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【福袋】2018年ヨドバシ【鬱袋】


1 ：2017/10/07 ～ 最終レス ：2018/03/07
もうそろそろ福袋の季節・・。。
今年もよろしくね！

2 ：
早くもたてちゃいました。
情報交換から予想まで雑談しましょ～

3 ：
12月16日だっけ？
一次予約

4 ：
>>3
もうそんな情報出てる？
調べたけどでてこなかったが…

5 ：
>>4
ごめん
去年の話

6 ：
>>5
そかそか

今年はなに狙おうかな…

去年はあぷりでなんもかえなかったからなぁ。

7 ：
まだ情報はぜんぜんないねー

8 ：
事前にログインしてたらエラー出た年も
あったな～😅

9 ：
今年もアプリなんかな、テンバイヤー対策のために…

10 ：
あげー

11 ：
高級コンデジの福袋やらないかなぁー

12 ：
ネオ一眼の夢とか

13 ：
>>12
rx10とかはいんないかなぁ。

14 ：
10万くらいならあるかもね

15 ：
てかみんなどーやって予想してんの？

16 ：
思いつきと願望

17 ：
なるほど

みんな去年なんか買えた？
てか仙台に並んだ人いる？

18 ：
今年初めて福袋を購入する予定ですが、アプリでも難しいでしょうか？
欲しいのはブルーレイレコーダーです｡
500GBか 1TB 2チューナーまたは3チューナー

メーカーはどこでも良いです｡当方茨城県在住｡

19 ：
>>18
去年は
Surface
ios
一眼
ブルレコは瞬殺だったような…。

関東圏に住んでるのであれば並ぶのもありかと(^^;

私は埼玉から宮城に引っ越したんですが、ヨドバシ福袋商戦に関してはいろいろ楽です

仙台は二日から初売りなので、関東圏の開封速報見てから並べるので、ほぼすべて中身分かってる状態なので狙いやすいです

でもヨドバシ他店で買いそびれたテンバイヤーも数多くくるのがやっかいですがね

20 ：
あげー

21 ：
そろそろ新しい情報くるかなー

22 ：
>>18
ブルレコはメーカーにこだわったほうがいいよ
数年前まで一番人気だったメーカーが、今では不具合連発の地雷に成り果てたりするから

23 ：
>>22
レス有り難うございます。
まだ､アプリから連絡ありませんけど､毎年11月中頃に受付の開始されるのですか?

メーカーは､Panasonic､シャープ､東芝辺りが良いのですが｡

24 ：
>>23
アプリでの開始は12月半ばかな。
それで買えると、翌年元旦に届く。

25 ：
>>24
ブルレコは､30000円位からですか？
一応スマホ3台で挑む予定です。

26 ：
>>25
去年は
30000
45000

の二つがありましたよ

27 ：
去年は糞だったな
アプリ入れても鯖落ちだったから電話にメールまでしてやったよ

28 ：
>>26
30000の方はダブル､シングルチューナー､500GB 1TB　
40000はダブル､トリプルチューナー
1TBですか?

29 ：
毎年12月の初めに受付開始の連結がメールで来るのですか？

30 ：
去年のブルーレイ500GBはネットが全部Panasonicで当たりだったな

31 ：
スマホの夢にP10liteこないかなー

32 ：
スマホの電池が死にかけてるから格安スマホ袋が欲しい
けど来年は元旦仕事なんだよねー

33 ：
>>31
去年がp9Liteはいったから、もしかしたらあるかも！

34 ：
例年のパターンだと１２月１４か２１かな？

35 ：
高度な情報戦始まったな

36 ：
ブルーレコ30000円は､Panasonicかシャープならいいけど､東芝やソニーだと？
来月中旬頃アプリで予約開始かなぁ？

37 ：
>>36
多分来月の半ばかと。
第三週の木曜日があやしそう。

38 ：
30000円のは500GB 1TBのどちらが入るのでしょうか？
PanasonicのDMR-BRW520 1020
シャープBD-NW510辺りが欲しいのですが､福袋を待つよりネットで購入した方が良いでしょうか？

福袋のブルレコは延長保証加入できるのですか？

39 ：
>>38
去年はDMR-BRW1010の1TかTOSHIBAの1Tだったから

なきにしもあらず

40 ：
1TBの機種が30000円ならば福袋を購入したいのですが､アプリで混乱が起きないことを願ってます。

シャープのBD-UT1100が値下がりしていますし､最新機種の前モデルも注目です｡

41 ：
今年はミラーレス福袋あるかなぁ…

42 ：
決戦の日は12/21かな
もしくは14日

43 ：
その前にお年玉箱のラインナップがでるね

楽しみでしかたない。

44 ：
福袋とお年玉箱は別でしょうか？それとも同じですか？

45 ：
同じだよ

46 ：
去年は３万でIOSがipad air2 32GB
今年の予想はずばりなんでしょ？

47 ：
コンデジが壊れた
福袋で買うから中の人、リークよろしく

48 ：
>>47
まじで誰か期待

49 ：
P10lightが欲しい
2万でよろしくお願い

50 ：
もしくは1万でP9light

51 ：
キヤノンPowerShotG9Xを予想する

52 ：
パナソニックLUMIX DMC LX100かもしれん

53 ：
個人的には
NIKON Coolpix AW130が欲しい

54 ：
>>51
高級コンデジの夢
とかなら入る可能性ありますが、

普通のコンデジの夢に1インチは難しいんじゃないかねぇ。

55 ：
今年のCoolpix S7000 が強烈だったから期待しちゃうよな

56 ：
またアプリで弾かれるのかな

57 ：
>>55
確かに…
ニコンとキヤノン分けたのはすごいよかった

58 ：
キヤノンはPOWERSHOT SX710だったよな
カメラ屋さんらしい福袋だった

59 ：
ミラーレス福袋復活しないかなぁ

60 ：
気になるのはアプリ限定かどうかだ

61 ：
うろ覚えだけど去年は初めてアプリ限定で先行販売したけど
最新バージョンのアプリを何とかかんとかってエラー出て買えなかったんだよね
速攻で削除してヨドにはもう関わらないと思ったわ

