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【鎮魂】やめろ博士進学26【ピペド隊】
- 1 :2014/03/05 〜 最終レス :2017/04/15
- ・給与年合計240万円(ボーナス無し!諸手当て無し!昇給無し!居場所も無し!)
・1年任期で更新禁止!(引っ越し貧乏!減給当然!人間扱い一切無し!奴隷奴婢!)
・失業保険なし。無職でも博士様だろ?優秀なんだから自分でなんとかできるだろうが!
・待遇と身分は中卒土方以下。
・博士課程はお笑い芸人養成学校よりも将来も世間的評価も知名度もない。
・ポスドクの生活は売れないお笑い芸人の付き人の見習いの手下以下。
・民間への就職はブラックベンチャーかブラック企業。
・研究者としての死亡率99%、まさに九九式棺桶。
・東大京大卒は進学を忌避、医学部に学士入学して王侯貴族の生活。
・業績出しても仲良し内輪公募の前にバンザイ突撃特攻自爆散華。
・ポスドクに好きな研究をしてもらう?笑わせんなこのアカデミック(笑)奴隷が。
・それどころか任期制で足をすくわれ、ボスのストーリーに合うデータを創造することは基本です。
・フォトショップ駆使の技能は必須。
・科学者の良心に基づいてボスに対して意見を述べると公開銃殺刑にされます。
・そして最初からいなかったことにされます。
・セイフティネット? なんですかそれ?
・自殺行方不明者、8%? 桁が一つ違ってなくね?
>>2へ続く
- 2 :
- 研究の仕方も知らない任期無しパープー業績無し毛髪無し教授にこき使われて樹海に捨てられます。天命です。
彼らはあなたの将来などないのが当然と考えています。研究の仕方?何よそれ?ワシは巨乳女子学生にしか興味はないの。
ポスドクを雇える大型予算のついた研究室(=土方の現場)に行かざるをえないので、
好きな研究なんてできません。予算のある現場から予算のある現場へ渡り鳥。ポスドクの明日はどっちだ。
だからもう明日なんてないんだってば!! 助けてください!! 誰も助けねえよ!!
ピペット奴隷と呼ばれるゆえんです。150倍を勝ち抜いても任期付で無間地獄へのプレリュード。
「ここは共産主義国家日本だよ。任期なんてどうせ形だけなんでしょ?」と思うあなたは甘い!
特任准教授や特任教授になっても任期満了で無職・行方不明・自殺者そして犯罪者になるのはもはや社会常識。
アカデミックの世界はバリバリの帝国主義です。最近は教授になっても逮捕者が続出です。なんでだろ?
さらに!奨学金の借金地獄もまっています。デフレの世の中では無利子の借金でも大損します。
修士卒で卒業した奴とは差引で1億円以上、人生に取り返しのつかない差がつきます。
親は失意のまま世を去り、結婚して子供を育てるのも不可能。必死で実験しているうちにいつのまにやら
転職不可能年齢の35歳。中小零細民間就職も地方公務員就職ももうできません。アカポスにも当然つけず、ピペドすらもあやしくなります。
身に付いた技術は夜間中学中退のジャンキーでもできるものばかり。若いときに自分の可能性を根拠無く信じてしまった途方もない報いが。。。
しかも捏造者や詐欺師、枕営業の売春雌ピペドが最優先に公募で採用されて凶授にまでなっている現実に愕然。もう事実なんだもん!
最後は自己責任、お前が悪いといわれ樹海・東尋坊・摩文仁・サイパン・ガダルカナル・アッツ・テニアン・硫黄島行き。
さ あ 逃 げ 場 の 無 い 永 遠 の 煉 獄 へ よ う こ そ !
- 3 :
- 博士取って普通の企業に就職すれば、問題なし。
- 4 :
- 高齢万年助教を窓から投げ棄てろ
- 5 :
- >>3
要らない。
- 6 :
- >>5 ピペド脳乙
実際、うちのラボからはドクターとってちゃんと地元企業に就職している。
- 7 :
- ドクター→ 地元企業に就職して覆い張り
学部卒→ 大手企業に就職して平然
現実と闘えよw
- 8 :
- >>7 いや、うちは辺境地方国立大だから、学部卒も地元企業に入るんだよ。
- 9 :
- 辺境地方国立大のかたは、そもそも対象外なのでお引き取りください。
- 10 :
- 丘崎の高齢の嫁は何者?
ネーチャがあるらしいけど
やっぱ割烹着なんか?
- 11 :
- 天才じゃないのに院なんか行くからいけない
学問の世界が必要としているのは天才
天才でないなら奴隷扱いは仕方ない
- 12 :
- >>9
都合の悪い外れ値は無視かい?w
捏造屋乙
- 13 :
- >>11
おまえはどちらだ?
- 14 :
- タイラーズのいた山荘権、オボコーズがいる利権が、日本の最高研究機関になって、
年収1億ってなんの冗談だよw 学生にもっと捏意を持てって言ってるの?www
boys be ambitiousだなw
- 15 :
- なんでアメリカに留学するの?
- 16 :
- いやならイギリスやドイツやフランスでも構わないんだぜ
- 17 :
- 日本語で日本人のボスからエッセンスを吸収出来ない奴が
外国語で外国人からエッセンスを吸収するだって?
笑わせるなよ
- 18 :
- ピロ大出身のロンダ高齢ピペドはアカポス採用の可能性ゼロ
よくわかります
- 19 :
- 漏れは束大生え抜き博士で旧帝大助教やってて
論文多数あんだけど
基本的にコピペしまくりだよ
よい文章や秀逸な言い回しや表現とか
英語ネイティブじゃないし
時間かけてオリジナルな文章でっちあげて意味不明では馬鹿だろ
- 20 :
- 羽角正人サンショウウオ博士
元気か?
