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【シェア】対テロを舞台に創作するスレ


1 :2011/08/28 〜 最終レス :2019/10/31
おそらく新ジャンル?
現代を舞台にカウンターテロリズムをシェアするスレです。
例:「24」「GSG-9」
イスラム過激派のリーダーが暗殺された今、いつテロが起きてもおかしくはない。
我々は、恐れず戦うべきである。
・荒らし、煽りは華麗にスルーしてください。
・実際の人名をなるべく使用しない
・現実から離れたことは投下しない。
・エロ、SF、釣りなどは他のスレでしてください。
・シェアードで進行します。

2 :
昔の漫画だけど「砂の薔薇」とかあんなのもおk?

3 :
>>2 O.Kだと思うけど、表紙のような性描写は避けてもらいたい。

4 :
「これは単なる前置きでしかない。」
公衆電話の受話器を上げると学んだばかりの英語をただ淡々と話す。
高鳴る鼓動と興奮する気持ち必死に押さえる。
俺は今日死ぬ。だが恐怖を感じる事はない。
偉大なる自由の犠牲になるのだから怖くなど無いと感情を押し殺している。
我が国から異教徒を排除するためには、俺の命など安価なものだ。
受話器を投げるように捨てると、懐から拳銃を出した。
同時に女性の悲鳴が上がると興奮は最高潮に達する。
「(偉大なる自由のために!)」
小型式拳銃の装弾数は自決用の1発を含めると7発。
予備のスペアマガジンは4個。つまり、全発28発。
初心者だけの地下鉄を攻略するには十分すぎる銃弾の数だ。
腐った異教徒が我らの国に駐留したのが悪い。 
「(アサド、ハキム、ラモン、五番線のマンハッタン行きに乗れ。)」
地下鉄のホームには銃声と悲鳴が木霊している。
死体の山を築き上げた同士と共に、地下鉄に乗り込む。
中にいた逃げ遅れた乗客は同士の銃弾によって命を落としていく。
俺は前の車両にいる運転手をすぐさま撃ちR。
「これは前置きでしかない」
俺は笑みを浮かべながら爆弾を起動させた。

5 :
テンプレ
(人物名)
(人物説明)
(簡単な経歴)

6 :
まずどこを舞台にするの。日本?アメリカ?火星?

7 :
日本が舞台で、学校が突然テロリストに襲われる内容なら
このスレも人気が出るはず

8 :
そしてテログループリーダーは大木○人。

9 :
>>8
日本の高校がテロリストに占拠されるってわけか。
だけど、利点はないのに何で占拠される?

10 :
>>9
元祖学校テロリスト占拠漫画であるジーザスみたいに、
教室の黒板に大量の麻薬が隠してあるとか
担任の教師(元伝説の傭兵)を狙っているとか
そういう無茶設定入れれば大丈夫なんじゃね

11 :
  [舞台の中学校]
ただの三流私立中学校。設備や施設も整っている。最近出来た学校。
六年制と三年制(普通科、特進)の三つに別れている。高校の校舎は別。
卒業生は、警視庁のキャリア官僚など。
実は、総理大臣の子供と元少年兵の高校生が在学中。
って感じでいいかな? 

12 :
>>11
ものすごく中二病のにおいがします

13 :
むしろそこら辺にある、そこら辺の連中が通う中学校の方がいい気がする。

14 :
そこら辺にあるそこら辺の連中が通う中学に対テロ特殊部隊があるって事?

15 :
風紀委員実働部隊VS共産カブレ学生の仁義無き戦い

16 :
>>14
そこら辺の中学生があの手この手駆使してテロリストに立ち向かうんだろ。対テロ中学生なんて読む気にもならん。ネタ全開ならまだしも。

17 :
厨二病の中学生たちが、魔法やオカルトや超能力を駆使してテロリストと対決
もちろん主要キャラは美少女だらけ

もうおなかいっぱいです

18 :
趣旨変わってこないか?
>>1に「現実から離れたことは書くな」て書いてあるし。
リアル思考で普通に24とかにすればいいんじゃね?

19 :
中高生がテロリストと戦うって時点で、現実離れも甚だしいぞよ

20 :

現実とは予想不可能という意味である。

      ―――――――俺

21 :
>>19
そこまではいいだろ。実際にたてこもり事件とかあるし。運よく逃れた中学生が生き残るためにあの手この手使うんだよ。
他の生徒? 邪魔なら最初に殺してしまえ。なんなら主人公のせいで殺されても仕方ない。

22 :
>>11
今思ったけど、何故に中学が限定なんだ?
別に、どっかのおっさんがリアルタイムに戦うってのもありだろ。
まず、中高生が武装し訓練を受けたテロリストに抵抗しないと思う。
それにまず勝てんだろ。
まっ、シェアらしいから書くのはある程度は自由らしいが。

23 :
とりあえず給食を作ってるのは元軍人のコックだるう。

24 :
今ごろ気づいたけどリレーじゃなくてシェアってことは学校だろうと
なかろうとどっちでもいい?
学校でやりたいやつはやればいいし、そうでなければ他でもいい
で、日本国内ぐらいで同時多発テロを描くみたいな?

25 :
たぶんそういう事じゃね?

26 :
でもシェアでやる話題でもねーよなw

27 :
さて、どうする?誰か書いてくれないかな...。

28 :
書けばいいじゃない。

29 :
↓と被ってないか?こっちも事件がバイオテロに発展中です
http://yuzuru.2ch.sc/test/read.cgi/mitemite/1293885893/

30 :
サスペンスタッチか、スリラータッチかの違いだろ

31 :
「現代」だと銃器の種類とか分布具合とか、警察や軍の特殊部隊に詳しくないといけないし(日本だったら警察のSATとか、陸上自衛隊のレンジャーとかか?)
テロの火種になる世界情勢も調べないといけないから、二の足踏んでるんじゃないの?未来っぽい日本っぽい世界観にすれば、幾らでもでっち上げられるが。

32 :
>>31
だいたい、日本の分布だと暴力団を中心に中国製のトカレフが多い。
ちなみに中国製のトカレフはロシア製と違い安全装置がない。
そのため、日本に置けるトカレフを使った事件は暴発が多いらしい。
トカレフの威力は相当の物だから、警官の装備とかも見直されている。
その例が南部式拳銃。
当初は、抑止力として働いていたけど、発砲することはまずない。
したら、出世の道はまず閉ざされるらしいからね。
けど、最近は抗争関係で殉職する警官が増えている。
だから、九州、四国、中国、関西、関東はシグに変えている。

33 :
オートマチックの? ミネベアじゃなくて?
オートナンブは銃としては機能十分だぞ。それに結構前から、現場での銃の制限は改善されたはずだから、今の警官はやばいと思ったらすぐ撃てるし。

