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鋼の錬金術師 連載中 錬成陣2つ目


1 :2017/01/01 〜 最終レス :2020/03/09
月刊少年ガンガン 平成13年8月号にて連載された「鋼の錬金術師」
この漫画について色々語りましょう
なお、この作品は粗筋書きが真理に到達したおかげで、2日に1話のペースで連載されるようです
たまに真理の代償にガンガンを"もっていかれ"へんな時期に休載したり合併号になったりすることもあるがきにしないでね

※注意※
連載中スレとは連載終了した漫画作品を第1話〜最終話まで順々に、
『現在連載されているもの』つまり現在進行形で語り合うスレです。

●ただし、あらすじは単行本基準で進行していきますが、
●まれにページが多く、やむを得ず同シナリオでも複数に分ける場合があります。
●(「第1話・A」とか「第2話・前」等)
●スレ住人から教えられた場合は別ですが、この場合、
●区切りのいい所や一定のページで一旦切り上げる場合があります。ご了承下さい。

ネタバレ発言はご法度。現在明かされてる情報のみで語り合いましょう。
連載中スレにそぐわない話は楽屋裏スレで行いましょう。
次スレが立ったら or 連載終了して合図があったら楽屋裏! 現代に戻って好き放題に語り合え!

関連スレ等

前スレ
鋼の錬金術師 連載中
http://tamae.2ch.sc/test/read.cgi/csaloon/1475310260/
連載中スレの楽屋裏 第34幕
http://tamae.2ch.sc/test/read.cgi/csaloon/1358072497/

連載中スレまとめ
http://rensaimatome.blog.fc2.com/
連載中スレ過去ログ倉庫(更新停止中)
http://rensai.nobody.jp/

2 :
リゼンブールでは今日も駅長さんが声をあげていた
そこにエドが声をかける アルがいないようだけどどうかしたのか聞いてみると
「セントラルに置いてきた オレは誘拐されてきた」 「?」
そろそろ少佐が何を企んでるのか問いただそうとするが、少佐は意味深な笑みを浮かべるばかり
と、そこに二人を出迎えたのはマスタング大佐の部下、ブレダ少尉だった …なんで?とエドも首をかしげ

  <第40話 西の賢者>

ブレダ少尉が二人をサ店に案内し、中にいた出入国コーディネーターのミスター・ハンを紹介する
リンの付き人の老ニンジャ、フーじいさんから話は伺っている、との事で
ブレダ少尉は早速、ミスター・ハン出国ルートの相談をしようとするが
肝心のエドはパスポート未所持、なのだが…
「バカヤロ パスポートがあったら足が付いちまうだろ」
「それって密……
そういいかけたエドの口を、アームストロング少佐が強引に遮り
三人は有無を言わさぬといった形相でエドを睨みつける…

「…のヤローども 何を企んでるか知らねーけどつまんねぇ事だったら承知しねーぞ!
 で?どこに行く気だ?」
「東だ!」

その頃ウロボロスの潜伏する地下では、エンヴィーの怒声が響き渡っていた
どうやらラースがマスタング大佐を逃がした事に憤っていたようだ
その側でラストを失ったグラトニーがしょぼくれて涙を流していたが、ラースはエンヴィーの怒声に何も応えず…
そこに、お父様がラースに問う

<ラース… なぜ焔の錬金術師を逃がした>
「利用できるから生かして返しました」

3 :
その言葉に…お父様は自身の背に繋がれた配線を外して立ち上がる

<使えるか?>
「ロイ・マスタング…彼は優しすぎる それが強さであり弱点でもあるのです
 扉を開けさせてみせましょう」

…その言葉に、お父様は僅かに笑みを浮かべ、焔の錬金術師はラースに一任する事を命じ
お父様はそのまま歩いて何処かへと向かうのだった エンヴィーもその言葉に従うしかなく…
「…っ!おいラース! 奴ら本当に生かしておくつもりか!!」
「兵力を削いで飼い殺しにしておく 任せておけ」

アルの方は、丁度入院中のマスタング大佐のお見舞いに向かうところ
とはいえ傍目から見たらアルの方がよほど重症そうであるが
「この馬鹿者!」……丁度マスタング大佐の病室前で、突然大佐の怒声が響き渡る
「敵の言葉を信じて戦意喪失だと!? ホークアイ中尉ともあろう者があきれるな!
 うろたえるな! 思考を止めるな! 生きる事をあきらめるな!!
 軍人なら 私の副官ならもっと毅然としていろ
 引き続き私の背中を任せる 精進しろ」
その言葉に、ホークアイ中尉は僅かに目を伏せるのだった

だがそんな大佐を横で寝てるハボック少尉が茶化す
反論しようとするが傷に響きうずくまる大佐
しばらく言い争いになろうとするが、やっぱり傷に響き口げんかもままならない様子

「だいたい何故この私が野郎と同部屋なのだ ふつうは美人看護師付き個室だろうが!」
「我慢してください
 敵が寝首を掻きに来るかもしれない状況ですから 部屋は一緒の方が護衛しやすいんです」
「それだ!
 何故奴らはこの絶好の機会に我々を殺しに来ない!?
 人死にがいつ出てもおかしくないこの病院と言う場所で…何故だ?」

4 :
そんな疑問に思案を寄せる最中、フュリー曹長とアルが二人の見舞いに顔を出す
アルの方は出歩いて大丈夫なのか、ホークアイ中尉が心配するが
〔大丈夫です 人造人間<ホムンクルス>の気配がわかる人が付いて来てるんで〕
病院の屋上では、ランファンが赤十字の旗の上に立ってアルの身を護衛してくれていた
ただ、ホムンクルスの気配がわかると言うのがどういう事なのかアルもまだちょっとよくわかんない様子
ホークアイ中尉の体調も心配するフュリー曹長だが
中尉は僅かに目の下にくまをつくりながらも「これが私の仕事だから」と気丈に振る舞う

それはそれとして、中尉は病室の皆に一枚の地図を広げてみせる
中尉が第三研究所に入ってからの大扉までのおおよその距離を算出したとの事
研究所を中心に円を描いて見た結果…
〔大佐 これ! 第二研究所が範囲に入ってる〕
「まてまて もっと面白い所があるぞ 中央司令部外郭……… 大総統府もギリギリ届いている」
大総統もホムンクルスと繋がっている可能性もあるか思案する大佐
だが、ダブリスではホムンクルスの一味を大総統が自ら掃討したのはアルも目撃している
『殲滅』と言う点が少々引っ掛かるところはある物の…
それに、大佐たちに救護車を要請してくれたのも大総統である
味方と見て良いか…? 大佐も難しい顔でそう呟くのだった

「ヒューズは『軍がやばい』と言っていたから……
 軍の存在をおびやかす規模の組織と考えるのが妥当だろう
 上層部のどこまで入り込んでるかわからんが 楽観視できない事は確かだ」
「しかし敵を引きずり出し 一掃する事ができれば…」
「うむ この国を一気に駆け上がる事が出来る」

5 :
バリーの件では軍とつるんで暗躍する組織の尻尾でもつかめれば上場とは思っていたが
予想以上のでかい魚がつれた、と語る大佐 
大きすぎる気がしないでもないが、大佐は戦り甲斐があっていいと剛毅な態度で臨む
ホークアイ中尉やハボック少尉にはもっと働いてもらう、との言葉に
「信用できる手駒をもう少し増やしていただけるとありがたいのですが
中尉も苦笑い気味にそういいながらも敬礼を返す  が、ハボック少尉は
「あー……その件ですが 俺一抜けさせてもらいます
 俺の両足 感覚無いんスよ すんません リタイアっス」

病院を出たアルが、不意に兄がマスタング大佐を嫌っている理由がわかった気がする、と言う
〔普段は理不尽な事も呑み込んで 口では目的優先って言ってるけど
 いざ身内の事になるとあぶなっかしい位自分の事をかえりみなくなる
 兄さんとすごく似てるんだ〕
「同属嫌悪?」〔子供だよね〜〜〜〜〕 アルと曹長で、ひとしきり笑いつつ
「そう言うアルフォンス君は大人かい?」 その言葉に、アルは僅かに黙し…
〔大人だったら…禁忌を犯してまで元の身体に戻ろうなんて考えないよ〕

その頃エドの方は、砂漠の暑さにうだっていた
何度もあぢーとぶーたれるエドに、若者が情けないとアームストロング少佐が叱りつけるが
「あのな!こちとら鋼の手足ぶら下げてんだぞ 熱がこもってヤケドしそうなんだよ!」 シュー
ブレダ少尉もまだ着かないのかミスター・ハンに聞いてみると
丁度双眼鏡でクセルクセス遺跡が見える位置までたどり着いたようだ

「あれがクセルクセス遺跡の中心
 かつて栄華を極めた王国の市街地も今は東西を行き来するキャラバンの中継地になっているだけだ」

6 :
一行の到着を待っていたフーじいさんだが、なんでエドも一緒に来てるのか首をかしげ

「そりゃこっちの台詞だなんでじじいがここにいるんだとかなんでオレがこんな辺境まで連れて来られにゃならんのだとか色々訊きたいけどとりあえず水!!」 \水〜〜〜/
「む…なんかわからんがスマン;」

とりあえず遺跡の池で水に浸かって一息つくエド

「クセスクセスってーと『東の砂漠の賢者の話』でしか知らなかった」
「東の賢者カ?」
「そう オレ達の国に錬金術を伝えた術師のおとき話
 一夜にして滅んだクセルクセス王国の生き残りが
 建国から間もなかった頃のアメストリスに流れ着いて錬金術を広めた …って伝説」
「似た話はどこにでもあるものだナ
 我々の国では『西の賢者』と言われていル
 我々の国…シンから見て西方から流れついた錬金術師の話があル
 その賢者が来てから 我が国の錬金術は飛躍的進歩を遂げタ」
「そちらさんの錬金術って医学方面が得意だっけ」
「うム とは言っても古来のそれは妄想と創造の産物で とても錬金術とよべる代物ではなかっタ
 水銀に不老不死の効果があると信じて飲み続け 三代にわたって水銀中毒で死んだ皇族の話もある程ダ
 そこに西から来て錬金術を伝えた偉人がいタ
 彼の技術と古来よりシンに伝わる技術が合わさり今の錬丹術となったらしイ
 我々は彼の事を尊敬をもって呼んでいル 『西の賢者』…ト」

その伝説にエドも、リンがクセルクセス遺跡を一目見たかった、と言った理由がわかった気がした

7 :
遺跡内部は、荘厳な神殿が未だそのままの姿で残されていた
これほどの技術をもっていながら、本当に一夜で滅んだのだろうか
…するとエドは、神殿に刻まれた五角形のような巨大な紋章が目に止まる
と、フーじいさんに声をかけられ、改めて遺跡の奥に向かう たどり着いた場所で、エドが見た物は…

―私がいた東部 あそこはいいぞ 都会の喧騒も無いし 何より 美人が多い―

マスタング大佐に討たれたはずの、マリア・ロス少尉
その姿に、エドは苦笑気味に大佐の言葉を思い出すのだった

その姿にアームストロング少佐も号泣しながら抱きつきにかかる!
しかし、ロス少尉はすばやく身をかわした

我輩感動 (じりじり
セクハラでうったえますよ (じりじり

「死んだはずの人間が国内にいちゃどこでバレるかわかんねぇからよ
 国外に出しちまうのが一番安全だわな
 だいたい怪しまない方がおかしいっての
 大勢の目の前でこれ見よがしに連行するわ
 軍にとって不名誉である同僚殺しをでかでかと新聞に出すわ…
 パフォーマンスが過ぎたってこった」

号泣しながらもロス少尉に付きまとうアームストロング少佐
ロス少尉も涙目でそんな少佐から逃げ回るのでした

8 :
場面はリゼンブールに戻り 一人の男性が駅長と駅員さんにただいま、と声をかける
…誰だっけか、と二人とも首を傾げるが、どうやら二人ともその人物を思い出したようだ
豊かな顎鬚を蓄えたその人物は、焼け落ちた一本杉の側にある廃墟に足を運び
どこかその光景に、茫然としたような表情を浮かべ…

ピナコ婆さんの家では、丁度婆さんがアルバムを開き子供達の思い出に浸っていた所
すると、横で寝ていたデンが不意に飛び起き、突如唸り声を上げ…

「ピナコ 俺の家が無い」
「…………ホーエンハイム……!!」

困り顔で訪れたその人物は、エルリック兄弟の父親 ホーエンハイムであった
そんな彼にデンが警戒するように吠える
「……昔から動物には嫌われてばかりだ」

現れたホーエンハイムと共に、一陣の風が吹き…
その風にまくられたアルバムには、若かりし頃のピナコ婆さんと

「ほんとに… 昔から何ひとつ変わらないね あんたは」

おおよそ40年の歳月を経ても、未だ変わらぬ姿のホーエンハイムの写真が写されていた
…ピナコの言葉に、ホーエンハイムのメガネの奥の瞳が、どこか冷たい輝きを見せていた…

