすい中心部に、
物資調達に便利な百貨店やホテルといった施設を集中させるこの配置が釣り餌だったのだ。
- 43 :
- 299 名前: ◆X5fSBupbmM[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 01:30:26 ID:R31TZLSA0 [21/28]
定時放送で禁止エリアにすることで集まった参加者を散らせ、接触する機会を増やす一方、橋を塞いで逃げ道を減らす。
たった二回の放送で塞がった橋は3/5。
こうもあからさまに土地が分割されては、この辺か北東に人数が密集していると考えた方がいい。
地下鉄のような交通手段がないここでは、徒歩で動くしかない参加者も多い。スピードがない参加者の動きは、さぞ予測しやすいだろう。
ああまったく、参加者の移動を促すこのルールはよくできている。
「ゲームに乗った奴も、同じ考えで大勢来る可能性は考えたのか?」
「でも、人がたくさんくるのは同じだよね? だったら、お姉ちゃん達が近くにいるかもしれない、行こうっ」
パピヨンを見るつかさの眼差しは強い。手は僅かに震え、目も潤んでいるが。
だが、その手に仮面ライダーのカードデッキを握っていたことが、つかさの思いを明示していた。
そこまで決めて映画館を出たところで、柊つかさは慌て始めた。
人数の密集が何を意味するのかに気付いて、居てもたってもいられなくなったのだろうか。
「急ごう、遠いけど早くいかないと!」
「あ、そうそう。そのことについてだが……柊、車かバイクの運転免許は取ったか?」
彼女は、きょとんとした。
数秒後、ようやくパピヨンが何をいったのか理解して、慌てて首を振る。
「え、う、ううん……いつか取りたいなあとは思っているんだけど」
「そうか。まあ運転くらいぶっつけ本番でもなんとかなるだろう。問題は調達できるかどうかだな」
「えぇッ?」
西の公道から島を回って行くにしても、G-6を避けてF-6の橋を渡るにしても、放送局まで距離がある。
幸いデイパックの容量に制限はないため、車の類が通れない道になっても一旦デイパックにしまって持ち歩くことができる。
まあ都合のいい足が見つかったらの話だが。
「バイクはそれで大丈夫だった。足が見つかったなら、癪だが俺が運転してやろう」
「ふ、不安だよぉ……」
「経験もない、お前よりマシだ」
「どんだけー……。でも、やっぱり急いだほうがいいよね。
もしかしたら放送できるかもしれないし……ゆたかちゃんも、いるかもしれないし」
オプーナ女の正体も、柊つかさとの接触で判明した。
小早川ゆたか。元はただの人間だったという。
柊つかさが"オプーナ"という単語は聞いたことはないという点も踏まえると、やはりこれが小早川の力の源か。
彼女らの世界に錬金術は浸透していない。
やはり別世界の異能の類に浸食されたのだろう。それとも小早川自身が異世界の住人か。
何にせよ、"オプーナ"に関する情報はパピヨンも柊つかさも欲していた。
「俺がそいつと会ったのは一回目放送の前だ。今どこにいるのか、見当もつかんぞ」
「き、期待しちゃだめなのかな……」
「お前がどう思おうが構わんが、望みは薄いだろうな」
同じ理由で、ニアデスハピネスを所持する、でっていうも放置することにした。
一度目の放送で名前が呼ばれた奴の所持品の手がかりなど、簡単に見つかりそうにない。
歩きながら、つかさがおずおずと話しかけてきた。
- 44 :
- 300 名前: ◆X5fSBupbmM[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 01:31:18 ID:R31TZLSA0 [22/28]
「……あのさ、パピヨン。パピヨンって車の免許とか知っていたんだね」
「俺は日本にいたんでな。地球の常識や生物の強さの尺度の知識はある」
「そうなんだー。ゲームや映画の世界の人と思ってたよ」
頭をかきながら、彼女は恥じた。なぜかパピヨンの格好をまじまじと見ている。
確かに、パピヨンは日本にいた。
だが彼女と話す際に念頭においている知識は、錬金戦団、L・X・E、ヴィクターらが存在する世界のものではない。
柊つかさがまだ語っていない、彼女が住むのほほんとした世界についての知識だった。
時刻は日中。
映画館にいた彼らは知らないが、放送局からの"放送事故"から十数分後にそれは起こった。
突然、ゴオン、と地震のようなものが伝わった。
次いで、爆音。パピヨンは柊つかさの頭を掴んで、伏せさせる。
「きゃっ!」
「チッ、……近いな」
震動が止み近くの物陰に二人は入った。
公道の先、映画館より北側でなにか"爆発"したようだ。もくもくと黒煙が立ち上っている。
パピヨンにとって、馴染んだ火薬の臭いがした。
(……まさか、ニアデスハピネスか?)
路地から路地へ走りぬける人影が、視界を掠めた。
一瞬捉えたそいつは葡萄酒を頭から被ったかのように、全身は赤黒い。そして、先ほどの火薬の臭いも漂わせている。
人影に気付いていない柊つかさは、きょろきょろと辺りを見回している。
そして急に、ベルトを握り締めて煙の元へ駆けだした。
「おい、柊っ。……?」
去った人物のスピードがぐん、と上がるのが、臭いが遠ざかる速さから分かった。
どちらを追うか少しだけ迷って……パピヨンは軽く舌打ちして、柊つかさを追った。
今からあのスピードの相手を追いかけるのは悪手だ。
道路の先、もくもくと煙が昇っている場所に赤いリボンを結んだ柊つかさの後姿があった。
狙撃するなら絶好の機会だ、と彼女の全身が主張しているような気の抜けた立ち方だ。
彼女の向こうの景色は、煙の黒が邪魔でよく見えない。
「柊、なにを勝手に……ッ、」
彼女の下に向かって話しかける途中、火薬とは違う、覚えのある異臭が鼻についた。
しかし、それくらいで蝶人パピヨンは言葉を詰まらせたりしない。
詰まらせた理由は、臭いをきっかけにある光景が脳裏に浮かんでしまったから。
そして、柊つかさの見ているものに気付いてしまったから。
ぽかん、と口を開けて彼女は黒煙の出所を見ていた。
左腕を押さえ、こちらを睨む相羽シンヤではない。
彼女の視線の向かう先は一つだけだ。
右脇腹から下を、先ほど羽織っていたマントよりも黒く焦がした、それを見ていた。
焼きが甘く、ぽっかりと開いたレアの傷口から腸を垂らしている、それを見ていた。
- 45 :
- 301 名前: ◆X5fSBupbmM[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 01:31:48 ID:R31TZLSA0 [23/28]
鉛筆と芯のように、肉色の左腿と炭となった膝をぽきりと折った、それを見ていた。
つかさと同じ色の頭髪を血で染めた、それだけを眺めていた。
柊かがみだけを、ぼんやりと見つめていた。
☆☆☆
今、自分はどこを走っているのだろう。みなみはそう思った。
あの場所から湖の反対方向に禁止エリアはなかったから、どう行っても安全だろうとは分かっていたけれども。
みなみの逃走速度が、飛躍的に上がったタネ。
それは、ふくらはぎに生えた漆黒の翼による低空滑空だった。
『早くこの場を去りたい』という思いを受けて、黒色火薬の武装錬金・ニアデスハピネスが鷲の羽型の加速装置を形成したのである。
奇しくもそれは、その武装錬金本来の使い手の飛行方法と似ていた。
みなみは自分の手首を見る。
酷い濃さの手形ができていた。武装錬金の展開の直前、シンヤに掴まれた一瞬に生じた痣だ。
あの力、尋常じゃない。
体育館にいたピエロやつかさに似た人も、変な力を使っていた。
喋るカエルなんてものも、いたような気がする。
そして、今しがた確認した武装錬金・ニアデスハピネスの威力。
みんな常識外の力を持っている。
ゾクリ、とみなみの背に冷たいものが走る。促されかのように、みなみの足が速まった。
(駄目、駄目だ駄目駄目だ駄目駄目駄目駄目駄目駄目……。
ゆたかを、こんな非常識に巻き込んではいけない……!)
あの子は体が弱いのだ。高校での普通の日常を甘受することで満足しているし、それが精一杯であることも事実。
小さくて儚くて柔らかく笑うあの子が、こんな場所にいてはいけない。
だから、攻撃した。一刻も早く、ゆたかを見つけるために。
危険なものを排除するために。
得体の知れないかがみにそっくりな人と、人の皮を被った化物を。
朝倉を殺した時に、ゆたかを守るための手段を選ぶ必要なんてないと、決めたはずだった。
この手は血に染まっている。いくら罪を重ねても、赤黒い色は変わらないのだと。
けど一瞬だけ、迷ってしまった。これでいいのだろうか、という疑問が自分の中に渦巻いていたから。
惜しかったと思う。迷いさえしなければ、もっと爆破領域を広げられたのに。
爆発の瞬間、偽かがみがシンヤを突き飛ばしてかばおうとも、二人とも殺せていたのに。
奇襲が失敗したみなみが選んだのは、逃走。
使いたての武器で、真っ向から化け物を相手にするのは無理があると判断したためだ。
偽物のかがみとシンヤだけでなく、みなみは先ほどの放送の主にも憤っていた。
(先輩達が……私たちが、ゆたかが、"魔女"? "化物"?
嘘つき。他の人達の方が、ずっと……)
他の参加者の方が自分達よりおかしな化物ばかりではないか。
- 46 :
- 302 名前: ◆X5fSBupbmM[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 01:32:24 ID:R31TZLSA0 [24/28]
武装錬金の展開による疲労が、みなみを蝕む。スポーツに慣れた彼女の息がはずみ、徐々に上がっていく。
脳の酸素が不足した状態で進めた思考は短絡的に、視野は狭窄的になっていく。
(……ゆたか)
大丈夫だろうか、体調を崩していないだろうか。
あの子はどこかに隠れているとしても、誰かに守られているとしても、きっと怯えているのだろう。
あの優しい子は誰かの争いと関わる度に傷ついて、痛みを背負って涙を流すのだろう。
みなみは彼女が痛めつけられて憔悴して泣く顔なんて、見たくなかった。
守られているとしても、それは誰だろう。先輩達や黒井先生ならいいけれど、そう簡単に遭遇できるとは思えない。
やっぱり、この殺し合いで初めて会った人と共にいるのだろうか。
Dボゥイのような人に。
(守らないと)
Dボゥイは自らのことについて、あまり話してくれなかった。
そして知った。姿は人間だけど、化け物。それが彼の正体。
みなみに教えてくれなかったのは、たぶん後ろ暗いことがあったのだろう。ゆたかのことについて。
あの人はゆたかのことを心配してくれていたと思う。助けてくれていたんだと思う。
けど、巻き込んだ。ゆたかを、自分の争いに巻き込んだのだ。
そして"彼と一緒にいたゆたか"は、Dボゥイの弱みとしてシンヤに利用された。
今回も同じ轍を踏むかもしれない。実際、シンヤはゆたかに興味を示していた。
Dボゥイではだめだ。
彼は、Rためにゆたかを捜しているわけではなかった。彼女を守るための力もある。
けれど、彼の周りの"争い"があの子に害を与えてしまう。
それにあの人も……シンヤみたいに殺意を露わにするかもしれない。
彼もテッカマンという、化物だから。
(守らないと)
朝倉涼子の件も、あれでよかったんだ。みゆきを殺した犯人が首輪解除の方法を見つけても、ゆたかが嬉しく思うはずがない。
首輪についての話も全部嘘だったかもしれない。Rのは当然だったのだ。
信じられない。こんな場所で出会う人なんて、とても。
(私がっ、守らないと……!)
