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【防衛】要塞を守りきれ!ファンタジーTRPGスレ


1 :2016/01/30 〜 最終レス :2016/03/07
さぁ、要塞を守りきれ!

2 :
【キャラクター テンプレ】

名前:
年齢:
性別:
身長:
体重:
スリーサイズ:
種族:
職業:
性格:
特技:
長所:
短所:
武器:
防具:
所持品:
容姿の特徴・風貌:
簡単なキャラ解説:

3 :
ユリウスを自殺させる会

4 :
従士を自殺させる会

5 :
要塞についてもう少し情報をくれないか?

6 :
舞台は要塞というか要は拠点
キャラは要塞を守る傭兵や騎士
こう考えれば簡単だろ

7 :
ただの冒険ものと違うのは
守りに徹する育て方をするところだよな

8 :
ポニョ

9 :
ええやん要塞

10 :
そのうち支援するわ

11 :
舞台


ここはベスマ要塞――

王国の中でも前線とは言えない場所に位置し、傭兵団が主な守備を担っていた。
しかし、要塞の廃棄決まり、ここはすっかり無秩序の拠点と化してしまった。
街も遠く、このあたりは盗賊が多く出る。帝国軍もこのあたりに偵察に来るという噂もある。
まずは防衛だ。君は要塞にたどり着いてここを住処とした。
敵はどんどん迫ってくる。

さぁ、要塞を 守  り   き    れ―――!

12 :
名前:イルマ・ヴィレン
年齢:17
性別:女
身長:162
体重:43
スリーサイズ:86-55-84
種族:人間
職業:アーチャー
性格:温厚で律儀
特技:火矢
長所:熱心なところ
短所:単純なところ
武器:長弓・矢
防具:胸当てとワンピースの皮の服
所持品:火矢など
容姿の特徴・風貌:セミロングで後ろで結んである。
簡単なキャラ解説:迷い込んだ傭兵。止むを得ずベスマ要塞で過ごすことになる。

13 :
はぁ、はぁ、はぁ…
今回の冒険は失敗。仲間に裏切り者がいたことで、盗賊団の拠点攻撃は終わった。
リーダーを殺され、仲間は散り散りになってしまった。そこに雷雨。
必死で辿りついたのがこの要塞。
「私、このまま死んじゃうのかな…」

天候は回復しつつある。
要塞に誰もいないことを確め、携帯食料のパンを齧った。
武器も弓矢と護身用のナイフぐらいしかない。
おそらく水たまりが残っている今では魔法の火矢(なけなしの資金で買った)も使えないだろう。

「誰か来て…」
イルマは、もし誰かが現れるなら、それが善人であることを祈った。

14 :
【はじめまして、よろしくお願いします。どなたでも一緒に参加してくださる方募集します。】

15 :
名前 グレイヴ・シューベルト
性別 男
身長 176cm
体重 58kg
スリーサイズ 不明だが他人が見るとやせ形
種族 人間
職業 魔導騎士
性格 よくも悪くもまっすぐ
特技 剣技 武術 簡単な回復魔法
長所 努力家
短所 まれに天然ボヶする
防具 ロングコート 小手 盾
持ち物 ベルトポーチ 回復薬 水 携帯食
容姿の特徴・風貌 黒髪に紅い目 整った顔立ち
簡単なキャラ説明 8才の頃に紅い目が不幸の象徴とされ、母親がベスマ要塞に捨てた。その後、疫病神と言われたりしないように必死に魔法を覚えた。今もこの要塞を守り続けている。

16 :
使用武器書き忘れてた。
武器 長剣

17 :
とりあえずキャラ書いたら絡もうか

18 :
>>13
グレイブは資金と食料調達から要塞に戻る。
「このベスマ要塞が廃棄されてもう3年か……ん?人?」
要塞に戻ると一人の女性が倒れていた。
よく見ると体のあちこちに切り傷があり、服は乾いているが少し汚れていた。
「盗賊に襲われ必死に逃げてきたか返り討ちに会ったということか。」
クライヴは食料等を指定の場所に置き女性を荷物担ぎで医務室に運び、回復魔法を使い傷を直す。
なお本人は至って真面目である。
「…念のため武器を取り上げておくか。仲間が帰ったら知らせないとな。」
そう独り言をこぼすとクライヴは医務室を後にした。

19 :
>>18

自分の名前間違えてるのに気づいてないことにミルクティーを噴いたwww
ミルクティー返せwwww

20 :
>>18 クレイヴ
「はぁ、はぁ、はぁ… 何で服が脱がされてんのよ!怪我人じゃねえっつの!
黙ってりゃ調子乗りやがって!この傷も昔のだし、あいつは偽医者か!
しかも色々言葉がおかしいし… このままじゃ弓を取られる…」

服を着て、取り上げられそうになった弓矢を掴み、佇んでいる男(クレイヴ)に矢を番え首を狙って放った。
「あんたはこの要塞から出てけ!」

男が「医務室」と呼んだ部屋に戻る。食料も置かれている。
屋根のある場所では一番高い位置にあり、この要塞で数少ない居住スペースになりそうな部屋だ。
とりあえずはもうしばらくここで過ごすことにした。
まだ要塞は全部見きれてはいない。先ほどの男以外にも人間がいる可能性もある。

全く油断はできない。そろそろ日が暮れる頃だ。

21 :
>>19 つ)ロイヤルミルクティー
いろいろおかしいとこが見つかって自分でも焦った。すまん。

>>20
医務室に運んだ女性(イルマ)がいきなりこちらに走ってきた。
グレイヴは驚きながら後ろに振り向く。
「大丈b「はぁ、はぁ、はぁ… なんで服脱がされてんのよ!怪我人じゃねえっつうの!」…え。」
女性が話すなかグレイヴは考えを巡らす。
(脱がした?胸当てをはずしただけだが?もしかして装備外しただけでも脱がしたことになるのか?)
「あ、」
考え事で後半の言葉を聞いてなかったグレイヴは弓を取られ呆然とする。
その僅か数秒、自分の首を狙って矢が飛んでくる。
が、グレイヴは身に付けている小手で矢を叩き落とした。
「あんたはこの要塞から出てけ!」
女性はそう言い放ち、もと来た道を戻っていった。
「…」
グレイヴは素直にベスマ要塞を出てた。そして梯子を使い屋根に登り、誰にも気づかれないように静かに日がくれるまで泣いた。

22 :
名前:ワイズマン
年齢:――
性別:男
身長:218cm
体重:――
スリーサイズ:――
種族:――
職業:魔導師
性格:隠者然としている
特技:各種魔道
長所:知力と知識に秀でる
短所:肉体労働系はまったくの不得手
武器:身の丈以上ある杖
防具:だぶだぶの黒いローブ
所持品:各種魔法石、魔導書、その他研究錬の魔道グッズ
容姿の特徴・風貌:覆面(頭陀袋的なもの)をかぶり、ローブを纏った猫背の怪人。見るからに怪しいが悪人ではない。
簡単なキャラ解説:いつの頃からか要塞に住みついた隠者。

23 :
王国に数多く存在する要塞要害の中でも、ベスマ要塞ほど「過去の遺物」という言葉が似合う場所はない。
かつて帝国との大戦において建築された、防衛戦略上の最重要拠点。
王国の防衛の要衝――だが、そんな評価を受けていたのも今は昔。
戦線の移動によって重要度の著しく低下したベスマ要塞は、急速にその存在意義を失っていった。

5年前、王国はそれまで駐屯させていた正規軍の撤収を決定。
要塞の防衛は、王国に委託された傭兵団が受け持つこととなった。

4年前には、その傭兵団の人員も削減された。
3年前には王国が要塞の廃棄を決定し、ベスマ要塞は完全な不要物と化した。

だが、王国にとって無用のものとなり下がった要塞にも、価値を見出す者はいる。
一帯に蟠踞する盗賊団。ゴブリンやオークなどの亜人。
街から遠いこの場所は、身を隠すにはもってこいだ。自然、尋常でない者たちが集まってくる。
賞金目当てに、そんな者たちを狩る者も。
中には、いまだ王国の領土を虎視眈々と狙う帝国の斥候を目撃したという人間もいるほどだ。

そんなベスマ要塞には、いくつかの噂がある。

曰く、かつての戦いで死んだ兵士たちの亡霊が夜な夜な要塞内を徘徊する。
曰く、正規軍が撤収する際、要塞内のどこかに軍用金を隠した。
曰く、誰も知らない秘密の地下研究錬に、黒い頭陀袋を被った正体不明の怪人が棲んでいる――

それらの噂の大半はもちろん根も葉もないものであったが、そのすべてが嘘や出鱈目という訳ではない。
入り混じった大小さまざまな噂の中に、真実がほんの一握り。

――そう。この要塞には、たしかに怪人がいる。

24 :
「……やかましいことだ」

遠見の水晶球を覗き込みながら、ワイズマンは呟いた。
まだ年若い少女が、佇立する男へ矢を放っている。
盗賊や亜人の闊歩する要塞だ。こんな揉め事は日常茶飯事である。
大抵、そういった揉め事はどちらかが死んで終わる。そして、死んだ者はその日のうちに骨になる。
要塞で死体が腐乱することはない。要塞の外の森に棲息する狼たちが、死体を綺麗に清めてくれるのだ。
人間の骨はスケルトンとして番人に使えるので、重宝する。
――尤も、この地下研究錬に足を踏み入れる者など、もう絶えて久しいのだが。

「冒険者か……いや傭兵かな……。何れにしても、うら若きお嬢さんが一人とは不用心な」

少女が要塞内のいずこかへ歩いていくのを水晶球で確認し、ワイズマンはふむ、と息をつく。
この要塞を根城にしている者は少なくない。今は出払っているようだが、盗賊や亜人は見境なしだ。
見慣れない少女が迷い込んでいると知れば、ここぞとばかりに襲いかかるだろう。
それは不憫だ。外見の割にモラリストである。

「忠告し、早く出て言って貰うのが善かろう。護衛兼案内をつければ、安全に街へ戻れるはずだ」

そうと決まれば話は早い。早速研究錬の魔法陣を起動させ、術式を編む。
床一面に描かれた、複雑な魔紋がほの白く輝く魔法陣に、人間の骨を一式放り込む。

「下なるものは上なるものの如く。上なるものは下なるものの如く。理を繙きて、汝に仮初めたる命を授けん――」

詠唱に反応し、人骨がかつての配列を取り戻す。スケルトンの出来上がりだ。
簡単な命令しか与えられないが、コストパフォーマンスのよさが魅力である。

「あの少女の所へ行ってきなさい。要塞の上階にいるはずだ」

スケルトンに交信用の小さな水晶球を握らせ、送り出す。スケルトンは迷わず少女のところへ行くだろう。
もちろん、純然たる厚意からの行いである。少女を傷つけようなどとは思ってもいない。
――が、いきなりスケルトンの訪問を受けた少女がどういった反応をするか、もまるで考えていない。

そう。

「かつての戦いで死んだ兵士たちの亡霊が夜な夜な要塞内を徘徊する」という噂も、紛れもなくこの男の仕業だった。

【よろしければ参加を希望いたします】

25 :
>>24
その日の夜。泣き疲れ眠ってしまったグレイヴは骨同士が擦れるような音で目が覚める。
「……何だ?」
グレイヴは地面に降り、要塞の中に降りる。
「…ワイズマンか。」
グレイヴは驚いた様子もなく平然と言う。
何故ならスケルトンが徘徊している理由を知っていたからである。
しかしあまり干渉したりはしなかった。
正直言って近寄り難いオーラをかもし出しており、必要最低限の会話しかしていなかったのだ。
「今回はなんのようだ?夜に徘徊されると気味が悪いから止めてほしいんだが?」
グレイヴはいつもより一層低い声で唸るように言った。

26 :
>>24 ワイズマン

その夜、イルマは要塞の居室の中で不安な夜を過ごしていた。
わずかな月明かりだけが差し込み、その部屋を照らしている。

突如、カタカタと音がしたと思ったら、階段を上がって侵入してきたのはスケルトン(骸骨)だった。
「きゃあああああ!」
腰を抜かし、ガクガクと肩を揺らして震える。
確かスケルトンは、弓の攻撃には強かったはずだ。
慌ててナイフを逆手に持ち、構える。
「こ、来ないで!…え?」

しかし、スケルトンは一向に襲ってこない。
「あなた、何しにきたの…?」
物言わぬスケルトンに語りかける。不思議と恐怖心は消えていた。

窓の方を見ると、また先ほどの男が要塞の中に侵入しようとしているところだった。
わずかな明かりを頼りに、イルマはそっと矢を番え、男の頭に向けて放った。

>>24【参加を大歓迎します! よろしくお願いします】

27 :
>>26 イルマ
「おっと危ない。」
グレイヴは素手で飛んできた矢をつかんだ。
どうやら完全に目の前の女性(イルマ)に嫌われたらしい。
(まあ、ワイズマンの事なら怪我はさせないと思うが…
それにしても俺よりスケルトンになつくなんて変わってるな。)
グレイヴは諦めた用に窓を離れる。
(明日からはもっと大変になるな。今日は野宿にするか。)
ため息をつき明日の食料調達と生活費を稼ぐために今日はいつもより早めに寝るのだった。

28 :
スケルトンが廃墟と化した要塞の中を歩く。
その様子はおぞましいと言うしかない。王国や街の者が知れば、すぐさま討伐隊が結成されるだろう。
だが、ここは人里離れた廃墟の中。何が起ころうと、大抵のことは外部へ漏出せず終わる。
――そこにいる当事者たちは別として。

不快を露にするグレイヴの横を、スケルトンは一瞥すらせず通り過ぎた。
特に話などはしない。この場所において、敵対する意思のない者同士は基本的に不干渉、それがルールだ。
この男のことを路傍の石ころ以上の存在と思ったことは一度としてない。

ほどなくスケルトンはイルマのいる部屋へと到達し、悲鳴と共に迎え入れられた。
が、もちろん害意はない。ただ、階段を上がった部屋の入り口辺りにぼんやりと突っ立っている。

(使いを出したはいいが、何をどう切り出していいのかわからない……)

何となく思い付きだけでスケルトンを差し向けてしまった自分の迂闊さに、臍を噛む。
ファースト・コンタクトは大事だ。そんなとぼけたことを考えていると、彼女からあべこべに質問を投げかけられる。

>あなた、何しにきたの…?

