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【ささもも】佐々木桃華 Part6


1 :2018/07/22 〜 最終レス :2018/07/31
※前スレ
【ささもも】佐々木桃華 Part5
https://egg.2ch.sc/test/read.cgi/geinoj/1512269582/

2 :
要らないよ
スレは

3 :
>>1
ここは、まとめブロガーが
15才の少女が引退してるにも関わらず
コイツがまとめブログで金儲けをしたいからと立てたスレ

このように、芋シスのアンチです

943 名無しさん@お腹いっぱい。 2018/07/22(日) 13:22:35.34 ID:B95d1nOK
>>942
法的には引退したジュニアイドルの話をネット掲示板でしてもなにも問題ない
てかその理屈が正しいと仮定するのならば、ここの事務所の行為自体ダメじゃん
ここの事務所は引退したジュニアアイドルのDVDや映像をいつまでも販売しているんだから
少しは頭つかえよ

ここは廃棄しましょう

4 :
コチラに移動願います
このスレは芋シスアンチのまとめブロガーが15才の少女を食い物にして
金を稼ぎたいが為に立てたスレです

ももか
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/20619/1512494577/

5 :
あ、また立ったんだ

6 :
>>5
コチラに移動願います
このスレは芋シスアンチのまとめブロガーが15才の少女を食い物にして
金を稼ぎたいが為に立てたスレです

ももか
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/20619/1512494577/

7 :
16歳「国民的美少女」の“下乳”水着グラビアに「児ポ法」の物言いが……

児童ポルノ法に抵触する? 16歳アイドルの水着写真集に物言いがついた。

7月1日、オスカープロモーションが行っている『第15回全日本国民的美少女コンテスト』で審査員特別賞を受賞した玉田志織が、初の写真集『はじめまして 16歳』(ワニブックス)の発売記念握手会を開催した。
撮影は沖縄で行われ、水着カットにも挑戦。本人は「水着になることは抵抗があったので結構苦戦しました」と振り返りつつ、自身の水着姿について「上半身は太いなと思いました」と照れながら話した。

「玉田は『2018ユニチカマスコットガール』や『第90回記念選抜高等学校野球大会』のセンバツ応援イメージキャラクターに就任。20代にも見えるほど完成された美貌で、将来は米倉涼子級の女優になれる逸材です。
各誌グラビアでも水着を披露しており、バストは82センチで推定Cカップ。中にはかなり寄せて谷間を強調しているカットもあり、女子高生とは思えないボリューム感がある。
チューブトップや小さめの水着で下乳も見せており、ネット上では『ビキニからたわわにはみ出しとるがな!』『16歳にしてこの体はけしからんですよ』『清楚な美少女でグラマラスとか、どんだけハイスペックだよ』と鼻息を荒くした人もいたようです」(芸能ライター)

しかし、この写真集に異を唱えたのが、元ジュニアアイドルで現在はコラムニストの小川満鈴氏だ。

「彼女はブログの中で、玉田本人が『水着になることは抵抗があった』と語ったことを受け、本人が『嫌』だったにもかかわらず、水着にさせてロリコンのオタク相手に売らせた人間がいることを問題視。
また、それを断れば今後は売ってもらえないため、自分に嘘をついて引き受けたのではないかと指摘しています。最後に、〈これを16歳の児童ポルノにも該当する年齢の子にやるのってありなのでしょうか?〉と疑問を投げかけました」(同)

児童ポルノ禁止法では、児童ポルノを単純所持した者も取り締まり対象となっており、2条3項3号では次のものを上記の目的で所持している場合に罰則が適用される。

〈衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの〉

大手出版社のアイドル誌編集者が語る。

「児童ポルノの定義は依然として曖昧なままであり、18歳未満(17歳以下)のアイドルの水着写真を所持していた場合も罪に問われかねません。
うちの会社では、16歳当時の浅川梨奈の水着グラビアを撮影した際、法務担当者から谷間を強調するようなカットは掲載しないよう通達がありました。
AKB48グループも、今では高校生以下のメンバーの水着撮影はNGにしているようですし、業界全体が気を使っているはずですが……」

性的な部位がどれくらい露出したら興奮させることになるのか、あるいはエロと健康的の境界線なども曖昧なままだが、玉田の場合、16歳で「下乳」は攻めすぎだったかもしれない。

以下ソース
http://www.cyzo.com/...st_169817_entry.html

8 :
ささももはドラ3に勝てるのか?
ドラ3めっちゃ可愛いぞ

9 :
>>8
>>5
コチラに移動願います
このスレは芋シスアンチのまとめブロガーが15才の少女を食い物にして
金を稼ぎたいが為に立てたスレです

ももか
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/20619/1512494577/

10 :
ししゃものかわいさを信じろ

11 :
>>10
コチラに移動願います
このスレは芋シスアンチのまとめブロガーが15才の少女を食い物にして
金を稼ぎたいが為に立てたスレです

ももか
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/20619/1512494577/

12 :
わーい、これでようやく、にゃんコレについて語れる!

13 :
ひとりじめも結構好き
http://www.kurokawa707.com/archives/15925.html

14 :
>>12

コチラに移動願います
このスレは芋シスアンチのまとめブロガーが15才の少女を食い物にして
金を稼ぎたいが為に立てたスレです

ももか
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/20619/1512494577/

15 :
>>13
コチラに移動願います
このスレは芋シスアンチのまとめブロガーが15才の少女を食い物にして
金を稼ぎたいが為に立てたスレです

ももか
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/20619/1512494577/

16 :
怖いか怖くないかで言えばそんなに怖くないかもしれない話。
二十歳ぐらいの時の話なのだが、フリーターの俺は十年来の付き合いである幼馴染の親友の家によく遊びに行っていた。
正確には幼馴染の兄の家なんだけど、俺と親友、親友の兄(以降兄)はその日ローテーションでディスガイア3のキャラ
育成をしていたんだ。夜も更けて、深夜2時ぐらいに俺の番になり、仮眠から起きてお兄ちゃんと交代した。
やったことある人はわかると思うんだけど、もくもくとレベルを上げて転生を繰り返す作業は結構飽きてくる。
俺は一日中ゲームして疲れていたんだが、他二人のキャラに負けたくなかったので後ろの二段ベッドに腰掛けながら根気よく
育成に勤しんでいた。
深夜3時頃だったと思う。ふと嫌な感じがした。外は静まり返り、部屋は小さな音量でゲームの音が出てるだけ。
ゲームをしているテレビとは別に、もう使わなくなったこれまたデカいアナログのテレビが俺の腰掛けてる左側に
置かれているんだけど、もちろん画面は真っ暗。だけど薄らと部屋を鏡のように映している。それが妙に気になって
ゲームをしながらちらちらそっちを見てたわけ。したら何かが真っ暗な画面をサッて横切ったような気がしたんだよね。
「うわー、気のせいだよなぁ…。気のせいであってくれ」とか思いながらひたすらゲームに意識を向けた。
それから5分ぐらい経った時、俺の背後にある二段ベッドの一階で寝ていたお兄ちゃんががばって起きて、俺に言うの。
「めっちゃ怖い夢見た…」って。内容はちょっと覚えてないんだけど、俺もさっきの嫌な感じを話して、何かが横切ったって
言ったら、寝るのを諦めたのか、一緒にコンビニに飲み物買いに行こうって言って朝まで二人でディスガイア3したんだ。
何かが横切ったって言ったけど、ゲームしてるテレビ画面側からベッド側へ横切ったんだよね。
もしかしたらお兄ちゃんにその何かが嫌な夢をもたらしたのかもしれないって思ってる。
余談だが、親友の家は出るみたいで、お兄ちゃんの家の二階に住んでいる霊感の強い親友のお姉ちゃんが小さい女の子が住んでるって言ってた。
確かに親友の家ではそれらしい現象に何度か遭遇したことがある。夜中に二階への怪談を上り下りする足音や
みんなで零ってホラーゲームしてる時に電源落としていたPCに繋いでいたスピーカーから雑音が鳴ったりと、
結構あった。お姉ちゃんの話ではベッドの下とかよくいるらしく、それから妙に視線がそっちにいってしまうようになった。
家の中は電波もすげー悪くて、当時ガラケーだった携帯の電波も本当に繋がらなかった。
それからしばらくして、お姉ちゃんが引っ越したんだけど、突然電波が良くなってめっちゃ繋がるようになった。
親友とお兄ちゃんとで、こりゃ連れてったな〜って話してたw
まだまだこの家での話は色々あるんだけど、どれもそんな大層なものではないが、需要があれば書こうと思う。

17 :
一軒家というものに手を出しておよそ2年、ローンを除けば俺は不満のない生活を送っていると思う。
嫁は持っていないが、別に構わない。元来俺は一人でいることが好きだったからむしろ幸運だ。
子供はうるさい。隣の家が好例だ、子供を3人も抱えたせいで四六時中喧噪と怒号が絶えない。静謐な我が家がユートピアのように思えた。
一昨日だったか、ポストを開けると本のような物が入っていた。
ホチキスで中綴じしてあるが、表紙の字は子供のものだった。『おぞましい えほん』。ひっくり返すと、『おしまい!』と書いてある。どうやらこちらから読んではいけないらしい。
「全く、誰の仕業だよ……」
体の奥底から盛大な溜め息が漏れる。言葉とは裏腹に、犯人の目星はついている。十中八九、隣だ。
とりあえず一通り読んで捨てよう、と心に決め、表紙をめくった。
左側のページには赤い屋根の家が色鉛筆で描かれている。何故か2階建てだ。ちょっとした建築的センスを感じつつ右に視線を送る。
『おとこの人と、おんなの人が、すんでいました。ふたりは、いぬを飼っていました。大きないぬ。2』
なんで「犬」が書けなくて「飼」が書けるんだよ、と心の中で突っ込みを入れる。このページの感想は、多分最後の『大きないぬ』は最後に付け加えたんだろうなぁ、だった。
ページをめくった。
左のページは相変わらず絵が描かれている。若い男女と犬が笑っている絵だ。素通りして右のページ。
『おとこの人と、おんなの人と、いぬは、とってもなかよし。4』
読点が多すぎる文章は読みづらい。このページ、解読に30秒を要した。そしてこのページを読んだとき、ある重大な発見をした。
「一番下の数字は、ページ番号だったのか……、ってことは表紙はページに入れてないのか」
……誰か「どこが重大なんだよ!」と突っ込んでくれないか?
ページをめくった。
男女ともに怒ったような表情をしている。その右に、
『けれどある日、ふたりはおもちゃのとりあいでおおげんかをして、6』。
噴いた。この2人何歳なんだよ、『おもちゃのとりあい』って……。と、小さく『←ハリ出てるからきをつけて!』とあるのを発見。ちょっと感動。
ページをめくる。
また怒ったような表情。2人の間のピンク色の四角はおそらく『おもちゃ』だろう。
『それから、1じかんたってもふたりはけんかをつづけ、8』
テンションが上がっているのか、全体的に字が大きくなっている。だが、
「しっかし、おもちゃのとりあいに1時間、か……」
読んでいるこちらのテンションは下がる一方だった。
ページをめくる。
左側のページが赤の色鉛筆で力強く塗りつぶされている。さらに、テンションがピークに達したのか、文字も赤で書いている。
『おとこのひとが、おんなのひとを、ころしてしまいます。10』
『ころしてしまいました。』と書いたほうが自然だろうが、これが子供の限界ということで妥協する。それにしても、おもちゃで殺人に至るとは、最近の子供の思考は恐ろしいものだ。
ページをめくる。
黒く塗りつぶされた背景に、山芋に顔がついたようなものが浮いている。右に目を移すと、
『おんなの人は、おばけになってしまいました。12』
字は黒に戻っているが、『おばけ』だけやたら大きく書かれている。あの山芋みたいな奴はどうやら女の亡霊らしい。そしてテンションは下がりきっていないらしい。
最後の1枚をめくった。『おしまい!13』
最初に見たときには、下の数字に気が付いていなかったようだ。
と、その時だった。
俺は何故かこの本が途端に恐ろしくなった。『おぞましい えほん』という表題の意味が分かった気がした。
そして、隣の家の噪音がピタリと止んだ。
そして、今日、隣の家が空き家になった。

18 :
大学のサバゲーサークルに所属してた時にあった怖い体験。詳細に書くとくっそ長いので出来るだけ短くまとめました
10人のサークルだったんだけど、自分達だけではマンネリ化してきて、他校のサバゲーサークルに声かけて親善試合しようぜ!ってなった
話はとんとん拍子に進んで、顔合わせも終わりルールを決め、どこでやるのか等段取りを決めいざ当日。
場所は相手サークルの一人の親父さんが所有してる土地でやることに。
鬱蒼と草が茂ってて、裏手には小さいながらも山があり、砂利山があったり、建設途中で頓挫したんだろうなって感じの骨組みだけの家があったりと、雰囲気バリバリ。
熱中してると時間が過ぎるのって凄く早いよね。気づけば周りも薄暗くなってるし、夜用の装備持ってきてないしで次ラストって話になった
誤射やゾンビプレイに注意を払いつつ、空き地に散開して相手を待ち伏せしてると、仲間の一人から「山から誰が下りてきてる」っていう連絡が。
分かりにくいかもしれないけ
って配置なんだけど、開始して数分で迂回しつつ山から下りてくるなんて不可能。
だから試合開始前にすでに山にいて、開始してすぐに下りてきて裏を取ろうとしてるんだろうって思った。明らかなルール違反
「中止中止!それはダメだよー」って声出して終了の合図を送ると、周りにいた仲間も立ち上がるし、相手チームの何人かもなんだなんだって感じで姿を現す。
注意すると、「自分達はそんな事してないよ」「そっちのチームも囮かと思ってた」等、認めない。
「じゃああれ誰だよ」っていう当然の疑問にぶち当たるわけで。
薄暗い山の中をゆっくりではあるけどこっちに向かってきてる人影?を全員で注目しつつ、双眼鏡を持ってた誰かがその姿をはっきりしたんだろうね。
大声で「逃げろ逃げろ!!」って叫んで逃げた。それに釣られるように皆も逃げたよ。怖いのには違いなかったからね。
少し離れた見通しのいい場所で何を見たのかを問いただすと
「頭から血探したおっさんが、両手に日本刀持って下りてきてた」らしい
誰かがイフリートかよwwwwって笑ってたけど、本人は「嘘じゃない」って言い張る。
それが演技に見えなくて、よく怖い話であるような「俺が戻って確かめてきてやるよ」って言う風な奴は一人もいなかった。
翌日、時間があるものだけが集まって見に行くと・・・別に変った様子はなかった。忘れてた装備はそのままだし、
結局お化けだったのか、いわゆる頭がおかしい人だったのかは分からないけど、今までで一番怖い体験だった。

19 :
一年くらい前の話です
祖父の倉の整理を手伝っていると日本刀が出てきました。
柄や鐔の部分は錆びていたのですが、抜いてみると刀身は全く錆びておらず若干白く光っていました。
それを見て私は何とも言えない気分になり、その刀がほしくなりました。
祖父にもらっていいかと聞くと「模造刀か何かやろ。よかばい」と答えたので有り難くいただくことにしました。
倉の整理も終わり家に帰ることにしました。
もう20年も前、自分が小学生の頃に体験した不可解な出来事です。
あの当時『電車が走る』と言う時差通勤のCM曲が学校で人気でした。
乗り物や足の速い子を替え歌のネタにしたり、生徒の中では結構なブームになっていたと思います。
皆が歌っている中で自分はその歌について全く知らず、流行に乗り遅れる形で歌ってるクラスの友人に何の歌でどういう歌なのか教えて貰いました。
で、その日の夜だったでしょうか。
自分は布団を被って一人で寝ていたのですが思い出したように、
高校の時の担任から聞いた話をひとつ。
その先生が大学生の時に友人らと飲み会をしており、そこで心霊話などで盛り上がっていたそうだ。
とある有名な心霊スポットの○○さんの家(記憶が曖昧)話が上がり、深夜にも関わらず車でいってみようと言う事になった。
メンバーは先生含めて男二人の女三人で先生が運転して行ったらしい。
まず入り口には小さな祠のような物があり、そこに髪の毛などが供えてあり雰囲気満点。(実際には安産祈願で女性が供えるとかなんとか?)
そして草木で生い茂った道とも言えない道を車でかき分けながら進んでしばらくしてから後部座席に座らせた三人の女の内の一人が痙攣して白目を向き失禁しながら「ああ……ああ……」と声にならない声を上げ始めた。
すると右斜め上の枝から白い人型の物体がプラプラと揺れていたらしい。
そいつが立体的なのか平面的なのか、そして自分達とどの程度の距離があるのか不思議とわからないのに、死んだ魚のような目がしっかりとこちらを見ているのだけはハッキリわかったそうだ。
みんなでヤバいヤバいと焦り引き返すも人型は依然プラプラとしており、そして車を周りからバンバンと叩かれ始めた。
無我夢中で逃げて、少し離れた24時間営業の食事処の駐車場で一旦休む事にした。
そして車を降りると季節でもないのに真っ赤な紅葉が車にたくさん張り付いていたそうだ。
『電車がはし〜る電車がはし〜るランランララランランランラン♪』と教わったばかりの歌を口ずさみました。
『学校行く人会社へ行く人みんなが僕を待っている〜♪』続く歌詞もすらすらと出てきました。
そしてその歌は『もしも〜僕が〜遅刻をしたら乗ってるみんなも遅刻する〜♪』と続くのですが、歌う気も失せるような出来事が起きました。
歌う自分の側頭部を『何か』に思い切り殴打されたのです。
あまりの衝撃に自分は飛び起き、すぐに電気を点けて『誰…?』とだけ呼び掛けます。
返事は無く、自分を叩きそうな何かも一切見当たりません。顔が引き攣るほどの恐怖は初めてでした。
すぐに寝ていた部屋を出て、リビングでテレビを見る姉に「何かにぶたれた!!」と泣き喚きながら話すも信じて貰えず、
結局その夜は一睡も出来ませんでした。
それっきり自分を叩いた『何か』は再来しません。
が、自分にとって『電車が走る』の歌は何よりのトラウマソングとなり、CMが流れる度、学校で友人が歌う度に背筋が凍りました。
中学生の妹が出迎えてくれたのですが、いつも明るい妹がその模造刀を見た途端に真っ青な顔になり泣き出してしまいました。
どうしたのか聞くと「嫌な感じがする」と言っていました。
母もやって来ましたがやはりその刀を見ると不安げな表情になっていました。
母方の家系の女性は霊感が強く、そういう場所に行ったり、霊的なものに触れると、何かを見たり聞いたり、体調を崩す方が多いそうです。
母方の祖母に相談すると「すぐに戻した方がいい」とのことで急いで祖父と倉に戻してきました。
それから特に何もありませんが、一つだけ変わったことがあります。
それはその刀を持って昔の合戦に行く夢を毎晩見ています。

20 :
今から約3年前に視た夢の内容を書きたいと思う。
ここの以前に何度かネットで検索したりしたけど、自分のような体験がなく、とにかく詳しい人の見識が聞きたい。
今から約3年前、高校生だった自分はその晩、奇妙で怖い夢を視た。
私の一族は、現在、大変な窮地に
立たされているようです。
一族の長女である私が、財産放棄をして家を出た後、しばらくは
何事もなかったようですが、なぜか、
一族の財産を受け継ぐ予定であった妹夫婦の稼業が、従業員によって何らかのKをされ、閉業に追い込まれてしまいました。
私は、この妹夫婦に一族を追い出されたも同然な形だったのですが、因果応報とはよくいうものです。
そして、私に財産放棄を署名させた母は、65歳という老女ながら、ほとんど無一文の妹夫婦と孫の世話をしなければならなくなったのです。
母は、父が胎児殺しで得た財産を
実子でありながら、生い立ちに事情がある私に、一文たりとも譲り受けたくなかったのです。
皆様は、祟りや呪いを信じますか?私は、呪われた一族に生まれ育ち、この身を持って、目に見えない怨念の恐ろしさを思い知りました。
私は、一族から脱出しましたが、私の身体には、呪われた証しが大きな醜い傷として、刻まれています。
私は女性ですので、恋愛や結婚は諦めなければならない運命であります。一族が、胎児殺しが稼業であり、
その因縁が、私の背負わなければならない十字架として、神様が与えたものなのでしょう。
もちろん私の職業は、胎児殺しではありません。しかし、祟りとは、その罪人の子、孫、代々に渡り現れるものなのです。
金の亡者の母は、現在、気も狂わんばかりの状態なのだそうです。
年老いた父は、私が出た後、急激に体力がなくなり、今は週に1日程度しか働けないそうです。
結局、因果な金で長年稼いだ大金は、彼らが年老いた今、少しも
残らないようになってしまう事になりそうです。
夢の中では白い和服の日本人形のような女の子が目の前に居た。そしたら、
何の脈絡もなくその女の子を支点にしたようにグルグルと自分が回転している感覚に襲われた。
実際夢の中の映像も、その女の子を除きグルグル回転しているし、自分が回っているという感覚もあった。
自分はあまりの恐怖に呂律の回らない口で「や、やめれくれぇ〜」と情けない声を出してしまった。
本当は外の部屋で寝ている家族に聞こえるよう大きな声で叫びたかったのだが、恐怖から喉が広がらずに大きな声が出なかった。
そうしている内に自分は、全身びっしょりで目を覚ました。
辺りは暗く、まだ真夜中の時分だったようだ。
そこで自分は気付いた。体が動かなかったんだ。後でネットで調べて、あれが金縛りだったことを知ったのだが、その時は夢の続きのように思えて仕方なかった。
だって視えていたからだ。ベッドに仰向けで寝る自分の視線の先、天井の隅の方に
人の頭くらいの黒い塊があるのを。
自分は恐怖心と睡魔から何時の間にか眠りに落ちていた。
次に目を覚ました時には朝になっていた。まだ体はぐっしょりとしていて、真夜中の夢のことだ思い出された。
居間に降りて朝食を摂ったの後、金縛り中に見た黒い塊のことを思い出した。
自分の部屋には天井付近の高い壁にコンセントがあって、夏場はそこに扇風機を設置しているので、当初はそれだと思っていたんだ。
でも、確かめてみたらそこには扇風機なんてなかったし、黒い塊があったところには、そんな風に見えそうなものなんて何もない、ただ壁があるだけだった。
それ以降、自分は何度か金縛りに遭う体験をしたが、そっちは恐らく浅い眠りによるものだから関係ない。
この夢に関連するようなことも、それ以降起こっていない筈。
話はこれだけ。こうして書いてる間も、当時のことが思い起こされてすごく鳥肌が立ってる。
ここの人はこういった話に詳しいだろうと思うので、何か分かることがあれば聞きたいと思うのだが、誰か分かるでしょうか?
その晩そいつは夜中に突然40℃を超える熱が出たんですね
次の日になっても熱が引かないそれどころかまだ上がる
病院連れってたら即入院
その晩彼の夢に犬が出たっていうんですね血だらけででも目だけはじーっとこっちを見てる
次の日も次の日も出た
彼は恐ろしくなって母親に母さんこれはね犬の祟だよどうしようと
それで母親は今の時代にね犬の祟なんて無いよと言いながら帰ってた
その晩に母親の夢にその犬が出た
だんだん牙を剥いて怒ったように声をあげて襲いかかってきた

21 :
これは、目的地に到着した時には夕食時でした
玄関に向かうと急にAが倒れました
駆け寄って介抱していると玄関の扉が開いて目的の人が出てきました
その奥から旦那さんらしき人が出てきてAを抱えて家の中に連れて行きました
そしてその嫁の一言
嫁「生成りだね」私はその一言に疑問を感じました
私「久しぶりだね嫁ちゃん、あの子Aって言うんだけど車酔い酷くてさ」
嫁「いやいや、まずは先輩自身を心配するべきですよ?」
取りあえずと家に中に招き入れられAは大きな和室に寝かされていました
旦那さんと挨拶を交わしてリビングに行くと小さな人型の紙を手渡され
嫁ちゃんは食事をしながら説明しますと言い食卓に付きました
曰く生成りとは怨念の出来損ない生きた呪いみたいなものらしい
角が伸びきると呪いを振りまきまくって手に負えなくなるとか
簡単に言えば自暴自棄になって殺人鬼になってしまう様だそうだ
そしてその生成りがBでは無くAだったということどうして何もできないのか人の魂は呪いを生むと穢れてしまう
穢れきった魂は人がどうこう出切る物ではないらしい
T君はAに呪い殺されてるAはBに紹介されたT君を見て好きになったんだと思う
Bに嫉妬してAは親友のBでは無くT君を呪ったんだろう
だとしても何故あの部屋で異常なAを見てBは何もしなかったのだろうか
あれだけ荒らされれば普通起きるはずじゃないのか
Bの事だ親友のAがやってることを見て見ぬことしかできなかったんじゃないだろうか
どうすることもできないの?そう聞くと嫁ちゃんはやれる事はやってみると
でも穢れた魂はたとえ神様を降ろしたとしても浄化されることは無いと
そういい残して和室へ入って行きました。
御払いは翌朝まで続いて結果は角を切り取る事は出来たという
でも素がどうにも出来ないため遅延させるだけだと
それでも私は定期的に遅延させていればいつか治ると信じて帰る事にしました。
その2日後にBとT君の溺死体が発見され
お通夜の日にAが同じ海岸から身投げしたと聞かされました
大学を卒業して実家に帰り裏庭の雑木林をふと覗いたら
人型をした紙が木に打ちつけられていたのを発見しました
Bの名前とT君の名前と私の名前がそこには並んでいました。
私が幼稚園位の時に経験した不思議な体験です。その当時家族で沖縄のアパートに住んでいました。
俺の体験した話だけど・・・
まだ小学3〜4年生のころの話だ。
俺は友達と下校をしていた。すると友達がいう
「あの道通ってみようぜ」
何だよと思ってみると、少し暗い感じのする道だ
俺はその道の先を少し知っていた。この先は短いトンネルで、出口が見えるほどだった
俺は「おk」そういってその道を通った。
2〜3人ほどいたんだが、その一人に霊感があると言い張るのがいた。
内心信じてないので、俺は鼻で笑っていたトンネルをぬけると、また普通の道だった
そして後もうちょっと進めば俺の家というとこで「後ろになにかいる」といった。
何だよ・・・と思い後ろをみるが誰もいない。でも結構怖かったんだろう。俺は少しはや走りした
そして家へ近くなると、ダッシュして帰った。
そのあとも何事もなかった。
あの道は不審者とかがよく通るらしい・・・
築年数もかなり経っているアパートだったと思います。2DKのアパートに一家3人ですんでおりました。
その日も暑い夜で寝付けずトイレに起きては親を起こし一緒に行っていた

