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/ ´,_ゝ`\初心者のための富士山登山入門131m 【IP表示無し】
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登山に犬同伴はダメ4
【栗城史多似の】栗木ハンター(ワイエディ)35【ダメ工作員】
大阪アルデ山岳会

/ ´,_ゝ`\初心者のための富士山登山入門145m (ワッチョイ無)


1 :2017/12/15 〜 最終レス :2017/12/16
【アフィサイトへの転載・誘導禁止】

富士山は、夏の暑さと冬の寒さを一日で体感する過酷な環境です。
>>2〜のテンプレを参考に「余力を残して登頂・余裕を持って下山」でご安全に。


■ ご覧の皆様へ
登山キャンプ板にはブログ宣伝荒らしや業者が常駐しています。
http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1500267844/1-
「wi1d28jp」(栗城ハンター)などの悪質スパムは踏まずにNG登録を。
踏んでしまった人は関連cookieを削除し、ネットショッピングは別ブラウザから。
 
■ 普段から対策を!
ブラウザにadblockやuBlock導入+国内フィルタ全部載せが推奨です。
スマホは広告ブロッカーも多いのでお好みのものを(フィルタ追加できるものが効果的)。
勝手な広告やスパイウェアをブロックして安全で快適なネットライフを♪
スマホ通信量の節約、時短にもなります。


※前スレ
144m 
http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1513231450/

2 :
 
※過去スレ
127m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1502426392/
128m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1504257381/
129m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1505654412/
130m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1505746304/
131m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1506049117/
132m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1511685239/
133m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1512444556/
134m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1512518697/
135m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1512657195/
136m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1512771980/
137m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1512794828/
138m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1512907765/
139m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1512916514/
140m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1513036203/
141m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1513053058/
142m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1513089517/
143m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1513137620/
 

3 :
 
開山期間は山梨県側で7/1〜9/10。静岡県側で7/10〜9/10です。
初心者が登れるのは山小屋が営業する期間に限られます。

初冠雪(積雪)は例年10月初旬ですが、9月でも降雪の可能性があります。
10月以降、風雪と強風に磨かれカチカチに凍った急斜面は氷の滑り台のようになります。
毎年のように滑落事故があります、十分なご注意を。
 

4 :
 
高度が100m上がるごとに気温は0.6℃下がり、風速1m/sごとに体感温度は1℃下がります。
富士山では台風並みの強風が吹くこともあり、夜明け前の山頂は真冬のような寒さに、体感温度は氷点下になります。
冷えた体を温めるために多くのエネルギーが消耗され、真夏でも低体温症や疲労凍死のリスクがあります。
万全の準備で臨みましょう。  
 

5 :
 
2ちゃんねるの書き込みは、釣りや冗談、初心者以下の知識で語る人や受け売りも多いので気をつけましょう。
また、各種業者のステマやアフィリエイト目的のブログ誘導などにも注意、まずは対策から>>1
「自分はこれで大丈夫だった」「他の人もこうしてる」という話は鵜呑みにせず、信頼できる情報源から総合して慎重に判断しましょう。
 

6 :
 
■リンク
(公共性の高いものを抜粋。不適切サイト、推奨サイトお知らせください)

・富士登山オフィシャルサイト
ttp://www.fujisan-climb.jp/
・静岡県「世界遺産 富士山とことんガイド」
ttp://www.fujisan223.com
・環境省「富士箱根伊豆国立公園」
ttp://www.env.go.jp/park/fujihakone/data/index.html
・富士山ガイド.com(富士吉田市)
ttp://www.fujisanguide.com/forms/top/top.aspx
・富士宮市「富士山」
ttp://www.city.fujinomiya.lg.jp/fujisan/index.html
・御殿場市「富士登山」
ttp://www.fujisan-climb.jp/hospitality/resource/link.html
・小山町「富士山」
ttp://www.fuji-oyama.jp/kankoubunka_mtfuji.html
・山梨県警察「富士登山情報」
ttp://www.pref.yamanashi.jp/police/p_tiiki/sangaku/fujitozan.html
・静岡県警察「夏の富士登山情報」
ttp://www.pref.shizuoka.jp/police/kurashi/sangaku/fujitozan/index.html
・富士山五合目観光協会
ttp://www.fujiyama5.jp
・フジヤマNAVI
ttp://www.fujiyama-navi.jp/fujitozan/
 

7 :
 
■富士山の天気

・気象庁HP
ttp://www.jma.go.jp/jp/yoho/
・富士山の天気 - 日本気象協会 tenki.jp
ttp://www.tenki.jp/mountain/famous100/5/25/150.html
・snow-forecast.com
ttp://www.snow-forecast.com/resorts/Mount-Fuji/6day/top
・富士山山頂の天気 - てんきとくらす
ttp://tenkura.n-kishou.co.jp/tk/kanko/kad.html?code=19150004&;amp;amp;amp;amp;amp;;;amp;amp;amp;amp;;;type=15&;amp;amp;amp;amp;amp;;;amp;amp;amp;amp;ba=kk
 

8 :
 
■気象について

雨の日に登っても楽しくありません。天気が悪ければ延期する決断を。予報が晴れでも、夏は局地的な夕立や雷雨があります。
雨具や荷物の防水も忘れずに。降水確率と雨量は無関係です。確率が低くても大雨ということも。
風の強さも確認を。天気概況で「大気の状態が不安定」「急変する恐れ」「雷を伴い」と予報されていたら、登山は中止してください。
冷たい風が吹き降ろしてきたら夕立の合図です。降り出す前に雨具を着用しましょう。
 

9 :
 
■装備 ◎必須○有効△状況しだい×余計な荷物

◎ザック....防寒着が嵩張るので、30〜35gが適当
○ザックカバー.雨のとき被せる防水カバー。砂埃除けにも
○スタッフバッグ ..小物をまとめ、パッキングが楽に。電子機器、着替えなどは防水袋へ
◎登山靴....防水のミドルカットが最適。ハイカットは必要ないが、スニーカーはNG
◎雨具.....予報にかかわらず必要。ポンチョ、100円雨合羽はNG。傘は不可。強風で雨が下から
吹き上げるので、上下セパレートタイプが必須。強風時はウィンドブレーカーとして使える
◎ヘッドランプ.日帰りでも下山遅れに備えて必ず必要。予備の電池も忘れずに

◎帽子.....風に飛ばされない対策を。ご来光待ち用にニット帽も
◎サングラス..目も日焼けする。安物はレンズに歪みがあるのでNG
◎手袋.....軍手と防水の手袋を別々に。転倒時に怪我をしないように、下りでは必ず着用
◎防寒着....夜明け前は真冬並みの寒さ。ダウンなど、脱ぎ着しやすいものを
◎長ズボン...伸縮性の物が良い。ジーンズは濡れると動き難くNG。半ズボン、短パンは、風が吹くと寒い
◎化繊の下着..必ず100%のものを。綿は濡れると乾きにくく、体温を奪う
◎中厚手の靴下.長時間歩行のクッションとして。柔らか過ぎず、網目が密でしっかりしたものを

◎日焼け止め..汗で落ちたら塗り直し、首筋、耳も忘れず
◎登山地図...下山時に道を間違う人が多い
◎飲み物....2〜3gが目安だが個人差がある。怪我や目に入った砂埃を洗う真水も必要
◎救急セット..下痢止め、バンドエイド(靴擦れ対策にも)、テーピングテープ、保険証のコピーなど
◎その他....飴や干し梅など行動食を定期的に摂ろう。タオルや日本手ぬぐい。ゴミ袋

×保冷水筒...重く嵩張るのでペットボトルが良い
○保温水筒...ご来光待ち用に。山小屋でお湯を売っていれば出発時に補給
△スパッツ...砂や小石が靴に入るのを防ぐ
○ストック、金剛杖.腕の力を活かし、足(特に下りの膝)の負担軽減に有効
△その他....マスク(下山時の砂埃対策)、ウェットティッシュ、カイロ
△頭痛薬....高山病の頭痛も和らげるが、症状を隠すので却って危険という意見も
×酸素缶....吸っている間しか効果ない
 

10 :
 
■登山の注意点

余計な荷物は体力を消耗するので無駄は省きましょう。
といって必要以上の軽装も本末転倒です。必要品は省かず、背負える体力をつけてから登りましょう。

登り始めは靴一足分の歩幅で、ゆっくりと登りましょう。追い抜かれても慌てずに。
オーバーペースではバテます。また高所は乾燥していますから、水分は少量をこまめに。

グループで登る方は、途中はぐれないように2人以上で組んで行動しましょう。
登山中は最も遅い人のペースに合わせ、また子供には単独行動をさせないようにしましょう。
初心者は列の中央、経験者が前後で目を配りましょう。

全員が地図のコピーを持ち、どのルートで登って来たかを覚えておきましょう。
はぐれた場合の待合せ場所、下山の分岐点についても事前に確認し共有しておきます。

万一の体調不良、ケガの時は全員での下山が原則です。
体調不良は高度障害の可能性もあり、休憩や小屋待機よりもすぐに下山した方が良いケースも。
分かれて登山を続行する場合でも傷病者には必ず誰か付き添い、下山をサポートしましょう。
スケジュールが決められたツアーでは自分のペースで登れず、無理をすると高山病にかかる場合もあります。

トイレは有料のため、100円玉を用意しておきましょう。順番待ちも多いので出来るときにお早めに。

下山時は重心を軽く前へ、歩幅は小さく一足分。滑りやすいところでは足を逆八の字に開きます。
富士宮ルートの平らな岩場では岩の角に靴底の溝を掛けると滑りません。  
爪先で踏ん張らず、力を抜いて足裏全体で接地するか、親指の付け根を意識します。
 

11 :
 
■高山病の予防と対策

高山病は体質に起因すると言われ、年齢や性別、体力やスポーツ経験もあまり関係ないようです。
自己の体力を過信せず、登り始めはゆっくりと時間を掛け、身体を慣らしながら登りましょう。

息を吸う事よりも吐く事を特に意識してください。有圧呼吸法も有効とされています。
大きく息を吸い込み、2秒ほど息を止めるとともに、胸に圧力をかけるように力を入れた後、口先を
すぼめてゆっくり吐き出す。これを5〜6回繰り返すと、血中の酸素濃度が上がり、楽になります。

水分を定期的に摂ることも大切です。行程の時間から逆算して必要量を算出し、計画的に摂取し
ましょう。1時間あたり、体重kg×5mlを4回ぐらいに分けて飲むのが良いそうです。(間隔や量は各自
調整してください)

・Yutaka Miura's home page:私の高山病の治療方針
ttp://www.med.nagoya-cu.ac.jp/igakf.dir/chyo_AMS.html

睡眠中は呼吸が浅くなるため、高山病になりやすいです。なるべく低い標高の山小屋を選択し、着い
てからすぐ横にならずに、しばらく身体を動かして高度に慣らしましょう。催眠成分を含有する頭痛薬
なども呼吸を浅くするため、高山病を誘発しやすいようです。

高山病になったら悪化する前に下山させるのが一番の解決策です。無理に動かしたり、引っ張って
登らせてはいけません。重篤な場合には、診療所・救護所へ助けを求めましょう。

初期症状は、頭痛、息切れ、むくみ、不眠症、食欲不振、脱力感、吐き気など。さらに、激しい頭痛、
嘔吐、空咳、 意識障害(支離滅裂なことを言う、問いかけに無反応など)になると、とても危険な状態
です。登山は諦めて付き添いの人と共にすぐに下山してください。高山病は最悪の場合死に至ります。
 

12 :
 
■ご覧の皆様へ

現在、前スレでは埋め立て荒らしが再発しています。
>>1の注意喚起とadblock周知を妨害しようとする者でしょうか。

ここが同様に荒らされた場合、さらに新スレを立て対処していきます。


・荒らしの状況
128m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1504257381/639-n
129m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1505654412/
130m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1505746304/
131m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1506049117/126-n
132m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1511685239/130-n
133m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1512444556/
134m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1512518697/
135m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1512657195/
136m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1512771980/
137m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1512794828/
138m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1512907765/
139m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1512916514/
140m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1513036203/
141m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1513053058/
142m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1513089517/
143m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1513137620/
144m http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1513231450/
 

13 :
 
■ 異常者による荒らし予告

SN7P4m6n
http://hissi.org/read.php/out/20170917/U043UDRtNm4.html
YmBsHqVJ
http://hissi.org/read.php/out/20170918/WW1Cc0hxVko.html

■ 連投荒らしの抽出
(冒頭にアフィスレへ誘導しています)
55THIflI
http://hissi.org/read.php/out/20170917/NTVUSElmbEk.html
 

14 :
■ 異常者の埋立荒らし
 
たまりかねたのか、ついにIPスレを荒らし始めました。

 ・Tnx6epSX0(回線1)
http://hissi.org/read.php/out/20171213/VG54NmVwU1gw.html
 (ワッチョイ 9b0c-oF0E [175.177.5.17])
  Tnx6epSXは富士山スレでも連投
  ↑
・Tnx6epSX(回線1)
http://hissi.org/read.php/out/20171213/VG54NmVwU1g.html
 12/13(水) 15:55〜 78レス


・qQ7C0sQZa(回線2)
http://hissi.org/read.php/out/20171213/cVE3QzBzUVph.html
 (アウアウカー Sa11-cUpN [182.251.242.15])
 12/13(水) 23:30〜 5レス
  ↓
・koSDLj0ha(回線2)
http://hissi.org/read.php/out/20171214/a29TRExqMGhh.html
 (アウアウカー Sa27-A0Ho [182.251.242.15])
 12/14(木) 00:01〜 11レス
  ↓
・9gdrDp+Da(回線2)
http://hissi.org/read.php/out/20171214/OWdkckRwK0Rh.html
 (アウアウカー Sa27-A0Ho [182.251.242.7])
 12/14(木) 04:05〜 現在継続中


・vbny93KSa(回線3)
http://hissi.org/read.php/out/20171213/dmJueTkzS1Nh.html
 (アウアウウー Sa89-HfL4 [106.133.56.192])
 12/13(水) 23:31〜 5レス
  ↓
・FdgDSmA3a(回線3)
http://hissi.org/read.php/out/20171214/RmRnRFNtQTNh.html
 (アウアウウー Sa1b-006q [106.133.56.192])
 12/14(木) 00:01〜01:09 12レス
  ↓
・RcU6+V3Ha(回線3)
http://hissi.org/read.php/out/20171214/UmNVNitWM0hh.html
 (アウアウウー Sa1b-006q [106.133.56.163])
 12/14(木) 01:21〜 現在継続中


【常駐荒らし】栗城ハンター(ワイエディ)【自演マルポ】
http://matsuri.2ch.sc/test/read.cgi/out/1500267844/1-

 

15 :
■ 異常者のIPの一つ
 
【175.177.5.17】
 
'175.177.0.0 - 175.177.255.255'に対する不正行為の連絡先は'hostmaster@nic.ad.jp です

inetnum:175.177.0.0 - 175.177.255.255 netname
:iTSCOM
descr:その通信会社
descr:541-1 Ichigao-tyou Aoba-ku横浜神奈川225-0024日本
国:JP
admin-c:JNIC1-AP
tech-c: JNIC1-AP
ステータス:ALLOCATED PORTABLE
発言:スパムや虐待の苦情のための電子メールアドレス:abuse@itscom.jp
MNT-IRT:IRT-JPNIC-JP
MNT-によって:MAINT-JPNIC
MNT-下:MAINT-JPNIC
最終更新:2011-02- 17T08:16:02Z

 

16 :
今ってだいぶ寒いかな

17 :
めちゃんこ寒いでしょ
特に上の方

18 :
 
.   _   _
  (〆 ⌒ ヽ)
   ミ ´・ω・`)ミ
  / ,..──-、 ヽ
  しl x )J
  _.'、ヽ  ノ 人
(_((__,ノ U¯U (酒)

 

19 :
「富士山学」国際シンポ 富士宮、富士で18年3月
http://www.at-s.com/sp/news/article/topics/shizuoka/mtfuji/437064.html

静岡県は14日の県議会企画文化観光委員会で、県富士山世界遺産センター(富士宮市)の開館記念事業として、2018年3月2〜4日に国際シンポジウムを富士宮、富士両市で開催すると報告した。

20 :
H20の38年間で約60m・3400メートル地点・523万
?・年13.8?の土砂が流出)。ただし、噴火・地震等がなけ
れば少なくとも200年後までは富士山の景観に大きな変化はな
いと予測されている(「富士火山」P407〜)。酸性雨を含む
大気汚染が引き起こす被害については、現段階では確認されてい
ない。白糸ノ滝では、滝自体の浸食により年2cmの割合で後退
しており、10年程度の間隔で自然崩壊が発生する。砂嘴である
三保松原では20世紀後半に土砂供給源の川での土砂採取が活発
になり、堆積活動が減少したことで海流による海岸浸食が進んで
いたが、現在は土砂採取の禁止等により、堆積活動が回復してい
る。また、三保松原における松にはマツクイムシ(マツノザイセ
ンチュウ)による被害が見られる。これに対しては、薬剤注入・
散布による予防措置及び植林、枯れた松の除去を資産の所在する
静岡市とNPO法人が行っており、被害の拡大を防止している。
3)自然災害と危機管理資産の所在地域における自然災害として
は、第一に富士山特有のものとして山体及び側火山からの噴火及
びそれに伴う噴石、火砕流・火砕サージ、溶岩流、融雪型火山泥
流、降灰、降灰後の降雨による土石流などが予想されるとともに
、数年単位で発生する山体における雪崩(特に大量の水分を含ん
だ雪が流動する雪泥流)や大沢崩れ及びそれに伴う土石流、強風
、雨水による浸食などが考えられる。また、富士山を含む駿河湾
沿いの地域はM8クラスの海洋プレート内地震の発生が予測され
ている。第二に日本列島の太平洋側における一般的自然災害であ
る台風・大雨・洪水並びに火災等が予測されている。第三に三保
松原に関しては海岸浸食に伴う高潮などの被害がある。これらに
ついてそれぞれ以下のような防災対策を講じている。噴火及びそ
れに伴う災害に対しては、気象庁をはじめとする研究・防災機関
が常時観測を行うと同時に、国の富士山ハザードマップ検討委員
会報告書(2004年)に基づき県及び市町村において火山防災
計画(ハザードマップ・避難計画)などを策定している。雪崩に
ついては、吉田口登山道では馬返より上の登山道に浸透桝を設け
、雨水や雪崩による崩壊を防いでいる。土砂崩れ・土石

21 :
を得た後で、個別法令の許認可を担当する部署での手続きを行うことになっており
、一元化した組織かつ統一した基準での開発のコントロールが行われている。こう
した大規模開発を含む緩衝地帯内で行われる一定規模以上の開発行為については、
「富士山世界遺産両県協議会」へ報告がなされ、必要に応じて個別法令の許認可を
担当する部署に対して助言等がなされる予定である。また、各市町村の景観計画の
下に、各市町村は景観阻害要因の排除に努めることとしているほか、世界遺産暫定
一覧表に記載され、世界遺産一覧表への記載の可能性のある文化資産に相応しい周
辺市街地を創出するために適切な景観の保全・改善の施策を実施することとしてい
る。なお、次に掲げる開発計画等の立案に当たっては、いずれにおいても資産への
影響を最小限に留めるよう関係機関・団体と調整を行うことし、実施する場合にも
事前に十分な協議を行うこととしている。(1)観光開発(ホテル・ゴルフ場・ス
キー場)緩衝地帯に位置するホテル等については、自然公園法に基づき、高さ・色
彩・意匠等の規制が行われており、既存施設の改築についても同様である。特に山
体の五合目以上、本栖湖からの展望線の核心部は自然公園法の特別保護地区、第1
種特別地域となっており、新規の構造物の建築は禁止されている。また、富士山北
麓(山梨県)では新規の10ha以上のゴルフ場開発については凍結されている。
(2)廃棄物処分場又は清掃工場現時点で計画なし。(※演習場内の解放地に御殿
場市・小山町広域行政組合によるゴミ処理施設の計画あり。)(3)工場又は工業
団地現時点で計画なし。(北口本宮冨士浅間神社の南600mの地域に、工場進出
の計画あり。)(4)道路整備緩衝地帯においては、北口本宮冨士浅間神社と御師
住宅との間を走る国道138号の拡幅が計画されている。当該道路計画においては
、市、県、国等の関係機関と有識者からなる「富士北麓地域交通円滑化対策検討会
」において、計画案の検討を行うなど、当該神社の社叢や周囲の景観に調和した道
路の意匠・構造とすることとしており、当該資産の価値の保護に影