- 21 :
- 生え抜きって何ですか?
- 22 :
- 地方私学出身で学振PD取るにはどうすればいいのだろうか。
査読付き英論文は現在ファースト4報のみ。
いまD2です。
- 23 :
- >>22
論文のインパクトがないとね。どの程度よ?
- 24 :
- >>14
少なくとも惨争研のバイオ系はクソ。
- 25 :
- >>21
生えてた毛が抜けてもう生えなくなった人
- 26 :
- >>22
退学して宮廷のビッグラボに入る
- 27 :
- _∧_∧_∧_∧_∧_∧_∧_∧_
デケデケ | |
ドコドコ < だからー!博論の検証まだー!!? >
☆ ドムドム |_ _ _ _ _ _ _ _ _ _|
☆ ダダダダ! ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨
ドシャーン! ヽ オラオラッ!! ♪
=≡= ∧_∧ ☆
♪ / 〃(・∀・ #) / シャンシャン
♪ 〆 ┌\と\と.ヾ∈≡∋ゞ
|| γ ⌒ヽヽコ ノ ||
|| ΣΣ .|:::|∪〓 || ♪
./|\人 _.ノノ _||_. /|\
ドチドチ!
- 28 :
- 東大なんだけどエラッソーにしてたDが論文予備審査落ちで学位取れなくて協力研究員で研究室に名前残して私大の助手になったらしい.
予備審査落ちることなんてあるの?
- 29 :
- 普通ない
しかしそれでも就職できたなら普通に勝ち組
- 30 :
- >>21
山梨の和歌山のこと
- 31 :
- ピペドって年収の相場いくらくらいですか?
ファースト何報あればなれますか?
私大出身で奨学金(借金)1000万背負ってるんでなんとしてもなりたいです。
- 32 :
- もっと人生の負債が増えますよ?
- 33 :
- K腐大の採用以来二十年間ノー論文の高齢万年ハゲ助教を何とかしる
- 34 :
- 今回の小保方騒動でますます「博士イラネ」の風潮が強まるだろう。
やめろ博士進学。 死ぬぞ。「まず自分の命を守ってください。」
- 35 :
- そもそも博士課程を進めてるやつにろくなのが居ないからな。
- 36 :
- http://www.riken.jp/outreach/recruiters/
転職事例のご紹介
recruit03
理研では任期制研究系職員のうち、毎年約500名が任期満了となり、うち約20%が企業へ転職しており、新たなフィールドでも研究現場で培った素養を活かし活躍しています。
研究者の転職事例
Aさん(35歳 男性)
理研:神経科学系研究室
専門:分子生物、細胞生物
経歴:民間企業→ポスドク3年
【本人の心構え・意識】
自身のキャリアの棚卸を通じて研究者としての将来を多面的に検討
知識を活かして社会貢献。知恵を経済的価値に変換して役立てたい!
【採用先と業務内容】
特許事務所:海外の技術を日本の特許庁に出願する書類にまとめる仕事
Bさん(36歳 男性)
理研:物理系研究室
専門:低温物理、液体ヘリウム
経歴:私大での助手
【本人の心構え・意識】
専門性に固執せず、飛び込む姿勢で企業未経験を克服
入社後は周囲とコミュニケーションをとり、疑問点や企業と理研の文化差をなくそうという意識
【採用先と業務内容】
精密加工機器メーカー:液晶用カラーフィルター用の露光機開発(新規事業)の仕事
- 37 :
- 最初から学部卒できちんと就職しましょうね。
- 38 :
- 地方の国立医卒だけど、30年ほど勤務医やって(厚生年金25年加入済)
経済的に余裕ができてから院に行く(旧帝ロンダ)ってうのは
ぜんぜんありだよね。
むしろ、それが理想的な博士課程への進学の仕方だよね。
- 39 :
- 博士号がゴールになってますやん
- 40 :
- リケジョは博士号とって嫁入り道具にするといい。
- 41 :
- 食えなくても自分の好きな研究したいっていう人には
いい時代になってきたのでは?
- 42 :
- 現在、以下のスレで生物板へのID導入の是非が議論されています。
賛否を問わず、意見をお持ちの方は議論に参加をお願いいたします。
【生物板ID導入議論スレ】
http://ai.2ch.sc/test/read.cgi/life/1395973893/
- 43 :
- 小保方さんが酔っ払って、手摺の上によじ登ったんですよ。
8階の吹き抜けでした。
危なかっしいなって見ていたけど、次の瞬間、小保方さんの姿が見えなくなっていたんです。
何処に消えたんだろうって不思議に思いました。
- 44 :
- データがちょっと弱いときに無理をしない。
背伸びしない。 そこで真価が問われる。
だからこそOAジャーナルも大切なわけ。
http://www.hindawi.com/journals/jir/免疫
http://www.hindawi.com/journals/pd/contents/ パーキン
http://www.hindawi.com/journals/ije/contents/ 内分泌
http://www.hindawi.com/journals/omcl/細胞寿命
- 45 :
- 痴呆国立大でも助教⇒准教授⇒教授への昇進に
毎年数本の査読原著論文がいる
そのときにOA雑誌ですよ
- 46 :
- 辰野由弥 と ひったくり で検索するのはやめて下さい。
名前だけで検索かける分には、少なくともYahoo!からではヒットしないように出来たんです。
だから、【 辰野由弥 ひったくり 】 で検索するのはやめて下さい。
- 47 :
- 過去5年で30本だしたのに
何故か科研費は全滅
可笑しいぞ
- 48 :
- 足洗った方がいいんじゃねw?
