【秋葉原】コスプレ雀荘てんぱね22【末広町】
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彼には1週間に一度、主戦場である用賀を離れ、闘いで磨り減った精神を癒すための休息の日がある
秋葉原にある憩いの地、「てんぱね」
麻雀打ちなら一度は聞いたことのある名前だろう
麻雀界の男女比率の偏りは言うまでもない
昔から麻雀は男の世界だった
そもそも博打の場所に女性は似合わない
賭け事という現代日本において限りなく黒に近いグレーゾーンな要素と密接に結びつき、発展してきたこの麻雀という空間は女性とは縁がないように思う
さらには脱衣麻雀を始めとした醜い性の要素まで入り込んでしまっては、麻雀を覚えたいという女性がいること自体相当なレアケースで、よほどの物好きしかいないだろう
最近では純粋な競技としての麻雀の普及、女性限定の麻雀サークル、女流プロ、といったように、業界全体が麻雀の女性人口の拡大に努めてはいるが、それでも雀荘で女性を見かけることは稀である
汚く、醜い、男の世界
それが麻雀界という１つのリアルだ
秋葉原に存在するオアシス
あらゆる麻雀打ちの憧れの地
「てんぱね」
ここでは「てんたん」と呼ばれる女性のメンバーしか存在しない
店長、立ち番、と男性店員も存在するが、あくまで脇役である
店に入れば、メイド服、チャイナ服、巫女服、ゴスロリ…きらびやかな衣装を身につけた妖精たちがお出迎え
彼女たちと真剣勝負をすることが出来る
狂犬はこの日のイベント、二盃口を上がれば指定のてんたんに猫耳をつけることが出来る、というミッションに胸が高鳴りながら、秋葉原への電車へ乗り込んだ
扉を開けるとそこには甘美な世界が広がる
俺は大きく深呼吸をする
甘い、綿菓子のような匂いがした
店内を見回すと、いつもより賑わっていた
バトル卓が3卓も立っている
真剣な表情で麻雀を打つてんタン達
卓につく客は様々だ
禿げ散らかしたおっさん、でっぷりと太った樽男、唾を飛ばしながら早口でまくしたてるイキリヲタク、不健康そうな見た目のガリガリ眼鏡…
どれも、直視出来ないほど生々しい秋葉原のリアルだ
しかし各卓に1人ずつ、天使が、てんタンが座っている
彼らのリアルを優しく包み込み、一人一人に笑顔で受け答えをする
一生懸命お客様を喜ばせようとするその姿は、抱きしめたくなるほど愛くるしいものだった
毎週月曜日、俺は必ずこのてんぱねに足を運ぶと決めている
俺のような地下暮らしに近い陽に当たらない生活を続けていると、曜日感覚は麻痺してくる
週に一度のリフレッシュ…このてんぱねでの熱い闘牌が、俺に用賀で闘い抜く為の活力を与えてくれるだけでなく、新しい週の始まりを教えてくれる
すぐに1人のてんタンが俺のところに駆け寄ってくる
前原さんっ！お飲み物は何にしますかニャン？
コーラを頼む、あと、語尾にニャンをつけるな、ずるいぞ！
あ??前原さんちょっと顔赤くなってません?？？やっぱり前原さん、猫属性に弱いみたいニャン！ニャン！
こ、こらこら！
明るく元気なてんタン「すず」がそうやって俺をからかう
小悪魔のような笑顔を俺に見せる
その笑顔は他のやつに見せるものとは明らかに違う
俺だけに見せる本物の笑顔だ
前原さ?ん！さっそくご案内ですよ?！
店長が俺を呼ぶ
秋葉原「てんぱね」
東風戦
アリアリ
5pに赤が2枚 5sと5mに赤が1枚ずつ
45分打ち切り
お金は賭けない
男達は1番大切なもの
プライドを賭けて、卓につく
ぱねでばかしてる高橋の映像見せたりたい
最強桶作様に大敗した → ザコ村上ぱるる・神奈川県座間市５５歳ふじもん藤本章一R
最強桶作様が圧勝して当然の結果。
さっそくゲーム始めちゃいますね?！
待ち席にいた俺と2人の客が呼ばれる
これから対戦することになるやつらをチラッと見る
1人は禿げ散らかした薄気味悪い男
もう1人は色白でぶくぶくに太った男
2人とも何度か見たことある顔だが、同卓するのは初めてだった
それぞれ、落ち武者、ベイマックス、と呼ぶことにする
りっちゃん(てんタン)
落ち武者(客)
ベイマックス(客)
俺
の4人でゲームがスタートする
まずは親決めだ
サイコロの出目によって親はベイマックスに決まる
皆、真剣な表情で配牌を見つめる
そして…真っ直ぐな瞳で卓上の天使、てんタンを見つめる
3人の男達の目的はただ１つ
てんタンに…褒められること…気に入られること…そして…この3人の中で1番…彼女と仲良くなること…
受験勉強…交友関係…就職活動…今まで自分の人生に一度も真剣になれなかった男、前原 慧士は開かれたタンピン系の配牌を見つめながら心の中で呟く
いつも勝つことに拘ってきた
しかし今日は違う
試合に負けてもいい