22 :
た、三保松原における松にはマツクイムシ(マツノザイセンチ
ュウ)による被害が見られる。これに対しては、薬剤注入・散
布による予防措置及び植林、枯れた松の除去を資産の所在する
静岡市とNPO法人が行っており、被害の拡大を防止している
。3)自然災害と危機管理資産の所在地域における自然災害と
しては、第一に富士山特有のものとして山体及び側火山からの
噴火及びそれに伴う噴石、火砕流・火砕サージ、溶岩流、融雪
型火山泥流、降灰、降灰後の降雨による土石流などが予想され
るとともに、数年単位で発生する山体における雪崩(特に大量
の水分を含んだ雪が流動する雪泥流)や大沢崩れ及びそれに伴
う土石流、強風、雨水による浸食などが考えられる。また、富
士山を含む駿河湾沿いの地域はM8クラスの海洋プレート内地
震の発生が予測されている。第二に日本列島の太平洋側におけ
る一般的自然災害である台風・大雨・洪水並びに火災等が予測
されている。第三に三保松原に関しては海岸浸食に伴う高潮な
どの被害がある。これらについてそれぞれ以下のような防災対
策を講じている。噴火及びそれに伴う災害に対しては、気象庁
をはじめとする研究・防災機関が常時観測を行うと同時に、国
の富士山ハザードマップ検討委員会報告書(2004年)に基
づき県及び市町村において火山防災計画(ハザードマップ・避
難計画)などを策定している。雪崩については、吉田口登山道
では馬返より上の登山道に浸透桝を設け、雨水や雪崩による崩
壊を防いでいる。土砂崩れ・土石流(主に大沢崩れ)について
は国が中心となり、源頭部における水分と土砂の分離、山麓に
おける土石流災害防止を目的とした遊砂地の設置などを行って
いる。また、登山道を管理する県では導流堤を設置し、落石の
落下先をコントロールしている。これらの災害は発生自体を防
止することは困難であるため、その被害を最小限にとどめるこ
とを対策の骨子としている。50地震に関する対策としては、
大規模地震対策特別措置法(1978年)に基づき、予知を目
的とした観測体制、予知を前提とした非難・警戒体制、防災施
設整備が行われるとともに、東海地震対策大綱(2003)に

23 :
大沢崩れ)については国が中心となり、源頭部における水分と土
砂の分離、山麓における土石流災害防止を目的とした遊砂地の設
置などを行っている。また、登山道を管理する県では導流堤を設
置し、落石の落下先をコントロールしている。これらの災害は発
生自体を防止することは困難であるため、その被害を最小限にと
どめることを対策の骨子としている。50地震に関する

24 :
基づき国・県・市町村の防災計画が策定されている。また、今
後各神社等の耐震化が行われる計画となっている。台風は19
96年9月に富士山南側の人工林地区(ヒノキ)に風倒の被害
(標高1100〜1200m中心、計1125ha、富士山で
は約935haうち国有林620ha)をもたらしたことがあ
るため、1997年より静岡県が中心となり、被害地に対して
自生種(ブナ・ミズナラ)の植栽(のべ22・68ha)を実
施している。また、風倒による被害を防ぐため人工林における
下刈を実施している。大雨・洪水に関しては堤防・遊水地・砂
防堰堤の建設や河川の改修などにより、大雨時の洪水に対する
防止策を講じている。山火事に対しては、国、県、市町村の連
絡・協力体制を確立し、草原地帯においては防火帯を設け、大
規模な火災に対して最大限の対応を可能としている。建造物の
火災に対しては自動火災報知設備・ドレンチャー設備・消火栓
、放水銃などを設置しているほか、自主防火組織も整備するな
ど、万全を期しているので問題ない。万一、上記の災害が発生
した場合においても、速やかに現状復旧の対策を講じるための
制度及び体制を完備しており、資産の価値が減じることはない
。三保松原においては、高潮対策事業として安倍川(土砂供給
源)下流部での砂利採取を1968年より海岸浸食の原因の一
因と考え禁止するとともに、1989年より34年計画(20
34年まで)でヘッドランド・離岸堤の設置や養浜による海岸
保全対策を行い、現在、海岸と平行した方向に年250mの割
合で砂浜の回復が進行している。現在ヘッドランドの一部が景
観に影響を与えているが、砂浜の回復後に撤去する計画が進ん
でいる。登山者の安全に関しては、気候の急変に備え、「富士
山登山指導センター(山頂と富士宮口新五合目)」、「富士山
安全指導センター(吉田口六合目)」と「富士山衛生センター
(富士宮口八合目)」が設けられている。また、富士宮口のす
べて、吉田口七合目以上のほとんどの山小屋にはAEDが設置
されている。(御殿場口はなし、須走口は1軒・東富士山荘)
4)来訪者及び観光の圧力富士山の構成資産の

25 :
へ降りるという解釈がある。この行事は1874年まで行われていた。なお、「山
宮御神幸」に使用される経路を御神幸道という。道には1691年に置かれた距離
を示す石碑が少なくとも四箇所残っているが、正確な道筋は現在確認されていない
。法的保護、修理・整備の経緯1985年に富士宮市の史跡に指定される。文化財
保護法の下に他の文化財とともに史跡富士山として指定される予定。B3.村山浅
間神社説明12世紀前半から中ごろの修行僧末代の活動が創建の起源とされており
、1868年の神仏分離令までは神仏習合の宗教施設として興法寺(富士山興法寺
または村山興法寺)と呼ばれていた(資産範囲には浅間神社と寺院である大日堂が
含まれる)。富士山における修験道の中心地であり、14世紀初めには、その活動
が組織化された。15〜16世紀には一般の道者の登拝も増加し、その様子が16
世紀の制作とされる「絹本著色富士曼荼羅図」に描かれている。1868年、神仏
分離令により浅間神社と大日堂は分離され、1906年の登山道の変化にも伴い両
者とも衰微した。ただし、修験者の活動は1940年代まで継続された。また、村
山の修験者の影響を受けた地域では現在でもその宗教行事が継続されている。法的
保護、修理・整備の経緯2001年から2003年にかけて富士宮市教育委員会に
より発掘を含む調査が行われた。文化財保護法の下に他の文化財とともに史跡富士
山として指定される予定。B4.須山浅間神社説明須山口登山道の起点として遅く
とも1524年には存在していた神社である。1707年、宝永噴火により社殿は
登山道も含め大きな被害を受け、現在の社殿は1823年に再建されたものである
。神社は村山浅間神社(興法寺)の修験者とも関わりを持ち、1940年頃まで境
内で修行の一環としての祈祷が行われていた。法的保護、修理・整備の経緯文化財
保護法の下に他の文化財とともに史跡富士山として指定される予定。14B5.富
士浅間神社(須走浅間神社)説明社伝では807年に社殿を造営したとされ、須走
口登山道の起点となった神社である。16世紀には地

26 :
住宅兼宿坊の建物が建っている。玄関から奥へ客室が続き、最奥
部には神殿が設けられている。1768年に建てられ最古の部類
に数えられる旧外川家住宅や、格式的な構えが確立した頃に建て
られ富士講最盛期の御師住宅の典型例とされる小佐野家住宅が代
表的である。1861年に新築された小佐野家住宅同様、富士講
の流行に伴い増加する宿泊者に対応するため、旧外川家住宅では
1860年代に離座敷が増築された。法的保護、修理・整備の経
緯1976年に小佐野家住宅が文化財保護法の下に重要文化財に
指定された。1979年に小佐野家住宅の屋根の修理等が行われ
た。1996〜98年に小佐野家住宅の腐敗修理等が行われた。
旧外川家住宅が文化財保護法の下に重要文化財に指定される予定
。B9.山中湖B10.河口湖説明富士山の火山活動によって形
成された堰止湖である。富士山周辺の湖を巡って修行する内八海
巡りが多くの富士講徒によって行われたが、長谷川角行の水行か
らいつの時代も変わらず巡拝の対象として数えられたのが前述の
3つの湖とこの山中湖及び河口湖である。この巡礼行為について
、具体的に湖沼のどこで修行や巡礼が執り行われたか、またどの
ルートを辿って各湖を巡ったかは、定まっていなかった(少なく
とも、明らかになっていない)ものの、人々の信仰心を駆り立て
た湖沼の水そのものを核心として、周辺地域も含めた範囲が文化
財とされている。また、景勝の地でもあり、多くの芸術作品とゆ
かりが深い。法的保護、修理・整備の経緯文化財保護法の下に名
勝として指定される予定。B11.忍野八海説明富士山の伏流水
による八つの湧水地で、それぞれに八大竜王を祀る富士信仰に関
わる巡拝地であった。富士登山を目指す行者たちはこの水で穢れ
を祓った。長谷川角行が行った富士八海修行になぞらえ「富士御
手洗(みてらし)元八湖」と唱えられた古跡の霊場と伝えられ、
1843年に富士講道者によって再興されたとされる。法的保護
、修理・整備の経緯1934年に史蹟名勝天然紀念物保存法の下
に天然紀念物に指定された。16B12.船津胎内樹型説明16
17年長谷川角行が富士登拝の際、北麓に洞穴(船津胎内樹型指
定範囲内に点在する小規模な溶岩樹型

27 :
ては、大規模地震対策特別措置法(1978年)に基づき、予知
を目的とした観測体制、予知を前提とした非難・警戒体制、防災
施設整備が行われるとともに、東海地震対策大綱(2003)に
基づき国・県・市町村の防災計画が策定されている。また、今後
各神社等の耐震化が行われる計画となっている。台風は1996
年9月に富士山南側の人工林地区(ヒノキ)に風倒の被害(標高
1100〜1200m中心、計1125ha、富士山では約93
5haうち国有林620ha)をもたらしたことがあるため、1
997年より静岡県が中心となり、被害地に対して自生種(ブナ
・ミズナラ)の植栽(のべ22・68ha)を実施している。ま
た、風倒による被害を防ぐため人工林における下刈を実施してい
る。大雨・洪水に関しては堤防・遊水地・砂防堰堤の建設や河川
の改修などにより、大雨時の洪水に対する防止策を講じている。
山火事に対しては、国、県、市町村の連絡・協力体制を確立し、
草原地帯においては防火帯を設け、大規模な火災に対して最大限
の対応を可能としている。建造物の火災に対しては自動火災報知
設備・ドレンチャー設備・消火栓、放水銃などを設置しているほ
か、自主防火組織も整備するなど、万全を期しているので問題な
い。万一、上記の災害が発生した場合においても、速やかに現状
復旧の対策を講じるための制度及び体制を完備しており、資産の
価値が減じることはない。三保松原においては、高潮対策事業と
して安倍川(土砂供給源)下流部での砂利採取を1968年より
海岸浸食の原因の一因と考え禁止するとともに、1989年より
34年計画(2034年まで)でヘッドランド・離岸堤の設置や
養浜による海岸保全対策を行い、現在、海岸と平行した方向に年
250mの割合で砂浜の回復が進行している。現在ヘッドランド
の一部が景観に影響を与えているが、砂浜の回復後に撤去する計
画が進んでいる。登山者の安全に関しては、気候の急変に備え、
「富士山登山指導センター(山頂と富士宮口新五合目)」、「富
士山安全指導センター(吉田口六合目)」と「富士山衛生センタ
ー(富士宮口八合目)」が設けられている。また、富士宮口のす
べて、吉田口七合目以上のほとんどの山小屋にはAED

28 :
ある小佐野家住宅(御師住宅)を除いた資産はすべて公開され
ている。ただし山体資産範囲については登山道及び山頂部以外
は土地所有者(国、県、富士山本宮浅間大社)の了解が必要で
あり、安全上の観点からも県が登山道からの逸脱を好ましくな
い行為として事実上立入を制限している。山体以外の資産につ
いては、き損・悪戯・盗難等の被害から建造物等の構成資産を
護るために、防犯警備施設を設置するとともに巡視及び監視の
体制を整備し(山宮・村山・人穴等では防犯シ

29 :
受け、山頂部の散銭取得権の一部を得ている。社殿は1707年の宝永噴火で崩壊
し1718年に再建された。この後もこの際の部材を使用し、2009年の修理も
含め何回かの修理がおこなわれている。神社には富士講道者が多く立ち寄り、20
世紀前半を中心に登拝回数の達成(33回がひとつの区切り)等の記念碑を約80
基造営した。法的保護、修理・整備の経緯2006年に社殿が小山町の有形文化財
となる。2009年に本殿・参道の修理が行われた。

30 :
発見し、浅間明神を祀った。1673年には富士講道者によって
現船津胎内樹型が発見され、浅間明神が遷宮された。富士登拝の
際に、樹型に入って身を清める風習があり、洞穴内外の地形空間
に宗教的な意義付けが行われるとともに、奥には富士講にとって
の富士山の祭神である木花開耶姫などが祀られている。法的保護
、修理・整備の経緯1929年に史蹟名勝天然紀念物保存法の下
に天然紀念物に指定された。B13.吉田胎内樹型説明1892
年に富士道者によって整備された「お胎内」である。富士講講徒
は、昼までに御師の家に着き、夕方まで胎内巡りをし、翌朝富士
山に登山した。本穴については、古くから冨士山北口御師団が管
理している。法的保護、修理・整備の経緯1929年に史蹟名勝
天然紀念物保存法の下に天然紀念物に指定された。B14.人穴
富士講遺跡説明富士講の開祖長谷川(藤原)角行が修行したとさ
れる溶岩洞窟の人穴と富士講信者による約230基の碑塔群が残
る遺跡である。「吾妻鏡」では人穴探検の様子が描かれ、「浅間
大菩薩の御在所」とみられていたとされている。この内容は遅く
とも1603年までに、浅間大菩薩の霊験譚として説話化され、
その存在が広く知られていた。富士講関連の文書によれば人穴は
16世紀から17世紀にかけ、長谷川角行が修行により浅間大菩
薩(富士講では仙元大日神とする)の啓示を得た場であり、入滅
した場だとしている。また、角行は人穴を「浄土(浄土門)」と
述べ、これらの結果人穴には熱心な富士講信者が参詣し、修行を
行う者も見られた。また、信者は人穴への分骨埋葬などを望み、
墓碑、供養碑、記念碑などを建立した。1942年付近が軍用地
となり、人穴の浅間神社や周辺の住民は一時移転した。1954
年神社は現在地に復興されたが、冨士講自体が衰退したことで参
詣者はみられるものの1964年以降碑塔の建設は行われていな
い。法的保護、修理・整備の経緯1999年に富士宮市の史跡と
なる。文化財保護法の下に他の文化財とともに史跡富士山として
指定される予定。B15.白糸ノ滝説明富士山の湧水を起源とす
る数百の流れを持つ滝である。滝の名前は湧水(日平均15〜1
6万?)の噴出が数百条の白糸が垂れ

31 :
れている。(御殿場口はなし、須走口は1軒・東富士山荘)4)
来訪者及び観光の圧力富士山の構成資産のうち私有財産である小
佐野家住宅(御師住宅)を除いた資産はすべて公開されている。
ただし山体資産範囲については登山道及び山頂部以外は土地所有
者(国、県、富士山本宮浅間大社)の了解が必要であり、安全上
の観点からも県が登山道からの逸脱を好ましくない行為として事
実上立入を制限している。山体以外の資産については、き損・悪
戯・盗難等の被害から建造物等の構成資産を護るために、防犯警
備施設を設置するとともに巡視及び監視の体制を整備し(山宮・
村山・人穴等では防犯システムは採用されていない)、来訪者に
よるゴミの増加等に対しても地域住民や関係市町村が適切な管理
を行っていることから、観光による圧力が資産の価値を著しく低
下させるようなことは起こり得ない。山体に関しては、観光客に
よるごみ及びし尿、並びに自動車で訪れる来訪者(富士山スカイ
ラインでは4月〜11月の合計で年平均127,000台・19
99〜2009年、富士スバルラインで年平均410,000台
・2006〜2008年)による環境への負荷及び混雑の軽減を
目的に以下の対策を行った。ごみに関しては国・県及びNPO法
人(富士山ネットワーク・富士山クラブ)、ボランティアによ5
1る清掃作業が活発に実施されるとともに(平成20年実績・9
2回、約64t、延べ参加人数約7000名)、外国人も含め登
山者に対してマナー向上を呼びかけ、登山道周辺のごみは減少し
ている。山頂部で発生するごみについては山小屋組合(富士山吉
田口旅館組合等)により、山麓に搬出し、適切に管理・処理され
ている。し尿対策に関しては登山道及び山小屋のトイレ48箇所
を2006年までにバイオ処理式等に改良し、環境への負荷を軽
減した。さらに、登山者の増加や設備の老朽化に対応するため、
環境配慮型トイレ適正管理委員会を設けて対策を検討しており、
今後は業者と連携を密にしてメンテナンスをきちんとしていくこ
とが確認された。自動車に関しては、土日・休日を中心に各登山
道の利用者数に応じて自家用車の利用を規制し(利用者の多い富
士スバルラインで最大12日間、利用者の少ない御殿場

32 :
れていない)、来訪者によるゴミの増加等に対しても地域住民
や関係市町村が適切な管理を行っていることから、観光による
圧力が資産の価値を著しく低下させるようなことは起こり得な
い。山体に関しては、観光客によるごみ及びし尿、並びに自動
車で訪れる来訪者(富士山スカイラインでは4月〜11月の合
計で年平均127,000台・1999〜2009年、富士ス
バルラインで年平均410,000台・2006〜2008年
)による環境への負荷及び混雑の軽減を目的に以下の対策を行
った。ごみに関しては国・県及びNPO法人(富士山ネットワ
ーク・富士山クラブ)、ボランティアによ51る清掃作業が活
発に実施されるとともに(平成20年実績・92回、約64t
、延べ参加人数約7000名)、外国人も含め登山者に対して
マナー向上を呼びかけ、登山道周辺のごみは減少している。山
頂部で発生するごみについては山小屋組合(富士山吉田口旅館
組合等)により、山麓に搬出し、適切に管理・処理されている
。し尿対策に関しては登山道及び山小屋のトイレ48箇所を2
006年までにバイオ処理式等に改良し、環境への負荷を軽減
した。さらに、登山者の増加や設備の老朽化に対応するため、
環境配慮型トイレ適正管理委員会を設けて対策を検討しており
、今後は業者と連携を密にしてメンテナンスをきちんとしてい
くことが確認された。自動車に関しては、土日・休日を中心に
各登山道の利用者数に応じて自家用車の利用を規制し(利用者
の多い富士スバルラインで最大12日間、利用者の少ない御殿
場口はなし)、山麓の臨時駐車場と五合目駐車場間のシャトル
バスによる輸送を行っている。吉田口においては2011年夏
には富士吉田IC付近に1400台の駐車場を整備し、自家用
車の利用規制を15日に拡大する予定である。5)資産と緩衝
地帯の居住者人口構成資産内人口:人緩衝地帯内人口:人合計
:人集計年:2010年No.構成資産の名称構成資産範囲内
人口(人)緩衝地帯内人口(人)合計(人)富士山A1山頂信
仰遺跡A2大宮・村山口登山道A3須山口登山道A4須走口登
山道A5吉田口登山道A6北口本宮冨士浅間神

33 :
財とともに史跡富士山として指定される予定。B6.河口浅間神社説明古くから富
士山に関わる祭祀は南麓の浅間神社が執り行っていたが、864〜866年に北麓
で起こった噴火を契機に、北麓にも浅間神社が建てられることとなった。それが、
富士山を望む河口湖の北岸にあり、溶岩の届かなかった河口浅間神社である可能性
が高い。浅間神社を中心とした河口の地は、甲府盆地から続く官道の宿駅という役
割に加え、富士登拝が大衆化した中世後半から御師集落として発展を遂げた。しか
し、江戸における富士講の大流行と、それに伴う吉田御師の隆盛により、河口の御
師集落としての機能は、19世紀以降衰退してしまった。ただし、河口浅間神社は
、現在も富士山と密接に結びついた宗教行事を行っており、歴史的背景と相俟って
、富士山信仰を語る上で欠かすことのできない資産である。法的保護、修理・整備
の経緯文化財保護法の下に他の文化財とともに史跡富士山として指定される予定。
B7.冨士御室浅間神社説明冨士御室浅間神社は、8世紀初めに吉田口登山道二合
目に祭場をしつらえたのが最初とされ、富士山中に祀られた最初の神社であるとす
る文献もある。富士修験の信仰拠点は南西の村山であるが、北面の二合目、御室浅
間神社が鎮座する御室の地にも山内の信仰拠点として役行者堂が整備されたようで
ある。山中という厳しい条件の下に所在するためたびたび破損し、1189、12
75、1475、1525年と加修され、1564には地元領主による大修理が行
われている。現在の本殿は1612年建立と認められ、その後も1698年、18
67年に修復が行われていた。1973−74年には里宮の地にそのままの形で移
設された。里宮は、二合目の本宮(もとみや)が冬季の参拝に苦渋するために河口
湖畔に建てられたとされる。修験や登拝といった様々な富士信仰の拠点として位置
づけられる二合目の本宮と、土地の産土神としての里宮が一体となって機能してき
た神社である。法的保護、修理・整備の経緯1973〜74年に吉田口登山道二合
目にあった本殿が里宮の地に移築された。15198

