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/ ´,_ゝ`\初心者のための富士山登山入門159m【新春special】
- 1 :2018/01/10 〜 最終レス :2018/01/11
-
【!】異常者にご注意ください【!】
(ワイエディ [123.*.*.*]) 栗木ハンター主回線
(エーイモ [1.114(115).*.*]) 別回線
(ササクッテロ*) 別回線 *末尾ラ〜ロは動的
(ワッチョイ [175.177.5.*]) 埋立荒らし
(JP [103.75.118.*]) 埋立荒らし
(アウアウカー [182.251.242.*]) 埋立荒らし
(アウアウウー [106.133.56.*]) 埋立荒らし
※他にも回線あり
■ ご覧の皆さまへ
常駐して荒らしとスパムを繰り返す「栗木ハンター(通称ワイエディ)」。
栗城工作員の可能性が濃厚です。
http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1514990295/1-46
http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1500267844/1-216
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☆ オリジナルはこちら!
【栗城史多まとめ @ ウィキ】
富士登山やエベレスト他のまとめです。
http://www44.atwiki.jp/kuriki_fan/
http://www44.atwiki.jp/kuriki_fan/m/ [モバイル版]
【知恵袋のベストアンサー】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1146998496
【オクサマファイル】
的確な指摘です。ご一読を。
http://baby01.net/blog/364
(当板の「栗城スレ」「海彦山彦ブログ/栗城下山劇場」もおすすめです)
夏の暑さと冬の寒さが混在する富士山。
>>5〜のテンプレを参考に「余力を残して登頂・余裕を持って下山」でご安全に。
※前スレ
158m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1515414378/1-
VIPQ2_EXTDAT: checked:vvvvv:1000:512:----: EXT was configured
- 2 :
-
※過去スレ
127m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1502426392/
128m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1504257381/
129m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1505654412/
130m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1505746304/
131m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1506049117/
132m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1511685239/
133m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1512444556/
134m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1512518697/
135m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1512657195/
136m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1512771980/
137m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1512794828/
138m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1512907765/
139m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1512916514/
- 3 :
-
140m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1513036203/
141m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1513053058/
142m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1513089517/
143m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1513137620/
144m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1513231450/
145m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1513310183/
146m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1513433770/
147m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1513480822/
148m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1513568785/
149m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1513684438/
- 4 :
-
150m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1513754606/
151m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1513846641/
152m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1513998223/
153m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1514172194/
154m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1514522248/
155m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1514813485/
156m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1514863126/
157m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1514981647/
- 5 :
-
開山期間は山梨県側で7/1〜9/10。静岡県側で7/10〜9/10です。
初心者が登れるのは山小屋が営業する期間に限られます。
初冠雪(積雪)は例年10月初旬ですが、9月でも降雪の可能性があります。
10月以降、風雪と強風に磨かれカチカチに凍った急斜面は氷の滑り台のようになります。
毎年のように滑落事故があります、十分なご注意を。
- 6 :
-
高度が100m上がるごとに気温は0.6℃下がり、風速1m/sごとに体感温度は1℃下がります。
富士山では台風並みの強風が吹くこともあり、夜明け前の山頂は真冬のような寒さに、体感温度は氷点下になります。
冷えた体を温めるために多くのエネルギーが消耗され、真夏でも低体温症や疲労凍死のリスクがあります。
万全の準備で臨みましょう。
- 7 :
-
2ちゃんねるの書き込みは、釣りや冗談、初心者以下の知識で語る人や受け売りも多いので気をつけましょう。
また、各種業者のステマやアフィリエイト目的のブログ誘導などにも注意、まずは対策から>>1。
「自分はこれで大丈夫だった」「他の人もこうしてる」という話は鵜呑みにせず、信頼できる情報源から総合して慎重に判断しましょう。
- 8 :
-
■リンク
(公共性の高いものを抜粋。不適切サイト、推奨サイトお知らせください)
・富士登山オフィシャルサイト
ttp://www.fujisan-climb.jp/
・静岡県「世界遺産 富士山とことんガイド」
ttp://www.fujisan223.com
・環境省「富士箱根伊豆国立公園」
ttp://www.env.go.jp/park/fujihakone/data/index.html
・富士山ガイド.com(富士吉田市)
ttp://www.fujisanguide.com/forms/top/top.aspx
・富士宮市「富士山」
ttp://www.city.fujinomiya.lg.jp/fujisan/index.html
・御殿場市「富士登山」
ttp://www.fujisan-climb.jp/hospitality/resource/link.html
・小山町「富士山」
ttp://www.fuji-oyama.jp/kankoubunka_mtfuji.html
・山梨県警察「富士登山情報」
ttp://www.pref.yamanashi.jp/police/p_tiiki/sangaku/fujitozan.html
・静岡県警察「夏の富士登山情報」
ttp://www.pref.shizuoka.jp/police/kurashi/sangaku/fujitozan/index.html
・富士山五合目観光協会
ttp://www.fujiyama5.jp
・フジヤマNAVI
ttp://www.fujiyama-navi.jp/fujitozan/
- 9 :
-
■富士山の天気
・気象庁HP
ttp://www.jma.go.jp/jp/yoho/
・富士山の天気 - 日本気象協会 tenki.jp
ttp://www.tenki.jp/mountain/famous100/5/25/150.html
・snow-forecast.com
ttp://www.snow-forecast.com/resorts/Mount-Fuji/6day/top
・富士山山頂の天気 - てんきとくらす
ttp://tenkura.n-kishou.co.jp/tk/kanko/kad.html?code=19150004&;;;amp;amp;amp;;amp;amp;;amp;amp;amp;amp;amp;;;amp;amp;amp;amp;;;type=15&;;;amp;amp;amp;;amp;amp;;amp;amp;amp;amp;amp;;;amp;amp;amp;amp;ba=kk
- 10 :
-
■気象について
雨の日に登っても楽しくありません。天気が悪ければ延期する決断を。予報が晴れでも、夏は局地的な夕立や雷雨があります。
雨具や荷物の防水も忘れずに。降水確率と雨量は無関係です。確率が低くても大雨ということも。
風の強さも確認を。天気概況で「大気の状態が不安定」「急変する恐れ」「雷を伴い」と予報されていたら、登山は中止してください。
冷たい風が吹き降ろしてきたら夕立の合図です。降り出す前に雨具を着用しましょう。
- 11 :
-
■装備 ◎必須○有効△状況しだい×余計な荷物
◎ザック....防寒着が嵩張るので、30〜35gが適当
○ザックカバー.雨のとき被せる防水カバー。砂埃除けにも
○スタッフバッグ ..小物をまとめ、パッキングが楽に。電子機器、着替えなどは防水袋へ
◎登山靴....防水のミドルカットが最適。ハイカットは必要ないが、スニーカーはNG
◎雨具.....予報にかかわらず必要。ポンチョ、100円雨合羽はNG。傘は不可。強風で雨が下から
吹き上げるので、上下セパレートタイプが必須。強風時はウィンドブレーカーとして使える
◎ヘッドランプ.日帰りでも下山遅れに備えて必ず必要。予備の電池も忘れずに
◎帽子.....風に飛ばされない対策を。ご来光待ち用にニット帽も
◎サングラス..目も日焼けする。安物はレンズに歪みがあるのでNG
◎手袋.....軍手と防水の手袋を別々に。転倒時に怪我をしないように、下りでは必ず着用
◎防寒着....夜明け前は真冬並みの寒さ。ダウンなど、脱ぎ着しやすいものを
◎長ズボン...伸縮性の物が良い。ジーンズは濡れると動き難くNG。半ズボン、短パンは、風が吹くと寒い
◎化繊の下着..必ず100%のものを。綿は濡れると乾きにくく、体温を奪う
◎中厚手の靴下.長時間歩行のクッションとして。柔らか過ぎず、網目が密でしっかりしたものを
◎日焼け止め..汗で落ちたら塗り直し、首筋、耳も忘れず
◎登山地図...下山時に道を間違う人が多い
◎飲み物....2〜3gが目安だが個人差がある。怪我や目に入った砂埃を洗う真水も必要
◎救急セット..下痢止め、バンドエイド(靴擦れ対策にも)、テーピングテープ、保険証のコピーなど
◎その他....飴や干し梅など行動食を定期的に摂ろう。タオルや日本手ぬぐい。ゴミ袋
×保冷水筒...重く嵩張るのでペットボトルが良い
○保温水筒...ご来光待ち用に。山小屋でお湯を売っていれば出発時に補給
△スパッツ...砂や小石が靴に入るのを防ぐ
○ストック、金剛杖.腕の力を活かし、足(特に下りの膝)の負担軽減に有効
△その他....マスク(下山時の砂埃対策)、ウェットティッシュ、カイロ
△頭痛薬....高山病の頭痛も和らげるが、症状を隠すので却って危険という意見も
×酸素缶....吸っている間しか効果ない
- 12 :
-
■登山の注意点
余計な荷物は体力を消耗するので無駄は省きましょう。
といって必要以上の軽装も本末転倒です。必要品は省かず、背負える体力をつけてから登りましょう。
登り始めは靴一足分の歩幅で、ゆっくりと登りましょう。追い抜かれても慌てずに。
オーバーペースではバテます。また高所は乾燥していますから、水分は少量をこまめに。
グループで登る方は、途中はぐれないように2人以上で組んで行動しましょう。
登山中は最も遅い人のペースに合わせ、また子供には単独行動をさせないようにしましょう。
初心者は列の中央、経験者が前後で目を配りましょう。
全員が地図のコピーを持ち、どのルートで登って来たかを覚えておきましょう。
はぐれた場合の待合せ場所、下山の分岐点についても事前に確認し共有しておきます。
万一の体調不良、ケガの時は全員での下山が原則です。
体調不良は高度障害の可能性もあり、休憩や小屋待機よりもすぐに下山した方が良いケースも。
分かれて登山を続行する場合でも傷病者には必ず誰か付き添い、下山をサポートしましょう。
スケジュールが決められたツアーでは自分のペースで登れず、無理をすると高山病にかかる場合もあります。
トイレは有料のため、100円玉を用意しておきましょう。順番待ちも多いので出来るときにお早めに。
下山時は重心を軽く前へ、歩幅は小さく一足分。滑りやすいところでは足を逆八の字に開きます。
富士宮ルートの平らな岩場では岩の角に靴底の溝を掛けると滑りません。
爪先で踏ん張らず、力を抜いて足裏全体で接地するか、親指の付け根を意識します。
- 13 :
-
■高山病の予防と対策
高山病は体質に起因すると言われ、年齢や性別、体力やスポーツ経験もあまり関係ないようです。
自己の体力を過信せず、登り始めはゆっくりと時間を掛け、身体を慣らしながら登りましょう。
息を吸う事よりも吐く事を特に意識してください。有圧呼吸法も有効とされています。
大きく息を吸い込み、2秒ほど息を止めるとともに、胸に圧力をかけるように力を入れた後、口先を
すぼめてゆっくり吐き出す。これを5〜6回繰り返すと、血中の酸素濃度が上がり、楽になります。
水分を定期的に摂ることも大切です。行程の時間から逆算して必要量を算出し、計画的に摂取し
ましょう。1時間あたり、体重kg×5mlを4回ぐらいに分けて飲むのが良いそうです。(間隔や量は各自
調整してください)
- 14 :
-
・Yutaka Miura's home page:私の高山病の治療方針
ttp://www.med.nagoya-cu.ac.jp/igakf.dir/chyo_AMS.html
睡眠中は呼吸が浅くなるため、高山病になりやすいです。なるべく低い標高の山小屋を選択し、着い
てからすぐ横にならずに、しばらく身体を動かして高度に慣らしましょう。催眠成分を含有する頭痛薬
なども呼吸を浅くするため、高山病を誘発しやすいようです。
高山病になったら悪化する前に下山させるのが一番の解決策です。無理に動かしたり、引っ張って
登らせてはいけません。重篤な場合には、診療所・救護所へ助けを求めましょう。
初期症状は、頭痛、息切れ、むくみ、不眠症、食欲不振、脱力感、吐き気など。さらに、激しい頭痛、
嘔吐、空咳、 意識障害(支離滅裂なことを言う、問いかけに無反応など)になると、とても危険な状態
です。登山は諦めて付き添いの人と共にすぐに下山してください。高山病は最悪の場合死に至ります。
- 15 :
-
■ご覧の皆様へ
現在、前スレでは埋め立て荒らしが再発しています。
>>1の注意喚起とadblock周知を妨害しようとする者でしょう。
ここが同様に荒らされた場合、さらに新スレを立て対処していきます。
・荒らしの状況
128m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1504257381/639-n
129m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1505654412/
