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短編小説書いたから読んでって


1 :2013/12/21 〜 最終レス :2018/10/17
どうぞ見ていって

私が立ち寄った町に一人ぼっちのお婆さんがいた。
 一人ぼっち、ただ一匹の柴犬がいるだけである。腰は少し曲がっていて、当然のごとく白髪頭であった。それも少しだけ黒髪が混じっている。顔はしみと皺で埋め尽くされていて、唇はかつての色、艶を失い、薄黒い肌と同じようであった。
お婆さんは旅人である私に、寝るところと料理を提供してくれた。お婆さん曰く、今日は都会に二人いる息子が里帰りしてくるという。今日で八十なのよ、とお婆さんは笑った。
 それはめでたいことですね、と私は素直に言い、家族の団欒を邪魔してはいけないな、とここを立ち去ろうとしたが、お婆さんは私を引き留めた。なら、と私は言った。
「私は与えられた部屋で大人しくしています。お婆さんは御気になさらないでください」
 お婆さんは私の意志が固いのを知ると、わかりましたよ、と仕方なさげに言った。二階にある部屋に上がろうとするとき、お婆さんは、ちゃぶ台に置き切れないほどの料理を用意して息子たちを待っていた。

2 :
 二階の部屋からは海が見えた。日中は呆れるほど元気だった太陽も、夕暮れには遊び疲れた子供よろしくただゆっくりと海へ帰って行った。
外が暗くなっても来訪者はなかった。私は気になって下へ降り、お婆さんに、
「息子さんたちはどうしたんです?」
と問いかけた。
「まだ来ません。仕事が忙しいのでしょう」
とお婆さんは答えた。長男は医者、次男は弁護士になっているという。それを聞いて、へえ、と私は目を丸くした。
「相当教育熱心でいらっしゃったんですか?」
「いえいえ」

お婆さんは笑って否定をした。

3 :
「私は何も言っておりません。息子たちが自分でしたことなんです。ただお金には苦労しました。私と主人でせっせと稼ぎ、ようやく二人を大学へ入れさせることができました。主人は次男を大学に入れた頃死にました」
そうですか、と私は呟いたが、聞こえなかったかもしれない。
 どうぞ主人の仏壇に拝んでください、とお婆さんが言うので、私はそのようにした。

4 :
お婆さんの旦那はまだ若かった。ちょうど今の息子たちと同じくらいだろうか。顔はごつごつとして筋肉質だった。遺影の中には納まりきらない生の面影を私は感じた。まるで遺影の向こうで、まだ死んだことを信じられていないような気がした。
「息子さんたちのところへ行かないのは、思い出があるからですか?」
と私は聞きたかったが、やめた。私はそこまで踏み込む人間ではない。
 息子たちはまだ来ない。
 電話が鳴った。瞬間、お婆さんの顔の皺が深まった。お婆さんは嬉しそうに受話器を取るが、話しているうちに顔色が変わった。受話器を置く音が、私とお婆さんしかいない家の隅々にまで響いた。

5 :
ちょっと指摘していい?

6 :
「一郎は来られないと……」
お婆さんはわざわざ私に言った。だったらもっと早く電話をしてやればいいのに、と私は思った。ここまで来るのに時間がかかるから、来られないことは随分前に分かっていたのに。それをしないのは罪悪感からだろうか。
 再び電話が鳴る。私は嫌な予感がした。お婆さんは最後の願いを叶えるように、受話器に飛びつくようにした。そしてまた顔色が変わる。私はここから逃げ出したくなった。
「次郎も来られんそうです……」
「そうですか」

7 :
だからさ、駄文書く前に指摘させてもらっていい?
>>1だけ読んだものだけども

8 :
どうぞどうぞ

私はお婆さんの顔が見られなかった。私は今すぐ息子たちを殴りたくなった。このお婆さんには後ろを振り返ることしか楽しみがないということを、彼らはわかっていないのだ。そしてようやく自分が老いた時に悟ったりする。絶望的な愚かさだ、と私は思った。
「料理も無駄になりますから、食べていってください」
私は遠慮なく食べることにした。せめて私が息子たちの代わりにならなければいけない、と私は妙な使命感に駆られた。息子たちの分を食べるのは難しかった。結局全部は食べられなかったが、お婆さんは喜んでくれた。

9 :
私が立ち寄った町に一人ぼっちのお婆さんがいた。
 一人ぼっち、ただ一匹の柴犬がいるだけである。
→ 一匹の柴犬がいるんだったら、一人ぼっちじゃないじゃん

腰は少し曲がっていて、当然のごとく白髪頭であった。それも少しだけ黒髪が混じっている。
→当然のごとく白髪頭と言っておきながら黒髪が混じっている?
だったら、
「腰は曲がっていて、少しだけ黒髪が混じった白髪頭だった」と表現して
少し、少しと同じ表現ばかり使わないで

10 :
「あなたの食べっぷりを見ていると、息子たちがまだ小さかったことを思い出します」
「そうですか。……それは良かった」

私はお婆さんの話を聞いた。息子たちが小さかった頃の話をお婆さんはよく覚えていた。私の頭の中で、お婆さんの息子たちは若い姿で動き回っていた。
そう、いくら前を向こうとしても無駄なのだ。振り返ることには麻薬的な楽しみがある。しかも老いが訪れた頭は新たに思い出の改ざんという素晴らしい機能を備える。
 夜の海は月の光に照らされている。風が強く吹き、海に映るやけに長くなった月の姿を、遠くからわかるほど歪ませた。