34 :
その起源とする。17白糸ノ滝は富士講関連の文書によれば長谷
川角行が人穴での修行と合わせて水行を行った地とされ、富士講
を中心とした人々の巡礼・修行の場となった。また、景勝地とし
ても有名であり、和歌・絵画の題材にもなっている。法的保護、
修理・整備の経緯1936年に史蹟名勝天然紀念物保存法の下に
名勝及び天然紀念物に指定された。C.三保松原説明三保松原は
、万葉集以降和歌の題材となり、謡曲「羽衣」の舞台となった。
15〜16世紀以降富士山を描く際の典型的な構図に含まれる景
勝地として数多く描かれ、歌川広重等の作品をはじめ海外にも広
く知られている(又は海外に影響を与えた)芸術作品の視点場、
又は舞台となった場所のひとつである。法的保護、修理・整備の
経緯1922年に史蹟名勝天然紀念物保存法の下に名勝に指定さ
れた。18b)歴史と発展山容の形成富士山の原型は、40〜1
0万年前、周辺の火山とともに活動をはじめ、先小御岳火山が形
成された。その後これを覆うように標高約2500mの小御岳火
山が形成された。さらに約10万年前、そのふもとに古富士火山
が誕生し、爆発的噴火、火山礫・火山灰の噴出、山体崩壊を繰り
返し、小御岳火山をほぼ山体に納める形で3000mを超える火
山に成長した。約1万年前には大量の溶岩を噴出する形で現在の
富士山(新富士火山)が成長を始め、古富士山を覆いつくし、約
5600〜3500年前に現在の規模となった。繰り返された溶
岩の流出によって何層にもわたる溶岩層が形成され、その先端部
には山体への降水を起源とする湧水が各溶岩層の隙間より湧出す
る形で各所に形成された。富士山北麓においてはこれらの湧水や
降水が北側の山地との間の低地にたまり、湖や湿地が形成された
。また、溶岩層の中には数多くの風穴、溶岩樹型が形成された。
山頂からの噴火は2200年前の噴火を最後に起こっていないが
、歴史時代になっても北西〜南東方向に連なる側火山からの噴火
を続け、1200年前から後には少なくとも800〜802年、
864〜866年、937年、999年、1033年、1083
年、1435〜1436年、1511年、1707年の九つの時
期の噴火が確認されている。神々しい

35 :
)、山麓の臨時駐車場と五合目駐車場間のシャトルバスによる輸
送を行っている。吉田口においては2011年夏には富士吉田I
C付近に1400台の駐車場を整備し、自家用車の利用規制を1
5日に拡大する予定である。5)資産と緩衝地帯の居住者人口構
成資産内人口:人緩衝地帯内人口:人合計:人集計年:2010
年No.構成資産の名称構成資産範囲内人口(人)緩衝地帯内人
口(人)合計(人)富士山A1山頂信仰遺跡A2大宮・村山口登
山道A3須山口登山道A4須走口登山道A5吉田口登山道A6北
口本宮冨士浅間神社A7西湖A8精進湖AA9本栖湖B1富士山
本宮浅間大社B2山宮浅間神社B3村山浅間神社B4須山浅間神
社B5冨士浅間神社(須走浅間神社)B6河口浅間神社B7冨士
御室浅間神社B8御師住宅52B9山中湖B10河口湖B11忍
野八海B12船津胎内樹型B13吉田胎内樹型B14人穴冨士講
遺跡B15白糸ノ滝C三保松原535.資産の保護の管理a)所
有関係各構成資産の所在地及び所有者については、以下に記すと
おりである。b)法に基づく指定保護資産を構成する重要文化財
に指定された「記念工作物」「建造物群」、史跡、特別名勝又は
名勝、54特別天然記念物又は天然記念物に指定された「遺跡」
は、古社寺保存法(1897年制定)、史蹟名勝天然紀念物保存
法(1919年制定)、国宝保存法(1929年制定)などの下
に適切な保護が行われてきた。また、1950年には、それらの
諸法を統合・改革して文化財保護法が制定され、それ以後、現在
に至るまで、個々の構成資産はこの法律の下に万全の保護措置が
講じられてきた。富士山の山体及び北側の構成資産の範囲におい
ては、さらに国立公園法(1936年制定)、それを改定した自
然公園法(1957年制定)により、その優れた自然の風景地が
保護されてきた。17個の構成資産の指定保護の状況については
、以下に示すとおりである。(A)富士山1936年2月1日:
富士箱根国立公園の指定(1952年10月7日:名勝富士山の
指定1952年11月22日:特別名勝富士山の指定1966年
10月6日:特別名勝富士山の指定地域の変更(A1)山頂信仰
遺跡(特別名勝範囲内・Aに同じ)史跡富士山の指定予

36 :
精進湖AA9本栖湖B1富士山本宮浅間大社B2山宮浅間神社
B3村山浅間神社B4須山浅間神社B5冨士浅間神社(須走浅
間神社)B6河口浅間神社B7冨士御室浅間神社B8御師住宅
52B9山中湖B10河口湖B11忍野八海B12船津胎内樹
型B13吉田胎内樹型B14人穴冨士講遺跡B15白糸ノ滝C
三保松原535.資産の保護の管理a)所有関係各構成資産の
所在地及び所有者については、以下に記すとおりである。b)
法に基づく指定保護資産を構成する重要文化財に指定された「
記念工作物」「建造物群」、史跡、特別名勝又は名勝、54特
別天然記念物又は天然記念物に指定された「遺跡」は、古社寺
保存法(1897年制定)、史蹟名勝天然紀念物保存法(19
19年制定)、国宝保存法(1929年制定)などの下に適切
な保護が行われてきた。また、1950年には、それらの諸法
を統合・改革して文化財保護法が制定され、それ以後、現在に
至るまで、個々の構成資産はこの法律の下に万全の保護措置が
講じられてきた。富士山の山体及び北側の構成資産の範囲にお
いては、さらに国立公園法(1936年制定)、それを改定し
た自然公園法(1957年制定)により、その優れた自然の風
景地が保護されてきた。17個の構成資産の指定保護の状況に
ついては、以下に示すとおりである。(A)富士山1936年
2月1日:富士箱根国立公園の指定(1952年10月7日:
名勝富士山の指定1952年11月22日:特別名勝富士山の
指定1966年10月6日:特別名勝富士山の指定地域の変更
(A1)山頂信仰遺跡(特別名勝範囲内・Aに同じ)史跡富士
山の指定予定(A2)大宮・村山口登山道史跡富士山の指定予
定(A3)須山口登山道(一部のみ特別名勝範囲外・範囲内は
Aに同じ)史跡富士山の指定予定(A4)須走口登山道史跡富
士山の指定予定(A5)吉田口登山道(特別名勝範囲内・Aに
同じ)史跡富士山の指定予定(A6)北口本宮冨士浅間神社1
907年8月28日:特別保護建造物(富士嶽神社境内東宮本
殿)の指定1953年3月31日:重要文化財北口本宮冨士浅
間神社本殿の指定1953年3月31日:重要

37 :
噴火や溶岩の流出を繰り返す富士山は恐ろしくかつ神秘的な山と
考えられたために、古くから遥拝の対象であったが、日本におけ
る古代国家の統治システムがほぼ整った8世紀後半以降は、繰り
返す噴火を鎮めるため、富士山そのものあるいは富士山に鎮座す
る神を浅間神として祀るようにもなり、各地に遥拝所としての浅
間神社が建立され、国家の宗教政策の一端に位置づけられるよう
になった。また、富士山の神々しく秀麗な姿と周辺の自然環境が
芸術の対象とされるようになり、日本

38 :
)大宮・村山口登山道史跡富士山の指定予定(A3)須山口登山
道(一部のみ特別名勝範囲外・範囲内はAに同じ)史跡富士山の
指定予定(A4)須走口登山道史跡富士山の指定予定(A5)吉
田口登山道(特別名勝範囲内・Aに同じ)史跡富士山の指定予定
(A6)北口本宮冨士浅間神社1907年8月28日:特別保護
建造物(富士嶽神社境内東宮本殿)の指定1953年3月31日
:重要文化財北口本宮冨士浅間神社本殿の指定1953年3月3
1日:重要文化財北口本宮冨士浅間神社西宮本殿の指定

39 :
冨士浅間神社西宮本殿の指定史跡富士山の指定予定(A7)西
湖1936年2月1日:富士箱根国立公園の指定(名勝富士五
湖の指定予定55(A8)精進湖1936年2月1日:富士箱
根国立公園の指定(名勝富士五湖の指定予定(A9)本栖湖※
本栖湖からの展望面含む1926年2月24日:天然紀念物富
士山原始林の指定1936年2月1日:富士箱根国立公園の指
定(2010年3月8日:天然記念物富士山原始林及び青木ヶ
原樹海の指定名勝富士五湖の指定予定(B1)富士山本宮浅間
大社1907年5月27日:特別保護建造物浅間神社本殿の指
定1944年11月7日:天然紀念物湧玉池の指定1952年
3月29日:特別天然記念物湧玉池の指定史跡富士山の指定予
定(B2)山宮浅間神社史跡富士山の指定予定(B3)村山浅
間神社史跡富士山の指定予定(B4)須山浅間神社史跡富士山
の指定予定(B5)冨士浅間神社(須走浅間神社)史跡富士山
の指定予定(B6)河口浅間神社史跡富士山の指定予定(B7
)冨士御室浅間神社1985年5月18日:重要文化財冨士御
室浅間神社本殿の指定史跡富士山の指定予定(B8)御師住宅
1976年5月20日:重要文化財小佐野家住宅の指定重要文
化財旧外川家住宅の指定予定(B9)山中湖561936年2
月1日:富士箱根国立公園の指定(名勝富士五湖の指定予定(
B10)河口湖1936年2月1日:富士箱根国立公園の指定
(名勝富士五湖の指定予定(B11)忍野八海1934年5月
1日:天然紀念物忍野八海の指定(B12)船津胎内樹型19
29年12月17日:天然紀念物船津胎内樹型の指定(B13
)吉田胎内樹型1929年12月17日:天然紀念物吉田胎内
樹型の指定(B14)人穴富士講遺跡史跡富士山の指定予定(
B15)白糸ノ滝1936年2月1日:富士箱根国立公園の指
定(1936年3月6日:名勝及天然紀念物白糸ノ滝の指定(
C)三保松原1922年3月8日名勝三保松原の指定1977
年4月1日名勝三保松原の一部指定解除1990年3月29日
名勝三保松原の追加指定及び一部指定解除c)保護の実施手段
1)資産各構成資産については、遺跡、記念工

40 :
』(8世紀半ば)や日本最古の物語とされる『竹取物語』(9世
紀後半)をはじめとして、数多くの和歌・物語など文学の題材と
なったほか、現存最古となる『聖徳太子絵伝』(11世紀制作)
をはじめ、数多くの絵画作品の題材として取り上げられるように
なった(表参照)。特に12世紀後半以降、日本の政治的中心が
京都から鎌倉に移動し、この二つの都市を結び富士山南麓を通る
街道の交通量が増加したことで、富士山の情報は多くの人に記録
され、広く知られるようになった。修験道―日本古来の山岳信仰
と外来宗教の習合―また、12世紀頃より噴火活動が沈静化した
ことで富士山は日本古来の山岳信仰と密教・道教(神仙思想)が
習合した「修験道」の道場ともなり、修験者が山中に分け入り、
霊力を獲得するために修行する山へと変化していった。当時一般
的であった神仏習合思想(本地垂迹説)により、山頂部は仏の世
界(又は仏が神の形となって現れる場所)として認識され、山頂
部に至ることが重要な意味を持つようになった。この結果15〜
16世紀には登拝する山として一般に広く知られ、修験者に引率
された武家・庶民等による信仰登山が盛んになった。登山口の設
置はいずれも室町時代のことで、14世紀から15世紀後半に開
かれたとされている。このころには参詣の道者のための宿坊もで
き始め、大勢の登山者が登るための設備が整い始めた。登拝の大
衆化―富士講―17世紀前半、約150年にわたる日本国内での
戦乱状態が終了し、江戸幕府の下で治安が安定し経19済的な発
展もあってより多くの人が富士山を目指すようになった。このよ
うな中で18世紀後半、16世紀に富士山体や周辺の風穴などで
修行し、宗教的覚醒を得た長谷川角行から始まったとされる富士
信仰が江戸(現在の東京)を中心に「富士講」と呼ばれる信仰集
団を形成して大いに盛んになり、より多くの人々が登拝するよう
になった。富士講や他の登拝者(合わせて「道者」という。)は
原則として固定的・継続的関係を持った「御師(宿坊を経営する
神職)」の家や宿坊に宿泊し、祈祷や宗教的指導を受け、湧水で
水垢離をとり、浅間神社に参拝した後、頂上を目指した。登山道
には茶屋や山小屋が建てられ、多くの

41 :
山の指定予定(A7)西湖1936年2月1日:富士箱根国立公
園の指定(名勝富士五湖の指定予定55(A8)精進湖1936
年2月1日:富士箱根国立公園の指定(名勝富士五湖の指定予定
(A9)本栖湖※本栖湖からの展望面含む1926年2月24日
:天然紀念物富士山原始林の指定1936年2月1日:富士箱根
国立公園の指定(2010年3月8日:天然記念物富士山原始林
及び青木ヶ原樹海の指定名勝富士五湖の指定予定(B1)富士山
本宮浅間大社1907年5月27日:特別保護建造物浅間神社本
殿の指定1944年11月7日:天然紀念物湧玉池の指定195
2年3月29日:特別天然記念物湧玉池の指定史跡富士山の指定
予定(B2)山宮浅間神社史跡富士山の指定予定(B3)村山浅
間神社史跡富士山の指定予定(B4)須山浅間神社史跡富士山の
指定予定(B5)冨士浅間神社(須走浅間神社)史跡富士山の指
定予定(B6)河口浅間神社史跡富士山の指定予定(B7)冨士
御室浅間神社1985年5月18日:重要文化財冨士御室浅間神
社本殿の指定史跡富士山の指定予定(B8)御師住宅1976年
5月20日:重要文化財小佐野家住宅の指定重要文化財旧外川家
住宅の指定予定(B9)山中湖561936年2月1日:富士箱
根国立公園の指定(名勝富士五湖の指定予定(B10)河口湖1
936年2月1日:富士箱根国立公園の指定(名勝富士五湖の指
定予定(B11)忍野八海1934年5月1日:天然紀念物忍野
八海の指定(B12)船津胎内樹型1929年12月17日:天
然紀念物船津胎内樹型の指定(B13)吉田胎内樹型1929年
12月17日:天然紀念物吉田胎内樹型の指定(B14)人穴富
士講遺跡史跡富士山の指定予定(B15)白糸ノ滝1936年2
月1日:富士箱根国立公園の指定(1936年3月6日:名勝及
天然紀念物白糸ノ滝の指定(C)三保松原1922年3月8日名
勝三保松原の指定1977年4月1日名勝三保松原の一部指定解
除1990年3月29日名勝三保松原の追加指定及び一部指定解
除c)保護の実施手段1)資産各構成資産については、遺跡、記
念工作物、建築物群のみならず、それらと密接な関連を持つ展望
線など、富士山の本質的価値を構成する諸要素を厳格か

42 :
のみならず、それらと密接な関連を持つ展望線など、富士山の
本質的価値を構成する諸要素を厳格かつ的確に把握し、それら
をすべて含む範囲について、価値の中核をなす部分は文化財保
護法の下に指定(特別名勝又は名勝、特別天然記念物又は天然
記念物、重要文化財、史跡)され、また、価値の中核をなす部
分を取り囲む地域の大部分は自然公園法の下に国立公園(国立
公園、県立自然公園)に指定している。これら範囲のうち、富
士山の顕著な普遍的価値を証明するために必要

43 :
把握し、それらをすべて含む範囲について、価値の中核をなす部
分は文化財保護法の下に指定(特別名勝又は名勝、特別天然記念
物又は天然記念物、重要文化財、史跡)され、また、価値の中核
をなす部分を取り囲む地域の大部分は自然公園法の下に国立公園
(国立公園、県立自然公園)に指定している。これら範囲のうち
、富士山の顕著な普遍的価値を証明するために必要不可欠な範囲
を資産範囲とした。これらの範囲の大部分においては、国の許可
無くそれらの現状を変更することはできない。文化財保護法、自
然公園法の及ばない地域は国有林であり、開発行為が行われるこ
とはない。また、森林法に基づき森林の伐採に関しても適切な管
理が行われている。文化財保護法の定めるところにより、特別名
勝又は名勝、特別天然記念物又は天然記念物、重57要文化財、
史跡の保存管理・修理・公開については、所有者又は管理団体が
適切に行うことを原則としている(法第31条・第32条の2、
第113条・第115条・第119条)。また、自然公園法が定
めるところにより、国立公園の管理と保護については、国又は管
理団体が適切に行うことを原則としている(法第9条、第37条
、第38条、第39条)。重要文化財に指定されている建造物の
修理に関して、部材の痕跡調査などから判明した原型への復元な
どの現状変更等を行おうとするときや、特別名勝又は名勝、特別
天然記念物又は天然記念物、史跡の指定地内において現状変更等
を行おうとするときは、あらかじめ文化庁長官の許可を得なけれ
ばならない(法第43条・第125条)。文化庁長官は国が設置
し、イコモス国内委員会委員を多数含む文化審議会文化財分科会
に対して当該現状変更等に関する諮問を行い、その答申を経て許
可することとしている。したがって、資産の現状を変更する場合
には、学術的かつ厳密な審査に基づく許可を必要としている。ま
た、国立公園(特別保護地区及び特別地域)の現状変更について
は、あらかじめ環境大臣の許可を得なければならない(法第13
条、第14条)。特別名勝又は名勝、特別天然記念物又は天然記
念物、重要文化財、史跡の管理と修理に対しては、必要に応じて
国が経費を補助し、技術的指導を行うこととしている(

44 :
資産範囲とした。これらの範囲の大部分においては、国の許可
無くそれらの現状を変更することはできない。文化財保護法、
自然公園法の及ばない地域は国有林であり、開発行為が行われ
ることはない。また、森林法に基づき森林の伐採に関しても適
切な管理が行われている。文化財保護法の定めるところにより
、特別名勝又は名勝、特別天然記念物又は天然記念物、重57
要文化財、史跡の保存管理・修理・公開については、所有者又
は管理団体が適切に行うことを原則としている(法第31条・
第32条の2、第113条・第115条・第119条)。また
、自然公園法が定めるところにより、国立公園の管理と保護に
ついては、国又は管理団体が適切に行うことを原則としている
(法第9条、第37条、第38条、第39条)。重要文化財に
指定されている建造物の修理に関して、部材の痕跡調査などか
ら判明した原型への復元などの現状変更等を行おうとするとき
や、特別名勝又は名勝、特別天然記念物又は天然記念物、史跡
の指定地内において現状変更等を行おうとするときは、あらか
じめ文化庁長官の許可を得なければならない(法第43条・第
125条)。文化庁長官は国が設置し、イコモス国内委員会委
員を多数含む文化審議会文化財分科会に対して当該現状変更等
に関する諮問を行い、その答申を経て許可することとしている
。したがって、資産の現状を変更する場合には、学術的かつ厳
密な審査に基づく許可を必要としている。また、国立公園(特
別保護地区及び特別地域)の現状変更については、あらかじめ
環境大臣の許可を得なければならない(法第13条、第14条
)。特別名勝又は名勝、特別天然記念物又は天然記念物、重要
文化財、史跡の管理と修理に対しては、必要に応じて国が経費
を補助し、技術的指導を行うこととしている(法第35条・第
47条・第118条)。国立公園の管理と保護は国が費用を負
担する(法43条)。また、管理団体が管理と保護を行う場合
、国が必要な情報の提供又は指導・助言を行う(法42条)。
資産範囲の国有林については森林施業計画により皆伐は年5h
aにとどめるなど景観への影響を最小限に留め

45 :
の結果人穴には熱心な富士講信者が参詣し、修行を行う者も見られた。また、信者
は人穴への分骨埋葬などを望み、墓碑、供養碑、記念碑などを建立した。1942
年付近が軍用地となり、人穴の浅間神社や周辺の住民は一時移転した。1954年
神社は現在地に復興されたが、冨士講自体が衰退したことで参詣者はみられるもの
の1964年以降碑塔の建設は行われていない。法的保護、修理・整備の経緯19
99年に富士宮市の史跡となる。文化財保護法の下に