34 :
偶然にもテロリストの落とした銃を拾った中学生の太郎君だったが、
片手で試し撃ちした357マグナムの反動で手首を骨折してリタイア
現実は非情であった

35 :
>>33
たぶん、ニューナンブのことかな?
どっちにしろ、アメリカみたいにバンバン撃てる奴はいない。

36 :
でも日本て警官のオートマチックの装備は法律で規制されてなかったか。
麻取はベレッタとか自由に選べた気がするけど。

37 :
>>36
麻取りは選べるんじゃないかな?
ふつうの警官に比べて、拳銃の保持弾数、威力が要求される。

38 :
自動拳銃の装備が認められているのは自衛官、SP、麻薬取締官、SAT隊員など限られている。SATのは事実上のサブマシンガンだけど区分は拳銃弾を利用するから拳銃らしい。制式名も特殊用途自動けん銃。
自衛官も拳銃装備してるのは尉官だか佐官以上からだった気がする。
普通の警官がシグ装備なんて聞いたことない。そもそもオートマチックの装備は禁止されているはず。

39 :
制服警官がシグP230使ってるよ。

40 :
今制服も使ってるのか。私服だけかと思ってた。
でもミネベアじゃなくて輸入?

41 :
国産品じゃないかな?
外国の奴だと日本人の手に合わないとからしい。
ふつうに撃てる人も多いが、手が小さい人も少なくはない。

42 :
いやまて。ライセンス生産でも規格は同じはずだ。装弾数が少ないだけで。
たしかミネベアは9発。シグで9発と15発の二種類だった気がする。シグは確かに太めなほうだけど。
そんでやっぱり制服警官でもオートマチックは一部だ。

43 :
う〜んなかなか難しいな…。
どういうテロにするかで、展開がガラリと変わるからなぁ〜

44 :
>>34
どんなふうに撃ったら骨折するんだ一体?

45 :
半端なグリップで3インチバレルのマグナムを打てば中学生なら捻挫する可能性はあるかもしれないw
44マグナム大好きなアメリカ人でも手首を痛めたって話は結構ある。骨折はレアケース過ぎると思うけど。

46 :
45口径位なら幼女でも撃てるからなw

47 :
実弾の22口径だと、BB弾のウエスタンアームズのブローバックガスガンのほうが反動強いらしいw
実際にプロシューターが練習用に購入するケースがあるみたい。

48 :
誰がロリコンだって?

49 :
何の話だよw

50 :
>>32
すでにトカレフは廃れたそうだ
マカロフとか西側の銃中心

たまーにM4とか出てくる

51 :
悪玉:TVや芸能を通してとある国の民衆を洗脳し思想統制を企むグループ。背後に某国がいる
    普段はとある国の庇護を受けて暮らしている工作員が多数いる
    工作員は、基本思想統制の口コミで活動しているが、某国には兵役義務があり
    ことあらば優秀で非情なコマンドとして行動できるもの多数。黒社会とも深くつながる
善玉:とある国の司法機関直轄の非合法部隊。悪玉の脅威が大きくって、急遽編成される
    あくまで非公式として存在し、逮捕立件の過程をすっ飛ばして法を執行できる権限を持つ
    急造の強権部隊なので、いざこざや青年の主張大会が絶えない。最新装備を持つ
テロリスト:某国の目論見に対するレジスタンス。悪玉の暗殺を目的に動いている
    善玉からすると、微妙な存在で、またもここで青年の主張大会
    戦力的にはもっとも小さく貧乏。しかも悪玉からも善玉からも
    後述のアンチテロリスト勢力からも敵対視される
アンチテロリスト:テロリストの動向、善玉の存在が気に食わない勢力。
    悪玉の、TV芸能をバックとした活動により、潜在的には悪玉を支援する
    最も大きく広い存在。テロリストを社会的に追い詰める役回り
    いわゆる一般大衆でもあり、余程のことがなければ、善玉は手出しできない
悪玉の目的はとある国を某国の統治下におき、とある国民を屈服させること
物語開始時点では、TVの大半に影響力を持っており、次に立法権を狙っている
善玉とテロリストはそれを阻止する、という所では一致した目的を持つ共に非合法な存在だが
とある国(のごく一部)がバックに付いているかいないかの大きな差がある
アンチテロリストに思想はない。TVの言うがままに善玉とテロリストを糾弾し追い詰める

52 :
「おっはよう〜、ねえ観た観た〜?」
「観たよ〜。受けた〜♪」
「あ、そだ。聞いた?転校生」
「聞いた。3組のでしょ?なんか金郎(かねお)クンに馴れ馴れしくしてるとかって」
「ムカツクよね〜。金郎クン良い人だから断れないのいいことに言い寄ってるってサイテーじゃん」
「だよね〜サイテー!Rばいいのに」
「松風さん!松風さんあたしの歳知ってますよね!こんなの着れる歳じゃないんですよ!」
 ゆりはタータンチェックのフレアのミニスカートをつまんで広げ、まくし立てた。
「知ってるよ。充分似合うしかわいいじゃないか」
 トーストベーコンつき目玉焼きとオレンジジュース、牛乳の揃ったテーブルについた
松風は、口元をほころばせて言った。
「え?」ゆりは首をかしげた「かわいいですか?」
「うん。まあ素材がいいからだろうね」
 松風はマーマレードの瓶の蓋を開けながら応える。
「まぁた〜、じゃなんで松風さんはあたしに無関心なんですか」
 ゆりは口を尖らせながら食卓につく。
「「別に無関心じゃないよ。そう見えるなら、ぼくの訓練が行き届いているってことだ」
「そんな訓練クソですね。ハニートラップを逆手に取れなくてどうするんですか」
 ゆりは松風の開けたマーマレードの瓶を取って言う。
「女の子が10代に見えちゃハニートラップもへったくれもないよ」
「なんですか。あたしは幼く見えるんですか」
「違うよ。可愛くみえるだけさ」
「な、なにいってんですか……」
 ゆりはまだ幼さの残る頬を少し赤らめ、マーマレードをトーストに塗りつけた。

