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【隔離スレ】 刑法の勉強法 02 【避難所】


1 :2014/05/17 〜 最終レス :2020/05/18
前スレ
刑法の勉強法■44
http://awabi.2ch.sc/test/read.cgi/jurisp/1382437982/
本家
刑法の勉強法46
http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/shihou/1399282217/

2 :
最近向こうが荒れているのでID表示されるスレの存続が期待されると思い次スレを用意しました

3 :
また部外者が立てたスレか。
運○は煽ることしかできんのか?w

4 :
やはり、糞ヴェテは書きに来れなかったね。
研究者確定だね。

5 :
司法板の次スレまだ?

6 :
あっち立ってもうざいのがレスし続けるだけだろ

7 :
今日も糞ヴェテは来なかったなw
土曜、日曜の昼間は研究者の書き込みが多かったと
評価せざるを得ないねwww

8 :
学会と司法試験は例年日程が重なるのな。
単なる偶然だろうけど。

9 :
そんなことはどうでもよい。
糞ヴェテや研究者が逃亡したことが笑えるwww

10 :
いい加減逃亡しまくりだなw
糞ヴェテとか研究者君が一気に消えたなwwwww
学会終わったのにでてこないということは
正体がバレタのかな?www

11 :
1 甲の罪責
(1)甲は、6月末頃、Aを殺害することを決意し、7月1日朝を最後に授乳等
を一切しなくなり、7月3日昼には、Aの脱水症状や体力消耗は深刻なものとな
り、病院で適切な治療を受けさせない限り救命することが不可能な状態となっ
たので、この時点で甲に不作為による殺人未遂罪が成立する。
(2)甲は、7月3日夕方、衰弱してきたAを見てかわいそうになり、Aを殺害
するのをやめようと考え、Aへの授乳を再開しており、中止行為を行っている
が、結果としてAは死亡しているので、甲に中止犯は成立しない。
(3)仮に乙が事故に遭うことなくタクシーでAを病院に連れて行き、Aに適切
な治療を受けさせたとしても、Aが助かる可能性はなく、1日ないし2日後に
は、衰弱により確実に死亡していたとしても、Aの直接の死因は、タクシーに
衝突されたことで生じた脳挫傷であるから、甲に殺人既遂罪は成立しない。
2 乙の罪責
(1)乙は、5月1日、アパートから出て行く際に、甲から「二度とアパートに
は来ないで。アパートの鍵は置いていって。」と言われ、その後名義こそ乙であ
ったものの、家賃は甲が支払っていた。そうすると、同アパートの許諾権(住居
に誰の立ち入りを認めるかの自由)者は甲であると考えられる。にもかかわらず
乙は、7月4日昼、合鍵を使って甲方に無断で立ち入っている。よって、乙には
住居侵入罪が成立する。
(2)乙は、同日、住居侵入した際に「俺にも親権があるのだから、Aを自分の
手で育てたい」と思い、甲に無断でAを甲方から連れ去った。しかし、これまでの
経緯から、監護権者は甲であり、乙には、未成年者略取誘拐罪が成立する。
乙には親権があるとはいえ、甲とは約4か月間別居状態が続いており、判例(離婚
係争中の父が、共同親権者である妻が養育している子を連れ去った事案)に照ら
しても、やはり未成年者略取誘拐罪が成立する。
  【続く】

12 :
3 丙の罪責
(1)丙は、甲と同棲を開始した後、育児に協力してAのおむつを交換したり
入浴させるなどしていた。この時点で「事実上の引受け」の反復・継続が認め
られ、丙は保障人的地位に立ったことになる。丙は、7月2日頃、甲の意図
を察知したにもかかわらず、甲に対し、Aに授乳等をするように言うなどの措置
は何ら講じず、見て見ぬふりをした。よって、丙には、甲の殺人未遂罪に対する
不作為の幇助犯が成立する。
(2)また、丙は、甲の母親に嘘をつき、Aの救命のチャンスを意図的に潰して
いる。この点でも、幇助犯が成立する。

13 :
元ヴェテが書き込んだよー
つきまとい君、来ないのーw
ひょっとして答案が理解できないとかw

14 :
もうバレバレだから何も面白くないよね。
アリバイのためにも学会の開催中に書き込むべきだったねw
チャンチャンw

15 :
過疎ってるね・・・
誰か書き込みしなよ!

16 :
>>2
趣旨は分かるけど過疎っててどうしょうもない。
お手数だけど「刑法の勉強法47」をスレ立てしてくださいです。

17 :
中国でさえ取調べに弁護士を立ち合わせるようになってきてるのに、どんだけ後進国なんだよ
いまの刑訴もあんだけ血を流した末にアメリカに作ってもらったのに
【中国】殺人事件の取調に弁護士同席、疑わしきは被告人の利益に 死刑冤罪回避のための規定を初めて制定 [2008/01/15]
 
【北京14日共同】14日付の中国紙、法制日報などによると、江西省の高級人民法院(高裁)や検察、公安当局は、
冤罪を避けるため、死刑判決が出る可能性のある殺人事件について、取り調べに弁護士を同席させるなど
証拠採取時の規定を、中国で初めて制定した。 (以下省略) 
2008/01/14 20:27 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/200801/CN2008011401000408.html
北朝鮮よりましというレベルですかね・・・さすがにあれよりは、、、
ついこないだも国連で日本の拷問取調べ的刑事手続が名指しで「中世」呼ばわりされましたよね。
たしかアフリカの国の発言でしたよね。ほんと恥ずかしいです。

18 :
>>11
>が、結果としてAは死亡しているので、甲に中止犯は成立しない。
結果の定義がおかしくね?

19 :
>>18
たしかに。
「結果として」を「結局において」に訂正

20 :
で、結局「刑法の勉強法47」は立たないのか?

21 :
ここでやればいいじゃんwwwww
あっちは司法試験板なんだから

22 :
>>19
もちろん、仮に事故がなくても死亡した(危険は消滅していなかった)という意味だよね?

23 :
>>22
そのとおり。問題文第9段落で誘導してある。
実は、因果関係の錯誤についても述べようかと思ったが、よく読むと因果関係
の錯誤ではなく「因果関係の断絶」だと気付き、「Aの直接の死因は、タクシーに
衝突されたことで生じた脳挫傷であるから」と述べるに止めた。
辰巳の速報では「因果関係の錯誤についても触れることになります」とあるが
因果関係の錯誤の大展開は死因だと思う。

24 :
ええ加減受験生を装うのは辞めろ。
もうバレバレ。今更無駄。刑法学者ってマジ狂ってるな。

25 :
>>23
お前廊下雀(法科大学院ではなく、単なる大学院生)だろ。

26 :
大学院生じゃなく、刑法学者だろwww
刑法学会に出席、たくさんのモノグラフィーや論文を所持
一般的な大学院生では無理wwww

27 :
そもそも、博士後期の大学院生なら、2ちゃんねるで油売る暇ないだろ。
教員に就職するために必死に論文作成だろww
ましてや自分の専門外の論文なんか読んでいる暇はないwww
教員になれば、論文なんかださなくても、罷免になることはないんだから、
いくらでも暇があるもんなwww
普通、学者になれば、毎年100頁ぐらいの論文だせるぐらいだけどなあ。
曽根先生なんて2年連続モノグラフィーだされたからな。すげーわ。

28 :
>>27
曽根先生のモノグラフィーって刑法における結果帰属の理論のことか?
あれは既発表論文の寄集めじゃないかよ

29 :
曽根先生のモノグラフィーって5つあるよね。
曽根先生はすげーわ。
他の糞学者はもっと見習えよw

30 :
最もモノグラフィーが多いのは川端先生だよ。

31 :
因みに論文数が最も多いのは松宮先生。

32 :
>>25はロー生の院生に対するコンプレックスが見事に現われているなw

33 :
やはり、東大、京大、明治、慶応、早稲田、立命館は
別格だな。最強だな。

34 :
同志社もな

35 :
>>33
明治が最強

36 :
失礼
明治が最強?w

37 :
ヴェテさん、理論刑法学入門読んだ?

38 :
>>34
過去スレ読んで来いw

39 :
おっとすまん、釣りなんだよなww

40 :
>>27
そうは言っても、噂話は熱心にしてますよ。研究室のどう部屋の院生がボスに呼び出されたら、残った院生同士で、『あいつどっかの女子大でもきまったかな』などという話で盛り上がる。

41 :
そういえば院生仲間がボスに呼ばれて、そいつが宣告されたのは某県の私立高校の社会の教員に行けと言われた時は、研究室に戻ってから、大泣きしてたよ。研究室仲間で小さい送別会を開いてやったよ。

42 :
私ですか?
私はいつまでも呼ばれず今はしがない予備校講師ですよ。

43 :
>>25
自分語りはしたくないが、今年3月博士課程を修了し、4月から某大学で講師をしています。

44 :
Great Gatsbyで
Gatsbyがハーバードに所属していたと告白した場面を彷彿とさせるw

45 :
ハーバードに比喩されても困る。
自分で云うのも何だが所謂三流私大だよ。

46 :
いや、そういう意味ではなく、
語り手がGatsbyに対する信頼を回復する象徴的な場面なんだよ。

47 :
>>45
専任の講師?もしそうならすごいですね。
学生さんは講義についてきてますか?

48 :
>>43
お前講師じゃねーだろ。嘘つくなよ。

49 :
そこそこ歳いっているのは明らかだからなww
教授に決まってるからwwwwキチガイwwwww

50 :
>>47
学生のレヴェルに合わせて講義している。
筆記の手間を省くため、毎回レジュメを配布している。
教科書は特に指定せず、百選だけを読ませている。
こんなところです。

51 :
>>50
先生の論文読んでみたいです。

52 :
>>12
丙は、Aの法益保護義務まで負う?それとも甲の犯行阻止義務だけ?

53 :
>>52
云われてみれば、甲の犯行阻止義務も論点になりそうだね。オイラは軽く触れただけ。
ただ、堀内説(事実上の引受け説)を採ったため、答案の流れでAの法益保護義務に重点を置いた。

54 :
攪乱すんなよ。糞刑法学者君wwww
学会どうだったんだ?wwwwww

55 :
>>54
ブライトンホテルの懇親会で名刺をあちこちに配って、せっかく京都迄来たんだから、デリバリー呼んでリフレッシュ。民科みたいに雄琴で大会を開いてくれないかな。

56 :
こういう時に、ボスの為に風俗なんかを紹介できるようなやつが出世するんだよな。私の知ってる今C大ローの○○教授なんかはボスの麻雀相手で、かなりかもられましたが、そんなことができなければこの稼業やめたほうがいいですよ。

57 :
>>53
いや、法益保護義務(救助義務)まで負う者が幇助どまりというのは
やや不自然かなと思うて。
作為に対する不作為は幇助が多数説だけど今回は不作為に対する不作為だし。
多分そこがメイン論点かと。

58 :
刑法学者ってマジ狂ってるなwwww
他の科目の学者にキチガイ呼ばわりされる理由がこのスレや過去スレ見ればわかるなww

59 :
>>55
お前民科って言葉好きだなwwwww
「提灯持ちになる 民科に魂売る」でぐぐると面白い書き込みが出てくる
お前が書いたのか?ww

60 :
>>59
民科に魂売って何がわるいのですか。たまたまボスが民科なら、それに従わざるをえないでしょう。ボスが退職したら転向すればいいだけ。刑法の前田だって、ボス(藤木)が死んだら、結果無価値になったでしょう。

61 :
意味不明。俺は悪いなんてことは一度も言ってない。
検索したら変な書き込みがあったから、言ってやったんだ。

62 :
>>57
そうすると甲と丙を不作為の共同正犯とするわけ?
でも、甲と丙には意思の連絡はないよね。
だとすると、丙は片面的共同正犯ということになるよね。
不作為犯に対する不作為の片面的共同正犯?
そんなの聞いたことがないよw

63 :
はぐらかし乙枯れwwww
今日はお早い帰宅ですなwww

64 :
ボスとSM倶楽部とか変態度の高い店の待合室で偶々一緒になったら、悪いようにはされないと思いますが。

65 :
>>62
その辺が作問者の工夫ですな(ハート

66 :
わざわざ義理のお母さんに嘘をつかせるとか心憎い演出です。

67 :
【AKB詐欺】ヤフオクで投票券2000枚183万円の被害「中古品を落札しといて返金対応しろとか無茶。ヤフーに通報します」と出品者逆ギレ★16
http://hayabusa3.2ch.sc/test/read.cgi/mnewsplus/1401768176/

68 :
過去スレをググッて分かった元ベテの経歴
200?年  某大学卒業(関西大か?)
2008年  苦節?年にして旧試合格
2009年  某大学院に進学 
2014年  博士課程終了       
       某大学(自称三流私大)の講師となる

69 :
それ全部ウソだから。
すでに教授職だよwwwだって、1990年代の論文とかよく出してたしな。
しかも、○○法学ってやつだから。
1990年代もしくは1990年前後に
大学の教員になったやつかもなwww

70 :
>>68
大体合ってるよ。
よく調べたね。
>>69
教授と見做されるのは名誉というか迷惑というかw
受験生時代、試験とは関係のない立命館法学とかモノグラフィーの類を図書館で読み漁って
おまけに2ちゃんで遊んだりしたもんだからヴェテになったというのは前にも書いたよね。

71 :
ヴェテさん、注釈刑法のコバケン先生の因果関係、かなりレベル高くない?
因果関係と客観的帰属の要約になってるでしょあれ。

72 :
>>71
そうかなあ。
注釈刑法のコバケンの因果関係論は、紙幅の制限でもあったのかオイラには物足りなかった。
高山カナタンの故意論も「故意と違法性の意識」の成果を出し切れておらず、不満が残った。
やはり、注釈刑法では、皆が認めるとおり、故島田教授の共同正犯論が出色だと思う。

73 :
>>70
嘘ばかりつくんじゃないよ。教授だってことはばれてる。
現に否定するのに必死w
>>72
自作自演なんかするな。貴様が行為無価値論だということはばれてるぞ。
小林先生も高山先生も両者のモノグラフィーは貴様のような雑魚が評価できるものじゃないだろw
身分をわきまえろ。自称3流私大講師君ww

74 :
>>11-12
ヴェテさん、乙の偶然防衛は?

75 :
辰巳がこっそり速報を改変してるな。
乙と丙の罪責については、限りなくヴェテの答案構成に近い。
2ちゃんを剽窃するなんて辰巳も落ちたもんだw
>>73
おまえ、このスレでは新参者だろ。
俺は、2006年頃からこのスレを見てる。
68が正しい。Rよ。

76 :
論文→学者って論理の飛躍がある

77 :
>>75
必死だなww
>>76
そりゃそうだろ。物から人だからなw

78 :
よくみたらコテハンつけてないのはなぜ?ww

79 :
>>74
偶然防衛?!
何を以って急迫不正の侵害とするの?
保全法益は?

80 :
>>79
Aの生命。

81 :
>>74
君なあ、刑法を基礎から学び直した方がいいよ。
司法試験は10年早い。

82 :
なんで?偶然防衛の成否については争いあると思うが、
論点としては論じるべきではないか?

83 :
>>82
偶然防衛なんか学会では議論されてないよ。違法性、結果・行為無価値の違いを際立たせる為の教室事例。せいぜい山口一派が騒いでるだけ。

84 :
偶然防衛は、現実問題としてありうるでしょ。
まあ、こういう議論自体古いから、議論する意味ないよね。
それに際立たせるっていっても、本質を知らんから
そんなこと言えるんだろう。行為無価値論者はこれだからアホなんだよなw

85 :
>>11-12
因果関係の論証が短すぎじゃね?
何説に立つのかよくわからん。死因説(山説)に立ってるのかな?

86 :
>>85
迷ったが因果関係の断絶と判断した。
どうかな?

87 :
条件関係自体が切れるということ?
検討スレではたしかに相当性が切れるとか条件関係が切れるとか、危険の現実かがないとか
結構バラバラみたいだね。

88 :
どう考えても相当性(≒危険の現実化)でしょう。
条件関係(=結果回避可能性)で切るとかありえない。

89 :
どうでもいいけど、刑法学者って暇人が多そうだなww

90 :
>>88
=解説を剽窃するなよww
しかも=じゃねーしwww

91 :
>>90
>=解説を剽窃するなよww
すみませんが何をいいたいのか意味がわかりません。
解説ってなんの解説ですか?
>しかも=じゃねーしwww
条件関係と結果回避可能性は違うということでしょうか?
もしそうなら純粋に学問的興味がありますのであなたが
前提としているそれぞれの定義等をご教授願えれば幸いです。

92 :
タダで教えを乞うのはダメだろwwww
お前学者で金もらってんだろ。自分で調べろやww

93 :
>>88
Aの死に至り得る衰弱という危険は、現実化してないでしょ。
衰弱死する前にタクシーとの衝突によって死亡しており、因果関係(条件関係)は遮断されている。
Aの死因は衝突によって生じた脳挫傷であり、典型的な因果関係の断絶だと思うが。

94 :
朝鮮人がつくる ★でっちあげQ&Aサイト★ だけあって、
回答が、嘘デタラメすぎて、泣けてくる
  ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
 ■電車内でのポルノ系雑誌の閲覧
 電車内で、所謂ポルノ系の雑誌を見ている人がいます。
 http://okwave.jp/qa/q7442315.html
   
質問者が馬鹿だから、ベストアンサーに選んだ回答が嘘八百。
公然猥褻罪、猥褻物公然陳列罪、軽犯罪法一条13号20号、、、、
暴行罪、民事的にも不法行為慰謝料請求、、、、
電車内エロ本読みの変質者は、当然にしょっぴけるわ


>回答者 chie65535
http://okwave.jp/profile/u1319107.html
  ↑↑↑
こいつは、筋金入りの大嘘デタラメ回答でおなじみの
精神異常者なのだが

>「猥褻物陳列罪」と言う意見が出ていますが、それを理由に有罪にする事は難しいでしょう。
「難しい」だとか、妄想垂れ流して、大嘘デタラメ書くな!
>「雑誌」なのであれば「猥褻図書に該当しない筈」です。
キチガイだけあって、支離滅裂すぎるwww 誰に何をわめいているんだ?

>なので「やかましい!」と反論されれば、それまでです。
「それまでです」(笑) 何が言いたいんだこいつはwww
精神異常者の脳内では、何かヤバイ虫でも暴れてるのか?www
>なお「胸ぐらを掴まれた」は「暴行罪」になる可能性があります
>(が、その件は「雑誌の事とは別件」なので、ここで議論しても無意味です)
「ここで議論しても無意味です」(笑)
無意味なのは、誰がどう見ても真正のキチガイの、
おまえの嘘デタラメ投稿のことだわwww

95 :
判例講義改訂wwwぶっちゃけ使えないwww
判例百選だよな。判例百選の井田、松宮、佐伯、樋口、佐藤、高橋、曽根、高山、小林、和田、亀井
当たりの有名な教授の解説を読んで、あとは批評とか重判解説で補強だよな。

96 :
>>79
この設問で偶然防衛の可能性をスルーしたら減点されると思う

97 :
>>96
オイラには全く理解できないんだけど。
何を以って急迫不正の侵害とするの?
保全法益と侵害法益は何?
防衛者と攻撃者は誰?

98 :
>>97
甲がAに対して為した急迫不正の侵害に対する第三者のための偶然的な正当防衛だよ。
乙がAを略取した7月4日の時点で、甲はAへの授乳を再開しているが、前日において
「病院で適切な治療を受けさせない限り救命することが不可能な状態」だったのだから、
Aの生命の危機はまだ去っておらず、すなわち、Aに対する急迫不正の侵害はまだ継続
していると考えられる。そして、乙がAに対する急迫不正の侵害を知らなかったとしても、
乙が自分の手で育てるためAを連れ去る行為は、Aを生命の危機から救うことになる行為
であり、すなわち、客観的にはAを急迫不正の侵害から防衛する行為になっているため、
正当防衛は客観的に違法性が阻却されるだけで成立するという考え方に立てば、乙の
略取行為は正当防衛になるだろうという話。

99 :
いくらなんでも自作自演だらけだよなww

100 :
>>97
昼間何やってるの?www

101 :
>>98
かなり無理筋だと思うけど。
それに乙に正当防衛が成立すると住居侵入罪と誘拐罪も不可罰となりそうだけど
それでいいの?

102 :
いつも通り20時過ぎの書き込みお疲れww
>>95
判例百選があるのに、なぜそれを出すのか不明。しかも、10人ぐらいの共著だもんな。
前田みたいに自分一人で判例の解説書くのならわかるけど。
存在意義がまず疑問。特に有力な学者が集っているわけでもないしww
売れないからか、近くの本屋では全くおいてないww

103 :
自演お疲れw

104 :
自演とみるか、追加指摘とみるかだな。
まあ自作自演ばかりしているやつは自作自演を疑うw

105 :
ところで、今日は糞ヴェテ君来ないの?www

106 :
>>101
誰かを撃ち殺したら、その誰かは偶然別の誰かを撃ち殺そうとしているところだったみたいな
教科書事例だったら、さすがに偶然防衛は認められにくいと思うけど、設問の事例だったら、
検察の段階で不起訴になる可能性も含めて、偶然防衛の要素が考慮される可能性は高いと思う。
あと、現実問題は別にしても、偶然防衛は、正当防衛の成立要件における違法性と責任の問題に
ついて論ずる絶好の機会なんだから、たとえ偶然防衛否定派であっても、偶然防衛の可能性がある
事例に関して、偶然防衛の可能性をスルーするなんてもったいないと思うわ。

107 :
そういう些細な事に拘る奴は落ちるよ

108 :
むしろ、書いている内容は意味が分からんのだが。
書く必要性がないからなw

109 :
>>106
甲のAに対する授乳等の不作為が果たして「急迫不正の侵害」と云えるか疑問も
あるが、云いたいことは概ね分かった。でもやはり答案には書かなかった方が
よかったのではないか。なぜなら、出題者が意図した論点は
@アパートの名義人でも住居侵入罪の主体となることができるか
A親権者でも未成年者略取誘拐罪の主体となることができるか
の2点にあると思われるからである。
今頃、偶然防衛を論じた答案に出くわした採点者は吃驚してるのではないかw

110 :
書いても減点はされないとは思うが、そこに時間かけたため他が書けなければ実質減点だわな

111 :
違法と不法ってどう違うんですか

112 :
> 不法
> 3. (ドイツ系の刑法学)構成要件該当性と違法性とを包摂する概念。(ドイツ語Unrechtの訳語)
http://ja.wiktionary.org/wiki/%E4%B8%8D%E6%B3%95

113 :
今日も糞ヴェテは講義か?w

114 :
偶然防衛は配点なし。

115 :
>>113
講義といえば、下期は各論を講義しなければならない。
各論は、ヴェテ時代以来、全くといっていいほど勉強していない。
かなりヤバイ状況。
とりあえず、押入れの奥から、西田・第3版(2005年)、大谷・新版(2000年)
山口・補訂版(2005年)、山中・初版(2004年)、前田・第4版(2007年)
を取り出して、まず精読から始めることにするか。
いずれもヴェテ時代に使ったもので版が古いが、基本的な考え方は変わってない
だろう(と思う)。最新版はわが貧弱な図書館には置いていない。出身校に借りに
行くのも面倒だ。最新の学説を知るために山口だけ最新版(第2版・2011年)を
自腹で買うことにした。

116 :
>>115
山口各論なら2012年に補訂が入ってるよ。

117 :
最新版買え。

118 :
>>116
サンクス。

119 :
上期は総論?

120 :
>>115
法教連載の「重要論点 刑法各論」
2004.4(283)〜2006.3(306)
をコピーすべし。

121 :
>>115
バレバレの大嘘か?wwwwおいおい、お前みたいなのが刑法の教授かよ。
どういうコネがあったんだ?www

122 :
>>118
知ってるくせにわざとらしいwwwww
さすが刑法学者wwww性格わりーなwwww

123 :
>>115
あと、佐伯教授の「刑法各論の考え方・楽しみ方」も。
2010.4(355)〜2012.3(378)

124 :
>>115
ついでに松原芳博教授の法セミ連載
「ロークラス刑法各論の考え方」
2011.11・56巻11号〜連載中

125 :
最新でもないが、
佐伯・道垣内「刑法と民法の対話』
伊東「現代社会と刑法各論』
もネタにいいかも。

126 :
そういや、
ヴェテ氏、経済刑法に興味があるとか昔言ってなかったっけ?w

127 :
なんで不法という概念が必要なのですか
また、不法には違法性阻却原因の不存在も含むのですか

128 :
経済刑法とか医事刑法とか
アホな糞ヴェテには向いてるよねw

129 :
梅宮弘典
京都学園大学法学部

130 :
【115の続き】
今日調べたら、わが貧弱な図書館にも、平野・概説(1977年)、中森・第2版(1996年)
団藤・第3版(1990年)、大塚・第3版増補版(2005年)は置いてあった。
これだけ材料が揃えば何とかなるだろう。
夏休みを利用して講義案を作ろう。
>>ZN75ds+z
そんなにたくさん読めないよw
>>126
独禁法に興味がある。とくに談合事案。
学生時代からよく公取委や東京高裁に出かけて傍聴したものだ。
今は東京地裁の専属管轄に変わったみたいだね。
いつか独禁法に関する論文を書いてみたい。

131 :
>>130
お前の研究室にあるんだろwwばれてるwww
独禁法に興味がある?経済刑法に興味があるんじゃないの?www

132 :
まず、>>130の発言から、糞ヴェテは独禁法には興味があるが
公には独禁法に関係した論文を書かないだろう。
しかし、経済刑法には興味があるようだ。経済刑法でその中でも
独禁法にのみ興味があるやつなんかいねーからなwww

133 :
>>130
中森2版って旧版だぞw

134 :
わかってて書いている自作自演、あほ丸出し

135 :
これはいいクソスレ

136 :
糞スレに言いも悪いもない

137 :
身分犯の身分を『違法身分』と『責任身分』に分ける学者が
構成要件要素も『違法構成要件要素』と『責任構成要件要素』とに二分され、
違法構成要件該当性の判断の時期と、責任構成要件該当性判断の時期とを別々
とする(後者は、違法性阻却事由存否の判断の後実施)という解釈がまかりとおっているが、
「身分」で通用した2分説を、構成要件該当性判断にも当てはめることができるだろうか?