ただ、男と男の勝負には
負けられねぇ
りっちゃんさぁ?俺、色々なレートで打ってきたけどさぁ?今はてんぱね、ノーレートの麻雀打ってるのw
何万も動くひりついた麻雀打ってた俺が今はノーレートに真剣になってるのw
なんか笑っちゃうよねw
えぇっ！？そんな高いレートで打ってたんですか！？
まぁね?w あんまり大きな声では言えないんだけどさぁ?ラスると3万とかのやつw
ひゃ?！！怖くて私には無理です?！！
""高レートイキリ""
多くの麻雀打ちが注目を浴びたいがために使うイキリ…そしておそらく最もダサいイキリ…
ベイマックスが得意げにてんタンに向かってまくしたてる最中…俺はタンピン赤赤の聴牌を入れる
それでさぁ?その時チップ1枚3000円でやってたのよwおれ流石に緊張しちゃっててさぁ?最初の半荘で
おっと失礼
その7p…ロン
タンピン赤赤
満貫の…おっと、今日は祝儀はないんだった
今日も強いです?！
ベイマックスは苦虫を噛み潰したような顔でこちらを見つめ、8000点を俺に支払う
高レートの麻雀も痺れますが…今日はお金より大切なものを賭けている
こっちの麻雀の方が、よっぽど痺れますよ
前原さんかっこいい?！！！
まずは軽く挨拶代わりの和了
りっちゃんに笑顔でありがとう、と返し、今日もりっちゃんは可愛いよ、俺は同卓できて幸せだよ、と気持ちをストレートに伝える
少しりっちゃんの頬が赤らんだような気がして、狂犬は胸の高鳴り感じずにはいられなかった
これからももっと上がって欲しい。
最強で有名な鳳凰位桶作様は月間ランキング1位の実力者
亞久女ちゃんだよ
頼んでみたら。
秋葉原に存在するこの伝説の雀荘の存在を知る麻雀打ちは多いものの、実際に行ったことのあるものは少ない
勇気を出して店内に足を踏み入れてみると、そこは俗世とは切り離された楽園だ
メイド服、ナース服、着物、制服などの目がくらむような素敵な衣装に身をつつまれたてんタン達が元気な声でいらっしゃいませー！と声をかけてくれる
お金よりも大切なものを賭けている為、もちろんノーレートだ
てんぱねの実態の多くが謎に包まれている理由として、独特の客同士のコミュニティの存在が挙げられる
客はおおまかに２つに分けられる
観光目的や肝試し感覚でふらっと立ち寄るスライム…(新参者)
てんぱねに、そしててんタンに取り憑かれ足繁く通っては1東風630円という都内最高峰のゲーム代を払い続けるレジェンド…(常連)
この2タイプを識別するのは容易い
落ち着きがなく、店内をキョロキョロと見渡しているのがスライムだ
レジェンドは手早く入国手続きを済ませ、お気に入りのてんタンにアイコンタクトを送りながら煙草に火をつける
面構えからしてもう違うのだ
それはジョブカードと呼ばれる、この店での職業を表す会員カードだ
最初はみな、共通の役職、コモンから始まり、条件を満たすと、戦士、魔法使い、僧侶などに転生することが出来る
道を極めし者には、戦士と魔法使いを合わせた魔導騎士のようなデュアルスキルジョブが用意されており、やりこみ要素は果てしない
某国民的RPGゲームのダーマ神殿のようなものだと考えていただければよい
店内では現実のジョブに就いているか怪しいような者が、上位役職のカードをわざと胸ポケットからはみ出させながら悠然と歩いている光景を見ることができる
秋葉原を象徴するオタクカルチャーの祭典、コミックマーケットの開催とてんタンの生誕祭というビックイベントが鉢合わせる激アツデーなのだ
しかし懸念点もある
例年コミケの時期は肝試し感覚で遊びに来るスライムが多い
または、なんだかイベントもやってるし久しぶりに顔でも出してあげるかな、あのてんタン元気にしてるかな？とスライムの分際で古参ぶる輩もpopする(俺はスライムベスと呼んでいる)
前者はまだいいが、後者はタチが悪い
スライムに毛が生えたようなものが大きな顔を出来るほど秋葉原は優しくはないのだ
そして、この客層のサンアンドレアス断層は致命的なまでに店内の歯車を狂わせる危険をはらんでいる
一言でいうならば熱量の違いだ
我々レジェンドはこの日の為にてんタンへの誕生日プレゼントを始めとした徹底的な前準備を行なっている
己のプライドを賭け、戦場に向かう我々ソルジャーにとって、不慣れな戦場で勝手な行動をとる新米兵士は目につく
だからこそ俺はこの新兵達に上官としてしっかりと立場の違いを教え込む
ふらっと現れるコモンに対して俺はグランドマスター(道を極めし者)として王者の対応をする
ひのきのぼうとおなべのふたを装備したような彼らに対しては、腰にぶら下げたはぐれメタルの剣を光らせて、格の違いを見せつけてやるのだ
最強で有名な鳳凰位桶作様は月間ランキング1位の実力者
けーぞーのこと？
その角を左折して、しばらく歩いて２つ目の角を右折