130m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1505746304/
131m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1506049117/126-n
132m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1511685239/130-n
133m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1512444556/
134m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1512518697/
135m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1512657195/
136m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1512771980/
137m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1512794828/
138m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1512907765/
139m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1512916514/
140m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1513036203/
- 16 :
-
つづき
141m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1513053058/
142m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1513089517/
143m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1513137620/
144m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1513231450/
145m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1513310183/
146m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1513433770/
147m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1513480822/
148m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1513568785/
149m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1513684438/
150m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1513754606/
151m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1513846641/
152m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1513998223/
153m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1514172194/
154m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1514522248/
155m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1514813485/
156m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1514863126/
157m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1514981647/
158m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1515414378/
- 17 :
-
■ 異常者による荒らし予告
SN7P4m6n
http://hissi.org/read.php/out/20170917/U043UDRtNm4.html
YmBsHqVJ
http://hissi.org/read.php/out/20170918/WW1Cc0hxVko.html
■ 連投荒らしの抽出
(冒頭にアフィスレへ誘導しています)
55THIflI
http://hissi.org/read.php/out/20170917/NTVUSElmbEk.html
- 18 :
-
■ 異常者による埋立荒らし
核心を突いてしまったのか、ついにIPスレを荒らし始めました。
・Tnx6epSX0(回線1)
http://hissi.org/read.php/out/20171213/VG54NmVwU1gw.html
(ワッチョイ 9b0c-oF0E [175.177.5.17])
Tnx6epSXは富士山スレでも連投
↑
・Tnx6epSX(回線1)
http://hissi.org/read.php/out/20171213/VG54NmVwU1g.html
12/13(水) 15:55〜 78レス
・qQ7C0sQZa(回線2)
http://hissi.org/read.php/out/20171213/cVE3QzBzUVph.html
(アウアウカー Sa11-cUpN [182.251.242.15])
12/13(水) 23:30〜 5レス
↓
・koSDLj0ha(回線2)
http://hissi.org/read.php/out/20171214/a29TRExqMGhh.html
(アウアウカー Sa27-A0Ho [182.251.242.15])
12/14(木) 00:01〜 11レス
↓
・9gdrDp+Da(回線2)
http://hissi.org/read.php/out/20171214/OWdkckRwK0Rh.html
(アウアウカー Sa27-A0Ho [182.251.242.7])
12/14(木) 04:05〜
・vbny93KSa(回線3)
http://hissi.org/read.php/out/20171213/dmJueTkzS1Nh.html
(アウアウウー Sa89-HfL4 [106.133.56.192])
12/13(水) 23:31〜 5レス
↓
・FdgDSmA3a(回線3)
http://hissi.org/read.php/out/20171214/RmRnRFNtQTNh.html
(アウアウウー Sa1b-006q [106.133.56.192])
12/14(木) 00:01〜01:09 12レス
↓
・RcU6+V3Ha(回線3)
http://hissi.org/read.php/out/20171214/UmNVNitWM0hh.html
(アウアウウー Sa1b-006q [106.133.56.163])
12/14(木) 01:21〜 現在継続中
【常駐荒らし】栗城ハンター(ワイエディ)【自演マルポ】
http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1500267844/1-
- 19 :
-
■ 異常者のIPの一つ
【175.177.5.17】
'175.177.0.0 - 175.177.255.255'に対する不正行為の連絡先は'hostmaster@nic.ad.jp' です
inetnum:175.177.0.0 - 175.177.255.255 netname
:iTSCOM
descr:その通信会社
descr:541-1 Ichigao-tyou Aoba-ku横浜神奈川225-0024日本
国:JP
admin-c:JNIC1-AP
tech-c: JNIC1-AP
ステータス:ALLOCATED PORTABLE
発言:スパムや虐待の苦情のための電子メールアドレス:abuse@itscom.jp
MNT-IRT:IRT-JPNIC-JP
MNT-によって:MAINT-JPNIC
MNT-下:MAINT-JPNIC
最終更新:2011-02- 17T08:16:02Z
- 20 :
-
/^|
,―ッ゙゙~゙″ |
ヽ ´ ∀` ミ お知らせワッチョイ♪
ミ /) /)
ミ ゙゙ ゙゙ミ
(( ミ ミ
゙ミ 彡
(/~゙゙゙~゙∪
- 21 :
-
age
- 22 :
-
age
- 23 :
-
age
- 24 :
-
age
- 25 :
-
age
- 26 :
-
age
- 27 :
-
age
- 28 :
-
age
- 29 :
-
age
- 30 :
-
age
- 31 :
- いる。なお、上記の補助金とは別に、2006年より構成資産の
整備活用及び保護に関する教育プログラムのための基金を設けて
おり(「富士山基金」)、基金には国内の経済界を中心に民間か
らの資金提供も行われている。g)保全及び保存管理の技術にお
ける専門的知識及び研修構成資産の保存管理については、所有者
(宗教法人を含む)をはじめ、静岡県・山梨県教育委員会及び各
史跡等の管理団体に指定された各市町村教育委員会が実施してい
る。静岡県・山梨県教育委員会とその関連機関である財団法人静
岡県埋蔵文化財調査研究所及び山梨県埋蔵文化センターでは、そ
れぞれの組織内に文化財の高度な保存・管理技術を持つ専門職員
及び技術者を配置し、管理団体である各市町村が行う保存管理に
対して適切な技術的支援を行っている。また、独立行政法人国立
文化財機構は、全国の史跡等における整備活用事業の円滑な推進
と専門職員及び技術者の技術や能力の向上のために、地方公共団
体の専門職員を対象として定期的に研修を開催しており、静岡県
・山梨県をはじめ関係各市町村の職員も当該研修等に積極的に参
加して、資産の整備活用の技術向上に努める予定である。さらに
、独立行政法人国立文化財機構(201年度より国内の大学の研
究者及びイコモス会員を含む富士山世界遺産両県協議会の助言者
及び両県協議会も含まれる予定である)の助言・指導に基づいて
行われている保存・管理技術は、高い水準を維持する予定である
。重要文化財、史跡、特別名勝又は名勝、特別天然記念物又は天
然記念物を維持するための措置として簡単な修理又は復旧を行う
場合は、事前の届出に基づき、文化庁が適切な技術的指導を行っ
ているため、管理技術の水準はきわめて高く保たれている。資産
の見回りや清掃等の日常的な維持管理については、静岡県・山梨
県教育委員会から嘱託された文化財保護指導員(静岡県3名、山
梨県2名:構成資産の所在地区を担当する人数)のほか、地域住
民・民間団体・管理団体が協働して積極的に行っている。表技術
者の資質向上のために行われているおもな研修h)来訪者の施設
と統計構成資産の大部分は、周囲に展開する景勝地とともに日本
を代表する優れた名所として国内のみならず海外に広く知られて
- 32 :
- より業務が行われる。また、富士山文化課世界遺産推進係を設置した富士宮市教育
委員会や世界遺産推進室を設置した富士吉田市をはじめ、各市や市町村教育委員会
においても構成資産の保存管理を担当する専門の職員を定めている。これらの組織
体制については、さらなる充実化に努める予定である。なお、上記の体制について
は現在登録準備のために設置され、実質的に機能している組織を改変・名称変更・
役割変更するものであり、その運営に関して問題は生じない。図「富士山」に係る
- 33 :
- 成資産の整備活用及び保護に関する教育プログラムのための基
金を設けており(「富士山基金」)、基金には国内の経済界を
中心に民間からの資金提供も行われている。g)保全及び保存
管理の技術における専門的知識及び研修構成資産の保存管理に
ついては、所有者(宗教法人を含む)をはじめ、静岡県・山梨
県教育委員会及び各史跡等の管理団体に指定された各市町村教
育委員会が実施している。静岡県・山梨県教育委員会とその関
連機関である財団法人静岡県埋蔵文化財調査研究所及び山梨県
埋蔵文化センターでは、それぞれの組織内に文化財の高度な保
存・管理技術を持つ専門職員及び技術者を配置し、管理団体で
ある各市町村が行う保存管理に対して適切な技術的支援を行っ
ている。また、独立行政法人国立文化財機構は、全国の史跡等
における整備活用事業の円滑な推進と専門職員及び技術者の技
術や能力の向上のために、地方公共団体の専門職員を対象とし
て定期的に研修を開催しており、静岡県・山梨県をはじめ関係
各市町村の職員も当該研修等に積極的に参加して、資産の整備
活用の技術向上に努める予定である。さらに、独立行政法人国
立文化財機構(201年度より国内の大学の研究者及びイコモ
ス会員を含む富士山世界遺産両県協議会の助言者及び両県協議
会も含まれる予定である)の助言・指導に基づいて行われてい
る保存・管理技術は、高い水準を維持する予定である。重要文
化財、史跡、特別名勝又は名勝、特別天然記念物又は天然記念
物を維持するための措置として簡単な修理又は復旧を行う場合
は、事前の届出に基づき、文化庁が適切な技術的指導を行って
いるため、管理技術の水準はきわめて高く保たれている。資産
の見回りや清掃等の日常的な維持管理については、静岡県・山
梨県教育委員会から嘱託された文化財保護指導員(静岡県3名
、山梨県2名:構成資産の所在地区を担当する人数)のほか、
地域住民・民間団体・管理団体が協働して積極的に行っている
。表技術者の資質向上のために行われているおもな研修h)来
訪者の施設と統計構成資産の大部分は、周囲に展開する景勝地
とともに日本を代表する優れた名所として国内のみならず海外
- 34 :
- おり、夏季の登山をはじめとして四季折々の自然の姿を求めて来
訪する観光客でにぎわい、現在も国内有数の観光地となっている
。図富士山への登山者数の推移(各登山口推計登山者数)静岡県
山梨県富士宮口御殿場口須走口県計吉田口合計図富士山への来訪
者数の推移(7・8月における各登山口五合目への入れ込み数推
計)66図主な構成資産の来訪者数の推移(推計等)富士山では
、山頂へ7〜8月の登山期に約29万人(1999〜2009年
平均)が登山し、自動車でアクセス可能な各登山道の「五合目」
(自動車道建設以前の五合目とは一致しないため「新五合目」と
呼ばれる)には、同期間に約250万人(1999〜2009年
平均)が訪れ、近年は外国人がかなりの数を占めるようになって
いる(外国人の数に関する統計は取られていないため、正確な数
値は不明である)。富士山体においては、国内外から来訪する観
光客や登山者等の利用者の安全と利便を確保するとともに、秩序
ある良好な風致景観を維持及び形成することを目的として、「富
士山における標識類静岡県山梨県合計富士宮口御殿場口須走口県
計吉田口(年間)富士吉田・河口本栖湖・精進湖・山中湖・忍野
八三保松原浅間大社白糸ノ滝湖・三つ峠周辺西湖周辺海周辺総合
ガイドライン」作成し、統一されたデザインによる四ヶ国語(英
・中・韓及び日)の道標や解説板を設置しているほか、富士山体
の主として緩衝地帯には駐車場・トイレ・資料館等の便益施設が
整備されている。今後とも、適切な計画の下に順次整備していく
こととしており、「ビジターセンター」などのガイダンス施設の
充実も行われる予定である。自動車による訪問者の管理について
は、土日や休日等登山者が突出して増加する日に、仮設トイレ・
臨時駐車場等を設置するとともに、登山用の自動車道は自家用車
の通行(登山道ごとに異なる、最も利用数の多い吉田口(富士ス
バルラインを利用)で最大12日間)を規制しシャトルバスによ
る代替輸送を行うことで環境への負荷と混雑を軽減するようにし
ている。この日数は山麓の駐車場の整備に従い(2011年に吉
田口に1400台の駐車場を整備)今後拡大(吉田口で15日)
する予定である。登山者の安全管理については、4箇所の案内施
- 35 :
- 保存管理の組織体制図(仮案・今後変更の可能性大)64富士山世界遺産両県協議
会(構成)静岡県、山梨県、関係市町村学識経験者等国関係機関(文化庁、環境省
、国土交通省、防衛省、林野庁)f)財源及び財政的水準各構成資産の管理につい
ては、それぞれの所有者又は管理団体が行っている。特に「記念工作物」、「建造
物群」の修理を行う場合には、小修理その他特別な場合を除いて国が必要に応じて
経費の50開発事業者、地域住民、関係者静岡県世界遺産協議会山梨県世界遺産協
議会(委員)行政:静岡県、関係市町(委員)行政:山梨県、関係市町村等民間:
観光協会、登山組合、神社関係者等民間:観光協会、山小屋組合、静岡県保存管理
協力者会議(委員)関係市町(企画・都市計画・文化財担当)観光関係者、登山組
合、神社関係者等神社、関係者等静岡県庁内連絡会議山梨県庁内連絡会議(委員)
関係課等(委員)関係課等山梨県保存管理協力者会議(委員)関係市町村(企画、
都市計画、文化財担当)観光関係者、山小屋組合、神社関係者等65〜85%の補
助金を交付している。「遺跡」である史跡、特別名勝又は名勝、特別天然記念物又
は天然記念物において発掘調査・修理・整備の事業を行う場合にも、国が必要に応
じて経費の50%の補助金を交付している。これらの国の補助金に併せて、静岡県
・山梨県は国の補助金相当額を控除した額の50%に相当する額以内の補助金を交
付し、構成資産所在の市町村が同内容の補助金を交付する予定である。また、重要
文化財、史跡、特別名勝又は名勝、特別天然記念物又は天然記念物において、それ