<続く>

9 :
これはやはりエドの父親=お父様ということなのか…?
あ、ロス少尉はある意味わかりきってたんでノーコメ

10 :
  <第41話 小さな人間の傲慢な掌>

ヒューズ准将殺害事件の犯人、マリア・ロス少尉を殺害したと思われていたマスタング大佐
全ての事の始まりは、新聞にロス少尉がヒューズを殺害した記事と
そこに大佐にかかって来た、ファルマンからの一本の電話である
そこにファルマンの電話を取ったバリーが、大佐に面白い話があると告げると
「なんだとバ…

 やあバーニーか 久しぶりだな
 ファルマンにねだって仕事場まで電話をかけてくるとはそんなに私の事が好きかね はっはっは
 いやしかし困ったな 軍の回線を私用に使うのはいただけない」
〔やーんごめんなさーい(くねくね
 バーニーちょっとマスタングさんとお話したかっただけなの
 ふたりの将来にかかわる大事なお・は・な・しv〕

大佐の突然の無茶振りにしっかり応えるバリーにファルマンもずっこけ
で、改めて大佐が外からファルマン宅にかけなおして

「私だ」〔アホなマネさせんじゃねェよボケナス〕
「いや おまえが機転のきく奴で助かったよ 軍の回線だと盗聴のおそれがあるからな」

バリーはマリア・ロスを正面から堂々と留置場から出してやる、と大佐に持ちかける
大佐から段取りの指示を受けつつ…ファルマンには事情の説明がめんどいのでぶん殴って気絶させておきました

11 :
電話が済み、大佐はブレダに買出しを頼む
「豚の骨と肉… 炭素… アンモニア… なんですか?」
「焼死体をひとつでっちあげる」
「じっ…人体錬成!?」
「バカ言うな あくまで『人間の焼死体のようなもの』だ
 完全な人体である必要は無いから内臓や諸器官も適当でいい」
「そんなもん検死に出されたら一発でバレますよ」
「鑑定など出来ない位ケシ炭にする ロス少尉の歯科カルテの写しはホークアイ中尉が入手済みだ
 人間の歯の主成分はカルシウムとリン あと少々のナトリウム等
 そして治療に使われる金歯・銀歯… 材料さえ揃えば錬成は容易い」
「…………錬成できるんですか?」
「専門ではないがそれなりに知識は持っている 焼死体を作るのは得意だ」
夕陽が沈むなか、大佐はブレダに急ぐように命ずるのだった

・・・
その後留置場に乗り込んだバリーがリンと遭遇し、そこで取り引きを持ちかける
バリーの身体の秘密を教える代わりに、ロス少尉をシンの密入国ルートで国外退去させる
逃走先が決まれば後は―――

―――――

ロス少尉の眼前にマスタング大佐が立ちはだかったあの時
大佐は側に会ったゴミ箱から、人間の形を模したダミーを引きずり出し
「君は今夜ここで死ぬ」 地面に置いたダミーに焔を放つ
街の一角に激しい爆発が起こり、焼け焦げたダミーに茫然と座り込むロス少尉を強引に引っ張り
ゴミ箱の中に押し込むと、中の壁に穴が空いており、そこからハボック少尉が引っ張り込もうとして
と、ロス少尉の識別章に気づき、その鎖を切って大佐に渡し
これを焼けたダミーの側に置けば、ロス少尉の殺害完了……となるはずであったが
そこに駆けつけたエドの怒声が微かに聞こえてきた ハボックも予定外と僅かに冷や汗を浮かべるが
とりあえずは大佐が何とかしてくれるであろう、とロス少尉を連れてしばらくスラムに身を潜めさせるのだった

―――――

12 :
で、スラムでフーじいさんと合流しロス少尉はそのままじいさんと同行
ブレダ少尉はここで合流する約束を取りつつ別行動を取りアームストロング少佐に「リゼンブールで待つ」と連絡を取って
そしてエドの身柄をアームストロング少佐が ご く 自 然 に 連れ込んだという訳である
ひとまずは、大佐達サイドとエド達サイドとでの情報交換タイム

エドの言うホムンクルスの情報に難しい顔の一行 
…と言うかこうして考えれば考えるほど、ロス少尉賢者の石とか全くの無関係である
そんななか、ブレダ少尉は本当にヒューズを殺してないのか問う ロス少尉も当然その言葉を否定して…

「そうか よかったよ こいつを使う事にならなくて
 万が一ロス少尉が犯人だったら 情報を訊き出した後に撃ちRよう大佐から命じられていた」

その言葉にロス少尉とエドも僅かにたじろぎ…本当にヒューズ中佐…准将が死んだのだと思い知らされる
ヒューズ准将婦人に会って事件の事を説明したと言うと、ブレダ少尉に思いっきりげんこつ喰らった
「被害者家族に事件の裏側を教える事がどんな危険な事かわかってんのか ええ この豆はよ!!」#
エドのアンテナを掴んで締め上げながらブレダ少尉も信じらんねーと頭抱え
「で?なんて言われた?」「…………『納得する方法で前へ進め』って言われた」
その言葉に、アームストロング少佐は「どうする?」とエドに問い、エドは僅かに目を伏せて…

「禁忌を犯したオレ達に協力してくれる人達がいる
 怒ってくれる人がいる だまって支えてくれる人がいる
 二人で元の身体に戻ろうと約束した弟がいる
 そして事件の事を知ってしまって 後戻りできない状況にある

 ならば 前に進むしかないじゃないか!」

エドはその顔を上げ、拳を握り締めながらはっきりと強い意志で語る

13 :
「もう誰一人失わない方法で もし目の前で誰かが犠牲になりそうになったらオレが守る
 難しい事かもしれない
 この手で守れるものなんて自分の身ひとつで一杯なのに 更に他のものまで守ろうだなんてただの傲慢かもしれない
 でも身の程知らずと言われようとも 今のオレにはこれしか思いつかない
 ………やっぱオレ 馬鹿か」
苦笑い気味になるエドに、「まったく馬鹿でごーまんなガキ」といい放つブレダ少尉だが
「だがそういう真っ直ぐ馬鹿は嫌いじゃない せいぜい気張れや」 少尉はそう励ましてくれた

…その後、ロス少尉はフーじいさんの案内でシンに亡命する事に
いつまでもここにいられないし、国に戻るわけにも行かない
とはいえ、せめて両親にロス少尉が生きてる事を知らせておくか尋ねるが
「いえ 万が一私が生きている事が両親の口から漏れれば取り返しのつかない事になりますから
 人を殺した娘を持った親として辛い日々を送る事になると思いますが仕方ありません」
同僚のブロッシュ軍曹も落ち込んでいたが、すぐ顔に出るから教えちゃダメと注意しとく
そんな言葉にエドも苦笑い、少尉との別れにアームストロング少佐も涙ぐみ

「アームストロング少佐 ブレダ少尉 マスタング大佐に伝えていただけますか
 あのままだったら策にはまって殺されていた私を生かして逃がしてくださった事に感謝します
 もし有事の際は遠慮なく呼び戻してください
 恩に報いるため その時が来たら命をかけて働かせていただきます!」
ロス少尉がそう告げて、3人に敬礼を向ける 
アームストロング少佐とブレダ少尉も敬礼を返す
エドも複雑な表情でたどたどしい敬礼を向けようとして…ロス少尉が手を差し伸べる

「エドワード君 元気でね」   「ビンタの借り…返せなかった」

その手を握り締め…ロス少尉は一行と別れるのだった

14 :
砂漠超えが始まり、ロス少尉はフーじいさんにシンがどんなところなのか聞いてみる
じいさんがいうには人も贖罪も豊かな懐の深い良い国と語る
「この砂漠を越えたら楽園があると思っていいんですね」
「うム …ただしこの砂漠越えがなかなか過酷でナ 気をつけろヨ
 今からあまり水分を浪費するナ」
別れに涙するロス少尉に、フーじいさんはそう声をかけるのだった

ロス少尉と別れ、エド達もアメストリスに戻る準備 
だがその前にエドが調べ物があるといって一人遺跡の奥に向かい
……一人で遺跡の奥に向かうエドに不審な男たちがその様子を伺う……
遺跡の奥、五角形の紋章のような物を刻んだ広間の前に戻ってくるエド

(錬成陣… …とは違う)
中心部に二頭の竜 それを囲うような五角形の隅に、太陽が五つ…?
第五研究所の錬成陣と酷似しているようだが…上の方が欠けてて肝心の全容が掴めない 
もぎゃー!!とエドが頭を抱えてると、その後ろから何者かがエドに襲い掛かろうとし…!
それを見もせず避け、容易く襲い掛かる暴漢を取り押さえるエド
……取り押さえた暴漢をよく見てみると、その人物はイシュヴァール人であった
それに気づくと同時に、多数のイジュヴァール人がエドの周囲を取り囲む
悪いが捕まって欲しい、とエドに告げるイシュヴァール人達

「イシュヴァール閉鎖地区の解放
 およびイシュヴァラの聖地を踏みにじる国軍の撤退に要求するために人質になってくれんか 少年よ」
「バカバカしい あの軍がこんなガキ一人のために指一本たりとも動かす訳無えだろ」
「世論は変えられるかもしれん 子供を見殺しにしたアメストリス軍……とな
 イシュヴァール内乱も引き鉄は一人の子供の死だった
 何が歴史を変えるきっかけになるかわからんのだよ 少年」

しかしその暴挙を、シャン様と呼ばれたイシュヴァール人の老婆が止める

15 :
老婆とお付の少年がエドに詫びの言葉を述べるが
我々の全てを奪い、荒野へ追いやったアメストリス人を許す事は出来ないと語るシャン様
ではなぜそのアメストリス人であるエドを助けるようなマネをしたのか問うと
全てのアメストリス人が悪人ではない事を知っているから、と語り
なんでもシャン様、そのアメストリス人に命を救われた事があると言う

「シャン様も僕もあの内乱で死にそうな怪我をした時にアメストリスの医者に助けられた
 イシュヴァールがあんなになってしまって 正直君達が憎いけど
 今僕が生きていられるのもその医者のおかげだ 全てを憎む事はできない」
「―――間接的にオレもその医者に助けられた事になるのかな
 医者か… オレの知ってる医者夫婦も内乱の時 イシュヴァールに行ってたよ」
その言葉に…少年から意外な名前が出てくる
「医者夫婦って……ひょっとしてロックベル先生!?」「え?知ってんのか?」
「知ってるも何も僕達を助けてくれたその先生だ!」

思わぬ縁、と少年も声を上げずっと礼をいいたかったと言う少年
その言葉にエドもどこか穏やかな表情を浮かべ
…二人がどんな最後だったか聞くと 少年は僅かに躊躇し…
「ロックベル夫婦は… 助けた患者に…イシュヴァール人に殺された」
「…そんな 理不尽な事があるかよ……」

シャン様の脳裏に、その時の光景が浮かび上がる
脅える少年を抱きしめるシャン様 その眼前には憎しみの形相を浮かべる一人のシュヴァール人
その右腕には、複雑な文様が重なった入れ墨が刻まれていた…

……シャン様達イシュヴァールの人たちとの別れ際、エドはシャン様からの伝言を頼まれる
「もし機会があったらロックベル夫妻の墓前に報告をしておいてくれるか 感謝と 謝罪とを」

16 :
こうして、ひとまずリゼンブールまで戻ってきた一行
少佐たちはこのまま中央へ戻るが、エドの方はピナコばあちゃんの所で一旦腕の整備をしてから戻ると言う
ばあちゃんの家に行く前に、とりあえずロックベル夫婦の墓の前に挨拶に行こうとするが
墓地を訪れると、エルリック兄弟の母の墓前に誰かが立っている様子
……その人物の後姿に、エドは眼を見開き

(まさか… うそだ… そんな…)

エドワード・エルリックとホーエンハイムは、その再会を果たす…

<続く>

17 :
くねくねバーニーかわいい♪
あと「泣くな」ではなく「水分を浪費するな」っていうのかっこいい。

18 :
タイトルが意味深だが誰の事を指してるんだろう
エドのことではないのは確かだとは思うが

19 :
人間としての傲慢を罪ではなく美徳として捉えてるのでは
俺にはエドが自分の傲慢を受け入れたうえで、傲慢な願いを小さな手で叶えようとしてるように見えた
っていうかアニメだとイシュバールの内乱って
「表向きは一人の子供の死だが実は軍の特殊部隊が動いていた」って事になってたし裏が有るかも
一応アニメは漫画のネタバレは全部されたうえでストーリーは別物にしたらしいが
この親父がどういう立ち位置になるかは気になる
アニメ版は悪人じゃなかったが好きにはなれなかったからなぁ

20 :
なるほど、傲慢というものをそう言う視点で見ればたしかにエドに当てはまるか
傲慢と言うとどうしてもネガティブなイメージが付き気味だが
その罪を前に進む糧にしたエルリック兄弟に合ったタイトルだと思えてきたわw

21 :
鋼の錬金術師 10巻 2005年4月11日 初版発行
掲載・月刊少年ガンガン 平成16年9月号〜12月号

作者近影・コメント

本屋にて買い物中の牛さん
「生体解剖00円 B級戦犯軍法法廷資料000円 ザ・殺人00円
 殺しの心理学00円 陸軍兵器考00円 SAS全史00円 法医学00円」
レジに行ってから『しまった』って思う事あるよね

9巻のカバー絵がなかなか好評だった様で沢山の感想をいただきました。
「俺の背中に付いて来い!ってやつっスね!!」とか
「男は背中で語るんだね!!」とか
「皆に背中を預ける感じがいいね!!」とか。

………「大佐の正面書くのがめんどうだったから」なんて言えない…… ……言えないよ……

あらすじ
エドワードとアルフォンスの兄弟は、
幼き日に喪った母を錬金術により蘇らせようと試みる。
しかし、錬成は失敗しエドワードは
左足と弟のアルフォンスを失ってしまう。
なんとか自分の右腕を代償にアルフォンスの魂を錬成し、
鎧に定着させることに成功するが
その代償はあまりにも高すぎた。
そして兄弟はすべてを取り戻すことを誓うのだった…。

22 :
      CONTENTS

 第38話 反撃ののろし
 第39話 錯綜のセントラル
 第40話 西の賢者
 第41話 小さな人間の傲慢な掌

P10 タバコを銜えるラストのラフ なんであいつはこんなまずいモノを吸うのかしら

カバー裏おまけ



鎧の錬金術師 第13002話 『ラブ☆スイーツは陰謀の味』

(主役(プリマ)の座……わたすものですか…!!)

