栞子「中川さんは本当にどうしようもない人。…………でも、そういうところが」
栞子「はぁ……中川さんが座っていた生徒会長専用の椅子」ｽﾝｽﾝ
栞子「もぅ、こんなに淫らな香りを染み込ませて……本当にしょうがない人ですね、中川さんは」ｽﾝｽﾝ
栞子「はぁ……はぁン……なか、がわ、さん……っ」ｽﾝｽﾝ
ｶﾞﾁｬ
せつ菜「失礼します」
栞子「ふぇっ！？ひゃぁっ！！」ｶﾞﾀｶﾞﾀｯ
栞子「い、いったぁ……」
せつ菜「み、三船さん！？大丈夫ですか！？」
栞子「ノックをしてから入る。このくらいの常識も知らないんですか？」
栞子「まったく……あなたという人は」
せつ菜「す、すみません……」
栞子「結構です。自分で立ち上がれますので」
せつ菜「すみませんでした……」
栞子「謝ってばかり。よほど自分自身に自信がないんですね。だから下級生に生徒会長の座を奪われるんですよ」
せつ菜「あはは……おっしゃるとおりで」
栞子「私の前でへらへらしないでください。プライドというものがないんですか？あなたには」
せつ菜「私が未熟なのは……事実ですから、その」
栞子「……ふん」
せつ菜「……」
栞子「……ずっとそこに立ってるつもりですか？目障りです。適当に座ればいいじゃないですか」
栞子「それとも木偶の坊であることを示してくれているんですか？なら必要ないですよ？あなたが無能な人間ということは既に知っていますから」
せつ菜「で、では座らせていただきますね…」
栞子「……ふん」
せつ菜「……あ、あの」
栞子「なにか？」
せつ菜「な、なんでもないです…」ﾋﾞｸｯ
せつ菜「…………」
栞子「はぁ……何か言いたいことがあるんじゃないですか？」
栞子「そうやってうじうじしていると周りに悪影響を与えることくらいわかってください」
せつ菜「すみません…」
栞子「どうぞ？」
せつ菜「スクールアイドル同好会の存続についてですが…」
栞子「ああ、その件ですか」
栞子「私、あらかじめ伝えておきましたよね？私が生徒会長になったら同好会は解散してもらうと」
せつ菜「……っ、もう一度考え直していただけませんか！？お願いしますっ！」
栞子「……」
栞子「……中川さん」
せつ菜「はい」
栞子「スクールアイドル同好会、存続させてあげてもいいですよ」
せつ菜「ほ、本当ですか！？」
栞子「ただしそれには条件が二つあります」
頭あんちゃんかよ
栞子「一つ、中川菜々さんには現同好会を退会してもらいます」
せつ菜「え…？」
栞子「嫌なら同好会を潰します」
せつ菜「ぅ……」
栞子「さあどうしますか？」
せつ菜「……わかりました」
栞子「はい。そして次にあなたには生徒会長副会長についてもらいます」
せつ菜「え、私がですか？」
栞子「嫌なら同好会を潰します」
せつ菜「い、いえ……嫌というわけではないのですが……どうして私を？だって私は生徒会長選挙に負けて」
栞子「……強いて理由を述べるとするなら、私はどんな生徒も見捨てたりしないということ」
せつ菜「え、えーと……それはどういう意味で」
栞子「はぁ……本当にあなたは察しが悪い。よくそれで今まで生徒会長をやってこられましたね」
栞子「あなたみたいな人が元生徒会長というだけで本校の恥になりかねません。仕方ありませんから私があなたの成長をサポートしてあげます」
せつ菜「あ、ありがとうございます…」
栞子「はい。では次に中川さん、あなたには私と新しい同好会を設立してもらいます」
せつ菜「あ、新しい同好会…？」
栞子「同好会名はまだ決めていませんが、そうですね……超スクールアイドル同好会とでも仮名としておきましょう」
せつ菜「…はい？」
栞子「そして最後に」