ぞれ防災施設等を設置する事業についても、同様の比率の下に経費の補助を行うこ
ととしている。なお、上記の補助金とは別に、2006年より構成資産の整備活用
及び保護に関する教育プログラムのための基金を設けており(「富士山基金」)、
基金には国内の経済界を中心に民間からの資金提供も行われている。g)保全及び
保存管理の技術における専門的知識及び研修構成資産の保存管理については、所有
者(宗教法人を含む)をはじめ、静岡県・山梨県教育委員会及び各史跡等の管理団
- 36 :
- に広く知られており、夏季の登山をはじめとして四季折々の自
然の姿を求めて来訪する観光客でにぎわい、現在も国内有数の
観光地となっている。図富士山への登山者数の推移(各登山口
推計登山者数)静岡県山梨県富士宮口御殿場口須走口県計吉田
口合計図富士山への来訪者数の推移(7・8月における各登山
口五合目への入れ込み数推計)66図主な構成資産の来訪者数
の推移(推計等)富士山では、山頂へ7〜8月の登山期に約2
9万人(1999〜2009年平均)が登山し、自動車でアク
セス可能な各登山道の「五合目」(自動車道建設以前の五合目
とは一致しないため「新五合目」と呼ばれる)には、同期間に
約250万人(1999〜2009年平均)が訪れ、近年は外
国人がかなりの数を占めるようになっている(外国人の数に関
する統計は取られていないため、正確な数値は不明である)。
富士山体においては、国内外から来訪する観光客や登山者等の
利用者の安全と利便を確保するとともに、秩序ある良好な風致
景観を維持及び形成することを目的として、「士山における
標識類静岡県山梨県合計富士宮口御殿場口須走口県計吉田口(
年間)富士吉田・河口本栖湖・精進湖・山中湖・忍野八三保松
原浅間大社白糸ノ滝湖・三つ峠周辺西湖周辺海周辺総合ガイド
ライン」作成し、統一されたデザインによる四ヶ国語(英・中
・韓及び日)の道標や解説板を設置しているほか、富士山体の
主として緩衝地帯には駐車場・トイレ・資料館等の便益施設が
整備されている。今後とも、適切な計画の下に順次整備してい
くこととしており、「ビジターセンター」などのガイダンス施
設の充実も行われる予定である。自動車による訪問者の管理に
ついては、土日や休日等登山者が突出して増加する日に、仮設
トイレ・臨時駐車場等を設置するとともに、登山用の自動車道
は自家用車の通行(登山道ごとに異なる、最も利用数の多い吉
田口(富士スバルラインを利用)で最大12日間)を規制しシ
ャトルバスによる代替輸送を行うことで環境への負荷と混雑を
軽減するようにしている。この日数は山麓の駐車場の整備に従
い(2011年に吉田口に1400台の駐車場を整備)今後拡
- 37 :
- 設(山頂、富士宮口、吉田口、富士スバルライン終点)と3箇所
の救護センター(富士宮口に1箇所、吉田口に2箇所)が対応を
行っている。南麓では静岡県によって30名の「富士登山ナビゲ
ーター」が登山指導・案内・通訳業務を行っており、北麓では富
士吉田市条例によって、登山下山の案内を行う約230名のガイ
ドが「富士吉田市案内員組合」に登録している。さらに吉田口の
- 38 :
- 体に指定された各市町村教育委員会が実施している。静岡県・山梨県教育委員会と
その関連機関である財団法人静岡県埋蔵文化財調査研究所及び山梨県埋蔵文化セン
ターでは、それぞれの組織内に文化財の高度な保存・管理技術を持つ専門職員及び
技術者を配置し、管理団体である各市町村が行う保存管理に対して適切な技術的支
援を行っている。また、独立行政法人国立文化財機構は、全国の史跡等における整
備活用事業の円滑な推進と専門職員及び技術者の技術や能力の向上のために、地方
公共団体の専門職員を対象として定期的に研修を開催しており、静岡県・山梨県を
はじめ関係各市町村の職員も当該研修等に積極的に参加して、資産の整備活用の技
術向上に努める予定である。さらに、独立行政法人国立文化財機構(201年度よ
り国内の大学の研究者及びイコモス会員を含む富士山世界遺産両県協議会の助言者
及び両県協議会も含まれる予定である)の助言・指導に基づいて行われている保存
・管理技術は、高い水準を維持する予定である。重要文化財、史跡、特別名勝又は
名勝、特別天然記念物又は天然記念物を維持するための措置として簡単な修理又は
復旧を行う場合は、事前の届出に基づき、文化庁が適切な技術的指導を行っている
ため、管理技術の水準はきわめて高く保たれている。資産の見回りや清掃等の日常
的な維持管理については、静岡県・山梨県教育委員会から嘱託された文化財保護指
導員(静岡県3名、山梨県2名:構成資産の所在地区を担当する人数)のほか、地
域住民・民間団体・管理団体が協働して積極的に行っている。表技術者の資質向上
のために行われているおもな研修h)来訪者の施設と統計構成資産の大部分は、周
囲に展開する景勝地とともに日本を代表する優れた名所として国内のみならず海外
に広く知られており、夏季の登山をはじめとして四季折々の自然の姿を求めて来訪
する観光客でにぎわい、現在も国内有数の観光地となっている。図富士山への登山
者数の推移(各登山口推計登山者数)静岡県山梨県富士宮口御殿場口須走口県計吉
田口合計図富士山への来訪者数の推移(7・8月における各登山口五合目への入れ
- 39 :
- 大(吉田口で15日)する予定である。登山者の安全管理につ
いては、4箇所の案内施設(山頂、富士宮口、吉田口、富士ス
バルライン終点)と3箇所の救護センター(富士宮口に1箇所
、吉田口に2箇所)が対応を行っている。南麓では静岡県によ
って30名の「富士登山ナビゲーター」が登山指導・案内・通
訳業務を行っており、北麓では富士吉田市条例によって、登山
下山の案内を行う約230名のガイドが「富士吉田市案内員組
合」に登録している。さらに吉田口の山小屋では、民間の気象
予報会社と連携し山岳気象情報を共有している。事故に対して
は県警察山岳救助隊及び消防本部や市町村消防署が対応し、場
合により自衛隊の出動も要請する。また、気象条件が一般の登
- 40 :
- 山小屋では、民間の気象予報会社と連携し山岳気象情報を共有し
ている。事故に対しては県警察山岳救助隊及び消防本部や市町村
消防署が対応し、場合により自衛隊の出動も要請する。また、気
象条件が一般の登山を行うには危険となる冬季は登山道・山小屋
を閉鎖(山梨県側は10月初旬、静岡県側は11月末より翌年7
月初旬)することにより十分な装備と経験を有する者以外の登山
は不可能である。冬山登山者は各登山口所轄警察署(御殿場署・
富士宮署・富士吉田署)に登山計画書の提出を推奨されている(
また、おおむね11月末〜4月末まで静岡県側の登山用自動車道
は閉鎖され、山梨県側も積雪・凍結等の状況に応じて段階的に閉
鎖される。)山体以外の構成資産については、おおむね来訪者数
に応じた駐車場・トイレ等を整備しており、今後、これらをさら
に整備する予定が立てられている。i)資産の整備・活用に関す
る方針・計画静岡県・山梨県では、構成資産及びその周辺を対象
とした保存管理に関する事業計画を定め、地域住民による活用の
取組をも取り込んで計画的に実施している。こうした諸計画に基
づき、富士山地域の歴史的背景を展示する「富士吉田市歴史民俗
博物館」「裾野市立富士山資料館」「富士市立博物館」の活用や
、富士山に係る包括的な保存・管理や利用者ニーズに適切に対応
する拠点の整備を検討するなど富士山の適切な保全・管理・活用
を図っていく。加えて、富士山についての市民向け講座の開催を
はじめ、児童・生徒を対象とした体験学習などの情報発信施策が
定期的に実施されている。個別の資産については、「遺跡」であ
る特別名勝又は名勝、天然記念物、史跡をはじめ「記念工作物」
・「建造物群」である重要文化財に指定されている建造物につい
ては、一部を除き所有者・管理団体が年間を通じて一般に公開し
ている。なお、登山については、登山期間(基本的に7月1日〜
8月31日)が公開時期に当たる。この時期以外の登山も禁止さ
れてはいないが、道路・山小屋等の閉鎖、および冬季の気象条件
などにより専門家以外の登山は困難である。j)専門分野・技術
・管理に関する人的措置68静岡県・山梨県教育委員会の委嘱を
受けた文化財保護指導員(以下、「指導員」という。)が定期的
- 41 :
- 込み数推計)66図主な構成資産の来訪者数の推移(推計等)富士山では、山頂へ
7〜8月の登山期に約29万人(1999〜2009年平均)が登山し、自動車で
アクセス可能な各登山道の「五合目」(自動車道建設以前の五合目とは一致しない
ため「新五合目」と呼ばれる)には、同期間に約250万人(1999〜2009
年平均)が訪れ、近年は外国人がかなりの数を占めるようになっている(外国人の
数に関する統計は取られていないため、正確な数値は不明である)。富士山体にお
いては、国内外から来訪する観光客や登山者等の利用者の安全と利便を確保すると
ともに、秩序ある良好な風致景観を維持及び形成することを目的として、「富士山
における標識類静岡県山梨県合計富士宮口御殿場口須走口県計吉田口(年間)富士
吉田・河口本栖湖・精進湖・山中湖・忍野八三保松原浅間大社白糸ノ滝湖・三つ峠
周辺西湖周辺海周辺総合ガイドライン」作成し、統一されたデザインによる四ヶ国
語(英・中・韓及び日)の道標や解説板を設置しているほか、富士山体の主として
緩衝地帯には駐車場・トイレ・資料館等の便益施設が整備されている。今後とも、
適切な計画の下に順次整備していくこととしており、「ビジターセンター」などの
ガイダンス施設の充実も行われる予定である。自動車による訪問者の管理について
は、土日や休日等登山者が突出して増加する日に、仮設トイレ・臨時駐車場等を設
置するとともに、登山用の自動車道は自家用車の通行(登山道ごとに異なる、最も
利用数の多い吉田口(富士スバルラインを利用)で最大12日間)を規制しシャト
ルバスによる代替輸送を行うことで環境への負荷と混雑を軽減するようにしている
。この日数は山麓の駐車場の整備に従い(2011年に吉田口に1400台の駐車
場を整備)今後拡大(吉田口で15日)する予定である。登山者の安全管理につい
ては、4箇所の案内施設(山頂、富士宮口、吉田口、富士スバルライン終点)と3
箇所の救護センター(富士宮口に1箇所、吉田口に2箇所)が対応を行っている。
南麓では静岡県によって30名の「富士登山ナビゲーター」が登山指導・案内・通
- 42 :
- 史跡をはじめ「記念工作物」・「建造物群」である重要文化財
に指定されている建造物については、一部を除き所有者・管理
団体が年間を通じて一般に公開している。なお、登山について
は、登山期間(基本的に7月1日〜8月31日)が公開時期に
当たる。この時期以外の登山も禁止されてはいないが、道路・
山小屋等の閉鎖、および冬季の気象条件などにより専門家以外
の登山は困難である。j)専門分野・技術・管理に関する人的
措置68静岡県・山梨県教育委員会の委嘱を受けた文化財保護
- 43 :
- に文化財を巡回・点検し、両県教育委員会に対して保護に関する
助言を行っている。静岡県・山梨県は、指導員の調査報告に基づ
き、所有者や関係市町村に対して文化財の保存管理に関する指導
を行っている。このように、将来的に良好な状態の下に資産を維
持していくための体制についても万全を期している。6.経過観
察(モニタリング)の体制a)保存状況を計測するための主たる
指標構成資産である「遺跡」・「記念工作物」・「建造物群」を
はじめ、それらの緩衝地帯については、顕著な普遍的価値の確実
な保持、修理又は復旧、維持管理、防災及び危機管理に関する体
制の充実及び技術の向上を目的として、4章に掲げた保全状況及
び資産全体に与える影響に対し、次に掲げる主な観点の下に適切
な指標を設定し、定期的かつ体系的な経過観察(モニタリング)
を実施する予定である。@「3.記載のための価値証明」に記さ
れた資産の価値と真実性及び完全性が維持されているか。A「4
.保全状況と資産に与える影響」に記された諸要素(開発・環境
問題・自然災害・観光・その他)が資産とその緩衝地帯にどのよ
うな影響を与えているか/与えたか。B「5.資産の保護と管理
」に関連して、資産とその緩衝地帯及びそれらを取り巻く周辺の
広い地域が、相互に呼応しつつ資産の顕著な普遍的価値に関する
知識を発信する場として適切な発展を遂げているか。設定するお
もな観察指標については、以下の表に示すとおりである(予定)
。表観察指標一覧表※斜字は富士山を守る指標(2010年度改
定予定)から指標周期記録組織(1)資産の視覚的結a)視点場
における景観阻害要因数毎年両県びつきの保護b)電線の地中化
延長毎年両県a)富士山環境教育開催数・参加者数毎年両県b)
パンフレット・HPによる情報提供数毎年両県c)主要地点での
観光客の入込み数毎年両県d)登山者数(5合目以上)毎年市町
村e)登山者数(8合目以上)毎年環境省(2)資産の関連性の
保護f)森林伐採面積(森林の整備形態?)毎年両県a)文化財
保護法における現状変更の数毎年両県b)自然公園法における許
可行為の数毎年両県・環境省c)生活排水クリーン処理数毎年両
県(3)個別資産の保護d)富士山5合目以上のごみ収集量毎年
- 44 :
- 訳業務を行っており、北麓では富士吉田市条例によって、登山下山の案内を行う約
230名のガイドが「富士吉田市案内員組合」に登録している。さらに吉田口の山
小屋では、民間の気象予報会社と連携し山岳気象情報を共有している。事故に対し
ては県警察山岳救助隊及び消防本部や市町村消防署が対応し、場合により自衛隊の
出動も要請する。また、気象条件が一般の登山を行うには危険となる冬季は登山道
・山小屋を閉鎖(山梨県側は10月初旬、静岡県側は11月末より翌年7月初旬)
- 45 :
- 指導員(以下、「指導員」という。)が定期的に文化財を巡回
・点検し、両県教育委員会に対して保護に関する助言を行って
いる。静岡県・山梨県は、指導員の調査報告に基づき、所有者
や関係市町村に対して文化財の保存管理に関する指導を行って
いる。このように、将来的に良好な状態の下に資産を維持して
いくための体制についても万全を期している。6.経過観察(
モニタリング)の体制a)保存状況を計測するための主たる指
標構成資産である「遺跡」・「記念工作物」・「建造物群」を
はじめ、それらの緩衝地帯については、顕著な普遍的価値の確
実な保持、修理又は復旧、維持管理、防災及び危機管理に関す
る体制の充実及び技術の向上を目的として、4章に掲げた保全
状況及び資産全体に与える影響に対し、次に掲げる主な観点の
下に適切な指標を設定し、定期的かつ体系的な経過観察(モニ
タリング)を実施する予定である。@「3.記載のための価値
証明」に記された資産の価値と真実性及び完全性が維持されて
いるか。A「4.保全状況と資産に与える影響」に記された諸
要素(開発・環境問題・自然災害・観光・その他)が資産とそ
の緩衝地帯にどのような影響を与えているか/与えたか。B「
5.資産の保護と管理」に関連して、資産とその緩衝地帯及び
それらを取り巻く周辺の広い地域が、相互に呼応しつつ資産の
顕著な普遍的価値に関する知識を発信する場として適切な発展
を遂げているか。設定するおもな観察指標については、以下の
表に示すとおりである(予定)。表観察指標一覧表※斜字は富
士山を守る指標(2010年度改定予定)から指標周期記録組
織(1)資産の視覚的結a)視点場における景観阻害要因数毎
年両県びつきの保護b)電線の地中化延長毎年両県a)富士山
環境教育開催数・参加者数毎年両県b)パンフレット・HPに
よる情報提供数毎年両県c)主要地点での観光客の入込み数毎
年両県d)登山者数(5合目以上)毎年市町村e)登山者数(
8合目以上)毎年環境省(2)資産の関連性の保護f)森林伐
採面積(森林の整備形態?)毎年両県a)文化財保護法におけ
る現状変更の数毎年両県b)自然公園法における許可行為の数
- 46 :
- 両県a)自然公園法における許可行為の数毎年両県・環境省b)
ゴルフ場面積毎年両県(4)緩衝地帯の保護c)森林伐採面積(
森林の整備形態?)毎年両県69d)廃棄物の不法投棄量毎年両
県なお、上記指標の具体的な設定根拠及び測定方法等に関する内
容の詳細については、本推薦書参考資料である包括的保存管理計
画において具体的に記述している。b)資産の経過観察(モニタ
リング)のための行政上の体制定期的報告を含む経過観察(モニ
タリング)については、以下の表に示すように管理団体である山
梨県及び関係各市町村が、静岡県・山梨県教育委員会を通じて文
化庁の指導の下に行う。『世界遺産条約履行のための作業指針』
(2008年)第5章に基づき、年度ごとに情報収集及び記録作
成を行い、蓄積した成果について6年ごとに保存管理状況の評価
としてまとめ、世界遺産センターを通じて世界遺産委員会に定期
報告書(英文)を提出する。モニタリング体制分担管轄域担当組
織1.担当組織及び担当課名資産及び緩衝地帯2.監督組織資産
及び緩衝地帯組織名称:文化庁組織代表者氏名:文化庁長官担当
課及び担当責任者氏名:記念物課課長3.指導組織資産及び緩衝
地帯組織名称:静岡県教育委員会:山梨県教育委員会組織代表者
氏名:静岡県教育長:山梨県教育長担当課及び担当責任者氏名:
静岡県世界遺産推進課課長:山梨県世界遺産推進課課長c)以前
の保全状況報告の成果経過観察(モニタリング)に必要とされる
諸事項に関し、現時点及び過去における資料・情報については、
静岡県・山梨県・及び資産の所在する市町の下に適切に収集・保
管されている。それらの一覧表については、以下のとおりである
。表(過去に経過観察のために実施した過去の資料・情報)番号
編著者標題対象資産年要約707.資料a)写真・スライド・画
像一覧表Noフォーマット標題撮影年月撮影者・編集者著作権保
持者著作権者連絡先非独占的権利譲渡b)保護のための指定に関
する文書などc)資産関連資料d)資産管理機関住所e)参考文
献8.連絡先a)申請書作成者連絡先b)管理組織・官庁c)そ
の他の組織d)公式ウェブサイト9.署名構成資産の分析(1)
番号構成資産候補名所在市町村文化財指定状況保存管理計画策定
- 47 :
- することにより十分な装備と経験を有する者以外の登山は不可能である。冬山登山