22 :
これはある夫婦にお世話になった時の話です
私は大学で友人から相談をされました
友人A「最近、友人Bの様子がおかしいんだ」
内容は至ってシンプルなものでした
数ヶ月前に恋人が出来てリア充街道満喫しているのに元気が無い
幼稚園からの付き合いだし話を聞こうとしても元気だよの一点張り
整理好きのBの部屋が荒れていて取り憑かれたように夜な夜な騒いでるらしい
近くに墓地があるからきっと取り憑かれているんだとAは真剣に相談してきた。
霊感も無いのに私に頼られてもなぁ…と思いもしましたが一応
AとBが住むシェアハウスに様子を見に行くことにしました。
Bがバイトで留守にしていたので勝手ながらも部屋に入って見ると
私「荒れてるってレベルじゃないでしょこれ」
壁には爪で引掻いたであろう傷跡に物は散乱していて恋人との写真は見るも無残だった
その日、部屋に入った事は秘密にして一泊することになりました。
Bの部屋は寝るスペースも無いのでAの部屋で寝ることに
こないだ見た夢の話。
真夏の良い感じのアスファルトの道で俺はたっていた。
道の左右は腰ぐらいの雑草が生い茂っていた。
すると前から頭に手ぬぐいを巻いて重そうなカゴをしょったモンペ姿の
おばあさんが歩いてきました。
俺は道を譲でもなくおばあさんがゆっくり歩いてくるのを待っていた、
そのおばあさんが目の前まで来てしゃがれた声で『梅田はどこですか?』
と聞いてきたので、俺は『知りません、花月ですか?大阪ですか?』
と聞き返したらおばあさんがものすごい形相で舌打ちして去っていきました。
するとまた同じおばあさんが反対方向から歩いてきて今度は『亀田はどこですか?』
と聞いてきたので、俺は『興毅ですか?大毅ですか?』と聞き返したら、
また舌打ちして去っていきました。するとまた向こうから同じおばあさんが
歩いてきました。今度は『柴田はどこですか?』と聞いてきたので俺は
『理恵ですか?アンタッチャブルですか?』と答えました。
するとおばあさんが『まじめにやれーーー』と怒鳴りながら追いかけて来ました。
驚いた俺は『何をですか?何をですか?』と逃げながら必死で聞きました。
するとおばあさんは『これが最後。いいか?いくぞ。』と息を整えて落ち着いた
口調で『森田はどこですか?』と聞いてきたので、少し考えた俺は『一義ですか?
ウキウキウォッチングですか?それとも剛ですか?』と答えました。
するとおばあさんは満面の笑みで『こりゃまいった!いっぱい食わされたわ!
ひゃひゃひゃひゃー』と高らかに笑い、これをやる!と言いカゴから1枚の紙切れ
を渡してきました。それは『と○まえんの割引券』でした。ちょとっまって
俺ここ行かないし!まずどこにあるの?しかも割引って・・・。
辺りを見回したらおばあさんはいませんでした。俺にとってはゴミクズみたいな
割引券を握りしめていると、どこからともなくおばあさんの声で『楽しんでおいでー』
って聞こえてきたので、『だから行かないって!』っって言ったところで夢が
覚めました。あのおばあさんが追いかけてきた時の怖い顔は今でも忘れません。
あの部屋を意識したら寝れないと思っていましたが、お酒も入っていていつの間にか寝ていました
ふと名前を呼ばれたと思って目を開ければ3時を越す頃でした
目を開いた事を酷く後悔しました
呼んでいたのは私の名前ではなかったのです
T君・・・T君・・・アアァァアァア
名前を呼んでは唸るを何度も繰り返し何かを引掻いていました(多分床)
その声はBの声ではなく男性のような低い声でした。
初めての恐怖体験に私は涙が出て鼻を啜ってしまいましたさ
鼻を啜った音と共に引掻く音も止んで私は目をぎゅっと閉じ死んだ振りをしましたか
ガラッとAとBの部屋をつなぐ襖が開いたと思ったら意識は無くなっていました
朝、何事も無かったかのようにAに起こされAに旅行に行く準備をしといてと言い残し早々と帰宅しました。

23 :
もう既にスレはある
緊張してます
https://egg.2ch.sc/test/read.cgi/geinoj/1511881048/

24 :
本スレはこちらということで、戻ってまいりました!
ししゃも合格祈願!にゃんコレを超えろ!

25 :
妹が体験した事なのですが。
私の妹が小学生の頃、学校の行事で、一学年全員で、林間学校?で、二泊三日の体験学習に行きました。
場所としては、林間学校なので、 寝泊まりするところと、食堂、体育館が、山の中にあり、周りには国道
(といっても夜間は、ほとんど交通量がないんですが)が一本少し離れたところにあるだけの、周りは木々がうっそうと繁るところです。
そこには、前々から幽霊が出るとか、色々と噂はされているのですが、どれも嘘臭い、
小学生がよく話すような、噂ばかりで大人達は、勿論、妹もちょっと、気味が悪いていどでした。
で、林間学校初日は、二段ベットが据え置きしてあるので、そこで眠り、二日目に何故かテントを張って、
夜そのなかで、寝てみるという体験学習の一貫で寝ることになったそうなんです。(ちゃんと寝るところは、あるのに(笑))
流石に、女子を外で寝かせるわけにはいかないというわけで、体育館のような所に、テントを張って寝たそうなんです。
そして、深夜(だったと思うとのこと)に、ふっと、目が覚めて、暫くボーッと、してからトイレに行ってから、もう一度寝ようと、テントから顔を覗かせたそうです。
すると、体育館の出入り口に、何か『ぼやっ』とした、人影が見えたんだそうです。
ただ、妹は寝ぼけていたのか、何故か同じテントで寝ている、友人に見えたそうで、「あ、〇〇ちゃんもトイレに行くのかな」と、思ったそうです。
で、その人影?は、スッと食堂の方へ続く、廊下(一番近いトイレには、
その廊下を通る必要があるため)へ移動したのが見え、妹はその後を追いかけたんだそうです。
廊下へ出ると、人影?がトイレに入っていったように見えたので、妹は「
やっぱり、〇〇ちゃんもトイレに行きたかったんだなぁ」と、ひとりなっとくしていたそうです。
そして妹が、トイレの中に入ったとき、「あれ?誰もいない?はいったように見えたけど、違ったのかな?」と、
寝ぼけて、いたからなのかまあ、いいや、と用をたしてテントに戻ったそうです。
すると、テントの中には既に、先ほど何処かにいったと思われる、友人が、熟睡していたそうです。
妹は、「あれ?先に戻ってたんだ」と、特に気にせず眠ったそうです。
朝、テントの片付けを済まし、朝食を食べ、さぁ帰ろうというときに、夜中のことを思いだし、例の友人に、「〇〇ちゃん、夜中トイレに行った?」 友人は、「夜中トイレには、いってないよ?むしろグッスリ寝ちゃってた」
と、言うので、「ホントに!?」と
何度か、聞いても、「ホントだって」と、言うのだそうです。
じゃぁ、夜中トイレに向かって行ったあの人影は、誰だったのか、むしろあれは、人だったのか?と、
少し思い返してみると、おかしなところが、いくつかあることに気がついたんだそうです。
それは、後ろ姿なのか、正面だったのか、思い出せないことと、
ぼやっとした人影のようなものを見たときに、顔も見てないのにすぐに、あの友人だと、
何故か思ったこと、誘導灯のほんの少しの明かりしかないのに、
白く浮き上がって見えたこと、そして何より、体育館だから、足音が結構響く筈なのに、足音がしていなかったこと。
それに、気がついたときには、流石に寒気がして、かなり怖くなった。とのことでした。
あれから、特に霊的ななにかは起きず、無事にすごしております。
ただ、あの人影はなんだっんだろうか?と、疑問ばかりが残るそんな話でした。
最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。つたない文書で、申し訳ありませんでした。
ただ、これはホントに体験した出来事だということです。

26 :
あれは俺が怖い話が大好きで毎日四六時中聞きながら生活していた時の話。
その日も携帯にイヤホンを繋ぎ怖い話を聞きながらコンビニに向かっていました。
家から5分くらいの某水色と白のコンビニ。ほぼ毎日通っていました。
そのコンビニに行く近道が公園の横を通るコースなんだけど、いままでガチで
何にもなかったわけだから
その日もなんの気なく公園の横を通った。んで公園を
通り過ぎるぐらいに何となく足元を見たら、昔のお金?的な穴のあいたコイン
見たいのが落ちてた。
最初5円だと思って拾ったんだけど、何か変な文字が書いてあって、
拾った瞬間に真上からははははははははは、と男の笑い声が聞こえました。
TVを見て笑うとかではなく、機械的になんてゆーか嘘笑いみたいな感じでものすごく
違和感がありました。周りはアパートなどもあるのですが、深夜の2時だし
電気の着いている部屋は見回した感じありませんでした。
怖くなりとっさにコインを捨ててコンビニに向かいました。
コンビニに着き、パチ雑誌、などを雑にパラ読みして夜食を買いました。
帰り道怖くてあの道を通る気が全くしなかったので遠回りをして帰りました。
遠回りと言っても2〜3分ぐらいしか変わりませんので、夜空を見たりしながら
ブラブラ歩いていました。もちろん携帯から流れるのは怖い話ではなく、すべらない話
に変えていました。小藪の話面白いなと思っていると家の近くまで来ました。
家は下り坂の途中に建っていまして普通のアパートなんですが、その下り坂
から家の玄関達が見えるわけですけど、なんか俺の部屋のドアに誰かが立ってるんですよ。
えっ・・っと思って咄嗟に向かいのマンションの木陰に隠れました。
異様に背が大きく見えて、っていうか明らかに俺の部屋のドアよりも高かったそいつは
なんかきょろきょろしながらしゃがんだり立ったりしていて、笑っているように
見えた。んでそいつが謎の行動をし始めて多分5分くらいかな、いきなり下に降りる
階段へダッシュ(俺の部屋202号室)ドドドドっと階段を下り、おれの隠れているマンション
の横を猛ダッシュで駆け抜けていった。んでその時の男の顔が完全に目がイッてて
見開きMAXで、小声でははははははははと言っていました。
走る音が聞こえなくなっても怖くて動く気にはなれずしばらくそこでたばこを
吸っていたんですが、この後おれは家に入らなきゃいけないわけだけども、
坂からは丸見えだからもしあいつに見られたらどうする?とか音はしなくなったけど
すぐ横に立ってたらとかまあ色々考えていて、でもこのままだとマンションの木陰で丸くなって
たばこ吸っている俺は多分変質者だと思うから、勇気をフルに振り絞って立ち上がって
みた。
長いあいだうんこ座りしてたせいでおれの膝がポキッって鳴った音にビビリながら
恐る恐る辺りを見回したがあいつはいなさそう。というか静けさが半端ない。
ってゆうかなんだよあいつ意味分かんねー。今度きたら全身全霊でぶちのめす。
たとえこの拳が折れても何が何でもぶちのめす!だんだんはらが立ってきてもう
来るなら来いや!的に家まで向かいました。とは言っても鍵を開けるときに一応
後ろは確認したけど誰もいなかった。よしっ!っと部屋に入ろうとしたら
パキッって足元で音がしてよく見たらあのコインが足元にありました。
はれっ?何で・・と思って拾ってみたらさっきは暗くてよく見えなかったんですが、
コインの穴を囲むように呪って文字が4つ、裏には来って文字が4つ。
ヒヤーーッ!と叫びながら捨てました。
今思えば何か手作り感半端なかった様に感じます。それから数日はあいつに
ビビって過ごしましたが、俺の金のなさにさらにビビったのでいつのまにやら
忘れてしまいました。
でもあいつが何で俺の家がわかったのか、家を出るとき
から見られていたのか、とか本当に謎の事件でした。

27 :
小学生の時から怖い話は大好きだから、いろんな物や人からそれ関係の情報を集めていた。
そんな時、聞くと必ず後悔する話があるという噂を友達から聞いた。誰が知っている?
と尋ねたら、その時担任していた先生から聞けると教えてくれたので、俺はその先生に噂の話を
職員室まで聞きに行った。
初め、先生は取り合ってくれず、なかなか話してくれなかった。
それでもしつこく粘って交渉していると、先生はヒントだけやると言った。
「俺がこの小学校に転属されたばかりの頃は、下校時間過ぎてからの仕事を教室でやっていたんだよ。
だけど、ある先生からその教室の隣にある図書室の話を聞いてから、下校時間過ぎたら仕事は職員室でやることにしたんだ」
どうして?と聞くと、「それは言えない。とにかく、恐いことが起きたんだよ。図書室でな」
それっきり、先生は教えてくれなかった。
それから小学校を卒業して中学にあがった時、同じ小学校にいた友達に図書室についての話を聞いてみた。
「図書室?あぁ、その話か。あそこの部屋は、昔は外側からしか鍵をかけられなかったんだよ。
でも今は内側からでも鍵をかけられるようになっていただろ?その理由っていうのがさ、
夏休み前に図書室で熱心に本を読んでいた女子生徒がいたんだけど、
夏休みって誰も図書室を使わないから警備のおじさんが鍵を閉めに来たんだ。
中を覗いてみると誰もいなかったから、おじさんは外側から鍵をかけた。
だけど本当は柱の裏にまだ女の子がいたんだ。
でもその子も読書に夢中で、鍵をかけられたのに気が付かなかった。
気付いたのは、その本を読み終えた後。その時は日がだいぶ落ちていた。
その子の両親も娘の帰りが遅いことが心配になって警察に
捜索依頼を出したんだけど、まさか学校の図書室にいるとは考えつかなかったんだ。
で、事件なのか事故なのかわからないまま学校の夏休みが終わり、その警備のおじさんが
図書室を開けて、ようやくその子が見つかったんだ。腐乱死体となってね」
そこまで友人から聞いて、俺は不思議に思った事があった。
なぜ、こいつがその事件の事をこんなに詳しく知っているんだろう。
それを尋ねると彼はこう言った。
「この話には続きがあるんだよ。人間は食料と水がないと生きていけないけど、
すぐには死なないだろ?その子は死ぬ前に、何をしていたと思う?『恨みの本』を書いていたんだよ」

28 :
 それきり妙な出来事はピタリと止んだ。以後は極々平凡な披露宴。
披露宴がお開きになって帰ろうとしたら、入り口近くでさっきの女の子が
会場内に飾られていた花を
お土産に配ってた。花に興味はないが目を赤くしてるのが可哀相。
 俺は上機嫌で水割りを飲んでた。まずは新婦の職場の上司が来賓祝辞。
そしたら、途中でまたそれが披露宴の会場に入ってきた。
結婚式の時とは雰囲気が違ってて、じっくり誰かを探してるって感じ。
左手を握りしめて精神統一、出来るだけ気配をR(ヤバイ場所に踏み込んだ時の常套手段)。
よし上手く行ったと思ったら、左隣の席の従姉妹が話しかけてきた。
「俺君、その手どうしたの?気分悪い?」 「あ、いや、何でもない(馬鹿、ジャマすんな)。」
その時突然、スポーン!って大きな音がした。当然来賓祝辞は中断、皆がキョロキョロ。
俺の視界上端に灰色っぽいもの、それは俺の右肩をかすめて絨毯に転がった。
シャンパンのコルクを止めている金具だった。
俺の右隣に座ってた従兄弟の嫁さんがコルクを持ってる。すぐ傍に落ちてきたらしい。
 飲み物のテーブルで、真っ青になった女の子(式場のスタッフ)が両手を口に当てている。
何でこんなタイミングでシャンパンのコルクが飛んだのか分からない。
席を立って拾い上げた。熱い。何で?おまけに金具は緩んでるんじゃ無くてねじ切られてた。
「済みません。本当に申し訳御座いません。」 駆け寄ってきた女の子はハーフっぽい美人。
「気にしないで。ご先祖様が喜んでるんだから(勿論全く根拠無し)。」って金具を手渡した。
「あれ、本当に気にしないで良いから。ね、ここの責任者呼んでくれる?」 「え?はい。」
すぐに壮年の男性を呼んできた。苦情を言われるかと思ったのか二人とも平謝り。
「いや、さっきのは金具がねじ切れてました。あれはこの子のせいじゃないです。
それより在庫のシャンパン、チェックした方が良いですよ。」
まあ、シャンパンをチェックしても無駄だけど、この子に濡れ衣着せる訳にもいかないから。
あれが一体何だったのか、何故俺を狙って金具とコルクを飛ばしたのかは分からない。
物理的に狙われたのは初めてで、ビックリしたがとても面白い経験だった。
特に悪気は感じなかったし、その後偶然スタッフの女の子と再会したからむしろ幸運かも。

29 :
新郎の両親には挨拶したけど、それ以外は仏頂面で話しかけんなオーラ全開。
神父の話を上の空で聞いていたら新郎が入場してきた。次は小さい男の子と女の子。
で、新婦とその父親がバージンロードに。じゃあ、俺の体験を1つ。
友達は怖いって言ってくれたけど、あんまり自信はない。
俺は物心ついた時からいわゆる霊感があって、
でもヤバイなって感じた所には近付かないから、実際幽霊とか見たことはない。
これは去年の6月、親戚の結婚式&披露宴に出席した時の話。
俺の父親は本家の跡取りで、俺はその一人息子。
数年前から父親が寝たきりになって、名代を務めることが多くなった。
各種冠婚葬祭、それに親戚代表の挨拶。正直面倒くさい。
去年の6月に出席した親戚の結婚式&披露宴も親父の名代だった。
恩があるからって、新郎が俺の従兄弟に乾杯の音頭を依頼したから気が楽だった。
前日友達と飲みに行って朝帰り、二日酔い。ギリギリで準備してまずは結婚式に出席。
二人が小声で話しながら妙な足取りで歩き始めた途端、何かが式場に入ってきた。
薄青い霧のようなものが式場の天井近くに漂っている。
そんな経験は初めてだったから一気に二日酔いが覚めた。
誰か他にそれが見えている人はいないかと思って見回したけど誰も反応してない。
大切なことだから、よく憶えておくんだよ。
毎朝、ここでお前が最初に見る花は、桃色の花でなくちゃいけない。
今ならピンクというのかね。兎に角、桃色の花だ。
もしも黄色の花が咲いていたなら、然るべき呪い師を呼びなさい。
お前が帰るまでに清めの儀式が終わっていたら、花は元の色に戻るだろう。
もしも青い花が咲いていたなら、医者に診てもらいなさい。
隠れた病を見つけることができたら、花は元の色に戻るだろう。
赤い花が咲いていたなら、転居を急げ。その花の色は戻らない。
呪い師にも医師にも手に余る。だから一刻も早くここを離れなさい。
それが白い花なら、あきらめなさい。落ち着いて身の回りを整理して。
白い花ならあきらめろ。お前を救う術がない。お前を救う術がない。
式の間中それは天井近くにユラユラ漂っていて、皆が賛美歌を歌うと何かブツブツ呟いてたが、
指輪の交換が終わったら消えてしまった。
面倒な行事も参加すればたまには面白いことがあるなと思ってニヤニヤ。
話しかけてくる親戚も増えたが気にならない。そして身内の記念撮影のあとで披露宴。

30 :
これは僕のの学校で騒ぎになった怖い?話。と言うよりも祟り系の話
詳しい事は分かりませんが、塾の友達Aによるとその僕が通ってる学校は
何もかもが強制されているのがきっかけで起こったことなんですが学習でも持ち物でも凄く厳しく
あまり自由に出来ないその学校で生徒たちが唯一楽しいと言える時間は休み時間でした。
当時は休み時間に怖い話をすることが流行っていてクラスで一番怖い話をした人が優勝者?的なことになっていてみんなで楽しんでいました。
ちなみに僕は「鹿島さん」を話して優勝しました。w
そんなある時一人の生徒Bがこっくりさんをやろうとといい当時はクラスが一組しかなかったので全員を誘っていました。
僕は塾があったので行きませんでしたが殆どクラス全員が参加したそうです。友達のAも参加しました。
これは学校の先生がしてくれた怖い話です。どちらかというと幽霊というより呪い系です。

ロシアに一人の男がいました。その男はルビーやダイヤに憧れて山に土地を買ってそこで発掘をしていました。
発掘をきていると中から1つの大きなルビーが出てきてその男は大喜びで家に帰りましたが帰る途中で兵隊に
両腕を切られてルビーを奪われてしまい、その時男が
「このルビーを持つものには悲惨な運命が待ち受ける」と言い息をひしとりました。
兵隊はそんな全くことを気にせずルビーを家に持ち帰りましたがある時突然夢に男が出てきて
自分の首をしめたり両腕を切ったりして、その夢を何日を見るうちに兵隊は気が狂って農薬を飲んで死にました。
そのあとそのルビーはオークションにだされてある宝石店の店長が買いました。
店長はその宝石がきにいっていたので家に持ち帰り、家族に見せたりして家に飾りましたが
突然の火事で家族全員死亡するということに大惨事になりました。
それからある有名は女王がそのルビーを買い取りルビーを削って、ネックレスにはめこんで
自分の首にかけて寝ていて次の日執事がその女王を見に行くと女王は首が切れた状態で死んでいたそうです。
それから何12人の人がそのルビーを買い取ったそうですが全員、交通事故や病気、
自殺などで死んで行き今は博物館に展示されているそうです。
Aの話によるとみんなが発案者のB家に行きBの部屋でやったそうですがまず
「こっくりさんこっくりさん僕の質問を聞いてください」と行ったら本当に返事が来て調子に乗り出した
Bや他の人は色々なことを聞いたそうですが、まずこっくりさんを終わらせる為には、こっくりさんにお供え物をしなければいけないのですが、
Bやみんなはそれをしないで終わってしまったため次の日に大変なことが起きました。
次の日に学校に来たらそのこっくりさんをしていた人が全員インフルエンザにかかりその時にクラスのアルバム写真を
とる予定になっていてクラスでたった6人しかクラス写真にのりませんでしたw
クラス写真をとってからすぐ学級閉鎖になりましたが学級閉鎖になって僕は嬉しかったです。インフルにかかった人は気の毒ですが、、、

31 :
このスレは、芋シスのアンチがまとめブログで金儲けしたいが為のスレです
その証拠にdvdの話しかしてません
そんな奴がファンでもなんでもありません

何かあればこちらを利用してください
ももか
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/20619/1512494577/

32 :
もしくはコチラを利用してください

緊張してます
https://egg.2ch.sc/test/read.cgi/geinoj/1511881048/

33 :
もしくはコチラを利用してください

【にゃんコレは】佐々木桃華 Part6【最高傑作】
https://egg.2ch.sc/test/read.cgi/geinoj/1532241745/l50

34 :
>>33
それはこのスレであり
金儲けをしたいアフィリエイトまとめブロガーの立てたスレです

35 :
このスレは、芋シスのアンチがまとめブログで金儲けしたいが為のスレです
その証拠にdvdの話しかしてません
そんな奴がファンでもなんでもありません

何かあればこちらを利用してください
ももか
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/20619/1512494577/

もしくはコチラを利用してください
緊張してます
https://egg.2ch.sc/test/read.cgi/geinoj/1511881048/

36 :
もしくはコチラを利用してください

【にゃんコレは】佐々木桃華 Part6【最高傑作】
https://egg.2ch.sc/...einoj/1532241745/l50

37 :
とにかく、そんな不毛なやり取りでスレ伸ばしてたら、逆にこのスレが注目されるだけだろ。
建設的な話をしようよ。
にゃんコレのほかに使える作品はどれかな?