「アップルパイにスパナが!!!」
「食べる前に気づけよ!!」



セレブ鎧
アルヘッドに今度は腕が生えました 
ソファにねこと一緒に座りながらワイングラス片手に足組み エドもおもわず突っ込み

本日の背表紙
ケンカしあうバリー鎧と肉体&ラスト
あと地上に落っこちる誰か(たぶんロス少尉)

23 :
[おまけ]
ホーエンハイムの帰宅シーンにて
「ピナコ 俺の家が無い」
「……… ホ ー ム レ ス ……!!」


おまけ4コマ

[もしもエドとアルの立場が逆だったら]

「ごめん兄さん…右腕一本じゃ兄さんの魂しか…」
〔…ってうおー!!身長でけェ――!!!キャッホー!!!〕

〔タッカーてめこのヤロー!!(ガスガスガス)やりやがったなこんちくしょ――!!(バキドカ)〕
「やめて兄さん やめ…タッカーさん死んじゃうよ!! 誰かこの人止めてー!!!」

〔オラオラどこ見て歩いてんだ(通行人にぶつかり
 わははははでかい身体は目立ってしゃーないのう!!〕
後ろでアルが街の人に頭下げつつ

・・・
(よかった…鎧の体がボクでよかった……!!)
〔そのままの兄さんでいてね〕(ホロリ

[非道なりホーエンハイム]

兄さんは父さんの事が大嫌いです
エドの口汚い父への罵倒の言葉に、ホーエンハイムはぱんつを二つもって
「おいエドワード あんまり言葉が過ぎると父ちゃん怒りますヨ
 おしおきだ 俺のパンツとおまえのパンツを一緒に洗ってやる」 洗濯機にぱんつぽーい
その光景にエドの叫びが響き渡るのでした アルも思わずふんどし隠し

24 :
[そこだけホークアイ中尉命名]

「作戦コードネームを発表します  私 リザ・ホークアイは『エリザベス』
 ジャン・ハボック少尉は『ジャクリーン』
 ケイン・フュリー曹長は『ケイト』
 ヴァトー・ファルマン准尉は『ヴァネッサ』

 ハイマンズ・ブレダ少尉は『ブレ子』」

σ(;゚Д゚) 

「『ブレ子』。」


担当と打ち合わせ中の牛さん
<39話ですが、シリアスな話なのでコメディ部分は削りましょう>
「そうですね その方がしまりがあっていいですね」
<その分ページをアクションシーンに回して…>
「ボインは残していいんですか?」

< ボ イ ン は残さなきゃダメだろ!!>

「下村さんが担当でよかったと今 心から思います」

25 :
次巻予告

 一つの真実が
 見えた。

「そうだ! "あそこ"にいるのはおまえだ!!」

「真理は残酷だが正しい」

 ホーエンハイムが残した言葉に
 エドは一つの疑問を抱く。
 真実を知ろうとするエドの前には、
 非情な現実が立ちはだかる。
 真理は残酷だが正しい。
 しかし、そこを乗り越えた時、
 エドは一つの答えを見つける…。

「また我らの邪魔をするか 傷の男<スカー>よ」

鋼の錬金術師 11巻
2005年7月発売予定!!
乞うご期待!!

26 :
エドが完全にチンピラwww
いくらデカくなってももうちょい理知的だろうがファンサイトでも似たようなネタが有るだけに
作者だからこそここまで滅茶苦茶やれるんだろうなw

27 :
ホーエンハイムはなんだか普段ちょっととぼけてる雰囲気があるなw
ある意味アルは父親のこういう部分を受け継いだんだろうな
……あれ?そうなるとエドの気性の荒さは実は母親譲り…?

28 :
次巻はシャンバラの公開に併せてくるのか
つってもテレビ版の終わり方考えると漫画版に関係有る情報は出てこないだろうけど
ガンガンでここまでメディア化成功したのはグルグル以来だし否が応でも気になるな

29 :
>ブレ子
作者が同人にネタを提供するなwww

30 :
>>27
若い頃はエドのように血気盛んだったのかもしれんw
年とると丸くなるからな

31 :
ホテルのフロントでは、兄がまだリゼンブールに来ていないとピナコばあちゃんに言われアルもびっくり
そろそろ旅費も尽きかけてるし、片腕が無いままで不便なのだが…

<ああそうだアル!大変だよ!>
〔何? …え……? 父さんが……?〕

  <第42話 墓前の父>

母の墓の前で再会するエドとその父ホーエンハイム 
その姿にエドは激昂した表情を向け、ホーエンハイムはどこか目を丸くして…

「大きく…なったな?」(ななめ
「なんで疑問系なんだよ」(#
「中央あたりで有名だぞおまえ 史上最小国家錬金術師だって?」(ななめ
「最年少だッッ」(##

…人体錬成をした事を問われると、エドもホーエンハイムから目を反らし
妻トリシャの死を嘆くホーエンハイムだが、エドはてめえの責任だと父を責める
……どうにも会話がかみ合わない父にエドも頭を抱えつつ
ホーエンハイムは何故家を焼いたとエドに問うと、エドは後戻りをしないための覚悟だと答えるが

「ちがうな 自分の過ちを その跡を見たくないからじゃないのか
 嫌な想い出から逃れるためか? 寝小便した子供がシーツを隠すのと一緒だ

 逃げたな エドワード」

「てめぇに何がわかる!!!」 「わかるさ」

32 :
…ばつが悪そうに父から顔をそむけ、帰路に着くエド ホーエンハイムも一緒に
「付いてくんな!!」
「ピナコん家に帰るんだろ? 俺もそっちなんだからしょうが無いだろう
 ……… 髪伸ばしてるのか おそろいだ」
ぶちンと、ついにエドも堪忍袋の緒が切れて、後ろ髪をばばっとみつあみにしてぎっと睨み
そのままお怒りの形相で一人ずんずんと歩いていくのでした
「……………俺の若い頃にそっくりだな」

その夜…一人ベッドで横になるエド 
それを見ていたホーエンハイムに赤子時代のエルリック兄弟の姿が浮かぶ
眠るエドの前に立ち、そっとその頭を撫でようとするが…
ホーエンハイムは僅かに躊躇し…結局エドの頭を撫でる事は出来なかった

「人体錬成なんて…なんで誰もあいつらを叱ってやらなかったんだ」
「あの状況で叱れるもんか あんた親だろ 叱ってやりなよ」
「………… どうやって叱っていいのかわからん」
酒を片手にホーエンハイムはそう呟く 部屋の隅ではデンがホーエンハイムを警戒して唸り声を上げていた
「なんで電話の一本も入れてやらなかった!! トリシャはずっと待ってたんだよ!
 あの子らだって父親(あんた)がいれば母親をつくろうだなんて思わなかっただろうに!
 かわいそうに あの子らは母親の死を二度見てしまったんだよ」

ホーエンハイムを責めるピナコの言葉に
「母親を作る…か」
そう呟き…デンが何かに気づいたか部屋の外にでると
ホーエンハイムは不意に切り出す
「…ピナコ あいつらが人体錬成で失敗してできたものを後片付けしてくれたのはおまえだったな

 本当にそれはトリシャだったのか?

 たとえば瞳の色… 声…… 髪の色…」

33 :
………その言葉に、ピナコには心当たりがあった…
「…どういう事だい?あれはトリシャじゃなかった……?
 全く関係無い物を作ってあの子らは身体を持ってかれたって言うのかい!?
 そんなひどい話があるかい!!」
ピナコの叫びをよそに、ホーエンハイムはデンの出て行った扉を横目で見やり…
……その物陰に潜んでいたエドも、父の言葉に眼を見開いていた……

朝になって、ホーエンハイムはまたどこかへ向かうつもりのようだ
と、そこに壁に飾ってある写真に目が止まり エルリック家族4人が写った写真を譲ってもらう

「ピナコ…おまえやっぱりいい奴だな
 昔から何ひとつ変わらない俺を不審な目で見る事も無く昔どおり接してくれた
 お礼にいい事を教えてやるよ
 じきに酷い事がこの国で起こる 今のうちによその国へ逃げとけ」
「…この国は年がら年中酷い事だらけさ なんで今更逃げなきゃならないんだい
 それにここを帰ってくる場所にしてる奴らがいるんでね」
「……………忠告はしたぞ」

家をでて背を向けながらピナコに手を振るホーエンハイム
「残念だよピナコ もうおまえのメシが食えなくなるなんて」
どこか冷たい眼差しを浮かべ、ホーエンハイムはそう呟く…

と、ここで場面はアルの方に代わる 
十年くらいは行方不明だった父さんが田舎に帰っているとの事をリン達に説明するアル
会いに行かなくていいのかリンが聞くが、アル曰く会っても何を話していいかわかんないそうで
とはいえ嫌いと言うわけでもなく…と言うよりは嫌いになれるほど父と接した記憶も無いのだが
〔でも錬金術の話はしたいな 父さんの残してった蔵書をみるかぎりかなりできそうな人だったから…
 ―――って あ――――…〕
なんだか不意に頭を抱えるアルの姿に、リン達が首をかしげ
〔きっと兄さんの事だ 父さんに無駄に反発して錬金術の話なんてこれっぽっちもしないにちがいない
 最悪ぶん殴ってるかも………〕
「容易に想像できるわね……」

34 :
リンの方は父親と仲は良いほうなのか聞いてみるが
仲がいい所か会話すらした事が無いと語るリン その言葉に二人も申し訳なさそうにするが
「なんか勝手に俺の人生想像してなイ? 相手は皇帝なんだヨ 気易く話せる相手じゃないねェ」
「…シン国の?」「そウ」〔じゃあリンって皇子様?〕「そウ」

その言葉に、二人は…さながら白馬の皇子(プリンス)チックなリンの姿を浮かべて…
なんかツボに入ったみたいでしばらく笑いが止まんなくなった二人でありました

「や ごめん あまりにもあまりだから………」
「だからね ほら 俺のお嫁さんなれば将来皇后様ヨ?玉の輿ヨ?
 どうだろウィンリィちゃん ひとつ嫁ニ…」
「だめよぉこの国には機械鎧技師(あたし)を必要としてくれる人がいるからv」(スパナで顔面ボギャ
「そーかああははははハv」 「若――ッ!!」

「…にしても皇子が行きだおれたりご飯たかったりってどうなの」
「まあ確かにありがたみないなァ 皇子っても20人以上いるしナ」
「正式には皇子24人 皇女19人でス」
「シンは50からの少数民族が集まってできている国家ダ
 その各民族の首相の娘が皇帝の妾として召し上げられ 皇帝の子を産ム
 俺の母はヤオ族代表として皇帝に嫁いで俺を産んダ 俺は皇帝の第十二子にあたル
 十分に次の皇帝の座を狙える位置にいるんダ」

その言葉にウィンリィも絶句し、アルのほうも相続件はどうなってるのか聞いて見る
まさしくその相続権が、今のシンで直面している問題
皇帝が病に犯され、もはや先も長くない そのためシンでは各部族での覇権争いによる潰しあいがなされているそうで

〔そっか…自分が死にそうだから不老不死にすがる……と…
 あれ?でも不老不死の法を持ち帰っちゃったら現皇帝が死ななくなるって事だから…〕
「リンにはいつまでたっても玉座がめぐって来ないじゃない」 ねえ