138 :
>>137
西田説を問題にしていることは分かるんだけど
身分を違法身分と責任身分に分けることと構成要件該当性の認定順序を
違法構成要件該当性⇒違法阻却⇒責任構成要件該当性⇒責任阻却
で行うこととは全く関係がない。

139 :
で西田先生は、後者のような特異な判断方法についての、必要性(「構成要件」という
一つのものを、二つに分けること)について何ら説明してない。

140 :
>>139
争点・第3版15頁を読んでごらん。

141 :
その旧版の『争点』自体がもんだいなんだけど。
ブーメラン現象の回避策として、提示されてるが、説明不足。

142 :
>>138
全く関係ないというのは言い過ぎでしょう。
「共犯と身分」で違法身分、責任身分を切り分けて自らの犯罪論体系を構築したわけだから。

143 :
犯罪論の体系を違法(不法)・責任にする2分説なんでしょ。
それぞれをさらに積極消極で分けて、ネーミングで受け入れやすくする。

144 :
自作自演して楽しいか?w

145 :
佐伯千博士も、犯罪論の体系としては、行為を犯罪タラ占める

146 :
佐伯千博士も、犯罪論の体系としては、行為を犯罪たらしめる客観的・事実的
基礎から出発して、まず違法論の側面においては、「可罰的違法類型」への該当性
を問い、それによって推定された違法性を例外的に阻却する違法性阻却事由を
検討する。
可罰的な違法性が残る場合には、ついで、責任論の側面として、「可罰的責任類型」
への該当性を問い、それによって推定された責任を例外的に阻却する責任阻却事由
が検討される。
  可罰的違法類型該当性⇒違法性阻却⇒可罰的責任類型該当性⇒責任阻却
また、佐伯博士は、65条2項の加減的身分による個別化を責任の一身的性質
によって根拠づけるとともに、その趣旨を1項の構成的身分にも及ぼし、1項
による非身分者の処罰は違法性の連帯による効果として説明するから、>>138
のように「全く関係がない」とは云えまい。

147 :
おいおい、今日も論文書かずに2ちゃんかよwwwww

148 :
成文堂の近刊案内より。
8月
  『医事刑法概論 T』
   序論・医療過誤
   山中敬一 著
   978-4-7923-5121-2

149 :
香川先生の身分犯のモノグラフィーや、川端先生の人格犯のモノグラフィーが出るね。
やはり大御所の先生はモノグラフィーの数が半端ない。
バンバン出版されるね。山中先生も今度は医事刑法か、すごいな。
しかし、すごい若手が出てこないね。30代でモノグラフィー一つない
刑法学者もいるようだね。

150 :
【また創価!!!第二の尼崎事件!!第二のオウム事件】
【また創価!!!第二の尼崎事件!!第二のオウム事件】
今では殺人事件凶悪事件が起こると創価員かというぐらい
ネットではささやかれる時代になりました。刑務所受刑者の40%は創価員という事実は有名な話です
●巨人軍投手の松原由○(創価員)破壊的事件を起こし前科1犯 巨人、ロッテと渡り歩きクビ。転落の人生
その後はナマポ生活 毎日昼から浴びるように酒をストレートでラッパ飲み。警察に逮捕されること4−5回
前科は刑務所のかわりに罰金刑。金がないので強制労働 酒を飲むと本性が出て破壊性が著明にあらわになってきて本音がでる
ほぼ連日警察が呼ばれている状況 その数は警察を呼んでいないものを含めても事件数は数千回から数万に及ぶ。
とにかく連日のように起きる 刑務所受刑者の40%は創価員という事実は有名な話ですが、この者を見れば納得ができます
判決の際 法廷にこだまする「 池 田 先 生 万 歳 !」
●内柴正人→柔道金メダリスト (2009.5.15付 聖教新聞)創価のフレンド、通称Fであるのは間違いないですな
本名 朴泰活(パク・テホ)」強姦の相手が創価員だった!?創価の新聞に載せるということはフレンド以上で、創価の広告
看板として使われた
●中尾伸也容疑者(47)、妻の知佐(ちさ)容疑者(45)リサイクル店経営の夫婦、他人名義のカードで不正に現金を引き出したとして逮
捕、殺人容疑で再逮捕 福岡・筑後 他にも行方がわからなくなっている人が多数 【第二の尼崎事件!!第二のオウム事件】
【また創価!!!第二の尼崎事件!!第二のオウム事件】
【また創価!!!第二の尼崎事件!!第二のオウム事件】
【また創価!!!第二の尼崎事件!!第二のオウム事件】
【また創価!!!第二の尼崎事件!!第二のオウム事件】
【創価】逮捕された福岡のリサイクルショップを放送した映像に創価学会3色旗(三色旗があるとはバリ活です)
また創価!!!!!!−−−−

151 :
刑法各論講義案 第1講 刑法における「人」の保護(1)
はじめに
下期は刑法各論がテーマです。総論は議論が抽象的で、また、私が結果無価値論と行為無価値論の対立軸を中心として述べたため、やや分かりにくかった面も
あったかと思いますが、各論は、例えば殺人罪、窃盗罪、放火罪、文書偽造罪、収賄罪といった各犯罪類型に即した法益の保護が中心論点となりため、理解
しやすいと思います。
総論と同様、毎回配布するレジュメと百選を素材として講義を進めたいと思います。
なお、総論においては、行為無価値論を代表する団藤=大塚説が重きをなしていましたが、各論においては、両先生の教科書がやや古く(団藤各論は1990年、
大塚各論は2005年)新しい論点に触れられておらず、その後の法改正に対応していないこともあって、重要性は低下し、代わって団藤=大塚説を基本的に継承する
大谷各論(2013年)、結果無価値論の立場から、西田各論(2012年)、前田各論(2011年)、山口各論(2011年)、山中各論(2009年)が重要です。
結果無価値論の基礎を築いたのは、平野博士の『刑法概説』(1977年)です。行為無価値論の中森各論(2011年)もその簡にして明な記述から根強い人気があります。
興味のある方は、どれか1つを選んで読んでみてください。
因みに司法試験受験生の間では西田各論がトップシェアを占めているようです。
1 問題の所在
刑法において「人」という場合、ます思い浮かぶのは殺人罪(199条)の客体としての「人」です。ここでは「人」の始期と終期が問題となります。
「人」以前の段階は「胎児」として堕胎罪(212条以下)のの対象となります。また、ヒト生命体の原初形態である体外受精卵=ヒト受精卵も議論の対象となりますが、
ここでは割愛します。
さらに「人」の死後は全く保護されないのかが問題となります。
次に、「人」には自然人のほかに法人も含まれ、法人が加害者となる場合と、法人が被害者となる場合があり、いずれもトピックな話題ですが、、
ここでは後者のみ取り上げます。
  【続く】 

152 :
刑法各論講義案 第1講 刑法における「人」の保護(2)
2 人の始期
@分娩(陣痛)開始説(ドイツ・オーストラリア・フランスの通説)
A一部露出説(判例・通説)
B全部露出説(民法の通説、平野)
C独立呼吸説
@によれば、陣痛の開始後は、母体内においても人であり、早きに失します。
Cによれば、出産の後、独立呼吸までは堕胎罪・殺人罪による保護の間隙が生じます。
B説は「胎児の身体の全部が母体から露出したとき」と定義しますが、いかにも遅きに失します。
胎児の身体の一部が母体から露出したときは、外部からの直接の攻撃が可能となりますので、A一部露出説が妥当です。
B説によると、一部露出後に、「胎児」に、生命には危険のない傷害を加える行為については。傷害罪が成立せず、
胎児傷害は不可罰であるから堕胎罪も成立しないことになり、処罰の間隙が生じます。
  【続く】 

153 :
刑法各論講義案 第1講 刑法における「人」の保護(3)
3 胎児性致死傷
胎児性致死傷とは、母体を通じて胎児に傷害を加えたところ、障害を負った人が出生し、あるいは、その傷害が原因となって、出生後、その人が死亡した場合をいいます。
昭和40年代後半、熊本水俣病事件で大きな社会的問題となりました。
この場合に、殺人罪ないし傷害罪が適用できるかが問題となります。現行法上、堕胎は故意犯に限って処罰されており、過失堕胎罪は不可罰です。
また、過失致死傷罪の客体は「人」に限られています。この点がネックなのです。
Aさん、【百選3】(昭和63年2月29日)を読んでください。
有難うございました。
この最高裁の理論に対しては、次のような批判がなされました。
@胎児傷害が母体傷害であるとすると、妊婦が自己の身体の一部を傷害する自己堕胎(212条)は、自傷行為として不可罰のはずである。
Aその他の堕胎罪は、すべて母体に対する傷害罪となるはずであり、独立処罰の意味がなくなる。
B胎児を殺害した場合に適用される不同意堕胎罪(215条)の法定刑(懲役7年)と、胎児に傷害を与えたにとどまる場合に適用される傷害罪(204条)の
 法定刑(懲役15年)では、傷害罪の方が重く均衡を失する。
C胎児が傷害を負ったが出生の前に死亡した場合にも、出生前に治癒した場合でも、傷害罪が成立することになる。
学説のサイドにおいても、被害者を救済すべく、藤木博士を中心として様々な理論が提唱されました。
@作用必要説(平野)
 傷害行為の作用が出生した以後における人に継続して及んでいる場合に限り、人に対する罪を構成する。
A母体一部傷害説(昭和63年2月29日)
 胎児は母体の一部であるから胎児に傷害を加えることは人(母体)に対する傷害となる。
B母体機能傷害説(藤木)
 正常な子供を出産する母体の機能を害するという意味において母体に対する傷害を認める。
C作用不問説(藤木・板倉)
 人に傷害・死亡の危険を有する行為をなし、その結果として人に致死傷を生ぜしめた以上、その作用が胎児に及んだか人に及んだかとは関係なく、人に対する罪が成立する。
しかし、学説の大勢は、刑法は堕胎の罪によって胎児の生命を独立に保護しているから、実行行為の時に胎児であったものについては、堕胎の罪以外に成立する余地がない
という否定説を採っています(大塚・大谷・中森・西田・前田・山口)
  【続く】

154 :
刑法各論講義案 第1講 刑法における「人」の保護(4)
4 人の終期
@心臓死説
A呼吸停止説
B総合判定説(V

155 :
刑法各論講義案 第1講 刑法における「人」の保護(4)
4 人の終期
@心臓死説
A呼吸停止説
B総合判定説(三兆候説)−大谷・中森・前田
 心臓の鼓動と自発呼吸の不可逆的停止および瞳孔反応の消失の三兆候を総合して判断します。
C脳死説(平野・西田)
従来は総合判定説が通説であり、心臓・肺・脳の機能停止の間には大きな時間的差異は生じなかったのですが、人工呼吸器によって心臓を鼓動させることが
技術的に可能となって、B説とC説の対立が生じることになりました。
解釈論としては、脳死状態に至った患者の人工呼吸器を取り外したとき、殺人罪が成立しうるのか、また、患者から臓器(とくに心臓)を移植のために摘出することが
殺人罪となるのか死体損壊罪が成立するのかという点に現われます。
その後、1997年に臓器移植法が施行され、詳論は避けますが、「玉虫色」の解決を図っており、決着をみていません。
したがって、臓器移植法施行後は
「心臓死を前提としつつ、臓器移植の場合に限って、臓器提供者(ドナー)の事前の自己決定と家族の同意を条件として脳死を死と認めたもの」(西田)
あるいは「原則として総合判定説を採用し、臓器移植法の適用のある場合のみ脳死説を採用している」(山中)
と云わざるを得ません。
  【続く】  

156 :
刑法各論講義案 第1講 刑法における「人」の保護(5)
5 死 者
刑法典には、死者の名誉、身体、財産を客体とする規定があります。すなわち
@死者の名誉棄損を処罰する230条2項
A死体損壊等を処罰する190条
B墳墓を発掘して死体等の損壊を処罰する191条です。
その他、強盗殺人罪に関し「死者の占有」が問題とされることがあります。
(1)死者の名誉棄損
死者の名誉棄損については、保護法益について争いがあります。
@死者自体の名著とする説(通説=大谷・山口・山中)
A遺族の名誉とする説
B遺族が死者に対して抱く敬虔感情とする説(中森・前田)
法文に「死者の名誉を毀損した者」とある以上、@の通説が妥当でしょう。
(2)死者の占有?
死者の占有が問題となる事例として論じられる類型は、次の三つです。
@)最初から財物奪取の意思で殺害し、死者から財物を奪う場合
A)殺害後に初めて財物奪取の意思を生じ、死者から財物を奪取した場合
B)第三者によって殺害された被害者から財物を奪取する場合
@)については強盗殺人罪(240条)が、B)については遺失物横領罪が成立するというのが通説・判例です。
問題はA)の場合です。
@遺失物横領罪が成立するとする説(平野・大谷・中森・西田・山口・山中)
A窃盗罪が成立するとする説(団藤・大塚・前田)
B強盗罪が成立するとする説(藤木)
Bさん、【百選28】(昭和41年4月8日)を読んでください。
有難うございました。
このように、判例は死者の占有を認め、A窃盗罪説に立っています。
しかし、最初から殺害を手段とする場合との重要な相違は、本事例では、殺害
行為の故意に担われる行為とその後生じた盗取の故意に担われた行為とは別個
の行為であり、行為者の行為を全体として一連の行為とみなすことはできない
点であり、@遺失物横領罪説が妥当であると思われます。
  【続く】

157 :
刑法各論講義案 第1講 刑法における「人」の保護(6・完)
6 法 人

総論では「法人に犯罪能力はあるか」という議論がありましたが、ここで述べるのは被害者としての法人です。
(1)脅迫罪・強要罪
脅迫罪の被害者は自然人に限り、法人は含まれないというのが通説・裁判例です(大谷・中森・山口。東京高裁昭和50年7月1日など)
しかし、西田博士は次の理由で法人に対する脅迫罪を肯定します。
@本罪の保護法益を私生活の平穏・安全感とするのであれば、被害者は自然人に限るのが素直であろう。しかし、
 意思決定の自由に対する危険犯とするのであれば、法人も機関を媒介として意思決定をなしうる。
A両罰規定の解釈として、法人の犯罪能力を肯定し、法人の機関の過失が法人の過失たりうることを認めるのであれば
 脅迫罪に関しても同様の理論構成により法人に対する脅迫を肯定する余地がある。
また、強要罪については次のように述べています。
@脅迫罪と異なり、強要罪の保護法益は明らかに意思決定の自由である。法人もその社会的実態において
 財産権や社会的名誉の主体たりうることは認められている。
A法人にも、その機関や代表者を介して、法人の意思決定およびそれに基づく法人の行動が観念しうる以上、
 脅迫罪の主体たりうる。
山口教授は、脅迫罪については否定するものの、強要罪については肯定しています。
(2)名誉棄損罪・侮辱罪
名誉棄損罪・侮辱罪の「人」とは自然人のほか法人等の団体を含むとするのが通説・判例です。
(名誉棄損罪については大正15年3月24日、侮辱罪については昭和58年11月1日)
団藤博士は、法人に対する侮辱罪を否定されます。侮辱罪の保護法益を名誉感情ととらえ、
法人に名誉「感情」は存在し得ないから、法人に対する侮辱罪は成立しないとするのです。
しかし、後で述べるように、侮辱罪の保護法益も名誉感情ではなく外部的名誉と捉えるべきであり、
博士の見解に賛成することはできません。
  【終わり】
次講は「遺棄とふ 

158 :
刑法各論講義案 第1講 刑法における「人」の保護(6・完)
6 法 人

総論では「法人に犯罪能力はあるか」という議論がありましたが、ここで述べるのは被害者としての法人です。
(1)脅迫罪・強要罪
脅迫罪の被害者は自然人に限り、法人は含まれないというのが通説・裁判例です(大谷・中森・山口。東京高裁昭和50年7月1日など)
しかし、西田博士は次の理由で法人に対する脅迫罪を肯定します。
@本罪の保護法益を私生活の平穏・安全感とするのであれば、被害者は自然人に限るのが素直であろう。しかし、
 意思決定の自由に対する危険犯とするのであれば、法人も機関を媒介として意思決定をなしうる。
A両罰規定の解釈として、法人の犯罪能力を肯定し、法人の機関の過失が法人の過失たりうることを認めるのであれば
 脅迫罪に関しても同様の理論構成により法人に対する脅迫を肯定する余地がある。
また、強要罪については次のように述べています。
@脅迫罪と異なり、強要罪の保護法益は明らかに意思決定の自由である。法人もその社会的実態において
 財産権や社会的名誉の主体たりうることは認められている。
A法人にも、その機関や代表者を介して、法人の意思決定およびそれに基づく法人の行動が観念しうる以上、
 脅迫罪の主体たりうる。
山口教授は、脅迫罪については否定するものの、強要罪については肯定しています。
(2)名誉棄損罪・侮辱罪
名誉棄損罪・侮辱罪の「人」とは自然人のほか法人等の団体を含むとするのが通説・判例です。
(名誉棄損罪については大正15年3月24日、侮辱罪については昭和58年11月1日)
団藤博士は、法人に対する侮辱罪を否定されます。侮辱罪の保護法益を名誉感情ととらえ、
法人に名誉「感情」は存在し得ないから、法人に対する侮辱罪は成立しないとするのです。
しかし、後で述べるように、侮辱罪の保護法益も名誉感情ではなく外部的名誉と捉えるべきであり、
博士の見解に賛成することはできません。
  【終わり】
次講は「遺棄と不保護」です。 

159 :
なんだこのスレはwwwお前やはりいたんだなwwww

160 :
刑法各論講義案 第2講 遺棄と不保護
1 問題の所在

刑法典第30章には、遺棄の罪として、単純遺棄罪(217条)、保護責任者遺棄罪(218条)、およびこれらの結果的加重犯である遺棄致死傷罪(219条)
が規定されています。
論点としては、@保護法益は何か、A「遺棄」の概念、とくに217条の遺棄と218条の遺棄は同じなのか、異なるのか、B保護責任の発生根拠、
C遺棄致死罪と殺人罪の区別、が挙げられます。
2 保護法益
@生命・身体の安全であるという説(通説=団藤・大塚・中森・前田・山中)
@)条文が傷害罪・堕胎罪よりも後に置かれていること
A)致「傷」罪も219条で処罰されること
B)基本犯の法定刑が軽いこと(217条は1年以下の懲役)
A生命の安全であるとする説(平野・大谷・西田)
@)身体まで含めると処罰範囲が広範・不明確になること
A)218条の不保護罪に「『生存』に必要な保護」という文言があること
私見は、「生存」に必要な保護をしなかったとき、という文言は決定的であると考え、A説を支持します。
  【続く】

161 :
刑法各論講義案 第2講 遺棄と不保護(2)
3 遺棄の概念
「遺棄」というときは、
@要扶助者をその従来の場所から生命に危険な他の場所に移転させる行為(移置)
A要扶助者を生命に危険な場所に置いたまま立ち去る行為(作為による置き去り)および
 要扶助者

162 :
刑法各論講義案 第2講 遺棄と不保護(2)
3 遺棄の概念
「遺棄」というときは、
@要扶助者をその従来の場所から生命に危険な他の場所に移転させる行為(移置)
A要扶助者を生命に危険な場所に置いたまま立ち去る行為(作為による置き去り)および
 要扶助者が生命に危険な場所に行くのを放置する行為(不作為による置き去り)
B要扶助者が保護者に接近するのを妨げる行為(接近の遮断)
が問題となります。
学説においては、
@遺棄を広狭二義に分け、217条の遺棄は狭義の遺棄としての「移置」をいい、広義の
 遺棄は「移置」のほかに「置き去り」と「接近の遮断」を含み、218条の遺棄は広義の
 遺棄をいうという通説・判例(昭和34年7月24日)
A217条の遺棄は「移置」および「接近の遮断」のみを含むのに対し、218条はそれ以外の
 不作為による「置き去り」を含むと解する説(大塚)
B217条、218条いずれの遺棄も「移置」と解する説(大谷・西田)
とが対立しています。
私見は、以下の理由によりB説を支持します。
@218条は遺棄と不保護を区別して規定しているから、遺棄のなかに不保護にあたる不作為
による遺棄を含ませる@説は妥当でないこと。
A217条と218条はいずれも「遺棄」と規定するにすぎず、両者を異なったものとして
把握する各説は妥当でないこと。
 
したがって、218条が「遺棄」を「不保護」と区別して規定しているのは、作為による遺棄
すなわち被遺棄者を場所的に移転し、生命に危険を生じさせる「移置」のみを遺棄とし、それ
以外の場所的離隔を伴う行為は「不保護」に含ませる趣旨と解されます。
  【続く】
 

163 :
お前今日基本書スレに来てただろ?wwwww
バレバレだぞwwww

164 :
刑法各論講義案 第2講 遺棄と不保護(3・完)
4 準抽象的危険犯
学説の中には、本罪を具体的危険犯と解するものがありますが(団藤・前田)、遺棄罪の構成要件には、とくに危険の発生が明記されていませんので
具体的危険犯説は法文上の根拠を欠くというべきです。したがって、本罪は、抽象的危険犯と解されます(大塚・大谷・中森・西田・山中)
ただ、例えば、@捨子した後に他人が救助するのを見とどけてから立ち去る場合とか、A病院のベッドに新生児を放置して逃げた場合には、一般的には、
遺棄の罪の構成要件に該当しません。すなわち、本罪は、ある程度の危険の発生を必要とする「準」抽象的危険犯です。
5 保護責任の発生根拠
218条は、行為者に「保護する責任」があるため、217条よりも刑が加重される場合であり(不真正身分犯)、保護責任者についてのみ成立します。
また、保護責任者については、要扶助者の生存に必要な保護をしない不作為も処罰します。
保護責任は、通説・判例によれば、@法令、A契約、B事務管理、C慣習・条理によって発生します。
道交法72条は、自動車事故を生じさせた運転手に救護義務を定めています。この場合、ただちに刑法上の保護責任が発生するとは云えません。
しかし、いったん救助のために引き受けた場合、例えば、病院に運ぶために車に乗せたうえで、途中で車外に降ろして置き去りにした場合、事務管理を
根拠とする保護関係が認められ、保護責任者遺棄罪となります(昭和24年7月24日)
その他、先行行為や引受けによって保護責任が根拠づけられる場合があります。総論で触れた【百選T−4事件(十中八、九)】(平成元年12月15日)
は、この点に関するものです。

6 遺棄等致死傷罪(219条)
217条と218条の結果的加重犯です。
総論で触れた【百選T−6事件(シャクティパット事件)】(平成17年7月4日)は、不保護罪の共同正犯に問われた長男の罪責につき、病院から連れ出すという
「遺棄」行為が先行し、その後、不保護罪で要求されている「生存に必要な保護」をなさなかったことによって父親が死亡した事案です。
  【終わり】
次講は「監禁罪の保護法益」です。

165 :
刑法各論講義案 第3講 監禁罪の保護法益ー可能的自由か現実的自由か
1 保護法益
@身体の場所的移動の自由(西田)
A人の身体活動の自由(大谷)
B一定の場所から移動する自由(山口)
C人の行動の自由と生命・身体(山中)
2 可能的自由か現実的自由か
@可能的自由説(判例・多数説、昭和33年3月19日、大塚・大谷・山口など)
もし移動しようと思えば移動しうる自由と解し、睡眠中の者にも監禁罪が成立する。
A現実的自由説(平野・西田・前田・山中)
現実に移動しようと思ったときに移動しうる自由と解し、睡眠中の者には、
自己が監禁されていることを認識したときからしか監禁罪は成立しない。
強姦の意図を秘して家まで送ると欺き女性を車に乗せて走行する行為は、
@可能的自由説によれば監禁罪が成立しますが(昭和33年3月19日)、A現実的自由説
によれば、自分が監禁されているという事実を認識していないのですから、監禁とはなりません。
場所的移動の自由とは、移動しようという意思の自由であり、現実に移動しようと
欲したときに保護すれば足りますから、A現実的自由説が妥当だと思われます。
  【終わり】
次講は「住居侵入罪の保護法益」です。