さっきインスコしたけど

62 ：
なんかiosは買えて
Androidは買えなかったとか
噂になったよね

63 ：
ネットの発売日の発表って直前だっけ？今月末とかではないかな？

64 ：
はっきり覚えてないけど数日前にメールが来てたと思う

65 ：
去年は前日にメールきたよ

66 ：
そっかぁ
休み取るには予定日予想して狙うしかないなー

67 ：
ヒント　第三木曜日

68 ：
去年は水曜だったよ

69 ：
今回はiosなにかなぁ。

70 ：
ヤマダの鬱袋(フナイ詰め合わせ)よりはマシやろな

71 ：
PS4の夢とかの可能性ある？

１２月発売のゲームやりたいんだが・・。
迷うのう

72 ：
>>70
そんなのがあったのか
家電マニアなら知ってるメーカーだけど、普通の人なら｢なにこれ中国メーカー？｣だろうな

73 ：
#ヨドバシカメラ 秋葉原店 で、#SONY #α7RIII + #SEL50F14Z を俺がその場で現金を支払わなくても貰えるようにしておいて。
俺はその場で現金を渡さないでもカメラ等を買える、貰えるはずなのに、まだ、カメラ1台も貰ってない。
https://twitter.com/4YoGun/status/929020643042930688 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:b48a56d6380d8885e6a92b62b636ccf4)

74 ：
オーディオ福袋はDP-S1とXDP-30Rが入りそうだね

75 ：
スマホは禅3max 5.5が2万円と予想

76 ：
Zenは嫌だ
ファーフェイにしてくれ

77 ：
ノートpcもスマホもasus

78 ：
>>74
ないないw

79 ：
>>74
それなら歓喜なんだけどね。
ラインナップと値段早くしてくれー

80 ：
一眼買い換えたいんだけど、ここで博打かけるのと普通に買うの迷うわ

81 ：
>>80
普通に買ったほうがいいと思うよ
福袋で外れたらペンタが来ちゃう

82 ：
一眼レフを始めたい人は買った方がいい？一式ついてるんだよね？

83 ：
GoProは今回もやるかなー

84 ：
新しい種類の箱出てこないかなぁ
毎年飽きてきたよ

85 ：
ペンタは物はいいんだけどね
如何せんレンズのバリエーションが少ない
特に超望遠
TAMRON、SIGMAにも見放されて将来性が無い

86 ：
>>84
大きなお友だち箱

87 ：
今回はIOS狙おうかと・・
今年はなにかなぁ

88 ：
タブレット系はwifiモデルしか入ってないでしょ？
sim刺さらないのなんて今さら要らないんだよなぁ

89 ：
iPhoneはないかな

90 ：
ブルレコ30000円には､500GB 1TB PかSHのが入りそうかなぁ？

91 ：
販売終了を見逃すな

92 ：
ネットと店頭の中身の差ってある?

93 ：
店頭分は数社混ざってて、ネット分は一社のみだったみたいなことはあった気がする
海外PCだったかな

ネット分限定みたいな店頭と全然別物ってことはなかったと思う

94 ：
基本店頭の方があたりが多いよ

95 ：
何年か前にブルレコ買ったときはネット分がパナ固定で嬉しかったけどね

96 ：
>>93
ネットも店舗も2種あった

97 ：
ラインナップ発表も12月半ばかなぁ。

ラインナップかなり気になる

98 ：
俺は　本スレが　どこなのかが　一番気になるｗ

99 ：
ブルレコ狙ってますが、普通に購入した方が良いですか？
機種は、シャープBD-NW510 NW520
東芝DBR-W507
パナDMR-BRW520辺りです。NW520以外は35000円前後で販売してます。

100 ：
希望の機種がある人は普通に購入した方がいいと思う。

101 ：
>>98
ここ以外にもヨドバシ福袋スレあるの？

102 ：
http://itest.2ch.sc/lavender/test/read.cgi/kaden/1510271763
過疎ってるけどな

ただ例年家電製品板に建つから、ここもどうなるか

103 ：
もうここが本スレでよくね

104 ：
みんな向こうに行っちゃった

105 ：
>>92
去年はメンズウォッチは、ネットはCASIOで店頭はCITIZENとかが多かった

106 ：
>>105
それ聞くとネットはこわいな。
店頭に並ぶべきか…

107 ：
前回はネットで買えず店頭並んだけど、一眼、ios、サーフェスの順で瞬殺だったな。
店員総勢で元旦早々から鳥の帽子被って、お買い上げごとに大声だしてて面白かったけど、もうビックみたいに抽選でもいいわ