46 :
が体系的に整備されたのもこの頃である。また、富士講において
は長谷川角行ら指導者の言動にならって周辺の風穴や湖沼・滝な
ども修行の地とされ、ここにおいて富士山と周辺の宗教施設・霊
地・巡礼地は庶民の信仰の場として定着し、山の結界が開放され
る二ヶ月間に年平均1万〜2万人の人々が信仰を目的とした登山
を行うようになった。芸術作品の多様化とジャポニスム芸術面に
おいても、とりわけ江戸時代(17〜19世紀半ば)には、文学
、絵画、工芸、庭園等のモチーフとして多岐にわたって取り上げ
られ、三保松原と富士山を描いた絵画など多様な表現が追究され
るようになった。(表参照)特に、葛飾北斎の「冨嶽三十六景」
に代表される浮世絵の数々は、西洋の画家たちに文化的衝撃を与
えた。19世紀後半には「ジャポニスム」という芸術上の画期的
な転機を惹き起こし、印象派の作品に影響を与えるとともに、そ
の富士山を含んだ構図は海外において日本のイメージの一つとさ
れてきたのである。日本を訪れた外国人が富士山からインスピレ
ーションを得て記述した紀行文の中でも、富士山のアイコン的側
面を綴ったものが多い。近世以前も富士山は日本一有名な山であ
ったが、19世紀後半の開国によって日本が近代国家としての体
制を整えるにつれて、日本を代表する山から日本を象徴する山へ
と変貌した。廃仏毀釈と登山の利便性向上19世紀半ばより、明
治政府を中心に行われた日本の近代化・西欧化政策は富士山にも
影響を与えた。政府が神仏分離や修験道禁止の方針を打ち出した
ことや、これを契機に発生した廃仏毀釈の運動により、仏教的施
設は神道系の施設に再編されたが、1872年の(信仰の山にお
ける)女人禁制解禁の影響もあり富士山への登拝は継続ないし拡
大した。19世紀末以降の鉄道・自動車道の開通も、登山者の利
便性を格段に向上させた。南麓へは1889年に東海道線が開通
し、北麓へは1900年前後に馬車鉄道と中央線が開通したこと
によって、東京からの登山がさらに活発になった。自動車道とし
ては、1929年に北口本宮冨士浅間神社から馬返(標高145
0m)まで自動車専用道路が開削され、1937年には大型バス
による輸送も始まった。第二次大戦以

47 :
条・第47条・第118条)。国立公園の管理と保護は国が費用
を負担する(法43条)。また、管理団体が管理と保護を行う場
合、国が必要な情報の提供又は指導・助言を行う(法42条)。
資産範囲の国有林については森林施業計画により皆伐は年5ha
にとどめるなど景観への影響を最小限に留めるよう適切に保護・
管理されている。加えて国有林の大部分である保安林は指定施行
要件(保安林の種別ごとに異なる。)に合致しない伐採等には都
道府県知事の許可が必要である(法34条)。2)緩衝地帯緩衝
地帯の全域においては、文化財保護法、自然公園法、景観法(そ
れに基づく景観条例及び景観計画)、森林法、砂防法、海岸法、
又は関係各県・市町村が定める条例等の下に資産の周辺環境につ
いて万全な保全措置が講じられている。緩衝地帯の範囲について
は、資産から眺望できる山の稜線のほか、法律・条例等に基づく
境界、地籍境界、行政界、道路等の明確な境界などを考慮しつつ
、資産の保護に必要不可欠な範囲を定めた。山体の緩衝地帯につ
いては富士山を周辺ないし構成資産から展望した際、資産範囲を
含め良好な景観を形成する範囲を基準としている。この範囲の中
には演習場を挟んで、三保松原以外のすべての構成資産が含まれ
る。緩衝地帯において行われる建築物及び工作物の新築・増築・
改築、土地の形質変更等に係る行為、木竹の伐採については、許
可制や届出制に基づく規制を設けており、これらの行為に関する
重要な事項については、特に関係各市町村の景観審議会等による
調査、審議に基づき、関係市町村が事前に適切な指導や助言を行
うこととしている。なお、緩衝地帯設定の考え方や、行為規制等
の詳細については、本推薦書の付属資料及び別添参考資料を参照
されたい。緩衝地帯は大きく3つの方法により保護措置が講じら
れている。一番目は自然公園法(山梨県のほぼ全域)、二番目は
景観法に基づく各市町村の景観条例及び景観計画(静岡県富士市
・富士宮市ほ58か)、三番目が各市町村独自の景観条例や土地
利用事業指導要綱(山梨県富士吉田市の一部・静岡県裾野市・御
殿場市・小山町)である。三番目の地域に関しては将来的に二番
目の保護措置に移行する予定である。なお、三保松原な

48 :
護・管理されている。加えて国有林の大部分である保安林は指
定施行要件(保安林の種別ごとに異なる。)に合致しない伐採
等には都道府県知事の許可が必要である(法34条)。2)緩
衝地帯緩衝地帯の全域においては、文化財保護法、自然公園法
、景観法(それに基づく景観条例及び景観計画)、森林法、砂
防法、海岸法、又は関係各県・市町村が定める条例等の下に資
産の周辺環境について万全な保全措置が講じられている。緩衝
地帯の範囲については、資産から眺望できる山の稜線のほか、
法律・条例等に基づく境界、地籍境界、行政界、道路等の明確
な境界などを考慮しつつ、資産の保護に必要不可欠な範囲を定
めた。山体の緩衝地帯については富士山を周辺ないし構成資産
から展望した際、資産範囲を含め良好な景観を形成する範囲を
基準としている。この範囲の中には演習場を挟んで、三保松原
以外のすべての構成資産が含まれる。緩衝地帯において行われ
る建築物及び工作物の新築・増築・改築、土地の形質変更等に
係る行為、木竹の伐採については、許可制や届出制に基づく規
制を設けており、これらの行為に関する重要な事項については
、特に関係各市町村の景観審議会等による調査、審議に基づき
、関係市町村が事前に適切な指導や助言を行うこととしている
。なお、緩衝地帯設定の考え方や、行為規制等の詳細について
は、本推薦書の付属資料及び別添参考資料を参照されたい。緩
衝地帯は大きく3つの方法により保護措置が講じられている。
一番目は自然公園法(山梨県のほぼ全域)、二番目は景観法に
基づく各市町村の景観条例及び景観計画(静岡県富士市・富士
宮市ほ58か)、三番目が各市町村独自の景観条例や土地利用
事業指導要綱(山梨県富士吉田市の一部・静岡県裾野市・御殿
場市・小山町)である。三番目の地域に関しては将来的に二番
目の保護措置に移行する予定である。なお、三保松原などいく
つかの資産においては、資産範囲が文化財としての登録範囲よ
りも狭く設定されているため、緩衝地帯の一部は文化財保護法
により保護されている。これらの地域では適用する法令等に違
いはあるが、緩衝地帯において行われる建築物

49 :
山として指定される予定。B15.白糸ノ滝説明富士山の湧水を起源とする数百の
流れを持つ滝である。滝の名前は湧水(日平均15〜16万?)の噴出が数百条の
白糸が垂れているように見えることをその起源とする。17白糸ノ滝は富士講関連
の文書によれば長谷川角行が人穴での修行と合わせて水行を行った地とされ、富士
講を中心とした人々の巡礼・修行の場となった。また、景勝地としても有名であり
、和歌・絵画の題材にもなっている。法的保護、修理・整備の経緯1936年に史
蹟名勝天然紀念物保存法の下に名勝及び天然紀念物に指定された。C.三保松原説
明三保松原は、万葉集以降和歌の題材となり、謡曲「羽衣」の舞台となった。15
〜16世紀以降富士山を描く際の典型的な構図に含まれる景勝地として数多く描か
れ、歌川広重等の作品をはじめ海外にも広く知られている(又は海外に影響を与え
た)芸術作品の視点場、又は舞台となった場所のひとつである。法的保護、修理・
整備の経緯1922年に史蹟名勝天然紀念物保存法の下に名勝に指定された。18
b)歴史と発展山容の形成富士山の原型は、40〜10万年前、周辺の火山ととも
に活動をはじめ、先小御岳火山が形成された。その後これを覆うように標高約25
00mの小御岳火山が形成された。さらに約10万年前、そのふもとに古富士火山
が誕生し、爆発的噴火、火山礫・火山灰の噴出、山体崩壊を繰り返し、小御岳火山
をほぼ山体に納める形で3000mを超える火山に成長した。約1万年前には大量
の溶岩を噴出する形で現在の富士山(新富士火山)が成長を始め、古富士山を覆い
つくし、約5600〜3500年前に現在の規模となった。繰り返された溶岩の流
出によって何層にもわたる溶岩層が形成され、その先端部には山体への降水を起源
とする湧水が各溶岩層の隙間より湧出する形で各所に形成された。富士山北麓にお
いてはこれらの湧水や降水が北側の山地との間の低地にたまり、湖や湿地が形成さ
れた。また、溶岩層の中には数多くの風穴、溶岩樹型が形成された。山頂からの噴
火は2200年前の噴火を最後に起こっていないが、

50 :
況の変化により、富士山への登山は信仰を中心としたものから、
富士山への憧れを主な動機とするものに変化した。また、196
4年に中腹までの自動車道として、北麓の富士山スバルラインが
、1970年に南麓の富士山スカイラインが開通し、これ以降、
中腹(標高2300〜2400m)を起点とした登山が主流にな
った。この結果富士山への登山者は急増し、年平均20万〜30
万人に達するに至った(2007年からはさらに増加し年間35
万〜43万人)。これらの登山者の行動様式の中には富士山への
信仰の核心が受け継がれており、加えて、現代的な富士山信仰の
形態として、静岡県の柿田川のように、新たに富士山との関わり
が明らかになったことが、環境保護活動の活性化につながった例
などがある。最近の保全の歴史20富士山体は文化財としては、
1924年に史蹟名勝天然紀念物保存法により、山麓の幅広い地
域が名勝に仮指定された。これとほぼ同じ範囲は、1936年に
自然公園法により国立公園の一部として指定され、現在も保全の
対象となっている。さらに、第二次世界大戦後の1952年には
、新たに文化財保護法によって、御中道以下500mより上及び
一部の登山道などが名勝として(同年、特別名勝として)指定さ
れ、1966年には指定区域を拡大した。山梨県は1978年(
のち、1999年及び2006年に改定)、静岡県は2006年
に「特別名勝富士山」の保存管理計画を策定し、適切な保存と活
用を図っている。周辺の浅間神社や御師住宅の近代以前の修理や
保存の状況は2bで述べたところだが、それらを含めた富士山に
関わる記念工作物・建造物群・遺跡は、1907年以降、古社寺
保存法(1897年〜1929年)、(国宝保存法(1929年
〜1950年))、史蹟名勝天然紀念物保存法(1919年〜1
950年)、文化財保護法(1950年〜現在)により、名勝、
特別天然記念物又は天然記念物、重要文化財、史跡等として指定
され、文化財ごとに保存管理計画が策定されており、それぞれの
価値が最もよく表れる時代の状態が保たれるように細心の注意が
払われている。、また、周辺に位置する個々の文化財は、「包括
的保存管理計画」によって、富士山体

51 :
かの資産においては、資産範囲が文化財としての登録範囲よりも
狭く設定されているため、緩衝地帯の一部は文化財保護法により
保護されている。これらの地域では適用する法令等に違いはある
が、緩衝地帯において行われる建築物・工作物の新築、増築、改
築、土地の形質変更等に係る行為については、許可制ないし承認
制・届出制に基づく規制が定められ、資産の周辺環境の

52 :
、増築、改築、土地の形質変更等に係る行為については、許可
制ないし承認制・届出制に基づく規制が定められ、資産の周辺
環境の万全な保護措置が講じられている。緩衝地帯に適用され
る諸法令等の概略法令名対象地区規制内容許認可文化財保護法
三保松原(一部)現状変更文化庁長官の許可自然公園法(国立
公園)山体・静岡県・山梨県工作物の新築等、ごみ捨て又は放
置、木竹の採取、土石の採取、車馬の乗り入れ等環境大臣の許
可(特別地域)、届出(普通地域)自然公園法(県立自然公園
)県立自然公園条例三保松原(一部)工作物の新築等、ごみ捨
て又は放置、木竹の採取、土石の採取、車馬の乗り入れ等県知
事の許可(特別地域)、命令景観条例及び景観計画(景観法に
基づく)富士市・富士宮市静岡市・忍野村・山中湖村・富士河
口湖町建築物の新築等、工作物の新設等、開発行為、土石の採
取・堆積等(高さ・色彩・形状を規制)市町村長への届出勧告
、指導・要請(問題があった場合)景観条例(自主条例)富士
吉田市建築の新築等市長への届出勧告、助言・指導土地利用事
業指導要綱裾野市・御殿場市・小山町土地利用事業市長・町長
の承認森林法(保安林指定施業用件)保安林(土砂流出防備保
安林)(保健保安林)(水源涵養保安林)立木の伐採(原則択
抜※水源涵養保安林除く)県知事の許可砂防法(静岡県砂防指
定地管理条例)砂防指定地(富士宮市等)施設又は工作物の新
築等、竹木の伐採等、土地の形状変更、土石の採取・集積又は
投棄等県知事の許可海岸法三保松原(海岸の水際線から50m
の範囲)土石の採取、施設等の新設、土地の掘削等海岸管理者
(静岡県河川砂防管理室)の許可県有林管理計画山梨県県有林
なし(水土保全林)(森林と人との共生林)立木の伐採皆伐〜
禁伐59(資源の循環利用林)なお、緩衝地帯の外側に広がる
市街地のうち富士山の主要な眺望(北側では河口湖・山中湖北
部から眺望した富士山、南側では三保松原から眺望した富士山
)に若干の影響を及ぼす範囲については、日本政府が自主的に
保護する範囲として「保全管理区域」を設定している。F資産
に影響する可能性がある個別の開発計画企業立

53 :
東方向に連なる側火山からの噴火を続け、1200年前から後には少なくとも80
0〜802年、864〜866年、937年、999年、1033年、1083年
、1435〜1436年、1511年、1707年の九つの時期の噴火が確認され
ている。神々しい山容と「鎮爆」このような噴火や溶岩の流出を繰り返す富士山は
恐ろしくかつ神秘的な山と考えられたために、古くから遥拝の対象であったが、日
本における古代国家の統治システムがほぼ整った8世紀後半以降は、繰り返す噴火
を鎮めるため、富士山そのものあるいは富士山に鎮座する神を浅間神として祀るよ
うにもなり、各地に遥拝所としての浅間神社が建立され、国家の宗教政策の一端に
位置づけられるようになった。また、富士山の神々しく秀麗な姿と周辺の自然環境
が芸術の対象とされるようになり、日本最古の歌集である『万葉集』(8世紀半ば
)や日本最古の物語とされる『竹取物語』(9世紀後半)をはじめとして、数多く
の和歌・物語など文学の題材となったほか、現存最古となる『聖徳太子絵伝』(1
1世紀制作)をはじめ、数多くの絵画作品の題材として取り上げられるようになっ
た(表参照)。特に12世紀後半以降、日本の政治的中心が京都から鎌倉に移動し
、この二つの都市を結び富士山南麓を通る街道の交通量が増加したことで、富士山
の情報は多くの人に記録され、広く知られるようになった。修験道―日本古来の山
岳信仰と外来宗教の習合―また、12世紀頃より噴火活動が沈静化したことで富士
山は日本古来の山岳信仰と密教・道教(神仙思想)が習合した「修験道」の道場と
もなり、修験者が山中に分け入り、霊力を獲得するために修行する山へと変化して
いった。当時一般的であった神仏習合思想(本地垂迹説)により、山頂部は仏の世
界(又は仏が神の形となって現れる場所)として認識され、山頂部に至ることが重
要な意味を持つようになった。この結果15〜16世紀には登拝する山として一般
に広く知られ、修験者に引率された武家・庶民等による信仰登山が盛んになった。
登山口の設置はいずれも室町時代のことで、14世紀

54 :
理が行われている。21表富士山の美術(1)日本古来の伝統様
式によるもの(国宝重要文化財)指定所在作品名形式時代(年代
)説明東京国立博物館聖徳太子絵伝屏風1069現在最古の富士
山。聖徳太子が馬で富士山を越える物語の状景。神奈川清浄光寺
外一遍聖絵絵巻1299一遍が全国遍歴の途中、富士川に入水す
る往生者を見送る背後に富士山。兵庫

55 :
護措置が講じられている。緩衝地帯に適用される諸法令等の概略
法令名対象地区規制内容許認可文化財保護法三保松原(一部)現
状変更文化庁長官の許可自然公園法(国立公園)山体・静岡県・
山梨県工作物の新築等、ごみ捨て又は放置、木竹の採取、土石の
採取、車馬の乗り入れ等環境大臣の許可(特別地域)、届出(普
通地域)自然公園法(県立自然公園)県立自然公園条例三保松原
(一部)工作物の新築等、ごみ捨て又は放置、木竹の採取、土石
の採取、車馬の乗り入れ等県知事の許可(特別地域)、命令景観
条例及び景観計画(景観法に基づく)富士市・富士宮市静岡市・
忍野村・山中湖村・富士河口湖町建築物の新築等、工作物の新設
等、開発行為、土石の採取・堆積等(高さ・色彩・形状を規制)
市町村長への届出勧告、指導・要請(問題があった場合)景観条
例(自主条例)富士吉田市建築の新築等市長への届出勧告、助言
・指導土地利用事業指導要綱裾野市・御殿場市・小山町土地利用
事業市長・町長の承認森林法(保安林指定施業用件)保安林(土
砂流出防備保安林)(保健保安林)(水源涵養保安林)立木の伐
採(原則択抜※水源涵養保安林除く)県知事の許可砂防法(静岡
県砂防指定地管理条例)砂防指定地(富士宮市等)施設又は工作
物の新築等、竹木の伐採等、土地の形状変更、土石の採取・集積
又は投棄等県知事の許可海岸法三保松原(海岸の水際線から50
mの範囲)土石の採取、施設等の新設、土地の掘削等海岸管理者
(静岡県河川砂防管理室)の許可県有林管理計画山梨県県有林な
し(水土保全林)(森林と人との共生林)立木の伐採皆伐〜禁伐
59(資源の循環利用林)なお、緩衝地帯の外側に広がる市街地
のうち富士山の主要な眺望(北側では河口湖・山中湖北部から眺
望した富士山、南側では三保松原から眺望した富士山)に若干の
影響を及ぼす範囲については、日本政府が自主的に保護する範囲
として「保全管理区域」を設定している。F資産に影響する可能
性がある個別の開発計画企業立地促進法に基づく静岡県東部地域
基本計画(静岡県及び14市町)2009年2月策定市町村森林
整備計画(富士宮市・富士市・裾野市・御殿場市・小山町)20
06年4月策定e)資産の保存管理計画又はその他の保

56 :
く静岡県東部地域基本計画(静岡県及び14市町)2009年
2月策定市町村森林整備計画(富士宮市・富士市・裾野市・御
殿場市・小山町)2006年4月策定e)資産の保存管理計画
又はその他の保存管理体制構成資産のうち、史跡又は特別名勝
・名勝、特別天然記念物・天然記念物に指定されている土地及
びその範囲に立つ建造物(重要文化財含む)については、19
19年に制定された史蹟名勝天然紀念物保存法及び1950年
以降においては文化財保護法に基づく段階的な