- 49 :
- 可笑しくねえよ
審査してる人にコネあるか?
論文ばっか書いてたらコネ作り怠ってるだろ
- 50 :
- コネのおかげでさきがけゲットした俺は勝ち組
論文無いけどなw
- 51 :
- コネは大事だよな
俺の知ってるの助教は40越えでファースト4報で、全てifは1~2でかつ
赴任後7年間で一報のみ、しかもそれも4年前。
登校拒否に追い込んだ学生は多数で、指導能力なし。
最近は9時18時勤務のイクメン、勿論データなし。
自分に甘く、弱い者には強い、ナルシストだが、
大御所とのコネがあるから、論文なくてもハラスメントもokで研究費もとれる。
かたや能力があるのに未だにポスドクって人もいる
こういうの見てるとコネって凄く大事だと思う
- 52 :
- これからは採用の時に、どこで取ったかに関係なく、博士論文徹底的に調べられるんだろうな。
かわいそうだな お前ら高学歴w
- 53 :
- ピペドが高学歴とか、頭わいてんの?
医者になれるなら、ピペドなんかになりませんて
- 54 :
- なんだ阪大以下か
- 55 :
- ハーバード大大学留学は危険がイッパイ
小保方⇒捏造
森口⇒冷凍トマト詐欺
岡本卓⇒遺伝子スパイ
金原⇒FBIに逮捕
西本育夫⇒帰国するもヒューマにン、ガン死亡
米澤カズ⇒神戸大教授、若くして死亡
雅子⇒お察しください
これ以外にもハーバード大帰りで苦労してる研究者や有名人はゴロゴロいる
- 56 :
- 迷えるポスドクよ
教師になれ
【社会】 小中教員不足深刻、講師足りず…授業3カ月無し
http://ai.2ch.sc/test/read.cgi/newsplus/1397133210/
- 57 :
- 英文を一回翻訳ソフト(ゴーグル翻訳など)で日本語に変換。
その日本語を若干手直しをする。
その日本語を翻訳ソフト(ゴーグル翻訳など)で英語に変換。
今はコピペを見つけるソフトがあるがこのソフトでもスルーされる。
つまり、コピペはばれないのだ。
翻訳ソフトを使えばなんら問題がなかったのに、小保方さんはこの方法を知らなかった。
知らなかった人、早速この方法をやりなさい。
コピペはばれません、安心できない人はもう1回翻訳しなさい、これでコピペは万全です。
- 58 :
- >>56
昔は実際に多かったんだよな。
自分の恩師(理科)も東大卒の博士だった。
- 59 :
- 小中とか高学歴ほど就いたらバカにされるよ
ああ、脱落者なんだね。せっかくお勉強したのに可哀想に(笑)ってね♪
- 60 :
- >>59
自分の恩師は定年退職後にアカデミックの世界に戻って非常勤講師やってる。
教諭になっても研究発表を続けていたのが良かったみたい。
- 61 :
- / ̄ ̄ ̄\
/ノ / ̄ ̄ ̄\
/ノ / / ヽ
| / | __ /| | |__ | 若山が怪しいってネットで流しちゃえ
| | LL/ |__L ハL |
\L/ (・ヽ /・) V 若山は真面目だから会見して証拠出すに決まってる
/(リ ⌒ (●●)⌒ )
| 0| __ ノ! それに辻褄が合うように嘘ついちゃえばいいや
| \ ヽ_ノ /ノ
ノ /\__ノ 丶
( ( / | V Y V | i |
| ( ) |
- 62 :
- >>56 >>59
中小企業でもいいよ…と思ったら、小中学校か
高校はあるけど中学の免許もたん…とっときゃ良かった
orz
>>60
いいなあ
- 63 :
- http://www.youtube.com/watch?v=EEcOx64N4-Q
- 64 :
- 丘崎の高齢は定年退職まで多様性リストラ部屋に居座るですか
- 65 :
- / ̄ ̄ ̄ ̄\,,
/_____ ヽ
| ピペド | |
| ─ 、 ─ 、 ヽ | | 凶授のせいで五月病になった。恨んでやる。
| ・|・ |─ |___/ ( )
|` - c`─ ′ 6 l ( )
___ヽ (____ ,-′___ ( )
(___ ヽ ___ /ヽ ___ )─┛
/ // |/\/ l ^ヽ/_/:::::/
|::::::::::| / ( ̄ ̄ ̄ヽ |:::::::| ̄
|::::::::::| |  ̄ ̄ヽ .ノ |:::::::| /
/ ̄ ̄酒 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/|/
/__________/ | |
| |-------------------| |
- 66 :
- JREC-IN見てると絶望的な気分になるな。最近は公募自体が少ない上に、テク二シャンの条件も酷い。細胞生物学も分子生物学も経験がある人に対して、時給900円台w。
- 67 :
- 今後のキャリアパスを考えると、すき家でバイトする方がずっと役に立つな。牛丼店は全国にたくさんあるし、小売は正社員になれる可能性もある。
- 68 :
- 丘崎の高齢
ちゃんと仕事しろよ
- 69 :
- プロスジェネティクスの次はあるのか?
