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福本伸行×かわぐちかいじ作品 連載中


1 :2016/08/15 〜 最終レス :2020/02/06
1998年4月1日に創刊された『ヤングマガジンアッパーズ』にて
原作・福本伸行 作画・かわぐちかいじ
の両先生によるコラボレーション企画が立ち上がりました
この漫画について色々語りましょう
なお、この作品は病に犯された身体にムチうつことで1日1話のペースで連載されるようです
たまに変な時期に合併号ができたり休載したりしますがしかたない
原稿を落としてしまった粗筋書きが悪いのだ・・・・!

※注意※
連載中スレとは連載終了した漫画作品を第1話〜最終話まで順々に、
『現在連載されているもの』つまり現在進行形で語り合うスレです。

●ただし、あらすじは単行本基準で進行していきますが、
●まれにページが多く、やむを得ず同シナリオでも複数に分ける場合があります。
●(「第1話・A」とか「第2話・前」等)
●スレ住人から教えられた場合は別ですが、この場合、
●区切りのいい所や一定のページで一旦切り上げる場合があります。ご了承下さい。

ネタバレ発言はご法度。現在明かされてる情報のみで語り合いましょう。
連載中スレにそぐわない話は楽屋裏スレで行いましょう。
次スレが立ったら or 連載終了して合図があったら楽屋裏! 現代に戻って好き放題に語り合え!

関連スレ等
連載中スレの楽屋裏 第34幕
http://tamae.2ch.sc/test/read.cgi/csaloon/1358072497/

連載中スレまとめ
http://rensaimatome.blog.fc2.com/

連載中スレ過去ログ倉庫(更新停止中)
http://rensai.nobody.jp/

2 :
聞いてしまった あいつが・・・・悪いのだ・・・・!!

  
    告白 −CONFESSION−


吹雪の山中に、岩陰でその吹雪を凌ぐ二人の登山家の姿があった
彼らにとっては慣れ親しんだ尾張の山道であったが
経験したこともない猛烈な猛吹雪が、彼らに方向を見失わせてしまった
本当ならばすでに第三山小屋に辿り着いていなければならないが…
不運はさらに重なるもの 寝袋に包まれ横になる男の相方
彼の方は崖を上る際、足を滑らせて山の岩肌に足をぶつけてしまったのだった

ケガと吹雪も相まって、相方は夜は超えられまい、と見る男
彼は天候の切れ目を待つこともできるが…仮に雪が止んだとしても相方は一人で歩けまい
その状態で相方を背負いながら山小屋を探しさ迷うのも現実的ではない…
…不意に、相方のほうが「すまなかった」と謝罪の言葉を洩らす
あの事故さえなければすでに山小屋まで辿り着いていただろう…
そんな弱音を吐く相方を励まそうとする男 
山小屋の近くまで来ていることは間違いない、雪さえ止めば背負っていけるというが相方はそれを否定

「できもしないことを言うな オレは体重80キロ
 身軽でなきゃしょっぱなの山小屋からして辿り着けねぇ 2人して死ぬことになる・・・・
 お前はオレを置いていくよ」

相方の吐く残酷な現実に、男もかける言葉が見つからない…

3 :
もはや死を覚悟した相方を励まそうとするが…不意に、相方は「重かった」と呟くと
突如涙を流し、男に「許してくれ」と言って

「オレが・・・・ オレが殺した  さゆりを殺したのはオレなんだ」

相方の突然の 告白 に、男も眼を見開いて驚愕する

「オレが殺した・・・・ オレが手をかけたんだ
 5年前のあれは事故じゃない 事故で片づいたが 事故じゃないんだ」

その告白と共に、相方がさゆりと雪山で顔を見合わせる場面が思い返され
相方は突如、さゆりの首を絞め… そして相方はかすかに雪の降る山から逃げ出した…

 ―J大山岳部 西田さゆりさん行方不明!!―

 ―西田さゆりさん発見 死後半年!!―

新聞か週刊誌の見出しだろうか そんな記事を思い出す男…

「聞いて欲しかった 誰かに・・・・いや・・・・
 オレがこのことをしゃべるとしたらお前しかいない お前だけが大学の後でもオレに優しかった
 オレには・・・・唯一友人と呼べる人間はお前しか・・いない・・・・・・
 もっと早く・・・・ なぜ もっと早く言えなかったのだ
 あの時・・・・あの事件の後 あの時・・・・あの事件の後すぐに言うべきだった
 そうしたならこんなに苦しまずにすんだ・・・・
 なぜ・・あの日 いおや あの日でなくともその翌日でも 言いだせなかったのか
 浅井・・・・ オレは卑怯者だ すまないと思いつつ死体が発見されないのをいいことに・・・・」

そういって何度も男…浅井とさゆりに悔いる相方

4 :
「オレもボロボロだった・・あの日以来・・・・すべてにやる気を失って・・・・
 就職も上の空で・・・・何か・・人ひとり殺したオレが・・まっとうな人生を歩いていいのか・・って・・・・
 いや・・・・もちろん この半分以上は詭弁
 オレは・・・・オレの実力によって 怠惰 愚鈍によって人生を放り投げてきたんだ
 この・・ 今うまくいってない人生は・・・・オレがまねき入れたものだ・・・・
 でも・・なんというか さゆり オレは悔いてきた
 本当に悔いてきたんだ すまない・・と思いつづけて・・きた
 だから・・・・もうオレを許してくれ」

その後も泣きながら、何度も許してくれと懺悔する相方…石倉
浅井は、そんな石倉の死を前にした最後の告白に「もういい」と言ってくれた
その言葉に、石倉の泣き顔に安堵のような色が混じる…

「ありがとう 5年ぶりに深呼吸をした気がする・・・・」

これで心残りはなにもない、と石倉も死を受け入れようとするが…
……不意に、浅井が何かに気がつき、あたりを見渡すと

吹雪が晴れた目の前に、山小屋がその姿を現していた

喜ぶ浅井が、これで助かると石倉を寝袋から出して、その体を背負いながら山小屋へと向かう
さすがに石倉一人で手一杯なのか、荷物はひとまずその場において置くようだ

…石倉をおぶさり、山小屋に向かおうとする二人
だが、死の危険を切り抜けたはずの石倉の表情は、どこか複雑そうだが…?

<続く>

5 :
誰だよ…最初にこのコラボをやろうと言い出したヤツは?カイジ繋がりかw

6 :
http://goo.gl/JPdKR

7 :
iine

8 :
ようやく福本伸行に原作やらせる気になったか!
味があるとか何とか言う奴も居るがヘタクソもいいとこなんだからもっと早くこういう企画やるべきだろ!
しかし作画がかわぐちかいじとは・・・よく了承したな

9 :
浅井の方はともかく、石倉の方はけっこう福本画を意識してる顔つきだな
福本独特のこゆい心理描写を描かせるんなら、割と劇画調のかわぐちかいじは悪くないんじゃないかな

10 :
    告白 −CONFESSION−

息を切らせながら石倉を背負い、どうにか山小屋に辿り着いた浅井
滑り込むように山小屋の入り口で寝転がり、一息つく浅井であった

公衆電話で救助を要請する浅井 幸い小銭も20円ある
しかし、さすがに吹雪が激しく夜も近いため今日は救助に向かうのは無理とのこと
明日も天気予報では厳しいようで、救助に向かうのは明後日以降になりそうとのこと
ともかく行けるか行けないかに関わらず連絡はする、とのことだが…残念ながらそこで通話時間が切れてしまう

とはいえ最低限のこと…遭難の事実、こちらの居場所、ケガ人の存在などは伝えられた
石倉にもこれで助かる、と声をかけるが…石倉は何故か気のない返事を繰り返すばかり…
…その石倉の態度に、先ほどの死の淵での告白…あの告白を悔いているというのを確信する
どうにも気まずいが…ひとまずはストーブを焚いてお湯を作ってあげる

(石倉・・・・何を考えている 俺が話すとでも思っているのか さっきのことを!!
 バカな・・バカな・・バカな・・
 話したりなどしない!オレは墓までもっていくつもりだ
 さっきの告白をオレは他言などしない! 絶対にしない!! しないっ!!
 他言などしない しかし・・・・ しかし・・・・

 そうなんだ 後悔ですめばいい 悔いているうちはいい 問題はその先!!
 つまりこの悔いを解消する暴挙に思いが至ること
 最も原始的で 最も現実的なある行動・・・・ つまり・・・・)

その考えが浅井によぎるが、その考えを振り払おうとする
むしろこんな考えに囚われる自分がおかしいのでは、と思い始める浅井だが…

11 :
怪我をした足をお湯につける石倉 だがそのケガの具合は予想以上に深刻なようだ
骨折で当て木をしたのが裏目に出たようで、締め付けられて足の感覚が死んでしまった様子…
…時間を見ると三時の半々 浅井はひとまずザックを取りに外に向かおうとする
色々必要な荷物も入っているし、明日には雪が積もってとても探せないだろう
……外に出てザックに向かいながら、浅井は帰ったら切り出そうと心に決める
今の状況で黙ったままなのはよろしくないと考えてのことだが …しかし浅井も疲れがたまってきたか少々息が切れ気味

二人分の荷物を担ぐのはさすがに無理があるため、まずは一つだけもって残りはまたにすることに
目印に立て看板のそばにザックをかけておけば雪が積もっても掘り出せるだろう
ひとまず山小屋に戻る浅井だが、山小屋に入ろうとしたところで

「はい・・・・いえ・・・・  ひ と り です・・・・・」

救助隊の電話に、そう答える石倉…その言葉に浅井は不信感をさらに強める
ひとまず山小屋に入りストーブの火に当たる浅井だが…

(ひとり・・・・ひとりとはどういうことだ ここには2人いるじゃないか
 なぜひとりなんて言い方をする・・・・ それはつまり・・・・
 救助が来る頃にはひとりになっている・・・・ということか!?
 "あのことを" 知ってしまった人間は・・・・ 死んでもらう!?)

その考えに浅井の顔から血の気が引いてくるが…考えすぎ、と自分に言い聞かせるものの…
浅井の不信感が、次第にその心を蝕み始める……

<続く>

12 :
初っ端から緊張感スゴいな、正にこの辺は福本らしい
共倒れか、両方生還かどちらかが死ぬのか
かわぐちかいじならなんだかんだハッピーエンドと思うが
これ福本伸行なんだよなぁ・・・

13 :
一番最初のアレ(聞いてしまったアイツが〜)を聞くに当たり
どう転んでも浅井は死ぬ以外のルートなさそうだけど、どうなんかな…

14 :
かわぐち×福本なんてギャップがありすぎてミスマッチかと思ったが意外といいな
福本絵より緊張感がある

15 :
5時半前…2人が山小屋に到着してから1時間ちょっとが経過していた
浅井は、石倉の「ひとり」の意味を問いただせば、それでいいはずと考えていた
自分ひとりで変に思い過ごしているだけ…その可能性が一番高いのだが… しかし…

  告白 ―CONFESSION―

(もし・・・・ もし・・・・最悪の想像が事実ならどうだろう・・!
 奴の後悔―― あのさゆりを殺したという告白の後悔が・・・・
 もう次の段階に進んでいるとしたら

―こいつさえいなければ そう こいつさえいなくなれば・・・・ 全て・・・・問題は!―

 という狂気に踏み出していたとしたら あの・・・・「ひとり」というセリフは・・・・
 殺人を隠す布石! つまりこの山小屋に辿り着いたのはもともと一人で
 あと一人は・・・・ 

―知らない・・途中ではぐれてしまって・・―

 そういう布石かも いうならば決意表明
 救助隊が来るまでにこの山小屋の人間を一人にするという・・・・
 つまり・・・・ 殺人の!!
 い・・いや 考えすぎだそんなことはない! おかしいぞ俺は・・・・ 誇大妄想だ!!)

