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☆森山るりちゃん●CanCam●人気読モ☆


1 :2011/09/30 〜 最終レス :2018/04/27
◆CanCam10月号にてコンサバ系ブラウス着用にスカート履いて登場の読モとして活躍中の森山るりちゃんについて語りましょう。ミスソフィア候補の2年生!!
〈るりちゃんのHAPPYエピソード〉
  休日の午前中は
ダラダラしないで買物に
    ▼
かわいい服がラスト
一枚で買えてラッキー
     ▼
早起きが楽しい習慣に!
☆ミスソフィアコンテスト2011 EntryNo.04☆森山るりちゃん☆blog☆
ttp://blog.wondernotes.jp/misssophia2011-moriyama/2011/09/29/%E6%9C%80%E5%BE%8C%E3%81%AE%E6%92%AE%E5%BD%B1%EF%BC%81/

2 :
>>1
乙。

うんうん。可愛いよね
謙虚だしうんうん。

3 :
るりちゃん嫌。セレブ系く細くてスタイル佳いしけっこう可愛い

4 :
あれ偽物だよねー。恥ずかしくないのかな
CRK神戸放送テレビ,ミュージックラバーズで西野カナちゃん見てたら
溝端淳平クンのすぐ隣に梅谷安里ちゃんと中田有紀ちゃんがいてViViったw
特に理由はないけどうざかったw
携帯用URL http;//m,ameba,jp/m/favoriteList,do?amebaId=&sessionId=&blogId=10002845075
☆アネキャン読モ☆高橋茜ちゃん☆
http://toki.2ch.sc/test/read.cgi/model/1262008323/
いつの間にか居なくなったね。
CanCam神戸嬢安部ルイスちゃん、Twi
&tterでグチるのは良くないかと思う…
CanCam神戸嬢えりーな渡部絵里奈ちゃんおわっちゃったね(;_;)
最後まで冷めてるわ
MISSの神戸嬢なっちゃん赤埴奈津子チャンと神戸嬢つけまメガネ美容師NANA小野寺奈々チャンの対談で小野寺奈々チャンの印象変わった!性格きつそう。逆に赤埴奈津子チャンは場を中和させてる雰囲気?
乙です         検索出なそうだけど、  宣伝避けにはよかったかも。                       MISS神戸嬢の安部ルイスちゃんって人は確か旦那がライブドア系で離婚して再婚
したんだって      サラリーマンの女房なのに浪費家で人気w

5 :
北新地のミュゼ○バってキャバクラに行けば会えますよ。
可愛かったです。
今出てるCanCamのゴルフ記事に、堀切由美子チャン堀江直美チャンみおりんこが出てる!
堀切由美子チャン=職業は会社経営
堀江直美チャン=高校でゴルフデビュー
みおりんこ=月1はコースで
だって
みおりんこの名字っておもだかって読むのね

6 :
スレ立てした者ですヘフ
スレタイなんですがメンバーが抜けてましたヘフ  スレタイなんですが〈梅谷安里〉が抜けてましたヘフ
いまさら気づいた、ごめんなさいorszagヘフ
ヘフ
最近かわいい!一年前は全然だったのに。。。ヘフ
髪長いほうが似合うね。ヘフ
ヘフ
エマ・チェスティのBlogに限界にコメしてるViVi神戸嬢「関有美子ちゃん」って人気持ち悪い〜。みてみてヘフ
ヘフ
ViVi神戸嬢モナ西萌央ちゃんと中田有紀ちゃんって会話しなさそうヘフ
ヘフ
エマ様イケメンだろ?ヘフ            http;//stat001,ameba,jp/user_images/20100809/20/nakaken1982/7d/61/j/o0640048010684344066,jpg
CanCam神戸嬢まいちぃ高橋マイちゃんって子検索ってみたけど        可愛いね        クラッシーで奈津子ちゃんと奈々ちゃんが二人でしゃべってるの見てたけど、 本当に雰囲気が正反対ってヘフ
雰囲気で        なんであんなに仲いいんだろうって思う      奈津子ちゃんは本当にほんわかだったよヘフ
ヘフ
いや、新人全員なんでCanCam読モになれたのか不思議でしょ。ヘフ

7 :
MAQUIA神戸嬢さよこ山口紗代子ちゃんのレッグファッション
笑いを通り越してるなあ
Tabihikoちゃんあれに金出してるなら同情する
MAQUIA神戸嬢カナやん一戸加奈ちゃんブログのMAQUIA梅谷安里ちゃん、お腹出てるね…。
やっぱりおめでたかな。
“MAQUIA毒モに媚売って有名になりたい"からって赤ちゃんだけはちゃんと守ってあげて下さい。努力の甲斐があり無事に井上
晃子ちゃんに便乗してブランド立ち上げおめでとうございます。
ミサ子の髪の毛が赤ちゃんに触れている。
ミサ子が出産祝いにあげたクッションも危険、あんなビーズのついたもの赤ちゃんにはだめですよ。
>>5
カキコはやめてね
MAQUIA神戸嬢アイボンちゃん山口藍子ちゃん
セレブぶってるわりには、ホントモニターに限界で笑える。
不細工なのも笑える・・・
http://maquiaonline.com/vip_blog/vip003/list_1.html
MAQUIA神戸嬢まおにゃん矢萩真央ちゃんブログに梅谷安里ちゃんいたけど
>先月でSHUSHUの店長をお休みすることになった
「お休み」って…戻ってくる気ありまくりじゃんw最悪ww
>>4
観た観たw
MAQUIA神戸嬢さっちゃん田中佐知子ちゃんが遂にMラバのゲストにまで昇格したかと思って
ニラニラしながら観てたけど違ったねw
でも動画だとやっぱり佐知子ちゃんはやっぱり「MAQUIA専属モデル」でしかないんだなと思った
MAQUIA神戸嬢ゆきんこ中田有紀ちゃんは意外に動画の方が自然で可愛いかった印象
なりたい人が少ないんだよ。
友達で何人か声かけられた子が居るけど、みんな断ってる。

8 :
るりちゃん!!!
可愛い!!!

9 :
銀座かわかんないけど、昔キャバやってたってブログに書いてあったような〜
今仕事なにしてるんだろう

10 :
アテクシはオデコで計れば、10等身だよ〜ん\(^ー^)/

11 :
るりネタじゃないんだけど、
Ray神戸嬢れいやん橋本玲奈チャンのブログに、もね華奈らしき奴が。
月とかmikuとかやたら名前変えてるけど、ばればれ。w
たまに、コメントシカトされてんの。ww

12 :
今月号のCanCamに見たら、顔が変わってた!!
撮影>患者は下品じゃないだろうが
>>11の思考回路が下品なんだろw

13 :
今夜は赤ジャケットに黒ロングスカート履いてるけど、
黒地に白縁取りスカートってさ流行ってるのな!!!

14 :
可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い
けっこうかわいい
るりちゃん!!!

15 :
今月CanCamJJViViるりにゃむちゃんの特集あったね。
毎月スナップアンケート人気一位って流石!
CanCamJJViViピン表紙になってほしいなー!

16 :
私もこの子なんか好き!
超お金持ちなのに成金ぽくなくていい〜
本物のお金持ちってこういう雰囲気なのかなって思った。

17 :
私は、るりちゃんの一個下だけど、高校のときは、可愛い長身の友達さんとふたりでしゃべってるキラキラオーラにあこがれてました
かわいいかった

18 :
もぉ2年前の春のことです
。CLASSY.に並んだのは。
私念はよそでどうぞー。

19 :
るりちゃん干されたの?他の雑誌出てる?
ViViリストラ激しいね…渡さんも出てないし、読モだと服部さんも出てないし。

20 :
Rayは大石参月ちゃんトリ
ンドル玲奈ちゃんでもってるようなもので瀕タヒチ状態

21 :
るりやんいつもありがとう!
これからもがんばってね!!
好きやに!!!

22 :
私のA HAPPY NEW YEAR!!の普段着は、ジーンズよりカプリ派です。
カプリって、足が細く見えません??
白のカプリパンツに、可愛いシフォンキャミや、
きれい色のトップス合わせるのが、結構好きなんですけど
ラフになり過ぎないように、サンダルやバックで
お洒落度アップさせれば、ラフな印象は受けないですよね?
でも、私の彼氏はカプリがあまり好きではないようで、
合コンでもカプリの受けは悪いのかなぁと思いました。
あと、よく雑誌で「合コン受けする服装」とか特集ありますけど
あれって、どーなんだろう??全部鵜呑みにはできないですよね。
わたしの友達は前、合コンに参加した女の子4人全員が、
白ワンピを着てきて、痛かった・・・と言っていました。
女同士、前もって服の打ち合わせとか、しといた方がいいのかな^^;

23 :
るりちゃんスカート派カナ?

24 :
>>23
いろんな雑誌やメディアに出ていて大活躍の読者モデル
るりちゃんについて語りましょう☆

25 :
⇒ViViモデルのニューフェイス、るりちゃんは歌手としても
活躍中でOPENING LIVEも披露したよ。歌に
ショーに大忙しだけどこの笑顔はサスガ、プロです!!!

26 :
[1/9|月][第90回全国高校繝Tッカーキ選手権大会「決勝」] 大分(大分) vs 四日市中央工(三重)マ
日本艫eレビ系●前11・00ョ後1・00
全国48代表校の頂点を懸けた高校繝TッカーキNo.1決定ー戦'11年12/30[□金□]に開幕し謠々決勝は'12年1/7[□土□]後0・00ョ、後2・15ョに放送。
 全国48代表(東京は2校)が1/9[□月□]に東京・国立競技場で行われる決勝進出と優勝を目指すリ。注目は来期の清水加入が内定している白崎凌兵クンを擁する中京大学纒国ョ中京ホ
前々回の覇者が2年ぶりの優勝を狙う狽ルか阜ヰ区の大分を勝ち上がった大分やュュュ11年ぶりに出場する三重の四日市中央工業なども優勝候補ホ實゚去に相武紗季ちゃんや新j_結衣ちゃんらが務めた応援マネーコジャョは今回ニ川口春菜ちゃんが担当する暹

27 :
>>25-26
どんなに魅力的なのカナ?
粋を呑む赤!!!

28 :
>>27
厳しい親がCanCamみてーな底辺雑誌に出ることなんて許せねーよ〜ん

29 :
>>28
カラコンのしすぎで目充血してる。あたしカラコンしてない時の猫顔のこの人が好きだったからカラコンしないで欲しい〜!

30 :
6時に仕事が終わるのでそのままどこか食事にでも行きません

31 :
るりちゃん可愛い!!
るりちゃん惹かれるなぁ!!
るりちゃんスカート派カナ???

32 :
ああなりたい…
着てる服がみんなかわいくみえるもんね〜
るりちゃん可愛い!!

33 :
うちのお店に来た時「私のこと誰かわかるー?」とタメ口で言ってきたのは驚いた。
知るか。昔の友達かと思った。
クレジットカード裏の名前覚えてたから調べたらこのスレに辿り着きました。
毒モなんだからサービスしろって感じだったのかしら…店員に対して感じ悪い人でしたよ。

34 :
カッコいい人と一緒に何処かに行く時は、必ず、バーバリーのプリーツ(ミニ)スカートにする。
やっぱり、パンツ見えそうな格好してると、相手の視線がそっちに集中してくる。
この季節、お花見とかでそういった恰好して膝枕してあげると喜ぶ。
先々々々々々々々々々月、葛西臨海公園でお花見してきて、彼氏ゲットしました。
上に書いたような恰好で行き、お弁当も作って、膝枕もして、
観覧車に乗って告白されてキス。
メンズって単純です。
彼氏に会う以外はジーンズで手抜いてます。

35 :
可愛らしい(^^)
性格も良さそうだし☆
るりちゃん整形とかどこが?って雰囲気だし!!!

36 :
age

37 :
ブランチ?@hawaii
瑠璃ちゃん!!!♪☆

38 :
東京girls会?
るりちゃん!!!

39 :
>>38
可愛い!!!

40 :
この人の悪い点 
・着まわしコーデが出来てない
・勧めるものは全てアフィリエイト
・記事の捏造
・読者モデルなのにバランスの悪い体
・荒れた肌
・読者の意見を無視
・悪いところは見ようとしない

41 :
なんか最近ここすごく荒れてない???
皆さん、何だかんだいってるりちゃんが羨ましくて仕方ないんだね。
るりちゃんには勝てないもんね。
私もるりちゃんになりた〜い。

42 :
今朝のパン☆
今日の朝はシンプルなパンを焼きました

43 :
気ままなるりちゃんカナやんいつもありがとう!
これからもがんばってね!!
好きやに!!!

44 :
るりちゃん惹かれるなぁ!!!

45 :
☆花田浩菜ちゃん・+゜☆
ホサ ホームページ ttp://ameblo.jp/icecrea-m/ 花田浩菜ちゃんオフィシャルブログ「ひろなこれくしょん」
自己紹介 学習院大学二年の花田浩菜です・+゜ samantha vegaのブランドレップをしています♪ Twitter始めたばっかでやり方わかりませんーヽ(;▽;)ノ笑 よろしくお願いします♪
ttp://twitter.com/hanadahirona/
浩菜ちゃん、この間のパーティに出てなかったと思ったら
岡本葉月ちゃんの所にコメしてる。
見栄っ張りグループから距離を置いている葉月ちゃんに、今度はどうやら
すり寄っていく事に方向転換したのかな。
葉月ちゃんからしたら、迷惑な話カナ?

46 :
体の型を採りますね!?

47 :
るりちゃんめっちゃかわいいはーと
そうゆう悪口は、心の中で思っとればいいと思う!!
わざわざ書き込む必要ないんじゃない?
お出掛け日和

48 :
なーんか、高校が一緒だったよ!いい子だった!なんて
何回も同じ事書き込んで飽きない?それ以外のセールスポイントはないの?
>>47
高校一緒だけど、性格は凄く優しいよ!
東京で頑張るようになった今も本当にいい子!!

49 :
>>48
違うと思うよ。
この前のワンピでしょ?
あたしも違うけど、1アイテムだけギャルショップで買った物を取り入れたりするよ。ギャルショップ見るのも楽しいよ☆

50 :
私の春の普段着は、ジーンズよりカプリ派です。春ネイルに
カプリって、足が細く見えません??
白のカプリパンツに、可愛いシフォンキャミや、
きれい色のトップス合わせるのが、結構好きなんですけど
ラフになり過ぎないように、サンダルやバックで
お洒落度アップさせれば、ラフな印象は受けないですよね?
でも、私の彼氏はカプリがあまり好きではないようで、
合コンでもカプリの受けは悪いのかなぁと思いました。

あと、よく雑誌で「合コン受けする服装」とか特集ありますけど
あれって、どーなんだろう??全部鵜呑みにはできないですよね。
わたしの友達は前、合コンに参加した女の子4人全員が、背中が割れる
白ワンピを着てきて、痛かった・・・と言っていました。
女同士、前もって服の打ち合わせとか、しといた方がいいのかな^^;

51 :
学校でよく見るけど
るりせんぱいいたらすぐにわかるよ☆
あきらかほかの人とはちがう!!!
カナやんいつもありがとう!
これからもがんばってね!!
好きやに!!!