- 70 :
- 創薬研究アウトソーシングと高学歴ワーキングプア(上) --- 城戸 佳織
2014.05.06
<その1> はじめに
私は普段、医薬品研究のアウトソーシングの仕事に関わっている。
少なくとも業界では、研究の外注は知られた話だ。だが業界以外の人に話すと、
「研究の仕事がアウトソーシングされるなら、世の中に安定な仕事なんて存在しないですね」
と、驚きまじりの反応をされることが多い。研究の仕事というのは、
とりわけ優秀で、高学歴の、ある意味選ばれた人たちがする性質のもので、
そのような人たちは仕事にあぶれたりすることはないと思われているようだ。
確かに医薬品の研究に従事する人たちは、
最近特に博士号取得者が多くなりつつある。私が普段仕事で接する人も、
5人に4人くらいは博士号取得者だ。普通の人に比べれば、ずっと高学歴には違いない。
ただみな優秀なのかは、議論の余地があるだろう。
それにたとえ実力があったとしても、研究テーマに恵まれない場合もあるし、
上司や同僚と折り合いが悪く、十分に能力を発揮できない場合ある。
研究という仕事は、スポーツよろしく
結果勝負のところもあるので、本来、国籍や性別、年齢や出身校など関係ないし、
どんなに努力したところで、結果が出なければ報われないものだ。
- 71 :
- けれど世間では、研究者は一生好きな研究をして、安定した生活を送ることができると考えられているようだ。
日本の技術力は高く、他の国の追従を許さないので、グローバル化にも全く無関係と考える人も多い。
でも実際研究という仕事、特に医薬研究分野においては、研究者は常に世界の誰かと戦う運命を背負っているし、日本人だから特別優位な立場にあるわけではない。
そしておそらく日本人の中で、最も日常的に仕事で英語の読み書きをする人たちは、英語そのものを仕事にしている人達を除いては、医薬系の研究者だろう。
そこでこの場を借りて、医薬研究を取り巻く昨今の環境の変化と、日本の医薬品研究者について気になるところを少しお話させていただきたく思う。
またこの仕事をしていて、最近多く耳にするようになった、いわゆる「高学歴ワーキングプア」と呼ばれる人たちについても、私の知りうるところ、考えるところを、書いてみたい。
<その2> 創薬研究アウトソーシング
私が勤務している企業は、新しい薬を作り出す研究(創薬研究)サービスを、世界の製薬企業やバイオベンチャーのために行っている。私が勤める会社の拠点は中国にある。
だが、この手の研究受託企業は、アメリカにもインドにも、欧州にもロシアにもある。
現在、医薬研究受託企業のメッカといえるのは中国とインドだ。
理由は、「そこそこのレベルの研究者が、そこそこの価格で利用できるから」であり、安いだけではダメだ。
それだけ今、中国とインドには、医薬研究のグローバル競争に対応できる研究者が、それなりの人数存在するといえる。
それではなぜ中国とインドに、医薬研究受託会社が増えたのだろうか。
一つには、若い研究者の潤沢なプールがあること。
中国、インドは人口も多いので、医薬研究に従事できる理系学生の数が多い。
二つ目に、彼らをマネージメントする人材の存在がある。
欧米では、30年くらい前から、製薬企業で働く研究者に中国、インド系移民が増えた。
当時、途上国から欧米に留学できるのは、特別優秀な人間に限られていた。
勤勉で真面目な性格と、実験科学を行う上での手先の器用さが、欧米人よりこの仕事に向いていたからなのかも知れない。
だがそんな彼らも10年ほど前から、自国の経済発展と欧米の景気後退の狭間で、しだいに帰国を余儀なくされたのだ。
- 72 :
- そして今、彼らは医薬品研究受託の会社を欧米企業向けに設立し、
あるいはプロジェクトのコーディネーターとして現地の若手研究者の指導にあたっている。
帰国組は、欧米で何十年も住人として生活し、仕事をしていた人たちだ。
たとえ母国に仕事の拠点を移しても、家族は欧米に残したまま単身赴任のケースが多い。
当然ビジネス英語も非常に達者だ。特に注意したいのは、
彼らはほぼ全員、博士号以上の学歴と、欧米企業で関連分野のマネージメント経験をもつ、
とびきり優秀な人たちということだ。
ちなみにPhDプラスMBAは、ごく普通のスペックだ。
差別的な意味合いはないが、海外の中華街の市場で働いている、
何年経っても母国語しかできない労働者や、中国国内で工場労働者として働く人とは、全く別人種と思う。
研究受託ビジネスは、プロジェクトの所有者と、研究する場所が変わるだけで、
研究という仕事の内容は変わらないので、ビジネスセンスがあれば、彼らにとっては楽な仕事なのだろう。
- 73 :
- <その3> 日本での研究アウトソーシング
一方日本では、創薬研究を丸ごと請け負うタイプの企業は存在しない。あるのは動物試験の受託など、
研究のごく一部のルーチン部分を請け負うタイプの企業だけだ。しかも彼らの顧客は主に日本企業であり、
海外に顧客を持っている企業は少なくともこれまではほとんどなかった。
理由は主に二つある。一つは、日本におけるに注意したいのは、彼らはほぼ全員、
博士号以上の学歴と、欧米企業で関連分野のマネージメント経験をもつ、
とびきり優秀な人たちということだ。なみにPhDプラスMBAは、ごく普通のスペックだ。
差別的な意味合いはないが、海外の中華街の市場で働いている、
何年経っても母国語しかできない労働者や、中国国内で工場労働者として働く人とは、全く別人種と思う。
研究受託ビジネスは、プロジェクトの所有者と、研究する場所が変わるだけで、
研究という仕事の内容は変わらないので、ビジネスセンスがあれば、彼らにとっては楽な仕事なのだろう。