53 :
「はぁ〜い松風さん、寂しかったでちゅか〜?」
 ゆりが明るい声と共にワンボックスカーの助手席に飛び込んできた。
「せっかく若い子達と接するいい機会な昼休みになんでここに」
 松風は昼飯のウィダーインゼリーの吸口を加えたまま言った。
「だぁって松風さん、ゆりちゃんがいなきゃ泣いちゃうでしょ」
 助手席に落ち着いたゆりはメロンパンの袋を引き破る。
「いい成人男子が泣くのはあしたのジョーを読んだり観たりした時だけだよ」
 松風が吸い終わったウィダーインゼリーの容器をコンビニ袋に落としこみなら応える。
「え〜、それじゃ心うきうきして松風さんのとこに帰ってきたあたしはなんなんですか?」
 ゆりは口元のメロンパンに向けてすこし厚めの唇を尖らせる。
「そりゃあ、ゆりはいつだってゆりだよ。ぼくはゆりほどかわいい女の子にであったことは無いからね」
 当然のことと言うような松風の言葉に、ゆりは全身をもじもじとくねらせた。
「ん〜もぅ〜、でしょ?でしょ?それにね、金郎っちの家に招待されてきたんだよ?」
「そりゃ初期の想定よりはるかに早かったな。さすがゆりだね」
 松風は目を丸くして感心する。
「何言っちゃってんですか。黒髪ショートで活発なでしこをやってれば彼国男子は
我国女子にすぐ食いついてくるって、松風さんの作戦大当たりですよ」
「それもゆりの可愛さがあってこそさ」
「えへ♪」
 ゆりは口の端から舌の先をのぞかせ、顎の前で裏ピースをしてみせる。
 松風はそんなゆりを見つめ、やわらかく眼を細めた。

54 :
シェアって話だけど>>11さんの設定を使って書けばいいの?

55 :
適当に書いちゃって良いのかな?

56 :
放置スレだし、いいと思うよ。

57 :
週末投下目標でなんか書いてみますー

58 :
書くとしたら
人類抹殺を目論むテロリストと戦う名状しがたい異星人っぽい何かから巨大ロボットを駆使する小学生
人類抹殺を目論むテロリストと戦う魔法少女
どっちが良い?

立て逃げっぽい>>1の設定は無視するけど大丈夫?

59 :
>>58
もうスレもこんな状態だし、特殊部隊だろうが魔法少女だろうが対テロのお話であればいいんじゃない?

60 :
>>58
魔法少女でかいてもいい?

61 :
「じゃあよろしくお願いしますよ、松風さん」
 助手席のゆりが左手中指で濃い赤の眼鏡のつるを押し上げた。
 小首をかしげて松風を見やる。
「ok、レンズのカメラ、つるとチョーカーのマイク、問題なし」
「そんだけですか」
 唇を尖らせてゆり。恨めしそうな上目遣いを松風に向ける。
 松風はにっこりと笑った。
「よろしくお願いしますはこっちだよ。金郎クンの親父さんが
抑えているっていうデータ、ゆりにかかっているからね」
 ゆりも目をくりっと見開き、口の両端を引き上げた。
「任せてくださいよ。後悔はさせませんよ♪」
「頼んだよ」
 言う松風にもう一度唇を尖らせる。
「……女の子が喜ぶ頼み方ってあるって言ったじゃないですか」
 運転席の松風に身を乗り出して、軽く唇を重ねる。
「これでよし」
 言ってゆりは満足気に微笑んだ。
「前も言ったけど、それは女の子がおっさんにお願いするときの
やり方なんじゃないかな?」
「松風さんがおっさんだったらあたしもう裸に剥かれちゃってますよ」
 ゆりは勝ち誇ったように笑って応える。
「そうかなあ」
「そうですよ。じゃあ、行ってきますね」

62 :
「ほんとうに大丈夫なのかよ、ヒロ」
 人気のない金郎邸の、高さ2メートル格子状の閉ざされた門の前、キョウがヒロの背中に言った。
門の脇、更に高い格子の向こうから、監視カメラが二人を睨みつけている。
「大丈夫さ。ミユキがリビングに目を集めてくれている。外に見張りは置いてない」
 ヒロは応える。ピーコートのポケットの中で、握りしめたPPKのグリップが手袋ごしにも熱かった。
「カホ……」
 今は遥か遠い女の名を呟いて、ヒロは門の格子の上辺、槍状の縦棒に渡された横軸を革手袋で握った。
迷うことなく体を持ち上げ、門を乗り越え、掃き清められた真っ白な砂利道に飛び降り、まっすぐに邸に歩き出す。
「おいヒロ」
 キョウは慌てて門を乗り越え、ヒロの後を追った。
『ゆり、望まれざるお客さんが二人、入って行ったよ。警戒』
 眼鏡の弦から骨振動で松風の声がかすかに響く。
「了解」
 ゆりは喉の奥で応えた。黒のチョーカーが拾って外の車で待機している松風に伝える。
「ン?何か言っタ?」
 ゆりの隣を歩き邸の中を案内している金郎がゆりを見て言った。
「ううん、なんかすごいなあってうなっちゃっただけ。この絵、レプリカじゃないんでしょう?」
「わかるノ?マア、安物なんだけどネ。オヤヂが好きなんだっテサ」
「でも……さっきの……なんていうか……」
 ゆりは廊下を歩きながら言い、金郎を見やり、廊下に目を落とす。
少し頬が熱かった。思いに松風が浮かんでいた。
「?あア、大リビングのsexパーティかイ?とキドきアアいうこトがあるんダ。
おとコとオンながタクさン集まルとネ。だいたイミユキが始めるンダ」
「ちょっとどきどきしてる……」
 シンプルな白ブラウスの胸に左掌を当てて、ゆり。
「ボクガ静めテアゲル」
 金郎が肩を抱いた。ゆりの体がびくりと反応する。目が潤む感覚。
 金郎の顔が近かった。その肩越しに廊下の門から現れた少年。足音は絨毯が吸収している。
『そいつらだ』
 カメラになっている眼鏡のレンズで確認した松風の声。
 金郎はゆりしか見ていない。ゆりの眼が動いても気にしていない。
目を開けたまま、ゆりに唇を寄せる。
 金郎の背後の少年が、手にしたワルサーPPKのサプレッサーの銃口を上げる。
角からもう一人、少年が現れる。
「ちょ……」
 金郎を押しやる。押し殺したような、低く小さな銃声二つ。
 ゆりを避けるように、金郎の体が廊下に突っ伏す。
「ヒロ!」
 後から現れた少年が小さく叫ぶ。
 ヒロと呼ばれたPPKの少年は、ゆりなど居ないかのように金郎を見下ろし
更に二発撃ち込んだ。背中と後頭部。
『任せる』
 松風。倒すか、見逃すか。面倒はひとつは減った。金郎の父はどう出るか。