11 :
なるほど確かに
腰は少し曲がっていて、白髪頭に黒いものがぽつぽつと混じっている。
と、こういう感じにすればいいのかな

 その翌日、私がお礼を言って立ち去ろうとしたとき、お婆さんはもう一日泊まって行って欲しいと言った。別に急ぐ旅でなかったし、何より私が立ち去るとき、お婆さんがまた悲しい顔をするのではないかと不安だったので、私はそのようにした。
 老犬と戯れながら、私はお婆さんの話を聞いた。食事は昨日食べ残した物を食べた。お婆さんは新しく作るからと言ってくれたが、私が強く求めたのだった。
 日が暮れたとき、お婆さんは言った。

12 :
「私はじきに死ぬでしょう」
そうですか、と私は言った。意外な気はしなかった。年老いた人は自然に悟るものなのだろうと私は常に思っていた。
 私は大変良くしてもらったから、どこの墓に入るつもりかと聞いた。おかしな質問だと自分でも思った。それでも、
「毎年とは言わなくても、時々あなたを訪れたいのです。息子たちは来なくとも、私は線香をあげたい」
とお婆さんの皺に埋もれた目を見て言った。
「それは嬉しいことです」
お婆さんは笑った。黄ばんだ歯が、くたびれた唇の隙間から覗いた。

13 :
>>11
まあその方が前の文より違和感はないかな

14 :
「でも線香はいりません。私は海に骨を撒いてもらうつもりです」
そうですか、と私は言った。それなら都合がいい、と私は何か嬉しくなった。海が見えればいつでも拝むことができる。海はどこでも繋がっているのだ。お婆さんも海なら窮屈しないでいいだろう。
「私の主人は海で死にましたから、再び会えることができるでしょう」
お婆さんが言うには、お婆さんの主人は漁師で、嵐に巻き込まれ、船が転覆して死んだという。それを聞いて私はあの生の躍動の訳を理解した。

15 :
非常にためになる指摘だった
ありがとう

「それでも一つだけ気がかりなのです。……こんなお婆さんになった私を、まだ若い主人は愛してくれるでしょうか?」
「愛してくれるでしょう。海に漂うのは肉体ではありませんよ。ただ魂です。そして魂には老いなんてありません」
「そうですか、魂ですか」
「ええ、魂です」
私はうん、とうなづいて見せる。お婆さんは、
「あなたは優しい人ですね」
と私に言った。

16 :
日中に戯れた老柴犬が家に入ってきた。実にゆっくりとした動きだった。お婆さんはサブローと呼んでいる。
「サブローはどうするんです?」
と、私が聞くと、
「これはとても運が悪い犬です。私なんぞに飼われて、今までいい思いをしなかったでしょう。それで私も死んだらすっかり野良になるわけですから、今日、殺してしまおうと思います」

17 :
そうですか、と私は小さく言った。お婆さんはじっとサブローを見下ろしている。
 サブローはとても億劫そうにくうんと鳴いた。尻尾は垂れたまま、舌は出したまま、毛も惨めにのびていた。……サブローの体には哀れな影がこれでもかというほど生まれていた。確かに死んだ方がいいかもしれない、と私は思った。野良になっても、すぐに死んでしまうだろう。
「どのようにRのですか?」
私は聞いた。お婆さんは農薬を混ぜた餌をやるのだ、と言った。

18 :
まだ指摘しまくっていい?

19 :
 そうしてお婆さんは夕食と、サブローに与える餌を用意した。
サブローの前に餌皿を置くと、サブローはぷいっとそっぽを向いて、老犬が出せるだけの俊敏さを発揮して薄暗い夜の中へ逃げ出した。いくら老いたと言っても、さすがに異物の匂いを感じ取ったのだ。
サブローはまだ生に執着しているのか、と私は意外に思った。
 お婆さんは、ごめんなあ、ごめんなあ、と呟き続けた。その後の夕食はとても静かに始まり、とても静かに終わった。

20 :
どうぞどうぞ

私は布団に入って考えた。お婆さんが明日死ぬのとしたら、息子たちが看取ったのだろう。それを考えると何かやるせない気持ちになった。
お婆さんは私のような旅の者に看取られるのだ。何も知らない者に。きっと私はこの家の息子たちの思い出を、知らず知らずのうちに踏みにじっているのだろう。
 突然、私はサブローの鳴き声を聞いたような気がした。
私は夢で農薬入りの餌をお婆さんが食べる夢を見た。汗が脇から流れ落ちるような現実味がその夢にはあった。

21 :
 朝、ぼんやりと天井の木目を眺めながら、お婆さんはどうしただろうと思った。私は下へ降り、お婆さんを呼んだ。しかし答える声はなかった。
 お婆さんが寝ている部屋の襖をゆっくりと開けた。朝日が遠慮なく差すその部屋で、お婆さんは真っ直ぐ布団に入っていた。いつ目が開いてもおかしくない、と私は妙な緊張を覚えた。