35 :
「今の皇帝は先が長くないって言ったロ 
『不老不死の法らしき物』を持ち帰って一時的に喜ばせてやればいイ
 生きてるうちに俺の一族の地位を少しでも引き上げてもらウ あとは自分で玉座をぶんどル
 俺はヤオ族50万人の命運を握ってこの国に来タ 賢者の石とそれにまつわる伝説を頼りにネ

 そして君の身体の秘密を知っタ

 鉄の身体に魂の定着… 滅びる肉体の無い君は不老不死に一番近イ」
…だがその言葉に、アルは頭を抱えながら笑い声を上げて…
〔無駄だよリン 不老不死どころかまっとうな人並みの人生分もあやしいもんだ
 時限爆弾付きなんだよ この身体〕

同じ頃、マスタング大佐は病院の待合室で点滴を受けながら本を広げていた
そこにいつぞやロス少尉の検死を担当した検死官が横に座る どうやら腰痛の診断に来た様子で
……同じ席の少し離れた位置で、小声でマスタング大佐に離しかける検死官

「"あれ"を焼いたのがおまえさんだと聞いてピンときたよ 何企んでる」
「…企んでるとわかってて"あれ"をロス少尉と断定したのか」
「言ったはずだぞ 『もう少し上手く焼け』ってな 焼死体にしては腕の角度がおかしかった
 葉型が一致したから一応はロス少尉本人としたがな 鑑定医が俺じゃなかったら危なかったかもしれんぞ」
「ロス少尉が脱走した日に 軍の工場で大規模な火災があっただろう
 かなりの数の死傷者が出たからな 焼死体に詳しい 貴方が詰めているとふんだ」
「…あきれるな イシュヴァール以来会ってない俺をアテにしたのか」
「戦友だからな」
「『戦友』なんてユルい仲かよ 懐かしいな おまえさんが焼いて俺が解剖
 イシュヴァールは巨大な人体実験場だった
 戦友なんかじゃねぇ 共犯者だろ
 あんまり危なっかしい綱渡りしてるといつかしっぺ返し喰らうぞ」
「…もう喰らってしまった」

36 :
マスタング大佐が広げていた本には脊髄の図解が乗せられていた
検死官の見解に寄れば、兵役復帰は難しいとの事だ……

同じ頃、ハボック少尉は煙草を加えてぼーっとしていた
灰が落ちそうな煙草に、ブレダ少尉が灰皿を差し出してくれた
「あ――…… せっかく一本だけ許可貰ったのに…
 は……『女に刺されて退役です』なんて笑えるよな」
「鋼の大将みたいに機械鎧<オートメイル>にはできないのか?」
「下半身丸々神経信号が途切れてるから無理だとよ」
「…ねェよ おめえに隠居生活なんて似合わねぇよ!」

忌々しげにそう呟き、ブレダ少尉は病室を後にするのだった
・・・その後ブレダ少尉はマスタング大佐と合流し
…ハボックの足に関して、ドクター・マルコーがいる、と進言する
ドクター・マルコーは医療系の錬金術師で、何より賢者の石の持ち主… 希望は残されている

「俺の休暇 延長ききますか?」
「どうとでもしてやる ―――行け!」

村の診療所で子供達の治療に当たっていたマウロことドクター・マルコー
お仕事も一段落つき、休憩にしようと思った矢先、そこにブレダ少尉が尋ねてくる
だが、その背後の付き人は、グラトニー…!? 
とっさに戸を閉めようとするが目の前の『ブレダ少尉』に無理矢理こじ開けられ、診療所内に乗り込まれ
……エンヴィーが元の姿に戻り、その正体を明かす…!!

37 :
「そう怖い顔しなさんな 取って喰おうって訳じゃないんだからさ
 実は最近手駒が少なくなっちゃって困ってんだよね
 また一緒に働こうじゃないかドクター 中央に来い!」
胸倉を掴み、そう命ずるエンヴィーを前にマルコーも苦悶の表情を浮かべ…
「もう……かんべんしてくれ…!!」
「いや あんたは断る事ができない ラストが言ってたはずだよ 変な気を起こしたら…
 この村を地図から消してやるってね…!
 Rば逃げられると思ってるの? 甘いねェ
 イシュヴァール人 国内の死刑囚…
 賢者の石でずいぶん同胞(にんげん)を殺してきたね ドクター・マルコー

 あんたには!平和にのうのうと生きる場所も!死んで楽になる権利も無いんだよ!!
 いいかい?変な気を起こして抵抗すればこの村は消滅
 そして自殺してもこの村を消滅させてやる
 選択肢はひとつしか用意されていない わかり易くていいだろう なあ?
 さあ 一緒に来てもらおうか」

それからしばらくして…本物のブレダ少尉がマルコー宅を訪れるがどうやら留守のようで
近所の人にここの診療所の人が留守なのか聞いて見ると

「あれ?あんたさっき先生の所に入ってった人だよね
 だってさっき軍服でここに入ってっただろ?」

…その言葉に、ブレダ少尉は診療所の扉を蹴破るが
すでにマルコーは賢者の石諸共拉致されてしまった後だった…

<続く>

38 :
あれトリシャママンじゃなかったのかもしれないのか
兄弟の理論が間違ってたのかそれとも間違いはなかったのに別のものになったということなのか
これがどういうふうに繋がっていくんだろう

39 :
ホーエンハイムの惚けた態度と冷たい態度とのギャップが凄まじいな…
…さすがに母親のことを遠まわしにエドに教えたのは何か裏があるとは思いたくないが…
本当に思わぬところから抉ってくるからな、油断はできん

40 :
人体錬成の結果に言及できるわけだしアルの言うようにかなりできる練金術師なんだろうな
さすがあの兄弟の父親なだけはある
家を燃やした裏の心理を指摘してきたのも良かった
気づかなかった読者には提示になるし気付いてた読者は指摘が入って安心しただろう
ホーエンがとりあえず大人ではあることも分かったしね
ピナコさんと友人でもあるし悪い人間ではないと思いたいが、メシが食えなくなるというのは不穏だね

41 :
冒頭、アルはリン達に自分の身体が時限爆弾付きの不安定な代物である事を語る

〔鉄の身体に人の魂 拒絶反応という爆弾が待っているはずだ
 明日かあるいは10年後か 100年後か1分後か…
 いつその時が来るか それはボクにもわからない
 わかっただろう この身体は不老不死には程遠いんだよ〕

  <第43話 泥の川>

アルの言葉にウィンリィも愕然とし、それが本当なら一日でも早く元の身体に戻らないとと言うが
「いや 待ってくれヨ
 その身体がやばくなったら魂を他の物に乗せ換えて生き続ける事はできないカ?
 痛みを感じない 食べ物もいらなイ 便利でいいじゃないかその身体…」
しかしそのリンの言葉に、ウィンリィが「いい訳ないでしょ!!」と叫び声をあげる
「……何も 知らないくせに…!!」

どこか悲痛な表情を浮かべるウィンリィ…そのまま一言謝り部屋を出て行ってしまう
そんなウィンリィを追い、アルが部屋に入り声をかける
〔……もー… いつも兄さんやウィンリィが先に怒るからボクは怒るタイミングを逃しっぱなしだ〕
なんて冗談交じりに笑ってみせるアルだが…
ウィンリィの脳裏には、兄弟が人体錬成に失敗した日の夜の事が浮かぶ…

―――――

右腕を失うエドの看病を夜中まで続けるウィンリィ 眠気に耐えつつ廊下にでると
廊下の隅で座り込む、鎧のアルの姿があった

「アル…眠れないの?」
〔…うん どうやらこの身体は眠る事ができないみたいだ〕
「寒く…」 〔…もないね 何も感じない身体だし〕

42 :
〔夜ってこんなに長かったんだね
 ついこの前まで 夜は兄さんと錬金術の話や将来の事で語り合って…
 話し疲れたらたっぷり寝て幸せな夢を見て… 一晩がとても短かった
 今は一晩がとても…… …とても長くて 余計な事ばかり考える…!!〕

そう言ってアルは、頭を抱えて縮こまってしまう…

―――――

その姿を知っているウィンリィには、今の姿がいいなんてとても思えなかった
「ねぇ 元の身体に戻れるよね?」 その言葉に、アルは答えられず、ただ俯くばかり…



「返せ…返せよ!! 弟をあんな身体にしやがって… 持って行った弟を…
 たった一人の弟を返せ!!」
暗い闇の中、光りに手を伸ばし追いかけながらそう叫ぶエドだが…

             返せ?何を言ってるんだおまえは
                弟の魂を引き戻し
                 眠れない身体
                痛みを感じない身体
               ぬくもりを感じない身体
               泣けない身体にしたのは!
             
            鋼の錬金術師!! 他ならぬおまえだ!!
                 おまえのその手だ
          弟が鎧の身体になったのは真理(オレ)のせいじゃない

【  】のその言葉と共に、エドの背後にはタッカーさんと合成ニーナの姿があり…

「おまえが弟を救いの無い身体にしたんだ エドワード・エルリック」

43 :
               いや 弟だけじゃないな

【  】がそう言うと、エドの身体に影のような手が絡みつき…

【エドワード こんな姿のままじゃいやだわ 早く生き返らせて】

その眼前に、母親だったものがエドにそう願い…
そしてその背後には、巨大な瞳が―――



―――そこで、寝ていたエドの目が覚める 目覚めると丁度ホーエンハイムが出て行くところであった
窓からホーエンハイムの姿を見据えながら、エドは父の言葉を思い出す…

―それは本当にトリシャだったのか?―

ピナコばっちゃんの整備では、腕も脚も異常無しとの事 
そのオートメイルの具合からもウィンリィはしっかりやっているのだろうと見るばっちゃん
……エドは、ピナコにどこか重い表情で声をかけ、手伝って欲しい事がある、と言う
その言葉と共に、エドのオートメイルの関節部が僅かに痛む…

…エドとピナコは、焼け落ちた家の前にたどり着き…

「この辺だ ここに"あれ"を埋葬した」

その言葉に、エドの心臓が跳ね上がるほどの強烈な鼓動を伴い
エドの脳裏に錬成した母親の姿が浮かび、エドの腹の奥が締め付けられる…

「やめるかい」
「…いや 手足の付け根が痛む 天気が変わりそうだから早く済ませよう」

44 :
母親の埋めた地面を掘り起こす二人 するとちょうど雨が降り始め
ピナコがエドに声をかけようとすると、エドは膝をつき嗚咽の声をあげる…

「胃が…ねじ切れそうだ……」
「当たり前だよ!おまえにとっちゃ最大の精神的外傷<トラウマ>だ!!
 ……もうやめよう おまえが壊れちまう」

…しかし、苦悶の表情を浮かべながらエドは…
「確認しないと前へ進めないだろ 錬金術師は真理を追い求める者だ
 自分に都合の良い所だけ見て それで済まされて良い訳が無い」

―逃げたな―

「逃げて…たまるか!!」

自分の口を拭い、エドは気丈に前に進もうとする…
・・・そして、ついに二人は母親の亡骸を掘り当て… そこからでた髪の毛を水で洗うと…

「ばっちゃん……母さんの髪は栗色だった… ……… 黒 だ…!!」

降りしきる雨の中…母親の残骸の全体を掘り当て、その遺骨を観測するピナコ
「大腿骨の長さから 生前のだいたいの身長がわかる 骨盤を見れば性別も判明する
 これにトリシャの特徴は見当たらない

 これは お ま え の 母 親 で は な い 」

その残酷な現実に、エドは膝を折りくずおれる…

45 :
(全く別人… いや…別の『もの』!?
 やはり無関係のものを作ってこの子らは身体を持って行かれたのか
 あまりにも理不尽な…!! じゃああのアルは…)

もしや、アルも本当は全くの別物なのでは…ピナコの脳裏にその考えがよぎるが
不意に…降りしきる雨の中、エドが狂ったような高笑いをあげる…

「そうだ 死んだ人間はどんな事をしても元に戻らない これは真理だ
 人体錬成の完璧な理論だの禁忌だのと… 何をやってるんだオレは」
「エドしっかりおし 気をたしかに持つんだ!」
「大丈夫だよ 気をたしかに………か
 そうだな あの日から今さっきまで"これ"は絶望の象徴だった」
 だが今は"これ"が希望に繋がる なんて事だ…答えはスタート地点にあったんだよ ばっちゃん」

絶望の奥底で、エドが見い出した希望は
「アルは元に戻れる!!」という、確信であった…!