者は各登山口所轄警察署(御殿場署・富士宮署・富士吉田署)に登山計画書の提出
を推奨されている(また、おおむね11月末〜4月末まで静岡県側の登山用自動車
道は閉鎖され、山梨県側も積雪・凍結等の状況に応じて段階的に閉鎖される。)山
体以外の構成資産については、おおむね来訪者数に応じた駐車場・トイレ等を整備
しており、今後、これらをさらに整備する予定が立てられている。i)資産の整備
・活用に関する方針・計画静岡県・山梨県では、構成資産及びその周辺を対象とし
た保存管理に関する事業計画を定め、地域住民による活用の取組をも取り込んで計
画的に実施している。こうした諸計画に基づき、富士山地域の歴史的背景を展示す
る「富士吉田市歴史民俗博物館」「裾野市立富士山資料館」「富士市立博物館」の
活用や、富士山に係る包括的な保存・管理や利用者ニーズに適切に対応する拠点の
整備を検討するなど富士山の適切な保全・管理・活用を図っていく。加えて、富士
山についての市民向け講座の開催をはじめ、児童・生徒を対象とした体験学習など
の情報発信施策が定期的に実施されている。個別の資産については、「遺跡」であ
る特別名勝又は名勝、天然記念物、史跡をはじめ「記念工作物」・「建造物群」で
ある重要文化財に指定されている建造物については、一部を除き所有者・管理団体
が年間を通じて一般に公開している。なお、登山については、登山期間(基本的に
7月1日〜8月31日)が公開時期に当たる。この時期以外の登山も禁止されては
いないが、道路・山小屋等の閉鎖、および冬季の気象条件などにより専門家以外の
登山は困難である。j)専門分野・技術・管理に関する人的措置68静岡県・山梨
県教育委員会の委嘱を受けた文化財保護指導員(以下、「指導員」という。)が定
期的に文化財を巡回・点検し、両県教育委員会に対して保護に関する助言を行って
いる。静岡県・山梨県は、指導員の調査報告に基づき、所有者や関係市町村に対し
て文化財の保存管理に関する指導を行っている。このように、将来的に良好な状態
- 48 :
- 毎年両県・環境省c)生活排水クリーン処理数毎年両県(3)
個別資産の保護d)富士山5合目以上のごみ収集量毎年両県a
)自然公園法における許可行為の数毎年両県・環境省b)ゴル
フ場面積毎年両県(4)緩衝地帯の保護c)森林伐採面積(森
林の整備形態?)毎年両県69d)廃棄物の不法投棄量毎年両
県なお、上記指標の具体的な設定根拠及び測定方法等に関する
内容の詳細については、本推薦書参考資料である包括的保存管
理計画において具体的に記述している。b)資産の経過観察(
モニタリング)のための行政上の体制定期的報告を含む経過観
察(モニタリング)については、以下の表に示すように管理団
体である山梨県及び関係各市町村が、静岡県・山梨県教育委員
会を通じて文化庁の指導の下に行う。『世界遺産条約履行のた
めの作業指針』(2008年)第5章に基づき、年度ごとに情
報収集及び記録作成を行い、蓄積した成果について6年ごとに
保存管理状況の評価としてまとめ、世界遺産センターを通じて
世界遺産委員会に定期報告書(英文)を提出する。モニタリン
グ体制分担管轄域担当組織1.担当組織及び担当課名資産及び
緩衝地帯2.監督組織資産及び緩衝地帯組織名称:文化庁組織
代表者氏名:文化庁長官担当課及び担当責任者氏名:記念物課
課長3.指導組織資産及び緩衝地帯組織名称:静岡県教育委員
会:山梨県教育委員会組織代表者氏名:静岡県教育長:山梨県
教育長担当課及び担当責任者氏名:静岡県世界遺産推進課課長
:山梨県世界遺産推進課課長c)以前の保全状況報告の成果経
過観察(モニタリング)に必要とされる諸事項に関し、現時点
及び過去における資料・情報については、静岡県・山梨県・及
び資産の所在する市町の下に適切に収集・保管されている。そ
れらの一覧表については、以下のとおりである。表(過去に経
過観察のために実施した過去の資料・情報)番号編著者標題対
象資産年要約707.資料a)写真・スライド・画像一覧表N
oフォーマット標題撮影年月撮影者・編集者著作権保持者著作
権者連絡先非独占的権利譲渡b)保護のための指定に関する文
書などc)資産関連資料d)資産管理機関住所e)参考文献8
- 49 :
- 状況H21.10.30学術委員会評価分析結果備考富士山両県
未着手分析結果A:富士山の価値を証明するのに必須の資産C:
富士山の価値を証明するのに不可欠ではない資産平成21年10
月30日の各県学術委員会(両県合同開催)での評価A:顕著な
普遍的価値を有する資産B:顕著な普遍的価値についてさらに調
査等が必要な資産C:顕著な普遍的価値を有しない可能性がある
資産保留:評価を保留平成22年度第1回静岡県学術委員会・第
2回山梨県学術委員会資料3世界文化遺産富士山包括的保存管理
- 50 :
- の下に資産を維持していくための体制についても万全を期している。6.経過観察
(モニタリング)の体制a)保存状況を計測するための主たる指標構成資産である
「遺跡」・「記念工作物」・「建造物群」をはじめ、それらの緩衝地帯については
、顕著な普遍的価値の確実な保持、修理又は復旧、維持管理、防災及び危機管理に
関する体制の充実及び技術の向上を目的として、4章に掲げた保全状況及び資産全
体に与える影響に対し、次に掲げる主な観点の下に適切な指標を設定し、定期的か
つ体系的な経過観察(モニタリング)を実施する予定である。@「3.記載のため
の価値証明」に記された資産の価値と真実性及び完全性が維持されているか。A「
4.保全状況と資産に与える影響」に記された諸要素(開発・環境問題・自然災害
・観光・その他)が資産とその緩衝地帯にどのような影響を与えているか/与えた
か。B「5.資産の保護と管理」に関連して、資産とその緩衝地帯及びそれらを取
り巻く周辺の広い地域が、相互に呼応しつつ資産の顕著な普遍的価値に関する知識
を発信する場として適切な発展を遂げているか。設定するおもな観察指標について
は、以下の表に示すとおりである(予定)。表観察指標一覧表※斜字は富士山を守
る指標(2010年度改定予定)から指標周期記録組織(1)資産の視覚的結a)
視点場における景観阻害要因数毎年両県びつきの保護b)電線の地中化延長毎年両
県a)富士山環境教育開催数・参加者数毎年両県b)パンフレット・HPによる情
報提供数毎年両県c)主要地点での観光客の入込み数毎年両県d)登山者数(5合
目以上)毎年市町村e)登山者数(8合目以上)毎年環境省(2)資産の関連性の
保護f)森林伐採面積(森林の整備形態?)毎年両県a)文化財保護法における現
状変更の数毎年両県b)自然公園法における許可行為の数毎年両県・環境省c)生
活排水クリーン処理数毎年両県(3)個別資産の保護d)富士山5合目以上のごみ
収集量毎年両県a)自然公園法における許可行為の数毎年両県・環境省b)ゴルフ
場面積毎年両県(4)緩衝地帯の保護c)森林伐採面積(森林の整備形態?)毎年
- 51 :
- .連絡先a)申請書作成者連絡先b)管理組織・官庁c)その
他の組織d)公式ウェブサイト9.署名構成資産の分析(1)
番号構成資産候補名所在市町村文化財指定状況保存管理計画策
定状況H21.10.30学術委員会評価分析結果備考富士山
両県未着手分析結果A:富士山の価値を証明するのに必須の資
産C:富士山の価値を証明するのに不可欠ではない資産平成2
1年10月30日の各県学術委員会(両県合同開催)での評価
A:顕著な普遍的価値を有する資産B:顕著な普遍的価値につ
いてさらに調査等が必要な資産C:顕著な普遍的価値を有しな
い可能性がある資産保留:評価を保留平成22年度第1回静岡
県学術委員会・第2回山梨県学術委員会資料3世界文化遺産富
士山包括的保存管理計画原案−1−世界文化遺産富士山包括的
保存管理計画原案目次第1章目的と経緯1目的2計画策定の経
緯(1)各県における検討の経緯(2)学術委員会・保存管理
計画検討部会組織3計画の位置付け(1)行政計画との関連・
連携(2)計画の実施第2章構成資産の概要1構成資産の一覧
2資産及び緩衝地帯等の範囲3構成資産の概要(1)富士山山
体及び登山道A富士山A1山頂信仰遺跡A2大宮・村山口登山
道A3須山口登山道A4須走口登山道A5吉田口登山道A6北
口本宮冨士浅間神社A7西湖A8精進湖A9本栖湖(2)信仰
B1富士山本宮浅間大社B2山宮浅間神社B3村山浅間神社B
4須山浅間神社B5冨士浅間神社B6河口浅間神社B7冨士御
室浅間神社B8御師住宅B9山中湖B10河口湖B11忍野八
海B12船津胎内樹型−2−B13吉田胎内樹型B14人穴富
士講遺跡(人穴浅間神社)B15白糸ノ滝(3)眺望C1三保
松原第3章保存管理の基本方針1顕著な普遍的価値及び周辺環
境等を構成する諸要素(1)顕著な普遍的価値を構成する諸要
素@富士山山体及び登山道A信仰B眺望(2)顕著な普遍的価
値を構成する諸要素と密接に関わる諸要素@自然地形A森林、
植栽樹木B社寺の境内に含まれる歴史的な建造物及び工作物等
以外の建築物及び工作物C道路とその関連施設(3)周辺環境
を構成する諸要素@自然的要素A歴史的要素B人文的要素2保
- 52 :
- 計画原案−1−世界文化遺産富士山包括的保存管理計画原案目次
第1章目的と経緯1目的2計画策定の経緯(1)各県における検
討の経緯(2)学術委員会・保存管理計画検討部会組織3計画の
位置付け(1)行政計画との関連・連携(2)計画の実施第2章
構成資産の概要1構成資産の一覧2資産及び緩衝地帯等の範囲3
構成資産の概要(1)富士山山体及び登山道A富士山A1山頂信
仰遺跡A2大宮・村山口登山道A3須山口登山道A4須走口登山
道A5吉田口登山道A6北口本宮冨士浅間神社A7西湖A8精進
湖A9本栖湖(2)信仰B1富士山本宮浅間大社B2山宮浅間神
社B3村山浅間神社B4須山浅間神社B5冨士浅間神社B6河口
浅間神社B7冨士御室浅間神社B8御師住宅B9山中湖B10河
口湖B11忍野八海B12船津胎内樹型−2−B13吉田胎内樹
型B14人穴富士講遺跡(人穴浅間神社)B15白糸ノ滝(3)
眺望C1三保松原第3章保存管理の基本方針1顕著な普遍的価値
及び周辺環境等を構成する諸要素(1)顕著な普遍的価値を構成
する諸要素@富士山山体及び登山道A信仰B眺望(2)顕著な普
遍的価値を構成する諸要素と密接に関わる諸要素@自然地形A森
林、植栽樹木B社寺の境内に含まれる歴史的な建造物及び工作物
等以外の建築物及び工作物C道路とその関連施設(3)周辺環境
を構成する諸要素@自然的要素A歴史的要素B人文的要素2保存
管理の基本方針(1)構成資産の適切な保存管理(2)周辺環境
を含めた一体的な保全(3)経過観察の実施(4)整備・公開・
活用推進(5)保存管理体制の整備と運営第4章構成資産の保存
管理1現状の把握(1)富士山山体及び登山道(2)信仰(3)
眺望2保存管理の基本的な考え方(1)現状変更の制限について
の考え方(2)地区区分についての考え方(3)指定地に関わる
諸法令について3具体的な施策(1)第1種保護地区(2)第2
種保護地区(3)三保松原−3−第5章緩衝地帯の保存管理1現
状の把握2保存管理の基本的な考え方(1)緩衝地帯の設定と行
為規制(2)都市計画との調整(3)住民生活との調和3具体的
な施策第6章経過観察の実施1顕著な普遍的な価値に負の影響を
与える要素2負の影響を与える要因の観察第7章整備・公開・活
- 53 :
- 両県69d)廃棄物の不法投棄量毎年両県なお、上記指標の具体的な設定根拠及び
測定方法等に関する内容の詳細については、本推薦書参考資料である包括的保存管
理計画において具体的に記述している。b)資産の経過観察(モニタリング)のた
めの行政上の体制定期的報告を含む経過観察(モニタリング)については、以下の
表に示すように管理団体である山梨県及び関係各市町村が、静岡県・山梨県教育委
員会を通じて文化庁の指導の下に行う。『世界遺産条約履行のための作業指針』(
2008年)第5章に基づき、年度ごとに情報収集及び記録作成を行い、蓄積した
成果について6年ごとに保存管理状況の評価としてまとめ、世界遺産センターを通
じて世界遺産委員会に定期報告書(英文)を提出する。モニタリング体制分担管轄
域担当組織1.担当組織及び担当課名資産及び緩衝地帯2.監督組織資産及び緩衝
地帯組織名称:文化庁組織代表者氏名:文化庁長官担当課及び担当責任者氏名:記
念物課課長3.指導組織資産及び緩衝地帯組織名称:静岡県教育委員会:山梨県教
育委員会組織代表者氏名:静岡県教育長:山梨県教育長担当課及び担当責任者氏名
:静岡県世界遺産推進課課長:山梨県世界遺産推進課課長c)以前の保全状況報告
の成果経過観察(モニタリング)に必要とされる諸事項に関し、現時点及び過去に
おける資料・情報については、静岡県・山梨県・及び資産の所在する市町の下に適
切に収集・保管されている。それらの一覧表については、以下のとおりである。表
(過去に経過観察のために実施した過去の資料・情報)番号編著者標題対象資産年
要約707.資料a)写真・スライド・画像一覧表Noフォーマット標題撮影年月
撮影者・編集者著作権保持者著作権者連絡先非独占的権利譲渡b)保護のための指
定に関する文書などc)資産関連資料d)資産管理機関住所e)参考文献8.連絡
先a)申請書作成者連絡先b)管理組織・官庁c)その他の組織d)公式ウェブサ
イト9.署名構成資産の分析(1)番号構成資産候補名所在市町村文化財指定状況
保存管理計画策定状況H21.10.30学術委員会評価分析結果備考富士山両県
- 54 :
- 存管理の基本方針(1)構成資産の適切な保存管理(2)周辺
環境を含めた一体的な保全(3)経過観察の実施(4)整備・
公開・活用推進(5)保存管理体制の整備と運営第4章構成資
産の保存管理1現状の把握(1)富士山山体及び登山道(2)
信仰(3)眺望2保存管理の基本的な考え方(1)現状変更の
制限についての考え方(2)地区区分についての考え方(3)
指定地に関わる諸法令について3具体的な施策(1)第1種保
護地区(2)第2種保護地区(3)三保松原−3−第5章緩衝
- 55 :
- 未着手分析結果A:富士山の価値を証明するのに必須の資産C:富士山の価値を証
明するのに不可欠ではない資産平成21年10月30日の各県学術委員会(両県合
同開催)での評価A:顕著な普遍的価値を有する資産B:顕著な普遍的価値につい
てさらに調査等が必要な資産C:顕著な普遍的価値を有しない可能性がある資産保
留:評価を保留平成22年度第1回静岡県学術委員会・第2回山梨県学術委員会資
料3世界文化遺産富士山包括的保存管理計画原案−1−世界文化遺産富士山包括的
- 56 :
- 地帯の保存管理1現状の把握2保存管理の基本的な考え方(1
)緩衝地帯の設定と行為規制(2)都市計画との調整(3)住
民生活との調和3具体的な施策第6章経過観察の実施1顕著な
普遍的な価値に負の影響を与える要素2負の影響を与える要因
の観察第7章整備・公開・活用1基本方針2整備と公開・活用
第8章保存管理体制の整備と運営1保存管理体制の整備と役割
分担2地域住民等との連携・協働3持続的運営のための定期的
確認付章1保存管理に関する事業計画一覧表−4−第1章目的
と経緯1目的富士山は、日本を代表し象徴する日本最高峰の秀
麗な円錐形成層火山として世界的に著名であり、日本人の自然
に対する信仰の在り方や日本に独自の芸術文化を育んだ「名山
」である。山岳に対する信仰の在り方及び芸術活動などを通じ
、時代を超えて、一国の文化の諸相と極めて深い関連性を示し
、生きた文化的伝統の物証であるのみならず、人間と自然との
良好で継続的な関係を示す景観の傑出した類型として、世界的
にも比類なき顕著な普遍的価値を持つ山岳であり、世界文化遺
産に値するものである。富士山は、有史以前から噴火活動を続
けてきた標高3776mの円錐形の独立成層火山であり、その
山体は南の駿河湾の海浜にまで及び、海面からの実質的な高さ
は世界的にも有数である。その力強く秀麗な姿は人々に神聖な
る気持ちを喚起し、古代から現代に至るまで、時代を超えて信
仰の対象となってきた。山腹及び山嶺には神社・登山道・巡礼
地等が形成され、山体と一体となった比類のない文化的景観を
形成した。山体のうち、五合目以上の砂礫地は「焼山」と呼ば
れて特に神聖視され、山麓に分布する湖沼・湧水、火山活動に
より形成された独自の地形などは、富士信仰の霊地として重要
な役割を果たしてきた。日本独自の山岳民衆信仰に基づく登拝
・登山の様式は現在でも命脈を保ち、特に夏季を中心に訪れる
多くの登山客とともに富士登山の特徴を成している。このよう
に、富士山は日本人の自然に対する信仰の在り方に関連して、
山に対する固有の文化的伝統を表す物証及び人間の山に対する
景観認知の在り方を示す傑出した類型となっている。また、富
- 57 :
- 用1基本方針2整備と公開・活用第8章保存管理体制の整備と運
営1保存管理体制の整備と役割分担2地域住民等との連携・協働
3持続的運営のための定期的確認付章1保存管理に関する事業計
画一覧表−4−第1章目的と経緯1目的富士山は、日本を代表し
象徴する日本最高峰の秀麗な円錐形成層火山として世界的に著名
であり、日本人の自然に対する信仰の在り方や日本に独自の芸術
- 58 :
- 極めて強力な関連性であることを示している。このような価値を
もつ「富士山」の構成資産は、山梨県と静岡県の二県にまたがっ
て分布している。これら一連の構成資産を世界文化遺産「富士山
」の総体として確実に保存し、確実に次世代へと継承するために
は、両県共通の考え方を基に、各構成資産全体を一つの資産とし
て包括的に保存管理していくための方法を整理していく必要があ
ることから、個別の構成資産についての保存管理計画に加え、構
成資産相互の関係性を保全し全体の価値を継承していくための包
括的な保存管理計画を策定しておくことが必要である。そのため
、山梨県・静岡県は、文化庁・環境省の指導・助言の下に関係市
町村、関係各機関等と調整を図り、本計画を策定した。「富士山
」包括的保存管理計画−5−各構成資産の都市計画保存管理計画
等観光計画(環境省・山梨県・静岡県・各市町村)整備計画等図
包括的保存管理計画の体系2計画策定の経緯富士山包括的保存管