22 :
>>1
二次創作総合スレ
http://engawa.2ch.sc/test/read.cgi/mitemite/1282482997/
他に行き場所の無い作品を投稿するスレ4
http://engawa.2ch.sc/test/read.cgi/mitemite/1322313024/
【新ジャンル】「台詞系SS総合スレ」( ^ω^)
http://engawa.2ch.sc/test/read.cgi/mitemite/1280803360/
創作発表板はVIPと違い、放っておいてもスレが落ちません
新ジャンルなど台詞系の単発スレを立てるときは、
そのスレを>>1000か容量いっぱいまで投下する心づもりで
単発SSなら↓の板おすすめ
SS速報VIP
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/index.html

23 :
「おはようございます」
と小さく呼びかけるように言った。起きないので次は大きめに言った。それでもお婆さんは起きなかった。ある種の美しさを保ったまま布団に入っていた。片頬が朝日で白く浮かんでいる。かつてはこうだったのかもしれない、と私はぼんやり思った。
 お婆さんは死んでいた。老衰だったという。お婆さんと最後に接しているということ、この土地の者でないということから私は事情を話すことになり、半日以上足止めを食らった。
話し終えた後、私は息子さんたちに知らせてあげてください、と役場の男性職員に言った。彼はその場で息子たちに電話を掛けた。
彼らは非常に悔やんでいました、と彼は電話を終えた後、私に向かって言った。

24 :
 さて次の町に行こうとして、私の足は町の漁港で止まった。じっと目を凝らせば、お婆さんとその旦那の影が見えるような気がした。
 私が随分とそうしているものだから、訝しんだ一人の若い漁師がこちらへ来て、どうしたんですか? と聞いてきた。
「いえ、なんでもありません」
そう答えた後、お婆さんのことが気になって、
「あそこの家のお婆さんが亡くなったのはご存じですか?」
と聞いた。若い漁師はそうなんですか? 知らなかったです、と声を落とした。

25 :
「そういえば」
と漁師は海の方を見て言った。
「昨日の夜に犬みたいなものが、ぎゃんぎゃん鳴きながら、海に入って行ったんです。その時僕はここで残って作業をしていたんですけど、本当に突然。気味が悪くなってすぐに帰りました」

26 :
普段ならば、低俗なオカルトだ、と一蹴するところだったが、私はすぐにサブローだと思った。やはり昨夜の鳴き声はサブローだった。
 若い漁師はそれだけ話し終えると、では、と言って立ち去った。私は、

「どうか親孝行してください」
と彼の背中に声を掛け、彼はそれに笑顔で応えた。
 サブロー、と私は海へ問いかけた。お婆さんはもうじき来るだろう。それまで待っているんだ、と。
 そして目をつぶると、闇の中を駆け回るサブローの姿が目に浮かんだ。

27 :
とりあえず終了です
にしても人が来ないな

28 :
えーとまず句読点多すぎて読みづらいし推敲が全くできていない

29 :
まず>>2から指摘していく
それを参考にして客観的な文章にしてくれるとありがたい

30 :
今読んでみたけど確かに句読点は多いな
やっぱり多いと読みづらいよね
推敲はすまない投下してて確かにどうかなと思うところがいくつかあった

31 :
今日は都会に二人いる息子が里帰りしてくるという。今日で八十なのよ、とお婆さんは笑った。
→今日で八十なのよ、とお婆さんは笑った。
ここは、『今日で八十なのよ、とお婆さんは笑って言った』
と「言った」という言葉がないと不自然。

それはめでたいことですね、と私は素直に言い、家族の団欒を邪魔してはいけないな、とここを立ち去ろうとしたが、お婆さんは私を引き留めた。
→ここ句読点おおすぎ。
「それはめでたいことですね」と私は言った。
そして家族の団欒を邪魔してはいけないな、と思いここを立ち去ろうとしたがお婆さんは私を引き留めた。
にしたほうが無難

32 :
続き
なら、と私は言った。
「私は与えられた部屋で大人しくしています。お婆さんは御気になさらないでください」
 お婆さんは私の意志が固いのを知ると、わかりましたよ、と仕方なさげに言った。
二階にある部屋に上がろうとするとき、お婆さんは、ちゃぶ台に置き切れないほどの料理を用意して息子たちを待っていた。

なら、と私は言った。 ←もうここでダメ

それなら、と私は
「与えられた部屋で大人しくしています。お婆さんは御気になさらないでください」
 お婆さんは私の意志が固いのを知ると
「わかりましたよ」
 と仕方なさげに頷いた。二階にある部屋に上がろうとするとき、お婆さんはちゃぶ台に置き切れないほどの料理を用意して息子たちを待っていた。

にしたほうが無難

33 :
句読点が多くなる原因は、台詞を地の文で表現しているからに思われる
>>2では「」を多用したり、そうかと思えば>>3では地の文で台詞を多用したり
多用っていっても一度、二度くらいだけれども、なんか統一感がないし語彙が少ないから表現が画一的になっている
笑った――とか
もっと類義語辞典でも使って他の言葉を使ってください

34 :
>>4
「息子さんたちのところへ行かないのは、思い出があるからですか?」
と私は聞きたかったが、やめた。
これこそ地の文で表現すべき

 息子さんたちのところへ行かないのは、思い出があるからですか?
と私は聞きたかったが、やめた。

35 :
>>31 >>32
確かにそうだな客観的な指摘が入ると
俺の文章の甘さがよくわかる
『わかりましたよ』のところ鍵括弧必要なのか?
それとも前のところに『言った』があるから
『頷いた』にして重複を避けるため?