せつ菜「条件増えてません！？」
栞子「これから私はあなたのことを菜々と呼びます」
栞子「何か文句でもありますか？菜々」
栞子「あるなら同好会を潰します」
せつ菜「いえ、呼び名の方はまったく問題ありませんけど…」
栞子「ホント！？」
せつ菜「え？」
栞子「な、なんでもありませんっ！こほんっ……それで、けど？とは」
せつ菜「えーと、私の聞き違いでなければ今スクールアイドル同好会と」
栞子「はい。菜々が条件に従えば存続させると言いましたが？」
せつ菜「あ、そっちの方じゃなくて」
栞子「そっちの方ではない？」
せつ菜「たしか、超スクールアイドル同好会と…」
栞子「ああ、これから設立する同好会のことですね。それが何か？嫌なら現スクールアイドル同好会を潰しますけど」
せつ菜「三船さん……もしかして」
栞子「その前に条件を一つ追加します。今後、私のことは三船さんではなくて栞子様と呼ぶようにお願いします」
せつ菜「え？」
栞子「従えないのなら現同好会を」
せつ菜「わ、わかりました！栞子様！」
栞子「はぅっ……！////」ｶｧｰ
せつ菜「？？」
栞子「はぁ？何を馬鹿なことを言っているんですか？菜々」
栞子「そんな無駄なことに割く時間なんかありません。まったくもって無意味、無価値」
せつ菜「な、ならどうしてスクール…じゃなくて超スクールアイドル同好会を設立しようと」
栞子「はぁ……本当に菜々は察しが悪いですね」
栞子「私にとって無駄な時間だとしてもあなたにとってはそうではないでしょう？」
せつ菜「え……じゃあ私のために……？」
栞子「それ以外に何があると？」
せつ菜「……っ」
栞子「菜々？どうかしましたか？」
せつ菜「す、すみません……すこし戸惑ってしまって」
栞子「まったく……そんな不安定な精神で世界一のスクールアイドルになれると思ってるんですか？もっと真剣になってもらえませんか？」
せつ菜「せ、世界一！？」
栞子「時間は有限。貴重な学園生活をスクールアイドルに注ぐんです。その時間を無価値にしないためには世界一くらいにはなってもらわなくては私が困ります」
栞子「不安ですか？自信がないですか？そんな心配しなくてもいいですよ？」
栞子「言ったでしょう？私が側で菜々の成長をサポートしてあげると」
せつ菜「栞子様…」
栞子「ああ、だからって妙な勘違いは起こさないでください。先輩といえど私の言うことにはすべて従ってもらいます」
せつ菜「す、すべてですか…？」
栞子「何か問題でも？嫌なら言ってくださって結構ですよ。そうなれば現同好会を潰すまでですが」
せつ菜「よ、よろしくお願いします。栞子様」
栞子「ふぁぁっ…////」ﾋﾞｸﾝｯ
栞子（やばい……ぞくぞくする……////）
せつ菜「し、栞子様……？」
栞子「なにか？」
せつ菜「いえ…」
栞子「菜々はスクールアイドルとして自分の最大の魅力は何だと思っていますか？」
せつ菜「へ？と、唐突ですね…」
栞子「迅速に回答してください」
せつ菜「そう、ですね……自分の内側から溢れ出てくる大好きという気持ちを表現するパフォーマンスでしょうか」
せつ菜「いざ言葉にするとけっこう恥ずかしいですね。あはは…」
栞子「不正解」
せつ菜「え…？」
栞子「今の回答を不正解と言ったんです。あなたはやっぱり何もわかっていない」
せつ菜「そ、そうでしょうか……すみません」
栞子「いいですか？菜々の魅力は顔と身体。以上です」
白いセーラーカラーはひるがえらないように
嫌なら潰します
栞子「そもそもスクールアイドルとは何か？そしてそのファンとは何か？菜々にはまずそこから説明が必要みたいですね」