逃げ続けたみなみは、誰も周囲にいないことを確認すると路地裏に座り込んだ。
疲労、興奮、悪寒、いろんな要因が混ざって、汗がぶわりと湧き出した。
上気した頬を歪めながらも、ニアデスハピネスを核鉄に戻して握り締める。
説明書にはこの状態で身につけていれば、傷を癒し体力を回復させるとあった。眉唾ものだが、ないよりマシだ。
「ハッ……ハッ、ハぁ……」
汗を拭うと、ピンク色の液体がべっちょりと手に付いた。
未だにこびり付いている、朝倉の血のせいだ。
汗と鉄臭さが混じった臭いがつん、と鼻腔を刺激する。ひどく不快に感じた。
(早く、着替えよう……)
- 47 :
- 303 名前: ◆X5fSBupbmM[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 01:33:09 ID:R31TZLSA0 [25/28]
気持ち悪いし、これから接触する相手に危機感を覚えさせるだろう。
変な放送のせいで陵桜の制服を着た人間は、あらぬ疑いを掛けられる可能性も出てきている。
何より、ゆたかは血だらけの人間なんて見たら、気分を悪くしてしまうだろう。
ふらつきながらも、目に爛々と決意の光を灯し、みなみは立ち上がる。
(私が守る。ゆたかを、守り抜いてみせる……)
彼女の心に浮かぶのは親友の優しい子と、もう一人。
(だから、だから……。……Dボゥイさん、)
彼がゆたかを保護していたということ、心配してくれていること、これは真実なのだろう。
そのせいかチクリと心のどこかが痛んだけれど。ゆたかのためだ、とみなみは決心する。
あなたはただの人間ではありません。危険な、とても害ある存在です。
だから、
(……死んで下さい……!!)
【F-2/南東端・市街/1日目-日中】
【岩崎みなみ@らき☆すた(原作)】
[状態]:ゆたかを思うあまり錯乱、人間不信、血まみれ、
疲労(中)、右手首に鬱血、核鉄により回復中
[装備]:スペツナズナイフ@現実、核鉄「ニアデスハピネス」@漫画ロワ
[所持品]:基本支給品一式、長門画像CD@現地調達、鉈@現実、不明支給品(0〜2)
[思考・行動]
基本方針:小早川ゆたかを探し出して守る。
1:返り血を流して、着替えたい。
2:相羽兄弟の早急な殺害。
3:ゆたかをR可能性のある参加者をR。
4:ゆたかを見つけるために歩き回る。
5:三村の放送に対する怒り。
6:Dボゥイに対して……?
[備考]
※人間不信に陥りましたが、ゆたかや知り合いは信用すると思われます。逆に、それ以外の者に対する敵愾心や疑いは強いです。
※三村の放送を聞きました。アルフォンスの話についてはあまり理解していません。
※シンヤからラダムとテッカマンに関する情報を得ました。『テッカマンは化け物』という印象を強く感じています。
※つかさとパピヨンに気付いていません。
※かがみの偽物(ロリスキー)を殺害したと思っています。
- 48 :
- 304 名前: ◆X5fSBupbmM[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 01:33:44 ID:R31TZLSA0 [26/28]
【E-3/市街・ネットカフェ前/1日目-日中】
【Dボゥイ@アニ2】
[状態]:左肩に被弾、疲労(弱)、スパイダープロテクター着用
[装備]:核鉄「ブレイズオブグローリー」@書き手ロワ2、スパイダーブレスレット@カオスロワ、日本刀@現実
[所持品]:基本支給品一式、朝倉涼子の髪@現地調達、長門画像+αCD@現地調達、ノートパソコンとバッテリー@現地調達
[思考・行動]
基本方針:殺し合いに乗らず、ゆたかを保護、シンヤとの決着をつける。
1:爆発(フラップラーの落下orニアデスハピネスによる爆発)の下へ向かい、状況の確認。みなみが巻き込まれているならば保護する。
2:近辺にいるかもしれないみなみと、朝倉殺害の犯人の捜索。
3:テッククリスタルを手に入れる。
4:ゆたかを保護する。
5:長門に朝倉の遺髪を届ける。
[備考]
※スパイダーブレスレットは、スパイダーマシンGP-7とマーベラーを呼ぶことができません。
他の制限については後の書き手に任せます。
※三村とアルフォンスの放送を知りません。
※CDの画像内容を知りません。また+α(朝倉が残したデータ)の内容については、後の書き手に任せます。
【朝倉涼子の髪@現地調達】
スカーフの切れ端で束ねられた、掌に収まる程度の量の朝倉涼子の遺髪。
彼女の血が少しこびりついている。
【長門画像+αCD@現地調達】
【長門画像CD@現地調達】 のバックアップCD。画像フォルダは「長門×朝倉」のみ。
画像の他に、朝倉涼子の一瞬の本気によって収穫された、なんらかのデータも記録されている。
【ノートパソコンとバッテリー@現地調達】
E-3ネットカフェにてDボゥイが調達した既製品。
パソコンのデスクトップは紅魔館の某妹様。
【E-3/路上/1日目-日中】
【相羽シンヤ@アニ2】
[状態]:左腕に火傷(中)、全身に負傷(特に両腕に痛み有り)-手当済
[装備]:RPG-7@現実(予備弾頭×0)、ブレードのテッククリスタル@アニ2、レッドアイズブラックドラゴンのカード(南夏奈)@カオスロワ
[持物]:デイパック、基本支給品一式(食料無し)、首輪×3(6/氏(かがみ)、ジョセフ、やる夫、ヤクルト@ニコロワ、他食料
[方針/目的]
基本方針:Dボゥイとの決着をつける。
0:現状の対処。
1:近辺にいるDボゥイの捜索。
2:魅音の生存は確認したが、合流できそうにないので予定はやはり破棄。
3:人間に正体がばれないように行動。ばれたり邪魔だと感じたらR。首輪解除に役立つ人間がいるなら利用したい。
4:Dボゥイの分のテッククリスタルを探し出し手に入れる。
5:村雨とラッドをR。
6:もう少し冷静に行動することにする。
7:『柊かがみ』の名前と姿が、情報に多いことが気になる。
8:ゆたかと出会ったら……?
[備考]
※参戦時期はアニ2、211話「The Incarnation of Devil」内でラッドに殺される前。
※力の制限、特にボルテッカに関しては大きな制限が掛けられています(威力低下、疲労感と空腹感の増加など)
※南夏奈のカードはテラカオスに殺される直前から参戦。制限はニコロワ準拠で問題ないかと。
※南夏奈のカードは24時間使用不能(二日目の午前7時から使用可能)
※鯖缶や他食品の残量は後の書き手さんに任せます。
※アニ2 211話にて読んだ、高嶺清麿のメモ(簡易版)の内容を覚えていません。
【首輪】×3
毎度おなじみ、バトロワの必須アイテム。各参加者の名前がカタカナで彫ってある。
- 49 :
- 【クールなロリスキー@書き手2】
[状態]:不死者、吸血鬼、意識混濁
背中に火傷と大裂傷、右手指・両足・右腹部焼失、左側頭部から出血、全て再生中
[装備]:綾崎ハヤテの女装時の服@漫画ロワ(損傷(大))
[持物]:なし
[方針/行動]
基本方針:死にたい。
0:これでRたかな……?
1:三村が『かがみが魔女』と放送した? 誤解フラグ上等、さっさと殺しなさいよ。
[備考]
※登場時期は「238:trigger」の冒頭辺り。ウッカリデスが死亡するより前です。
※つかさとパピヨンに気づいていません。
【柊つかさ@らき☆すた(原作)】
[状態]:顔面打撲、全身に鞭の痣、疲労(弱)、唖然
[装備]:カードデッキ(龍騎)@書き手ロワ、ランカのステージ衣装@現地調達
[持物]:ねこ缶@オールロワ
[方針/目的]
基本方針:6/とやる夫の想いを無駄にしないためにも生きる ?
0:!? ……!!?
1:パピヨンと行動。 F-6を経由して放送局方面に向かいながら、こなたやかがみを探す ?
2:こなたやゆたか、かがみを助けたい ?
3:ぱんつを替えたいな…… ?
4:どうして変な夢ばっかり見るんだろう。またあんな夢を見れたらいいな…… ?
[備考]
※龍騎のデッキの制限は書き手ロワ準拠です(ミラーモンスター⇒ドラグレッダーは1分間のみ出現) 、現在変身可能
※三村とアルフォンスの放送を知りません。
【ランカのステージ衣装@現地調達】
E-3映画館にて柊つかさが調達した。
映画『劇場版マクロスF〜イツワリノウタ ヒメ〜』宣伝用の衣装。
リボンとハイソックス付のコスプレフルセット。
【パピヨン@漫画ロワ】
[状態]:腹に打撲
[装備]:なし
[持物]:デイパック、基本支給品一式(食料なし)、グルメテーブルかけ(残り16回) @ニコロワ、ドライバーセット@現地調達、ひしゃげたキーボード@ニコロワ
[方針/行動]
基本方針:主催のトップを倒して帝王として君臨s……技術だけ頂いておこう。ゆとりはいらん。
0:状況の把握。
1:柊つかさと行動。とりあえずF-6経由で北東を目指す。暇があったら戦闘についてでも教えてやるかな。
2:ニアデスハピネスを取り戻す。最悪の場合殺してでも奪い取る。
3:バイク、車などがあれば調達したい。
4:ゆたかの力を何とかして手に入れて、高みを目指して翔ぶ。
5:首輪のサンプルを手に入れ、解析をしたい。
6:機会と設備があれば龍騎のデッキの解析をしたい。
7:オプーナとは何か情報収集する。
[備考]
※漫画ロワ 242話の「襲来!蝶男の帝王舞」より参加。
※いろいろあって冷静さを少し欠いてます。本人は気付いていないものと思われます。
※朝倉涼子の名前をでっていうだと思っています。
※柊つかさのこれまでの経緯を聞きました。
※ロリスキーを柊かがみだと思っています。
※三村とアルフォンスの放送を知りません。
【ドライバーセット@現地調達】
E-3映画館にてパピヨンが調達した、特殊ネジ対応ドライバーのセット。
これさえあれば携帯電話、PHS、無線機、パソコン、ゲーム機なんでもござれ。ただしネジに限る。
- 50 :
- 306 名前:そして少女は死んだ -The Elfin Knight- ◆X5fSBupbmM[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 01:39:37 ID:R31TZLSA0 [28/28]
以上です。問題点等があれば指摘願います。
投下乙!