63 :
「警備はどうしたの?」
 ゆりは反射的にヒロに聞いていた。
「殺した」
 ヒロは金郎を見下ろしたまま応えた。弾痕の向こうの何かを覗いているようだった。
 PPKの銃口は床を向いた。
「おいヒロ!」
 もう一人の少年がヒロの肩を掴んで自分を向けた。
「見られたんだぞ!」
 ヒロを見たまま、S&Wチーフスペシャルの銃口でゆりを指す。ハンマーは落ちたまま。
 ゆりの体が反射的に動く。下からシリンダーを掴み、逆の手で手首を抑えてひねり、
黒パンツ脚茶革靴の左踵で少年の膝裏を折る。
 簡単にゆりの手に移ったチーフスペシャルを、跪いた少年の側頭部にポイント。
 ヒロは無反応のままだった。ぼんやりとゆりを見ている。
「おいちょ……!」
 少年が言った。ヒロのPPKは床を向いたままだった。
「あたしは何も見ていない。いい?」
 ゆりは言った。
『了解』
 松風。少年はヒロを見上げ、ヒロはゆりを向いてゆりの向こうの何かを眺めたまま。
「それでいい?」
 少ポイントしたままチーフスペシャルのハンマーを起こす。やけに大きく響くノッチ音。
「いい!いいよ!それでいい!」
 少年が掌を前方に向けて応えた。
「じゃあその子とどこへでも行って。あたしは忙しくなったから」
 ポイントを外し、チーフズのハンマーを落とす。
「あ、ああ、わかったよ……」立ち上がってヒロの腕を掴む「銃は?」
「欲しいの?」
 にっこり笑ってゆり。
「やるよ……ありがとう」
「おいヒロ!」
 急に口を開いたヒロに少年。
「あたしなんもしてないし。こっちこそありがと」
 ヒロにエアキス。背を向け、書斎を目指す。見取り図は頭に入っていた。

64 :
 大物実業家金郎シニアの一人息子が、憎むべきテロリストに惨殺された件は、
マスコミを大いに賑わせた。
 無論のこと、それが未成年者による、薬物を使用した
乱交パーティの最中であったことは語られることはなかった。
 警察は犯人のテロリストを挙げると主張し奮闘していたが、成果は挙がっていなかった。
 犯人を認識していたのは、我國某機関だけだった。
 彼国情報部は、徹底的に破壊された金郎邸監視カメラ情報を復させるべく躍起になる一方
乱交パーティのメンバーからミユキを、ミユキから無理やりパーティに参加させられ、
そのことで脅迫され再三参加を強要され自殺を選んだたマミを、
マミの恋人だったヒロが銃器を入手していたところまでを把握していた。

65 :
カホじゃねえか……

66 :
「だっ、誰!?」
 深夜、キョウの用意した隠れ家。寝室に入ったバスタオル一枚のミユキは
ベッド脇の安楽椅子でうたた寝していた、冴えない安物のスーツを着た
中年男のこめかみにベビーコルトを突きつけて言った。
「やあこんばんわ。まだ少し余裕かあるみたいだったんで、のんびりしてたらこんな感じ。
ぼくのことはオッサンとでも呼んでくれればいいよ」
 中年男は眠そうに目をこすりながら応える。
「何しに来たの、オジサン?」
「君を誘いに来たのさ。ヒロくんとキョウくんのとこには相棒が行ってるよ」
 中年は目を瞬かせながら言う。ミユキは目を見開いた。
「殺したの?」
「相棒がそうはさせない。その気なら金郎くん家で殺ってた」
「?じゃ、キョウが言ってた転校生って……」
「このオジサンがその転校生の保護者でね」
 ミユキのコルトの銃口が上を向きかけてこめかみに戻る。微かな殺意。
「証明できるの!?」
「いやあ〜それができないんだよねえ」
 中年は笑いながら、ようやくミユキを向いた。まっすぐに目を見つめる。
 ミユキは中年の縁無し眼鏡のブリッジ部にコルトを向ける。胸の奥で何かが動いた。
 三秒ほど、ミユキの殺意と中年の笑顔の睨み合い。
「……ホントのこと言ってるか、ウソついてるかはわかるんだけど」
 ミユキが言った。胸の奥で動いたものが下腹部に降りてきている。
「どっちだい?」
 言った中年の唇に唇を重ねた。すかさず反応してきた中年と、目を閉じ舌を絡ませ合う。

67 :
『ちょちょっと松風さん!何やってるんですか!』
 眼鏡のつるから骨伝導でゆりの声。
 松風は、ミユキの隠れ家の寝室脇、安楽椅子にだらりと腰掛けて、
ミユキのキスに応えていた。
『松風さん!駄目ですよそんなの!帰ってきたら許しませんよ!』
『まあまあゆりちゃん』
『だってこれべろちゅーしますよね?!駄目ですよこんなの!』
 ヒロ、キョウとミユキ。二箇所で行動するためのオペレーターとして参加した
陸奥の声がなだめるが、ゆりは聞きそうになかった、
「もうわかったかな。そろそろ行こうか。二人が待ってる」
 舌と唇を放し、ぼんやりと自分を見つめるミユキに、松風は言った。
 ミユキは少し開いた唇の間から、ゆっくりと熱い息を吐いた。コルトを床に落とす。
「まだよくわかんないな……」
 ミユキは言って、白い脚で松風の右腿を跨ぎ、腰を下ろした。
 体に巻いたバスタオルの裾から、ちらりと黒い繁みが覗く。腿に性器の感触。
『わー!駄目ですよ!援交ですよ援交!』
「お金を払わなければ淫行だよ」
「……オジサンの精子でいっぱい払って」
 ゆりの声は届いていないミユキは、松風の両肩に両手を置いた。
 松風の目を見つめて、軽く自分の唇を舐める。
『何会話に割り込んできてんのこの娘!もーあったま来た!』
『ゆりちゃん、冷静に。敵がきてる、4人』
 ミユキが松風に体重をもたせかけてきた。
 下顎を突き出すように口を開く。
『松風さん聞いた?その娘とえっちしたら絶交ですよ!てか死にますよ!
陸奥さん、あたし松風さん助けに行くんでここよろしく』
『了解。無茶しないように』
『しますよ!』
『だそうです。松風さん、二人をよろしく』
 松風は上身を起こした。ミユキが首に抱きついてくる。軽く唇をついばむ。
「ここはもう危ない。お願いがあるんだ。服を着てオジサンと一緒に来てくれないか」
 ミユキの眼を見て頼んだ。一瞬怯えに震えるミユキの眼。真顔になって、素早く松風にキス。
 松風から身を離し立ち上がった。背を向け、バスタオルを外し、ベッド脇に干した黒の下着に手を伸ばす。
「効くもんだなあ」
 ミユキの背中のラインからまるい尻を眺めながら、松風はつぶやいた。
『最初っからそうすりゃよかったんですよ、もう〜、松風さん!』
 ネクタイのマイクが拾った声に、眼鏡のつるからゆりの声。尖らせた唇が思い浮かんだ。