57 :
とされている。このころには参詣の道者のための宿坊もでき始め、大勢の登山者が
登るための設備が整い始めた。登拝の大衆化―富士講―17世紀前半、約150年
にわたる日本国内での戦乱状態が終了し、江戸幕府の下で治安が安定し経19済的
な発展もあってより多くの人が富士山を目指すようになった。このような中で18
世紀後半、16世紀に富士山体や周辺の風穴などで修行し、宗教的覚醒を得た長谷
川角行から始まったとされる富士信仰が江戸(現在の東京)を中心に「富士講」と
呼ばれる信仰集団を形成して大いに盛んになり、より多くの人々が登拝するように
なった。富士講や他の登拝者(合わせて「道者」という。)は原則として固定的・
継続的関係を持った「御師(宿坊を経営する神職)」の家や宿坊に宿泊し、祈祷や
宗教的指導を受け、湧水で水垢離をとり、浅間神社に参拝した後、頂上を目指した
。登山道には茶屋や山小屋が建てられ、多くの登拝者の活動を支える施設が体系的
に整備されたのもこの頃である。また、富士講においては長谷川角行ら指導者の言
動にならって周辺の風穴や湖沼・滝なども修行の地とされ、ここにおいて富士山と
周辺の宗教施設・霊地・巡礼地は庶民の信仰の場として定着し、山の結界が開放さ
れる二ヶ月間に年平均1万〜2万人の人々が信仰を目的とした登山を行うようにな
った。芸術作品の多様化とジャポニスム芸術面においても、とりわけ江戸時代(1
7〜19世紀半ば)には、文学、絵画、工芸、庭園等のモチーフとして多岐にわた
って取り上げられ、三保松原と富士山を描いた絵画など多様な表現が追究されるよ
うになった。(表参照)特に、葛飾北斎の「冨嶽三十六景」に代表される浮世絵の
数々は、西洋の画家たちに文化的衝撃を与えた。19世紀後半には「ジャポニスム
」という芸術上の画期的な転機を惹き起こし、印象派の作品に影響を与えるととも
に、その富士山を含んだ構図は海外において日本のイメージの一つとされてきたの
である。日本を訪れた外国人が富士山からインスピレーションを得て記述した紀行
文の中でも、富士山のアイコン的側面を綴ったものが

58 :
巻1323他阿上人が全国遍歴の途中、甲斐の御坂峠を越えて河
口に進む背後に富士山。大阪・久保惣記念美術館伊勢物語絵巻絵
巻14世紀伊勢物語現存最古の絵巻。第九段物語の主人が富士山
麓を進む場面。東京国立博物館月次風俗図のうち小屏風15世紀
十二月風俗図の一場面。鎌倉初期に行われた富士山麓の巻狩を題
材とする。富士山本宮浅間大社富士参詣曼荼羅図掛軸16世紀霊
山である富士山に参拝する行者達の登山風景、山頂に三尊あり。
狩野派の祖元信筆。東京国立博物館武蔵野図屏風17世紀武蔵野
の状景を装飾的に描いた名所図屏風の一。ススキ野の奥に富士山
がそびえる。山梨県立博物館曽我物語図屏風17世紀鎌倉将軍源
頼朝が主催した富士の巻狩最中に果された曽我兄弟による仇討ち
を題材。富士山の美術(2)室町時代水墨画によるもの指定所在
作品名形式時代(年代)説明東京・根津美術館富岳図仲安真康筆
掛軸15世紀現存最古の水墨による富士山図。鎌倉建長寺の僧で
、鎌倉画派の祖とされる。東京国立博物館富岳図祥啓筆掛軸14
90仲安真康の弟子、建長寺の書記を勤めた禅僧万里集九や雪舟
とも交友があった。東京永青文庫富士清見寺図雪舟集掛軸15世
紀世界的に著名な日本を代表する水墨画家の作。水墨画による富
士山の一典型作。静岡県立美術館富士八景図式部輝忠筆掛軸15
30東国を中心に活躍した水墨画家。瀟湘八景にあやかって連作
に挑んだ作品。個人(?)富士三保松原図是庵筆掛軸16世紀京
都相国寺の僧で、画をよくした。下辺に三保松原、富士山の左手
に日輪を描く。22富士山の美術(3)江戸時代諸派の作家と富
士山指定流派著名な作家名所在代表作(年代)説明陶芸野々村仁
清東京・鼻山美術館銹絵富士山香炉(17世紀)世界的にも著名
な京焼の第一人者。富士山の朝昼晩の三つの景色を造型化する。
狩野派狩野探幽静岡県立美術館富士山図1670江戸狩野派の祖
、第一人者。富士山連作の緒を開いた。狩野派狩野山雪静岡県立
美術館富士三保松原図屏風(17世紀)山楽の養子として京狩野
派を継ぐ。装飾性と抒情性に富む。琳派尾形光琳奈良・大和文華
館富岳図(扇面貼交手箱内)(18世紀)世界的に著名な代表的
画家。工芸デザイナーとしても卓越す

59 :
制構成資産のうち、史跡又は特別名勝・名勝、特別天然記念物・
天然記念物に指定されている土地及びその範囲に立つ建造物(重
要文化財含む)については、1919年に制定された史蹟名勝天
然紀念物保存法及び1950年以降においては文化財保護法に基
づく段階的な指定により保護措置がとられ、史跡等の管理団体で
ある各市町村と静岡県・山梨県が個別に保存管理計画を策定して
適正な保存管理に当たっている。さらに、2011年には、資産
を構成する重要文化財、史跡、特別名勝又は名勝、特別天然記念
物又は天然記念物について、静岡県・山梨県が文化庁、所有者で
ある宗教法人・個人、史跡等の管理団体である各市町村との調整
の下に構成資産の全体を対象とする包括的保存管理計画を策定し
、保存管理全体の整合を図る予定である。上記した各構成資産の
保存管理計画の概要と資産全体を対象とする包括的保存管理計画
の全文については、本推薦書付属資料−として添付している。1
)保存管理計画各構成資産の保存計画の策定状況については、本
推薦書の7.資料、e)参考文献、3)保存管理計画書に示すと
おりである。特に静岡県・山梨県教育委員会は、文化庁及び関係
各市町村の教育委員会との十分な調整の下に『世界遺産富士山包
括的保存管理計画』を策定し、資産の全体を視野に入れた総括的
な保存管理を行う予定である。包括的保存管理計画に定める基本
方針は、次の5点である(別添参考資料)。(1)構成資産の適
切な保存管理(2)周辺環境を含めた一体的な保全(3)経過観
察の実施(4)整備・公開・活用推進(5)保存管理体制の整備
と運営包括的保存管理計画に定めた上記の基本方針に基づき、管
理団体である県・市町村が個々の重要文化財、史跡、特別名勝又
は名勝、特別天然記念物又は天然記念物の保存管理計画を利用し
、具体的で適切な保存管理に当たる予定である。これらの保存管
理計画を要約したものについては、付属資料に示すとおりである
(別添参考資料)。「富士山」を総体として保全するためには、
構成資産のみならず緩衝地帯をも含め、資産に影響を及ぼす人工
物などを適切に制御していく必要がある。そのため、構成資産の
本質的な価値に負の影響を与える可能性のある人工物や

60 :
措置がとられ、史跡等の管理団体である各市町村と静岡県・山
梨県が個別に保存管理計画を策定して適正な保存管理に当たっ
ている。さらに、2011年には、資産を構成する重要文化財
、史跡、特別名勝又は名勝、特別天然記念物又は天然記念物に
ついて、静岡県・山梨県が文化庁、所有者である宗教法人・個
人、史跡等の管理団体である各市町村との調整の下に構成資産
の全体を対象とする包括的保存管理計画を策定し、保存管理全
体の整合を図る予定である。上記した各構成資産の保存管理計
画の概要と資産全体を対象とする包括的保存管理計画の全文に
ついては、本推薦書付属資料−として添付している。1)保存
管理計画各構成資産の保存計画の策定状況については、本推薦
書の7.資料、e)参考文献、3)保存管理計画書に示すとお
りである。特に静岡県・山梨県教育委員会は、文化庁及び関係
各市町村の教育委員会との十分な調整の下に『世界遺産富士山
包括的保存管理計画』を策定し、資産の全体を視野に入れた総
括的な保存管理を行う予定である。包括的保存管理計画に定め
る基本方針は、次の5点である(別添参考資料)。(1)構成
資産の適切な保存管理(2)周辺環境を含めた一体的な保全(
3)経過観察の実施(4)整備・公開・活用推進(5)保存管
理体制の整備と運営包括的保存管理計画に定めた上記の基本方
針に基づき、管理団体である県・市町村が個々の重要文化財、
史跡、特別名勝又は名勝、特別天然記念物又は天然記念物の保
存管理計画を利用し、具体的で適切な保存管理に当たる予定で
ある。これらの保存管理計画を要約したものについては、付属
資料に示すとおりである(別添参考資料)。「富士山」を総体
として保全するためには、構成資産のみならず緩衝地帯をも含
め、資産に影響を及ぼす人工物などを適切に制御していく必要
がある。そのため、構成資産の本質的な価値に負の影響を与え
る可能性のある人工物や開発については、たとえそれが緩衝地
帯におけるものであってもできる限り抑制することとし、やむ
を得ず設置する場合であっても、最小限の数量・規模とすると
ともに、色彩等の観点から景観にも十分配慮す

61 :
本一有名な山であったが、19世紀後半の開国によって日本が近代国家としての体
制を整えるにつれて、日本を代表する山から日本を象徴する山へと変貌した。廃仏
毀釈と登山の利便性向上19世紀半ばより、明治政府を中心に行われた日本の近代
化・西欧化政策は富士山にも影響を与えた。政府が神仏分離や修験道禁止の方針を
打ち出したことや、これを契機に発生した廃仏毀釈の運動により、仏教的施設は神
道系の施設に再編されたが、1872年の(信仰の山

62 :
術大学富士十二景図(18世紀)日本文人図(南画)の大成者、
第一人者。富士・立山・白山を信仰登山し、三岳道者と自称。そ
の体験を描く。文人画派与謝蕪村富山佐藤美術館松林富士図(1
8世紀)大雅と並ぶ日本文人画の第一人者。俳人としても高名で
、俳画を大成した名手。文人画派野呂介石和歌山・田辺市立美術
館(寄託)紅玉芙蓉峰図1821紀州藩の役人で、大雅にも師事
した。早春の明け方の朱に染まった富士、赤富士の魁。文人画派
谷文晁静岡県立美術館富士山図屏風1835江戸文人画の大家。
諸国諸山の風景を写実的に描いた写生派の草分け。円山派円山応
挙兵庫・白鶴美術館富士三保松原図屏風1784装飾性と写実性
とを融合し、独自の画境を開いた、いかにも応挙らしい作品。洋
風画派小田野直武秋田県立近代美術館富岳図1777秋田藩士。
日本で最初に西洋画を学んだ、秋田蘭画の創始者。江戸出府の折
の作。洋風画派司馬江漢静岡県立美術館薩?山富士遠望図180
4平賀源内らと蘭学を研鑚、後に小田野直武の影響を受けて、洋
風写生画の第一人者となる。南蘋派宋紫石東京国立博物館日金山
富岳展望図(18世紀)長崎に渡来した清人画家より写生的花鳥
画を学び、また平賀源内らを通じて蘭学に通じた。禅画白隠慧鶴
大分・自性寺富士見大名行列図日本臨済禅を確立した禅僧。全国
を遍歴、布教した。禅画の大成者としても著名。浮世絵派葛飾北
斎山梨県立博物館版画富岳三十六景1831世界的に著名な浮世
絵師。富岳三十六景に見る象徴主義は欧米文芸に大きく影響した
。23浮世絵派歌川広重山梨県立博物館版画不二三十六景(19
世紀)北斎とともに世界的に著名な浮世絵師。東海道五十三次な
ど風景画に新境地を開き、印象派に与えた影響は大きい。浮世絵
派歌川貞秀神戸市立博物館三国第一山之図1849幕末の浮世絵
師。自ら富士山に登り、その感動を本図や富士絶頂之図など多く
の作品を残した。富士山の美術(4)近現代作家と富士山文化勲
章指定ジャンル著名な作家名所在代表作(年代)説明油画(洋画
)高橋由一金刀比羅宮宝物語館牧の原望岳図1878明治維新以
降、最初に油彩技法を習得した先覚者の作品。明治初期の貴重作
。〃五姓田義松東京都現代美術館清水

63 :
の理解と協力を求める予定である。なお、既存の鉄柱・看板・
広告塔など構成資産に影響を及ぼすものについては、撤去また
は修景に努め、公益上必要と考えられる施設については、現状
の利用状況を尊重しつつ、将来的に撤去又は移転等について検
討するとともに、当面の間、資産に対する影響の軽減を図るこ
ととする予定である。図保存管理計画の構造図「富士山」包括
的保存管理計画62各構成資産の都市計画保存管理計画等観光
計画(山梨県・静岡県・各市町村)整備計画等632)保存管
理体制包括的保存管理計画に定めた上記の基本方針に基づき、
静岡県・山梨県と関係市町村は、広範囲にわたる富士山の構成
資産及び緩衝地帯を包括的保存管理計画に基づき統一的に管理
するため「富士山世界遺産両県協議会」(以下「両県協議会」
という。仮称)及びその支部組織である「静岡県世界遺産協議
会」・「山梨県世界遺産協議会」(以下両者をまとめて「各県
協議会」という。仮称)を設置し、各構成資産を成す重要文化
財、史跡、特別名勝又は名勝、特別天然記念物又は天然記念物
の保存管理計画を共通の基準に基づき確実に実行する予定であ
る。両県協議会及び各県協議会は、資産及びその周辺地域にお
いて、国・静岡県・山梨県・関係市町村等・民間団体等が実施
する予定の事業等についての情報を総合的に把握し、それぞれ
の事業が、資産の保存管理に負の影響を及ぼすことなく、適切
に実施されるように関係各機関の連絡・調整を行う。両県協議
会・各県協議会における調整結果に基づき、静岡県・山梨県及
び関係市町村は、民間事業者等に対して権限に基づく適切な指
導や助言を行うこととする予定である。また、両県協議会には
国関係機関(文化庁・環境省・国土交通省・防衛省・林野庁)
、国内の大学及びイコモス会員等の研究者・専門家が参加し、
学術的な観点からの助言を行う予定である。各県協議会の下に
は、各県庁内の実務担当者レベルの調整組織として、静岡県(
山梨県)庁内連絡会議を設置するとともに、各市町村担当者や
民間業者(観光協会、登山組合、神社関係者)などの代表者と
の調整組織として静岡県(山梨県)保存管理協

64 :
いては、たとえそれが緩衝地帯におけるものであってもできる限
り抑制することとし、やむを得ず設置する場合であっても、最小
限の数量・規模とするとともに、色彩等の観点から景観にも十分
配慮するよう関係者への理解と協力を求める予定である。なお、
既存の鉄柱・看板・広告塔など構成資産に影響を及ぼすものにつ
いては、撤去または修景に努め、公益上必要と考えられる施設に
ついては、現状の利用状況を尊重しつつ、将来的に撤去又は移転
等について検討するとともに、当面の間、資産に対する影響の軽
減を図ることとする予定である。図保存管理計画の構造図「富士
山」包括的保存管理計画62各構成資産の都市計画保存管理計画
等観光計画(山梨県・静岡県・各市町村)整備計画等632)保
存管理体制包括的保存管理計画に定めた上記の基本方針に基づき
、静岡県・山梨県と関係市町村は、広範囲にわたる富士山の構成
資産及び緩衝地帯を包括的保存管理計画に基づき統一的に管理す
るため「富士山世界遺産両県協議会」(以下「両県協議会」とい
う。仮称)及びその支部組織である「静岡県世界遺産協議会」・
「山梨県世界遺産協議会」(以下両者をまとめて「各県協議会」
という。仮称)を設置し、各構成資産を成す重要文化財、史跡、
特別名勝又は名勝、特別天然記念物又は天然記念物の保存管理計
画を共通の基準に基づき確実に実行する予定である。両県協議会
及び各県協議会は、資産及びその周辺地域において、国・静岡県
・山梨県・関係市町村等・民間団体等が実施する予定の事業等に
ついての情報を総合的に把握し、それぞれの事業が、資産の保存
管理に負の影響を及ぼすことなく、適切に実施されるように関係
各機関の連絡・調整を行う。両県協議会・各県協議会における調
整結果に基づき、静岡県・山梨県及び関係市町村は、民間事業者
等に対して権限に基づく適切な指導や助言を行うこととする予定
である。また、両県協議会には国関係機関(文化庁・環境省・国
土交通省・防衛省・林野庁)、国内の大学及びイコモス会員等の
研究者・専門家が参加し、学術的な観点からの助言を行う予定で
ある。各県協議会の下には、各県庁内の実務担当者レベルの調整
組織として、静岡県(山梨県)庁内連絡会議を設置する

65 :
に早く油彩技法に目覚めた開拓者の一人。明治初期の貴重作。〃
和田英作鹿児島歴史資料センター富士(河口湖)1926日本近
代洋画を技法的に確立した先駆者の一人。写生の確かさを見よ。
〃梅原龍三郎岡山・大原美術館朝陽1945ルノアールに学び、
日本洋画に存在感ある独特の装飾技法を樹立した。その金字塔と
も言うべき作。〃田崎広助長野・田崎美術館箱根朱富士1975
日本独特の平面的装飾に新しい一頁を開いた田崎ならではの自然
景観。〃林武箱根彫刻の森美術館赤富士1967主として第二次
大戦以後洋画壇をリードした。豪快な技法で富士連作に挑んだ。
膠画(日本画)富岡鉄斎兵庫・清荒神清澄寺富士山及び山頂全図
屏風1898最後の文人画家とも言われる思想家。自ら富士山に
登り、その神聖性をダイナミックに表現した。〃横山大観東京国
立近代美術館或る日の太平洋1952フェノロサ、岡倉天心と共
に日本画壇を復興した巨匠。日本の象徴と意識して多くのテーマ
に富士山が描かれた。〃下村観山秋田県立近代美術館三保富士図
屏風1919横山大観とともに明治日本画壇を背負った作家が伝
統的テーマに新風を吹き込む。〃川端龍子東京・大田区立龍子記
念館怒る富士1944強烈な個性で大作に挑んだ激情の画家。激
しい気象現象を示す富士に挑戦した作品。〃松岡映丘宮内庁三の
丸尚蔵館富岳茶園1928昭和天皇即位記念の作品。伝統的日本
画に透明感のある新しい表現技法を示す。〃徳岡神泉京都国立近
代美術館富士1965福田平八郎と共に昭和の日本画壇に独自の
新風を吹き込んだ。茫漠たるモノトーンの中に立する富士。24
〃横山操東京・五島美術館朱富士1966第二次大戦後の日本画
壇をリードした新星。多くの富士を描いたが、赤富士と電光の対
比の妙。〃小松均京都市立美術館白富士1982第二次大戦後の
日本画壇に詩的な大画面で新境地を開いた。郷土山形や大自然に
魅せられて。〃片岡球子神奈川県立近代美術館面構葛飾北斎数年
前に没したが、最も現代日本画界をリードした女流画家。本図は
女史のライフワーク面構シリーズの一つ。写真鹿島清兵衛宮内庁
三の丸尚蔵館富士1894アマチュアながら当時の技術を駆使し
た大版写真を御成婚25年記念に皇室

66 :
、各市町村担当者や民間業者(観光協会、登山組合、神社関係者
)などの代表者との調整組織として静岡県(山梨県)保存管理協
力者会議を設置し、十分な連携を図る予定である。さらに、静岡
県・山梨県文化財保護審議会をはじめ各市町村文化財調査委員会
は指定文化財及び文化財全体に関する事項を審議し、それぞれ、
静岡県・山梨県教育委員会及び直接的な構成資産の管理を行う各
市町村教育委員会に対して建議を行っている。これらの組織の運
営は静岡県・山梨県の世界遺産推進課が行い、専門の職

67 :
し、十分な連携を図る予定である。さらに、静岡県・山梨県文
化財保護審議会をはじめ各市町村文化財調査委員会は指定文化
財及び文化財全体に関する事項を審議し、それぞれ、静岡県・
山梨県教育委員会及び直接的な構成資産の管理を行う各市町村
教育委員会に対して建議を行っている。これらの組織の運営は
静岡県・山梨県の世界遺産推進課が行い、専門の職員名により
業務が行われる。また、富士山文化課世界遺産推進係を設置し
た富士宮市教育委員会や世界遺産推進室を設置した富士吉田市
をはじめ、各市や市町村教育委員会においても構成資産の保存
管理を担当する専門の職員を定めている。これらの組織体制に
ついては、さらなる充実化に努める予定である。なお、上記の
体制については現在登録準備のために設置され、実質的に機能
している組織を改変・名称変更・役割変更するものであり、そ
の運営に関して問題は生じない。図「富士山」に係る保存管理
の組織体制図(仮案・今後変更の可能性大)64富士山世界遺
産両県協議会(構成)静岡県、山梨県、関係市町村学識経験者
等国関係機関(文化庁、環境省、国土交通省、防衛省、林野庁
)f)財源及び財政的水準各構成資産の管理については、それ
ぞれの所有者又は管理団体が行っている。特に「記念工作物」
、「建造物群」の修理を行う場合には、小修理その他特別な場
合を除いて国が必要に応じて経費の50開発事業者、地域住民
、関係者静岡県世界遺産協議会山梨県世界遺産協議会(委員)
行政:静岡県、関係市町(委員)行政:山梨県、関係市町村等
民間:観光協会、登山組合、神社関係者等民間:観光協会、山
小屋組合、静岡県保存管理協力者会議(委員)関係市町(企画
・都市計画・文化財担当)観光関係者、登山組合、神社関係者
等神社、関係者等静岡県庁内連絡会議山梨県庁内連絡会議(委
員)関係課等(委員)関係課等山梨県保存管理協力者会議(委
員)関係市町村(企画、都市計画、文化財担当)観光関係者、
山小屋組合、神社関係者等65〜85%の補助金を交付してい
る。「遺跡」である史跡、特別名勝又は名勝、特別天然記念物
又は天然記念物において発掘調査・修理・整備

