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善子「ねぇ、運命ってあると思う?」


1 :2019/06/29 〜 最終レス :2020/01/02
睡魔に負けて昨日書ききれなかったやつ

2 :
はよ書け

3 :
あと2レスあったら落ちなかったから支援しとくべきだったな

4 :
花丸「急にどうしたずら」

ルビィ「占い? 黒魔術?」

善子「ふと思ったのよ」

花丸(そうつぶやいた善子ちゃんは)

花丸(少し気怠そうに突っ伏していた体を起こして、ぐっと伸ばす)

善子「恋愛の話になると、運命の相手って言葉が出てくることがあるし」

善子「感動系の生死に関わることにも、これは運命だから。みたいなことって偶にあるでしょ?」

花丸「うん」

善子「でもさ、運命ってどこからが実際に運命なんだろうって思ったわけ」

ルビィ「?」

花丸(難しい話だと察したのか)

花丸(少し顔を曇らせながらルビィちゃんは首をかしげる)

花丸(それを見て、善子ちゃんは例えば……と返されたばかりの小テストを見せてきた)

5 :
ルビィ「わぁっ48点っ!」

花丸「………」

花丸(50点満点の小テストで、48点)

花丸(実際のテストに近い内容で行われる小テストと言うだけあって、その点数は十分に良い部類で)

花丸(それの自慢がしたかったのかな。と、何となく思って目を逸らす)

花丸(……マルは、40点だった)

花丸「それがどうしたずら?」

善子「このテストに運命を当てはめるとしたら?」

花丸「絶対に間違える運命とか?」

ルビィ「良く分からないけど、花丸ちゃんと同じ……かな」

善子「本当に?」

善子「じゃぁ、私がこのテストを受けるのを避けたら?」

善子「運命であるはずの「テスト結果は絶対に間違える」から、0点になると思わない?」

6 :
ルビィ「た、確かに……」

花丸「でも、小テストを受けなかった理由にもよるけど」

花丸「放課後に再テストを受けさせられることがあるずら」

花丸「もしもテスト結果を間違えることに収束するのだとしたら」

花丸「善子ちゃんは再テストを受けることになって、そこで間違えるんじゃないかな?」

善子「……なるほどね」

善子「結果が運命であるなら、私の行動に関わらずテストを受けることになって」

善子「私はそこで失敗することになるってわけね」

ルビィ「???」

善子「じゃぁ、間違えるという結果を知っているうえでその対策をしていたらどうなる?」

善子「それでもテストを間違えるって結果は変わらない?」

7 :
は?よしりこじゃねーのかよ
ゴミだな

8 :
花丸「変わらない」

花丸「だって、それを知っていて勉強を頑張ったとしても」

花丸「時間切れでの回答不足、誤字脱字」

花丸「間違える。というものではないにしても、満点を取れないと言う結果に収束することは出来る」

善子「でもそれだと間違える運命ではなくなるんじゃないの?」

花丸「そもそも間違える運命ではなく、満点を取れないという運命かもしれないずら」

花丸「……今みたいな思い込みが、その結果に収束する可能性もあるずらよ?」

善子「何よ。脅してんの?」

花丸「別に」

花丸(マルよりも点数の高い小テストをひらひらと振った善子ちゃんは)

花丸(にやっと笑って、ため息をついた)

善子「本題に戻るけど、ずら丸はどこからが運命だと思う?」

花丸「テストで考えるなら、テストを受ける。という過程からかな」

9 :
花丸「テストを受けるっている前提がなければ」

花丸「テストで満点を取れない。という結果に収束することは出来なくなっちゃうからね」

善子「まぁ、そうでしょうね」

花丸(善子ちゃんはなぜか不満そうで)

花丸(話についていけないからと)

花丸(机に突っ伏したルビィちゃんを一瞥する)

善子「じゃぁルビィがこれからダイヤに怒られることになる運命だとして」

ルビィ「えっ!?」

善子「それを回避する方法ってあると思う?」

花丸「怒られる理由は?」

善子「んーそれは不明」

善子「ただ、テストのように”怒られる”という結果に収束する」

10 :
ルビィ「それじゃ情報が少ないよぉ」

花丸「これから起こることなら、漠然としていても仕方がないずら」

花丸「むしろ、”怒られる”結果があるという前提で考えられることを有利に考えたほうが良いよ」

花丸「怒られることは結果だけど、それは未来だから結果なのであって」

花丸「過去のマル達が考えるのなら、それは前提条件として考えの材料にすることが出来る」

ルビィ「も、もう少し分かりやすく……」

善子「プリンを食べることに変わりはないけど、プリンが食べられる。という未来を知ってる感じ」

ルビィ「それは嬉しいねっ!」

花丸(ニコニコとするルビィちゃん)

花丸(ちらっと見るとわくわくしてるのが分かって、思わずほころんでしまう)

花丸「怒られる結果が分かってるなら、怒られない結果を用意するのはどうずら?」

11 :
花丸「例えば、怒られる理由を考えて」

花丸「思い当たる点を正直に話して、お詫びの気持ちを用意する」

善子「無理ね」

善子「思い当たる点を口にした結果、そんなこともしていたの? という流れがうまれて」

善子「それによって”怒られる”という結果に収束するはずよ」

花丸「確かに」

ルビィ「ルビィはそこまで悪いことしてないよっ!?」

花丸「そうずらね」

善子「でも、些細なことで怒られるかもしれないでしょ」

善子「例えば、ダイヤが少し不機嫌で癇に障ったりしてね」

ルビィ「お姉ちゃんはそんな短気じゃないもん」

花丸「あくまで例えだよ。例え」

12 :
花丸「善子ちゃんは何を知りたいの?」

花丸「運命が何を過程として結果に収束しようとするのか?」

花丸「それとも運命を避ける方法?」

善子「両方」

善子「でも、気になってるのはどこを起点としてその運命が生じるのか」

善子「ずら丸が言うように、テストという過程がなければ、満点を取れないと言う結果は必然的に生まれないわけだけど」

善子「じゃぁ、その満点を取れないという運命はいつ定まって、テストを受けるという過程を欲するんだと思う?」

花丸「難しい問題ずら」

花丸「……うーん」

花丸「大雑把に捉えていいのなら、学生を経験する。という根本的かつ必然的な事象」

花丸「マル達は高校生で、義務教育を過ぎてるからそれは確定ではないけれど」

花丸「義務教育と同等であると考えられておかしくない高校生でのテストと言うのは」

花丸「マル達が生きていく上での運命だととらえてもいいと思うずら」

13 :
善子「スケールが大きすぎるんじゃないの?」

花丸「そう?」

花丸「マルは逆に、そのスケールの大きさこそが運命だと言えるって思う」

花丸「絶対に避けることのできない原因と結果」

花丸「その避けようのない収束を運命とすることで」

花丸「それが悪いことであるのなら、諦めるための条件にするずら」

花丸「抗うことのできない絶対的な不幸」

善子「そこで私を見ないでよ」

善子「でも……」

善子「まぁ、そんなものかぁ」

花丸(少し難しい顔をして)

花丸(どこか納得がいかないと言うような雰囲気で)

花丸(善子ちゃんは諦めたように笑う)

善子「でもそういう絶対に無理だってものに抗ってみたいとか思わない?」

花丸「犯罪でも犯すつもりずら?」

善子「まさか」

14 :
善子「ヨハネ的には、そういう大きな――」

花丸「はいはい」

善子「何よその反応っ!」

花丸「凄いずらねぇ〜」

善子「赤ちゃんに話すような言い方止めてっ!」

花丸(よしよしと、何もない場所を撫でる素振りをすると)

花丸(善子ちゃんは怒ったように言う)

花丸(難しい話だとポヤポヤしていたルビィちゃんも)

花丸(怒っているようで怒っていない善子ちゃんの反応には、嬉しそうだった)