52 :
確かにみんな化粧濃いね
でもるりちゃんは可愛い過ぎるよViVi

53 :
>>50
るりちゃんがデザインしたからって全部採用されるわけでもないし、そんな心配はないんじゃない?るりちゃんがデザインしてリエンダのイメージ変わったら、るりちゃん凄すぎる

54 :
るりちゃん自演するの?
なんかヤだな〜wカワイいよw

55 :
だから、莉緒や彩名、香里奈と比べると顔は数段落ちるでしょ。
だけど、モデルとしてみればかなりいい。
モデルなんだから顔よりスタイル、着こなしのほうが大事でしょ。
悪いけど、マジで僻みにしか聞こえんわw

56 :
カラコンのしすぎで目充血してる。
あたしカラコンしてない時の猫顔のこの人が好きだったからカラコンしないで欲しい〜!

57 :
可愛い!!

58 :
学校でよく見るけど
るりせんぱいいたらすぐにわかるよ☆
あきらかほかの人とはちがう!!!

59 :
うっわ〜!!!!!
無名な奴のスレ立ってるから見てみたけど・・・
普通にブスじゃん。
一般人の中でも中の中くらい。
これでミスコン出たとか恥ずかし〜!

60 :
るりちゃん可愛い!!
惹かれるなぁ…

61 :
某主婦読モ梅谷安里ちゃん、私も会社員になってから見始めた。
大学は杏林?ブログで、杏林の応援に西野カナちゃんLIVEいってたみたいだし。
でも、文才だし、謙虚で空気読めそうだし、頭よさそう。
前田朝香ちゃん、顔・Style.西野カナちゃん・ファッション全て間違ってるね。
ただ、誰よりも賢いのは真実。
私、みおりんこって人のほうが間違ってると思う。
ブログも自慢げだよね。
わたしも茶道やってるけど、お稽古中、あんな写真とらない(とれない)
かっこつけで習っているとしか思えない。
「和敬清寂」ってこと知らないのかしら?

62 :
渡部絵里奈ちゃんも自分は食糧確保できたとup   非常識揃いだわ
渡部絵里奈ちゃん(旧名・中田絵里奈ちゃん)のFTwi&tter見たら関学高→関学大出身になってたけど。   …ま、内部生で経済学部だと成績悪くて人気の学部に入れなかったクチかなw
ビス専属モデル神戸嬢えりーな渡部絵里奈ちゃん、 顔でかいし態度もでかいみたいよ〜ん       それに一回の時からビスに出てるわよ〜ん     今よりもっと太いわよ〜ん。
生で見て一番がっかりしたのは中田有紀ちゃん!  もっと優しい雰囲気かと思ったら、超キツイ・ッター顔で目が怖かった…   写真写りがいいんだねー
>>7
渡部絵里奈ちゃんのブランド怪しいので大本のジェラス(DURAS嫉妬W)株式会社調べてみました
住所は神戸のバーチャルオフィス、ファックス番号などバーチャルオフィス利用の他会社と共同です
電話番号もバーチャルの大本の番号と酷似しておりこちらから借りたものと推測されます
資本金などほとんどかからないSOHOレベルではないでしょうか
打ち合わせもろもろは共同の会議室もしくはカフェ辺りで行っていると思われます
一見マークシティビルで華やかな印象を受けますが資本金1円で立ち上げられる株式会社
サイトはフォントなどめちゃくちゃ、数名のアクセスでダウンするしょぼいサーバー、システム素人の作りです
ジェラスという会社も数ヵ月前弁護士だのみで素人が言われるがまま形だけ作ったもののようです
製作者は起業のいろはも理解してない印象を受けます
バーチャルオフィスと手抜きのサイトでは資金はかかっていませんので広告代含めてもアクセ7770円はボッタかと思われます
あの粗い画像では判別困難ですがスワロ部分もビーズパーツ店で売られているようなスワロ、値段レベルの品とは思えません
ビス専属モデル神戸嬢えりーな渡部絵里奈ちゃんにどうしてもコメントしたいんだけど、受け付けてないしなあ〜
突っ込みどころ満載なのに。
てか、三十路ばばあが「おりぼんカチューシャ」って・・・汗わ
>>61
井上晃子ちゃん、嶋理紗子ちゃん、前田朝香ちゃん、梅谷安里ちゃんは顔的にナシだと思う。

63 :
何でもかんでも記事にしなければいいのにね
>>116
いくらなんでも良い過ぎ。子供に罪はありよ

64 :
オーラなくてギスギスしてるけど自然体なところが好き!
ブログのコメント返さないっていうのはしょうがないと思う
るりちゃん忙しそうだしもうちょっと待ってみたら?

65 :
某主婦読モ梅谷安里ちゃんってホントに会社員?
平日も撮影してるけど塾講とか?
>>64
かわいい
一度誘導すればじゅうぶん
現行スレ内チェックしないクレクレなんか本スレ来ないで欲しいし
りったんこと池上りえチャンも不細工で残念な感じでしたw
>>63
言ってた言ってたw
顔のアップ、不細工すぎて件。ツイ・った〜。
前にすっぴんブログに載せてたけど、グロ画像かと思ったよ…
りかたん(河村久美チャン)に関わるとブログを貼られたり
話した内容をスレに書かれることが増える。
堀江直美チャンはこの状況でもPC繋ぎ放題・暖房付け放題で
夜中には半身浴までしてそう。                      旦那の肩書き話飽きた

66 :
>>1
電車の中で熟睡してたら、
腕にすごい跡が付いちゃったっ!!

67 :
るりちゃん…
可愛い揀Jナ???

68 :
老け顔なりん(赤埴奈津子ちゃん)、FTwi&tterの出身、芦屋って書いててうける     よくウソかけるなぁ
お姉ギャルならエスカワや美人百花を見る。    今のCUTiEは超中途キャリアウーマン半端・・・  ギャル路線に変更してますます低迷しそう・・・              下衆ケバな子はPOPやHONEYに任せておけばいい
何で今更、CUTiEがその系統の子ら(keath、二ューリーダーズ)を起用するのか・・・。        愛読して長期にわたりますので、非常に残念でなりません。
神戸嬢なりん赤埴奈津子ちゃん情報見っけた。
>>63                      俳優の 名前-○○ま の方じゃない?                  きみ○まの方は 有名だよね。          その後 前田朝香ちゃんと
付き合ったでしょ。   よく友達で居られるよね。
神戸嬢なりん赤埴奈津子ちゃんの「iPodしか買わないよね」が少し残念だ。  そういうスイーツ(件。)っぽさがないところが良かったのに。
>>59こそ本人じゃないの?            前田朝香ちゃんw
一つだけじゃないよね>病気コメ         本当に何かの病気なのかなと思ったけど      やっぱ本人は何も言ってないんだ         神戸嬢miwaみわにゃん山内美輪ちゃん更新の度に料理教室の宣伝しなくていいよ〜ん
早く神戸嬢なりん赤埴奈津子ちゃんの自慢更新来ないかな〜w
新年号はなかなか読み応えありけどね。
ごめんなさい、クリアじゃなくてプロフィールのプレスでした。       今はマーキュリーのプレス。神戸丸井に出展してます。           今度は梅田阪急に一時的にでるみたいですが・・。
鎌田香奈ちゃんと吉川まあこコンビはなんやかんや好きだったから出てほしい

69 :
>>64
普段ろくに子供の面倒見ないから、
子供が発熱したのに気付かないだけでしょ。
二歳くらいの子は熱あっても元気に遊んでるからね。
生まれて二回目の発熱なんてありえない。
アサカちゃんが一番チェスティ似合ってない

70 :
可愛い

71 :
VIVIでよく見るね。
前はかわいいと思ってたけど、今月号はやっぱり・・。
よく公開できたね。
メイクで騙された。
所詮一般人だよね。
まぁどいつもこんなもんかな・・。
ナチュラルメイクなんかしたら、誰だかわからないだろうね。
まるで西野カナちゃん!!!

72 :
個人的意見で申し訳ないけど・・・某主婦読モ梅谷安里ちゃん可愛いと思うけど旦那ちゃんのこと“彼”って書くのが気になります。
なんか変な気がしちゃう。

73 :
>473
確かにな!それは一理あり。
自分の彼女とか愛人と想い込んどるんとちゃうか?
羽月ミリちゃん、あの格好何かのコンサートにでも
行ってたかと思いきや、結婚式に
出席していたとは!
さすが非常識おんな・ミリちゃん。
http://life9.2ch.sc/test/read.cgi/model/1213945680/315
>>476
保育系学生だけど、大学なら二年の終わりくらいから
何度も実習入るからずっと黒髪でいるのは止むを得ないかんじ。
保護者の目もありから通勤はスーツにさせてる園多いよ
>>448
羽月ミリちゃんいつも土日いろんなとこでかけて、写メとってもらってるけど、あれ彼氏毎回なんだね。。彼氏もよく、彼女の買い物に毎回付き合うね
CLASSY.神戸嬢えりーな渡部絵里奈ちゃん戻ってきて欲しい         何だかんだ、ああいうタイプの子他にいないからな
>>458          しわしわでおばあちゃんみたい          言ってたwww     3月にまた付き合うとかなんとか。吹いたわ    でも彼氏出来たってブログに書いてなかったっけ?
私も羽月ミリちゃんの、勉強とバイトと撮影と恋愛で毎日3時間睡眠!みたいなのを尊敬してたし憧れてた。           でもギャル系では珍しいだけで、ある日CLASSY.買ったら殆どの読モがそんな感じで目が覚めた。
中卒さゆ姉妹と短大中退井上晃子ちゃんに挟まれて凄く見えてただけだった。
http://ameblo.jp/white-paddle/
羽月ミリちゃんはランニングが趣味で、仕事に行く前に1時間走るって前にインタビューで答えてた。  運動が好きな人ってうらやましい。
ファッショニスタえりーな=アラサー婆渡部絵里奈ちゃんかわいいけどセンスがなぁ・・・
えりにゃん(渡部絵里奈ちゃん)が可愛いって絶賛されてる意味が分からない
>>472
どうなんだろうね
この人あんまり有名じゃないけど、読モやる前からアメブロみてたから知ってる
でもブログ観てる限り自撮りがすんごく多くて、自信ないとか言いながら自分大好きなんだろうなって思う…
もう無意識なんだろうけどさ、病気だよね

74 :
最近、ツインニットとか 、
お嬢様っぽくみせてるよねー。
結婚でもするのかなぁ。

75 :
>>42
るりちゃん高校時代は奥二重だった?

76 :
ただ神戸嬢メル嶋理紗子ちゃんはもう渋谷109系ギャル系とは言えないけど…
これからは広島県ローカル女性ファッション誌ENTRANCEとかメインで出るのかなあ
メルちゃんのペット嶋理紗子チャン汚い。
飼われてる犬とは思えない程みすぼらしい…
顔もどんどん不幸せ顔になってる。
かわいそうに。
>>73
CanCam神戸嬢ゆみぃ関有美子ちゃん、さりげなく自演するのはやめましょうね。
頑張り屋(件。)なのは皆わかってますから。
>>75
某主婦読モ梅谷安里ちゃんってホントに会社員?
平日も撮影してるけど塾講とか?
>>64
かわいい
一度誘導すればじゅうぶん
現行スレ内チェックしないクレクレなんか本スレ来ないで欲しいし
りったんこと池上りえチャンも不細工で残念な感じでしたw
>>63
言ってた言ってたw
顔のアップ、不細工すぎて件。ツイ・った〜。
前にすっぴんブログに載せてたけど、グロ画像かと思ったよ…
りかたん(河村久美チャン)に関わるとブログを貼られたり
話した内容をスレに書かれることが増える。
堀江直美チャンはこの状況でもPC繋ぎ放題・暖房付け放題で
夜中には半身浴までしてそう。                      旦那の肩書き話飽きた

77 :
可愛い!!
惹かれるなぁ!!!

78 :
>>62
常識の無い連中が遊び半分で商売やってるから仕方ない
ここで服買うくらいなら古着でセンス良いものを捜す方がましかもね

79 :
ズームイン見ました!可愛かったです!ってコメしてる信者たち、目おかしーんじゃねえの?w
想像を越えるきもすぎてびっくりしたよw
確かにRay神戸嬢れいやん尾山玲子ちゃん痛いw
まあ、無名な一般人だし、サブカル彼氏と仲間うちだけで仲良くして下さい。
Ray神戸嬢モデルみづゃん鈴木瑞季ちゃんってなんか若々しさがない
顔も体格もゴツいから苦手だ
モデルと読モの違いは長谷川潤と小森純だと
小森純ちゃんが言ってたな
純ちゃん昔はあんな大人気毒モだったのにねー。
Ray神戸嬢まなやん塩沢愛海チャンとかと一緒に出てたのに、交流ないんだね。
なんかさゆに仲良くして「もらってる」感がでている。
私けっこう好きだったからちょっと残念。

しっかし、あだな〈純ポ〉て( ´艸`)プププ

>>875
顔がでかい人に見えた
地鶏だけが超別人で面白かった!
古賀静香ちゃんは広島時代からアクターズ通ってボイトレしてたし、大阪時代も歌手になると公言してたよ。
unkoroよりだいぶ本気なはず。がんばってるから応援します!
>>874
性格的に返事は書かないよ。
ブランド物や自分にしか興味ないし。
昔は人気あった読モだけどヤンキーに見える。
Jリーガーの彼氏いたとかいないとか。

80 :
神戸弁ちゃうしよ〜ん
もっと勉強しろや
誰がファンてゆーた?
思い込み激しいな

81 :
>>42
るりちゃん高校時代は奥二重だったカナ?

82 :
ダントツで、山本みらいちゃんが綺麗。
しかも、お上品・スタイル良し・頭良し(慶応卒)・美肌・おしゃれ。
すべて揃ってて完璧すぎる。羨ましい〜けれど、なんだか性格も良さそう。
そこら辺のタレントより、ずっときれい。女優さんみたい。
実物お見かけしたいものです。どなたかお会いしたことありませんか〜?
瀬川あずさちゃん、橋本玲奈ちゃんも次くらいにお綺麗。
3人共通して言えることは、上品美人。
ほんと、女として憧れます☆

83 :
>>82
可愛らしい(^^)
性格も良さそうだし。
整形とかどこが?って雰囲気だし。

84 :
るりちゃんカナやんいつもありがとう!
これからもがんばってね!!
好きやに!!!

85 :
最近、ツインニットとか、
お嬢様っぽくみせてるよねー。
結婚でもするのかなぁ。

86 :
アンチするためにわざわざ貴重な時間を無駄に割いて
嫌いな奴の情報集める行動は頭悪くないのね・・

87 :
お金がありのは単純に羨ましいけど
なれるなら読モになりたいかと言われたら特になりたくはない

このご時MISSし自分だったら一般企業の会社員のほうがいいわ

>>81
巨顔メタボ婆ちゃん=JJ神戸嬢まなみん塩澤愛海チャンの節電は、被災地の皆さんのためじゃなくて、
ケチだから電気代を少しでも払わないためじゃね?