理計画は、構成資産に係る個別の保存管理計画を基礎とし、世界
遺産の推薦に当たって必要とされる保存管理及び整備に係る理念
・基本方針とその具体的内容について明示するため、学術研究者
等により構成される山梨県・静岡県学術委員会及び二県学術委員
による審議を経て策定されたものである。学識経験者等により構
成する各県学術委員会のもとに、保存管理計画の原案を検討する
保存管理計画検討部会を設置した。原案を検討するにあたり、県
庁内の関係部署との連携や共通認識を得るため、それぞれ「山梨
県保存管理計画検討プロジェクトチーム」(表)及び「静岡県保
存管理計画検討庁内連絡会議」(表)を設置し、連携・確認を行
った。また、富士山の効果的かつ確実な保存管理を行うためには
、地元関係者など幅広い方々の協力・助言が不可欠であることか
ら、関係自治体・地域住民・観光関係者・神社関係者などで構成
する「山梨県保存管理計画策定協力者会議」及び「静岡県保存管
理計画協力者部会」を設置し、連携を図った。さらに、二県学術
委員会のもとに設置した「包括的保存管理計画検討部会」におけ
る検討とあわせ、文化庁の指導・助言の下、201■年■月に策
定した。(1)各県における検討の経緯両県の経緯(包括的保存
- 59 :
- 保存管理計画原案目次第1章目的と経緯1目的2計画策定の経緯(1)各県におけ
る検討の経緯(2)学術委員会・保存管理計画検討部会組織3計画の位置付け(1
)行政計画との関連・連携(2)計画の実施第2章構成資産の概要1構成資産の一
覧2資産及び緩衝地帯等の範囲3構成資産の概要(1)富士山山体及び登山道A富
士山A1山頂信仰遺跡A2大宮・村山口登山道A3須山口登山道A4須走口登山道
A5吉田口登山道A6北口本宮冨士浅間神社A7西湖A8精進湖A9本栖湖(2)
信仰B1富士山本宮浅間大社B2山宮浅間神社B3村山浅間神社B4須山浅間神社
B5冨士浅間神社B6河口浅間神社B7冨士御室浅間神社B8御師住宅B9山中湖
B10河口湖B11忍野八海B12船津胎内樹型−2−B13吉田胎内樹型B14
人穴富士講遺跡(人穴浅間神社)B15白糸ノ滝(3)眺望C1三保松原第3章保
存管理の基本方針1顕著な普遍的価値及び周辺環境等を構成する諸要素(1)顕著
な普遍的価値を構成する諸要素@富士山山体及び登山道A信仰B眺望(2)顕著な
普遍的価値を構成する諸要素と密接に関わる諸要素@自然地形A森林、植栽樹木B
社寺の境内に含まれる歴史的な建造物及び工作物等以外の建築物及び工作物C道路
とその関連施設(3)周辺環境を構成する諸要素@自然的要素A歴史的要素B人文
的要素2保存管理の基本方針(1)構成資産の適切な保存管理(2)周辺環境を含
めた一体的な保全(3)経過観察の実施(4)整備・公開・活用推進(5)保存管
理体制の整備と運営第4章構成資産の保存管理1現状の把握(1)富士山山体及び
登山道(2)信仰(3)眺望2保存管理の基本的な考え方(1)現状変更の制限に
ついての考え方(2)地区区分についての考え方(3)指定地に関わる諸法令につ
いて3具体的な施策(1)第1種保護地区(2)第2種保護地区(3)三保松原−
3−第5章緩衝地帯の保存管理1現状の把握2保存管理の基本的な考え方(1)緩
衝地帯の設定と行為規制(2)都市計画との調整(3)住民生活との調和3具体的
な施策第6章経過観察の実施1顕著な普遍的な価値に負の影響を与える要素2負の
- 60 :
- 士山の秀麗な姿は古くから芸術活動の対象となり、その結果生
み出された「万葉集」の和歌などの文学作品や「浮世絵」など
の秀麗で独自の絵画作品は、日本国内のみならず海外にも広く
知られ、様々な影響を与えてきた。それらの作品群は、地球上
の特定の地域において独自の文化的伝統が形成・発展するのに
当たり、富士山が重要な源泉となった極めて強力な関連性であ
ることを示している。このような価値をもつ「富士山」の構成
資産は、山梨県と静岡県の二県にまたがって分布している。こ
れら一連の構成資産を世界文化遺産「富士山」の総体として確
実に保存し、確実に次世代へと継承するためには、両県共通の
考え方を基に、各構成資産全体を一つの資産として包括的に保
存管理していくための方法を整理していく必要があることから
、個別の構成資産についての保存管理計画に加え、構成資産相
互の関係性を保全し全体の価値を継承していくための包括的な
保存管理計画を策定しておくことが必要である。そのため、山
梨県・静岡県は、文化庁・環境省の指導・助言の下に関係市町
村、関係各機関等と調整を図り、本計画を策定した。「富士山
」包括的保存管理計画−5−各構成資産の都市計画保存管理計
画等観光計画(環境省・山梨県・静岡県・各市町村)整備計画
等図包括的保存管理計画の体系2計画策定の経緯富士山包括的
保存管理計画は、構成資産に係る個別の保存管理計画を基礎と
し、世界遺産の推薦に当たって必要とされる保存管理及び整備
に係る理念・基本方針とその具体的内容について明示するため
、学術研究者等により構成される山梨県・静岡県学術委員会及
び二県学術委員による審議を経て策定されたものである。学識
経験者等により構成する各県学術委員会のもとに、保存管理計
画の原案を検討する保存管理計画検討部会を設置した。原案を
検討するにあたり、県庁内の関係部署との連携や共通認識を得
るため、それぞれ「山梨県保存管理計画検討プロジェクトチー
ム」(表)及び「静岡県保存管理計画検討庁内連絡会議」(表
)を設置し、連携・確認を行った。また、富士山の効果的かつ
確実な保存管理を行うためには、地元関係者など幅広い方々の
- 61 :
- 管理計画検討部会と学術委員会)2007年11月29日平成1
9年第1回包括的保存管理計画検討部会・包括保存管理計画の必
要性・国内の世界遺産における包括的保存管理計画の事例200
7年12月26日平成19年第2回包括的保存管理計画検討部会
・目的と経緯・構成資産の概要・保存管理の包括的な基本方針2
008年3月17日平成19年度第2回学術委員会・包括的保存
- 62 :
- 影響を与える要因の観察第7章整備・公開・活用1基本方針2整備と公開・活用第
8章保存管理体制の整備と運営1保存管理体制の整備と役割分担2地域住民等との
連携・協働3持続的運営のための定期的確認付章1保存管理に関する事業計画一覧
表−4−第1章目的と経緯1目的富士山は、日本を代表し象徴する日本最高峰の秀
麗な円錐形成層火山として世界的に著名であり、日本人の自然に対する信仰の在り
方や日本に独自の芸術文化を育んだ「名山」である。山岳に対する信仰の在り方及
び芸術活動などを通じ、時代を超えて、一国の文化の諸相と極めて深い関連性を示
し、生きた文化的伝統の物証であるのみならず、人間と自然との良好で継続的な関
係を示す景観の傑出した類型として、世界的にも比類なき顕著な普遍的価値を持つ
山岳であり、世界文化遺産に値するものである。富士山は、有史以前から噴火活動
を続けてきた標高3776mの円錐形の独立成層火山であり、その山体は南の駿河
湾の海浜にまで及び、海面からの実質的な高さは世界的にも有数である。その力強
く秀麗な姿は人々に神聖なる気持ちを喚起し、古代から現代に至るまで、時代を超
えて信仰の対象となってきた。山腹及び山嶺には神社・登山道・巡礼地等が形成さ
れ、山体と一体となった比類のない文化的景観を形成した。山体のうち、五合目以
上の砂礫地は「焼山」と呼ばれて特に神聖視され、山麓に分布する湖沼・湧水、火
山活動により形成された独自の地形などは、富士信仰の霊地として重要な役割を果
たしてきた。日本独自の山岳民衆信仰に基づく登拝・登山の様式は現在でも命脈を
保ち、特に夏季を中心に訪れる多くの登山客とともに富士登山の特徴を成している
。このように、富士山は日本人の自然に対する信仰の在り方に関連して、山に対す
る固有の文化的伝統を表す物証及び人間の山に対する景観認知の在り方を示す傑出
した類型となっている。また、富士山の秀麗な姿は古くから芸術活動の対象となり
、その結果生み出された「万葉集」の和歌などの文学作品や「浮世絵」などの秀麗
で独自の絵画作品は、日本国内のみならず海外にも広く知られ、様々な影響を与え
- 63 :
- 協力・助言が不可欠であることから、関係自治体・地域住民・
観光関係者・神社関係者などで構成する「山梨県保存管理計画
策定協力者会議」及び「静岡県保存管理計画協力者部会」を設
置し、連携を図った。さらに、二県学術委員会のもとに設置し
た「包括的保存管理計画検討部会」における検討とあわせ、文
化庁の指導・助言の下、201■年■月に策定した。(1)各
県における検討の経緯両県の経緯(包括的保存管理計画検討部
会と学術委員会)2007年11月29日平成19年第1回包
括的保存管理計画検討部会・包括保存管理計画の必要性・国内
の世界遺産における包括的保存管理計画の事例2007年12
月26日平成19年第2回包括的保存管理計画検討部会・目的
と経緯・構成資産の概要・保存管理の包括的な基本方針200
8年3月17日平成19年度第2回学術委員会・包括的保存管
理計画検討部会の審議結果2008年6月19日平成20年度
第1回包括的保存管理計画検討部会−6−・包括的保存管理計
画の役割・構成要素と本質的価値の明確化2009年5月20
日平成21年度第1回包括的保存管理計画検討部会・各資産候
補の概要について・構成資産、緩衝地帯、保存管理区域につい
て2010年3月19日平成21年度第2回学術委員会・保存
管理計画の考え方について山梨県の経緯2007年8月31日
平成19年第1回山梨県保存管理計画検討部会・保存管理計画
の事例2007年12月9日現地調査2008年1月31日平
成19年度第2回山梨県保存管理計画検討部会・包括的保存管
理計画検討部会の審議結果・山梨県保存管理計画の基本方針2
008年2月21日平成19年度第3回山梨県・静岡県学術委
員会・各県保存管理計画検討部会の審議結果2008年4月1
6、17日現地調査2008年5月1日平成20年度山梨県保
存管理計画策定ワーキング・山梨県保存管理計画の策定につい
て2008年6月10日現地調査2008年6月30日現地調
査2008年7月22日平成20年度第1回山梨県保存管理計
画検討部会・構成要素と本質的価値の明確化・保存管理の方法
と考え方2009年4月24日平成21年度第1回山梨県保存
- 64 :
- 管理計画検討部会の審議結果2008年6月19日平成20年度
第1回包括的保存管理計画検討部会−6−・包括的保存管理計画
の役割・構成要素と本質的価値の明確化2009年5月20日平
成21年度第1回包括的保存管理計画検討部会・各資産候補の概
要について・構成資産、緩衝地帯、保存管理区域について201
0年3月19日平成21年度第2回学術委員会・保存管理計画の
考え方について山梨県の経緯2007年8月31日平成19年第
1回山梨県保存管理計画検討部会・保存管理計画の事例2007
年12月9日現地調査2008年1月31日平成19年度第2回
山梨県保存管理計画検討部会・包括的保存管理計画検討部会の審
議結果・山梨県保存管理計画の基本方針2008年2月21日平
成19年度第3回山梨県・静岡県学術委員会・各県保存管理計画
検討部会の審議結果2008年4月16、17日現地調査200
8年5月1日平成20年度山梨県保存管理計画策定ワーキング・
山梨県保存管理計画の策定について2008年6月10日現地調
査2008年6月30日現地調査2008年7月22日平成20
年度第1回山梨県保存管理計画検討部会・構成要素と本質的価値
の明確化・保存管理の方法と考え方2009年4月24日平成2
1年度第1回山梨県保存管理計画策定協力者会議・富士山の世界
文化遺産登録の現状について・山梨県保存管理計画策定協力者会
議について2009年6月19日平成21年度第1回山梨県保存
管理計画検討部会・各資産候補の概要について・構成資産、緩衝
地帯、保存管理区域について2009年8月26日平成21年度
山梨県保存管理計画策定ワーキング・富士山世界文化遺産登録へ
の取組状況について・山梨県保存管理計画の策定について201
0年3月16日平成21年度第3回山梨県・静岡県学術委員会・
保存管理計画の考え方について2010年6月30日平成22年
度第1回山梨県保存管理計画検討部会静岡県の経緯2007年7
月5日平成19年度第1回静岡県保存管理計画検討部会・保存管
理計画について−7−2008年1月23日現地調査2008年
1月30日平成19年度第2回静岡県保存管理計画検討部会・包
括的保存管理計画検討部会の審議結果・静岡県保存管理計画につ
- 65 :
- てきた。それらの作品群は、地球上の特定の地域において独自の文化的伝統が形成
・発展するのに当たり、富士山が重要な源泉となった極めて強力な関連性であるこ
とを示している。このような価値をもつ「富士山」の構成資産は、山梨県と静岡県
の二県にまたがって分布している。これら一連の構成資産を世界文化遺産「富士山
」の総体として確実に保存し、確実に次世代へと継承するためには、両県共通の考
え方を基に、各構成資産全体を一つの資産として包括的に保存管理していくための
方法を整理していく必要があることから、個別の構成資産についての保存管理計画
に加え、構成資産相互の関係性を保全し全体の価値を継承していくための包括的な
保存管理計画を策定しておくことが必要である。そのため、山梨県・静岡県は、文
化庁・環境省の指導・助言の下に関係市町村、関係各機関等と調整を図り、本計画
を策定した。「富士山」包括的保存管理計画−5−各構成資産の都市計画保存管理
計画等観光計画(環境省・山梨県・静岡県・各市町村)整備計画等図包括的保存管
理計画の体系2計画策定の経緯富士山包括的保存管理計画は、構成資産に係る個別
の保存管理計画を基礎とし、世界遺産の推薦に当たって必要とされる保存管理及び
整備に係る理念・基本方針とその具体的内容について明示するため、学術研究者等
により構成される山梨県・静岡県学術委員会及び二県学術委員による審議を経て策
定されたものである。学識経験者等により構成する各県学術委員会のもとに、保存
管理計画の原案を検討する保存管理計画検討部会を設置した。原案を検討するにあ
たり、県庁内の関係部署との連携や共通認識を得るため、それぞれ「山梨県保存管
理計画検討プロジェクトチーム」(表)及び「静岡県保存管理計画検討庁内連絡会
議」(表)を設置し、連携・確認を行った。また、富士山の効果的かつ確実な保存
管理を行うためには、地元関係者など幅広い方々の協力・助言が不可欠であること
から、関係自治体・地域住民・観光関係者・神社関係者などで構成する「山梨県保
存管理計画策定協力者会議」及び「静岡県保存管理計画協力者部会」を設置し、連
- 66 :
- 管理計画策定協力者会議・富士山の世界文化遺産登録の現状に
ついて・山梨県保存管理計画策定協力者会議について2009
年6月19日平成21年度第1回山梨県保存管理計画検討部会
・各資産候補の概要について・構成資産、緩衝地帯、保存管理
区域について2009年8月26日平成21年度山梨県保存管
理計画策定ワーキング・富士山世界文化遺産登録への取組状況
について・山梨県保存管理計画の策定について2010年3月
16日平成21年度第3回山梨県・静岡県学術委員会・保存管
- 67 :
- いて2008年2月21日平成19年度第3回山梨県・静岡県学
術委員会・各県保存管理計画検討部会の審議結果2008年7月
16日平成20年度第1回静岡県保存管理計画検討部会・包括的
保存管理計画検討部会の報告・静岡県保存管理計画について20
08年9月9日平成20年度静岡県保存管理計画検討部会第1回
庁内連絡会議・富士山の世界文化遺産登録推進の取組について・
静岡県保存管理計画の策定について2009年2月12日現地調
査2009年6月1日平成21年度第1回静岡県保存管理計画策
定協力者部会・富士山の世界文化遺産登録推進の取組について・
静岡県保存管理計画の策定について2009年6月17日平成2
1年度第1回静岡県保存管理計画検討部会・静岡県保存管理計画
の策定について・富士山の緩衝地帯に関する考え方2009年7
月13日平成21年度静岡県保存管理計画検討部会第1回庁内連
絡会議2009年10月29日平成21年度静岡県保存管理計画
検討部会第2回庁内連絡会議2009年11月25日平成21年
度第2回静岡県保存管理計画策定協力者部会2010年1月29
日平成21年度第3回静岡県保存管理計画策定協力者部会201
0年3月16日平成21年度第3回山梨県・静岡県学術委員会・
保存管理計画の考え方について2010年6月30日平成22年
度第1回静岡県保存管理計画検討部会(2)学術委員会・保存管
理計画検討部会組織学術委員会及び保存管理計画検討部会の組織
は図に示すとおりである。また、その構成は表〜のとおりである
。(1)行政計画との関連・連携構成資産及び緩衝地帯を有する
山梨県・静岡県及び関係市町村では、まちづくり、観光、防災な
どに関する各種計画を策定し、実施している。これらの計画は、
包括的保存管理計画と密接に関連し、日常的に連携を図りつつ実
施されている。表包括的保存管理計画に関連する計画(山梨県)
計画名称策定年等F資産に影響する可能性がある個別の開発計画
大規模集客施設等の立地に関する方針(山梨県)2010年1月
ゴルフ場造成に事業に関する今後の取扱いについて(山梨県)1
993年10月−17−明神峠自然環境保全地域保全計画昭和5
0年策定静岡県森林共生基本計画平成19年3月策定富士地域森
- 68 :
- 携を図った。さらに、二県学術委員会のもとに設置した「包括的保存管理計画検討
部会」における検討とあわせ、文化庁の指導・助言の下、201■年■月に策定し
た。(1)各県における検討の経緯両県の経緯(包括的保存管理計画検討部会と学
術委員会)2007年11月29日平成19年第1回包括的保存管理計画検討部会
・包括保存管理計画の必要性・国内の世界遺産における包括的保存管理計画の事例
2007年12月26日平成19年第2回包括的保存管理計画検討部会・目的と経
- 69 :
- 理計画の考え方について2010年6月30日平成22年度第
1回山梨県保存管理計画検討部会静岡県の経緯2007年7月
5日平成19年度第1回静岡県保存管理計画検討部会・保存管