166 :
刑法の勉強法47
http://kanae.2ch.sc/test/read.cgi/shihou/1405441208/l50

167 :
刑法各論講義案 第4講 住居侵入罪の保護法益ー平穏説か住居権説かー
1 はじめに
保護法益をいかに解するかによって、構成要件の解釈も異なってきます。その典型が住居侵入罪です。
大まかに云うと、住居侵入罪の保護法益は
  旧住居権説⇒平穏説⇒新住居権説
という流れを辿りました。
2 保護法益
(1)旧住居権説
戦前支配的であった家父長的な家長・戸主権に基礎を置きます。
【批判】
@犯罪を権利侵害とする古い思想の残滓である。
A住居権概念に拘泥するとその区族について

168 :
刑法各論講義案 第4講 住居侵入罪の保護法益ー平穏説か住居権説かー(1)
1 はじめに
保護法益をいかに解するかによって、構成要件の解釈も異なってきます。その典型が住居侵入罪です。
大まかに云うと、住居侵入罪の保護法益は
  旧住居権説⇒平穏説⇒新住居権説
という流れを辿りました。
2 保護法益
(1)旧住居権説
戦前支配的であった家父長的な家長権・戸主権に基礎を置きます。
【批判】
@犯罪を権利侵害とする古い思想の残滓である。
A住居権概念に拘泥するとその帰属について不必要な議論に陥る。
B本罪の法益は事実的概念であり、法的権利とするのは妥当でない。
(2)平穏説(団藤・大塚・前田など)
「事実上の住居等の平穏ないし私生活の平穏」を法益とする説です。
ア 主観的平穏侵害説(大塚)
住居権の平穏とは、居住者等の自由な意思によって支配されている状態をいい、侵入とは居住者等の(推定的)意思に反する立入りをいう。
【批判】
@侵入概念につき意思侵害説に立つのは論理一貫しておらず、結局は新住居権説である。
A侵入の有無を判断するにあたって、居住者等の意思だけでなく、行為者の目的・意図をも考慮すべきであるとしているのは、平穏概念を主観化し、曖昧なものとしてしまう。
イ 客観的平穏侵害説(前田)
侵入の有無は、あくまでも事実上の住居等の平穏の侵害の有無を客観的に判断すべきであり、侵入とは住居等の平穏を害するような態様での立入りをいう。
【批判】
@平穏概念が曖昧である。
A住居等が事実上平穏であることを強制するもので、個人法益に対する罪である本罪の性格と矛盾する。
Bいかに平穏な態様の立入りでもそれを拒否できる個人の自由の保護に欠ける。
  【続く】

169 :
(コラム)
なぜ前田説は新住居権説ではなく平穏侵害説をとるのか?
それは「推定的承諾」の場面を違法性阻却レベルの問題と解するからである。
新住居権説においては、行為者の侵入行為につき推定的承諾ある場合構成要件レベルで
犯罪不成立となる。
しかしこの場合は行為者の担う利益と侵入行為の利益考量が必要となる場面であるから
構成要件レベルではなく違法性阻却レベルの問題と解するべきである。
(要するに、実質的違法性阻却における絶対軽微ではなく相対軽微の事案)
したがって、前田説は構成要件レベルにおいては平穏侵害説となるのである。

170 :
刑法各論講義案 第4講 住居侵入罪の保護法益ー平穏説か住居権説かー(2・完)
(3)新住居権説(平野・大谷・中森・西田・山口・山中)
住居その他の建造物を管理する権利の一内容として、これに立入りを認めるか否かの自由とする説です。
侵入とは、住居権者・管理権者の(推定的)意思に反する立入りであるとします(意思侵害説)
なお、山口教授は、(新)住居権のことを「許諾権」と呼んでいます。
(4)多元説(関哲夫・住居侵入罪の研究)
私的な住居の場合は「他人が住居に立ち入り・滞留することを許容し、許容しないことを決定する自由」であるが、
官公署を典型とする公共の建造物や、デパートを典型とする社会的営造物の場合は
「個々の職員が、その営造物の利用目的に従って平穏かつ円滑に業務を遂行しうる平穏な状態」である。
【批判】
本罪を業務妨害罪化するもので、官公署につき本罪の固有の成立領域を認めないことになってしまう。
【反論】
@本罪は領域関連性が要求された犯罪であり、あくまでも立入り時点で犯罪の成否を判断し、その時点での業務妨害的な要素が考慮される。
A犯罪の成否の判断にあたって、当該建物の利用目的、そこでの職務・業務の内容を考慮せざるを得ない。
B管理者等の意思は本罪の成否の重要な判断資料ではあるが、一資料にすぎない。
(5)判例
Cさん、【百選16】(昭和58年4月8日:大槌郵便局事件)の(事実の概要)と(判旨)を読んでください。
有難うございました。
判例は一時期平穏説を採っていたのですが、この大槌郵便局事件において新住居権説に転じたというのが一般的な理解です。
3 錯誤による承諾
判例は、承諾は任意かつ真意から出たものでなければならないとします。
「今晩は」「おはいり」事件が有名です(昭和24年7月22日)
これを支持する学説も有力です(団藤・大塚・大谷)
しかし、総論での述べたとおり、有効な許諾の存在は、それが自由な意思に基づいて与えられていると認められるときには、「法益関係的錯誤」が
ある場合に限り否定されると解すべきです(平野・中森・西田・山口・山中)
  【終わり】
次講は「名誉の概念と真実性の誤信」です。
 

171 :
刑法各論講義案 第5講 名誉の概念と真実性の誤信(1)
1 名誉の概念
@人の内部的的価値としての名誉=内部的名誉
A人の価値に対する社会的評価としての名誉=外部的名誉(社会的名誉)
Bその人の価値についてその人自身が有する自己評価の感情=名誉感情
@の内部的名誉は、本来その人に備わっている真価であり、他人の行為によって侵害されるものではないので、名誉棄損罪における法益とはなり得ません。
通説(大谷・前田・山口・山中など)は名誉棄損罪と侮辱罪の保護法益は、ともにA外部的名誉でさるとします。
これに対して、団藤博士は、名誉棄損罪の保護法益はA外部的名誉であるが、侮辱罪の保護法益はB名誉感情であるとします。
【批判】
@この見解によれば、社会的評価の対象にはなり得るが、名誉感情を持ち得ない幼児や精神病者、死者、法人などには侮辱罪の成立はあり得ず、
 名誉棄損罪によってのみ保護されるということになる。
A侮辱罪の保護法益が名誉感情であれば、その当罰性は、行為が「公然と」行われれる場合以上に、被害者に面と向かって行われる場合の方が高いはずである。
 しかし、刑法は、侮辱罪について名誉棄損罪と同様の「公然性」を要求しながらも「面前性」を要件とはしていない(中野)
B名誉棄損行為が同時に名誉感情を侵害する場合には、名誉棄損罪と侮辱罪が観念的競合として成立することから、名誉棄損行為についてのみ
適用が認められる230条の2との関係で、厳格な要件の下で事実の真実性の証明に成功した場合にも、常に侮辱罪が成立することになる(町野)
以上の批判は十分に理由があり、団藤博士の見解に賛成することはできません。
なお、判例は、法人に対する名誉棄損を認めています(大正15年3月24日)
  【続く】  

172 :
刑法各論講義案 第5講 名誉の概念と真実性の誤信(2)
2 230条の2(以下の説明の大部分は西田各論に依拠しています)
(1)事実証明の要件
230条の2は、230条による外部的名誉の保護と憲法21条で定められた表現の自由・知る権利との調和を図るため、摘示された名誉棄損的事実が
公共の利害に関するものであり(事実の公共性)、摘示の目的がもっぱら公益を図るものであったこと(目的の公益性)を要件として、事実の証明を許し、
事実の真実性を証明できたときは名誉棄損として処罰しないことを定めています。
(2)真実性の証明
「事実の公共性」と「目的の公益性」が認められてはじめて真実性の証明が許されます。
この要件が存在する場合、真実性の証明は通常被告人側によってなされますが、裁判所も職権調査義務を負います。「事実の存否を判断し」とはそういう意味です。
ただし、真偽不明の場合、その不利益は被告人側が負います。すなわち、挙証責任は被告人に転換されています。
(3)真実性の誤信
行為者が、事実証明に失敗した場合の法的処理については、真実性が証明された場合の不可罰根拠をいかに解するかと関連して、判例・学説に変遷がみられます。
@処罰阻却事由説
不可罰根拠について最初有力だったのは、事実摘示により名誉棄損が成立するが、真実性の証明により処罰のみが阻却されるとする見解でした。
このような解釈が、「事実の有無にかかわらず」名誉棄損を処罰するという原則に適合するとされたのです。
この見解によれば、真実性の誤信は、犯罪の成立要件に関するものではありませんから、犯罪の成否とは無関係ということになります。
判例も、当初、この見解を採っていました(昭和34年5月7日)
しかし、処罰阻却事由説は、230条の2が憲法21条の表現の自由との調和を図った規定であるという性格に適合しませんし、
なによりも、真実の言論がなにゆえ処罰を阻却するのかが明らかでないという難点を有していました。
  【続く】

173 :
刑法各論講義案 第5講 名誉の概念と真実性の誤信(3・完)
A旧団藤説
そこで主張されたのが、事実が真実であったことが行為の違法性を阻却するという違法性阻却事由説(通説)、
あるいは違法性阻却事由説、それ以前に構成要件該当性を阻却するという見解(団藤)です。
しかし、違法性阻却事由説は、行為者が軽率に事実を真実だと誤信した場合も事実の錯誤として故意を阻却する
ことを認めざるを得ないという難点をもっていました。
この点を克服したのが団藤博士です。
団藤博士によれば、230条の2にいう「真実であることの証明があったときは、これを罰しない」という訴訟法的表現を実体法の平面に投影させると
「事実が証明可能な程度に真実であったこと」が違法性ないし構成要件該当性を阻却するのであり、したがって、故意論においては、行為者が
「証明可能な程度の資料・根拠をもって事実を真実と誤信したとき」にのみ故意が阻却されるとしたのです。
この見解は、判例によっても承認されました。
Dさん、【百選20】(昭和44年6月25日:夕刊和歌山時事事件)の(事実の概要)と(判旨)を読んでください。
有難うございました。
「確実な資料。根拠に照らし相当の理由があるときは、犯罪の故意がなく、名誉棄損の罪は成立しない」のです。
団藤説は、氷原

174 :
団藤説は、表現の自由と名誉の保護の調和を図るという点では卓抜した解釈でしたが、
錯誤論における処理として考えると、なにゆえ客観的に証明可能な程度の
資料・根拠の存在が要求されるのかという点が難点でした。そこでは、行為者の
誤信よりも、確実な資料・根拠に基づいた言論であったという客観的事実が重視
されていました。
B藤木説
このような観点から、藤木博士は「確実な資料・根拠に基づいて真実であると信じた場合は、
表現の自由の正当な行使であるから、230条の2の違法性阻却事由には該当しないとしても、
刑法35条によって、違法性が阻却される」としました。
もっとも、藤木説は、真実性の誤信という主観が違法性を阻却するとしていた点で批判がありました。
そこで、最近では、この点を修正するとともに、確実または相当な資料・根拠に基づく言論自体が、
35条の正当行為として違法性を阻却するという見解が有力となっています(団藤・大谷・中森・前田)
  【終わり】
次講は「公務と業務」です。

175 :
おい!西田・山口説は紹介しないのかよw

176 :
糞ヴェテ君、いい加減早く司法試験合格しなさいよ。
貴方刑法専攻じゃないでしょ?w

177 :
刑法各論講義案 第6講 公務と業務(1)
1 問題の所在
「公務」が業務妨害罪(233条〜234条の2)により、虚偽の風説、偽計、威力または電子計算機損壊等から保護されるかが問題となります。
なぜなら、公務は、公務執行妨害罪(95条1項)により、暴行または脅迫という、より侵害性の高い妨害手段から保護されており、このような
公務に対する限定的保護との関係で、公務は果たして「業務」として、より緩やかな妨害手段に対して保護されると解すべきかが問われることに
なるからです。
2 判例の展開
大審院は、まず、偽計により裁判所の競売を妨害した事案において偽計業務防黴罪の成立を肯定しましたが(明治42年2月19日)
その後、尋常小学校教員が校長の保管する教育勅語を取り出して教室の天井裏に隠匿した事案において「公務員の職務は業務には含まれない」
として、偽計業務妨害罪の成立を否定しました(大正4年5月21日)
しかし、郵便集配人の郵便業務を暴行により妨害した事案については「現業庸人である郵便集配人は公務員ではない」として、公務執行妨害罪
の成立は否定され、威力業務妨害罪の成立が肯定されました(大正8年4月2日。なお、昭和35年3月1日は、郵便集配人は公務員であると
しています。
最高裁では、まず、争議中の労働者による業務妨害鎮圧のために駆けつけた武装警察官に対して、労働者がスクラムを組んで気勢を挙げたという
事案において「業務には公務員の職務は含まれない」として威力業務妨害罪の成立が否定されましたが(昭和26年7月18日)旧国鉄の貨車
運行業務を威力で妨害したという事案においては、その事業・業務の民間類似性を指摘しつつ「国鉄職員の現業業務はたまたま法令上公務とされて
いるというだけの理由で業務妨害罪の対象とならないとする合理的理由はない」として、威力業務妨害罪の成立が肯定されました(昭和35年11月18日)
さらに、国鉄連絡船の運航業務を威力で妨害したという事案(摩周丸事件)では、国鉄の事業・業務は「国若しくは公共団体又はその職員の行う権力的作用を
伴う職務ではなく、民営鉄道のそれと何ら異なるところはないのであるから」「刑法233条、234条にいう『業務』の中に含まれる」とされました(昭和41年11月30日)
  【続く】

178 :
刑法各論講義案 第6講 公務と業務(2)
その後、判例は、県議会の委員会の条例案採択等の事務を威力により妨害した事案(新潟県議会事件)において、
妨害の対象となった職務は「被告人らに対して強制力を行使する権力的公務ではないのであるから」威力業務妨害罪
にいう「業務」に当たるとして、威力業務妨害罪の成立を肯定し(昭和62年3月12日)、公職選挙法上の選挙長の
立候補届出受理事務を偽計および威力を用いて妨害したという事案において、同様の理由から、当該事務を233条、
234条にいう「業務」に当たるとするに至りました。
さらに、最近、最高裁は「新宿ホームレス退去妨害事件」につき、東京都による動く歩道の設置に伴う環境整備工事が
威力業務妨害罪にいう「業務」にあたるかにつき、本件工事は「強制力を行使する権力的公務ではないから刑法234条
にいう『業務』に当たると解するのが相当」であるとしました(平成14年9月30日)
こうして、現在、判例においては、「強制力を行使する権力的公務」以外の公務については、威力業務妨害罪及び偽計業務妨害罪の対象となると解されています。
  【続く】

179 :
http://anago.2ch.sc/test/read.cgi/dqnplus/1405428353/
みんなwwwここに面白い奴いるぞwww
損害賠償請求されたとき、ギャンブルで使ったといったら法律において返済義務はなくなって盗んだ金は全部貰える。
この基本も知らずに知ったかしたり、悪意の意味も間違って使っちゃってる10が自演をくりかえしてるwwwww
通称例の悪意さんwwwww

180 :
刑法各論講義案 第6講 公務と業務(3・完)
1学説の状況
(1)積極説
公務の保護に最もに手厚いのが、公務も業務の定義を満たす以上、すべて業務妨害罪の対象となるとする「積極説」です(大谷)
これに対しては、被疑者を逮捕する警察官に対して、被疑者自身が威力により抵抗した場合にも業務妨害罪が成立することになる
というその結論の妥当性に疑問があります。
(2)消極説
この見解の対極に位置するのが、公務は業務に含まれないとする「消極説」です。公務執行妨害罪の規定による公務の限定的保護の趣旨を根拠とします。
同様の立場に立ちつつも、非公務員による公務については公務執行妨害罪が成立しないから、それだけが業務として保護されるとする「身分振分け説」も
存在します。
これらに対しては、公務、とくに民間類似のものについて、威力・偽計に対する保護が一切欠落することになり、民間業務との均衡上疑問であるとの批判があります。
近年の学説において多数の支持を集めているのは以下の2説です。
(3)公務振分け説
まず、民間類似の公務はもっぱら業務として業務妨害罪の対象となり、それ以外の公務はもっぱら公務執行妨害罪の対象となると解するのが「公務振分け説」です。
(団藤・中森・前田・山中)
公務を業務に振り分ける基準としては、「現業性」「民間類似性」「非権力性」などが挙げられますが、民間業務と同等の公務については、
それと同等の保護を与えるべきだとの理解に立脚しています。
(4)限定積極説
次に、近時有力なのが、判例と同様に「強制力を行使する権力的公務」以外を業務妨害罪の対象とする「限定積極説」です(大塚)
これは「積極説」と同様の見地に立ちながらも、「強制力を行使する権力的公務」については、強制力の行使による妨害排除の可能性
を考慮して、業務としての保護の必要性・相当性を否定するものと云えます。
なお、強制力は偽計に対しては無力であると解されることから、、威力業務妨害罪については「限定積極説」を採りながら、偽計業務妨害罪については「積極説」を採る
「修正積極説」も主張されています(西田・山口)
私見は、暴行・脅迫至らない妨害はそうした公務の遂行に法律上認められている強制力により排除しうるから、
業務妨害罪の規定による保護を必要としないので、「限定積極説}(判例の立場)を支持します。
  
  【終わり】
次講は「財産上の利益」です。

181 :
刑法各論講義案 第7講 財産上の利益(1)
1 はじめに
強盗罪、詐欺罪、恐喝罪においては、客体として財物が規定されているのみならず、「財産上の利益」が規定されています。
(236条2項、246条2項、249条2項。「2項犯罪」あるいは「利得罪」と呼ばれます)
財産上の利益は、従来、財物を除く全ての財産的利益と解されており、たとえば、債券・担保権の取得、役務・サービスの取得、
債務の免除、支払の猶予などを広く含むものと解されてきました。
しかし、このように広範に解すると、利得罪の成立範囲が無限定になるとの理解が近時は共有されています。そうした観点から、
@財産上の利益自体を一定の観点から限定する議論(「財産上の利益」要件)と
A財産上の利益は存在するとしても、それが被害者から行為者に移転したかをめぐる議論(「移転」要件)
とがなされています。さらに、
B財物を取得する過程で債券を得る場合や、財物を取得した後にその返還請求権を免れる場合など、財物罪と利得罪とが交錯する
場合もありますが、このような場合に、常に(財物罪に加えて)利得罪も成立させてよいのかが問題となります。
  【続く】

182 :
刑法各論講義案 第7講 財産上の利益(2)
2「財産上の利益」要件
近時、役務・サービスや情報が財産上の利益に含まれるかが問題とされています。最も徹底したものとして
@有償無償を問わず、役務・サービスは全て財産上の利益から除外し、役務・サービスに関する対価を免れる
 ことが財産上の利益であるとする見解が主張されています(債務免除説。町野)
これに対して、近時の通説的見解は、
A(通常対価の支払が想定される)有償の役務・サービスであれば財産上の利益に含まれるが、無償の役務・サービス
 であれば含まれないとする見解です(有償役務説。平野・中森・西田など)
Eさん、【百選37】(昭和61年11月18日)の(事実の概要)と(決定要旨)を読んでください。
有難うございました。
この事案では、1審、2審が1項強盗未遂罪の成立を認めたのに対し、決定要旨のような理由で
2項強盗未遂罪を認めました。
  【続く】

183 :
明らかに、基本書マニアだよね。こいつwwwwww
本棚に基本書並べて悦に浸ってるのかよwwwww気もすぎwwwww

184 :
刑法各論講義案 第7講 財産上の利益(3)
3「移転」要件
財産上の利益の「移転」に関しては、まず債権者殺害事例について問題となります。
判例はかつて、強盗利得罪については(利益移転の明確化という観点から)処分行為が必要だとしていましたが(明治43年6月17日)
現在では、処分行為を不要としています(昭和32年9月13日)
しかし、債権者を殺害すれば常に強盗利得罪が成立するわけではありません。
@債権者が事実上支払請求ができなくなる場合(昭和32年9月22日)のほか
A債権者側の速やかな債権行使を相当期間不可能にする場合(大阪高裁昭和59年11月28日)
が挙げられており、
@の場合に財産上の利益の移転を認めることにつ いては学説上も異論はありませんが
Aについては、財産移転の具体性・現実性を欠くとして否定的な見解もあります(西田)
  【続く】

185 :
今日は少なすぎるだろ?wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

186 :
あれ?今日は糞ヴェテ珍しく来てないねwwwwwwwwwwwwwwww

187 :
>>186
財産犯で行き詰っている。
暫く休載します。

188 :
ハハハハwwwwバレバレwwwww

189 :
【コラム】
なぜ前田説は奪取罪の保護法益を(裸の)占有とするのか。
奪取罪において問題となるのは本権者の取戻し行為を不可罰とすべきであるということ。
この観点からは本権説あるいは平穏な占有説を採用すべきように思える。
しかし、本権者の取戻し行為は行為者の担う利益と被害者の利益が比較考量されるべき場面である。
(つまり、前田説における実質的違法性阻却における相対軽微型の事例)
したがって、本権者の取戻し行為は違法性阻却レベルで正当化されるべきということになる。
そこで、前田説は構成要件レベルにおいては、裸の占有を保護法益とすることになるのである。

190 :
(補足)
なぜ相対立する利益の比較考量される場面は違法性阻却レベルに委ねられるべきなのか。
かりに本件事例で平穏占有説を採用したとする。
そうすると、本権者の取戻し行為は構成要件該当か否かのレベルで正当化されることになる。
しかし、そうすると、行為者の担う利益と被害者の担う利益が一つの要件で認定されることになる。
これでは両者の事実認定に際し、裁判官の恣意が混入しかねない。
構成要件レベルで、被害者の担う利益(つまり裸の占有)を認定し、違法性阻却レベルで行為者の担う利益を
認定し、分析的に両者の比較考量をすることにより、裁判官の恣意を防ぐことができるのである。
これが前田説が、相対立する利益の衝突場面を相対軽微型とする理由である。

191 :
>>190
全くの間違い。比較考量の意味を理解していない。
構成要件で占有を保護し、違法性で本権を保護する。
これでは法益が違うもの同士なのだから、比較考量できない。
そもそも、どちらかに比重を置くかという論理にしかならないし、
これだと裁判官の恣意云々の話はまるで関係ない。馬鹿丸出し。
ID変えてまでご苦労なことだなww私大卒のお馬鹿さんwww

192 :
>>189
前田はお前みたいなお馬鹿さんのような考え方じゃないよwww

193 :
もちろん平面で比較考量するわけではなく、
保護法益と行為が担う利益、必要性、相当性を考量するわけですがね。

194 :
お前相当バカだろ?wwww刑訴のやりすぎなんじゃねーか?wwww

195 :
今日も元ヴェテ君来ないの?wwwwwww

196 :
前田説を読んだこともないのに批判するバカがいるな。

197 :
前田説を批判しているんじゃなくて、馬鹿の>>189-190=>>193=>>196
批判しているだけだよwwwwwww
姑息さが出てるよwwwwお馬鹿さんwwwww

198 :
前田説を知らないだけじゃん。

199 :
具体的な指摘がない

200 :
>>199
それじゃおまえが正しい前田説を説明しろ。
できないのなら、189.190が正しい。

201 :
>>191ですべて指摘済みw

202 :
>>201
正確性を欠く書き込みですまんね。
当該法益侵害の程度(構成要件レベル)と、
当該行為の@目的の正当性、A必要性、B相当性(違法性阻却レベル)
を比較考量するというのが前田説。

203 :
つか、違法段階での比較考量ってさ、
保護法益(占有・本権)と保全法益(正当防衛等で保全される法益)
との比較考量なんだろ?
なんで>>191みたいに占有と本権を比較考量するのだ?
>>191はアホじゃね?

204 :
>>202
3日間考えてそれか?w>>190をよく読め。構成要件で裸の占有を考えて
って書いてあるだろ?www違法性では、違うんだろ?法益が変わっているよ。
それは前田説じゃない。君の大好きなあの方の説なんだろ?www

205 :
>>189に違法性で本権者の利益を考慮する旨が書かれているwww
本権は構成要件で考慮するんじゃねーのかよwwwww

206 :
質問スレが消えてるからここで質問させてくれ。
>収益ヲ為ス権利ヲ有スル場合ニ於テモ其権利
「其権利」の部分は何と読むのですか?「キケンリ」?

207 :
「その」権利だ

208 :
元ヴェテってもう1週間以上書き込みないのかwwww
死んだんだろうなwww

209 :
おんだきにぎゃちぎゃかねいえいそわか

210 :
暴行犯の名前を暴露したところで

それは事実であり、公共性、公益性がある
個人攻撃だったら問題だろうが
あくまでジャーナリズム
視聴者の知る権利が優先される

それが嫌なら、さっさと社会に対して
責任をとるべきだろうな

211 :
責任を何もとらないから
小保方同様に晒される奴もいるってこった

212 :
ヴェテさん山中先生の医事刑法T読んだ?