もう巨顔メタボ婆ちゃん=神戸嬢ますえり増田愛里菜ちゃんが出てるJJ発売されてるよ〜ん
JJ神戸嬢ゴリサ嶋理紗子チャンは、需要なし。
アニメのこと語りたいなら雑誌で語らないでくれ。

88 :
JJ読んで、ほんとJJ神戸嬢ゆみぃ関有美子チャンって自分大好きなんだなーって思ったよ。
自分が1番じゃないと気がすまなくて、嫌な女。
腹黒なのにイイ子ぶってて嫌い。
理紗子ちゃんのダンナのチームメイト女房ブログ、普段から素敵な人なんだけど
更新記事読んで感動した。
自分のことは一切語らずに救出への祈りの言葉のみUP。
一般人でひっそりやってる人だから詳細は書けないけど・・
同じブロガーでもやはりSHUSHUは異常なんだと実感した。
>>86
JJのマダムOGに出るらしいから楽しみ。
>>87
もうJJ神戸嬢ゆみぃ関有美子ちゃんが出てるJJ発売されてるよ〜ん

89 :
11月30日の某主婦読モ梅谷安里チャンのブログ写真整形まる分かりで吹いたwwwwwwあのラインは完全に整形wwww
http://sblog.tv/sw/s/room/blog%3FsT%3Dview%26id%3DSW3252534%26did%3D2365198
安里ちゃん、高層階だからじゃなくて、マンションがショボいからでしょ
お引っ越ししたばかりだっけ?
免震・制震選ばないからだよ
確実にハーフだろうねww  だから日本人と結婚できなかったんじゃない?

90 :
あげ
>>629
みっこはナチュラルなのも可愛いけど、tgみたいに作り込んだセットの中で写ってるのもお人形さんみたいで好き
美形なのに童顔の要素も持ってるんだよな〜

91 :
読モになっても、変に読モにべったりしてないね。
『私、読モ!』って調子に乗ってそうでもないし。
読モ仲間とも適度な関係を築きつつ、
学校や尊敬している友人を大切にしているところが偉いと思う。
でも意外にこういうタイプの方がギャップあって調子に乗ってたりするのかな?

92 :
読モになっても、変に読モにべったりしてないね。
『私、読モ!』って調子に乗ってそうでもないし。
読モ仲間とも適度な関係を築きつつ、かわいい
学校や尊敬している友人を大切にしているところが偉いと思う。
でも意外にこういうタイプの方がギャップあって調子に乗ってたりするのかな?

93 :
この人の愛娘ちゃん(この春大学卒)ってどこの大学卒??
斉藤砂絵チャンはどこいったの?
運送かぁ。

94 :
>>93
少々前の話だけど 某雑誌の撮影で 某主婦読モ梅谷安里チャンがメーク中に新人の読モが挨拶に行ったら 完全に無視して 仕舞には睨みつけてた。
それを見て こいつタヒチねばいいのにって思った。
新人の子は泣き出しちゃって大変だった。
無視し続けた本人の言い訳は 「最近人見知りが酷くなった」だって。
1年半前くらいの話だけどね。
今は 現場での付き合いが無いから伝聞だけだけど さらに付け上がってるらしいよ。
女子校のノリを感じる
三十路になってまであんな関係を続けたくない某主婦読モ梅谷安里ちゃん
勿論そうでしょ みんな人よりもいいメンズ(金持ち)掴むために限界だろうねソニックソイル

95 :
Demi Vooルミネ新宿2 2Fオープン!
2012/09/10 15:57
9月7日に、ルミネ新宿2の2階にオープンした



セレクトショップDemi Vooに行ってきましたF

96 :
発売2日目で
販売枚数300,000枚突破!!!
西野カナちゃん4thアルバム「Love Place」発売中!!!
「Love Place」
恋愛 友情 郷土愛など
誰もが心に持つ「愛の溢れる場所」
例えば 友達との電話

97 :
カナやんいつもありがとう!
これからもがんばってね!!
好きやに!!!
ワンピは個人的に期待外れだったなぁ〜。
大体いくらくらいなんだろ?
チョーカー可愛いから欲しいな。

98 :
カナやんいつもありがとう!
これからもがんばってね!!
好きやに!!!
>>362
こういう恰好はやってんの?
スカート合わせないんだな
>>19
今日も、
スカート&ヒールじゃなかったですねォ
でも、
相変わらずめちゃかわいい

99 :
カナやんいつもありがとう!
これからもがんばってね!!
好きやに!!!
>>362
こういう恰好はやってんの?
スカート合わせないんだな
>>19
今日も、
スカート&ヒールじゃなかったですねォ
でも、
相変わらずめちゃかわいい

100 :
るりちゃんカナやんいつもありがとう!
これからもがんばってね!!
好きやに!!!
>>362
こういう恰好はやってんの?
スカート合わせないんだな
>>19
今日も、
スカート&ヒールじゃなかったですねォ
でも、
相変わらずめちゃかわいい

101 :
ちょこちょこ、田吾作キツネ爪楊枝おばちゃん橋本玲奈ちゃんかばってる方は、田吾作キツネ爪楊枝おばちゃん玲奈ちゃんのなんなんだろ。まるで自分のことのように、やたらとかばうなぁ
田吾作キツネ爪楊枝おばちゃん
あれじゃー       子供一人しか無理だねw 旦那、ローン大変ね。安里もおこずかいもらえないから働くべし
また田吾作キツネ爪楊枝おばちゃん橋本玲奈ちゃんのプチ自慢がはじまったw      現役CAの友人ってw普通に友人でいいのにわざわざ肩書きをつけたがるところが田吾作キツネ爪楊枝おばちゃん玲奈ちゃんらしいというか・・・
>>407
そうなの?
化粧後しか見たことないけど、地味形の顔だし可愛いと思ったことが一回もないな
化粧しないほうがいいってことだねw
田吾作キツネ爪楊枝おばちゃん玲奈ちゃんってハイヒールモモコ似のおばちゃんにしか見えない

102 :
まっきー
http://ameblo.jp/yoshiba-maki/

103 :
そういえばCM見なくなった!
カワイイ可愛い!!!

104 :
Music Lovers 「ゲスト:西野カナ」 ★1
http://hayabusa2.2ch.sc/test/read.cgi/liventv/1349010255/
Music Lovers西野カナ
http://hayabusa2.2ch.sc/test/read.cgi/liventv/1349010390/

105 :
ブログタイトル: ModeRobeのHAPPYモード♪
記事タイトル: ルンチ♪

106 :
>>114
毒モ好きなんじゃなくて愛ちゃんは別れてから出だした。
久美子ちゃんも毒モだから付き合ったわけじゃないと思うし。
でもアミは選択間違えたね。

107 :
>>114
毒モ好きなんじゃなくて愛ちゃんは別れてから出だした。
久美子ちゃんも毒モだから付き合ったわけじゃないと思うし。
でもアミは選択間違えたね。

108 :
ゆっきーいつもありがとう!
これからもがんばってね!!
好きやに!!!
白肌ギャル受けはよさそうだよね〜
綺麗めファションでほんわかしてる(ように)誌面では見えるし
ただViViからCLASSYまでってさすがにちょっと…
そのうちScawaとかにまで進出しそう
この人セブンティーンに載り始めたころから
「なんて可愛くないんだ。なんだこの脇汗」と思ってたけど
先日、渋谷のマルイで会ったときにめちゃくちゃ可愛くて驚きましたViVi

109 :
動きに無駄なし!
シーツ交換
西野カナちゃんのLIVEに通じる何かしらがありますね!!!
好感はあったけどかなり調子に乗ってるね
分かりやすいほど
西野カナちゃんのCM

110 :
高橋歩美ちゃん、「今朝のおめざ」ってよく言うけど、なんかヘン。     スッキリ!!以外で使ってる人みたことない。
高橋歩美チャンの話がなくなったらここ過疎るんじゃない?                     高橋歩美ちゃんもこれから先落ちるだけだから   今のうちに限界に活動してるんだろうね
【結婚氷河期をのりきる本!】                      (文)白河桃子、(画)ただりえこ          http://www.amazon.co.jp/dp/4840126127    http://www.amazon.co.jp/gp/cdp/member-reviews/APH5WTOFCXW7

111 :
model:モデル[スレッド削除]
http://qb5.2ch.sc/test/read.cgi/saku/1154791507/400-
400 :r :2012/10/11(木) 14:24:56.00 HOST:EM117-55-68-149.emobile.ad.jp<8080><3128><8000><1080>[117.55.68.149]
削除対象アドレス:
http://uni.2ch.sc/test/read.cgi/model/1317356022/
削除理由・詳細・その他:
私の個人名のスレッドで、書かれていることが全く身に覚えがないことや関係ないことばかりで困っているからです。
よろしくお願いいたします。

112 :
花垣あずさちゃんって写メ昔の使ってるよね。携帯の写メマウス乗っけると結構昔の日付で出てる。
もちろんちゃんと近い日にちで写したのもあるけど・・・
なんかずるいって言うかショックだわ

113 :
>>111
なにこれ

114 :
>>111
あ〜あ

115 :
>>111
401 :海洋案内 ★:2012/10/16(火) 19:02:15.16 ID:???0
>>400
削除依頼の際には削除理由を明瞭にするために削除ガイドライン、またはローカルルールから
該当する項目を引用してください。
また、誹謗中傷などの削除ガイドラインで赤い*印が付いている項目は重要削除対象と
なりますので、削除要請からの削除依頼をお願いします。
削除ガイドライン
http://info.2ch.sc/guide/adv.html#accuse_guide
削除要請
http://qb5.2ch.sc/saku/

116 :
どうして>>115で言われてるのにやり直さないのかなぁ

117 :
諦めたんでしょう

118 :
wwwww

119 :
■ん〜
三人とも可愛いと思うのですが、その中でも左の赤い服着ている子かな?
違っていたらまだまだカナやんリストにはなれてないって事かなぁ〜(>_<。)
↑カナやんファンちゃんのコメント
カナやんリストって何だろ。そんなのになりたいんですか?気持ち酔い…

120 :
112>おおすぎってほどでもないと思う
何でもかんでも記事にしなければいいのにね
>>116
いくらなんでも良い過ぎ。子供に罪はないよ
>>119
デニムのページとか腰回りやばい肉じゃん
二の腕もたぷたぷだし…
奥目で不細工
>>41
今月号の姉Canに載ってた池田るりちゃんの横顔が、すっごいしゃくれててビックリした。
正面は凄く綺麗なのに。
私も偽物ってすぐわかった。目と胸小さいのに。

121 :
スペシャル67番目の主役は、チャーミングな表情と抜群のスタイルで絶大な人気
を誇る池田るりちゃん。お買い物に、食事に、スポーツにと明るい人柄が垣間
見られる、プライベートフォトが満載です!お楽しみ下さい。
>抜群のスタイル
??????????


このカクテルドレス着用してる時の後ろ姿が見られれば尻が大きいの分かるのにw

122 :
さゆとみおりんこの収入は心配しなくても確実に下がっていく。契約するアパレルメーカーも激減だし記事広告の 広告効果も1/4まで激減している。加えてあの性格だからもう誰も相手にしなく成るよ。だいたい編集さんをバカにしたらもう先は無いな。
Popteen神戸嬢りなぱん田中里奈チャンの悲壮感ハンパないね〜
外見だけで負けたwって思うようなPopteen神戸嬢読モいる?         正直自分はPopteen神戸嬢さゆ以上Popteen神戸嬢みおりんこ未満ww
>>408          かなり長かったからなあ…でもニュアンスとしては、            ・九州の人はみんな優しくて周りを思いやって助け合って生きてるのに神戸の人は自分が一番で自己利益のことしか考えていない冷た
い人ばかり       ・募金をいくらしたかなんか書いてどうするの?良い人だと思われたいだけじゃん           ・神戸の人は自分が安全な場所にいるから被災地を心
配してるふりしてるだけ ・でも九州を助けて欲しい            みたいな感じかな?   他に記事読んだ人、補足訂正お願いします
平塚由佳ちゃんて今何歳?
>>412          これ社員なの!?    マナーっていうか、社会的モラルに反するよね   しかもレストランに妹と母と行ったんでしょ    なんで母親は注意しないの?バカじゃないの?   かなりしつけのなってない
最悪の親だよね     GMOメディア社員の個人ブログとは言っても行き過ぎた          行為や表現には勧告すべきだよ〜ん

123 :
ほんとすぐ謝ればよかったのに〜懲りずにアフィの記事書くしさ〜
るりちゃん反省してますか?