場面は変わり、夜のセントラルでは… ヨキさんがぐでっと倒れて行きだおれてるメイを見つけた
声をかけても返事は無く… 辺りをうかがい金目の物は、と物色しようとすると
パンダに腕かじられた ぼきごきもぐばくめきょもりもり
ヨキさんたまらずドケザ パンダが殺ーーッと頭を下げるヨキさんに威嚇

しょうが無いので助けてあげる事にしました メイちゃんふかぶかと頭下げ
「ははは敬え崇め奉れ」 がぶ 「すいませんやめてください」
とりあえずこんなスラム街で何をしているのか聞くと、エドワード・エルリックを探していると言うメイ

「なぬ――!!?あのクソガキの事か!! 知ってるも何も奴にはえらい目に…」
なんかメイちゃんのエドへの想像がどんどんゴージャスになって来ました ヨキさんもおもわずツッコミ
(ん? そういえばあいつ国家錬金術師だったな)
「ヨキさんは彼が今どこにいるか知ってますカ?」
「ふっふっふ…まかせろ! 私の下僕がそのうち見つけ出すはずさ!!」
にやりと笑みを浮かべるヨキさん おでこがぺかり

46 :
夜の川沿いの道を歩く、一人の老紳士 …その前にスカーが立ちはだかる…
「ジョリオ・コマンチだな?」「…なんの用かね?」
スカーが答える前に、彼の衣服のフードが脱げ…その姿にコマンチはニヤリと笑みを浮かべる

「ほ!イシュヴァールの亡霊が現れおったわ!
 額に傷のイシュヴァール人…イーストシティで死んだと聞いたが…」
「貴様ら国家錬金術師を全て葬り去るまで我は神の所へは行けぬ」
「この私を銀<しろがね>の錬金術師と知って戦いを挑む その意気や良し!!」

その言葉と共に、コマンチは素手の掌に隙間無く書き込まれた錬成陣を見せつけ
スカーに向け地面から剣を、その前面から鎖付き刃を飛ばし攻撃を仕掛ける!!
「ほっほ!なつかしい戦場の感覚!! 貴様らに奪われた左の足がうずくわ!!」
間髪いれずチャクラムを錬成しスカーに投げつけながら、同時に剣を錬成し
自らのコートを円状にみせかけるような動きで幻惑させながら、そこから多量のチャクラムを投げつける
しかしスカーもその猛攻を凌いでみせる コマンチが地面に多量のブレードを錬成させるがスカーもそれをなぎ払い
そしてコマンチが強襲を仕掛けるが、その一撃はスカーの左足をかすめる
その義足で川沿いの杭に立ち、スカーの実力を褒めたてるコマンチ

「ほ!おしい! その左足斬り落としてやろうと思ったがかすっただけか なかなかやるな
 だが壊す事しか知らぬ未熟なその手 我ら作り出すものに敵う訳が無い」
コマンチに左足を斬られ、膝をつくスカーだが…
「…かすっただけか」
そう呟くと、コマンチの義足が突如折れる! 
その身体はそのまま河に落ちてしまい…そこにスカーに顔面をつかまれる!!

(錬成物!!早く武器の錬成を……… 岩でもなんでもいい…! 錬……
 ……… 水しか………!!)

コマンチの帽子が浮かぶ河の水に、赤い血が浮かび上がる…

<続く>

47 :
本日の概要

舐めプダメ・ゼッタイ

48 :
コマンチさんのご冥福を祈ります
次の単行本カバー下背表紙に出てくるかな

49 :
キツイ現実から逃げず向き合った結果がアルが元に戻れるという希望なのは上手いね、救いがある

50 :
つまりこれ賢者の石が有ろうがどれだけ代価を払おうが死者というか消えた魂は蘇らないってこと?
アルが戻れるって事はアルは生きた魂で肉体は魂と違い戻せる?

51 :
自分の頭ではさっぱりだから次号待ちだなー
しかし兄弟の錬成したものって結局なんだったんだろう
金髪に茶の遺伝子から黒髪なんだよな
既出ホムンクルスが黒髪なのと関係あるのかな
アニメの設定があれだったから勘繰ってしまう

52 :
人体錬成の失敗作、だっけか<アニメ版ホムンクルス

53 :
  <第44話 名前の無い墓>

雨は止み、日が差し始めたころ…
エドは自分が錬成した人の墓を作りたい、とばっちゃんに言う

「……墓石になんて刻むんだい?」
「……………わかんね
 わかんねーけどこれ…… あの時たしかに動いてオレを見ていた
 たった一瞬でも人間だった オレが作って死なせてしまった…… 人間だ
 墓 作るよ」

(母親でも何者でもない 形すら人ではなかったこれを『人間』と言うか
 この子は人間と言う物の定義が広すぎる
 もっとも…そうでなくては今のアルを人間ではないと認める事になるのかね)

しかし問題としては、兄弟が錬成したのが母親で無いとするならば
エドが練成した、アルの魂はどういう代物なのか… ピナコも疑問を口にするが
「うん 確認しなきゃならない事が沢山ある
 ばっちゃん オレとアルは間違い無く母さんの子供だよな?」
「ああそうだよ 二人とも出産の時はあたしが取り上げたんだ
 間違い無くトリシャとホーエンハイムの子供さ」
「うん うんよし 魂の情報は間違ってなかったのに失敗した… …よし」

ひとつひとつ、エドは自身の理論に穴が無いかを確認しつつ
その後エドは、イズミ師匠の元に電話をかける 師匠に聞きたい事があると言うエドだが…
<…師匠はお子さんを錬成したときの事を覚えてますか?>
その言葉に、僅かに苦々しい表情を浮かべる師匠
「―――ああ 忘れるものか (忘れるものか……!!) それがどうかしたか」
<オレとアルが錬成した母さんは母さんではなかったんです>
「なんの事だ?何が言いたい?」

54 :
僅かに言いよどむが…エドは意を決し
<師匠が人体錬成してできあがったお子さんは 本当に師匠の子供でしたか?>
……その問いに、師匠は眼を見開き… 青ざめた表情でその電話を切るのだった

ロックベルの墓の前で、ピナコはロックベル夫妻の最後をエドから伝えられる
…ただ、どんな死に際だったかを聞かれると…「聞いてない」と偽り顔をそむけるエド
その姿にピナコもだいたい察してしまったようで
父、ホーエンハイムは何処に向かったのか聞いてみるが、ピナコも何も聞いてないそうだ

「あ!!忘れとった!! あいつに会う事があったら伝えとくれ トリシャの遺言」

―ピナコさん あの人が帰ってきたら伝えてもらえますか あの人に
 約束守れなかったって… 先に逝きます ごめんなさいって… 伝えてください―

なんの約束なのかはピナコも知らないそうだが…とにかくホーエンハイムにはよろしくと願うピナコ
なんれオレがとエドも気が気でないが

「あんなボンクラでも父親にゃかわりないだろ
 帰ってきた晩に長い事おまえ達の面倒見てくれてすまないって頭下げられたよ
 親として何もしてやれないって」
「け! 親をやる気が無ぇだけだろ! …会ったらな 一発殴った後に伝えといてやるよ」(ちっ

ひとまずエドは中央に戻る事にする もしかしたら兄弟の縁を切られるかも、とエドも呟き…

その頃中央のホテルでは、いつまでたっても金ヅル(エド)が帰ってこず
ウィンリィもお困りの様子でガーフィールさんに電話をしてました ホテルのフロントもにらみ
と、そこにちょうどエドが帰ってきて ウィンリィも会うや否や涙目で「ばか――っ!」と叫ぶ
そのまま僅かに複雑な表情でぐいぐいエドの背中押し押し

55 :
で 「なんじゃこりゃ―――!!!」 盛大にエドの叫びが響く
ボロボロになったアルの姿と……二人でもりもり大量にメシ食ってるリンとランファンの姿にエドも驚愕
とりあえずリンとランファン追い出しアルの修復を始めるが…その様子がおかしい事にエドが気づき…

「人造人間<ホムンクルス>にバリー・ザ・チョッパー…
 オレのいない間にえらいお祭り騒ぎだな おまけに相容れない身体と魂の拒絶反応か…!」
「アルは元に戻れるよね?」
「あたりめーだ オレが戻すっつったら戻す!!
 アル オレな あの時錬成した母さんらしき者の遺体を掘り起こして確認してきた
 結果として! あれは母さんではないという結論に達した」
…その言葉に、さすがにアルもショックを受けるが
「文句はあとで聞く おまえが元の身体に戻れるという確信を得た」
エドの言葉に、アルもウィンリィもそろって驚きの声を上げる
「――で 二人に質問なんだが…
 ウィンリィを…その… よ……嫁にすんのどっちだって兄弟ゲンカした話 覚えてるか?
 アルに聞いて知ったんだけど両方ふったって? 理由は?」

せーの 〔『あたしより背の低い男はいや』〕
     「『あたしより背の低い男はいや』」

エドの心につうこんのいちげき 
で、それが何の関係があるのか聞くとエドが知らないアルの記憶の確認だとの事
他にも色々あんなことこんなこといっぱいあるけど聞いてるエドのほうがもう限界そうでした

「つまりだな オレの知らない…知り得ない記憶 その鎧の身体になる前…
 10歳までの記憶があるって事は あの日オレがその鎧に定着させたアルは本物のアルって事だ
 じゃあ10歳以降の記憶… 鎧の身体になってからの記憶はどうだ?
 脳ミソを持ってないのに鎧になってからの記憶と経験はどこに蓄積されている?」
〔これは?〕(血印指し
「それはあくまでおまえの魂を定着させるためだけの印だ
 思うに どこかに存在するアルの肉体は 今も活動していて脳は働いている」

56 :
エドのその説に、バリーの事を浮かべるアル バリーも魂とは離れた場所に肉体が存在していた

「錬金術において人間は『肉体』と『魂』と『精神』の三つから成ると言われているが
 オレは『肉体』と『魂』をつなぐのが『精神』だと考える」
〔肉体と魂は引かれあう… 精神によってつながっているから……!!〕
「そう アルの魂と消えた肉体はどこかで精神によってつながってるんじゃないか?
 オレはあの日 無意識に『持って行かれた』と言った
 『死んだ』ではなく『持って行かれた』んだ おまえは
 持って行かれたのは母さんを錬成するための材料としてではなく 真理の扉の『通行料』…
 そうだ あいつはたしかに『通行料』だと言った
 そしてオレはまた右腕という『通行料』を払っておまえの魂を引っぱり出した

 母さんは『死者』だ 存在しない者をあの扉から引っぱり出すのは不可能だ
 だがアル おまえの魂を引っぱり出せた事…
 それがおまえが『生者』として存在する証だとオレは思う
 あの時 真理の扉の中で手を伸ばしたオレは………
 "母さんのようなもの"に手が届かなかった
 アル 思いだせ! お前が手を伸ばした先に… オレが見たものよりさらに先には…」

真理の先で、母さんのような物に手をつかまれた瞬間…
アルが見た物は 母さんではなく【アル】自身の姿であった…

「そうだ! "あそこ"にいるのはおまえだ!!」
〔思い出した……ボクはあの時… 母さんだと思っていた者の"中から"兄さんを見ていた……!!〕

あの存在にアルの魂が定着しなかった事は不幸中の幸いだが、今にして思えばあれが拒絶反応だったのだろう
……その後、ホテルの方にイズミ師匠からエドを訪ねて電話がかかってくる 
師匠は人体錬成に関して、シグさんの髪の毛、師匠の血、息子の遺骨を材料に錬成を行ったが
だが錬成された子は肌の色、髪の色も夫婦からは生まれるはずの無い色をしていたと言う
何を突き止めたのか、エドに問う師匠に「死んだ人間は 失われた者は再構築できないという確信」と答えた
…電話を切る前に、師匠はエドに「ありがとう」と伝えた …なにがありがとうなのかちょっとエドも困惑
その話をアルに伝えると…

57 :
〔…ああ そうか
 あの錬成の日から今日この日までボクは自分の事を責め続けていた
 でも口に出すのが怖かった 母さんを…… 母さんをあんな姿にして殺したのはボクだ…と!
 ずっと ずっと怖くて言えなかった…!!〕「オレもだよ」
〔兄さんありがとう ボクは母さんを殺していなかった…………!!〕

その言葉と共に、アルは自らの顔をその手で覆う…
…同じ頃、師匠もまたその瞳から流れ出る涙と共に、自らの顔をその手で覆い
「報われた気がするんだ 私はあの子を二度殺してはいなかった…!
 それでも私達がしでかしたことは許されるものじゃない」

―忘れるものか 血の海に沈むあの小さな手を
 今でも夢に見る 一日だって忘れた事は無い これは当然の罰なのだ―

「私は二度と子供を望めぬ身体にされ 家族のぬくもりを求めたあの兄弟は…
 アルは何も無い孤独の世界へ全てを持って行かれ
 エドはただ一人の家族と立ち上がる足を持って行かれた
 真理は残酷だが正しい」
「だがあいつは立ち上がった」
「そうだね あの子なら いつか真理に打ち勝つかもしれない」

場面は兄弟の側に戻り…
母さんを殺していなくてもアルをそんな身体にしたのは自分自身だとエドは言うが
しかしそんなエドの言葉をアルが止め、賛成した自分も同罪だから一人で背負わないでほしいと兄を諭すアル