108 ：
あ

109 ：
2017年ですと

一眼レフデジカメの夢　3万円
ビデオカメラの夢　2万円
GoProの夢 2万円
コンパクトデジカメの夢 2万円
コンパクトデジカメの夢 1万円
インスタントカメラの夢 7千円
美容・健康家電の夢 1万円
お掃除家電の夢　1万円
キッチン家電の夢　1万円
ブルーレイレコーダーの夢　4万5千円
ブルーレイレコーダーの夢　3万円
デジタルオーディオプレーヤー/イヤホンの夢 4万5千円
お風呂テレビの夢　3万5千円
デジタルオーディオプレーヤー/ブルートゥーススピーカーの夢　2万5千円
ヘッドホン/ブルートゥーススピーカーの夢　1万円
タブレットパソコンの夢 WinPro　6万円
国内ブランドノートパソコンの夢　5万円
海外ブランドノートパソコンの夢 A4 Office付 3万円
海外ブランドノートパソコンの夢 B4 Office付 3万円
海外ブランドモバイルパソコンの夢 2万円
タブレットパソコンの夢i 3万円
タブレットパソコンの夢 Android 1万円
格安スマホの夢　1万円
格安スマホの夢　5千円
メンズウォッチの夢 　1万円
レディースウォッチの夢 　1万円
NEWニンテンドー3DSLLの夢　1万8千円
ソニーPSVITAの夢　1万8千円
男児玩具の夢　5千円
女児玩具の夢 　5千円

なんと30種類！

これだけあれば、自分の欲しいものの夢を追いかけることができますね！



ちなみに毎年同じくらいの種類が出ているので、2018年も30種類程度かと思われます！

110 ：
http://iemoto248.com/1812.html

↑HP

111 ：
ネットの応募は１２月１４日前後になるが詳細は１２月１日～発表

112 ：
格安スマホの夢1万円（P9lite）と美容・健康家電の夢を購入したが、まだ何も開封してないなぁ。

113 ：
2018年ヨドバシ福袋の先行詳細情報！！！（去年分から予想）【ヨドバシカメラ福袋】
http://misaka6.blog.jp/archives/5426911.html

114 ：
>>113
糞アフィ

115 ：
三大キャリアのスマホ夢は今年もないかな？

116 ：
>>109
>GoProの夢 2万円
これだけは中身が想像出来るから夢じゃない気がするw

117 ：
スマホの夢P9ライトは二万じゃなかった？

118 ：
>>117
そっか(´・ω・｀)　訂正しとく　ｔｈｘ

119 ：
>>116
間違いなくお得に買えるから夢あるんだよ
ゲーム類と同じ扱いだねw

120 ：
夢を求めるならバラエティー家電だな

121 ：
今年のカメラ系福袋はどうなりそうですかね？

122 ：
並ばれる方のオムツ購入はお早めにね
底冷えするのでカイロや椅子などもお早めに

123 ：
>>121
去年のコンデジ2種が良かったから期待したいですね
カメラ屋さんの福袋ですから、持っていて恥ずかしくない機種を入れてくれると期待します

124 ：
スマホの夢は禅3laserと禅3maxが
ランダムかなと予想

125 ：
あと約二週間後か…

126 ：
結局、本スレはどこになるの？
まずは、それが気になってしょうがない。

127 ：
スマートフォン袋はフリーテルの不良在庫だらけになると思われ
地雷だから避けろ

128 ：
例年は家電製品板が主流

129 ：
フリーテルやばいんだっけいま

130 ：
2018お年玉箱ネット予約は、今年昨日までに買い物した人で抽選だぁー！

131 ：
だんだん倍率上がってくる

132 ：
一覧で現在n倍って表示されてるのは自分の確率が上がってるわけではなくて、応募者が多いって意味でいいんですよね？

133 ：
>>132
確率上がるとかありえんだろ

134 ：
抽選だと・・・だめだ

135 ：
>>132
常識でわかるだろ

136 ：
本スレどこ？

137 ：
開始直後で倍率5倍とか無理だろこれ

138 ：
多分軽く100倍超える
シナ対策としてはいいな

139 ：
今年何も買ってないし、カードも無い・・・

140 ：
あーあ終わったわ
今年は実況スレが楽しめない

141 ：
やっぱり盛り上がりに欠けるよなぁ

142 ：
まぁ抽選とは名ばかりで、実際は今まででヨドバシで大量に購入歴があるやつが「当選」だろうな。
公開抽選でも無い限りいくらでも操作はできる。

143 ：
今北。
1から順番に書き込み全部見たら笑えた。
そして詳細が出たのに盛り上がらないどころか、むしろしぼんでいる。
まあ今回は今まで以上に店頭がアツそうだな。ヤバい奴も4割増くらいになりそうだし。

144 ：
ズームデジカメ応募した
(´･ω･`)

145 ：
店頭販売はいつも通りやろ？

146 ：
5000円のスマホが無いぞー
だめだなこれｗ
今年はビックカメラに期待しよう。

147 ：
switchの夢がかなう無いやん！
はーつっかえ

148 ：
レコーダーは東芝だろ、間違いなくw

149 ：
switchに夢なんてないからね
しょうがないね

150 ：
抽選でもういい
ヨドコムで買い物してるやつ優遇しろ

そのような提案を元旦に送ったんだけどヨドバシってお客の意見に忠実なんだな

151 ：
スタバも抽選だし広がっていくだろうね
これヨドコム会員と+カード会員で違いあるの？

152 ：
これでいいのだ

153 ：
やっぱりiタブレットやろ
キッチンはトースターなの？
ケルヒャーも気になってきた

154 ：
これから近所の神社に当選祈願に行ってくる

155 ：
コンデジに賭けた　神様仏様　当選しますようにm(_ _)m

156 ：
止めた方がいいのはわかっているがキッチン家電の夢に応募してしまった・・・・・・
今年の製麺機くらいインパクトあるの頼むぜ！！！（1回使ってコレクション化したのは言うまでも無い）