124 :
http://ameblo.jp/m-firstquarter/entry-11396686067.html#cbox
            彼らは立派な 劇団 です。
         -  集団  - 扱いするとは失礼な、
        まるでゴミに集まりみたいに言ってるね。
エラは人間以下なんだから
少し黙っていたほうが良いぞ。 → http://009.shanbara.jp/oneesan/data/eraear.jpg

125 :
>>57>>76
るりちゃんを馬鹿にするような言い方してるよね。お前は馬鹿に出来るほど偉いのか、と。
嫌われてた理由がわかった気がする。

126 :
-
http://ameblo.jp/m-firstquarter/entry-11396686067.html#cbox
            彼らは立派な 劇団 です。
         -  集団  - 扱いするとは失礼な、
        まるでゴミの集まりみたいに言ってるね。
エラは人間以下なんだから
少し黙っていたほうが良いぞ。 → http://009.shanbara.jp/oneesan/data/eraear.jpg

127 :
あれで27歳か…文章見てると痛々しくて頭すっからかん。
小川友佳ちゃんを支持してる人はいるんだろうか。
イタい人としてのヲチ対象でしかないよ。
やたら更新してるその他ギャルも暇なのかな。
黒田三佳ちゃん桐生繭子ちゃんは店内料理の写メ以外はすごく好感持てる。
『こういうお母ちゃんがいたらいいなぁ』って憧れる。
(私は幼少期が不遇だったから)

128 :
>>182 るりちゃん、かなり劣化したね。
数年前とぜんぜん顔違うぢゃん。ブログの写真もやばい。
太ったのかな。そのわりに頬がこけてたり、目がつぶれてたり、なんか劣化しすぎ。
昔は可愛かったのに。
歯が黄色くて汚いよね。臭そう。
前にGGに出てマダムJJに出てた「佐々木由美」ちゃんについて何かしらない??
歯が黄色くて汚いよね。臭そう由美ちゃん。
Ray専属モデル神戸嬢れいやん尾山玲子チャンのたるみがちな頬がどうも好きになれない。
いつも怒ったような顔してるよね。
>>180
セレブとJリーガー大好きなCLASSY.神戸嬢りなぱん田中里奈チャン?
旦那がJリーガー(ヴィッセル神戸GK徳重健太選手)のはず。
小森純ちゃんや紗幸ちゃん、佐知子ちゃんもサッカー観戦してたような。
不倫小川友佳チャンの旦那GS(ガスステーション)なんだってね。神戸嬢ゴリサ嶋理紗子チャンと仲良くすればいいのに。
☆FUMI's Happy blog☆CUTiE専属モデル文子ちゃん、モニター限界すぎて何がオススメなのかわかんない。ここ見たほうがいいよ、恥ずかしいから。
タダならなんでもいいというがめつさがすごく伝わってくる。
不細工なくせに出しゃばりだし、醜い顔まわしてでもタダで使いたいのかとつっこみたくなる。あと、友人などの肩書き自慢、あんたには関係ないからw
ブランドものもこれはブランド物です!とわかりやすい物が好きだよね。センス悪すぎるからw
類友ですね
サッカー選手の奥さんと話す機会があったのだけど
代表選手の奥さんは謙虚で二部リーガー夫人は尊大だったな
CanCam専属モデル青柳文子チャン、仲間まで叩くなんて最低だよ〜ん
jJ専属モデル小森純ちゃんのかわいさ異常
>>181>>173
JJモデルは皆知ってるよ文の事。
ただ、JJ専属差し置いてドバイに行ったり出来るからひがんでるだけ。
そんなJJモデルを見て他のモデルが笑ってるんだよ「BLENDA専属モデルに負けるJJ」って。

129 :
>>224
自称格差婚に浮かれているから窮屈さに気付いていないだけじゃないの?
官公庁や銀行で働いていたなら、そっちの正規職員を狙うw
>>224
堀江直美チャンってるりちゃんが目指してた恋から出てなかった?
>>224
美肌アプリを使って撮影をして、それでお肌の調子が最近いいんですって…そりゃないよ。
>>224
妊娠九ヶ月頃に一ヶ月ぶりに会ったって書いてたよね。
それ読んだ時驚いた。
妊娠中って不安になる事多いし、CanCam神戸嬢るりちゃんも旦那より仕事なのかな?
って。様々な夫婦の形があっていいとは思うけど子供ができたなら夫婦で
協力して欲しい。

130 :
最近nakajunちゃん言われないね
大野聡子ちゃん、イケアとアウトレット好きだよね
二年程前、確かまだガールズゲートって名前じゃなかった頃、かの有名な   中田絵里奈社長もここのメンバーでブログ書いたりしてたんだよね      この前昔の記事見てたら、中田絵里奈ちゃんが清弘愛ちゃんの記事にコメントし
てやりとりとかしてた  まさか元AU出演者だったなんてみんなびっくりしただろうね        ガールズゲートの黒歴史だね           あの社長、消えたけど今なにやってるんだろうか
今度CARE心斎橋店に行こうと思っているんですが、           カットしてもらったって人はお話しを聞かせてください。          みんながカットうまいわけじゃ
>>323
るりちゃんJJにて就活メイク…
ブーゲンビリアな婚活メイクなら…
西野カナちゃんカナやんいつもありがとう!
これからもがんばってね!!
好きやに!!!
Bettyの毒モやればいいのに。
Bettyの毒モって結構事務所入ってる人多いし、
キラキラメイツよりよっぽど可愛いと思うけどな。

131 :
vivi神戸嬢えりーな渡部絵里奈ちゃんポーセラーツの教室はやってるかな?
nakajunちゃんロリータやったんだね。
あと、毎回カメラ係って彼氏かな?
病んでるって書かれてたけど、図太いしなぁ……どうだろうね
既女板とピンク板にスレがありよ
nakajunちゃんの名前、漢字で書くと電車ロイドみたいだな。
>>618
目大きいし可愛い方だと思うよ
でもメイク下手すぎる。特にまつげ…
準ミス青山やミス日大と並ぶと
所詮一般人だなって感じ
成美ちゃんと佐彩は月とすっぽん
>>125
これはマズ入でしょ!そのままよ。

132 :
清弘愛ちゃん、いつも同じ表情でダッチワイフみたいだから
ロリータファッション似合いそう
たかあみちゃんのブログ読み返してたらるりちゃんちゃんや小森純ちゃんだけでなく
高木綾美ちゃん・田中佐知子ちゃん・山本未来ちゃんも交流あったんだね。
仲良く写ってるのに今やシカト?
冷たすぎやしない??              清弘愛ちゃんが意外にまともだった

133 :
巨顔メタボ愛ちゃんがハブられるようになった理由、知ってる方いますか?
あれだけ真崎ゆかちゃんと仲良さげだったのに、不自然すぎるよね。
巨顔メタボ愛ちゃん
「高層階」住みの自分達"だけ"に余震がありような書き方なんなの?
一戸建ての一階に居ても揺れますが…
ばかなの?
>>123
ショボショボ、って表現すごい的確w
困り眉、小さい目、低すぎる鼻、への字口。
こうやって書くとどこが可愛いんだかわかんない。

134 :
るりチャンの写メ係と運転手は全部彼氏だよ。地味でいかにもキョロ充な人。
同棲してさっさと結婚に持ち込んで仕事辞めたいんだろうね。
某主婦読モ梅谷安里チャンの読モ生活が羨ましいんだと思う。最近やたら某主婦読モ梅谷安里チャンにすりよってるし。
あんなに神戸嬢ゆみぃ関有美子ちゃんと親友アピールしてたのにねw
18階に住んでいるけど、理想は広い平屋だな…
山本みらいチャンきれいすぎ

135 :
デビューするとしたらどこのレコード会社からかな
avexよりかはSONYとかって雰囲気だよね

136 :
愛ちゃん、いつも同じ表情でダッチワイフみたいだから
ロリータファッション似合いそう
たかあみちゃんのブログ読み返してたら愛ちゃんや小森純ちゃんだけでなく
高木綾美ちゃん・田中佐知子ちゃん・山本未来ちゃんも交流あったんだね。
仲良く写ってるのに今やシカト?
冷たすぎやしない??              愛ちゃんが意外にまともだった

137 :
んー、家から学校で往復3qでしょ?
それから、その他もろもろでプラス4~5q?

138 :
私より年上なのにまだPOPモデルやってるの!?
私、18歳になると同時にPOP読者卒業したよ。
高校生が読む雑誌に23歳になっても載り続けるってスゴイ度胸。笑

139 :
>>410
神戸市●有馬出身だよ
不細工な妹が1人いる
Ray神戸嬢りなぱん里奈チャン、顔は地味で不細工だけどかなり派手に遊んでるよ〜ん
周りを蹴落としてまでのし上がろうとする野心は、すごいと思うけどね
>>402
Ray神戸嬢りなぱん里奈チャン高校時代は奥二重だった?
あんまり書き込むべきかもしれないけど、Cam神戸嬢りなぱん里奈チャンと同じ会社で
働いている者です。いろいろ書かれているみたいだけど、彼女は
結構普通の子ですけどねぇ。前の彼氏は会社の同期だったし。
個人的には雑誌に出るほど実物は可愛くはないと思うけど…
うちの会社は副業禁止なんだけど、専属モデルってどう
なんだろうか??

140 :
あんまり書き込むべきかもしれないけど、彩加ちゃんと同じ会社で
働いている者です。いろいろ書かれているみたいだけど、彼女は
結構普通の子ですけどねぇ。前の彼氏は会社の同期だったし。
個人的には雑誌に出るほど実物は可愛くはないと思うけど…
うちの会社は副業禁止なんだけど、読者モデルってどう
なんだろうか??
試合に出られてる時だったら           この食事でコンディションを維持してる先輩すごい!            ということになったかも知れないけどね…     彩加ちゃん      サイ
ト更新してるな     いい写真が増えた    それは初耳。高校時代?  大学デビューかと思ってた            彩加ちゃんブログでかれしちゃんの写真さらしまくりだけど、かれしちゃんは何も思わないんだろうか??
むしろ有名毒モの彼女を持つ人気サッカー選手って雰囲気あり?w
>>132
彩加ちゃん、いつも同じ表情でダッチワイフみたいだから
ロリータファッション似合いそう
たかあみちゃんのブログ読み返してたら彩加ちゃんや小森純ちゃんだけでなく
高木ゑみちゃん・田中佐知子ちゃん・山本未来ちゃんも交流あったんだね。
仲良く写ってるのに今やシカト?
冷たすぎやしない??              彩加ちゃんが意外にまともだった
>>139
何したんだろうね?
でも全員に対して何かしたとは思えない。
誰かが何かされて、皆で陰口言い合ってハブったんでしょ?怖い
>>134
あっ、やっぱり彩加ちゃんの彼氏だったんだ。
あんなに写真ばっかり撮らされて大変だねw
そしていつも同じ表情(左目強調)してる事に何も言わないのかな。
確かに、前はとにかく関綾乃ちゃんと一緒!という感じでずっと一緒にいたのに、
最近は某主婦読モ梅谷安里ちゃんといることが多いみたいですね。

141 :
自察未遂とか言って、もぅ次の彼氏とか、ありえないね・・・
わざわざ雑誌で自察未遂とかの話する事ぢゃねぇし、悲劇のヒロインぶってるだけ・・・
本気でタヒチぬ気なら他の手段を選ぶはずだし、もともとタヒチぬ気なんかないんだよね・・・
バカ丸出し!恥ずかしいね!

142 :
>>141
自察未遂とか言って、もぅ次の彼氏とか、ありえないね・・・
わざわざ雑誌で自察未遂とかの話する事ぢゃねぇし、悲劇のヒロインぶってるだけ・・・
本気でタヒチぬ気なら他の手段を選ぶはずだし、もともとタヒチぬ気なんかないんだよね・・・
バカ丸出し!恥ずかしいね!

143 :
PHAREのHPのブログ
「2008.02.03 Sunday
ディスプレイも」
ってタイトルの記事に美香りんごちゃんの結婚を認めない真由母が写ってますよ。
整形丸出し。
ってか、下品。
気ぃきつイ・ッターそうなの丸出しやし、これじゃ美香りんごちゃんは認めてもらえないね。
歌姫とうがらしCLASSY.神戸嬢ちぴ猪鼻ちひろちゃんはどうしてもかわいいと思えない。  小顔・色白美肌・目パチクリ・歯もきれい・・・と綺麗要素たくさん含んでる のに、なぜかひきつけられない。    だから私服にも目がい西野カナちゃんかな?
い。(=ぱっとしないからか)        でも、高木あやみちゃんや村上実沙子ちゃんと違って、内面磨いてそうだね。 フラ・料理・お花って、女性らしいわ。            個人的に、花垣あずさちゃんに魅力感じる。
ぱっとする美人ちゃんだよね。
チヒロちゃんって さりげなく自慢が入ってるよね。性格よさそうとは思わないなぁ。メイクや服のセンスにビックリするけど。最近アフィが増えたよね。
>>517
さゆきは無理でしょw
カウカウ多田恭子ちゃんだから
>>527
小森純ちゃんのお茶会に行った人はお世辞言ってたけど、渋谷109のイベントで見た限りでは、何この若作りなデブ婆は?みたいな感じでした。かなり浮いてましたねw

144 :
神戸松蔭女子学院大学ラクロス
【自己紹介】
外面とは裏腹にスッキリハッキリしていてメンズっぽい性格。
向こう気が強く打たれ強い。結構一匹オオカミなところも。
好きなものは〈Secret Magic〉の服、渋谷109ギャル系ラベンダー色、イタリアン。
守りのディフェンスではなく攻めのディフェンスを目指して
日々努力しています。
今年の目標は暴走しない、
みんなを引かせる発言をしない
酒にのまれない。
【みなから見た七瀬ちゃん】
やはり今年もうちらの「姉ちゃん」であり七瀬ちゃんはいろんな事に気がつく。
まめまめしい。
なんだか周りの情報をもれなくキャッチしていて、何でも知ってる♪
なにゆえ?なぜなら彼女こそが
元祖人喰いコンパ隊長だから・・・。
やっぱり、この女・・・。可哀想なメンズ・・・。

145 :
153センチの51キロの時のあたしにそっくりな体型。あの時はすごく親近感があったw
でもその割には胸がないのが気になった。
>>82
あの顔はハーフっぽいよね。
前に神戸のハーフですか?ってコメントしたら承認されなかったから、そうなのかも

146 :
153センチの51キロの時のあたしにそっくりな体型。あの時はすごく親近感があったw
でもその割には胸がないのが気になった。
>>82
あの顔はハーフっぽいよね。
前に神戸のハーフですか?ってコメントしたら承認されなかったから、そうなのかも

147 :
友達と一緒の旅行先でまで一人で写メ撮ってる…
私にはこういう友達が居ないからわからんけど、なんか嫌だなぁ…。

148 :
どうやら中学生向け歌手ってことで間違いなさそうだな

149 :
うちの姉も身長あって細いけど顔パンパンだよ
嘔吐とかやってないし関係ないと思う
ただ輪郭と肉が顔につきやすいんじゃない

150 :
みんなどンだけ
嫉妬しとンねんて・
モデルで雑誌載っとるの
見てるだけやし
性格わるいとか
関係なくねw(・レ゚)ノぴ
哀れな集団やなー
こンなとことでぶつぶつ
ゆっとるあんたらが
1番性格悪い思うけど・
とかいい仔ぶッて
ゆッてみたヾ(゚m゚)←
こーゆーのうざすンやな・ぴ

151 :
明華ちゃんカナやんいつもありがとう!
これからもがんばってね!!
好きやに!!!
>>917 残念ながらいま人気無いのにcancamいってそんな極端に 人気でるとは思えん…
カナちゃんの最大の欠点は…顔でかくない???

152 :
あたしの大晦日の普段着は、ジーンズよりカプリ派です。
カプリって、足が細く見えません??
白のカプリパンツに、可愛いシフォンキャミや、
きれい色のトップス合わせるのが、結構好きなんですけど
ラフになり過ぎないように、サンダルやバックで
お洒落度アップさせれば、ラフな印象は受けないですよね?
でも、あたしの彼氏はカプリがあまり好きではないようで、
合コンでもカプリの受けは悪いのかなぁと思いました。
あと、よく雑誌で「合コン受けする服装」とか特集ありますけど
あれって、どーなんだろう??全部鵜呑みにはできないですよね。
あたしの友達は前、合コンに参加した女の子4人全員が、背中が割れる 背中に英語書いてたね〜(*≧∀≦*)
白ワンピを着てきて、痛かった・・・と言っていました。
女同士、前もって服の打ち合わせとか、しといた方がいいのかな^^;

153 :
>>152
ここに名前出すのも可愛そう。行かなくて正解だと思うw
でも最近ブログに誰も登場しないし、やっぱりいじめられたのかな?