36 :
どうでもいいが立てたら最後までスレ使い切れよお前ら

37 :
なんかもう疲れてきたよ
>>4
電話が鳴った。瞬間、お婆さんの顔の皺が深まった。
お婆さんは嬉しそうに受話器を取るが、話しているうちに顔色が変わった。
受話器を置く音が、私とお婆さんしかいない家の隅々にまで響いた。
電話が鳴った。瞬間、お婆さんの顔の皺が深まった。
→おかしすぎ。
『電話が鳴った瞬間、お婆さんの顔の皴が一層深まった』
って表現した方がいい。もしくは
『電話が鳴った。その瞬間、お婆さんの顔の皴が一層深まった』

受話器を置く音が、私とお婆さんしかいない家の隅々にまで響いた。
→音読していて後半部分のリズムが悪すぎ
『受話器を置く音が、家の隅々にまで響いた』
私とお婆さんしかいないのは前の文章から明らかなんだからわざわざ書く必要はない

38 :
>>33
確かに語彙は少ないな
もっと勉強しないと
>>34
俺はなんで心情に鍵括弧をつけたのか
指摘ありがとう

39 :
>>35
別に地の文でもいいけどそうすると
 お婆さんは私の意志が固いのを知ると、わかりましたよ、と仕方なさげに言った。
わかりましたよ が句読点に囲まれていてやっぱり印象が悪い。
頷いた にしたのは言った―言った―ってなってるから重複を避けるというのもあるし、
頷いたの方がなんかおばあさんっぽい。

40 :
とりあえずもう面倒くさいから
自分が全て推敲したのを載せていくわ
それを見て何か察してくれ

41 :
>>39
なるほど
>>40 
こんなつまんないへたくそな文章にそこまでしてくれるなんて
ありがとう

42 :
そして推敲して完成した文を書いていくから、
それで自分の文章のどこが悪かったのかを確認していってくれ
そして疑問や不満がある点、なぜそんな文章に直したのか
というのがあれば構わずに質問レスしてくれ
では書いてく

43 :
ありがとうじゃねえ。お前バカにされてんだ。
内容じゃなくただの文章の添削だけだろ。そんなもんは勝手に身につくどうでもいい部分だ。
大事なのはそんなところじゃねーんだよ。下手くそでも読ませてくるもんはたくさんある。

44 :
>>43
じゃあ君はこの文章を読んでどう思ったのかね?

45 :
じゃあ君はこの文章を読んでどう思ったのかね?
→ではあなたはこの文章を読んでどう思ったのでしょうか?よろしければお聞かせください。

46 :
いちお>>1推敲してみた
私が立ち寄った町に一人のお婆さんと一匹の柴犬がいた。
 お婆さんの腰は少し曲がっていて、白髪頭にぽつぽつと黒髪が混じっていた。顔はしみと皺で埋め尽くされている。唇はかつての色と艶を失い、薄黒い肌と同じようであった。
 お婆さんは旅人である私に寝るところと料理を提供してくれた。お婆さん曰く、今日は都会に二人いる息子が里帰りしてくるという。今日で八十なのよ、とお婆さんは笑って言った。
 「めでたいことですね」
私はそう言葉を返し、家族の団欒を邪魔してはいけないな、と思った。なのでここを立ち去ろうとしたがお婆さんは私を引き留めた。
いくら遠慮をしてもお婆さんが食い下がらないので、
それなら、と私は
「与えられた部屋で大人しくしています。お婆さんは御気になさらないでください」
と言った。
 お婆さんは私の意志が固いのを知ると、わかりましたよ、と仕方なさげに頷いた。二階にある部屋に上がろうとするとき、お婆さんはちゃぶ台に置き切れないほどの料理を用意して息子たちを待っていた。

47 :
>>45
まだ途中までしか読んでない

48 :
>>2はこのままでいいかな

49 :
やっと二本目書き終わった
投下します

50 :
やっと二本目書き終わった
投下します

 僕は老夫婦が経営する古本屋へ入って行った。
 すぐにレジの後ろで雑誌を読んでいるお爺さんが、
「いらっしゃい」
と僕に声を掛けてきたので、僕は頭を軽く下げた。
お爺さん足元には小型の電気ストーブが可動している。出入り口の下の方に隙間ができていて、そこからの風が寒いのだろう。

51 :
店内には本棚が多く、お爺さんが座っている場所から死角になる場所があった。しかしそこには随分と日に焼けた昔の小説や、
遥か昔に出版され、既に絶版になった詩集などがあるだけだった。もし盗難にあってもほとんど痛手を負わないのだろうと僕は思った。
 きっとお爺さんの監視下にあるのは貴重な古書なのだ。僕には価値がわからなかったが、それらは手に取りがたい威光を放っているように感じた。しかし埃っぽく、古びた店内でその威光はただ滑稽なだけだった。