157 ：
このスレを探してた
30000円のレコーダー申し込もうとしてるけど例年の中身ってなんだっけ？
シャープだった記憶がかすかにある

158 ：
>>157
●ブルーレイレコーダーの夢　￥30,000
panasonic DMR-BRW1010
---------------------------
REGZA DBR-Z620
---------------------------
以下、共通で同梱。
Green House HDMIケーブル
Verbatim BD-Rディスク

159 ：
>>158
ありがとう、とりあえず申し込んでみる

160 ：
福袋というよりお得意様新春セールって感じか

161 ：
>>160
ドットコムはそんな感じだけど店頭はまた中国人とかがいるんだろ。

ビデオカメラは相変わらずビクターのオリジナルモデルかな？

162 ：
SurfacePro 6万円ってどのランクだi3か？
i3だと当たっても買いたくねえぞ

163 ：
海外スマホはP9lite、国内スマホはAQUOSminiとかかな？

164 ：
画素が荒い箱の写真から推測すると、、
特定班たのむで

165 ：
と言うか本スレはこっちよ

【福袋】2018年ヨドバシvsビックカメラ【鬱袋】
http://lavender.2ch.sc/test/read.cgi/kaden/1510271763/

166 ：
>>165
ありがとう

167 ：
フルワイヤレスイヤホンの夢これって中身なんだろ？

168 ：
夢のお年玉箱2018 海外ブランドスマホの夢
申し込みました。

大当たり　P10 lite
上々　　　P9 lite
やや外れ　Zenfone 3 Max（Snapdragonの方）
外れ　　　Idol4、AXON mini、Zenfone Max（Mediatekの方）

くらいで勘弁してください。

169 ：
>>168
>やや外れ　Zenfone 3 Max（Snapdragonの方）
5.5インチでした。

>Zenfone Max（Mediatekの方）
3が抜けてました。

170 ：
海外ノートの10インチが海外ブランドノートの13インチより高いのか…何なんだこれは

171 ：
>>74
箱絵見たらそんな感じだな。ボリュームノブが金色だから
pioneerの「XDP-30R」の可能性がより高い
スピーカーはPhilipsのBT50W（実売価格2,700円）っぽい感じがする。
本体の実売価格が23,000円を切っているから微妙な内容とも言えなくもない

172 ：
タブレットの夢 androidは、HUAWEIの8型タブレット『MediaPad T2 8 Pro』っぽい

173 ：
iosって32Gbなんかな…

174 ：
同性能で13と10なら10の方が高いんじゃないのか

175 ：
フルワイヤレスイヤホンはairpod?

176 ：
2018年ヨドバシ福袋の先行詳細情報！！！（去年分から予想）【ヨドバシカメラ福袋】
http://misaka6.blog.jp/archives/5426911.html

177 ：
>>176
アフィ

178 ：
もし3万円のレコーダーが当たったら人生初のDVDレコーダー

179 ：
>>178
当たるといいな
ブルーレイは画質いいぞ

180 ：
>>175
耳うどんの可能性あるのか

181 ：
Go Pro箱申し込んだ
お得かどうかはわからない

182 ：
お前ら欲しいものピンポイントで応募したの？
俺興味あるもの、倍率の高いもので6種類選択したった。
全部当たれば10万ぐらい行っちゃう。

普段から最優先でヨドバシを使ってるから、
当選させてくれないかなぁ。

183 ：
欲しいものピンポイントにしたよ
3点だけど

184 ：
2個だけ選んだ

185 ：
>>182
注意書きを見てないようだが
当選する商品は一種類のみ
全部当たることはあり得ない

186 ：
>>182
>全部当たれば
>全部当たれば
>全部当たれば

なんと欲深き…
良く読んでから応募しようぜー！ｗ

187 ：
ワイだけやろな

今年も14日AMだと疑わず11月中に半休申請して、昨日の15：00に抽選だと知ったのは

188 ：
>>182
最大で一つしか当たらないよ
ちゃんと応募要項見ような

189 ：
中華転売ヤー対策として入国管理局職員がいればいいのさ

190 ：
>>189
年金払ってる人だけで、抽選しようや。

191 ：
年金貰ってる人だけで抽選して欲しいよ

192 ：
一点だけだったのか。
まぁどれが当たっても良いや。

レディースウォッチの夢は要らなかったな…

193 ：
福袋発売日だけヨドバシの入り口に税関を設けよう

194 ：
>>193
入管チェックしたらいいよ。
お国に強制送還させよう。

195 ：
逆に、免税されるんじゃね？

196 ：
>>194
半分逃げ出しそう

197 ：
管理局が来て逃げ出すのっていてはいけないタイプの人だよな

198 ：
あれっ抽選終わったんだっけ
当たった人には連絡きてるのかな？

199 ：
きっと買い物多くしてる人から順に当たるよそれが公平ってものだし

200 ：
練習しとこ
プラレールｷﾀ━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━!!

201 ：
当たらんなぁ
サーフェスは最終的には100倍切ってたのか

202 ：
残念ながら、ご期待にそえず落選となりました。申し訳ございません。
店舗でも2018年1月1日より数量限定販売を行います。こちらもぜひご利用ください。

203 ：
当たったぁぁぁ！

国内スマホ1万のみw

204 ：
残念ながら、ご期待にそえず落選となりました。申し訳ございません。
店舗でも2018年1月1日より数量限定販売を行います。こちらもぜひご利用ください。

205 ：
プラレールﾀﾞﾒ━━━━(ﾟ-ﾟ)━━━━!!