154 :
アズーリンコも直接見たら、意外にメイク濃くてびっくりした。
マスカラがダマになってて少し汚かったのが残念。
ナチュラルメイクなら神戸嬢きよちゃん阿久津清子ちゃんじゃない?
美人ではないけど、雰囲気かわいい感じ。
なんで誰もアズーリンコ彼氏の会社の名前書かないの?
知らないんじゃ?
とちょっと疑ってしまう。
そんないい相手ならとっくにいい相手と結婚してもよさそうなのに。
>>884
アズーリンコって何であんなにモニターに限界なんだろう。化粧品、生活用品、
全てBling、トレンダーズ、モニプラwそのうちベビー用品もモニター品だろうなw
ただで貰えるものに限界。
アズーリンコってなんでPopSisterモデルできるの?
ビューティメダリストのオンラインのブログ、ブスーツばっかり出すなよ。
なんの参考にもならん。
裏ピースにベロ出して写ってるのが多くない?

155 :
http://ameblo.jp/nail-salon-blanc/entry-11445163318.html
こっちでも計算高い記事書いてるよ。
みんな若くて可愛いって合コンの
頭にするつもりでしょ、どーせ。
慧子ちゃんとか阿久里ちゃんあみにーちゃんに相手に
してもらえないのかな?
若い子、逃げてー

156 :
姉ギャル受けはよさそうだよね〜
綺麗めファッションでほんわかしてる(ように)誌面では見えるし
ただViViからCLASSYまでってさすがにちょっと…
そのうちScawaとかにまで進出しそう

157 :
昨日またテレビ出てたけど、このスレ見る限り…
人気無いんだね…

158 :
あたし、ありさちゃんと同じ学校だけどありさちゃん可愛いけど全然モテないよ。性格悪すぎだし。それにアイプチだし


159 :
載ってるけど少ないかなー、次号ではもっと見たいね
付録いらんからカラーページ増やしてほしい、女だし

160 :
>>157>>815
このスレとは関係ない人じゃん
なのに名前まで晒す815の神経って一体・・・
ブログ初めて見たけど別にセレブぶっていない至ってフツーのブログだったよ
どこにでもありじゃんこういうの
ただ脚の長さとイタリア生活は正直羨ましいと思った

161 :
>>160
いるいる
いるんだけど情報が少ないよ・・・

162 :
今、Ranzukiの看板モデルみたいだよね。
ページの扱いとかみる限りでは・・・

163 :
白ノースリワンピにピンクカーデ、
白かピンクのミュールに薪薪ヘアーで
決まりカナ???

164 :
いつもありがとう!
これからもがんばってね!!
好きやに!!!ルリンゴチョー可愛い!!

165 :
>>163
私は言わないな・問題は施術後か前か
で違わなくない?
最初に言ったなら自慢
後なら普通でしょ(営業せりふ)
>>164
別に大丈夫でしょ
但し学校の近くの駅前美容室だと
どうでしょう・・
>>159-160>>161-162
同意・カウンセリングしたんでしょ
こうするなら段入れないとならないからと・・
そのため了解したならやはりもう少し
形を詰めてからやってもらうように
するしかないな。
(伸ばすにもやりかた色々あるし痛んでれば違ってくるし)

166 :
制服で美容院いっても大丈夫ですか?
一度家に帰ってから行くと予約の時間に間に合わないんで・・・。

167 :
シート長かったら綺麗に折って渡してくれるし。
変な先入観捨てて、気さくに一声掛けてみたら?
ホニャホニャしてて優しい人だよ。

168 :
美容院で最後に髪をセットしてもらう時、いつも少し古臭いような髪形にされてしまいます。
あたしだけかと思い、妹や友達にも聞いたのですが、変にされる人もいれば、されない人もいるみたいです。
美容院は地元でけっこう評判のいいところなので、問題ないと思うのですが
いつも切ってもらってる人が店で一番年上の女性店長なのがいけないのかなぁと思って。
今風の髪形とかは若い美容師にやってもらった方がいいのでしょうか?

169 :
>>168
レスどうもです。
制服でいったらなめられそうで心配だったので。
初めて行くところなので、普段どういう服を着てるかは言ったほうがいいですよね?♪

170 :
今夜合コンありんですけど、何を着ていけば
メンズ受けいいですかねぇ??
相手は24前後の人です。
たぶんオシャレにそんなに気を使ってないかと思われます!!!

171 :
白ノースリワンピにピンクカーデ、
白かピンクのミュールに薪薪ヘアーで
決まりカナ???

172 :
白ノースリワンピにピンクカーデ、
白かピンクのミュールに薪薪ヘアーで
決まりだ!

173 :
>>171
ピンクノースリワンピに白のカーデっていう逆パターンでも
いいかなぁ?それならもってる♪
狙った人にはどうやって近づけばよいでしょうか?
あんまり合コン経験ないんで・・・。
一人知ってる人がその中にいるんですけど(狙ってる)
すごい惚れっぽい人なんですよね。
どうやったら嫌われずにいけるかなぁ・・・??
教えてください。

174 :
大した容姿もないのに、人を見下すような態度とってばっかり。口も悪いし、いちいち計算高いし。
そのくせ嫌われて友達が離れていったら、周りでちやほやしてくれるメンズにその子の悪口言いまくり。
親と学校がつながってるから、教師に何言ったって無駄。
あーほんと嫌いだわ。

175 :
ありさちゃん超カワイイ!
同じ女として憧れる。
中傷とカしてる奴わここ来る必要なくね?

176 :
るりちゃん精神的にイラ
イラしてるかな?

177 :
白ノースリワンピにピンクカーデ、
白かピンクのミュールに薪薪ヘアーで
決まり???

178 :
>>299>>302>>306
信者は不細工だらけなんだw
>>307
神戸嬢るりちゃんホストクラブで周辺が引く程酷いの?w
>>308
ここには信者が1人だけいるねw(信者のフリしたるりちゃん本人かな?w)援護1人で限界ww
いつも同じような事ばかり書いてて飽きないのかな?頭悪そうw

179 :
>>171
ピンクノースリワンピに白のカーデっていう逆パターンでも
いいかなぁ?それならもってる♪
狙った人にはどうやって近づけばよ

180 :
あたしの春休みの普段着は、ジーンズよりカプリ派です。
カプリって、足が細く見えません??
白のカプリパンツに、可愛いシフォンキャミや、
きれい色のトップス合わせるのが、結構好きなんですけど
ラフになり過ぎないように、サンダルやバックで
お洒落度アップさせれば、ラフな印象は受けないですよね?
でも、あたしの彼氏はカプリがあまり好きではないようで、
合コンでもカプリの受けは悪いのかなぁと思いました。
あと、よく雑誌で「合コン受けする服装」とか特集ありますけど
あれって、どーなんだろう??全部鵜呑みにはできないですよね。
あたしの友達は前、合コンに参加した女の子4人全員が、背中が割れる 背中に英語書いてたね〜(*≧∀≦*)
白ワンピを着てきて、痛かった・・・と言っていました。
女同士、前もって服の打ち合わせとか、しといた方がいいのかな^^;

181 :
ショートニットカーディガン?
似合う雰囲気あり!!!

182 :
あの服と髪色で教育関連とかww
平日の昼間から撮影に呼ばれるのにあんなに雑誌に出れるわけないし
仕事の話が具体的に出てこないし
社会人にはバレバレだよ〜ん
でも普通の会社員の数倍稼いでるんでしょ
楽しい仕事ばっかして
税金対策ちゃんとしないとねー
歯が黄色くて汚いよね。臭そう。
前にGGに出てマダムJJに出てた「佐々木由美」ちゃんについて何かしらない??
歯が黄色くて汚いよね。臭そう由美ちゃん。
CUTiE専属モデル尾山玲子チャンのたるみがちな頬がどうも好きになれない。 いつも怒ったような顔してるよね。
>>180
セレブとJリーガー大好きなRay神戸嬢りなぱん田中里奈チャン?
旦那がJリーガー(ヴィッセル神戸GK徳重健太選手)のはず。
小森純ちゃんや紗幸ちゃん、佐知子ちゃんもサッカー観戦してたような。
不倫小川友佳チャンの旦那GS(ガスステーション)なんだってね。嶋理紗子チャンと仲良くすればいいのに。
☆FUMI's Happy blog☆CUTiE専属モデル文子ちゃん、モニター限界すぎて何がオススメなのかわかんない。ここ見たほうがいいよ、恥ずかしいから。     タダならなんでもいいというがめつさがすごく伝わっ
てくる。        不細工なくせに出しゃばりだし、醜い顔まわしてでもタダで使いたいのかとつっこみたくなる。あと、友人などの肩書き自慢、あんたには関係ないからw    ブランドものもこれはブランド物です!とわかりやす
い物が好きだよね。センス悪すぎるからw      類友ですね
サッカー選手の奥さんと話す機会があったのだけど 代表選手の奥さんは謙虚で二部リーガー夫人は尊大だったな
CUTiE専属モデル文子チャン、仲間まで叩くなんて最低だよ
jJ専属モデル小森純ちゃんのかわいさ異常
>>181>>173
JJモデルは皆知ってるよ文の事。        ただ、JJ専属差し置いてドバイに行ったり出来るからひがんでるだけ。                そんなJJモデルを見て他のモデルが笑ってるんだよ「CUTiE専属モデルに負けるJJ」って。

183 :
白ノースリワンピにピンクカーデ、
白かピンクのミュールに薪薪ヘアーで
決まりカナ???

184 :
白ノースリワンピにピンクカーデ、
白かピンクのミュールに薪薪ヘアーで
決まりカワイイ???

185 :
るりちゃん、長女の年齢から逆算すると大学4年で妊娠!?
旦那ちゃんよっぽどの金持ちなのかな

186 :
るりティ・・・

187 :
2003年9月5日長女誕生
入籍は同年2月14日
学生デキ婚るりティ・・・
るりティちゃんの実物見て見たいなー
恵比寿橋(神戸)のビーズ教室にいけば生るりティちゃん見られるかもw
CanCam神戸嬢りなぱん田中里奈ちゃん・・・・・・・三十路間近で自分のこと「リナは」ってやばいね。福島希実ちゃんが両親のことトッチーとマーヤって書いてるのも笑ったw
>>180
ヲイw
仮にも沢潟美緒チャンは平日昼間は仕事中だぞw
わざわざ写メ載せるとは後輩やるな‥
瀬川あずさちゃんのブログなんか消されちゃったのにね
なんか裏黒いよなぁ
>>185
山口紗代子ちゃんそれ以前に雑誌に出ていいレベルの顔じゃない。
おしゃれ感がない。細いだけ。

>>186
人に見られたり、ちやほやされるのが好きっていうか、
ナルシストっていうか
そういう人にはCanCam読モやめられないんじゃない?

188 :
合コン行ってきましたぁ〜
めちゃ面白くて、顔は爽やか系で、服好きな人がきてて、
レッセやアプワイザーとか知ってました。オトコの人が知ってるなんてびっくりしました・・
すごい、色々な事知ってて、メチャ楽しかったです。
私その人の事、気になってるのかな・・
もっと話たかった。

189 :
確か…ずいぶん古いスレで
話の流れで指輪はしないのか?って誰かが某主婦読モ梅谷安里ちゃんに尋ねたら
指輪は無いみたいなこと言ってたような…
この人達って仲良さそうにつるんでるけど、裏ですごいドロドロしてそうだね。
見栄の張り合いって感じ>>92
昨日打ち合わせで某主婦読モ梅谷安里チャンの話題が出たんだけど 本人2chの話題でけっこうピリピリしているようで 本人の前では掲示板などの話題は禁句だそうです。
周りはもう擁護するわけでもなく 冷ややかに見守っているかんじ。
結婚指輪もしてなかったっけ??
祥子ちゃん、さっきからブログ色々修正してるけど…
何直してるの?                 神戸嬢ゴリサ嶋理紗子ちゃんMISSの人にすごい嫌われてるよ〜ん
>>91
今はふつうのフリーターなんじゃ…
切開CanCam某主婦読モ梅谷安里チャン、次は鼻フックのお治しかなW
顔面工事してまでもてはやされたいんだね、でも整形ブスーツ
ついでに性格も直せよ
ついに関係者書きこ・・・・
>>461
確かにぃ。
みさこん村上実沙子ちゃん、某主婦読モ梅谷安里ちゃん、CanCam神戸嬢えりーな渡部江梨奈チャン、CanCam神戸嬢なっちゃん赤埴奈津子チャンあたりは
劣化が激しいね。
見ててもう気の毒になる。
特に安里ちゃんの目つきとかが何かに取り憑かれたような感じで見ていて気持ち悪くなる。
私の周りでも同じ感想を持つ人が多い。

190 :
神戸松蔭女子学院大学ラクロス
【自己紹介】
外面とは裏腹にスッキリハッキリしていてメンズっぽい性格。
向こう気が強く打たれ強い。結構一匹オオカミなところも。
好きなものは MERCURYDUO の服、神戸ラベンダー色、イタリアン。
守りのディフェンスではなく攻めのディフェンスを目指して
日々努力しています。
今年の目標は暴走しない、
みんなを引かせる発言をしない
酒にのまれない。
【みなから見たヨーコ】
やはり今年もうちらの「姉ちゃん」でありヨーコはいろんな事に気がつく。
まめまめしい。
なんだか周りの情報をもれなくキャッチしていて、何でも知ってる♪
なにゆえ?なぜなら彼女こそが
元祖人喰いコンパ隊長だから・・・。
やっぱり、この女・・・。可哀想なメンズ・・・。

191 :
るりティはピュア☆ガールなんだね♪

192 :
あれで35歳か…文章見てると痛々しくて頭すっからかん。
小川友佳ちゃんを支持してる人はいるんだろうか。
イタい人としてのヲチ対象でしかないよ。
やたら更新してるその他ギャルも暇なのかな。
黒田三佳ちゃん桐生繭子ちゃんは店内料理の写メ以外はすごく好感持てる。
『こういうお母ちゃんがいたらいいなぁ』って憧れる。
(私は幼少期が不遇だったから)

193 :
質問させてくださーい!
ピンキー1月号、jj1月号などでこの子が着てる、
バイカラーの白いコートってマーキュリーでしょうか?!
>>441
rayViVi神戸嬢えりーな渡部絵里奈ちゃん(旧名・中田絵里奈ちゃん)、
先日、神戸で見たよ。なんつーか、やっぱ魚顔。
そして服は、お約束のウナギちゃんスタイルねw
http://ameblo.jp/ysysys/entry-10115106004.html
居酒屋フル民には気をつけようって記事。
脳みそ粋かれちゃうみたい。
ゆんころちゃん&藤内悠起子ちゃんって会社員じゃなくてただの読モなんだよね?つまりはフリーター?てかなんであんなダサくて可愛くないやつが人気ありんだろう?不思議だー
ちゅなの顔 何か違和感を感じる。
何だろ?
>>439
ちゃんと有給休暇とってんじゃないの?
いくらなんでもずる休みできるわけないww

194 :
>>898私は2人とも知ってます。
別に擁護するわけではないけど、
前者は毎回会うたびに友達の悪口を聞かされているのに対し、後者からは一度もそんなこと聞いたことがないです。
名古屋に引越してきて友達ができたのは嬉しいって素直に喜んでいたぐらいだから。もちろん美穂ちゃんも含めて。
だから898さんの対立っていう言葉が私にとっては違和感を感じる。
なーちゃんの虚言癖は知らないけど、見栄っ張りだということは本人自覚してますよ。
その点は確かに2人は似た者同士かもしれないけど、度合いが違うと思います。

195 :
カラコンのしすぎで目充血してる。あたしカラコンしてない時の猫顔のこの人が好きだったからカラコンしないで欲しい〜!