何だこの陰鬱な雰囲気……
誤解が誤解を呼び、ついにみなみがヤンデレ(?)になっちゃったー!
いやあ、本当にまだまだ何が起こるかわかりませんなあ、このロワは。
とにかく乙乙乙!
このロワも復活じゃーい!
- 51 :
- 投下乙!
パピヨンとDさんの接触がもしかしたら首輪解除の鍵かも!
そういやDさん今、長門のエ○画像集持ってるんだな・・・・・・
女同伴で閲覧させてぇ・・・・・・
- 52 :
- 乙!
溜まってきていた火薬が一気に爆発した感じですなー
- 53 :
- うわ……いろいろとすげーことになってやがる……。
今回書かれたキャラ以外にも周囲には参加者がいるからそいつらも絡まってくるかもな。
この後どうなるんだか全く持って予想がつかん。
つーかいくら不死者とはいえロリスキーの状態表が酷すぎる……。
もう楽にしてや……いいや、もっと(ry
- 54 :
- これより代理投下します
- 55 :
- 309 :予定通りの非日常 ◆X5fSBupbmM:2010/11/26(金) 19:07:57 ID:1VA5mtVE0
花嫁が、唇と口の端にケーキのクリームを付けている。
「人生の晴れ舞台にみっともない」とおかんが叱咤し、愛にボケた新郎は「はは、こやつめ」と笑って拭ってやるだろう。
だが、華やかな衣装を着ているのは脛に毛のある青年。
素手でモンブランを齧るその姿は、ロマン性など欠片も感じられなかった。
炎上戦の跡は人を集めてしまうだろうと判断した6/氏は、F-3まで移動した上で、ファミレスで休息を取っていた。
ちなみに前述の通り、彼は未だにウェディングドレスを着ている。
というのも、"エンジェルモート"というこの店、制服は女性用しか用意されてなかったのだ。
しかもただの制服やメイド服ではない。胸元と太ももを強調した、性的に前衛的なシロモノが。
彼は今のドレスの方がマシと判断した。
キッチンに6/氏は行き、冷凍食材を温めて食べながら放送を待っていた。
ジョセフ・ジョースターから奪った基本支給品の食料はあったが、温かいものを食べておきたかったのだ。
ロワの支給食料は、大抵味気のないもの。
スタンドの仕様によりたまった、精神疲労をより増加させるのを避けたのだ。
素手で食べるのはマナー違反だろうが、フォークやナイフが撤去されていたのでしかたがない。
調理前に手の洗浄・消毒を壁に貼られたマニュアル通り行ったので、食中毒が発症することはないだろう。
そしてデザートに手をつけた時、二回目の放送が聞こえてきた。
(なにが"二度目"だっつの)
放送を聞いた6/氏はイラッときた。"彼"ならば全員、この言葉に反応しただろう。
……生き残っていれば、の話だが。
(……まさか、三人目も死んでいたとは思わなかったぜ)
彼、6/氏(神)とプールで遭遇した6/氏(かがみ)を除いた、もう一人の6/氏(カオス)。
その名前が呼ばれていた。
名前から察するに、彼はカオスロワからの参戦だったのだろう。
もしかしたら、6/氏(神)がマーダーになっていることが上手く働いたのかもしれない。
……そう思いたかった。
食事を終えた6/氏は仮眠を取ろうと、ファミレスの事務室へ入った。
ソファを部屋の監視カメラのモニター側、その端に移動させる。
事務室出入り口に鍵をかけ、つっかえ棒を仕込み、棒の先端に拝借したガラス瓶を紐で括りつけた。
棒が外れ床に落ちると、ガラスが割れて音が鳴る仕組みだ。雑な仕掛けだがないよりマシだろう。
6/氏はいそいそとソファに寝転び、瞼を閉じた。
連続するロワの精神的負担により、二、三呼吸しない内に彼は眠りに落ちた。
数十分後。
うなされているのか、彼は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべ――
- 56 :
- 310 :予定通りの非日常 ◆X5fSBupbmM:2010/11/26(金) 19:09:15 ID:1VA5mtVE0
/
,. 、 / /
,.〃´ヾ.、 / /
/ |l ', / / いいか、アル。柊かがみとその妹のつかさ、
,、 ,r'´ ||--‐r、 ',. そしてこの二人と同じ赤い制服を着た連中……、
l.l. ,..ィ'´ l', '.j '. こいつらは全員、この殺し合いに乗った魔女なんだ!!
'r '´ ',.r '´ !| \
l! ....:.:.:.:.:.:ヽ、 ,l \
ゝ、.,_ ---‐‐‐----ゝ、ノ
| |
.| |
| |
| |
――唐突な放送に叩き起こされた。
☆☆☆
あ、ありのまま 今 起こったことを話すぜ。
『扇動してやろうと思っていた奴が、拡声器で扇動予定内容をばら撒いた』。
つ…… 都合よく出来すぎて何を言っているのか わからねーと思うが、
おれも何がどうしてこうなったのかわからなかった……。
小躍りしたい気分だったよ……。
生首で生存扱いだとか誤解だとか、そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ。
もっと恐ろしいロワのミラクルを味わったぜ……。
目を覚ました直後は、近くで拡声器を使ったのかと冷や汗を流した。
しかし、声の出所が店の脇に設置されたスピーカーからということから察するに、場所は放送局だろう。
つーかあの鎧野郎、俺の名前が人名らしくないって余計なことを……。
コテハンだからしかたねぇだろうが。
俺は移動し、ファミレス奥の客席に腰掛け考える。眠気は吹っ飛んでいた。
基本支給品の内、名簿を手に取り出し、三村の放送で出て来た奴らの名前を確認する。
ちょっと気になったことがあったのだ。
「『柊かがみを始めとした魔女』、つまり『らき☆すた』キャラねぇ……」
- 57 :
- 311 :予定通りの非日常 ◆X5fSBupbmM:2010/11/26(金) 19:10:32 ID:1VA5mtVE0
先ほどの放送ではっきりしたのは、
三村、アルフォンス、スバル、つかさの情報を三村に渡した人間、この四人がらき☆キャラと関わっていること。
マジシャンズ・レッドのDISCに刻まれたジョセフの記憶からも、似たようなことが分かっている。
ジョセフがいたロワで、らき☆キャラと関わったのは三村とジョセフだけではなかった
桂ヒナギク、村雨良。こいつらはかがみとやたら親しくしていた。
ジョセフが得た情報からはパピヨンと川田が、こなたとつかさに関わり深いことも分かった。
今回のロワに、なぜか三人も呼ばれた俺。
俺と『らき☆すた』キャラは縁深い。特にガチレズ悪臭ツインテールこと、かがみとは。
名簿にはかがみんかがみんとうるさかった、かえるの名前もあった。
『らき☆すた』キャラを誤解してくれといわんばかりのメンツじゃねぇか、今回のロワは。
おまけに定時放送で主催陣が『らき☆すた』OPを模した芝居をやったり、「おは☆らっきー!」などと言ったりしていた。
そして、他キャラの出展はデタラメな癖に5人以上の出展がある原作タイトル。
今回の名簿を見た時は「カオスww」と思ったものだが、
まさか『らき☆すた』がこのロワのキーワー……って違うだろ、俺!
「マーダーがこんな考察してどうすんだ、馬鹿がッ!」
俺はブンブンと頭を振って、トイレに向かった。
食事中にお茶を飲んだこともあり、もよおしてきたのだ。
いらん考察と共に出し切ってしまおう。
さて、拡声器フラグが立ったこの状況で俺はどうするか。
トイレで用を足しながら考える。ちなみに小さい方だ。
ドレスでどうやっているのかは突っ込まないでくれ
無差別マーダーの俺としては、「お望み通り、俺が殺してやるよ!」と向かうのがセオリーなのだろう。
だが、遠すぎる。現在地はF-3。放送局はC-6。島のほぼ反対側だ。
ホイホイ釣られに行くにも、乗り物がない故に間に合わない。
……三村とアルフォンス殺しは、放送局周辺のマーダーに任せるしかねぇか。
何かの拍子にエリア壊滅とかやられても、逃げ切れる自信もねぇし。
あの放送のほとぼりが冷めるまで地図の端、灯台に篭城する手もある。
だが、そんなことをすれば死ぬだろう。
対主催の考察タイム、強キャラの準備期間、とかならいいが、俺は一般人マーダー。
そして、ただ何もせず篭城を決め込んだ参加者はどうなるか……2、3話後には殺される。
放送から次の放送までの6時間。
時間としては長い。だがリレー小説の都合上、たった2時間で事態は動いていくのである。
ちょっと目を離した間に同行者が死んでていたり、クリーチャー化したり、マーダー化したりなんて日常茶飯事。
ロワから逃避し恋愛している内に、他の参加者の強さがインフレしまくってウボァー、なんてこともある。
そしてもしも今の俺が"書かれている"としたら、この行動を2時間の描写を使っている訳だ。
飯食って寝て、いらん考察をして小便している、何もしていないに等しいことに。
要するに、今から事なかれ主義に転向するのはよろしくない。
……やっぱり、動くしかねぇか。
無差別マーダーに回るというのは、とうの昔に決めたこと。
それを変えるつもりはない。というか、今更趣旨変えしたら死亡フラグが立ちそうな気がする。
- 58 :
- 312 :予定通りの非日常 ◆X5fSBupbmM:2010/11/26(金) 19:11:32 ID:1VA5mtVE0
用を足して服を正し便器の水を流そうとした時、
げひゃひゃひゃひゃ、とでかい馬鹿笑いが耳に入った。
……敵か!?