206 ：
ﾒｰﾙｺﾈｰ！

207 ：
メールじゃなくて、サイトにログインして結果を見るみたいだぞ。
ちなみに自分は全部ハズレだった。

208 ：
>>207
今見た
全部ハズレだったわ…

209 ：
全部外れた。
もう二度と利用しない。

210 ：
>>207
Thanks
ロボットルンバの夢当たっただ。

でも、狭いので、
ルンバ本体の幅>床の幅なんだよなぁ(´･ω･`)

211 ：
ログインしたけどどこに
表示があるのかな？？

212 ：
俺はログイン後右側のお年玉袋のバナー押したら抽選結果みれたよ。

213 ：
>>212
ありがとう

そこクリックしても
たくさんのご応募ありがとう！
としか書いていないんだよね

ログインせずに応募したとか(´・ω・`)

214 ：
更新したら見れた

ハズレ(´・ω・`)

215 ：
外れたわ
ちまちま買って嫌がらせしたる

216 ：
ちょっと期待をもたせる結果表示でドキドキしたけど、結局ハズレか

217 ：
当たってる人はメールくるぞ

218 ：
100倍以上って当たるわけねぇだろ

219 ：
Goproの夢当たった。
でも中身6って事無いよなぁ、きっと。

220 ：
>>219
それは申し込む時からわかるだろｗ
俺はハズレたからamazonのセットを買ってしまった。
年末から使えると思ってプラスにとらえることにするｗ

221 ：
外れたからDVDレコーダーはまた来年まで待とう

222 ：
>>215
俺と同じ考えでワロタ

223 ：
プレステ4当たった

224 ：
10インチ海外ノートPCが当選した
dellかAcerあたりかな?

225 ：
なんかヨドバシクレカ保有者優先らしいね。

226 ：
なんかUHDブルレコ当たった
有機ＥＬが安くなるまで粘ろうと思ってたから４ＫＴＶ持ってないわ

227 ：
プラレールダメだったぁ…
今年は例年以上に店頭に買いに来る人多そうだよねぇ…

228 ：
https://i.imgur.com/nEiTDcO.jpg

https://i.imgur.com/3Vu0R7X.jpg

がっくし

229 ：
6点張り全滅だったけどまあ楽しませてもらったからいいや。
今回の福袋特設といい淀のページはシンプルでいいな。
これが楽天とかだと結果ページまで100スクロール分ぐらいバナーの嵐だったんだろうな。

230 ：
どうせ当日ゲリラ販売するやろ
(´･ω･`)

231 ：
人気殺到の2018年ヨドバシカメラWebお年玉箱
先行Web抽選想定10倍以上　顧客危険回避で店頭販売も抽選式へ

232 ：
安全確保のための抽選方式への移行は異論無いが、正月からハズレるとムカつくというか縁起無い感がハンパない。
もうお年玉クーポン券配布くらいで済ませれば良いんじゃないか。

233 ：
アウトドア関連やゴルフ福袋はないのかな

234 ：
年末年始、急な入り用の時…
今月の生活費が足りないかも… 。
急な出費でお財布がカラッポ… 。
リアルに一か月一万円で生活しないとやばい！
借金の返済が立て込んでどうしようもない！ （金融機関、住宅ローン、会社、個人など）
給料が減少し、生活が苦しい ！
そんなアナタのお金の悩み、相談はエスティーエーで
ホームページもあります、ｴﾇﾋﾟｰｵｰ法人エスティーエーでケンサク！

235 ：
>>234
バイトかな。

236 ：
>>232
深夜から並ぶ人からしたらとんでもないやり方だ。

237 ：
>>236
告知なしでやったら鬼だけど
そうじゃないなら並ぶ奴がアホなだけじゃ

238 ：
オクに出品してる奴通報すると消されるから通報しようぜ

239 ：
がっくり(*>_<*)ﾉ

https://i.imgur.com/PrpFcN7.jpg
https://i.imgur.com/xyhK58B.jpg

240 ：
初めてヨドバシの福袋にチャレンジ
人気のタブレットiで、100倍以上だったので
諦めがてらHPで確認したら当たっていた！！
後でメール確認したら午前中に当選メール来てた…
前回はiPad Airだったらしいけど、
今回は何が入っているのか楽しみ。

241 ：
郡山のヨドバシって初売りの並びは普通に
外に並ぶのでしょうか？

242 ：
もうこの国は終わっている公僕であるはずの国会議員、市議会議員、町議会議員、官僚、こいつらは
キチガイである。本当の本物のキチガイである、国民のためになる事をしたいなどとこれっぽちも
思っていないのに平気で嘘をつき詐欺師の様に国民の税金を泥棒する。前都知事の禿添えは
どうだった？ガソリーヌキチガイ淫獣はどうだった？生前永六輔が自分のラジオ番組で言って
いたが外務官僚と家族ぐるみで付き合っていてその外務省の旦那の奥さんが旦那の給料はここ
何十年も一円たりとも使っていない。全部機密費だそうだ。NHKでの国会予算の中継も全部茶番劇、
この国の予算（税収）年間約５０兆～８０兆などと平気で国民を騙し本当の予算（税収）は特別会計の年間３３０兆円
この金を何十年も海外にプレゼントしていた今この瞬間も、そして後の半分はキチガイ官僚の天下り法人に
垂れ流されている。
日本国民が血を流して稼いで払った税金(特別会計）を日本国民の為に使って来たら
こんな貧民国になどなっていなかった。この特別会計をこれを追求しない議員は詐欺師キチガイ議員！
国民なんかどうでもいいと思っている！ 悔しかったら日本国民の為に自分の命を賭けて国会（特別会計）で暴こうとしたら殺されてしまった
元民主党議員、故石井紘基先生の 様になってみろ！キチガイ議員ども !
この国の本当の自殺者数は年間１１万人以上だと一般の国民は知らないだろうな