栞子「簡単に言うなら演者と観衆の関係です。観衆の需要のために演者は在る。ならば観衆の需要に対しての供給を第一に考えるべきです」
栞子「同時にそれは高みへと登り詰めるに不可欠な要素となります。ここまでは理解できますか？菜々」
せつ菜「わ、わかります…」
栞子「そこで菜々には露出を増やしてもらいます。現状の菜々は地味というわけではありませんが、派手さに欠ける。更にいうなら観衆を魅了する色気が皆無です」
せつ菜「うぅ…」
栞子「たとえば衣装の胸元を開いて見せるとか……極端にいえば無くてもいいかもしれませんね」
せつ菜「わ、私はそういうのはちょっと……ほら、それだと果林さんとかぶってしまいそうですし」
栞子「だから何です？」
栞子「そもそも朝香果林、彼女は菜々のライバルにすら為りうる存在ではありませんし」
せつ菜「そんなことは…」
栞子「考えてもみてください。娼婦の露出と少女の露出、どちらの価値が勝っているでしょうか？」
栞子「つまりはそういうことです。衣装は私の方で手配しておきますのでステージにはそれを着てもらいます」
栞子「拒むつもりなら現同好会を潰します」
せつ菜「わ、わかりました……露出……露出ですね……はい」
せつ菜「わ、わかってます！」
栞子「なら次にやるべきことはわかりますか？」
せつ菜「え？えっと……ボイストレーニングですか？」
栞子「不正解。そんなもの必要ありません」
せつ菜「で、ですけどスクールアイドルとして歌の方も力を抜くわけには」
栞子「菜々の歌唱力は現時点で完成されています。たしかに練習を重ねれば上達は見込めるでしょうが、今のままで充分ですよ」
栞子「それよりも色気です」
せつ菜「は、はい…」
栞子「……」
せつ菜「それで、次は何をすれば」
栞子「私が与えてあげるのを待っているだけですか？」
せつ菜「え…？」
栞子「事実、私は菜々の成長をサポートすると言いました。しかしそれは私に甘えっぱなしでいいというわけではありません」
せつ菜「すみません…」
栞子「自分で考えることも時には必要ですよ。菜々」
せつ菜「は、はいっ！」
栞子「己に厳しく、他人にも厳しく。強者は常にそうあるべきです」
栞子「やるべきこと、わかりましたか？菜々」
せつ菜「う……えっと、ダンスレッスンでしょうか」
栞子「色気と言ったはずですよ？私に従えないのなら現同好会を潰しますが？」
せつ菜「う、嘘です！嘘ですって！」
栞子「いいですか？先程も伝えましたが、菜々に足りていないのは色気。その色気とは本来内側から溢れ出ていなくてはなりません」
栞子「今の菜々からはそれをまったく感じない。何故でしょう？」
せつ菜「どうしてでしょう……？」
栞子「菜々は今までに恋をしたことがありますか？」
せつ菜「へ？こ、恋……！？」
栞子「高校生、それも二年生になると自然と纏ってもいいはずなのに菜々にはそれがありません。もしかして菜々は恋をしたことがないのでは？」
せつ菜「あ、ありますよっ、私にだってそれくらい…………アニメやラノベのキャラにですけど……」
栞子「アニメやラノベ？それって絵ですよね？」
せつ菜「ぅっ……」
栞子「菜々は絵に恋をしているんですか？……正気ですか？将来、絵と結婚して絵との子供を身籠って絵と同じ墓に入るつもりなんですか？婚姻届や死亡届、財産分与などはどう考えているんですか？」
せつ菜「…………すみませんでした」
栞子「では恋愛経験は無しということでいいですね？」
せつ菜「……はい」ｼｭﾝ
栞子（ふふ……やった、やった♪）
かわいい
あのさー、「アニメはただの絵」なんて言葉には何の意味もないわけよ。当たり前すぎる。
ただの絵って、そりゃ絵だよ。そんなの誰にでもわかるって。