携えていたトンプソンM1短機関銃を身構える……が、トイレの出入り口や窓周辺からはなにも聞こえない。
むしろ小便器がある壁側、しかも地下から水音がするような……。
『Bが出した宿題、お前終わった?』
『ロワの把握ってヤツ? 全っ然! 文字ばっかりで三話で秋田』
『あるあるw オレはサービスシーンもあるって噂聞いて我慢して読み進めてたけど、
出て来たのがおっさんのシャワーシーンwww
しかも同じ話でシャワー浴びた巨乳の描写は中略とかふざけんなとww パソ放り投げたわww』
『俺思ったんだけど、文字じゃサービスシーンもクソもなくね?』
『ちょwおま天才ww 動画かせめて漫画にしろと作者に言いたいwww』
…………お前ら、書き手にフルボッコにされんぞ。いや俺も書き手だけど。
文章だからこそ妄想がかきたてられ、下手な作画や絵よりずっと扇情的な情景を浮かべられるというのに。
これだからゆとりは……って、違う! なんだこりゃ!?
俺は膝を付き、壁のタイルに耳をくっつけた。
不潔だが仕方ない。後できちんと手と一緒に洗おう。
流水音の後、なにやらピポピポという電子音が聞こえてきた。
『あー、いちいちパスワード入れなきゃいけないってメンドーだなっ』
『前のロワで、侵入者続出したっつーのがまずかったんだろ』
『Bも馬鹿だよなー。別の監視方法考えろよ』
『シャドウさんのとこの方が、監視はずさんだったみたいけどなー』
『へぇー、シャドウさんシリアスキャラって感じで抜け目なさそうだけど』
『噂じゃあの人も幹部クラスじゃなくて、一兵士だったらしいぜ。
監視は部下がほら……あんな怪人ばっかりで知能的に使えなかったんだと』
『……ああ、把握したw あいつらホントバカばっかだよなw』
会話の間も電子音は続く。
『電力供給マジツマンネ。かったりぃー』
『ホントホント。早く映像チェックのヤツと交代しねーかなー。
南チアキの着替えがまたあったらしーぜ。録画もバッチリだと』
『マジ? GJ!』
『気絶したまま脱がされたり、恥じながら着替えさせられたり、ホントいいロリだよなw
直接見にいけねえのが悔しいぜ』
『……そういや、一回目の放送でチアキたんの画像流出させた奴はどうなったんだ?』
『阿部さんの映像チェックに回されたんだとよww』
『うはww Bマジ陰険www あいつ前のロワでも阿部さんの刑喰らってたのにww』
やがてプシュー、ガチャン、という音が響き、談笑と足音は遠ざかっていった。
…………。
…………えーと。
「……うーん……」
俺は暫し唸り……さっき出したものを流して、耳と手を洗いに洗面台に向かった。
☆☆☆
- 59 :
- 313 :予定通りの非日常 ◆X5fSBupbmM:2010/11/26(金) 19:12:24 ID:1VA5mtVE0
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デュワッ!! | 壁::::::::|
ミ\ ノノノノ _ ___ y;;; ;;; ;;;;;::;;;/ ___ ┌ 6/氏
\ (゚∈゚ ) ─__ ─__ ↓
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ミ_ミ_ミヽ____/_ ,ミ____) ____ ̄ _ ___ ̄ , -vxvx,
`ヽ__ノ ̄ ___ ___ __ ___ Kwヘ'vバ
__ ___ 人д !)
___ ___ ___ ___ ⊂「介L,U
__ __ ソ ;;;;;::::;ソ __ __ !∽/^ヽ
| :::::| 〉___二ゝ
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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|
_________| →ファミレス
←???
声が聞こえた方の壁をぶち抜くと、男子トイレであった。
「……なんだこりゃ?」
半地下に設置してあるのか、向こう側の床は俺が立つ場所より数メートル下にある。
小便器のサイズは通常サイズから、その1/2だったり、2倍だったり、バリエーションが豊富だ。
下水や水道を引っ張って来るのが面倒臭くて、このファミレスと共同にしたのか?
それにしても、さっきの奴ら……。
姿こそ見えなかったが"別のロワ"、"監視方法"、"B"、"シャドウさん"とか言ってたよな……。
Bっつーのは確かニコロワのピエモンのあだ名だろ。で、シャドウっつーのはジェネラルシャドウのことだろう。
……どうみても主催側の人間です、ほんとうにありがとうございました。
そう結論付けて、俺は穴から向こう側のトイレを覗きこんだ。
壁から最も離れた位置に、鉄製の頑丈そうな扉が見えた。
その脇、低い位置にパスワード入力用の端末もある
会話の最後に聞こえた音は、扉が開閉する音だったのだろう。
扉の位置は、スタンドの射程距離外だが、スタンドが放つ炎は十分届く距離だ。
「マジシャンズ・レッドッ」
高温の炎を浴びせると、扉はどろりと溶けた。
体を成さなくなった扉の先は細長い通路が、南の海側に続いていた。
ゆるやかな下り道は、電球が点された近未来チックな様相だ。
- 60 :
- 314 :予定通りの非日常 ◆X5fSBupbmM:2010/11/26(金) 19:13:15 ID:1VA5mtVE0
さて、これくらいやれば、主催側から何かしらの反応があってもおかしくなさそうなんだが。
俺はその場で辺りを見回し、耳を澄ます。
扉を破った上、マジシャンズ・レッドを壁の向こうに立たせて数分経つ。
しかし、首輪の反応や主催側からの接触などのアクションはない。
…………おいおい。
俺は足元を見る。
壁を破る際にできた瓦礫の山が、穴と向こう側の段差をなくす坂になっている。
高低差も大したことはない。
呆れながらも、結局は好奇心に負けた。壁を通り向こう側へ降り立つ。
――ピピッ。
「うおッ!?」
首から聞こえた電子音に、慌てて瓦礫を上ってファミレス側へ戻る。
直感での行動は正解だったらしく、音はすぐに止んだ。
これはアレか。パロロワのお約束、"警告する首輪"か。
そういえば、今回は爆破前に警告有りとか放送で言ってたな。
禁止エリアに指定されているのか、入ったことに気づかれたのか、この主催側の領域に侵入すると首輪が発動するようだ。
ま、このまま主催管轄エリアに侵入……なんてうまくいかねぇか。
地下通路が湖の下を通っているとしたら、誰にも見つからない通り道としての魅力はあるんだが。
利用は無理そうだな。
いやしかし、マーダーの俺にこんな情報を与えていいのかよ。
……いや、マーダーだからこそ、か?
"小便してたら、たまたま主催側の奴らも隣接したトイレにやって来ました"。
なんて対主催に手がかりを示すには、こりゃあ都合の良すぎる展開だ。
確かに、長ったらしいパスワード付きの扉は厄介だろう。
だが強力な炎で炙ればあれは、先ほどのように簡単に突破可能。
マジシャンズ・レッドと同じく強力な炎を操るブレイズ オブ グローリーは、対主催っぽい奴が所持していた。
それに支給品に頼らなくても、超人クラスの力があれば扉を吹っ飛ばせるだろう。
しかも奴らの会話から、監視方法を推測できなくもない。対主催にとってこの情報の有用性は大だ。
「こんな情報を俺に渡すってことは……」
ニヤリ、と笑う俺の顔が洗面台の鏡に映った。
「"マーダーに徹せ"ってことだろうなァ! 言われなくてもやってやんよ」
さっきも言ったが対主催への情報提供としてはできすぎている。
ここで俺が対主催に転向する? そんなことすりゃ、次の話で不意打ちされ死んじまうだろう。
思えば俺は何をやってたのだろうか。
下手に主催側の領域に踏み出せば、首輪を即座に爆破されてもおかしくない。
今までマーダーをやっていたのが幸いだったのか今回は不発で終わったが、次もそうとは限らない。
「ただし、わざわざ複数のロワから参加者を集めたんだ。報酬はキチッと払ってもらうぜ?」
- 61 :
- 315 :予定通りの非日常 ◆X5fSBupbmM:2010/11/26(金) 19:14:09 ID:1VA5mtVE0
"監視"で俺を見ているのだろう主催者に向かって、そう呟いた。
さて、ろくな休憩じゃなかったがまぁいい。
甘いものと睡眠が効いたのか、疲労は大分マシになった。
トイレに入る前に北の方で何かが墜落していくのが見えたし、ボチボチ働き始めますか。
俺はファミレスを後にした。
どこに行くかって? 放送局……というか、娼館の方だな。
放送局で拡声器フラグを発動させたんだ、一般人やステルスマーダーはきっとあの場から離れようとするだろう。
……だがE-5の橋は埋まっている上、北は施設が密集している。
誰に会うか分かったもんじゃないだろう。
ほとぼりが冷めるまで身を隠すなら、南東の緑園地帯を選ぶだろうなぁ。
そいつらを俺が狩る。
もう誤解フラグを浴びせる相手はいなくなったが、ここで対主催の俺と接触した参加者に遭遇すればめっけもんだ。
混乱や戸惑いという名の隙が出来れば、多少相手が強かろうが殺せるだろう。
大概のロワなら二日目を終了しない内に、結末を迎える。
ならば一日目正午、ここからは中盤戦。
死人も増加し、キャラも支給品もあちこち錯綜する時間帯。
ここで粘らなきゃ、強力な武力を逃してしまうだろう。
いま俺の強みとなっている魔術師の赤(マジシャンズ・レッド)も、元はやる夫の支給品だ。
魔王アナゴや仮面ライダーZXこと村雨、神(笑)疑惑のハルヒ。
三村の言った、らき☆すたキャラと同じ制服を着たピンク髪。
それに放送前に交戦した男。
よく思い出してみれば、あいつアニ2の不幸王じゃねぇか。……畜生、また超人かよ。
厄介な参加者は大勢残っている。
互いに殺しあって貰うのが一番だが、最悪対決する場合も考えておいたほうがいい。
―― 汝が拙の力の依り代となるならば、拙は汝の運命を変えて見せよう。
この殺し合いもすぐに終わらせられようし、その後も二度とこのような目には遭わせぬ ――
さっき夢にみた、神(笑ではない、正真正銘の神様だ)の言葉が蘇る。
前のロワで手に入れた支給品、"国常立神"の傲慢な物言い。
こいつに未だ俺はムカついている。
神が運命を決める? 俺のロワ参加ループを止める? 知ったことか。
俺は自分でやる。
今まで散々俺を誤解で弄んだ神様の施しなんざ、受けてたまるかッ。
ピエモンの言った願いうんぬんがインチキだろうが、他に力を見つけて自分でロワのループから抜け出してやる。
皆殺しだ。
腐れ縁のかがみと、妻……じゃないな。あいつらの顔がやたらと思い返されるが、どうでもいい。
口に出せない、あーんなことやそーんなことをしつつ対主催や主催を共にやってきたかがみ。
確かにお前とは縁が深い。でも、それはロワ上でのことだ。俺はそれをぶち壊す。
ロワそのものじゃなく、俺が無駄に参加させられ誤解される、パロロワのお約束そのものを。
みなみについても、そうだ。
外道神父のおぞましい祝福を除けば、カオスでのあの結婚式は5期の殺し合いにおいて最も充実した時間だった。
きれいだと、はにかむあいつの隣で俺は至福の絶頂にいた。
だがそれも、終わったことだ。
ここはカオスロワじゃない。
ここにいるあいつらは、柊かがみと岩崎みなみは、また俺を知らない別人なんだろう。
この会場にいるのは、やはり"二次元のキャラ"ばかり。
確かに人間性はあった。カオスの4期では、あいつらのことを血の通った人間だと実感もしたよ。
だが結局、ロワを繰り返すのは書き手の俺だけ。
新しいロワで遭遇する奴らのほとんどは、別人だ。
原作出展とアニメ出展の違いという些細な違いというだけで、別人にされるんだよ。
鎧のアルの言う通り、パラレルワールドに無数に存在するんだ、"キャラ"ってものは。
いくらでも代えの効く奴らなんだよ。
- 62 :
- 次こそ本当に結婚しようとみなみに言って、カオス5期では死亡フラグを立てた。
だが愛を誓った時に身にまとった純白は、既に血で失われている。
あいつと結婚するなんて資格、俺にはない。
ツンデレし合ってなあなあと、共に対主催を繰り返してきたかがみとの絆も、マーダーとして人殺しを続けた時点でオジャンだ。
なにより、俺はもう二次元という名のパロロワなんて、まっぴらなんだ。
だから、R。
マーダーの俺に、これ以上失うものも浴びせられる誤解もないんだ。
いくらでも堕ちてやろうじゃねぇか。
このロワの死者スレでもカオスロワでもどこでもいい、そこで指を銜えて見てろ"◆6/WWxs9O1s"。
俺は絶対に、ロワという名の螺旋階段から離脱してや
. ’ ’、 ′
、′・. ’ ; ’、 ’、′‘ .・”
’、′・ ’、.・”; ずどーん……!!!