人材の非流動性だ。日本では、いったん製薬企業に入れば、年功序列と終身雇用の壁に守られ、定年まで勤め上げるのが普通だった。
だから欧米のように、レイオフで製薬企業からベンチャーへ、あるいはその逆へという人材の循環が起こらず、
製薬企業の持つ創薬研究のノウハウがバイオベンチャーをはじめ、この手の受託企業に出なかったのだ。
二つ目に、外国語でマネージメントできる人材の不足だ。昔から大手日本企業から、
社員が海外に出向することはあっても、現地企業に長期で滞在したり、現地のラインに入って仕事をしたりすることはまれで、
出向先企業のノウハウを持ち込める人も、英語でビジネスできる人も殆どいなかった。
一般的に、日本の大企業から、海外に派遣される日本人駐在員は、
現地企業にとって「お客さん」であり、少しぐらい意味不明な英語を話したところでやり過ごされ、
現地の狭い日本人コミュニティーの中で、しばらくの間適当にやり過ごし、次の赴任者のために、
せいぜい現地の美味しいレストランでも探しておけば良い人達だった。
だから移民として、元々非常に優秀ながらも、
差別に苦しみながら実力でキャリアの階段を上ったと思われる、
中国系あるいはインド系マネージャー達とは当然比較にならない。
- 74 :
- しかも平均的な労働者が非常に優秀な日本では、苦労して部下をマネージメントする必要もないし、
それ故マネージャーとしての実力もつきにくい。海外経験も十分ではなく、
マネージメントの実力も劣るとなれば、グローバル化に直面した大企業が、医薬品分野にかぎらず、
こぞって海外から欧米人をありがたく社長に迎えたりする理由は納得ではないのだろうか。
現在、日本の製薬企業の研究開発の仕事は、英語なしで仕事ができない状況だ。
グローバルな視点で研究開発できないと、もはや巨額の研究開発費を回収できないからだ。
海外企業との共同研究も、今はごく日常的な光景であるし、
臨床試験を行う開発部門にいたっては、近年日本の製薬企業の殆どが、
実質的な開発拠点を米国に移している(市場規模の大きい、米国で最初に承認を得るため)。
特許についても、医薬分野では、米国出願が日本出願に先がけて行われるのが普通だ。
度重なる海外企業の買収で、買収先の研究者と共同で研究したり、買収先をマネージメントしたりする必要もある。
だからここ数年は、海外赴任者に求められる要求がずっと高くなっている。
医薬品業界で常に仕事で英語を使う人は、
TOEICで800点後半は最低必要と思うし、実際仕事で付き合いのある人達は、それ以上の実力がある人たちと思う。
他業界に勤める人と話をすると驚かれることだが、創薬研究の分野においては、海外企業とやり取りする場合でも、
企業秘密にかかわる部分が多く、高度に専門的な内容であることも手伝って、通訳や翻訳を介することは100%ない。
通訳や翻訳が登場するのは、研究開発の最終工程である、薬事申請という、お役所とかかわる業務に限定される。
日本ではなぜか、理系よりも、エリートと呼ばれる霞ヶ関官僚や、金融、法務、メディアにかかわる人の英語力の低さが、
外国人によく指摘されるところだ。それはおそらく、能力の問題というより、
それらの日本の中枢にかかわる人たちが、いつも国内を向いて仕事をしているということなのだろう。
- 75 :
- <その4> 研究アウトソーシングを必要とする背景
製薬企業が研究アウトソーシングを利用する背景は何だろうか?それは日本以外でもそうだが、承認される薬の数が減っているにも関わらず、
新薬を生み出すために益々巨額の投資を必要とするようになっているからだ。しかもヒトで医薬品の効果を試験する開発コストはなかなか削減できないので、
研究のパフォーマンスをある程度維持しつつ、コストをいかに削るかが、どの企業にとっても頭の痛い課題になっている。
この問題を解決するため、欧米では自社の研究員を解雇し、
プロジェクトそのもの、あるいは一部を受託企業へ「外注」するという手法をとるようになった。
その方が、予算の増減に合わせ、必要に応じてプロジェクトをマネージメントしやすい。
それに社員に必要な年金や健康保険など、益々高騰する社会保障費の負担を回避できる。
一方日本では、秘密保持の問題や、言葉の問題があり、
海外企業への研究のアウトソーシングは、最近でこそ増加傾向にあるものの、最初は全く流行らなかった。
バブル崩壊後、日本でもかなりの研究費縮小を経験しているはずだが、
新卒の新規採用を極限にまで抑え、社内の研究者のキャパを強制的に上げる手法(?)で長らく凌いでいた。
一人当たりの残業を増やしながら、人数を抑制することで、会社全体の人件費を圧縮したのだ。
余談だが、企業の正社員では、「残業代の増加」という一時的な目くらましがあったために賃上げが進まず、
バブル崩壊後の日本経済のデフレにつながったのではないだろうか。
- 76 :
- 一方で近年、日本の医薬品研究において増えたのが「派遣」研究員だ。
昔は、修士号や博士号を持ち、仕事の意欲もあるが、
結婚や出産、配偶者の転勤を機に仕事を辞めざるをえなかった女性が、また研究者として働きたい、あるいは家計の助けにと、
時給1000円にも満たない金額で、パートの実験助手として働いていた。
この事実は、配偶者控除の範囲内という目的のため、あるいは絶対数が少ないために、
彼女達の役割がたとえ大きいとしても、長らく無視され続けてきた。
最近は研究派遣がこれにとって変わり、研究の中でもルーチン化できるものは、派遣研究員が行うようになった。
ただし彼らは、つい最近まで、3年で正社員にしなくてはならないがために、