68 :
キモい

69 :
当たり前だよ。なんだと思ったんだ。

70 :
 ゆりは機関標準装備の黒の戦闘服、コート、ベレー帽、ゴーグルを身に廃工場へ向かっていた。
 コートの内側にはFNP90、右腰にコルトウッズマン5.7mmカスタム、ナイフ二本。
『標的は一人が二階事務所、三人が地下入り口を探索中。武装K2ライフル二、MP5K二。二階はライフル』
 ゴーグルのベルトから骨伝導で陸奥の声。
「松風さんは?」
 ゆりは喉の奥で言った。工場の敷地に入っている。走り続ける。
『P226持ってる。ドアは抜けるよ』
「その前に蜂の巣じゃないですか」
『この地下階段からまっすぐだから上からよろしく』
「簡単に言わないでくださいよ。あたしまだ松風さんの三分の一も実戦してないんですよ」
 言いつつ工場入り口に到着。壁に背をつけ、一つ深呼吸。
『二階の奴が一階に。入り口は見ていない』
 陸奥。中を覗き込む。ゴーグルの暗視画像に一人。奥へ向かっている。
『向こうは地下入り口に集合中。ゆりちゃん突入どうぞ。松風さんはご自由に』
『ご自由にって。ミユキちゃん、陰に』
 松風の声が少し緊張している。工場内に踏み込んだ。P90のサプレッサーの銃口が先頭。
 10時、オレンジの人影3つ、2時上方1つ。緑に見える鉄骨3本を盾に10時方向へ。
 2人が振り向く。コンクリートの床に身を転がす。視界の隅で三人の銃口が上がる。視線で3人をポイント。
 腹ばいになってFN90を両手で保持、三連射。標的の3人が前にのめる。K2とMP5Kが一丁ずつ微かな音を立てて
あさっての方向へ弾丸を撒く。身を起こし、後方をポイント。熱源は階段途中。射撃。仰け反りを確認、振り返る。
 熱源は2つ。地下への階段?
「一人地下へ」
 喉の奥で呟き、立ち上がって階段へ。錆びた鉄板を撃ち抜く弾丸の音。5つか?
 階段上。解剖を待つ蛙のようにひっくり返った熱源が見えた。松風のP226か。
 念のためセミオートに切り替え、2発ずつ3人に撃ち込む。
 階段下まで歩き、遊び疲れたように転がっていたもう一人にも2発。

71 :
「4人。クリア」
『お見事。松風さん、処理班goでいいですか?』
『よろしく。ミユキちゃんには見せたくない。お掃除完了まで頼むよ、ゆり』
「ミユキちゃんには甘いんですね?べろちゅーだからですか?」
『ゆりはハードな方が張り切ってくれるからいいかなって』
「あたしにもやさしくしてください」
『やさしくはしてるよ。ぬるくしてないだけで』
「じゃあ後でミユキちゃんにしたのと同じことしてください」
『お二人さん、処理班入ります』
『陸奥さん!大事なとこなんですよ?』
『大事かなあ?』
『ゆりちゃんには大事なことみたいですよ?』
「そうですよ」
『安売りは良くないよ?』
「そこの女子高生に言ってください」
『厳しいね』
「下半身の管理がまじめなだけです」
『ますます言えないよ。今時のいい男ってな、女の子を無条件全肯定するんだろう?』
「じゃあ、あたしのことも全肯定してください」
『参ったなあ』
『今時のいい男ってのは、人格破綻者みたいですね』
『軽く言ってくれるよ』
「松風さんは、いい男じゃなくてかわいい男の子ですよ?」
『年寄り嗤うな、行く道だ』
「子供を叱るな、来た道だ」
『松風さん、ゆりちゃんの育て方、成功しすぎてるんじゃないですか?』
 愉快そうな陸奥の声を聞きながら、ゆりは死体を運ぶ処理班員に笑顔で目礼した。夜は更ける。

72 :
マホーショージョがどうちゃらいうやつでも来ないことにゃあおれのチラシの裏だしなあ

73 :
「あ、松風さん、どうでした?どうすんですかあの子たち」
 ケータリングコーナーのテーブルからゆりが言った。チョコのバームクーヘンを自前のフォークで切り分けていた。
「大佐は"仕込む"つもりらしい」
 松風は応えた。右眉が上がり、左目が閉じかかり、口がへの字になっていた。
「嫌なんですか。ゆりちゃんをここまでひきずりこんどいて」
 ゆりの向かいに腰を下ろした陸奥がいつも変わらない穏やかな貌で言った。声に表情はなかった。
「ご家族さ」
「あたしはそうでも、あの子たち殺人犯とその共犯じゃないですか」
 苦い顔の松風にゆり。ケーキは6等分にされていた。
「だからって罪を重ねる道を薦めるのはなあ。少年法なら悪意があろうがなんだろうがおまわりさんにはなれるんだろ?」
「それはあっち側だったらじゃないですか。こっち側じゃ一生日陰もんですよ?」
「ゆりちゃん、ここはオープンスペースだよ」
「気にしませんよ。宗旨変えする気も引き篭もる気も無いですから」
「それ、そういう意味じゃないだろう」
「じゃどういう意味なんですか?」
「多数派の言うこと聞かねえ奴はタダじゃおかねえぞってことですよね?」
「じゃあ、あたしたちは何なんですか?!あたしはそういう人達と一緒に闘ってるつもりですよ?!」
「大勢に影響は無いからね。大事になってない。大局に影響が出るようなら、潰されるよ」
「小さな事だけこつこつと」
「そうなんですか」
 ゆりは小さな、少し厚めの唇を尖らせた。
「一口もらえるかな?」
 ゆりの隣に立ち、顔を寄せて松風。ゆりはケーキの一切をフォークで刺して持ち上げた。
「はい、あーん」
 松風の大きく開けた口にケーキを押し込む。松風、咀嚼。
「親御さんは納得するんでしょうか?」
 顔からも表情を消して陸奥。
「させるらしいよ。内調の暗闇さんがミユキちゃんを欲しがったとかで慌てたらしい」
「また厄介な人が」
「厄介なんですか?」
 苦笑した陸奥にゆり。切り分けたケーキを皿にとりわけ、陸奥に差し出す。
「ゆりちゃんも最初目つけられてたんだけどね。面倒見は良い人だよ」
「ま、とりあえず、少なくともあの三人はうちで仕込むんだそうな」
「そうですか……で、あたしたちは?」
「金翁の動き次第なんだけど、ゆりがぱちってきたリストを洗ってるらしい」
「参政権ですか?」
「んにゃ。反TVデモ」
「もう下火になるでしょうに」
「簡単なところからするのさ。どこも一緒だね」