善子「今に見てなさいよ」

善子「このヨハネが大いなる偉業を成し遂げて見せるんだから」

15 :
ルビィ「悪いことはしちゃだめだよ?」

善子「だから犯罪はやらないってばっ!」

花丸「せっかく練習お休みなんだから、早く帰るずら」

善子「……あぁ」

善子「せっかく練習休みなら、明日土曜日だし家に来ない?」

花丸「え?」

花丸(さりげなく)

花丸(席を立ちながらの自然な誘いに、思わず聞き返してしまう)

花丸(明日休みだから、今日来ないか)

花丸(その前提あっての誘いは……)

花丸(嬉しいけど)

花丸「今日は用事があるから無理ずら」

善子「……そっ」

善子「用事があるなら仕方がないわね」

16 :
ルビィ「花丸ちゃんおうちの手伝いがあるんだよね?」

ルビィ「ルビィ達も手伝えたら良かったんだけど……」

善子「ルビィ聞いてたの?」

ルビィ「えっ? 聞いてなかったの?」

花丸「善子ちゃん忙しそうだから話してなかったずら」

善子「ちょっあんたっ!」

花丸「は、話してても手伝いは断るずらっ」

花丸(妙に迫力のある剣幕で寄ってくる善子ちゃんに首を振って)

花丸(慌てて、体を押し返す)

花丸「さすがにそんな迷惑はかけられないし檀家さん達もいるから大丈夫」

花丸(申し訳なさそうなルビィちゃんに首を振る)

花丸(お寺であるマルの家には、仏像などが置いてあって)

花丸(毎日手入れしているとはいっても)

花丸(日に日に痛んでいくから、手入れをしようという話になって……)

花丸(でもさすがに、ルビィちゃんたちの手は借りられない)

花丸「その気持ちだけで嬉しいずら」

17 :
善子「そういうこと、言ってるわけじゃないんだけど」

善子「……まぁ、そっか」

花丸「?」

善子「――ずら丸」

花丸(善子ちゃんは少し口元を絞めると)

花丸(マルのことを見て、はにかむ)

花丸(言いたくても言えないことがあると示す谷の眉に目が移る)

善子「さっきの話の続きなんだけど」

花丸「運命の話?」

善子「それ」

善子「ずら丸は運命って、信じてたりする?」

花丸「さぁ? どうだろう」

花丸「あると思っているし、ないとも思ってるずら」

花丸「だって、本当に運命というものがあるのなら、”今の”マル達にそれを認識することは出来ないはずだから」

18 :
ルビィ「あるのにないの?」

花丸「うん」

花丸「だって、運命は過去ではなく、未来のことに当てはめるものだから」

花丸「”今の”マル達が運命だって言えるのは返された小テストや、善子ちゃんが筆箱を忘れたことに対してしかない」

花丸「つまりは、過去の事象にのみ、あれは運命だったんだ。と言える」

花丸「善子ちゃんが最初に言ってたことだけど」

花丸「感動系の”運命なんだ”や、恋愛物の”運命の出会い”はあくまで、起きた結果に対してそう捉えただけ」

花丸「未来におこることに関しては”推測”であって、”運命”じゃない」

ルビィ「えっと、うん?」

花丸「つまり、”結果として確定していない事象”は、運命と断定することは出来ないってことずら」

ルビィ「でも、お姉ちゃんが怒るって話は?」

善子「あれはあくまでたとえ話よ。私達がその結果を知っているという前提での話」

善子「結果を知ってる……つまり認識してると言う仮定で、運命であるとしてただけ」

善子「つまり、花丸は運命を信じてないってことで良い?」

19 :
花丸(なぜか食い下がる)

花丸(その善子ちゃんからはごり押しするような空気が感じられた)

花丸(運命があると言わせない。そんな雰囲気)

花丸(だからあえて……首を振る)

花丸「あると思ってるずら」

花丸「善子ちゃんの不運は、もはや運命レベルだから」

善子「っ」

善子「……まぁ、そうかもしれないわ」

花丸「?」

花丸(不服そうに)

花丸(でも、善子ちゃんは反論することなく頷く)

花丸(振り返る背中からは、少しだけ失望が感じられた気がした)

20 :
――――――
―――


花丸(運命を気にする善子ちゃんのことが少し気がかりなまま、吸う時間)

花丸(おうちの手伝いもひと段落して、戻ってきた部屋で一息つく)

花丸(善子ちゃんと違って)

花丸(雑学と言うべきか、専門書と言うべきか)

花丸(今読みたいオカルト関連のような話題の載っている本は手元にない)

花丸(仕方がなく、なんとか繋がる携帯で検索する)

花丸「……運命」

花丸(運命:人間の意志にかかわらず、身にめぐって来る吉凶禍福。めぐり合わせ。転じて単に、将来)

花丸(検索してすぐ出てくる一文に目を通す)

花丸(運命とは天命であり、人間の抗える領域には存在しない確定した事象)

花丸(避けることも変えることも叶わず、絶対に通らなければならない)

花丸(線路が人生、電車が自分)

花丸(運命は電車の停まる駅のようなもの)

21 :
花丸(いろんな人の意見や、考え)

花丸(色々めぐって、考えてみて)

花丸(偶像的な運命の存在に、頭が痛くなっていく)

花丸「つまりどういうこと。って、言いたくなるずら」

花丸(話についてきていなかったルビィちゃん)

花丸(何となくその気持ちが分かったと)

花丸(ちょっぴり申し訳なく思って、携帯の電源ボタンを軽く押す)

花丸(暗くなった板のような携帯をベッドにほっぽって、一息)

花丸「考えるのはやめた」

花丸(ここから先は泥沼だと)

花丸(嫌な予感がして考えを振り払ってベッドから起き上がる)

花丸「……でも」

花丸「善子ちゃんがあそこまで気にするのは、気になる」

22 :
花丸「運命の出会いでもあったのかな」

花丸(感動もの……つまり、人の死に関わる物語での運命と)

花丸(恋愛もの……つまり、恋の話に関わる運命)

花丸(その二つを善子ちゃんは並べてきた)

花丸(善子ちゃんの目的はどっちだったんだろう?)

花丸「恋か、死か」

花丸「未来に起きる結果であり、それを観測して初めて運命だと口にできるのであれば」

花丸「………ない、よね?」

花丸(人の死の運命について知りたかった場合、善子ちゃんは誰かのその結果を知ってることになる)

花丸「つまり……善子ちゃんが病気か。お母さんが病気か」

花丸(少なくとも、身内の誰かの不幸ということになる)

花丸「ないないないっ」

花丸「でも、だとしたら……恋?」

花丸「善子ちゃんに運命の相手っ!?」

23 :
花丸(気になる……)

花丸(さすがにいんたーねっとの配信動画の人じゃないだろうし)

花丸(声をかけられたからと言って”気があるかも”なんて勘違いするはずがないし)

花丸(でも)

花丸(そういうのをすっ飛ばしちゃう運命だとしたら?)