必死で自分に言い聞かせる浅井だが、どうしてもその疑いの疑念を振り払うことが出来ない…

             たいていの場合 時は薬である
    だが ある出来事 ある事件での粘着力が あまりに強大なとき
       心は過去に縛られ その過去で時が止まってしまう
    心の中で時が流れなくなる その時 現実に流れる時は毒に転化する
    感情は膿み 腐食し 崩れ 変異する 毒の液が心の中をかけめぐる

          2人の「時」を あの「告白」が止めてしまった・・・・

16 :
……山小屋に、何かを突き刺すような音が聞こえ始める
何かと思い顔を上げると、石倉がお湯につけた足にナイフを突き刺していた…!!
足の感覚が戻らない、と呟きながら何度もその足を突き刺す姿に浅井も戦慄する

石倉のその常軌を逸した様子からも、とてもじゃないが事の真相を問いただせない
ヘタに刺激してヤブヘビと言うこともありえる… 変なキッカケは作りたくはないが…
と、そこで浅井が思いつく 携帯で電話して本部に確認すればいいと
あいにく浅井はもっていないので石倉に貸してもらおうとするが
石倉が見せた携帯は、どこかでぶつけて壊してしまったらしい…
ついてない、とぶつくさ文句を吐く石倉だが…浅井はそれを信用しきれない

(壊れていた?信用していいんだろうか・・・・ 都合がよすぎないか?
 そう・・都合が良すぎる 故意じゃないのか?これはオレと外部との連絡を断つための・・・・!!)

浅井は台所で何かを探そうとしているようだが… そこに石倉がスキースティックを杖にしつつ背後から声をかける
どうやら何か食事でも作ろうと思ったようだが、包丁が見当たらないとのことで…
…すると石倉はナイフを取り出し…!   浅井に投げ渡してくれた

(考えすぎか やはりオレの・・・・思いすごしか)

自分の考えが間違っていたことで一息つきつつ野菜を切る浅井
と言うわけで晩御飯に野菜スープを2人で食べるが 石倉に先ほどのナイフを返してほしいと言われ…
ナイフを掴み、差し出そうとする浅井の顔は… はっきりと脅えの色を浮かべてしまっていた
そんな浅井にちょっと目を丸くしたような石倉…

(お・・教えてくれ オレが間違っているのか・・・・?
 それとも正しいのか!? 正しいとすれば・・・・ オレとおまえは殺し合うのか!?)

自らの恐怖に葛藤する浅井 時刻は8時前になるところであった…

<続く>

17 :
>……山小屋に、何かを突き刺すような音が聞こえ始める
>何かと思い顔を上げると、石倉がお湯につけた足にナイフを突き刺していた…!!

うわあこのシーン怖え・・・
これは浅井でなくても同じ空間にいたくないわ・・・

18 :
高山病か何かで頭をやられてるのかな。
この作品のジャンルはオカルトとかホラーじゃないよな。

19 :
少なくとも麻雀では無いな

20 :
ココロ・・・・ ココロ・・・・ 心が・・・・ 難破し始めていた・・・・
「石倉の殺意」という幻想にとらわれ 悲鳴を上げていた
何があろうと・・・・・それを・・・・・石倉の殺意ととってしまう・・・・

病んだ・・・・心 

そのココロが徘徊し・・・・浮遊し・・・・結局 何も確認はとれず 消耗する
この状態がさらに進めば・・・・オレは・・・・ 狂うやも しれぬ・・・・

石倉の幻想の殺意に精神をすり減らし、血走ったような目と化した浅井
…石倉がトイレに席をはずすと… 浅井はそこの物陰に包丁と斧を隠しているのではと思い
あたりを必死で探し回り、ひっくり返しまくるが… 無い… 無い… 無い!
そこに帰ってきた石倉に声をかけられるが…薬を探していた、とごまかす浅井
毛布に包まり息を切らせている浅井だが… 不意に、もう一度自分のザックを取りに行くと言う

(俺のザックには"携帯"がある 本部に連絡してさっきの「ひとり」と言っていた
 石倉の真意を問えばすむこと
 ハッキリさせるんだ なんとしてもハッキリ・・・・)

……だが、浅井の体調は予想以上に悪化していた 息切れも激しく頭痛までしてきた
膝をつき雪原に倒れる浅井…吹雪も厳しくポールの位置も掴めぬため引き返そうと振り返るが
振り返った先にあるはずの山小屋すらつかめないほどの猛吹雪であることに、今になって気づく
かろうじて窓から見える明かりを頼りに戻ることで遭難を免れるが… そこで一つの考えが思い浮かぶ

(待てよ そうだ 俺がいなくなれば奴は何か別の・・・・
 二人の時には決して見せない行動をするのでは
 石倉の計算ではまだオレが戻る時間ではない
 何か そのての動きをするとしたら今はまさに千載一遇のチャンス・・・・)

21 :
こっそり山小屋の壁を伝い、窓から石倉の様子を伺おうとする浅井だが…
山小屋の中に、石倉の姿が見当たらない…?
……すると、石倉は玄関側の窓からこちらを覗き込み、その窓をコンコンと叩いていた

 オレの疑い・・オレの醜い行為を 見られてしまった―――――

だが、石倉は何も言わず、玄関を指して笑顔を向けてくれた…
その石倉の姿に、浅井は自らの疑いを悔いる…

 だ が

物陰に立つ石倉のその手には、包丁が握り締められていた……!

「まだ・・・・待てる・・・・か
 この時間ではザックにはたどり着いてはいない・・・・途中で帰ってきたのだ・・・・
 まだ・・・・待てる! まだ吹雪は続くだろう
 だから 殺 す のはもう少しあとでいい もう少し待てばきれいに拭える・・・・

 あの過ちの すべてを―――!!」

……やはり、浅井の疑いは正しかったのだ
石倉の悪意が、虎視眈々と浅井の命に狙いを定める…

<続く>

22 :
ついに石倉が動き出したな
ただ浅井も石倉を信用しちゃったし、生き残るならその辺の良心とかの部分がカギになるだろうか

23 :
かわぐち作品なら今までの行動は何かの誤解で、最後にはかつてより
固い友情で結ばれて2人で生還するということもあり得たが…

これは福本だから普通に騙し合い謀り合いの生き残り展開のようだな。

24 :
天以降すっかり勝負師や騙しあいの漫画家になっちゃったけど一応人情ものも描いてたんだし
わざわざかわぐちかいじ作画にしてるんだから意外と友情オチ・・・は、無いかアッパーズだし

25 :
   ― 告白 コンフェッション ―

どうにか山小屋に帰ってこれた浅井 
息を切らせながら玄関に倒れこむ浅井に、石倉が大丈夫かと声をかける
すまないと詫びる浅井に、オレ達は待つ以外にないのだ、と浅井にさとす石倉であった

夜も更け…ストーブの前で横になる浅井だが
ふと、電話のそばに何かやっている石倉の姿に気づく…

(何を・・ 一体・・・・何をやってるんだ・・?
 待てよ・・・・ 変じゃないか・・・・?

 だって考えてもみろ 見守るつもりなら・・・・
 何もあんな位置じゃなくたって・・いい 正面にたてばいい・・・・
 それが一番見やすい・・・・ あんな隠れるような位置にいなくて・・・・いい
 あの位置はなんと言うか・・・・ 見守る・・というよりオレに気づかれずオレを伺う位置じゃないのか
 横に隠れつつ戻ってくるオレを・・・・

 つまり・・・・ ふいうち・・・・

 そうだ・・・・ふいうちに適している あの位置は・・・・!
 そう考えればあのノックは オレに先に気づかれるより自分から知らせた方が怪しまれないゆえした機転・・・・!?)

自らの考えに、浅井は再び石倉に戦慄する…
だが、石倉に明確な殺意があるのなら、なぜすぐに殺さないのか…
…そこで、浅井は石倉の足の不調に気がつく つまりは武器をもっていてもまだ自分のほうが優位と

26 :
(あの足の状態だと・・・・まともにぶつかったら石倉に勝ち目などないのだ
 いくら凶器を持っているとはいえ不意打ちの一撃をオレがかわしたら その後はもう追いつけない
 方向転換も思うようにならない奴の後ろを取ることくらいたやすい・・・・
 となれば・・・・ 刃物もどこまで有利かわからない!
 そして一度しくじったら・・一度明らかな殺意を行為によって表明してしまったら
 もう・・・・言い訳は聞かない
 正当防衛 逆にオレに殺されることになろうと言い訳は聞かない
 だから・・・・だから奴は慎重なのだ!!
 そうだ・・・・闘いになれば・・・・ オレの方が強者なんだ!!)

そう核心をもつ浅井…だが、不意に石倉が声をかける

「なんて眼だ・・・・ そんなはずないだろ・・・・」「え!?」
「オレは・・・・お前に本当に・・・・いつも世話になってきた・・・・ 今回の遭難に限らずな・・・・
 オレは・・・・怠惰で協調性もなくすぐ・・周りとぶつかり 仕事も転々と・・・・
 そんなオレに・・・・お前だけは優しかった・・・・
 分け隔てないお前は・・・・オレの財産であり・・・・
 唯一この世に残ったオレの隠れ場所 傷をいやす場所
 お前の前ではバカな愚痴も・・怒りも・・哀しみも 正直に・・話せた・・
 そんな友人は・・・・ お前をおいて他には いないんだ・・・
 そんな・・お前を・・・・ オレが・・・・

 殺 す わ け な い じ ゃ な い か・・・・・」

自身の赤裸々な思いを吐露する石倉だが…その闇夜の中、石倉の顔は歪んだ笑みを浮かべていた…
だが…刃物の音のようなものが聞こえ、浅井も警戒心を緩めない
一日…二日持ちこたえれば大丈夫と浅井も自身に言い聞かせる…

27 :
……夜が明けて朝の7時 柱時計の音が響く
その音に浅井も目が覚める 外の様子を伺おうと窓を開ける浅井だが…
浅井の目には、雪原が薄暗く映る…!?
夜…のはずはないが 浅井は改めて柱時計を見ようとするが
その柱時計も薄暗く、ハッキリと視認できない

(7時・・・・夜明けに間違いない・・・・ だがこの・・・・暗さは一体!?
 オ・・オレの眼が どうかしちまったのか!!)

<続く>

28 :
あー…ダメだな やっぱり分かり合えるルートはなさそうだ
何と言うか今回の石倉の態度でそれがほぼハッキリ見て取れてしまった

浅井の失明…とまでは行かないけど目の不調は石倉が不利過ぎるからつけたんかな(何)

29 :
何か視力を奪うような細工を石倉が仕組んだのか…?
石倉は閉鎖空間や体力消耗の極限状態で正気を逸してるのかと思ってたが、
どうやら意外と冷静に殺害を企ててるようで、恐怖の方向性が変わってきたな。

30 :
   ― 告白 コンフェッション ―

浅井の目が、突如不調を起こしてしまう
食い入るように朝の雪原を見ようとするが、やはりその景色はおぼろげだ
…その背後の石倉の視線に、浅井は平静を装うが…
なぜ急に目が不調をきたしたのか… そこで浅井は、この症状が高山病の一種だと気づく

(高知で酸素の補給がままならなくなるとその影響で視力が弱くなる・・・・
 という話を聞いたことがある
 しかし・・・・それは5千メートル 6千メートル以上の山での話だ
 この尾張山・・・・三千二百メートル程度で まさかそんなことは!!)

ありうる・・・・ 少ない症例だが三千メートル程度の山でも 高山病はあり得る・・・・
特に昨日の浅井のように
平地から交通機関 ロープウェイなどを使って一気に尾張山の山頂近くまで高度を上げた場合などに あり得る・・・・

それに浅井は昨日遭難し 石倉を背負い歩いたり
崖下から引っ張り上げたり・・・・ と重労働を強いてしまった

今にして思えば…と浅井は昨日からの不調が高山病の初期症状であったことに気づく
それが一晩立ち 浅井の脳に障害として、眼の異常が現れたのであろう

(が・・とはいえ高山病が原因なのだから この眼の障害は一時のもの
 高度を下げればすぐに治る 失明等を心配するに当たらない
 だが・・・・ このことが奴に知られたら・・・・)

隙を探るかのような、石倉の鋭い視線が浅井の不安を煽る…
とりあえずは平静を装いつつ、これ以上悪化する前に食事やトイレ等やれることはやっておくことにする
トイレを済ませて、次は靴の雪を払おうとする浅井 だがそこで、シューズの紐が抜き取られていることに気がつく

31 :
「ああ・・・・ それはオレが抜いたんだ」
「な・・なぜ・・・・」
「お前 昨日から変だからな またこの雪の中外に行くなんて言い出さないか心配でな・・・・
 お前のためさ・・・・」

そういってのける石倉に、浅井もその表情が強張る…
それから、時刻は午前九時を回る 

(そうだ・・・・!! 初っぱなオレが救助隊に電話したとき
 明日の朝にまた確認の電話をする・・と言っていた ということはもう鳴ってもおかしくない
 いや もうすぐあの公衆電話はなる・・・・!!
 鳴ったら石倉より早くとり この状況を伝えるんだ ふたり・・・・ 元気ですと・・・・!!)