3年で自動的に契約満了の期間雇用という立場であった。
3年で辞めるとわかっている研究者に、研究の重要な部分を担わせるわけはなく、仕事の内容も研究補助であって研究ではない。
派遣期間の制限が撤廃になれば状況は変わるかというと、果たしてどうだろうか。
逆に正社員VS派遣という階層の対立を一層深めることになるかもしれない。
- 77 :
- <その5> 研究者間の序列
世間は今、「格差」という言葉にやたら敏感になっている。
だが、どんな仕事にも、どんな時代にも格差やある種の序列は存在すると私は思う。
同じ企業に勤める研究員の間にも、昔から序列は存在したし、今でもある。
例えば、同じ創薬研究の中でも、新しい薬をゼロから作り出すケミスト(最近ではバイオロジクス創薬もあり、バイオロジストの場合もある)が、
階層の頂に位置するし、発明者として特許に名前を載せることができる。
日本では、ケミストはたいてい男性だ。
彼の作った化合物を、活性があるかどうか試験したり、動物に投与して安全を確かめたり、
あるいは分析するような仕事の多くは、女性の研究員が行い、彼の発明にどんなに貢献しても、
彼女はほとんどの場合、発明者として特許に名前を連ねることはない。
- 78 :
- 研究の世界では、新しいものを作り出すことができる人が階層のトップであり、
その発明を支える仕事は同じ研究に関わっていても、重要度が低いと思われている。
研究の世界に男女の別はないはずだが、実際には男性の方が、より高い階層の仕事についている場合が多い。
サポート部門で働いている研究員は女性も多いが、管理職になるのは、日本ではたいてい男性だ。
私は欧米や中国、インド、日本の企業と、
主に企業で創薬研究にかかわる人々と会う機会が多いが、
日本ほど研究に従事している女性管理職が少ない国はないと感じる。
筆者が、これまで一番女性の割合が多いと感じたのはオーストラリアで、男女半々くらいだったが、
噂によるとイスラエルはもっと女性の比率が高いらしい。
日本の女性の管理職は、医薬研究分野において、
女性研究者が少ないと思われているインドよりもずっと少なく、私の個人的実感として1%程度と思う。
ただし日本では、学歴や学位による序列は海外ほど顕著ではない。
- 79 :
- 私が最初に入った企業は、ドイツの大手化学企業の日本法人の研究所だった。
そこで知ったのは、欧米では研究者間の序列は日本よりずっと厳格で、博士号を持たない研究者は、
基本的にどこかのタイミングで博士号を取らない限り、一生実験助手のままということだ。
ドイツでは特に、それが厳格だったようだ。
そのドイツの会社では、ケミストと呼ばれる博士号取得者は、新卒入社でも自分の研究室と、
何人かの実験助手が与えられる。実験助手は基本9時から5時までの勤務で、タイムカードがある。
一方、ケミストは裁量労働制で、極端を言えば出勤の必要もない。実験は全て助手が行う。
そしてケミストと実験助手はファーストネームで呼び合ってはいけない。
ケミストにはHerr/Frau Dr. XXXと呼びかけ、敬称の「Sieを使って会話しなくてはいけない。
実験助手とケミストは、給料も桁違いだ。ただし、ケミストはプロジェクトの結果について全責任を負う。
ケミストで採用されたのであれば、最初から自らのプロジェクトをゼロから生み出さなくてはいけないし、誰かに教わることはできない。
終身雇用だが、全く成果が出なければ、解雇される。
助手はボスがクビになったら、別の研究室に移ればよいだけだ。
ケミストはまた、実験助手が行う実験について、それが原因で起る全ての事故責任を負うという契約に、最初にサインをする。高待遇だが、責任は極めて重い。
そして最初からマネージャーであることが求められる。
責任を負いたくなく、出世にも興味がなく、好きな実験だけを仕事にしたいのであれば、苦労して博士号など取る必要はない。
専門学校を出て、実験助手の仕事を選び、仕事とプライベートを充実させればよいのだ。
経験のある、腕の良い実験助手は、どこのラボでも重宝され、
しかも終身雇用のため、少なくとも20年ほど前までは一生安泰だった。
どちらの立場がよいかは、個人の選択による。優劣をつける問題ではない。
- 80 :
- 今の日本じゃ、博士の正社員様は、結果に責任を取らず、ろくな薬も開発できない。非正規博士は、すき家のバイト以下の待遇で、家族も持てない。
- 81 :
- 小保方は製薬会社では採用は無理
- 82 :
- 丘崎の高齢の遺棄先はどこですか
- 83 :
- __
/ ☆ \
ヽニニニノ
| ノ 凶授 ヽ ( ) まだ5月大型連休中の魔熊です。
/ ● ● | ( )
__| ( _●_) ミ__ ( ) ピペド君病気だったの? 研究室の猛毒ならいくらでも
(_. 彡、 |∪| 、`__ )─┛ 飲んでいいんだよ?楽になれよ。
/ / ヽ ヽノ /_/:::::/ ダーッハッハッハッハッハッハッハッハ
|::::::::::| / ( ̄ ̄ ̄ヽ |:::::::| ̄
|::::::::::| |  ̄ ̄ヽ .ノ |:::::::| /
/ ̄ ̄旦 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/|/
/__________/ | |
| |-------------------| |
- 84 :
- このスレの1なんだけど、オレが最初にスレ立ててからもう10年くらい続いてるな。
オレが最初に書いた1の内容が大幅に改訂されていてわろたよ。
- 85 :
- それで、現在のあなたはどうよ?