花丸「誰かの努力も、苦労も、苦悩も」

花丸「何もかもを無に帰してしまう強制力がある運命なら」

花丸「きっと、一冊の本に触れて知っただけの恋のように」

花丸「簡単に落ちちゃったのかもしれない」

花丸「……そっか」

花丸「善子ちゃんが恋。かぁ」

ガチャ

花丸「?」

花丸「あの――」

花丸(不意の訪問者)

花丸(その満面の笑みは、まさしく運命のように思えた)

24 :
――――――
―――




花丸「けほっけほっ」

花丸(喉が痛い……)

花丸(目を覚ますと猛烈なのどの痛みを感じて咳き込む)

花丸(昨日、何か余計なことをしたかと考えを巡らせる)

花丸(いや、普通の日曜日だった)

花丸「学校……」

花丸(うー)

花丸(体を起こそうとして、数センチ)

花丸(すぐに倒れこんで息を吐く)

花丸「喉だけじゃなくて、体も痛い」

花丸「水曜日までには間に合うかな」

25 :
花丸「水曜日のテスト、受けないと……」

花丸(病欠の場合、考慮して貰えるから再テストになるだろうけど)

花丸(放課後の練習時間がつぶれたり、午前の授業で終わる土曜日の午後に行わされることもある)

花丸「それは、嫌だけど……」

花丸(少なくとも今日は無理)

花丸(今日は休もう)

花丸(目を瞑れば今にも意識が飛びそうで)

花丸(すぐそばでちかちかと主張する携帯を手に取る)

花丸「……善子ちゃん?」

花丸(連絡は善子ちゃんからで、大丈夫? と、心配するような内容だった)

26 :
花丸「……風邪っぽいから、お休み、する」

花丸(一先ず連絡を返して、一息つく)

花丸(連絡をするだけでも辛くて)

花丸(ぽとりと落とした携帯が震える)

花丸(おばあちゃんたちにも、言わないと……)

花丸(起きて、体調を伝えて、お休みするって、言わないと)

花丸「心配、かけちゃう……」

花丸(起きてこないこと)

花丸(うんともすんとも言わないこと)

花丸「あぁ、でも……」

花丸「もう、無理」

花丸(ふっと、体の力が一気に抜けて)

花丸(耐えようとする暇すらなく、意識は途絶えてしまった)

27 :
一先ずここまで
昨日の分と少し

28 :
善子ちゃんにはこういうのが似合う

29 :
よしりこだと思ったら今のところ違うのね
でもなかなか興味深い話だな、期待

30 :


31 :
>>29
あんまりそういうの言わない方がいいと思う

32 :
――――――
―――


花丸(混濁して、ふわふわした五感)

花丸(何も見えない暗闇の中)

花丸(押しつぶされるような喉の痛みと)

花丸(焼き尽くされるような体の熱だけが嫌に鮮明で)

花丸(助けてと。そう、言いたいのに言えなくて)

花丸(動かない体の中、魂だけが必死にもがいて――)

――ギュッ

花丸(ぁ……)

花丸(唐突に、冷たい何かが触れてくれた感覚が伝わってきた)

花丸(それはあまりにも冷たいのか)

花丸(それとも、前触れのない夕立のように驚かされたのか)

花丸(マルの体を貫くように流れて)

花丸(落ちていく意識を巻き取って……引っ張り上げてくれた)

33 :
花丸「ぅ……」

善子「あ、ごめん。起こした?」

花丸「……?」

花丸「ぁー……」

花丸(善子ちゃん? そう聞いたはずの声は、酷く握っていて言葉にはなっていなくて)

花丸(申し訳なさそうな顔をする善子ちゃんは)

花丸(なぜだか、辛そうな顔をして、今にも泣いてしまいそうな顔をして)

花丸(切なさを感じるうっすらとした笑みを浮かべた)

善子「いつもこんなことはなかったのに」

善子「風邪って言うから、来ちゃった」

善子「……喉、辛そうね」

花丸「ん……ごほっこほっ」

花丸「学校、は?」

善子「そんなことより、今はアンタのことよ。花丸」

34 :
花丸「……ずる休み」

善子「無理して言うことか」

善子「ったく……あんたのじっちゃんばっちゃんがとろいのよ」

善子「私が連絡しなきゃ気付かなかったのよ? 起きてこないんだから見に行くべきでしょ」

花丸「……悪く、言わない」

善子「分かってるわよ……ごめん」

善子「………」

善子「あー……その、ただの風邪、なのよね?」

花丸「こほっこほっ……んっんん゛」

花丸「うん、昨日は何もなかったし普通だったし……けほっ」

花丸「ただの風邪、ずら」

善子「そう……まぁ、明日は大事を取って病院行きましょ。私もついて行ってあげる」

花丸「いいよ……お祖母ちゃんたちがいる」

善子「ダメ、私も一緒に行く」

35 :
花丸(なぜか強情な善子ちゃんは)

花丸(ただただずる休みをしたいという感じではなく)

花丸(邪まなものを感じない善子ちゃんの目は、悲しそうだった)

花丸「……どうして?」

善子「今の時代、頭に水タオルなんて古いことしてんのよ?」

善子「任せてられないわよ」

花丸「………」

花丸「行くのは、病院だよ」

花丸「……大丈夫」

善子「どうだか」

花丸(ため息交じりに言う善子ちゃんは)

花丸(マルのことをじっと見つめたまま)

花丸(ふと、切り替わったように笑いだした)

善子「ま、そうね」

善子「ちょっとバカみたいよね」

善子「ごめん、明日はやっぱ普通に学校行くわ」

36 :
善子「ねぇ、ずら丸」

善子「運命ってあると思う?」

花丸「……?」

善子「私はあると思う」

善子「抗いようのない強大な強制力」

善子「何をしても、どうやってもその結果に収束していく。それが運命」

花丸「どういうこと?」

善子「あんたが、今週の小テストで私に負けるのは運命だってこと」

花丸「……むっ」

善子「ふふっ」

善子「勝ちたきゃさっさと治しなさいよ」

花丸「ん……」

善子「……あぁ、そう」

善子「あんた、今週って何か用事あったりする?」

花丸「?」

善子「ほら、仏像の手入れとか」

37 :


38 :
花丸「ない、けど」

善子「そっか」

善子「そう……なるほどね」

善子「なら、小テストで私が勝ったらちょっと付き合って」

善子「水曜日のやつ、結果返ってくるの金曜日だし」

善子「久しぶりに家に来なさいよ」

花丸「……狡い」

善子「大丈夫なんでしょ?」

花丸「それとこれとは違う……こほっ」

花丸(狡いことを求めてきた善子ちゃんは)

花丸(なぜか満面の笑みで)

花丸(狡いと思いながらも、駄目とは言えなくて)

花丸(別にそんな約束がなくても付き合ってあげるのになぁ……なんて)

花丸(休んでまでお見舞いに来てくれた優しさに、寄り添う)

39 :
復活してたのか
続き期待

40 :
花丸「マルに」

花丸「………」

花丸「マルに、ね。もしも……運命があるのだとしたら」

花丸「それはきっと……善子ちゃんに会えたこと。だよ」

善子「はっ!?」

花丸「……えへへっ」

花丸(悲しそうな顔、辛そうな顔)

花丸(笑っても切なさの滲む善子ちゃんの顔がようやく、色づく)

花丸(冗談半分の勢い任せの言葉は、割と効果的で)

花丸(普段は襲い掛かってくる言葉の反動も、熱っぽさの前では平伏してしまう)

善子「……何言ってんのよ」

善子「熱で頭やられてんじゃないの?」

花丸「そう、かも? こほっこほっ」

41 :
花丸(こんなにも優しい友人)

花丸(もちろん、ルビィちゃんたちに出会えたことだって運命かもしれない)

花丸(みんな優しくて、温かくて)

花丸(マルが普通に生きていたらきっと、関わることなんてなかったような人もいて)

花丸(それはとても、運命的な出会いで)

花丸「……ありがとう」

善子「なんか……別れる台詞っぽくて好きじゃない」

花丸「熱、だから」

善子「本当にただの体調不良なんでしょうね……」

花丸(心配そうな善子ちゃんに微笑んで、目を瞑る)

花丸(怖さを感じるはずの暗闇は、なぜだか心地よくて)

花丸(すぐそばの優しい空気に甘んじて、眠ることにした)

42 :
期待
ヨハネとマルちゃんって哲学的な話が妙にしっくりくるよね

43 :
花丸「……ん」

花丸(かすかな痛みを感じる頭のぼうっとした感覚)

花丸(首を振ればゴトリと落ちてしまいそうな恐怖を感じる)

花丸(ゆっくり、慎重に瞼を上げていく)

花丸(カーテンの隙間から入り込む光は薄暗い橙色)

花丸(もう夕方なのかと思う頭に届くマルしかいないはずの部屋に混ざる小さな寝息)

善子「すー……すー……」

花丸「善子ちゃん……」

花丸(マルは風邪ひいてるのに、移っちゃうよ)

花丸(そう思いながら、傍に居てくれた安心感を喜ぶ自分に苦笑いする)

花丸「どうして、そんなに心配してくれるの?」

44 :
花丸(普段の善子ちゃんも優しい)

花丸(でも、学校を休んでまで来るほどじゃなかったはずだ)

花丸(学校が終わって、練習をお休みしてきてくれるというくらいだった)

花丸(それで、ルビィちゃんたちと一緒に来る)

花丸(お腹出して寝るからだとか、寝相が悪いんじゃないのか。とか)

花丸(根も葉もないこと言ってからかってくる)

花丸(でも今日は、心配そうだった)

花丸(悲しそうで、申し訳なさそうだった)

花丸「運命……」

花丸(今週の、テストを模した半分本気の小テストが云々と善子ちゃんは言ってたけど)

花丸(冷静になった今は少し、不自然だと思う)

花丸(怖い夢でも、見たのかな?)