’、′ ’、(;;ノ;; (′‘・. ”
’、′・ ( (´;^`⌒) ” ; ’、′・
、 ’、 ’・ 、´⌒,;y'⌒((´;;;;;ノ─、" ヽ,
、(⌒ ;;;:;´'从 ;' ;:;;) ; :) )、 ヽ ;
( ´;`ヾ,;⌒)´ 从⌒ ;) `⌒ )⌒:`.・
′‘: ;゜+°、::.::: ホム、⌒) ;;:::)::ノ N
`:::、 ...;:;_) ´...::ノ ソ /|
←┼─
|
…………。
……格好付けくらいさせてくれよ、おい。
【F-3/市街/1日目-日中】
【6/氏(神)@オールロワ】
[状態]:疲労(弱)
[装備]:トンプソンM1短機関銃(50/50+予備弾倉50発x1)、バヨネットx2@漫画ロワ、
マジシャンズレッド(魔術師の赤)のDISC@漫画ロワ、ヌンチャク@漫画ロワ
[持物]:デイパックx2、基本支給品一式x2、萌えもんパッチ@ニコロワ
[方針/行動]
基本方針:何がなんでも元の世界に帰る。
0:なぁにあれ?
1:どこかでまともな服を調達する。
2:F-6の橋を渡って娼館周辺へ。北から逃走する参加者を殺害する。一般人優先。
3:ハルヒの出展元が気になる。
4:かがみとみなみをRことについては……。
5:らき☆すたがこのロワのキーワード? ハハッ、ワロス。
[備考]
※涼宮ハルヒの出展元は完全には分かりませんがニコロワじゃないかと疑っているかも。
※6/(かがみ)が、かがみの外見をしていることを認識しました。(経緯は知りません)
※カオス、漫画ロワ以外にも、かがみが参加しているロワがあると確信しました。(アルフォンス所属ロワ)
※目撃した爆発は、岩崎みなみがニアデスハピネスによって起こしたものです。
※F-3ファミリーレストラン内男子トイレに大穴があり、そこに隣接する半地下に別の男子トイレが設置してあります。
半地下の男子トイレの奥に、地下道への入り口があります。
地下道への扉はパスワード式の鍵がありましたが、扉ごと溶けてしまいました。
地下側へ行くと首輪が警告を発します。
※参加者の映像チェックにレッドベジーモン@ニコロワの一部が携わっています。
- 63 :
- 代理投下終了です。
マーダーがまさかの主催側の情報入手かよwwww
まぁ、そろそろここらへんの情報は明らかにしたほうがよさそうだな。俺はいいと思う。
ていうか6/(カオス)と考えがまるで真逆だな、神6/の孤独感が伝わってくるよ。
まぁ行動方針は違ってもなんか決まらないのは共通だが。
懐かしのレッドベジーモンは本当に相変らずゆとりで嬉しい。
まぁほとんどの書き手を敵に回したと言っていいなwww
- 64 :
- 投下及び代理の人ともに乙です。
ロワに置いてはいくらでも"替えがきく"か・・・・・・
確かにパラレルワールドっていうことにしておけば、いくらでも同じ名前のキャラは出せるよな。
書き手読み手からすればそれは"非現実"なんだし。
Bさん、あんたの部下なんでこんなのばかりなの・・・・・・
書き手どころか読み手まで敵に回しているよ・・・・・・・俺にも姉さまの全裸よこ(ry
- 65 :
- そういえばゆとりの守備範囲はロリだったなwww
- 66 :
- マルクたんあむたんにハアハアしてたなw
年の瀬も近いし、いつかの人気投票の〜2回放送版やりたいなと思うんだが
したらばの雑談スレで募集しても構わないかな?
期間は今年いっぱいまでで
- 67 :
- ハルヒの時点で年増扱いだもんなww
俺は一向に構わんっていう
- 68 :
- 準備してきたぜー!
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12294/1232286801/113
◆69xp4gSXZQの案内文を使用させて頂きました
この場を借りて御礼申し上げます
集計発表は三が日明けに間に合えばいいな
ゆっくり投票していってね!
- 69 :
- とりあえず投票してきた。
もう半月切ったし、投票するために読み返してもいいよな。
- 70 :
- 投票が無効一しかない件について。
と言うか復活していることに気づいてねえひとが多いんじゃないかな?
とまあ上げておいて、どっかで『人気投票やっていますよー』みたいの告知しないと
多分このまま0で終わってしまうと思うの……
- 71 :
- スレ乗っ取り型は目立たないもんさ……
人気投票に気づかなかった俺が言うのもなんだけど
- 72 :
- まぁ元気出せよ…予約来たんだしさ。
- 73 :
- 予約来た。これで勝つる!
- 74 :
- 予約時のスレ汚し、失礼しました。
投下します。
- 75 :
- ・次の質問に答えて下さい。
問.「柊かがみとは何者か」
1.「魔法使い、もしくは悪魔」
(確かに水が欲しいとは言ったけど、塩水は飲めないっての!)
それがふわふわとした感覚の中、結城奈緒が水に叩き落された時に覚えた感想だった。
口から、鼻からどんどん酸素が溢れ、塩辛い水が体を満たす。
泥酔していた彼女はそこでようやく呼吸ができないことを実感し、一気にパニックへ陥った。
手足をバタつかせて、頭を掴む誰かの手を外そうとしても、アルコールのせいでまともに回らない舌や力の入らない腕では叶わない。
唐突に、髪を引っ張られて水から解放された。
酸素を吸おうとした咳き込んだ矢先、また頭が、鼻が、口が水中へと逆戻りさせられる。
一瞬の安堵によって倍増された苦痛の中、奈緒はもがいた。
耐えられないと意識が消え入りそうになった時に限って、水が奈緒の世界から消える。
そこで反射的に呼吸をしてしまって、永遠と海水に捕らえられ続ける。
何時までも何時までもそれが続いていき、奈緒の意識が朦朧とし始めた頃、水から頭を引き上げられた。
嫌悪し恐怖する、忌々しい魔女の名前について聞かれた。
水の中に戻されることを避けようと、咳と呼吸の合間に、必死に説明する。
不死身の柊かがみの再生能力。
奈緒がいた会場での所業や、水族館で聞いた他の世界での所業。
そして色んな殺し合いの場を渡り歩きながら、人の間に潜り込み配下を増やしていっていること。
今回の殺し合いの参加者が、柊かがみの関係者ばかりであること。
この会場にも何人かその配下と、そして魔女達の大元となる“柊かがみ本体”がこの会場にいること。
交渉しようという考えが、塩水とアルコールがシェイクされた脳みそから生まれるはずもなく。
エレメントを出して抵抗する余裕もなかった。
頭がガンガンと痛む、喉がいたい、苦しい。
朦朧とする意識の中、唐突な痛みによって意識が覚醒し……また、水に沈む。
時折、勘違いじゃないか、とか夢でも見たのではないか、と尋ねられる。
奈緒はそれらの問いに首を横に振った。
夢だと思いたいのに、かがみは逃れられない現実として存在するのだ。
「あー、言ってることはよく分からねえが……。どうせ後で分かるしまあいいか」
プールの中に体がほとんど沈んでいる状態では、陸から押さえつけている相手を見るにも、首が上を向く形になる。
涙も混ざった塩水のせいで滲んだ視界の中、奈緒は金髪の男のギラついた目を見た。
声に含まれるふざけた調子など感じさせず、その青い目からは冷たさしか感じない。
何度か修羅場も潜ってきた奈緒にとって、戦いの場における殺気、というものには覚えがある筈である。
しかし殺人鬼の狂気を孕んだものを目の当たりにすることは、彼女の人生においてなかった。
――殺される。
そう直感した奈緒の右手が水辺から離れようと、プールのフチへ動く。
ベキャ。
鈍い音が手から響いた。男が舌打ちと共に踏み砕いたのだ。
赤い花が奈緒の右手に咲く。一拍遅れて、熱が彼女の手から体中へ回った。
痛みに奈緒が声を上げようと口を開いた瞬間、彼女の世界は再び水の中へ沈む。
取り込んだ酸素が零れていく。
ごぼごぼと、空気の泡が浮き沈みする音が聞こえる。
- 76 :
- 呼吸できない苦痛のせいで、いつの間にか右手の痛みは感じなくなってしまっている。踏まれる感覚だけが、しつこく残っていた。
(あ、こりゃダメだわ、死ぬ)
今までと違っていつまで経っても引き上げられない。さっき色々なことを話しすぎたと、後悔する。
恐怖で強張っていた手足から、力が抜けていく。肺どころか胃までが、水に満たされる。
苦痛から解放されるなら、かがみの恐怖から逃れられるのなら、と彼女は意識を――。
手放すことができなかった。
息苦しさも水の感触も、鼻や喉を焼く塩辛さも。苦痛として体を蝕み続ける。
ふざけんなと思う程水中にいるはずなのに、苦しいという感覚に潰されそうな状態で、奈緒は奈緒を保っている。
『あ……ま……3セ……♪ ……、にって……』
『……にしろ!』
陽気な音楽が、唐突に海水にふやけた鼓膜を揺らす。それと同時に、髪を掴む手がなくなった。
踏みつけられた右手はそのままに、左肘を軸にプールのフチから身を乗り出す。
反射的に水中から頭を上げた。激しく咳き込み、肺に溜まった海水を吐き出した。
「がふッ……うぇ、げぼ……ぅぇ……!」
気道だけでなく、過剰に摂取した塩分を排除しようと食道からも海水がせり上がり、他の胃の内容物と共に彼女の口から流れ出た。
視界の端に、妙なスクリーンが浮かんでいる。放送がかかっているのだ。
耳からも流れ出る水とはっきしない意識が邪魔をして、何を言っているのか聞き取れなかった。
『かがみ』
その名前を除いては。
(ぇ――!?)