213 :
>>208
おまえみたいな馬鹿は、もはや誰も相手にしないwww

214 :
論破されて追放された奴はみんなそういうんだよねww

215 :
211と212は同一人物の疑いあり。

216 :
前田はおそらくシンカントハばか。

217 :
 ( ⌒)                  { ⌒)
  て人 .  -―- ..      . --. ..  /^〜'′  
    /: ハ : :ヽ: : :ヽ  / r 二ミ`ヽ       
    .′: :ト∧:.i: :i: :ヽ i  ′! l<`^^'ヽハ   
    l: : :癶{\ト、:匕iト| } :|:!\  ノ |: !  
    |: :f'|:..l○   ○{: | ノ :(|: |○  ○{: {     ☆ 日本の核武装は絶対に必須です ☆
    |/ トl! {.  3  ノ:リ'イィ:! :{.   3 ノ从  総務省の『憲法改正国民投票法』のURLです。
    }ハ>弋l>┬<}/  ′厶{ィ` i爪}/http://www.soumu.go.jp/senkyo/kokumin_touhyou/index.html
     {  i |「`´ヽ, }.  /´  バ`´}ヽ\
     '.  lハ ノヽ |  /  ィ/  ヽノ  i ヽ
     ∧. {__乂_.ノ {. /  / `廴__夫__ノヽ '.

218 :
質問したいんだけど、フィリピンパブ事件を最も思い罪責を課すとしたらどういう判決が下せる?
被告両名とも殺人罪が正当?
あと正当防衛と共同正犯がポイントだけどどんな諸説がある?

219 :
>>218
すまん思いじゃなくて重いだ

220 :
刑法各論講義案 第7講 財産上の利益(4)
「移転」要件で注目されるのは、詐欺罪における利益移転を巡る平成13年7月19日です。ここでは請負人が欺く行為により本来の支払時期より前に
請負代金を受領した事案につき「欺く手段を用いなかった場合に得られたであろう請負代金の支払と社会通念上別個の支払に当たるといい得る程度の
機関支払時期を早めたものであることを要する」としました。
次に、役務・サービスの非移転性について検討しますが、たとえば債権者殺害事例で被害者から行為者に債券それ自体が移転することは要求されていない
ことからも明らかなように、役務・サービスについてもそれ自体が移転することが要求されているわけではありません。
役務・サービスに関しても、被害者が役務・サービスを提供するという不利益と、行為者が役務・サービスを享受するという利益が対応すれば、
「移転」要件は充足されます(佐伯仁志)
なお、情報に関しても、それ自体は移転性を有しませんが、被害者が情報を秘匿できないことによる不利益と、行為者が情報を取得したことによる利益とが
対応する限り、「移転」要件は充足されます(林幹人)

221 :
刑法各論講義案 第7講 財産上の利益(5・完)
4 財物罪と利得罪の関係
財物を取得する過程で財物引渡しの約束がなされた場合に、財物罪とは別に利得罪を
成立させるべきか。判例においては、これを認めるものが多いのですが(昭和26年
9月28日、昭和43年10月24日など)、単なる口約束にとどまる場合は、利益
の「移転」は認められません。
財物を取得した後に、代金債券や返還請求権を暴行・脅迫で免れる場合については、
最高裁は、先行する詐欺罪または窃盗罪と強盗利得罪との包括一罪として重い後者の
刑での処断を認めています(昭和61年11月18日)
しかし、代金債権については、財物とは別個の保護に値しますが、返還請求権に
ついては、先行する窃盗罪においても「追求可能性の侵害」として既に考慮されて
おり、財物とは別個の保護に値するかは疑問の余地があります。その観点からすると
窃盗罪の成立と強盗利得罪の成立とを択一的なものと捉える見解(町野)を
支持すべきです。

222 :
刑法各論講義案 第8講 占有の概念(1)
1 はじめに
奪取罪たる財物罪(窃盗罪、強盗罪、詐欺罪、恐喝罪)については、財物の占有
が共通の犯罪内容となっています。
占有とは「物に対する事実上の支配」を云います。民法におけるそれと比べて
事実的色彩が強く、「自己のためにする意思」(民法180条)は必要ではなく、
他人のための占有も含みます。他方、代理人による占有・間接占有(民法181条)、
占有改定(民法183条)のような観念的な占有は認められません。また、相続
による占有の継承ということもありません、
財物に対する事実上の支配が認められるためには、「占有の事実」という客観的
要素と、「占有の意思」という主観的要素が備わる必要があります。ただし、
「占有の意思」は、事実的支配を補充し、その有無を判断するに際して補助的
役割を果たすに過ぎません。
占有の問題点としては、そもそも占有が存在するか否かという「占有の有無」
の問題のほか、占有の主体は人であるにしても、外観上、複数の人の支配が
存在するかに見える場合に、どの人に占有が帰属するかという「占有の帰属」
の問題も重要です。
なお、横領罪における占有はこれから若干ずれることに注意しなければなりません。
それは、横領罪の占有は、事実上の支配のみならず、「法律上の占有」も含む
ということです。詳しくは横領罪の講義で論じます。

223 :
公共社会学の編者三人は、
テレビで会見するか、2chの社会学板で実名で書き込むかでもしない限り、
世界詰むぞ。
今日の中小企業増加のニュースだって、
盛山和夫の経済成長本、
上野千鶴子のサバイバル本、
武川正吾の政策志向の社会学と、
密接に関係していることくらいわかるはずだろ。
ま、2chで実名よりは、三人ならんで、パルコだったかのように、
nhkあたりで会見することからはじめれば?

224 :
平穏占有説から考えると盗まれたチャリが盗んだ奴の家に止まってて、勝手に取り返した場合どうなるんだよ。
というか元ヴェテさんはいないのか?

225 :


226 :
test

227 :
刑法各論講義案 第8講 占有の概念(2)

2 事実上の支配

Fさん、【百選27】(昭和32年11月8日)の判旨を読んで下さい。
有難うございました。
このように、公共の場所に放置した場合であっても、一定の客観的状況のもとに占有者の支配が
場所的・時間的に延長されていることが推知しうる範囲内に置かれた物は、その物に対する支配力
が客観的に延長され、その物に対していつでも影響可能ですから、占有された物と云えます。
ところが、スーパーの6階のベンチの上に財布を置き忘れたが、約10分後に地下1階で思い出し
引き返したが、盗まれていたという事案では「客観的にみて、被害者の本件札入れに対する支配力
が及んでいたとはたやすく断じ得ない」として占有は否定されました(東京高裁平成3年4月1日)
村役場の事務室内(大正2年8月18日)、電車・列車内(大正10年6月18日、大正15年11月2日)
等のように、一般人の出入りが自由であって排他的支配が十分に及んでいない場所に置き忘れた物
については、直ちにその管理者の占有に移るわけではありません。この場合、車掌の支配が及ばない
ので、占有離脱物となります。
公衆電話機内に残された硬貨について電話局長の管理が認められるとする判例(東京高裁昭和
33年3月10日)には疑問があります(西田・山中)

3 占有の意思

占有の意思とは、財物を事実的に管理支配する意思です。
自宅内にある財物、不在中に自宅の郵便箱に配達された郵便物についても占有の意思は
認められます。
不断の意識を要せず、潜在的占有意思で足りますから、就寝中や仕事に熱中しているとき
にも占有の意思は認められます。

228 :
刑法各論講義案 第8講 占有の概念(3)

4 占有の主体

(1)法 人
占有の主体は自然人に限られるのか、法人も含むのかについては争いがあります。
@法人は占有の主体にならないとする見解は、法人の所有物については、その機関である代表者
自身が法人のためにそれを占有するものと解します(大塚)
Aこれに対して、肯定説は、法人もその機関である代表者を通じて占有することができるものと
解します(大谷)
刑法上の占有について、代理占有・占有改定を否定するのであれば、機関による法人の占有は
否定すべきでしょう。

(2)死者の占有
これについては、第1講で述べました。

5 占有の帰属

(1)上下・主従関係
判例は、下位の者が、財物を領得した場合には、窃盗罪が成立するものとしています。
学説は、財物の保管・管理につき、@上位者が、現実の握持者である下位に立つ者を、監視し、
または、いつでも財物に対する支配が可能であり、下位に立つ者は、機械的な占有の補助者に
すぎない場合と、A上位者と下位者との間に高度の信頼関係があり、下位者が現実に支配する
財物につきある程度の処分権を有する場合とを区別し、@の場合には、占有は上位者に帰属
するが、Aの場合には、下位者が占有を有するとします(大塚・大谷)

229 :
刑法各論講義案 第8講 占有の概念(4・完)

(2)封緘物の占有

マイナーな論点ですが、一応触れておきます。
封を施され、または錠をかけられた包装物が委託された場合、、占有は、寄託者にあるのか、
受託者にあるのかが古くから争われています。
@判例と同様、包装物全体については受託者に占有があるが、在中物については寄託者にある
(二分説=大谷)
A包装物全体につき寄託者に占有がある(窃盗罪説=団藤・大塚・山口・山中)
B全体につき受託者に占有がある(横領罪説=中森)

受託者は占有補助者にすぎず、包装物全体につき寄託者に占有を認めるA説が妥当であると
思われます。

次講は財産犯のメインテーマである「本権説と占有説」です。

230 :
刑法各論講義案 第9講 本権説と占有説(1)

1 学説の分布

窃盗罪の保護法益をめぐっては、以前から、所有権その他の本権を保護法益とする@「本権説」
と、財物を所持している事実状態を保護法益とするA「占有説」(前田・大谷など)が対立して
きましたが、最近では、B「修正本権説」(平川・林幹人・曽根)、C「一応合理的理由のある占有説」
(西田・山口・山中)、D「平穏な占有説」(平野)などの中間説が有力となっています。

B修正本権説は、本権説を基礎としながら、私法上権利と認められていなくとも、占有を保持する
正当な権限が認められれば保護されるとする見解です。
C一応合理的理由のある占有説は、裁判時に正当な権限が認められなくとも、行為時に正当な
権限があると一応合理的理由をもって認められる場合には保護されるとする見解です。
D平穏な占有説は、占有説を基礎としながら、窃盗犯人の占有のように平穏でない占有を除外する
見解です。

注意が必要なことは、上記のどの見解を採るにせよ、本権と占有の双方が窃盗罪の保護法益に
含まれると解されなければならないことです。なぜなら、
@本権説から本権だけが保護法益で、占有侵害は単なる行為態様にすぎないと解することは、
242条の規定にそぐわず、横領罪との区別の点でも疑問があり(山口)
また、A占有説からも、占有の背後に存在している本権は、占有と並ぶ保護法益と解されなければ
なりません。そうでなければ、窃盗犯人による盗品の事後処分が不可罰的事後行為とl解されて
いることや、親族相盗例(244条)における親族関係が所有者と占有者の双方に必要と解されて
いることが(平成6年7月19日)、説明できなくなるからです。
窃盗罪の保護法益をめぐる議論は、242条にいう「占有」の意義の解釈として現れてきます。

231 :
刑法各論講義案 第9講 本権説と占有説(2)

2 判例の変遷

戦前の判例は、242条の規定は、占有者が適法な占有権をもって所有者に対抗しうる場合に限り
適用があるとして@本権説的な立場に立っていました。
その代表的な判例である大正7年9月25日は、法律に違反して担保に供した恩給証書を債務者が
債権者から欺く手段を用いて取り戻したという事案について、債権者は恩給証書を所持する権利を
有していないから、債務者がこれを取り戻しても窃盗罪・詐欺罪は成立しないと判示しました。

これに対して、戦後の判例は、A占有説的な立場に立っています。
まず、判例は、盗品や隠匿物資を所有者以外の者が奪取した事案について、社会の法的秩序を
維持する必要から、物の所持という事実上の状態それ自体が独立の法益として保護されると判示
して奪取罪の成立を認めました(昭和24年2月8日、昭和24年2月15日)
さらに、昭和34年8月28日は、法律に違反して担保に供した国鉄年金証書を債務者が欺く手段を
用いて取り戻した事案について、大正7年の上記大審院判例を変更して、詐欺罪の成立を認め
ました。
比較的最近の判例としては、平成元年7月7日が、買戻約款付自動車売買契約による金銭の貸付
を行っていた貸主が、借主が占有する自動車を承諾なしに引き揚げた、という事案について、仮に
借主の買戻権喪失により貸主に自動車の所有権があったとしても、窃盗罪が成立すると判示して
います。
もっとも、戦後の判例が窃盗罪等の奪取罪の成立を認めてきた事案は、B修正本権説やC一応
合理的理由のある占有説からもその結論を支持しうるものであることに注意が必要です。

232 :
刑法各論講義案 第9講 本権説と占有説(3)

3 占有説の問題点

占有説は、自力救済を禁止して社会秩序を維持しようとする見解だと云えます。しかし、窃盗罪は、
社会の平穏を侵害する罪ではなく財産犯なのですから、保護に値する財産的利益のない占有まで
刑罰で保護すべきではありません。
占有説は、占有それ自体を保護に値する財産的利益と考えているのかもしれませんが、民事判例
(昭和40年3月4日)が、占有回収の訴え(民法200条)に対して本権に基づく反訴を提起することを
認めていることに示されているように、所有者との関係で占有それ自体が法的保護に値する財産的
利益といえるかは疑問です。

占有説の論者は、構成要件レベルで窃盗罪を認めても、実質的違法性判断のレベルで行為者側の
事情を考慮すれば、妥当な結論を得ることができると主張しますが(前田・香城元判事)、このような
違法レベルでの解決には以下のような疑問があります。
まず、自救行為による違法性阻却は、実務上きわめて限定された範囲でしか認められておらず、
処罰範囲を適切に限定できるか疑問があります。
仮に、占有説の論者が、所有者による物の取り返しに広く違法性阻却を認めるべきだと考えている
のであれば、そのような限定は、窃盗罪の構成要件の解釈として行われるべきです(西田・林幹人)
犯罪構成要件を実質的に解釈して、これを保護に値する利益の侵害類型に限定すべきことを強調
する前田教授が占有説を採るのは「奇妙なことである」という批判(中森)は当たっていると思われます。

233 :
刑法各論講義案 第9講 本権説と占有説(4)

4 本権説の問題点とその修正

本権説に対しては、現代では民事法上の権利関係が複雑になっているので占有説を採らなければ
ならない、という批判がよくなされます。しかし、民事の権利関係が複雑になったから民事紛争に
刑法が積極的に介入しなければならない、ということにはなりません。むしろ、複雑な民事紛争に
刑法が介入することにはより慎重でなければならないというのが通常の健全な政策判断だと
思われます。
もっとも、民事法上の権利関係が複雑になった結果、厳密には権利とまでは云えなくとも正当な
法的利益として認められるべき場合が増えていることは確かであり、修正本権説が、占有の背後に
ある利益が、権利とまでは云えないものであっても、民法上適法なものであれば刑法で保護される
として本権説を拡張lするのは、このような考慮に基づいています。
このような拡張は妥当なものであり、現在の本権説の論者のほとんどは、修正本権説を採っています。
修正本権説からは、占有者に清算の利益や同時履行の抗弁権のような保護に値する利益が存在
すればその占有は保護されるので、恩給証書・年金証書や平成元年決定の事案は、修正本権説
からもその結論を是認することができるでしょう。

234 :
刑法各論講義案 第9講 本権説と占有説(5・完)

本権説・修正本権説のもう一つの問題点は、これらの見解が民事法上の実体的権利・利益を問題に
しているため、刑事裁判においてそのような権利・利益の存在が確定されなければならないことに
あります。しかし、最高裁はこのような考え方を否定しました(昭和61年7月18日)
本決定は、建造物損壊罪(260条)における「他人の」(建造物)の意義に関して、「他人の所有権が
将来民事訴訟等において否定される可能性がないということまでは要しない」として、財産犯の成否
を民事関係とは区別して判断する態度を示したのです。

5 個々の問題の解決

禁制品の窃取については、禁制品は、国家が正当な手段によって押収・没収できるにすぎませんから
その占有は刑法で保護するに値すると解され、どの見解からも窃盗罪の成立が認められます。

第三者による窃盗犯人からの窃取については、所有権の再度の侵害として窃盗罪の成立を認める
見解がありますが(西田)、窃盗罪は、単なる所有権の侵害罪ではないので、所有権の再度の侵害
だけで窃盗罪の成立を認めることはできません。
窃盗犯人も盗品を所有者に返還する義務があるのですから、第三者との関係では、占有することに
正当な利益を有していると解して、窃盗罪の成立を認めるべきです(中森・山口・林幹人)

235 :
刑法各論講義案 第10講 不法領得の意思(1)

1 はじめに

Gさん、【百選29】(大正4年5月21日=教育勅語事件)の(事実の概要)と(判旨)を読んでください。
有難うございました。
この「権利者を排除し、他人の物を自己の所有物として、その経済的用法に従い、これを利用しまたは
処分する意思」を講学上「不法領得の意思」といいます。
このように、窃盗罪の主観的要件として、故意に加えて「不法領得の意思」を要求するのが一般的です。
大正初期の判例ながら今でも立派に通用しています。
前半の「権利者排除意思」は、軽微な無断一時使用(使用窃盗)を窃盗罪から除外する機能をもちます。
後半の「利用・処分意思」は窃盗罪と利用妨害を目的とする毀棄・隠匿罪とを区別する機能をもちます。
以下、単に「排除意思」、「利用意思」と呼びます。

2 学説の分布

@判例と同様、「排除意思」と「利用意思」の双方を必要とする見解(平野・大谷・中森・西田・山口・山中)
A「排除意思」のみを要求する見解(団藤)
B「利用意思」のみを要求する見解(前田)
C不法領得の意思不要説(大塚)
私見は、後述のとおり、判例と同様、排除意思と利用意思を必要とする@説を支持します。

236 :
刑法各論講義案 第10講 不法領得の意思(2)

3 使用窃盗との区別

「使用窃盗」とは、たとえば、他人の自転車を無断拝借し、公園を1周して元の場所に戻すような場合
を云います。「排除意思」を有していないがために一般的に不可罰とされます。正確に云うと、形式的
には窃盗罪の構成要件に該当しますが、軽微な占有・所有権侵害を処罰範囲から排除しようとする
「可罰的違法性」の考え方が採られ、一般的に不可罰とされるのです(山口)

判例は当初、使用窃盗としての不可罰の基準を「返還意思」の有無に求めていました。すなわち、
大審院は、自転車の無断使用に関し、自己の所持に入れた際に、一時使用の意思しかないときは
窃盗罪を構成しないが、「乗り捨ての意思」(返還しない意思)のときは不法領得の意思が認められる
としました(大正9年2月4日)。強盗犯人が逃走のため他人の船を「乗り捨ての意思」で利用した事案
について不法領得の意思を肯定した最高裁判例(昭和26年7月13日)も同様の考え方を採るものです。
しかし、その後の判例においては、返還意思のある無断一時使用についても、不法領得の意思を肯定
する方向が主流になっています。

237 :
刑法各論講義案 第10講 不法領得の意思(3)

Hさん、【百選30】(昭和55年10月30日)の(事実の概要)と(決定要旨)を読んでください。
有難うございました。
本決定は「たとえ、使用後に、これを元の場所に戻しておくつもりであったとしても、被告人には右
自動車に対する不法領得の意思があったというべきである」と明確に述べています。
I さん、【百選31】(東京地裁昭和59年6月28日)の(事実の概要)と(判旨)を読んでください。
有難うございました。
これは、ファイルのコピーを持ち出し、7時間後に返却したという事案ですが、不法領得の意思を
肯定しています。

このような判例の変化に対応して、学説でも使用窃盗を原則的に可罰的と解し、この関連では不法
領得の意思を不要とする見解が有力となっています(2のB説およびC説)。ただ、この見解も(前田・
大塚)、客観的に被害が軽微な場合には占有の侵害または可罰的違法性を否定するkとにより、
窃盗罪の成立を認めません。
しかし、無断一時使用の場合に占有の侵害(移転)を否定することは困難です。無断一時使用を
一定限度不可罰とする限り、「主観的違法要素」としての不法領得の意思の必要性は否定しえない
と思われます。


238 :
刑法各論講義案 第10講 不法領得の意思(4)

4 毀棄・隠匿罪との区別

まず、毀棄・隠匿罪との区別の必要性から検討します。
この関係で不法領得の意思を不要とする見解は(2のA説およびC説)、占有の取得により財物の
利用可能性が生じたことで足りること(曽根)、毀棄も所有権者でなければできない行為であること
(団藤)を理由とします。
しかし、この見解によれば、まず、器物損壊罪(261条)は財物の占有を奪わずに損壊した場合にしか
認められませんし、占有を奪って隠匿する行為もみな窃盗罪とせざるを得ないという不合理な解釈を
認めざるを得ないことになります。

さらに、この見解は、窃盗罪(懲役10年)と器物損壊罪(懲役5年)の法定刑の差異を説明できません。
法益侵害という点では、回復可能性のない器物損壊罪の方が大きいとも云えるのに、窃盗罪が
器物損壊罪よりも重く処罰されるのjは、財物を利用しようとする動機・目的の方がより強い非難に
値し、また、一般予防の見地からも抑止の必要性が高いからなのです。

だとすれば、同じ占有侵害行為であっても、それが利用可能性の取得と利用妨害のいずれを目的と
するかという主観によって窃盗罪と器物損壊罪を区別せざるを得ないのです。したがって、この意味
での不法領得の意思は「主観的責任要素」だといえます(平野・大谷・山口)

以上から、やはり、「利用意思」も必要だということになります。

239 :
刑法各論講義案 第11講 事後強盗罪をめぐる諸論点(1)

1 はじめに

窃盗行為の後に暴行・脅迫が加えられることが多いという刑事学的実態を考慮して、この類型を
強盗(236条)と同じく処断するというのが本罪(238条)の立法趣旨です。
本罪については、@主体は「窃盗」とされているが、これは身分犯なのか、A窃盗行為と暴行・脅迫
の時間的・場所的接着性如何、B事後強盗罪にも予備罪(237条)の成立が肯定されるのか、
といった点が問題になります。

2 身分犯か結合犯か

学説・裁判例は分かれています。
@真正身分犯説(大阪高裁昭和62年7月17日、前田)
A不真正身分犯説(東京地裁昭和60年3月19日、大塚・大谷)
B結合犯説(中森・西田・山口・山中)

暴行・脅迫のみに関与した者の罪責は、@説によると事後強盗罪の共犯となり、A説によると
暴行・脅迫罪の共犯となり、B説によると承継的共犯の問題となります(承継的共犯肯定説からは
事後強盗罪の共犯となり、承継的共犯否定説からは、暴行・脅迫罪の共犯となります)

@説は、法文に最も素直な解釈ですが、少数説にとどまっています。
A説は、冒頭で述べた刑事学的実態に着目し「人身の安全の保護の観点から、暴行・脅迫の加重
類型を設け、強盗罪に準ずる犯罪としたもの」(大谷)としますが、その前提自体に疑問があります。
事後強盗罪もやはり財産犯であり、人身の自由に対する罪ではないからです。
また、主体の要件により本罪の既遂・未遂が決定されるのは不合理であり、本罪は身分犯ではないと
解すべきです。すなわち、強盗罪と同じように、窃盗罪と暴行・脅迫罪の結合犯であると解されます。

240 :
刑法各論講義案 第11講 事後強盗罪をめぐる諸論点(2)

3 窃盗の機会

判例上、古くから、事後強盗罪における暴行・脅迫は、どの時点で行われる必要があるのかという
点は、しばしば争われてきました。ところが近時、最高裁において、「窃盗の機会」を肯定する判例
(平成14年2月14日)と、それを否定し、事後強盗罪を否定した判例(平成16年12月10日)が
登場し、「窃盗の機会」がクローズアップされています。

Jさん、【百選40】(平成16年12月10日)の(事実の概要)と(判旨)を読んでください。
有難うございました。
これに対し、平成14年2月14日は、窃盗犯人が他人の居宅内で財布を窃盗後、窃盗の犯意を
持ち続けて天井裏に潜み、約3時間後に駆けつけた警察官に逮捕を免れるために暴行を加えた
事案につき、窃盗の機会継続中であるとしたものです。

判例理論を要約すると、本罪の暴行・脅迫は、「窃盗の機会」すなわち窃盗の現場およびその
継続的延長と見られる場所、または犯人を逮捕しうる状況のもとで加えられることを要するが
必ずしも窃盗の現場で暴行・脅迫が加えられる必要はなく、「現場の継続的延長と見られる場所」
ないし「現場またはその機会の継続中」に行われれば足りる、ということになります。

241 :
刑法各論講義案 第11講 事後強盗罪をめぐる諸論点(3・完)

4 事後強盗罪の予備罪

たとえば、住居に忍び込んで窃盗をはたらき、家人に発見されたら暴行を加えて盗品の取り返しを
防いで逮捕を免れようと企て、凶器として登山ナイフを携帯して住居を物色中、巡回中の警察官に
発見され逮捕されたという場合、強盗予備罪は成立するでしょうか。
「強盗の罪を犯す目的」(237条)に事後強盗(238条)の目的が含まれるか、という問題です。