理計画について−7−2008年1月23日現地調査2008
年1月30日平成19年度第2回静岡県保存管理計画検討部会
・包括的保存管理計画検討部会の審議結果・静岡県保存管理計
画について2008年2月21日平成19年度第3回山梨県・
静岡県学術委員会・各県保存管理計画検討部会の審議結果20
08年7月16日平成20年度第1回静岡県保存管理計画検討
部会・包括的保存管理計画検討部会の報告・静岡県保存管理計
画について2008年9月9日平成20年度静岡県保存管理計
画検討部会第1回庁内連絡会議・富士山の世界文化遺産登録推
進の取組について・静岡県保存管理計画の策定について200
9年2月12日現地調査2009年6月1日平成21年度第1
回静岡県保存管理計画策定協力者部会・富士山の世界文化遺産
登録推進の取組について・静岡県保存管理計画の策定について
2009年6月17日平成21年度第1回静岡県保存管理計画
検討部会・静岡県保存管理計画の策定について・富士山の緩衝
地帯に関する考え方2009年7月13日平成21年度静岡県
保存管理計画検討部会第1回庁内連絡会議2009年10月2
9日平成21年度静岡県保存管理計画検討部会第2回庁内連絡
会議2009年11月25日平成21年度第2回静岡県保存管
理計画策定協力者部会2010年1月29日平成21年度第3
回静岡県保存管理計画策定協力者部会2010年3月16日平
成21年度第3回山梨県・静岡県学術委員会・保存管理計画の
考え方について2010年6月30日平成22年度第1回静岡
県保存管理計画検討部会(2)学術委員会・保存管理計画検討
部会組織学術委員会及び保存管理計画検討部会の組織は図に示
すとおりである。また、その構成は表〜のとおりである。(1
)行政計画との関連・連携構成資産及び緩衝地帯を有する山梨
県・静岡県及び関係市町村では、まちづくり、観光、防災など
に関する各種計画を策定し、実施している。これらの計画は、
- 70 :
- 林計画書平成18年4月策定F資産に影響する可能性がある個別
の開発計画企業立地促進法に基づく静岡県東部地域基本計画(静
岡県及び14市町)平成21年2月策定市町村森林整備計画平成
18年4月策定−18−(富士宮市・富士市・裾野市・御殿場市
・小山町)(2)計画の実施今回提出する富士山包括的保存管理
計画は、20年月から既に実施され機能されているものである。
−19−第2章構成資産の概要1構成資産の一覧世界遺産「富士
山」の構成資産の種別、位置、面積、緩衝地帯の面積、所在地に
ついては、以下の表に示すとおりである。表構成資産の一覧大種
別分類小分類構成資産世界遺産条約文化財保護法自然公園法所在
地位置資産面積(ha)緩衝地帯面積(ha)A富士山(山体)
(御中道含む)遺跡特別名勝史跡山頂信仰遺跡(奥宮、お鉢巡り
)遺跡特別名勝史跡A2大宮・村山口登山道遺跡特別名勝史跡A
3須山口登山道遺跡特別名勝史跡A4須走口登山道遺跡特別名勝
史跡A5吉田口登山道遺跡特別名勝史跡静岡県(富士宮市、裾野
市、御殿場市、小山町)山梨県(富士吉田市、身延町、鳴沢村、
富士河口湖町)県境未確定地″A6北口本宮冨士浅間神社遺跡建
造物記念工作物特別名勝史跡重要文化財A7西湖遺跡名勝A8精
進湖遺跡名勝A9本栖湖遺跡名勝BB1富士山本宮浅間大社遺跡
建造物記念工作物重文静岡県富士宮市B14人穴富士講遺跡遺跡
市史跡静岡県富士宮市NEB15白糸ノ滝遺跡名勝・天然記念物
静岡県富士宮市NEC三保松原文化的景観遺跡静岡県静岡市NE
2資産及び緩衝地帯等の範囲「富士山」の顕著な普遍的価値を表
す構成資産の保護を確実にし、各構成資産における富士山体への
良好な眺望を保証するために、個々の構成資産の周囲に必要十分
な範囲の緩衝地帯を設定する。さらに、個々の構成資産間の関係
を良好に保ち、富士山の景観の一体性・連続性を保証するために
、緩衝地帯を含め、広く保全管理区域を設定する。構成資産の位
置及びその周辺地域である緩衝地帯、保全管理区域の範囲につい
ては、図に示すとおりである。図「富士山」の範囲(構成資産・
緩衝地帯)富士山山体の範囲については、現在特別名勝富士山に
指定されている区域だけでなく、その周辺部にあたる標高約1,
- 71 :
- 緯・構成資産の概要・保存管理の包括的な基本方針2008年3月17日平成19
年度第2回学術委員会・包括的保存管理計画検討部会の審議結果2008年6月1
9日平成20年度第1回包括的保存管理計画検討部会−6−・包括的保存管理計画
の役割・構成要素と本質的価値の明確化2009年5月20日平成21年度第1回
包括的保存管理計画検討部会・各資産候補の概要について・構成資産、緩衝地帯、
保存管理区域について2010年3月19日平成21年度第2回学術委員会・保存
管理計画の考え方について山梨県の経緯2007年8月31日平成19年第1回山
梨県保存管理計画検討部会・保存管理計画の事例2007年12月9日現地調査2
008年1月31日平成19年度第2回山梨県保存管理計画検討部会・包括的保存
管理計画検討部会の審議結果・山梨県保存管理計画の基本方針2008年2月21
日平成19年度第3回山梨県・静岡県学術委員会・各県保存管理計画検討部会の審
議結果2008年4月16、17日現地調査2008年5月1日平成20年度山梨
県保存管理計画策定ワーキング・山梨県保存管理計画の策定について2008年6
月10日現地調査2008年6月30日現地調査2008年7月22日平成20年
度第1回山梨県保存管理計画検討部会・構成要素と本質的価値の明確化・保存管理
の方法と考え方2009年4月24日平成21年度第1回山梨県保存管理計画策定
協力者会議・富士山の世界文化遺産登録の現状について・山梨県保存管理計画策定
協力者会議について2009年6月19日平成21年度第1回山梨県保存管理計画
検討部会・各資産候補の概要について・構成資産、緩衝地帯、保存管理区域につい
て2009年8月26日平成21年度山梨県保存管理計画策定ワーキング・富士山
世界文化遺産登録への取組状況について・山梨県保存管理計画の策定について20
10年3月16日平成21年度第3回山梨県・静岡県学術委員会・保存管理計画の
考え方について2010年6月30日平成22年度第1回山梨県保存管理計画検討
部会静岡県の経緯2007年7月5日平成19年度第1回静岡県保存管理計画検討
- 72 :
- 包括的保存管理計画と密接に関連し、日常的に連携を図りつつ
実施されている。表包括的保存管理計画に関連する計画(山梨
県)計画名称策定年等F資産に影響する可能性がある個別の開
発計画大規模集客施設等の立地に関する方針(山梨県)201
0年1月ゴルフ場造成に事業に関する今後の取扱いについて(
山梨県)1993年10月−17−明神峠自然環境保全地域保
全計画昭和50年策定静岡県森林共生基本計画平成19年3月
策定富士地域森林計画書平成18年4月策定F資産に影響する
可能性がある個別の開発計画企業立地促進法に基づく静岡県東
部地域基本計画(静岡県及び14市町)平成21年2月策定市
町村森林整備計画平成18年4月策定−18−(富士宮市・富
士市・裾野市・御殿場市・小山町)(2)計画の実施今回提出
する富士山包括的保存管理計画は、20年月から既に実施され
機能されているものである。−19−第2章構成資産の概要1
構成資産の一覧世界遺産「富士山」の構成資産の種別、位置、
面積、緩衝地帯の面積、所在地については、以下の表に示すと
おりである。表構成資産の一覧大種別分類小分類構成資産世界
遺産条約文化財保護法自然公園法所在地位置資産面積(ha)
緩衝地帯面積(ha)A富士山(山体)(御中道含む)遺跡特
別名勝史跡山頂信仰遺跡(奥宮、お鉢巡り)遺跡特別名勝史跡
A2大宮・村山口登山道遺跡特別名勝史跡A3須山口登山道遺
跡特別名勝史跡A4須走口登山道遺跡特別名勝史跡A5吉田口
登山道遺跡特別名勝史跡静岡県(富士宮市、裾野市、御殿場市
、小山町)山梨県(富士吉田市、身延町、鳴沢村、富士河口湖
町)県境未確定地″A6北口本宮冨士浅間神社遺跡建造物記念
工作物特別名勝史跡重要文化財A7西湖遺跡名勝A8精進湖遺
跡名勝A9本栖湖遺跡名勝BB1富士山本宮浅間大社遺跡建造
物記念工作物重文静岡県富士宮市B14人穴富士講遺跡遺跡市
史跡静岡県富士宮市NEB15白糸ノ滝遺跡名勝・天然記念物
静岡県富士宮市NEC三保松原文化的景観遺跡静岡県静岡市N
E2資産及び緩衝地帯等の範囲「富士山」の顕著な普遍的価値
を表す構成資産の保護を確実にし、各構成資産における富士山
- 73 :
- 500m付近までとした。この範囲において、特別名勝の区域は
文化財保護法で保護され、特別名勝指定地外から標高1,500
mの区域については自然公園法と森林法で保護されている。緩衝
地帯との境については林班により線引きを行い、県道などの人工
物の改修工事等への影響が軽減するよう配慮した。そして本栖湖
、精進湖、西湖までを富士山の山体として考え、範囲付けしたこ
とは、展望地点から山頂までを連続して保護するための措置であ
る。緩衝地帯の範囲については、当初国道469号から県道72
- 74 :
- 体への良好な眺望を保証するために、個々の構成資産の周囲に
必要十分な範囲の緩衝地帯を設定する。さらに、個々の構成資
産間の関係を良好に保ち、富士山の景観の一体性・連続性を保
証するために、緩衝地帯を含め、広く保全管理区域を設定する
。構成資産の位置及びその周辺地域である緩衝地帯、保全管理
区域の範囲については、図に示すとおりである。図「富士山」
の範囲(構成資産・緩衝地帯)富士山山体の範囲については、
現在特別名勝富士山に指定されている区域だけでなく、その周
辺部にあたる標高約1,500m付近までとした。この範囲に
おいて、特別名勝の区域は文化財保護法で保護され、特別名勝
指定地外から標高1,500mの区域については自然公園法と
森林法で保護されている。緩衝地帯との境については林班によ
り線引きを行い、県道などの人工物の改修工事等への影響が軽
減するよう配慮した。そして本栖湖、精進湖、西湖までを富士
山の山体として考え、範囲付けしたことは、展望地点から山頂
までを連続して保護するための措置である。緩衝地帯の範囲に
ついては、当初国道469号から県道72号にかけての富士山
側を計画していたが、国際専門家から飛び地の資産である、富
士山本宮浅間大社や山宮浅間神社を緩衝地帯に含めるべきだと
の指摘があり、市道を境に緩衝地帯を設定した。その際、富士
山本宮浅間大社からの富士山の眺望を確保するため、富士山に
向かって約36度の広がりで設定した。この範囲については、
文化財保護法以外の法律を適用し、自然公園法、森林法、景観
法で保護されている。保全管理区域の範囲については、三保松
原から富士山を眺望する際、その阻害要因を軽減させるために
、溶岩が流出した範囲を基本として設定した。そのため、静岡
県側においては、裾野市、御殿場市、小山町に流出している溶
岩流の範囲については、保全管理区域とはしていない。なお、
保全管理区域についても、森林法と景観法で保護されている。
富士山山体の東に位置する、演習場(北富士演習場・東富士演
習場)については、従前より大規模開発が予定されていないこ
とから、緩衝地帯同様に資産を緩衝することが可能な区域であ
- 75 :
- 号にかけての富士山側を計画していたが、国際専門家から飛び地
の資産である、富士山本宮浅間大社や山宮浅間神社を緩衝地帯に
含めるべきだとの指摘があり、市道を境に緩衝地帯を設定した。
その際、富士山本宮浅間大社からの富士山の眺望を確保するため
、富士山に向かって約36度の広がりで設定した。この範囲につ
いては、文化財保護法以外の法律を適用し、自然公園法、森林法
、景観法で保護されている。保全管理区域の範囲については、三
保松原から富士山を眺望する際、その阻害要因を軽減させるため
に、溶岩が流出した範囲を基本として設定した。そのため、静岡
県側においては、裾野市、御殿場市、小山町に流出している溶岩
流の範囲については、保全管理区域とはしていない。なお、保全
管理区域についても、森林法と景観法で保護されている。富士山
山体の東に位置する、演習場(北富士演習場・東富士演習場)に
ついては、従前より大規模開発が予定されていないことから、緩
衝地帯同様に資産を緩衝することが可能な区域であると言える。
3構成資産の概要構成資産及び保存管理状況の概要については、
以下に記すとおりである。構成資産の詳細については、推薦書本
文にて説明を行っている。保存管理状況等の詳細については、構
成資産毎に策定されている個別の保存管理計画等において、それ
ぞれ具体的内容を含めた説明を行っている。なお、p18,19
表のA〜Cは次のように分類し、整理したものである。A富士山
山体及び登山道B信仰に関わるものC富士山の眺望に関わるもの
(1)富士山山体及び登山道A富士山標高3776mを測る富士
山は、日本を代表し、象徴する日本最高峰の秀麗な独立火山であ
る。その自然的な美しさと崇高さを基盤として、日本人の自然に
対する信仰のあり方や、日本独自の芸術文化を育んだ名山でもあ
る。富士山は山岳に対する信仰の在り方や芸術活動などを通じ、
時代を超えて一国の文化の諸相と極めて深い関連性を示し、生き
た文化的伝統の物証であるのみならず、人間と自然との良好で継
続的な関係を示す景観の傑出した類型として、世界的にも類例を
見ない顕著な普遍的価値を持つ山である。世界文化遺産としての
富士山とは、富士山山体の内、標高約1500m以上の範囲であ
- 76 :
- 影響する可能性がある個別の開発計画大規模集客施設等の立地に関する方針(山梨
県)2010年1月ゴルフ場造成に事業に関する今後の取扱いについて(山梨県)
1993年10月−17−明神峠自然環境保全地域保全計画昭和50年策定静岡県
森林共生基本計画平成19年3月策定富士地域森林計画書平成18年4月策定F資
産に影響する可能性がある個別の開発計画企業立地促進法に基づく静岡県東部地域
基本計画(静岡県及び14市町)平成21年2月策定市町村森林整備計画平成18
年4月策定−18−(富士宮市・富士市・裾野市・御殿場市・小山町)(2)計画
の実施今回提出する富士山包括的保存管理計画は、20年月から既に実施され機能
されているものである。−19−第2章構成資産の概要1構成資産の一覧世界遺産
「富士山」の構成資産の種別、位置、面積、緩衝地帯の面積、所在地については、
以下の表に示すとおりである。表構成資産の一覧大種別分類小分類構成資産世界遺
産条約文化財保護法自然公園法所在地位置資産面積(ha)緩衝地帯面積(ha)
A富士山(山体)(御中道含む)遺跡特別名勝史跡山頂信仰遺跡(奥宮、お鉢巡り
)遺跡特別名勝史跡A2大宮・村山口登山道遺跡特別名勝史跡A3須山口登山道遺
跡特別名勝史跡A4須走口登山道遺跡特別名勝史跡A5吉田口登山道遺跡特別名勝
史跡静岡県(富士宮市、裾野市、御殿場市、小山町)山梨県(富士吉田市、身延町
、鳴沢村、富士河口湖町)県境未確定地″A6北口本宮冨士浅間神社遺跡建造物記
念工作物特別名勝史跡重要文化財A7西湖遺跡名勝A8精進湖遺跡名勝A9本栖湖
遺跡名勝BB1富士山本宮浅間大社遺跡建造物記念工作物重文静岡県富士宮市B1
4人穴富士講遺跡遺跡市史跡静岡県富士宮市NEB15白糸ノ滝遺跡名勝・天然記
念物静岡県富士宮市NEC三保松原文化的景観遺跡静岡県静岡市NE2資産及び緩
衝地帯等の範囲「富士山」の顕著な普遍的価値を表す構成資産の保護を確実にし、
各構成資産における富士山体への良好な眺望を保証するために、個々の構成資産の
周囲に必要十分な範囲の緩衝地帯を設定する。さらに、個々の構成資産間の関係を
- 77 :
- ると言える。3構成資産の概要構成資産及び保存管理状況の概
要については、以下に記すとおりである。構成資産の詳細につ
いては、推薦書本文にて説明を行っている。保存管理状況等の
詳細については、構成資産毎に策定されている個別の保存管理
計画等において、それぞれ具体的内容を含めた説明を行ってい
る。なお、p18,19表のA〜Cは次のように分類し、整理
したものである。A富士山山体及び登山道B信仰に関わるもの
C富士山の眺望に関わるもの(1)富士山山体及び登山道A富
- 78 :
- る。この範囲は、富士山周辺の主要な神社や景勝地から見た可視
領域が重なり合う範囲であるとともに、各登山道における山体の
神聖性に関する境界の一つである「馬返」の標高とほぼ一致する
。なお、「馬返」とは、乗馬登山が物理的にも、宗教的観点から
も不可能になる地点を示す。景観的には山体の傾斜角の変化率が
大きくなり「平野部」と「山体」の境界として認識され、稜線が
優美な曲線を描き、絵画などの対象とされることが多い範囲であ
る。写真上空から見た写真に資産範囲を線で示したもの(推薦原
案と同じもの)−21−−22−標高約2500m付近の森林限
界より上方は富士講信者には「焼山」と呼ばれ、神聖な地域ある
いは死後世界である「他界」と考えられていた。また、登山道ご
とに標高は異なるが、1779年以降、浅間大社の境内地とされ
てきた八合目以上はより強い神聖性を持つとされる。理由は八合
目の標高とほぼ一致する噴火口である「内院」の底部に浅間大神
が鎮座するとの信仰に基づく。富士山頂へ向かい、登山の歴史の
中で開鑿された登山道が、現在の4本の登山道の起源となってい
る。また、ほぼ森林限界に沿い、富士山山体を一周する「御中道
」が15〜16世紀ごろ富士講の祖とされる長谷川角行によって
開かれたとされ、その後「大沢崩れ」という危険箇所を通るため
、富士講信者により修行の道として利用された。表法的保護、修
理・整備の経緯1924年史蹟名勝天然紀念物保存法の下に名勝
に仮指定1936年国立公園法の下に(富士箱根)国立公園に指
定1952年文化財保護法の下に名勝、ついで特別名勝に指定1
969年国が大沢崩れに対する砂防事業に着手(継続中)199
6年国・県が台風による森林の風倒被害に対する対策に着手(継
続中)「御中道」は、標高2,300m付近から2,800m付
近の山腹を通り、富士山の中腹部を時計回りに一周する約25k
mの道である。「御中道巡り」は、修験道の祖とされる役行者が
始めたと伝えられ、16世紀後半、富士講の基礎を築いた長谷川