奈緒は目を見開いた。
柊かがみが死んだ。奈緒に苦痛を強いていたあの魔女が、死んだ。
咳き込みながらも周囲に視線を這わす。
プールの傍に自らのエレメントで破壊した別の水槽が見えた。
半分海側に突き出したショープールとステージがあるここは、彼女がこの会場で初めに転送された場所だ。
あの時沈んだ客席の水は排水されたらしく、歪な池は消え濡れた瓦礫が日の光に輝いている。
ゲームの舞台は消えていなかった。
放送が終わり、呼吸が整い始めたところでようやく、奈緒は殺し合いの継続を認識した。
(終わらない……の?)
二度目のゲーム開始前からの消耗。
加えて水責めによる精神的疲労を負った彼女に、この現実はさらなる追撃をなってダメージを与えた。
柊かがみさえRば、殺人ゲームの連鎖が消滅すると思い込んでいた奈緒にとって、耐え難いものとして。
紫色の唇がわなわなと動く。
奈緒の手にエレメントが出現し、武装から赤い糸が放たれた。
「……ぅ、あぁぁああああぁぁっっッ!!」
悲鳴とも怒声とも取れぬ絶叫と共に、プールの傍のショーステージが切り裂かれた。
奈緒は鋼柔自在の糸を使い、プールのステージ側から客席へと跳躍する。
潰された筈の手の痛みが引いていたが、それを気にする余裕はなかった。
それを凌駕する、疑問と恐怖と混乱に身をまかせ、腕を振るい続ける。
攻撃対象はさっきまで自身に苦痛を強いていた男……ではなく、殺戮ゲームの舞台。
ショー用のステージ、客席、水槽、他に目に入る風景――この世界そのものに向かって、がむしゃらに凶刃を振るっていた。
日の光を反射する水面が半分に割れる。ステージが刻まれ、瓦礫と化したその一部が派手に水しぶきを上げて、プールの底へ沈んでいった。
- 77 :
-
「どうし、消えな……、何で、何でよ……ッッッ!!!」
柊かがみは死んだ。放送で名前を呼ばれた。
地球破壊爆弾No.V-7が言っていた、あの女の大元が呼ばれたのだ。
別世界の彼女が主催であるこのゲームは消えてなくなっているか、停止していないとおかしいことになる。
でも、消えなかった。終わりもしない。ゲームは続く、奈緒の苦痛はずっと続いていく。
「消えろっ……消えろぉッッ!!」
彼女は世界に向かってエレメントを振り回す。
地表から僅かに飛び出している、プールからドッと水が溢れ出した。
客席の方まで流れ出て、奈緒の足首まで沈めていく。
転落防止用に設置された手すりが、糸に切断され、屋外に設置されたショープールや、それを半円状に覆うステージが削られていく。
ただ、目の前にあるものを刻み続けた。
やがて、ステージが崩壊する轟音が辺りに響き渡った。瓦礫が海へと落ちていく。
しかしステージと比べて、客席側はその3分の1も傷ついていない。
ヤケになった奈緒が目に付いたものから刻んでいた為だ。
壊れていない場所を見て、そちらへ体を返そうとして――あるものを目撃してしまった。
「つっ!?」
手が滑って、勢い余った糸が自身の左の腿を引き裂いてしまった。
思わず傷口を左手で庇う。スカートごと裂いた傷に塩を含んだ布が当り、酷い痛みが生まれる。
冷えた手に熱い血がドクドクと流れ出す感触が伝わった。相当深く斬ってしまったらしい。
それでも足を押さえたまま、顔を上げた。
先程の光景が夢であることを祈って、奈緒は傷を生んだ原因をもう一度見る。
「あーあ……ナオちゃん、随分と派手なことしてくれんじゃねえか?
さすがにブチ切れちまったか? いや、悪ぃな、ちょっとばかしやり過ぎた!」
「お、お前……!」
瓦礫の一部だろう細い水道管を持って、未だに名前も知らない男が段になった客席の残骸を踏みしめて立っていた。
崩壊するステージやプールの傍にいた癖にその瓦礫に埋もれることなく、傷を受けることもなく、さっきまで彼女に水責めを強いていた張本人が平然とそこにいた。
「そりゃあ、心の底から殺しが大好きな俺も思ったんだよ。
これからは人をRにしても一思いに、一瞬で、即座に終わらせてやろうってなあ」
奈緒にとって、信じたくない現実を携えて。
「まあでも、ナオちゃんの場合は特別だ。
かがみちゃんの名前を聞いちまったし、話聞こうにも呂律回ってねえし?
よりにもよって飲んだのがあの酒だったし、これから殺さなくちゃいけねえピエロ共が指を銜えて待っているんでなあ!
色ーんな理由があって、ああした訳だよ。酔っ払いにゃ水をぶっ掛けろっつーが、沈めた方が効果的だな」
喜色を含んだ声で、男は訳の分からない言葉をまくし立てる。
目にはギラギラとした、だが耐えようとするかのように捩れ捻られた殺意の光。
その光を向けられ、妙に迫力のある声を身に浴びせられているだけで、精神を磨耗した奈緒の足がすくむ。
しかし、奈緒にとっての問題はそれとは別。
「あいつと……かがみと、お、同じ能力……!」
奈緒の初撃を受け、深く切り裂かれた男の左腕。
その傷に、流れ出た血が収束して修復していく。
かつて“不死身の柊かがみ”が奈緒へ見せたものと同じ光景が、そこにあった。
「なぁるほど。かがみちゃんの不死身ってのは、やっぱりあの酒のおかげだったって訳か」
「お前もアイツの手下なの……!?」
「は?」
- 78 :
-
納得した、とばかりに頷く男に、奈緒は半ば確信をもってそう尋ねた。
呆けた声で男がトボける。
(ふざけんなっ、あたしやかがみのことを知ってたクセにっ!)
憤りながらも、奈緒は事態を把握する。
この男も、衝撃のアルベルトやさっきの集団と同じ、かがみの仲間だったのだ。
同じ不死身の力を持っているということは、より彼女に近い手下なのかもしれない。
敵だ。またしても“かがみの味方”で、“奈緒の敵”。
そういえば、この水族館でかがみを敵対視する男女の会話を聞いた。
(あいつらは、生きているのかな……?)
言葉尻からして彼らは間違いなく“かがみの敵”だ。
できれば合流したい。
だが今は、この状況と目の前の敵を、
(どうにかしないと……!)
放送でかがみの名前が呼ばれても、殺し合いの連鎖が止まることはなかった。
恐らく名簿に記された“柊かがみ”も、ただのコピーに過ぎなかったのだろう。
魔女の大元は、まだどこかで生きているのだ。
足の傷から震える左手を放し、身構えた。
「あれ?」
しっかりと立つことができた自分の体に、彼女は違和感を覚える。
恐怖が度を過ぎると痛みを感じにくくなる、とはよく聞く。しかし、足に血が伝う感触は重力に逆らって感じるものなのだろうか?
それに血に触れたり傷を負ったりした両手が肌色を保っていること自体、妙だ。
「あーあ、ナオちゃんまだ気づいていなかったのかよ」
「な、え……?」
男の呆れたような声も耳に入らないまま、奈緒は自分の手を凝視した。
流血する足の傷を押さえていた筈の左手は、エレメントを装備しているだけでこれといって色がついた様子がない。
ひどい怪我を負った筈の右手も、痛みどころか靴痕すら残っていない。
体中を蝕む痛みも綺麗に消えていた。
まさか、と奈緒は左手で先程の傷に触れた。
なにもなかった。傷の痛みも血の熱さも、何かが重力に逆らって足を伝う感触も。
破れたスカートの濡れた感触だけしか手に伝わらない。
「ナオちゃんもさぁ、かがみちゃんと一緒じゃねえか」
足の傷が、綺麗に消えていた。
それだけではない。ぐっしょり濡れて水を滴らせる左腕に、あるはずのものがなかった。
奈緒の頭が真っ白に染まる。
「う……そ……?」
かつて奈緒が与えた傷が倍返しになって襲ってくるという、柊かがみの呪い。
その発動の鍵である黒いリボンが、奈緒の左手から消えていた。
しかし、その傷を受けた痛みも記憶も彼女にはない。
身体に起こった変化といえば……。
(ちょっと待ってよ、これが外れたら死ぬはずなんじゃ……?
――げッ!?)
愕然として生まれた決定的な隙を突かれ、男に距離を詰められる。
慌てて糸を放出しようと腕を上げようとしたが、男が振るった鉄パイプで両腕共弾かれた。
- 79 :
- 間髪入れずに腹に膝が打ち込まれ、前のめりになった瞬間に頭部を強打される。
「ぐ、ぅッ!?」
「……つまり、だ!」
客席の階段部分におもいっきり顎をぶつける。腕を捻り上げられた。
ぐわん、と脳が揺れて目が眩んだ。口の中に広がった血の味。
「俺も、ナオちゃんも、かがみちゃんも! みんな、みーんな、」
しかし、男の口上が耳に入る度にそれは薄まり怪我の痛みも引いていく。
その感覚が、奈緒の視界を絶望という黒に染め上げた。
(……イヤだ、)
一体、何の冗談なのだろう。
パチリ、と頭の中でピースが埋まり、一つの結論が生まれる。
柊かがみは、間違いなく魔女か悪魔の化身だったのだ。
うじゅり、とかがみの傷が治っていく光景が蘇る。血が、肉が、髪の毛が本体に戻っていくあの光景。
奈緒の頭に男の右手が乗せられた。視界が塞がれて、暗くなっていく。
(イヤだ、そんなの、認めない……!)