38 :
駆け寄って殴ろうとした。肩に手をかけて振り向かせようとした途端、
額に何かが強くビチッと当たった。スゴイ勢いだったが、そんなに痛くはない。
続いて、右耳と右ほほに2発、ドロリとした感触があった。
後ろを向いてかがむと、ダチ2人がバッグを頭の上に掲げて降ってくるものを防ごうとしていた。
夏制服の白ワイシャツに、
どろりとした黒っぽいものと鮮やかな赤い血が染みを点々とつくっていた。
何が降ってきてるのわからなかったが、半そでの二の腕にビシッとまた当たり流れ落ちた。
それをよく見ると、ひれのついた尻尾と小さな手足があった。
オタマジャクシだと思った。それも、もうすぐカエルになる四本足の生えたやつ。
ビチッ、ビチッ・・・オタマジャクシの雨は降り注ぎ、
たまらず俺たちは店のアーケードの下に逃げ込んだ。
最後のオタマの一匹が俺の口のわきに当たり、唇に嫌ーな感触を感じた。
道路を見ると、林田はもうだいぶ向こうまで歩き去っていた。

体はもうぐじゃぐじゃの赤黒いまだらになってて、
あちこちに嫌な臭いのするゼリーがこびりついてた。
これが全部つぶれたオタマだと思うと気が狂いそうになった。
3人ともワイシャツを脱ぎ、近くのドブ川に捨てた。
ズボンの股にもだいぶついてたが、
脱ぐわけにもいかず児童公園まで走って水道で頭もいっしょに洗った。
信じられない・・・空は曇りだったが風もなかったし、オタマジャクシの季節は過ぎてる。
暗澹とした気分になって、ダチ2人とは少し言葉をかわしただけで別れ、家に帰った。
夏だったのが幸いで、水風呂に入って体全体を洗った。
ズボンはどうしようか迷ったが、ヒドイ臭いだったので捨てた。
そうしてるうちに、高校にはいかず土木作業をしてる兄が帰ってきたんで、
さっきあった出来事を話した。
兄貴は「・・・林田に何かしようとしたのか・・・バカが。これで済んでよかったほうだぞ」
こう言って、自分が中学校のときの話をしてくれた。

39 :
クラスの他のやつらはそう思ってなかったかもしれないが、俺は林田が気に入らなかった。
一つはいろんな面で特別あつかいされてること。
こいつだけなぜか給食を食わないで弁当だったしな。
もう一つは、普通この手の波風立てないで学校生活をやり過ごそうってやつは、
おどおどした態度をとるのが多いだろ。
ところが林田はそうじゃなくて、どんなときでも平然としてるんだ。
卑屈でも傲慢な感じでもなくて、平然。それが気に食わなかったんだな。
当時の中学校は荒れててね、ケンカもイジメもそりゃあったよ。
暴走族が盛りの頃だから、先輩後輩のつながりも強くって、
3年生には族のやつらがバックにいるんだ。
んで、俺が一度「林田をシメてやろう」って話を1年の間で広めたときには、
話が聞こえていった先輩方に止められたんだ。「あいつには手を出すな」って。
理由は教えてもらえなかったけどな。

それでガマンしてたんだけども、夏休み前・・・1学期の終わり頃だったと思う。
学校の帰りに2人の仲間とつるんで歩いてたら、前に林田がいたんだよ。
下を向いてすたすた歩いてた。その姿を見たら急にムシャクシャしてきて、
足を速めて追い越しざまにドンとぶつかったんだ。
林田はトトッとつんのめるように前に泳いだが、転ばなかった。
ゆっくり振り向いてこっちを見たんで、俺は手に持ってたバックをわざと下に落とし、
「何たらたら歩いてんだ。お前のせいでバッグ落としたじゃねえか、拾えよ」
・・・チンピラみたいだって?まあチンピラでもこんなことはしねえから
マンガに出てくるチンピラだな。
俺のバッグを拾ったら、そのまま家まで持たせてやろうと思ったんだ。
ところが林田のやつ、バッグに視線も落とさず、平然とそのまま前を見て歩き去ろうとする。
カッと頭に血が上った。

40 :
同じクラスに林田ってやつがいたんだ。
坊主刈りで、色が白くてひょろっとしたやつ。
こいつがホント空気みたいなやつなんだよ。誰ともしゃべらないんだ。
教師に何か言われた場合でも、ほんと必要最小限のことしかしゃべらない。
テストの答案とかチラ見した限りでは、成績はよかったと思う。
ただ授業で指名されても答えないんだ。
国語の教科書を読むのさえしないで、黙って立ってるだけ。場面緘黙というのかな。
だから教師のほうでもこいつを指名しなくなったけどな。
腫れものにさわるような扱いに変わっていった。
林田は部活にも入ってないし、友達もいない。
休み時間も一人で席に座ってて、本を読んでるんだ。
その本ものぞいたことがある。細かい漢字と奇妙な図がついてる縦長の本。
今にして思えば暦の本だったと思う。
とにかく、一人でいることがまったく苦にならないみたいなんだ。
それからよく学校行事とかで班を決めるときなんか、
どこにも入るのを嫌がられるやつがいるだろ。
なんとか立ち上がれるようになったんで、手分けしてナミを探しましたが、
トイレ付近にはいないし、車にも戻っていませんでした。
ナンバープレートは通常のものでした。
カレのアパートにも、自宅にも、あちこち連絡した友達のところにもナミはいなくて、
朝方に警察に連絡したんです。そのときこの話もしましたが、
警官が妙な顔で聞いていたのを覚えてます。信じられないのも無理ないんですが・・・
それからナミはずっと行方不明のままで、もう半年になります。
ところが林田の場合はそういう行事は必ず休むんだ。
ほら、鏡に数字を映すと左右逆になってるじゃないですか、鏡文字って言うのかな。
あれになってたんです。
それでびっくりして「あー、このナンバー なんか変!」って叫んだんです。
そしたら前を歩いていたナミのカレが「ナニ、ドウシタノ?」と言ってふり向いたんですが、
その声が機械の声だったんです。よく自動朗読する機械があるじゃないですか・・・あんな声です。
それから目と口の中が青紫に光っていました。
頭の上の方で「バチバチッ」という聞いたことのない音がしました。
「えーっ!!」と思って、その場に立ち止まりました。
あつしもふり向いて「ヘンナコト ナンテ ナイヨネ」と言いましたが、
やっぱりその目と口も青く光ってて、青い豆電球をくわえているみたいでした。
それとカレの着ていたフライトジャケットに書かれたアルファベットも、
鏡文字になっていたと思いました。
ナミはいつのまにか自分のカレと手をつないでいて、
カレが変になってるのに気づいてないみたいだったんです。
だから担任も、林田がどこにも入る班がなければ、
どうせ来ないんだから名前だけ入れといてやれよ、
みたいな感じでこっそりどこかの班に言うようになった。

41 :
去年の秋のことなんですが、男女4人で心霊スポットに行ったんです。
心霊スポットといっても、幽霊が出るとかそういうところじゃなくて、UFOです。
母は黙って話を聞いていましたが、
「・・・そんな人はいないよ。もともと4人家族で、おとうさんが死んで3人に、
お前の弟が亡くなって2人になったじゃないか。
そしてお前も奨学金をもらって大学にいくためにケガをしたあたしを置いて出ていっただろう」
とくに皮肉な口調でもなく、こんなふうに答えました。
そう、これ以外に答えがあるはずがないのはわかっていました。
そして4日前の夜中です。
薄明るい病室でうつらうつらしていると、ベッドの横に人の気配を感じました。
看護師さんだろうかと思い起き上がりかけましたが体が動きません。
半分覚めた状態で横目で様子をうかがうと、白い服でしたがナースの制服ではないようでした。
カチカチと金属がぶつかるような音がして、目の前にさじがつき出されました。
中には夢で見たのと同じ米粒状のものが液体の中で体を伸び縮みさせています。
「さあ、飲みなさい」その人はささやいて、私の口元にさじを押しつけてきました。
UFOが飛ぶのが見られるとか、宇宙人の秘密基地が地下にあるとか、
そういう噂のあるところです。
もちろんそんなのは信じていませんでした。そこは山まではいかない、小高い丘になってて、
夜景がきれいだともいわれているんです。
だから心霊スポットを探索するというより、みんなで夜景を見に行ったようなものです。
わたしと、カレのあつしと友だちのナミとそのカレの4人ですね。
そこは急カーブを連続して登っていくので、昔は族なんかも来ていたということでしたが、
今はまったくそんなことはなくて、カップルで来ている人が多いです。
それで、あつしの車・・・名前は忘れたけどホンダの中古のワゴンです。
それに乗って行って、頂上の公園付近の道路に停めて、4人で夜景を見てました。
私は首を振り、声を出して人を呼ぼうとしましたが、かすれたような音が喉からもれるだけでした。
「飲みなさい、あなたの弟もお父さんも飲んだ。あなたが飲む番がきたのよ」
さじの先が歯にあたり、口のわきに液体がこぼれた感触がありました。
ぐいと強い力でさじの先が歯の間にさし込まれました。
「嫌っ!ゆるして」大声で叫びながら一気に上半身を起こし、さじをふり払いました。
横を向くとその人と目が合いました。
こけた頬に落ちくぼんだ眼窩、不健康そうな青白い肌、ひっつめた髪
・・・そこにいたのはまぎれもなく私でした。
私は大粒の涙を流しながら、ベッドの上で半狂乱になって叫んでいるところを、
声を聞きつけてきた看護師さんたちにとり押さえられていました。
これで話を終わります。
時間は9時過ぎくらいです。初めてだったんですが、きれいでしたよ。
空も晴れていて、星もよく見えました。

42 :
次に夢を見たのは2週間ほど前になります。
そのときは病院のベッドにいました。電車の中で倒れ、救急車で緊急入院していたのです。
極度の貧血ということで、さまざまな検査を受けさせられている最中でした。
仕事のほうは、もうこれでプロジェクトからは外されるだろうと考え、
とても悔しい気持ちになりました。これまで頑張ってきたことがすべて無駄になってしまった、
なぜもっと体に気を遣わなかったのか・・・後悔が頭の中をかけめぐりましたが、
といっても、顔かたちがはっきりと見てとれるわけではありません。
出てきたときから靄がかかったようになって、輪郭くらいしかわからないのです。
ただ、その背格好はどこか見覚えがある気がしました。
その人は、牛乳瓶半分くらいの容器とさじを持っていて、
そして弟のそばに近づくと、ぐったりしている弟の額をつついて何かを言いました。
弟がそちらを見てうっすらと口を開けました。
女の人は、その口の中にさじで瓶の中のものを二度三度とゆっくりと流し込みます。
そのとき急に、夢が映画のズームアップのようになり、さじが大きく拡大されて見えました。
さじの中には白いおかゆのようなものがありましたが、
その米粒に見える一つ一つがくにゅくにゅと動いていました。
ここで目が覚めました。あと数分で目覚ましをセットした時間になるところでした。
夢の余韻が残っていました。
全体としては懐かしい雰囲気の夢でしたが、あのさじの上のものはいったい・・・
それと女の人が誰なのか、どうしても思い出せないのです。
いつも身近にいた人だったような気はするのですが・・・
でも私の家は4人家族で、それ以外の人が一緒に暮らしていたことはなかったはずなのです。
起き上がると強い吐き気を覚えました。
ここのところずっとの、仕事での無理がたたっているようでした。
口を押さえ、バスルームに行って吐きました。
便器にはわずかな胃液が流れ落ちただけでした。
寝室で弟が寝ていました。弟はこの頃、心臓の具合がますます悪くなって、
学校に登校できずほとんど寝たきりの状態でした。
涙が出るような気持ちでした。私の人生の中で、最もつらく陰鬱だった時期。
弟の傍らに、またあの女の人がいました。
その人は前の夢のときと同様に手に瓶を持ち、中身を弟にさじで与えています。
一口飲ませると、弟は嫌がるように首を振りました。
その人はいらだつようなそぶりをして、さじの頭で弟の口の横をガツガツと叩きました。
そしてさじでまた瓶の中のものをすくったとき、白濁した液体の中にうごめくものが見えました。
暗然とした気分で目を覚ましました。時計をみるともうすぐ朝の検温の時間でした。
10時ころまで待って病室を抜け出し、母に電話をかけました。
母はまだ50代でしたが、あのアパートの階段で転んで両足を複雑骨折して歩けなくなり、
地元の養護施設に入所しています。・・・母には今回の入院のことは知らせていませんでした。
どうせこちらには来られないのだし、心配をかけるだけだと思ったからです。
ややしばらくして母が電話に出たので、
話のついでをよそおって夢の中に出てきた女の人について尋ねました。
一方では苦しみから解放されたという安堵感も少しだけありました。
そんな複雑な思いが頭の中に渦巻いていたときだったのです。
2人部屋でしたが片方のベッドは空いていて、気を遣わずにすんだのが幸いでした。
病院の消灯は早く、なかなか寝つけない日が続いていましたが、
その日は最後の検温が終わった後、吸い込まれるように眠ってしましました。
夢の中で私はせまいアパートにいました。ああこれは高校生のときだな、とわかりました。
中学校2年のときに父が急死しました。一人で林の中に入って縊死したのです。
父にはサラ金に多額の借金があることがわかり、生活はたちまち困窮しました。
そのために移ってきた二間のアパート。・・・ここで弟は病死したのです。

43 :
1ヶ月ばかり前のことです。
残業が長引いて、部屋につくと11時をまわっていました。
すると神主が「ここは囲まれてる」って言う。
あたりを見回すと、林の中に焚火の照り返しで光るものがあるんだ、いくつも。
神主が懐から横笛をとりだして、「座りなさい」と言ってから、吹き始めた。
そしたら林の中のものたちが、笛の音に合わせて鳴き始めたんだ。
「びょー、びょー」って感じで。
怖くなって尻もちをつく形で後ろに倒れたら、神主が笛を置いてバンと手を強く叩いた。
すると木立の中のものがいっせいに出てきた。
鹿と鹿人間、・・・鹿は鹿だろ。ただオスの角のあるやつはいなかったと思う。
鹿人間というのは裸でね、体のあちこちが少しずつ鹿になりかかってるやつ。
背中に毛が生えてたり、後ろ足が鹿のだったり、ほとんど人間のままのもいたけど、
そいつらも四つん這いでね、こっちに近づいてきたんだ。
焚火の周りぐるっとをそいつらが取りまいて、そしたら神主が立ち上がって、
今度は手を軽くポンと叩くと、鹿人間のうちの一人・・・一匹が前に出てきた。
私より少し年下の男の子だった。
その子が四つん這いのまま、猫がやるように手を前に出して
体を伸ばした。神主はいつの間にか片手に大きな鉈を持っててね、
無造作にその子に近づくと、肩の部分から左手を切り落としたんだ。
怖くて目をつぶりそうだったよ。
だけどその子は特別痛がりもしないし、血もほとんど出ないんだ。
その子はつっかい棒が外れたようにヒザ立ちのうつ伏せになってたんだけど、
手の切り口のところから少しずつ細い鹿の足が出てきた。
神主は切った腕をつかむと焚火の中に放り込んだよ。
会社で大きなプロジェクトの一員となっていて、その仕事が追い込みの時期にきていたのです。
夕食は、仕事をしながらカロリータブレットのようなものを少しつまんだくらいでしたが、
空腹感はありませんでした。
このところ、まともに食事をとらないでしまうことが多いせいか、胃が慣れてきていたのだと思います。
それから神主は不思議な動きをすると、手を胸の前に組んで、
「世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る 山の奥にも 鹿ぞ鳴くなる」
こうね、朗々と歌ったんだ。もちろんそのときにはよく聞き取れなかったし、
意味もわからなかったよ。後になって調べたんだ。
今では百人一首もやるんだよ、私。
すると神主の朗詠に合わせて、鹿と鹿人間が一斉に鳴いた。
「びょー、ぴゅー、ぴゅー、びゅー、びょーん」・・・って。
その声が木々に反響して、何かものすごい音楽を聞いている感じがした。
焚火からは肉の焦げる臭いがするし、気が遠くなりかけた。
その中で神主の声が聞こえたんだ。「私といっしょに来ないか」って。
気がつくと、反省室の中にカーテンのすき間から朝の光が差し込んでた。
思わず毛布をはがして足を見たよ。両足ともちゃんとあった。
ああ、やっぱり夢だろって思うんだろうね。
でもね、それ以来、ときどき夢を見るんだ。
林の中を自分が鹿になって駆けている夢。これは本物の夢だよ。
そのときには神主が歌っていた「世の中よ・・・」の和歌が頭の中に響いている。
・・・この夢はね、私がその後、何度か道を外しそうになったときに決まって見るんだよ。
それでなんとかここまでやってこれたのかもしれないね。
それにほら、ここ見てよ。この左足、ヒザのまわりがぐるっと紫にひきつれてるだろ。
ふだんは隠してるけど、切られた足が戻ってきたからじゃないかと思うんだ。
ああ、こんなとこで足伸ばして変に思われたかもしれないね、ハハハ。
明日も早いので、シャワーを浴びてもう寝てしまわなくてはなりません。
ここまで必死の努力で築いてきた会社内での地位を失いたくはありませんでした。
ここが踏ん張りどころだと思っていたのです。
1時少し過ぎにはベッドに入りました。そして夢を見ました。
不思議な夢でした。私は実家にいました。実家といっても何度か引っ越ししているのですが、
居間から縁側ごしにわずかな庭が見えるのは、
小学校のときに5年ほど住んでいた家のような気がしました。
父親の浮気のために家族仲は冷えきっていましたが、まだ生活には困っていなかった頃の・・・
襖が開いて、3歳くらいの男の子がよろよろと入ってきました。弟だ、と思いました。

44 :
反省室はベッド以外何もない部屋で、一階の職員室の近くにあった。
いちおう窓はあるんだけど、外から鉄格子がついてて、外は新芽の伸びてきた林。
その頃は自傷もくり返してたし、夜に出歩いたりもしてたんで、
家裁の判断で入所させられたってわけ。
今思うと、そういう仲間とつき合ってたてことも大きかったのかもしれない。
○○学園は郊外にあって、場所は言えないんだけど有名な山のすそ野でね。
ずうっと林が広がった中にあるんだ。
全寮制で、いちおう授業もあるんだよ。
すんごく規律が厳しくて、入所式のときに誓いをたてさせられるんだ。
暴力をふるったりしませんとか、そんなこと。
入所式のときには父親が来たけど、母親は来なかった。
怒ってたんだろうね、妹のことで。
それでしばらくは大人しくしてたんだ。年上の先輩もいたしね。
だけどね、一日中顔をつき合わせて生活してるんだから、
中には気に入らないやつも出てくる。我慢はしてたんだけど、ある晩ね。
どっから話せばいいのかなあ。
16歳のときだけど、〇〇学園ってとこにいたんだ。
法律的には県立の児童自立支援施設って言うんだけど、
こんなこと詳しく話してもしょうがないよね。
入れられた理由はねえ、あんまり言いたくはないんだけど、
4歳の妹にケガさせたからなんだ。
幼稚園の入学の前日に、家の階段から突き落としちゃったんだ。
今から思えばねえ、何であんなことしたんだろって・・・
やっぱ頭がおかしくなってたんだろうね。
私はね、小学校5年のときから不登校になってたんだよ。
きっかけは友達とのトラブルってことになってるけど、その頃の記憶ってあいまいなんだ。
どんなトラブルかどころか、当時の友だちの顔も名前もよく思い出せない。
中学校をずっと不登校で通して、勉強してないから当然高校にもいけなくって。
その間に妹が生まれてさ、ちやほやされてるのが頭にきてたんだね。
幼稚園に入学するからって、
いろんなもの買ってもらってよかったねーって言われてるのが気に入らなくってさ。
ただ後ろから押したんじゃなくて、抱え上げて階段の上まで持ってってドーンと。
いや、今は普通に後遺症もなくやってるらしいよ。
これは反省してる、ホントだよ。
食堂で頭から給食をぶっかけて、髪をつかんで引きずり倒しちゃったんだ。
すぐに先生たちに止められて、そいつはたいしたケガもしなかったのに、
その夜から反省室泊まりってことになったんだ。
そこの生活はね、ペナルティがいっぱいあって、
例えば朝の点呼に起きてこなかったらどうとか。そん中で反省室は重いほうだったんだよ。
ただ私は一人が好きだったし、なんてこともなかったけど。
その日はそこで8時にはもう電気を消されちゃって、
しかたないからベッドに入っていろんなことを想像してたんだ。
けっこう空想するの好きだったんだよ。他に楽しみもないし・・・
お姫様とかそういうんじゃないけど。
そのうちにうとうとしちゃたんだろうね。
11時頃に当直の先生の見回りがあるんだけど気づかなかったから。
だからね、これから話すのはただの夢かもしれないんだよ。いちおう断っとくね。
目がさめると熱くて、寒いんだよ。わけわかんないって?
うつ伏せに倒れてたんだ。それで背中側に焚火があってそっちのほうが熱い。
体を起こすと、外にいたんだ。林の中の森に囲まれた草地みたいなとこ。
まだ4月だったからね。「気がついたかい」という声がして、そっち向くと、
神主の格好をした人が、横倒しになった朽木に座っていた。40代くらいなのかなあ。
特徴のないのっぺりした顔だったと思う。
驚いて立ち上がろうとしたけど、前のほうに転んでしまった。
片足がなくなってたんだ。ジャージのヒザの部分から左足がすっぱりない。
神主は平然とね「逃げられないように片足は切ったよ」なんて言うんだ。
それでも片足跳びで逃げ出そうとした。痛みはなかったからね。

45 :
>>36
そのスレは、芋シスのアンチがまとめブログで金儲けしたいが為のスレです
その証拠にdvdの話しかしてません
そんな奴がファンでもなんでもありません

何かあればこのスレを利用してください
ももか
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/20619/1512494577/

もしくはコチラを利用してください
緊張してます
https://egg.2ch.sc/test/read.cgi/geinoj/1511881048/

46 :
最後ID変えるの忘れてるぞ
このうっかりさんめ!
何はともあれ、以前のように真っ向から戦えよな、そのほうが見てる方はおもしろいからな

47 :
「お母さん、さっきまで家にいて料理してたんじゃないの?」
「40分くらい前に買い物に出て、今帰ってきたところだよ。それより何があったの?」
家に入ってタオルで頭を拭きました。
その後、キッチンを見ましたが料理していた様子はありません。
でも、こたつの上に広げていた宿題はそのまま残っていました。
母にあったことをそのまま話しましたが、
「変な話ねえ、お母さんがもう一人いて、包丁でお前を殺そうとしったってことなの。
それは夢じゃないかしら。こたつでうとうとして夢を見たんじゃない」こう言われました。
いつの間にか料理の音が止まっていて、キッチンからののれんをくぐって母が出てきました。
目がつり上がって、額の真ん中にシワが寄っていました。
お腹のところに両手で包丁を持って、まっすぐに私のほうに向けていました。
「ちょっと、何、お母さん本当に冗談はやめて」
「どこの家でもやってるんだよ。いらない子は取り替えてもらえるんだから。
こんなに大きくなってから取り替えるのは恥ずかしいんだけどね。育て方失敗したみたいで」
母はそのまま真っすぐに私のほうに体当たりをしてきました。
包丁の先はかろうじてそれ、私は電気こたつをはさんで母と向き合いましたが、
隙をみて玄関のほうに走り出て、裸足のままで家から飛び出しました。
雨が降っている中を泣きながら夢中で駆けていたら、
「ちょっと由奈、あんたずぶ濡れでどこ行くの!」こう前から呼びかけられました。
顔をあげると、傘を傾けて心配そうに顔をのぞかせているのは母でした。
「いやーっ」私は身をよじって叫びました。
「何、何があったの?家に変な人でも来たの?」
私はその場にしゃがみこんで、泣き崩れてしまいました。
・・・その後、母に連れられて家に戻ったら、
「私、子どもの頃にマンホールとか、それに似た穴に落ちたこっとってあったけ?」「・・・あるよー」
「!」やっぱりあったんだ、と自分で聞いたのにびっくりしてしまいました。「いつのこと?」
「お前が幼稚園に入学する前だから、4歳の始め頃だよ」「どこに落ちたの?」
「場所わからないんじゃないかと思うけど、西崎の養護学校の横道のマンホールだよ。
あの日はすごい雨が降っててねえ」
「何でそんなとこに落ちたの?蓋が開いてたの?」
「・・・思い出さなきゃよかったのにねえ。お母さんが落としたんだよ」
「・・・何へんな冗談言ってるの?」
「冗談じゃないから。前のお前は知恵遅れでいらない子だったから、捨てたんだよ」「!」
「神様にお願いしてね、前のお前をそこに捨てて新しいお前をもらったんだよ。
だけど前の記憶が残ってたんだね。・・・残念ね、ずっと一緒に暮らしていけると思ってたのに、
また新しいのをもらってこなきゃいけなくなったよ」「お母さん!」
さっき飛び出したはずの玄関は戸が閉まり、鍵までかかっていたんです。
・・・そうなのかもしれません。
あまりにもおかしな話なので、そう考えるしかないようです。
これで話は終わりなんですが、少し気になることがあります。
ふとしたときに、自分がお腹に包丁を突き立てられ、
血を流して倒れているイメージが頭の中に浮かんでくることがあるんです。
まさか、まさかと思うんですが、
もしかしたらあのとき、二度目の取り替えをされてしまったんじゃないかなんて・・・
ハハ、まさかですよねえ・・・

48 :
雨降りで部活が早く終わったので、中学校から帰って、
居間のこたつでテレビをつけたまま数学の宿題をやってたんです。
キッチンから母が包丁を使っているトントンという音がずっと聞こえてました。
そうしたら、中国で女の人をマンホールに落として殺そうとしたのを
そのとき、大時計の針が10時きっかりになり「ボーン、ボーン」と時報が鳴り始めました。
この音を聞いたとたん、急にめまいがしてきました。
それで、よろよろしながらその場を離れ、裏門から出たところで道にしゃがみこんでしまいました。
やや離れたところに、遠ざかっていく人影が見えました。
その後ろ姿が、わたしにそっくりなんです。少なくとも、着ているものはまったく同じでした。
めまいはかなり強烈でしたがなんとか自宅にたどり着き、
家内に車に乗せてもらって病院に行きました。
診断では三半規管の不調ということで、3日ほど入院治療したらどうにか治りました。
こんな話なんですが、まだ二つほど不思議なことがあります。
一つは、退院してからこの工場を探したけれど見つからなかったことです。
あの行き止まりになった道はちゃんとあるのに、
工場のあった場所は小児科の診療所になっていました。
もう一つは、あの日の万歩計が10万歩を超えるありえない数字になっていたことです。
単に故障なのだと思いますが・・・
監視カメラがとらえた映像というのをやってて、
思わず手を止めて見入ってしまいました。
その女の人は助かったようだけど、怖いなーと思ってたら、
何か記憶に引っかかってくるものがあるんです。
サッシ窓は中で×字に板が打ちつけられていましたが、内部はよく見えました。
高い天井にたくさんの蛍光灯が灯り、奥に巨大な振り子時計がありました。
よくあるアンティークの柱時計、あれをとてつもなく大きくしたもので、
高さは3m以上あったと思います。
ちょうど軽自動車を縦にしたほどの時計です。さっきの「チコッ」という音はずっと続いていて、
この時計の車のタイヤほどの振り子が振れたときに出る音だとわかりました。
不思議なものがあるなあ、と思いました。何かの展示にでも使ったのだろうか・・・
見ていると、時計の裏側のほうから台車を押して人が二人出てきました。
作業服を着て帽子をかぶっていましたが、色が浅黒くどちらも外国人だと思いました。
台車の上には金属製の大きなバケツが二個のっていました。
一人が時計の横にまわりパネルを開け、
もう一人が、シャベルを取り出して一つのバケツにつっこみ持ち上げました。
シャベルの上にはピンクと赤の、うねうねとした生き物の内臓に見えるものがのっていました。
それを無造作に、時計のパネルの中に注ぎ込みました。
片方のバケツが空になると、もう一方のバケツをすくいました。
・・・これは自分の見間違いだと思うのですが、シャベルには乳児の頭のようなものが二つ・・・
そう言えば私も小さいころマンホールに落ちたことがあったような・・・
これだけ記憶があいまいなんだから小学校前のことなんだろうか。
ずっと上のほうに、ぽっかりとまるい穴が開いているのを、
途方にくれて見上げていたことが・・・あったような気がするんです。
穴の縁からはザーザーと水が流れ落ちてくるイメージ。
その穴に蓋が乗せられ、真っ暗になって泣き叫んだ記憶・・・
気になったので、キッチンの母に呼びかけました。「ねえ、お母さん」「なーに」