彼女が恐慌状態に陥り、攻撃などしてこなかったのはまったく幸いだったと言えるだろう。

窓外の気配に気が付いた少女が、再び矢を放つ。
目標には首尾よく当たったのだろうか?だが、今はそれを確認するよりももっと重要なことがある。

(はじめましてとこんばんは、どちらがよいのだろうか……)

矢を放つ彼女の姿を水晶球越しに眺めながら、怪人はまだ最初の挨拶を考えていた。

29 :
「あー、アー。わたしの声が聞こえるかな?」

それが第一声だった。

「外にいるのはこの要塞の住人だ。無害とは言えないがそう有害でもない。よければそっとしておいてやってくれ」

とりあえず、そんなフォローを。別にあの男が生きようが死のうがどうでもいいが、ここは話に集中して貰いたい。

「こんばんはお嬢さん。警戒しなくてもいい――と言っても無理かもしれないが、ここは我慢してくれると嬉しい。
わたしも、この場所の住人でね。ひとつ、忠告をしに参上した次第だ。こんな姿で恐縮なんだが」

ワイズマンの声に合わせて、スケルトンの下顎がカタカタと動く。芸が細かかった。

「ここは、きみのようなお嬢さんが足を踏み入れるべき場所ではない。
ここには街を追われた犯罪人や盗賊、ゴブリンやオークなどと言う輩が頻繁に立ち寄るんだ。
もし、きみのような可愛らしいお嬢さんがひとりで居るところなど見つかったら、大変なことになってしまうよ。
金品を奪われるだけならいい……しかし、事によればもっと大切なものさえ失ってしまうかもしれない」

最初は何を言うか迷っていたというのに、いざ話し始めると止まらない。

「きみが何の目的でこのベスマ要塞へ来たのかは分からないが、早く帰りたまえ。
といっても今日はもう遅い。その骸骨を見張りに立たせておくから、今夜はそこに泊まるといい。
朝になったら、その骸骨を護衛として立ち去りなさい。どうかね?」

一見して親切な言動だが、もちろん打算もある。
隠者である自分にとって、住処であるこの場所に外部の人間が妄りに立ち入ることは好ましくない。
そういう意味でも、彼女には一刻も早くこの場を去って貰うのがいい。
彼女は見たところ怪我もなく、元気そうに見える。であれば人里へ帰還することは難しくないだろう。

「灯りは使わないように。誰かに見られる危険がある。
早く眠ってしまいたまえ、そうすれば気付いたときには帰る時間だ」

一方的に提案し終えると、スケルトンはくるりとイルマに背を向けた。本当に夜哨を務めるらしい。
要塞の地下、秘密の魔法研究錬からもっとも離れた上層へ通信を送り、ワイズマンは覆面越しに息をついた。

30 :
名前: クレイトン・パーヌゥアナイ
年齢: 22
性別: 男
身長: 168
体重: 77
スリーサイズ:少し太め
種族:人間
職業:人形師
性格:熱しやすく打たれ弱い 大雑把
特技:でかい人形を作る。
長所:強力なパワーを持った4m級の大型操り人形を作る事が出来る
短所:竜頭蛇尾、勢いだけ、作った人形も動かしてると勝手に壊れる
武器:鎧の上半身のような形をした頭頂高4mの人形(名前なし)
・操り糸で操る大型の人形。
・パワーが強く、城門を破壊する破城杭程の破壊力があるパンチを放てるが、操っている間は移動する事が出来ない。
・また、移動用の車部分は壊れやすいため遠くに移動できない。
・防御力は金属製なので当然高いが、鎧の隙間の機械部分を狙われるともろい。
・重量、約1t、車は石製で車輪についた魔法石に魔法を注ぐことで赤子が這う程度の速度で移動できる、勿論凹凸や段差に弱い。…解体して運んだ方が早い。
防具:革の服
所持品:人形鋼線 人形部品、工具
容姿の特徴・風貌: 常に白目向いてる、筋骨隆々の男
簡単なキャラ解説: 人形師の里に生まれて、繊細な技術に飽きて脱走し、独自の人形作りを行っている男。
人形を作る技術、整備する技術に集中力の全てを割り振っており、他の事に頭が働かない。
派手好きで、やたらと自分の人形の力で物を壊したがる。

31 :
ばきばきめきめきどっしゃーーーん


真夜中に樹木の倒壊音が鳴り響いたのは、一同がようやく寝静まろうとした、まさにその時だった。

イルマが見下ろしたのとは反対の、要塞内の中庭に一本、植えられていたそこそこ大きな木が巨大な拳に叩きおられ、無残にもぼっきりと倒れたのだ。
拳を放ったのは、身の丈4m程の大きな鎧の上半分…そしてそれを操っているのは…。

「いよっし!!成功ぅうう!!」

常に白目をむき、頭の悪そうな顔でゲラゲラ笑う、筋肉質な男である。
手に人形鋼線をつけたこの男は、しばらく前からこの要塞の中庭にテントを張って住み付き、周りの事を全く認識せず物凄い集中力で黙々と今日までこの人形を作っていたのだ。

「はっはっはっは…どうよ!おぉおおれどうよおおおお」

誰に言っているのだろうか、夜の闇に向けて男は大声で叫ぶ。

32 :
>>31 クレイトン

ばきばきめりめりどっしやーーーん
「今度は何だ!」
樹木の倒壊音に眠気が吹っ飛んだ。
音のした方向に目を向けると4mはあよ鎧人形が森で暴れていた。
(襲撃か。襲うなら朝にしてくれ、と言っている場合じゃ無いな。)
グレイヴは人形の動きを観察する。そして一見無駄のないと思う動きに、いくつかおかしい部分が見えた。
(何故動きながら攻撃できない?)
そう、動きが単純過ぎるのだ。
グレイヴは迷わず巨大な人形に突っ込んだ。
「糸?」
グレイヴはゴーレムの拳や肘、足に月に照らされ、青白く輝く糸が風に揺られているのが見えた。
この3つでグレイヴはゴーレムの弱点を導き出した。
「ふっ!」
グレイヴは次の拳をギリギリでかわし、その拳の上に飛び乗る。
すぐに何本か糸を切りながら驚異的な速さで肩までかけ上る。そして首の隙間に剣を深くつきたてた。
「よっと。」
グレイヴは急いで剣を首から抜きそのゴーレム爆発する前にその場から遠くに離れた。

33 :
>「あー、アー。わたしの声が聞こえるかな?」

「しゃ、骸骨が喋った!」
イルマは目の前の事に既に驚かなくなったいた。
何かを言い返す暇も与えず、骸骨は話を続ける。

>「外にいるのはこの要塞の住人だ。無害とは言えないがそう有害でもない。よければそっとしておいてやってくれ」
「こんばんはお嬢さん。警戒しなくてもいい――と言っても無理かもしれないが、ここは我慢してくれると嬉しい。
わたしも、この場所の住人でね。ひとつ、忠告をしに参上した次第だ。こんな姿で恐縮なんだが」
「ここは、きみのようなお嬢さんが足を踏み入れるべき場所ではない。
ここには街を追われた犯罪人や盗賊、ゴブリンやオークなどと言う輩が頻繁に立ち寄るんだ。
もし、きみのような可愛らしいお嬢さんがひとりで居るところなど見つかったら、大変なことになってしまうよ。
金品を奪われるだけならいい……しかし、事によればもっと大切なものさえ失ってしまうかもしれない」
「きみが何の目的でこのベスマ要塞へ来たのかは分からないが、早く帰りたまえ。
といっても今日はもう遅い。その骸骨を見張りに立たせておくから、今夜はそこに泊まるといい。
朝になったら、その骸骨を護衛として立ち去りなさい。どうかね?」

「えっと…おじさん、骸骨じゃなくて、別の場所にいるってことでしょ?」
ようやく事態を飲み込み、イルマが骸骨に話を返す。
恐怖感というものは無くなっていた。

「はじめまして、私はイルマ。おじさん、できればこっちに来てくれないかな?怖いの」
唯一会話のできる存在がいると知って今の不安をぶちまけた。
「骸骨さんに守ってもらえるのは嬉しいけど、できれば外にいるあの男を追い払ってくれない?あの人目がやばかった。
絶対また襲われるから!ねえ、おじさん、こっちに来て!」

そのときだった。

>ばきばきめきめきどっしゃーーーん
「はっはっはっは…どうよ!おぉおおれどうよおおおお」

巨大な何かが、要塞に向けて迫ってくる。ぎこちない動きからしてゴーレムだろう。
骸骨を動かしている男か、はたまた他の男か?しかし、その後聞こえた大声からして、その持ち主の若い男のようだった。

月夜に映るそのずんぐりした男は、こちらに向けて迫ってくる。
骸骨に抱きつきながら、イルマはその後ろから男に対して呼びかけた。
「この要塞に何か用? もうここは誰もいないわよ! それよりそいつを何とかして!」

と、そのとき男(グレイヴ)がゴーレムに剣を突き立てた。
ゴーレムが爆発すると思ったのか慌てた様子で遠くに離れる。今だ。

「ゴーレムのお兄さん、離れて!てえぇぇぇ!」
弓を引き、魔法の火矢を男(グレイヴ)の喉元に射掛ける。
初めて見る魔法の矢にイルマは一瞬見とれた。
それは男(グレイヴ)を追尾する能力を持ち、当たると炸裂して爆発を起こす優れものだった。

34 :
魔法の火矢がグレイヴへと飛来する。直撃すれば即死は免れないだろう。

35 :
>>33〜34 イルマ

「完全に悪者扱いされてるな。」
ゴーレムの弱点を突き、爆発する前にグレイヴは逃走……する筈だったのだが。
「何で要塞守ってんのに魔法の火矢打たれてるんだ!いくらなんでも理不尽すぎる!」
女性(イルマ)が持っていた火矢が此方に飛んでくる。
曲がろうともしっかり付いてくる火矢にグレイヴはどうやってこの状況を打破すべきか考えてた。
(待てよ?しっかりと俺に付いてくるなら森の中に逃げればどっかの木に当たって止まるんじゃないか?)
この考えを実行するため森に全力疾走する。
そして森に入ってから数分…
ドカーンバリバリバリ……
「あ、あいつ完全に俺をR気だ(gkbr」
何故ここまで怯えている理由は、
火矢が木に当たる→火矢に掛かってた魔法が発動→その木が大☆爆☆発☆四☆散
ということがあったからだ。
どんな超人でも爆発と火炎体勢がないと即死のレべルである。
(明日には帝国にワイズマンがあの女性を送るって行ってたな。…帝国で鉢合わせしないように……)
グレイヴは(冤罪で)とんだトラウマを植え付けられそうになり、大量のSAN値を削られた上に拠点を横取りされ1日が終わったのだった。

36 :
>>35は正真正銘俺の書き込みだからな。
ミスが多すぎるな、俺……
つ(土下座

37 :
で、お前は帝国に帰ったんだな?