かがみの血に混じって、ぐずぐずに溶けた自分が取り込まれるビジョンが脳を焼いた。
そう、あのリボンによる呪いは、奈緒をRためのものではなく――。
「同じ“モノ”ってこった」
――奈緒を不死身の柊かがみと同じ体にするためのものだったのだ。
- 80 :
- 2.「外道、あるいは狂人」
B-6。シグナムはラスカルと共に、市街地を歩いていた。
出発前に病院を探索し、包帯やガーゼ、消毒液などの簡単な治療品の調達を済ませた。
その途中である病室からロビーにかけて派手に崩れているのを見つけたが、ラスカルによると病院に訪れた時には既に、ああなっていたらしい。
病室には少年の死体が転がっており、彼はスバルとアルフォンスの手によって霊安室に安置したようだ。
自らに危険が及ぶ可能性もあったというのに、彼らは見ず知らずのシグナムの怪我の処置し、その後も留まって面倒を看ようとしてくれたという。
頭が上がらない。彼らにも、隣を歩くラスカルにも。
『次の放送は6時間後になる。私にまた会いたかったら次の次、12時間後を楽しみにすることだな。
以後の諸君らの健闘を祈る』
『バイニ〜』
シグナムは空に浮かぶ巨大なスクリーンを睨む。
一回目の放送における奴らの醜態はラスカルから聞いてはいたものの……聞いた以上に、酷かった。
(テスタロッサ……? ……いや、別人か)
最後の方で呼ばれた死者はシグナムの知り合いと名前こそ同じとはいえ、姓が違った。
出遭った場が違ったなら、好敵手となりえただろう魔導師ではないだろう。
その名前が、前回の名簿に複数記載されていたことが気になったが……今はそれどころではない。
シグナムはフェイト・T・ハラオウンの名前の横に他の死者と同じく『×』と書き込み、この人物への思考を打ちとめた。
放送を聞き、眉間の皺を増やした彼を見る。
「ラスカル殿、」
『シグの字、これからどこに向かう?
すぐ南は禁止エリアに指定されてしまったが、まだ時間に余裕はあるぞ』
シグナムの声を遮るように、質問をぶつけられた。
何も言うな、とその鋭い目が語っていた。深追いしても無駄だろう、とシグナムは悟る。
「……その前に一つ、聞いてくれないか?」
地面に膝を着け、二足で立つ彼と目線を合わせた。
「ラスカル殿の言うとおり、この先どうするか考えてみたのだが……。
……やはり、私は主はやての下に戻りたいと思う」
ラスカルは渋面を作った。
『しかし、セフィロスとやらは……』
「そうだな。あの者が朽ちた以上、ここでは主の生死は分からないだろう」
自分は一度ならず二度までもはやての思いを裏切り、一度命を失った。
死体と化した己はどういう因果か蘇り、主の先を託した男も同じゲームに呼ばれ……死んだ。
「ならば、確かめに行けばいい。
プレシア主催の殺し合いから脱出できたのか、それとも未だゲームが続いているのかを」
もしも、もしもはやてが無事ならば……今度こそ彼女の力になりたい。
不甲斐無い従者でおまけに死人の身ではあるが、それでも主を護るための機会が巡ってきたのだ。
シグナムはそれを無駄にすることなど、できなかった。
「スバル・ナカジマとアルフォンス・エルリック。彼らに協力して、ここから抜け出す道を探る」
そして、この場にいるシグナムは、殺戮の道を辿り主の下へ行くことを選択できない。
八神はやてを生き残らせるべくゲームに乗り……その所業を他でもない本人から涙ながらに叱責された彼女には。
悔しいが、あの冷徹で恐ろしく強靭な天使は、道を見失った己よりも主のことを理解していたのだろう、とシグナムは思う。
でなければ剣を交えたあの時、自分を諭すような言葉を放つ意味がない。
- 81 :
- 彼がその領域に行き着くまでの経緯は、今も全く想像できていないが。
『……そうか』
ラスカルはそこまで聞いて、納得したように頷いた。
シグナムは水族館で彼が柊かがみの情報と共に、零した内容を思い出す。
思わず口から出たように気の抜けた感想だった。
『 あいつの回りはどこか抜けた空気が満ちていた。笑える奴は強い。特にこんな殺し合いではな。
奴ならば、俺がいなくなった後も、きっと……』
そこで言葉を濁して、誤魔化すように彼はかがみについての詳細を語り始めた。
シグナムは思う。
(もしかしたら、私はラスカル殿の主の意向に応えたいのかもしれないな……)
こんな答えを自分が出したのは、セフィロスやはやてだけが要因ではないことを。
そう考えていると、ラスカルが前方を見て声を上げた。
『シグの字、参加者だ』
釣られて顔を向けると、覚束ない足取りで駆ける赤い髪の少女が見えた。
二人はそちらに向かった。
「ち、……近づくな!」
こちらに気づいた少女は素早く身構える。
「待て、我らはゲームに乗っていない!」
『何があった?』
「――ぁ……」
シグナムとラスカルの声を聞いて、少女は小さく呟いた。
一人と一匹を交互に見ながら、引きつった声で彼女は言う。
「もう、一度」
「……なに?」
「もう一度、喋ってくれない……?」
少女の手甲を構えた腕は震えていた。目からはぽろぽろと涙を零していた。
彼女を、これ以上混乱させてはまずいとシグナムは直感する。
(しかし、何と言えばいいのか……)
『……そうだ、自己紹介を忘れていたな、シグの字』
「! あ、ああ、申し遅れた。
私はシグナム。もう一度言うが、このゲームに乗っていない」
『その支給品、ラスカルだ』
二人の言葉を……いや、声を聞いた少女は安堵の表情を浮かべた。
心の底からホッとしたような笑みだった。
「良、かった……」
そう呟いて、彼女は糸が切れた人形のように崩れ落ちた。
地面に衝突する前に、シグナムはその体を抱きとめる。
『怪我か?』
「いや、外傷も毒を服用した形跡もない。だが……」
冷え切った体はまるで濡鼠だ。少女を抱えるシグナムのコートにまで水が染みる。
- 82 :
-
「このままでは体調を崩しかねん。どこかで休ませて、詳しい事情を聞こう。
私達のことを知っているようだったが……ラスカル殿、この子に見覚えは?」
『ないな。やる夫のクラスメイトなら、俺のことを聞いた可能性もあるが……。
シグの字も、会ったことはないのだな?』
「……ああ」
『それで、どこに行く? 病院に戻るか?』
「いや、この子の変えの衣服さえ手に入れば、この辺りで構わないだろう」
少女を抱え上げながら、ふと、シグナムはこの会場にいる幼い魔導師を思い出す。
心の芯も正義感も強い彼女は、既にこの殺し合いの打破に向けて行動しているのだろう。
同時に、気を失う前に見た高町なのはとどこか似た少女の顔が浮かぶ。
―― シグナム副隊長! ――
その言葉が、未だ魚の小骨のようにシグナムの中に引っかかっていた。
- 83 :
- 3.「一般人? それとも悪女?」
「……ぶはっ! がッ、ゴホッ! ゼェ……糞っ、またかよ」
水族館側の水辺。海から這い出てきたラッド・ルッソは荒く息を吐く。
まさか、一日に二度も水落ちするハメになるとは。
「にしても、どうなってやがんだ……?」
破けた袖に覆われた右腕を眺めた。
不死者の殺害条件――右手を相手の頭に乗せ『喰いたい』と願う。
奈緒を相手に、その条件を満たしたはずだが……何も起こらなかった。
呆気に取られてから数秒後、奈緒の手から無理やり関節外す音を聞き、身を転がしたところで恐慌さが増した彼女に右手を斬られた。
その後、錯乱し再度無差別攻撃を繰り出す奈緒を見て、ラッドは思った、「面倒だ」と。
攻撃の狙いはデタラメ、トリッキーな動きが強みであろう鋼線を用いているにも関わらず、軌道は全て直線的。
瓦礫が撒かれようが、その攻撃を避けるのは容易だった。
だが、それを掻い潜ってから不死者である彼女をRのは手間がかかる。
水責めの合間に、色々と引きちぎったり石やガラス片で刻んだり、鼻骨をへし折ったりしてみたが、奈緒は死ななかった。
頚動脈を抉っても傷口が修復されていった時は、思わず感嘆の声を上げた程だ。
その不死者を、簡単に仕留められる手段は潰れた。
沈黙させて禁止エリアに放り込めばいいのだろうが、奈緒が追撃を仕掛けているのは壊れかけの舞台。
長居は無用、と放置し撤退しようとした時だった。
半壊したショープールとステージの強度が限界に達したらしく、海に面していた側が完全に崩壊。ラッド自身も海に転落した。
瓦礫の大部分が先に落下していった為、海の底で埋もれなかっただけマシか。
そして、水を吸い錘と化したコートは海中に棄て、ここに泳ぎ着いた訳である。
周りを見渡す。
どうやらここは、水族館の半地下にあたる場所らしい。職員用の出入り口が近くにあった。
波打ち際の岩の上に、派手な色彩の厚紙が打ち上げられているのを見つけた。
「『強……、装……』? チッ、ロクに読めやしねえ」
ラッドが手にしたそれは、支給品・DMカード(強制脱出装置)@ニコロワ。
ゲーム開始直後に6/氏(神)が海で紛失した後、会場のループを経由し、ここに打ち上げられていたものである。
ラッドがそれを知るはずもない。
だが、用途の知れない拾い物がトンでもない代物である場合が存在することは、よぉく身に染みていた。
ゴミかと疑いつつも、念のためデイパックにそれを仕舞う。
入れ替わりに取り出したのは黒いリボン。
奈緒がプールでもがいている内に解け、目についたのでなんとなしに回収したものだ。
なんの変哲もない、ただの布切れ。
そういえば、前回のゲームで遭遇した時も奈緒はこのリボンを手首に巻いていた。
「こいつが、そんなに大切なお守りだったんかねえ」
左腕を見た奈緒の愕然としていた様子と、その後の狂乱っぷりを思い出す。
彼女が語った情報についても。
「さてさて、どうしようか? こうなると、かがみちゃんから話を聞いた方がいいのかねぇ?」
6/氏(かがみ)というややこしい名前の参加者は死んだらしいが、本人は生きている。
百貨店で遭遇したかがみは自分を知っていたようだが、その態度は“不死身の柊かがみ”とは乖離していた。
ラッドはこの島と螺旋王の実験場以外で、彼女に会った覚えは全くない。
では、あのかがみらしき人物は一体なんだったのか?