花丸「……マルは平気ずら」

45 :
花丸(マルが病気で死んじゃう夢でも見たのかな)

花丸(それとも、善子ちゃん自身が病気で倒れる夢を見たのかな?)

花丸(それで不安になっちゃったのかな)

花丸(そういえば、朝から”大丈夫?”なんて連絡して来たっけ)

花丸「ふふっ」

花丸(ちょっと不謹慎だけど)

花丸(夢で不安になって、本気で心配してくれる)

花丸(そんな善子ちゃんの優しさは堕天使なんかとは不釣り合いで、笑ってしまう)

花丸(でもだからこそ、神様もそれに甘んじて善子ちゃんに悪戯するのかな)

花丸(善子ちゃんならちょっぴり不幸でも許してくれるだろうって)

花丸「ありがとう。善子ちゃん」

善子「んっ」

花丸「ぁっ」

善子「……?」

花丸(静かに呟いたはずなのに、善子ちゃんは目を覚ましてしまった)

善子「あぁ……ずら丸。起きたのね」

花丸「あはは……ごめん、起こしちゃって」

善子「良いわよ別に、ほんとは寝るつもりなんてなかったし」

46 :
花丸「ずっと見ててくれたの?」

善子「学校休んだし、まぁ……どうせならって思って」

花丸「ありがと」

善子「……別に、何かしてたわけじゃないわよ」

花丸(ただそこにいただけ)

花丸(それも、居眠りまでしちゃったし。と、善子ちゃんは茶化すように笑う)

花丸(けど、一瞬の沈黙)

花丸(そこに闇を感じたのは、気のせいだろうか)

花丸「ねぇ善子ちゃん。今日はどうしたずら?」

善子「なにが?」

花丸「ほら、マルが風邪だって連絡したのも善子ちゃんから連絡着たからだったよね?」

花丸「その時点で、”大丈夫?”って心配してたから」

善子「あぁ……そうだっけ」

花丸(善子ちゃんはどこか達観した様子で薄く笑うと)

花丸(マルに目を合わせないまま、息を吐く)

花丸(自分自身に呆れているかのような、細いため息だった)

善子「変な夢を、見ちゃってね。ま、大したことじゃないんだけど」

善子「学校に行ったらずら丸がいなくて、ルビィに聞いたら”誰?”って聞き返されるのよ」

善子「そんなわけ分からない夢を見て、起きてすぐにスマホを握ってた。多分その時ね」

花丸(笑っちゃうでしょ?)

花丸(そう笑った善子ちゃんは全然、笑えていなかった)

47 :
伏線っぽい描写がけっこうあるな、おもしろい

48 :
花丸「笑わないよ」

花丸「笑わない、マルは、笑わないよ」

花丸(喜んでも、笑顔になっても、それを笑うことなんてしない)

花丸(ただの夢で、たったそれだけで)

花丸(一日中傍に居てくれようとする優しさをからかうような心は持っていない)

花丸(それはきっと、ルビィちゃん達もみんなそう)

花丸「嬉しかった」

善子「!」

善子「っ……」

花丸「?」

花丸(善子ちゃんは凄く驚いて)

花丸(何かを堪えるように唇を歪ませた)

善子「……あんた、チョロいんじゃないの?」

花丸「チョロい?」

善子「惚れやすいってこと」

善子「ちょっと優しくしたくらいで好きになってくれそう」

花丸「むっ」

善子「くくっ、冗談よ」

49 :
花丸ちゃんは本や寺関係で死生観とか運命とかを知り、善子ちゃんは厨二病的なところから入って興味持って詳しくなる感じだから考え方が少し違うよね

50 :
善子「……それじゃ、そろそろ帰るわ」

花丸「ぁ、うん……善子ちゃん、あり――」

善子「だからそれは良いって」

善子「お礼を言われるようなことなんてしてない」

花丸「でも、傍に居てくれて嬉しかったずら」

善子「……それだけでしょ」

花丸(それだけでも、お礼をするには十分なのに)

花丸(善子ちゃんは頑なにお礼を拒んで)

花丸(お大事に。とだけ言って出て行ってしまった)

花丸「恥ずかしかったのかな?」

花丸(悪いことじゃなくて、良いことしてくれたのに)

花丸(堕天使にとっては、善行を行ってしまった羞恥心があったりして)

花丸(一人になってしまったけれど)

花丸(善子ちゃんのことを考えていると、ちょっぴり温かくなれた)

51 :
――――――
―――


水曜日 朝


花丸「おはよう、ルビィちゃん」

ルビィ「花丸ちゃんっ」

花丸「わわっ」

花丸(おはようっ! と元気な声で、ルビィちゃんが抱き着いてくる)

花丸(二日間会えなかった分の距離を詰めるような勢いを何とか踏み留めて一息)

花丸(善子ちゃんに言われたように大事を取って休み、病院に行った昨日)

花丸(特に問題もなかった)

善子「おはよ」

花丸「おはよう、善子ちゃん」

ルビィ「善子ちゃん嬉しくないの?」

ルビィ「花丸ちゃんが戻ってきたのに」

善子「別に留学とか長い入院とかじゃないんだから、そこまで喜ぶことじゃないでしょ」

善子「まぁ、何もなくてよかったとは思うけど」

52 :
花丸(机に肘をついて素っ気なく見せる善子ちゃんは)

花丸(おもむろに椅子を下げると、マル達の方に悪い顔を向けてきた)

善子「小テスト、勉強してきた?」

花丸「昨日はその対策してきたずら」

花丸「マルが勝ったら、マルのお願聞いてくれるってことで良いんだよね?」

善子「は……?」

善子「あー……そりゃそうか」

善子「そうね、私が勝ったら私に付き合う」

花丸「マルが勝ったらマルに付き合う」

ルビィ「え? えっ?」

善子「どうせ私が勝つから、100個くらい、お願い聞くってことにしておいてあげてもいいわよ?」

53 :
花丸「マルだってちゃんと勉強してきたんだよ?」

花丸「足をすくわれても知らないずら」

善子「ずら丸が私に勝つことは出来ないわよ」

善子「出来るとしたら、満点を取るくらいね」

花丸「満点を取る自信があるずら?」

ルビィ「花丸ちゃん、善子ちゃん、急にどうしたの?」

ルビィ「月曜日に何かあった?」

善子「ちょっとね」

善子「ただ遊ぶ話だけど、賭けた方が面白いと思ったし」

善子「そういうことがあればずら丸は本気になるでしょ?」

花丸(善子ちゃんはそれなら。と)

花丸(遠くを見るような優しい目でマル達を見て、苦笑する)

花丸(期待しているのに、期待していないような)

花丸(半々の表情)