http://www.youtube.com/watch?v=A-cKT-sKly4&;;list=PLTEQ4LklraVRq1fq3xbolEhHFm4lhBYVM
https://www.youtube.com/watch?v=D6YjUs6fZ6c

243 ：
名古屋のオープン2日からかよ…なんだかなぁ
こういう並びって明け方4時くらいからいればいいのかな？
狙いはipad

244 ：
名古屋って去年は6時だかまでは並んじゃダメ
とか言ってたのに、列が早く出来て
色々もめた気がする

245 ：
>>243
今年はあまり人居ない千葉で23時から並んでiPodギリ買えたから名古屋だともっと早くだと思う

246 ：
THETA当たったんだが初期型とか入ってないよな?

247 ：
タイムセールのリンク切れが直らない

248 ：
>>246
俺も気になる

249 ：
>>245
iPodを並んでまで買うってすごいな

250 ：
>>249
群馬では最新鋭の機械なんだよ

251 ：
ほしいやつには行き渡ってるから今更タブレットなんか転売できないぞ
ましてやiPad2017はiPhone6SやSE相当のスペックしかないし
よっぽどA9チップが余ってるんだな

252 ：
>>250
>群馬では最新鋭の機械

U事工事ネタみたいで草生えた

253 ：
LX100は淀に入るみたい
G9Xは魚籠に入るみたい
AW130は残念ながらなさそう

254 ：
ジョーシンヤマダはいつ？

255 ：
ヤマダは今やってるのが福袋の代わりなんじゃない

256 ：
ヤマダの39800のパワーズームレンズ一眼ってなんだろ

257 ：
当たっていたのに、忙しくて気がつかなったわw

258 ：
もう福袋の結果発表ってもう見れないですか？

259 ：
入金期限も過ぎてるし見れない

260 ：
>>259
257ではないですが、入金期限っていつだったんですか？
抽選に当たったまでは追えたんですが、
その後の手続き方法とか、どうすれば良いかわからなかったわ
(´･ω･`)

261 ：
そもそも福袋って中に何が入っているかわからないからいいんだろ？
あらかじめネタバレしたらそれ福袋じゃなくて買い物袋じゃね？

262 ：
>>260
当選した日にメールがきたよ 入金期限は12/15までだった

263 ：
>>260
何あたってたの？

264 ：
>>262
(´TωT`)ｳﾜｰﾝ
届いていたメール漁ってみたんだけど、やっぱり無かっただぁぁぁ

福袋のはずが一転して鬱袋とか無いわ

>>263
ロボット掃除機だよ

265 ：
当選するとメールが来るとかそういう手続きの流れを把握しない状態で抽選申し込むとか信じられんわ
説明とかろくに読まないタイプなんだろうけど福袋に限らず日常生活で困りそう

266 ：
>>265
そんな事言われても、当選後のメールがいつか来るのは知ってたし、普段ヨドで注文したときのメールは届くのに、
メアド変更してないのにも関わらず、この当選メールに限ってはメール自体来てないから、
支払い期日がわからなかったってだけだ。

267 ：
>>266
俺はメールが来なかったからセンターに問い合わせたぞ
受動態のくせにグタグタ言うな

268 ：
>>266
最長6時間って示されてたんだし、6時間待ってメール来なかったら問い合わせるのが普通でしょ

269 ：
>>267
>>268
問い合わせてみるわ

270 ：
>>269
買えるとええな

271 ：
>>269
どうなったん？

272 ：
むりやろ

273 ：
>>267
>>268
>>270
>>271
>>272
皆さんありがとう。

問い合わせたら記録がちゃんと残っていたので、
手続き終えられました。

274 ：
もう届いてた。
Goproの夢は予想通りGopro5
純正の3Way
sandisk32MB microSD Class10
カメラレンズクリーナ

275 ：
>>273
おめでとう
これで気持ちよく年越せるな

276 ：
>>275
電話で問い合わせしたら、

何度かダイヤル回して繋がらなくて、

やっとつながったら、今度は、
自動音声→呼び鈴2回位→自動音声の繰り返しが長～く続いて、

嫌がられてるのかって思いましたが、

良い結果になってほっとしました。

277 ：
ハズレの場合もメールきたの？

278 ：
>>273
おめ！

279 ：
>>277
きません

280 ：
>>278
ありがとうございます

281 ：
>>274
ていう夢か？

282 ：
数年前配送会社が間違って正月前に届けちゃってて
ヤマトとかめっちゃ怒られてたらしいから

さすがに今年はせんやろと思ったが
人手不足で運送会社が混乱してる可能性あるな。

283 ：
三が日に届かなそうだ
(´･ω･`)