死に際の記憶が消失していただけのシンヤはともかく、彼女に対する疑問はラッドの中で燻り続けていた。
だからこそ、かがみが不死者であることを語った奈緒から、強引に情報を吐かせたのである。
結果、残ったのは更なる疑問だ。
奈緒の話通りならば、柊かがみはとんだフリークス兼主催側のボスということになる。
- 84 :
-
職員用の通路を辿り、ショープールへ戻る。案の定、奈緒の姿は消えていた。
床に残った水滴を追えば、彼女の足取りは掴めるだろう。
そう考えながらも、ラッドはかがみについての思考を続ける。
百貨店で見たかがみは、つかさとかいう連れを庇っていた。
狡猾な魔女とやらが、自らを犠牲にしようとするか?
そういえば抜群のタイミングで邪魔が入ったが、かがみはそれを予測していたのか?
じゃあシンヤと緑髪の女はかがみの仲間? かがみの下僕?
いやねえよそれはない。あのブラコン野郎がラダムとかいう宇宙人以外の何かを信奉する訳も意味も理由もない。
では“柊かがみ”とは一体なんだ? ただの一般人か? 狡猾な悪女か? 化け物か? 人か?
かがみはかがみをかがみががかがみがかがみをかみがかがみん参加者をかがみが主催かが……………………。
「ああああああぁあああ! 面倒臭ぇっ! 考えてもしかたねえ、本人から聞きだしゃいいだけだ。
んで、R! 悪魔だろうが戦闘狂だろうが化け物だろうが、Rば全てきれいさっぱり片付く!
ぁあ!? Rばまたバトロワに巻き込まれるってか!? じゃあまたぶっR!!
よし、決まりだ決まり!」
ラッドは苛立ちに任せてまくし立てる。
訳が分からずイラつくことはもう一つあった。
奈緒が語った、前回のバトロワについての情報だ。奈緒は螺旋王の実験場にいた。これは確実だ。聞き出した。
しかし、同じ場所にいた筈の奈緒とラッドの記憶には齟齬が多すぎた。
奈緒は“金ぴか”ことギルガメッシュが、かがみに殺されたと言ったのだ。
元が金色だろうが黒色だろうが、色も原型も分からなくなる程に磨り潰してやろうと思っていたあれは、正真正銘のバケモノだった。
ラッド自身、彼の殺害がほぼ不可能と直感していた程である。あの時は死んでもRつもりだったが。
それを、柊かがみが殺した?
多少修羅場を潜った様子はあったが、柊かがみの纏う空気はどう見ても素人だった。
いくら慢心しまくりの相手とはいえ、素人が果たしてギルガメッシュを殺せるだろうか。
それに、果たしてかがみはいつ殺害を敢行し、奈緒はいつそれを知ったのか。
螺旋王の管轄内、映画館での戦闘。
そこで奈緒とギルガメッシュが共にいたことは知っている。
だがその後、再度遭遇した時の奈緒にギルガメッシュの死を知った様子は見られなかった。
夢でも見てたんじゃねえの? と思わず聞いたが、奈緒はこの言葉を覆そうとはしなかった。
ここは死んだ人間ばかりを集めた闘技場と思っていたが、どうにもおかしい。
その情報と『相手を喰うことでその記憶と知識、経験を自らのものにできる』という支給品の説明書に気を取られ、過剰な程に水責めを行ってしまった。
悪手を打ってしまった、と今更ながら後悔する。
おまけにその方法にも踏み切ることができないまま、放送を迎えてしまったとは間抜けなこと極まりない。
(ああ糞、意味が分からねえ…………ん?)
崩落したステージから戻る途中、事務室と書かれた扉が開いているのにラッドは気づく。
部屋の中で、『録音再生』と記された電話機のボタンが赤い光を撒いていた。
問.「柊かがみは何者か」
時刻は日中。
彼らがその回答の一つを知るまで、あと――。
- 85 :
-
【B-6/1日目-日中】
【結城奈緒@アニ2】
[状態]:不死者、気絶、疲労(大)、精神疲労(大)、柊かがみ症候群、ずぶ濡れ
[装備]:なし(エレメントは引っ込んでいます)
[持物]:なし
[方針/目的]
基本方針:柊かがみを滅して、この殺し合いを終わらせ、元の世界へ帰る。
0:……。
1:不死能力を消したい。
[備考]
※登場時期は、212話「その少女、ゼロのリスタート」の直後です。
※柊かがみが全ての元凶であり、魔女である彼女を滅すれば殺し合いは無くなると思い込んでいます。
※衝撃のアルベルト、スーツ姿の外人(ラッド)は柊かがみの手下だと思い込んでいます。
※爆弾、こなた、6/氏、ウッカリデスを柊かがみの手下だと疑っています。
※不死者になったと気づきましたが、柊かがみが呪いをかけた結果によるものと思い込んでいます。
※奈緒が聞いた第二回放送の「かがみ」の名前は、6/氏(「かがみ」)のものです。またそれ以外の内容を把握していません。
【シグナム@なのはロワ】
[状態]:疲労(小)、ダメージ(小)
[装備]:ラスカル@やる夫ロワ
[持物]:支給品一式(食料少し減)、治療道具(外傷用)@現地調達、不明支給品0〜2(確認済み・少なくとも刀剣類はない)
[方針/目的]
基本方針:プレシア主催のゲーム会場へ戻り、はやての安否を確かめる。
1:情報収集。赤毛の少女(奈緒)を保護、話を聞きたい。
2:柊かがみに激しい警戒。
3:21時に豪華客船でアル、スバルの両名と合流する。
4:できればラスカルを主(やる夫)に会わせてやりたい。
5:出来れば眼帯の男と戦いたい。
[備考]
※第一放送を聞き逃しましたが、ラスカルから内容を把握しました。
※主はやて(@なのはロワ)の安否が確認できないと理解しました。
【ラスカル@やる夫ロワ】
[状態]:健康
[方針/目的]
基本方針:シグナムの行く末を見守る。
1:赤毛の少女(奈緒)を保護、話を聞きたい。
2:21時に豪華客船でアル、スバルの両名と合流する。
[備考]
※シグナムの心が安定していないことを理解しています。
※パラレルワールドについて理解しました。
※スバル・ナカジマ、アルフォンス・エルリック、衝撃のアルベルト、以上三名と情報交換をしています。
※ですが、スバルの世界についてはシグナムには話していません。
【治療道具(外傷用)@現地調達】
B-6病院よりシグナムが調達した。医療施設の定番調達品。
素人でもなんとか使えそうな道具類。
- 86 :
-
【C-7/水族館・事務室/1日目-日中】
【ラッド・ルッソ@アニ2】
[状態]:不死者(不完全)、ずぶ濡れ
[装備]:黒いスーツ(損傷(小))
[持物]:デイパック、基本支給品一式、結城奈緒のデイパック(基本支給品一式(食料ほぼなし))、DMカード(強制脱出装置)@ニコロワ(2日目深夜まで使用不可)、
:黒いリボン@アニ2、テッカマンエビルのクリスタル@アニ2、不死の酒の空瓶@アニ2
[方針/行動]
基本方針:参加者を皆殺しにして優勝。そして主催者達も皆殺しにする。
1:奈緒を追う? 他の参加者を探す?
2:あの変態野郎(阿部)を探し出して、完膚なきまでにR。
3:武器をどこかから調達する。
4:かがみから奈緒の情報の真偽を聞き出す。そしてR。
5:死にたがってる奴は殺してやる。死にたがってない奴も漏れなくR。
[備考]
※238話「ディナータイムの時間だよ(食前)」の、死亡前から参加。
※自分が不死者化していることに気づきました。
※他の不死者を『喰う』ことができないことに気づきました。その原因を分かっていません。
※遊城十代の遺体はB-6病院内、霊安室に安置されています。
- 87 :
- 投下完了です。
時系列は123話(三村とアルフォンスの放送)より前を想定しています。
誤字脱字や矛盾点、問題点などがあれば指摘願います。
- 88 :
- 乙でしたー
またしても散々な目に遭った奈緒ちゃんだけど、対主催に落ち着いたシグナムに拾われたならしばらくは大丈夫かな
ラッドさんはまだまだ暴れてくれそうだ
- 89 :
- 投下乙!!
そう言えばこの三人全員かがみ関係者だw
しかしシグナム姉さん初の対主催か、熱くなるぜ。
と一つだけ、第二回放送でやる夫の名前が呼ばれているはずなので
状態表の 4:できればラスカルを主(やる夫)に会わせてやりたい。
はとっても大丈夫だと思います。
- 90 :
- 今回の3人はかがみの被害者だよね。シグナムとラッドは直接殺されてるし。
かがみの情報に引っ掻き回される様が伝わっているのが感じました。かがみん、お前は本当に罪な女だぜ。
COOLの放送を聞いたらどうなるんだろうね。
これからが楽しみで仕方ないです。乙!
- 91 :
- 感想ありがとうございます
>>89
あちゃあ、変更しそこねてました
wiki収録時に変えておきます
あとお尋ねしたいのですが、既にwiki収録済みのSSを修正したい場合、
修正SSと修正箇所をこちらのスレで報告しても大丈夫でしょうか?
- 92 :
- 自分はいいと思いますよー
- 93 :
- WIKI編集と共に、状態表と誤字等の修正をしました。お騒がせしました。
>>92
ではお言葉に甘えて。
126話『予定通りの非日常』の、
「トイレに入る前に北の方で何かが墜落していくのが見えたし」←この部分を削除しました。
些細な箇所ではありますが、時間経過がおかしかったので修正しました。
他、AAを調節しました。
- 94 :
- 過疎ってんな
- 95 :
- でも時々、投下来てるぞ
- 96 :
- 雑談するにも話題がないしねえ。
ネタふりしても反応なさそうだし。
実際、ここでまだ書いてくれる書き手さんっているのかね。
稼動初期のメンバーのほとんどが旅立っちまったし。
- 97 :
- 今日はここでロワ語やるようです
パロロワ企画交流雑談所・毒吐きスレ7
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/8882/1294453193/
- 98 :
- 予約来てるな…。
しかし、距離的に離れてるが一体どうなる?
ま、とりあえず全裸になるぜ
- 99 :
- おや、本当に来てるぞ
- 100 :
- 勝手な延長、申し訳ありませんでした。
投下します。
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