善子「勝てるものなら勝って見せて」

善子「あんたが負ける運命を、その意思で打ち破って見せて」

54 :
ルビィ「善子ちゃん、運命って言葉がブームみたいなんだ」

ルビィ「昨日もね、部活の時に運命ってあると思う? ってお姉ちゃん達と話してたんだよ」

花丸「不幸云々の話の延長線上?」

善子「……まぁ、そういうならそうなのかもね」

ルビィ「また果南ちゃんにかっこつけちゃって。とか言われちゃうよ?」

花丸(昨日もあったやり取りなのかもしれない)

花丸(困り顔のルビィちゃんに対し、善子ちゃんは普段通りで)

花丸(机に突っ伏すようにしながらの含み笑いはいつもの堕天使ヨハネぽかった)

善子「運命、ディスティニー、そう。私にとってディスティニーとは単なる拘束具に過ぎないのです」

善子「いわば、高貴なるヨハネが下界にて活動すべく課せられたハンデ」

善子「ゆえに――」

花丸「運命かぁ、ダイヤさん達はなんて言ってたの?」

ルビィ「あると言えばあるかもしれないけど、だからって何かを諦めることはない」

ルビィ「何か失敗した時、それが運命かどうかは関係ない。大事なのは、それを”経験”とするか”不可能”とするかだって」

善子「でも、繰り返し過ぎた失敗を諦めるなって言うのも酷だと思わない?」

花丸(急に素に戻った善子ちゃんは)

花丸(退屈そうに言うと、ほんと私って不幸だわ。と、つぶやいた)

55 :
善子「世界一傘を飛ばされた人でギネスに乗れそうな気がする」

花丸「審査員がいないよ」

善子「分かってるわよ……現実主義者ね。あんたは」

善子「でも、その現実主義者国木田丸でも運命を信じてるんでしょ?」

花丸「マルは漁船か何かずら?」

花丸「でも、運命はあくまで運なんだよ?」

善子「えっ?」

花丸「運命は確かに人それぞれにとって大小あって、大きく感じるかもしれない」

花丸「でも、あくまでその人の努力に"上乗せされるもの”というだけ」

花丸「もし、努力も何も寄せ付けない絶対的な何かがあるとしたら、それは宿命と呼ばれるずら」

善子「宿命……?」

善子「あんた、そんなことは一度も」

花丸「?」

善子「いや……でも、そうなのかもしれないじゃない」

善子「運命だと思っていたものが宿命だったと言うだけで、不可能は不可能じゃない」

花丸「善子ちゃん?」

花丸(なぜか、怒ったように言い捨てた善子ちゃんは)

花丸(気づいたように目を見開いてマルとルビィちゃんを見ると)

花丸(気まずそうにごめん。と言い残してそっぽを向いた)

56 :
わくわく

57 :
花丸「ルビィちゃん、昨日の善子ちゃんってどんな感じだった?」

ルビィ「昨日……?」

花丸「ダイヤさん達に運命のことについて聞いてた以外で」

ルビィ「えっと……うーん」

ルビィ「普通だった。と、思う……よ?」

花丸(マルの質問も良くなかったかもしれない)

花丸(考えながらの答えは途切れ途切れで)

花丸(困惑気味のルビィちゃんは、ん〜。と可愛らしく唸る)

花丸「変なことじゃなくてもいいずら」

花丸「普通に、どんな風にしてたとか、誰と話してたとか」

ルビィ「……徹夜して寝不足だからって言ってたけど、少し疲れてるような感じはしたかな」

ルビィ「そのせいかもしれないけど、授業はすっごく面倒くさそうにしてた」

花丸「えぇ……」

ルビィ「でもねでもねっ!」

ルビィ「そのせいで先生に答えさせられることが多かったんだけど、完璧だったんだよっ」

58 :
ルビィ「音読箇所とか、問題の答えとかちゃんとしてて」

ルビィ「面倒くさそうにしてたけどちゃんと聞いてたみたい」

花丸「そっか」

花丸(今日も寝不足なのか、怠いのか)

花丸(善子ちゃんはいつの間にか、机に伏せっていた)

ルビィ「話した人は、放課後のお姉ちゃん達くらいだったと思う」

ルビィ「教室にいるときは寝てたような気がする」

ルビィ「お姉ちゃんは寝不足なら帰ってもいいって言ってたんだけど」

ルビィ「参加はするって……あっ」

ルビィ「そうだっ」

花丸(勢いよく椅子を揺らしたルビィちゃんは)

花丸(乗り出し気味に聞いて聞いて。と可愛らしく迫る)

ルビィ「ダンスの時に足をひねりかけた鞠莉ちゃんを助けてね」

ルビィ「それがえっと……くるくるしてる、なんか、ああいう」

花丸「ワルツ?」

ルビィ「そうそれ! そんな感じでぐるって助けてねっなんか似合ってた!」

59 :
ルビィちゃんがいちいち可愛い

60 :
ルビィ「やっぱり善子ちゃんって綺麗だよね」

ルビィ「堕天使さんで芸人さんみたいな感じがあったりするけど」

ルビィ「でも、やっぱり女優さんみたいだなぁって思うっ」

ルビィ「スラっとしてて、髪も――」

花丸「ルビィちゃんはほんと、善子ちゃんが好きだね」

ルビィ「うんっ」

花丸(躊躇のない、満面の笑み)

花丸(純真すぎる白さは少し眩しくて)

花丸(笑うに隠れて目を細める)

ルビィ「もちろん、花丸ちゃんも好きだよっ」

花丸「マルも好きずら〜」

ルビィ「えへへ〜」

花丸(とりあえず、ルビィちゃんが純粋なのはわかっ……じゃない)

花丸(善子ちゃんは殆どいつも通りだったっていうのは分かった)

61 :
――――――
―――


放課後


花丸(結果を考えたくない小テストも終わって、放課後)

花丸(二日間も休んだからか大事を取って部活も休むべきだと言われたけれど)

花丸(体調面には何の問題もないから。と、軽い合わせ練習だけでも行うことにした)

ダイヤ「花丸さん、辛くなったらすぐに言ってくださいね」

果南「無理は禁物だよ?」

花丸「はーい」

花丸(体調を気遣わないマルと気遣ってくれるみんな)

花丸(普段よりも二回りほど優しい練習メニューは)

花丸(二日間のブランクを感じさせないくらいに、すんなりと終わっていく)

曜「っ、はっ、はっ、よっ」

善子「曜! そこ違う、こう、こうやって……こうっ!」

曜「あっそうだった!」

善子「もう一回!」

花丸(……善子ちゃんは、なんか凄い)

62 :
千歌「善子ちゃんすごーいっ」

千歌「みんなのパートも覚えてるの?」

善子「見てた時に何となく覚えただけよ」

梨子「それはそれで凄いと思うんだけど……」

善子「別に完璧に覚えてるわけじゃないし普通でしょ」

善子「どうせ、覚えてたところで使うことはないし」

千歌「その経験は大事だよっ!」

善子「そうかもね」

善子「……はぁ」

花丸(梨子ちゃんの言う通りだとマルは思う)

花丸(もともと意外と動ける善子ちゃんだから普通なのかもしれないけど)

花丸(見てるだけで動けるようになるのは、やっぱりすごい)

花丸(陰でみんなの部分持って練習してるなら別だけど)

花丸(善子ちゃんに限ってそれはないだろうし)

63 :
善子「花丸」

花丸「ゎっ」

善子「……ぼーっとしてた?」

善子「まだ調子よくないんじゃないの?」

花丸「ちょっと驚いただけずら」

花丸(確かにぼーっとしちゃってたかもしれない)

花丸(今までとはどこか違う善子ちゃん)

花丸(その姿を何の気もなく、ただただ見ていて)

花丸(そして”ずら丸”ではなく”花丸”と口にした声の穏やかさに少し驚いた)