38 :
>>37説明不足だったな。
俺そのまま木の上で仮眠を取った。戻るにも深夜の時間帯じゃ宿も空いてないし、そもそも無一文だからな。

39 :
>はじめまして、私はイルマ。おじさん、できればこっちに来てくれないかな?怖いの

「……えっ?」

妙な声が出た。低く陰鬱な声音がいきなり上擦ったことに、彼女も違和感を覚えるかもしれない。
隠者である。基本的に対人スキルは低い。会話も水晶球越しだからできているようなものだ。
何より、ワイズマンは自分が世間一般の美的感覚に沿うような外見をしていないことを知っている。
下手に姿を見せたりしたら、それこそモンスターと誤認されかねない。それは困る。
背ばかりひょろ長くて、荒事はまったく不得意な男だった。

「怖い気持ちはわかる。誰かと一緒にいたいという気持ちもね。だが、生憎それはできないんだ。
きみの現在地とわたしの住処は、ほとんど要塞の一番上と一番下なものでね。行くだけで骨が折れる。
わたしはきみのように溌剌とした若さは持っていないんだ。くたびれてしまう……。
それに、わたしはとても……その。変わった見てくれをしているものでね。きっときみを驚かせてしまう」

いきなりスケルトンを差し向けて驚かせておきながら今更の話だが、とにもかくにもそう説明する。
彼女が外にいる男に恐怖を感じているのは事実だろうが、まさかあの男もわざわざ乗り込んでは来るまい。
そんなことを、軽く腕組みして考えた――が。

>ばきばきめきめきどっしゃーーーん

突然の轟音。地下深くに位置する研究錬までもが僅かに震動したような感覚。
ワイズマンはすぐに水晶球の視界を移動させようとした。
……が、イルマが骸骨にしがみ付いた為に骸骨の手の中の水晶球がうまく動かせず、よく見えない。

>この要塞に何か用? もうここは誰もいないわよ! それよりそいつを何とかして!
>ゴーレムのお兄さん、離れて!てえぇぇぇ!

「な……、何が起こっているんだね?」

何だかよくわからないが非常事態だ。彼女の叫び声が水晶球を通して研究錬に響く。
いやはや、まったく騒がしい夜だ――
いつもはもっと静かな夜なのに。そうぼやくと、ワイズマンは思わず覆面越しに額を押さえた。

40 :
イルマはゴーレムのお兄さんがなんとかと言っていた。
きっと、それはしばらく前から中庭に棲み付いていた男のことだろう。
周囲のことなどまったく目に入っていない様子で、何か鎧のようなものを作っていたので放置していたのだが。
それがゴーレムであったとは、まったく気が付かなかった。
正式には魔力で動くゴーレムではなく、鋼線によって操作する人形なのだが、もちろん今はそんなことに気付く由もない。
ともかく、今はこの騒ぎを収束させなければならないだろう。
騒ぎは騒ぎを呼ぶ。近隣の盗賊や亜人が何事かと集まってくるような事態は避けたい。

「あの……あのだね、お嬢さん?イルマ?」

おずおずと語りかける。と、水晶球越しにまばゆい閃光。――魔法の光だ。
どうやらイルマが何かを放ったらしい。魔導師だったのか、と思ったが、魔法のアイテムとすぐに察する。

「すまないが、もう少し穏便に……ね?ほら、今は真夜中だから。近所迷惑だろう?
あまり騒がしくすると、他の者たちまで招き寄せてしまう」

とはいえ、元凶は彼女ではない。人形を動かして暴れている男と、彼女に不埒な真似をした男だ。
であれば、速やかにそれを排除するに限る。

「交渉と行こうじゃないか、イルマ。ゴーレム使いの男と話して、彼を静かにさせることはできるかな?
もし首尾よく彼を静かにさせられたなら、わたしがきみの嫌う男をなんとかしようじゃないか」

交換条件だ。ワケのわからない人形遣いの男より、少女の方が遥かに物分かりがいいだろう。
少女が男を黙らせられるならよし、出来なければこちらが魔法で対処する。
もうひとりの情けない男に関しては、どうにでもなる。今の脅威はとにかく人形の方だ。

彼女が離れたことで、スケルトンも自由を取り戻した。今は、水晶球の視界も良好である。

「そうそう。言い忘れていたね、わたしのことは賢者――ワイズマン、とでも呼んでくれればと思う。
こうなったのも何かの縁だ……今夜一晩、きみが安全に過ごせるようにブレーンを務めさせてもらおう」

どうも、今夜は眠れそうにない。少なくとも邪魔者を排除するまでは。
長い夜になりそうだ――そんなことを考えながら、ワイズマンは愛用の安楽椅子に腰を下ろした。

41 :
パシュ…

>>38グレイヴ ◆aaZVND8KFs の首に毒針が刺さる
完全に致死量だ

アサシン「とりあえず見張りは片付いたか…」

42 :
嫌な夢を見た。
『ルシア…どうして、』
『ルシア・シューベルトが養子を拾った次の日に、彼の乗った馬車が土砂崩れに巻き込まれたらしい。』
父は凄腕の騎手だった。市民の信頼も厚かった。だからだろうか。
『グレイヴ。あなたのせいよ、あなたがここに来なければルシアは死ななかったんだ。』
『不幸の予兆だったのよ。ああ忌まわしい子。』
『死んでしまいなさいグレイヴ。』
事実から目を反らすために、幼い俺に罪を被せたのは。
『どんな怪我も3日位で綺麗になおるんだってね、あの子。』
『やだねぇ。あの紅い目といい気味が悪い』
偽りの噂は回りに拡がり少しずつ俺を蝕んで行った。
『疫病神はでてけ。』
『しっしっ!こっちに来ないで。』
『私をお母さんなんて呼ばないで。』
そして俺が8才のとき母はベスマ要塞に捨てた。
過ごした日々は楽しかった。だがそれも長く続かなかった。
『今日からこのベスマ要塞は破棄する。』
『ああ、また独りだ…』
俺は15になったあの日、ベスマ要塞には、殆どの人がいなくなった。
その何ヵ月かしたとき、いつの間にかワイズマンが地下に住み着いてた。
仮染めの命を与える魔術、それだけでなくとも深く洗練された知識。
俺は要塞を守ってもらうように頼んだ。
それからは親しくならないため、必要以上は会話しなくなった。
理由は一度手に入れた物を失うのが怖くなったから。ただそれだけである。
(なんだ…俺が今までやって来たことは無駄じゃないか。なんでもっと早く気づかなかったんだ。)
人は独りで生きていけない。よく3年間も孤独と戦うことができたな、と思う。
もう何もかもやめてしまおう。
俺は…疲れた。
 
何かが割れるがした。

43 :
>>41

目を覚ましたグレイヴは木から下りた
「…」
その紅い眼には絶望しか写していなかった。
不意に後ろから気配を感じた。
(…アサシン、か。)
グレイヴの首に毒針が刺さる。
そしてグレイヴの意識は闇に沈んでいった。

44 :
はい、さようなら

45 :
クレイトンの中の者です。
PCがいかれました。
とりあえずクレイトンはちょっと置いておいてください、すいません。

46 :
>>45
りょーかい。

あとグレイヴは幽霊になってまでもこのTRPGを続けるべきか安価とるぞ。
>>50

47 :
大人しく失せて、どうぞ
正直おまえは下手糞過ぎて存在そのものがスレの癌
今まで言われなかったことは温情だったと知れ

48 :
そうか、じゃあおとなしく消えさせてもらうぞ。
今までありがとうございました。
あと安価取り消しで。

49 :
このスレ速度で安価とか草

50 :
悪意なさそうなぶん本当にどこまでも空気読めてないのがかわいそう
煽りとかじゃなくしばらくROMったほうがいい

51 :
敵勢力で参加したいんだけど

52 :
おう
良いぞ

53 :
>>45
【了解しました。お待ちしています。】

>>51
【どうぞ、ご自由に参加してください。】

>>40 ワイズマン

>「あの……あのだね、お嬢さん?イルマ?」
「すまないが、もう少し穏便に……ね?ほら、今は真夜中だから。近所迷惑だろう?
あまり騒がしくすると、他の者たちまで招き寄せてしまう」

骸骨からの声が少しうわずったような気がした。

「分かった。おじさんの言うとおりにするね。仲間は一人でも多い方が心強いし…
今までいたパーティーより、よほど信用できそうだから」
イルマはようやく笑みをうかべる。


>「交渉と行こうじゃないか、イルマ。ゴーレム使いの男と話して、彼を静かにさせることはできるかな?
もし首尾よく彼を静かにさせられたなら、わたしがきみの嫌う男をなんとかしようじゃないか」

不快感しか感じないフラフラとした剣の男には精神的に限界だ。しかし、ゴーレムの男に関してはまだ説得が通じるかもしれない。
イルマはもはや賭けてみるしかないと感じた。
「うん、あのお兄さん、声が優しそうだったから。アイツよりは何とかなると思う」

> 「そうそう。言い忘れていたね、わたしのことは賢者――ワイズマン、とでも呼んでくれればと思う。
こうなったのも何かの縁だ……今夜一晩、きみが安全に過ごせるようにブレーンを務めさせてもらおう」

ワイズマンが優しく語り掛ける。それを聞いてすっかりイルマは安心しきった。
しかし、ワイズマンに一度会いたいという気持ちもあった。

「うん、よろしくね。おじ…じゃなかった。ワイズマンさん。
私もあなたを守るから、しっかりエスコートしてね」

再びイルマは腰掛け、乾燥した保存食を食べながら、周囲の気配を一度調べた。
どうやらあの男の気配が消えたようだ。寝たのか、それとも先ほどの爆発であの世行きになったのか。
イルマは安堵し、そのままうとうとと居眠りを始めた。

54 :
名前:ワーデルロー・ドゥガーチ
年齢:男
性別:48歳
身長:163cm
体重:61kg
スリーサイズ:不明
種族:人間
職業:貴族
性格:無能、プライドが高い、卑劣
特技:部下いじめ
長所:家柄が良い
短所:戦の経験がない、浅慮
武器:レイピア(様々な装飾が施された豪家絢爛な一品、純金製)
防具:軽装防具(様々な装飾が施された豪華絢爛な一品、純金製)
所持品:ドゥガーチ家の家紋を象ったブレスレット、財宝他
容姿の特徴・風貌:ひょろっとした体格、ネズミ顔、徹底的に手入れされた金色カイゼル髭、スキンヘッド
簡単なキャラ解説:
帝国でも有数の名門貴族であるドゥガーチ家に連なる貴族の男
しかし、大勢居る兄弟たちの中でもかなり下の生まれであり、しかもプライドばかり高く無能なため、
半ば厄介払いとして、どうでもいい戦場を駆け回るお飾りの将軍としてたらい回しにされていた
この状況を打破すべく、功績を挙げるために今回は志願してベスマ要塞の攻略に乗り出す

55 :
ベスマ要塞に斥候から早馬で緊急報告が入る
帝国軍と思われる軍勢が要塞に向けて接近中との報せであった
軍勢は、騎馬隊と重装歩兵隊を中心とした帝国の主力軍クラスの編成であった
それも一般兵ではなく、様々な紋章や装飾が施された鎧・武具を装備している
間違いなく、どこかの貴族の直属軍であろう

更に、掲げられていた軍旗には、彼の名門貴族ドゥガーチ家の家紋が描かれていたのこと
文武の両方において高い実績を残している由緒ある家柄である
このような辺境に直属の軍を率いてまでやってくるような相手ではない

56 :
ワーデルロー「フッフッフッ…見よ、我輩の軍勢を!
我輩の栄光の一幕となるこの運命の戦のため、兵どもには全てドゥガーチ家の正装をさせたのだ!
このような辺境の雑魚どもなぞ、我が帝国精鋭部隊の姿を見ただけで恐れおののくであろう!
散々に揉み潰し、この地を帝国とドゥガーチ家、そして我輩の威光の前にひれ伏させてくれようぞ!」

豪華絢爛な装備に身を包んだ軍団の中央、一際重装備の衛兵たちに囲まれた男が馬上に居た
興奮状態にあるらしく、大声を張り上げ、唾を飛ばしながら長々と己が率いる軍勢の威容を語る
しかし、その華麗な威容の軍勢も辺境の地に一部隊だけでは何ともさびしいものであった
兵士たちが皆黙って行軍を続ける中、将軍たるワーデルローのダミ声だけが周囲に響く


兵士「将軍、はしゃぎ過ぎだろ…」

兵士「緊張してるのもあるんじゃないのか?実戦は初めてらしいし…」

兵士「おいおい…大丈夫なのか?とんちんかんな指揮で負け戦なんてごめんだぞ…」

兵士「ま、相手は辺境のオンボロ要塞…適当に戦っても勝てるだろう」

兵士たちの一部は、将軍に聞こえないようヒソヒソ話で語り合う者も居た
各々が様々な思いを抱えつつも、概ね状況を楽観視している様子が見受けられる
彼らもまたワーデルローの無意味な行軍に付き合ってきただけに過ぎない
装備は豪勢だが、その中身の実力はまるで伴わない者たちばかりであった