74 :
×オープンスペース 
○パブリックスペース
×下火になるでしょうに
○下火になってるでしょうに   ここはちょっと考えますか

75 :
「あ、いた。松風さん、知ってたんですか?反TVデモを女の子をあてがってやめさせたの」
 ゆりが喫煙所のドアを勢い良く開けて、奥の松風に歩み寄りながら言った。
「こんなとこ来ると早死するよ」
 松風は煙を吐き出しながら言った。喫煙室はふたりきりだった。
「年上の松風さんが言いますか」
「まあぼくの歳までは生きるか」
「悪者に撃たれなければ生きますよ。生き抜きますよ」
「それは何より」
「えへ。……じゃないですよ!なんでTVデモを当局が止めるんですか?!」
 小首をかしげてにっこり笑った途端に真顔に戻ってまくし立て、唇をとがらせる。
 松風は右手人差し指と中指の間に煙草を挟んだまま、2秒天井を仰いだ。
「みんな、なかよく ってことじゃないかな」
「なんですかそれ。それで彼国の我国侵略が止められるんですか!」
「思想侵略は止められたんじゃないかな?」
「でも、せっかくの民間運動を国が止めるんですか?!」
「効果はあったし、あそこでこっちが止めとくことによって、貸しをつくったつもりなんじゃないかな」
「つもりって、借りだと思うような奴らなら思想侵略だってしませんよ!」
「実戦は向こうの勝ち、でも娯楽までは渡さなかった、で決着はついちゃった感じはするねえ」
「実戦て、海の国境の武装による実効支配と国際的な評価と経済ですか。エンタメがバカにされすぎじゃないですか」
「でもないよ。娯楽をなめちゃいけない。気持ちの奥底では負けなかったよねって話だよ」
 ゆりは唇を尖らせたまま松風の顔を見上げ、見つめた。
「……これでよかったんですか?」見つめたまま訊く。
「なるようになったんじゃないかなあ」
 松風は言って、煙草を咥え、煙を吸い込み、吐いた。
 窓の外、向かいのビルの上、少し薄い空を見上げる。
「まだ、参政権の問題は消えてない。ゆりの出番がなくなったわけじゃないんだよな」
「いつでも言ってください。あたし、待ってます」
 きっぱりと言って、ゆりは松風に背を向けて歩き、喫煙室を出て行った。
 松風は、ゆりの後ろ姿を見送り、空に目を戻し、煙草を吸い、煙を吐き、短くなった煙草を吸殻入れに捨てた。
 ゆりの真っ直ぐな瞳が、少し、罪悪感を感じさせていた。

76 :
「これなんていうんでしょうね?」
 ゆりは二人しかいない喫煙室の壁からコの字に突き出したパイプ状のなにがしかに腰掛けながら言った。つま先が浮いている。
「腰掛けパイプ?かな?背中気をつけて。ヤニがつく」
 松風は吸い殻捨ての近くに立ち、ゆりを向いて言った。口元から火の点いた煙草を放す。外は冬の晴天だった。
「いいですよ。安物だし」
「かわいいのに」
「服が?」
「ゆりも」
「そうでしょう?このかわいいあたしがもうどれだけ悪党を殺してないか知ってます?」
「知らない。ぼくの知らないところで殺してそうだ」
「なんでそんなこと言うんですか」
「最近、少し世の中が平和になってる気がするから」
「ほんとにそう思います?」
「思うけど」
「なんでだと思います?」
「めんどくさいのが勝ってくれて、少なくとも矛先をわかりやすく向けてこなくなったから」
「負けて勝てですか。これで良かったのかな」
「ぼくは事なかれ日和見主義者なので、よかったと思う」
「……例の法案、どうなるんでしょうね」
「表向きはもう問題ないと思う。金生srはもういないしその一党の手ももう届かない。はず」
「でも松風さん風に言えば、我国に価値が無くなったってことですよね」
「それでいいと思うけどなあ。少しさびしいかなあ?」
「よくわかりません。ただ、次があった時、手がつけられないくらい大きくなっていたらヤだなって」
「向こうは大きくなっているかもしれない。こっちは強くなっていたい」
「そうですね」
 言ってゆりは腰掛けパイプからとん、と降りた。松風の顔ををじっと見上げる。
 松風は改めて右手の煙草を見た。吸えるほど残っていなかった。吸い殻棄てに捨てる。
 ゆりが歩み寄り、窓からの陽光を浴びた。
「くさいよ」
「なれてるし」

77 :
「翠ちゃん、いけるかい」
 ユニオンジャック柄のくまのぬいぐるみ、通称ジャッくんが背中の翠に言った。質問ではなく確認。
「コンディション・グリーン!おっけー。はわわわわ」
 最後は両頬を引っ張る。自称ドナルドダックの声真似。余裕があるときは「ドナルドダックはわわわわ」と続く。
「じゃあ発進だ。発進まで?」
「3,2,1……」
「Q!」
「れっつごー!」
 全長10メートルの空飛ぶくまのぬいぐるみ、ジャッくんの背中から、跨ったマジカルブルームごと翠は放り出された。
 なぜか自ら脱がなければ脱げないつば広のとんがり帽子の下から背中まで伸びた栗色の髪が後ろに伸びる。
 マナに乗り風を受ける。高度200メートル。眼下はくらい夜の海。夜の空は月光と星明かりが味方になってくれている。
 同高度前方1`先には我国内工作員の手引で結界を突破した華国一個分隊が待っているにも関わらず、翠は弾む笑顔で翔んだ。

78 :
 洋煌は両手で握ったFSの引鉄を3度引いた。サプレッサーで軽減されているとはいえ、火精が弾ける音は少し甲高く響く。
 5メートル先のデスクの陰で上半身を見せていたK2小銃を構えた男が頭から向こう側に倒れこむ。
「お見事。これで終わりだね」
 洋煌の左手10時方向のドア陰から同じFSを握った陸奥が現れ小さく言った。声はヘッドギアから風精が伝える。
「ありがとうございます、陸奥さん。来てくれなかったら死んでたところでした」
 洋煌は言った。K2でたれて床で死んでいる相棒の愛乃に駆け寄ってしゃがみ込み、血精のアンプルを白い喉に打ち込む。
 程なく銀弾が傷口から転がり出た。風精が弾から抜け出てマナに還ってゆく。
「愛乃ちゃんも毎度むちゃをするなあ……」
 陸奥が痛そうに愛乃を見下ろしながら言った。
「愛乃、家族を亡くしてますからね」
 洋煌も愛乃の歪んだ死顔を見つめて言った。愛乃を見ながら、どこかその向こうを視ていた。
 陸奥は洋煌を見やった。「君もな」その言葉を呑み込んだ。
「これでもう結界の穴は閉じたはずですね」洋煌が陸奥に向いて言った。
「ぴー様も鴉さんなら結界を押し出してるんじゃないかなあ。あとは翠ちゃん次第だね」
「勝った」
 洋煌は笑って言って拳を挙げた。陸奥が合わせる。