善子「本当に何もなかったんでしょうね」

善子「なんか重い病気とかそういうやつじゃないんでしょ?」

花丸「そんなことあったら、マルはここに居られる自信がないよ」

花丸「学校にすら来てないと思う」

花丸「きっと凄く落ち込んで、ふさぎ込んで」

花丸「会いに来てくれた善子ちゃんに泣きつくと思うずら」

善子「……どうだか」

善子「ずら丸のことだから、死に際にだって私のこと心配して”ごめんね”とかいうんじゃない?」

善子「心配させて、迷惑かけて、困らせて」

善子「そんな理由をつけて、謝ってくるのよ」

花丸(そういうの止めてよね。なんて、善子ちゃんは困ったように笑った)

64 :
善子「ずら丸は何かしたいことってある?」

善子「将来こうしたいっていうのもそうなんだけど」

善子「今頑張ったり、お金さえあれば出来る。そんな範囲のやつ」

花丸「また変なこと言い出して……今度は何の影響ずら?」

善子「なんだっていいでしょ」

善子「何かないの?」

花丸「うーん……」

花丸(頑張れば出来ること、お金があればできること)

花丸(その中で、マルがしたいこと)

花丸(急に言われて浮かぶのは、好みののっぽパンを食べつくしてみたいとか)

花丸(とりあえず、たくさんの本に囲まれてみたいとか)

花丸(叶えて貰った後で、やっぱり別のお願いにしておけばよかった。となりそうなものばかりで)

花丸(少し考えて、ふっと沸いた悪い考えを捕まえる)

花丸「善子ちゃんが堕天使やらないで、マルを”花丸”って呼んでくれればそれでいいずら」

65 :
善子「……そ」

善子「まぁ、そうよね……そうなるか」

善子「花丸はともかく、堕天使については控えてるんだけど」

善子「一応、花丸が体調崩してからはやってないわよ?」

花丸「それでも」

善子「堕天使を控えて、花丸って呼べって?」

善子「意地悪のつもりなんでしょ?」

花丸「ずらっ!?」

花丸(魂胆を見抜かれて思わず声を上げてしまったマルに)

花丸(善子ちゃんはニヤリとして、分かりやすいのよ。と、楽しげに笑う)

善子「ま、いいわよ」

善子「ずら丸は止めて、花丸って呼んであげる」

善子「偶に呼ぶかもしれないけど、癖だから。その辺りは許しなさいよ?」

66 :
花丸「ただ聞きたかっただけじゃないの?」

善子「聞くだけなんて言ってないでしょ」

善子「それに、あんたがそうして欲しいっていうなら……っと、ごめん」

善子「花丸がそうして欲しいならそうするわよ」

善子「……体調崩したばっかりだし、まぁ、優しくしておこうと思って」

花丸「ただの風邪なのに」

善子「風邪は風邪。でも、軽んじるなってことよ」

花丸(ビシッと指をさしてくる善子ちゃん)

花丸(いつもと変わらないはずなのに)

花丸(その優しさはなんだか、怖く感じさせられる何かがあった)

花丸(それは多分、善子ちゃんの瞳に宿る感情が)

花丸(目に見えるものとは別のように感じたからかもしれない)

花丸「……ねぇ、善子ちゃん」

花丸「どうして、そんな悲しそうな目をしてるずら?」

花丸(だから、聞く)

花丸(寄り添ってくれる優しさへの、恩返しをしたくて)

67 :
みてるぞ

68 :
善子「悲しそう……? 私が?」

善子「ふっ」

善子「……別に、いつも通りでしょ」

花丸(鼻で笑う)

花丸(その仕草がもう、いつもとは違っている)

花丸(困り顔から目を逸らせずにいるマルを、その悲しそうな眼は真っ直ぐ見ていた)

善子「言ったじゃない? もしもあるとしたら宿命だって」

善子「実際、そうなのかもしれないって思ったのよ」

善子「今まで、大事なものを守れたためしがなかった」

善子可愛いスカートは引っ掛けて、新しい靴は転んで、お気に入りの傘は飛ばされて」

善子「大切にしようと思ったものが、その次の瞬間には壊れてしまう」

善子「そんなことばっかりで、私は何も守ることが出来ない宿命なんじゃないかって思った」

善子「だとしたら、ルビィとか、花丸とか、Aqoursとか」

善子「そういうのも無くなるんじゃないかって思えて……少し、怖くなったのかもね」

善子「今こうしていられるのが最期かもしれない。そんな風に、悪いこと考えちゃうのよ」

69 :
保守

70 :
花丸「悪い夢の続き?」

善子「そうね……そういう感じ」

花丸「小テストであんな約束取り付けてきたのもそれが理由だったりするずら?」

花丸「心配だから一緒に居たいとかそういうやつだったりする?」

花丸(善子ちゃんは、軽く笑った)

花丸(バレちゃったか。とでも言いたそうな笑い方)

花丸(でも、まだ隠し切れない悲しげな雰囲気は残っていて)

花丸(追及していきそうな勢いを飲み込む)

花丸「良いよ」

花丸「金曜日でも、土曜日でも、木曜日でも」

花丸「善子ちゃんがそれで安心できるなら、一緒にいる」

善子「花丸……」

花丸「風邪をひいたときに一緒にいてくれたお礼だよ」

71 :
いったいどうなってしまうんや……

72 :
よしまる需要ないんだから書くのやめたら?現に誰も読んでないみたいだし。

73 :
俺が読んでる
続き待ってるよ

74 :
俺も読んでるぞー

75 :
楽しみに待っています

76 :
善子「……金曜日」

善子「金曜日だけ、一緒にいてくれればそれでいいのよ」

花丸「良いよ」

花丸「多分、何の用事もないから」

花丸(月火と体調不良で休んでいたのに)

花丸(金曜日にはもう、友達と遊ぶ)

花丸(ちょっとだけ悪いことをしている気分にはなるけれど)

花丸(善子ちゃんのためだから)

花丸「じーちゃんたちに話しておくね」

善子「悪いわね」

花丸("金曜日")

花丸(善子ちゃんが悲しそうな顔をする理由がそこにはあるのだろうか)

花丸(金曜日になれば分かる)

花丸(でもなぜか、金曜日は待ち遠しいよりも、恐ろしく感じた)

77 :
続き期待

78 :
――――――
―――


花丸(そして、あっという間に金曜日はやってきた)

「それじゃー水曜日のテストを返すぞー」

花丸(水曜日に受けた小テストの返却)

花丸(中間や学期末に行われるものではないとはいえ)

花丸(平均点以下は取りたくないと言う心持があったからだろう)

花丸(実際のテストでは80点相当の40点以下を取ってしまった一部の人の悲鳴が聞こえる中)

花丸(返された40点のテストに目を覆う)

善子「ん〜? どうしたのよ。ん? ねぇ?」

ルビィ「止めて善子ちゃん、その煽りは花丸ちゃんに効いちゃうっ」

善子「私の勝ちね。ま、この勝利に価値はないけど」

花丸(冗談を言いながら、善子ちゃんはひらひらとテストを見せる)

花丸(50点満点中、48点のテスト)

ルビィ「わぁっ、48点っ!」

善子「っ」

花丸「……?」

ルビィ「凄いなぁ……ルビィなんて30点もいかなかったのに」

79 :
善子「あんたは勉強が足りないのよ」

善子「ダイヤにでも頼めば?」

善子「喜んで教えてくれるでしょうよ」

ルビィ「でも、お姉ちゃん厳しいから……」

善子「厳しくてもちゃんと教えてくれるわよ。あの人は」

善子「それに、頑張れば頑張った分のことをしてくれる」

善子「例えば、ちょっと良いアイスを買ってくれたりとかね」

ルビィ「えぇっ!?」

花丸(善子ちゃんは楽しそうに語る)

花丸(ダイヤさんの最も近くにいるルビィちゃんが嘘だと言わないくらいに信じさせる表情で)

善子「だから、今度は勉強教えてもらいましょ」

善子「……花丸。あんたも一緒に」

花丸「マルも?」

善子「そっ。花丸も」

80 :
花丸(なぜか善子ちゃんは申し訳なさそうに言った)

花丸(ダイヤさんに迷惑をかけるから?)