ワーデルロー「フッ…あれがベスマ要塞か…噂に違わぬ古さよな
我輩らの敵ではない!」

衛兵「将軍、油断めされぬよう…
閣下がこれよりされる戦いは、お家を背負うものです
万が一負けるようなことになれば、取り返しがつきませんぞ?」

例外として、ワーデルローの周囲を守る衛兵たちだけは正真正銘の精鋭であった
長年ドゥガーチ家に仕え、戦場を渡り歩いてきたベテラン騎士たちである
しかし、彼らの忠告は高揚感が頂点に達したワーデルローの耳には届いていないようだ

57 :
【RANケーブルの差し込んでるとこが悪かったんだって…。戻ってきました、またよろしくお願いします】

「いやぁ、素晴らしいパワーだ!うん!うん!」

自分の熱意を込めまくって完成させた渾身の出来の人形の完成に、深く頷くクレイトン。
この重い人形の部品を、荷車に乗せて、町々を回って、人の迷惑にならないようこの静かな砦にやってきて、組み立て、汗を流し、ようやく完成させた鉄人形。
その雄姿に、クレイトンのテンションは上がりまくりだった。

…そう、その瞬間までは。

「あ、おい、危ないぞ、何してんだ!この人形は急には止まらな…」

>「ふっ」

「は?」

>「よっと」

「よっとじゃねえよおい!何してんだおめえ!!」

突如現れた不審人物が、何もしていないクレイトンと、その人形を問答無用で強襲し、あまつさえ破壊してくれたのだ…。

「うわああああああああああああああああ!う…うわああああああああああああああああああああ」

あまりの出来事に、絶望の叫びをあげるクレイトン。
だが、そこに救いの使者が現れる。

>「ゴーレムのお兄さん、離れて!てえぇぇぇ!」

「なに?…お、おう!」

放たれた火矢が、不審者を追い払い、クレイトンを救ってくれたのだ。
その間、クレイトンは木々を縫い、森の奥に逃げていく。
人形なしで、剣を持った男と喧嘩する気は彼にはない

58 :
名前: シャドウ・ヴェルハーレン
年齢: 310(外見年齢は18歳前後)
性別: 男
身長: 185
体重: 85
種族:エルフ
職業:帝国皇帝直属の騎士
特技:上級魔法が使える
武器:革製の鞭
防具:革製のバンダナのみ
所持品:青毛の馬、野営に必要な糧食、魔法関連の薬草、短剣
容姿の特徴・風貌:金色の長髪を後ろで束ねる。フード付きマントの下は簡素な旅装
簡単なキャラ解説:主君の命を受け要塞を偵察に来た帝国騎士

59 :
要塞を取り囲む薄暗い森の中から、始終を見ていた男が居た。
長い金髪を後ろできつく束ねた黒づくめの男。尖った耳、猫に似た金色の眼。
年若きエルフ‥に見えるが、その仕草には齢300年を経た年相応の風格があった。

『ベスマ要塞に眠る秘宝を探れ』というのが彼の受けた命である。
「あの要塞。微かだが特殊な波動を感じる。相当な術者が居る‥か。剣では勝てまい」
「してあの少女。要塞に居ついたようだが‥如何にして接触する?」
そう思案した矢先、複数の蹄の音と聞き覚えのある男の声を彼の長い耳が捉えた。
「‥奴め。先走ったか」
軍勢のいる方角を睨み、しかしエルフはフッとほくそ笑んだ。
「ちょうどいい。奴にはかませ犬になってもらおう」

その時、要塞から小太りの男が走ってきた。
「気配を消したつもりだが‥気づかれたか?」

60 :
さてしばらくして。
戦いの音がやみ、クレイトンは木の棒を手に、人形のところへと戻ってきた。

どうやら先ほどの不審者は消え失せたようである。

「さっきのお嬢さんは大丈夫だろうか…」

自分を救ってくれた少女の心配をしながら、クレイトンはテントに戻り、人形の修復を始めようとして、やめる。
いくら彼でも、自分を助けてくれた女性の安否は気になるのだ。
クレイトンは再び棒を手に、少女の捜索に乗り出す。

そう言えば、彼の目の前にあるこの要塞の中には妙な魔術師がいて、その人物がスケルトンを使役して、要塞を警護させていた。
最初はびくっとした物だが、どうも向こうにこちらへの興味が無いらしい事がわかり、あとは気にしていなかった。
彼ならば、少女があの後どうなったか、わかるかもしれない。
そう思い、クレイトンは要塞に近づいていく。

要塞の門に近づくとそこには想定通り、スケルトンが歩哨に立っていた。
クレイトンは夜中のスケルトンというホラーな光景にびくつきながらも木の棒を構え、スケルトンに近づいていく。

「あ…あんの…、さっきこの辺で女の子が変な男と…いや、俺も十分変だけども、変な男と戦ってたと思うんだ、そいつと戦ってた女の子、どうなったか…お…教えてくれねかな?」

びくびくしながら、スケルトンに話しかけるクレイトン。
そこに、早馬がやってくる。

…ん?早馬?
ここは確か廃棄された要塞では無かっただろうか…。

クレイトンは一瞬考えたがまあ、いい、置いておく。
兎に角今大事なのは、この要塞がどこかの正規軍による攻撃を受けようとしているということだ。

「お…おい!逃げねえとまずいんじゃねえか?」

あまりの重大事に、慌てふためき、思わずスケルトンのほうを見るクレイトン。

なお、クレイトンの位置が、要塞の近くの森の中なのか、要塞の中の中庭だったのか、イマイチわからなくなっているが、とりあえず。

1中庭で木を倒す
2変人に襲われて外に逃げる
3シャドウさんに見つかる
4戻ってきた

って事でお願いします

61 :
さてしばらくして。
戦いの音がやみ、クレイトンは木の棒を手に、人形のところへと戻ってきた。

どうやら先ほどの不審者は消え失せたようである。

「さっきのお嬢さんは大丈夫だろうか…」

自分を救ってくれた少女の心配をしながら、クレイトンはテントに戻り、人形の修復を始めようとして、やめる。
いくら彼でも、自分を助けてくれた女性の安否は気になるのだ。
クレイトンは再び棒を手に、少女の捜索に乗り出す。

そう言えば、彼の目の前にあるこの要塞の中には妙な魔術師がいて、その人物がスケルトンを使役して、要塞を警護させていた。
最初はびくっとした物だが、どうも向こうにこちらへの興味が無いらしい事がわかり、あとは気にしていなかった。
彼ならば、少女があの後どうなったか、わかるかもしれない。
そう思い、クレイトンは要塞に近づいていく。

要塞の門に近づくとそこには想定通り、スケルトンが歩哨に立っていた。
クレイトンは夜中のスケルトンというホラーな光景にびくつきながらも木の棒を構え、スケルトンに近づいていく。

「あ…あんの…、さっきこの辺で女の子が変な男と…いや、俺も十分変だけども、変な男と戦ってたと思うんだ、そいつと戦ってた女の子、どうなったか…お…教えてくれねかな?」

びくびくしながら、スケルトンに話しかけるクレイトン。
そこに、早馬がやってくる。

…ん?早馬?
ここは確か廃棄された要塞では無かっただろうか…。

クレイトンは一瞬考えたがまあ、いい、置いておく。
兎に角今大事なのは、この要塞がどこかの正規軍による攻撃を受けようとしているということだ。

「お…おい!逃げねえとまずいんじゃねえか?」

あまりの重大事に、慌てふためき、思わずスケルトンのほうを見るクレイトン。

なお、クレイトンの位置が、要塞の近くの森の中なのか、要塞の中の中庭だったのか、イマイチわからなくなっているが、とりあえず。

1中庭で木を倒す
2変人に襲われて外に逃げる
3シャドウさんに見つかる
4戻ってきた

って事でお願いします

62 :
すいません、間違って連投しました。

63 :
ワイズマンは隠者である。

隠者とは隠棲する者、隠遁した者のことを指す。世捨て人、とも言う。
コミュニティの中、社会の中、人々の中で生きることに倦み疲れた者――
またはコミュニティに忌避され吐き出されたあぶれ者が、隠者としての生を選択する。

ワイズマンもその例に漏れない。人の世に爪弾きにされ、異端視され、人里を離れることを余儀なくされた。
人々が排斥するがゆえ、ワイズマンは人の住む場所を去った。人々の下した決定を受け入れた。
そして、人の立ち寄らぬ廃墟の要塞をその住処とした。人に迷惑をかけぬように。人が自分を見て怯えぬように。
自分が去ることで、人々の心に安寧が訪れるように――

しかし、そんな自分をなお追い立てるかのように、何者かがこの要塞を侵すなら。
どんな手を使っても、それを排除しなければならない。



>うん、あのお兄さん、声が優しそうだったから。アイツよりは何とかなると思う

(そ……そうかなぁ……?)
イルマの言葉に一抹の不安を覚える。ワイズマンの聞いた声はお世辞にも優しそうではなかった。
そんな相手との交渉役を頼んでしまったのは失敗だったかと早くも選択を悔やんだが、後の祭りだ。
そうこうしている間に巨大な鉄人形は解体され、スクラップとなってしまう。

>うわああああああああああああああああ!う…うわああああああああああああああああああああ

煩い。
これは堪らん。ワイズマンは頭を抱えた。
イルマの「逃げろ」という声に反応し、人形遣いがこけつまろびつ逃げてゆく。
彼が人形を壊された報復、等といった行動に出ないのは幸運だった。逃げ去ってくれるなら、それが一番いい。
なにやら大きな置き土産――人形の残骸――が残ってしまったが。

>うん、よろしくね。おじ…じゃなかった。ワイズマンさん。

「ワイズマン、でいい。さん付けだなんて擽ったいからね……よろしく、イルマ」

とにもかくにも、最初の危機は去った……らしい。イルマも落ち着いているように見える。
彼女の声が柔らかい。きっと、警戒を解いてくれているのだろう――そう思う。

(激しやすい性格のようだが、悪い子ではなさそうだ)

声だけで姿を見せず、スケルトンなど送り込んでくる胡散臭い男を、いきなり仲間と呼んでくれるとは。
あまりの素直さに余計な心配までしてしまいそうになったが、言葉を飲み込む。
感情がすぐに表に出るというのは、若い証拠であろう。若いというのは何にも勝る美徳だ。

やがて夜が更け、イルマが穏やかな寝息を立て始めると、ワイズマンはおもむろに安楽椅子から立ち上がった。
さあ、こちらの働く時間だ。

64 :
ワイズマンは立ち上がると、研究棟の長机へと向かった。
机の上には大きな羊皮紙が広げられており、ベスマ要塞と周辺の地形が記されている。
右手に水晶球を持ち、長机の前に立つ。

「秘されたるものの帳を暴き、密かなる褥の内奥を見んと欲す。燃えよ、輝け、生命の灯よ――我が前にその身を現すべし」

途端、水晶球がまばゆい光を放ち、地図上に転々と光点を投げ落とす。
用いたのは、生命力を探知する魔法だった。光点は人間サイズ以上の生命体の存在を現している。
要塞の上層部にある光点はイルマだろう。反対に最下層にあるのは自分だ。
要塞の外、森を移動してゆく光点は、おそらく人形遣いか――

「……おや?」

要塞の内外にいくつかある光点を眺めながら、ワイズマンはおかしなことに気がついた。
あの情けない男――名前はなんと言ったか――の先程まで居たところに、生命反応がない。
移動したのか?と思うも、それらしき光点もない。
自分が対処するとイルマに約束した相手だ。現状どうなっているかを調べる必要がある。
ワイズマンはスケルトンをもう一体作ると、水晶球をひとつ右眼窩に嵌め、イルマの嫌う男を最後に確認したポイントへと差し向けた。

外はすっかり闇に包まれているものの、スケルトンの歩行に問題はない。
予定のポイントに、件の男が倒れている。スケルトンの視界を通して、ワイズマンは早速男の容態を調べた。

「……死んでいる」

完全に絶息している。火傷は見当たらないため、イルマの仕業ではない。
であれば、誰が殺したのか?