196 :
大阪人と岩手人は相性最悪ってどっかのスレで見たな
確かに性格的に真逆だよね

197 :
白ノースリワンピにピンクカーデ、
白かピンクのミュールに薪薪ヘアーで
決るりカナ???

198 :
>>457
離婚したらオモロイのに。            ちゃんと旦那ちゃんに尽くしてあげてね。自分のことを犠牲にしてでも旦那ちゃんに尽くしてあげないと。            そりゃ離婚されるよ〜ん 掃除なんかより美味しいも
ん食べさせてあげてね。             出来る女性見つけたら貴方なんてスグに見切られるから。
赤ちゃん連れ回しすぎだよね??
どうしたの、きょうのドup!!!
里奈ちゃん超かわいい!!
昔(1997年〜1998年)浅井香名ちゃんが一番可愛いとか思ってたけど、今は里奈ちゃんまぢかわいすぎる!!
でも里奈ちゃんは天然だよね♪☆
Ray神戸嬢れいやん尾山玲子チャン&Ray神戸嬢りかたん角方理佳チャン祭りだなw
この人かばん色々買うイメージだけどクロエばっかりだよね
変わりばえ無い
JJ神戸嬢りなぱん里奈ちゃん、ハワイでもう少し同行者たちと別行動していると思いきや、
ほとんど一緒にアフタヌーンンティー、買い物、ディナー・・。
お茶や買い物って、小さい子供にとっては最高に退屈なんじゃない?
小森純ちゃんがチビちゃん連れていったときは、もう少し別行動して
海やプールで遊ばせてなかった?
ミサキおでこ丸出し
自演キチガイ
JJ神戸嬢りなぱん里奈ちゃん&神戸嬢りかたん角方理加ちゃんもブログ始めたね

199 :
あいくは彼氏いないし処女な超美少女ですよ

200 :
>>755          反論も何もないじゃんwその前に反論の意味わかってから発言しようね。   どこをどう反論すればいいんだよw        赤っ恥かいちゃったね。 残念ながら出演することなんてかなり前から決まって
たことでしょ。     いやーアンチってやっぱ何も知らないし、文句言いたいだけなんだって事がはっきりしちゃったな。
>>753          了解、今日見てくるわ。いやほんと、手抜きな癖にあの値段はぼったくり。  何の雑誌か忘れちゃったけど、          アラサー巨顔メタボ婆CanC
am神戸嬢ますえり増田愛里菜ちゃんとCanCam神戸嬢みわにゃん山内美輪ちゃんと阿久津清子ちゃんの3人のページの中の      愛里菜ちゃんのチークが濃くてビックリした…   某主婦読モ梅谷安里ちゃん鼻筋なくて横顔とか斜め顔
が本気で無理だわ
>754
こいつラ(アラサー巨顔メタボ婆CanCam神戸嬢ますえり増田愛里菜ちゃんとCanCam神戸嬢美輪にゃん山内美輪ちゃんと阿久津清子ちゃん&CanCam梅谷安里ちゃん)中・高といじめられてたよ。
久々ブログ見たけど・・・性格変わってないね。
威嚇的発言で問題にかかって平気で人を傷つけたりしてたよね。
「著作権」発言云々、相変わらずですな。
車で人を判断してるようじゃ終わりだな。
だいたい「ハリウッドセレブと同じ車なの」って何が言いたい??
>>758
http://blog.excite.co.jp/fthani/page/3/
随分、下品でぶさいくになったね、みずきてぃ
>>757
とりあえず下げようか
CanCam神戸嬢みずきてぃ鈴木瑞希ちゃんはリアル友達からここに書かれるほどに性格が悪いのです
本風呂を読んで※レスも読んでみようか
それで察しがつかなければ、あなたは瑞希ちゃんと気が合うはずです
>>759
CanCam専属モデル神戸嬢りなぱん田中里奈ちゃん、最近いっそう化粧がケバイ。。。。         iphoneの加工のせいかもだけど、化粧濃すぎじゃない?
>>757
某主婦読モ梅谷安里ちゃんこんばんは

201 :
白ノースリワンピにピンクカーデ、
白かピンクのミュールに薪薪ヘアーで
決まりカナ???

202 :
純ちゃんびじん
!!!

203 :
ステンレス多層鍋なら、張り付いて混ぜなくても、弱火でフタして放置すればすぐ火が通るのに、
ベッチャベチャになるまでかき混ぜてるよね。
野菜すべてハリがないもの、水菜のパスタも水菜に火をいれすぎ
某主婦読モ梅谷安里チャンのCLUBGG記事・・。
不細工なメンズに告白されても嬉しくないように、
可愛くない子にファンって言われてもな。。
某主婦読モ梅谷安里チャン、嘘も大概にしろ。社会舐めてんの?
(楼山早輝@スマイル満開!!!合コンイエロー
 会沢りな
社会人なんて毎日撮影するほど暇じゃない。
むしろそんな社会人がいるならどんな仕事してるのか教えてほしいね。
ほんとこの人の社会人発言はドキドキ不愉快!!!!合コングリーンだわ。
いくら自らは隠しても、他の神戸嬢Ray専属モのブログに一緒に撮影したって書いてあるっての。ほんと大嘘つき。
>>461
お疲れさまです。
旦 旦 旦 旦  旦       旦 旦 旦 旦 旦旦
 旦 旦 旦 旦旦 旦      旦旦 旦 旦旦  旦
旦 旦 旦 旦 旦 旦. ∧_∧ 旦 旦旦 旦 旦 旦
旦 旦 旦 旦 旦 旦 (´・ω・`) 旦 旦 旦 旦 旦 旦
旦 旦 旦 旦 旦 旦.  (o旦o ) 旦 旦 旦 旦 旦 旦
旦  旦 旦 旦 旦 旦. `u―u'  旦 旦 旦旦 旦 旦旦
キャリアはブログ書いてるヒマ マジないっす               by香坂連@ズバリ正解!!合コンブルー
りなぱん婆ちゃんとミル姉ちゃんになれないゆんころババアの嫉妬
りなぱん甚目寺なの?港区か中川区かと思ったけど?

204 :
白ノースリワンピにピンクカーデ、
白かピンクのミュールに薪薪ヘアーで
決まりカナ???

205 :
rayのバックナンバー買おうと思ってるんですが
石井めぐちゃんが出てる号教えて下さいm(__)m
ray神戸嬢ひかり野口光ちゃん社会人とか絶対ありえないし。
嘘つきはきらい!
キャリア勘違いのray神戸嬢りなぱん里奈ちゃんも
今の旦那は同期だよね
本当に充実している人は他人に向かって幸せをアピールする必要がないと思う
ray神戸嬢カナやん一戸加奈ちゃん、旦那がリストラで引越しの準備でもしているのかと思ってた
トイレで自分撮りをやめたのはおかしさに気付いたからではなかったのか…

206 :
よろしくお願いします

207 :
>>581親じゃなくてその日サロで働いてたからタダ焼きなんじゃない?                >>583弟の友達ってあすかと全然関係ないじゃん(^^;)
着うたとかも配信されてるんでしょ?
いつかCD発売メジャーデビューとかしてしまいそうで怖い

208 :
あげは?↑↑がJELLYにのってたビキニだよ。

209 :
合コン行ってきましたぁ〜
めちゃ面白くて、顔は爽やか系で、服好きな人がきてて、
レッセやアプワイザーとか知ってました。メンズの人が知ってるなんてびっくりしました・・
すごい、色々な事知ってて、メチャ楽しかったです。
私その人の事、気になってるのかな・・
もっと話たかった。

210 :
何でもかんでも記事にしなければいいのにね
>>116
いくらなんでも良い過ぎ。子供に罪はないよ

211 :
本当に舞ちゃん嫌いならblogとか見ないよ
最近の読モの中では断トツ可愛いと思う

212 :
可愛い

213 :
白ノースリワンピにピンクカーデ、
白かピンクのミュールに薪薪ヘアーで
決まりカナ???

214 :
しかし教育関連はないわw
上手く嘘つけw
某主婦読モ梅谷安里ちゃんw
既婚者と未婚者の間にもしがらみありそう。w
CanCam神戸嬢さゆ服部紗幸ちゃんはCanCam神戸嬢ゆみぃ関有美子ちゃん神戸嬢ゴリサ麻生裕子ちゃんと仲良かったのに、
2人が結婚した途端に独身仲間とつるむようになったし。
既婚者は既婚者で、
旦那のステータス争い激しいんだろうな。
現段階トップのCanCam神戸嬢ゴリサ嶋理紗子ちゃんは例えどんなにどんなに旦那が帰ってこなくなっても
意地でも離婚しなさそう。小森純ちゃんは旦那ステータスでは敵わないから、
イクメン方向で勝とうと限界だしね。
妊婦毒モとかCanCam神戸嬢りかたん角方理佳チャンとか興味ない
神戸嬢ゆみぃ関有美子ちゃんは可愛いから玉の輿に乗るかと思っていたので、お相手は同じ年の私学教員( ハンサム)ってBriendaで知って意外だった

215 :
あたしの初夏の普段着は、ジーンズよりカプリ派です。
カプリって、足が細く見えません??
白のカプリパンツに、可愛いシフォンキャミや、
きれい色のトップス合わせるのが、結構好きなんですけど
ラフになり過ぎないように、サンダルやバックで
お洒落度アップさせれば、ラフな印象は受けないですよね?
でも、あたしの彼氏はカプリがあまり好きではないようで、
合コンでもカプリの受けは悪いのかなぁと思いました。
あと、よく雑誌で「合コン受けする服装」とか特集ありますけど
あれって、どーなんだろう??全部鵜呑みにはできないですよね。
あたしの友達は前、合コンに参加した女の子4人全員が、背中に英語書いてたね〜(*≧∀≦*)
白ワンピを着てきて、痛かった・・・と言っていました。
女同士、前もって服の打ち合わせとか、しといた方がいいのかな^^;

216 :
みずきてぃかわいいてうちゎ思う
人の好みじゃない??
てかこんなとこに愚痴愚痴書くとか
どんだけ餓鬼?爆笑

217 :
るりきてぃかわいいてうちゎ思う
人の好みじゃない??
てかこんなとこに愚痴愚痴書くとか
どんだけ餓鬼?爆笑

218 :
これだと確かに旦那ちゃんが1枚も残してなかったように読めるけど、
ぐったりして食べられずって書いてあるから自分の都合??残ってたけど食べる気失MISSっていう意味なのかわからん…
離乳食は先に済ませておけばいいのに。
でも食べ終わった旦那も何もせず、爪楊枝でしーしー状態なんだろうね。
それ見たらぐったりする。

219 :
あたしのクリスマスの普段着は、ジーンズよりカプリ派です。
カプリって、足が細く見えません??
白のカプリパンツに、可愛いシフォンキャミや、
きれい色のトップス合わせるのが、結構好きなんですけど
ラフになり過ぎないように、サンダルやバックで
お洒落度アップさせれば、ラフな印象は受けないですよね?
でも、あたしの彼氏はカプリがあまり好きではないようで、
合コンでもカプリの受けは悪いのかなぁと思いました。
あと、よく雑誌で「合コン受けする服装」とか特集ありますけど
あれって、どーなんだろう??全部鵜呑みにはできないですよね。
あたしの友達は前、合コンに参加した女の子4人全員が、背中に英語書いてたね〜(*≧∀≦*)
白ワンピを着てきて、痛かった・・・と言っていました。
女同士、前もって服の打ち合わせとか、しといた方がいいのかな^^;

220 :
↑正解〜
きっとるりほど周りに気使う子いないね!
あたしはあの甘い顔と性格がハンサム前な感じのギャップがたまらなくすきだよ

221 :
GSで億稼ぐ金融マンだよ〜ん!
かなーり遊んでるけどね。
MISSの美紗保ブスすぎてビックリした
本当爬虫類だな
MISS神戸嬢まおにゃん矢萩真央ちゃん
「休みの日はセックスなんて嫌、旅行に連れてってよ」
旦那
→多忙な時間を切り詰めて風俗とロシアンパブへ
実物の、
MISS神戸嬢まおにゃん矢萩真央チャンのデコの広さと、
ひん曲がった唇も気になる
顔もでかい
本田玲奈チャンってかなり嫌われてるよね。
ブログもするな。消えろ。
>でも、類は友を呼ぶっていうんだから
何だか妙に納得してしまった最後の一行w

222 :
Ray見たよ!今月のもやっぱかわいかったね
変わった服も着こなせてやっぱ慧子ちゃんはモデルだね
前髪最近上げてるけど私は前髪あった方が好きだな

223 :
可愛い1

224 :
リアルコーディネート見ると、お年を召したお姉さま方は
なんだかんだ言ってお金あるなーって思う。

225 :
カッコいい人と一緒に何処かに行く時は、必ず、tity&Co.のプリーツ(ミニ)スカートにする。
やっぱり、パンツ見えそうな格好してると、相手の視線がそっちに集中してくる。
この季節、お花見とかでそういった恰好して膝枕してあげると喜ぶ。
先々月、葛西臨海公園でお花見してきて、彼氏ゲットしました。
上に書いたような恰好で行き、お弁当も作って、膝枕もして、
観覧車に乗って告白されてキス。
メンズって単純です。
彼氏に会う以外はジーンズで手抜いてます。

226 :
小学校から一緒だった者ですが、多分生まれつきだと思う。
可愛い→きれいにはなったけど、昔からあんな感じ。
ハーフみたいで、人形みたいで可愛い子でした。

227 :
>>428
>ミスになってからは大学の人と中高の人と連絡とるのやめた
このくだりだけ読むと、性格悪そうに感じるんですがw
何で連絡とるのやめたの?

228 :
でも臭サボ臭デニンス連日身に着けたり、あんまり服持ってないイメージ

229 :
育ちのよさが良くわかるよね。好感持てます♪すき。

230 :
あたしも西野カナちゃんに会ったとき嫌いになった
どうしましょ?