100メートルほど歩くと右手に突如現れる看板
その建物の三階に我々のエルサレムは存在する
『アキバ雀荘てんぱね』
開店時間は15時だ
現在の時刻は14時半
エレベーターが開くと店の前には数人のソルジャーが壁沿いに整然と並ぶ
俺の顔を見ると軽く頭を下げる面々
言葉は交わさない
店の前で騒がしくトークを始めるような三流はいないのだ
そういった輩は淘汰されていく
それが秋葉原という世界の厳しさだ
それに、俺たちはてんタンという心の支えを通じて常に繋がっているため、露骨にコミュニケーションを取る必要はないのだ
今日もてんタンを愛し、てんタンの為に全力を尽くします
そして彼女たちの為、てんぱねの秩序を全力で守ることを誓います
その時、エレベーターが三階に止まった
扉が開く前から若者同士の会話が漏れていた
嫌な、予感がした
うひょー！
うわw並んでるw
え？これ並んでるの？w
なんかあそこの人が最後尾っぽくね？
うわ、やばw
スライムが3匹…
そのやかましい声は階段の踊り場中に響いていた
ピリピリとした空気が張り詰めていた
俺の前に並ぶ4人のソルジャーは腰につけた剣に手をかけ、今にも戦闘態勢に入ろうとしていた
それを察知した俺は同士達を左手で制し、若者たちのところへ歩み寄った
新人が若過ぎてそろそろ話や乗りについてゆくのが限界
↑
負け惜しむザコ藤本章一
喧嘩結果
最強桶作様に大敗した → ザコ村上ぱるる・神奈川県座間市５５歳ふじもん藤本章一R
最強桶作様が圧勝して当然の結果。
もう少し声を抑えてくれないか？
他のお店にも迷惑がかかってしまう
剣術の境地とは無刀…
すなわち無の境地である
刀を取ろうとすると必然的に自分の意識は相手に奪われる
前に並ぶ4人のソルジャー達の心の中に怒りの感情を感じ取った俺は心を無にして一歩踏み込んだ
気まずそうな顔をして若者3人はうなだれた
こうして秩序は保たれた
闘わずして場を収める
心の中を無にすることで彼らの愚行を受け入れ、そして、また無に帰す
第一こちらが声を荒げるようなことをしては、それこそ彼らと同じランクまで落ちてしまう
グランドマスターである俺、前原 慧士は見せつける
大人の余裕、大人のやり方
こうしたところが俺がてんタンから一目置かれる所以なのだろう
そして…
お待たせしました?！！！
てんぱね、開店で?す！！！
カランカランと心地よい音を立てて解放される…
楽園への…入り口が…
客たちはネームと呼ばれる自らで決めたあだ名で呼ばれる
動物をモチーフにした可愛らしいフレンズ達の名前が並ぶが、みな、動物で例えるならもっとふさわしいものがあるのではないかと思われるような恰幅の良いフレンズばかりだ
前原さん！！！！！いらっしゃいませ?！！！！！
てんタンの声は一段と大きかった
他の客へ向けるそれとは違う、羨望のまなざし…
美しい天使の、熱っぽい視線に刺されて今は…痛いよ…あなたが…針に見えてしまって…
顔がほころぶのを必死にこらえてお出迎えしてくれた天使達にクールな対応する前原 慧士
今日の生誕祭イベントの主役であるすみれにはこの日の為に練習したウインクで気持ちを伝える
入国手続き(チャージ料のようなもの)を手早く済ませ、麻雀卓に案内されるのを待つ
俺の後ろからコミケ帰りと思われる見慣れない顔もぞろぞろと入店し、店内は異様な熱気に包まれていた
イベントの為、バトル卓(麻雀)は22時までの営業だ
この混み具合だとすぐに満卓となり、7時間あれど下手すると7東風くらいしか打てない可能性もある
待ち席で、愛用しているマルボロのアイスブラスト8mmに火をつけると、隣に座った小太りで眼鏡のよく似合う、いけっち店長そっくりの客に話しかけられた
世間話をしていると、すぐにりんごという名前のてんタンが会話に参入してきた
何の話してるんですかぁ?？？？
俺が2本目の煙草に火をつける為、ポケットのライターを探っていると、いけっち店長が眼鏡をクイッと上げてんタンの方を向き、口を開いた
り、りんごちゃん。リンシャン牌って何で降ろすと思う？？
やれやれ…
卓に着く前から早速かましてきやがった
さながら気分は休日出勤だ
会話(たたかい)が…始まった
香水はつけないで下さいね？
最強桶作様に大敗した → ザコ村上ぱるる・神奈川県座間市５５歳ふじもん藤本章一R
麻雀版他スレッドでも最強桶作様が圧勝して当然の結果。
最強で有名な鳳凰位桶作様は月間ランキング1位の実力者
誰？
高いよ。
店側に言えば？
お前人として最低だな。
タイガーさんかヨガさんのとこがいいよ。オリールのとこはやめとけ
ましな子いないの？
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