「やれやれ……招かれざる客の多い晩だ」

きっと、イルマや人形遣いの他にも、この要塞に新たにやってきた者がいる。
ならば、自分はそれを排除せねばなるまい。正義のためでも、義憤に駆られたためでも、まして人に頼まれたためでもなく。
ただ、自らの平穏と静謐とを守るために。

ワイズマンはスケルトンに地下研究棟へ戻るように命じた。
今死んだばかりの男の死体も運んでくるように――と付け加えて。

65 :
スケルトンに死体を運び込ませたワイズマンは、さっそく死体を入念に調べた。
蝋燭のほの暗い照明でも容易に分かるほど、首筋が青黒く変色している。死因はこれに違いない。

「毒か。まぁ、問題ない」

死んでしまえば毒など関係ない。それ以外は四肢の欠損もなく、いたって綺麗なものだ。
衣服を脱がせ、裸にすると、特殊な薬液を刷毛で全身に塗りたくる。腹を開いて臓物を抜き、代わりに詰め物をする。
いわゆる防腐処理である。小一時間もすると、生前より血色がいいようにさえ見える外見の死体ができた。
処理の終わった死体を魔法陣の中央に安置し、声高に呪文を唱える。

「下なるものは上なるものの如く。上なるものは下なるものの如く。理を繙きて、汝に仮初めたる命を授けん――」

詠唱に応じ、輝く魔法陣の中の死体がむくり、と起き上がる。ゾンビの出来上がりだ。
勿体ないの精神である。使える駒があるなら、それを再利用しない手はない。

「うむ」

出来栄えに満足し、ワイズマンは大きく頷いた。早速服を着せ、生前の装備を持たせて送り出そうとする。
会話を可能とするため、右目を刳り貫いて代わりに水晶球を嵌めておくことも忘れない。

「……いや待て、これではお嬢さんが怯えるな」

元はといえばこの男が生前迂闊なことをしたせいで、イルマが騒ぎ出すこととなったのだ。
このまま素顔をさらけ出して送り出したのではまずい。
結局、ゾンビの頭にも自分と同じような覆面(頭陀袋的な)をかぶせた。

>あ…あんの…、さっきこの辺で女の子が変な男と…いや、俺も十分変だけども、変な男と戦ってたと思うんだ、そいつと戦ってた女の子、どうなったか…お…教えてくれねかな?

「ん?」

不意に、水晶球が音声を中継してくる。何かと思って見てみると、逃げたはずの人形遣いが戻ってきている。
粗末な棒切れを携えているが、これで一体何をしようと言うのか。
自分としては、誰であれ会話は最小限としておきたかったが、会話に応じることにした。

「彼女は無事だよ。そして、その男は死んだ。君は?破壊された人形を回収に来たのかね?」

とりあえず簡潔に問いに答える。――と、早馬が夜の闇を裂いて走ってゆくのが水晶球越しに見えた。

66 :
>お…おい!逃げねえとまずいんじゃねえか?

「ふむ」

慌てる人形遣いをよそに、ワイズマンは机の上に広げられている地図に目を落とした。
数にしておよそ一部隊分の光点が、いつのまにか要塞に近付きつつある。
何者か。一帯を縄張りとする盗賊たちが騒ぎを聞きつけてきたか、それとも亜人の部族か。
いずれにせよ、何者かがこのベスマ要塞を侵犯し、ワイズマンの平穏を乱そうと考えている。

「なぜ、わたしが逃げなければいけないのだね?ここはわたしの住処だ。逃げる理由などない」

当然のように返す。

「とはいえ、ほんの少しこちらが不利だ。君、どうかね。その人形師の腕、存分に揮ってみないかね?
このまま作品も放り出したまま逃げ出してしまっては、君がここで過ごしてきた時間が無駄になるというものだろう」

生憎破壊されてしまったものの、大木をもへし折る鉄人形の膂力は戦力として使えるかもしれない。
修理が叶えば、きっと役に立つだろう――少なくとも彼の持つ棒切れよりは。
そんな提案をしてみると、今度は作ったばかりのゾンビ(頭陀袋装備)をイルマのところへと送る。

「イルマ、お休み中のところすまないが、招かれざる客だ。ちょっと様子を見てくれないかね?
人形遣いの男が門の近くにいる。合流するとよいだろう、とりあえず警戒すべき人物ではなさそうだ」

自分ひとりでは対処も難しいだろうが、ある程度頭数が揃えばなんとかなる。
古来、篭城戦とは守るより攻める方が何倍も難しいものだ。
そして、ここは廃墟と化したとはいえ、かつて王国の最重要拠点と謳われたベスマ要塞である。
敵がいかような存在であったとしても、退けるのはきっと不可能ではない。

「まったく。わたしはただ、静かに暮らしたいだけなのに……」

イルマと人形遣いへの提案を終え、次なる一手の準備をしながら、ワイズマンはぶつくさと呟く。
だが。

その、平穏を守るため頑なに外的を排除していく、というスタイルが、逆により多くの敵を呼び寄せている――
ということには、かけらも気がつかなかった。

【新規の方々、宜しくお願い致します。稚拙な腕にて恐縮ですがお付き合い頂ければ幸甚です】

67 :
>>63
【こちらこそ、よろしくお願いします】

>「なぜ、わたしが逃げなければいけないのだね?ここはわたしの住処だ。逃げる理由などない」

「へー…それは…うん…大変だ」

スケルトンの返答に、クレイトンは軽く何度か頷く。
少女は無事だし、変人は死んだ、もうここにクレイトンが残る理由は何もない。
命が惜しい、どこかの正規軍と戦う理由など、彼には無いのだ。

> 「とはいえ、ほんの少しこちらが不利だ。君、どうかね。その人形師の腕、存分に揮ってみないかね?
>このまま作品も放り出したまま逃げ出してしまっては、君がここで過ごしてきた時間が無駄になるというものだろう」

もとい、あった、そうだ、せっかく作った大型の鉄人形、あれを残していけば、次に完成させられるのはいつになるかわからない。

「…そうだな、ここで逃げだしたら、おら、なんのために里を抜けだしたのかわかんねぇ」

クレイトンは一人で頷くと、外にばらけている鉄人形の部品を解体し、砦の中に運び始めた。
運ぶ途中さっと見たが、メインの鋼線が切れただけで、繋ぎ直せば鉄人形は元通り動きそうである。
元々、解体して動かす事を前提として作っていたのだ、よほどひどい壊れ方をしない限り、修復不能になる事は無い。
爆発?動力炉が無いのだ、爆発などしない、ザクとは違うのだよ、ザクとは。

「あ、そうだ。ここの地主さんとかだったら降参すっからな、流石に」

作業しつつ、一応、スケルトンにそう断っておくクレイトン。
相手の目的がこちらの殺生で無く立ち退きだったなら、別に拒否する理由はクレイトンにない。
相手が地主でもこの魔導士は戦う気満々だろうが、そんなん知ったこっちゃない、クレイトンは逃げる。

…ちなみに、この気弱なクレイトンだが、彼はこの巨大な人形を、中の魔法や、緻密に組まれた歯車で力を増幅しているとはいえ、手の力だけで動かしており、握力や腕力は相当な物である。
下手な戦士よりよほどパワーがあるし、里を襲ってきたモンスターや、出身地の人形遣いの里を離れ里だと思って舐めて襲ってくる盗賊を散々に返り討ちにした事で、実戦経験も殺生経験もある。
戦いになればワイズマンの期待以上の活躍を、彼はしてくれるだろう。

「門に配置すっか?それとも、城壁の上から石を投げつけるか?」

人形の部品をとりあえず門の前に持ってくると、クレイトンはワイズマンに聞いた。
元々門から余りはなれていないところで人形があった事と、クレイトンの怪力で、作業はあっという間に終わり、イルマはまだ来ていない。

68 :
ゾンビはいまオッドアイなのか?厨二心が擽られるな。

69 :
>>68
ROMってろ。

70 :
自分で自分のこと下手糞とかほざいて予防線張るようなヤツが参加するな

71 :
『来るか‥?』 
男との対峙を予測し、手綱を引き絞った。額に刻まれた「印」に意識を集中する。
馬が一瞬間、怯えたように身震いしたのも束の間、相手はくるりと向きを変えた。
‥内心胸をなでおろす。
隠密的な任務だ。派手な戦闘は避けたかった。
あの男の「人形」は厄介極まりない。下手な魔術を行使せぬ故に。

「しばし待っていてくれ」
エルフはヒラリと地に降り、手綱を木に結び付ける。荷物に忍ばせたロングソードを掴むが‥
「やめておくか。これは重い」
ふと思いつき、薬草をいくつか懐にしまいこんだ。馬の鼻面を優しく撫で、背をポンと叩く。
「さて‥」
天を仰ぎ、感覚を研ぎ澄ませる。「遠雷‥‥か」
軍勢の居る方角には黒雲が立ち込めていた。あちらでは既に降っているのかも知れない。
「雨は馬脚を乱す。‥先に動くとしよう」
彼はフードを目深にかぶり、歩き出した。正面横の通用門まで数分もかからなかった。

通用門とは言え、背丈の倍はあろう重厚な門。客が押して開くような門ではない。
エルフはフードを脱ぎ、門の壁を叩きだした。
「どなたか!どなたかおられぬか!?」

72 :
申し遅れました。よろしくお願い致します。

73 :
>「イルマ、お休み中のところすまないが、招かれざる客だ。ちょっと様子を見てくれないかね?
人形遣いの男が門の近くにいる。合流するとよいだろう、とりあえず警戒すべき人物ではなさそうだ」

うとうとしていたイルマが、ワイズマンの声で目を覚ます。
さっきのゴーレムを操っていた男が来たようだ。

「わかった、ワイズマン。ありがとう。少し眠いけど、大事なことなら、頑張ってみる
招かれざる客って…えっ、帝国の軍隊なの?! いっしょに逃げよう」

帝国軍だ。軍隊だ。とてもこの人数では勝てるはずがない。
しかし、

>「なぜ、わたしが逃げなければいけないのだね?ここはわたしの住処だ。逃げる理由などない」

この言葉に、イルマは心を揺り動かされた。
自分はワイズマンのおかげで命拾いをした。少しぐらいは付き合っても良いのではないだろうか。
「うん…そこまで言うなら協力します!私がいるのはあなたのお陰だし…それに、
前にいたパーティーより、こっちの方が楽しいもん。じゃあ、行って来るね」


小太りの男の姿を再び発見する。すかさずイルマが話しかけた。
「お兄さん、さっきは私のせいでごめんなさい。何かあったの?」

男が指差す先には、帝国のものと思われる軍隊の接近する姿があった。
イルマは目が良い。弓使いになったのもそのためだ。
近いうちに射程圏内に入るだろう。

「門に配置すっか?それとも、城壁の上から石を投げつけるか?」
男がイルマとワイズマン(骸骨)に話しかけている。

「うーん…敵は数が多すぎるから、城壁の上に置いて、諦めさせる作戦が良いんじゃないかな?
私も仕掛けをなるべく用意するから、急いで用意しよう。
ねえ、ワイズマン、もっと沢山骸骨って出せないのかな?ねえ、もっと魔物みたいなのは出せないの?」

一応、魔物の数が多ければ相手も警戒するだろう。
あとは灯りをなるべく多めに用意するぐらいだ。これで数がいると思わせられる。
なるべく多くの蝋燭や松明に火を付け、そして廃墟と化した城塞から石を拾っていつでも落とせるような位置に置いておく。
それを男とワイズマンと協力して組み上げた。
矢を撃つための穴も確保した。

そのときだった。
単騎でこちらに向かう馬がいた。特に敵対行動は取っていないと見える。
「どなたか!どなたかおられぬか!?」
男の声だ。そこそこの知性はあると見ていい。

骸骨とあの男しかいない。となると自分が出るのが理想だろうか。

「はーい!こちらベスマ要塞ですが、どういったご用ですか?!
名前と所属を名乗って、用件を言って!」
要塞の上は高い。できるだけ聞き取れるよう、男に向かって叫んだ。
もちろん、下には弓をいつでも番えられるように用意してある。

74 :
声は上からした。
城壁の遥か上方、おそらくは最上階からの返答、うら若い女の声。
「旅の者だ!宿をお借りしたい!!」
相手に見えるか否か、マントを脱ぎ旅装姿になる。
腰に鞭の束を下げてはいるが、剣の類を持たず、敵意もない事を示す意味で両腕を広げる。
「頼む!あけてくれ!売り物の薬草が雨で濡れてしまう!」
旅の商人を演じる作戦だ。信じれば良し。そうでないなら‥

ふと気配を感じ、彼は視線を横に移した。
ほんの‥数十メートル離れた正門、の前の大量の部品の山。
その向こうから「あの男」がこちらを見ている。
城塞の中に入ったものと思っていた彼は思わず舌打ちし‥しかしその場を動かなかった。
上からの微かな殺気を感じぬ訳ではなかったからだ。
‥‥‥‥‥気づかぬ振りをするか。相手が接触を望めばそれも良し。
そう決めた彼は視線を上に戻した。

75 :
>あ、そうだ。ここの地主さんとかだったら降参すっからな、流石に

「地主?この要塞の所有者ということかね?そんなものはいないよ、ここは廃棄された要塞だ。
いるとすれば王国だが、そもそも王国が最初にこの場所を見限ったのだからね。
それを有効活用したところで、誰に文句を言われる筋合いもない。だから安心してくれたまえ」

>門に配置すっか?それとも、城壁の上から石を投げつけるか?
>うーん…敵は数が多すぎるから、城壁の上に置いて、諦めさせる作戦が良いんじゃないかな?