49 :
ところがしばらく行くと前方に車止めが見え、行き止まりになっていることに気がつきました。
失敗したな、引き返さなくちゃなんないと思いましたが、
右手があまり大きくはない廃工場のようなところで、入り口の鉄扉がなくなっていました。
60歳で印刷会社の定年をむかえ、その後数年は嘱託で働いていたんですが、
年度いっぱいでそれも終わって、4月から完全な年金生活に入ったんです。
長い間の念願であったし、あれもこれもとやることを考えていたものの、
いざそうなってみると、もてあます時間というのはかなりあるものです。
家の中にいても家内にじゃまにされるだけなので、
ウオーキングを始めることにしました。どちらかというとわたしはやせ気味なので、
ダイエットというわけではなく、足腰の力を落とさないようにと考えたんです。
無理なく長く続けることが目標でしたので、早朝ではなく9時半から1時間ばかり、
万歩計をつけて家の周囲を歩くことにしました。
家は新興住宅地にあって碁盤の目のように区画が整備されており、通勤の時間帯を過ぎると
車も人もほとんど通らず、歩きやすかったです。
ウオーキングを始めてみると、いろいろと気づくことがありました。
例えば橋のたもとにとても大きなイチョウの木があったり、
住宅街の中に小さな金管楽器の修理店を見つけたり、あれっと思うようなことがあるんです。
そしてその向こう側に裏門が見え、そこも開いていたので、
中を通っていけば一つ向こうの道路にショートカットできそうでした。
駐車場には車は一台もなく、3つならんだコンクリ製の四角い建物のシャッターもすべて閉まっていて、
稼働しているようには思えませんでした。
とは言ってもね、1ヶ月を過ぎると少し飽きが出てきました。
遠出をすればいいのかもしれませんが、
1時間以内で帰ってこれる距離にはあまり面白いスポットがないんですね。
せいぜいちょっとした児童公園があるくらいです。
それで、せめてもと思って毎日歩くルートを変えてみたんです。
家の前は通常の道路で、右か左のどちらに行くか、それと右にちょっと歩くと縦に入っていく道があり、
家を出た段階で3方向の選択肢があります。それを毎日変えてみることで、
少し気分転換にはなりました。
あと、パソコンから町内の地図をダウンロードしまして、
すべての道を通って最短距離で家まで戻ってくる方法なども考えたんですよ。なにしろ暇ですから。
当然ながら一筆書きは無理なんですが、今日はこのルートにしようと暗記してから出かけると
それなりに頭を使ってボケ防止にもなりそうでした。そんなウオーキング中の出来事です。
その日は、縦に入る道を選んで、ここの丁目と隣との境界となる道路まで歩き、
少し歩いてから別の縦の道を折り返してみることにしました。
入っていくと、ああこの道は通ったことがない、とすぐにわかりました。
そこに入ってみたんです。1分もあれば抜けられそうだったし、人の気配もありませんでしたから。
真ん中の建物の前まできたとき、「チコッ、チコッ」という聞き慣れない音がしました。
分厚いシャッターごしに聞こえてくるようなので、もとはそうとう大きな音なんだろうと思いました。
それで・・・いらない好奇心を出しちゃったんですよ。
建物と建物の間が1mくらいのスペースになっていて、
音が聞こえてくる建物には低いところに窓があるようでした。
その隙間に入り込んで、窓から中をのぞいてみたんです。

50 :
こんなスレあっても百害だからさっさと潰してくれや

51 :
アホがこんなにたくさん書き込まなければ落ちる可能性あったんだけどね
ここまで伸びちゃったからもうムリぽ

52 :
「ぜったい変だ、これあつしじゃない」そう思って後ずさりしたんです。
するとあつしとナミのカレは顔を見合わせていましたが、
ナミの手を引っぱって車の後ろに押し込んだんです。
そのときナミが始めて不安そうな顔をしました。
ナミが空を指さして「あれ、UFOじゃない。ほら、あそこ」なんて言ったりしましたが、
わたしには何も見えませんでした。ふざけてるんだろうって思いました。
宇宙人なんていないと思うし、前からそういうところのある子でしたから。
カレたちも「どこどこ、・・・わからないなあ」って言ってましたよ。
それからナミがトイレに行きたいって言いだして、
トイレは公園内の200mくらい離れたとこにあるんだけど、
車に鍵をかけて全員で行くことにしたんです。

・・・ここから記憶があいまいなんですが、
警察に何度も聞かれたのでくり返し話しているうちにまとまったことを書きます。
トイレに行くまでに誰とも会いませんでした。公園に人の姿はなかった思います。
トイレに入ってたのは数分です。それからナミといっしょに出て、
繁みの陰で待っていたあつしたちと合流して車に戻ったんです。
車の後ろのほうから近づいてったんですが、たまたま変なことに気がついたんです。
車のナンバープレートってありますよね。あの数字が裏返っていたんです。
「マヅ ヒトリデイイ」あつしの顔をしたものがそう言うと、運転席に乗って車を急発進させました。
わたしは呆然と見ていたんですが、頭の上のバチバチいう音が大きくなって、
「ブーン・ブーン」といううなりに変わったんです。
急に頭が痛くなって、その場にしゃがみ込んでしまいました。
ほら、鏡に数字を映すと左右逆になってるじゃないですか、鏡文字って言うのかな。
あれになってたんです。
それでびっくりして「あー、このナンバー なんか変!」って叫んだんです。
そしたら前を歩いていたナミのカレが「ナニ、ドウシタノ?」と言ってふり向いたんですが、
その声が機械の声だったんです。よく自動朗読する機械があるじゃないですか・・・あんな声です。
それから目と口の中が青紫に光っていました。
頭の上の方で「バチバチッ」という聞いたことのない音がしました。
「えーっ!!」と思って、その場に立ち止まりました。
あつしもふり向いて「ヘンナコト ナンテ ナイヨネ」と言いましたが、
やっぱりその目と口も青く光ってて、青い豆電球をくわえているみたいでした。
それとカレの着ていたフライトジャケットに書かれたアルファベットも、
鏡文字になっていたと思いました。
ナミはいつのまにか自分のカレと手をつないでいて、
カレが変になってるのに気づいてないみたいだったんです。
「おい、どうしたの?何かあったのか」心配そうなあつしの声がしてわれに帰りました。
車のあるところまで戻ったと思ったのに、女子のトイレの前にうずくまっていました。
バチバチという音はまだ聞こえていました。
そのほうを見ると、電柱からトイレに引いてある電線の付け根のあたりから火花が出ていました。
ナミのカレが「ナミは?」と聞いてきたのですが、
「車に乗って行った」とも言えずどうしたらいいかわかりませんでした。

53 :
去年の秋のことなんですが、男女4人で心霊スポットに行ったんです。
心霊スポットといっても、幽霊が出るとかそういうところじゃなくて、UFOです。
UFOが飛ぶのが見られるとか、宇宙人の秘密基地が地下にあるとか、
そういう噂のあるところです。
もちろんそんなのは信じていませんでした。そこは山まではいかない、小高い丘になってて、
夜景がきれいだともいわれているんです。
だから心霊スポットを探索するというより、みんなで夜景を見に行ったようなものです。
『かたわ』差別用語ですが障害者の人を表現する事は知っていました。
でも私の地元ではそんなのお構いなしに日常生活で使います(部落やバカチョンなど)。さらに住職さんは続けます。
「お前たち、山の中で何かに会っただろう?それはな『片輪神』ちゅうもんだ」続いて当主達が口を開きます。
「片輪神はなあの山の神様だ。ここら辺で野菜や果物が獲れんのも、漁で魚が獲れんのも、ここの女が子宝に恵まれんのもあの神様のお陰だって言われてる。
ただ、多くの恵みをもたらすのは片輪神がとんでもなく祟る神様だからだ」
「5つの家は片輪神を昔からあの山に封じてきた。俺たちはその祖先なんだ。だから知らんが5つのうちどこかの家で死人が出るとその封じる力が弱まる」
「すると片輪神は山に姿を現すようになって、山に入った奴を連れていくか祟るんだ。お前たちは連れていかれなかった。そのかわり、どこかしらカタワになる」
同級生の1人が「何でそんなこと知ってんだよ」と聞くとA太のお父さんがこう答えた。
「49日が過ぎないうちに山に入ったのはお前たちが最初じゃない。昔から何人も入った。そして連れていかれなかった奴は皆カタワになってるんだよ。俺を含めてな」
そう言うとA太の父親は義手を外した。A太の父親は数年前船の機械に手を巻き込まれ、右腕を失っているのだ。
ただ、自分の父親が山に入っていたことを知らなかったA太は愕然としていた。
あれから20年近くが過ぎる。あの肥満体の下級生の遺体は今でも見つかってない。
10年前。残った下級生がガス爆発で手の指を失う重症を負った。
7年前。A太が次亜鉛ソーダが目に入り失明した。
5年前、同級生の1人が転落事故で右半身マヒとなった。
同じく5年前、もう1人の同級生が交通事故で左足を失った。
そして3年前の東日本大震災の際、私は津波に流されるも命だけは助かるも、一生車いすでの生活を余儀なくされた。
わたしと、カレのあつしと友だちのナミとそのカレの4人ですね。
そこは急カーブを連続して登っていくので、昔は族なんかも来ていたということでしたが、
今はまったくそんなことはなくて、カップルで来ている人が多いです。
それで、あつしの車・・・名前は忘れたけどホンダの中古のワゴンです。
それに乗って行って、頂上の公園付近の道路に停めて、4人で夜景を見てました。
時間は9時過ぎくらいです。初めてだったんですが、きれいでしたよ。
空も晴れていて、星もよく見えました。

54 :
ししゃものためになると思ってアホがやってる行動って、ことごとく逆効果なんだよなあ
アホは自重したほうが彼女のためになるのにね

55 :
気が付くと誰かに頬をペチペチと叩かれる感触を覚えました。
町の消防隊のお兄さんでした。「おい!大丈夫か!おい!」
私はハッと気が付きました。辺りを見回すとあの石碑がある場所。
あの得体の知れない人物たちはもういませんでした。
いるのは私と消防隊の人たち数人。そしてA太とクラスメイトの男子2人。そして下級生1人だけ。
「あれ?」と思いました。いくら周囲を見回してもあの階段でヒイヒイ言ってた不満体の下級生がいないのです。
そこに私の父親とA太の父親がやってきました。
私が何か言うのを待たず、父親は私の頬を思いっきりぴっぱたき、次の瞬間泣きながら私を抱きしめました。
父親が泣いたのを私はそこで初めて見ました。あとは問答無用で全員公民館に連れられものすごい時間をかけてお祓いを受けました。
お祓いが終わると私の父親を含めた各家5人の当主達と住職さんが別室で話し合いを始めました。
私はこっそり聞き耳を立てると住職さんが「これでも祓えたかわからん」と言っていました。
道は続きどんどん歩きます。まだ3時過ぎだというのに薄暗く不気味な雰囲気でした。
すこし疲れたので休憩を提案しました。皆そこらへんの岩に座り、ジュースを飲んだりお菓子を食べたりしました。
私も桃の天然水を飲んで一休み。すると同級生の1人が「なにか言った?」と聞いてきました。
「何も言ってないよ」私がそう答えると同級生は不思議そうな顔をしました。
重い静寂が場を支配していました。休憩も終わり、先に進んでみようとした時。
私の背後で鈴の音が聞こえました。私がバッと振り向くとそこには何もいませんでした。
でも感じたことのない不安と恐怖が私の心にハッキリと現れたのを今でも覚えています。
どんどん進み、大体感覚で4〜5キロ歩いたところで道は途切れていました。
そこは少し開けた場所でお社がポツンとあるだけの場所でした。
同級生の1人が「ここで終わりだ。もう何もない。結局なにもなかったな」と言い、引き返すことにしました。
でも私はずっと不安と恐怖を感じ続けていました。得体の知れない何かにずっと追いかけられているかのような、見られているかのような。
空を見ると薄暗くなり、私は「もういいだろ。帰ろう」と提案しました。
他の5人も何かしら感じたのか神妙な面持ちで同意してくれました。
そして私たちは岐路についたのです。時刻は5時過ぎ。3月の空はどんどん暗くなります。
しばらくして私は違和感を覚えました。どんなにどんなに歩いてもあの石碑がある場所に辿り着かないのです。
そのうち強がってた下級生の1人が泣き出し始めました。他の皆もものすごく不安な顔をしているのが手に取るようにわかりました。
正直、私も泣きたかったです。
しばらくすると今度は見たこともない場所に辿り着きました。広い場所。その先は行き止まりです。
すぐさま引き返します。でも道は一本道。間違えようがありません。またしばらく歩くとあのお社。
全員混乱します。そして逆の道を行きまた広い場所。同級生が「もしかして遭難したんじゃいのか俺達!?」と叫びます。
でも遭難なんてありえません道は一本しかないのですから。皆、半狂乱、パニック状態に陥りました。
自分たちがとんでもないことをしたんだと実感し始めたころ、A太が話しかけてきました。
「なあ、お社とあのバケモンがいた場所を行き来しても注連縄なかったよな?」
確かに。あの逆だという注連縄はあれから一度も見ていませんでした。
そこにドタドタドタとすごい勢いで誰かがやってきました。あの肥満体の下級生のお母さんでした。
「うちの子は!?うちの子は帰ってないの!?」
その大声に5人の当主と住職さんが飛びててきました。あの子の母親は私たち子供の顔を見て察したんでしょう。
「何故行った!?Dのとこのおばあさん死んで49日経ってないのに何で行った!?返せ!!うちの子を返してよ!!!!」
ものすごい見幕で怒鳴られました。それこそ殺されそうな勢いで。ありったけの恨みの気持ちが伝わってきました。
それから5人の当主と住職さんがあの子の母さんを何とか落ち着かせることに成功し、我々に全てを告げられました。
「お前たちは…恐らくこの先『かたわ』になる」

56 :
私が小学校6年生の頃でした。
私の学年はクラスは1つしかなく、男子8人、女子8人の合計16人でした。
その中にA家の息子のA太。Cの家の娘のC子(初恋の相手でした)。そしてE家の息子の私がいました。
3月の上旬、D家のおばあさんが亡くなり、大人たちが私を含めた子供達に『49日過ぎるまで山に入るなよ』と忠告します。
何度も経験してましたが、ある日クラスメイトの1人が『49日が過ぎないうちに山に行ってみないか』と提案しました。
私の故郷は東北地方のM県の沿岸部。海と山に囲まれた自然豊かな場所です。
でも恐ろしい部分の秘めていました。私の生まれ育った場所は5つの集落からなる小さな町です。
それぞれの集落にリーダー的な立場にある家が一つずつあり(A、B、C、D、E家と表記します)、私はその中の一角、E家の一人息子でした。
A家の家紋は『扇』の紋B家の家紋は『亀甲』の紋C家の家紋は『霞』の紋
D家の家紋は『井筒』の紋そして私の家、E家の家紋は『藤』の紋です。
みなそれぞれわかりやすい形の家紋になっています。そして私の町には『奇妙な場所』と『不思議なしきたり』があります。
『奇妙な場所』とは学校の裏山でした(以降、山と呼びます)。長い長い石の階段を登った先に大きな鳥居があります。
鳥居を通るとそこに石碑のようなものがあり5つの家の家紋と何らかの文字が刻まれていました(文字は昔の言葉であり何て書いてあるのかわかりません)。
その奥には鬱蒼とした山道が続いています。
そして『不思議なしきたり』とは『5つの家で誰かが死んだ際、四九日が過ぎるまで山に入ってはいけない』というしきたりでした。
ずっと『してはいけない』と言われつづけたしきたりを破りたいという冒険心がいつしか芽生えたんでしょう。私もそれに勝てませんでした。
私とA太と2人の男子、下級生の男子3人。合計7人で山に行く事にしました。
親に内緒で学校が終わってからおやつを買い、学校の校庭に集合。全員がそろったところで出発。この時点ではハイキング程度にしか考えてませんでした。
長い長い石の階段。私はひょいひょいと登ってましたが、肥満体の下級生がヒイヒイ言ってみんながそれを待ちつつ進む感じだったので登りきるまでに15分程かかりました
そして階段を登りきると大きな鳥居。それをくぐった瞬間。
ギャア!ギャア!ギャア!ギャア!ギャア周囲のカラスが一斉に不気味に鳴きながら羽ばたき、皆ビクッとしました。
そして雰囲気というか空気がガラッと変わったのを覚えています。弱虫の下級生の1人が泣き出し帰宅。
残るは6人。すこし歩くと家紋が刻まれた石碑がある場所に到着しました。
何かに見られているような感覚を覚え、私は山に来たことを後悔していったのを覚えています。
さらに山道を歩き、しばらくすると道の左右に一際大きな杉の木が生えていて、その杉の木を繋ぐかのようにすごく古びた注連縄が飾られていました。
その注連縄は結構な太さと長さで、私は少し感動しました。
すると隣でA太が注連縄を見ながら何かを確かめるような動作をしてました。
私が「どした?」と聞くとA太が「あれって逆じゃない?」と言いました。
逆?わたしが何が逆なんだと聞くとA太が「結ってる方向」と答えました。
そう言われながら見ると確かに違和感を覚えました。確かに他の場所にある神社の鳥居にある注連縄とどことなく違うような。
「結っている方向が違うとどうなるんだ」と質問するとA太は「そこまではわからない」と返されました。
道はその向きが逆だという注連縄が飾られた2本の杉の木を挟んでまだ続いていました。

57 :
「赤黒い・・・渦巻きですか」俺が答えると、「そうじゃなくて、白く残ったとこ。人の顔に見えない」
そう言われると、おかっぱの女の人、いや子どもかもしれない横顔にも見えました。
「あんたたち、さぼってないで描きなさいよ」と、西田先生が言いましたが、
目は笑ってました。俺が「でも、あれ」と下の岸のことを指さすと、
西田先生はいぶかしそうにそっちを見てましたが、
「何か変ねえ。ちょっと行ってみようか」と俺らをふり返ったんで、4人で階段を下に降りて行きました。橋を越えて岸の近くまでくると、
「おい何描いてる?」とダチの一人が後ろから声をかけましたが、ふり向きもしませんでした。
肩越しに絵筆を握った手がフルフルと震えているのがわかりました。
それから、岸の描いてるとこは上からはただの斜面に見えたんですが、
土がくぼんで1mくらい掘れたような形で草が生えてました。
「・・・ここ、昔は防空壕があったって話よね」西田先生が言いました。
岸の背後までくるとヒザの上のスケッチブックが見えました。
西田先生が息を呑む音が聞こえました。
スケッチブックは鉛筆の下書きの跡もなく、四隅からどぎつい赤紫で塗られ、
中央の部分だけ白く残ってましたね。
パレットには絵の具の赤、黒、青がチューブ全部絞り出されてました。
「おい岸、何やってんだ」声をかけてもこっちを見ようともしないので、
前に回って驚きました。
目が完全に据わって血走ってるんですよ。
ダチが肩に手をかけて揺さぶっても、
絵筆を持った手を宙に浮かせたままでガクガク揺れるだけです。
西田先生はじっとスケッチブックをのぞき込んでいましたが、
「あんたたち、これ何に見える?」と聞いてきました。
「すごい絵ね。念が入り込んじゃってる」西田先生はそう言うと、
目を半眼のようにして岸の正面の草のほこらを見ていましたが、
すっとしゃがんで岸の絵具箱から余ってた細筆を取ると、少しだけ水をつけて
慣れた手つきで何かを描き始めました。
それは・・・輪郭だけの仏像、今にして思えば観音像だったと思います。
西田先生がそれを描き終えたとたん、
岸が目をつむり体育座りのまま横にコテンと倒れ、
脇に落ちたスケッチブックを素早く西田先生が拾い上げました。
「ん、ん、ん」とうめいて岸がゆっくり起き上がり、「あれ・・・俺、何してた?」と呆けたような声で言いました。
「ちょっと陽気にあたったみたいだったよ」と西田先生が答えましたが、
実際は雪国のここらはまだ肌寒いくらいでした。
「俺のスケッチブック・・・」と西田先生が小脇に抱えているのを見て岸が言いました。
「少し濡れたみたいだから、特別に新しいのをあげる」西田先生はそう言って、俺らに向かって目配せをしました。
それから皆で上に登り、先生方の本部になっている公園の休屋に行って、
岸は先生のスケッチブックをもらいました。「さっきのとこはもう行かないほうがいいよ。あの手すりから下を見て描いてごらん」
俺とあと2人のダチはもう最初から描く気はなく、
木の陰の芝生になったところに寝そべって、30分くらいゲームの話とかしてました。
ただ教師がずっと巡回してて、スケッチブックが白いままだと注意されるんで
全く何もやらないわけにもいかず、鉛筆で殴り書きのようなことはしてましたね。
その場所からは下のお堀と街路が見下ろせるんですが、
何気なくそのあたりを見てると、同じクラスの岸ってやつが、
端を渡ってお堀の向こう側に行って、体育座りで膝の上にスケッチブックを置いて
夢中になって絵を書いてるんです。
意外だな、と思いました。普段からそんなに真面目なやつじゃないんです。
むしろこんな機会ならいちばんにサボるのが定番なんです。
それと意外というか変だなと感じたのは、スケッチって普通景色を描くもんでしょ。
それが岸のやつはすぐ目の前にある雑草の生えた斜面のほうを向いてて、
しかもまだ絵の具は出さないはずなのに、絵筆で色をぬってるようなんです。
「おい、あれ何やってるんだろうな」「草を描いてるんじゃないか。緑と黄緑だけ使って塗りつぶせば楽だし」「にしても、いやに熱心だよな」
こんな話をしていると、こっちに西田先生がやってきました。
この西田先生というのは、教師ではなくて地元の女流画家なんです。
新聞の挿絵とかも描いてたし、なんとか展覧会にも入選したという地元では有名な人で、
好意で俺らの学校の美術の時間にときどき来てくれてました。当時60過ぎてたと思います。

58 :
中学校2年のときのことです。
最近はそうでもないみたいだけど、昔はいろんな学校行事があったんです。
マラソン大会とか鍋っこ遠足とか・・・今もやればいいのにと思いますけどね。
で、写生大会というのもあったんです。
中学校の近くに城址公園があって、歩いて20分くらいです。
2時間授業をしてから体育着に着替え、2年生の4クラスが組ごとに並んでそこへ行きます。
スケッチブックと絵具箱、あと弁当を持ってです。
午前中2時間でスケッチをして昼を食べ、午後2時半くらいまでで色をつけて完成させる。
そんな活動でした。
でもケンちゃんの中は頑丈で立ち上がることができません。
そのまま前のめりに教卓から落ちました。頭が床にあたるボコッという音が聞こえました。
着ぐるみの詰め物がなければ大ケガをしていたかもしれません。
そのまま床の上で、机やイスを弾き飛ばしてのたうち始めました。
「あじ、あぶう、あぶあ、あぶういい」と叫んでいるように聞こえました。
もし着ぐるみごしでなければ「熱い」と言ってたんじゃないかと思います。
あわてて湊先生が駆け寄り、
山田君のうつ伏せの足の上に載って強く背中を押さえ、ジッパーを開けようとしました。
びびびっという感じで、ジッパーの横の布が大きく裂けました。
そのすき間から両脇をすくうようにして山田君を抱き上げました。
山田君は小さかったのでひっかからずに出てきましたが、そのときにはぐったりとしていました。
外面的なケガはなかったのですが、頭を打っているので先生が保健室に連れていきました。
とくに大したこともなかったようで、次の日からも登校してきたはずです。
湊先生はまもなく、みんなにお別れを言って学校を去られました。
そして春休みに入り、町のある地区で大きな火災が起きました。
十数件の家が燃え、死者が二桁にのぼりました。
その地区はごちゃごちゃした木造の家屋が密集しているところだったので、
被害が大きくなってしまったのだと思います。
その死者の中には山田君も入っていました。家族全員が亡くなったと記憶しています。
・・・これで私の話は終わりです。
俺は美術は得意でも好きでもないし「カッタルイなー」とか言いながら出かけましたが、
普通の授業よりははるかにマシでした。
クラスで仲のよかった3人ぐらいとずっとダベってても怒られる心配はないからです。
これって3年生には難しいですよね。
だからみんな「戦争がなくなってほしい」とか、同じようなありきたりの内容だったと思います。
一人が10分くらい入ってて、3人が体験すればだいたい45分授業は終わりました。私ももちろん入りましたよ。すごい窮屈だったのを覚えています。
ケンちゃんは、外側はふわふわですが、中の布は固くて身動きがとれませんでした。
特に顔のまわりは詰め物が厚く入っているようで、みんなの声が遠くでしているように聞こえました。
それから、目などの穴が空いているわけではないので外は見えず、息も苦しかったです。
みんなが願いごとを言ったら、ウンウンとうなずくことになっていました。今から考えれば意味があるような、ないような授業ですよね。
もしかしたら学校の管理職に聞こえたら止められたかもしれません。
でも湊先生がいたのは短い期間だったし、保護者の間で問題になることもなかったと思います。
3月になって、もうすぐ年度が終わるというときでした。湊先生と過ごす最後の週に、またこの授業がありました。
その時間に3人がケンちゃんに入ると、クラス全員が体験をすることになります。
最後に入ったのは山田君という子で、男子の出席番号の最後尾です。
その子は、こう言ってはなんですがとても勉強のできない生徒で、ほとんどものをしゃべらず友達もいませんでした。
表立ってイジメられているというわけではなかったと思いますが、遠足などの班を決めるときに
最後まで残ってしまうような子だったんです。着ているものもいつも同じで、不潔な感じもありました。
その子がケンちゃんに入って、みんなで「この世の差別がなくなりますように」
と言ったとき、急に山田君が「うーっ」と叫んで立ち上がろうとしたんです。
ツツジ祭りというのに合わせてやってたので、時期は5月だったと思います。
城址公園はそれほど大きくないお堀に囲まれてました。
少し坂を登ったとこにある広場で、150人の生徒が思い思いの場所に散らばり、
自分の書きたい風景を見つけてスケッチブックを広げました。
平日なので一般のお客さんは少なかったですね。

59 :
大量書き込みで注目度が上がってきたところなので、佐々木桃華ちゃんの最高の作品、にゃんコレを紹介しとく!
かわいすぎる笑顔、癒されるぜ!