だが 11時を回り…12時になっても一行に連絡の電話がなる気配がない…?
まさか、と浅井が公衆電話をおぼつかない手で探っていると
その電話線が、切り裂かれていた…! 昨夜石倉がみせた怪しい動きはこれだったのだ
石倉に向け、浅井の叫びが響くが石倉はそれに涼しい顔で立ち上がり

「見つかったよ・・・・」

そういう石倉の手には包丁と斧が握られていた…!
さらに、石倉は浅井の目の不調を見抜く 
ついにその殺意をむき出しにした石倉が、浅井にゆっくりとにじり寄る…!!

<続く>

32 :
   ― 告白 コンフェッション ―

にじり寄る石倉を、必死で説得しようとする浅井
自分は決して石倉の犯罪を公言しないと言うが、その証拠は?と石倉は問いただす

「口ではなんとでも言える 確かに公言しないという証拠を見せろ
 オレだって・・・・ 殺さずにすめば・・・・それが一番望ましい・・・・」
「証拠・・・・と言っても」
「保障と・・・・言い換えてもいい お前が確かに公言しないと言う保障・・・・ つまり・・・・
 お前も・・・・告白・・・・するんだ!!
 オレの告白に匹敵する重い告白を・・ 例えば・・・・
 お前が犯した・・・・ 過去の殺人事件について・・・・」

石倉の言葉に、浅井も目を丸くして…どうにか石倉を説得しようとするが…

「い・・石倉・・・・よく聞いてくれ
 オレはお前を訴えたりしない オレは・・訴えても何のメリットもない」
「こうなる前はそうかもしれないが・・・・ オレが殺意を明らかにした今は・・・・別だ
 訴えなければ下に降りてもお前は枕を高くして眠れない
 オレが いつお前を殺しに来るやもしれないじゃないか ずう〜〜〜〜っと な・・・・」

図星を突かれたか、浅井もその表情が強張る それでも説得を続けようとする浅井だが…

「い・・石倉 今は2人とも遭難して こんな密室に閉じこめられ・・・・
 お互いおかしくなっちまっているんだ 里に下りればちゃんと正気に戻る お前もそんな気はなくなる
 オレは信じる これは一時のこと 第一お前とオレは 何でも語り合った親友じゃないか」

「何でも語り合った・・・・? 嘘をつけ!お前は嘘ばかりだ!!」

石倉はそう叫び、号泣しながらさらに浅井を責め立てる

33 :
「お前はたとえ一時でも オレに心を開いたことがあるか・・・・
 お前は俺をいつもバカにしていた! オレの面倒を見てきただ?
 お前は俺の面倒を見ているところを周りの人間に見せ付けて・・・・ 偽りの優しさを装ってきただけだ!!
 お前はいつも俺を見下し馬鹿にし おとしめ続けてきたんだ!!
 ゴミが!! 俺がそんなことも分からない愚図だと想っていたのか
 お前は一度たりともオレに心を開いたことは ない!
 積み重ねてきたのは・・・・な お前の優越感とオレのいたたまれない気持ちだけだ」

頑なに浅井を否定し、その怨念を露わにする石倉
それを誤解と浅井も説得を続けようとする 石倉には何でも話して来た、という浅井に
石倉は話してみろ、と言ってのけ 自分を渾身の力で説得してみろと言う…

それから…浅井は石倉の言葉通り、必死で説得を試みるが…

(石倉はいったい・・ 何を考えている 何を・・!!)

柱時計が何度か鳴り響き…時刻が6時を指し示した頃…
石倉は浅井に何かを見せ、これが何か、と問いただす
浅井の目はその差し出されたものを認識するのも困難になっていた

「3メートル・・・・・・ 頃 合 い だ な・・・・」

その時になって、浅井はようやく石倉の意図に気がつく
浅井に話をさせたのは単なる時間稼ぎ 石倉はその視界がさらに殺される夜を待っていたのだ
そして石倉が包丁を手に浅井に襲い掛かり 山小屋に悲鳴が響く…!!

<続く>

34 :
この辺のギリギリの追いつめられた状況は銀と金のカムイ編を思い出すな
・・・そういやあれの女の子は福本にしてはけっこう可愛かったなw

35 :
モノローグの多さとセリフ回しが完全に福本になってきたな。
どうやら本作ではかわぐちは完全に作画に徹してるようだ。

36 :
   ― 告白 コンフェッション ―

前回浅井に襲い掛かった石倉だったが
浅井はストーブの土をとっさに石倉の顔面にまいて難を逃れる

浅井はトイレに閉じこもり、鍵をかけて篭城するが
この視力では満足に戦うことも出来ない どう対抗するが思案するが…

(奴は刃物を持っている! 組みつかれたら最後だ!
 正面から向き合ったら通常の闘い方では勝ち目はない
 かといってこの視力では 不意打ちもきびしい)

その時浅井はトイレに響く時計の音に気づき、目覚まし時計を見つけた
目覚まし時計を朝の6時にセットし、今の石倉に唯一勝る武器 逃げ足でどうにか朝まで逃げ切る算段のようだ
幸い山小屋には二階もあり、上り下りする場所も二箇所ある あと12時間、浅井は逃げ延びることができるか…

石倉は玄関のノブをヒモでがんじがらめにして、トイレに近づく…
だが浅井もそのタイミングを計り、体当たりで奇襲をかけ石倉を吹き飛ばす!
二階に上り、追いかけるであろう石倉を待ち構える 
浅井の予想通り、石倉はヘッ電(ヘッドライト)を装備し浅井を追う準備を整える…

(追いかけて来い 石倉! オレはお前なんかにつかまらん!
 この山小屋なら命がけで逃げれば逃げおおせる!
 何時間だって・・・・ 距離を置いた鬼ごっこを続ければいい
 あの目覚ましが鳴る 朝・・・・6時まで!!)

37 :
石倉は杖を付き、浅井を罵倒しながらその後を追いかける
石倉が二階に上がれば、浅井ははしごから一階に降りて凌ぐ
その最中、石倉は足がもつれて転んでしまい、思いっきり顔面を打ってしまう
前歯が取れながらも、石倉は浅井への怨念を叫び続ける…
ヘッドライトを揺らめかせながら、浅井を追う石倉はさゆりが死んだ日のことを語り始めた…
5年前の登山部のメンバーと共に、険しい山道を進む一行
さゆりの様子を心配に思う石倉が側についてくれていたが、さゆりの視線は前を進む浅井をじっとみつめていた

「つきあっていたんだろ お前らは・・ ボールペンだ!!」
「!? ボールペン?」

…さゆりが行方不明になった日、山岳部のメンバーがさゆりの行方を捜索していたが
不意に浅井が、一本のボールペンを落とす それはさゆりの使っていたボールペンだった、と石倉は語る

「オレは覚えてるんだ!! 証拠はねえがあの時の顔・・
 ボールペンを拾った・・ってお前に渡したときの顔!!
 異様だった 変だった・・ あの時・・・・」
「違う!そんな印象で事を決めるな!!
 あの時はさゆりが行方不明になったことが心配で・・・・そんなボールペンのことなんか気を回しては・・」
「いいや お前がさゆりのことを 心配になんて思うものか!
 お前が心配したのはさゆりとお前との関係がばれること
 お前はさゆりが邪魔だったんだろ! 邪魔だったんだよお前は
 そうさ その後ものの一ヶ月で講談商事の一人娘と婚約・・ 婚約したじゃないか!
 
 オレがさゆりを殺した・・・・ しかし・・・・お前もひどい・・・
 春・・・・ガケの下からようやく見つかったさゆりの遺体・・
 その腹ん中に三ヶ月の・・ガキが・・いた  お前のガキだ!
 ウ・・ウ お前のような奴が・・・・一番・・冷酷・・なんだ・・・・」

38 :
石倉は震えて、涙を流しながらも狂気の笑みを浮かべ浅井に包丁を向ける

「オレがさゆりを殺した・・ だが殺させたのはお前だ!」

そして石倉は、再び猛烈な勢いで浅井に迫る!!
それを見て浅井も逃げようとするも、柱に頭をぶつけてしまう

「お前が殺した お前がさゆりをRように オレを仕向けたんだ
 お前は鬼だ! 鬼だ!! 鬼を・・殺してやる!!」

さゆりを殺した鬼をRべく、石倉は 鬼 の形相で浅井を追う…!

<続く> 
 

39 :
石倉がもう完全にこわれてしまって怖い
もうとにかくRことがすべてでその後のこととか抜け落ちちゃってるんだな
そうなるとやっぱり一番最初のやつはアレかな
救助隊がくるも、すでに浅井を殺した後で死んだ目で死体の側でぶつぶつ呟いて
それが一番最初の台詞に繋がると言う感じなんだろうかな・・・

40 :
   ― 告白 コンフェッション ―

(夢なら・・ 夢ならさめてくれ・・・・!)

悪夢の如き一夜から、命がけで逃げようとする浅井
その背後からヘッドライトを揺らめかせながら、鬼…石倉が浅井の命を奪おうとする

……どうにかひとまずは小康状態に落ち着いたようで、一息つく浅井
…だが、浅井は杖の音が聞こえなくなったことを不審に思う
階段の物陰から部屋をのぞくと…いつの間にか部屋にランタンの明かりが増えていた

(い・・いつの間に!
 い 石倉 どこにいる!? 一体なにをやるつもりだ?
 と・・ともかく 石倉はヘッ電を消して このランプをたよりに来る・・・・
 ・・としても・・・・ 例のあの杖の音までかくすわけにはいかないはずだ)

……その時、部屋に何か、はいずるような音が聞こえてくる…!?
石倉はどこから来るか…あたりを見渡し警戒する浅井だが…
その時、浅井の背後の階段からライターが落ちてきた そのライターに後ろを振り返ると
階段を這いずる石倉が、浅井の眼前にまで迫っていた…!

    「 ウ ワ ア 〜 〜 !!」

だがとっさに浅井は階段から逃げ出すことでどうにか難を逃れる

(いくらなんでも 這っては追いきれまい この耳さえやられなければ大丈夫だ・・・・
 来た・・・・!)

41 :
再び一階で睨み合いになる二人 …すると石倉は、一階のはしご部屋の扉を閉めバリケートを築こうとする
一階の二階の循環があるからこそ、浅井は無限に逃げおおせることができたのだが
だが、その道を閉ざされてはもう浅井に逃げ道はない…  浅井に向き直り石倉はニヤリと笑みを浮かべる
とにかく二階に逃げ込む浅井だが… 外はまだ吹雪いている、外に逃げ出すのも無理であろう
追いつめられ、どうするか思案する浅井… そして、石倉が二階に上がってくる…!

「鬼ごっこは終わりだ・・・・ もう逃げられんぞ 浅井・・・・」

二階に浅井の姿はない、二階にある三つの部屋を探索する石倉
…浅井は、一階のバリケードでふさがれたはしご部屋の暗がりにその身を隠していた
浅井はその手に薪を持ち、もうじき来るであろう石倉を待ち構える…

(来たら・・・・もし来たら・・・・ 闘うしかない!!)