人形遣いと話している間に、イルマがやってくる。クレイトン、イルマ、そして骸骨が雁首揃えて作戦会議だ。
異様な光景である。

「城壁に置く作戦もいいが、わたしは門前に配置するプランを採用したいな。
なぜなら、城壁の上から石や矢を投擲する戦法は鉄人形以外にもできる。イルマにも、わたしの骸骨どもにもね。
だが、門の守備は鉄人形以外にはできない。よって、わたしのお勧めのプランはこうだ。
人形遣い君には城門前に鉄人形でスタンバイしてもらい、イルマは城壁の上。
敵が接近したら、とにかくひとりでも多くの敵兵にダメージを与えて貰いたい。
殺害できればそれがベストだが、動けなくさせる程度でも構わない。とにかく、負傷させること。これが大事だ」

骸骨がすらすらと作戦を語る。もちろん、喋っている最中は下顎も器用に動いている。
実際に喋っているのは眼下に嵌った水晶球なのだが。

>ねえ、ワイズマン、もっと沢山骸骨って出せないのかな?ねえ、もっと魔物みたいなのは出せないの?

「あいにく材料不足でね。骨がなければスケルトンは作れないし、死体がなければゾンビは作れない。
わたしは本職の召喚士ではないから、召喚できるのはせいぜいサラマンダーやノーム程度だ。
それらは魔術儀式用の元素精霊であって、戦闘向きではないしね。だから――」

そこまで言って、一旦言葉を切る。
そこから先を言うのは躊躇いがあった。余りに人道を無視している。が、止むを得ない。
幾許かの静寂の後、ワイズマンは口を開いた。

「全部、彼らから頂いてしまおう」

76 :
「追加できるスケルトンはあと二体だ。全部で四体、イルマがそれを率いてくれ。
城壁の上で、城門に近付く敵兵を片っ端から射てくれればいい。
スケルトンは打撃武器で殴られれば一撃で粉々になるほど弱いが、遠距離での射撃ならそこそこ戦える。
石も落とせるだろう。効率は悪いが威力は大きい。
いいかね?とにかく少しでも敵に傷を負わせてくれ。それだけでいい」

まず、イルマにそう伝える。彼女にスケルトンをつけ、城壁の上へと送り出した。
松明や篝火を用意する彼女を、スケルトンも手伝う。

「……あの軍旗……確か、帝国の名家ドゥガーチ家……だったか……。歴史ある貴族とのことだったが。
どうしてこんな廃墟の要塞など標的にしたんだ?もう、戦略的にもまったくの無価値だというのに……」

迫りくる軍勢の姿を水晶球で確認しながら、ワイズマンは呟いた。
ドゥガーチ家と言えば、帝国でも多数の軍人や枢密院の議員を輩出している名家中の名家である。
他国の人間であるワイズマンでも知っていると言う辺り、その声望が窺い知れるというものであろう。
ただ、その侵攻の真意が見えない。首を捻る。
――だが。それよりもワイズマンにとって不可解なことがひとつ。

(……なぜ、城塞を攻めようとする軍勢がなにも攻城兵器を持っていないんだろう……)

そう。ドゥガーチ軍は騎馬隊と重装歩兵を中心としている。言うまでもなく、いずれも野戦を想定した備えである。
攻城戦といえば、軽装歩兵と相場が決まっている。城攻めに馬などなんの役に立つのか。
重装歩兵に、梯子を上って城壁を攻略せよというのか。
第一、その梯子も攻城塔も見当たらない。破城槌など影も形もない。
これでどうやって城攻めをするつもりなのか、自分の知らないとんでもない秘密兵器でも隠し持っているのか。
そんな邪推さえしてしまう。

(この軍を率いる指揮官は、どうやらとんだ暗愚のようだ)

だとすれば。
自分の長年培ってきた英知が遅れを取ることは、決してない。

77 :
とにかく、今は次の作戦の為にイルマと人形遣いに大暴れしてもらうのがいい。
ひとりでも多く殺し、また傷つけてくれれば、それだけ次の一手が大きな効果を及ぼすからだ。
羊皮紙の地図に向き直り、近くに置いてあった小袋を手に取る。
紐で結んである口を開き、傾けると、さらさらと白い粉末が地図の上に零れ落ちた。
袋を動かし、地図上に粉で紋様を描いてゆく。――魔法陣だ。

>どなたか!どなたかおられぬか!?
>はーい!こちらベスマ要塞ですが、どういったご用ですか?!
>旅の者だ!宿をお借りしたい!!

「……ふむ?」

水晶球がワイズマンのいる地下研究棟の外の様子を逐一中継する。聞き慣れない声だ。
イルマが対応しているようだが、いかにも怪しい。この非常時に、不確定要素を要塞内に招き入れるのは愚策だ。
だが、今は次の作戦に手一杯でイルマの方へ気を配ることができない。
ここはイルマの判断に任せよう。と、ワイズマンは自分の仕事に没頭した。

ベスマ要塞の入り口は正門と通用門の二ヶ所しかない。そして、通用門は軍勢が通行するには狭すぎる。
攻城兵器を持たないドゥガーチ軍は、当然真正面からの正攻法で来るであろうと予想する。
ならば、鉄人形の出番だ。大木をも燐寸の如くへし折る、その膂力に期待しよう。
情報伝達用に、頭陀袋をかぶったゾンビを人形遣いのところへ置いておく。
彼の言う「変な男」の成れの果てだが、顔は隠れているので闇の中ではそれと気づくまい。大体が死体だ。

彼が人形を組み、イルマが城壁の上でスケルトン四体を率いる。
騎馬の蹄の音が、重装歩兵の鎧の擦れる音が、徐々に要塞に近付いてくる。

(だから、わたしはただ静かに暮らしたいと……うん……)

地図上に禍々しい魔法陣を描き終え、不気味としか言いようのない詠唱をしながら、ワイズマンはまた同じことを思った。

78 :
期待あげ

79 :
>「お兄さん、さっきは私のせいでごめんなさい。何かあったの?」
「いんや、俺のほーこそ、おめーのおかげで助かった、ありがとうな。俺クレイトン、人形使いやってる。ここですげえ人形を組み立てようとしてるんだ、すげーの作ったら見してやっから期待しててな!」

簡単に自己紹介して、少女に挨拶するクレイトン。
少女側はイルマというらしい、魔術師は名乗ってないが、魔術師と言えばすぐわかるし、話した感じ気難し気であんまり多く会話したくないと思ったので、聞いていない、向こうもこちらの名前に興味はないだろう。

そんなイルマと、魔術師と一緒に、クレイトンは準備を固めていく。
鉄人形は、魔術師の意見を採用して、正門に配置した。
正門は荷馬車が楽に通れるような奥行きと広さのあるトンネル状になっており、トンネルの中心に木製の扉がある。
鉄人形を門のトンネル状の部分の中、扉の前に設置し、クレイトンは半開きの扉の内側にて敵の弓矢から身を隠しつつ、鉄人形を操縦する。
門より前に出る事はできないが、元々ほとんど移動できない人形だし、トンネル内は腕を振り回すのに十分な広さを持ち、また、鉄人形の手はトンネルの左右の端から端まで拳を届かせることができる。
重装歩兵だろうが、牙だろうが、トンネルをくぐり、扉を破壊して要塞内に入ろうとする者がいれば、一撃で物言わぬ肉塊にする事が出来るだろう。
他との連絡用に、魔術師が何か死体を一体、クレイトンにつけてくれたので、魔術師にリクエストがあったら、この死体を通じて通信すればよい。
最も、「操縦不能、撤退する」か、「もう駄目だ、後は頼む」か、ぐらいしか、言う事は無いだろうとクレイトンは予想していた。

「魔術師さんよぉ、敵兵だけどよ、死体をこういう風に操りてえってんだったら諦めてくれ。鉄人形はこんな器用に壊せねえ、殴られたら骨がぐしゃぐしゃになっちまう」

魔術師が何かイルマと倒した敵をどうこうすると言っているらしい会話が聞こえてきたので、死体に向かって一応断っておくクレイトン。
隠れ里時代、大型人形の一撃を喰らった人間は、皆骨が砕け散り、死体はふにゃふにゃとしていた。
魔術師の術がどんな物かはかわらないが、ある程度形が整っていなければ、まともに死体は動かないのだろう。

と、何やら通用門の方から声がして、見てみると、エルフらしい男性が何か言っていた。

>「頼む!あけてくれ!売り物の薬草が雨で濡れてしまう!」

何か商売人が宿をとりたくてこの要塞に入りたいらしい。

大変だ!こいつ知らねえんだ。

そう思うと、クレイトンは大声でエルフに叫ぶ。

「この要塞はもうすぐ攻撃をうけっぞ!こんなとこにいたらあぶねえ!逃げれ!逃げれ!」

純粋に親切心から、エルフに警告するクレイトン。
敵の間者か暗殺者かなぞ、微塵も疑っていないのだ。

80 :
ワーデルロー「者どもぉっ!止まれぃっ!」

軍勢はついに要塞の城壁からでも全容を見渡せる距離にまで接近した
ワーデルローは大きく息を吸った後、大仰な口調と大声で進軍の停止を指示する
無骨な金属音を響かせながら、重厚な装備に身を包んだ兵たちはその歩みを止める
どうやら、要塞正面に堂々と布陣するつもりのようである

ワーデルローは腰の華美なレイピアを抜くと、天高く掲げて再び声高々に叫ぶ
若い頃から自己主張の激しかったワーデルローは、とにかく口数の多い人物であった
大声で喚き散らすことも多かったため、長時間叫び続けることが可能な肺活量を誇っている

ワーデルロー「王国に与する愚か者どもめぃっ!よ〜く聞くがいいっ!
我輩は帝国名門貴族ドゥガーチ家当主、フェルディナンド・ヴエル・アウラ・ドゥガーチが第21子!
ワーデルロー・デル・パウロ・ドゥガーチ将軍であるっ!恐れおののくがいい!フハハハハハハ!」

近くに居れば耳を劈かんばかりの大声で、自信に満ち溢れた様子で長ったらしい名乗りを上げている
周囲の兵士たちは耳を抑えながら、「またか」とでも言いたげな様子で呆れ返っている
何かある度にワーデルローが行う儀式のようなものだが、今回はやたら気合いが入っている

ワーデルロー「貴様らはこれより、我輩と我輩の誇り高き軍勢によって殲滅されるのだ!
降伏なぞ認めんし、我輩は敵にかける慈悲など欠片も持ち合わせてはおらんっ!
帝国の敵となりし己の身を呪い、五体を微塵に切り裂かれながら地獄で懺悔するのだっ!
…我輩がこのレイピアを振り下ろした時、全軍の攻撃が開始されるっ!
貴様らの命は、最早我輩のこの腕一つで全て消える運命にあるのだっ!フハハハハ!」

ワーデルローの高揚と興奮は絶好調に達し、その表情は恍惚にも満ちていた
この戦い自体、実戦を熱望するワーデルローに根負けした帝国軍が彼に割り当てた任務であり、
単なる厄介払い以外の何ものでもないのだが、それでもワーデルローにとっては運命の一戦であった
この時のため、いつもの倍の文量の演説まで考案してきていたことは、顕著にそれを物語る

81 :
敵はすぐそこまで迫ってきている。

>「全部、彼らから頂いてしまおう」
「追加できるスケルトンはあと二体だ。全部で四体、イルマがそれを率いてくれ。
城壁の上で、城門に近付く敵兵を片っ端から射てくれればいい。
スケルトンは打撃武器で殴られれば一撃で粉々になるほど弱いが、遠距離での射撃ならそこそこ戦える。
石も落とせるだろう。効率は悪いが威力は大きい。
いいかね?とにかく少しでも敵に傷を負わせてくれ。それだけでいい」

全部頂く、つまり敵をRということをワイズマンから聞かされたときは背筋が冷える思いだったが、
相手は朝を待ってはくれなさそうだ。
つまり、戦闘を避けるためにはイルマが逃げるか、戦闘に付き合い、ワイズマンのエスコートを受けるか、二択。