判例は、これを肯定しています。Kさん、【百選41】(昭和54年1月19日)の(事実の概要)と
(決定要旨)を読んでください。
有難うございました。

学説は、肯定説(団藤・大谷・前田・山口・山中)と否定説(大塚・中森・西田)に分かれます。
否定説は、
@事後強盗罪(238条)の規定が予備罪(237条)の規定より後にあること
A実質的に現行法上不可罰な窃盗の予備を処罰することになること
を論拠として挙げます。しかし、
@昏睡強盗(239条)の目的で睡眠薬を準備するのも本罪に当たると考えざるを得ないから
 条文の位置は決定的ではない
A?発見される可能性が高い場所で窃盗をはたらく目的で凶器を準備する場合
  ?発見されたら暴行・脅迫を加えるという確定的目的で凶器を準備する場合
のように、準強盗の目的であっても、その意図が強固である場合には強盗行為に至る可能性が
高いので、強盗予備罪に当たると解すべきであり、肯定説が妥当です。

242 :
刑法各論講義案 第12講 詐欺罪における「処分行為」の意義(1)

1 処分行為の要件

詐欺罪(246条)および恐喝罪(249条)の構成要件においては、財産処分の(法的・事実的)権限を
持つ者の任意の意思(ただし、瑕疵ある意思)に基づき行為者側において財物または財産上の利益
が取得されることが予定されています。財産の任意の提供行為、すなわち、財産的処分行為が犯罪
成立のための共通の要件とされているのです。

詐欺罪の構成要件の中で、「処分行為」は、「欺く行為」およびそれに基づく「錯誤の惹起」と、
行為者側の「財産の取得」を結びつける要件です。すなわち、
  欺く行為⇒錯誤⇒処分行為⇒詐取
という因果系列が予定されているのです。

詐欺罪は、被害者側の処分行為が要件とされる点で、被害者の意思に反して財物の取得が行われる
窃盗罪と区別されます。
また、財産上の利益を客体とする場合については、処分行為が否定されればその行為については
不可罰となります。

243 :
刑法各論講義案 第12講 詐欺罪における「処分行為」の意義(2)

2 処分行為の要否ー窃盗罪との区別

1項詐欺罪では、処分行為のことを「交付」と呼んでいます。
判例では、古物商店で顧客を装い、上衣を通させてくれと言って交付を受け、手を通して着ても、
上衣の占有はまだ行為者に移転しておらず、その上衣を着たまま逃走すれば、窃盗罪が成立すると
したものがあります(広島高裁昭和30年9月6日)。これは、被害者の任意の交付に基づいて財物の
占有が移転したことを否定して窃盗罪としたものです。
逆に、自動車販売店で、車の試乗を装ってそのまま乗り逃げする行為は詐欺罪を構成するとした
裁判例があります(東京地裁平成3年8月25日)。これは被害者が被告人に単独試乗を認めた
時点で車に対する占有が被害者の意思により被告人に移転していることを理由として詐欺罪の
成立を肯定したものです。

2項詐欺罪(詐欺利得罪)における処分行為の内容としては、
@何らかの債務を負担すること
A債務の履行として役務を提供すること
B一定の給付を債務の履行として受け取ること
C債務を免除すること
D債務の弁済の延期を認め、または履行の請求を猶予すること
などがあります。

244 :
刑法各論講義案 第12講 詐欺罪における「処分行為」の意義(3)

3 いわゆる無意識的処分行為

処分行為は意識的なものに限るか、それとも無意識的なもの(すなわち、自己の行為が処分の
意味を持つことを意識していない場合)でよいかが問題となります。

1項詐欺罪については、処分行為は財物の占有移転のことであるから、客観的な占有移転の事実が
あればよいのか、それに加えて処分行為者において占有移転を認識していなければならないのかが
問われます。
処分意思必要説によると、財物の占有が行為者側に移転することを処分行為者に認識させない場合、
たとえば、スーパーマーケットで商品の一部を隠してレジを通過したものについては代金を支払わな
.かった場合などには、詐欺罪ではなく窃盗罪となります。

2項詐欺罪については、処分意思必要説によると、@被害者において債権が存在しないと誤信させて
履行の請求を思いとどまらせるとき、2項詐欺とはなりません。したがって、利益窃盗となって不可罰
となります。また、A別の文書と誤信させて契約書にサインさせる場合にも(私文書偽造になりうると
しても)、2項詐欺罪の成立は否定されます。

245 :
刑法各論講義案 第12講 詐欺罪における「処分行為」の意義(4・完)

これまでの判例は、処分行為について、主観的要件として「処分の意思」、客観的要件として「処分
の事実」を要求し、無意識的な処分行為を認めない立場を採ってきました。すなわち、無銭飲食・
無銭宿泊のケースにつき、債券の支払を免れることによって財産上不法な利益を得たというためには
債権者を欺いて債務免除の意思表示をさせることが必要であり、単に逃走して事実上の支払を
しなかったというだけでは足りないとしました(昭和30年7月7日)

学説では、無意識的処分行為を認める処分意思不要説も有力です(平野・大塚・大谷・中森・西田)
この見解を採るかどうかは、財物が客体である場合には、詐欺か窃盗かの処罰範囲の振り分けに
すぎませんが、財産上の利益については、この見解によるときはじめて行為者を処罰することが
できます。

しかし、少なくとも1項詐欺罪については、被害者側において事実上の占有移転について意識的
であることを要求しなければ、従来のように窃盗罪との区別が不可能となってしまいます。
同様に、2項詐欺罪についても、処分意思の要件を緩和することは不可避であるとしても、処分
意思を一切不要と解することはできないと思われます(同旨:前田・山口・山中)

246 :
刑法各論講義案 第13講  クレジットカードの不正使用(1)

1 問題の所在

代金支払の意思能力を欠く会員Aが、カード加盟店Bにおいて、カード会社Cから貸与された自己名義
カードを提示し売上表に自署したうえ、B店員から商品の交付を受けた場合に詐欺罪が成立する
でしょうか。
その場合、交付者・被詐欺者・被害者は誰でしょうか。
交付された財産は、商品(1項)、債務の免脱・立替払(2項)のいずれでしょうか。
なお、以上は「立替払説」による説明ですが、他に、加盟店が会員に対して有する債権をカード会社に
譲渡すると解する「債権譲渡説」ないし「債務引受け説」があります。

2 詐欺罪成立否定説

この場合、BはいずれにせよCから立替払いを受けられるわけですから、AがCに対する支払意思を
持たないとしても、Bに対する詐欺行為およびBの錯誤は存在しないとして詐欺罪の成立を否定する
見解もあります。
しかし、もし、BがAに支払いの意思・能力がないことを知っていた場合には、BC間に立替払いの契約
があるとはいえ、Cは信義則違反を理由に支払を拒絶しうるというべきです。そうだとすれば、BはAの
支払いの意思・能力に無関心ではありえず、その点についての詐欺・錯誤を認めることは可能だと
思われます。
判例も「会員が後日クレジット会社に対し代金および利息(あるいは手数料)を支払う意思及び能力
について、販売店としても関心を持たざるをえないことは明らか」であるとしています(東京高裁昭和
59年11月19日)

3 1項詐欺説

まず、加盟店Bが被詐欺者であり、かつ被害者であるとして1項詐欺を認める見解があります。
(福岡高裁昭和56年9月21日:大塚・大谷)
もっとも簡明な構成ですが、Bは立替払いによって損害を被らない以上、被害者といい得るかという
点で疑問が残ります。

247 :
刑法各論講義案 第13講  クレジットカードの不正使用(2・完)

4 2項詐欺説

そこで、Aが加盟店Bを介してカード会社Cを詐欺し、Bに立替払いをさせて利得したとして2項詐欺罪
の成立を認める見解が現れました(藤木)
しかし、Cは欺かれたことを知っていても立替払いをせざるをえませんから、そこに錯誤に基づく処分
行為を認めることは困難です。

5 三角詐欺説

こうして、現在では、Bを被詐欺者・処分行為者、Cを被害者とする三角詐欺の構成が有力です。

(1)会員が商品を得て、カード会社が債務を負担したことにより損害を受けたので、商品を購入した
時点で2項詐欺が既遂になるとする見解(中森)
【批判】
商品の取得と債務の負担が表裏の関係にないので、詐欺行為者が得た利益と被害者が被った損害
とが「素材同一性」の関係になければならないという要請に反する。

(2)カード会社が加盟店に立替払いをしたことにより行為者が債務の支払を免れ、その既遂時期を
商品購入の時点とする見解(西田・前田)
【批判】
まだ立替払いも債務の支払いの免脱もない時点で、財産的損害の発生の危険が認められるだけで、
既遂を肯定することはできない。

(3)加盟店は売上票をカード会社に送付したことにより、加盟店にカード会社のため「その財産を
処分しうる機能または地位」が認められるが、加盟店は、第三者たるカード会社に「代金相当額の
支払いを受ける地位」を与えるという交付を行ったととらえ、かくして、第三者に財産処分を受ける
「地位」を交付させた2項詐欺であるとする見解(山口)
【批判】
「地位」を得ることが財産上の利益の移転ではない。詐欺罪は、財産に対する侵害犯であり、「地位」
を得ただけでは既遂にならない。

6 私 見

三角詐欺説のいずれもが難点がある以上、これを採ることはできません。
かといって、否定説を採るのは明らかに常識に反します。
私見は保留ということにしておきます。

248 :
刑法各論講義案 第14講  不法原因給付と詐欺・横領(1)

1 はじめに

民法の講義で学習したかと思いますが、民法708条本文は「不法な原因のために給付をした者は、
その給付をしたものの返還を請求することができない」と定めています。
たとえば、賭博のために金銭を給付することは不法原因給付にあたり、給付者は金銭の返還を請求
することができなくなります。
では、人を欺いて不法原因給付にあたる交付をさせた場合、詐欺罪は成立するのでしょうか。あるいは
不法原因給付物を被給付者がほしいままに領得した場合、横領罪は成立するのでしょうか。

この問題については、判例は、戦前から一貫して詐欺罪・横領罪の成立を認めてきました。
ところが、不法原因給付物の所有権は被給付者に帰属すると判示した民事判決(昭和45年10月21日)
が現れ、横領罪に関しては、判例を維持できないのではないかとの疑問が生じました。給付物の
所有権が被給付者に移るのであれば、被給付者にとってはそれは「他人の物」とはいえないはず
だからです。
他方、詐欺罪については、学説は肯定説が通説の地位を占めています。

249 :
刑法各論講義案 第14講  不法原因給付と詐欺・横領(2)

2 不法原因給付と詐欺

(1)判 例

判例は、旧刑法の時代から肯定説の立場を堅持しています。
Lさん、【百選44】(昭和25年7月4日)の(事実の概要)と(判旨)を読んでください。
有難うございました。
この判決では「其返還又は損害賠償をすることができない場合であっても詐欺罪の成立をさまたげる
ものではない」と明確に述べられています。
最高裁は、その後も、たとえば、売春をすると偽って前借金を詐取した事案について、詐欺罪の
成立を認めています(昭和33年9月1日)

(2)学 説

通説は、理由付けこそ異なるものの、詐欺罪の成立を認めています。
@刑法の独自性を強調し、民法上保護されない財産であっても刑法で保護してよいとする見解
 (藤木・前田)
 【批判】刑法の謙抑性あるいは法秩序の統一性の見地から疑問がある。
A交付される財物・利益それ自体には何らの不法性もない点に根拠を認める見解
 (多数説:平野・大塚・中森・山口)
 【根拠】被害者には不法な目的があるとはいえ、交付前の財物・利益は民法上保護された適法な
 財産である以上、これを詐取すれば財産侵害が生じ、詐欺罪が成立する。
B行為者が不法の原因を作り出したのであるから、民法708条但書が適用され、返還請求が
 認められるとする見解(大谷・西田)
 【根拠】不法原因給付の成立を認めると、給付物に対する被害者の追求権が否定され、盗品等
 に関する罪が不成立となってしまう。

250 :
刑法各論講義案 第14講  不法原因給付と詐欺・横領(3・完)

3 不法原因給付と横領

(1)民事判例の影響

Mさん、【百選60】(昭和23年6月5日)の(事実の概要)と(判旨)を読んでください。
有難うございました。
このように、判例は、大審院時代から、一貫して、不法原因給付に基づいて委託された物をほしい
ままに領得する行為について、横領罪の成立を認めてきました。
ところが、前述の民事判決(昭和45年10月21日)が、不法原因給付物の所有権は、給付者が
給付物の返還を請求できないことの反射効として被給付者に帰属すると判示したため、それまでの
刑事判例の理由づけを維持できるかについて疑義が生じました。

(2)学 説

学説は、詐欺罪の場合と異なり、現在は、不法原因給付物について横領罪は成立しないとする
見解が多数を占めています(団藤・大塚・平野・中森・山口)

(3)不法原因委託(寄託)?

西田博士は、不法の原因に基づく「委託」も、民法708条にいう「給付」にあたるのかを問題とします。
そして、民法理論によれば、「給付」とは、終局的な利益の移転をいい、麻薬の購入や贈賄といった
不法な目的に基づき金銭を委託するのは、「委託」であって、「給付」にはあたらず、なお返還請求権
があると解されます。この見地からは、不法原因「委託」の場合、なお横領罪の成立が認められる
ことになります。
大谷博士も、不法原因「寄託」物については横領罪が成立するとされています。

このような考え方については、「給付」と「委託」ないし「寄託」とを明確に区別することができるのか
という批判が加えられています(山口・佐伯)

251 :
刑法各論講義案 第15講  権利行使と恐喝(1)

正当な債権を有する者が恐喝の手段を用いてその弁済を受けた場合に恐喝罪が成立するか
という問題です。

1 判例の変遷

(1)戦 前

明治期の判例は、権利の有無を問わず恐喝罪の成立を認めていました。
しかし、大正初期には、権利の行使に名を借りた場合には恐喝罪が成立するが、権利の行使と
いえる場合には恐喝罪の成立を否定し脅迫罪の成立のみを認める態度に転じました。
(大正2年12月23日、昭和5年4月26日など)

これらの判例の立場は、次の4点にまとめられます。
@権利の範囲内で恐喝の手段で財物・利益を取得しても、恐喝罪は成立しない。
A権利の範囲を超過した場合には、可分な債権なら超過部分についてのみ、不可分な債権なら
 全体について恐喝罪が成立する。
B権利行使の意思ではなく、これに仮託したにすぎない場合には、全体について恐喝罪が
 成立する。
C権利行使の手段が法律の認める範囲を超えるなら、脅迫罪が成立しうる。

判例は永らく、この枠組みで問題を解決してきました。
つまり、本権説をベースに解決が図られていたのです。

252 :
刑法各論講義案 第15講  権利行使と恐喝(2)

(2)戦 後

戦後に入ると判例は変化し始めます。すなわち、権利の範囲内であっても、債務者の忍容すべき範囲
を超えている場合には恐喝罪の成立を認める事案が少しずつ増えてきたのです(昭和27年5月13日、
東京高裁昭和28年6月20日)
Nさん、【百選58】(昭和30年10月14日)の(事実の概要)と(判旨)を読んでください。
有難うございました。
従来のAの原則を否定し、6万円全体について恐喝罪の成立を認めた点が重要です。
本判決以降、権利行使であっても、それが社会通念上一般に忍容すべきものと認められる程度を
超える場合には、恐喝罪が成立するという判例が急増しました。

判例の枠組みを前提とすると、本権説に代わる恐喝罪の成立を絞り込むあらたな枠組みが必要に
なります。この方向を示した判例として注目すべきものが、ユーザーユニオン事件判決(東京高裁
昭和57年6月28日)です。
同判決は、乗用車の欠陥に基づく自動車会社に対する損害賠償請求権につき相当の理由(資料)
をもって確信した者が、示談交渉に際して、権利実現のために多少の脅迫的言動を用いたとしても
それが権利行使の方法として社会通念上忍容すべきものと一般に認められる程度内である限り
恐喝罪は成立しないとし、権利の存在を誤信した場合の恐喝罪の成否の問題について、1つの
基準を示しました。

253 :
刑法各論講義案 第15講  権利行使と恐喝(3・完)

2 学 説

このような判例の変化に対応して、学説でも、恐喝罪肯定説が支配的となっています。
(大塚・大谷・前田・山口)
すなわち、現に所持する財物を交付した以上、財産上の損害は否定されないから、@権利の範囲内
であること、A実力行使の必要性があること、B手段が社会通念上相当であること、という要件が
みたされる場合にのみ恐喝罪の違法性が阻却されるとします。
しかし、債務者の側に@期限の利益、A同時履行の抗弁権、B清算の利益等の保護に値する利益の
ある場合を除けば、権利の行使が債権の範囲内にとどまる限り、債務者に財産j上の損害はないと
いうべきでしょう。

ところで、財物の交付をもって直ちに財産上の損害とするのは、損害概念をあまりにも形骸化する
ものです。したがって、少なくとも恐喝罪の成立は否定すべきです。
もちろん、手段の違法性は放置されるべきではありませんから、その程度によっては暴行罪・脅迫罪
の成立は認められます(中森・西田・山中)。しかし、その場合も、そのような手段の必要性と相当性
がある場合には、なお違法性阻却の可能性が認められるべきです。

254 :
刑法各論講義案 第16講  背任と横領の区別(1)

1 問題の所在

背任罪(247条)と横領罪(252条)とは、被害者との間の信頼関係を破るという意味では共通した
性格を有します。そこで、他人のために事務を処理する者(背任罪の主体)が、自己の占有する
他人の物(横領罪の客体)を不法に処分する行為は、背任罪にも横領罪にも該当する可能性が
あります。
ただし、@利益が客体である場合、およびA利得目的ではなく加害目的である場合には、横領罪は
成立しえず、背任罪のみが成立します。他方で、背任罪の事務処理者にあたらない者(機械的労務
に従事する者)の領得行為は、横領罪にのみ該当します。
したがって、背任罪と横領罪とは、一部が交差した2つの円の関係に立つことになります(平野・林)
この円の交差した部分につき両罪が成立する余地があり、その部分に関し背任罪と横領罪との区別
が問題となります。

現行法上、業務上横領罪の法定刑が10年以下の懲役であるのに対し、背任罪は5年以下、特別
背任罪でも懲役10年以下、・罰金1,000万円以下であり、業務上横領罪の方が重くなっています。
したがって、両罪が交差する部分については、横領罪が成立すれば背任罪は成立しません(法条
競合)。そこで、まず横領罪の成否、すなわち横領行為の有無が問題となります。

255 :
刑法各論講義案 第16講  背任と横領の区別(2)

2 横領行為の意義

「横領」の意義については、@越権行為説とA領得行為説が対立しています。
@越権行為説(前田)は、横領をもって委託信任関係の破壊と解し、行為者が委託に基づき占有して
いる他人の物に対し。委託の趣旨に反し、占有物に対して「権原を超えた」行為すなわち権限を逸脱
した行為が横領であるとします。
これに対して、A領得行為説は、横領をもって「自己の占有する他人の物」を不当に領得することであり、
不法領得の意思を実現するすべての行為を意味すると解します。
判例(大正6年7月14日、昭和28年12月25日)および通説(団藤・平野・大谷・西田・山口・山中)は
A領得行為説に立ちます。

3 背任行為の意義

背任罪の罪質については、古くは、代理権を有する者が、その権限を濫用して本人に損害を加える
ことという「権限濫用説」(瀧川)も主張されましたが、現在では、B背信説とC背信的権限濫用説
が対立しています。
B背信説(通説)は、本罪をもって信義誠実義務に違反して本人に財産上の損害を加えるところに
本質があるとする説です。それゆえ、背任行為は本人から委託された任務に違背する行為をその
内容とし、第三者に対する法律行為のみならず、たとえば、虚偽の事実を帳簿に記載するような
事実行為として本人に対する対内的関係において信任関係を侵害する場合も含むと説きます。
これに対して、C背信的権限濫用説(前田)は、背信説の基礎となっている信義誠実義務違反に
限定を加え、本人の事務を処理するについて、社会観念上付与されているとみられる権限を濫用
して行われる背信的義務違反の行為のみを背任行為とすべきであると説きます。

256 :
刑法各論講義案 第16講  背任と横領の区別(3)


4 両罪の区別

通説であるB背信説は、背任行為を信義誠実義務に反することと解します。
この立場からは、(A)客体が財物であれば横領罪、利益であれば背任罪となるとする見解が主張
されました(牧野)。しかし、金銭を背任罪の客体から除外することが困難である以上、この結論は
採りえません(林幹人)
横領罪の成立範囲こそが両罪を区別する限界であるとする現在の通説的見解によれば、従来の
ように背任罪の理解の違いににより両罪を区別するのではなく、むしろ「横領行為」の有無にこそ
区別の基準が認められるべきです(山口)

257 :
刑法各論講義案 第16講  背任と横領の区別(4)

横領行為の有無という観点からがは、行為態様により区別し、(B)権限の逸脱であれば横領罪が、
権限の濫用にとどまれば背任罪であるという見解が主張されています(前田)。横領罪の本質を
権限逸脱であると解するものですが、この見解に対しては、@越権行為説からの主張であって、
A領得行為説とは相容れないとする批判があります(西田)。批判説は、(C)財物についての横領が
横領罪であり、その他の背信行為が背任罪であるとします(平野・中森・西田)。しかし、横領行為に
「越権行為」の側面が含まれていることは否定しえません。

判例は、横領行為を「他人の物の占有者が委託の任務に背いて、その物につき権限がないのに
所有者でなければできないような処分をする意志」が外部に現れること(昭和24年3月4日)として
おり、これはA領得行為説を採用したものと理解されていますが、横領罪の主体は、「委託に基づく
占有者」である以上、通常は何らかの権限を有しています。与えられた権限外の行為をすることこそ
が、横領罪の一要素なのです。

権限逸脱・濫用で区別する(B)説も、財物の横領行為の有無で区別する(C)説も、結局は、横領罪の
限界を問題とする点では共通します。また、背任罪と横領罪は、与えられた権限と行為者の処分行為
との乖離の「量的な差異」によって区別されるのです(山口雅高裁判官)

5 判 例

判例は、本人の名義・計算か、自己の名義・計算かによって区別します。
Oさん、【百選66】(昭和9年7月19日)の(事実の概要)と(判旨)を読んでください。
有難うございました。
村の収入役が自己の保管する公金を自己の名義で他人に貸与したとき、業務上横領罪が成立する
とされたのに対し(昭和10年7月3日)、本事件は村長が自己の保管する金銭を本人の計算において
第三者に貸与した事例であり、背任罪が成立するとされました。

258 :
刑法各論講義案 第17講  放火罪をめぐる諸論点(1)

1 「現住性」の意義

108条の「現に人がいる」を「現在性」といい、比較的解釈が容易なのに対し、「現に人が住居に
使用し」は「現住性」といい、その射程が問題となります。
判例によれば、@「住居に使用し」とは起臥寝食の場所として日常使用することをいい(大正14年
2月18日)、A昼夜間断なく人が現在する必要はない(大正2年12月24日)とされています。
そして、B独居者が自己の住居に放火した場合(昭和7年5月5日)、C家人を全員殺害した後に
放火した場合(大正6年4月13日)には、本罪は成立しないとされています。

Pさん、【百選85】(平成9年10月21日)のi(事実の概要)と(決定要旨)を読んでください。
有難うございました。
108条の法定刑が極めて重いのは(殺人罪と同じ。死刑又は無期若しくは5年以上の懲役)、
人の生命に対する危険が生じうるからです。
本件事案では、被告人はもはやこれから従業員を宿泊させる意思を持っていなかったのであり、
B、Cの判例と同視しえますので、本決定には疑問があります(山口・林幹人)
なお、本決定に賛成する者として、西田・井田。

259 :
刑法各論講義案 第17講  放火罪をめぐる諸論点(2)

2 「焼損」の意義

1995年の刑法典の現代用語化により、「焼毀」という表現が「焼損」に改められました。
立案当局によると「内容の改正を伴う法改正は原則として行わない」とされ「焼毀」と「焼損」についても
「すべて火力により物をこわす意味」とされています。。
したがって、「焼毀」をめぐる学説の対立は、そのまま「焼損」についても引き継がれることになります。
Qさん、【百選82】(昭和25年5月25日)の(事実の概要)と(判旨)を読んでください。
有難うございました。
このように、判例は一貫して@独立燃焼説に立っています。

@独立燃焼説(団藤・藤木・中森・西田、なお山口)
  火が媒介物を離れて、目的物が独立に燃焼を継続する状態に達すれば足りる。
 【批判】既遂時期が早すぎ、中止犯の成立範囲がほとんどない。
A効用喪失説(曽根)
 火力により目的物の重要部分が消失して、その本来の効用を失ったことを要する。
 【批判】既遂時期が遅すぎるうえ、財産損害の側面を強調しすぎている。
B重要部分燃焼開始説(燃え上がり説:平野、なお前田)
  その重要部分が燃焼を始め、容易に消しがたい状態に達したことを要する。
 【批判】重要部分の燃焼とはどのような燃焼を指すのかが不明確である。
C一部損壊説(毀棄説:大塚・大谷)
 火力により目的物が毀棄罪にいう「損壊」の程度に達したことを要する。
 【批判】財産侵害の側面から公共の危険を考えるのは妥当でない。

260 :
刑法各論講義案 第17講  放火罪をめぐる諸論点(3)