- 86 :
- いまも高齢万年助教だお
毎日楽しいお
- 87 :
- <その6> 日本の博士号取得者の置かれている状況
日本の製薬企業の研究においては、
学位による研究者間の序列は、逆に明確ではない。
たとえ博士号を持って入社したとしても、最初の数年は上司について丁稚奉公だし、
修士や学士号しか持っていなくても(最近は減ったが)昇給が多少遅いだけで同じだ。
中国では、修士号取得者の初任給と、
博士号取得者の初任給では、倍近い開きがあるが、
日本では博士号を取った研究者に、給与において今ひとつメリットがない。
ドイツのように、最初からプロジェクトを丸ごと任されることもないし、
逆に責任を負わされることもない。
- 88 :
- 会社によっては、ある程度、
研究者の意思でテーマを選び、実験できる企業もあるようだ。
だが、博士号を持っているから、
修士号しかないからと、テーマや実験のレベルに制限はつかない。
日本では、研究者は学位に関わらず、
皆平等に扱われる。日本の研究者は、
最初は皆実験の日々だから、欧米人に比べ実験が上手だ。
実験科学では、理論だけでなく、実験から学ぶことも多いので、
全体として優秀な研究者が多くなるのだろう。
研究者が、実験だけで評価されるとすれば、
日本人研究者ほど優秀な研究者はいないと確信する。
日本の会社で働くメリットは、学歴に関係なく幹部候補生になれる点だが、本人の意思とは関係ない。
最近では管理職にならず、専門職として定年を迎えられる制度も整備されてきている。
が、それは管理職のポジションにあぶれたおじ様たちのもので、最初から別採用は一般的ではない。
だから、男でも女でも、正社員なら定時で子供を保育園にお迎えに行くなど難しい。
そうしたい人は、会社を辞めるしかない。
- 89 :
- つまり日本は、研究において、入社する前に、
ドイツの博士のように自分でなんでもできことは期待していない制度を持っていたし、今でもそうなのだ。
だからこそ修士課程で卒業しても博士課程を卒業しても、
大して給料の差がなく、一定期間のOJTを経て一人前になることを求められる。
現在の仕事で、会社のスタッフを連れ、
日本の製薬企業の研究所を訪問し、面談することもある。
中国系アメリカ人のスタッフに、
「彼は博士号を持っていないのに、プロジェクトのことがよくわかっているね」と、
博士号を持たない製薬企業の研究者について、感心されたりする。
私からすれば、日本では、別に博士号を持っていてもいなくても、研究内容は同じなので当然なのだが、
欧米+中国の研究者から見ると、普通ではないらしい。
つまり欧米では博士号取得者と、それ以外で明確な区分けがあり、
仕事の内容も違うし、働き方も全く違う。
- 90 :
- <その7> 医薬研究分野における雇用のミスマッチ
日本の派遣研究者は、海外における博士号取得者以外の研究者立場に似ている。
ドイツでは、実験助手の事故責任はケミストが負うと紹介したが、日本ではどうか。
正社員ならば、実験中何か事故があった場合、それが研究者の自由意志の実験であろうとなかろうと、
例えば、あえてサリンを合成するような自殺行為的な実験内容でない限り、企業が補償するだろう。
アウトソーシング(請負)の場合は、法律上、請負会社で補償することになる。
だが、派遣の場合、責任の所在が今ひとつ明確ではないのではないか。
補償が適用されるためには、「全ての仕事を派遣先の指揮監督下で行う」必要があり、
そうするためには、派遣研究者は創造性など発揮できないし、
言われたことを行うだけのロボットにならざるを得ない。
これではそもそも「研究者の派遣ではないし、立場的には、
家庭の事情でブランクのある元女性研究者のパートと同じ扱いだ。
それに限定された仕事を続ける限り、研究者としてのスキルは身につかないし、
企業も、たとえ派遣の期限が撤廃されても、何年かの勤務を経て、
研究者として正社員で迎えることはあり得ないと考える。
- 91 :
- 大学院重点化の折、日本の競争力を上げようと、博士号取得者を増やそうとしたが、それは正しかったのか。
元々日本の研究環境に、少なくとも企業においては、彼らを受け入れる受け皿はあまりなかったのだ。
それよりも、研究レベルを上げるのであれば、博士号取得の基準をもっと厳格にし、
なかなか取得できないシステムに変えてもよかったのではないのか。
果たして定員を増やすこと=レベルを上げることだったのか?
- 92 :
- 現在は博士課程の定員の充足率により、国から大学に出る補助金の金額が増減するシステムになっている。
だがこれを例えば、博士号を取得する学生の、論文のインパクトファクターの
平均点が高い順に、定額の補助金を出すシステムに変更したらどうだろうか。
そうすれば、大学は自然と少数精鋭を狙うよう、システムを変更するだろう。
地方の大学や私大でも、学費の免除や、奨学金を優秀な学生に給付をすることで、一発逆転を狙うことができるかもしれない。
良い学生が集まらない大学や学部は、廃業でよいのではないか。
就職氷河期時代、大学院生だった研究者達は一体どうしただろう?