「…うん、分かった。私やる」
当然相手は生身の人間だ。人をRことになる。しかし、止むを得ない。

>「旅の者だ!宿をお借りしたい!!」
「頼む!あけてくれ!売り物の薬草が雨で濡れてしまう!」

男がこちらを急かす。しかし、門を開けるだけでも手間がかかる上、相手は敵かもしれない。
敵はすぐそこまで迫ってきている。
すかさずイルマは骸骨に問いかけた。ワイズマンの答えは、返ってはこなかった。自分に任せるということだ。
イルマは決断する。

「分かった!お兄さんも後で入れたいと思ってるけど、今大変なの。
敵の軍勢がここを狙ってる。お願い、協力して。戦いが終わったらあなたを入れても良いわ」
これが精一杯だろう。男は落胆したようだが、仕方がない。
この要塞の近くにいれば命は守れる。それだけで充分だ。

>「いんや、俺のほーこそ、おめーのおかげで助かった、ありがとうな。
俺クレイトン、人形使いやってる。ここですげえ人形を組み立てようとし
てるんだ、すげーの作ったら見してやっから」
「魔術師さんよぉ、敵兵だけどよ、死体をこういう風に操りてえってん
だったら諦めてくれ。鉄人形はこんな器用に壊せねえ、殴られたら骨が
ぐしゃぐしゃになっちまう」
小男はクレイトンと名乗る。どうやらイルマを魔術師と勘違いしているようだ。

「さっきのは魔法の矢で、私は弓使い。イルマっていうの。よろしくね、クレイトン。
あれはあと2本しかないから、大事に使わないと。
ありがとう!大丈夫、凄く戦力になりそう。期待してるから、敵が来たらその人形でやっつけてよ」
イルマにとって仲間がいるだけで心が落ち着いた。これで少しは勝算もある。
相手に諦めさせればいいだけだ。

「この要塞はもうすぐ攻撃をうけっぞ!こんなとこにいたらあぶねえ!逃げれ!逃げれ!」
クレイトンのその声を聞くとほぼ同時に、向こうからも喝を入れるような声が聞こえてくる。
それと同時に帝国の軍隊が動き出した。低い音が鳴り響いた。
イルマは弓を構える。射程まであと少しだ。 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:0be15ced7fbdb9fdb4d0ce1929c1b82f)


82 :
帝国の軍勢が弓の射程に入ったあたりで、イルマは声を上げた。
相手が攻撃を開始したことを確認する合図だ。
「敵が攻撃してくるよ! みんな、配置について、戦闘開始!!」

イルマは要塞最上階の窓に立ち、弓を引き絞り腰を低くした。
まず一矢目を相手の軍勢の足元へと狙い撃つ。矢が放たれると同時に次を番える。
矢は最前線の重装歩兵の足元へと落ちた。それは半分以上も深々と地面に刺さった。
距離・高さからして速度は十分、それだけの力が加わっているということだ。

なおも敵は進軍を止めない。イルマは次の矢を敵めがけて放った。続いて次の矢を番えて腰を沈める。
二発目が最前線の敵兵の胸に深々と突き刺さり、それは金属鎧を貫通して背中に至り、命を奪った。
敵兵が倒れるも、なおも進軍に影響はない。予想以上に血も涙もない軍隊のようだ。
その調子で次々に矢を放つ。
たまに外しつつ、四人目を射殺したあたりで、イルマは危険を感じた。
「一人ずつ片付けていっても帝国軍の士気に影響はない…このままじゃやられる…
あれを使うしかないみたいね」

火の矢を構え、特に軍が密集するあたりを狙って重装歩兵の一人に放った。
――矢は放物線を描いたものの、魔法の矢特有の軌道を飛んでいく。
上昇したらすぐに下降し、地面すれすれのあたりで相手目掛けて直進していった。
バンッ!グゥァシャァァァン…――!

それは奥を狙ったにも関わらず、最前列の歩兵の盾によって阻まれ、そこで爆発した。
兵は鎧ごと粉々になり血肉を撒き散らしながら四散し、その爆風は周囲の大勢の兵へと襲い掛かり、
さらに吹き飛んだ兵の破片が敵軍勢に降り注いでそれなりの被害を出した。
十人前後が犠牲になり、その倍の兵が傷つき、帝国の軍勢は明らかに狼狽しているようだった。
これまで楽勝だと踏んでいた要塞攻略で、味方の無残な死骸を目の当たりにしたのだ。

しかし、当のイルマは不満だった。もっと内部で爆発させていれば…
おまけにあと残る火矢は一本しかない。あの男に向けて撃ったのが命取りになるかもしれない。
再び通常の矢を番え、敵の頭上に次々放ちながら、イルマは骸骨に向かって叫んだ。

「ワイズマン、そのゾンビだけど、敵の方に向かわせてもらっても大丈夫?
ちょっと手荒になるかもしれないけど、ちょっと良い考えがあるの」
敵は早くも体制を建て直し、そろそろ敵の矢が届く位置だ。
イルマは身震いがするのを感じた。
それが怯えによるものなのか、武者震いなのか、本人にも判らない。

「いけえええ!」
イルマが叫んだ。

83 :
避難所あったほうよくね?

84 :
いらん
そもそもまだ大したスケールじゃないしな
打合せなしの方が面白味がある

85 :
誰も名無しのお前には聞いてねえから

86 :
>「お願い、協力して。戦いが終わったらあなたを入れても良いわ」
>「この要塞はもうすぐ攻撃をうけっぞ!こんなとこにいたらあぶねえ!逃げれ!逃げれ!」

『‥人を疑うことを知らぬのか?』
このタイミングでの来客。どう考えても怪しい。問答無用で捕らえ尋問するのが正解だ。
何処ぞの馬の骨とも知らぬ男を心配し、逃げろだの協力しろだの。
素直に攻撃してくれた方がよほどいい。人の良さにつけこみ仮病でも使えば良かったか?
葛藤しつつ、エルフは解ったという風に頷いて見せる。

そうこうするうち望まぬ客は来た。
人間と馬達の荒い息遣いが、背を向けていても手に取るように解る。
急ぎフードを目深にかぶった。ワーデルローに顔を見られるのは非常にまずい。
不意に始まった口上に、エルフの耳がパタパタと迷惑そうに動く。
『相も変わらず‥声のでかい奴め』
兵たちの意識が指揮官に向いた隙を狙い、エルフは正門前に陣取るクレイトンに近づいた。
相手をなだめるようにそっと右手をかざす。
「‥シャドウだ。君たちに協力する」

少女の言う「協力」とはおそらく違う意味の協力であろう。
彼の目的は探査なのだ。破壊でも殺戮でもない。何より目標(ダーゲット)が破壊されたら元も子もない。

じわり‥と足元を浸食する魔道の波動を感じ取る。要塞の奥深く‥。おそらくは地下が発信源。
兵士が次々に射抜かれる様を目の当たりにしながら‥およそ場にそぐわぬ言葉を口にする。
【久々に胸が躍る。君は‥どう出る?】
エルフ語で紡がれたその言葉は、この場には居ない何者かに向けられた言葉だった。

87 :
たった三人で帝国の軍勢一部隊と事を構える、その布陣は決まった。
人形遣いが鉄人形を正面の門に据えて陣取り、イルマは弓兵のスケルトンを伴って城壁の上へ。
ワイズマンは地上の戦況を把握しつつ、地下の研究棟でふたりのバックアップを行う。
足りないものは敵軍から奪う。しかるのち、ドゥガーチ軍を撤退あるいは殲滅させる。

>魔術師さんよぉ、敵兵だけどよ、死体をこういう風に操りてえってんだったら諦めてくれ。鉄人形はこんな器用に壊せねえ、殴られたら骨がぐしゃぐしゃになっちまう

「ふむ。そうなのかね?それは困ったな」

ビンゴだ。人形遣いの言うとおり、死体をゾンビとして根こそぎこちらの手勢に引き込んでしまおうと考えていた。
が、それは困難だという。確かに、あんな鉄の塊で殴打されては人間など原形を留めるまい。
ワイズマンは腕組みし、黙考した。

「……」
「…………」
「………………まぁ、いいか」

基本的に大雑把だった。それならそれで、別の運用をするだけである。
と、そこへ、なんとも癇に障るだみ声が聞こえてきた。敵の指揮官であろう。

>王国に与する愚か者どもめぃっ!よ〜く聞くがいいっ!
我輩は帝国名門貴族ドゥガーチ家当主、フェルディナンド・ヴエル・アウラ・ドゥガーチが第21子!
ワーデルロー・デル・パウロ・ドゥガーチ将軍であるっ!恐れおののくがいい!フハハハハハハ!

>降伏なぞ認めんし、我輩は敵にかける慈悲など欠片も持ち合わせてはおらんっ!

「なるほど、なるほど。それは……うん、実にやりやすい」

降伏勧告などではない、ドゥガーチの皆殺し宣言に、こくこくと頷く。
相手がもし、対話での開城を試みるなどといった方策を採ってきたとしたらまずい、と懸念していたのだが。
相手が最初からR気で来るというのなら、こちらも良心の呵責を覚えずに済む。
「やらなければやられる」という大義名分のもと、徹底的に敵を駆逐することができる。

ずいぶん気が楽になった。とワイズマンは胸を撫で下ろした。
情状酌量の余地のある相手とは戦いたくないが、相手が同情のしようもない敵なら話は別。
くどいようだが外見の割にモラリストである。

88 :
>敵の軍勢がここを狙ってる。お願い、協力して。戦いが終わったらあなたを入れても良いわ
>この要塞はもうすぐ攻撃をうけっぞ!こんなとこにいたらあぶねえ!逃げれ!逃げれ!

イルマと人形遣いが闖入者に話しかけている声が、研究棟に響く。
ふたりは現れた者を要塞内に保護する気なのだろうか?それは非常にまずい選択と言わざるを得ない。
素性の知れぬ者を簡単に招き入れて、内部からの崩壊を企まれては、どんな堅固な要塞も砂の城だ。

(……なんというお人好しなんだ)

暗澹たる気分になったが、しかしワイズマンにはふたりの行動を謗る権利はない。
なぜなら、そんなふたりの底抜けに人の好い性格によって、現在ワイズマンは要塞を守る戦力を得ているからである。
姿を見せない、声だけの怪人が操るスケルトンやゾンビの指示で、まったく縁もゆかりもない廃墟の要塞を守る――
なんと馬鹿げた行為なのだろう?だが、一方でそんな彼らの精神を高潔と思う自分もいる。
ワイズマンは彼らの決断に異議を差し挟むことを放棄した。

と、夜の帳を引き裂くような鯨波が上がり、ドゥガーチ軍が攻撃を開始するのが見えた。
案の定と言うべきか、指揮官は正門に正対して布陣している。正攻法で門を破るつもりか。
だが、門ではトンネルいっぱいを塞ぐようにして巨大な鉄人形が門番を務めている。
そして、そのトンネルにたどり着く前に、敵兵たちはイルマの矢の洗礼を受けることになる。
現状ベストの布陣と言うべきだろう。後は、こちらが戦況を見て次の一手を打つだけだ。

「どうも、わたしが味方にした少女は戦乙女(ヴァルキリー)であったらしい」

水晶球の照らし出す地図上の光点が、ひとつまたひとつと消えてゆく。
イルマの弓術は正確無比だ。思わず、そんな世辞とも感嘆ともつかない言葉が漏れる。
虎の子の魔法の矢が尾を引きながら飛んでゆき、敵兵の只中で爆発する。その威力もまた凄まじい。
感心しつつ水晶球越しに眺めていると、

>ワイズマン、そのゾンビだけど、敵の方に向かわせてもらっても大丈夫?
ちょっと手荒になるかもしれないけど、ちょっと良い考えがあるの

そんな提案を受けた。
ゾンビは人形遣いとの交信用に控えさせていたものだが、当面は出番もなさそうだ。
とすれば、彼女の好きなように使ってやるのがいいだろう。

「了解した、イルマ。では、仰せの通りにしよう。人形遣い君、ちょっと君との会話ができなくなるがいいかね?
また後で、何か交信の手段を考えるとしよう」

スケルトンやゾンビを作らなくとも、水晶球さえあれば会話は可能なのである。
また彼のところへは何か代わりを差し向けよう、と考えながら、イルマの指示通りにゾンビを前線へ送り出す。
ゾンビはふらふらと酔漢のような足取りで門を出、敵軍の真っ只中へ歩いていった。
イルマからもその模様はよく見えることだろう。

89 :
「イルマか、よろしくなぁ、イルマ。うへへ…女っ子と話すのは一月ぶり位だなぁ」

眼前に迫りくる敵の口上を聞き流しながら、イルマに軽口を叩くクレイトン。
聞いてたら降伏しても聞かねえからとかしか言ってない。
特に聞かなくても大丈夫そうだと、勝手にクレイトンは考え、無視していた。