これは言い換えるとね、例えば友達が彼女の写真を見せてくれたとして、
「これはただのインクの集合だ」と言ってるのと同じなわけよ。
もっと言うと、友達の恋人を指差して、「こいつはただのタンパク質だ」と言ってるのと同じなわけよ。
別に間違ってないよ。写真はインクだし、人間はタンパク質だ。でもそれがなんだっての？
インクだから感情を抱くのは間違いだ、タンパク質だから好きになるのは間違いだ、とでも言うの？
それはちょっとバカすぎるね。バカすぎる。「アニメはただの絵」ってのはそういうのと同じなんだよ。
好きになるのは人格としての、存在としての彼女だろうが。物理的構造なんてどうだっていいんだよ。
そんな当たり前のこともわからないわけ？
せつ菜「え？」
栞子「相手は……そうですね、べつに私でも構いませんけど？」
せつ菜「わ、私が栞子様に恋を……？そ、そんなの無理です無理ですって！」
栞子「……」
せつ菜「し、栞子様……？」
栞子「……」ｽﾀｽﾀ
せつ菜「ど、どこに行くんですか！？」
栞子「現スクールアイドル同好会のところです。言ったはずですよ？私に従えないのなら現同好会を潰すと」
せつ菜「い、いやっ、今のは拒んだわけでは……ただこんな恋愛経験も何もない私じゃ栞子様の迷惑になりそうだと…」
栞子「私は菜々の成長をサポートすると言いました。一度言ってしまったからには協力は惜しまないつもりです」
栞子「だから迷惑は承知のうえ。すべては菜々の成長のためです。私だって本意ではありませんが、恋愛の相手役くらいならと…」
せつ菜「栞子様……」
栞子「それでも嫌というならどうぞ勝手にしてください。私は私で条件を破棄されたわけですから現同好会を潰すまでです」
せつ菜「お願いします……！」
栞子「ですから私に従えないのならっ」
せつ菜「私の恋の相手役、お願いしますっ！」
栞子「ふぇっ////」ｷｭﾝｯ
せつ菜「栞子様？」
栞子「ま、まあいいでしょう……そこまで言うなら仕方ありませんね……////」
栞子（やった……やった……♪）
嫌なら現同好会を潰しますが？
お金持ちなのに歯列矯正してないところが可愛い
三船家の金とコネでなんとかなる
嫌なら中川菜々を潰しますが？
見てるのも栞子様だぞ
栞子「まだ何もしていないというのに。これでは先が思いやられますね」
栞子「まあいいでしょう。ではまず初めに」
ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ…
栞子「あ…」
せつ菜「最終下校時間になっちゃいましたね」
栞子「仕方ありません。今日はここまでにしましょう。続きは明日から。お疲れ様でした」
栞子「戸締まりは私がやっておきますので菜々はもう帰宅して結構です」
せつ菜「私も手伝いますよ。栞子様」
栞子「必要ありません。お疲れ様でした」
せつ菜「じゃ、じゃあお言葉に甘えて……お疲れ様でした」
栞子（ふぅ……ドキドキしちゃった。……あっ）
栞子「な、菜々っ……待ってください！」
せつ菜「はい？」
栞子「か、仮にも私と菜々は恋愛の関係にあるという設定……だから、その」
せつ菜「？？」
栞子「LINEを交換しましょう」
せつ菜「LINEですか」
栞子「嫌なら無理にとは言いませんが、その場合は私に従えないとみなして現同好会を潰します」
せつ菜「そうですね、交換しましょう！」
栞子「……♪」
せつ菜「それでは、お疲れ様でした！」
栞子「お疲れ様でした」
ｶﾞﾁｬ…
栞子「ふぅ……」
栞子「やった！やった！」ﾋﾟｮﾝﾋﾟｮﾝ
栞子「菜々のLINE……さっそく送ってみようかな」ﾄﾞｷﾄﾞｷ