不燃性・難燃性建造物については、建造物の「独立燃焼」状態に至らずに、有毒ガスが発生して
多数の人を死傷させ、媒介物の火力によりコンクリート壁などが剥落するなどして、建造物としての
効用を滅失させる事態が発生しているとの認識から、独立燃焼説に疑問を呈し、火力による毀棄
.自体を焼損と解すべきだとする見解が主張されています(新効用喪失説:川上和雄元検事)

こうした考慮を採り入れようとする見解は他にも存在します。例えば、団藤博士は、独立燃焼説と
効用喪失説の併用も考えられるとし、大谷博士は、有毒ガスの発生など燃焼するのと同様の公共
危険を生じさせる可能性があるときは焼損とすべきだとされます。
私見もこの見解を支持します。

261 :
刑法各論講義案 第17講  放火罪をめぐる諸論点(4)

3 公共の危険

108条・109条1項などは、原則として抽象的危険犯であるが、109条2項・110条は「公共の危険」
の文言があることから、具体的危険犯であるとするのが通説です。しかし、108条・109条1項に
ついては、抽象的危険犯としつつも、その意味については理解の相違があります。
@焼損に至れば公共の危険の発生があると擬制されるとする見解)(団藤・西田)
A実質的な抽象的な危険の発生を要するとする見解(中森・前田・山口)
この類型の抽象的危険犯は、ある程度の危険の発生もなければ、不成立となると考えます(山中、
準抽象的危険犯))

従来の判例によれば、公共の危険とは「第108条及第109条ノ物件ニ延焼スル結果ヲ発生スヘキ
虞アリ思料セシムルニ相当スル状態」と定義されてきました(明治44年4月24日)。その実体は、
108条、109条への延焼の危険と解することができます(限定説)
ところが、近時、最高裁は「公共の危険」について新たな解釈を示しました。
Rさん、【百選86】(平成15年4月14日)の(事実の概要)と(決定要旨)を読んでください。
有難うございました。
しかし、このような「無限定説」は、それ自体の中に限定の論理を持ちませんから、まさに、、その
適用範囲を無限定にするものであって妥当でないように思われますi(西田・山口)

262 :
刑法各論講義案 第17講  放火罪をめぐる諸論点(5・完)

公共の危険の認識は必要かという論点もあります。
判例は「「公共ノ危険ヲ生セシメタルコトヲ以テ該犯罪構成ノ要件トナセトモ火ヲ放チ同上所定ノ
物ヲ燃毀スル認識アレハ足リ公共ノ危険ヲ生セシメル認識アルコトヲ要スルモノニ非サルコト
同条ノ解釈上明白ナリ」(昭和6年7月2日)として認識を不要とする立場に立っています。

学説においては、
@判例と同様、認識を不要とする見解(前田・西田〔ただし、過失は必要とします〕)
A認識必要説(団藤・大塚・大谷・中森・山口・山中)
とが対立しています。

思うに、
@)109条2項、110条2項の自己所有物の焼損は本来違法行為ではなく、公共の危険によって
 はじめて犯罪となるのであるから、その認識を必要とする。
A)110条1項が器物損壊よりも重い公共危険罪を構成する理由は、具体的な公共の危険の発生
 にあるのだから、その認識を必要と解すべきである。
よって、私見は、A説に賛成します。

263 :
刑法各論講義案 第18講  文書偽造罪をめぐる諸論点(1)

1 コピーの文書性

一般に文書の要件として、@人の意思・観念の表示、A可視性・可読性、B永続性、C名義人の認識
可能性、D表示内容の法的重要性、E確定性、F原本性、が挙げられます。
伝統的な多数説は、とくにF原本性を重視し、原本を謄写した「「写し」は文書偽造罪における文書では
ないが、写しに当該写しが原本と相違ない旨の認証文が付されている場合には、認証文と併せて
全体が一つの文書となると説明してきました。

これによれば、コピーも写しであることには変わりはないので、認証文が付されていない以上、文書
ではなく、複写機を利用して内容虚偽の他人名義の文書のコピーを作成する行為は文書偽造罪を
構成しないことになります。
ところが、高性能の複写機の普及により、文書のコピーが原本に代わる証明文書として使用されることが
増加したことを受けて、コピーが原本と同様の社会的機能と信用を有している場合には、文書偽造罪の
客体とすべきではないかという議論が展開されるようになりました。

264 :
刑法各論講義案 第18講  文書偽造罪をめぐる諸論点(2)

この点につき、下級審判例は、積極説と消極説に分かれていましたが、最高裁は昭和51年判決に
おいて、積極説に立つことを明らかにしました。
Sさん、【百選91】(昭和51年4月30日)の(事実の概要)と(判旨)を読んでください。
有難うございました。
このように、最高裁は、@原本と同一の内容を有し、A証明文書としてこれと同様の社会的機能と
信用性を有する限り、コピーも文書に含まSれる、としました。

学説においては、判例と同様、積極説もありますが(大塚・前田・川端『文書偽造罪の理論』)、多くは
これに反対し、文書偽造罪の成立を否定しています(団藤・平野・大谷・中森・西田・山口・山中)
否定説の主な論拠は次のとおりです。
@写しは、いかに原本を正確に映し出したとしても原本から独立した物体である。したがって、原本
 作成名義人の認証文を付して原本と異なる虚偽のコピーを作った場合は別として、通常は、写しの
 作成名義人と原本の作成名義人とは異なると云わざるを得ない。
A肯定説は、この場合、作成名義をコピーの上に現出させることは、作成名義人の許諾の範囲を
 越えるから、この点において作成名義の冒用があるというが、どのように正確に原本を写し出した
 としても「写し」に変わるところがない以上、コピーの作成名義人はコピーの作成者というべきである。

肯定説に対しては、「類推解釈として否定されるべきであろう」i(西田)、「罪刑法定主義の精神に
悖る」(大谷)との厳しい批判がなされています。
私見は、否定説を支持します。

265 :
刑法各論講義案 第18講  文書偽造罪をめぐる諸論点(3・完)

2 代理名義の冒用

代理権のないAが、「B代理人A」として文書を作成した場合に、、私文書偽造罪が成立するか、という
問題です。
かつては、現実の作成者であるAが文書上表示されているから、存在しない肩書・資格が冒用された
にすぎず、作成名義人はAであり、不可罰な無形偽造にすぎないという理解もありました。
Tさん、【百選96】(昭和45年9月4日)の(事実の概要)と(決定要旨)を読んでください。
有難うございました。
このように、判例は、代理名義の冒用の場合、文書内容に基づく効果が本人に帰属するから、
作成名義人は代理された本人たるBCであると解しています。

学説も、有形偽造説が圧倒的ですが、その法的構成には違いが見られます。
@代理される本人(B)が作成名義人であるとする見解(団藤・大塚・平野・大谷・中森・山口など多数)
A「B代理人A」(Bの代理人Aであるという、実際には存在しない虚無人)が作成名義人であるとする
 見解(西田、今井・法協)

山口教授は「文書に表示された意思・観念が本人に帰属し、本人の意思・観念の表示の基礎となる
外観が存在することが、本人を作成名義人と解する根拠となるのである」と述べています。
これに対して、西田博士は「代理名義の文書である以上、意思表示の主体が代理人と称するAである
とすることは困難であろう。本罪の成否は、文書の性質と法令上の根拠(民法99条以下)からみて、
代理人という肩書・資格が、当該文書に対する公共の信用になっている場合は、名義人の表示の
一部となると解する。その意味で、本罪の成立が肯定されるのは、代理資格と代理人の氏名とが
一体として名義人(B代理人A)であると解されるのに、現実の作成者は代理権のないAであるため
名義人と作成者の人格の同一性の偽りがある場合ということになるのである」と述べます。
私見は、西田説に魅力を感じます。

266 :
刑法各論講義案 第19講(最終講)  司法に対する罪と共犯(1)

1 問題の所在

司法に対する罪のうち、犯人蔵匿罪i(103条)および証拠隠滅罪(104条)は、犯人自身は条文上
主体とされておらず、また、偽証罪(169条)は、宣誓した証人のみが主体とされ、、現行刑事訴訟法上
被告人は正犯とはなり得ません。
そこで、犯人・被告人の教唆等の形式による関与が処罰の対象となるかについて争いがあります。

2 犯人蔵匿罪の場合

犯人または逃走者自身が自己を蔵匿・隠避しても本罪は成立しません。犯人自身が発見・逮捕を
免れたいと考えるのは無理もないことであり、「期待可能性が欠ける」からです。
それでは、犯人または逃走者が他人に「匿ってほしい」と自己の蔵匿・隠避行為を教唆した場合には
犯人らに犯人蔵匿罪の教唆犯が成立するのでしょうか。
この点、判例は「他人を教唆して自己を隠避せしめる」のは「防御権の濫用であ」り、「防御権の範囲を
逸脱する」ものとし、教唆犯の成立を認めています。

学説は、@教唆犯の成立を肯定する説(団藤・大塚・中森・前田)と、A否定説(平野・大谷・西田・山口
・山中)が対立しています。
@肯定説は、他人に犯人蔵匿の罪を犯させてまでその目的を遂げるのは自ら犯す場合と情状が違い
「もはや定型的に期待可能性がないとはいえない」(団藤)という理由を挙げています。これは、他人を
犯罪に巻き込んだことを共犯の処罰根拠とする責任共犯論の立場からの根拠づけです。
因果的共犯論の立場からは、正犯としても期待可能性なしとして犯罪が成立しないのであれば、なおの
こと共犯には期待可能性がなく犯罪は成立しないと考えるべきです。
なお、前田教授は、肯定説の論拠として、他人を教唆して自己を蔵匿・隠避させる方が、法益侵害性が
高まることを挙げていますが、一概にそう云えるか疑問です。

267 :
刑法各論講義案 第19講(最終講)  司法に対する罪と共犯(2・完)

3 証拠隠滅罪の場合

証拠隠滅罪の場合も、犯人蔵匿罪の場合とパラレルに考えることができます。
すなわち、犯人が第三者に自己の刑事事件に関する証拠の隠滅を依頼した場合、通説・判例は、
防御の範囲を超え、期待可能性が乏しいとはいえないとして証拠隠滅の教唆犯の成立を認めますが
因果的共犯論に立てば、自己の刑事事件について共犯の形で証拠隠滅する場合でも期待可能性は
ありませんから、不可罰となります。

4 偽証罪の場合

本罪についても、被告人が自己の刑事被告事件について他人に偽証を教唆した場合の可罰性が
問題となります。
通説・判例は、肯定説を採ります。また、犯人による犯人蔵匿や証拠隠滅の教唆を否定する見解でも、
この場合は、教唆犯の成立を肯定する見解もあります(平野・山口)。それは、被告人が証人適格を
有しないのは黙秘権との関係における政策判断の結果であり、本条の主体から明文で除外されている
わけではない、だとすれば、本来は正犯たりうるのであり、したがって共犯たりうるのは当然である、
と解するからでしょう。
しかし、@偽証教唆も一種の証拠隠滅行為であること、A被告人には類型的に期待可能性が欠如する
こと、を考慮すれば、ここでもやはり否定説を採るべきであるように思われます(西田・山中)


以上で、刑法各論の講義を終わります。

268 :
                    共犯論の課題
T はじめにー基本的スタンス

数えたことはないが、刑法総論のテーマの中で論文・著作が(ドイツの文献も含めて)最も多いのは
因果関係論と共犯論であろう。
因果関係論は、わが国では、相当因果関係説の枠組みの中で折衷説と客観説の対立が永らく続いたが
これで説明できない重要判例が続出したこともあって、近時では「危険の現実化」説(中心的な論客として
山口厚)と客観的帰属論(先駆的業績として山中敬一)が有力化している。
一方、共犯論については、戦前から新派と旧派の争いが続いていたが後者の勝利に終わり、焦点は
@共謀共同正犯の肯否、A間接正犯の成立範囲如何、さらにはB犯罪共同説か行為共同説か、これと関連してC共犯の処罰根拠に移ったが、その後は目新しい進展・論点はないようにも見える(強いて
挙げれば「中立的行為による幇助」と「正当防衛と共犯」であろうか。もっとも後者については既に1975年
に平野龍一が示唆していた)
実は、筆者は佐伯千仭の『共犯理論の源流』(1987年)と『レヴィジオン刑法1共犯論』(1997年、中山=
浅田=松宮。なお、この三者の共犯観は微妙に異なることに注意を要する)に触発されて、いわゆる
「関西の共犯論」に傾いた時期があった。@共謀共同正犯を峻拒し、A間接正犯も原則として認めず、
さらにはB純粋惹起説の立場から「正犯なき共犯」を肯定する理論は大いに魅力的であった。
しかし研究が進むにつれ、このような共犯観は判例との乖離が大きく、これを徹底することは学問的に
正しくないと考えるようになった。すなわち、@共謀共同正犯を限定的にではあれ肯定し、A間接正犯も
原則として認め、B今では通説となりつつある混合惹起説(山口厚、井田良、松宮孝明ら)を採るに
至った。
本稿を執筆するにあたっては、とくに平野総論(1975年)、山中総論(2008年).,、注釈刑法第11章
(2010年、島田=嶋矢=小林)を参考とした。山中総論と注釈刑法では随分肌合いが違うが、
迷ったときは西田典之に倣い in dubio pro Hirano の態度を貫いた。

269 :
共犯論の課題  U 共犯の意義と種類 − 統一的共犯概念と正犯・共犯体系(1)

1 統一的共犯概念

犯罪に複数の者が関与した場合の取扱いについては、いくつかの立法政策がある。
1つは、およそ犯罪に関与した者はすべて処罰するというのが最も徹底した方法である。
イタリア刑法110条は「二人以上の者が同一の可罰的行為に協力(concorrete)したときは、
そのいずれ者にも、その行為に対して規定された刑を科する」と定めている。
このように、すべての関与者を正犯として処罰するのを「統一的共犯概念」という。
(詳しい検討として、高橋則夫・共犯体系と共犯理論(1988年))
統一的共犯概念は、ほかに、オーストリア刑法(12条)、ノルウェー刑法(58条)、デンマーク
刑法(23条)、ブラジル刑法(25条)で採用されている。
もっとも、このうちオーストリア刑法は「直接正犯だけでなく、実行するように他人を教唆した者も
実行を幇助した者も、可罰的行為を行ったものである」と規定し、いずれも同じく正犯として処罰
するが行為の態様は限定している。アメリカの模範刑法典も、ほぼこれと同じである。
平野隆一は、イタリア刑法などを「実質的統一的共犯概念」、オーストリア刑法を「形式的統一的
共犯概念」と呼んで区別している。
しかし、このような方法に対しては、@処罰範囲が不明確になりがちである、A関与の重大性に
応じた処罰の軽重がすべき量刑論に委ねられ、裁判官の裁量の幅が広すぎる、B狭義の共犯
の従属性による処罰範囲の限定が理論的に困難となってしまう、といった批判がなされている
(注釈782頁)。

270 :
共犯論の課題  U 共犯の意義と種類 − 統一的共犯概念と正犯・共犯体系(2)

2 正犯・共犯体系

(1)ドイツ刑法

統一的正犯概念の対極にある立法政策として、正犯と共犯を区別したうえで、そこに法定刑の差を
認めるものがある。その代表がドイツ刑法(25条以下)である。ほかに、スイス刑法(24条以下)、
ギリシャ刑法(45条以下)などがあり、世界的にみても一般的な立場である。

§ 25 Täterschaft
(1) Als Täter wird bestraft, wer die Straftat selbst oder durch einen anderen begeht.
(2) Begehen mehrere die Straftat gemeinschaftlich, so wird jeder als Täter bestraft (Mittäter).

§ 26 Anstiftung
Als Anstifter wird gleich einem Täter bestraft, wer vorsätzlich einen anderen zu dessen vorsätzlich
begangener rechtswidriger Tat bestimmt hat.

§ 27 Beihilfe
(1) Als Gehilfe wird bestraft, wer vorsätzlich einem anderen zu dessen vorsätzlich begangener
rechtswidriger Tat Hilfe geleistet hat.
(2) Die Strafe für den Gehilfen richtet sich nach der Strafdrohung für den Täter.
Sie ist nach § 49 Abs. 1 zu mildern.

「正犯・共犯体系」は、@正犯と共犯を区別し、Aそれぞれの行為類型を明示したうえで、幇助について
必要的減軽規定を設け、A狭義の共犯については、正犯の違法行為に対する「二次的責任」(これを
強調するのは、山口293頁、井田435頁)であることが明示されている。
なお、フランス刑法(121条、124条)のように、正犯と共犯を区別し、共犯の従属性も認めるが、
法定刑に差を設けない立法例もある。

271 :
共犯論の課題  U 共犯の意義と種類 − 統一的共犯概念と正犯・共犯体系(3)

(2)我が国の刑法

我が国の刑法も、ドイツ刑法25条のような包括的な正犯規定はないものの、共同正犯(60条)、
教唆犯(61条)、幇助犯(62条)を区別し、教唆犯は正犯と同じ刑で処罰されるが、幇助犯は刑が
減軽されるとしている。
もっとも、わが国で、真の意味での「正犯・共犯体系」が貫徹されているかは疑わしい(平野・犯罪論
の諸問題上(1981年)135頁、松宮366頁)。というのも、@亀井源太郎によれば(正犯と共犯を区別
するということ(2005年)7頁)、広義の共犯中、教唆・幇助は2%にすぎず(それも犯人隠避や証拠隠滅
などに限られる)、共謀共同正犯が広範に認められることから、98%が共同正犯であり、また、
A過失犯や不作為犯についてては統一的正犯概念を採用する学説がある(これを明言するものとして
山中366頁、395頁)からである。
島田聡一郎が「わが国では、正犯・共犯体系が採用されている」としながらも、「故意作為犯については」
という但書を付さざるを得なかったのは(注釈783頁)、このような事情lがある。

3 拡張的正犯概念と限縮的正犯概念

正犯と教唆犯・幇助犯との関係については、2つの異なる考え方がある。
1つは、教唆・幇助として規定されている行為以外の行為は、すべて正犯として処罰されるとする。
これは、間接正犯も正犯だとするために考案されたものであるが、実質的統一的正犯概念と同じ正犯
概念を前提としている。すなわち、教唆・幇助は本来正犯であるが、その一部をとくに取り出して、刑を
減軽したものだというのである。この場合、教唆・幇助は、刑罰縮小事由だということになる。このような
正犯概念を「拡張的正犯概念」という。
2つ目は、教唆・幇助は、一定の犯罪について、とくに処罰範囲を拡張したものだとする見解である。
この場合、教唆・幇助の規定は処罰拡張事由だということになる。このような正犯概念を「限縮的正犯
概念」という。限縮的正犯概念は、処罰の範囲を明確にするという点で優れており、定説となっている。

272 :
共犯論の課題  U 共犯の意義と種類 − 統一的共犯概念と正犯・共犯体系(4)

4 共犯論の課題

このように理解された共犯論の基本的な課題は、次の3点に集約されよう。
第1は、「共犯の因果性」である。共犯も、自己の行為およびそれによって生じた結果について
責任を問われるのであって、自己の行為と因果関係のないことについて責任を問われるのでは
ない(平野343頁)。後に述べる@承継的共犯やA共犯関係の解消、B幇助の因果性などは
この問題である。
しかし、第2に、因果性があれば直ちに共犯になるわけではない。共犯はそのうちの一定の行為に
限られる。こfれを「共犯の限定性」と呼ぶ。@過失犯の共犯、A必要的共犯、さらにはB間接正犯
などは、共犯の周縁においてその成立範囲が問題となる。
第3に、現行法では、共犯概念は、正犯概念を基礎とし、これに関連づけて成立する。これを
「共犯の従属性」という。

嶋矢貴之は、以上を敷衍して「共犯の成立要件は、共犯行為・因果性・従属性の3つである」と
述べている(注釈887頁)
まず、第3の問題である従属性から論じることとするが、その前に従属性の前提となる正犯概念
を概観しておこう。

273 :
共犯論の課題  V 正犯と共犯の区別(1)

1 正犯概念

(1)二元論的関与体系

60条(共同正犯)、61条(教唆犯)、62条(幇助犯)の構造から、わが刑法は、正犯とは「犯罪を実行
した者」と解していることが分かる。実行行為とは、構成要件該当行為のことであるから、正犯とは
構成要件を行う者である。かくして、共犯は、構成要件該当行為を行った者ではないということになる。
このように、わが刑法は、正犯と狭義の共犯に二分する「二元論的関与体系」(大塚284頁)を採る。

(2)再び限縮的正犯概念と拡張的正犯概念について

歴史的には、まず、条件説によればあらゆる条件は平等に原因であるから、客観的基準たる因果関係
の次元に正犯と共犯の区別基準を求めることはできないとして、「正犯者意思」をもって行為する者を
正犯、「共犯者意思」をもって行為する者を共犯、というように行為者の主観によって区別しようとする
「主観説」が登場した。
次に、犯罪的結果に対して原因を与えた者を正犯とし、条件を与えたにすぎない者を共犯とする
「客観説」が現れた。
その後、構成要件論の見地から自らの手によって直接構成要件を実現した者だけを正犯とする
限縮的正犯概念(restriktiver Taterbegriff)が登場した。さらに、それによれば間接正犯の場合を
正犯とすることが困難であるので、犯罪の実現に何らかの条件を与えた者はすべて正犯である
とする拡張的正犯概念(extensiver Taterbegriff)が唱えられるに至った(これについては、大塚仁・
間接正犯の研究(1958年)58頁以下)

(3)直接正犯と間接正犯

実行行為は、行為者自身の手によって行われるのが原則である。これを「直接正犯」という。
これに対して、他人の行為を道具として利用するような形態を間接正犯(mittelbare Taterschaft)
という(詳しくは後述3)
限縮的正犯概念を出発点とする限り、間接正犯の成立範囲はできるだけ狭くする理論が望ましい。

274 :
共犯論の課題  V 正犯と共犯の区別(2)

(4)行為支配説

行為支配説(Tatherrschaftstheorie)によれば、正犯とは、行為を支配する者、つまり、行為事象を
手中に収め、行為に出るべきか否か、どのように行為するべきかを決定し、構成要件の実現に際して、
「事象の中心的な人物」となるべき者である。理論的には、行為支配説は、客観説と主観説の統合
形態である。
この行為支配説は、ドイツにおいて、すでに1930年代にローベによって基礎づけられ、ヴェルツェル
によって「目的的行為支配」として展開され、ロクシンの著書Taterschaft und Tatherrscaft(2006年)
によって完成され、現在、通説となっている。
ロクシンは、行為支配を、@行為の支配としての直接正犯、A意思支配としての間接正犯、
B組織的権力機構に基づく意思支配、C機能的行為支配としての共同正犯に分けて論じている。

2 間接正犯

(1)実行行為性説

間接正犯の正犯性は、直接正犯のそれと異ならない実行行為性にあるとする見解である(旧通説)
間接正犯といわれる場合も、背後者に「実行の意思」があり、しかもその誘致行為が「構成要件の
現実的危険性」を持つ点で、直接正犯の場合と同等の実行行為性が認められるから、正犯性が
肯定されるとする(大塚仁・間接正犯の研究(1958年)123頁以下、川端博・共犯論序説(2001年)
57頁など)
そして、@被利用者に是非弁別能力が全くない場合、A強制によって被利用者の意思が抑圧されて
いる場合、B当該犯罪についての故意を欠く場合(被利用者に異なる故意がある場合も含む)、
C目的犯。・身分犯で、被利用者がそれらの構成要件要素を欠く場合、などに背後者を間接正犯とする。

この見解に対しては、「構成要件の現実的危険性」といった事実的な基準では、正犯と共犯とを
適切に区別し得ないという批判が加えられている(井田良・刑法総論の理論構造(2005年)307頁)

275 :
共犯論の課題  V 正犯と共犯の区別(3)

「正犯行為も、教唆・幇助行為も、同様に結果発生の危険性をもつ行為である。・・・そうだとすると、
ここでまた危険概念を用いて両者を区別することは困難である」というのである(井田438頁)

(2)規範的障害説

学説には、被利用者に「規範的障害」がある場合には、、背後者は正犯とはならない、という基準を示す
ものがある(植田重正・共犯の基本問題(1952)95頁、中義勝・間接正犯(1963)134頁、山中810頁)。
いわゆる「関西の共犯論」の立場から主張されている。
通常、人は事情を知ったり故意がある場合その行為を止めようとする反対動機を形成する可能性がある。
この可能性を「規範的障害」という。したがって、この見解は、基本的に、過失行為が介在した場合には、
背後者は正犯とならないとする。
Kの見解には、以下のような批判がある。
@故意なき者に対する教唆犯を認めることになる。
A身分ある者が、身分なき者を利用して結果を生じさせた場合(例えば、医師が、非医師の妻に命じて
患者の秘密を漏示させた場合)、非身分者が幇助、身分者が教唆となる。
要するに「正犯なき共犯」を認めるのは妥当でない、というのである。

(3)行為支配説

旧通説とほぼ同じ結論を採用するが、それを「危険性」からではなく「支配性」から説明する行為支配説
が現在有力となっている(橋本正博・「行為支配論」と正犯理論(2000)、照沼亮介・体系的共犯論と刑事
不法論(2005)、井田438頁)
この見解は、故意に基づいて、行為を支配することが必要としたうえで、その具体的内容は、前述の
とおり(ロクシン)、直接正犯と間接正犯、共同正犯それぞれについて異なるとする。
例えば、間接正犯については、「意思支配」、具体的には、非利用者が錯誤・緊急状態に陥っている
場合に、背後者がそうした事情を利用して結果を実現することを要求するのが一般的である。

276 :
共犯論の課題   W 共犯の(独立性と)従属性

従属性の問題は、戦前から、共犯独立性説と共犯従属性説の対立として激しく議論されてきた。

1 いくつかの前提

(1)現行法上の仕組み

正犯と共犯とが行為の態様として異なるものであることは何人も否定しない。正犯は人を殺した者であり、
教唆犯は他人を唆して人を殺させたものであり、幇助犯は正犯が人をRのを助けた者である。このこと
は、共犯独立性説論者も否定しない。
団藤重光は、「教唆して殺させる」ことも「Rのを幇助する」ことも、

277 :
>>276の続き

「R」ことにほかならない、というのが独立性説の考え方であると批判するが(団藤376頁)、これは
正確な理解にもとづく批判とはいいがたい。

(2)個人責任の原則

他方、共犯も自己の行為およびこれによって生じた結果について罪責を問われるのであって、他人である
正犯の行為の罪責を問われるのではない。独立性説の論者は、この点を強調するのであるが、その限度
では妥当だと云わなければならない。ただ、独立性論者が、このことからただちに、「教唆の未遂」が
可罰的という結論を引き出すところに問題がある(平野344頁)

(3)正犯なき共犯?