花丸(ううん、"ダイヤさんは喜んで教えてくれる"と言った)

花丸(ならどうして?)

花丸(今日が金曜日だから?)

花丸(………)

花丸「……ねぇ、運命ってあると思う?」

善子「!」

ルビィ「花丸ちゃんまで占いにはまったの?」

花丸「ううん。ふと思ったずら」

花丸(善子ちゃんはマルが小テストで負けることが運命だと言っていた)

花丸(もし、"運命"が善子ちゃんの悲しさのキーであるのなら)

花丸「ラブストーリー……恋愛の話になると、運命の相手って言葉が出てくることがあるし」

善子「何言ってんの、急に」

花丸「感動系の生死に関わることにも、これは運命だから。みたいなことって偶にあるよね?」

善子「いきなりどうしたのよ。花丸?」

花丸「その運命ってどこからが実際に運命なんだろうって思ったんだ」

花丸(少し、揺さぶってみよう)

81 :
花丸(マルと善子ちゃんは勝負をする約束をして)

花丸(その約束をしたときに、善子ちゃんは"負ける運命"って言ってた)

花丸(だから……)

花丸「例えばこの小テスト」

花丸「これに運命を当てはめるとしたら?」

ルビィ「えっと……絶対に間違えるーとか、勝てないーとか?」

花丸「じゃぁ、マルが月曜日みたいに体調不良でテストを受けられなかったら?」

ルビィ「うーん……あっ、"受けないことは不可能"だよっ」

ルビィ「だって、体調不良なら再テストを受けさせられる」

花丸「そうずら。マルはテストを受けることになると思う」

花丸「だから、ここで本題に戻るずら」

花丸「マルのこのテストに関わる運命はどこから始まってどこで終わりを迎えているのか」

花丸(善子ちゃんはだんまり)

花丸(少し不機嫌そうにしていて、さっきまでの明るさが嘘のよう)

花丸("運命"それが、善子ちゃんはそんなに不愉快?)

ルビィ「ん? 前に花丸ちゃん言ってなかったっけ?」

ルビィ「運命は過程から始まる。前提条件があってこそ結果への収束ができるんだよって」

花丸「えっ?」

善子「は?」

ルビィ「あれ? 言ってなかった?」

花丸(きょとんとするルビィちゃんの隣で、善子ちゃんは何とも言えない表情で)

花丸(ルビィちゃんを睨むように見つめていた)

82 :
追いついたわくわく

83 :
花丸「言ってないよ?」

ルビィ「あれぇ?」

ルビィ「どこかで聞いたんだけど……う〜ん」

善子「どこかってどこ」

ルビィ「へ?」

善子「どこで聞いたのよルビィ!」

ルビィ「わぁぁっ!?」

花丸「善子ちゃんっ!?」

花丸(不意にルビィちゃんの肩を掴んだ善子ちゃんはなぜか怒鳴って)

花丸(慌てて腕を掴んだマルを煩わしそうに見て……目を見開いた)

花丸「ルビィちゃんを放すずら!」

善子「あ……」

ルビィ「っ……よ、善子、ちゃん?」

善子「くっ」

善子「……ごめん」

84 :
花丸(ルビィちゃんの肩を放して、謝る)

花丸(申し訳なさそうな善子ちゃんは複雑な表情で目を逸らす)

花丸(やっぱり、"運命"がキーなんだ)

花丸(またルビィちゃんが巻き込まれるのもかわいそうだし)

花丸(続きは、放課後にしたほうが良いかな)

花丸(……ルビィちゃん、ごめんね)

ルビィ「善子ちゃん、大丈夫?」

善子「なんでルビィが謝んのよ……悪いのは私でしょ」

善子「……最近、運命についていろいろ聞いてたのは今のルビィの話が聞きたかったからなのよ」

花丸(ん?)

善子「その答えをくれた人を、知りたかったのよ」

ルビィ「運命は過程から始まるって話?」

善子「そっ。それ」

善子「だからつい興奮しちゃって……悪かったわね」

ルビィ「ううん、良いよ」

ルビィ「ルビィも思いだせなくてごめんね」

善子「ううん、それは仕方がないことだから」

花丸(まただ)

花丸(また、善子ちゃんは悲しそうに笑ってる)

85 :
――――――
―――


善子「今度、ルビィにアイスでも買ってあげないと」

花丸「今度だとルビィちゃんは忘れちゃってそうだけどね」

善子「そうだけど、だからってやっちゃったことに変わりはないし」

善子「…………」

花丸「…………」

花丸(約束の付き合い)

花丸(二人で並んで座るバスの中で、善子ちゃんは申し訳なさそうに笑う)

花丸(どうして、なぜ)

花丸(その答えは、この付き合いの中で得られるのかな)

花丸(……なんて。目論んでるのは悪い子だ)

善子「ほんとはさ……"運命なんて信じたくない"のよ」

花丸「えっ?」

善子「私はそれを認めたいとか、知りたいとか。そう考えてるわけじゃない」

善子「ただ、"運命の法則"があるのだとしたら、それを知ることでどうにかできるんじゃないかって思ったの」

86 :
善子「でも、残念だったわ」

善子「運命には”結果と過程”があるってルビィは言ってたけど」

善子「過程と言うよりは、”前提と結果”なのよ」

善子「定まった前提、そこから続いている過程の中でいくら変化をもたらそうと」

善子「運命によって定められた結果への収束は免れない」

善子「例えば、小テスト」

善子「私は花丸に負けることは運命だと伝えた上で勝負を挑んだわ」

善子「当然、負けたくないって努力する」

善子「だけど、結果は変わらない」

善子「私は満点を取ることは出来ないし、花丸は私に勝つことは出来ない」

善子「花丸が風邪をひいたときは驚いた」

善子「でも、すでに前提の用意されている運命の中での"過程"では、無意味だったのよ」

87 :
花丸「善子ちゃん……?」

花丸(善子ちゃんは何を言ってるの?)

花丸(何を考えてるの?)

花丸(考えて、考えて……善子ちゃんはどうしてそんなに――)

善子「ねぇ花丸。私達の運命はどこで定められたの?」

善子「どこに"前提"があるの?」

花丸(バスが停まる音がする)

花丸(浦女と沼津駅、その途中にあるほとんど人が降りることも乗ることないバス停)

善子「……分からない、か」

善子「でも、ちゃんと見つけるから」

善子「……ごめん花丸。また来週」

花丸「えっ?」

花丸「待っ――痛っ!?」

花丸(バスを降りる善子ちゃん)

花丸(追いかけようとしたマルを、座席のどこかに挟まった髪が止める)

花丸「待って善子ちゃんっ、善子ちゃんっ!」

花丸(バスは非情な音とともに扉を閉めて、動き出す)

花丸(時間厳守)

花丸(動き出したバスは、"運命に従って"走り出した)

花丸「善子ちゃん!」

花丸(バス停で佇んで、ごめんなさいと頭を下げる善子ちゃんを残して)

花丸(バスは――)

88 :
花丸(動き出したバスは、"運命に従って"走り出した)

花丸「善子ちゃん!」

花丸(バス停で佇んで、ごめんなさいと頭を下げる善子ちゃんを残して)

花丸(バスは――)

ミリィッ

ミリミリミリ

バキバキバキ

花丸「!?!?!?!?」

果南「国木田花丸は五体引き裂かれて内蔵引き千切られて血反吐撒き散らしてのたうち回って死に晒せ!!!!!!!!!!!!!」

グワバアアアアア!!!!!!!!!!!!!

花丸「────」

ドッバシャアアアアアア!!!!!!!!!!!

ビチャビチャビチャ!!!!!!!