52 :
店には文房具もあった。しかし古本屋に文房具目的で来る客がいないのか少し前の商品が積み上がっている。近くには同じような物を売っているスーパーマーケットや
ホームセンターがあるので当然のことなのだろう。
 僕は文房具売り場の近くの本棚に移動し、そこに収まっていた古書を開いた。古書特有の匂いに僕は思わず顔をしかめる。その後、僕は注意をお爺さんに向けた。

53 :
お爺さんはうつらうつらとうたた寝をしていた。今日はほとんど無風で、隙間風の寒さよりも小型ストーブの暖かさの方が勝ったのだろうと僕は推測した。

54 :
 僕は昨日のR君とその話を思い浮かべた。
R君とは僕のクラスの秀才である。彼はとても気持ちの良い人物で、勉強ができることを決して驕ったりしなかった。クラスの悪がき的ポジションにいるHもR君には一目置き、R君の注意ならば大体は聞き入れた。
 そのR君が昨日、珍しく僕を一緒に帰宅するように誘った。普段R君はいつも一人で帰っていたのだ。
 しかし僕には用事があった。先日に行われたリコーダーのテストを僕だけ受けておらず、ちょうど音楽教師の暇があったのが昨日だったのだ。

55 :
その旨を僕はR君に伝えた。彼は少し考えた後言った。
「じゃあ図書室で待っているよ。いいだろ? 今日はどうしても君と帰りたいんだ」
僕はR君を見つめた。
彼の瞳には怯えを顔に浮かべた自分自身が幾分歪んで映っている。
「わかった。すぐ終わらせるよ」
声が震えないように気を付けながら言った。

56 :
僕はR君が少し苦手だったのだ。彼はいつも冷めた目つきをしていた。
僕と笑いながら話していても、次の瞬間で表情を変えて僕の首を絞めるのではないかといつも感じていた。
そう思うと僕の想像は、R君が僕を絞めRまで止まらなかった。彼はいつも無表情に僕の首を絞めるのだった。
 無事リコーダーのテストを終え、図書室に向かった。中にはR君の他に数人の生徒がめいめい本を読んでいた。R君を呼ぶ際、少し大きな声を出してしまい、僕はその数人の生徒に見つめられた。

57 :
だがそんな視線などどうでもよかった。R君は敢えて分厚い本を音を立てて閉じた。
「待たせてごめんよ」
「いやいいんだ。誘ったのは僕の方だからね。じゃあ行こうぜ」
そうして僕らは黙ったまま靴を履き替え、校門を出た。
 何を話すのだろう、と僕は考えていた。ちらちらと横顔を盗み見る。R君は僕のことを気にしていないように歩いていた。

58 :
「なあ」
R君が口を開ける。僕はびくりと体を震わせて、それが彼にばれなかったかを気にした。少しでも粗相をすれば本当に首を絞められるのではと思った。
 そして想像のR君はほのかに暖かい手を僕の首にかけるのだった。
「内緒だぜ。君にだけ話すんだ」
ちょうど想像のR君が僕を絞めR一歩手前で、現実のR君が言った。
「僕さ、昨日万引きをしたんだ」

59 :
「万引き」という単語がここまで平凡な響きを持つことに僕は驚いた。これがR君でなかったならば僕はその行為の愚かさを小さく声をあげることで表現したに違いない。
「ど、どこで?」
動揺はしていなかったが一応どもらせてみた。こういう演技を僕は非常に自然に行うことができた。

60 :
そしてR君は今僕がいる古本屋の名前を出したのだ。
 僕は対応に困った。下手なことを言えばまた想像のR君は僕の首を絞めるのだ。
R君と会ってから一体何回想像の僕は殺されただろう。
 僕が答えあぐねていると、
「君もやってみないか?」
とR君は言った。えっ、と僕は小さく声を出してしまった。
「何で僕が君にだけ話したと思う?」
「さ、さあ」
「僕と君は似ているように思うんだ。……僕の勝手な考えだけどね」
そしてR君はにこりと笑った。万引き犯がここまで清潔に見えたのは初めてだった。
「どうだい? やってみないかい?」
僕はうんとうなづいた。そうしなければまた想像の僕は死んでしまうのだ。

61 :
電気ストーブのじりりという微かな音が、僕の耳に届くほど店内は静まりかえっていた。僕は素早く本を元に戻し、文房具コーナーへ滑るようにして行った。
 そして目に付いた消しゴムを手に取ってポケットに突っ込んだ。すぐに出ると怪しまれそうなのでその後も店内をぶらぶらとした。

62 :
 R君の笑顔が頭に浮かんだ。ポケットの消しゴムが何十倍の重さを持ったように感じた。
ズボンの片方だけずれているのではないか、そしてそれがお爺さんに見透かされるのではないか。
……僕は万引きの発覚と共に深くて黒い穴に自分が落ちていくのを想像した。落ちて行った先にはR君がいて、今度は笑いながら僕の首を絞めた。
 見つかってはならない、それだけを思って僕は足早に店を後にした。