<続く>

42 :
福本伸行だし素直に格闘するわけ無いだろうが
正直この緊張感の中、男二人が生き残りを賭けて戦おうとするシーンは燃えた
これは良コラボだと思うが、動きの有る場面よりタメの場面が多いし
福本作画でも問題なかったようにも思う
しかしどちらにも言い分はあるだろうけど、この閉鎖的環境の人間の暴走とか
どことなくあさま山荘事件を思い出してきた

43 :
次回あたり決着かな?
・・・正直どっちが勝ってもロクな結果にならなさそうなのが;

44 :
―告白 コンフェッション―

部屋の中に浅井の姿はない… 石倉は、はしご部屋の穴にヘッドライトを向け、そちらに足を進める
そして石倉は、はしご部屋に降りてこようとする…

(もう闘うしかない!!
 暗闇の中 なかば盲目のオレが闘うなら その場所は限定された空間が望ましい
 背を壁に背負った方が後ろにまわりこまれず 闘いやすい・・・・
 そしてフロアーへ続く扉が閉ざされたここなら・・・・ 石倉は必ずはしごで降りてくる
 最初の一撃はオレがとれる!!
 あとはこいつを・・ ヘッ電めがけ振りおろし続ける・・・・)

……だが、石倉ははしご部屋に下りる寸前でその足が止まる
すると石倉ははしご部屋に入るのを止め、その扉を閉めてしまった

(どうした石倉・・・・ なぜ降りてこない・・・・?
 !! そ・・そうか!!
 奴にしてみればもしオレがこの部屋にいなければ・・
 降りてきて探している間に オレが出口のフタに何か重しを置きさえすれば
 奴は自ら築いたバリケードで この部屋に閉じ込められ・・・・ 完全に監禁・・・・!!
 奴がこの部屋に降りてくるとしたらしたら・・・・ あのバリケードを解いてからだ
 となれば・・・・ その音がするまでここは・・・・安全・・!!)

石倉はあたりをメチャクチャに散らかし破壊し
ストーブの排気の煙突をガンガン叩いて、姿の見えない浅井に怒鳴り声を上げる

(一度調べた部屋も・・・・調べた後にオレがソッとその部屋に入れば
 奴の探索は キリのない徒労の循環だ・・・・!  勝 っ た・・・・!!)

45 :
自身の勝利を確信する浅井 …そこに石倉からの懇願の言葉が聞こえてくる
話し合おう、という石倉の言葉だが浅井は動こうとはしない…
すると…今度は石倉の怒号と暴れまわる音が響き渡る…!
その怒号に、浅井は耳をふさいで必死に耐える…

浅井を見つけられぬ石倉は・・・・哀願と恐喝の言葉をくり返していたが・・・・・・
それもいつしか聞こえなくなった・・・・・・
物音も光も一切ない時間・・・・ 無限とも思える時が過ぎていくなか・・・・
浅井は身動きもできぬまま じっと朝を待っていた・・・・



どれくらい時間が経ったろう・・・・ わからない・・・・

例えば今救助がやってきて 石倉がドアを開け救助の者を外で迎え・・・・

そのままこの山小屋に入ることなく 行ってしまったとしたら・・・・

そういうこともまるでないとは言いきれない

救助隊は石倉ひとりが山小屋にいると誤解しているのだから・・・・

そのままタンカで石倉が降ろされ オレだけ一人 ここに残されるとしたら・・・・・・

46 :
たった一人、浅井は自身の心……不安を必死で押さえ込んでいたが
浅井のその形相から、もはやそれも限界に近い…

(おましい・・・・ 時計のベルはどうした・・?
 まだ6時にならないのか・・・・?
 もしやもう8時ぐらいで すでに石倉はこの部屋にいないんじゃないか

 !! も・・もしかして時計のベルは石倉がもう・・・・止めていて・・・・)

……その時、目覚ましのけたたましいベル音が山小屋に響き渡る!
閉めきったはしご部屋にもかすかに聞こえるベル音に、浅井は山小屋からの脱出を決意する…

<続く>

47 :
>降りてきて探している間に オレが出口のフタに何か重しを置きさえすれば
>奴は自ら築いたバリケードで この部屋に閉じ込められ・・・・ 完全に監禁・・・・!!

これ石倉にやられたら浅井完全に積むよね
…さすがにその決着は色々煮え切らないからないと思うけど

48 :
―告白 コンフェッション―


朝の訪れに安堵の表情を浮かべる浅井 もはやはしご部屋でじっとしてもいられない
ぐずぐずしていては石倉に救助隊をかっさらわれかねない
はしご部屋からの脱出を試みる浅井だが、一回のドアはバリケードでふさがれたまま
となれば、やはりはしごを上り二階に出ようとする
……はしごに手をかけたところで、浅井に一つの考えが浮かぶ

(ま・・まてよ 俺が考えたと同じように・・・・
 奴もこの部屋に俺を閉じ込める閉じ込めるために この上に重しを・・・・)

浅井は祈るような気持ちではしご部屋の蓋に手を伸ばし… その蓋が開く
まずは石倉を警戒しあたりを見渡す浅井 …その時浅井は、窓の外からさし込められた光に気がつく
喜びながら浅井はその窓に飛びつき、その窓を開ける 光が差し込む山小屋の外の景色は

はるか彼方まで続く、漆黒の真夜中の景色であった

驚愕する浅井、その眼前には窓を照らしていた石倉のヘッドライトが置いてあり…
呆然と立つ浅井の首に、突如ロープが巻きつけられる!!
…すべては浅井を誘い出す石倉の罠だったのだ…!

そして石倉は浅井を押し倒しその首を両手で締め上げる…!!
 
「くくく・・トイレでよ あの時計を見つけた時・・・・
 笑ったぜ 6時にベルがセットしてあるんだもんな
 このセットはおまえ以外あり得ないよな 
 ここで一晩過ごして一度も鳴っていない時計が・・・・6時に鳴るようになってるんだからな
 2時間ほどベルのセットをずらさせてもらったぜ ククク・・つまり今は・・ 午前4時ってわけさ」

そして石倉はより強く、浅井の首を締め上げようとするが
…浅井は待ってくれと懇願しながら、その瞳から涙を溢れさせる…

49 :
「冷血漢でも涙をこぼすのか?
 自分の為だけには・・・・・・自分が死ぬときだけは・・・・泣けるのか――――!!」

その涙は、石倉の怒りに更に火を注ぐことになる
首を絞められながらも、浅井は絶対に誰にも言わない…言えないわけがある、と言うが…
首を絞め頭を撃ちつけながら、その訳と言うのを問いただす石倉 そして…

「オレが・・・・ さゆり・・を殺った・・・・の だか・・ら・・・・」

浅井のその 告 白 に、石倉が驚愕の表情を浮かべていた…
自分が助かりたいからそんな子供じみた言い訳を、とその言葉を認めない石倉にさらに言葉を続ける浅井

「おまえが・・さゆりの首を 絞めた・・後
 さゆりは・・息を・・・・吹き返し・・たんだ・・・・
 か・・考えてもみろ・・・・ お前が首を絞めた・・場所・・・・じゃ・・
 ガケ下に・・など ずりおち・・ない 不思議に・・思わなかったの・・か・・?
 春にさゆりが・・ガケ下から・・発見され・・た時」
「オ・・オレは無我夢中でそんなこと・・
 ただあそこはガケの近くだし 春先の表層雪崩か何かで・・・・下に落ちたものと・・・・」
「違う・・・さゆりは・・しばらくして・・・・息を・・・・」

かろうじて、息を吹き返したさゆり だが…

「あの頃・・・・あいつほど邪魔な・・奴はいなかっ・・た・・
 あいつ・・・・どうしても産むなんて言うから・・・・
 毎日・・・・オレは・・あいつに脅され・・生きた心地がしなかった・・・・
 せっかくオレに・・舞い降りた・・・・・・チャンスを・・・・」

浅井の言うチャンス… 石倉の言っていた、講談商事との一人娘との婚約話
その上で、さゆりは浅井にとって邪魔でしかなかった…
石倉にさゆりをけしかけ、その息の根を止める… その計画はうまくいった のだが
雪山でさゆりは息を吹き返し…その直後、浅井がさゆりの後頭部に岩をたたきつけた!!

50 :
「後は・・雪が・・・・ あのあと降り積もった雪が・・・・
 死体を・・春まで隠して・・・・くれた
 場所が場所だった・・・・から ガケ下に・・誤って落ちた・・事故・・で済んだんだ・・・・」
「では・・・・授業のときにお前が落としたボールペンを渡そうとしたとき・・・・
 お前が見せた あの態度は・・・・」
「お・・お前に・・・殺害の現場を・・ 見られた・・と思ったんだ」

浅井の告白に、石倉もその首から手を離し…

(・・ってことはオレは・・・・殺していない オレは無実 無実だ)

自分は殺していないと知り、安堵の表情を浮かべる石倉
首を絞められた影響で咳き込む浅井に、にやけながら人殺しめと小突く石倉
とはいえ石倉も関与しているのだから、自分も決して話したりはしない、と言うが…
立ち上がり、窓の側に立つ石倉 自分は無実と知り、高笑いを上げる、が
……自身の秘密を告白してしまった浅井は、茫然自失と座り込む
そして、石倉が立ち上がるときに落とした斧を見て 
茫然とする浅井は、その顔を鬼の如く豹変させて―――




・・・そして、夜が明け…山小屋に救助隊が辿り着く
救助隊の呼びかけに応え、現れたのは…浅井 ひ と り だった
その髪が真っ白く染まる浅井が救助隊の体に倒れこむように体勢を崩し、力なく返事をする
救助隊には、二人で上ったが途中ではぐれてしまい、自分ひとりでここに辿り着くのが精一杯だったという浅井…

51 :
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/5124/1213249930/928

52 :
結局一番最初で石倉を見捨てるのが一番マシなルートだったのかな・・・

53 :
最初からどっちが生き残ってもバッドエンドだったのか…ダメだこいつら

54 :
人間の弱さや狂気を緊張感有る作画でしっかり表現できてると思うが
それだけにしっかりしすぎてる気がする
こう、へたくそな方がギャグ漫画にインパクトがでたりするみたいな?

55 :
福本伸行に原作をやらせるってのは誰でも思いつく発想だと思うし
内容と上手くかみ合った作画の選択なのに何故かスゴいと感じない・・・
一言で言うと「普通」になってしまってる気がする
とはいえ福本原作はもっと試す価値の有る実験だと思うので次回があるなら期待したい

56 :
原作 福本伸行 × 作画 かわぐちかいじ

  生存 ―LifE―

1999年 4月26日 午後2時――― 物語はここから始まる
とある郊外、平野の工事現場 ショベルカーが地面を掘り進めていると
その掘り起こした地面から人間の骨が現れる…!!
ショベルカーの運転手の叫びに、工事現場が騒然となる

同日 午後2時15分 ――東京――
病院で一人のおじさんが診察を終えた帰り道…
おじさんは一人、公園のベンチでたそがれる

― 一緒に闘っていきましょう・・・・・・ ―

医者の言葉に、おじさんは涙を溢れさせ…何の為に・・・?と呟く
その夜、おじさん…改め、武田の自宅にて
息を切らせながらノートに何かを書こうとする武田だが、なかなかそのノートにペンを走らせることが出来ない
涙を溢れさせながら、武田は一人 助けて と呟き… 武田は二人の女性の写真に目を移す
武田は彼の妻、直美の写真を手にとり…彼女が亡くなったときのことを思い出していた

(肝臓および膵臓の上皮性悪性腫瘍・・・・ 直美はそれで逝った・・・・)

医者の言葉では、妻はもって半年だという…

(そして半年後―― その言葉どおりに・・・・  同じ・・だ・・!)

そして武田も、妻とまったく同じ病気を発症してしまうのだった
だが、まだ初期症状 闘えば希望はあると医者は言うものの…

(闘うとは あのことだ・・・・! 最善とは・・・・ あのことだ・・・・!!)

57 :
武田の脳裏には、闘病生活でもがき苦しむ妻の姿が浮かび…
迫り来る死の恐怖に、武田は震え上がり涙を流す…

(時々 顔をだすだけだった・・・・ 電話で済ますことも多かった・・・・
 追われ・・・・仕事に追われてズーッと側にいてやれなかった・・・・
 そんなことをするとかえって直美が怪しむんじゃないかと思って・・・・

 しかし・・・・はたして本当にそうか・・・・?
 そうじゃない・・・・ 俺は離れることでホッとしていたんじゃないか・・・・?
 本当に・・その辛さを受け止めてなどいなかった その辛さを・・・・

 そうだ・・・・わかってなど・・やれていなかった・・!
 ・・・・・・辛かった・・・・怖かったんだな・・・・本当は・・・・!
 今 わかった・・・・ こんなにも辛く 怖かった・・のか!! こんなにも!!)