このように、共犯も、自己の行為およびこれにもとづいて発生した結果について責任を負うのであるが、
それは「正犯の行為を通じて」(牧野677頁)結果が発生した場合に限られる。
ところが、わが国には、正犯の行為を通じてではなく、幇助犯の行為を通じて結果が発生した場合でも
教唆犯の成立を認める見解がある(中・刑法上の諸問題(1991年)449頁、内田291頁、中山477頁
野村・未遂犯の研究(1984年)321頁、山中821頁)
すなわち、いわゆる「故意ある道具」を利用した場合(たとえば、公務員が妻を使って賄賂を収受した場合)
利用者は教唆犯であり、非利用者は幇助犯であって、正犯がなくとも共犯が成立しうるとするのである。
しかし、これは、わが刑法の認める共犯概念ではないであろう。

278 :
共犯論の課題   W 共犯の(独立性と)従属性(2)

共犯の従属性として、平野龍一は、@実行従属性、A要素従属性、そしてB罪名従属性の3つに分ける
ことを提唱し、これに倣う学説も多いが、嶋矢貴之は、これに加えて、C構成要件への従属性、D違法性
に対する従属性(正当防衛への関与)、E故意への従属性を挙げている(注釈894頁以下)
以下、分説する。

2 実行従属性

(1)実行独立性説と実行従属性説

実行従属性とは、正犯が現実に実行行為をしたことが、共犯成立の要件になるか、という問題である。
正犯が実行行為をしなくても、教唆者を「教唆の未遂」として処罰し得るという見解を実行独立性説と
呼ぶ。
わが国では、牧野英一、宮本英脩、木村亀二など、新派に属する学者によって実行独立性説が主張
された(牧野677頁、宮本193頁、木村394頁)。これに対して、旧派に属する小野清一郎や瀧川幸辰
は、伝統的な従属性説を維持した。
独立性論者は、共犯も、自己の行為及びこれにもとづいて生じた結果について責任を問われるもので
あることを強調する。しかしながら、正犯の実行の着手は、単なる因果関係の進行の一段階ではなく、
結果発生の具体的危険の発生である(平野349頁ーこの点、平野には発刊の混乱がみられる。
すなわち、354頁では、「正犯の行為も、共犯からみれば、結果発生までの過程の一部にすぎない」と
断言しているからである)
もっとも、この場合の「実行」が、@正犯の行為を指しているのか、A一定の結果を指しているのか、
については争いがある。すなわち、@未遂につき実行行為を行うこと本質とみなし、その時点で未遂が
成立するという見解(団藤382頁など))からは、従属性においても「正犯の実行行為」で足りるという
とになる。これに対して、A未遂を危険の惹起に見る見解(山口309頁など)からは、共犯についても
同様に、一定の結果が生じることが必要となってくる。この問題は、後述する「未遂の教唆」に絡む問題
であるが、結論だけ云えば本稿は惹起説(後述)を採るのでA説が正しいことになる。

共犯独立性説は、行為を行為者の危険性の徴表と見て、徴表が現れた以上処罰すべきだとするところ
にその不当さがある。このように「教唆の未遂」が不可罰であることは、もはや解釈では動かしがたく、
その意味では、すでに解決された問題である。しかし、その周辺にはまだ解釈論上の問題が残されて
いる。すなわち、「未遂の教唆」と「予備の教唆」である。

279 :
「元ヴェテ参上 ◆JEhW0nJ.FE」
そのコテハン懐かしいな
10年前、就職板の内定無い4年界で暴れていた人に似ているな
確か586,秋葉のライバルだってけ?

280 :
    ↑
コテハン名が似ていていた人がいたって事

281 :
ヴェテさん、2ch.scじゃなくて2ch.scに書き込まないと、2ch.scからは読めないんだよ。

282 :
test

283 :
安倍政権の言っていた憲法改正の実態

http://music.geocities.jp/jphope21/02/4/41.html

日本とその憲法の信頼性は地に落ちることになる。

( http://sky.geocities.jp/datepedia/02/update.html )

( http://music.geocities.jp/jphope21/0103/35/240.html )

284 :
サトラレを死刑にする法案を消すべきだ。

285 :
刑事訴訟法を真面目にすべきだ。しかし、時間軸を変えるべきではない、当たり前だが。
しかし、時間を変える以外にも自分を変えるという手がある。自分が変われ。

286 :
時間を変えすぎ。時間を変えるなら自分を変えろ。

287 :
本スレ49が立たないようなので、中断していた各論の講義案を続けることにします。
刑法各論講義案 第8講 占有の概念(2)
2 事実上の支配
Fさん、【百選27】(昭和32年11月8日)の判旨を読んでください。
有難うございました。
このように、公共の場所に放置した場合であっても、一定の客観的状況のもとに占有者の支配が
場所的・時間的に延長されていることが推知しうる範囲内に置かれた物は、その物に対する支配力
が客観的に延長され、その物に対していつでも影響可能ですから、占有された物といえます。
ところが、スーパーの6階のベンチの上に財布を置き忘れたが、約10分後に地下1階で思い出し
引き返したが、盗まれていたという事案では「客観的にみて、被害者の本件札入れに対する支配力
が及んでいたとはたやすく断じ得ない」として占有は否定されました(東京高裁平成3年4月1日)
村役場の事務室内(大正2年8月18日)、電車・列車内(大正10年6月18日、大正15年
11月2日)等のように、一般人の出入りが自由であって排他的支配が十分に及んでいない場所に
置き忘れた物については、直ちにその管理者の占有に移るわけではありません。この場合、車掌の
支配が及ばないので、占有離脱物となります、
公衆電話機内に残された硬貨について電話局長の管理が認められるとする判例(東京高裁昭和33年
3月10日)には疑問があります(西田・山中)
3 占有の意思
占有の意思とは、財物を事実的に管理支配する意思です。自宅内にある財物、不在中に自宅の郵便箱
に配達された郵便物についても占有の意思は認められます。不断の意識を要せず、潜在的占有意思で
足りますから、就寝中や仕事に熱中しているときにも占有の意思は認められます。

288 :
刑法各論講義案 第9講  本権説と占有説(1)
1 学説の分布
窃盗罪の保護法益をめぐっては、以前から、所有権その他の本権とする@本権説と、財物を所持して
いる事実状態とするA占有説(前田・大谷)が対立してきましたが、最近では、B修正本権説(平川
・曽根・林幹人)、C一応合理的理由のある占有説(西田・山口・山中)、D平穏な占有説(平野)
などの中間説が有力となっています。
B修正本権説は、本権説を基礎としながら、私法上権利と認められていなくとも、占有を保持する
正当な権限が認められれば保護されるとする見解です。
C一応合理的理由のある占有説は、裁判時に正当な権限が認められなくとも、行為時に正当な権限が
あると一応合理的理由をもって認められる場合には保護されるとする見解です。
D平穏な占有説は、占有説を基礎としながら、窃盗犯人の占有のように平穏でない占有を除外する
見解です。
注意が必要なことは、上記のどの見解を採るにせよ、本権と占有の双方が窃盗罪の保護法益と解され
なければならないことです。
@本権説から本権だけが保護法益で、占有侵害は単なる行為態様にすぎないと解することjは、242条
の規定とそぐわず、横領罪との区別の点でも疑問があります(山口)
また、A占有説からも、占有の背後に存在している本権は、占有と並ぶ保護法益と解されなければなりません。
そうでなければ、窃盗犯人による盗品の事後処分が不可罰的事後行為と解されていることや、親族相盗例
(244条)における親族関係が所有者と占有者の双方と必要と解されていることが(平成6年7月19日)
説明できなくなるからです。
窃盗罪の保護法益をめぐる議論は、242条にいう「占有」の意義の解釈として現れてきます。

289 :
刑法各論講義案 第9講  本権説と占有説(2)
2 判例の変遷
戦前の判例は、242条の規定は、占有者が適法な占有権をもって所有者に対抗しうる場合に限り
適用があると判示して、@本権説的な立場に立っていました。その代表的判例である大正7年9月
25日は、法律に違反して担保に供した恩給証書を債務者が債権者から欺く手段を用いて取り戻した
という事案について、債券者は恩給証書を所持する権利を有していないから、債務者がこれを取り
戻しても窃盗罪・詐欺罪は成立しないと判示しました。
これに対して、戦後の判例は、A占有説的な立場に立っています、まず、判例は、盗品や隠匿物資を
所有者以外の者が奪取した事案について、社会の法的秩序を維持する必要から、物の所持という事実
上の状態それ自体が独立の法益として保護されると判示して奪取罪の成立を認めました(昭和24年
2月8日、昭和24年2月15日)
さらに、昭和34年8月28日は、法律に違反して担保に供した国鉄年金証書を債務者が欺く手段を
用いて取り戻した事案について、大正7年の上記大審院判例を変更して、詐欺罪の成立を認めました。
比較的最近の判例としては、平成元年7月7日が、買戻約款付自動車売買契約による金銭の貸付けを
行っていた貸主が、借主が占有する自動車を承諾なしに引き揚げた、という事案について、仮に借主
の買戻権喪失により貸主に自動車の所有権があったとしても、窃盗罪が成立すると判示しています。
もっとも、戦後の判例が窃盗罪等の奪取罪の成立を認めてきた事案は、B修正本権説やC一応合理的
理由のある占有説からもその結論を支持しうるものであることに注意が必要です。

290 :
刑法各論講義案 第9講  本権説と占有説(3)
3 占有説の問題点
占有説は、自力救済を禁止して社会秩序を維持しようとする見解だといえます。しかし、窃盗罪は、
社会の平穏を侵害する罪ではなく財産犯なのですから、保護に値する財産的利益のない占有まで
刑罰で保護すべきではありません。
占有説は、占有それ自体を保護に値する財産的利益と考えっているのかもしれませんが、
民事判例(昭和40年3月4日)が、占有回収の訴え(民法200条)に対して、本権に基づく反訴
を提起することを認めていることに示されているように、所有者との関係で占有それ自体が法的保護
に値する財産的利益といえるかは疑問です。
占有説の論者は、構成要件レベルで窃盗罪を認めても、実質的違法性判断のレベルで行為者側の事情を
考慮すれば、妥当な結論を得ることができると主張しますが(前田・香城元判事)、このような違法
レベルでの解決には以下のような疑問があります。
まず、自救行為による違法性阻却は、実務上きわめて限定された範囲でしか認められておらず、処罰
範囲を適切に限定できるか疑問があります。
仮に、占有説の論者が、所有者による物の取り返しに広く違法性阻却を認めるべきだと考えているので
あれば、そのような限定は、窃盗罪のの構成要件の解釈として行われるべきです(西田・林幹人)。
犯罪構成要件を実質的に解して、これを保護に値する利益の侵害類型に限定すべきことを強調する前田
教授が占有説を採るのは「奇妙なことである」という批判(中森)は、当たっていると思われます。

291 :
刑法各論講義案 第9講  本権説と占有説(4)
4 本権説の問題点とその修正
本権説に対しては、現代では民事法上の権利関係が複雑になっているので占有権説を採らなければ
ならない、という批判がよくなされます。しかし、民事の権利関係が複雑になったから民事紛争に
刑法が積極的に介入しなければならない、ということにはなりません。むしろ、複雑な民事紛争に
刑法が介入することとにはより慎重でなければならないというのが普通の政策判断だと思われます。
もっとも、民事法上の権利関係が複雑になった結果、厳密には権利とまではいえなくとも正当な
法的利益として認められるべき場合が増えていることは確かであり、B修正本権説が、占有の背後
にある利益が、権利とまではいえないものであっても、民法上適法なものであれば刑法で保護される、
として本権説を拡張するのは、このような考慮に基づいています。
このような拡張は妥当なものであり、現在の本権説のほとんどは、B修正本権説を採っています。
修正本権説からは、占有者に清算の利益や同時履行の抗弁権のような保護に値する利益が存在すれば
その占有は保護されるので、恩給証書・国鉄年金証書や平成元年決定の事案では、修正本権説からも
その結論を是認するすることができるでしょう。
本権説・修正本権説のもう一つの問題点は、これらの見解が民事法上の実体的権利・利益を問題にして
いるため、刑事裁判において、そのような権利・利益の存在が確定されなければならないことにあります。
しかし、最高裁は、このような考え方を否定しました(昭和61年7月18日)本決定は、建造物
損壊罪(260条)における「他人の」(建造物)の意義に関して「他人の所有権が将来民事訴訟等に
おいて否定される可能性がないということまでは要しない」として、財産犯の成否を民事関係とは区別して
判断する態度を示したのです。

292 :
刑法各論講義案 第9講  本権説と占有説(5・完)
5 個々の問題の解決
禁制品の窃盗に関しては、禁制品は、国家が正当な手段によって押収・没収できるに
すぎないから、その占有は刑法で保護すると解され、どの見解からも窃盗罪の成立が
認められます。
第三者による窃盗犯人からの盗品の窃取については、所有権の再度の侵害として窃盗罪の
成立を認める見解がありますが(西田)、窃盗罪は、単なる所有権の侵害権ではないので、
所有権の再度の侵害だけで窃盗罪の成立を認めることはできません。
窃盗犯人も盗品を所有者に返還する義務があるのですから、第三者との関係では、占有する
ことに正当な権限を有していると解して、窃盗罪の成立を認めるべきです(中森・山口・林幹人)

293 :
刑法各論講義案 第10講  不法領得の意思(1)
1 はじめに
Gさん、【百選29】(大正4年5月21日:教育勅語事件)の(事実の概要)と(判旨)を
読んでください。
有難うございました。
この「権利者を排除し、他人の物を自己の所有物として、その経済的用法に従い、これを
利用しまたは処分する意思」を「不法領得の意思」といいます。
このように、窃盗罪の主観的要件として、故意に加えて「不法領得の意思」を要求するのが
一般的です。大正時代の判例ながら今でも通用しています。
前半の「権利者排除意思」は、軽微な一時使用(使用窃盗)を窃盗罪から除外する機能を
もちます。後半の「利用・処分意思」は窃盗罪と利用妨害を目的とする毀棄・隠匿罪とを区別
する機能をもちます。以下、「排除意思」、「利用意思」と呼びます。
2 学説の分布
@判例と同様、「排除意思」と「利用意思」の双方を必要とする見解
(平野・大谷・中森・西田・山口・山中O)
A「排除意思のみを要求する見解(団藤)
B「利用意思」のみを要求する見解(前田)
C不法領得の意思不要説(大塚)
私見は、後述の通り、判例・通説と同様、排除意思と利用意思の双方を必要とする@説を
支持します。

294 :
刑法各論講義案 第10講  不法領得の意思(2)
3 使用窃盗との区別
「使用窃盗」とは、たとえば、他人の自転車を無断拝借し、公園を1周して元の場所に戻すような
場合をいいます。排除意思を有していないがために一般的に不可罰とされます。正確にいうと、
形式的には窃盗罪の構成要件に該当しますが、軽微な占有・所有権侵害を処罰範囲から排除しよう
.とする「可罰的違法性」の考え方が採られ、一般的に不可罰とされるのです(山口)
判例は、当初、使用窃盗としての不可罰の基準を「返還意思」の有無に求めていました。
すなわち、大審院は、自転車の無断使用に関し、自己の所持に入れた際に、一時使用の意思
しかないときは窃盗罪を構成しないが、「乗り捨ての意思」(返還しない意思)のときは
不法領得の意思が認められるとしました(大正9年2月4日)。強盗犯人が逃走のために
他人の船を「乗り捨ての意思」で利用した事案についても不法領得の意思を肯定した最高裁
判例(昭和26年7月13日)も同様の考え方を採るものです。
しかし、その後の判例においては、返還意思のある無断一時使用についても、不法領得の意思
を肯定する方向が主流となっています。

295 :
刑法各論講義案 第10講  不法領得の意思(3)
Hさん、【百選30】(昭和55年10月30日)の(事実の概要)と(決定要旨)を読んでください。
有難うございました。
本決定は「たとえ、使用後に、これを元の場所に戻しておくつもりであったとしても、被告人には右自動車
に対する不法領得の意思があったというべきである」と明確に述べています。
Iさん、【百選31】(東京地裁昭和59年6月28日)の(事実の概要)と(判旨)を読んでください。
有難うございました。
これは、ファイルのコピーを持ち出し、7時間後に返却したという事案ですが、不法領得の意思を肯定し
ています。
このような判例の変化に対応して、学説でも使用窃盗を原則的に可罰的と解し、この関連では
不法領得の意思を不要とする見解が有力となっています(2のB説およびC説)
ただ、この見解も、客観的に被害が軽微な場合には占有の侵害または可罰的違法性を否定する
ことにより窃盗罪の成立を認めません。
しかし、無断一時使用の場合に占有の侵害(移転)を否定することは困難です。無断一時使用
(使用窃盗)を不可罰とする限り、「主観的違法要素」としての不法領得の意思の必要性は
否定しえないと思われます。

296 :
刑法各論講義案 第10講  不法領得の意思(4・完)
4 毀棄・隠匿罪との区別
まず、毀棄・隠匿罪との区別の必要性から検討します。
この関係で不法領得の意思を不要とする見解は(2のA説およびC説)、占有の取得により
財物の利用可能性が生じたことで足りること(曽根)、毀棄も所有権者でなければできない
こと(団藤)を理由とします。
しかし、この見解によれば、まず、器物損壊罪(261条)は財物の占有を奪わずに損壊
した場合にしか認められませんし、占有を奪って隠匿する行為もみな窃盗罪とせざるを得ない
という不合理な解釈を認めざるを得ないことになります。
さらに、この見解は、窃盗罪(懲役10年)と器物損壊罪(懲役3年)の法定刑の差を説明
できません。法益侵害という点では、回復可能性のない器物損壊罪の方が大きいともいえる
のに、窃盗罪が器物損壊罪よりも重く処罰されるのは、財物を利用しようとする動機・目的
の方がより強い非難に値し、また、一般予防の見地からも抑止の必要性が高いからなのです。
だとすれば、同じ占有侵害行為であっても、それが利用可能性の取得と利用妨害のいずれを
目的とするかという主観によって窃盗罪と器物損壊罪を区別せざるを得ないのです。
したがって、この意味での不法領得の意思は「主観的違法要素」だといえます(平野・大谷・山口)
以上から、やはり、利用意思も必要だということになります。

297 :
刑法各論講義案 第11講 事後強盗罪をめぐる諸論点(1)
1 はじめに
窃盗行為の後に暴行・脅迫が加えられることが多いという刑事学的実態を考慮して、この類型を
強盗(236条)と同じく処断するというのが本罪(238条)の趣旨です。
本罪については、@主体は「窃盗」とされているが、これは身分犯なのか、A窃盗行為と暴行・
脅迫の時間的・場所的近接性如何、B事後強盗罪にも予備罪(237条)の成立が肯定される
のか、といった点が問題になります。
2 身分犯か結合犯か
判例・学説は分かれています。
@真正身分犯説(大阪高裁昭和62年7月17日、前田)
A不真正身分犯説(東京地裁昭和60年3月19日、大塚・大谷)
B結合犯説(中森・西田・山口・山中)
暴行・脅迫のみに関与した者の罪責は、@説によると事後強盗罪の共犯となり、A説によると、
暴行・脅迫罪の共犯となり、B説によると承継的共犯の問題となります(承継的共犯肯定説
からは事後強盗罪の共犯となり、否定説からは暴行・脅迫罪の共犯となります)
@説は、法文に最も素直な解釈ですが、少数説に止まっています。
A説は、冒頭で述べた刑事学的実態に着目し「人身の安全の保護の観点から、暴行・脅迫の
加重類型を設け、強盗罪に準ずる犯罪としたもの」(大谷)としますが、その前提自体に
疑問があります。事後強盗罪も、やはり財産犯であり、人身の自由に対する罪ではないからです。
また、主体の要件により本罪の既遂・未遂が決定されるのは不合理であり、本罪は身分犯では
ないと解するべきです。
すなわち、強盗罪と同じように、窃盗罪と暴行・脅迫罪の結合犯であると解されます。

298 :
昼は検事 夜はパンスト仮面:2012/08/28(火) 13:46:08.22 ID:CLAhxs0L0
大阪地検の男性検事が中国人風俗嬢に便宜?
大阪地方検察庁の男性検事が、親しい中国人風俗嬢が関わる偽装結婚事件が起訴されないよう便宜を図っていたことが問題となっている。
問題となっているのは当時大阪地検の公判部に所属していた濱田裕嗣検事。
同検事は以前に担当していた刑事事件で検察側証人となった中国人女性が、会社員の日本人男性とその弁護士らから偽装結婚で
刑事Kされたことを知り、同会社員の母親に「そんなことは母親ならやめさせるべきだ」などと大声で怒鳴りつけたという。
さらには同偽装結婚を担当した警察官や捜査検事にも暗に不起訴を求める指示をした疑いももたれている。
同偽装結婚事件をKした弁護士は「検事が中国人差別を逆手にとり、自分と特別な関係をもつ中国人女性が不起訴になるよう捜査関係
者に口利きをしているわけだから看過できない」と話している。
なお関係者らは「濱田検事は件の中国人女性に好意を抱き、それで懸命に女性が不起訴になるよう口利きしたのではないか。この中国人
女性は後に中国に逃走しているから、この検事が捜査情報を漏洩させた疑いもある」と述べている。

299 :
刑法各論講義案 第11講 事後強盗罪をめぐる諸論点(2)
3 窃盗の機会
判例上、古くから、事後強盗罪における暴行・脅迫は、どの時点で行われる必要があるのか
という点は、しばしば争われてきました。ところが、近時、最高裁において、「窃盗の機会」
を肯定する判例(平成14年2月14日)と、それを否定し事後強盗罪を否定した判例(平成
16年12月10日)が登場し、「窃盗の機会」がクローズアップされています。
Jさん、【百選40】(平成16年12月10日)の(事実の概要)と(判旨)を読んでください。
有難うございました。
これに対し、平成14年2月14日は、窃盗犯人が他人の居宅内で財布を窃取後、窃盗の犯意を
持ち続けて天井裏に潜み約3時間後に駆けつけた警察官に逮捕を免れるために暴行を加えた事案
につき、窃盗の機会継続中であるとしたものです。
判例理論を要約すると、本罪の暴行・脅迫は、「窃盗の機会」すなわち窃盗の現場およびその
継続的延長とみたれる場所、または犯人を逮捕しうる状況のもとで加えられることを要するが、
必ずしも窃盗の現場で暴行・脅迫が加えられる必要はなく、「現場の継続的延長とみられる場所」
ないし「現場またはその機会の継続中」に行われれば足りる、ということになります。

300 :
刑法各論講義案 第11講 事後強盗罪をめぐる諸論点(3・完)
4 事後強盗罪の予備罪
たとえば、住居に忍び込んで窃盗をはたらき、家人に発見されたら暴行を加えて盗品の取り返し
を防いで逮捕を免れようと企て、凶器として登山ナイフを携帯して、住居を物色中、巡回中の
警察官に発見されたという場合、強盗予備罪は成立するのでしょうか。
「強盗を犯す目的」(237条)に事後強盗(238条)の目的が含まれるかという問題です。
判例は、これを肯定しています。Kさん、【百選41】(昭和54年11月19日)の
(事実の概要)と(決定要旨)を読んでください。有難うございました。
学説は、肯定説(団藤・大谷・前田・山口・山中)と否定説(大塚・中森・西田)に分かれています。
否定説は、
@事後強盗罪(238条)の規定が強盗予備罪(237条)の規定より後にあること
A実質的に現行法上不可罰な強盗の予備を処罰することになること
を論拠として挙げています。しかし、
@昏睡強盗(239条)の目的で睡眠薬を準備するのも本罪に当たると考えざるを得ないから
条文の位置は決定的ではない
A@)発見される可能性が高い場所で窃盗をはたらく目的で凶器を準備する場合
 A)発見されたら暴行・脅迫を加えるという確定的目的で凶器を準備する場合
のように、準強盗の目的であっても、その意図が強固である場合には強盗等行為に至る可能性が高い
から、強盗予備罪に当たると解すべきであり、肯定説が妥当です。