63 :
 翌日、僕はR君を、
「一緒に帰ろう」
と言って誘った。R君は口の端を少し上げ、にやりと笑った。昨日の清潔な笑いとは違っていた。
 僕は包装も取らずにずっと筆箱の中に入れていた消しゴムをR君に見せた。
「これ……」
「盗ったのかい?」
うん、と僕はうなづいた。手汗で消しゴムがほんのりと湿るのを感じた。

64 :
R君はとても可笑しそうに僕を見つめて、耳の遠い老人にするように、
「君は、馬鹿、だな」
とゆっくり、なおかつはっきり言った。
「……どういうこと?」
「僕は、万引きなんて、していない」
彼はその喋り方をやめなかった。僕はごくりと唾を飲んだ。
「君は、僕の嘘に、まんまと騙されたんだ。わかるか?」
R君は楽しそうに笑っている。彼の瞳には無表情のままの僕がいる。
「オーケー?」
消しゴムが僕の手から滑り落ちた。R君はそれを拾った。

65 :
おいおい、盗品がなくなったら困るだろ」
ほら、とR君は僕に消しゴムを差し出した。僕はその消しゴムを取った途端に、R君の手が僕の首に伸びてくるのを想像しようとした。しかし上手くいかなかった。
 僕の手がR君の首に伸びた。そして彼の首をしっかりと捕えた。
「なんだよ……」
僕は力を込めた。柔らかい肉に僕の指が食い込んでいく。
うっ、という声と共に消しゴムが落ち、R君が僕の手を振りほどこうと引っ掻いたり、つねったりしたが僕は手を離さず、力も弱めなかった。
 R君の顔がどんどん紅潮していく。腕の感覚がなくなっていくのを感じた。
 R君の手がようやく僕の首にかかった。しかしそれはまもなくだらりと外れてしまった。
 R君の虚ろな瞳に無表情な僕が映った。そしてそれはにやりと笑った。

66 :
はい二本目終わりです

67 :
これ小説の体すらなってないよ
何のために小説書いてるの?
もし小説家になろうと思っているのならあきらめたほうがいい
才能はないと思う。読んでいて面白くも楽しくない。ただ`苦しい`
読んだ時間返してほしいって気持ちになる

68 :
長いから3行程度にまとめてくれ

69 :
>>67
読んでくれてありがとう
確かに才能はないわ
>>68
長いかーすまんね

70 :
三本目できた
今日のお昼頃また投下します

71 :
こちらでどうぞ
http://toro.2ch.sc/test/read.cgi/bun/1356741086/
http://toro.2ch.sc/test/read.cgi/bun/1385217720/

72 :
読みました。1本目、2本目読んでしまったよ。
小説というより説明ですねw
言うならば、ワイドショーの報道の方がもっと劇的ですよ(もちろん悪い意味で)。
音声合成ソフトが喋ってるみたいwww
テクとか語彙とかはもう前出だから言わないけれど、どうも両作品とも主人公への感情移入がし辛いね。
例えるならば、あなたが映画監督で役者にもっと演技指導しなきゃしけないと思うんですよ。
1本目の旅人は淡々とし過ぎて「コイツ生きてるの?」って。
年老いた婆を放っておいて帰省しない息子たちをぶん殴りたくなるほどな感情を持つ人なのに、
柴犬のサブローちゃんを殺そうとすることに対しては、婆の願い通りとはいえ余りにも淡白過ぎる。イヌとは言え、生き物ですぜ。
2本目の『僕』やR君にもイマイチ入りきれない。なんか、キャラが死んでるwww。だから、悠長に感じて退屈感MAX。
クラスで一目置かれているけど、『僕』は怖いなって思っているのならば、説明でなくエピソードで語ってほしいなぁ……とか思うんですよ。
時系列が分かりづらいね。
>>50-53は「今日」
> 僕は昨日のR君とその話を思い浮かべた。
>(中略)
> そのR君が昨日、珍しく僕を一緒に帰宅するように誘った。
>>54-62。R君に万引きの話を持ちかけられたのは「昨日」。いや…昨日から見た昨日?つまり一昨日なの?
> 翌日、僕はR君を、
>「一緒に帰ろう」
>と言って誘った。
>>63-65。実行して騙されたと気付いたのは「翌日」。つまり今日なの?それとも昨日なの?昨日ならば>>54-62はやはり一昨日か?
一度万引きした店にまた行くわけないから、冒頭部分は万引き直前のことなの?もうわけわかんね。
会話のテンポが悪すぎるんだよね。個人的感想ですけど、部分的に「」の応酬でもいいんじゃないかなぁ?ってぐらいの方がテンポ良い。
恥ずかしいかもしれないけれど、実際に口に出して読んでみて。
それに、起承転結の結がないから「ナニコレ」ってなっちゃう。
R君に騙された事が結?着地地点がぐらついてねぇ。『僕』が騙されてどうなるの?ってこと。
あと、両作品にはお年寄りが登場するんですが……。
書き手さんがどのくらいリアルな爺婆と接しているかは分かりませんけども、爺婆って想像以上に感情は豊かだと思いますよ?
いや、若者以上にかもしれません。「そういうキャラですから」と言われればそれまでですが、両作品に出てくるお年寄りは
本当に干からびすぎていてミイラみたいですね。
2本目の万引きしてしまった店主の爺が本当に置物になってしまってるし、せめて身のある『僕』との会話ややり取りがあれば
そそのかされて万引きする際の後ろめたさが出るんじゃね?
ついでに言うけど例えば……小技。R君が『僕』に「君も(万引きを)やってみないか?」
って言うでしょ?一旦、僕はやれるわけないよと断わらせるんですよ。そしてR君は実際に万引きしてない消しゴムを『僕』に
ちらつかさせるんです。あたかも万引きしてきたかのように。それだけでもお話にしまりが出るかも。
まぁ……作品は小技以前のお話なんですけどねwww