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60 :
授業はあまり上手ではなかったと思います。慣れていないというか・・・
田舎だったので、産休の講師がおらず急になられたせいかもしれません。
体育の時間などはジャージに着替えておられましたが、
かなりとまどってる感じがしましたね。
それで、週一回学級活動の時間というのがあったんですが、
その内容がかなり奇妙なものだったんです。
さきほど話した牛のヌイグルミですが、座った形をしていて、
かわいいというよりリアルな感じの顔でした。
・・・何か考えこんでいるような顔といったらいいか。
もしかしたら先生の手作りだったのかもしれません。
大きさは小学3年生が座るより大きいくらいです。名前は・・・湊先生は「ケンちゃん」と呼んでいました。
どういう字を書くのかはわかりません。
小学校の3年のときの話です。
だから記憶があいまいなので、今、卒業アルバムを見ながら書いています。
クラス替えがあって、最初の担任が30代前半くらいの女の先生でした。
名前は北見先生です。卒業アルバムは当然ながら6年生のときの写真が中心なんですが、
その先生方の集合写真の中に顔が見えます。転任されていなかったのでしょう。
この先生は最初の9ヶ月くらいいて、それから産休に入られたと記憶しています。
代わりの担任として、湊先生という若い女の先生がこられました。冬休み過ぎ、3学期のことでした。
いえ、学級崩壊などといったことはありませんでした。わりとおとなしいクラスだったと思いますよ。
新しい先生に反発したということもとくにはなかったと記憶してます。
この湊先生は今にして思えばかなり変わった人でした。
骨は白く乾いてて、頭の部分に小さな字がたくさん並んでいて、
その最後にやや大きく、普通の字で「しね」って書いてあった。
・・・三田の最後っ屁だったんだな。家を訪ねてくるやつに罠をかけたんだと思う。
次が洋間になってて、祭壇があったはずだ。
ドアを開けると衝立があって、そこを曲がって入ると祭壇が目の前にある。
仏教系なんだろうな、前に見たときは鐘や木魚なんかも置いてたが、
今はただホコリが積もった白い布がかけられてあるだけ。
で、その前に押入れほどの巨大な仏壇。これはさすがに処分できなかったんだろう。そのままの形で残ってた。
どうせ空だろうと思ったが、閉まってた扉を開けてみた。
ぶわっとホコリが舞った。中の板仕切りのようなのが叩き壊されて下に山になって落ちてた。その奥にキラと光るものがあった。
板をかきわけて拾いだしてみると、高さ20cmばかりの仏像だった。
俺にはお釈迦様なのか観音様なのかもわからん。
暗い中でもキンキラに輝いて、ずっしりと重い。まさか金なのか、まさかな・・・
メッキかもしれないが、骨董屋に持ってくくらい安いもんだと思ってゴミを払ってバッグに入れた。
とたんにドーンと雷が落ちたような音と振動を感じた。それだけじゃなく、部屋全体が真っ赤に見えた。
仏壇の奥から何か白いものが出てきた。這いずっていて小さい。赤ん坊というより胎児だ。
それが固まったように動けないでいる俺の前まで出てきたんだ。
てらてらした白い背中にまわりの赤い色が映ってた。蛙の顔をしていた。
それが急に素早いトカゲみたいな動きになって俺の手から肩に跳び移ってきて、
顔の横で「くえあ」と鳴いた。
・・・そっから記憶がないんだよ。気がついたときには兄貴分に肩を抱えられていた。
俺が出てこないんであちこち探してくれたらしいんだ。
そしたらここの電話番号のメモが机に残ってて、
探しにきたら部屋の隅で膝を抱えて小刻みに震えてる俺がいたってことだった。
兄貴から日付を聞いて愕然としたね。ここに入ってからなんとまる2日もたってるんだ。
仏像はどうなったかって?ああ、それだよ。バッグを開けたら中に入ってたのは
バラけないように
あちこちヒモで縛った小さい小さい人骨だった。胎児の骨だと思う。仏像なんてどこにもない。
さあなあ、俺を狙ったとは思えないが。
恨まれるようなことはしてないし、世間のやつらが憎くて誰でもよかったんじゃないか。
それにしても、こういうことって実際にあるもんだとは思わなかった。
何というか、宗教家としての力はあったってことなんだろうな。
それから三田のゆくえは探してないし、俺もしばらくして闇金をやめた。
低学年の担任はジャージを着ていることも多いと思うんですが、いつも白いスーツで来られていたんです、
小さい子ども相手で汚れることも多いだろうに。それから、教室に大きな牛のヌイグルミを持って来られていました。

61 :
それで気になって家まで出かけてみたんだ。いやいや、惚れてたとかそうじゃないって。もうババアだぞ。
三田が教団の本部にしてた家が自分の持ち家で、何かおいしい話が転がってないか、
そういう下心はあったけどな。で、上司には内緒で夕刻に行ってみた。
宗教団体の目立つ看板はそのままだったが、サラ金の紙が貼られたままになってた。
古い一軒家なんだが、簡単に売れるとこでもないし借地なのかもしれない。
草ぼうぼうになった庭を入っていって玄関でインターホンを押したが誰も出ない。
ああ、逃げたんだろうなと思った。田舎にでも帰ったか。
閉まってるだろうが、ためしにと思って戸に手をかけたらカラッと開いた。
んで入ってみたんだよ。違法だろって?まあな。
中は民家というわけじゃなくて、宗教団体時代のゴテゴテした飾り・・・垂れ幕とか
よく知らないが梵字の書いた掛け軸とか・・そんなのがあちこちにあった。
電気も止まってるようだし、薄暗くて不気味だったよ。部屋を順々に見ていったが、金目のものはなさそうだった。
え、自殺してるとか考えなかったかって?ないない、ないよ。そんなやつじゃない。
確かにガサ入れ食らってからは覇気もなんもなかったが、そんなタマじゃない。
ずいぶん昔のことになるけどな。闇金の取り立てをやってたんだ。
まあ今みたいにすぐ弁護士が出てくるようになる前のことだ。
で、ある客のとこに取り立てにいったときの話。
するとそのときです。ガクンと列車が揺れ、ギィーッという長いブレーキ音ととに停止しました。
私はずいぶん長く鉄道を利用していましたので、これは何か事故があったんだなとわかりました。
その人にもわかったようで、
額にしわをよせて、「飛び込みでしょうかね」と言いました。
そのあとでそわそわとした様子になり、「ちょっと見てきますね。野次馬趣味でお恥ずかしい」
そう言って、荷物を持つと前の車両に移っていきました。
席を立つときに、その人はつぶやくように歌うように「しかぞなくなる」と言ったんです。
・・・それからもう戻ってはきませんでした。
前の車両に席を移して、そのままどこかで降りられたのかもしれません。
列車は動き出し、私はいつしか眠ってしまいまして、気がついたら朝になっていました。
これだけの話です。・・・「しかぞなくなる」というのは、
万葉集にある「世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る 山の奥にも 鹿ぞ鳴くなる」
という和歌のことではないかと、だいぶ後になってわかりました。
いや、俺らはサラ金とは違うからフツーは客の家に行ったりはないよ。
電話催促だけで、紙貼ったり家の前で怒鳴ったりなんてことはしなかった。
特に利息分だけで元金超えてる客に関しては。
そんときの客は三田って40過ぎくらいの女だった。
もともと知ってる女でね、新興宗教の教祖みたいなことをやってたんだ。
その頃は羽振りもよくて、闇金屋と客っていう関係じゃなかった。
ちょっと世話になったりもしたんだ。
ところが未成年の信者の親が警察に不法監禁で訴えてガサ入れがあり、
そんときに覚醒剤とかも出てきてしまったんだよ。実刑にはならなかったがな。
で、教団のほうはおじゃん。それでもしばらくは蓄えた金で生活してたが、
先物とかに手を出したらしくスッカラカンになりサラ金に金を借りた。
それが返せなくってブラックリストに載り、俺らのとこに来たわけだ。
俺が店にいたら止めとけって言ったんだが、ただの取り立て係だしな。
金は5万、端金だろ。それでも最初のうちは利息払ってたから元金分は回収してあるし、
あとは督促の電話に出なくなったらそれで終わり。
どうせ違法商売だしね、ありえない利息を払い続けられるやつなんていない。
腐ったミカンを奪い合うような商売なんだ。
むしろ訴えられるとかのトラブルのほうがヤバイんだよ。
三田の場合は利息が入らなくなって連絡して、いやいや、優しく話したつもりだよ。

62 :
注目度じゃなくて話題度だったぜ!
ひとりじめは個人的にはにゃんコレより使える作品!

http://www.kurokawa707.com/archives/15925.html

63 :
その人は、「ここ失礼します」と言って座り、
風呂敷包みは網棚に上げずに横の席に置きました。
様子を見ていると、「失礼ですが、どのようなご商売ですか」と、
向こうのほうから話しかけてきたんです。
それは柔らかな、笛か何かを思わせるような声でした。
それで、問われるままに行商のこと、旅のことなどいろいろ語りました。
お酒が入っていたせいか、自分でもびっくりするほど饒舌になっていました。
見ていたのは数分程度のことでしたが、長く感じました。
ああ、たしかに酒は飲んでいましたので、幻を見たという可能性はありますよ。
ただ、話には続きがあるんです。
列車はまもなく出発して次の駅に着きました。
そこで私たちの車両に乗り込んでこた客が一人いたんです。
中背の勤め人のような背広を着た、40代くらいと思える男の人でした。
大きな風呂敷包みを抱えていましたね。

その人が、席はガラガラに空いているのに、私の前にきて座ったんです。
ほら昔の車両ってのは、向かい合った4人がけの席になっていることが多いでしょう。ただ、その人の後ろに何か動くものがありました。
鹿です。大きな鹿がたくさん、その人の後をついて歩いてたんです。
鹿は、みな一様に首をうなだれてとぼとぼと元気のない様子でした。
不思議なことがあるものだな、と思いました。
鹿を飼っていて慣れているのだろうか、
神主の格好をしているのはどこかの神社で飼っている鹿なのだろうか・・・

ところがですね。その鹿の群れがだんだん列の後ろにいくにつれて、
別のものに変わっていったんです。夜の中で黒ぐろと見えていた鹿の地肌が、
だんだん白くなっていった。
あれっ、と思ってよく見ると・・・四つん這いの人間です、まる裸の。
鹿と人間が混ざったようなのもおりましたよ。背中だけ毛皮が生えているようなね。
列の後部のほうはまるっきりの人間でした。男も女もいましたね。
裸で尻を高く上げた四つん這いで、頭を垂れて歩いていました。
その向かい側の席です。そのとき、その人の顔を見て驚きました。
さきほど林の中で異形の鹿の群れを連れていた神主とそっくりなんです。
あの・・・狩衣というんですかね、それと背広という違いはありましたが、
まったく同じ人だと思いました。
その人のほうはと言えば、
自分のことはほとんど語ることなく聞き役に徹していましたよ。
いや、今にして思えば上手な聞き役でした。
私は子どもに死なれたことや、それが原因で妻と別れたことまで話してしまったんですから。
その人は私の話をひととおりり聞き終えると、改まった感じで「わたしと一緒にきませんか」
というようなことを言ったんです。
どういう意味かはわかりませんでした。
もしかしたらさきほど林の中で見たことと関係があるのか、とは思いましたが。

64 :
夜の10時頃だったでしょうか。私は商売柄、列車の中で寝るのは得意だったんですが、
その日はどうしたわけか寝つけなくて、
4合瓶をちびちびやりながら窓の外を見てたんですよ。
他の乗客はわずかしかおらず、ほとんどの方は眠っていました。
季節は夏の終わり頃で、まだ列車の天井では扇風機が回っていましたね。
急行待ちのアナウンスがあって列車が停まったのは、線路脇に芒(すすき)、
その向こうは雑木のまばらな林となっているところでした。
もうずいぶん昔のことです。そのころ私は、和服の行商をしていましてね。
いや、荷を担いで廻ってたわけじゃありません。
訳が分からなくなりましたが必死で頭の中で「御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい」
身を起こしたままで目を開けたまま後ろ=窓際を振り返えようと力腰にひねる力を入れた瞬間に金縛りに遭いました。
その後金縛りに習慣的に遭うようになるんですが、初めての金縛りだけは違っていました。何と言うんですかね「恐怖の感情を首の後ろから瞬時に注入されて即時に体に広がる感じ」です。
習慣的になった金縛りは、足から感覚が抜けていき、次第に体の上まで徐々に動かなくなります。最後には歯の麻酔をしたときのようにブツブツと歯の神経が切り離されていく感じで終わります。恐怖は感じません。
しかしその時は何も見てない状態「恐怖の対象が何か認識してない状態」で一瞬にして体の自由が奪われて恐怖に体全体が支配されたんです。
と頭の中で繰り返したところ恐怖が体の中から消え去り体が動くようになったのを「何故か」把握しました。
お調子の者の私は何でか安堵と言うよりは、何故か腹が立ってしまい、もう一度背後を振り替えようしたんです。「と力を入れた瞬間にまた体が動かなくなり」恐怖で再び体と感情が支配されました(アホや私)
「あいつ」は私と繋がり、私の精神を読み取っていたんです。私を「向こう側から」覗いていたんです。
「御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい」WWWW
情けなさと共に再び力が戻った私は、今度は振り返ることなく立ち上がることが出来、
母に金縛りに遭った事を伝えると心配どころか本当のアホ扱いされました。
カタログ販売です。むろんインターネットも携帯電話もない頃でしたから、
本社からその県のね、拠点となる場所に商品を送ってもらって、
私はカタログを持って小さな集落を廻って歩くんです。
一軒一軒を訪ねて注文があれば代金をいただいて品物を送らせる。
今にして考えれば悠長な商売ですよね。のんびりした時代だったんです。
移動は、経費節約のため鈍行列車を使うことが多かったですよ。
集落に入ってからは、自転車を調達できればそれで、なければ徒歩で回っていました。
たいした給料ではありませんでしたが、
いろんな場所へ旅から旅の生活は楽しかったですよ。
ああ、すみません。前置きが長くなってしまいました。
夜行列車に載っていました。もちろんローカル線の各駅です。
当時は鉄道も単線の区間が多くて、急行列車を待つために駅でもなんでもないところで
数十分くらい停車しているということがよくありましてね。
ぼんやりと見ていると、その林の中をですね。白いものを着た人が歩いていた。
暗くってはっきりとはしませんが、烏帽子のようなものも被っていました。
つまり神主さんの格好ですよ。
そういう人が20mばかり離れたところをゆっくりと歩いている。
その人がちらと、こちらのほうを見て、
そのときに顔の造作が車窓からの光で見えたんです。
いや、何の変哲もない中年男の顔でしたよ。

65 :
中学になった私はある事情で虐めにあう事になりました。クラスの女子からバイキン扱いというテンプレなアレです。
男子にはあまり伝播しませんでしたが中には2チャンネルに出てくるコウトのような嫌な奴も居るんです。
結局虐めは中学2年の終わりまで続くことになるのですが、その中で数度、虐めにやり返したことがあります。
今思えば、子供の社会と言うのは大人の世間体とあまり変わらないんですね。だから底辺の私が逆らうと
その人は私に恥をかかされたことになるんです。因果応報もへったくれもありません。
虐めは辛い物でしたが学校は休まず通っていました。そんな中で事件は起きたんです。
夕飯に呼ばれてキッチンに向かうと必ず出るんです。髪の長い女の人が。
子供部屋の入り口のドアの正面は、お仕置きにも使われた半畳の物置スペースなのですが、そのドアの表面から、
すっと女の人が湧いて出て3尺の廊下をまたぎ子供部屋に音もたてずに入っていくんです。
私の話をしようと思います。これは私が初めて金縛りに遭った時の話です。
私と言えば幼少のころから実家には私にしか見えないお化けが出ました。そういったものが怖いという考えすら持ってなかった頃から見えていました。
当時の実家は平屋建てで北入り玄関。向かって左が8畳キッチン。その奥が8畳和室+広縁の子供部屋
向かって右が水回り、その奥が両親の寝室で8畳和室。一番奥が寝室と続き間になった座敷で
8畳和室+広縁。つまり座敷ぶんだけ南側に出ている形の家でした。
一番奥の座敷から玄関までまっすぐの廊下が伸びており、キッチンに行くには家南の端から玄関までの北端まで歩く格好になります。
東京の赤門近くの病院で父と知り合った母は免許はありましたが、結局還暦超えても紙ドライバーで車は父の運転する一台のみ。
その後の記憶は途切れ、目が覚めたら私は母に抱かれていました。
母との約束を憶えていたので、あの男の子のことは口にしませんでした。
見た事の無い人たちが沢山いて、すごく慌ただしい雰囲気だったせいもあったと思います。
その年のお盆に本家を訪ねた時には、何の異変もありませんでした。
○●お姉ちゃんや他の従姉妹達と一緒にホラー映画のDVDを見て楽しかったです。
あの日の記憶は一体現実だったのか、それとも夢だったのか、確かめる術はありません。
いつか○●さんに聞いてみたいような、そうしてはいけないような、不思議な気持ちです。
今にして思えば、母と、もっと沢山話をしておくべきだったと、そんな気もしています。
さて、取るに足らない昔話、お付き合い頂いた皆様に感謝致します。有り難う御座いました。
他の投稿者さまの邪魔にならなければ良いのですが。
TVは座敷のみで、TVや車が複数台有るというのは当時で言えばブルジョワでした。そんな時代の話です。
仕事を手放さない母は兄が生まれても1週間で内職を始める元気人間で、一度も髪を長く伸ばしたことがありません。
私「今女の人が子供部屋に入っていったよ」父「誰も居ないじゃないか」私「うん、誰も居ないね」
水曜スペシャルの心霊モノを見た日はトイレに行けなくなるほどビビりだった割には実物を見ても怖いとは
感じてませんでした。唯一気になったのは決して顔が見えないという事くらいでしたね。
こんなやり取りをしながら平和に育った私は中学生になりました。
休日の私はいつも昼近くまで寝てるような子供で、晴天にも関わらずその日もいつも通り昼前になって母に「いい加減起きろ」されました。
兄弟は上と下に居て3人で子供部屋を使っていましたが、私の寝床は広縁。つまり窓際だったんですが、
いつも通りめんどくさそうに体を起こすと私を呼ぶ声が聞こえたんです。

66 :
靴を脱いで廊下を歩いている彼女は何故かボンヤリした表情。
その後ろを小さな男の子が歩いています。
まるでその顔が彼女のお尻にぴったりくっつきそうな距離。文字通り「異様」。
一体あの子は誰だろう?何であんなにくっついて歩くんだろう?
今まで見た事のない男の子は、従姉妹が手伝いを始めてからもその後をついて回りました。
私の視線を不思議に思ったのか、母は私を勝手口から庭に連れ出しました。
「藍、さっきからずっと○●ちゃん見てるよね。何が見えてるの?」
「○●お姉ちゃんの後ろをね、小さな男の子がついて廻ってるの。帰ってきてからずっと。」
「その男の子、どんな格好してる?着物?それとも洋服?」
「洋服だよ。黒い服。靴も黒いよ。ピカピカで。」
今回はかなり時間のかかるお仕事を手伝っておりまして、まとめの方で頂いたコメントに返信するのが精一杯でした。
一昨日帰ってきて、昨夜こちらを覗いたら書き込みが沢山あって嬉しかったです。
みんなテトラポットって分かる?
海岸でよく見かけるヤツ三菱のマークの形に似たコンクリート
船虫がいるよね
去年といっても3年前になるんだけど
8月某日に花火大会があって隣町の海岸がよく見えるということで家族で見に行ったの
海岸に着くと砂浜にはたくさんの人たちが風呂敷を広げて打ち上がる花火に注目していました
私たち家族も場所をとって見ていました
海岸沿いにあるテトラポットの上に座って見ている人たちも大勢いました
私が姉と悲鳴がした辺りまで走って行くとテトラポットの周辺に人集りが出来ていました
あまりの人集りに何が起きてるのか分かりません
数分後にパトカーがやって来て警官が出てくると第一発見者と思われる人が警官に早く早くと急かします
何とテトラポットの下に死後数ヶ月は経とうかという男の人の死体があったのです
死体には船虫がウヨウヨと集っていました警官が警棒で突くと
ザァー…と船虫が一斉に散らばり近くにいた人たちが悲鳴をあげてその場から放れます
私たちは気分が悪くなり、両親に今の出来事を話し、すぐ家に帰ることにしました
今夜は私の経験を書かせて頂きます。確か小学6年生のことです。私と母は小正月の行事のために、本家に手伝いに行きました。
母や叔母たちが繭飾りを作るのを手伝って、とてもウキウキした気分でした。
そうこうしている内に、高校生の娘さんが部活から帰ってきました。
彼女は私の従姉妹、本家の娘さんでとても綺麗な人です。
私は彼女が大好きだったので、すぐに玄関に迎えに出ました。
言葉を失うというのは、ああいう状態を言うのかも知れません。
その途端に、母の表情が変わりました。とても険しい表情だったと思います。
「藍、今話したこと、皆には内緒ね。お利口に出来たら帰りに好きなもの買ってあげる。」
「うん、約束ね。」 そんなやりとりがあって、私は何時の間にか寝てしまったようです。
ふと、目が覚めると薄暗い居間のソファの上でした。台所は明るく、話し声が聞こえました。
母を探そうと立ち上がったとき、突然左肩を掴まれました。
年上の従姉妹が私の顔を覗き込んでいました。大きく見開いた目は少し怖かったです。
そしてその左肩の後ろ、あの男の子の顔が見えます。
「○●お姉ちゃん、その男の子、誰?」
「ああ、やっぱり藍ちゃんには見えてたんだ。この子はね。」

67 :
天真爛漫3もおすすめ!

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68 :
俺は現在、会社の紹介で安いマンションに住んでいる。
一年前から住んでるんだけど、それまでは古いアパートに住んでいた。これはそのアパートに住んでいた時の話。
仕事を終え帰宅したのは夜の8時過ぎ。
当時住んでいたアパートの周辺は真っ暗で何も見えないほどではなかったが少し怖いくらいだった。
このアパートはとても古く、通路の電灯はほとんど点かない状態。
階段も同じで俺の部屋は2階。(家賃もタダに近い部屋)
近所の外灯もあてにならなかった。
階段を上がり踊場に出るとそこの隅っこに【何か】置いてあるのが見えた。
暗くてよく見えず持参していた携帯のライトで照らすと思わず一歩引いてしまった。
何とそこには4、5才くらいの男の子が丸くなって座り込んでいたのだ。
一瞬驚いたが恐々としながら俺はその子に歩み寄り
どうしたん?こんなトコで?
返事がない。もう一度聞くが返事がない。ここに住む子なんだろうか?俺はその子に
お父さんは?お母さんは?
と訪ねるがやはり返事がない。
男の子は俺の顔を見るがすぐにうつむいてしまう。
きっと腹を空かしてるだろうと思い部屋からパンとジュースを持ち出し男の子に与えた。
ある土曜日の夜
私の知人、男4人女3人でカラオケに行きました。(因みに私は女性です)
7時に入店し飲んで食べて歌いまくりで気がつくと深夜12時を回っていました。
男の1人がベロンベロン状態でふらふらになっていたのでその場で解散することにしました。
私ともう1人の女の子は道がこっちだと言って2人で帰りました。(女の子をAとします)
面白話しをしながら歩いているとAが今から私のウチに来ない?と誘います。
明日は日曜ということもあってAの家へ行くことにしました。
Aの家はマンションで広々とした部屋です。
私が彼女のベッドの横にある小さな椅子に座るとAはカーテンを開け、ガラス戸を鏡代わりにし、髪を溶かしていました。
(外はガラス戸が鏡代わりになるくらい真っ暗だった)
私も喉が渇いていたので氷水かなんか貰えない
髪を溶かしていた途中でAがクシを机に置き私にこう言ったのです。
○○ちゃん(私の名前)最近車買ったんだよね、ちょっと見せてくれる?
と言い、私の手を強引に引っ張って部屋から連れ出します。
外に出た瞬間Aは私の手を掴んだまま走り出したのです。
Aに引っ張られたままマンションから数百m離れた所まで連れて行かれました。
痛ッたいッて〜!もう何なのよ急に〜ッ!と私はAに怒ります。
そこでAは走るのをやめ、手を放し、息を切らしながらこう言ったのです。
私が窓で髪を溶かしてた時ベッドの下に男が刃物持って隠れてたのが見えたの!ということだった。私は呆然とし言葉を失いました。
Aが男の存在に気づいた時、慌てて逃げると襲われると思いワザとあのような行動をとったという
Aはとにかく持参していた携帯で警察に連絡し15分ほどでマンションに来てくれました。
警察が部屋に入った時、すでに男の姿はなく特に部屋中が物色された形跡はありませんでしたが…

警察からは別のマンションに引っ越したほうがいいと言われ、それ以来Aは私のマンションに移ることになりました。

と言い、俺は部屋へ戻った。
シャワーを浴び夕食を済ませ、寝る前にビールとつまみを採ろうとすると、つまみがなかったので近くのコンビニへ買いに行こうと階段を下りると男の子がまだ踊場で座り込んでいた。
思わず声を荒げてしまった俺。男の子は泣き
俺は一晩だけならいいかと男の子を部屋に入れてやり、明日大家に聞いてみる事にした。
男の子の体を洗ってやり服も洗濯した。
そして俺は男の子と同じ布団で寝た。
翌朝になって気がつくと男の子の姿はなかった。
トイレかと思ったがいない。
部屋中探してもどこにもいなかった。
服もなくなっていた。
うちに帰ったんやろか?
大家に聞いてみるがそんな子は知らないとのこと。
大家が言うには、つい2日ほど前に1階の○号室に住んでいた若い夫婦が退室したらしいが、その夫婦が男の子と関係してるかは不明。
そして数日後の朝、俺がゴミを出そうとゴミ置き場に行くと幼稚園用
のカバンとシューズが捨ててあったが、あの男の子のものなのかは分からない。
無事でいるのだろうか…

69 :
あんまり怖くないかもしれませんが。私が小学生だった頃、山奥に住んでいたのですが
小学校へ通うのにバス乗り場まで歩いて行かなければいけませんでした。
私はランドセルを背負って軽い坂道を降りるのですが、
ある道を通ると背中を押されたりする間隔を感じるようになりました。
しかし、背中を押されても後ろには何もいません。
「カズキ、お父さんに頼んで、コンタクトを取って欲しい人がいるんだ」
「行くんだね?」
「ああ。お前達には、全てお見通しだったな」
「まあね。お父さんにはもう頼んであるよ」
「そうか」
「おじさんが、本当は『赤い人』なのか『青い人』なのか、見極めさせてもらうよ」
マサさんが再会してから一度も外さなかったサングラスを外した。
マサさんの両眼は、俺が榊家に向かう直前に、マサさんの息子が見せたのと同じ青い光を帯びていた。
「この光が見えるということは、オジサンも僕らと繋がっていると言う事なんだよ」
「だから、俺は知らないはずのマミの治療法を知っていたんだな」
「そういうこと」
「マミを介して、オジサンは僕らと繋がっている。
オジサンが『赤い人』なのか『青い人』なのかは、まだ判らない。
マミが目覚めないのは、その為だろうね」
『赤い人』とは、多分、鏡に映った、夢の中でマミを手に掛けた、『鬼』の事なのだろう。
「気のせいだろう」そう思っていたのですが、中学生の時
学校帰り、バスを使わないで歩いて山道を歩いて帰っていた時。
耳の近くというか、頭の中(?)で「しね!!」という声がしました。
聞いた瞬間、背筋がぞくぞくぞくっとしましたが、誰もいませんでした。
「マミの為にも、オジサンには『青い人』になって欲しいな。
無事に帰ってきて、『今度は』セイジにオジサンの空手を教えてあげてよ。あいつはオジサンの事が大好きなんだ。マミのこともね。
くれぐれも『赤い人』には気を付けて」俺たち一族にとっては、捨て去った筈の呪いの地。
かつて、その地で俺たちに向けられた『呪詛の視線』を思い出し、俺の掌には冷たい汗が滲み出していた。
其処に何が待つのかは判らない。だが、俺は行かなくてはならない。俺たち一族を呪い続ける人々との『和解』のために。
それが、坂下家同様に、既に絶えていた筈の俺たちの一族が存続し、俺が今日まで生き延びてきた理由だと思えるからだ。 
今度こそ、逃げる訳には行かない。逃げた先に安住の地はない。今度こそ、手に入れるのだ。マミや家族との平穏な暮らしを。
俺は父の実家のあった『田舎』、怨念の地へ向かう事にした。
その他には特に何もなかったのですが、あれは何だったんだろう?と不思議に思います。

70 :
夏少女もかなりいい!