角行が行ったことが記録されている。古くは定まった道もなく巡
ったとされ、富士講が盛んになった江戸時代後期には一定の道が
整備された。富士山信仰の上では、山体西側の大沢崩れを渡ると
- 79 :
- 良好に保ち、富士山の景観の一体性・連続性を保証するために、緩衝地帯を含め、
広く保全管理区域を設定する。構成資産の位置及びその周辺地域である緩衝地帯、
保全管理区域の範囲については、図に示すとおりである。図「富士山」の範囲(構
成資産・緩衝地帯)富士山山体の範囲については、現在特別名勝富士山に指定され
ている区域だけでなく、その周辺部にあたる標高約1,500m付近までとした。
この範囲において、特別名勝の区域は文化財保護法で保護され、特別名勝指定地外
- 80 :
- 士山標高3776mを測る富士山は、日本を代表し、象徴する
日本最高峰の秀麗な独立火山である。その自然的な美しさと崇
高さを基盤として、日本人の自然に対する信仰のあり方や、日
本独自の芸術文化を育んだ名山でもある。富士山は山岳に対す
る信仰の在り方や芸術活動などを通じ、時代を超えて一国の文
化の諸相と極めて深い関連性を示し、生きた文化的伝統の物証
であるのみならず、人間と自然との良好で継続的な関係を示す
景観の傑出した類型として、世界的にも類例を見ない顕著な普
遍的価値を持つ山である。世界文化遺産としての富士山とは、
富士山山体の内、標高約1500m以上の範囲である。この範
囲は、富士山周辺の主要な神社や景勝地から見た可視領域が重
なり合う範囲であるとともに、各登山道における山体の神聖性
に関する境界の一つである「馬返」の標高とほぼ一致する。な
お、「馬返」とは、乗馬登山が物理的にも、宗教的観点からも
不可能になる地点を示す。景観的には山体の傾斜角の変化率が
大きくなり「平野部」と「山体」の境界として認識され、稜線
が優美な曲線を描き、絵画などの対象とされることが多い範囲
である。写真上空から見た写真に資産範囲を線で示したもの(
推薦原案と同じもの)−21−−22−標高約2500m付近
の森林限界より上方は富士講信者には「焼山」と呼ばれ、神聖
な地域あるいは死後世界である「他界」と考えられていた。ま
た、登山道ごとに標高は異なるが、1779年以降、浅間大社
の境内地とされてきた八合目以上はより強い神聖性を持つとさ
れる。理由は八合目の標高とほぼ一致する噴火口である「内院
」の底部に浅間大神が鎮座するとの信仰に基づく。富士山頂へ
向かい、登山の歴史の中で開鑿された登山道が、現在の4本の
登山道の起源となっている。また、ほぼ森林限界に沿い、富士
山山体を一周する「御中道」が15〜16世紀ごろ富士講の祖
とされる長谷川角行によって開かれたとされ、その後「大沢崩
れ」という危険箇所を通るため、富士講信者により修行の道と
して利用された。表法的保護、修理・整備の経緯1924年史
蹟名勝天然紀念物保存法の下に名勝に仮指定1936年国立公
- 81 :
- いう危険を伴う最大級の大行の道とされていた。富士登山3回以
上の経験を持ち、誓約書を御師に提出し、神への伺いをたてた上
でないと許可されないほど厳しいものであった。この御中道の巡
拝を無事終えると、その証である「御許し」を御師から受けるこ
とができた。1816年の資料では年間100人以上が御中道巡
りを行っているが、1977年の転落事故で通行止めとなり、現
在では一周することはできなくなっている。写真御中道の写真A
1山頂信仰遺跡(富士山本宮奥宮)富士山山頂部の火口壁沿いに
、いくつかの神社及び宗教関連施設が所在する。富士山への信仰
登山が開始されると、修験道の影響を受け山頂部において寺院の
造営や仏像等の奉納がおこなわれるとともに、山頂部での宗教行
為が体系化されていった。登拝者は山頂周辺において「御来光」
を拝み、内院と呼称される噴火口に鎮座すると言われる神仏を拝
した。また、火口壁にいくつかあるピークを仏教の曼荼羅におけ
る仏の世界に擬して巡拝する「お鉢めぐり(八葉めぐり)」と呼
ばれる行為を行なうことが一般的であった。山頂の宗教的施設は
、12世紀中ごろ、修行僧末代により建立された大日寺(大日堂
)が最初とされ、その後、経典・懸仏・仏像等の山頂部への奉納
・埋納や内院への散銭が行われた。また、遅くとも17世紀には
、大宮・村山口山頂部に大日堂が、吉田・須走口山頂部に薬師堂
が造営された。この様子は19世紀中ごろの絵図によって確認で
きる。1874年、山頂の仏教的施設及び仏像は廃仏毀釈の影響
によって撤去され、ピークの名称も変更され、寺院は神社に改変
された。しかし、山頂部に対する信仰自体は変化することなく、
上記の行為は現代の−23−登山者の多くが行っており、これら
を通じて富士信仰の核心が現代に受け継がれている。写真奥宮の
写真表法的保護、修理・整備の経緯1924年所在地が史蹟名勝
天然紀念物保存法の下に名勝に仮指定1936年所在地が国立公
園法の下に(富士箱根)国立公園に指定1952年所在地が文化
財保護法の下に名勝、ついで特別名勝に指定2008年財団法人
静岡県埋蔵文化財調査研究所により現地調査が行われ、その成果
に基づき2010年に「史跡富士山保存管理計画」が策定された
- 82 :
- から標高1,500mの区域については自然公園法と森林法で保護されている。緩
衝地帯との境については林班により線引きを行い、県道などの人工物の改修工事等
への影響が軽減するよう配慮した。そして本栖湖、精進湖、西湖までを富士山の山
体として考え、範囲付けしたことは、展望地点から山頂までを連続して保護するた
めの措置である。緩衝地帯の範囲については、当初国道469号から県道72号に
かけての富士山側を計画していたが、国際専門家から飛び地の資産である、富士山
本宮浅間大社や山宮浅間神社を緩衝地帯に含めるべきだとの指摘があり、市道を境
に緩衝地帯を設定した。その際、富士山本宮浅間大社からの富士山の眺望を確保す
るため、富士山に向かって約36度の広がりで設定した。この範囲については、文
化財保護法以外の法律を適用し、自然公園法、森林法、景観法で保護されている。
保全管理区域の範囲については、三保松原から富士山を眺望する際、その阻害要因
を軽減させるために、溶岩が流出した範囲を基本として設定した。そのため、静岡
県側においては、裾野市、御殿場市、小山町に流出している溶岩流の範囲について
は、保全管理区域とはしていない。なお、保全管理区域についても、森林法と景観
法で保護されている。富士山山体の東に位置する、演習場(北富士演習場・東富士
演習場)については、従前より大規模開発が予定されていないことから、緩衝地帯
同様に資産を緩衝することが可能な区域であると言える。3構成資産の概要構成資
産及び保存管理状況の概要については、以下に記すとおりである。構成資産の詳細
については、推薦書本文にて説明を行っている。保存管理状況等の詳細については
、構成資産毎に策定されている個別の保存管理計画等において、それぞれ具体的内
容を含めた説明を行っている。なお、p18,19表のA〜Cは次のように分類し
、整理したものである。A富士山山体及び登山道B信仰に関わるものC富士山の眺
望に関わるもの(1)富士山山体及び登山道A富士山標高3776mを測る富士山
は、日本を代表し、象徴する日本最高峰の秀麗な独立火山である。その自然的な美
- 83 :
- 園法の下に(富士箱根)国立公園に指定1952年文化財保護
法の下に名勝、ついで特別名勝に指定1969年国が大沢崩れ
に対する砂防事業に着手(継続中)1996年国・県が台風に
よる森林の風倒被害に対する対策に着手(継続中)「御中道」
は、標高2,300m付近から2,800m付近の山腹を通り
、富士山の中腹部を時計回りに一周する約25kmの道である
。「御中道巡り」は、修験道の祖とされる役行者が始めたと伝
えられ、16世紀後半、富士講の基礎を築いた長谷川角行が行
ったことが記録されている。古くは定まった道もなく巡ったと
され、富士講が盛んになった江戸時代後期には一定の道が整備
された。富士山信仰の上では、山体西側の大沢崩れを渡るとい
う危険を伴う最大級の大行の道とされていた。富士登山3回以
上の経験を持ち、誓約書を御師に提出し、神への伺いをたてた
上でないと許可されないほど厳しいものであった。この御中道
の巡拝を無事終えると、その証である「御許し」を御師から受
けることができた。1816年の資料では年間100人以上が
御中道巡りを行っているが、1977年の転落事故で通行止め
となり、現在では一周することはできなくなっている。写真御
中道の写真A1山頂信仰遺跡(富士山本宮奥宮)富士山山頂部
の火口壁沿いに、いくつかの神社及び宗教関連施設が所在する
。富士山への信仰登山が開始されると、修験道の影響を受け山
頂部において寺院の造営や仏像等の奉納がおこなわれるととも
に、山頂部での宗教行為が体系化されていった。登拝者は山頂
周辺において「御来光」を拝み、内院と呼称される噴火口に鎮
座すると言われる神仏を拝した。また、火口壁にいくつかある
ピークを仏教の曼荼羅における仏の世界に擬して巡拝する「お
鉢めぐり(八葉めぐり)」と呼ばれる行為を行なうことが一般
的であった。山頂の宗教的施設は、12世紀中ごろ、修行僧末
代により建立された大日寺(大日堂)が最初とされ、その後、
経典・懸仏・仏像等の山頂部への奉納・埋納や内院への散銭が
行われた。また、遅くとも17世紀には、大宮・村山口山頂部
に大日堂が、吉田・須走口山頂部に薬師堂が造営された。この
- 84 :
- 2010年文化財保護法の下に他の文化財とともに史跡富士山と
して指定山頂の噴火口の周囲を一周し、頂上の各峰を巡る行為は
、古くから「お鉢巡り」と呼ばれ、現在も多くの人々に受け継が
れている。13世紀後半の資料には「いたゞきに八葉の嶺あり」
との記載があり、このころには山頂の峰々に信仰的意義を見出し
ていたことが伺える。16世紀前半には地元為政者が「八要メサ
- 85 :
- しさと崇高さを基盤として、日本人の自然に対する信仰のあり方や、日本独自の芸
術文化を育んだ名山でもある。富士山は山岳に対する信仰の在り方や芸術活動など
を通じ、時代を超えて一国の文化の諸相と極めて深い関連性を示し、生きた文化的
伝統の物証であるのみならず、人間と自然との良好で継続的な関係を示す景観の傑
出した類型として、世界的にも類例を見ない顕著な普遍的価値を持つ山である。世
界文化遺産としての富士山とは、富士山山体の内、標高約1500m以上の範囲で
ある。この範囲は、富士山周辺の主要な神社や景勝地から見た可視領域が重なり合
う範囲であるとともに、各登山道における山体の神聖性に関する境界の一つである
「馬返」の標高とほぼ一致する。なお、「馬返」とは、乗馬登山が物理的にも、宗
教的観点からも不可能になる地点を示す。景観的には山体の傾斜角の変化率が大き
くなり「平野部」と「山体」の境界として認識され、稜線が優美な曲線を描き、絵
画などの対象とされることが多い範囲である。写真上空から見た写真に資産範囲を
線で示したもの(推薦原案と同じもの)−21−−22−標高約2500m付近の
森林限界より上方は富士講信者には「焼山」と呼ばれ、神聖な地域あるいは死後世
界である「他界」と考えられていた。また、登山道ごとに標高は異なるが、177
9年以降、浅間大社の境内地とされてきた八合目以上はより強い神聖性を持つとさ
れる。理由は八合目の標高とほぼ一致する噴火口である「内院」の底部に浅間大神
が鎮座するとの信仰に基づく。富士山頂へ向かい、登山の歴史の中で開鑿された登
山道が、現在の4本の登山道の起源となっている。また、ほぼ森林限界に沿い、富
士山山体を一周する「御中道」が15〜16世紀ごろ富士講の祖とされる長谷川角
行によって開かれたとされ、その後「大沢崩れ」という危険箇所を通るため、富士
講信者により修行の道として利用された。表法的保護、修理・整備の経緯1924
年史蹟名勝天然紀念物保存法の下に名勝に仮指定1936年国立公園法の下に(富
士箱根)国立公園に指定1952年文化財保護法の下に名勝、ついで特別名勝に指
- 86 :
- 様子は19世紀中ごろの絵図によって確認できる。1874年
、山頂の仏教的施設及び仏像は廃仏毀釈の影響によって撤去さ
れ、ピークの名称も変更され、寺院は神社に改変された。しか
し、山頂部に対する信仰自体は変化することなく、上記の行為
は現代の−23−登山者の多くが行っており、これらを通じて
富士信仰の核心が現代に受け継がれている。写真奥宮の写真表
法的保護、修理・整備の経緯1924年所在地が史蹟名勝天然
紀念物保存法の下に名勝に仮指定1936年所在地が国立公園
法の下に(富士箱根)国立公園に指定1952年所在地が文化
財保護法の下に名勝、ついで特別名勝に指定2008年財団法
人静岡県埋蔵文化財調査研究所により現地調査が行われ、その
成果に基づき2010年に「史跡富士山保存管理計画」が策定
された2010年文化財保護法の下に他の文化財とともに史跡
富士山として指定山頂の噴火口の周囲を一周し、頂上の各峰を
巡る行為は、古くから「お鉢巡り」と呼ばれ、現在も多くの人
々に受け継がれている。13世紀後半の資料には「いたゞきに
八葉の嶺あり」との記載があり、このころには山頂の峰々に信
仰的意義を見出していたことが伺える。16世紀前半には地元
為政者が「八要メサルヽ也」との記述も見られ、後に盛んにな
るお鉢巡りの古態と思われる習俗があったことが知られる。富
士講講中の多くは、頂上に着くと、時計回りに山頂を巡ってい
った。内院に賽銭を投じ、御来光を礼拝し、途中にあるいくつ
かの仏像や石碑を拝みながら、大日寺(現奥宮)の大日如来、
最高峰の剣ヶ峰、釈迦割石、霊泉とされた金明水などを巡礼し
た。写真お鉢めぐりの写真A2大宮・村山口登山道富士山南西
麓の浅間大社及び村山浅間神社を起点とし、山頂大日岳に至る
登山道である。12世紀前半、富士山で修行した末代上人の開
削した登山道が起源だとされ、14世紀初め、僧の頼尊が修験
者とその活動を組織化したことで、村山を基点とする登山が行
われていたことが推測できる。15世紀に入ると村山での宿坊
の存在が確認でき、同世紀前半には、地元支配者である今川氏
により発心門等の施設が寄進されたとの記録がある。今川氏は
- 87 :
- 定1969年国が大沢崩れに対する砂防事業に着手(継続中)1996年国・県が
台風による森林の風倒被害に対する対策に着手(継続中)「御中道」は、標高2,
300m付近から2,800m付近の山腹を通り、富士山の中腹部を時計回りに一
周する約25kmの道である。「御中道巡り」は、修験道の祖とされる役行者が始
めたと伝えられ、16世紀後半、富士講の基礎を築いた長谷川角行が行ったことが
記録されている。古くは定まった道もなく巡ったとされ、富士講が盛んになった江
戸時代後期には一定の道が整備された。富士山信仰の上では、山体西側の大沢崩れ
を渡るという危険を伴う最大級の大行の道とされていた。富士登山3回以上の経験
を持ち、誓約書を御師に提出し、神への伺いをたてた上でないと許可されないほど
厳しいものであった。この御中道の巡拝を無事終えると、その証である「御許し」
を御師から受けることができた。1816年の資料では年間100人以上が御中道
巡りを行っているが、1977年の転落事故で通行止めとなり、現在では一周する
ことはできなくなっている。写真御中道の写真A1山頂信仰遺跡(富士山本宮奥宮
)富士山山頂部の火口壁沿いに、いくつかの神社及び宗教関連施設が所在する。富
士山への信仰登山が開始されると、修験道の影響を受け山頂部において寺院の造営
や仏像等の奉納がおこなわれるとともに、山頂部での宗教行為が体系化されていっ
た。登拝者は山頂周辺において「御来光」を拝み、内院と呼称される噴火口に鎮座
すると言われる神仏を拝した。また、火口壁にいくつかあるピークを仏教の曼荼羅
における仏の世界に擬して巡拝する「お鉢めぐり(八葉めぐり)」と呼ばれる行為
を行なうことが一般的であった。山頂の宗教的施設は、12世紀中ごろ、修行僧末
代により建立された大日寺(大日堂)が最初とされ、その後、経典・懸仏・仏像等
の山頂部への奉納・埋納や内院への散銭が行われた。また、遅くとも17世紀には
、大宮・村山口山頂部に大日堂が、吉田・須走口山頂部に薬師堂が造営された。こ
の様子は19世紀中ごろの絵図によって確認できる。1874年、山頂の仏教的施
- 88 :
- 1552年、村山を神聖な地と定め、村山三坊には山役銭の徴
収権を与えている。この権利は19世紀後半まで継続し、浅間
大社が登山道の管理に関わることはなかった。一方、16世紀
ごろ、浅間大社は湧玉池での水垢離を重要な儀式と位置づける
ことによって、浅間大社を経由した登拝を喧伝した。浅間大社
には16世紀前半に30余りの道者坊があったことが伝えられ
、同時期の絵図である「絹本著色富士曼荼羅図」には浅間大社
・湧玉池及び村山浅間神社を経由して登山する人々の姿が描か
- 89 :
- の道者坊の記録より、御縁年で2,000人前後、平年で数百名
程度と推測できる。1826年の記録ではその数が減少し、村山
の村落も衰退していたとの記述もあるが、1860年、初の外国
人登山となる英国公使オ−24−ールコックは大宮を経由して村
山に宿泊し、山頂をめざした。彼の記録では大鏡坊、中宮八幡堂
の存在や登山道の様子が確認できる。明治維新以降、女人登山の
解禁もあり、登山者は増加傾向を示すが、1889年、東海道線
の開通による御殿場口利用者の増加により衰退し、これへの対策
として1906年、村山を経由せず4km短縮された大宮新道(
カケスバタ口)が建設されたため、大宮から現六合目までの村山
口登山道は登山道としての機能を失い、その歴史を閉じた。現在
は、林道の建設に雨水による侵食も加わり、一部を除き登山道跡
の推定は困難な状態であり、道標、地蔵・不動明王像、建物跡な
どをある程度たどることができるのみである。写真大宮・村山口
登山道の写真A3須山口登山道富士山南東麓、須山浅間神社を起
点とし、山頂部浅間嶽(駒ケ嶽)に至る登山道である。その起源
は明確ではないが、1200年の資料には大宮・村山口、吉田口
、須山(珠山)口以外には登山道がないことが述べられている。
1486年の京都の僧による資料(廻国雑記)では、「すはま口