73 :
>>72
読んでくれてありがと
第三者からの意見が入るとどこかまずいかとかがよくわかるわ
もう一作投下するんでそれも見てって

74 :
人いないと思うけど投下します

75 :
 深夜零時を過ぎた時、一郎は無性にビールが飲みたくなった。
その欲求を無視して布団に入り眠ろうとするが、あの黄金色の輝きが闇から突然すうっと抜け出したように目の前に現れるのだった。
 仕方なしに一郎は雨ざらしでところどころ錆びた自転車に乗り、コンビニを目指した。
ペダルを漕ぐ度にぎしぎしと音が出て静かな夜の町に旅立っていった。自転車のライトはただ漠然と前を照らしている。

76 :
五分ほどでコンビニに到着した。反自然的な照明は一郎に不思議な罪悪感を植え付けた。
一郎はビール三本と適当なつまみを買い外に出る。店内のライトの余韻が夜の闇に亡霊のように浮かんでは消えた。
自転車籠に入れてはビールが振動するので一郎は右手でレジ袋を持ち、右腕を斜め下三十五度くらいのできるだけ低い位置で保った。つまり左手だけでの運転になる。
時々右腕を地面と水平の位置に上げたりしながら一郎は器用に運転をした。

77 :
一郎は真っ直ぐに家に帰らず、公園を近くにある公園を目指した。そこに植えられている桜がちょうど見頃なのであった。夜桜で一杯、何とも乙じゃないか、と一郎は一人で笑った。

78 :
公園内には三本の桜の木があった。その内の一本の傍には電灯がぽつんと建っている。遠慮がちな光が桜をより白々しく照らした。
 一郎はそこで自転車を止めた。そして斜め上を見上げた。電灯の周りをぶんぶん飛び回る虫の向こうに九分咲きの桜が見えた。
 一部の花は光に照らされ、一部の花は闇に沈んでいる。見事な桜に一郎の気分は昂揚した。
ビールのプルタブを開けわざわざ喉を大きく鳴らしながら一息で半分ほど飲んだ。
「おじさんも桜、見に来たの?」
突然の声に一郎はビール缶を握る手を強めた。しかし声は柔和で全く怯える必要のないものだった。

79 :
一郎が振り向くと十前後の少女が立っていた。
「驚かせちゃった?」
少女は一郎を申し訳なさそうに見た。その視線を受けて一郎は恥ずかしくなったので、
「いや驚いてなんかないよ」
と明るい声を出した。それを聞いて少女は、よかった、と嬉しそうに呟いた。

80 :
暗闇でわかり辛いが少女は白の花柄のワンピースを着ていた。何の花をあしらえているのか一郎は目を凝らしたがわからない。
そもそも花の知識など持ち合わせていないことに後から気付いた。
「君は何をしているの?」
一郎はおずおずと聞いた。少女は、
「桜を見に来たの。おじさんもでしょ?」
と答えて木の下へ歩いた。一郎もそれに倣った。
「もう満開になったんだあ」
と少女が桜を見て呟いたので、一郎は花が咲いていない部分を指差して、
「ほら、あそこ。花が咲いていないからまだ満開じゃないよ。……ほら、あそこも」
と指摘した。それに対して少女は呆れたように息を吐いた。
「おじさん。そういう細かいことでいいムードを壊さないでよ」
非難めいた言葉に一郎は思わず、ごめんと謝った。

81 :
少女は笑って、
「じゃあそのジュースくれたら許してあげる」
と言った。一郎はレジ袋を持ち上げて、
「これビールなんだ」
とぎこちない笑みを浮かべて言った。
「全部?」
「そう、全部」
なあんだ、とつまらなさそうに少女は声を出した。その後一郎の手に握られている缶をじっと見て、
「じゃあ一口ちょうだい」
と甘えた声で一郎に向かって手を差し伸べた。

82 :
 一郎はあげるべきか迷ったが、かつて子供だった自分も大人の飲み物に興味があったなあと思い、一口だけなと釘を刺して缶を少女に渡した。
 ありがと、の明るい声とは裏腹に少女の顔には緊張と好奇心が現れていた。そして彼女はえい、と缶を傾けた。
 缶から口を離すと少女は顔をしかめて、
「まずっ、これ苦い」
と缶を一郎へ返した。

83 :
 少女の綺麗な顔には魅力的な皺が一瞬だけ生まれた。一郎はあはは、と笑って、
「そりゃあ大人の飲み物だからな。コーラとかジンジャーエールとは違うぞ」
と当然のことを口にした。
 ベンチに二人は並んで座った。少女はユキと名乗った。一郎はどんな漢字を書くのだろうと思ったが、また何か言われると思ったので聞かなかった。
その代り、
「こんな時間に外に出て大丈夫なの?」
と聞いた。ユキはふっと笑みを浮かべて、
「うん。大丈夫」
と小さく答えた。