栞子「えーと……」ﾎﾟﾁﾎﾟﾁ
せつ菜「あ、栞子様から」
栞子『菜々、何か困ったことがあったらいつでも私を頼ってね＼(^o^)／』
せつ菜「ふふ、LINEだと可愛いんですね。栞子様」
せつ菜「とりあえずスクールアイドル同好会は存続できましたし、私もスクールアイドルを続けられるみたい」
せつ菜「……皆さんと活動できなくなるのは少し寂しいですけど」
せつ菜「…………きっとこれでよかったんですよね」
栞子「わたしのこと、こんなに濡らして……っ、本当にあなたという人、は……ぁんっ、ぁ……////」
栞子「あっ、ゃ……菜々……好き……っ、もっとあなたを、私のものにしたいっ……」
栞子「私だけの、ものに……ンっ、ぁあ……ッ、菜々っ……////」
栞子「ゃ、ぁあっ……イ、くっ……ふぁあっ……！////」ﾋﾞｸﾝﾋﾞｸﾝｯ
――――――――
翌朝
せつ菜「おはようございます！栞子様！」
栞子「おはようございます。あなたみたいな人でも、時間どおりに来る程度の常識は持ち合わせているみたいですね」
せつ菜「でもこんな朝早くに……ふあぁ」
栞子「昨日も伝えたはずです。時間は有限であると。…ではさっそくですが」
栞子「脱いでください。菜々」
せつ菜「え？……えぇっ！？ぬ、脱ぐって、そんな……なにをっ////」
栞子「何を動揺しているんですか？衣装をオーダーするために必要でしょう？」ｼｬｯ
せつ菜「あ、そういうことですか」ﾎｯ
栞子「まったく……一体どんな想像していたんですか？」
栞子「保健体育の成績が良くないのは知識に偏りがあるためと窺えますね」
栞子「これくらいで何を……では計っていきますので動かないでください」ｼｬｯ
せつ菜「は、はい」
栞子「身長は……154cm」
せつ菜「もっと伸びてほしいですけどね。あはは」
栞子「いえ、これくらいの方が可愛いです」
せつ菜「え？」
栞子「なにか？」
せつ菜「い、いえ…」
栞子「次に胸囲を計りますからじっとしていてください」ｼｬｯ
せつ菜「んっ……ぁ……ッ……」
栞子「84……86、ですか」
せつ菜「えっ…」
栞子「どうかしましたか？」
せつ菜「前に計った時はたしか83だったかと」
栞子「低身長に不釣り合いなバストサイズは大きな魅力となります。もっと誇るべきかと私は思いますが？」
せつ菜「うぅ……////」
栞子「ウエストは…」ﾋﾟﾄｯ
せつ菜「ゃ、ぁあっ……！////」ﾋﾞｸﾝｯ
栞子「え？」ﾄﾞｷｯ
せつ菜「す、すみません……触られるのに慣れてなくて」
栞子「……弱いんですか？お腹を触られるの」
せつ菜「そ、そうみたいですね…」
栞子「では衣装は私の方で用意しておきます」
せつ菜「あ、ありがとうございます」
栞子「それと、今日から制服のスカートはこれを」
せつ菜「へ…？こ、これ短すぎませんか！？」
栞子「ええ、敢えてそうしてますので」
せつ菜「ど、どうして」
栞子「今の菜々に最も必要なものは色気、つまり女性らしさです。色気は恥じらいから生まれてきます」
栞子「常に周りから見られているという自覚をもって学園生活をおくってください」
せつ菜「で、でも…」ﾓｼﾞﾓｼﾞ
栞子「嫌なら断ってもらっても結構ですよ？強制はしません」
せつ菜「や、やりますっ……！」
栞子「はい。元のスカートは私が預かっておきますので菜々はもう教室に向かってもらって構いません」
栞子「ではまた放課後に」
せつ菜「は、はい…」
嫌なら私に従えないと見なして現同好会を潰しますが？
栞子のキズナエピソードやぞ
9章はただ延々とせつ菜が栞子に嬲り者にされるだけ
放課後
ｶﾞﾁｬ
せつ菜「し、失礼しますっ……！」