58 :
〔……ヒューズさんが死んだ時
 他の人が犠牲になるくらいなら元の身体に戻らなくていいって…正直思ったよ
 人ならざる身体を持ってても 自分の存在に意義を持って奔放に生きてる人たちを見て
 そういう生き方もあるんだと思ったし… 周りの人もこんな身体のボクを人間として扱ってくれる
 拒絶反応という爆弾を抱えてるって言っても
 生身の人間だっていつ事故や病気で死ぬかわからないんだから命の危険度は皆と同じだ
 普通に生きようと思えば この身体になんの不自由も無い
 …でもやっぱりダメだ もう……

 もう…… 一人の夜はいやだよ…!!〕

星明りに照らされながら、そう告白するアルのその姿は
泣けないアルの身体が、涙を流しているようであった…

〔元に戻りたい理由はただそれだけだ… 元の身体に戻りたいよ………!!〕
「…オレも おまえの笑った顔が見たい」
〔でももう誰も巻き込みたくない だから兄さん ボクは周りの人を守れるくらい強く在りたい!
 もう誰一人失わない道を進んで 身体を手に入れる!〕
「はっは!同じ事考えてた!
 もうグダグダ悩んでるヒマは無ぇ やってやるさ
 真理の野郎ぶっとばして あそこからおまえの身体を引っぱり出してやる!」

こうして、二人は新たに前へ進む決意を固める …その後ろからウィンリィがとてとて着いてきて
ふと…エドの背中が大きくなったように感じるウィンリィであった

・・・場面は変わり病院内の大佐達 残念ながらドクター・マルコーの確保は失敗に終わってしまった
もうブレダ少尉の有給も使い切ってしまい、これ以上は自由に動く事ができない
もはや手詰まりか…そう呟きつつ、大佐が自分の病室に戻ろうとすると
ちょうどハボック少尉の親と退役軍人局の人が部屋から出て行くのが見えた
ハボック少尉は留置場襲撃犯捕獲の際の負傷が理由で退役、と言う事になったとハボックが言う

59 :
大佐達がハボックを引きとめようとするが、ハボックの意志は堅いようで…
「自分がもう使えない人間だってわからないほどバカじゃないっス
 動けない駒はこの軍にはいらない
 …んて目してんだよ 捨ててけよ!! 置いて行けよ!!」
ハボックがそう叫び、大佐の胸倉を掴み上げる!?
「あんたこんな下っ端にかまってる暇あんのかよ!!ヒューズ准将との約束があるんだろが!!
 見ろよ 人に支えてもらえなきゃ上半身すらまともに起こせねえこの体たらくを
 同情なんて…いらねンだよ!!」

切り捨てていってください、と大佐に懇願するハボック その言葉に、大佐は…
置いて行くから 追いついて来い とハボックに告げる
そして上で待つと言い残し、大佐は病室を後にするのだった

「ハボック少尉 あの人はね
 生きる事を諦めようとした私でさえ見捨てようとしなかった
 また背中を預けると言ってくれた 捨てられないのよ
 そういうバカが一人くらいいても言いと思うわ」

…やはり少々無理をしていたのか、廊下では傷口を押さえる大佐の姿があった
無理をなさらないで、とのホークアイ注意の言葉も聞かず、大佐は自身の軍服を持ってくるよう命ずる
……その眼差しは、ホークアイ中尉に有無を言わせる事を許さなかった

60 :
その頃アームストロング少佐は、ちょうどブロッシュ軍曹と出くわしたところ
ロス少尉に関しては…本人に口止めされてるため「東は美人が多くて良い所であった」とごまかした 肩ぽん
と、軍曹はなにやら憲兵司令部から回ってきた情報があると言う
その書類に、アームストロング少佐は忌々しげにその書類を握り締め、大佐とエルリック兄弟にも伝えるよう指示

<憲兵司令部より全市に通達
 イーストシティで死亡と思われた『傷の男』<スカー>が再び中央に現れた模様
 被害者は新たに三名 全て国家錬金術師
 目撃した憲兵の情報によると 特徴は額に大きな十字傷
 加えて右腕全体に入れ墨の入ったイシュヴァール人 繰り返す・・・>

「また我らの邪魔をするか 傷の男<スカー>よ」

その報告に、大総統も忌々しげにそう呟くのだった

<続く> 

61 :
大佐はなんだかんだで仲間を捨てられないんだな…
この甘さがウロボロスに付け入る隙を与えなきゃいいんだけど
大総統も色々大佐に向けて思惑があるようだし、ちょっと危険信号でてるかもしれん

62 :
ホーエンとトリシャの約束ってなんだろう

63 :
アルの肉体が真理の向こう側に存在している、というのはわかったが
そうなると肉体の方はあの真理空間でどうやって生き長らえているのだろうか
バリーの方はホムンクルス勢が管理していたのだろうけど

あるいは真理の向こう側は、こことは少し違う平行世界的なものが存在しているのかな

64 :
ご都合的に時間の流れが止まってるとか遅いとかかなぁ
でもそれだとちょっと陳腐な感じだし違う気がする
陳腐と言えばおとうさまが兄弟の父親ぽい雰囲気を醸してるけど、その展開は正直陳腐で鋼の練金術師らしくないから違うと思ってるんだけどこの感覚分かってもらえるだろうか

65 :
お父様なあ
なんというかホーエンハイム=お父様と言う感じがあからさますぎて
ミスリードを狙ってるような可能性もあると警戒するのはわかる気がするw
父親=ラスボスというのも王道って言えば王道なんだけどさ
やっぱりエルリック兄弟とおとんは分かり合って欲しい

66 :
ミスリードを警戒できるような知性はないので(泣)世界観にそぐわないという完全メタ読みなんだよ
感覚的なので言語化し難く説明できないから思い込みと言われたら返す言葉がない反面ほぼ確信してる
そんな週刊誌みたいな展開は似合わない、がおとうさま初見の感想

67 :
冒頭、スカーが潜むスラムに戻ってくると、なにやら怪訝な表情を浮かべるスカー
なんだこいつらは、とちまーんとした小娘、メイを指差しヨキさんに問いただすスカー
メイの言によれば、スカーの主であるヨキさんに命を救われたとふかぶかと頭下げ(パンダも
主と言われてスカーはヨキさんを睨み ヨキさん目そらし
さっさと立ち去れ、といいかけるスカーだが…パンダに見上げられスカーもずっきゅん
と、メイがスカーの右腕に刻まれた入れ墨 それが錬丹術の構築式であることに気がつく

「竜脈…地の力の流れを知り それを使う術
 入れ墨はわが国の錬丹術の流れをくむものですネ」
「……おまえはシン国の者か
 己れの兄はシンから来た旅人にもらった書物から錬金術に興味を持ったと言っていた
 入れ墨は兄の研究の成果だ」
「お兄様は今何ヲ」

「死んだ 国家錬金術師に殺された」

  <第45話 傷の男再び>

〔 腐 っ て た ら ど う し よ う 〕
アルの方は、なんだか真理の方にある自分の身体の事が心配なようだ
睡眠も栄養も取ってない状態の自分の身体が、バリーのように崩壊していたとしたら…!
その想像にあるも声を上げ、ウィンリィもうろたえる中 エドは自身の仮説を二人に話す

「母さんを錬成しようとした時 魂の情報としてオレとアルの血を混ぜたよな?
 そして二人一緒にあっちに持って行かれて一度分解された…
 その過程でオレの精神とアルの精神が混戦してしまった可能性は無いだろうか?」
〔何が言いたいのさ?〕
「こっちのオレとあっちのアルがリンクしている可能性は無いかって事だ
 ほら オレって年の割に身長ちいさ…… ちい…ち…   …………チイサイシ…」
(みとめた……!!)(トラウマと向きあった…!!)

68 :
つまりアルの肉体の成長分をエドが背負っているというだろうか 
その節にウィンリィもとっぴょーしもないと呆れるが

(そういえば 気付けば兄さんってしょっちゅう寝てる…
 ボクの肉体の分まで睡眠とってくれてる…? まさか…でも…)
〔へへ…そうだといいな 同じ血を分けた兄弟だもんね〕
「おうよ!二人で一人前!」
そういって兄弟は互いの拳を合わせる 希望も見えてきたとエドが両手を挙げるが
結局なんだかんだ小うるさいアルに、エドもその顎小突き
いつまでもガキじゃねーとぶーたれるエド そんな姿にウィンリィもちょっと目を丸くした様子を見せ
とりあえずは明日ガーフィールさんの所に戻る、とウィンリィは兄弟と別れ…
部屋の外でウィンリィは、エドの大きくなったように感じた背中を浮かべる

(そうだよね いつまでも子供じゃないんだ…)

その後兄弟は、どうやって扉を開けるか、という問題に頭を悩ませていた
通行料があれば扉を開ける事ができる 問題は何を犠牲に…
〔『手足のもう一本くらい』って考えてるだろ 「!」
 そんなの嫌だよ!! 一緒に元の身体に戻るって約束したろ!?〕
「わ…わかってるよ! そうだよな 約束だもんな」
自身のその考えを見透かされ、エドも苦笑気味にそういうのだった
……やはり賢者の石か、アルがそう提案するがあれも人の命を使った代物、という意味では同じ事だし…

…不意に、エドはウロボロスの者達が言った人柱という言葉を思い出す
貴重な人柱だから、ウロボロスの者達はエルリック兄弟に死なれては困るという事だが…
ラストの言葉から、扉を開けた者が人柱確定と言う事らしいが…ひとまず情報を整理してみる兄弟

69 :
「あっちに行って帰って来れるだけの力量を持った術師を奴らは『人柱』と言っている?
 ……奴ら 人柱(オレたち)に扉を開けさせてなにかするつもりか?
 そもそも人造人間<ホムンクルス>を造ったのは誰だ?
 奴らに指示を出してるのは誰だ?
 軍の研究機関か? だとしたらそんな大仕事を大総統が知らないはずは無い
 じゃあなぜ大総統は人造人間グリード一味を掃討した?」

……グリードの謀反、に何か鍵があるのか思案をめぐらせるが…
今になってグリードとの取り引きを断ったのが失敗したと頭を抱えるエドだがあれは結果オーライとアルがフォロー
あの時グリードとの取り引きに応じていたら、大総統は本気で兄弟を裁いていたかもしれない

〔めちゃくちゃ強かったよ大総統……… 人間じゃないみたいに………〕
「人造人間<ホムンクルス>だったりして」

その言葉は確信を得ていたのだが、確証がない以上は笑い話にしかならないわけで 兄弟ため息
とりあえず人造人間<ホムンクルス>に話を聞くか、とするエド
たまには特権を使わないと、とエドは銀時計を持ち上げて……

その後第三研究所を訪れ、エドはいったん入り口のアルの元へ戻る
だが地下への入り口は無かった…と言うよりも塞がれていたと言うエド
その現場に僅かに壁を錬成した跡を目撃したエド とはいえこれで手掛かりも途切れてしまったが…
するとそこにブロッシュ軍曹が慌てた様子でエルリック兄弟に駆け寄ってきた
スカーが生きていた、との報告にエドも驚愕し…軍曹から手渡された資料に眼を見開くエド
スカーの新たな情報として右腕全体に入れ墨を施した男、との情報にエドの顔にいやな汗が滲む…

……兄弟は一度ホテルに戻り、アルにスカーがウィンリィの両親の仇である可能性があると話す
ウィンリィには黙っているつもりのようだ もう泣き顔は見たくない、との思いは兄弟とも同じで…
なんにしても、スカーとはもう一度対峙する必要がある ウィンリィの両親の事を聞くのか、アルが言うと

70 :
「それもあるけどもうひとつ――― 人造人間<ホムンクルス>をおびき出す
 奴らはオレの事を『貴重な人柱』『生かされている』と言っていた
 つまりオレに死なれちゃ困るって事だ オレが傷の男<スカー>に襲われて危機に陥ったら…」
〔奴らは出て来る…………? 確率は低いよ?〕

何もやらないよりはマシだとエドは言うものの… そもそも兄弟そろってスカーには一瞬でのされている
さらに仮にホムンクルスが来たとしてどうやって捕まえる気なのか… 
痛いところを突かれてエドもちょっと声が小さくなるが するとそこに窓からリン達が来襲
どうやらその作戦にリン達も乗ってくれるようだ 何企んでるのかいぶかしむエドだが

「やだなー友達だロ?協力すんのは当り前v
 ―――てのは建前デ こっちも人造人間<ホムンクルス>の情報が欲しイ
 俺達はある程度まで近くにいれば奴らの気配を察知できル
 君達が奴らをおびき出ス 俺達は奴らの気配を追って先回りしてふん捕まえル
 俺達は一度奴らと戦った事があるから捕まえるにしてもいくらかやり易いだろウ
 どうだイ 一匹捕まえさせてみないカ?」

エドもその作戦に乗る事を決める ホムンクルスを持ち逃げしないように釘を刺しておくが
リンは一飯の恩もあるから約束は守るとする と、そこにアルがリン達が頼んだルームサービスの伝票を見せ

部屋から思いっきり追い出されるリンでした アイヤー
そんなうるさいエド達にウィンリィが文句をいいに来た
そういえば明日はウィンリィがラッシュバレーに帰る日…と言いかけて
エドは自身の腕がスカーに破壊されてしまった時のことを思い出した

「待て ラッシュバレー行きはキャンセルしてもう少し中央にいろ
 まあその なんだ ほら 腕壊れるかもっつーか うん たぶん壊すっつーか なあ?」
「壊す予定あるんかい!!」

しこたまスパナでどたまぶん殴られました ああっ、エドの魂が…! ;w;> 兄さーん!