231 :
この人好き 
でも豊胸した? 
 
eggの時胸なかったのにな

232 :
教員試験落ちたんだかやめたんだか分からないけどそれならちゃんと言えばよかったのにね
公務員とか会計士とか社労士とかの難関資格を目指してる人だったら
有名大学を出てフリーターやってる人も多いから全然恥ずかしいことじゃないのに
そこらへんを隠して一切触れなくなるあたり自分のイメージの固持に限界だなと(某主婦読モ梅谷安里ちゃん)
中途半端に頭がよかった人ってこういうところで変な計算するんだよね
いくら>>194が限界こいて悪口書いても
清弘愛ちゃんは河村久美ちゃんみたいにハブられてないんだよねぇ?
実際はそんな悪い子じゃないんじゃないかな
>>
神戸嬢りなぱん田中里奈チャンって人は確か旦那がライブドア系で離婚して再婚したんだって
サラリーマンの女房なのに浪費家で人気w
http://logsoku.com/thread/toki.2ch.sc/model/1284125183/1-1000

233 :
新社会人の高田昌美ちゃん、
これからは化粧をナチュラルにするって強調してるけど
アイメイクからして充分濃いよ!濃すぎる!
姫乃ちゃんのライバルになれるのは高田昌美ちゃんしかいない。

234 :
久しぶりにお家のベッドでゆっくり寝れた・・
幸せ(*´・`*)

235 :
白ノースリワンピにピンクカーデ、
白かピンクのミュールに薪薪ヘアーで
決まりカナ???

236 :
25歳でこの書き込み様・・・
正直小学校高学年かリア厨かと思ったよ。
内容についてはケチつけないし解読も可能だけど、
人生まじめに考え直しなよ。あんた恥ずかしいよ。

237 :
だいぶ前にどっかのどうでもいい美容院の
新聞折り込みチラシに顔のってた。
並よりはマシかもしれないけど、人前に出る
ほどの顔じゃないよね。私の周りの方がよっぽど
レベル高い。

238 :
だいぶ前にどっかのどうでもいい美容院の
新聞折り込みチラシに顔のってた。
並よりはマシかもしれないけど、人前に出る
ほどの顔じゃないよね。私の周りの方がよっぽど
レベル高い

239 :
nuS83err
目がかわいい
どういうメイクしているんだろう
どうせ良いスタイリストさんが専属で
やってくれているんだろうけど
教えて

240 :
ユリアちゃん可愛いくて素直ないい読モ!!
美人姉妹だなー!!!

241 :
この人関西人?柴田理恵に似てる

242 :
大学行ってたん?
まじで?彼氏の顔も映ってる?
Ray神戸嬢えりーな中田絵里奈ちゃんとかRay神戸嬢なっちゃん赤埴奈津子ちゃんとか愛ちゃん以外結構続くのに、愛ちゃんはメンズの入れ替わり激しいね。
神戸嬢なっちゃん赤埴奈津子ちゃんて、顔やばくない?ケバいしデカい…
いや、正義感云々の話はその人じゃなくて奈津子ちゃんのブログの話ね。
http://m.ameba.jp/m/blogArticle.do?unm=sayuki-h&articleId=10808982576

243 :
中絶って言葉は、女性としてもファンとしても、見てて悲しいです。そんなこと言わないであげてください。お願いします。
髪が黒い方が清潔感があっていいと思う。

244 :
この子キャラ作ってるの?
るりちゃん!!!

245 :
>>660
それ許されるの学生までだろ

246 :
前のが可愛かった…

247 :
>>246
なんだかんだいいながら るりきてぃの事
チェックしてるよね(笑)
そんなに嫌いならいちいち見るなっうの(笑)
私もPVチェックして見ます★

248 :
PV見ましたぁ★
るりきてぃ 激かわ
最近ますますかわいくなってきて
ますよね

249 :
みんな実際はメイク濃くてケバケバ。
ホント可愛いのは嶋さん・村中さんかな。

250 :
>>185
このスレとは関係ない人じゃん
なのに名前まで晒す185の神経って一体・・・
ブログ初めて見たけど別にセレブぶっていない至ってフツーのブログだったよ
どこにでもありじゃんこういうの
ただ脚の長さとイタリア生活は正直羨ましいと思った

251 :
ほうれい線かな?
顔全体が下がってきてる気がする

252 :
白ノースリワンピにピンクカーデ、
白かピンクのミュールに薪薪ヘアーで
決まりカナ???

253 :
>>252
確かに自分撮り多くてびっくりしたけど可愛いし別にいいんじゃん??
歌手になりたいってのがどこまで本気か分からんけど、駆け出しならファン
を大切にするのも仕方ないというか。
まぁ品女の子にあまりいいイメージないから実態を知りたいところだが…
ネイルのセンスは確かに微妙だね。着る服限定されそう。

254 :
えええ??私スゴク綺麗だと思うよ。はじめてみたときからずっと好きだった・・。
お世辞なく。
好みの違いってあるものなんだね・・・。ちょっとビックリ・・。
すごく上品だし。きれいだから編集部も取り上げるんだよ。
女って自分に似た系統の顔の人をキレイって感じるんだって。
私はどちらかというと細面なんだ。
だから好みの違いは否めないけど・・。
センス雰囲気含めて、私は好きなタイプです。

255 :
結婚してずっと幸せでいたいって方が
るりちゃんのイメージに合ってる気がする。

256 :
某主婦読モ梅谷安里ちゃん&渡部江梨奈ちゃんって平日更新なくて件。える
土日テンション高いしウザい
新宮って三重県に近いし、神戸に通勤はできないな。
新居は渡部絵里奈ちゃんの実家の近くでしょ。
で、休みの日だけ旦那が帰ってくる。単身赴任みたいな。
>>680
http://pupe.ameba.jp/brand/detail/YMsHSI8mQwbl/SjdQw5wFSVtY/2010/
福井県勝山店ZARAのってこれ?
香川亞弓ちゃんは性格悪い
優しいのはただの見せかけ
いやでも年齢的にね。クロエのバッグとか持つならもう少し考えて欲しいわ。
あと言葉選びのセンスもないなあと思う。
キャリア会wで食いすぎなんでは?
egg専属モデル文子ちゃんが電車で前の席に座った。全然可愛くなかった。
なのに、自意識過剰のかな?ずっとキメ顔して周りの人達を気にしてたw
egg専属モデル文子ちゃん、誰も君の事なんて見てないから、大丈夫だよ。
egg神戸嬢ゆみぃ関有美子ちゃんは元々の眼が黒いよね
羨ましい
大学出て就職してデキ婚じゃないegg神戸嬢miwaみわにゃん山内美輪ちゃんが凄く偉く見える不思議。
普通の事なのに。
miwaみわにゃん、Twi&tterの公開範囲変えたねー
対応早っw
旦那が想像以上にイモっぽくてビックリしたわ
>>678
中田有紀ちゃんのねーちゃんだな。元ヤンだもんね。

257 :
今と昔ではCanCamの人気位置が違うわけで。
るりは元からスタイルよくて目立ってたしね

258 :
>>255
書かれてることの八割が何言ってんのか分からない

259 :
ぽっちゃり系で可愛いね

260 :
スカートが可愛い♪これだけ色を使っているのに全体的にまとまってますね♪
ttp://www.columbiasports.co.jp/mountainlovers/womenstyle/img/index_mainimg.jpg
カラーの統一が
スカートを着こなすコツ 〈Girlish〉
幼く見えないスカートコーデのコツは、
カラーを統一させること。半袖なら、アームカバーで紫外線カット。

261 :
>>260
可愛い曁!!

262 :
白ノースリワンピにピンクカーデ、
白かピンクのミュールに薪薪ヘアーで
瑠璃ちゃん決まりカナ???

263 :
この子のムチムチはいいねえ

264 :
>>195
ウチも思った
前はつばさとかにメインとられてかわいそうっていわれてたのに(^^;)

265 :
あの年で普通のOLで1人暮らしでプライドグライドなら
全然恥ずかしくないというか、堅実な人だと思うけど。
しかも似合っていて可愛いし。
保育系学生だけど、大学なら二年の終わりくらいから
何度も実習入るからずっと黒髪でいるのは止むを得ないかんじ。
保護者の目もありから通勤はスーツにさせてる園多いよ
また毎月恒例のキャリア会だって。        何がキャリアだか・・・ 前田朝香ちゃんは認めるけど。
お誕生日ディナー可哀相。
前田朝香ちゃんはSHUSHUの件もそうだし本当に頭が悪いんだね
そういえばおーやんとまた付き合うって話は何処へ
>>473
私はそのころはもう微妙だったな。
ここ1、2年の前田朝香ちゃんはティティー系って感じ。3年前の出始めは、変なM字前髪だったが、適度に個性的な服装で凄く可愛くて好きだった。
Ray神戸嬢NOVA岡田野映ちゃん&Ray神戸嬢eri岡田絵里ちゃんのクルーズDECOLOGのトップ画センスねぇ〜
Ray神戸嬢つけまメガネ美容師NANA小野寺奈々ちゃんカラコン入れてのあの目なんだね…。       だから普段がんばって目大きく見えるように自撮りしてるんだね。
>>157>>155
Sカワにsnatch店員として載ってたね〜

266 :
白ノースリワンピにピンクカーデ、
白かピンクのミュールに薪薪ヘアーで
ニム決まりカナ???

267 :
LITTLE MIX Brit-pop girls group goes into Japan now.
Their last night's audiences are mostly J-girls now.
Yesterday Twelfth September 2013 just my anniversary of love now.

268 :
夜ンア中に芸能人の元カノを呼んで
瑠李ちゃんが美容室の椅子ごと後ろにひっくり返って
おでこ見せる番組があったけど
またやんないかなw
少し西野カナちゃんに似ててかわいかった

269 :
>>268
昔のSTの専属モデルオーデションのページに出てたよ!
全然ちがくてびっくり見た人いない?

270 :
白ノースリワンピにピンクカーデ、
白かピンクのミュールに薪薪ヘアーで
決まりカナ???

271 :
最近ブクブク太ってきてない?

272 :
私の穐の普段着は、ジーンズよりカプリ派です。
カプリって、足が細く見えません??
白のカプリパンツに、可愛いシフォンキャミや、
きれい色のトップス合わせるのが、結構好きなんですけど
ラフになり過ぎないように、サンダルやバックで
お洒落度アップさせれば、ラフな印象は受けないですよね?
でも、私の彼氏はカプリがあまり好きではないようで、
合コンでもカプリの受けは悪いのかなぁと思いました。
あと、よく雑誌で「合コン受けする服装」とか特集ありますけど
あれって、どーなんだろう??全部鵜呑みにはできないですよね。
わたしの友達は前、合コンに参加した女の子4人全員が、背中が割れる
白ワンピを着てきて、痛かった・・・と言っていました。
女同士、前もって服の打ち合わせとか、しといた方がいいのかな^^;

273 :
oUqU+66R
最初は謙虚な子なのかなと思ったけど。
いつの間にかコメント返しもまったくする気なく、
ただの宣伝と旦那自慢のブログになっててワロタ
前田朝香ちゃん、ママ友が出来たらしいけど、またプチ自慢で嫌われるんだろうな。
前田朝香ちゃんはいつ痩せるんですか?
>>876
2 ■無題
確かにお人形さんみたい☆チャイルドプレイのチャッキーって知ってる?
そっくりだよ(^O^)/
ユナ 2013-05-18 11:34:32
細川真奈チャンのブログでよく叩かれてるね

274 :
可愛い

275 :
明石って…完璧にガラリと雰囲気変わるよね。漁師町というか、欲しいものが何にもない町。
るりには、合ってるけど。

276 :
腹黒な巨顔してるw
この人なんでこんなに自分のアップばかり載せるの?
吐き気するから止めてほしい。
家が裕福なら整形すればいいのに!!
おばあちゃんに頼んで〜!!!!
テレビで見てひとりだけケバくてオカマっぽかったw
マジ気持ち悪いと思ったけど、他の共演者の磯野キリコ・キューピーちゃんでさえこいつと
比べると無茶くちゃ綺麗。
タレントより明るい髪色してるし歯医者って自慢気に言うのが痛ナルww
所詮美人女医はいても美人歯科医はいないってことか
いたら一般人の中でも中級以下の小森純チャンなんか呼ばない(件。)
村上実沙子ちゃん、砂糖めぐみちゃんは質問スルーしてるけど、無礼なコメントも一応承認してるだけましかも
巨顔メタボ婆小森純ちゃん、幼稚園グッズなら手芸店で作ってもらえますヨ〜ン!
自分で作ったの〜!といいながら実は外注してる人なんていっぱいいるし。
ミシンと格闘するよりは、アスリートの旦那サマのために、栄養バランスの良い
品数豊富なお食事作りするほうが重要カナ〜☆
Mother襟はご主人の転勤だっけ?どこに引っ越すのカナ〜〜
小森純ちゃん会えなくなって残念ね。
SCawaii!神戸嬢りなぱん田中里奈ちゃんってさ
ブログ見てると服とかアクセとか化粧品とかSCawaii!専属モの中ではかなりお金かけてない?
服とかいつも違うし。
逆に小森純ちゃんとかあんまり服とかアクセ買わなそーだな。。。
熊谷彩子ちゃん、SCawaii!神戸嬢モナ西萌央ちゃんは質問スルーしてるけど、無礼なコメントも一応承認してるだけましかも
>>12
あれはひどいwもうちょっとマシな写真なかったのかな…

277 :
LITTLE MIX Brit-pop girls group goes into Japan now.
Their last night's audiences are mostly J-girls now.
Twelfth September 2013 just my anniversary of love now.

278 :
雑誌で見るだけなら好き
というかブログ見るまでは普通に好きだった
看護師やってるのも将来のことを考えてて偉いなって思ってたけど、
ブログ見てわりと休みまくりで遊んでるのを見てガッカリしたな
くりなちゃんに幻想を抱きすぎてたわ
>>481 わざわざ辞書引いたの?バッカみたいw “くりなちゃん”の名誉のために?りなちゃんとか呼んでること自体やばいよ。ストーカー?
くりなちゃん、7月からシカゴに“移住”って書いてありけど、
普通移住っていったら帰ってこないってことだよね。
転勤で数年間海外に行くくらいなら“移住”って言わないし。
それとも単に言葉の意味知らないで使ってるだけ?
くりなちゃん、日曜日に子供連れて都内にいくらしい。
髪の毛やってもらうらしいけど、ばかなのかな?
人混みに抵抗力弱い赤ちゃん連れてくんだ。
くりなチャンやる気ナイネックス☆カワユイ(σσ)⌒☆
>>489
他の人気読者モデルと一緒に撮影風景見かけました。
銀座の真ん中でみんな見てたけど、きれいだし品良かったよ。
もっと身長ありかと思ってたけど

279 :
ん、ってかもう終わってるやろ。

280 :
まず痩せようか

281 :
慶應?
るりちゃん慶應?

282 :
白ノースリワンピにピンクカーデ、
白かピンクのミュールに薪薪ヘアーで
決まりCanCamカナ???