68 :
・岡田紅陽写真美術館忍野赤富士1894文字通り富士山の写真
家。富士山のあらゆる表情を写真に収め、広めた。木版画萩原英
雄山梨県立美術館三十六富士1926本県出身の日本を代表する
木版画家。新しい視点からの富士山シリーズ。富士山の文学歴史
書「六りっ国史こくし」(奈良−平安)菅野すがのの真ま道みち
ら「続日本しょくにほん紀ぎ」(平安)藤原通憲ふじわらのみち
のり「本朝ほんちょう世紀せいき」(平安)伝皇こう円えん「扶
桑ふそう略記りゃっき」(平安)※作

69 :
り業務が行われる。また、富士山文化課世界遺産推進係を設置し
た富士宮市教育委員会や世界遺産推進室を設置した富士吉田市を
はじめ、各市や市町村教育委員会においても構成資産の保存管理
を担当する専門の職員を定めている。これらの組織体制について
は、さらなる充実化に努める予定である。なお、上記の体制につ
いては現在登録準備のために設置され、実質的に機能している組
織を改変・名称変更・役割変更するものであり、その運営に関し
て問題は生じない。図「富士山」に係る保存管理の組織体制図(
仮案・今後変更の可能性大)64富士山世界遺産両県協議会(構
成)静岡県、山梨県、関係市町村学識経験者等国関係機関(文化
庁、環境省、国土交通省、防衛省、林野庁)f)財源及び財政的
水準各構成資産の管理については、それぞれの所有者又は管理団
体が行っている。特に「記念工作物」、「建造物群」の修理を行
う場合には、小修理その他特別な場合を除いて国が必要に応じて
経費の50開発事業者、地域住民、関係者静岡県世界遺産協議会
山梨県世界遺産協議会(委員)行政:静岡県、関係市町(委員)
行政:山梨県、関係市町村等民間:観光協会、登山組合、神社関
係者等民間:観光協会、山小屋組合、静岡県保存管理協力者会議
(委員)関係市町(企画・都市計画・文化財担当)観光関係者、
登山組合、神社関係者等神社、関係者等静岡県庁内連絡会議山梨
県庁内連絡会議(委員)関係課等(委員)関係課等山梨県保存管
理協力者会議(委員)関係市町村(企画、都市計画、文化財担当
)観光関係者、山小屋組合、神社関係者等65〜85%の補助金
を交付している。「遺跡」である史跡、特別名勝又は名勝、特別
天然記念物又は天然記念物において発掘調査・修理・整備の事業
を行う場合にも、国が必要に応じて経費の50%の補助金を交付
している。これらの国の補助金に併せて、静岡県・山梨県は国の
補助金相当額を控除した額の50%に相当する額以内の補助金を
交付し、構成資産所在の市町村が同内容の補助金を交付する予定
である。また、重要文化財、史跡、特別名勝又は名勝、特別天然
記念物又は天然記念物において、それぞれ防災施設等を設置する
事業についても、同様の比率の下に経費の補助を行うこ

70 :
合にも、国が必要に応じて経費の50%の補助金を交付してい
る。これらの国の補助金に併せて、静岡県・山梨県は国の補助
金相当額を控除した額の50%に相当する額以内の補助金を交
付し、構成資産所在の市町村が同内容の補助金を交付する予定
である。また、重要文化財、史跡、特別名勝又は名勝、特別天
然記念物又は天然記念物において、それぞれ防災施設等を設置
する事業についても、同様の比率の下に経費の補助を行うこと
としている。なお、上記の補助金とは別に、2

71 :
めた禅僧万里集九や雪舟とも交友があった。東京永青文庫富士清見寺図雪舟集掛軸
15世紀世界的に著名な日本を代表する水墨画家の作。水墨画による富士山の一典
型作。静岡県立美術館富士八景図式部輝忠筆掛軸1530東国を中心に活躍した水
墨画家。瀟湘八景にあやかって連作に挑んだ作品。個人(?)富士三保松原図是庵
筆掛軸16世紀京都相国寺の僧で、画をよくした。下辺に三保松原、富士山の左手
に日輪を描く。22富士山の美術(3)江戸時代諸派の作家と富士山指定流派著名
な作家名所在代表作(年代)説明陶芸野々村仁清東京・鼻山美術館銹絵富士山香炉
(17世紀)世界的にも著名な京焼の第一人者。富士山の朝昼晩の三つの景色を造
型化する。狩野派狩野探幽静岡県立美術館富士山図1670江戸狩野派の祖、第一
人者。富士山連作の緒を開いた。狩野派狩野山雪静岡県立美術館富士三保松原図屏
風(17世紀)山楽の養子として京狩野派を継ぐ。装飾性と抒情性に富む。琳派尾
形光琳奈良・大和文華館富岳図(扇面貼交手箱内)(18世紀)世界的に著名な代
表的画家。工芸デザイナーとしても卓越する。文人画派池大雅東京芸術大学富士十
二景図(18世紀)日本文人図(南画)の大成者、第一人者。富士・立山・白山を
信仰登山し、三岳道者と自称。その体験を描く。文人画派与謝蕪村富山佐藤美術館
松林富士図(18世紀)大雅と並ぶ日本文人画の第一人者。俳人としても高名で、
俳画を大成した名手。文人画派野呂介石和歌山・田辺市立美術館(寄託)紅玉芙蓉
峰図1821紀州藩の役人で、大雅にも師事した。早春の明け方の朱に染まった富
士、赤富士の魁。文人画派谷文晁静岡県立美術館富士山図屏風1835江戸文人画
の大家。諸国諸山の風景を写実的に描いた写生派の草分け。円山派円山応挙兵庫・
白鶴美術館富士三保松原図屏風1784装飾性と写実性とを融合し、独自の画境を
開いた、いかにも応挙らしい作品。洋風画派小田野直武秋田県立近代美術館富岳図
1777秋田藩士。日本で最初に西洋画を学んだ、秋田蘭画の創始者。江戸出府の
折の作。洋風画派司馬江漢静岡県立美術館薩?山富士

72 :
み」(鎌倉)斎藤月岑さいとうげっしん「武江ぶこう年表ねんぴ
ょう」(江戸)風土記元明天皇げんめいてんのう詔「常陸ひたち
国のくに風土記」(奈良)談話集景戒きょうかい「日本にほん霊
異記りょういき」(平安)※作者未詳「今昔こんじゃく物語集も
のがたりしゅう」(平安)和歌集大伴家持おおとものやかもち「
万葉集まんようしゅう」(奈良)紀淑望きのよしもち・紀貫之き
のつらゆき「古今和歌集こきんわかしゅう」(平安)村上むらか
み天皇てんのう「後撰和ごせんわ歌集かしゅう」(平安)後鳥羽
ごとば上皇じょうこう「新古今和歌集しんこきんわかしゅう」(
鎌倉)後鳥羽院ごとばいん「最勝さいしょう四天王院してんのう
いん障子しょうじ和歌わか」(鎌倉)藤原長清「夫木和歌抄ふぼ
くわかしょう」(鎌倉)藤原ふじわらの為ため明あきら「新拾遺
和しんしゅういわ歌集かしゅう」(室町)25記録・紀行文都良
香みやこのよしか(平安)「富士山記ふじさんき」※作者不詳(
鎌倉)「海道記かいどうき」※作者不詳(鎌倉)「東関紀行とう
かんきこう」飛鳥井あすかい雅世まさよ(室町)「富士紀行ふじ
きこう」堯孝ぎょうこう(室町)「覧らん富士記ふじき」堯恵ぎ
ょうえ(室町)「北国紀行ほっこくきこう」※作者不詳(室町)
「富士御覧日記ふじごらんにっき」道興どうこう(室町)「廻国
かいこく雑記ざっき」宗牧そうぼく(室町)「東国とうごく紀行
きこう」紹巴じょうは(室町)「富士見ふじみ道記みちのき」小
堀遠州こぼりえんしゅう(江戸)「東海道紀行とうかいどうきこ
う」浅井了意あさいりょうい(江戸)「東海道名所記とうかいど
うめいしょき」岩佐いわさ又兵衛またべえ(江戸)「迴国道の記
」松尾まつお芭蕉ばしょう(江戸)「野ざらし紀行」香川景樹か
がわかげき(江戸)「中空の日記」古川古松こしょう軒けん(江
戸)「東遊とうゆう雑記ざっき」藤とう惺せい梅ばい(江戸)「
東海紀行」日記文学菅原孝標女すがわらのたかすえのむすめ(平
安)「更級さらしな日記」阿仏尼あぶつに(鎌倉)「十六夜日記
いざよいにっき」「うたたね」後ご深ふか草院くさいんの二条に
じょう(鎌倉)「とはずがたり」賀茂真淵かものまぶち(江戸)
「岡部日記おかべにっき」永井ながい

73 :
いる。なお、上記の補助金とは別に、2006年より構成資産の
整備活用及び保護に関する教育プログラムのための基金を設けて
おり(「富士山基金」)、基金には国内の経済界を中心に民間か
らの資金提供も行われている。g)保全及び保存管理の技術にお
ける専門的知識及び研修構成資産の保存管理については、所有者
(宗教法人を含む)をはじめ、静岡県・山梨県教育委員会及び各
史跡等の管理団体に指定された各市町村教育委員会が実施してい
る。静岡県・山梨県教育委員会とその関連機関である財団法人静
岡県埋蔵文化財調査研究所及び山梨県埋蔵文化センターでは、そ
れぞれの組織内に文化財の高度な保存・管理技術を持つ専門職員
及び技術者を配置し、管理団体である各市町村が行う保存管理に
対して適切な技術的支援を行っている。また、独立行政法人国立
文化財機構は、全国の史跡等における整備活用事業の円滑な推進
と専門職員及び技術者の技術や能力の向上のために、地方公共団
体の専門職員を対象として定期的に研修を開催しており、静岡県
・山梨県をはじめ関係各市町村の職員も当該研修等に積極的に参
加して、資産の整備活用の技術向上に努める予定である。さらに
、独立行政法人国立文化財機構(201年度より国内の大学の研
究者及びイコモス会員を含む富士山世界遺産両県協議会の助言者
及び両県協議会も含まれる予定である)の助言・指導に基づいて
行われている保存・管理技術は、高い水準を維持する予定である
。重要文化財、史跡、特別名勝又は名勝、特別天然記念物又は天
然記念物を維持するための措置として簡単な修理又は復旧を行う
場合は、事前の届出に基づき、文化庁が適切な技術的指導を行っ
ているため、管理技術の水準はきわめて高く保たれている。資産
の見回りや清掃等の日常的な維持管理については、静岡県・山梨
県教育委員会から嘱託された文化財保護指導員(静岡県3名、山
梨県2名:構成資産の所在地区を担当する人数)のほか、地域住
民・民間団体・管理団体が協働して積極的に行っている。表技術
者の資質向上のために行われているおもな研修h)来訪者の施設
と統計構成資産の大部分は、周囲に展開する景勝地とともに日本
を代表する優れた名所として国内のみならず海外に広く

74 :
成資産の整備活用及び保護に関する教育プログラムのための基
金を設けており(「富士山基金」)、基金には国内の経済界を
中心に民間からの資金提供も行われている。g)保全及び保存
管理の技術における専門的知識及び研修構成資産の保存管理に
ついては、所有者(宗教法人を含む)をはじめ、静岡県・山梨
県教育委員会及び各史跡等の管理団体に指定された各市町村教
育委員会が実施している。静岡県・山梨県教育委員会とその関
連機関である財団法人静岡県埋蔵文化財調査研究所及び山梨県
埋蔵文化センターでは、それぞれの組織内に文化財の高度な保
存・管理技術を持つ専門職員及び技術者を配置し、管理団体で
ある各市町村が行う保存管理に対して適切な技術的支援を行っ
ている。また、独立行政法人国立文化財機構は、全国の史跡等
における整備活用事業の円滑な推進と専門職員及び技術者の技
術や能力の向上のために、地方公共団体の専門職員を対象とし
て定期的に研修を開催しており、静岡県・山梨県をはじめ関係
各市町村の職員も当該研修等に積極的に参加して、資産の整備
活用の技術向上に努める予定である。さらに、独立行政法人国
立文化財機構(201年度より国内の大学の研究者及びイコモ
ス会員を含む富士山世界遺産両県協議会の助言者及び両県協議
会も含まれる予定である)の助言・指導に基づいて行われてい
る保存・管理技術は、高い水準を維持する予定である。重要文
化財、史跡、特別名勝又は名勝、特別天然記念物又は天然記念
物を維持するための措置として簡単な修理又は復旧を行う場合
は、事前の届出に基づき、文化庁が適切な技術的指導を行って
いるため、管理技術の水準はきわめて高く保たれている。資産
の見回りや清掃等の日常的な維持管理については、静岡県・山
梨県教育委員会から嘱託された文化財保護指導員(静岡県3名
、山梨県2名:構成資産の所在地区を担当する人数)のほか、
地域住民・民間団体・管理団体が協働して積極的に行っている
。表技術者の資質向上のために行われているおもな研修h)来
訪者の施設と統計構成資産の大部分は、周囲に展開する景勝地
とともに日本を代表する優れた名所として国内

75 :
蘭学を研鑚、後に小田野直武の影響を受けて、洋風写生画の第一人者となる。南蘋
派宋紫石東京国立博物館日金山富岳展望図(18世紀)長崎に渡来した清人画家よ
り写生的花鳥画を学び、また平賀源内らを通じて蘭学に通じた。禅画白隠慧鶴大分
・自性寺富士見大名行列図日本臨済禅を確立した禅僧。全国を遍歴、布教した。禅
画の大成者としても著名。浮世絵派葛飾北斎山梨県立博物館版画富岳三十六景18
31世界的に著名な浮世絵師。富岳三十六景に見る象

76 :
「大窪だより」伝説・物語※作者不詳「竹取たけとり物語ものが
たり」(平安)※作者不詳「伊勢いせ物語ものがたり」(平安)
紫式部むらさきしきぶ「源氏げんじ物語ものがたり(若紫わかむ
らさき)」(平安)藤原兼輔ふじわらのかねすけ「聖徳太子伝暦
しょうとくたいしでんりゃく」(平安)※作者不詳(平安)「平
中へいちゅう物語ものがたり」「平家へいけ物語ものがたり」(
鎌倉)※未詳「曽我そがの物語ものがたり」(鎌倉)※作者不詳
「源平げんぺい盛衰記せいすいき」(鎌倉)※未詳「承久記じょ
うきゅうき」(鎌倉)浅井あさい了りょう意い「東海道名所記」
(江戸)能(謡曲)伝世阿弥ぜあみ原作(室町)「富士山ふじさ
ん」※未詳(室町)「羽衣はごろも」御伽草紙「富士の人穴ひと
あな草紙ぞうし」(江戸)仮名草紙※作者不詳(江戸)「竹斎ち
くさい」滑稽本十返舎一九じっぺんしゃいっく(江戸)「東海道
中膝栗毛とうかいどうちゅうひざくりげ」仮名垣魯文かなかきろ
ぶん(江戸−明治)「滑稽富士詣こっけいふじもうで」26浄瑠
璃近松門ちかまつもん左ざ衛門えもん(江戸)「聖徳太子絵伝記
」竹田たけだ出雲いずも・三好松洛みよししょうらく・並木千柳
なみきせんりゅう(江戸)「仮名かな手本でほん忠臣蔵ちゅうし
んぐら」童謡巌谷いわや小波さざなみ(明治−大正)「富士山ふ
じさん」(「ふじの山」)海野うんの厚あつし(明治−昭和)「
背せいくらべ」随想・随筆新井あらい白石はくせき(江戸)「折
おりたく柴しばの記」田山たやま花袋かたい(明治−昭和)「富
士を望む」小島烏水こじまうすい(明治−昭和)「すたれ行く富
士の古道」、「不二山ふじさん」永井ながい荷風かふう(明治−
昭和)「日和ひより下駄げた」太宰だざい治おさむ(明治−昭和
)「富嶽百景ふがくひゃっけい」大町桂月おおまちけいげつ(明
治−大正)「富士の大観」中村星湖なかむらせいこ(明治−昭和
)「少年行しょうねんこう」北村きたむら透谷とうこく(明治)
「富嶽ふがくの詩し神しんを思おもふ」深田ふかだ久弥きゅうや
(明治−昭和)「日本にほん百名山ひゃくめいざん」小説落合直
文おちあいなおぶみ(江戸−明治)「たかねの雪ゆき」夏目漱石
なつめそうせき(明治−大正)「三四

77 :
おり、夏季の登山をはじめとして四季折々の自然の姿を求めて来
訪する観光客でにぎわい、現在も国内有数の観光地となっている
。図富士山への登山者数の推移(各登山口推計登山者数)静岡県
山梨県富士宮口御殿場口須走口県計吉田口合計図富士山への来訪
者数の推移(7・8月における各登山口五合目への入れ込み数推
計)66図主な構成資産の来訪者数の推移(推計等)富士山では
、山頂へ7〜8月の登山期に約29万人(1999〜2009年
平均)が登山し、自動車でアクセス可能な各登山道の「五合目」
(自動車道建設以前の五合目とは一致しないため「新五合目」と
呼ばれる)には、同期間に約250万人(1999〜2009年
平均)が訪れ、近年は外国人がかなりの数を占めるようになって
いる(外国人の数に関する統計は取られていないため、正確な数
値は不明である)。富士山体においては、国内外から来訪する観
光客や登山者等の利用者の安全と利便を確保するとともに、秩序
ある良好な風致景観を維持及び形成することを目的として、「富
士山における標識類静岡県山梨県合計富士宮口御殿場口須走口県
計吉田口(年間)富士吉田・河口本栖湖・精進湖・山中湖・忍野
八三保松原浅間大社白糸ノ滝湖・三つ峠周辺西湖周辺海周辺総合
ガイドライン」作成し、統一されたデザインによる四ヶ国語(英
・中・韓及び日)の道標や解説板を設置しているほか、富士山体
の主として緩衝地帯には駐車場・トイレ・資料館等の便益施設が
整備されている。今後とも、適切な計画の下に順次整備していく
こととしており、「ビジターセンター」などのガイダンス施設の
充実も行われる予定である。自動車による訪問者の管理について
は、土日や休日等登山者が突出して増加する日に、仮設トイレ・
臨時駐車場等を設置するとともに、登山用の自動車道は自家用車
の通行(登山道ごとに異なる、最も利用数の多い吉田口(富士ス
バルラインを利用)で最大12日間)を規制しシャトルバスによ
る代替輸送を行うことで環境への負荷と混雑を軽減するようにし
ている。この日数は山麓の駐車場の整備に従い(2011年に吉
田口に1400台の駐車場を整備)今後拡大(吉田口で15日)
する予定である。登山者の安全管理については、4箇所