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71 :
一昨年末に、大きな変化が生じたという。音の世界に『言葉』が混入し始めた。
瞑想状態に入り込むと、ある一定の深度から先の段階で見たり聞いたりしたものを記憶に残す事が非常に困難となる。
同時に、昼間の顕在意識下での思考や意思をその先の瞑想深度で保持し続ける事も困難だ。
俺は、天見琉華に尋ねた。「俺の死期とされていた『定められた日』って何だったんだ?」
「貴方も『瞑想者』なら気付いているはずよ?勿論全ての『瞑想者』が気付いている訳ではないでしょうけど。
でも、貴方になら判るでしょう。あなたが眠りに付く前と後では大きく変わった事があるはず」
「それは、『障壁』の事か?」「そう、深い精神の階層との壁が一つ、消えてしまった」「そうか、……あれは、俺の個人的な事象では無かったんだな」
その境界を仮に『眠りの壁』と呼ぼう。
正にその名の如く、『眠り』が壁になってしまうのだ。経験のある人も多いだろう。
だが今、目の前にいる彼女は、柔らかい、孫とでも遊んでいるのがお似合いの、ただの老女だった。
一木耀子と似た優しい雰囲気を醸し出していた。
慶が言っていた。『組織』の上層部は既に『呪術』を捨ててしまっていると。
これほど変わってしまうものなのか?
俺は、驚きを隠せなかった。
そして、改めて確信した。『呪術』とは、人を不幸にしかしない、自分自身を傷付ける自傷行為に他ならないのだと。
マサさんの息子が俺に話しかけてきた。
「オジサン、『例の言葉』は見つかった?」
「ああ。『全てを許し、その存在を許容する』と言った所かな?」
「まあ、ほぼ正解。それを他人だけでなく、自分自身にも適用できれば良いのだけどね」
「自分自身に?他人にではなくて?」「そう。他人を許すことはそんなに難しいことじゃない。許すと『決めて』しまえばいいんだ。
でも、自分自身を許すことは何倍も難しいよ。マミを見れば判るでしょ?オジサン自身も自分の事を許せていないじゃないか」
「そうかな?」「そうだよ。まあ、自分自身を完全に許せている人なんて、いないと思うけどね」「だろうな」
ただ、この壁を乗り越えることはそう難しい事ではない。
瞑想を繰り返せば『壁』自体が弱くなるし、一定の方法を知り訓練を重ねれば普通に思考する事も可能だ。
だが、次の段階にある『壁』は難物だ。
仮に『音の壁』とでも呼ぼうか?
この壁の向こう側では、言語による論理的思考は不可能だ。
人間は言語により思考する動物だから意識を保つ事も難しい。
言語で思考できない領域だから言葉で表現することは非常に難しい。
この領域ではバイブレーション、敢えて言うなら音の高低やリズム、音質で……『音楽』で思考する。
感情の起伏も『音』に顕著な影響を与える。
多くの宗教に様々な形で『音楽』が取り入れられているのは、この段階の精神階層にアクセスする為ではないかと俺は考えている。
俺は、この階層の瞑想中に聴いた『音楽』を持ち帰った。
そして、それを再生・演奏したものを繰り返し聞いて身に付けた。
イサムに託したUSBメモリーに入れてあった音楽ファイルだ。
あの音楽に、瞑想中に見聞きしたものを『感情』を『接着剤』に使って結び付けて記憶し、顕在意識下に持ち帰っていたのだ。
曲に歌詞がついて『歌』となり、音の世界の音楽に混入し始めた、とでも言えば良いのだろうか?
今回、俺はこのように表現したが、瞑想のやり方は色々だし、感じ方もそれぞれ、表現も人によるだろう。
他人がどう表現するのか、俺にとっても興味深いのだが。だが、確かに大きな変化が生じたようなのだ。
そして、変化の結果、人間の顕在意識下での思考が、言語による思考がより深い階層の意識に届き易くなってしまったらしい。
これは恐ろしい事態だ。『願い』や『呪詛』が叶い易くなってしまったのだ。
より深い階層から、大きく強いうねりとして。
『願い』は良い。潜在意識にアクセスする術を持つ者は、より早く、より強く自己の欲望を実現して行くだろう。
そして、恐らく、この精神の深奥を利用する術に気付くか気付かないかで、人々の間に新たな二極分化が生じるだろう。
問題は『呪詛』だ。以前に書いたように、自己も他人も同じ生命体の一部。
他人を傷付ける事は、自己を傷つけることに等しい。
自己も他人も相対的なものだ。違いがあるとすれば、それは呪詛の発信源からの『距離』か?
上手い表現が見つからない。これまでの『呪詛』のエネルギーは、浅い階層を徐々に弱まりながら同心円状に広がっていった。
相手に当たった呪詛のエネルギーは跳ね返って自分にも戻ってきた。『呪詛返し』だ。
だが、『変化』の後、状況は変わった。

72 :
「以前、お前に言ったはずだ。
俺はもう、好きな女を失ったら、お前を失ったら耐えられそうに無いって。
昔、俺の先輩……お前の伯父さんが言っていたよ。
どんな理由があっても、どんな形であっても人殺しは許さないってな。
人殺しは最も重大な罪だからな。その中でも、自殺は特に罪深いと思うぞ?
ただの人殺しなら、残された者は殺した者に対する怒りや憎しみ、復讐心に縋って生きることも出来るだろう。
殺した者にも、贖罪の道が残されている。
「XXさん、違う。そんなんじゃないよ?」「違う?」「そう、違うの!
……XXさんが意識を失って、目を覚まさなくなったとき、一番取り乱していたのは久子さんだったの。
泣きながら言われたわ。
なんで、XXさんを信じて待っていなかったの、何でXXさんの事を受け止めてあげなかったのって。。。
わたしがあなただったなら、わたしがあなただったならって、何度も言いながら、あの久子さんが泣いていたのよ。
私、鈍いから、それで始めて気付いたわ。そんな久子さんが、私のことを認めてくれたのに、XXさんのことを任せてくれたのに、私は。。。」
俺は、何を言えば良いか判らなくなっていた。更に、マミは続けた。
「……それに、私はXXさんとは一緒にいられない。そんな資格はないの」「何で?」
「みんながXXさんを助けようと頑張っている時に、私、酷い事を……とっても酷いことを考えていたの」
「何を?」「このまま、XXさんが目を覚まさなければいい。
私のものにならないなら、いっそ死んでしまえばなんて……ごめんなさい。許してなんて、言えないよね」
「……何故?」「だって、敵わないもの。
私、ほのかさんや香織さんみたいにキレイじゃないし、藍さんみたいに頭も良くないし、ジョンエさんみたいに優しくもない。
祐子先生みたいに強くもなれない。……奈津子さんを差し置いて、XXさんに選ばれる理由なんて思いつかないもの」
でも、自殺は、残された者に悲しみしか残さない。贖罪の道も最初から絶たれてしまっている。
前に、お前が手首を切ったときに言ったはずだ。お前が自分自身を傷付ける事は、俺や父さん、母さんや久子を傷つけることに等しいって。
死にたくなったら、先に俺を殺して、もう一度考えてからにしろって。
お前が何をしたとしても、俺は許せると思う。時間が掛かったとしても、いつかは。
どれくらいそうしていただろうか?マミが口を開いた。「XXさん、私、おなかが空いちゃった」
「俺もだ。何か、食べたいものはあるか?」「XXさんの焼いたアップルパイ! シナモンは抜いて」
「そんなのはお安い御用だけど、さすがに今は無理じゃないかな?」
「そう? それじゃ、ミルクティーでいいや。うんと甘くして。
……ラーナさんが入れてくれたのは美味しかったよね。シナモンは余計だったけど」
「……マミ、早く元気になって家に帰らないとな。みんな待っているぞ?」
「私、もう帰れない」「何で?」「私、久子さんに嫌われちゃった。大好きな久子さんに……合わせる顔なんて無いよ!」
「そんな事ないって」「XXさんは、知ってる?……私は、お母さんに聞いたのだけど。。。
久子さん、素子さんが結婚した時に、お父さんに言ったんだって」
「何を?」「久子さん、……一生、誰とも結婚しない。子供も産まないって」
「そうか……。昔、嫌な事件があったんだ。アイツはそれ以来、男性恐怖症気味だから……仕方ないな」
生きてさえいてくれたらな。
お前に去られたとしても、耐えてみせよう。
でも、自分を傷付けるのは、自殺だけは止めてくれ。
お前は、俺にとっては誰よりも大切な存在なんだ。その存在を、おまえ自身が否定するのは止めてくれ。
……俺は、それに耐えられるほど強くはないんだ。いっそ、お前に殺された方がマシだよ」

73 :
天真爛漫のスク水の尻も好き

http://www.kurokawa707.com/archives/13724.html

74 :
だが、その晩は違っていた。
疲労困憊していた俺は、夢と現実の判断を完全に失っていた。
目の前の『神木』を実体を持った存在と認識していた。
俺は、目の前の樹に対して『同化の行』を行った。樹から夥しい量の『気』が流れ込んでくる。
もう駄目なのか?
俺には無理なのか?
悔しさや悲しさ、無力感や倦怠感に囚われていた。
いっそ、このままマミと。。。
明らかに『気』の欠乏状態が精神に影響を及ぼし始めていた。
症状が進行すれば、やがて自殺願望が出てきて、突発的な自殺行動に出る可能性もある。
限界だ。
だが、此処で投げ出せばマミは助からないだろう。
もう少し、あと一歩なのだ。
続けるしかない。
しかし、気力の果てた俺が足掻いたところで効果など上がる訳もなく、とうとう俺は倒れてしまった。
起き上がることも出来ない。
俺は何て無力なんだ!悔しい、ただそれだけだった。
マミの治療を開始してから、俺は毎晩同じ夢を見ていた。
深い森の奥に立つ一本の巨木。
間違いなく、この森の『ヌシ』だろう。
そして、樹の纏う神々しさ。
この樹は『神木』の類なのかも知れない。
ただ、固定観念の成せる業だったのだろう。
俺は、この夢をただの『夢』としか捉えていなかった。
大量の『気』と共に、俺は嗅いだ事のない花、或いは香のような匂いを感じていた。
嗅いだことのない匂い?いや、あるのか?やがて俺は目覚めた。
俺の全身には、信じられないに『気』が漲っていた。
俺はつまらない固定観念から、やり方を少し間違えていたようだ。
全ては始めから用意されていたのだ。
俺は夢の中の『神木』と繋がっていた。
神木から引いた『気』を体内で一回ししてからマミに注いでみた。上手く行く。確信があった。
予想通り、マミの中に大量の『気』が入って行くのが判る。
「謝らないで、……褒めて欲しいな。頭を撫でて欲しいな」
俺は、奈津子が泣き止むまで、細くて柔らかい髪を撫で続けた。
やがて泣き止んだ奈津子は、腫れた目で俺の顔をじっと見つめ出した。
見つめ返すと、奈津子は目を閉じて唇を尖らせた。
「ご褒美!」
少し迷って、俺は奈津子の額にキスした。
「ううぅ、ちょっと違う! でも、まあ、いいか。マミちゃんに怒られちゃうものね!」
 
マミの『治療』は難航した。
他の治療師や榊氏たちが『気』の注入を試みたが、マミは俺の『気』以外、相変わらず受け付けようとしなかった。
俺を『通路』にして、榊家の『井戸』から『気』を導入してみたが、結果は芳しくなかった。
しかし、俺の能力不足で、自前で回した俺の気や気力では全く足りない。
方法は合っている筈なのだ。
少々無理をして『気』を引き出し続けたために、俺の体調は急速に悪化して行った。
榊夫妻が「もう止めろ」と言ったが、止める訳にはいかなかった。
慶が俺をフォローしたが、慶の疲労の色も濃くなって行った。
30分ほど気の注入を行い、俺はマミから離れた。終わった。
慶に礼を言い、瞑想に入った。
瞑想を通じて、榊家の森と夢の中で見た『神木』に礼を述べた。
瞑想から覚めたところで榊婦人が俺を呼びに来た。「マミさんが目を覚ましたわ!」

75 :
丸一日眠り続けて、俺は意識を取り戻した。全身が鉛のように重く、体の節々が軋んだ。
俺は床から出て、マミの部屋に行った。
相変わらず意識は戻らず、眠り続けたままだ。
どれくらい続けただろう?既に時間の感覚は無かった。疲労からか「許す」と唱える俺の意識の方が希薄になり始めていた。
だが、ふと気が付くと大きな変化が生じていた。「許す」と言う俺の言葉に「本当に?」というマミの言葉が繋がっていた。
「本当に?」と言う言葉に「本当だ」と繋げた。徐々にイメージの『空間』が軽く、明るくなってきた。俺は言葉を変えた。
「許して欲しい」と唱えた。始め、マミからの言葉は返ってこなかった。
だが、唱え続けていると、やがて言葉が返ってきた。「許している」と。「ありがとう、マミ。愛しているよ」
この言葉は瞑想状態のまま、実際に口に出していたらしい。「本当に?」「本当だ!」
気の流入を拒んでいた、マミの『殻』は消えた。
マミの中に俺の『気』が入って行く。
枯渇状態だったマミの中に『気』が吸い込まれて行った。
やがて俺は限界に達し、意識を失った。
しかし、その肌には血色が戻り、冷たかった手や頬に体温が戻っていた。
ほっとしてマミの傍から立ち上がろうとしたら、立ち眩みがした。
マミに付き添っていた奈津子が俺の体を支えた。
だが、小柄で華奢な奈津子は俺を支えきれず、そのまま縺れ合うように、俺達は床に倒れこんだ。
起き上がろうとすると奈津子が抱きついてきた。俺を抱える腕に力が篭る。
すると、俺の体から力が抜け、痛みや全身を覆っていたダルさが抜けていった。
『気』を注ぎ込むのではなく、苦痛を抜き取る、そんな感じだ。
何故だかは判らないが、この時の俺には何をどうすれば良いのか判っていた。
知らない、知る機会も無かった『知識』が俺の中にあった。
俺はマミの額と胸に手を置き、目を瞑り、目の前の『スクリーン』に彼女を映し出した。
彼女の『気』の滞りが手に取る様に判った。
頭部と心臓に『黒い気』の塊があり、内臓、下腹部の辺りには気が殆ど通っていなかった。
特に子宮周辺の滞りは慢性的なものらしい。『赤黒い冷たい塊』が深く根を張っていた。
この塊が全身の気の滞りの『核』になっている。俺は、マミの中に『気』を注入してみた。
予想通り、マミの意識は硬い『殻』の中にあり、殻が弾いて『気』を全く受け付けない。俺は、マミに『同化』を図った。
やがて、俺達は榊家の『別邸』に着いた。
緑も多く『気』の濃厚な土地だ。俺には直ぐに判った。この土地は、榊家の『井戸』に繋がる土地の一つだと。
門を潜ると榊夫妻と奈津子の母親の千津子が俺を迎えた。
病弱で痩せていた千津子は、幾分ふっくらして血色も良く、健康そうだった。
挨拶もそこそこに奥の部屋に入ると、点滴を繋がれたマミがベッドに横たわっていた。
ベッドの横で奈津子がマミの手を握っていた。「マミちゃん、お兄ちゃんが来てくれたよ」「なっちゃん、ありがとうな」
そう言って、俺は奈津子と位置を交代した。マミの手を握ってみた。悲しくなるくらいに細くて小さな手だった。
恐る恐る、痩せた両頬に触れた。
柔らかだったが、生きているのか不安になるほどに冷たかった。
「マミ……」
目を開けてくれ!
だが、眠り続けるマミは、目を離した隙にその細い寝息まで止まってしまいそうだ。
イメージの中のマミは、俺に背中を向け、膝を抱えて震えていた。呼びかけても何も応えない。ぶつぶつと何かを言っている。
『耳』を澄ませると、「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」と、終わらない呪文の様に唱えていた。
空ろで希薄な意識のまま……。俺は、背中からマミを抱きしめ、マミの言葉に答えるように「許す」と唱え続けた。
「ごめんなさい」と「許す」が交互に続き、シンクロして行く。しかし、ここから中々進まない。これが奈津子の『力』なのか?
奈津子は、マミが倒れてから俺がここに来るまでの間、この『力』で一人、マミの命を支え続けていたのだ。

76 :
「だから、優、いやアリサの事は引き摺るな。忘れろとは言わない。お前には無理だろうからな。
あのマミって娘、良い子じゃないか。
幸せにしてやれよ。そして、お前もな。月並みな言い方だが、あいつもそれを望んでいると思う」「……すまない」
マサさんの息子が例の頭の中に直接響く声で話しかけてきた。恐ろしい視線と共に。
以前は無かった、青く光る眼光……昔見たデビット・リンチの映画を思い出させる、怪しい光を帯びた不気味な目だった。
やがて夜が白み始めた。未だ寝静まっている邸内から庭に出た。背後に人の気配を感じ振り返ると、3人の『子供達』が立っていた。
一人とは面識が有った。マサさんの息子だ。もう一人は、20歳前後、丁度マミと同じくらいの年恰好の青年だった。
そして、12・3歳くらいの少年。青年……カズキは一木貴章氏の息子、少年……セイジは一木耀子の孫らしい。
セイジが鋭い視線を向けながら1歩前に出てきた。拳を握り構えた。浅い右前屈立ち・中段構え。
子供にしては様になっている。気魄は並の大人を軽く凌駕している。俺は受けに回った。「行くよ」
セイジが動いた。中々キレのある動きだ。セイジは同じコンビネーションを繰り返した。
何度かセイジの攻撃を受けていて、俺は気付いた。そして、背筋に冷たいものを感じた。
このコンビネーションは、子供の頃、組手が苦手だった俺が李先輩と考えて、繰り返し練習したパターンだった。
まさか、この子は!
『約束だ。マミを助けてあげて。やり方は判っているはずだよ』「ああ、判っているさ」何故か、俺はそう答えた。
朝食を済ませ身支度を整えると榊家から迎えの車が到着した。
運転手の男が「お迎えに上がりました」と言って、後部座席のドアを開けた。
男を見た瞬間、俺は固まった。後部座席に乗り込み、車が出て直ぐに俺は運転手の男を問い詰めた。
「星野 慶、何故お前が此処に?」
「驚いたか?無理もないな。お前らに捕まって開放された後、木島さんにスカウトされてな。
今は、榊さんの下で修行しながら、お嬢さんたちの運転手兼ボディーガードを勤めている」
星野 慶は、アリサの実兄だ。以前、俺は彼に襲われ、殺されかけた事がある。
「逢いたかったよ。その内、逢えるとは思っていたけどね」
「俺もだ。……俺は、お前に詫びなくてはならない。済まない、俺の為にアリサが。。。」
「言うな。俺よりも、お前の方が辛いだろう。それに、アイツの事で俺にお前を責める資格はない。
アイツは、あの時点でああなる事を知っていたのだよ。判っていて選んだんだ。
お前は最初から最後まで、アイツを一人の『女』として扱った。
望み半ばだったとはいえ、惚れた男の為に命を張ったんだ。女冥利に尽きるだろうさ」
「あの娘は、ずっと意識がないままだ。
お前の許を去って此処に来てから、殆ど何も口にしようとしなかったからな。
今は点滴と奈津子の『手当て』で何とか命を繋いでいる状態だ。
『気』を通してやれば何とかなるのだが、全く受け付けないんだ。
意識はないけれど、他人の『気』を体内に受け入れることを強烈に拒絶しているんだよ。
あれは、一種の自殺なんだろうな。
奈津子が頑張っているが、あの娘に何かのスキルがある訳じゃないから、もう限界なんだ。
他の『子供達』にも心を閉ざしたままだ。手詰まりなんだよ」
「慶、お前は『新しい子供達』の事を知っているのか?」
「ああ、知っているよ。
『組織』を離れていたお前は知らなかっただろうが、組織は以前のものではない。
事実上、呪術集団としては終わっている。上層部は既に『呪術』を捨ててしまっているからな。
お前も逢っただろ? 一木家の3人の子供たち。
組織を動かしているのは、あの『子供達』の意思だよ。一木家も榊家も彼らの代弁者に過ぎない。
まあ、組織の人間でも気付いていないヤツの方が多いけれどな」

77 :
ニーハイコレクションのスレ水もよい!

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78 :
久し振りに、ししゃものにゃんコレで抜いちゃった

79 :
「馬鹿な。何で、そんな事を。。。」「そうね。本当に馬鹿よね。……可哀想な子。
「全ては仮定の話にすぎないだろ?」
「そうね。でも、マミさんにとってはそうではなかった」「どういう事だ?」
「あの娘はね、未だに自分の存在に罪悪感を持っているのよ。可哀想にね。
母親の不幸も、貴方に降りかかった生命の危機も、全て自分のせいだと、持たなくても良い罪の意識に苛まれていたの。
そして、奈津子さんに出会って、あの娘の罪の意識は決定的なものになってしまった。。。」
「何故?」「奈津子さんは、優しくて、本当に良い娘だからね……あの娘は、マミさんにも優しかったわ。
そして、貴方の事が大好きだから。。。あの娘は、自分の感情を隠さない。
見ていて羨ましいくらいに自分の気持ちを真っ直ぐに表現する。……奈津子さんの存在はマミさんを打ちのめしたわ」
「どういうことだ?」「マミさんは、自分が奈津子さんから貴方を奪ってしまったと、持たなくても良い罪悪感を持ってしまったようね。
そして、貴方を深い眠りから目覚めさせたのが奈津子さんだった事が決定的だったみたい」
「馬鹿な。。。」「そう、馬鹿よね。あの娘は、貴方を本当に幸せに出来るのは奈津子さんだと思ってしまった。
それだけじゃないわ。
貴方があの娘に注いだ愛情は、自分が捻じ曲げて奪ったものであって、本来は全て奈津子さんのものだった、そんな風に誤解してしまったの。
貴方が奈津子さんの声に反応して目覚めた事で、マミさんの罪悪感は決定的なものになってしまったのよ」
悪い事なんて何もしていないのに。
奈津子さんに負けないくらい優しくて良い子なのにね。
あなたや貴方のご家族、イサムくん、他の『子供達』にも愛されているのに……奈津子さんにだって。
一木邸に一泊することになった俺は、眠れぬ夜を過ごしていた。
横になりながら、ぼんやりと考え事をしていると「いいかしら?」と言って、一木耀子が室内に入ってきた。
暫く無言の状態が続いたが、やがて、耀子が口を開いた。
「マミさん、……あの娘が貴方の『夢』だったのね?」「ああ」少し間を空けて、耀子が言葉を続けた。
「マミさんが言っていたわ。
あの娘は、子供の頃からずっと望んでいた。
無条件に自分を愛してくれて、守ってくれる存在を。……父親のような存在をね。
望んでも、自分には得られないものだと、初めから諦めていたらしいけど。
あなたも知っているように、辛い事ばかりだったあの娘は、更に辛い状況に追い込まれていたわ。
逃げ出したいけれど、怖くて逃げられない。
誰でもいいから、自分をここから連れ出して、救い出して欲しい。でなければ、いっそ死んでしまいたい。
実際に、死に方や死に場所を探している時に現れたのが貴方だったそうよ」
「……」「貴方は、マミさんに、あの娘の貴方への思いは『刷り込み』かも知れないと言った事があるそうね?」
「ええ、ありますよ」「そう。……貴方は、『引き寄せ』という言葉を知っている?」
「言葉だけなら聞いた事はあります」傷付き過ぎて、自分が他人に愛される存在だと信じられないのね。
持たなくても良い罪悪感に囚われて、自分の存在を否定してしまった。
自分の存在を消し去りたい、死んでしまいたい、そんな風に思ってしまった。
あの娘は、その願いを、自分の死を引き寄せつつあるわ。あの子は今、緩やかで苦しい自殺の過程にいるのよ。
もうね、私達には手の施しようがない。
あなただけが頼りなの。
こんなことは頼めた義理ではないけれど、お願い。あの娘を助けてあげて」