果南「こんな、腟内部から股割きなんてエグい真似はさぁ、鞠莉にはとても出来ないね」

鞠莉「Oh!花丸の身体が縦に真っ二つね!!!ミラクル!イッツ・ミラクルよ!!!マイ・ダーリン!!!!!」

89 :
果南「まぁ、離れさせる、って話だったからね」

果南「ちゃんと言った通り、右半身と左半身離れさせたよ」

鞠莉「有言実行ね、ダーリン♪」

鞠莉「にしても、凄い怪力ね。今の衝撃で、花丸の腸を打ち止めておいた釘もぶっとんだわ」

果南「お蔭で花丸の腸がそこらに飛び跳ねちゃったねえ。あー汚い汚い」

鞠莉「本当、汚い景色。でも、花丸には相手が出来てよかったんじゃない?」

果南「ああ、そうか。右半身と左半身で一人カプできるようになったね。ようやく全員カプが成立した訳だ」ゲラゲラ

鞠莉「皆にとって幸せな結末ね♪」

ちゃんちゃん♪

90 :
こうして花丸は五体引き裂かれて内蔵引き千切られて血反吐撒き散らしてのたうち回って死晒したので
キャラdisをする者は居なくなりましたとさ

果南「キャラdisはしちゃいけないよ?」

鞠莉「こわぁい恋人が居るかもしれないわよぉ?」

果南「さっ。汚い血も浴びちゃったし。鞠莉とのセックスで身体を清めようかねぇ」

鞠莉「ふふっ。かなぁんたら、そればっかり」

鞠莉「あっ、この挽肉工場みたいな風景の処理を依頼しとかないと」

果南「それが終わってからでいいよ。私は花丸みたいにキャラdisが趣味の食べることばかり考えてるような煩悩まみれの俗物じゃないんだ」

果南「但し、たっぷりと楽しませてもらうからね」

鞠莉「勿論よ、果南。私だって、身体を清めたいんだから」

かなまり「さて、退場の前に一言」

繰り返すがネタと称してキャラdisを繰り返す
国木田花丸は五体引き裂かれて内蔵引き千切られて血反吐撒き散らしてのたうち回って死に晒せ


お終い♪

91 :
>>87続き

――――――
―――





花丸「……はぁ」

花丸(月曜日の朝)

花丸(なぜだが疲弊しきっているように感じて、ため息をつく)

花丸(体が重い、辛い)

花丸(学校に行きたくない……なんて、思ってしまう)

花丸「?」

花丸(チカチカと光る携帯)

花丸「……善子ちゃん?」

花丸(連絡は善子ちゃんからで、大丈夫? と、心配するような内容だった)

花丸「どうしたんだろ」

花丸「……大、じょう……ぶ」

花丸(変に心配させてもと正直に連絡を返す)

花丸(さて起きようかと体を起こしたところで)

花丸(また、善子ちゃんからの連絡が来た)

花丸「……え?」

花丸(迎えに行くから一緒に行こう)

花丸(思ってもみなかったそんな誘いに返事を返す前に、善子ちゃんはマルの家へと――来てしまうのだった)

92 :
>>91の続き

果南「オラァ」

ゲシッ

花丸「がはぁっ」

ドシャッゴロゴロ

花丸「」ピクピク

鞠莉「まだ生きてる。よく保つわねぇ」

鞠莉(果南に20分以上殴られ続けて意識保ってるなんて、やるじゃない)

鞠莉(でももう虫の息ね。体中痙攣してるし、内蔵や筋肉、骨の損傷も大きい)

鞠莉「そろそろ終わり、かな」

花丸「うう……痛いズラ、痛いズラ」ポロポロ

花丸「善子ちゃん……助けて、助けて」ポロポロ

93 :
果南「善子が助けに来る訳ないだろう?あんた畜生丸とか言って毒ばっかり吐いて嫌われてるんだから」

花丸「そんなっ」

果南「だーから梨子に獲られたんだろうが」

花丸「うう」

果南「それでちょっと優しくしてくれたら、鞠莉に擦り寄るんだからさぁ。頭来ちゃうよね」

ゴスッ

グジュリッ

花丸「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!!!」

鞠莉「傷口の上に抉るような一撃!」

鞠莉(これは痛いわねぇ)

鞠莉(もんどりうっちゃって面白い)くすくす

果南「おや?鞠莉今のウけたかい?」

鞠莉「GOODよ、かなぁん」

94 :
果南「じゃ、今度はこっちの太ももの傷にっと」

果南「おっ、手頃な石発見」

鞠莉(沼津のこの辺は岩礁だから小さな岩がすぐに見つかる)

鞠莉(あんな栗のイガみたいな小岩だって手頃に転がってるわ)

花丸「え?何?何するズラ?」ガクガク

果南「ようし、この岩を太ももの傷にそえて」

花丸「これ以上は、痛いの嫌ズラ、助けるズラ」ブルブル

果南「おらぁ、松浦家秘伝!寒風摩擦!!」

ゴリゴリゴリゴリゴリ!!!

花丸「うわあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ!!!!!!!!」ジタバタジタバタ

花丸「やめるズラ!痛いズラああああ!!!!!やだあ゛あ゛あ゛!!!!」

果南「がっはっは!上半身エビみたいに仰け反らせちゃって!面白いねぇ」

鞠莉「くすくすくすwwwwwシャイニー、面白いわぁ」

95 :
>>91の続き

花丸「善子ちゃんにしては積極的ずら」

花丸「何か、あったの?」

善子「いや……何もなかった」

善子「何の進展もなかった」

花丸「善子ちゃん?」

花丸(善子ちゃんはなぜかとても悲しそうに言う)

花丸(土曜日は普通だった)

花丸(でも、日曜日の善子ちゃんをマルは知らない)

花丸(その時に何かあったのかな)

花丸(誰か、好きな人でもできたのかな)

花丸(そんなことを考えて、首を振る)

花丸「善子ちゃん、学校行こう?」

花丸(マルは悩みの理由を知らない)

花丸(その答えを持ち合わせているかもわからない)

花丸(だから、無理に聞くのは避ける)

花丸(それが良い方向に進んでくれるのか……分からないから)

96 :
>>95の続き

果南「さぁて。どんどん傷口に摩擦を加えていってやろうねぇ」

鞠莉「面白いものね」

花丸「いや、いや、やめて、もうやめるズラ」ポロポロ

果南「やーだね」





花丸「」ピクピク

果南「ズルムケだねぇ。全身包茎卒業かい?」

鞠莉「岩で擦りすぎて地肌露呈しちゃって。真っ赤でなんかアジの開きみたいね」

花丸「」ピクピク

果南「当の本人も泣き叫ぶ気力もないのか痙攣してるだけだし」

鞠莉「もうお終い?」

果南「まさか。やっとここからが本番さ」

果南(くっくっく。辛いのはここからだよぉ、キャラdisを繰り返した報いを受けろ)ニヤリ

花丸「」ヒクヒク

97 :
鞠莉「どうするの?」

果南「簡単さ。すぐそばに海水があるだろう?」

鞠莉「あ!」

果南「そうさ。この全身ズルムケのアジの開きみたいな身体を海水に浸すと」

ジャブン

花丸「!!!!!!」

花丸「あげぇっ!?ひぎぃぃぃ!!!!」

果南「がっはっは!塩水の気付けは効いたかい?声もすっかり戻ったねぇ」

鞠莉(塩分が皮下組織を浸潤して神経を侵したのね)

鞠莉(これは地獄よぉ)

花丸「あっあぁあああ」ジタバタ

鞠莉(海の中で逃げ道もないものね)

鞠莉(皮膚がないんじゃ、塩分も防げない)

果南「くくっ。いい感じに塩が神経をズタズタにしてくれてるんじゃないのかい?」

98 :
負けるならっかせい

99 :
http://itest.2ch.sc/fate/test/read.cgi/lovelive/1562498368

最低だな花デブ丸推し
豚推しがそのつもりならこちらも好きなだけdisらせていただきますわ

花ブス丸推しのありがたいお言葉「恨むなら酒井を恨め」

100 :
気にせず書いてください
続き楽しみに待ってます


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