自らが死の恐怖に晒され…武田は妻に悔いながら…
もう一つの写真、娘の佐和子に視線を移す

(バツだ バツだな・・!佐和子・・・・
 直美を見捨て おまえは探してもやれなかったんだから・・・・
 今度は父さんの番だ 父さんが死ぬ番・・・・ 父さんが 捨てられる番だな・・・・)

58 :
そして武田はひとり、自ら命を絶つことを選び…
梁にロープを縛って、武田は首を吊ろうとする…

(あれが最善なら・・・・ あれが闘いなら いらない!
 済まない・・・・もっともっと一緒に・・・・いられたよな
 もっと・・・・ もっと・・もっと・・・・ 済まない!!)

意を決し、自ら首をつろうとする武田だが…その時部屋の電話が鳴り響く
その電話に、武田が仕事の件でのことだろうと思い返す
そのプロジェクトが決まれば、次期社長の座も…と言うことだが
もはや死にゆく武田には関係のない事…… だが

<武田さんのお宅ですか・・・・? ○×警察のものです
 今日・・・・・14年前に武田さんから探索願いを出されていた娘さんが・・・・

 ご 遺 体 で発見されました

 現場は長野県○×町ゴルフ場駐車場内で死後14年が経過しておりますが
 遺留品等ご確認していただきたいと思います 連絡先は・・・・>

その伝言に、武田は驚愕に目を見開く…

<続く>
 

59 :
おー新しいのきたか 
予告だと時効問題を取り上げるとかいう話らしいが…
1話だけで見ると前の告白よりちょっち掴みが弱いか、と感じるがどーなるかな

60 :
長野県 N市警察署――
娘、佐和子の遺体確認に立ち会う武田
遺体を覆う布をめくり…再会した娘、その姿に武田は震え、憤る

その帰り道、武田は佐和子の遺骨を抱きながら刑事との会話を思い返す
警察も一応捜査はするとのことだが、14年前の事件である以上苦しい捜査になる、という
そんな刑事に、武田はお願いがあると言って…

(捜査などする気はない・・! しても・・・・おざなりにするだけだ・・・・
 なぜなら彼らは・・・・

 悲 し く な い か ら ・・・・!)

ふところから一枚の写真…佐和子の遺体を写した写真を取り出して
14年越しの再開を経て…骨だけに成り果てた佐和子の姿に武田は涙を流す

―時効ですか?殺人の時効は15年・・・・です
 は? ・・・・ええ 確かに残っています 半年程度・・・・
 はいそうです よくご存知ですね・・・・
 そう・・・・犯人が海外へ行っていた場合などその期間は延長されます・・・・
 ですから実際にはもう少し猶予があるやもしれません・・・・1年と言うことも・・・・
 捜査本部ですか? なにぶん14年前の事件ですからそう言えるだけの体勢が組めるかどうか・・・・
 苦しい・・・・捜査になると思います――――

「佐和・・子・・・・ 佐和子・・・・
 死にたくなかった・・・・死にたくなかったんだよな・・・・
 死にたく・・・・なかった・・・・ オレが・・・・ 今 死にたくないように・・・・!!」

61 :
自宅に戻り、妻と娘に手を合わせる武田
警察は当てにはできないと思いながら、武田は医者からの言葉を思い返す

武田さんの病状は、すでに末期だという医者 おそらく余命は半年程度とのことだが…
その医者の言葉に、武田さんは目を見開き、佐和子を殺した犯人の時効と重なることに気がつく

「・・あ・・ ありがとうございます 正直に話して下さって・・・・感謝します
 これは・・・・強がっているわけではなく ・・いや・・・・ 強がっているところも大いにあるのですが しかし・・・・
 これでハッキリ決心がつきました ありがとうございます・・・・!」

その日、武田さんは会社に退職届を出す
それを引きとめようとする眼鏡をかけた部下、中村だが…
だが、何のための仕事 何のための出世か そう問う武田さんに、中村は答えることはできなかった

……その後、武田さんは娘、佐和子の部屋に何か手がかりがないか物色していた
…武田さんはいわゆる家庭を顧みない父親であった
娘の自主性を、と言い訳にして娘とのかかわりを持とうとしなかった…
なかば娘を見捨てていた、と言ってもいい武田さんだが…

(なのに・・ あいつはオレを・・・・ 見捨てていなかった・・・・!)
 お前が声をかけてくれたんだろ・・・・ 
 ・・・・符号だ! オレの余命と・・・・お前が殺された殺人事件の時効・・これがほぼ一緒!!
 まるで・・・・オレに説いてくれという符号!!
 だが・・・・ 何を手掛かりにすればいいというのだ・・・・)

武田さんはそう思い悩むが…不意に、妻の言葉が脳裏に浮かぶ…

62 :
―――――

病院のベッドで横になる武田さんの妻、直美
もし自分が死んだら…佐和子の日記を棺に入れてほしい、という

「! そんな物持っていたのか?」
「だって・・・・本当にどうしたんでしょう あの娘・・・・もう5年・・・・
 何かの手掛かりになるかと思って・・・・ 何度も読み返したんですけど・・・・ 」

その言葉と共に、直美の脳裏にはいやな考えが浮かぶ
それを武田さんが静止するが…

「・・そうね よしましょう 
 もしかしたら将来・・・・ 少しは役に立つかもしれませんもの
 あなたが預かっておいて下さいな・・・・」

―――――

妻の言葉を思い出し、武田さんは目を見開き佐和子の日記を探す

(あの時は 確かろくに見もしなかった なかば・・・・いや 半分以上
 あの時 実は娘が何らかの事件に巻き込まれ・・・・
 いうなら今回の結果を・・最悪の結果を予想していたはずだ
 だから あの時このノートと一緒にいくことを避けたんだ
 つまり事件解決の手掛かりを このノートが果たすのではないかと期待し オレに託したんだ
 頼みますよ・・・・と 直美がいない今 オレが無念を晴らさないでどうする!!
 悲しい人間がやらないで誰がやる!! 犯人は・・・・オレが必ず見つけだす!!)

佐和子の日記を手に、武田さんはそう決意するのであった

<続く>

63 :
> 死にたく・・・・なかった・・・・ オレが・・・・ 今 死にたくないように・・・・!!」

このセリフはけっこう来るものがあるな…
このシーンで泣いてる武田だけでも、作画がかわぐちかいじでよかったと思うわ

64 :
こうして見たら女キャラをキーにするのは作画が居るからこそだなぁ
出番は多くなさそうだけど

65 :
  生存 ―LifE―

あれから、武田さんは娘のノートを隅から隅まで見通したが
正直なところ、何もわからない、と言うのが現状であった
だが、それでも何かある、と武田さんは確信していた 
そこに書かれているのは間違いなく、彼の娘 佐和子の物だから…

(書かれているのは月並みな言葉だ・・・・)

[ ゆうこと Tへ
  ひろみ あけみとS
  夜 T      ]

(その「T」というのはここ・・・・ この喫茶店「トゥモロォ・・・・」
 よくここで娘は友達と長い間しゃべることがあったらしい
 あと よく行った店といえば「S」・・・・ これは駅前の喫茶店「シュガー」
 それらの店に行って店のマスター そして何人かの娘の女友達から・・・・
 あの頃の話を聞くと・・・・ このノートをもとにやることなどなくなってしまった・・・・

 1984年9月14日―――
 ノートはこの日を最後にそこから先が記されていない
 娘はその翌日からどこかへ旅立ち その後行方が知れなくなった・・・・

 そうだ ただ旅立ちの翌日・・ 9月16日 娘から電話があったことは覚えている
 それがオレと娘が言葉を交した最後だった
 いったい娘はあの日 どこから電話をかけてきたのか・・・・
 死体があったのは長野だが・・・・ 殺された後 そこに埋められただけかもしれない
 娘が あの日・・・・あの家出の時長野にいたとは限らない)

せめてあの時、話だけでも聞いておけば…後悔する武田さん
あとの頼りは、ノートに記された「ゆかり」と「U・T」の二人のみ
…そこに、そのノートに記された一人、伊藤「ゆかり」が武田さんの前に現れる

66 :
ゆかりの口を通して、娘の見ていた世界を知る武田さん
自分がどれだけ娘と向き合っていなかったかを、自ら思い知らされるが
……結局の所、ゆかりの話からも娘の手がかりは見つからなかった
もはやこれまでか、と諦めかけながらも…一縷の望みを託し、ゆかりに「U・T」のことを尋ねると
どうやらこの「U・T」という人物は、中学生にして亡くなった有名な画家、「海野たつき」のことらしいが…
その言葉に、武田さんはいつか見た海野たつきの本に目を通したことを思い出し
…その時、武田さんはなにかをひらめいたようだ ひとまずゆかりに礼を言って自宅に戻る

(思った通りだった!!
 あの後 さっそく海野たつきの絵を主に展示している美術館に電話で問い合わせてみると・・・・
 14年前のその頃 長野のとある小さな美術館でたつき展をやっているのだ・・・・
 若くして急逝したこの中学生の絵を見ようと・・・・
 娘は長野に向かったのではないか・・・・?
 偶然じゃない・・!! やはり娘は長野へ向かったのだ・・・・ おそらくその美術館へ・・)

さっそく荷支度を済ませ、新幹線で長野の美術館へ向かう武田さん
美術館に辿り着いた武田さんが、14年前の来園者の名簿が無いか係員に尋ねる武田さん
…14年前当時のものだけでも、どっさりとある名簿を差し出され
ちょっと困惑しながらも一冊一冊目を通す…残り一冊、と言うところでついに佐和子の名を見つける武田さん
……涙を流しながら、その当時の娘の言葉を書き写す武田さん

(・・・・すまない・・・・ 届いてなかったんだな・・・・
 父さんも母さんも思えばあの頃・・・・ お前のことを叱ってばかりで・・・・

 こんなに不安で・・・・ こんなに孤独だったのか 佐和子・・・・
 父さんは 今やっとお前に会えた・・・・ だが・・遅かった・・・・もっと早く・・・・
 もっともっと話をすればよかった・・・・ もっと・・・・もっと・・!!)

涙を流しながら、武田さんはふと後ろを振り返り…
佐和子の面影を、そこに感じるのであった…

<続く>

67 :
  生存 ―LifE―

娘の足取り…確かにその手応えを掴んだ武田さん
9月16日、確かに娘はここに来ていた 
…だが娘が姿を消したのは9月15日 とはいえ長野ならその日のうちにいけるであろう
もし来ていたとすれば、、佐和子は当時高校生
そんな高いホテルには止まれないであろう、とあたりをつけ
まずは近い志賀野・ユースホステルを訪ねる武田さん

その宿の宿泊名簿で、武田さんは佐和子の名を見つける
その宿のひとに、美術館への道のりを尋ねるとバスでも行けるがもっぱら歩きで行く人が多いようだ
道のりも天気がよければハイキングにはもってこいとのこと
…宿の人に佐和子の写真を見せ、武田さんはこの娘をしらないか尋ねる

「14年前の9月・・・・こちらに泊まったんだ」
「14年前・・・・そりゃムリだは ハハ・・・・
 ここへ来たのワシ・・・・ 10年前だもの・・・・」

(その後 美術館とユースの周辺で立ち寄りそうな店を何件・・何十件と当たったが・・・・
 14年前のことなど覚えているはずもなく・・・・
 美術館・・・・ユース そこに記された佐和子の足どり
 わかったのはしかし・・・・ここまでだった
 当たり前の話だ・・・・失踪から14年を経過した娘の足どり・・・・
 そこで誰に遭遇し殺されたか・・など そんなもの調べようがない!
 なんとも・・・・しようがないのだ・・・・)

68 :
1999年5月9日――― 朝8時―――

あてがあるわけではないが、武田さんは今日も娘の足どりを追う
昨日は美術館から逆に回って色々聞き込みをしてみたが、今回は娘の歩いた道のりをそのまま追うことにする
娘が歩いたであろう光景を、その空気を感じる武田さん
分かれ道で遠足の子供達と遭遇する武田さん そんな光景をほほえましく見ていたが
…不意に武田さんは 以前にも娘とこんなことが会った と何かを思い出し始め…
美術館に続く道ではなく、池の方に向かう方の道に見覚えがあるように感じ取る
自分のおぼろげな記憶と一致する光景に、武田さんも足どりを早め…

開けた池の広場、対岸にカエデの葉のように地面がむき出しになった山の光景
その光景に、武田さんもここだ、と確信する

(ここで絵を・・・・オレは小学生の佐和子と・・・・絵を描いた!!
 佐和子は ここに来た・・・・
 そうだ 美術館で感想を書いた時間が 3時間30分というのは いかにも長すぎる
 もしユースを8時に出たとして・・・・9時には美術館へ着いてしまう
 となると6時間30分も美術館に・・・・これはいかにも長い
 佐和子は美術館に向かう前にここへ来たんだ!私との思い出の地に!!