79 :
K2でたれてて。撃たれて ですなあ。

80 :
しかも ぴー様も鴉さんなら ときた。ぴー様と鴉さんなら ですなあ。
なんだこりゃ。

81 :
「みるきぃゴーガン!」
 登録済み圧縮呪文が翠の体内から雷精と風精を左拳に集めた。大気中のマナから同二精が翠の左手から伸びる弓を形作る。
 残る敵は二人。手強い。箒要らずの身一つで翔んでいる。左上方と右死角後方。魔箒から翔び身をひねる。頭が重力に引かれる。天地逆転。
 一瞬ブラックアウト。死角後方の鉾持ちの敵は 視えて いる。そちらへ左腕を伸ばし右肘を引き絞る。
「しゅーっ!」
 握った右手を引き放つ。後方敵を左拳弓から風雷の線が射抜く。爆炎。
 上方の矛槍持ち敵が錐揉み降下で一気に詰める。
「さっさー!」ブルームを呼ぶ「みるきぃブレイカー!」右腕甲に風雷精の円盾が生成される。盾上部から腕に沿った刃が伸びる。
 接敵寸前魔箒到着。翠の、白と薄緑のフレアスカートから伸びた脚を絡めて姿勢を反転させる。頭を上に接敵。
 視えぬほど近く敵矛槍。ブレイカーを振るう。敵得物の螻蛄首を斬り飛ばす。
 瞬間の交差と離脱。再び魔箒から翔び身をひねる。
 直前翠の身体が占めていた空間を、敵風精の短剣が貫く。敵の殺意に向け風雷の弓矢。
「ゴーガン!しゅーっ!」
 命中、爆炎。身をもうひとひねりした翠は、迎えに来た魔箒の上に直立で着箒。
 大きく息を吐く。左手弓と右腕盾剣が翠のマナに戻ってゆく。へなへなと箒の上に座り込む。頭上には下弦の月。
「ジャッくーん、疲れちゃったー。迎えにきてー」
 言って箒の上に仰向けになる。地上から、街から離れた海の上では。星もまだ明るく見えていた。

82 :
イスラム国vs忍者部隊月光

83 :
ロシアのオウムがイスラム国とツルんでる件

84 :
世界唯一の真爆弾被爆国の被爆地に、
旧世紀の世界戦争時の真爆弾投下国現選王が訪れることとなった。
被爆国内外で、投下国選王訪問に対する心の有り様が問われた。
過去を知らず歓迎するもの、過去を赦さぬもの、過去を踏まえ、進まんとするもの。

そして、旧世紀戦争時の真爆弾などとはまったく関係なく、
投下国選王の被爆国訪問を“歓迎”するものたち。
なりふり構わず経済的支援を引き出さんとする、被爆国隣国の半公然の工作機関、
投下国と戦争中の国境無き信仰国軍と国際麻薬組織、
潰滅したかつての反被爆国テロリスト集団の生き残りとその後継者たち。

85 :
「で?アザムさんはどちら?」
メルは酒場でのたくるごぎたない男たちに聞いた。
数人ののんだくれのよどんだ目が奥のテーブルを視る。
「どうも」
メルはにっこり笑ってテーブルに向かう。
テーブルの上では、三人の風体賤しからぬ男たちと料理人に囲まれ
砂漠大アオガエルの500グラムほどのステーキが黒い鉄皿の中で香華であろう湯気をあげていた。
メルは二歩歩いたところで身体を翻した。纏った体温調節機能つきポンチョが派手にひらめく。
カウンターの端とその向かいの壁に寄りかかっていたガンマンの利き手の甲から掌を
メルのベルト脇から飛び出したナノワイヤーを曳くちいさなちいさなクナイが貫いていた。
メルはもう一度身体を翻す。ワイヤーがクナイを腰に引き戻し、二人のガンマンが苦痛の声をあげた。

86 :
体勢を戻したメルは両腕を下から振り上げ、
テーブル席へ上がる階段脇に立った二人のガンマンを指差した。
汚れた白いシャツの袖の中から飛んだナノワイヤー曳きクナイが
ガンマンたちの喉を貫き瞬時に袖口に戻る。
階段脇のガンマン二人は抜いたレイガンを手にしたままその場にくずおれた。
静寂。
から、テーブルについていた三人のうち二人が猛然と立ち上がる。
メルの両腕が再びしなった。立ち上がった一人の男の
高価なのであろう、輝くような白い上着の左胸に生まれた赤い点が拡がる。
ガンマン風のもう一人は迷うことなく窓から飛び出した。
メルのクナイは彼の左足ふくらはぎを貫き戻っていた。

87 :
窓から飛び出したネロは両掌と右肩から硬い砂と岩でできた地面に着地し一回転した。
起き上がり走り出そうとして、左膝ががくりとおれる。痛い。あの娘っ子め。やってくれやがった。
身を起こし尻を地につける。この辺りは陽がきつい。
「兄貴じゃねえか。なにやってんだ」
左手から声がした。座ったまま振り向く。相変わらずこ汚い格好のクソ弟が黒いフライパンと木のスプーンを持って立ち、笑いかけていた。
「ヒルか。まだ豆とほうれん草の炒め物か」
ネロは言った。不思議と顔は笑っていた。
「当たり。まだもうろくしちゃいなさそうだな。メルにやられたのかい」
「メル?」ヒルに応える「へんてこくのいちの娘っ子か?」
「いい娘だろ?今のご時世、せいぎのみかた になりたがるような女の子もなかなかいない」
言ってヒルはがしょがしょと豆とほうれん草の蛙油炒めをかきこんだ。
「飯を食い損ねた。ステーキだ」
ネロはうらめしそうに言った。
「いっしょに食おうぜ。ごめんなさいって言えりゃあわかってくれない娘じゃあないんだ」
「そうするか。みんなにもちゃんと話さなきゃな」
「兄貴の惜しいとこだ。わかってくれるやつだけが善人てわけでもないんだ」
「お前の惜しいとこは、善人ならだいたいわかってくれるってことを信じないとこだ」
数年ぶりに面をあわせ、案の定二人はダメなすれ違い方をした。