284 ：
Bluetoothイヤホン届いた

285 ：
はい
https://i.imgur.com/maPp6s2.jpg

286 ：
誤配送かと思ったら配達日指定なしだった

287 ：
28日頃から配送ってなってたからな

288 ：
うちも届いてびびったら指定日なしだった

289 ：
美容なんだけどフィリップスのエアフロスはいってたんだけども、これ去年かおととしもはいってた

290 ：
うちはまだのようだな
いっせいに配送ではないのかな？

291 ：
世田谷区の俺は自社配送で1月1日指定でメール連絡きたわ。

おそらく手間のかかるし、配達員も少ない
元日一斉配送を大手運送会社が断ったんだろ。

292 ：
郡山で10番以内目指すなら何時までに
行けばいいですか？

293 ：
>>292
郡山って昨年店の中に入れたんだよね。裏山。
宇都宮だと大晦日閉店前の17時くらいで10番以内。

294 ：
1万円の福袋のスマホって海外用なの？
億では全部海外用で出品されているから、当たらなくてよかったのかな

295 ：
×ＴＰＰ　×民営化　×成長戦略　×働き方改革　×金持ち優遇　×ミサイル＆空母　×原発　×東京五輪
https://rosie.2ch.sc/test/read.cgi/liveplus/1514555675/l50

296 ：
>>293
店内は暖かいが寿司詰で逆に暑いぐらいだったぞ

297 ：
期日前配送はけしからん(よくやった偉い)

298 ：
ルンバの夢、価格で3万ちょっとの622だったのは予想通りなんだけど、型落ちで6000円ちょっとの
衣類スチーマーが入ってて、たまたま前から欲しかったものだったのでラッキーだった
しかし衣類スチーマいらんって人にはお得感なかったかも

299 ：
217長木長介｢Rっ!! ブサメンキモメン色川高志っ!!」2017/12/21(木) 15:54:03.06ID:mTfD4QF+
【警察による国民監視衛星の悪用】
◎電磁波を使った国民に対する人体実験・虐待・拷問・性犯罪

『未分類　電磁波による拷問と性犯罪　Archive. is』の記事を御覧ください。
http://archive.fo/sFWAh

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

【K者】色川高志（葛飾区青戸６）
◎日本全国にたくさんの被害者がいます。
①私、色川高志はこのような犯罪を絶対に認めないし絶対に許さない!!
②私、色川高志はこの犯罪の撲滅のために最後まで闘い抜くことを誓います!!
③私、色川高志は邪悪な警察権力に対して敢然と立ち向かうことを皆様にお約束します!!
④私、色川高志は被害者に代わり自らが電磁波による人体への攻撃を受ける覚悟でいます!!

300 ：
>>296
寒いよりいい。

301 ：
96 名無しのプログラマー 2017年12月30日 20:30 ID:F1dMuY8m0

PS4の夢 35000円
CUH-2100AB（500GB）
ホモファンタジー（特典コード期限切れ）
サッカーゲーム
2018年1月に期限が来るゴルフゲームのDLコード

302 ：
360度カメラ
theta m15
自撮り棒
VRゴーグル→いらねー
レンズ拭き

303 ：
幼女の夢明日届くわ
今日は受け取れんかった

304 ：
サーフェスの夢情報ほすぃ

305 ：
6万円なり
https://i.imgur.com/zBAeYfI.jpg

306 ：
ヨドとビックのsurface福袋の詳細ください

307 ：
時計箱は明日ヤマトより配送とのこと

308 ：
>>306
https://twitter.com/yuimaitatsu/status/946974922982559749

309 ：
女児玩具の夢届いた
12000くらいかな？娘喜んでて満足ですわ

キューティースティックス
ガールズデザイナーコレクションFC
ウーニーズ
きらりんシール
単4電池 &#10005;2
https://i.imgur.com/JEKLMW7.jpg

310 ：
>>309
娘いくつ？

311 ：
>>310
4歳

312 ：
田舎はいいなあ、ヨドバシの倉庫が見える範囲に住んでる俺がなんで明日まで
またにゃいかんのだ。

313 ：
と思ったら今来たわ、自社便だから
「本年度は色々買っていただきありがとうございました。」

とか言われて
なんか百貨店の外商の年末挨拶みたいだった。

314 ：
今夜、並ぶの？？

315 ：
美容袋はエアフロスか
一昨年も入っていたから売れないんだな
糸ようじのほうがマシだもんな
去年のハゲマッサージと歯ブラシセットは当たりだった

316 ：
誰か今日のヨドバシのチラシアップしてくれー

317 ：
博淀で時計箱狙いなんだけど早朝並んでも間に合いますか？

318 ：
>>317
時計は早朝なら余裕だべ

319 ：
>>309
自分のじゃないのか？

320 ：
ヨドバシはHGG-00004とエレコムのケースと
東芝のUSBメモリ

321 ：
時計箱届きましたー

322 ：
>>319
ふいたw

323 ：
>>311
可愛いだろうねぇ
うちのはもう大きいから

324 ：
ヨドバシカメラの福袋「PS4の夢」中身が明らかに


福袋「PS4の夢」35000円(税込み)

PS4本体(500GB) + 『ファイナルファンタジー15』 + 『ウイニングイレブン2018』
PS4本体には期間限定で『みんなのゴルフ』本体のプロダクトコードが付いている


外れてよかったぁw

通常店頭販売品
http://www.yodobashi.com/product/100000001003638879/

325 ：
時計箱って争奪戦必至ですかね？
昼までには売り切れますか？

326 ：
微妙。ヤフオクで買ったほうが安い

327 ：
>>325
昼はビミョウやな

328 ：
PS4ひでぇ

329 ：
>>325
届いたけど微妙だよ
ベルトが樹脂製ってまいっちゃうよ
金属ベルトにでも交換すっかなー

330 ：
ps4は流石に1Gじゃ？

331 ：
去年と比べたらだいぶ閑散としとるなw

332 ：
PS4のウイレレは良くない？
本体定価にウイレレおまけ付きって感じだね

333 ：
スマホってその場で契約必要?