 佐和子・・・・お前の足どりを警察は追えない
 ・・だけど・・ 父さんは追える・・・・ 追えた・・・・!
 そしてその足どりの向こうに必ず・・・・ 犯人がいる!!)

<続く>

69 :
ぽんぽこ証拠というか手がかり見つかりすぎだろw
まーそこで手こずられても漫画的にアレなのはわかるんだが…w

70 :
うーむ、告白に比べてスゴい健全な緊張感を感じる
ひょっとしてかわぐちかいじに作風寄せてきてる?
折角のコンビなんだからもっとめちゃくちゃやっても良い気がするが

71 :
告白は石倉の殺人自供かと思わせて実は浅井のほうだったという
ひねったタイトルだったが生存もそうなるだろうな。
最終的には佐和子が生きてたとか?

72 :
  生存 ―LifE―

池の広がる広場のあちこちで、子供達が楽しくお絵かき
武田さんも、昔、娘と共にここで絵を書いていたときのことを思い出す

(あれは確か・・・・娘が小学生の頃の夏休みだ
 ここで一緒に 絵を書いた!!)

若かりし頃の、貴重な団欒を思い返す武田さん
思えば、これが父と娘と楽しく過ごしたのはこれが最後であった
自分自身、ひどい父親であったと悔いる武田さんが、野原に落ちてたどんぐりを踏んで…

娘とここに来た記念に、いろんなものをタイムカプセルに詰めて、とある木の側に埋めようとする

それを思い出し…たはいいが その木がどれであったか…
武田さんの眼前には無数の木が生い茂っていた 
…あたりを見渡し、武田さんは不意に娘の書いていた絵のことを思い出す
一度宿に戻り、(おそらく)会社の人を頼って佐和子の描いた絵をFAXで送ってもらうよう頼む

その絵を頼りに、どのあたりの木かを見定め、その木の側を掘り起こす武田さん
……掘り進めて行くうちに、スコップが何か硬いものに当たり、見事にタイムカプセルを見つけ出すことが出来た
よくもまあ残っていたもの、と変に感心する武田さん …その掘り起こしたタイムカプセルの側に何かを見つける
巻かれた紙のようなものを取り出し、広げてみると…

ここの風景を書いた絵に、1984.9.15の日付と、佐和子の名前が記されていた

やはり14年前、佐和子はここに来ていたことを確信する武田さん
横に倒れた朽木に座り、子供の頃と同じようにここで絵を…
…涙を流しながらその光景を浮かべる武田さんが、タイムカプセルに入っていた一枚の手紙に気がつく
その手紙も、14年前の佐和子が残したものであった……

73 :
[お父さん お母さん 心配かけて ごめんね・・・

 お父さん 覚えているかな?
 この大沢池のこと。

 私が小学4年のとき
 一緒に来たんだよ。

 どんぐり、埋めたでしょ。
 タイムカプセル・・・

 あの時は
 一緒だったよね・・・

 あんな楽しいこと
 なかったよ・・・

 お父さん・・ また、昔のように
 戻れると・・いいね

 そうだな・・
 お父さんがゆっくり
 出来る頃・・・ 60才とか・・・

 そしたら、掘り出してみよう・・
 絵も一緒に・・ね。

 けっこう
 上手く書けた でしょ。 ]

74 :
今となっては遺言になってしまった、佐和子の残した手紙…
それを前に、武田さんは涙を流して震えるのであった…

佐和子は確かにここへ、そしてあの美術館へ行った
……だが、ここから先の足どりが掴めない…
武田さんは、娘に力をくれと願い… その時風が吹き絵が飛ばされそうになってしまう
慌てて絵を掴む武田さんが ……何か、違和感に気がつく

絵の方は…何か、池の隅の方に青いものがある・・・?

「この青は何だ・・? 空じゃない!
 青い花・・・・こんな色の花が14年前には咲いていたのか?
 いや こんな花の色なんて・・・・ 白か・・・・もっと濃い青ならまだわかるが・・・・

 これは・・・・ 車では!!

 あの花の陰に車を止めると ちょうどこんな感じに!
 これが車だとすると・・・・ あの位置はまるで・・・・
 観察地点<ポイント> ここで絵を描いている誰かを覗く場所・・・・!
 だとすると・・・・佐和子はそれと知らず描き込んだのか?犯人の車を・・・・!」

その絵を手に、武田さんはその車と思わしきものがあった場所へ向かう

<続く>

75 :
  生存 ―LifE―

前回の見た怪しいポイントを探る武田さん
ちょうどそこはまさに車一台分、ちょうど上手く収まる広さであった
その地点は山道から少し入った地点 車が入れなくもない
しかも入ってきた山道からは上手いこと見えず、怪しまれない絶好のポイント
はたしてこれは佐和子を殺した犯人の車の影なのであろうか…

ひとまず宿に戻り、たつき展に訪れた人、同じくユースに止まった人をできるだけ当たってみようとする

(出来ることからやっていこう! 運があれば・・・・ 天が・・・・味方すれば
 しかし・・・・ なんせこれは14年前 皆覚えているはずもない・・・・
 ただ人間は覚えていなくとも 記録していることはある
 写真・・・・だ!!
 あの日・・美術館 ユース・・・・
 その周辺で写真を撮った人は何人かはいるはずだ・・・・
 その人たちにあたっていけば・・・・ 記録されてるかも・・・・)

その後、武田さんは14年前に来館した人たちから、ひとりひとり写真を拝見して回る
背景に娘か、あるいは犯人の姿
もしくは、あの色に近いような車の写真でも見つかれば…大分犯人に近づくのではないか…?

結果で言えば、長野県であった人は全滅 写真もそれらしいものはない
残りの望みは東京から来ていたという二人… 藁にもすがる思いで、何か手がかりを求める武田さんだが…
…残念ながらその二人も、手がかりらしいものは写っていなかった

(これで 全ての"つて"を・・失った・・・・ どうする?これからどうすれば・・・・
 どうすればいい・・・・?
 5月8日から一ヶ月経過・・・・時効まであと・・。三ヶ月余り!!)

76 :
ひとまず東京に戻り、病院でお薬を貰う武田さん
思ったよりも体の調子はいい これも娘の加護であろうか
…すると武田さんの携帯が鳴る どうやら以前に伺った人の友人のによる写真があるそうだ
そちらになら何かあるかも知れない… 武田さんはそちらの家に伺い、アルバムを見せてもらうと…

一枚の写真に、佐和子の後ろ姿、それに並ぶ一人の男性が写されたものがあった

ついに犯人に辿り着いた武田さん …おそらくはその写真に写された、佐和子の隣にいる男性…
この男が犯人なのでは…!?
さらに、二人が向かっていると思わしき車の色も、あの絵の青色と一致する
とはいえピンボケ気味で車の判別までは困難だが…大体の形からセダン系統の車種とあたりをつける

「あ・・ありがとうございます」
「あ・・いえ でもこんなものが お役に立つのでしょうか」
「とんでもない 一歩・・いや 二歩前進しました!!」

(ついに辿り着いた あれは・・・・おそらく犯人の車だ・・・・!
 しかしかんがえてみれば ここからがまた至難
 どうすればこの犯人の車を見つけることができるのか・・・・?
 だが・・・・この写真はもうひとつ重大な情報をオレにくれた!
 佐和子が見ず知らずの男の車に乗るとは考えられない
 この後ろ向きの男・・・・ この男は 顔見知りだ!!
 東京暮らしで娘の顔見知りだった男に違いない!!)

<続く>

77 :
自分でダメ親だと思ってる割にはけっこう娘には慕われてるんじゃないか
少なくとも慕ってない親にあんな手紙を残したりはしないだろうし

とりあえず武田さんは自分の一本調子な思考が浅井みたいに悪い方向に行かないかが心配だわ
犯人を追うことに躍起になるあまりに精神を病んだりするとかも、ありそーでなあ…

78 :
  生存 ―LifE―

長野県 N市中央署―――

今日は武田さんはこちらに足を運んでいた
警察に犯人と思わしき男が見つかったと、武田さんの応対をする刑事に一枚の写真を見せる

「犯人・・・・というと?」
「その写真は1984年9月16日 高原美術館の駐車場で撮ったものです
 遠くに写っている二人連れの右側の女の子・・
 後ろ姿ですが・・・・ 娘・・佐和子に間違いありません!!」

続いて武田さんは、佐和子の絵に描いていた青色の影について言及
この青い影が、二人が向かっている車の色と一致している
最初に見せた写真にあるように、佐和子はその男の車に乗り込もうとしているのが伺える
となれば、この人物は佐和子の顔見知りの人物に違いない、と主張する武田さんだった…が
しかし、服が違う との刑事の言及に武田さんも言葉に詰まる

「・・・・・・・・ この写真はどうやって?」
「あ・・はい 娘は9月16日高原美術館で開かれていた海野たつき展を見に行きました
 当時の来館者名簿にそのことは記されていました
 娘がユースホステルに宿泊したことも確認しました
 私は当日の美術館とユースの名簿を全てチェックし一人一人訪ね歩き・・・・
 運よくその中の女性の友人がこの写真を撮っていて それをお借りしたんです」

なるほどと呟き、タバコの火に火をつけつつ
部下に報告書のコピーを催促しつつ…いい放つ刑事の言葉は…

79 :
「よくあるんです 我々も・・・・
 苦労するとね・・・・ちょっとした符号
 つまり事件当日であることと・・・・背格好の似ている女の娘・・・・
 これだけで決めつけるというか・・・・
 もうこれは絶対・・・・とか そう思えてしまうんです
 若い頃はよくそれで刑事長にどやされました ハハ・・・・

 武田さん・・・・
 事件の捜査というものは もっと本当を積み重ねていくもんなんです
 本 当 の こ と を・・・・!!」

…それでも、武田さんは食い下がろうとするも、刑事はさらにその主張の否定を続ける
犯人が娘の顔見知りと言う指摘を、頭から否定…どころか完全に無視 考慮にすら入れない
もはや何を言っても無駄、と武田さんは切り上げようとして…
写真を横から角刈りの刑事が取り、それを見据え…
武田さんは、刑事に敵意を示すようにその写真を奪い取り帰り支度

「みんな刑事ドラマが悪いのさ・・・・ ああいった勘違いが出てくるのは ハハハハ ハッハハハ」

去り行く武田さんの背に、刑事のあざ笑うような笑いが響くのであった

80 :
その後武田さんは、噴水の側で打ちひしがれたように座り込み…

(あの刑事の話したことの方が・・・・ 常識というものなのだろう・・・・
 こんなピンボケの上 こんな小さな画像
 向こうからすれば で・・・・どうすればいいの? というようなものだろう・・・・!
 逸脱しているのは多分・・・・オレの方だろう・・・・
 たしかに直感といってもいいようなことでオレは舞い上がり 確信してしまっている
 しかし ならば常識で・・・・ ならば バランスの取れた賢明さで・・

 犯人に近づけるか!!

 あの・・・・許せない犯人に!!)