78 :
ぐびじんそう」泉鏡花(明治−昭和)「婦おんな系図けいず」「
春しゅん昼ちゅう」「春しゅん昼ちゅう後刻ごこく」徳富とくと
み蘆花ろか(明治−昭和)「冨士ふじ」「自然しぜんと人生じん
せい」(随筆)永井ながい荷風かふう(明治−昭和)「新帰朝者
日記」橋本英吉はしもとえいきち(明治−昭和)「富士山頂ふじ
さんちょう」井伏鱒二いぶせますじ(明治−平成)「岳麓点描が
くろくてんびょう」武田泰淳たけだたいじゅん(大正−昭和)「
富士ふじ」武田百合子たけだゆりこ(大正−昭和)「富士日記ふ
じにっき」新田にった次郎じろう(大正−昭和)「強力伝ごうり
きでん」「怒いかる富ふ士じ」「芙蓉ふようの人ひと」「富士ふ
じに死しす」「着氷ちゃくひょう」「冬山ふゆやまの掟おきて」
「富士ふじ山頂さんちょう」川端康成かわばたやすなり(明治−
昭和)「東海道とうかいどう」白井喬二しらいきょうじ(明治−
昭和)「富士ふじに立たつ影かげ」国枝くにえだ史郎しろう(明
治−昭和)「神州纐纈城しんしゅうこうけつじょう」松本まつも
と清せい張ちょう(明治−昭和)「波なみの塔とう」芹沢光せり
ざわこう治じ良ろう(明治−平成)「我が入道にゅうどう」「人
間にんげんの運命うんめい」幸田文こうだあや(明治−平成)「
崩くずれ」27詩歌伝柿本かきのもとの人麻呂ひとまろ(飛鳥−
奈良)「柿本集」山部赤人やまべのあかひと(奈良)「万葉集ま
んようしゅう」高橋たかはしの虫むし麻呂まろ(奈良)「高橋虫
麻呂たかはしのむしまろ歌集」藤原ふじわらの清きよ正ただ(平
安)「清きよ正ただ集」在原業平ありわらのなりひら(平安)「
業平集」藤原ふじわらの公きん任とう(平安)「公きん任とう集
」藤原ふじわらの定家さだいえ(平安−鎌倉)「内裏名所百首」
「名号みょうごう七字十題和歌」飛鳥あすか井い雅まさ経つね(
平安−鎌倉)「明日香あすか井い和歌集」藤原ふじわらの俊とし
成なり(平安−鎌倉)「(藤原兼ふじわらのかね実ざね)右う大
臣家だいじんけ百首ひゃくしゅ」「五社百首」「丹後守為忠朝臣
家百首」慈じ円えん(平安−鎌倉)「拾玉集」西行さいぎょう(
鎌倉)「新古今和歌集しんこきんわかしゅう」源実朝みなもとの
さねとも(鎌倉)「金槐和歌集きんか

79 :
設(山頂、富士宮口、吉田口、富士スバルライン終点)と3箇所
の救護センター(富士宮口に1箇所、吉田口に2箇所)が対応を
行っている。南麓では静岡県によって30名の「富士登山ナビゲ
ーター」が登山指導・案内・通訳業務を行っており、北麓では富
士吉田市条例によって、登山下山の案内を行う約230名のガイ
ドが「富士吉田市案内員組合」に登録している。さらに

80 :
大(吉田口で15日)する予定である。登山者の安全管理につ
いては、4箇所の案内施設(山頂、富士宮口、吉田口、富士ス
バルライン終点)と3箇所の救護センター(富士宮口に1箇所
、吉田口に2箇所)が対応を行っている。南麓では静岡県によ
って30名の「富士登山ナビゲーター」が登山指導・案内・通
訳業務を行っており、北麓では富士吉田市条例によって、登山
下山の案内を行う約230名のガイドが「富士吉田市案内員組
合」に登録している。さらに吉田口の山小屋では、民間の気象
予報会社と連携し山岳気象情報を共有している。事故に対して
は県警察山岳救助隊及び消防本部や市町村消防署が対応し、場
合により自衛隊の出動も要請する。また、気象条件が一般の登
山を行うには危険となる冬季は登山道・山小屋を閉鎖(山梨県
側は10月初旬、静岡県側は11月末より翌年7月初旬)する
ことにより十分な装備と経験を有する者以外の登山は不可能で
ある。冬山登山者は各登山口所轄警察署(御殿場署・富士宮署
・富士吉田署)に登山計画書の提出を推奨されている(また、
おおむね11月末〜4月末まで静岡県側の登山用自動車道は閉
鎖され、山梨県側も積雪・凍結等の状況に応じて段階的に閉鎖
される。)山体以外の構成資産については、おおむね来訪者数
に応じた駐車場・トイレ等を整備しており、今後、これらをさ
らに整備する予定が立てられている。i)資産の整備・活用に
関する方針・計画静岡県・山梨県では、構成資産及びその周辺
を対象とした保存管理に関する事業計画を定め、地域住民によ
る活用の取組をも取り込んで計画的に実施している。こうした
諸計画に基づき、富士山地域の歴史的背景を展示する「富士吉
田市歴史民俗博物館」「裾野市立富士山資料館」「富士市立博
物館」の活用や、富士山に係る包括的な保存・管理や利用者ニ
ーズに適切に対応する拠点の整備を検討するなど富士山の適切
な保全・管理・活用を図っていく。加えて、富士山についての
市民向け講座の開催をはじめ、児童・生徒を対象とした体験学
習などの情報発信施策が定期的に実施されている。個別の資産
については、「遺跡」である特別名勝又は名勝

81 :
尼に(鎌倉)「安嘉門院あんかもんいんの四条しじょう五百首ご
ひゃくしゅ」万里ばんり集九しゅうきゅう(室町)「梅香無尽蔵
」堯ぎょう恵え(室町)「下葉和歌集」水無瀬みなせ氏成うじな
り(安土桃山−江戸)「水無瀬殿富士百首」清水浜臣しみずはま
おみ(江戸)田安宗たやすむね武たけ(江戸)「悠然院様御詠草
」林羅山はやしらざん(江戸)「丙辰

82 :
山小屋では、民間の気象予報会社と連携し山岳気象情報を共有し
ている。事故に対しては県警察山岳救助隊及び消防本部や市町村
消防署が対応し、場合により自衛隊の出動も要請する。また、気
象条件が一般の登山を行うには危険となる冬季は登山道・山小屋
を閉鎖(山梨県側は10月初旬、静岡県側は11月末より翌年7
月初旬)することにより十分な装備と経験を有する者以外の登山
は不可能である。冬山登山者は各登山口所轄警察署(御殿場署・
富士宮署・富士吉田署)に登山計画書の提出を推奨されている(
また、おおむね11月末〜4月末まで静岡県側の登山用自動車道
は閉鎖され、山梨県側も積雪・凍結等の状況に応じて段階的に閉
鎖される。)山体以外の構成資産については、おおむね来訪者数
に応じた駐車場・トイレ等を整備しており、今後、これらをさら
に整備する予定が立てられている。i)資産の整備・活用に関す
る方針・計画静岡県・山梨県では、構成資産及びその周辺を対象
とした保存管理に関する事業計画を定め、地域住民による活用の
取組をも取り込んで計画的に実施している。こうした諸計画に基
づき、富士山地域の歴史的背景を展示する「富士吉田市歴史民俗
博物館」「裾野市立富士山資料館」「富士市立博物館」の活用や
、富士山に係る包括的な保存・管理や利用者ニーズに適切に対応
する拠点の整備を検討するなど富士山の適切な保全・管理・活用
を図っていく。加えて、富士山についての市民向け講座の開催を
はじめ、児童・生徒を対象とした体験学習などの情報発信施策が
定期的に実施されている。個別の資産については、「遺跡」であ
る特別名勝又は名勝、天然記念物、史跡をはじめ「記念工作物」
・「建造物群」である重要文化財に指定されている建造物につい
ては、一部を除き所有者・管理団体が年間を通じて一般に公開し
ている。なお、登山については、登山期間(基本的に7月1日〜
8月31日)が公開時期に当たる。この時期以外の登山も禁止さ
れてはいないが、道路・山小屋等の閉鎖、および冬季の気象条件
などにより専門家以外の登山は困難である。j)専門分野・技術
・管理に関する人的措置68静岡県・山梨県教育委員会の委嘱を
受けた文化財保護指導員(以下、「指導員」という。)

83 :
史跡をはじめ「記念工作物」・「建造物群」である重要文化財
に指定されている建造物については、一部を除き所有者・管理
団体が年間を通じて一般に公開している。なお、登山について
は、登山期間(基本的に7月1日〜8月31日)が公開時期に
当たる。この時期以外の登山も禁止されてはいないが、道路・
山小屋等の閉鎖、および冬季の気象条件などにより専門家以外
の登山は困難である。j)専門分野・技術・管理に関する人的
措置68静岡県・山梨県教育委員会の委嘱を受

84 :
ょう」(鎌倉)藤原ふじわらの為ため明あきら「新拾遺和しんしゅういわ歌集かし
ゅう」(室町)25記録・紀行文都良香みやこのよしか(平安)「富士山記ふじさ
んき」※作者不詳(鎌倉)「海道記かいどうき」※作者不詳(鎌倉)「東関紀行と
うかんきこう」飛鳥井あすかい雅世まさよ(室町)「富士紀行ふじきこう」堯孝ぎ
ょうこう(室町)「覧らん富士記ふじき」堯恵ぎょうえ(室町)「北国紀行ほっこ
くきこう」※作者不詳(室町)「富士御覧日記ふじごらんにっき」道興どうこう(
室町)「廻国かいこく雑記ざっき」宗牧そうぼく(室町)「東国とうごく紀行きこ
う」紹巴じょうは(室町)「富士見ふじみ道記みちのき」小堀遠州こぼりえんしゅ
う(江戸)「東海道紀行とうかいどうきこう」浅井了意あさいりょうい(江戸)「
東海道名所記とうかいどうめいしょき」岩佐いわさ又兵衛またべえ(江戸)「迴国
道の記」松尾まつお芭蕉ばしょう(江戸)「野ざらし紀行」香川景樹かがわかげき
(江戸)「中空の日記」古川古松こしょう軒けん(江戸)「東遊とうゆう雑記ざっ
き」藤とう惺せい梅ばい(江戸)「東海紀行」日記文学菅原孝標女すがわらのたか
すえのむすめ(平安)「更級さらしな日記」阿仏尼あぶつに(鎌倉)「十六夜日記
いざよいにっき」「うたたね」後ご深ふか草院くさいんの二条にじょう(鎌倉)「
とはずがたり」賀茂真淵かものまぶち(江戸)「岡部日記おかべにっき」永井なが
い荷風かふう(江戸−昭和)「大窪だより」伝説・物語※作者不詳「竹取たけとり
物語ものがたり」(平安)※作者不詳「伊勢いせ物語ものがたり」(平安)紫式部
むらさきしきぶ「源氏げんじ物語ものがたり(若紫わかむらさき)」(平安)藤原
兼輔ふじわらのかねすけ「聖徳太子伝暦しょうとくたいしでんりゃく」(平安)※
作者不詳(平安)「平中へいちゅう物語ものがたり」「平家へいけ物語ものがたり
」(鎌倉)※未詳「曽我そがの物語ものがたり」(鎌倉)※作者不詳「源平げんぺ
い盛衰記せいすいき」(鎌倉)※未詳「承久記じょうきゅうき」(鎌倉)浅井あさ
い了りょう意い「東海道名所記」(江戸)能(謡曲)

85 :
わ丈山じょうざん(江戸)加藤枝かとうえ直なお(江戸)「うけ
らが花」賀茂真淵かものまぶち(江戸)「賀茂翁家集」本居宣も
とおりのり長なが(江戸)「石いその上稿かみこう」「鈴屋すず
のや集」契沖けいちゅう(江戸)「詠富士山百首和歌」村田むら
た春海はるみ(江戸)琴後ことじり集」島木赤彦しまぎあかひこ
(明治−大正)土井どい晩翠ばんすい(明治−昭和)「大敵迫る
」斉藤さいとう茂吉もきち(明治−昭和)「赤光」「箱根路」前
田まえだ夕暮ゆうぐれ(明治−昭和)「富士を歌ふ」若山わかや
ま牧水ぼくすい(明治−昭和)「海の声」北原きたはら白秋はく
しゅう(明治−昭和)「雲母集」「不尽抄」金子かねこ光晴みつ
はる(明治−昭和)「富士」「五つの湖」草野心平くさのしんぺ
い(明治−昭和)「富士山」小野おの十とお三郎ざぶろう(明治
−平成)「重油富士」「風景詩抄」28俳句松尾まつお芭蕉ばし
ょう(江戸)「奥の細道」与謝蕪村よさぶそん(江戸)小林こば
やし一茶いっさ(江戸)蝶夢ちょうむ(江戸)「宇良うら富士紀
行」正岡まさおか子規しき(明治)高浜虚子たかはまきょし(明
治−昭和)飯田いいだ蛇笏だこつ(明治−昭和)「山りょ集」富
安風生とみやすふうせい(明治−昭和)水原みずはら秋桜子しゅ
うおうし(明治−昭和)「葛飾」永井ながい荷風かふう(明治−
昭和)「名所方角集」西東さいとう三鬼さんき(明治−昭和)「
旗」「変身」渡辺わたなべ水すい巴は(明治−昭和)「富士」加
藤楸邨かとうしゅうそん(明治−平成)「寒雷」「慟哭」「都塵
抄」「雪後の天」293.登録の価値証明a)評価基準への適合
性証明1)条約上の遺産種別「富士山」は、世界遺産条約第1条
及び『世界遺産条約履行のための作業指針』(以下、『作業指針
』という。)第45項に規定にする「記念工作物」、「建造物群
」及び「遺跡」に該当する。2)評価基準への適合性証明以下に
示す理由に基づき、「富士山」には、世界遺産一覧表への記載の
ための評価基準のうち(B)、(C)、(E)が適用できる。評
価基準(B)現存するか消滅しているかにかかわらず、ある文化
的伝統又は文明の存在を伝承する物証として無二の存在(少なく
とも希有な存在)である。評価基準(

86 :
に文化財を巡回・点検し、両県教育委員会に対して保護に関する
助言を行っている。静岡県・山梨県は、指導員の調査報告に基づ
き、所有者や関係市町村に対して文化財の保存管理に関する指導
を行っている。このように、将来的に良好な状態の下に資産を維
持していくための体制についても万全を期している。6.経過観
察(モニタリング)の体制a)保存状況を計測するための主たる
指標構成資産である「遺跡」・「記念工作物」・「建造物群」を
はじめ、それらの緩衝地帯については、顕著な普遍的価値の確実
な保持、修理又は復旧、維持管理、防災及び危機管理に関する体
制の充実及び技術の向上を目的として、4章に掲げた保全状況及
び資産全体に与える影響に対し、次に掲げる主な観点の下に適切
な指標を設定し、定期的かつ体系的な経過観察(モニタリング)
を実施する予定である。@「3.記載のための価値証明」に記さ
れた資産の価値と真実性及び完全性が維持されているか。A「4
.保全状況と資産に与える影響」に記された諸要素(開発・環境
問題・自然災害・観光・その他)が資産とその緩衝地帯にどのよ
うな影響を与えているか/与えたか。B「5.資産の保護と管理
」に関連して、資産とその緩衝地帯及びそれらを取り巻く周辺の
広い地域が、相互に呼応しつつ資産の顕著な普遍的価値に関する
知識を発信する場として適切な発展を遂げているか。設定するお
もな観察指標については、以下の表に示すとおりである(予定)
。表観察指標一覧表※斜字は富士山を守る指標(2010年度改
定予定)から指標周期記録組織(1)資産の視覚的結a)視点場
における景観阻害要因数毎年両県びつきの保護b)電線の地中化
延長毎年両県a)富士山環境教育開催数・参加者数毎年両県b)
パンフレット・HPによる情報提供数毎年両県c)主要地点での
観光客の入込み数毎年両県d)登山者数(5合目以上)毎年市町
村e)登山者数(8合目以上)毎年環境省(2)資産の関連性の
保護f)森林伐採面積(森林の整備形態?)毎年両県a)文化財
保護法における現状変更の数毎年両県b)自然公園法における許
可行為の数毎年両県・環境省c)生活排水クリーン処理数毎年両
県(3)個別資産の保護d)富士山5合目以上のごみ収

87 :
指導員(以下、「指導員」という。)が定期的に文化財を巡回
・点検し、両県教育委員会に対して保護に関する助言を行って
いる。静岡県・山梨県は、指導員の調査報告に基づき、所有者
や関係市町村に対して文化財の保存管理に関する指導を行って
いる。このように、将来的に良好な状態の下に資産を維持して
いくための体制についても万全を期している。6.経過観察(
モニタリング)の体制a)保存状況を計測するための主たる指
標構成資産である「遺跡」・「記念工作物」・「建造物群」を
はじめ、それらの緩衝地帯については、顕著な普遍的価値の確
実な保持、修理又は復旧、維持管理、防災及び危機管理に関す
る体制の充実及び技術の向上を目的として、4章に掲げた保全
状況及び資産全体に与える影響に対し、次に掲げる主な観点の
下に適切な指標を設定し、定期的かつ体系的な経過観察(モニ
タリング)を実施する予定である。@「3.記載のための価値
証明」に記された資産の価値と真実性及び完全性が維持されて
いるか。A「4.保全状況と資産に与える影響」に記された諸
要素(開発・環境問題・自然災害・観光・その他)が資産とそ
の緩衝地帯にどのような影響を与えているか/与えたか。B「
5.資産の保護と管理」に関連して、資産とその緩衝地帯及び
それらを取り巻く周辺の広い地域が、相互に呼応しつつ資産の
顕著な普遍的価値に関する知識を発信する場として適切な発展
を遂げているか。設定するおもな観察指標については、以下の
表に示すとおりである(予定)。表観察指標一覧表※斜字は富
士山を守る指標(2010年度改定予定)から指標周期記録組
織(1)資産の視覚的結a)視点場における景観阻害要因数毎
年両県びつきの保護b)電線の地中化延長毎年両県a)富士山
環境教育開催数・参加者数毎年両県b)パンフレット・HPに
よる情報提供数毎年両県c)主要地点での観光客の入込み数毎
年両県d)登山者数(5合目以上)毎年市町村e)登山者数(
8合目以上)毎年環境省(2)資産の関連性の保護f)森林伐
採面積(森林の整備形態?)毎年両県a)文化財保護法におけ
る現状変更の数毎年両県b)自然公園法におけ

88 :
「富士山ふじさん」※未詳(室町)「羽衣はごろも」御伽草紙「富士の人穴ひとあ
な草紙ぞうし」(江戸)仮名草紙※作者不詳(江戸)「竹斎ちくさい」滑稽本十返
舎一九じっぺんしゃいっく(江戸)「東海道中膝栗毛とうかいどうちゅうひざくり
げ」仮名垣魯文かなかきろぶん(江戸−明治)「滑稽富士詣こっけいふじもうで」
26浄瑠璃近松門ちかまつもん左ざ衛門えもん(江戸)「聖徳太子絵伝記」竹田た
けだ出雲いずも・三好松洛みよししょうらく・並木千

89 :
なる気持ちを喚起する自然環境を背景とし、山頂への参詣などの
特徴を持った山に対する宗教的な儀礼・活動が成立し、18〜1
9世紀にかけて大規模な大衆による宗教的登山の代表的存在とな
った。山体とその周辺の地域には、体系化された儀礼・活動の場
となった神社、登山道、及びその沿道に分布する関連遺跡群、霊
地・巡礼地となった風穴・湧水地・湖沼などが残されている。そ
こでの儀礼や活動を通じて、人々の生活の中に富士山に対する信
仰の核心が継承されている。また、今日でも富士山は日本を代表
し象徴する最高峰として老若男女を問わず憧れ親しむ「名山」で
ある。したがって、富士山は山頂への参詣という形態を中心とし
、時代を超えて今日まで継承された山に対する固有の文化的伝統
を顕著に表わす物証として稀有な存在である。・日本における山
に対する固有の文化的伝統を顕著に表わす物証富士山の山頂部一
帯は、山に対する日本の宗教観とその秀麗な姿、及び10世紀頃
まで盛んであった火山活動などに基づき神仏の世界、あるいは他
界(死後世界)とされてきた。このため富士山では富士山の神(
※1)を祀った山麓の浅間神社における遥拝活動とともに、以下
の絵図(類似の登山案内図が数多く作成された)に示されたよう
に、雲上の神仏の世界へ一定の儀礼に従って参詣する「登拝」を
中心に、富士山体・周辺にある富士山の火山活動によって生成さ
れ神聖な意味を持つとされた風穴・溶岩樹型・湖沼・滝・湧水地
などを巡礼し、修行することで治病・除災などの超自然的力を獲
得し、罪や穢れを消して生まれ変わる(擬死再生)と考える「富
士山禅定」(※2)と呼ばれる行為(儀礼・活動)が成立し、1
8〜19世紀にかけて富士山は体系化された登拝のための宗教施
設も含め、大規模な大衆による宗教的登山を代表する存在となっ
ていた。このような自然への畏敬という日本の宗教観の根本を基
盤とし、神仙思想(道教)や仏教(特に密教)なとど融合した日
本独特の山岳信仰を代表する遥拝及び登拝・登山の様式は今日で
も命脈を保ち、特に夏季を中心に訪れる外国人を含む多くの登山
客とともに富士登山の特徴を成している。また、信仰の核心部分
は各地の浅間神社に対する信仰や今日