栞子「ですから入る時はノックをしてくださいと何度も」
栞子（もう少し早かったら危なかったぁ…）
せつ菜「すみません、栞子様……でも急いでいて」
栞子「急ぐ？放課後というだけで特に時間は指定していなかったはずですが」
せつ菜「い、いえ、そうではなく…」
栞子「…？」
せつ菜「……み、見てくるんですっ」
栞子「はい？」
せつ菜「い、いろんな人が私のことを見てくるんですよっ！だから早く隠れたくて…」
せつ菜「やっぱりこのスカート、短すぎたみたいで……少し動くだけで、し、下着が……////」
栞子「ああ、だからそんな顔を赤らめているんですね。ですが朝にも言ったとおり、これは菜々に足りていない色気を補うため」
栞子「その成果でしょうか。昨日より少し艶めいて見えます」
栞子「こういうの、とは？」
せつ菜「その……え、えっちなのは合わないかな、と……////」
栞子「……っ////」
栞子（菜々の口からエッチって）
栞子「…なるほど。下着が見えそうな格好でいることが性的であるというくらいの知識は持ち合わせているんですね」
せつ菜「い、一応は…」
栞子「ですがあなたのファンがそれを望んでいるとしたら？あなたは自分が恥ずかしいからといった身勝手な理由でその需要から供給を断ってしまうんですか？」
栞子「以前にも伝えましたが、容姿以外では並のスクールアイドルとなんら変わらない。長所を伸ばすことことそが飛躍への最大の近道なんです」
栞子「私の方針に何か異論がありますか？」
せつ菜「……いえ」
栞子「私に従っていれさえすれば成功は約束します。いいですね？菜々」
せつ菜「は、はい…」
栞子「では時間も限られていることですし、昨日の続きに入っていきましょう」
せつ菜「あの」
栞子「なんですか？」
せつ菜「私に付き合っていただけるのは嬉しいんですけど、生徒会の仕事は大丈夫なんですか？」
栞子「あなたと同じにしないでください。あの程度の仕事くらい既に終わらせています」
栞子「他人の心配よりもまずは自分の心配をしてください。……でも、気遣っていただいてありがとうございます」
せつ菜「……！はい！」
栞子「では昨日の続き……恋愛についてですが、その前に一つ菜々にお聞きします」
せつ菜「なんでしょう？」
栞子「菜々は恋をしたことがないと言っていましたが、恋人同士がどのような関係にあるか知っていますか？」
せつ菜「えっと、それは……恋人の関係としか」
栞子「なら聞き方を変えます。恋人同士になればまず何をしますか？」
せつ菜「え、まずは……手を繋ぐとかでしょうか？」
栞子「なるほど。そして？」
せつ菜「手を繋いで……えっと、デートとかですか！」
栞子「はい。続けてください」
せつ菜「デートをして……その、キ、キス……なんかしちゃったり……////」
栞子「そうですね」
せつ菜「……」
栞子「……キスをして？それでどうするんですか？」
せつ菜「お、終わりですっ…！」
栞子「……なるほど。そうですか」
栞子「……」ｶｷｶｷ
せつ菜「……あの、何を書いて」
栞子「解体工事の申請書です。現スクールアイドル同好会の部室は不必要となりそうですので」
せつ菜「ま、待ってくださいっ…！！」
栞子「…なにか？先程の回答について何か言い足りないことでも？」
せつ菜「…ぁ、その……////」
せつ菜「キスをして、その後は……えっと、ぁの……ぅ…………っくす…を」
栞子「まったく聞こえませんが？」
せつ菜「せ、…せ……っ、……せっくすを！……するという、話を……き、聞いたことが……////」
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