変り果てた佐和子の姿が脳裏に浮かび、武田さんはその怒りを燃やすのであった…

<続く>

81 :
  生存 ―LifE―

「直美・・・・ お前が残してくれたノートから・・
 今・・・・ここまで辿り着いたよ」

冒頭、仏壇の二人に武田さんは手を合わせてそう伝える
佐和子を殺した犯人は佐和子の知り合いに間違いないはず…

真夏の炎天下の中、武田さんは今日も手がかりを求めるが
サ店で佐和子の友人に聞き込みをしていると…突如、武田さんが倒れてしまう!?




病院のベッドで、武田さんは目を覚ます…
時効だけではない、その病も刻一刻と武田さんを蝕む…
医者も本来ならもう入院して安静にしていなければ行けない状態と言うが

(冗談ではない もう・・9月・・・・
 せっかく突破口をつかんだんだ こんなところでゆっくりしている時間はない!
 命の時間だ 時間は命・・・・だ 時間を・・・・時間を奪われて・・・・たまるか!!)

そして武田さんは杖を突きながらも、重い足取りで病院を出て行く
その様子に医者も眉をひそめるが、武田さんを引きとめようとはしないのであった

(オレが晴らさねば 無念を・・・・  犯人の時効が 成立してしまう!
 犯人がもし海外旅行に行ってないとすると
 だが今どきそんなことはあり得ないだろう いや・・・・それを信じて
 サッカーの試合の延長の時間・・・・2・3分のつけ足しの時間・・ ロスタイムだ!!
 まだ笛は鳴っていない!!)

82 :
その後も聞き込みを続ける武田さんだが、めぼしい収穫はない様子…
夜になり、自宅に帰って一息つきつつ電話に残った留守番電話を再生する
留守番電話の声の主は、警察の村井を名乗る その紹介に、武田さんはいつぞやの短髪の刑事の姿を思い出す

<え〜〜〜 一応・・・・ 車の件あたってみました・・・・
 メーカーに問い合わせたところ あの車の色は 当時はんばいしていなかったという確認をいただきました・・・・
 ですのであの車は外車かもしくは塗り替えたものと思われ・・・・
 塗り替えた場合は・・・・ その車から犯人を特定していくのは難しい・・・・と思われます>

「何言ってやがる! ちゃんと調べたのかも疑わしい・・・・ わかる・・もんか!!」

警察の対応に不信感を露わにする武田さん 憤慨しながらも警察には頼らず自力で聞き込みを続けるが…
やはりめぼしい収穫には恵まれない そして家に帰るとまた警察の村井からの伝言が残されていた

<村井です あの・・例の湖の先の青色がビニールシートか という件ですが・・
 あの当時 そういう事実はないという確認をとりました・・・・ ご報告しておきます>

<村井・・です 例の・・その駐車場の件で
 あの写真の2人が青い車に向かったとは限らない・・・・という話ですが
 確かに もう一台分向こう側に車を止めるスペースはあるのですが・・・・
 車は存在していなかったという確認が取れました
 車があったならば車は見えずともカゲは写真に写っているはずで・・・・
 それがあの写真にはなかった・・と記憶しています
 ・・よってあの2人は 間違いなくあの青い車を目指していたもの・・と推測されます>

……それを何度か続けるうち、村井からの伝言に転機が訪れる
14年前に佐和子に会った人物が見つかった、と言うのだ…

<続く>

83 :
真夏の描写がうまいよね、かわぐちセンセ
熱気が立ち込めてて本当に暑そう

84 :
  生存 ―LifE―

冒頭、武田さんは前回の刑事、村井からの報告を受け彼と行動を共にする事になる
同乗した車で、武田さんは村井に礼をいい、どうやって調べてくれたのか問いただすが

「調べるとかじゃなくて・・・・ ほら・・あれですよ」

村井が示す先には、娘佐和子の殺人事件の情報提供を呼びかける張り紙であった
だから私の力ではない、と村井は語りつつ…

「それにこの事件の捜査本部はもうないんです
 時効は・・・・ 3日前に成立しました
 ただ 武田さんもご存知のようにそれは犯人が海外旅行に行っていないと仮定しての話です
 まだ・・・・希望はあります!」

2人が辿り着いたのは、海外ボランティア団体の施設
その施設のおばさんは、顔こそ覚えてないが確かに来たと答える

「事務所を閉めようっていう時だから 9月16日の午後7時頃だったと思う・・・・
 来てね・・・・ 一緒にやってみたいって・・・・ でもまだ未成年でしょ
 ちゃんと両親の承諾をもらってから来なさいって・・言って・・・・
 そしたら少し黙ってたけど分かりました・・・・って
 で 一応 何ていうの?入会というかメンバー・ナンバーを渡したわけ
 うちは活動する気もないのに話だけ聞きたいなんて甘っちょろい若者につき合ってる時間はないのよ
 だからとにかくまずメンバーになってもらってから話をしたり聞いたりするわけ
 で その時に会員ナンバー付きのこの指輪を3000円で売ることにしてるのよ もう20年も前から
 そしたら写真に貼ってあったこの尋ね人の写真の下側にあるじゃない
 正直もうこの娘の顔なんて覚えちゃいないんだけど この指輪の件は忘れようもない」

その言葉に、武田さんも佐和子の遺体がつけていた指輪のことを思い出す
……武田さんは、娘以外にも誰かいなかったか、団体のおばさんに問いただすと…

85 :
「それねえ・・・・ そっちの刑事さんにも言ったんだけど・・・・
 事務所に入ってきたのは彼女だけ・・・・だったのよ
 ただ・・・・もう遅いから心配して・・・・ 今夜どうするのって?って聞いたのも覚えてるの
 そしたら・・・・ 父 の 迎 え がきてますので・・・・ っていうわけ」

おばさんのその言葉に、武田さんは驚愕に目を見開く
……やはり犯人は顔見知りだと確信する武田さん 結果として武田さんの言い分が正しく、村井も帰りの車で謝罪する
そして村井はこれから協力したいと申し出る …だが捜査本部は解散したはずだが…?
その問いに、村井は彼個人としての協力と答える どこまでできるか分からないが、可能な限り、とも
そんな村井に「どうしてですか・・・・?」と問う武田さんに、村井はこう答えた

「許せないのです・・・・ おそらくはのうのうと暮らしているはずの犯人が・・・・!」

と言うわけで署に辿り着き、二人は一旦ここで別れる
…その背を見ながら、いつぞや武田さんに冷たい対応をした刑事、岸河が口を開く

「村井さん・・・・逃げられてるから・・・・ 時効で・・・・2人・・・・
 決定的な証拠がなく 起訴にもっていけなかったんだ・・・・
 村井さんはもちろん オレも信じちゃいるけどね 犯人は奴だって・・
 でも・・裁けない 物証がないと!!」

その言葉に武田さんも気づく たとえ犯人を見つけたとしても証拠がなくてはどうしようもない…
…そして岸河は駅まで送りつつ、今までの非礼をお詫びしますと武田さんに頭を下げ

「5倍にしたのは村井さんなんだ 例の娘さんのポスターの枚数
 ホトケが上がった地点や美術館周辺だけじゃなく 車で移動する事もあり得ると言って
 上にねじ込んで・・・・ 結局・・県全域に
 あの人は精一杯やってますよ 武田さん では・・・・」

去り行く岸河のその背に、武田さんも深く頭を下げるのであった

<続く> 

86 :
  生存 ―LifE―

冒頭、武田さんは犯人が顔見知りであることを確信し
武田さんと娘、佐和子 共通の顔見知りと言うことに、自分の隣人に犯人がいるのでは、と疑う…
それはそれとして、久々の出番のゆかりさん 佐和子の日記をちょっと拝見すると

「あの頃「シュガー」にも行ってたけど この"S"は北口の"そら豆"じゃないかしら
 今はもうないけどあの頃はあったんです・・・・ 今 ほらコンビニになってるところ」

さっそくそちらで聞き込みをしてみると、さっそく有力そうな証言を得る
どうやら娘に熱心にアプローチをかけてる奴がいた、とのことだが

「誰・・ですか?」
「ご存知ないですか?この近所に住む・・・・ ほら ビル持ってる佐藤正広・・・・
 そこんとこのせがれで・・・・ごくつぶしがいたじゃない・・・・ボンボンが
 そう 裕太 佐藤裕太」

その佐藤の知り合いと思わしき大工の職人からも、車の色に関する証言を得る
……ついに、犯人に辿り着いたのか…? 武田さんにも緊張の色が浮かぶ

…その佐藤裕太に関しては こう書いてはなんだが、いわゆるあからさまなチャラ男であった
まさかこんな男に娘が…?武田さんも少々困惑するが…だま動くには早い
まずは彼が犯人であるという証拠を積み重ねていくことから始める

その後の証言から、その頃の裕太の持っていた車種に関しては外国車のカマロと言うことらしい
そこに辿り着けば、なにかが分かるかもしれない…

87 :
その後武田さんは、カーディーラーからの証言を探っていく

(佐藤は若い頃からの車道楽・・・・ 店は違うが近くの中古販売店からとぎれることなく買い続けている・・・・
 2年平均で 次々とさかのぼり・・ ついに事件のあった15年前まで・・)

だが、カマロの一台前までたどりついたもののそこで裕太の車の下取りは途切れてしまっているとの事
……その事に武田さんは、カマロには間違いなく何か事件の証拠になりえるようなものがある、と確信する

(15年前に廃車にした・・であろう カマロを受け付けた業者がどこかにいるはずだ
 どこかに投棄されていたら終わりだが・・・・ 投棄などしていないはずだ
 "事件の何か"・・を残してしまった車を・・・・
 仮に山奥の谷底でも投棄・・捨てたりしない 潰してしまうのが一番だ!
 完全に鉄クズにすることを考えるはず!! 
 もしそうなってしまっていたら・・ そこで糸が切れてしまう)
「しかし もし残っていたら 潰されず・・ 何らかの理由で潰されずに残っていたら」

          それは きっと決定的な・・・・!!

季節も枯れ葉が舞い散るようになり、武田さんは発作に苦しみながらもそう確信する…
その手の業者に電話していくうちに、当たりを見つける武田さんだが
その業者はすでに潰してしまったとのこと…だがそこでやったわけではなく、スクラップ業者に頼んだそうだ
その業者に連絡を取ろうにも、3年前にたたんでしまったそうで…
この後、どうたどればいいのか…武田さんも悩みながら、村井の方の連絡を待つと
村井はその業者を無事見つけてくれたようだ どうやらその業者がいわゆる悪徳業者であることが幸いしたとの事
……肝心のカマロに関しては、まだスクラップと決まったわけではないらしい まだ、可能性は残されている…!

<続く>

88 :
武田さんと村井は、犯人の手がかりがあると思われるカマロを探しにスクラップ業者の下へたどり着く
その業者に案内された先にあったのは、文字通り 山 の如く詰みあがった大量の廃車であった

  ―生存 LifE―

その光景に、村井は「車の墓場」と評する…
さっそく手元の資料を頼りに、2人は車の墓場を捜索するが

(砂山の中の針・・・・か)

山のような大量の車の中から目当ての一台を見つけ出すというのは、言うよりもはるかに至難のものであろう…
そこに武田さんがスカイブルーの車を見つけるものの、残念ながら車種が異なるようだ

「ここに無いとなると 範囲は広がる・・・・ もしくはまったく別の場所か」

…一息つきながらも、日が落ちるまでには見つけないと と捜索を再開するふたり
するとそこに村井の叫びが響く ついに目当てのカマロを見つけ出す のだが…

― ここだけフルカラー ―

ふたりの目当てはスカイブルーのカマロ だがその色は明らかに赤いが…?
…すると村井はカマロの側に近づき、そのボディに10円で傷をつけると
削り取ったカマロの赤い塗装が剥がれ、その下から青いカラーリングが出てくる!?