84 :
ユキの横顔に一郎は思わず見惚れてしまった。おいおい、ビール半分ちょっとで酔うのは早すぎるぞ、と自分を誤魔化したが無駄だった。
意識すればするほど彼女の肌に視線がいき、鼻は髪の匂いだけを嗅ごうとした。
 一郎はさらにワンピースと胸元にできた隙間に目をやった。
何も見えなかったがそこに目をやったという行為だけで十分な興奮と罪悪感も感じた。

85 :
一郎はビールを一本飲み終えて、
「親御さんが心配するだろうから送ってくよ」
とユキを誘ったが、彼女は黙ったままじっとしていた。
「なあ」
「親は今いないの」
一郎はえっ、と声を出した後黙って続きの言葉を待った。

86 :
>>84
お巡りさんこの人です

87 :
少しの間の沈黙の後再びユキが口を開いた。
「お父さんはずっと前にいなくなって。お母さんは今病気で病院。……私、今お祖母ちゃんのところに預けられてるの」
一郎はどう答えていいかわからなかったが、沈黙を避ける為にそうかと呟いた。虚しい言葉は彼女の手前で墜落してしまった。

88 :
>>87
ロリコンではないぜ

ユキが見せた先ほどの笑顔を一郎は頭に思い浮かべた。事情を知るとそれはあまりに残酷で痛々しかった。
ユキにはビールを飲んだことを叱る親もいないのだ。
「お祖母ちゃんは寝つきが良いから私が出ていったことも気が付かないの。今年の春からここに来て何度も夜に家を抜け出して桜を見たんだ」
一郎は黙っていた。ただユキの鎖骨の辺りを凝視していた。

89 :
「何にも咲いてない時から今の九分咲きまでね」
「九分咲き」のところを特に強調してユキは言った。そして一郎の顔を覗き込んで歯を出して笑った。
 一郎は力のない笑みを浮かべた。そして手を伸ばしユキの頬に触れた。一郎は少し冷たいユキの頬を気持ちいいと感じた。
 ユキは頬に触れている一郎の手をゆっくりと握り、頬ずりをした。
 この子は親を欲しているのだ、と一郎は思った。誰かが無条件の愛を注いで抱き締めてあげなければいけない。
 空いている手をユキの背中に回し、そっと抱き寄せた。ユキは手を離す。一郎はその手も背中に回し強く抱き締めた。
お互いの頬が触れ、少し紅潮した顔が冷やされていくのを一郎は感じた。

90 :
 ユキの手が一郎の首に回された。触れ合う頬が濡れた。そりゃあそうだ、誰にだって親の愛が必要なんだ、一郎は心の中で彼女を擁護した。
 しばらく二人はそうしていた。しかしいくら愛情を持って抱き締めても一郎は偽物だった。所詮疑似親子愛だった。
 ユキは手を解き一郎から離れた。

91 :
「ありがと、おじさん」
一郎はユキの潤んだ目を見た。白い指がやがてそれを拭った。
「お母さん、絶対治るよね」
一郎はそれが自分に向けられた言葉なのか、ユキ自身を納得させる為の言葉なのかわからなかった。
たぶん両方なのだろう、と思った。
「治るよ。絶対。約束してもいい」
ユキは首を振った。
「約束なんていらない。……絶対治るから」
うんと一郎はうなづいた。

92 :
 瞬間一郎の頬に柔らかい物が押し付けられた。ほんのり湿ったものが。
ユキのほんのり赤くなった顔を見て、それが唇だったということに気が付いた。
「お父さんの代わりしてくれたお礼ね」
恥ずかしそうにユキは言った。一郎も自然に笑みがこぼれた。
 ユキはばいばい、と手を振って帰って行った。一郎は熱をとる為にもう少しここにいようと思った。
 少し強い風が吹いて桜の花を少しさらっていった。
一郎はユキのワンピースの花柄は何の花だったのだろうと再び考えた。
<終>

93 :
三本目終わりです

94 :
やっぱりロリコンやないか

95 :
>>94
自分がロリコンなのか分からなくなってきた

96 :
小道具の使い方がいいな。
結論。
ロリコンだ。

97 :
>>96
ありがと

98 :
あなた、桜の花の下には…のあと、なにが続くか知ってますか?

99 :
>>98
すまんねわからん

100 :
ああやっぱりそうか もし、あれよんでてこれだとちょっとなあ だったけど。
梶井基次郎の『檸檬(れもん)』とかの文庫本に大抵入ってる
「桜の樹の下には」みたいな題名(うろおぼえ)の短編(どこの図書館にもある。10ページもない短い話)
を読んでみな いま、(ごく若い人は別として)桜と あやかし の話がでたら
多くの読者がこれを想像する あなたがそれを読んでからこれをかきなおしたら、もっと面白くなると思う
その作品に依拠して書き直すもよし、無視する方向でもよし、ただ知らないよりは
知ってたほうがいい


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