283 :
昨日、せっかくの雨だったのに買ったばかりのレインブーツの話題は一切出さなかったね。
昨日はナデシコ大好き宣言しちゃったし、しかもナデシコが好きになったのは
えりなちゃんの真似じゃない!他の読モの子を真似たの!アピールまでしっかりしてw
昨日はナデシコのことをブログに書いちゃったから、ハンターのレインブーツのブログや画像アップ出来なかったんでしょ?
えりなちゃんのと同じブランド、しかもあんなに色が豊富なハンターのレインブーツなのに
色までお揃い…そりゃナデシコと同日では長靴履いたよ報告の更新は出来ないわw

284 :
カッコいい人と一緒に何処かに行く時は、必ず、ColumbiaSportsの山(ミニ)スカートにする。
やっぱり、おでこ見えそうな格好してると、相手の視線がそっちに集中してくる。
この季節、ハイキングとかでそういった恰好して膝枕してあげると喜ぶ。

285 :
>>221
私の片方の親と同郷
>>215
私の穐の普段着は、ジーンズよりカプリ派です。
カプリって、足が細く見えません??
白のカプリパンツに、可愛いシフォンキャミや、
きれい色のトップス合わせるのが、結構好きなんですけど
ラフになり過ぎないように、サンダルやバックで
お洒落度アップさせれば、ラフな印象は受けないですよね?
でも、私の彼氏はカプリがあまり好きではないようで、
合コンでもカプリの受けは悪いのかなぁと思いました。
あと、よく雑誌で「合コン受けする服装」とか特集ありますけど
あれって、どーなんだろう??全部鵜呑みにはできないですよね。
わたしの友達は前、合コンに参加した女の子4人全員が、背中が割れる 背中に英語書いてたね〜(*≧∀≦*)
白ワンピを着てきて、痛かった・・・と言っていました。
女同士、前もって服の打ち合わせとか、しといた方がいいのかな^^;

286 :
ほんま自意識過剰やねんなー 笑
僻まれてるとでも思ってんの?

287 :
某主婦読モ梅谷安里ちゃん、私も会社員になってから見始めた。       大学は昭和女子かなぁ?ブログで、昭和女子の応援に西野カナちゃんLIVEいってたみたいだし。♪    でも、文才だし、謙虚で空気読めそうだし、頭よさそ
う。                      前田朝香ちゃん、顔・Style.西野カナちゃん・ファッション全て間違ってるね。            ただ、誰よりも賢いのは真実。          私、みおりんこって人のほ
うが間違ってると思う。 ブログも自慢げだよね。 わたしも茶道やってるけど、お稽古中、あんな写真とらない(とれない)   かっこつけで習っているとしか思えない。     「和敬清寂」ってこと知らないの?かしら?

288 :
ここに名前挙がってないみたいだけど。
るりって同級生だった子が出ててびっくり!
浪人してたはずだから、1994〜5生まれなはずなのに、1991生まれだと!?!?
確かに若く見えるけど、サバ読みすぎw

289 :
s3ViLxr2 : AAS
>>760
仮にそうだとしてもあれを載せるのはどうなの( ´・
ω・`)ファンが見たらえっ
?って思うよ
じっさいツィ・
ッターで某主婦読モ梅谷安里ちゃんの毛穴やばくない?ってツイ・一卜あったし
某主婦読モ梅谷安里ちゃんどんだけ神戸(かんべ)ランコム欲しいの??www
たまには買えよw
周りの人たち陰で皆言ってるよ。
モッサリ顔の彼氏
>>760
ゴリサイナって理紗子チャンのことでおクk?
>>222
時計も浴衣もツモリだったね
a-netって会社の人かもね
ゴリサイナちゃんはネネットも好きだったはず
>761
それって私の知ってる人だったりして…。
私の知人が悩んでました。
付き合いをやめるよう勧めたら彼女の機嫌に障るようなことをすると有りもしない噂話を大きくして流すから怖いって。(ブログ読んでてもそういったキツイ・ッター性格が垣間見えますよね)
Floomのブログ見てても何か威圧的な感じがして怖さすら感じます。そんなブログを見て不快に感じる方もたくさんいるのではないのかな?
私ならそんな方に教えてもらいたくない。
人柄っていくらブログで着飾ってみせても解りますよね。

290 :
るりちゃん☆カワイィ可愛い曁
性格はどうかわかんないケド顔ふつーにかわいくない??
彦ウケよさそお

291 :
高田有紗オフィシャルブログ「ありさんち」Powered by Ameba
http://s.ameblo.jp/arisa-officialblog/
本当だよ
その時あたしと一緒にいたし

292 :
はじめて来たんだけどこの人本当に読モ?
あたし毎月vivi買ってるし熱心に読んでるけどこんな豚viviにいたっけ?
存在感ないし覚えてない…

293 :
ポーチの中は結構きれいだよ
だけど
ポーチいれてるバッグは^ロ^;見せられない

294 :
>>12
ハワイで出産した浩菜ちゃん、まだ二ヶ月も経ってないのに飛行機長時間や焼肉や出かけてばかりで赤ちゃんに負担かかってそう。
>>12
確かに顔ぐちゃってなってるよね
>>12
働かなくても優雅に生活できるの、羨ましいくせにっw
上原梢ちゃん(15)
金井風香ちゃん(15)
双子コーデ♪axesの試着会を思い出す(ノ)・ω・(ヾ)
どんなに揃えても人間としての価値は違うよ?自分と友達どっちが上かな?

295 :
表紙るりちゃん好きだけど、
常識なってないっぽい
働きにSBYいってんのに余裕で遅刻して誤りなしで
マイロ君?って犬連れてきたみたいー
んでるりちゃんもそこで働いてるから、
どんな常識教えてんだとか働いてる人に言われるんだって〜
あとまだ高校生だよね?
留年やばいとか大学行かなきゃとか言ってて留年したのに
今とか毎日遊んでるよね
若いうちに遊びたいのは分かるけど絶対後悔するよ。
高校ってなかなか覚悟ないと卒業できないし
でも通信だっけ?
まぁるりちゃんのなかでそれなりに決めたんだと思うけど
頭いいとかエッグで言うくらいなら高校もちゃんと行くべきだと思う
さよこちゃんとかやることやってたよね

296 :
昨日終電近く、ドンキの先のホテ街から下りてくる坂からこの人歩いてきたよ


ココットのなみさん辞めたんだねー



297 :
白ノースリワンピにピンクカーデ、
白かピンクのミュールに薪薪ヘアーで
決まりカナ???

298 :
るりちゃん、かなり劣化したね。         数年前とぜんぜん顔違うじゃん。ブログの写真もやばい。          太ったのかな。そのわりに頬がこけてたり、目がつぶれてたり、なんか劣化しす
ぎ。          昔は可愛かったのに。

299 :
今月のポップぜんぜん出てなかったぁ〜
歩美ちゃん好きだからもっと出て欲しいな♪
るりちゃん、2013年12月
24日のフォクシーコーデ、
合わないサイズのブラしてたのか胸元に変なシワが出てる。
まさかチューブトップのブラしてた訳ないよね?
CanCam神戸嬢まなみん塩沢愛海ちゃんCanCam神戸嬢モナ西萌央ちゃん&麻生裕子ちゃん&高橋歩美ちゃんはバイバンにしてても下着には無頓着そうな感じするなぁ。
サイズを測らずに通販で適当に買ってそう。
最近の愛海ちゃんの目頭やばいと思いませんか?切開しすぎだよ〜ん。あんなことしなくても美人なのにね。
CanCam神戸嬢まなみん塩沢愛海ちゃんは化粧も小汚ない
CanCam神戸嬢モナ西萌央ちゃんはもう別れたのかな?
神戸南港でみたけど歩き方確かに変だった!脚の形がわるすぎるのかな?
スタイルいいっていうよりノッポさんみたいだったよぉ。
彼氏はけっこう格好良かった。
もっとカワイイ子捕まえれただろうに。。。
芸能人か!!ってくらい周り気にして歩いてたからうけたけど。

300 :
今出てるKERAのゴルフ記事に、堀切由美子チャン堀江直美チャンみおりんこが出てる!
堀切由美子チャン=職業は会社経営
堀江直美チャン=高校でゴルフデビュー
みおりんこ=月1はコースで
だって
みおりんこの名字っておもだかって読むのね

301 :
>>398
>>396 さんなんか真実っぽいですね。
ほんとだったら、そうしようかなあ。。
専属はやっぱ派閥とかあるんですね><;

302 :
美脚な人の腰の位置
http://sinsoukinkenkyujo.web.fc2.com/sub7.html

303 :
最近

304 :
るりちゃんハァハァ

305 :
森山るり

306 :
見えそうで見えないるりちゃん

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311 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

312 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

313 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

314 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

315 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

316 :
.

317 :
.

318 :
.

319 :
.

320 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

321 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

322 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

323 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

324 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

325 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

326 :
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327 :
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328 :
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329 :
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330 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

331 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

332 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

333 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

334 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

335 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

336 :
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337 :
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338 :
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339 :
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340 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

341 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

342 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

343 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

344 :
.

345 :
.

346 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

347 :
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348 :
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349 :
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350 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

351 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

352 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

353 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年滑ヤで、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

354 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

355 :
.

356 :
.

357 :
.

358 :
.

359 :
.

360 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

361 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

362 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

363 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

364 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

365 :
.

366 :
.

367 :
.

368 :
.

369 :
.

370 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だっbス。
「あbフ開会式では他bフ有名選手とは給L念撮影できたbですが、松坂bウんとはできなbゥった。
bニんでもない人bセかりでしたかb轣B20年を経て=Aようやく思いbェかないました=v

371 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

372 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

373 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

374 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

375 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

376 :
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377 :
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378 :
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379 :
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380 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

381 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

382 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

383 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

384 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

385 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

386 :
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387 :
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388 :
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389 :
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390 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

391 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

392 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

393 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

394 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

395 :
.

396 :
.

397 :
.

398 :
.

399 :
.

400 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

401 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

402 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

403 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

404 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

405 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

406 :
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407 :
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408 :
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409 :
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410 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

411 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

412 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

413 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

414 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

415 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

416 :
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417 :
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418 :
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419 :
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420 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

421 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

422 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

423 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

424 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

425 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

426 :
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428 :
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429 :
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430 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

431 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

432 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

433 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

434 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

435 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

436 :
.

437 :
.

438 :
.

439 :
.

440 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

441 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

442 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

443 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

444 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

445 :
.

446 :
.

447 :
.

448 :
.

449 :
.

450 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

451 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

452 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

453 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

454 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

455 :
.

456 :
.

457 :
.

458 :
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459 :
.

460 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

461 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

462 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

463 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

464 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

465 :
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466 :
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467 :
.

468 :
.

469 :
.

470 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

471 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

472 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

473 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

474 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

475 :
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476 :
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477 :
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478 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

479 :
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

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481 :2018/04/27
メジャーリーグの表現を借りるなら、4月19日の松坂大輔の敗戦は「タフ・ロス」ということになる。
直訳すれば不運な負け。日本のファンにもすっかり定着したクオリティ・スタート(QS)、
つまり6イニング以上、自責点3以内という好投が報われず、打線に見殺しにされた敗戦を意味する。
もちろん反対語もあり、QSの条件を満たさずに勝利投手となることは「チープ・ウィン」と呼ばれる。
移籍後2試合目の阪神戦(ナゴヤドーム)での松坂は、7イニングを2失点で自責点1。
これまたMLBでの指標ではハイクオリティ・スタート(7イニング以上、自責点2以下)となる。
もっとも、ここに松坂の満足感はない。
「自分のミスからだから、悔しさしかない」と振り返ったように、自責点にならなかった1点は、
不運ではなく松坂自身の失策がからんでいるからだ。
4回、先頭の西岡の平凡なゴロを捕り損ね、グラブトスしたが間に合わなかった。
MLB挑戦前の西武での8年間で、実に7度のゴールデングラブ賞に輝いたフィールディングの名手。
しかも、最終スコアは1-2。
つまり、この1点が結果的には決勝点となったのだから、松坂本人はとても「タフ・ロス」とは思えないだろう。
もちろん、収穫が大いにあった敗戦だったのも間違いない。
最大のプラス材料は123球を投げきり、翌日以降も右肩に異変が起こっていないということだろう。
6回を終わったところで101球。試合前でのメドは100〜110球だから、交代してもおかしくないところだ。
そんなプラス1イニング、22球に至った経緯には、ちょっとした裏話がある。明かしたのは朝倉健太投手コーチだ。
「6回を投げ終え、ベンチに帰ってきた松坂さんに近づこうとしたんです。ところが、僕と目を合わそうとしない。
こちらとしては(故障後は)投げていない領域だったので、確かめる必要がある。
でも、行けるというのなら止める必要はありません。
こちらを見ようとしないということで、思いは伝わりました。だから『行けますか?』ではなく『行きますね』と声をかけたんです」
年齢は松坂が1歳上。野球界のルールとして、こういうケースは互いに敬語を使う。
松坂は「朝倉コーチ」と呼び、朝倉コーチは「松坂さん」と呼ぶ。
近寄ってきた年下の上司(コーチ)が聞きたいことはすぐわかる。目をそらすのが松坂の無言の答えだった。
年上の部下(選手)の言いたいこともすぐわかる。朝倉コーチは瞬時に忖度し、質問から確認へと言葉を変えた。
望んで「行く」と決めた以上、打たれることは許されない。
しかし1死から福留孝介に右前打を浴び、糸原健斗にはストレートの四球を与えてしまう。
セットポジションになると制球が乱れる課題は、この試合でも見られた。
大山悠輔にもカウントを悪くしたが、何とか中飛に打ち取った直後、松坂は下半身に異変を起こしたかのような仕草をした。
ベンチから朝倉コーチとトレーナーがマウンドへ駆け寄ろうとベンチを飛び出したほどだが、両手を挙げて制した。
降板後の説明によると「足がつったような感覚になったが、投げられるんでそのままいった」。
あと1人。この回だけは投げ切らせてやりたい……。
誰もがそう思ったとき、ナゴヤドームに「奇跡」が起こった。
2万6904人。もちろん阪神ファンもいるのだが、黄色のはっぴを着ている彼らさえ、松坂を応援しているように聞こえた。
自然発生の拍手と歓声。「がんばれ」「負けるな」。
中日のベテランが「ああいう声援は聞いたことがなかったですよね」と目を丸くしていた。
松坂の背中が、観客の心に化学変化をもたらしたのだ。
しかし梅野隆太郎に初球を中前に運ばれて2死満塁。
ここで阪神は一気に試合を決めるべく、好投の小野泰己に代えて、上本博紀を送ってきた。
見逃し、ボール、ボール。「松坂が押し出しする姿だけは見たくない」という思いもあったのかもしれない。
再びスタンド全体の力と声が結集した。
応援されている松坂が「最初は何でそうなったのかわからなかった」と言う一体感。
人の心を引きつける人間には、計算や何かをしてもらおうという欲求がない。
たとえば登板2日前。雨天中止となった豊橋市民球場で、こんなシーンがあった。
ある選手の大学時代の先輩で、現在は県内の高校で野球部の監督をしている人物が訪れていた。
聞けば松坂世代。当時の夏の甲子園は第80回記念大会として、出場校が増えただけでなく
第1回から地方大会を欠かさず出場している全国15校の主将も入場行進に参加した。
その監督氏は選ばれし15人の1人だった。
「あの開会式では他の有名選手とは記念撮影できたんですが、松坂さんとはできなかった。
とんでもない人だかりでしたから。20年を経て、ようやく思いがかないました」

STモ☆橋爪愛☆新人類
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