」の名が確認できる。登山道および山頂部銀明水は須山浅間神社
及び12軒の御師を中心とした須山村により管理されていた。た
だし、銀明水の管理を巡り、須走村と争いになった際は浅間大社
の裁定を仰いでいる。登山道には宝永噴火前の状況を描いた絵図
で須山御胎内に附属する御胎内神社等の宗教施設と山室がみられ
る。これらの施設及び登山道はその中腹より噴火した宝永噴火に
より壊滅し、御縁年の1740年に復興したが永続せず、178
0年にようやく復興した。また、1880年代の記録では御室浅
間神社、中宮浅間社、御胎内等の宗教施設と4箇所の石室がある
ことが確認できる。中宮浅間社や水呑浅間は村山修験の富士峯修
行の行場としても使用された。登拝者については詳しい研究が進
んでいないが、西日本・東日本両方からの登山者があったことが
、宿帳及び案内立札の立地から確認できる。登拝者数は御縁年に
- 90 :
- 設及び仏像は廃仏毀釈の影響によって撤去され、ピークの名称も変更され、寺院は
神社に改変された。しかし、山頂部に対する信仰自体は変化することなく、上記の
行為は現代の−23−登山者の多くが行っており、これらを通じて富士信仰の核心
が現代に受け継がれている。写真奥宮の写真表法的保護、修理・整備の経緯192
4年所在地が史蹟名勝天然紀念物保存法の下に名勝に仮指定1936年所在地が国
立公園法の下に(富士箱根)国立公園に指定1952年所在地が文化財保護法の下
- 91 :
- れている。道者坊はその後統合され、19世紀前半には5坊と
なった。また、1600年頃以降、地元支配者により、大宮を
経て村山口登山道を利用することが求められた。登山道中の宗
教施設は、17世紀初頭までに建設され、石室などの施設は主
に17世紀後半、興法寺から許可を受けた先達により建設され
たが、1707年の宝永噴火で登山道と共にことごとく破壊さ
れた。これらは再建されたが、その復興は須走口より遅かった
。主要な宗教施設としては発心門、中宮八幡堂、室大日などが
あった。登拝者は興法寺の檀所や浅間大社の道者場としていた
静岡県西部地方を含む西日本の人々が多かった。なお、153
2年以降不連続であるが、登拝者の記録が残され、その数は1
8世紀後半から19世紀初頭の道者坊の記録より、御縁年で2
,000人前後、平年で数百名程度と推測できる。1826年
の記録ではその数が減少し、村山の村落も衰退していたとの記
述もあるが、1860年、初の外国人登山となる英国公使オ−
24−ールコックは大宮を経由して村山に宿泊し、山頂をめざ
した。彼の記録では大鏡坊、中宮八幡堂の存在や登山道の様子
が確認できる。明治維新以降、女人登山の解禁もあり、登山者
は増加傾向を示すが、1889年、東海道線の開通による御殿
場口利用者の増加により衰退し、これへの対策として1906
年、村山を経由せず4km短縮された大宮新道(カケスバタ口
)が建設されたため、大宮から現六合目までの村山口登山道は
登山道としての機能を失い、その歴史を閉じた。現在は、林道
の建設に雨水による侵食も加わり、一部を除き登山道跡の推定
は困難な状態であり、道標、地蔵・不動明王像、建物跡などを
ある程度たどることができるのみである。写真大宮・村山口登
山道の写真A3須山口登山道富士山南東麓、須山浅間神社を起
点とし、山頂部浅間嶽(駒ケ嶽)に至る登山道である。その起
源は明確ではないが、1200年の資料には大宮・村山口、吉
田口、須山(珠山)口以外には登山道がないことが述べられて
いる。1486年の京都の僧による資料(廻国雑記)では、「
すはま口」の名が確認できる。登山道および山頂部銀明水は須
- 92 :
- 当たる1800年に約5,400人、1840年代前半は年平均
約1,700人、続く1860年の御縁年には約3,600人で
あった。登拝者は神仏分離令後も継続していたが、1883年、
須山口二合八勺に接続する御殿場口登山道が開鑿された。また、
1889年に東海道本線が開通し、御殿場口の利便性の向上によ
り須山口からの登拝者や登山者が減少することとなった。191
2年には、登山道の一部が陸軍演習場となり使用不可能となった
ため、須山口からの登拝(登山)は衰退し現在に至っている。二
合八勺以下の登山道で当時の道が確認できる部分は一部のみであ
る。また、1999年、地元住民により須山口下山歩道の名でか
つての登山道の一部が復興された。写真須山口登山道の写真A4
須走口登山道富士山東麓の冨士浅間神社を起点とし、八合目で吉
田口登山道と合流して山頂久須志岳に至る登山道である。その起
源は明確ではないが、六合目からは1384年の銘のある掛仏が
出土している。文献からは「勝山記」の1500年6月の項に、
関東地方での戦乱を避け、吉田口を利用すべき登拝者が須走口に
集中したことが確認できる。遅くとも17世紀までに、冨士浅間
神社及び須走村が登山道山頂部までを支配し、薬師嶽(現久須志
岳)における石室建設の独占、薬師堂の開帳・入仏などを行った
。また、内院および薬師堂の散銭取得権も浅間大社に次ぐ権利を
有していた。冨士浅間神社及び須走村は、1703年と1772
年の2回幕府に訴え、これらの権利について八合目以上の支配権
を主張する浅間大社と争い、正式に権利を認められた。−25−
登山道の施設は1683年の資料等で詳細が確認でき、大日堂、
御室浅間神社、古御岳神社等の宗教施設と共に、小屋・石室が山
頂部まで設置されている。1707年の宝永噴火では、これらの
施設及び麓の浅間神社、須走村は約3mの降砂に覆われ壊滅した
が、江戸幕府の支援を受け、翌年の登拝期までには復興を完了し
、多くの登拝者を集めた。18世紀半ばには800名前後に減少
したとの資料があるが、18世紀後半、相模の大山石尊や関本の
道了尊とセットにされた参詣の流行で登拝者数は増加し、年平均
約1万人、1800年の御縁年に23,700人とピークを迎え
- 93 :
- に名勝、ついで特別名勝に指定2008年財団法人静岡県埋蔵文化財調査研究所に
より現地調査が行われ、その成果に基づき2010年に「史跡富士山保存管理計画
」が策定された2010年文化財保護法の下に他の文化財とともに史跡富士山とし
て指定山頂の噴火口の周囲を一周し、頂上の各峰を巡る行為は、古くから「お鉢巡
り」と呼ばれ、現在も多くの人々に受け継がれている。13世紀後半の資料には「
いたゞきに八葉の嶺あり」との記載があり、このころには山頂の峰々に信仰的意義
を見出していたことが伺える。16世紀前半には地元為政者が「八要メサルヽ也」
との記述も見られ、後に盛んになるお鉢巡りの古態と思われる習俗があったことが
知られる。富士講講中の多くは、頂上に着くと、時計回りに山頂を巡っていった。
内院に賽銭を投じ、御来光を礼拝し、途中にあるいくつかの仏像や石碑を拝みなが
ら、大日寺(現奥宮)の大日如来、最高峰の剣ヶ峰、釈迦割石、霊泉とされた金明
水などを巡礼した。写真お鉢めぐりの写真A2大宮・村山口登山道富士山南西麓の
浅間大社及び村山浅間神社を起点とし、山頂大日岳に至る登山道である。12世紀
前半、富士山で修行した末代上人の開削した登山道が起源だとされ、14世紀初め
、僧の頼尊が修験者とその活動を組織化したことで、村山を基点とする登山が行わ
れていたことが推測できる。15世紀に入ると村山での宿坊の存在が確認でき、同
世紀前半には、地元支配者である今川氏により発心門等の施設が寄進されたとの記
録がある。今川氏は1552年、村山を神聖な地と定め、村山三坊には山役銭の徴
収権を与えている。この権利は19世紀後半まで継続し、浅間大社が登山道の管理
に関わることはなかった。一方、16世紀ごろ、浅間大社は湧玉池での水垢離を重
要な儀式と位置づけることによって、浅間大社を経由した登拝を喧伝した。浅間大
社には16世紀前半に30余りの道者坊があったことが伝えられ、同時期の絵図で
ある「絹本著色富士曼荼羅図」には浅間大社・湧玉池及び村山浅間神社を経由して
登山する人々の姿が描かれている。道者坊はその後統合され、19世紀前半には5
- 94 :
- 山浅間神社及び12軒の御師を中心とした須山村により管理さ
れていた。ただし、銀明水の管理を巡り、須走村と争いになっ
た際は浅間大社の裁定を仰いでいる。登山道には宝永噴火前の
状況を描いた絵図で須山御胎内に附属する御胎内神社等の宗教
施設と山室がみられる。これらの施設及び登山道はその中腹よ
り噴火した宝永噴火により壊滅し、御縁年の1740年に復興
したが永続せず、1780年にようやく復興した。また、18
80年代の記録では御室浅間神社、中宮浅間社、御胎内等の宗
教施設と4箇所の石室があることが確認できる。中宮浅間社や
水呑浅間は村山修験の富士峯修行の行場としても使用された。
登拝者については詳しい研究が進んでいないが、西日本・東日
本両方からの登山者があったことが、宿帳及び案内立札の立地
から確認できる。登拝者数は御縁年に当たる1800年に約5
,400人、1840年代前半は年平均約1,700人、続く
1860年の御縁年には約3,600人であった。登拝者は神
仏分離令後も継続していたが、1883年、須山口二合八勺に
接続する御殿場口登山道が開鑿された。また、1889年に東
海道本線が開通し、御殿場口の利便性の向上により須山口から
の登拝者や登山者が減少することとなった。1912年には、
登山道の一部が陸軍演習場となり使用不可能となったため、須
山口からの登拝(登山)は衰退し現在に至っている。二合八勺
以下の登山道で当時の道が確認できる部分は一部のみである。
また、1999年、地元住民により須山口下山歩道の名でかつ
ての登山道の一部が復興された。写真須山口登山道の写真A4
須走口登山道富士山東麓の冨士浅間神社を起点とし、八合目で
吉田口登山道と合流して山頂久須志岳に至る登山道である。そ
の起源は明確ではないが、六合目からは1384年の銘のある
掛仏が出土している。文献からは「勝山記」の1500年6月
の項に、関東地方での戦乱を避け、吉田口を利用すべき登拝者
が須走口に集中したことが確認できる。遅くとも17世紀まで
に、冨士浅間神社及び須走村が登山道山頂部までを支配し、薬
師嶽(現久須志岳)における石室建設の独占、薬師堂の開帳・
- 95 :
- た。登拝者は関東地方の富士講関係者が多く、東北地方からの登
拝者も見られる。講によっては吉田口から登山し、砂道で下山に
適した須走口へ下山する形をとった。また、1831年、須走口
山頂部に宝経塔が作られたことにより、日蓮宗の信徒による登拝
も増加した。1889年の東海道線開通による御殿場口、および
1903年の中央線開通による吉田口の利便性の向上で、距離が
長い須走口は敬遠されるが、御殿場口の下山道として利用され続
けた。1909年より登山道の周囲に石垣を築き、1916年に
- 96 :
- 坊となった。また、1600年頃以降、地元支配者により、大宮を経て村山口登山
道を利用することが求められた。登山道中の宗教施設は、17世紀初頭までに建設
され、石室などの施設は主に17世紀後半、興法寺から許可を受けた先達により建
設されたが、1707年の宝永噴火で登山道と共にことごとく破壊された。これら
は再建されたが、その復興は須走口より遅かった。主要な宗教施設としては発心門
、中宮八幡堂、室大日などがあった。登拝者は興法寺の檀所や浅間大社の道者場と
していた静岡県西部地方を含む西日本の人々が多かった。なお、1532年以降不
連続であるが、登拝者の記録が残され、その数は18世紀後半から19世紀初頭の
道者坊の記録より、御縁年で2,000人前後、平年で数百名程度と推測できる。
1826年の記録ではその数が減少し、村山の村落も衰退していたとの記述もある
が、1860年、初の外国人登山となる英国公使オ−24−ールコックは大宮を経
由して村山に宿泊し、山頂をめざした。彼の記録では大鏡坊、中宮八幡堂の存在や
登山道の様子が確認できる。明治維新以降、女人登山の解禁もあり、登山者は増加
傾向を示すが、1889年、東海道線の開通による御殿場口利用者の増加により衰
退し、これへの対策として1906年、村山を経由せず4km短縮された大宮新道
(カケスバタ口)が建設されたため、大宮から現六合目までの村山口登山道は登山
道としての機能を失い、その歴史を閉じた。現在は、林道の建設に雨水による侵食
も加わり、一部を除き登山道跡の推定は困難な状態であり、道標、地蔵・不動明王
像、建物跡などをある程度たどることができるのみである。写真大宮・村山口登山
道の写真A3須山口登山道富士山南東麓、須山浅間神社を起点とし、山頂部浅間嶽
(駒ケ嶽)に至る登山道である。その起源は明確ではないが、1200年の資料に
は大宮・村山口、吉田口、須山(珠山)口以外には登山道がないことが述べられて
いる。1486年の京都の僧による資料(廻国雑記)では、「すはま口」の名が確
認できる。登山道および山頂部銀明水は須山浅間神社及び12軒の御師を中心とし
- 97 :
- 入仏などを行った。また、内院および薬師堂の散銭取得権も浅
間大社に次ぐ権利を有していた。冨士浅間神社及び須走村は、
1703年と1772年の2回幕府に訴え、これらの権利につ
いて八合目以上の支配権を主張する浅間大社と争い、正式に権
利を認められた。−25−登山道の施設は1683年の資料等
で詳細が確認でき、大日堂、御室浅間神社、古御岳神社等の宗
教施設と共に、小屋・石室が山頂部まで設置されている。17
07年の宝永噴火では、これらの施設及び麓の浅間神社、須走
村は約3mの降砂に覆われ壊滅したが、江戸幕府の支援を受け
、翌年の登拝期までには復興を完了し、多くの登拝者を集めた
。18世紀半ばには800名前後に減少したとの資料があるが
、18世紀後半、相模の大山石尊や関本の道了尊とセットにさ
れた参詣の流行で登拝者数は増加し、年平均約1万人、180
0年の御縁年に23,700人とピークを迎えた。登拝者は関
東地方の富士講関係者が多く、東北地方からの登拝者も見られ
る。講によっては吉田口から登山し、砂道で下山に適した須走
口へ下山する形をとった。また、1831年、須走口山頂部に
宝経塔が作られたことにより、日蓮宗の信徒による登拝も増加
した。1889年の東海道線開通による御殿場口、および19
03年の中央線開通による吉田口の利便性の向上で、距離が長
い須走口は敬遠されるが、御殿場口の下山道として利用され続
けた。1909年より登山道の周囲に石垣を築き、1916年
には、八合目まで馬による登山が可能になった。八合目以上は
浅間大社境内地という理由で馬の利用は行われなかった。また
、1923年に皇太子(昭和天皇)の登山に利用されている。
1959年、バス道路(現ふじあざみライン)の完成により、
五合目以下の登山道の利用は減少し、一部登山道としての確認
ができない区間がある。写真須走口登山道の写真A5吉田口登
山道北口本宮冨士浅間神社を起点とし、富士山頂を目指す道で
ある。15世紀には、富士山への登拝が、修験者だけでなく、
ごく一般の人々の間にも広まっていた。吉田口は14世紀後半
には参詣の道者のための宿坊もでき始め、大勢の人々が登るた
- 98 :
- めの設備が整うようになった。16世紀から17世紀、長谷川
角行が吉田口を利用して修行を行い、18世紀前半には富士講
隆盛の礎を築いた食行身禄は、入定(宗教的自殺)にあたって
信者の登山本道をこの吉田口と定めた。このため、富士講の信
者が次第に増加した18世紀後半以降は、年間数万人を数える
富士講の道者が登拝したとされる。1964年に富士山有料道
路が開通した後は、ほとんどの登山者が新五合目(小御岳)を
起点として登るようになったため、五合目以下の道を利用する
- 99 :
- は、八合目まで馬による登山が可能になった。八合目以上は浅間
大社境内地という理由で馬の利用は行われなかった。また、19
23年に皇太子(昭和天皇)の登山に利用されている。1959
年、バス道路(現ふじあざみライン)の完成により、五合目以下
の登山道の利用は減少し、一部登山道としての確認ができない区
間がある。写真須走口登山道の写真A5吉田口登山道北口本宮冨
- 100 :
- た須山村により管理されていた。ただし、銀明水の管理を巡り、須走村と争いにな
った際は浅間大社の裁定を仰いでいる登山道には宝永噴火前の状況を描いた絵図
で須山御胎内に附属する御胎内神社等の宗教施設と山室がみられる。これらの施設
及び登山道はその中腹より噴火した宝永噴火により壊滅し、御縁年の1740年に
復興したが永続せず、1780年にようやく復興した。また、1880年代の記録
では御室浅間神社、中宮浅間社、御胎内等の宗教施設と4箇所の石室があることが
確認できる。中宮浅間社や水呑浅間は村山修験の富士峯修行の行場としても使用さ
れた。登拝者については詳しい研究が進んでいないが、西日本・東日本両方からの
登山者があったことが、宿帳及び案内立札の立地から確認できる。登拝者数は御縁
年に当たる1800年に約5,400人、1840年代前半は年平均約1,700
人、続く1860年の御縁年には約3,600人であった。登拝者は神仏分離令後
も継続していたが、1883年、須山口二合八勺に接続する御殿場口登山道が開鑿
された。また、1889年に東海道本線が開通し、御殿場口の利便性の向上により
須山口からの登拝者や登山者が減少することとなった。1912年には、登山道の
一部が陸軍演習場となり使用不可能となったため、須山口からの登拝(登山)は衰
退し現在に至っている。二合八勺以下の登山道で当時の道が確認できる部分は一部
のみである。また、1999年、地元住民により須山口下山歩道の名でかつての登
山道の一部が復興された。写真須山口登山道の写真A4須走口登山道富士山東麓の
冨士浅間神社を起点とし、八合目で吉田口登山道と合流して山頂久須志岳に至る登
山道である。その起源は明確ではないが、六合目からは1384年の銘のある掛仏
が出土している。文献からは「勝山記」の1500年6月の項に、関東地方での戦
乱を避け、吉田口を利用すべき登拝者が須走口に集中したことが確認できる。遅く
とも17世紀までに、冨士浅間神社及び須走村が登山道山頂部までを支配し、薬師
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