― ここだけフルカラー ―

89 :
(そう・・犯人は水色のカマロのままでは あまりに特定されると思い・・・・ 事件後赤に塗った・・・・
 その上で破棄した・・ 狡猾に・・・・! もし このまま鉄クズにされていたら
 あらゆる人間の記憶からも・・・・ 消滅していたであろうカマロ・・・・)

さっそく何か手がかりがないかを探すふたり 
村井は車の内部を、武田さんはトランクルームを開き その中に入ってみると…
トランクルームの裏側で、武田さんが何かに気がつき懐中電灯でそこを照らすと
武田さんの目に飛び込んできたのは… たすけて父さん の文字…佐和子のダイイングメッセージであった


             |  |
    藤        |  |
   佐         | ミ | 
             |  |  
             <   |   
              VVVV
      1063636
       1055915  
                      たすけて
                        父 さん

                           
                       イ左 和 子

そこに刻まれた佐藤の字に、やはり佐藤裕太が犯人であると確信する
…佐和子はここに閉じ込められながらも、最後に犯人を刻み込んだのだ…

「佐和子さんの筆跡に間違いないでしょう 賢明な娘だ・・・・
 武田さん 無念を晴らしましょう・・一緒に!!」「はい!!」

<続く>

90 :
父の顔見知り、と言う部分が抜けてるから佐藤は犯人じゃないだろうと思ってたけど
これはやはり佐藤で確定なんだろうか

91 :
  生存 ―LifE―

冒頭、武田さんと村井は警察署に戻り、証拠品のカマロを搬送していた

「徹底的にやってくれ まだ何かでるかも・・・・ いや必ず出る!!
 これだけの"獲物"を手に入れたんだ 逃すものか!!

 これで動きます このカマロで警察は動く 徹底的にね・・
 ただ・・・・」
(もう・・時効の15年は過ぎてしまっている
 もしもあの佐藤がこの間一度も海外への渡航歴がなかったら!
 すべて・・・・ 水泡・・!!)

…武田さんは祈る気持ちでその報告を待つ…

(過ぎたと言ってもわずか一ヶ月弱・・ 望みは・・ある!!)

……娘、佐和子が受けたであろう仕打ちを思い浮かべ涙と共に怒りを燃やす…!
村井からの報告は…喜ばしいもの 佐藤の時効は成立していないとのことであった

「実りましたよ あなたと娘さんの思い・・・・執念が!!」
「あ・・ありがとうございました!」

…そしてその翌日 武田さんは佐藤宅の前で張り込みを行っていた

(となれば・・じっくりいきましょう 時間はたっぷり残されています
 ホシは こっちがここまで近づいていることをまだ知りません つまり逃亡の恐れはありません)

村井は武田さんに早まった行動は慎むように釘をさす、証拠が集まってからでも遅くは無い…
武田さんは怒りに震えながらも、じっと耐え忍ぶ…

(佐和子・・・・待ってろ もうすぐだ・・・・)

92 :
その夜、村井から証拠が固まったとの電話が届けられる

「ほ・・本当ですか!?」
<ええ!車の後ろにあった"へこみ"
 そこに付着していた木の破片と削れた石の破片
 それらからこれがおそらく犯行のあったであろうという場所を特定できました
 通常こんなものが15年あまりも残ったりしないのですが・・・・
 ホシが犯行の車を特定できないようにした例の稚拙な細工・・
 車のボディに塗装を上塗りしていてくれたことが幸いしました>
「どういうことですか?」
<塗り固めてくれたんですよ
 現場で慌てて車を動かした時・・・・ たぶんバックでの方向転換の際に
 木と石に車体をぶつけッ その時わずかに付いたその石と木の微小な・・・・
 いうなら破片を・・ あの塗装で

 その塗り固められた破片から石と木の種類は特定できます
 あとは娘さんが最後に消息を断った例のボランティア事務所から真っすぐ東京に向かったと仮定し・・・・
 その途中の山道でいかにもスッ・・と木々の陰に車を隠すのに好都合な場所をしらみつぶしに当たり・・・・
 それに例の石と木の条件を加えていったら もうここしかないという場所を探し出しました
 今 そこから山に入ったと推定し・・・・
 何か 犯人に直結するものがないか全力で探しています
 近日中に資料を持ってお伺いします>
「・・・・!! ありがとうございます!!」

93 :
夜も更けて、武田さんはお酒を一杯ひっかけつつ
…佐和子が受けたであろう仕打ちが、武田さんの脳裏に浮かび…その怒りの炎を燃やす…

一方、警察の方はなにか捜査の違和感に気がついた様子だが…?
…夜道を歩く村井の下にもその報告が届けられ、村井はその報告に驚愕する
急いで武田さんの家に駆けつけるが、呼び鈴を鳴らしても反応が無い…

「武田さん・・早まるな!!」

……武田さんが姿を見せたのは、佐藤の前であった
娘を殺した犯人を前に、武田さんの表情が険しくなる…

<続く>

94 :
  生存 ―LifE―

冒頭、佐藤と対峙する武田さん 娘を殺した犯人と思われる佐藤が、その父を前にして

「なんか・・・・何て言っていいか・・分からないけど・・・・
 例の・・ほら あんなことになってたなんて・・
 でも まァよかったよね なんつうか・・ 仏さんでも・・・・帰ってきて・・・・さ」

佐藤のその発言に武田さんの怒りは頂点に達し、佐藤に向け飛びかかる!!
「何で殺した!?」と胸倉を掴み怒声を浴びせる武田さんだが…それを村井が止め
現れた村井は、佐藤は犯人 で は な い という…! そんなはずは、と言いかける武田さんに、村井はさらに続ける

「すまない こちらも見逃していた
 佐藤さんは15年前のあの日・・・・ ちょうどグアム旅行から帰国していて・・
 いや・・・・とはいえもちろんそれでもギリギリ・・・・
 あの日 長野に行ける時間はあったので我々は十分犯行可能と判断しつい・・・・」
「だって 行けたんでしょ 行けたなら別に・・・・」
「成田・・ならなんです 佐藤さんがあの日 9月16日に帰ってきたのは 正午着の福岡なんです
 正午に福岡では・・・・ いくら乗り継ぎがうまくいってもあの時間に車が描きこまれた長野の大沢池までは行けない!
 つまり佐藤さんはシロ・・・・ アリバイが・・ ハッキリしたアリバイが!!」

村井の言葉に、武田さんは愕然とするのであった…

……その後、ふたりは居酒屋で佐藤に謝罪する 
佐藤も話を聞けば分からんでもないと、武田さんの行いを許してくれたようだし
それなら自分が疑われても仕方が無い、と言ってくれた チャラい外見に似合わず人格者である

佐藤の話によれば、あのカマロはいろんな奴に貸してばっかりで、犯行当日に誰の手に渡っていたか把握してないという
返してくれたか、売り払ったかも微妙にあいまいのようで…

(あれは一体なんだったんだ・・佐和子! なぜ この佐藤じゃないんだ)

95 :
ならば佐藤の友人関係に当たろうとするものの、なにぶんサ店で知り合った程度の友人
それも15年も前ともなれば、今どこにいるかなど佐藤自身にもつかめるものではないが…
どんなささいなことでもいい、と武田さんに頭を下げられ…佐藤も困惑しつつどうにか思い出そうとする

……その中で、さとしという友人のことを思い出す どうやらその友人はどこか大企業の内定が決まっていたらしい
新聞を広げて佐藤が指したその内定が決まったという会社に、ふたりは驚愕する 武田さんの勤めていた会社だ…!
武田さんの会社なら、名簿を調べればさとしという男のことは分かるだろうが…彼が佐藤ではないとしたら…
そう苦悩する武田さんの横で、村井が不意に問いただす

「その喫茶店で彼は・・・・ つまりさとしさんは何と呼ばれていました!?」
「いや・・だからさとしはさとし・・と あ・・そういえば・・・・
 さとしと呼んでたのはオレくらいで マスターやほかの仲間は確か さと・・ちゃんと」
「さとちゃん
 さとし・・・・さとちゃん さと・・・・
 さ と う !!
 娘さんは 店の中で飛びかったであろうさとちゃんという愛称から・・・・
 その男を佐藤であると誤認・・・・ 可能性は・・あります 武田さん!」

……さっそく会社の名簿で、さとしの名前のある人物を探すと…意外な人物に突き当たる
武田さんの見つけたさとしと言う人物は、武田さんが退社直前までチームを組んでいた部下の中村であった

<続く>

96 :
急転直下の連続で見応え有るなあ
ただ何というか漫画というよりサスペンスドラマのコミカライズを見ている気分だ
これはかわぐちかいじ作画の影響かも知れないが

97 :
>>96
確かに なんとなくだけど実写ドラマ化させても映える内容だと思うわ
しかしアッパーズは最初は士郎正宗のエロポスター目当てで見始めたのに
これとかREDとか意外と見ごたえのある作品が多くて困るw

98 :
佐藤が見かけによらずいいヤツでワロタ
中村ってあの最初の方に出てきたモブにしか見えないあいつか

99 :
  生存 ―LifE―

佐和子を殺したと思われる犯人は…武田さんの部下、中村であった
その事実に武田さんも息を切らせて驚愕する…

(なるほど・・・これでひとつ どうしても拭えなかった疑問が・・解けた
 いくら顔見知りとはいえ ちょっと店で知った・・・・そんな程度の・・・・
 そんな程度の知り合いの車に佐和子が軽々に乗るなんて・・・・考えられない
 ないはずだ・・という違和感がずうーっとあったのだが 今やっと拭えた・・!!
 顔見知りプラス東和建設の中村という・・つまり・・・・
 オレの部下 父の会社の人間だという安心感が 佐和子を車に乗せたのだ!!

 悪かった・・・・佐和子 なんてことだ!なんて・・話だ・・・・)

その後 武田さんは村井に中村の資料を渡し、警察に中村の経歴を洗わせる
はたして、中村の時効は成立しているのか、否か…

「え!? 確かかそれ・・」
<はァ みんなで5回は計算し直しました しかし何度やっても時効は12月1日・・・・

 つまり 今 夜 午 前 0 時 午前0時にオワる!!>

今は午後の6時…つまり時効成立まで、あと6時間…!!
急いで中村を逮捕しようという武田さんを村井が諌める
まだ中村を逮捕するための書類が出揃っていない それが無いうちは…

100 :
「じゃァ すぐして下さい それ・・・・!」
「物証がない・・目撃者がいない
 今の段階ではまだ難しいでしょう 中村が犯人だという決定的な証拠がありません
 検事の判断はおそらく見送り・・・・ まだ逮捕請求は破棄相応と判断されるでしょう」

証拠なら、カマロに残された佐藤のメッセージ…それに腕の絵にあった三本の傷を確認できれば…と反論する武田さんだが
だが村井は、もうひとつ…解明されてない謎があるという メッセージに残された二つの7ケタ番号である
あれがなんなのか、村井にはまだ判断がつかないが…

「とにかく 腕上部に3本のキズがあれば・・・・ 通させます 検事に逮捕状を・・
 ですから武田さん 落ち着いてよく聞いて下さい 今この6時間は確かになにものにも代えがたい
 それこそ・・・・神がくれた6時間! 武田さんと娘さんの執念が勝ち取った6時間です
 性急さは・・・・とり逃がしますよ・・・・ ここまで追いつめた犯人を・・!!」

武田さんに残された道は二つあると語る村井、病状も悪化したためひとまずは家に戻る二人
村井の語る二つの道・・・一つはキズを確認し起訴に持っていくコース 無論これが一番最適
もう一つは、犯人本人による自白を上手く誘導し、促すこと
…いずれにしても、タイムリミットは今晩0時まで…!武田さんと、犯人の最後の戦いが、幕を開けようとしていた…

―キズが確認できましたら 携帯で私に連絡をください
 それを受け 起訴に持っていけるかどうか30分以内に連絡を入れます
 そして自白への誘導ですが・・・・犯人は当時の時効の事は当然知っているでしょうが・・・・
 例の渡航歴の件で勘違いしていることもあり得ます
 つまり・・もうとっくに時効は成立していると勘違いし
 警察官ではない武田さんにはうっかり口をすべらせる可能性がある!
 犯人しか知りえない秘密の暴露を!! それを引き出してもらえれば それでも起訴にもっていけます
 ただしこの自白は 今日が時効のリミットだと犯人が自覚していれば・・・・まず・・取れないでしょう―

(佐和子・・・・ 辿り着いたぞ やっと・・・・ここまで!
 あと・・・・4時間・・20分 対決だ!! 2人で犯人に鉄槌を!!)

<続く>


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