80 :
マサさんは、イサムから俺が彼に託したUSBメモリーを示された。
中には音声ファイルが入っていた。
マミのMP3プレーヤーの中に入っていたあの曲だ。
マサさんが動いて、俺と関わりのある女たち……俺を『生』へと執着させる可能性のある人物が集められた。
日替わりで彼女達は自宅療養中の俺を訪れ、天見琉華の『術』を介して俺に語りかけた。
本来は、マミが行うはずだった『儀式』だ。訪れた女達の中で、俺を目覚めさせたのは奈津子だったらしい。
目覚めはしたが、俺は全くの白紙の状態だった。生ける屍だ。
天見琉華が俺を助ける条件として提示したのは、一定期間、マミが木島氏たちの許に身を置くというものだった。
俺が目覚めた時点で、マミは木島氏の許に行くはずだった。
だが、俺の意識が完全に戻るまで傍にいさせてやって欲しい、と俺の両親が木島氏に頼み込んだらしい。
榊氏の計らいでマミは実家に留まる事を許された。
やがて、俺は、記憶はないものの完全に意識を取り戻した。
天見琉華の予告通り、俺はマミに激しい拒絶感を抱いていた。
態度には出すまいとしていたが、マミも感じ取っていたはずだ。
記憶を失う以前の事については、周りの人間が俺に教えることは厳しく禁じられていた。
俺が意識を取り戻してから暫くの間は猶予が与えられたが、それも遂に終わりを告げた。イサムの訪問だ。
あの曲は、俺が深い瞑想中に聞いた曲を『耳コピ』したものを権さんがピアノで弾いて再現したものだった。
マサさんは、曲を聞いて俺が事前に何を行ったかを瞬時に理解したそうだ。そして、イサムに言った。
恐らく、この曲を聞かせれば、俺は以前の記憶を取り戻す。俺とマミ次第ではあるが、元通りにやり直すことも出来るだろう。
だが、天見琉華はマミに言ったそうだ。
恐らく、俺は『逃げる』という選択は出来ないだろうと。
『行』では、俺の中の『鬼』は抑え切れない。
それが俺の業であり性質であると。
俺が抱え続ける『死への執着のカルマ』により、俺は、『死地』の中に逃げ込むだろう、と。
だが、これは、俺が自ら気付き、越えなくてはならない関門だ。
他の者が、特にマミが俺に教えてはならない、と、念を押したらしい。
俺が、自分の中の『鬼』と対峙する場、『行』により鬼を調伏出来なかった俺が逃げ込む『戦いの場』は、彼らの方で用意しようと。
この『戦いの場』で、イサム達との戦いの過程で、俺が命を落す危険性は高い。
生存本能による抑制が、働かないからだ。
だが、問題はその後だ。死線を越えた後、俺が今生の、今ある『生』に執着するか、それが最大の問題だ。
俺の『生』への執着のポイントになるのがマミの存在だと、念を押したという事だ。耐えて待つしかないと。マミは、耐えた。
本当は、真相を話し、俺に『逃げる』選択を促したかったことだろう。
だが、最後の最後でマミは耐えられなかった。
それが久子の言っていたマミの脆さ、弱さだったのだろう。
俺が家を出たことを知ったマミは、イサムに連絡を入れ彼を問い詰めた。
イサムはマミを止めようとしたが結局押し切られ、マミを道場に連れて行ってしまったようだ。
どうするかは、お前自身が決めろ。この事を知っているのはイサムとマサさんだけだ。
運命の夜が過ぎ去った後、俺は眠り続けた。やがて年が開けた。
どうにか落ち着きを取り戻したマミは天見琉華に呼び出され、激しく叱責された。マサさん曰く、
「琉華の奴がお前の事であんなに怒り狂うとは思わなかったよ。意外だった。。。」
マサさんによると、天見琉華はマミに問うたそうだ。まだ、俺を助けたいか?と。
マミは助けたい、助けて欲しいと答えた。天見琉華は言ったそうだ。
俺の命を救う事は可能だと。意識も戻るだろう。
だが、意識が戻っても俺がマミを『選ぶ』可能性は殆どないだろう。恐怖か憎悪かは判らないが、俺はマミに対し激しい拒絶感を抱く。
マミ本人によって刻み付けられた拒絶感だから、こればかりはどうにもならない。
元の二人には戻れないが、それでも良いか?と。マミは答えた。それで構わないと。
どのような行動に出たとしても、マサさんは誰にも言わないし、イサムを責める事も軽蔑する事もない、と。
結局、イサムは託された曲をマミに渡した。俺は、あの曲を聞き、記憶とマミへの思いを取り戻した。

81 :
丸一日眠り続けて、俺は意識を取り戻した。全身が鉛のように重く、体の節々が軋んだ。
俺は床から出て、マミの部屋に行った。
相変わらず意識は戻らず、眠り続けたままだ。
どれくらい続けただろう?既に時間の感覚は無かった。疲労からか「許す」と唱える俺の意識の方が希薄になり始めていた。
だが、ふと気が付くと大きな変化が生じていた。「許す」と言う俺の言葉に「本当に?」というマミの言葉が繋がっていた。
「本当に?」と言う言葉に「本当だ」と繋げた。徐々にイメージの『空間』が軽く、明るくなってきた。俺は言葉を変えた。
「許して欲しい」と唱えた。始め、マミからの言葉は返ってこなかった。
だが、唱え続けていると、やがて言葉が返ってきた。「許している」と。「ありがとう、マミ。愛しているよ」
この言葉は瞑想状態のまま、実際に口に出していたらしい。「本当に?」「本当だ!」
気の流入を拒んでいた、マミの『殻』は消えた。
マミの中に俺の『気』が入って行く。
枯渇状態だったマミの中に『気』が吸い込まれて行った。
やがて俺は限界に達し、意識を失った。
しかし、その肌には血色が戻り、冷たかった手や頬に体温が戻っていた。
ほっとしてマミの傍から立ち上がろうとしたら、立ち眩みがした。
マミに付き添っていた奈津子が俺の体を支えた。
だが、小柄で華奢な奈津子は俺を支えきれず、そのまま縺れ合うように、俺達は床に倒れこんだ。
起き上がろうとすると奈津子が抱きついてきた。俺を抱える腕に力が篭る。
すると、俺の体から力が抜け、痛みや全身を覆っていたダルさが抜けていった。
『気』を注ぎ込むのではなく、苦痛を抜き取る、そんな感じだ。
何故だかは判らないが、この時の俺には何をどうすれば良いのか判っていた。
知らない、知る機会も無かった『知識』が俺の中にあった。
俺はマミの額と胸に手を置き、目を瞑り、目の前の『スクリーン』に彼女を映し出した。
彼女の『気』の滞りが手に取る様に判った。
頭部と心臓に『黒い気』の塊があり、内臓、下腹部の辺りには気が殆ど通っていなかった。
特に子宮周辺の滞りは慢性的なものらしい。『赤黒い冷たい塊』が深く根を張っていた。
この塊が全身の気の滞りの『核』になっている。俺は、マミの中に『気』を注入してみた。
予想通り、マミの意識は硬い『殻』の中にあり、殻が弾いて『気』を全く受け付けない。俺は、マミに『同化』を図った。
やがて、俺達は榊家の『別邸』に着いた。
緑も多く『気』の濃厚な土地だ。俺には直ぐに判った。この土地は、榊家の『井戸』に繋がる土地の一つだと。
門を潜ると榊夫妻と奈津子の母親の千津子が俺を迎えた。
病弱で痩せていた千津子は、幾分ふっくらして血色も良く、健康そうだった。
挨拶もそこそこに奥の部屋に入ると、点滴を繋がれたマミがベッドに横たわっていた。
ベッドの横で奈津子がマミの手を握っていた。「マミちゃん、お兄ちゃんが来てくれたよ」「なっちゃん、ありがとうな」
そう言って、俺は奈津子と位置を交代した。マミの手を握ってみた。悲しくなるくらいに細くて小さな手だった。
恐る恐る、痩せた両頬に触れた。
柔らかだったが、生きているのか不安になるほどに冷たかった。「マミ……」目を開けてくれ!
だが、眠り続けるマミは、目を離した隙にその細い寝息まで止まってしまいそうだ。
イメージの中のマミは、俺に背中を向け、膝を抱えて震えていた。呼びかけても何も応えない。ぶつぶつと何かを言っている。
『耳』を澄ませると、「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」と、終わらない呪文の様に唱えていた。
空ろで希薄な意識のまま……。俺は、背中からマミを抱きしめ、マミの言葉に答えるように「許す」と唱え続けた。
「ごめんなさい」と「許す」が交互に続き、シンクロして行く。しかし、ここから中々進まない。これが奈津子の『力』なのか?
奈津子は、マミが倒れてから俺がここに来るまでの間、この『力』で一人、マミの命を支え続けていたのだ。
だが、その晩は違っていた。
疲労困憊していた俺は、夢と現実の判断を完全に失っていた。
目の前の『神木』を実体を持った存在と認識していた。
俺は、目の前の樹に対して『同化の行』を行った。樹から夥しい量の『気』が流れ込んでくる。
もう駄目なのか?
俺には無理なのか?
悔しさや悲しさ、無力感や倦怠感に囚われていた。
いっそ、このままマミと。。。
明らかに『気』の欠乏状態が精神に影響を及ぼし始めていた。
症状が進行すれば、やがて自殺願望が出てきて、突発的な自殺行動に出る可能性もある。
限界だ。
だが、此処で投げ出せばマミは助からないだろう。

82 :
取り押さえられた俺は、そのまま昏睡状態に陥ったらしい。
マミも精神的に深刻なショックを受けていたようだ。
久子経由で連絡を受けた祐子は、キムさん達を集団暴行でKすると息巻いていたそうだ。
特に、マミの状態は、彼女の為に各方面に掛け合って尽力した祐子の怒りに火を注いだ。
頭の中に大音声で鳴り響いていた『真言』は停まっていた。
同時に、それまで気にも留めていなかった疲労とダメージが一気に噴き出していた。
重い足をマミに向けた。次の瞬間、俺は絶望の底に叩き落とされた。「来ないで!」
涙を流し、恐怖の表情を張り付かせたまま、マミは悲鳴を上げて俺を拒絶した。
……終わった。全てが終わった。
終わらせてしまったのは俺自身だ。声にならない声が湧き出してきた。
血まみれのイサムは動かない。
トドメだ。俺はイサムの右腕を引き、彼の頭を床から浮かせた。
このまま足底で頭部を踏み抜き、床に叩きつければ終わりだ。ゾクゾクするような歓喜。
俺は蹴り足の膝を引きつけようとした。
その瞬間、冷水をかけるような女の悲鳴が道場内に響いた。
「もう止めて!」声のした方向へ俺は視線を向けた。マミだ……なぜ、彼女がここに?
先程まであれほど昂っていたテンションが一気に冷め、俺の全身から力が抜けていった。
イサムの体が床の上で音を立てた。
……見られてしまった。マミに、一番見せたくなかった俺の姿を。
三瀬や迫田に痛め付けられ続けたマミにとって、『暴力』は強烈なトラウマだ。
そんなマミに暴力の快楽に身を任せた悪鬼の姿……醜い俺の本当の姿を見られてしまった。「……マミ」
激しい後悔。誰かが泣き叫んでいる。獣のような咆哮だ。声の主は俺自身か?
自分自身の泣き叫ぶ声を聞きながら、俺の意識は消滅していった……。
だが、被害で言えばキムさん側の方が甚大だった。 やがて、俺たちの車は目的地に到着した。
一木氏の邸宅だった。文と朴が出迎えに門から出てきた。文は、酷く蒸し暑いというのにマスクを外そうとしなかった。
朴は左耳が一部、欠損していた。
朴の話によると、マミの悲鳴を聞いた俺は、人間とは思えない物凄い奇声を上げて、その場にひざまついて、床を殴りつけていたそうだ。
あまりの異様さに、その場に居た全員が凍りついた。
そして、奇声が止んだ次の瞬間、俺はマミに襲い掛かった……らしい。
最初に反応して俺を止めに入ったキムさんは、頭部に肘を喰らい、頭蓋骨骨折の重傷を負った。
この時点で、未だリハビリのため入院中と言う事だった。
キムさんに続いて俺を取り押さえに掛かった文は、鼻を噛み切られたらしい。
朴は、左耳の一部を『喰われた』ようだ。
権さんが暴れる俺を捕らえ、更に若手の連中が取り押さえ、師範が俺を締め落したそうだ。
「……まるで、獣のようだったよ。人喰いのな。
正直に言わせて貰えば、俺は今でもお前が怖い。 あんなことは、二度と御免だ。。。」
朴の俺を見る目は、明らかな怯えを含んでいた。
朴の話を聞いて、俺は激しい衝撃を受けていた。俺は、マミに襲い掛かったのか?あの、マミに。。。
キムさん以下、6名が病院送りとなり、3名が未だ入院中なのだ。
マサさんが言った。「そのまま放置すれば、お前の命はなかっただろう。バルド・トドゥルの49日間の間に命を落していたはずだ」
俺がマサさんの井戸の中身の『箱』を封印している間、木島氏と天見琉華は、秘密裏に俺の両親とマミに接触していた。
そして、マミは、俺の置かれた状況の詳しい説明を受けた。俺が知っていた以上の。
彼女は、琉華たちの説明や一木家の人々との面談を通して、はじめて俺の置かれた状況を『理解』したようだ。
だが、その事は敢えて隠された。
俺が『定められた日』を回避する為の道は、『戦う』以外の最良の道は、他にあったのだ。
俺は、香織を通じてもたらされた『行』を続けながら、マミと共に『定められた日』を震え、怯えながら過ごしていれば良かった。
朴の言ったように、俺が逃げてしまえばよかったのだ。ヒントは与えられていた。俺に逢いに来た除だ。
クライアントの愛人の女と逃げた彼のように、マミを連れて逃げてしまえば良かったのだ。

83 :
はじめてのChuのスク水も見逃せない!

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84 :
イサムと本気で手合わせしたのは、この時が初めてだった。
一緒にロングツーリングに出かけたとき、俺は計画していた。適当なところでイサムを打ち倒して逃亡を図ろうと。
だが、計画を実行しても、恐らくは失敗に終わっただろう。意外だった。強い。
今日、ここまで相手にした男たちの中では最強だ。俺の攻撃が当たらない。僅か数センチのもどかしい距離で全て躱されてしまう。
躱すとともに放たれる蹴りが強烈だ。
長い脚がしなるように叩き込まれてくる。
追ってもフットワークの速さが俺よりも1枚も2枚も上手だ。
……この戦い方は、権さんか?俺は戦い方を変えた。再び、『受け』に重点を置いた『待ち』の戦い方に戦法をシフトした。
久保は、殺意の塊のような男だった。
何がどうなれば人は内面にこれほどの『狂気』を内包できるのだろうか?
俺が久保を倒せたのは、全く偶然の成り行きだった。
もつれあって倒れるときに、咄嗟に久保の喉に肘を当て、全体重をかけて倒れ込むことに成功したのだ。
恐慌状態の俺は馬乗りになって、久保の顔面を殴り続けた。
戦っている間、打たれても打たれても、薄ら笑いを浮かべながら前に出てくる久保の狂気に、俺は恐怖を感じていた。
だが同時に、体の内側から湧き上がってくる何かを感じていた。
脳内麻薬にでも酔っていたのだろうか、戦うことに強烈な快楽を感じ始めていた。
強烈なテンションに突き動かされて、技を振るうことが楽しくて仕方がない。
俺の頭の中には、例の『真言』が大音声で鳴り響き、何も考えられなくなっていた。
久保の『狂気』が乗り移ったのか、俺は完全に『狂気』に支配されていた。
7人目の男、岡野とはどう戦ったのかさえ覚えていない。気がついたら岡野は床に横たわり、動かなくなっていた。
ただ、強烈な殺意と憎悪に突き動かされ、力の限り蹴りを放ち、突きを出していただけだった。
前半のように、スタミナの温存を計算に入れた、『受け』に重点を置いて組み立てた戦い方ではなかった。
息が完全に上がっていた。ダメージも蓄積している。だが、苦痛は全く感じていなかった。
痛みさえ甘く心地よい、そんな感覚だ。
休憩を取る間も惜しんで、俺は次の相手を求めた。
前半を終え、水を入れていると、権さんが俺に話しかけてきた。
「腕を上げたようだな。技が身についている。
徐とやった時とは大違いだ。相当な稽古を積んだのだろう。
連中は完全にお前の術中に嵌っていた。
駆け引きも戦略も冷静だ。修羅場を潜ってきただけのことはある、大したものだよ。
だが、魅力が無くなった……俺は、お前の何を仕出かすか判らない『狂気』を買っていたのだけどな。
姜種憲……ジュリーのガードをした頃の自分を思い出せ。
あの頃のお前は、ジュリー以上の『悪鬼』だったぞ?
まだまだだ。もっと、本性を曝け出せ……お前の中の『鬼』とやらを解放して見せろ。
次の相手は久保だ……小細工は通用しない。
全てを出さなければ、お前、殺されるぞ?」
『何を言っているんだ?』
だが、権さんの助言は的を射ていた。
6人目の男、久保は、事前の印象では、何故この場にいるのか不思議な男だった。
見た目は、小太りでやや小柄な体躯。
柔和なイメージで少年部や女性部の指導補助を務めており、子供や父兄からの信頼や人気が高かった。
一般の会社員として定職を持ち、正式な指導員ですらない。
こんな戦いに参加する意味は、彼にはないはずだった。だが、この男の内包している『狂気』は凄まじかった。
使う技も狙う位置も、致命傷狙いのモノばかりだ。そう言った『使えない技』で久保の戦い方は組み立てられていた。
具の後に戦った4人のような苦し紛れのものではない。何万回と繰り返されたであろう『身に付いた』動きだ。
「次だ!次の相手を出せ!」
自分の中にあった『何か』を解放し、異様なテンションに飲み込まれていた俺は、権さんの言うところの『悪鬼』だったのだろう。
憎悪と殺意の塊となって正常な判断力を完全に失っていた。8人目の相手は、いつ来たのかは判らないが、イサムだった。
誰でも構わない。
全力の殺意と憎悪をぶつけたい、湧き上がってくる『力』を振るいたい、ただそれだけだった。
ロングレンジで軸足をスライドさせながら、踵で蹴り込んでくるサイドキックが厄介だ。
被弾を覚悟して肘を落とす。鞭のようなイサムの蹴りが襲ってくる。
蹴りをカットし続けた脛に激痛が走る。
だが、足にダメージが溜まり、焦りが出たのだろうか、
イサムの蹴りが上段に集中しだした。そして、チャンスが到来した。俺はイサムの後ろ回し蹴りをキャッチすることに成

85 :
「や、止めろ!」審判役の男が慌てて俺にしがみついて、具に対する俺の攻撃を止めさせた。
具の意識はなく、大きな『鼾』をかきながら、ピクリとも動かない。
凄惨な光景だった。道場内は騒然となった。
文と朴、その他2名のベテラン以外の若手4人は殺気立って俺に詰め寄ってきた。
「反則だ!それに、具は試合続行不可能だった。ここまでする必要はなかったはずだ!」
俺は挑発目的で、わざとニヤリと笑いながら言った。「こいつは『参った』とは言っていなかったからな。ならば、攻撃は続けないと。
当人が『参った』と言えるかどうかは問題じゃない」
「ふざけるな、この野郎!」乱闘でも始まりそうな騒ぎだ。
しかし、師範の「黙らんか!」と言う大音声で道場内には静寂が戻った。
「ですが……、これは明らかに反則です!」
「問題ない。私はお前たちに彼を『R気で潰せ』とは言ったが、『空手の試合』をしろとは言っていない。
お前たちがR気で掛かる以上、彼もお前たちをR気で掛かってくるのは当然だろう?
そんな簡単なことも判らない様では、キム社長に推薦することはできないな。使い物にならない」
文や朴、その他2名のベテランは別にして、若手のこいつらは、俺と徐の後釜としてキムさんと契約する事を餌に参加させられたらしい。
足抜けする俺に『ヤキ』を入れるくらいの認識でこの『10人組手』に参加したのだろう。
命のやり取りをする覚悟など初めからない。文に問われた男が答えた。
「判りません。逃げたんじゃないですか?……別に来なくても構いませんよ、あんな奴。
それに、先輩方の出番もありません。俺で終わりますから」
一人目はコイツか。一人目の男、具(ク)は、凶暴な男だ。
組手のスタイルも荒い。
誰彼構わずに勢いに任せた戦い方をするので、一般道場生との組手を禁止されていた。
キムさんの「そろそろ始めようか?」という声で『儀式』は始まった。
「お互いに、礼!」……俺は、一人目の勝負、勝利を確信した。
文や朴は別にして、こいつらはこの勝負の本質を理解していない。
具は、勢いに任せて一気に相手を攻め落とす戦い方を得意としていた。
勢いに飲まれると秒殺されかねない危険な相手だ。
だが他方で、攻撃は直線的で、力みから予備動作が大きく、技の出処を読むのは容易かった。
強烈な『殺意』は感じたが、戦い方も通常の『空手』のルールから逸脱したところはない。
暫く俺は受けに徹して、具の『空手』に付き合った。
具に攻め疲れが見えたところで、俺は当初から立てていた作戦通りの行動に出た。
俺は、苛立ちから無理な体勢で大技を出してきた具を捉えた。
そして、彼の頭を引き込みながら、顔面に頭突きを見舞った。2発・3発……更に見舞う。
具の顔面が鮮血に染まり、道場の床に血溜りが出来た。具が俺の手を切って逃げようとした瞬間、俺は彼の金的に蹴りを見舞った。
具は、悶絶して床に崩れ落ちた。
俺は、具の頭部を足底で踏み潰し、床に叩きつけた。彼の顔面が道場の床に激突して鈍い音をたてる。
更に、踵で彼の頭部を蹴り抜いた。2発、3発……。今更知ったところで覚悟など決められるものでもない。
普段は剛の者として鳴らしている彼らも浮き足立っていた。事前に立てていた作戦通りだ。
重傷を負い意識のないまま運ばれていった具の惨状を目の当たりにして、彼らの動きは硬かった。
時間が来た。道着に着替えて地下の道場に下りると、キムさん達が既に待っていた。
キムさんと師範。権さんもいる。
文と朴、その他7名の有段者たち。
どの面々も曲者揃いだ。文が若い男に声をかけた。「安東はどうした?」
……イサムもメンバーだったのか!だが、イサムが姿を現さなかったのは、俺にとっては好都合だった。
俺が居なくなったあと、マミのことを託せるのはイサムしかいなかった。
マサさんの井戸の中に入っていた『箱』に触れ、動かすことのできなかったPにマミを委せることはできない。
俺の杞憂であれば良いのだが……ヤスさんのいた工務店の社員たちのように、『箱』がPと彼の周りの人々の命を奪うかもしれない。
マミに危害の及ぶ可能性は、どんな些細なものであっても見逃すことはできなかった。
奈津子を俺から遠ざけた榊夫妻の気持ちが俺には痛いほど理解できた。
それに、まだ強烈に男性恐怖が残っているマミにとって、イサムは心を許せる数少ない男の一人だった。俺と俺の父、義兄以外では、ほぼ唯一と言える存在だ。
そして、口にこそ出さないが、イサムがマミに単なる好意以上の感情を持っているのも確かだった。
姉の香織以外、女性に対する猜疑心や嫌悪感の強いイサムには、自分の感情の意味は未だ理解できてはいない様子だったが。

86 :
デビュー作、初写も一度は見ておきたい!

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87 :
そんな俺にイサムの姉の香織がコンタクトを取ってきた。霊能者・天見 琉華の使いということだった。
ある行法を伝える為だった。もたらされた『行法』自体は、ごく単純だった。
ただひたすらに、声に出さず頭の中で『真言』を唱え続けるだけの行だ。
単純だが困難な行だった。『真言』は常に唱え続けなければならない。それは、現実と区別が付かないほどリアルな夢だった。
キムさんから、場所と日取りの連絡が来た直後の事だった。風呂上りに洗面台の鏡を見た俺は、その場に凍りついた。
鏡に映っていたのは、異様な『何か』だった。死体のような?どす黒い肌をした『それ』は、赤く光る目で俺を睨み付けていた。
怯んで後ずさった次の瞬間、鏡に映っていたのは普通の俺の姿だった。……あれは、何だったのだ?
鏡に映る、不気味な『何か』を見た晩から、俺は毎晩、同じ悪夢に魘されるようになった。
見覚えのある、古く薄汚れた部屋。
マミとユファが住んでいた、団地の部屋だ。
耐え難い悪臭が漂っていた。 ……この臭いは、屍臭だ。部屋の奥に誰かがいる。
中に進むと、あの不気味な何かが、誰かを組み敷いて犯していた。
……マミだった。
激昂した俺は、マミから引き離そうと、ヤツの髪を掴んで引っ張った。引っ張った髪は、大した手応えも無く頭皮ごとズルリと抜け落ちた。
凍り付く俺に、両眼から赤い光を放ちながらソレは襲い掛かってきた。
俺は喉笛に喰い付かれ、噛み砕かれた。
激痛とゴボゴボという呼吸音を聞きながら俺の意識は薄れていった。
次に気付いた時、俺は誰かを組み敷いて、その首を絞めていた。マミだ。マミは既に息絶えていた。
正気に戻った俺は絶叫した。そして、絶叫した瞬間に俺は目覚めていた。いや、果たして夢だったのか?
俺の両手には、マミの首を締めた生々しい感覚が残っていた。
隣で眠るマミの寝息を確認して、俺は初めて、それまで見たものが夢だった事に胸を撫で下ろした。
そして、悟った。
あの不気味な何か、マミを組み敷いていた『あれ』は、俺自身であると。
マミの卒業パーティーの日、俺はマミに俺とPの過去と一木耀子の霊視による『定められた日』のことを話してはいた。
だが、マミにとってはくだらない迷信、ただの与太話にしか過ぎなかっただろう。
無理もない。待ち合わせの場所に迎えの車が来ていた。
タバコを咥えた朴が車外で俺を待っていた。「来たか……」「ああ。待たせたな」
「……では、行こうか」
俺たちは、後部座席に乗り込んだ。
道中、車内の沈黙を破って朴が口を開いた。
「何故、来たんだ? 逃げてしまえばよかったんだよ、除のようにな」「ケジメだよ。 俺一人なら、それも悪くない選択肢だけどな」
「そうか……。 なあ、拝み屋。拝み屋を辞めたいなら、辞めればいいさ。
でも、『会社』まで辞める必要は無いじゃないか。 俺が社長に掛け合ってやるから、もう一度、一緒に遣らないか?」
「悪いな。 もう決めたことなんだ。俺は脚を洗うよ、キッパリとな」
「……そうか、判った。 もう、何も言うまい。 今夜は、全力で掛からせてもらうよ」
「ああ、そうしてくれ。 そうでないと意味がないんだ」これから12時間後、俺はキムさんが選んだ10人の男達と戦う事になっていた。
朴もその中の一人なのだろう。恐らく文も。俺の腕では朴に勝てる可能性は低い。
普段の稽古なら3回戦って、1回勝てれば良い、そんな所だ。
文に至っては、どう戦えば良いか見当も付かなかった。
文や朴以外も、出てくるのは猛者揃いのあの道場の中でも選びぬかれた男達だろう。
まともに戦っても、勝ち目は薄い。1人目で終わる可能性も低くは無い。普通に考えて、逃げるのが一番の得策なのだろう。
だが、それが出来ない理由が俺には有った。通常の世界に生きてきた者であれば、それが当然の反応だ。
俺自身が、近付きつつあるという自分自身の死期も、『定められた日』とやらも、どこか本気に捉えていない部分があった。
……この期に及んで、信じたくなかったのだ。
マミとこれまで通りの暮らしを続けながらやり過ごしたい、やり過ごせると信じたがっていたのだ。
だが、そんな甘い夢は、脆くも崩れ去った。
自分自身の死もだが、いつか正気を失いマミを手に掛けてしまうのではないか、それが恐ろしかった。
あらゆる場面で、飯を食っているときも、寝ている時も、人と会話している時もだ。
これは、やってみれば判ると思うが、非常に苦しい。気を確かに持たないと精神に変調を来しかねない。