71 :
その後エドは中央の市街にて、市民たちの大小様々なトラブルを色々解決して回っていた
そんなエドの噂はたちまち中央市街に知れ渡っていた 
中央市街でもちきりな自分のうわさにエドがくしゃみ一つ とそこに大佐がエドの前に顔を出す
……車の中の大佐に、ロス少尉とのいきさつに関して小声で話すエド
話はハボック少尉の件に移ろうとして…
「待て 乗りたまえ 情報交換といこう     ……やっぱり降りたまえ」
アルがでかくてぎゅうぎゅう詰めにされる大佐でした

「マルコーさんと賢者の石が行方不明!? なんで…… ……くそっ!!
 まるこーさんはかつて軍の研究所で石を作っていた それはイシュヴァールで利用されたと言っていた
 賢者の石 人造人間<ホムンクルス> 軍の暗部 イシュヴァール… どういうつながりだ?
 イシュヴァールで何があった!?」

…その問いに大佐は答えず、スカーの件に話題を移す  
スカーとはもう一度戦う必要があるというエドだが …するとホークアイ中尉が銃を抜き
その眼前にスカーが姿を見せる…!

「……………来てしまったではないか鋼の……」
「どーした?雨も降ってねーのにびっしょりだぜ? ――っと 待った中尉!!撃っちゃダメだ!!
 大佐をマネて釣りしてみようかと思ってんだよ!!」
スカーがその指を鳴らし、地面から走る破壊エネルギーが一行に襲い掛かる!
〔すみませんね大佐 兄さんをエサに人造人間<ホムンクルス>を引っ張り出します
 兄さんは人造人間<ホムンクルス>にとって死なせてはならない人材だから〕
「何をバカな…
〔犠牲者を出さずに!!進むって決めたんだ!! ボクか兄さんがエサになるしか無いでしょう!!〕
「……ずいぶん確率の低い賭けだな
 人造人間<ホムンクルス>が出て来る前に傷の男<スカー>が憲兵に撃ち殺されたらどうする?」
〔そこはほら 大佐達が上手くやってくれるでしょう?〕
「この私をアゴで使うか いい度胸だ!!」

72 :
エルリック兄弟は互いに両手を合わせ、スカーに向け攻撃をしかける!!
リン達もすでにスタンバイ完了 ホムンクルスの襲来を待ち構える
兄弟はスカーが憲兵達に撃ち殺されないよう、付かず離れずの位置を維持しながらその猛攻をどうにか凌ぐ
しかし、さすがにそう長くはもちこたえられそうもない 
スカーの手がエドの顔をかすめ、早くリンにホムンクルスを見つけてくれるよう願うが…

その頃大佐達は、近所にあったフュリー曹長の別宅にて無線機をいじくる
憲兵司令部にチャンネルを合わせ、偽情報を送り込む大佐
「こちら中央3区憲兵隊 現在傷の男<スカー>と交戦中! 至急応援頼む 繰り返す 至急応援頼む!
 うあっ!!貴様何をする!! ぐわっやられた (ブツン
 よし!次は17区だ!! ははははは 楽しくなってきたぞ!!」
そんな様子の大佐に、ホークアイ中尉もちょっと呆れ顔でした

大佐の出した偽情報の影響で司令部は大混乱
そんななか大総統…『ラース』は車を降りてグラトニーを呼ぶ
すると、裏路地の物陰からグラトニーがその姿を現す
その気配を察知し、リンとランファンは即座に動く!

エドとスカーの対決に場面は戻る スカーの地面を破壊する技に足場を崩され
落石がエドの頭を打ち、僅かに立ちくらみを起こしてしまい…
その隙を付き、スカーが一気に踏み込んでくる!!

(どっちだ!? 人体破壊か機械鎧破壊か…)
「南無三!!」 とっさにエドはオートメイルの右腕でスカーの分解術を受け止めてみせる!
どうにかスカーの破壊術の性質を見切り、そのエネルギーの相殺に成功したようだ
……その衝撃でスカーの衣服が破け…そこから現れた、入れ墨を刻んだ右腕が露わになる
まさか本当に、スカーがウィンリィの両親の仇なのか…

73 :
リン達の方は、ちょうどグラトニーを捉え顔面に蹴りをぶち込んでいた
二人掛かりでグラトニーを取り囲むが、そこにラースもグラトニーに追いつき…

「ほぉ…あれの気配がわかるのかね
 そうか エンヴィーが追いつめられたのはそののうりょくのおかげか

 邪魔な能力だ 排除する」

そう言ってラースは二本のサーベルを抜き…
ランファンは人間には用はない、と言おうとするが
次の瞬間、ラースは電柱を一瞬で駆け上り、その上に立つランファンに迫り!
ラースの剣が、ランファンを切り刻む!!

<続く>

74 :
スカーのかわいいもの好き本編に採用すんなやw
エレガント声でパンダにときめくスカーとか半分ギャグキャラだぞw

75 :
どこまで参考にして良いか分からんが
アニメから考えると親父は非人間的生命で原因では有っても黒幕ではないって線だと思う
それよりスカーの兄が意外と重要人物ぽくて何かありそう
東西の錬金術で何の理由もなく東を選んだとは思えないし

76 :
スカーの兄かあ
イシュヴァール編やってくれればスポット当たるかな
アニメ版のイシュヴァールではなんかグラン准将とキンブリーが高笑い上げてた印象しかないけどw

本編に関しては、ランファンが大総統を「人間」だと誤認したのは何かあるのかな
老化の代償で賢者の石の残機ストックが劣化しているとか…?

77 :
仮にホムンクルスの目的が人間になりたいとかなら
最新型の大総統が年を取るとか人間に近くても当然だろうけど、んなわけねえよなあ

78 :
ラストの台詞からしてその線はないような
登場時から人間を見下してるし大佐との会話もホムンクルスは進化したより高度な人間という認識だったし
物語のほぼ冒頭に完全な人間の話題が出てるからそちらの人間なら有り得るかも
ただこの完全な人間はおそらく老化するタイプの人間じゃないとも思う

79 :
>>74
いずれ大総統が尻派なのも本編で採用される日が……!

80 :
イシュ編があるならほぼ確実に戦争についてだろうね
戦争に触れられるのは不安だなあ
少年漫画でどこからどこまで描くかという取捨選択の判断が他よりも厳しいんじゃないかと思うんだよ
もし失敗したら作品として大きな痛手になるし
漫画の上手い人なので杞憂かもしれないけど

81 :
鋼の錬金術師パーフェクトガイドブック2 掲載

(イズミ・ハーネット 18歳 訳あって北のブリッグス山にいます
 訳あって…つーのは置いといて とりあえず叫びたい

 やばい… 死にそう………!!!)

若かりし頃のイズミ師匠 その身は北の雪山の猛吹雪にさらされていた

             師  匠  物  語 
              ししょうものがたり

場面は少しさかのぼり… イズミはとある高名な錬金術師、シルバ・スタイナーの下を尋ねる
どうやら彼を訪ねて弟子入りを希望しているようだが、どうもその御方、高齢すぎてちょっとボケ気味
とはいえ弟子の件は了承してくれた   が
「一ヶ月」とイズミにナイフを投げ渡すシルバ
ナイフ一本でブリッグス山を一ヶ月生き延びれば弟子にしてやる、と鋭い眼光を向ける
その条件にイズミも困惑するが…何か深い理由があるに違いない、と考え……





「あぶない!! 天国が見えた!!」
がばっと雪山で横になってたイズミが慌てて目を覚ます
とりあえずやる事は大量にあるが…これのどこが錬金術の修行なのかとうなだれるイズミ
…そこにブリッグス要塞所属の山岳警備兵がイズミの背後から銃口を向ける…!!

「ここで何をしている」 「いや その 修行をですね…」
「こんな季節に山に修行に入るバカがいるか」
「…そのバカなんですが;」

82 :
山岳警備隊に連行されそうになって、ここで修行しないといけないイズミは兵士を説得しようとするが
ブリッグスでは弱き市民などという肩書きは通用しない、とゴーグルから鋭い視線を覗かせる

「ブリッグスの掟は『弱肉強食』!!油断すればこちらが喰われる!!」
「あんた 今いい事言った!!」

そういうとイズミは、兵士に金的ぶちこむ!!
兵士から食料を奪い、どうにか今日を行きぬく事が出来たのでした
(私はここで一ヶ月生きのびなきゃいけないの…!なんとしてでも!) きりりっ

…滞在7日目 などと言ったもののやっぱり無理そうでした

(ふふ…もう動けない… 大自然の中では塵芥に近いこの私… このまま狼のエサにでもなっちゃうのね
 ああ なんてちっぽけな存在 こんな所で死ぬくらいなら修行あきらめてさっさと下山しときゃよかった
 もう山を降りるだけの体力も無いわ… 18年か…短い人生だった…)

沈む夕陽の傍ら、イズミはもはや諦め……
「………ってRるか――――――ッッ!!!」 あ、持ち直した
やけっぱちで焚き火に薪をガンガンぶち込むイズミ すると近くで狼の吼える声が聞こえてくる
どうやら狼が鹿を襲っているようで…狼の群れが鹿を仕留めたところで
イズミがナイフをもって飛びかかってくる!! 狼たちも唖然

「ああムカつくわ! 私が死んでも何事も無かったかの様に日は沈んでまた昇るのよね!!(鹿肉がつがつ
 まったく世の中の流れは強くて早くて残酷だわ!!」

滞在16日目 イズミは兎を追いかけたり山岳警備隊をぶちのめしてたり
さらに襲い掛かるボス狼に蹴りをぶち込み、鹿も素手で締め上げる

83 :
「この世は大きな力に従って流れてるのよね!!
 しかしその流れの元になっているのは!! 我々のような小さな存在の集まりであり
 我々無くして大きな流れは存在しない!!」

滞在24日目 だいぶ山暮らしも安定してきたようで
猛吹雪を焚き火と鹿の毛皮、衣服のシーツで身を包み夜も寝て越せるようになった
そして、イズミは巨大な熊と対峙し…!

「大きな力の流れを知り その力を利用する小さな存在!!
 それが錬金術師!! そう!!すなわち基本は……」

襲い掛かる熊の鋭い一撃をいなし、そのままイズミは熊の巨体を投げ飛ばしてみせる!!

               「一は全 全は一なり!!!」

なんやかんやで一=全に辿り着くイズミ 夕陽を背に流派東方不敗ちっくなポーズで決めっ

「おお 師よ… これを学ばせるために私をこの過酷な地へ放り込んだのですね…」

ブリッグス山の麓の町では、山岳警備隊がやられたとの噂話があった
隣国ドラクマの密偵だとか女スパイだとかいろんな話が飛び交い、ブリッグス兵の名も地に落ちると嘆く兵士達
…そこにイズミが熊を肩に抱えて酒場に乗り込んでくる! その姿に兵士達も唖然
そしてシルバ爺さんに一ヶ月生きのびた、と錬金術のすべを求めるイズミ …なのだが……
「あ――れんきんじゅつ わしの弟の事じゃな――」
実は爺さん、シルバの兄で格闘家のゴルド・スタイナーだということで 
弟はとっくに死んでると聞きイズミもがっくりうなだれ orz

84 :
しかしブリッグス山を一ヶ月生きのびた事で、ゴルドの魂に火がついた!
我が弟子となれ!!と高らかに叫び、その身に闘気を迸らせる…! 

が ブチギレイズミに思いっきりぶっ飛ばされるのであった

[大陸暦 一八九七年 ブリッグス国境警備兵の記録]

 この年の始め ドラクマとの国境付近山中で兵が謎の女に襲われる事件が多発した
 同一人物によるものと思われる襲撃・略奪は一ヶ月程続いた後 ピタリと止んだ

 その後 北のブリッグス山で謎の女を見た者はいない―――――



 END

85 :
この再生リストをYouTubeでチェック:

http://www.youtube.com/playlist?list=PLSseP_1oy0FVkpnXGjXDt4dC00XmxHcB1

86 :
熊を投げ飛ばすその格闘技術をどこで見につけたんですか師匠
と言うかこの人ほんとになんで錬金術師やってんだろw

87 :
進むほど科学者的錬金術師がいなくなっていく・・:

88 :
錬金術の基本を格闘家の修行で悟ったのかw

89 :
かのハーメルンのバイオリン弾きでも
魔法使いになるためにはヒンズースクワットと人食いサメ退治が必要だと言ってるからなにも問題はない

90 :
鋼の錬金術師 11巻 2005年8月22日 初版発行
掲載・月刊少年ガンガン 平成17年1月号〜4月号

作者近影・コメント

牛まめちしきー
リアル牛には上あごの前歯がないんじゃよ―――

〆切明けに指圧に行った時の事。
眠気でうとうとしながら
「次回の話どうしよーかなー」などと
考えていたため、先生に
「右肩こってますね」と言われて
思わず「機械鎧<オートメイル>ですから」と
答えてしまうところでした。
マンガと現実がごっちゃに……!!