90 :
両県a)自然公園法における許可行為の数毎年両県・環境省b)
ゴルフ場面積毎年両県(4)緩衝地帯の保護c)森林伐採面積(
森林の整備形態?)毎年両県69d)廃棄物の不法投棄量毎年両
県なお、上記指標の具体的な設定根拠及び測定方法等に関する内
容の詳細については、本推薦書参考資料である包括的保存管理計
画において具体的に記述している。b)資産の経過観察(モニタ
リング)のための行政上の体制定期的報告を含む経過観察(モニ
タリング)については、以下の表に示すように管理団体である山
梨県及び関係各市町村が、静岡県・山梨県教育委員会を通じて文
化庁の指導の下に行う。『世界遺産条約履行のための作業指針』
(2008年)第5章に基づき、年度ごとに情報収集及び記録作
成を行い、蓄積した成果について6年ごとに保存管理状況の評価
としてまとめ、世界遺産センターを通じて世界遺産委員会に定期
報告書(英文)を提出する。モニタリング体制分担管轄域担当組
織1.担当組織及び担当課名資産及び緩衝地帯2.監督組織資産
及び緩衝地帯組織名称:文化庁組織代表者氏名:文化庁長官担当
課及び担当責任者氏名:記念物課課長3.指導組織資産及び緩衝
地帯組織名称:静岡県教育委員会:山梨県教育委員会組織代表者
氏名:静岡県教育長:山梨県教育長担当課及び担当責任者氏名:
静岡県世界遺産推進課課長:山梨県世界遺産推進課課長c)以前
の保全状況報告の成果経過観察(モニタリング)に必要とされる
諸事項に関し、現時点及び過去における資料・情報については、
静岡県・山梨県・及び資産の所在する市町の下に適切に収集・保
管されている。それらの一覧表については、以下のとおりである
。表(過去に経過観察のために実施した過去の資料・情報)番号
編著者標題対象資産年要約707.資料a)写真・スライド・画
像一覧表Noフォーマット標題撮影年月撮影者・編集者著作権保
持者著作権者連絡先非独占的権利譲渡b)保護のための指定に関
する文書などc)資産関連資料d)資産管理機関住所e)参考文
献8.連絡先a)申請書作成者連絡先b)管理組織・官庁c)そ
の他の組織d)公式ウェブサイト9.署名構成資産の分析(1)
番号構成資産候補名所在市町村文化財指定状況保存管理

91 :
毎年両県・環境省c)生活排水クリーン処理数毎年両県(3)
個別資産の保護d)富士山5合目以上のごみ収集量毎年両県a
)自然公園法における許可行為の数毎年両県・環境省b)ゴル
フ場面積毎年両県(4)緩衝地帯の保護c)森林伐採面積(森
林の整備形態?)毎年両県69d)廃棄物の不法投棄量毎年両
県なお、上記指標の具体的な設定根拠及び測定方法等に関する
内容の詳細については、本推薦書参考資料である包括的保存管
理計画において具体的に記述している。b)資産の経過観察(
モニタリング)のための行政上の体制定期的報告を含む経過観
察(モニタリング)については、以下の表に示すように管理団
体である山梨県及び関係各市町村が、静岡県・山梨県教育委員
会を通じて文化庁の指導の下に行う。『世界遺産条約履行のた
めの作業指針』(2008年)第5章に基づき、年度ごとに情
報収集及び記録作成を行い、蓄積した成果について6年ごとに
保存管理状況の評価としてまとめ、世界遺産センターを通じて
世界遺産委員会に定期報告書(英文)を提出する。モニタリン
グ体制分担管轄域担当組織1.担当組織及び担当課名資産及び
緩衝地帯2.監督組織資産及び緩衝地帯組織名称:文化庁組織
代表者氏名:文化庁長官担当課及び担当責任者氏名:記念物課
課長3.指導組織資産及び緩衝地帯組織名称:静岡県教育委員
会:山梨県教育委員会組織代表者氏名:静岡県教育長:山梨県
教育長担当課及び担当責任者氏名:静岡県世界遺産推進課課長
:山梨県世界遺産推進課課長c)以前の保全状況報告の成果経
過観察(モニタリング)に必要とされる諸事項に関し、現時点
及び過去における資料・情報については、静岡県・山梨県・及
び資産の所在する市町の下に適切に収集・保管されている。そ
れらの一覧表については、以下のとおりである。表(過去に経
過観察のために実施した過去の資料・情報)番号編著者標題対
象資産年要約707.資料a)写真・スライド・画像一覧表N
oフォーマット標題撮影年月撮影者・編集者著作権保持者著作
権者連絡先非独占的権利譲渡b)保護のための指定に関する文
書などc)資産関連資料d)資産管理機関住所

92 :
「仮名かな手本でほん忠臣蔵ちゅうしんぐら」童謡巌谷いわや小波さざなみ(明治
−大正)「富士山ふじさん」(「ふじの山」)海野うんの厚あつし(明治−昭和)
「背せいくらべ」随想・随筆新井あらい白石はくせき(江戸)「折おりたく柴しば
の記」田山たやま花袋かたい(明治−昭和)「富士を望む」小島烏水こじまうすい
(明治−昭和)「すたれ行く富士の古道」、「不二山ふじさん」永井ながい荷風か
ふう(明治−昭和)「日和ひより下駄げた」太宰だざい治おさむ(明治−昭和)「
富嶽百景ふがくひゃっけい」大町桂月おおまちけいげつ(明治−大正)「富士の大
観」中村星湖なかむらせいこ(明治−昭和)「少年行しょうねんこう」北村きたむ
ら透谷とうこく(明治)「富嶽ふがくの詩し神しんを思おもふ」深田ふかだ久弥き
ゅうや(明治−昭和)「日本にほん百名山ひゃくめいざん」小説落合直文おちあい
なおぶみ(江戸−明治)「たかねの雪ゆき」夏目漱石なつめそうせき(明治−大正
)「三四郎さんしろう」「虞美人草ぐびじんそう」泉鏡花(明治−昭和)「婦おん
な系図けいず」「春しゅん昼ちゅう」「春しゅん昼ちゅう後刻ごこく」徳富とくと
み蘆花ろか(明治−昭和)「冨士ふじ」「自然しぜんと人生じんせい」(随筆)永
井ながい荷風かふう(明治−昭和)「新帰朝者日記」橋本英吉はしもとえいきち(
明治−昭和)「富士山頂ふじさんちょう」井伏鱒二いぶせますじ(明治−平成)「
岳麓点描がくろくてんびょう」武田泰淳たけだたいじゅん(大正−昭和)「富士ふ
じ」武田百合子たけだゆりこ(大正−昭和)「富士日記ふじにっき」新田にった次
郎じろう(大正−昭和)「強力伝ごうりきでん」「怒いかる富ふ士じ」「芙蓉ふよ
うの人ひと」「富士ふじに死しす」「着氷ちゃくひょう」「冬山ふゆやまの掟おき
て」「富士ふじ山頂さんちょう」川端康成かわばたやすなり(明治−昭和)「東海
道とうかいどう」白井喬二しらいきょうじ(明治−昭和)「富士ふじに立たつ影か
げ」国枝くにえだ史郎しろう(明治−昭和)「神州纐纈城しんしゅうこうけつじょ
う」松本まつもと清せい張ちょう(明治−昭和)「波

93 :
によって受け継がれ、富士山は日本を代表する神聖な山として知
られている。(※1)この神は、1868年の神仏分離令まで神
仏習合の影響を受け仏の化身と考えられていた。また、この神は
一つの神に限定されず、信仰の種類や時代ごとに異なる性格と名
称を持ついくつかの神または仏が信仰されていた。(※2)「禅
定」とは本来は心を静めて一つの対象に集中する宗教的瞑想・状
態、あるいはその結果仏と一体化することを示す言葉であり、そ
の後、主に修験道において富士山などの霊山に登って修行するこ
とも意味するようになった。写真「絹本著色冨士曼荼羅図」(部
分:16世紀ごろ)30「絹本著色冨士曼荼羅図」(16世紀ご
ろ)評価基準(C)歴史上の重要な段階を物語る建築物、その集
合体、科学技術の集合体、あるいは景観を代表する顕著な見本で
ある。評価基準(C)の適用富士山では、富士山信仰の形成の中
で神社等の建築群・登山道・宗教施設を経て山頂に参詣する体系
化された宗教的儀礼・活動が15〜16世紀にかけて発達し、1
8〜19世紀にかけて完成された。この過程において、日本にお
ける山に対する固有の文化的伝統や富士山により生み出された芸
術活動を背景として、富士山の宗教施設、そこでの儀礼・活動は
富士山の自然環境と一体となって宗教的な意味を持つ景観として
認知され、これが宗教的絵画等で表現されることにより、多くの
人々に富士山が神聖な山であるとの認識がより強固に定着し、日
本写真上図拡大部分宗教施設水垢離場における山と人間の良好な
関係の形成に影響を与えた。したがって、富士山への信仰の形成
過程を通じて定着した富士山の景観認識は近代工業社会以前の段
階における山と人間との精神的関係を表す景観の顕著な見本であ
る。・山と人間との精神的な関係を表す景観の顕著な見本富士山
では噴火が沈静化した12世紀ごろから山頂への宗教的登山が開
始され、15〜16世紀には「富士山禅定」と呼ばれた登拝様式
が整い、大衆にも拡大した。この過程で富士山は、矮小な存在で
ある人間が山麓の草原地帯(「草山」、「カヤ原」などと呼ばれ
た)にある神社・水垢離場で身を清め、森林地帯(「木山」、「
深山」などと呼ばれた)の山中の宗教

94 :
状況H21.10.30学術委員会評価分析結果備考富士山両県
未着手分析結果A:富士山の価値を証明するのに必須の資産C:
富士山の価値を証明するのに不可欠ではない資産平成21年10
月30日の各県学術委員会(両県合同開催)での評価A:顕著な
普遍的価値を有する資産B:顕著な普遍的価値についてさらに調
査等が必要な資産C:顕著な普遍的価値を有しない可能性がある
資産保留:評価を保留平成22年度第1回静岡県学術委員会・第
2回山梨県学術委員会資料3世界文化遺産富士山包括的

95 :
.連絡先a)申請書作成者連絡先b)管理組織・官庁c)その
他の組織d)公式ウェブサイト9.署名構成資産の分析(1)
番号構成資産候補名所在市町村文化財指定状況保存管理計画策
定状況H21.10.30学術委員会評価分析結果備考富士山
両県未着手分析結果A:富士山の価値を証明するのに必須の資
産C:富士山の価値を証明するのに不可欠ではない資産平成2
1年10月30日の各県学術委員会(両県合同開催)での評価
A:顕著な普遍的価値を有する資産B:顕著な普遍的価値につ
いてさらに調査等が必要な資産C:顕著な普遍的価値を有しな
い可能性がある資産保留:評価を保留平成22年度第1回静岡
県学術委員会・第2回山梨県学術委員会資料3世界文化遺産富
士山包括的保存管理計画原案−1−世界文化遺産富士山包括的
保存管理計画原案目次第1章目的と経緯1目的2計画策定の経
緯(1)各県における検討の経緯(2)学術委員会・保存管理
計画検討部会組織3計画の位置付け(1)行政計画との関連・
連携(2)計画の実施第2章構成資産の概要1構成資産の一覧
2資産及び緩衝地帯等の範囲3構成資産の概要(1)富士山山
体及び登山道A富士山A1山頂信仰遺跡A2大宮・村山口登山
道A3須山口登山道A4須走口登山道A5吉田口登山道A6北
口本宮冨士浅間神社A7西湖A8精進湖A9本栖湖(2)信仰
B1富士山本宮浅間大社B2山宮浅間神社B3村山浅間神社B
4須山浅間神社B5冨士浅間神社B6河口浅間神社B7冨士御
室浅間神社B8御師住宅B9山中湖B10河口湖B11忍野八
海B12船津胎内樹型−2−B13吉田胎内樹型B14人穴富
士講遺跡(人穴浅間神社)B15白糸ノ滝(3)眺望C1三保
松原第3章保存管理の基本方針1顕著な普遍的価値及び周辺環
境等を構成する諸要素(1)顕著な普遍的価値を構成する諸要
素@富士山山体及び登山道A信仰B眺望(2)顕著な普遍的価
値を構成する諸要素と密接に関わる諸要素@自然地形A森林、
植栽樹木B社寺の境内に含まれる歴史的な建造物及び工作物等
以外の建築物及び工作物C道路とその関連施設(3)周辺環境
を構成する諸要素@自然的要素A歴史的要素B

96 :
計画原案−1−世界文化遺産富士山包括的保存管理計画原案目次
第1章目的と経緯1目的2計画策定の経緯(1)各県における検
討の経緯(2)学術委員会・保存管理計画検討部会組織3計画の
位置付け(1)行政計画との関連・連携(2)計画の実施第2章
構成資産の概要1構成資産の一覧2資産及び緩衝地帯等の範囲3
構成資産の概要(1)富士山山体及び登山道A富士山A1山頂信
仰遺跡A2大宮・村山口登山道A3須山口登山道A4須走口登山
道A5吉田口登山道A6北口本宮冨士浅間神社A7西湖A8精進
湖A9本栖湖(2)信仰B1富士山本宮浅間大社B2山宮浅間神
社B3村山浅間神社B4須山浅間神社B5冨士浅間神社B6河口
浅間神社B7冨士御室浅間神社B8御師住宅B9山中湖B10河
口湖B11忍野八海B12船津胎内樹型−2−B13吉田胎内樹
型B14人穴富士講遺跡(人穴浅間神社)B15白糸ノ滝(3)
眺望C1三保松原第3章保存管理の基本方針1顕著な普遍的価値
及び周辺環境等を構成する諸要素(1)顕著な普遍的価値を構成
する諸要素@富士山山体及び登山道A信仰B眺望(2)顕著な普
遍的価値を構成する諸要素と密接に関わる諸要素@自然地形A森
林、植栽樹木B社寺の境内に含まれる歴史的な建造物及び工作物
等以外の建築物及び工作物C道路とその関連施設(3)周辺環境
を構成する諸要素@自然的要素A歴史的要素B人文的要素2保存
管理の基本方針(1)構成資産の適切な保存管理(2)周辺環境
を含めた一体的な保全(3)経過観察の実施(4)整備・公開・
活用推進(5)保存管理体制の整備と運営第4章構成資産の保存
管理1現状の把握(1)富士山山体及び登山道(2)信仰(3)
眺望2保存管理の基本的な考え方(1)現状変更の制限について
の考え方(2)地区区分についての考え方(3)指定地に関わる
諸法令について3具体的な施策(1)第1種保護地区(2)第2
種保護地区(3)三保松原−3−第5章緩衝地帯の保存管理1現
状の把握2保存管理の基本的な考え方(1)緩衝地帯の設定と行
為規制(2)都市計画との調整(3)住民生活との調和3具体的
な施策第6章経過観察の実施1顕著な普遍的な価値に負の影響を
与える要素2負の影響を与える要因の観察第7章整備・

97 :
わこう治じ良ろう(明治−平成)「我が入道にゅうどう」「人間にんげんの運命う
んめい」幸田文こうだあや(明治−平成)「崩くずれ」27詩歌伝柿本かきのもと
の人麻呂ひとまろ(飛鳥−奈良)「柿本集」山部赤人やまべのあかひと(奈良)「
万葉集まんようしゅう」高橋たかはしの虫むし麻呂まろ(奈良)「高橋虫麻呂たか
はしのむしまろ歌集」藤原ふじわらの清きよ正ただ(平安)「清きよ正ただ集」在
原業平ありわらのなりひら(平安)「業平集」藤原ふじわらの公きん任とう(平安
)「公きん任とう集」藤原ふじわらの定家さだいえ(平安−鎌倉)「内裏名所百首
」「名号みょうごう七字十題和歌」飛鳥あすか井い雅まさ経つね(平安−鎌倉)「
明日香あすか井い和歌集」藤原ふじわらの俊とし成なり(平安−鎌倉)「(藤原兼
ふじわらのかね実ざね)右う大臣家だいじんけ百首ひゃくしゅ」「五社百首」「丹
後守為忠朝臣家百首」慈じ円えん(平安−鎌倉)「拾玉集」西行さいぎょう(鎌倉
)「新古今和歌集しんこきんわかしゅう」源実朝みなもとのさねとも(鎌倉)「金
槐和歌集きんかいわかしゅう」阿仏あぶつ尼に(鎌倉)「安嘉門院あんかもんいん
の四条しじょう五百首ごひゃくしゅ」万里ばんり集九しゅうきゅう(室町)「梅香
無尽蔵」堯ぎょう恵え(室町)「下葉和歌集」水無瀬みなせ氏成うじなり(安土桃
山−江戸)「水無瀬殿富士百首」清水浜臣しみずはまおみ(江戸)田安宗たやすむ
ね武たけ(江戸)「悠然院様御詠草」林羅山はやしらざん(江戸)「丙辰へいしん
紀行」石川いしかわ丈山じょうざん(江戸)加藤枝かとうえ直なお(江戸)「うけ
らが花」賀茂真淵かものまぶち(江戸)「賀茂翁家集」本居宣もとおりのり長なが
(江戸)「石いその上稿かみこう」「鈴屋すずのや集」契沖けいちゅう(江戸)「
詠富士山百首和歌」村田むらた春海はるみ(江戸)琴後ことじり集」島木赤彦しま
ぎあかひこ(明治−大正)土井どい晩翠ばんすい(明治−昭和)「大敵迫る」斉藤
さいとう茂吉もきち(明治−昭和)「赤光」「箱根路」前田まえだ夕暮ゆうぐれ(
明治−昭和)「富士を歌ふ」若山わかやま牧水ぼくす

98 :
存管理の基本方針(1)構成資産の適切な保存管理(2)周辺
環境を含めた一体的な保全(3)経過観察の実施(4)整備・
公開・活用推進(5)保存管理体制の整備と運営第4章構成資
産の保存管理1現状の把握(1)富士山山体及び登山道(2)
信仰(3)眺望2保存管理の基本的な考え方(1)現状変更の
制限についての考え方(2)地区区分についての考え方(3)
指定地に関わる諸法令について3具体的な施策(1)第1種保
護地区(2)第2種保護地区(3)三保松原−

99 :
礫地帯(「焼山」、「ハゲ山」などと呼ばれた)の神仏の世界あ
るいは他界に至るイメージで認知されるようになり、同時期に絵
画や文学作品において典型的な富士山像が成立したことを背景に
、「絹本著色冨士曼荼羅図」を代表例とする信仰上の景観認識が
成立した。17世紀以降はこれらの典型的な認識を基に、さらに
多様な信仰上の認識(※3)が模索され、「富士講」と呼ばれる
富士山信仰集団の隆盛や交流人口の拡大などにより、18世紀後
半から19世紀にかけてほとんどの日

100 :
用1基本方針2整備と公開・活用第8章保存管理体制の整備と運
営1保存管理体制の整備と役割分担2地域住民等との連携・協働
3持続的運営のための定期的確認付章1保存管理に関する事業計
画一覧表−4−第1章目的と経緯1目的富士山は、日本を代表し
象徴する日本最高峰の秀麗な円錐形成層火山として世界的に著名
であり、日本人の自然に対する信仰の在り方や日本に独自の芸術
文化を育んだ「名山」である。山岳に対する信仰の在り方及び芸
術活動などを通じ、時代を超えて、一国の文化の諸相と極めて深
い関連性を示し、生きた文化的伝統の物証であるのみならず、人
間と自然との良好で継続的な関係を示す景観の傑出した類型とし
て、世界的にも比類なき顕著な普遍的価値を持つ山岳であり、世
界文化遺産に値するものである。富士山は、有史以前から噴火活
動を続けてきた標高3776mの円錐形の独立成層火山であり、
その山体は南の駿河湾の海浜にまで及び、海面からの実質的な高
さは世界的にも有数である。その力強く秀麗な姿は人々に神聖な
る気持ちを喚起し、古代から現代に至るまで、時代を超えて信仰
の対象となってきた。山腹及び山嶺には神社・登山道・巡礼地等
が形成され、山体と一体となった比類のない文化的景観を形成し
た。山体のうち、五合目以上の砂礫地は「焼山」と呼ばれて特に
神聖視され、山麓に分布する湖沼・湧水、火山活動により形成さ
れた独自の地形などは、富士信仰の霊地として重要な役割を果た
してきた。日本独自の山岳民衆信仰に基づく登拝・登山の様式は
現在でも命脈を保ち、特に夏季を中心に訪れる多くの登山客とと
もに富士登山の特徴を成している。このように、富士山は日本人
の自然に対する信仰の在り方に関連して、山に対する固有の文化
的伝統を表す物証及び人間の山に対する景観認知の在り方を示す
傑出した類型となっている。また、富士山の秀麗な姿は古くから
芸術活動の対象となり、その結果生み出された「万葉集」の和歌
などの文学作品や「浮世絵」などの秀麗で独自の絵画作品は、日
本国内のみならず海外にも広く知られ、様々な影響を与えてきた
。それらの作品群は、地球上の特定の地域において独自の文化的
伝統が形成・発展するのに当たり、富士山が重要な源泉


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