88 :
「俺が、マミの前から居なくなる訳が無いだろ?馬鹿だな」……胸が苦しかった。
「本当ですか?XXさんは、私に何か隠しています……馬鹿だけど、それくらい、私にだってわかりますよ!
……大事なことは何も、教えてはくれないんですね。。。」……もう耐えられなかった。
連れ戻してやる、そう思って家を飛び出そうとした俺を父が制した。「何処へ行くつもりだ?」
「決まっているだろ? マミを連れ戻しに行くんだよ。離してくれ!」「駄目だ」「何故?」
「これは、あの娘が決めたことだからだ。 誰でもない、お前のためにな。
お前の為に、あの娘は木島さんたちと契約したんだ。
それを、お前が無駄にしてはいけない」
意識を失ったままの俺を目覚めさせる為、組織が動員を掛けて多くの人が関わったらしい。
霊能者の天見琉華を中心に、奈津子や木島氏の次女・藍、仕事でガードした事もあるオム氏の娘・正愛(ジョンエ)。
イサムの姉の香織や、組織に全く関係の無い、ほのかや祐子も俺を目覚めさせる為に手を貸してくれたようだ。
何が行われたのか、詳細は判らない。
ただ、その交換条件が、一定期間、マミが木島氏たちの下に身を置く事だったらしい。
何を言おうとしても、まともに言葉にできる自信がない。
俺はマミを強く抱き締め、長い、とても長いキスをした。
このまま時間が止まればいい。
もっと時間が、マミと過ごす時間が欲しかった。
だが、時を司る神は残酷だ。俺は既に時を使い果たしてしまっていた。
時が与えられないのなら、このまま世界が滅んでしまってもいい。
唇を離すとマミが言った。
「XXさん、何で泣いているんですか?」
迂闊にも、俺はいつの間にか涙を流していた。
「……何でかな?俺にも判らないよ。でも、お前以上に『大事なこと』は、俺には無いよ。
俺は、いつもお前の傍にいて、お前を愛してる。それだけは、何があっても本当だ」「そうか。。。」
「うん。……そして、物凄く後悔していると思うんだ。お兄ちゃんを怖がって、拒絶してしまった事を。傷つけちゃったことを。
……ごめんね。お兄ちゃんは、私を助けてくれたのにね。。。」「泣くなよ。……俺は、組織を恐れていた。
未だ目覚めては居ないものの、マミは組織が探索していた『新しい子供』の一人……らしいからだ。
だが、他方で、俺に何かが有った時、マミの身の安全の保証を頼めるのも、木島氏達の組織しかなかった。
だからこそ、俺は古くからの友人であるPではなく、イサムにマミのことを頼んだのだ。
可能であれば力ずくでも、組織の人間を一人づつ的に掛けてでも、マミを探し出し取り戻したかった。
だが、萎え切った今の俺の心身では不可能に近い。俺は、父に尋ねた。
「マミは、戻ってこれるのか?」
「ああ、そう聞いている。あの娘が望めばな」「そうか。。。」「今は耐えて、待つしかない。
あの娘は、絶望的な状況でお前が目覚めるのを待ち続けたんだ。
あの娘は耐えた。お前が目覚めてからも、耐え続けた。
誰のためでもない、お前のためにな。
今は、お前が耐えろ。お前が出来る事はそれしかない」たことだ、気にするな。アレだけの事をやっちまっったんだから、むしろ当然の反応だよ。
それに、俺自身が怖いんだよ。時々歯止めの利かなくなる、際限なく冷酷になれる自分が。「あの娘と暮らした思い出の詰まった家じゃ、居辛いでしょ?
私の所に、いらっしゃい。あの娘が戻ってくるまで。少しの間だけ、また一緒に暮らしましょう。……学生の頃みたいに、ね?」
という、久子の言葉に甘えて、俺は実家を出て久子のマンションに身を寄せた。
来る日に備えて、俺は『修行』を再開した。時間だけはあるのだ。
「いつも家に居て、炊事・洗濯、家事一般をやってくれるなら、稼いでこなくても幾らでも食わせてやるわよ」
「おいおい、俺に専業主夫をやれと? んっ?前にも、同じような台詞を聞いたな。。。」
「一番大事な『かわいい』って条件は満たしていないけれど、大目に見てあげる。
家事一般は、お兄ちゃんの方が上手いもんね」「姉さんに厳しく仕込まれたからな。……お前、調子の良い事を言って、そっちが目的だったんだろ?」
「あら、今頃気付いたの? 鈍いわね」
何かの拍子にコントロールを失って、お前やマミに矛先を向けてしまうんじゃないかって。。。」
「それは無いよ。 絶対にないって!
でも、どんな結果になっても、あの娘の事は許してやって」
「むしろ、許しを請わなければならないのは俺の方だよ。
でも、例え俺が拒絶されたとしても、アイツはやっぱり連れ戻さなきゃいけない。

89 :
誰も居ない家の中で、俺はジリジリとしながらマミと両親の帰宅を待った。
そして、何となしにマミのMP3プレーヤーをもう一度聞いてみた。
中には一曲だけ、昨夜のピアノ曲とは違う、聴いたことの無い歌が入っていた。
歌を聴いて、俺は目の前が真っ暗になるのを感じた。
マミは、もう帰ってこないのではないか?俺の悪い予感は的中した。
昼前に、両親だけが戻ってきた。
俺は両親に「マミはどうした?」と尋ねた。嫌な予感に俺の声も体も震えていた。父が答えた。
「マミちゃんは、木島さんと一緒に行ったよ。。。」俺が予想していた中でも、最悪の回答だった。
前の晩に聞いた曲は、イサムに託したUSBメモリーの中に俺が入れて置いた曲だった。
ファイルには財産目録や遺言書のコピー、そして、マミに宛てた遺書が書き込まれていた。
俺に何かあったとき、マミに渡して欲しい……そう、頼んであったのだ。
そして、俺はこの曲を使って自己暗示を掛けていた。この曲を切っ掛けにして、全ての記憶を思い出す精神操作だ。
……深い瞑想時に、深層意識下で見たり聞いたりしたものを覚醒後に思い出す為の技術の応用だ。
この曲は、長年、俺が使い続けて来た曲でもあった。
役立つとは思っていなかったが、一縷の望みをかけて自己操作を行っていたのが功を奏したのだ。
昨夜の激しい頭痛は治まっていた。
その朝は、いつも7時丁度に起こしに来るマミが姿を現さなかった。
階段を下り、1階のキッチンへ行くと、朝食が用意されていた。だが、誰もいない。
珈琲を淹れて飲んでいると、テーブルの上に置かれたmp3プレーヤーが目に付いた。
マミの物だ。そして、不意に、昨夜に聞いた曲と共に、俺は全てを思い出していた。
……何てことだ!何故、忘れていたんだ!胸の奥から溢れ出てくる熱いものがあった。
意識が戻って以来、晴れることのなかった『靄』が消え、『現実感』が戻っていた。
だが、同時に俺は深い絶望感に囚われていた。
『あの日』マミが俺に向けた、あの表情……『恐怖』に歪んだ表情を思い出したのだ。マミに激しく拒絶された、あの絶望感と喪失感を。
俺は、目論見通り、『定められた日』を回避する事に成功していた。
だが、その事に何の意味がある?俺は、足掻いた。全力で。
しかし、俺の足掻きは彼女を決定的に傷付ける結果となってしまった。
俺には、もう、彼女に触れ、愛を囁く勇気はなかった。
記憶のない俺に、マミは献身的に尽くしてくれた。
俺の記憶が戻らなければ、あるいは、徐々にでも新たな関係を構築する事も可能だったのかもしれない。
だが、それは叶わない。俺は、マミにとっては恐怖と嫌悪の対象。
『あの日』と同じ自分でしかないのだから。体の内側から弾け出すものに訳が判らなくなって、俺は泣き叫んだ。
「何故だ! 何故行かせた!」

90 :
にゃーーん

http://i.imgur.com/g9qGJWb.jpg
http://i.imgur.com/7ZssXbO.jpg
http://i.imgur.com/XUwVW0w.jpg

91 :
さて連絡しましょうか
AKBやハロプロなどと違って画像の無断使用は厳しいからね
過去に裁判してるんでw

92 :
にゃにゃにゃーん

http://www.oimoya-shop.jp/shopimages/gcom147/000000018645.jpg

93 :
>>92
後で連絡したメール画面貼り付けてあげるよ

94 :
俺が引き止めて、2・3日逗留していたイサムが帰って行った日の晩の事だ。
俺は、喉の渇きを覚えて目が覚めた。
何か飲もうと、部屋を出て1階のキッチンへと向かった。階段を下りると居間に誰かがいる。
マミだ。
目覚めてから1ヶ月、日常生活に支障が無くなった頃に、一人の青年が尋ねてきた。
何か大きな事故にでも遭ったのだろうか、膝に装具を着け、松葉杖で歩く彼は『イサム』と名乗った。
彼との関係も思い出すことは出来なかったが、イサムは俺を『先輩』と呼んだ。
彼の存在は、俺にとって不快なものではなかった。
俺が眠り続けている間も、怪我を押して2度も見舞いに訪れてくれていたらしい。
俺にとっては初対面同然だったが、イサムとはウマが合った。
同時に、なんとなく判った。
俺の見舞いを口実にしては居るが、イサムはマミ逢いたくて此処に来ているのだと。
……お似合いじゃないか。
イサムの不器用さを微笑ましく思うと共に、俺は何故か一抹の寂しさを覚えていた。
マミは、朝、俺が目覚めてから、夜、眠りに就くまで付きっ切りといった按配で俺の身の回りの世話をし続けた。
20歳前後の年格好の彼女が、何故そこまでするのか、俺には理解不能だった。
俺の見舞いに訪れた二人の女……俺の姉と妹と名乗った女達にも違和感を感じた。
眼鏡をかけた長い黒髪の小柄な女が素子。俺の姉らしい。
背が高く、髪をベリーショートにした、見るからに勝気そうな女が久子。妹のようだ。
二人の体格や雰囲気は大分違っていたが、顔立ちは良く似ていた。
俺のきょうだいだとは信じられなかったが、二人が姉妹なの間違いなさそうだった。
そして、二人の顔立ちは俺の『母』にも良く似ていた。
だが、マミの顔立ちは二人とはかなり違っており、姉妹とは思えなかった。
違和感は消えなかったが、俺は徐々に家や両親、素子や久子の存在に『慣れて』いった。
だが、マミに感じていた違和感は強まりこそすれ、彼女の存在に慣れることは無かった。
マミが心根の優しい娘である事は直ぐに判った。まだ幼さの残る容姿も、細過ぎる嫌いは有ったが、美しいと言えるだろう。
だが、彼女に甲斐甲斐しく世話をされるほどに俺の感じる違和感……嫌悪感は強まっていた。
理性の部分では彼女に感謝していたが、彼女の存在は俺にとって苦痛でしかなかった。
何故?父も母も、素子や久子、そしてマミも、意識を失う以前の俺の事を何も教えてくれなかった。
錆び付いていた心身の回復に伴って、俺の中に耐え難い焦燥感が生じ、大きくなっていった。
理由は判らなかったが。こちらに背中を向け、ソファーに深く身を沈めていた。
光取りの窓から街灯の光が入り込み、真っ暗ではなかったので階段の灯りは点けていなかった。
イヤホンで何かを聞いていたらしく、マミは俺に気付いていなかった。
……マミは、肩を震わせて泣いていた。
胸が締め付けられた。
比喩的な意味ではなく、本当に胸が痛んだ。
マミを泣かせている原因が、恐らく俺自身であることを考えると、いたたまれなかった。
このまま跡形もなく消滅してしまいたい……。

95 :
2月某日白い朝の光に包まれて、俺は目覚めた。「おはようございます、XXさん。 今日も良い天気ですよ」
若い女が、そう俺に声を掛けてきた。
状況の飲み込めない俺は、錆付いた言語中枢と舌を駆使して、たどたどしい言葉を発した。
木島氏の指定した待ち合わせ場所に居たのは、意外すぎる人物だった。
50代半ば程の年恰好。
暗い店内にも拘らず、濃い色のサングラスを外そうとしない男に俺は言い尽くせぬ懐かしさを感じていた。
彼には、話したい事も、聞きたいことも山ほどあった。だが、全ては後回しだ。
何よりも重要な用件が俺には有った。
そのために俺は、この日を待ち続けていたのだ。
「俺は待ったぞ。 約束だ、マミを帰して貰おうか? 今直ぐにだ!」「まあ、そう慌てるなよ。 まずは、席に着いたらどうだ?」
冷静な男の声が俺の神経を逆撫でた。
「……すまないな。事情が有って、彼女を帰す訳には行かなくなった」
サーっと、血の気が引いてゆくのが判った。
焦燥と共に、激しい怒りや殺意、憎悪が俺の血管の中で沸騰した。
「ふざけるなよ? 舐めた事を抜かすと、幾らアンタでも容赦はしないぞ?
話が違う! どう言う事なんだ、答えろよマサさん!」
体の傷が癒えると、周囲の心配を振り切って、久子は学業に復帰した。
事件を気に病む祐子を気遣っての事だったのだろう。
だが、そんな久子の俺を見る目は、怯え切っていた。
事件は、俺自身にも暗い影響を与えていた。
俺は、あの日の『暴力』の味が忘れられず、黒い『期待』を抱いて夜の街を徘徊した。
半ば挑発して、不良の餓鬼やチンピラと揉め事を起こしたりもした。
飢餓感すら感じながら暴れ回ったが、素人相手に拳を振るっても『渇き』は増すばかりで癒されることはなかった。
隠したつもりでいても、俺の異常な状態は久子にはお見通しだったのだろう。
子供の頃から、久子に俺の秘密を隠し果せた事など無いのだ。
やがて俺は、夜の町で知り合った女の部屋に転がり込んで、久子と住んでいた、あの部屋に戻ることは二度と無かった。
「ここは……どこだ?」女が驚いた表情で俺の顔を覗き込んだ。彼女の眼から、大粒の涙が落ちてきた。
「少し待っていてくださいね!」そう言うと、彼女は慌しく部屋を出て行った。どうやら、俺は前年末から眠り続けていたらしい。
数週間前に意識を取り戻したが、外界に反応を示さず、ただその場に居るだけの存在と化していた……ようだ。
ただ、目覚めはしたものの、俺の中は空っぽだった。
何も思い出せない。目に見える全て、耳に聞こえる全てに強烈な違和感があった。
いま、俺がいる此処は何処だ?俺の目の前にいる人々は誰だ?そして、俺は誰だ?
俺は、鏡の中に映る己の姿にさえ強烈な違和感と嫌悪感を感じずにはいられなかった。

96 :
にゃんにゃにゃーん

http://stat.ameba.jp/user_images/20150201/23/freshidolclub/d7/9b/j/o0480064013206005356.jpg

97 :
相手の男は両眼をほぼ失明し、頭蓋骨の陥没骨折、頚椎の骨折と脱臼いう瀕死の重傷を負っていた。
何とか命は取り留め、意識も回復したが、首から下が完全に麻痺したらしい。
祐子の父親の尽力も有って、俺は刑事上も民事上も責任を問われる事はなかった。
しかし、事件が久子に与えた精神的衝撃は、余りにも酷かった。
そして、久子と仲の良かった祐子の精神的ショックも大きかった。
あの日、俺を誘わなければと、自分を責め続けた。
久子や祐子とは違った形で、事件は俺にも深い影響を与えていた。
男の眼を潰したとき、そして、階段に頭から投げ落とした時、俺は極めて冷静だった。
冬物の革のライディングジャケットのお陰で、出血は派手だったが、傷自体はそれほど深いものでは無かった。
ヌルヌルとした血の感触に、俺は逆上する訳でもなく、むしろ異様に冷めた精神状態になった。
左手で男の顔面を掴み、そのまま人差し指と中指を男の目に捻じ込み、思い切り握り込んだ。
グリッとした硬い手応えと共に、男は獣のような凄まじい叫び声を上げた。
本能的な行動だったのだろう、男は顔面を抑えたまま、玄関の方へ逃げていった。
玄関を出て、廊下の壁にぶつかりながら、階段の方へと逃げて行く。
階段の前に来たところで、俺は後ろから男の襟首を捕まえた。
そして、股間部を掴んで男を持ち上げると、頭から階段に投げ落とした。
男は、階段の中ほどに頭から落下し、そのまま転がり落ちていった。
騒ぎを聞きつけて出てきた、隣の部屋の女学生が俺の姿を見て悲鳴を上げた。
後日、聞いた話では、俺は血塗れで薄ら笑いを浮かべたまま立っていたらしい。
幸い、久子の激しい抵抗にあって男は行為には及んでいなかった。
だが、久子は頬骨と肋骨を折る重傷を負わされ、数針縫う切創も負っていた。
人一人を殺そうとしておきながらだ。
咄嗟の事態に狼狽してでは無く、ナイフで刺されて逆上したからでもなく、結果を予見しつつやったのだ。
極めて冷静に、眼を潰され抵抗力を失った男を投げ落とした時には、むしろ、楽しんでさえいたのだ。 
まだ、ストーカーという言葉も一般的でなかった頃の事だ。
久子は2年以上に渡って、中学時代の同級生による執拗な付き纏いを受けていた。
ストーカー規正法もまだなく、相手の保護者に再三抗議したが、その男の付き纏いが止まる事はなかった。
やがて俺は一浪、久子は現役で大学に進学し、地元を離れた。
俺たちは家賃の節約も兼ねて、同じ部屋に同居して大学に通学した。
地元を離れて油断していた俺たちは、ストーカー男の存在をほぼ忘れかけていた。
そんな時に事件が起こった。
祐子たち勉強仲間と自主ゼミを行った後、俺は祐子に誘われて彼女の部屋に寄って、予定より1時間ほど遅れて帰宅した。
点いているはずの部屋の灯りは消えていた。
医学生だった久子は、急に帰宅時刻が遅くなる事も少なくなかったので、特に不審には思わなかった。
だが、玄関のドアの鍵が開いていた。
部屋に入ると玄関先にスーパーのレジ袋と中身が散乱していた。
部屋の奥から人の気配がする。
照明のスイッチを入れて、「久子?」と声を掛けた瞬間、暗いままの奥の部屋から誰かが駆け出してきて俺にぶつかった。
男の襟首を掴んで奥の部屋を見ると、半裸状態の久子が海老のように体を丸めて横たわっていた。
俺は全身の毛が逆立つのを感じた。
そして次の瞬間、逃走しようとした男に俺はナイフで刺されていた。
後に、権さんは俺に言った。俺の狂気を、ジュリーこと姜 種憲(カン・ジョンホン)以上の狂気を買っていると。
そして、俺の中には、確かに棲んでいるのだろう。マサさんの息子が言っていた『鬼』とやらが。

98 :
マミは、三瀬と迫田の暴力と、醜い男の欲望に晒され続けて、今尚深いトラウマを抱えたままだ。
そして、持ち前の気丈さで人に悟られまいとしているが、久子もまた、マミと同様の男性恐怖や嫌悪を抱えている。
「心配性だな。考えすぎだよ」
「はあ?何を言っているのよ!……実際に、2度も命を落し掛けているじゃないのよ!
……お兄ちゃんは、全然、判ってくれないんだね。。。
子供の頃から、お父さんも、お母さんも、お姉ちゃんも、私も、……いつも心配していたわ。
いつか、……いいえ、明日にでも、お兄ちゃんが居なくなってしまうんじゃないかって。
二度と会えなくなっちゃうんじゃないかって……いつも怖かった。今でもね!
私達、家族なのよ? 本当の……偶には振り返ってよ。
あの娘の事ばかりじゃなくて、私のことも見てよ!……お願いだから。。。」
泣き出した久子を抱き寄せて、彼女の頭を撫でながら俺は言った。
「お前、相変わらず嘘が下手だな。
そんな事を言っても、本当は、マミのことを心配しているんだろ?」
「ええ。……それでも、……マミちゃんとお兄ちゃんは、……嫌」
「何故? ヤキモチか何かか?」
「そんなんじゃないわよ。……いいえ、それが全く無いとは言わないわ。
それでも、私は別に、お兄ちゃんが恋人を作ったり、結婚すること全てに反対と言っている訳じゃないのよ。
でも、マミちゃんは駄目。 あの娘は……お兄ちゃんと一緒に居るには、脆すぎる。傷付き易すぎる。
お兄ちゃんも弱い人だから、傷つき易い上に、立ち直りが遅いわ。
あの娘に何かがある度に、あの娘の事で傷ついて、いつまでも自分を責め続ける。
由花さんやアリサさんみたいにね。お兄ちゃんの相手は強い人じゃないと。……祐子さんみたいな。
「そう言う訳には行かないだろ?マミが待っているのだから」
「本当に?……あの娘とは、もう終ってしまったんじゃないの?」久子の言葉は、俺の中にあった怖れを抉り出した。
「あの娘と関わったら、お兄ちゃんは、また、危ない世界に戻らなければならなくなるんじゃないの?
あんなに抜けたがっていて、やっとの思いで抜け出したというのに。
……私は嫌よ。あんな思いをするのは、もう絶対に嫌!」久子は泣いていた。
「マミは家族だから、……お前の大切な妹だから、迎えにって遣らないと」
「それでも嫌。……私、あの娘には、もう2度と戻ってきて欲しくない。
判ってる。……私、酷い事を言っているよ。でも嫌なの!」
「何故? お前は誰よりも、アイツの事を可愛がっていたじゃないか。本当の妹のように。
お前、マミのこと、嫌いだったのか?」
「ええ、嫌いよ! お兄ちゃんと関わった女の人達なんて、みんな嫌いよ。最初からね!
マミちゃんも由花さんも、……会った事は無いけれど、……命懸けでお兄ちゃんを守ってくれた人だけど、アリサさんも!」「何故?」
「理由なんて、……理由なんて無いわよ!
でもみんな、お兄ちゃんを不幸にする。お兄ちゃんを傷つけて、危険な目に遭わせる。
……あの人たちのせいで、お兄ちゃんはいつか命を落す。そんな気がしていたのよ!」
祐子さん、……私のせいで駄目にならなければ、お兄ちゃん達、今頃。。。」
俺は、語気が荒れそうになるのを抑えながら言った。
「お前は、何も悪くない。 それに、祐子は同級生で、ただの昔の勉強仲間だよ。
それ以上でも、それ以下でもない」
久子が、マミを引き取る事を俺たちの両親に強力に働きかけてくれたのは、同様の心の傷を抱えた者同士だったからでもあるのだろう。
久子もまた、学生時代に顔見知りの男に襲われ、深く傷つけられた経験があるのだ。
だが、久子のトラウマの原因は、犯人の男よりも、むしろ俺自身の『狂気』だったのかもしれない。。。

99 :
バスルームで汗を流していると電話の鳴る音がした。
子機を持って来た妹の久子が強張った表情で言った。「お兄ちゃん、電話よ。……木島さんって方から」
「そうか」そう言って、俺は久子から子機を受け取った。用件は判っていた。
3ヶ月近くの間、俺はこの時を待っていたのだ。
用件を聞いて電話を切り、俺は子機を久子に渡した。
俯いたまま子機を受け取った久子が、消え入りそうな声で言った。「行くの?」「ああ」
暫しの沈黙の後、久子が口を開いた。
「行かないで欲しい……ずっと此処にいてよ、お兄ちゃん!」
 少年は、俺の目を真っ直ぐに見つめた後、深く頭を下げた。
「このお社の祭主様だよ。紫、ご挨拶なさい。」...やはり、そうだった。あの夢の中の会話が鮮やかに蘇る。
少年が女の子の涙を袱紗で拭う。女の子は一度鼻をすすってから小さく頷いた。
「祭主さま、紫と申します。今日はお仕事を仰せつかったので、兄様とこちらに参りました。」
2人に歩み寄り、ゆっくりと跪く。 少年と女の子は澄み切った笑顔を浮かべている。
「ご助力頂き、心から感謝致します。今後機会がありましたら、是非よしなに。」
一礼して顔を上げる、既に2人の姿はない。
立ち上がり、振り返ると、すぐ後ろにSさんが立っていた。「Sさんの答えは正しかった。僕は、そう思います。」
Sさんは大きく、何度も頷いた。奇麗な眼が赤く潤んでいる。そっと、小さな肩を抱いた。
「あの晩の出来事。眼が覚める前に不思議な夢を見たんです。川の神様が2人の魂を救って下さる夢、それはきっと正夢だと、ずっと信じていました。」
藍さん「お仕事」お疲れ様でした。今回のお話は何故か身を切られるような印象でした。
お手配になったら逃げれない、でも自分は生かされているなかで最大限の自分の意思を体現する。
人間の魂の段階が上がる事を神様は望んでいるという話を聞いたことがありますが、やっぱりそうなのかな・・
「あれ」はLさんの中に入る予定だった物ですかね。だとしたら因果は既に解き放たれていてKさんが
亡くなった後も詰め切れなかったと見るべきですかね。
代に憑依させる存在のレベルは、御影さんレベルのもので、それを使って党首さんに戦いを挑み、勝利の後に、
分家が一族の本流として勝鬨をあげる。黄龍さえ手に入れば掌握は可能。分家さんの反乱はそんな計画かと思ってました
炎さんが紫さんの魂を何らかの形で託すのだと思っていましたが見事に
予想が外れました。もっと壮絶で悲壮で気高かったです。
「もし、私が炎を受け入れていたら、こうはならなかった。
あの縁談を断って、あなたと出会えたから、あなたを愛したから、こんな風に。
炎と紫にとっても、これはハッピーエンド。ね、そうでしょ?」
「はい、間違いなくハッピーエンドです。」 「後でLにも話して上げなきゃね。」
「今日は久し振りに僕が夕食を作ります。腕によりを掛けて。
みんなで美味しいものを一杯食べて、元気出しましょう。」
「そうは行かないだろ?……マミを迎えに行って遣らないと」
「私は嫌よ……行かせない。絶対に!
行かないで。……このまま、ずっと私の傍に居てよ。お願いだから。。。」

100 :
にゃーーす

https://pbs.twimg.com/media/BUDp8YvCMAAIQub.jpg:orig


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