あらすじ
エドワードとアルフォンスの兄弟は、
幼き日に喪った母を錬金術により蘇らせようと試みる。
しかし、錬成は失敗しエドワードは
左足と弟のアルフォンスを失ってしまう。
なんとか自分の右腕を代償にアルフォンスの魂を錬成し、
鎧に定着させることに成功するが
その代償はあまりにも高すぎた。
そして兄弟はすべてを取り戻すことを誓うのだった…。

91 :
      CONTENTS

 第42話 墓前の父
 第43話 泥の川
 第44話 名前の無い墓
 第45話 傷の男再び

P92  グラトニーのラフ 舌を出した不気味な笑み
P183 ホーエンハイムのラフ

カバー裏おまけ



真理空間にて

           真理ーおやつ持ってきたわよー(真理の扉ギィー
             
                 ちょっ……待っ……
              ノックぐらいしろよ母ちゃん!!

エロ本読んでて慌てる【  】 ってかおかんいたの!?



アルのフンドシが地下鉄の通風孔から風がぶわっv おーもーれつー

本日の背表紙
空中をぎゅーんとすっ飛ぶコマンチ爺さん

92 :
おまけ4コマ

[帰ってきたあんちくしょう (おみやげ付)]

「あ!!ヴァン・ホーエンハイム!
 きっさまァァァァァァァ!!!どのツラ下げてもどって来やがった―――――ッ!!」

母親の墓前に立つ父ホーエンハイムの姿を目撃するエド
怒りのエドが父に向け殴りかかろうとするが

「はいおみやげ」(えっちな本見せ

・・・・・・!!! その時エドに衝撃走る・・・・っ!!

           ぎゅ――――→ん
父尊敬メーター ■■■■■■■■■□ \MAX/


マスタング大佐、29才の独白

29才29才って言われてるけど
実はもう作中では30才になってるんだよね ぶっちゃけ(お酒のグラスからん

牛さん興味なさげ(じゅーすぢゅー

93 :
次巻予告

 真実を求め…
 猛る者たち―――!!

返り血のような物をあびたランファンは、虚ろな表情でどこか儚げな笑みを浮かべ…
「捕ったぞ 人造人間<ホムンクルス>!!」
頬から血を流しながら、リンはそう宣言してみせる

「やあ 鋼の錬金術師君」
コーヒーカップを片手にそう語りかける大総統

大総統は、何者かに「見事なり!!」と感嘆の声をあげる

 エルリック兄弟×軍部×大国シン!共同戦線開始!
 しかし圧倒的な戦闘力をほこる人造人間たち!
 極限の戦いの中で、エドたちが
 人造人間の秘密を手にするために、失った代償は…!?

「イシュヴァール人みつけたあ!!」


鋼の錬金術師 第12巻
2005年11月発売予定!!乞うご期待!!

94 :
エドも年頃の男子か…

95 :
そんなアイテムでメーターマックスまで稼げるのかw案外チョロいなエドw
大佐は三十路おめっとさん

96 :
田舎道をのんびり走る一台の馬車
だが、どうやら馬がなにやら落ち着きがない様子 まるで何かにおびえてるようだが…?
…その馬車にはホーエンハイムの姿もある 貰った写真を見てどこか笑みを浮かべていた
そんな様子のホーエンハイムに、同乗者の奥さんが声をかける

「ご家族の写真ですか? 嬉しそうに見ていらしたから」
「ええ…久しぶりに家に戻りましてね 上の息子に会いました
 すっかりでかくなって強い目をしていて もう父親は必要なさそうでしたよ」
「ケンカ別れでもして来たんですか?」
「ははは そんなもんです もう家に帰る理由も無くなった
 なぁに またそのうち会えるでしょう 同じ錬金術師ですから」

…だがそこに野盗たちが襲撃をかける!
とっさに馬車の乗り手が信号弾を放つが、野盗の銃撃に腕を撃たれてしまう
野盗たちが馬車を止め、銃口を突きつけて乗り込んでくる
ホーエンハイムが乗客たちに覆いかぶさるような体制になって野盗たちを説得しようとするが
夜盗は問答無用でホーエンハイムに銃撃を浴びせる!
……だが、ホーエンハイムは平然と立ち上がりぬうっと野盗達の前に立つ
困惑しながらも、ならば頭をぶっとばそうとライフルを放つが…

・・・
信号弾に駆けつけてきた救助の部隊が馬車に気がつく
野盗たちは何もとらずに逃げてしまったと言う まるで化け物にあったような悲鳴を上げて…

「ひどいな…こんなに撃ちやがって ああよかった 写真は無事だった」
衣服に幾多もの銃撃の跡を刻まれながらも、平然とするホーエンハイム…
声をかけたご婦人も、その身体におびえた反応を見せ
「何者なの…!?」という言葉に、ホーエンハイムはどこか儚げな表情を浮かべて答える

「化物だよ」

97 :
  <第46話 遠くの背中>

場面はリン達とホムンクルスの対決に戻る
ランファンはどうにかクナイでわずかに斬撃を反らすことで致命傷をまぬがれたようだ
だがその傷は深い さらにグラトニーが追撃を仕掛けようとするが
飛び上がった瞬間、リンがその顔面を切り裂く!
倒れるランファンに逃げるようにいうリンだが、その前にラースが立ちはだかる

「この私の眼から逃げられると思っているのかね?」
「たしかにやばそうダ… …けどやってみないとわからないヨ」

ランファンを抱きかかえながら剣を構え…激しい斬撃を掻い潜り、ラースの攻撃をどうにか受け凌ぐ
「ほう…闘い慣れているな
 常に私の死角…左目側に回り込むか… ならば!
 グラトニー!」
次の瞬間、再生したグラトニーの巨体がリンの退路を阻み
グラトニーのハンマースイングがリンを吹き飛ばす!!
屋内の廃墟に吹き飛ばされ、二人もそこに乗り込んでくる

「さて 人目のつかぬ所に来てもらったので色々と訊こうか
 君達は何者だ 目的は何かね 何故グラトニーの中がわかる」

リンはその問いに答えず、逃げ道の算段 しかしその試みはラースに見透かされる

「愚かな そして解せんな
 その荷物になっている者を捨てれば君一人だけでも逃げ切れるだろうに何故そうしない?」
「……荷物だト?
 ならば訊くが 貴方は弱き者や仲間が傷つき倒れているのを見捨てる事ができ…
「 で き る  そうして生きてきた そこになんの躊躇も無い」

98 :
リンはラースのその言葉に言葉を失い…
「貴方は…この国で一番偉い人だナ たしかキング・ブラッドレイ大総統
 王は民のために在る者 民無くして王は在りえなイ
 キング・ブラッドレイ! 貴方は真の王にはなれなイ!」
リンはラースに向けそう言い放ち…それと同時にランファンが閃光弾を放つ!
視界を奪われた隙に逃げ出そうとするリンだが、それをラースの投げるサーベルが阻む!?

「どうした こちらの目はまだ生きているぞ」
……眼帯に隠された、ウロボロスを刻んだ左目が露わになる…!
(ちなみにグラトニーはその隣で閃光に悶え
「ふ…この眼帯に感謝するのは生涯で初めてだな 上手く閃光を防いでくれたわ
 『真の王』…と言ったな小僧 なんと青臭い唾棄すべき理想論か

 真の王など この世のどこにも在らぬ!!」

…同じ頃、ウィンリィとグレイシアさん、娘のトリシャがヒューズ准将の墓参りに顔を出していた
ウィンリィは、「どうしてみんな私の知らないところで居なくなっちゃうんだろう」と呟き…
「私の父も母も 『すぐ帰ってくるからいい子にして留守番してるんだよ』
 …ってイシュヴァールに行ってしまって二度と帰ってこなかったんです
 最後に見たのが戦場に行く両親の大きな背中
 その背中がだんだん小さくなっていって 寂しくて泣いちゃって
 でも仕事に誇りを持って出て行くその後ろ姿を頼もしく思ったのを覚えています
 私 ヒューズさんに自分の父親の背中を重ねていたのかもしれません
 私が失って もう二度と手に入らないもの 父と母と………その真ん中で笑ってる自分……
 ヒューズさんとグレイシアさんとエリシアちゃんに自分のそれを重ねてて
 そこに家族みたいに迎え入れてくれたから うれしかったです とても」

そんなウィンリィに、たまにはヒューズさんの所に会いに来て欲しい、とグレイシアさんは言う
「あの人 けっこう寂しがりやだから」 どこか儚げな笑みをウィンリィに見せて…

99 :
町に戻ると、なんか街の人たちからエルリック兄弟が暴れまわっているという声が聞こえてくる
その言葉にウィンリィも仰天し、ちょっとお怒りで兄弟を探しに向かおうとするが
国家錬金術師殺害犯人もそれに関わっていると聞くと…

……あの日、最後に見た両親の背中と、エルリック兄弟の背中が重なる……

スカーの猛攻に晒され、エルリック兄弟も次第に押されはじめる
さらに行き止まりに追いつめられてしまう、エドは咄嗟に配管を昇って逃げようとするも
配管はスカーに破壊され、まっさかさまに落ちるエド その真下でスカーが待ち構え…!
それをアルが咄嗟に地面を延ばした手のようにして受け止める事で何とか凌ぐ
追撃の分解術を飛んで避けるエドだが、近くの住人が家屋の崩壊に巻き込まれかける
それを咄嗟にシーツをネット状にする事で、住人を家屋の崩壊からどうにか救うことができた
後で直す、とだけ言っといてエドはスカーとの戦いに戻るが…

(まだ人造人間<ホムンクルス>は出て来ないのか… リンからの信号弾は上がっていない
 兄さんもしんどそうだな 時間をかせぐか…)
〔傷の男<スカー>!! 自分も錬金術を使ってるくせに なぜ錬金術師を神に逆らう者として毛嫌いする〕
「イーストシティでも言ったはずだ 貴様ら作る者がいれば壊す者もいると」
…スカーの答えに、アルの脳裏にはキメラ化したニーナの姿が浮かぶ…
〔……壊す事しかしないその好意が何を生み出すって言うんだ…
 神の名を出して殺しを正当化したいだけじゃないのか!?
 ショウ・タッカーも…… その娘のニーナも神の代行者をかたって殺したのか!?〕

「タッカー…… そうか……貴様らもあの合成獣<キメラ>にされた娘を見たのだな
 『何を生み出す』……か 先日倒した錬金術師も言っていたな
 『我ら作り出すものに敵うわけが無い』と……
 生み出す技術だと!?その自惚れがあの合成獣<キメラ>の娘を生み出したのではないのか!?」

100 :
その言葉に……エドの脳裏には夢で見たタッカーの言葉が思い返される…

―おまえのその手が 弟を救いの無い身体にしたんだ―

…エドは激昂しながらもスカーに向けなぜニーナをR必要があったと叫ぶが
スカーは仮にニーナが生きていても実験動物とと同じ扱いを受け、二度と人間として扱われる事はない、と返す
その言葉に、エルリック兄弟は反論できなかった

(…そうだ あの時ボク達はニーナが実験室送りになるかもと心のどこかで薄々感じていたはずだ
 どうにもできない問題を先送りにしただけじゃないか 何もしなかった… 何も……!!)

そこに群衆をかき分けて、ウィンリィもその戦いの場に向かおうとし…

「―――たしかに… オレ達錬金術師は間違いを犯してきた
 だからと言ってあんたのやってる事を認めるわけにはいかねえ!
 傷の男<スカー> ひとつ訊きたい事がある
 神の代理人って奴は人の為に尽くした医者の命も兵器で奪うのか?」
ウィンリィがその戦いの場に辿り着いた、その時
「アメストリス人のロックベルという医者夫婦に覚えは無いか」
スカーに、そう問いかけるエド ウィンリィの姿に気づいたアルがそれを止めようとするがすでに遅く
「内乱のイシュヴァールに赴いて殲滅戦の命令が出た後もイシュヴァール人を助け続けた…
 傷の男<スカー>!! てめえを助けててめえが殺した医者の夫婦に覚えは無いか!!」

そう叫ぶエドだが……その場に居たウィンリィの姿に気づいてしまい…
エドの話に、ウィンリィは顔面蒼白で膝をつく……


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