88 :
「ごめんなさい。痛いですよね」
メルは消毒し止血再生パッチを貼ったネロの左ふくらはぎに包帯を貼り巻きながら謝った。
「大したことじゃない」
ネロは応えた。メルの表情に見とれていた。いっしょけんめい だった。
「そ、そうですよね!」メルが顔を上げた。ちいさく整ったタマゴ型の頭顔に瞳と口が全体との比較においておおきく見えた。いい笑顔。
「いいもんだろ兄貴。おれもときどきケツを射してもらって治してもらってる」
二人に背を向けテーブルについたヒルがちゃちゃを入れ、
カエルのステーキの切り端を口に放り込む。
「してないでしょう!いいんですかしても」とメル。
「すまない。うそをついた」ヒルは振り返りステーキをもぐもぐ咀嚼する口をフォークを持った左手で隠して言った「うまい。これはほんと」料理人にウインクする。
「ずっとこんな感じなんですけど」微笑み返す料理人とヒルを見てメル「子供のころからこうだったんですか?」
「お互いちびっこのころはましだった」ネロは笑った「お互いガキになっておかしくなって、よくぶつかった」
「そのうち」とネロ「すぐに」とヒル「馴れる」と兄弟。
「もう馴れたかも」よろけつつ立ち上がるネロに手を貸そうか小さくじたばたしつつメル。
「終わったらテーブルにつけ。メシを食おう。うまいぞ」
もぐもぐしながらヒルが言った。しあわせそうな笑顔だった。

89 :
「そんで?ムンマ教原理主義者どもからどんだけ巻き上げたんだい?」
ヒルは言った。ネロと並んで店先ポーチの陽陰で木製安楽椅子に身を沈め、
二人で葉巻を喫っていた。まだ陽射しは黄色い岩の大地を灼いている。
保安官がメルが捕まえたり倒したり殺したりした賞金首たちの代金を
メルのカードに振り込んでいた。メルはにこにこと保安官に語りかけている。

「これからだったんだよ。アザムとかって野郎はただの中継ぎだった。でかい話があったらしい」
ネロは陽のまぶしい荒野に目を細めながら言った。大きく紫煙を吐き出す。
「マーシャルネットワークの先走りか?」
「焦りがあるのかもしれん。テラでなんやらきな臭い動きがあるってニュースもあるだろう」
「いやーね。宇宙人に言ってほしいもんだよ」

「人のつまらんメンタリティってな外宇宙人も変わらんのかもしれん。
外宇宙船連絡船ジャック事件は地球人の封じ込めに一役買うだろうしな」
「外に出したくないやつらがいるのか。地球人買いかぶられてんじゃないの?」
「成長しすぎた外宇宙人は丸くなって、やたらとがっつく地球人がこわいのかもしれんな」
「ちびっこ長じガキとなり、ガキ長じてちびっことなり、長じたちびっこは自ら知るガキの悪意に怯える、か」

90 :
「アザムと接触先が当局と地獄に墜ちました。よろしかったのですか?」
アイリが言った。当人に言わせると地味らしいの碧のスーツと
白ブラウス胸元のフラワータイ、スカートから伸びる黒ガーター膝から下とピンヒールは充分にチャニの劣情を煽っていた。
「次の動きを待とう。諦めてくれればそれに越したことはないし」
チャニは言った。アイリの唇が気になっていた。他にもいろいろ。

アイリはくすりと笑った「もうひとつ。アビゲイルとテディを無事に確保したとのことです」
真顔に戻り続ける「二人によると、シャトルのガードにシュンクレスバタリオンが就いていたとのことです」
「どんどん面倒くさくなっていくな」チャニは苦笑した「あとの傭兵二人は?」
「因果率兵器でロストしたそうです。アビゲイルとテディはフォボスに滞在中」
「いいね。テディには、お嬢さんは無事外へ出たと伝えてくれ。次も力を借りたいとも」

91 :
「ヒルさん!」スイングドアを弾き飛ばしメルが飛び出してきた
「ああ。バーベキューを焦がしたわけでもなさそうだ」ポーチの端に立ったヒルは言った
黄色い岩の丘の向こうで、薄い青空に黒煙が小さく上がっている
「クラントン牧場だな。何があった」ヒルと並んだネロが呟く
「あいつらは一家揃ってクソ悪党どもだが、そうそう焼き討ちを喰らうようなやつらじゃないはずだ」ネロは言って短くなった葉巻の煙を喫い、吐き出す

「ムンマ教徒どもかな。おれらがアザムを捕まえた逆恨みで」黒煙を見上げたままヒルは言った。ちびた葉巻をくわえ、喫う
「?どうして?捕まえたのはわたしたちなのに」メルはヒルを見上げて言った
「そういうやつらだ。この件はクラントンどもがムンマのやつらに持ちかけた。ムンマどもは慎重だった。だから、アザムだって先乗りだったんだ」ネロがメルを向いて言う
「で、てめえら嵌めやがったなと。こっちとことをかまえる気はまだないと。仲間の生き死にと並んでメンツが大事ってなあ、こわいねえ」煙を吐き出しつつヒル

92 :
「どうなってる?銃ならあるぞ?」店からへろへろ出てきた三人の呑んだくれの一人が言った
「しまっておけ。ムンマのやつらなら手向かいしない相手は殺さん」ネロが振り向いて言った。灰色に近い空色の眼が笑っていた
「アザムを返してやる準備もしといた方がいいかもなあ」ヒルがポーチの天井に右の眉を上げて言った「ブキャナンのじいさまは聞かんだろうが」
「ブキャナン保安官は頑固だがバカてはなく男だ。わかってくれる。だれか伝えれくれ」とネロ
「そしてムンマのやつらもまたしかり。さて、おれらはどうする」ヒルは言った。青い眼が笑っていた

93 :
「どういうんだい?」
ヒルは四つ脚のジープ、通称四つ脚ジョングの運転台から聞いた。
「わからんな。妙ちきりんな坊主どもが穴掘ってクラントンどもの遺体を放り込んでる。なんなんだ」
助手席に立ち上がったネロが眼鏡の光学ズーム機能を戻しながら応える。
「行きましょう?」後部シートに立ち脚体上部横渡の外フレームに手を置いたメル「きっといやなことにはならないはず」

94 :
あげ

95 :
あげ

96 :
あげ

97 :
あげ

98 :
あげ

99 :
あげ

100 :
クラントン牧場はきれいなものだった
兵舎 と呼ばれる、牧童という名のごろつきどもの棲家だった大きな建物だけが黒煙を上げて燃えていた
黒煙は風に吹かれ、同じくらい大きな母屋の上をどこかへ流れていた
「わざわざ人が木材と変わらん樹脂を創り出したのはこころおきなく燃やすためだ、っつったのは誰だったかな」
ジョングの運転台でぼんやり煙を見上げてヒルはつぶやいた
「……ネロさん、大丈夫ですか?いやなことにならないといいけど……」
「平気さ。平気じゃなくても、好きにさせないと兄貴は無駄に荒れる」
ヒルはあきらめたように笑ってメルを見上げた
メルは荷台に立ち、母屋に徒歩で向かう、50メートル先のネロのうしろすがたを見つめていた
「……そうなんですか……」
「そうなんだ。めんどくさいのさ」
「……そうですね……」
メルは母屋を見ていた。ヒルは顔だけで笑って葉巻を取り出した


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