334 ：
今年のヨドバシ過疎りすぎだ
始発で来たのにiPad確保できたぞ
番号70番代

335 ：
これから町田目指しますが現状どうですか？

336 ：
仙台、朝6時開店ってマジで？早すぎじゃない？

337 ：
今年は全然盛り上がってないんだな

338 ：
ヨドバシ梅田で7000円のコンデジ福箱はソニーのW810だった　微妙だな

339 ：
時計は量販店じゃなく、アウトレットに限るな
今日は中身見て感動した

340 ：
本スレは家電板です。

341 ：
メンズ腕時計
citizen aw1523-01eやった
海外モデルやから評価がわからん
見た目はかっこいいけど値札21kだからハズレかな？

342 ：
https://twitter.com/yakisamako/status/946324900528062464

ヤマダウェブコム9980円で売っていたやつがヨドバシ10000円福袋( ﾟдﾟ)ﾎﾟｶｰﾝ
あちゃー

343 ：
岩槻アピタ閉店記念!!さらに周りから集まった情報をまとめてみた(店員達に不審な客として扱われていたH･美代○の事)

長宮(旭段ボール脇の細い道沿い住み)のH･美代○(80歳位)は、虚言が多いから、話半分で聞いてた方がよいような人。
口では偉そうな事を言ってるが、やらせると全く出来ず、実態が伴わない。
昔、PTAの簡単な役さえ出来なくて周りから非難されてた。また、パートの仕事に出ても、毎回すぐに辞めてしまう事で有名だった。仕事内容を理解するのが遅く、首を切られた事もある。
中学卒業後、晩婚だったが、その間も無職。また口が臭かった(地元が一緒だった人の話)。
H･美代○に似て、息子３人とも働けない。
今まで面倒な事は何もしてこず、有り余った時間で、自分ちの為になる事や、自分がやりたい事だけやってきたズルい人らしい。そのため、健康そのもの。
顔の骨格はマントヒヒ。がめつく、欲深い。
川通公園(やまぶきスタジアム)、スーパー夢ランドがある地域。
大口に住む息子(フミ○)はアピタで試食品を食べ荒らす迷惑行為をしていた。

344 ：
再販あった？

345 ：
>>304
http://doramaxz.seesaa.net/article/365070436.html

346 ：
それにしても男の時計箱に入ってた樹脂製ベルトはイラッとくるな
デザインには期待してなかったけど樹脂製はいくらなんでもないだろ

347 ：
固くなってひび割れてキレるね
(´･ω･`)

348 ：
>>347
>固くなってひび割れてキレるね
>(´･ω･`)

正月早々何かあったのか？w
(^_^)ﾉ""""ﾖｼﾖｼ

349 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

350 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

351 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

352 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

353 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

354 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

355 ：
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356 ：
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357 ：
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358 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

359 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

360 ：
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361 ：
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362 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

363 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

364 ：
.

365 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

366 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

367 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

368 ：
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369 ：
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370 ：
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371 ：
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372 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

373 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

374 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

375 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

376 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

377 ：
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378 ：
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379 ：
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380 ：
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381 ：
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382 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

383 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

384 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

385 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

386 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

387 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

388 ：
.

389 ：
.

390 ：
.

391 ：
.

392 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

393 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

394 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

395 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

396 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

397 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

398 ：
.

399 ：
.

400 ：
.

401 ：
.

402 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

403 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

404 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

405 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

406 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

407 ：
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408 ：
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412 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

413 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

414 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

415 ：
.

416 ：
.

417 ：
.

418 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

419 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

420 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

421 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

422 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

423 ：
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424 ：
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425 ：
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426 ：
.

427 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

428 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

429 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

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打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

431 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

432 ：
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435 ：
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436 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

437 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

438 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

439 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

440 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

441 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

442 ：
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443 ：
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444 ：
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445 ：
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446 ：
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447 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

448 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

449 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

450 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

451 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

452 ：
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453 ：
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455 ：
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456 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

457 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

458 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

459 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

460 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

461 ：
.

462 ：
.

463 ：
.

464 ：
.

465 ：
.

466 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

467 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

468 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

469 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

470 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

471 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

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473 ：
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474 ：
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475 ：
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476 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

477 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

478 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

479 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

480 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

481 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

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483 ：
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484 ：
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485 ：
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486 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

487 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

488 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

489 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

490 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

491 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

492 ：
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493 ：
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494 ：
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495 ：
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496 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

497 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

498 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

499 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

500 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

501 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

502 ：
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503 ：
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504 ：
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505 ：
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506 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

507 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

508 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

509 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

510 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

511 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

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516 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

517 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

518 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

519 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

520 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

521 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

522 ：
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523 ：
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524 ：
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525 ：
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526 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

527 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

528 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

529 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

530 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

531 ：
.

532 ：
.

533 ：
.

534 ：
.

535 ：
.

536 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

537 ：
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

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打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ１球１球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは０－０から３－２まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、１－０、２－０、２－１、３－１などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち５球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で３回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、０－１、０－２、１－２、２－２といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。

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