当時、タイミングよく起こった大学院重点化で異常に拡大された定員を埋めるべく、
無意味に進学を勧められ、博士号は取ったものの、路頭に迷った人も多かったはずだ。
当時はまだ、課程博士以外にも、論文博士という「奥の手」があり、
優秀な学生は修士号を取ってすぐに企業に入社し、数年勤めてから、
働きながら論文博士を取る手法が一般的だった。
逆に博士号を取ると、アカデミア以外の就職先はあまりないと言われたものだ。
- 93 :
- 当時博士号をとって就職できなかった研究者達は、その後ポスドクと呼ばれる、
期限付きプロジェクトこなしつつ、大学のポジションを見つけるか、企業の研究ポジションを見つけるタイミングを計っていた。
が、結局ポスドクを、実質的な年齢制限の35歳まで続けた結果行き場所がなくなり、最後は派遣で働いているという人も少なからずいる。
しかし、前述したように、派遣から正社員への登用は、製薬企業側の立場で考えるとまずない。
何しろ、日本の製薬企業も、ここ10年ほどは合併を繰り返し、
欧米ほどではないものの、研究者の人数は確実に減っている。
合併を経験した某製薬企業の五十代の研究者の話によると、彼が新卒のころ、
毎年100人ほど採用されていた新卒研究者の数が、同規模の会社と合併したのにもかかわらず、
気がつくと50人も研究所の新卒の採用がないという。
- 94 :
- <その8> 研究者を養成するための大学教育の今後
大学院重点化により、日本の大学院の定員は、少子化にも関わらず飛躍的に伸びた。
学部を新設する大学も多かった。だが企業の受け皿は確実に減った。
新設された大学のポストは、定年後のお小遣い稼ぎをしたい段階の世代、
あるいは天下り先を確保したい官僚にうまく利用されただけで、
若者にはメリットにならなかったように思う。
- 95 :
- そして増えすぎた大学院は、つぶすこともままならず、今や多くの大学が、留学生で無理やり定員を埋めている。
もう少し時間がたてば、過去に歯学部で起こったように、私学の定員は維持される一方で、
授業料の安い地方国立大学の定員はカットされる事態になるかもしれない。
税金の投入比率の高い学部は積極的に私学へ移行し、金持ちの子弟だけが通えばよいというわけだ。
日本の高学歴ワープアと呼ばれる研究者には、
学部から大学院まで、学生支援機構の奨学金を借りていた人も多く、総額が1000万円近い人もいる。
それに加え、非正規労働の繰り返しで、研究者の最も重要な経験やスキルが身につかず、年金も健康保険も未払い、
果ては精神疾患を患って引きこもっている人もいる。
今のところ親と同居して何とか屋根のある暮らしをしている人も、
親が高齢化し、路上生活になる人が確実にでてくるだろう。
博士の需要が最も多いと考えられている医薬系でこの状態なのだから、文系博士に至っては、
惨憺たるありさまなのは容易に想像がつくのではないか。
- 96 :
- >>85 当時よりは良い状態だよ
>>86 大講座制の高齢万年助教はこの上なく幸せだと思うけど
- 97 :
- 医薬業界は今、従来型の研究開発の手法の行き詰まりという、閉塞感に覆われている。
業界は新しい何か、それが再生医療なのか、あるいはまた別のものなのかはわからないが、
とにかく既存の技術を大きく変化させる何かを待ち望んでいるように思う。
そしてそれは、旧来の研究手法を踏襲した研究者が生み出すことは、逆に難しいように思える。
だからこそ医薬業界は、若く優秀な人材を求めている。しかし現状は、
優秀な人材ほど日本の研究環境に失望し、そっぽを向いているように思う。
今や創薬研究は、高度に分業化されたルーチンワークの集合体になり、
全体を掌握できる研究者はわずかしかいない。研究者の高齢化も進んでいる。将来は益々不透明だ。
- 98 :
- 一方の教育現場では、増えすぎた博士課程の定員を埋めるべく、
今や社会人にも課程博士取得の門戸を広げている。
だから、働きながら博士号を取ることは以前より容易になった。
しかも社会人入学は、試験も論文審査もゆるいのだ。
このような状況で、学部から博士課程に進学したいという人は、よほど経済的余裕のある家庭出身か、
よほどモラトリアムを延長したい、働きたくない学生のどちらかではないだろうか。
本当に頭のよい学生なら、博士課程に進学するリスクを客観的に評価できるし、とりあえず安定した就職先を確保するのではないか。
現に、学部から博士課程に進学する学生はここ数年減少しているという。
同時に博士課程修了者の全体的なレベルの低下も、大学院改革後は著しいという。
それが日本の研究者のレベルを引き上げるという命題のもとに行われた教育改革の結果なら、こんな皮肉なことはない。
- 99 :
- だから教育現場としての大学と、産業界がもっと歩み寄り、
ニーズに合わせた教育を提供すべきではないだろうか。
なによりもまず、文部省と厚生労働省が管轄の垣根を越えて真剣に話し合うべきだろう。
アカデミアや産業界は、短期的な評価にとらわれず、長期的な視野に立って人材を育成することが、
結局は遠回りのようで、産業の発展に貢献する近道になるように思う。
ちなみに中国では10年ほど前から、
政府が海外企業の創薬研究を受託する企業を積極的に後押した。
それらの企業で働く若者たちは、
製薬企業の下請けプロジェクトをこなしながら、創薬研究のノウハウを学んだ。
また、多くの若者が相変わらず海を渡り、
その一部は母国に戻って研究活動に従事している。
そして今中国では、どこかの企業の研究を請け負うのではなく、
自らのアイディアで医薬品を作り出そうとする企業が、次々生まれようとしている段階だ。
- 100 :
- 日本はこれから益々高齢化し、労働人口が減少する。資源の少ない日本で、人材こそが貴重な資源であることを再認識し、それぞれが持てる力を発揮できるよう、個人の能力を無駄にしないよう、早急に環境や制度を整えるべきではないだろうか。
城戸 佳織
Shanghai ChemPartner Co., Ltd.
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