301 :
刑法各論講義案 第12講  詐欺罪における「処分行為」の意義(1)
1 処分行為の要件
詐欺罪(246条)および恐喝罪(249条)の構成要件においては、財産処分の(法的・事実的)権限
をもつ者の任意の意思(ただし、瑕疵ある意思)に基づき行為者側において財物または財産上の利益が
取得されることが予定されたいます。財産の任意の提供行為、すなわち、財産的処分行為が犯罪成立の
ための共通の要件とされているのです。
詐欺罪の要件の中で、「処分行為」は、「欺く行為」およびそれに基づく「錯誤の惹起」と、行為者側の
「財産の取得」を結びつける要件です。すなわち、
  欺く行為⇒錯誤⇒処分行為⇒詐取
という因果系列が予定されているのです。
詐欺罪は、被害者側の処分行為が要件とされる点で、被害者の意思に反して財物の取得が行われる窃盗罪と
区別されます。
また、財産上の利益を客体とする場合については、処分行為が否定されれば、その行為については不可罰と
なります。

302 :
刑法各論講義案 第12講  詐欺罪における「処分行為」の意義(2)
2 処分行為の要否ー窃盗罪との区別
1項詐欺罪では、処分行為のことを「交付」と呼んでいます。
判例では、@古物商店で顧客を装い、上衣を通させてくれといって交付を受け、手を通して着ても、
上衣の占有はまだ行為者に移転しておらず、その上衣を着たまま逃走すれば、窃盗罪が成立する
としたもの(広島高裁昭和30年9月6日)があります。これは、被害者の任意の交付に基づいて
財物の占有が移転したことを否定して窃盗罪としたものです。
逆に、A自動車販売店で、車の試乗を装ってそのまま乗り逃げする行為は詐欺罪を構成する(東京
地裁平成3年8月25日)とした裁判例があります、これは、被害者が被告人に単独試乗を認めた
時点で車に対する占有が被害者の意思により被告人に移転していることを理由として詐欺罪の成立
を肯定したものです。
2項詐欺罪(詐欺利得罪)における処分行為の内容としては、
@何らかの債務を負担すること
A債務の履行として役務を提供すること
B一定の給付を債務の履行として受け取ること
C債務を免除すること
D債務の弁済の延長を認め、または履行の請求を猶予すること
などがあります。

303 :
刑法各論講義案 第12講  詐欺罪における「処分行為」の意義(3)
3 いわゆる無意識的処分行為
処分行為は意識的なものに限るのか、それとも無意識的なもの(すなわち、自己の行為が処分の
意味を持つことを意識していない場合)でよいかが問題となります。
1項詐欺罪については、処分行為は財物の占有移転のことであるから、客観的な占有移転の事実
があればよいのか、それに加えて処分行為者において占有移転を意識していなければならない
のかが問われます。
処分意思必要説によると、財物の占有が行為者側に移転することを処分行為者に認識させない場合、
たとえば、@スーパーマーケットで商品の一部を隠してレジを通過し代金を支払わなかった場合や
A被害者に高価な所有物がそこに入っていることも知らせずに無価値な紙袋と誤信させてこれを
交付させる場合などには、詐欺罪ではなく窃盗罪が成立します。
2項詐欺罪については、処分意思必要説によると、@被害者において債権が存在しないと誤信させて
履行の請求を思いとどまらせるときは、2項犯罪とはなりません。したがって、使用窃盗となって
不可罰となります。また、A別の文書と誤信させて契約書にサインさせる場合にも(私文書偽造罪
になりうるとしても)、2項詐欺罪の成立は否定されます。

304 :
刑法各論講義案 第12講  詐欺罪における「処分行為」の意義(4・完)
これまでの判例は、処分行為について、主観的要件として「処分の意思」、客観的要件として
「処分の事実」を要求し、無意識的な処分行為を認めない立場に立ってきました。すなわち、
無銭宿泊・飲食のケースにつき、債務の支払を免れることによって財産上不法な利益を得たと
いうためには、債権者を欺いて債務免除の意思表示をさせることが必要であり、単に逃走して
事実上の支払をしなかったというだけでは足りないとしました(昭和30年7月7日)
学説では、無意識的処分行為を認める処分意思不要説も有力です。
(平野・大塚・大谷・中森・西田)
この見解を採るかどうかは、財物が客体である場合には、詐欺か窃盗かの処罰範囲の振り分け
にすぎませんが、財産上の利益については、この見解によるときはじめて行為者を処罰する
ことができます。
しかし、少なくとも1項詐欺罪については、被害者側において事実上の占有移転について
意識的であることを要求しなければ、従来のような窃盗罪との区別が不可能となって
しまいます。
同様に、2項詐欺罪についても、処分意思の要件を緩和することは不可避であるとしても、
処分意思を一切不要と解することはできなと思われます(同旨:前田・山口・山中)

305 :
刑法各論講義案 第13講  クレジットカードの不正使用(1)
1 問題の所在
代金支払の意思・能力を欠く会員Aが、カード加盟店Bにおいて、カード会社Cから貸与された
自己名義カードを提示し売上票に自署したうえ、B店員から商品の交付を受けた場合に詐欺罪が
成立するでしょうか。
その場合、交付者・被詐欺者・被害者は誰でしょうか。
交付された財産は、商品(1項)、債務の免除・立替払(2項)のいずれでしょうか。
なお、以上は、「立替払説」による説明ですが、他に、加盟店が会員に対して有する債権をカード
会社に譲渡すると解する「債権譲渡説」ないし「債務引受け説」があります。
2 詐欺罪成立否定説
この場合、BはいずれにせよCから立替払いを受けられるのであるから、AがCに対する
支払意思を持たないとしても、Bに対する詐欺行為およびBの錯誤は存在しないとして
詐欺罪の成立を否定する見解があります。
しかし、もし、BがAに支払の意思・能力がないことを知っていた場合には、B・C間に
立替払いの契約があるとはいえ、Cは信義則違反を理由に支払を拒絶しうるというべきです。
そうだとすれば、BはAの支払の意思・能力に無関心ではありえず、その点についての詐欺・
錯誤を認めることは可能だと思われます。
判例も「会員が後日クレジット会社に対し代金及び利息(あるいは手数料)を支払う意思
及び能力について、販売店としても関心を持たざるをえないことは明らか」であるとして
います(東京高裁昭和59年11月19日)
3 1項詐欺説
まず、加盟店Bが被詐欺者であり、かつ被害者であるとして1項詐欺を認める見解があります。
(福岡高裁昭和56年9月21日:大塚・大谷)
最も簡明な構成ですが、Bは立替払いによって損失を被らない以上、被害者といいうるかという
点で疑問が残ります。

306 :
http://i.imgur.com/BOtUvRJ.jpg

307 :
刑法各論講義案 第13講  クレジットカードの不正使用(2・完)
4 2項詐欺説
そこで、Aが加盟店Bを介してカード会社Cを詐欺し、Cに立替払いをさせて利得したとして
2項詐欺罪の成立を認める見解が現れました(藤木)。しかし、Cは欺かれたことを知っていても
立替払いをせざるをえませんから、そこに錯誤に基づく処分行為を認めることは困難です。
5 三角詐欺説
そこで、現在では、Bを被詐欺者・処分行為者、Cを被害者とする三角詐欺の構成が有力と
なっています。 
@会員が商品を得て、カード会社が債務を負担したことにより損害を受けたので、
商品を購入した時点で2項詐欺が既遂となるとする見解(中森)
【批判】
商品の取得と債務の負担が表裏の関係にないので、詐欺行為者が得た利益と被害者が被った
損害とが「素材同一性」の関係になければならないという要請に反する。
Aカード会社が加盟店に立替払いをしたことにより行為者が債務の支払を免れ、
その既遂時期を商品購入の時点とする見解(西田・前田)
【批判】
まだ立替払いも債務の支払の免脱もない時点で、財産的損害の発生の危険が認めたれるだけで、
既遂を肯定することはできない。
B第三者に財産処分を受ける「地位」を交付させた2項詐欺であるとする見解(山口)
【批判】
「地位」を得ることが財産上の利益の移転ではない。詐欺罪は、財産に対する侵害犯であり、
「地位」を得ただけでは既遂にならない。
6私 見
三角詐欺罪のいずれもが難点がある以上、これを採ることはできません。かといって、否定説を
採るのは明らかに常識に反します。私見は、保留ということにしておきます。

308 :
t

309 :
刑法各論講義案 第14講  不法原因給付と詐欺・横領(1)
1 はじめに
民法の講義で学習したかと思いますが、民法708条本文は「不法な原因のために給付をした者は、
その給付したものの返還を請求することができない」と定めています。
たとえば、賭博のために金銭を給付することは不法原因給付に当たり、給付者は金銭の返還を請求
することができなくなります。
では、人を欺いて不法原因給付に当たる交付をさせた場合、詐欺罪は成立するのでしょうか。
あるいは、不法原因給付物を被給付者がほしいままに領得した場合、横領罪は成立するので
しょうか。
この問題については、判例は、戦前から一貫して詐欺罪・横領罪の成立を認めてきました。
ところが、不法原因給付物の所有権は被給付者に帰属すると判示した民事判決(昭和45年
10月21日)が現れ、横領罪に関しては、従来の判例を維持できないのではないかとの
疑問が生じました。給付物の所有権が被給付者に移るのであれば、被給付者にとってそれは
「他人の物」とはいえないはずだからです。
他方、詐欺罪については、学説は肯定説が通説の地位を占めています。 

310 :
刑法各論講義案 第14講  不法原因給付と詐欺・横領(2)
2 不法原因給付と詐欺
(1)判 例
判例は、旧刑法の時代から肯定説の立場を堅持しています。
Lさん、【百選44】(昭和25年7月4日)の(事実の概要)と(判旨)を読んでください。
有難うございました。
この判決では「其返還又は損害賠償をすることができない場合であっても詐欺罪の成立を
さまたげるものではない」と明確に述べられています。
最高裁は、その後も、たとえば、売春をすると偽って前借金を詐取した事案について、
詐欺罪の成立を認めています(昭和33年9月1日)
(2)学 説
通説は、理由づけこそ異なるものの、詐欺罪の成立を認めています。
@刑法の独自性を強調し、民法上保護されない財産であっても刑法で保護してよいとする見解
(藤木・前田)
A交付される財物・利益それ自体には何らの不法性もない点に根拠を認める見解
(多数説:平野・大塚・中森・山口など)
B行為者が不法の原因を作り出したのであるから、民法708条但書が適用され、
 返還請求権が認められるとする見解(大谷・西田)

311 :
刑法各論講義案 第14講  不法原因給付と詐欺・横領(3・完)
3不法原因給付と横領
(1)民事判例の影響
Mさん、【百選60】(昭和23年6月5日)の(事実の概要)と(判旨)を読んでください。
有難うございました。
このように、判例は、大審院時代から、一貫して、不法原因給付に基づいて委託された物を
ほしいままに領得する行為について、横領罪の成立を認めてきました。
ところが、前述の民事判決(昭和45年10月21日)が、不法原因給付物の所有権は、
給付者が給付物の返還を請求できないことの反射効として被給付者に帰属すると判示したため、
それまでの刑事判例の理由づけを維持できるかについて疑問が生じました。
(2)学 説
学説は、詐欺罪の場合と異なり、現在は、不法原因給付物について横領罪は成立しないとする
見解が多数を占めています(団藤・大塚・平野・中森・山口)
(3)不法原因委託(寄託)?
西田博士は、不法の原因に基づく「委託」も、民法708条にいう「給付」に当たるのかを問題とします。
そして、民法理論によれば、「給付」とは、終局的な利益の移転をいい、麻薬の購入や贈賄といった
不法な目的に基づき金銭を委託するのは「委託」であって「給付」には当たらず、なお返還請求権が
あると解されます。この見地からは、不法原因委託の場合、なお横領罪の成立が認められることになります。
大谷博士も、不法原因「寄託」物については横領罪が成立するとされます。
このような考え方については、「給付」と「委託」(寄託)とを明確に区別することができるのか
という批判が加えられています(山口・佐伯仁志)

312 :
刑法各論講義案 第15講  権利行使と恐喝(1)
正当な債権を有する者が恐喝の手段を用いてその弁済を受けた場合に恐喝罪が成立するか
という問題です。
1 判例の変遷
明治期の判例は、権利の有無を問わず恐喝罪の成立を認めていました。
しかし、大正初期には、権利の行使に名を借りた場合は恐喝罪が成立するが、権利の行使といえる
場合には恐喝罪の成立を否定し、脅迫罪の成立のみを認めるという態度に転じました。
(大正2年12月23日、昭和5年4月26日)
これらの判例の立場は、次の4点にまとめられます。
@権利の範囲内で恐喝の手段で財物・利益を取得しても、恐喝罪は成立しない。
2権利の範囲を超過した場合には、可分な債権なら超過部分についてのみ、不可分な債権なら
 全体について恐喝罪が成立する。
B権利行使の意思でなく、これに仮託したに過ぎない場合は、全体について恐喝罪が成立する。
C権利行使の手段が法律の認める範囲を超えるなら、脅迫罪が成立しうる。
判例は永らく、この枠組みで問題を捉えていました。つまり、本権説をベースに解決が
図られたいたのです。
戦後に入ると、判例は、変化し始めます。すなわち、権利の範囲内であっても債務者の忍容すべき
反旗を超えている場合には恐喝罪の成立をm認める事案が少しずつ増えてきたのです。I(昭和27年
5月13日、東京高裁昭和29年6月30日)。
転機となったのは、昭和30年判決です。

313 :
司法試験板に刑法スレ立ったよ ノシ
刑法の勉強法49 [転載禁止](c)2ch.sc
http://kanae.2ch.sc/test/read.cgi/shihou/1420463643/

314 :
☆☆☆☆☆
☆ 自民党、グッジョブですわ。 ☆
http://www.soumu.go.jp/senkyo/kokumin_touhyou/index.html

☆ 日本国民の皆様方、2016年7月の『第24回 参議院選挙』で、改憲の参議院議員が
3分の2以上を超えると日本国憲法の改正です。皆様方、必ず投票に自ら足を運んでください。
そして、私たちの日本国憲法を絶対に改正しましょう。☆

315 :
激しく議論がおきてる
https://www.youtube.com/channel/UCZnx2vdnmTlktsVHIMy1b2g

316 :
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/2246/1039194613/487
  ↑  ↑  ↑  ↑  ↑ 

317 :
、平成元年の大谷第二版338頁より
「問題は、故意または過失以外の主観的要素を考慮すべきかであるが、
行為者の犯罪計画および性格の危険性が
右の現実的危険性に影響を与えることは否定できないにしても、
実行の着手に当たるかどうかは
修正された構成要件に該当するかの類型判断であるから、
実質的判断の対象となる事実は違法性ないし責任の程度を確定する段階で
考慮すれば足りると解する。
それゆえ、故意または過失のみを考慮すべきであるとする(ii)説が妥当である。」

318 :
しかも、大谷刑法見たらわかるけど、「結果発生の」現実的危険性だからなあwww
反論者って、この「結果発生の」を隠蔽して語っているからなあwww
結果発生の現実的危険性に影響を与えるってのは、類型的判断だとか実質的判断だとか
分けられないからなwww
結果発生の現実的危険性の判断は一つだけなんだからwww
このように反論者の反論は無茶苦茶すぎるってわけ。
大谷刑法を読めばわかるが、反論者の意見の意図で記述しているわけではないことがわかるwww
反論者こそが妄想憶測でものを言ってるだけwww

319 :
公認会計士 飯田一郎に関連する検索キーワード公認会計士飯田仁一郎飯田一郎ハンドボール公認会計士飯田一郎ブログ飯田恵一郎公認会計士飯田有一郎飯田仁一郎結婚公認会計士飯田一郎飯田一朗公認会計士飯田響一朗公認会計士飯田崇一朗
公認会計士飯田圭一盗賊、残忍、残酷、冷酷、非情、薄情者、ガキ、ブタ野郎、クソガキ、無断掲載、進行妨害。
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公認会計士飯田一輝強要戦犯、船井電機絞首刑、斬首刑、異教徒、乞食、浮浪者、ルンペン、公認会計士飯船井哲良社長アク、割れたコップ、。尼崎市

320 :
業務上横領

背任
をマジで似たような例題で違いを教えてくれー
そこら中で解説見たけどわからーん

321 :
色川高志(青戸6)のK
https://www.youtube.com/watch?v=_SOMgpdUc98
http://d.hatena.ne.jp/kouhou999/

322 :
私は元創価の会員でした。
すぐ隣に防衛省の背広組の官舎があるのですが、
自分の家の窓にUSB接続のwebカメラを貼り付けて、そこの動画を撮影し続け、
学会本部に送っていました。

別に大したものは写っていません。ごみ出しとか奥さんが子供を遊ばせている所とか。
官舎が老朽化し使われなくなってから、
今まで法人税(うちは自営業です)をほぼ払わなくても済んでいたのが、
もう守ってやれないのでこれからは満額申告するように言われました。
納得がいかないと言うと、君は自業自得で餓鬼地獄に落ちる、
朝夕南無妙法蓮華経と三千回ずつ唱えて心をきれいにしなさいと言われ
馬鹿らしくなって脱会しました。

それ以来、どこへ行くにもぞろ目ナンバーの車につけまわされたり大変な日々です。
全ては自分の出来心から起きた事で、どこに訴えて出ると言う訳にもいかないのですが、
なんとかあの人たちと縁を切った上で新しい始まりを迎える方法はないんだろうか。

323 :
井田先生で入門し大谷先生で固める、刑法のお勉強

324 :
渋谷で入門し芦部で固める←憲法
内田で入門し内田で固める←民法

325 :
https://www.youtube.com/watch?v=tY-xyCbzdqY

https://www.youtube.com/watch?v=NJYs5GTmdcg

326 :
机の上の空 大沼安史の個人新聞
電磁波拷問・スローキル(Slow Kill)攻撃を許さない!
NSA(米国家安全保障局)の女性内部K者が不当解雇後、集ストに遭い、それにも負けずに戦い始めたところ、こんどは「電磁波照射」による「拷問・スローキル」被害に遭う!
http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2016/09/slow-kill-1dc2.html

電磁波拷問・スローキル(Slow Kill)攻撃を許さない!
2015年11月になってようやく、電磁波(指向性エネルギー)照射という「人道に対する恐るべき犯罪」に、自らの体験を通して気づく!
http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2016/09/slow-kill-603f.html

DEW(指向性エネルギー照射装置)による電磁波照射攻撃(スロー・キル)を許してはならない!
DEWによる報復照射を受けているNSA(米国家安全保障局)の元言語スペシャリスト、カレン・スチュアートさんがツイッターで被害報告!
http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2016/09/post-fe1a.html

DEW(指向性エネルギー照射装置)による電磁波照射攻撃(スロー・キル)を許してはならない!
DEWによる報復照射を受けているNSA(米国家安全保障局)の元言語スペシャリスト、カレン・スチュアートさんがツイッターで同時進行被害報告!
http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2016/10/wdew-2d3c.html

集団ストーカーによるDEW照射攻撃に、日本ではなぜ宗教カルト系組織が使われているのか?
NSAによるDEW(指向性エネルギー兵器)攻撃に曝されれている内部K者、カレン・スチュアートさんによると、彼女の地元の「インフラガード(InfraGard)」(米連邦政府自警団)が集スト照射の実戦部隊として使われているという
http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2016/10/infragard-10a2.html

電磁波照射・拷問攻撃を許さない!
米海軍士官学校(アナポリス)の卒業生(制御システム工学で学位取得)、デイヴィッド・ヴォートさんが、「DEW(指向性エネルギー兵器)」による電磁波拷問の脅威・現実を訴え、米国を横断ウオーク!
http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2016/11/post-cc21.html

電磁波照射兵器の実験・演習・使用を、許してはならない
http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2016/11/post-e223.html

327 :
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
まともな業者で20%、悪質な業者では40〜50%も請負先から請負元を通じて、本人には渡っていないという。
同条件で直接雇われるより、良心的なところで20%抜かれ、悪質なところで40〜50%抜かれるということである。

派遣業者は労働者を派遣スタッフという名で登録させ、派遣元に彼らを送り込む仕事をしている。
単なる、人の斡旋だけである。
そのスタッフの能力を評価する実力もないし、教育する力もない。管理することも出来ない。
会社の体をなしていない。まさに現在の口入れ屋に過ぎない。
派遣会社に雇用されているならば、保険に加入しているはずだが、派遣される時にしか加入しないのは、雇用状態とは言えないのではないか。
普通言われる正社員のような権利が殆ど無いではないか、雇用状態ではない。
ましてや、派遣業は誰でも起業できる。派遣先の専門的な知識無くして。コンピューターでスタッフ管理するだけである。
それで、派遣業の経営者は人のふんどしで、人の上前をはねて、丸儲けだ。
グッドウイル会長は人にピンハネをしたお金で高級マンション高級外車に乗る。
規制緩和の利益は、政治献金という形で還元される。
規制緩和が生む、新たな政官業の癒着構造だ。

派遣事業法は86年中曽根内閣の時、ITなど専門業種13種に導入された。
99年小渕内閣の時、業種が拡大され、04年小泉内閣の時、製造業が解禁された。

中間搾取、こういう阿漕な商売を認めたのだろう。
経営者にとって、極めて都合がよい。経営がうまくいかなければ派遣に返ればいい。それより、恒常的に楽に経営しようと思えば、できるだけ派遣に置き換えれば良い。
政府は完全に経営者の立場に立ち、労働者を食い物にした。
派遣会社はその労働者を食い物にした。
結局、規制緩和は弱者の労働を、強者の富に置き換える操作だったのである。

正社員編みの待遇を派遣先に義務づけ、かつ
手数料(中抜き)は不動産紹介並みの5%という上限を定めるか、
さもなくば、現代の口入れ屋は即刻、廃止すべきだ
★★★★政治家・マスゴミ・が隠す日本の真実!★★★★
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
https://www.youtube.com/watch?v=D6YjUs6fZ6c

328 :
あげ

329 :
いろいろと役に立つパソコン一台でお金持ちになれるやり方
少しでも多くの方の役に立ちたいです
グーグル検索『金持ちになりたい 鎌野介メソッド』

PI29W

330 :
親告罪に当たる犯罪について
捜査機関に直接,自首しなくても
公訴提起権者に申告すれば
同じ効果が有るのは,何故なんでしょうか ?

331 :
刑法の勉強方法はひとつだけだ。

それはいろいろと恐ろしい刑罰を考案することだ。

一例をあげるならば、「死確実ロシアンルーレット方式目玉銃殺刑」だ。

装弾数6発のリボルバーを罪人の目玉に当て、「これには6発弾が入っている。いまから5発弾を発射するよ。運がよければ生き残れるかもねw」と言って、ランダムに弾倉を回すフリをしながら、5発目には必ず弾を発射するように計算して眼球を撃ち抜く。

これなどたっぷり時間をかけて恐怖心をそそるようにすれば、実に恐ろしい刑罰となるのではないだろうか?

332 :
窃盗罪は
かつて,罰金刑を規定して無かったんですね

333 :
々でセクト指定されています。
(出典: Wikipedia、古川利明『カルトとしての創価学会=池田大作』)

【Neo神隠し】資産家の独居老人たちが次々と消えている!青年後見人制度と学会員・公明党・国交省の繋がりとは?

創価学会の不動産業者が資産家の老女Aさんの財産を乗っ取っているかもしれないという疑惑がある
Aさんは一人っ子なのに甥と称する人物が現れてAさんは老人ホームに入れられる
そしてそのAさんは今は行方不明
https://this.kiji.is/579860164490822753?c=427849843378390113

*公明への選挙協力に社員名簿無断使用訴訟になる
https://yamatoxx00xx.blogspot.com/2019/12/blog-post_24.html

334 :
刑法の教科書で不法って出てきたんだけどこれ違法の誤植か?

335 :
総則と罪の勉強の順番ってあるんですか?
民法は総則は後回しにしたほうがいいと聞いたことあるんですが。

336 :
>>1
令和元年
第72期検事任官者
法科大学院 人数
京都大学 10
慶應義塾大学 9
東京大学 8
一橋大学 7
中央大学 5
大阪大学 4
神戸大学 2
名古屋大学 2
岡山大学 1
首都大学東京 1
同志社大学 1
南山大学 1
福岡大学 1
法政大学 1
北海道大学 1
早稲田大学 1

337 :2020/05/18
ソ連の刑法は
社会階級によって、違う刑罰を
適用してたんですね

選択的夫婦別姓法案早く通すべき
大阪にせ税理士無責任事業承継コンサル詐欺巨大
統帥権の運用と集団的自衛権行使容認の憲法解釈
民主主義が一度もなかった国・日本
大阪にせ税理士無責任事業承継コンサル詐欺巨大
法哲学/法思想/倫理/日本の思想/世界の思想
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