これから、原型をとどめないほどボコボコにしてしまう人間達の言葉だ、まともに聞いていたら精神が持たない。

そんな事を考えていると、鉄人形の前に、さっき話していた男がやってくる。

「いや、逃げろって…あ、そーか、もう逃げられねえのか、じゃあ仕方ねえから中へぇってろ」

不用心に門の中に男を招き入れようとするクレイトン。
だが、そこに来てようやく、この男が敵のスパイではないかという考えが浮かんできた。
…もう遅いが。

「しまった!敵のスパイか!?」

相手が自分を刺し殺せる距離に来て、我に返ったようにそんな事言うクレイトン。
アホだ、阿呆がいる。

しかし、相手はクレイトンに、普通に右手をかざしてきて自己紹介をした。

「あ、ああ、何だ、やっぱしふつーのもんか、ああ、今ほら、腕に線つけてっから握手できねえっけ、ここはいいから中入ってくれ」

クレイトンの指には、鉄人形につながった鋼線がついた指輪がはまっている。

「手伝うったってやる事なんかねえ、線に引っかかったり、人形にぶつかったりすっかもしんねえからここにいっと怪我する、どっかかくれててくれ、な?」

幼い子供に諭すように、シャドウにクレイトンが行った処で、戦いの火ぶたが切って落とされた。

90 :
イルマの放つ矢が、迫りくる敵兵に向かって襲い掛かり、敵兵は次々倒れていく。
だがその進行は止まらず、新たに放たれた魔法の矢でもって、ようやく少し怯んだ様子を見せた程度だ。

と、そこで、イルマが何か魔術師に言ったらしく、自分のところにいるゾンビを使う事にしたらしい。

>「了解した、イルマ。では、仰せの通りにしよう。人形遣い君、ちょっと君との会話ができなくなるがいいかね? 〜
「ほい来た、そんじゃ駄目になって逃げる時は叫ぶことにすっから」

クレイトンの返答に応じるように、ゾンビがクレイトンの下を離れて敵の中に侵入していく。
今のところ、敵の攻撃はイルマの攻撃で食い止めれており、鉄人形の出番はない。

「待つ時間ってのが一番嫌だねぇ…」

迫りくる敵をただ待つだけの状態に、クレイトンは徐々に恐怖を感じてきたらしい。
今頃になって、体が震えだした。

所詮、ノリと勢いで生きている男である。

91 :
休日は休みか

92 :
本当に日参できる奴なんて稀だろ

93 :
兵士「な、なんだ!?いきなり攻撃が…ぐがっ!」

兵士「ゆ、弓矢部隊だとぉ…!?」

ワーデルローの攻撃合図を待たずして、要塞側からの攻撃が開始される
兵士たちは突然の攻撃に驚き、一部で軽い混乱を催すが…

衛兵「うろたえるな!こちらの装備に弓矢など利かん!
臆せず密集隊形を組んで進み、揉み潰すのだ!」

ワーデルロー「そ、そうだ!我輩の前で無様は許さんぞ!進めぇっ!」

重厚な鎧に身を包まれた兵士たちに、ただの弓矢は効果が薄かった
正確無比なイルマの放った矢を除き、スケルトンらの放つ矢は弾かれてしまうことの方が多い
そして、衛兵の叱咤…と後に続くワーデルローの掛け声により、改めて密集隊形を組みつつ進撃を開始する
これにより、弓矢の攻撃による効果は更に薄くなってしまっただろう
…だがしかし

兵士「フン、バカの一つ覚えかよ!もう弓なんか…」

そう言いながら、盾を構えつつ進んでいた最前列の兵士の一人がその周囲ごと爆炎に包まれた
標的となった兵士の半身は跡形もなく吹き飛び、血肉が無残に撒き散らされている
そして、周囲に居た兵士たちも爆風に巻き込まれ死亡、運が良くて身体の一部を失うほどの重傷だった

兵士「ひっ!?こ、これは魔法…なのか?」

兵士「う、嘘だろ…こんな強力なヤツを使えるのが向こうに居るのかよ!」

たった一撃でもたられた凄惨な光景と被害に、兵士たちは恐怖と同様を隠し切れなかった
爆発の起こった地点を中心に隊列が乱れ、混乱が起こり始めている
これは全くの想定外であった

ワーデルロー「そ、そんなバカな…魔導師が…居るのか!?
わ、我輩はそんなことを聞いてないぞ!」

衛兵「落ち着いてください、将軍
犯人はおそらく要塞の最上層の塔に居るあの弓兵…
炸裂矢の一撃は確かに脅威ですが、今の状況で次弾を撃ってこないのを見るに、
そう何度も使える代物ではないと見ました
そして、装備で誤魔化してはいますが、周囲の兵士たちはおそらく使い魔の類でしょう
やはり、敵は数・物資双方の面において我等より圧倒的に劣っています
恐れるほどの相手ではありません!攻撃の続行を!」

ワーデルロー「う、うむ、そうだな!者ども、怯むな!進め!潰してしまええぇぇっ!
まずは手始めに、正門に陣取るあの目障りな木偶の坊をバラバラにしてやるのだ!」

混乱の最中、弓矢の攻撃で更に被害があったが、進撃が改めて指示される
やはり、弓による攻撃はイルマ自身が放ったもの以外確たる被害を与えることは出来ていないようだった
進軍が再開され、正門に近付くにつれ、最前列の兵士たちが長大な槍を構えて槍襖を形成する
その状態のまま、正門に陣取る鉄人形を囲い込むように接近していく

94 :
衛兵「弓兵部隊、前へ!こちらもそろそろ応戦するのだ!」

歩兵部隊の前進に合わせ、控えていた弓兵部隊が展開、城壁に向けて矢を番え始める
主力ではないため数は少ないが、それでも放たれる矢の物量はイルマ側よりもずっと多い

衛兵「では将軍、ヤツらを驚かせてやりましょうか」

ワーデルロー「フハハハ!そうだな!アレの威力を見せてやるか!
爆発する矢が飛んできたときには温存できるかと肝を冷やしたが…
爆槍部隊を前に出せ!手始めにあのゴーレムを吹き飛ばしてやるのだ!」

鉄人形を取り囲む歩兵たちの合間を縫うようにして、異なる意匠の鎧に身を包んだ兵士が出てきた
彼らが持つ槍の先端部分には、鈍器のような物体が覆い被せるように装着されていた

これこそ、ワーデルローの部隊が持ち込んだ対要塞戦の切り札『爆槍』であった
先端部分の鈍器のような物体には、先ほどのイルマの炸裂矢に近い原理の機構が内蔵されている
威力こそ劣るものの、古い要塞の門や城壁を破壊するには十二分な破壊力を秘めていた
そして、示威の一環としてこの『爆槍』の威力をクレイトンの鉄人形で試そうと言うのだ
爆槍を構えた兵士たちが周囲から一斉に鉄人形に躍りかかっていった

95 :
>83-84
基本84に同意だが、投下の遅延、代理願いの場は必要ではなかろうか。
他の方々、どう思われる?

96 :
>>95
【現時点では特に手の込まれたスレではないので、不要と考えます。
報告・代理投稿に関しては、代理投稿スレを使いましょう】

97 :
>「‥シャドウだ。君たちに協力する」

男がクレイトンに向かい、何やら言葉を投げかけているのが横目で見える。
しかし、イルマにはもはやそちらに干渉している余裕などはなかった。

>「いや、逃げろって…あ、そーか、もう逃げられねえのか、じゃあ仕方ねえから中へぇってろ」

イルマや横の骸骨兵が弓を引いている間に、男は門の中へと入ってきた。
後で様子を見に行って挨拶すれば良い。それが精一杯だ。

>衛兵「弓兵部隊、前へ!こちらもそろそろ応戦するのだ!」

敵の弓兵たちが、イルマたちに向け弓を引き矢を番えはじめる。
やはり重装歩兵とはいえ、弓矢の準備はしてきたようだ。そろそろ引かないと危ない。


> 「了解した、イルマ。では、仰せの通りにしよう。人形遣い君、ちょっと君との会話ができなくなるがいいかね?
また後で、何か交信の手段を考えるとしよう」

そのときだった。ゾンビが、敵の陣中めがけて、フラフラとした足取りで確実に向かっていく。
イルマは作戦を続行することにした。
弓を引き、最後の火矢を番える。今度はなかなか手を離さない。
敵の陣形へと突入したゾンビが攻撃を繰り出す前に、弓矢を浴びたゾンビが怯まない姿を見て、敵兵たちがうろたえ、
一気に包囲して殲滅する隊形に変わる。

「ありがとう、ワイズマン! いっけぇええええ!」
イルマは腰を深く落とし、強く引き絞ると、全力でゾンビに狙いを付け、矢を放った。
魔法の矢は一気に高度を落とし、ゾンビを追尾するようにして兵たちの合間を抜けていく。
敵兵はすっかりゾンビの方に気を取られており、重装歩兵と重装騎兵で囲むような形になった。
後ろから火矢がその合間を抜けるように飛来し、ゾンビに刺さり、そして炸裂する。

――シュゥゥゥ… ボゴォオオオオ…ン!!!
ゾンビは腐臭を上げながら大爆発し、周囲の歩兵や騎兵の甲冑を巻き込み、その爆発は
まるで鉄の塊が爆発するかのような猛烈な威力を持った。
爆風で肉体は甲冑ごと木っ端微塵になり、衝撃波が兵たちを吹き飛ばした。
その状態は凄惨を極め、血飛沫や臓物はまるでジャムのように酷い状態になり鉄屑を撒き散らしながら散らばった。
さらに熱波が周囲の兵たちを襲い、それは多くの兵たちを苦しめた。司令官らしき豪華な馬に乗った男の居場所にまで破片は飛んでいった。
数十人が犠牲になり、さらに周囲には大勢の兵が火傷を負った。
負傷した兵にかかる熱や衝撃の強さ、脱ぎたくとも脱げない灼熱の重装備は苦痛そのもので、
まるで兵たちは不死者のようなうめき声を上げ、阿鼻叫喚の地獄絵図と化した。

あまりの威力にイルマは、歓喜の声を上げるどころか、その惨状に後悔したほどだった。
再び通常の矢を番え、立て続けに負傷していない二人を射抜いた。

98 :
そのときだった。
「…くっ…!」

敵兵の放った矢が、イルマの肩口に刺さった。
迎撃にばかり気を取られたイルマは、敵からの攻撃が始まったことに警戒を怠った。
矢は食い込み、抜けそうにもない。血が次々と溢れる。

「痛たた…弓を引くのはもう無理そうね…! ワイズマン、治療はできないの?」
慌てて要塞の中へと引き返すも、クレイトンたちが気になり、今度は屋上へと上がる。
用意してあるのは、落石だ。既に敵の兵たちが爆槍と梯子の準備をしている。
クレイトンの人形が爆槍の攻撃を受けていた。

「クレイトン、大丈夫?! ワイズマン、敵に石を落とすよ!手伝って!」
とはいえ、付いてきたのは骸骨一体だけだった。イルマは怪我をおして石を持ち上げ、下へと落とす。
梯子を持った敵兵が兜ごと頭をかち割られ、脳漿と眼球を飛び出させながら倒れた。
再び石の用意をしているところに、再び矢がイルマを襲う。転ぶようにして避けるイルマ。しかし、脚へと矢は突き刺さった。
「くうっ… えへへ、脚、撃たれちゃった…」
脚にも矢を受けたイルマ。痛みは相当のものになった。
倒れたまま骸骨に笑顔を見せるも、苦痛で涙が溢れてくる。それでもイルマは耐えた。
敵の爆槍が炸裂し、要塞がわずかに揺れる。

「まだ、私、倒れるまで戦うよ…!」
左足だけで体勢を立て直し、伏せたまま、投げ石へと手を伸ばした。

99 :
スパイかと一度は疑った人形使いも、差し出した手であっさり自分を信じ込んだ。
これ幸いと門を通るが‥腑に落ちない。
『この対応の甘さ、正規兵ではない。であれば何故命を賭して戦う?』
一瞬男を問い正したい衝動にかられたが、忙しなげでこちらを気にかける余裕はない。
「‥恩に着る」 

滑るように門をくぐった彼は、反射的に飛び退いた。何者かが人形使いの背後に立っていたのだ。
長めのコート、小手に剣と楯を持つその姿、要塞を数回出入りしていた軽騎士と同じものだ。
『莫迦な!気配などなかった!』 
通常の騎士なら持つであろう殺気や気迫の気配だけではない。体温、脈動といった生命の徴すら。
しかし冷たく忌まわしい臭いが鼻を突き、合点が行った。
『なるほど。あの波動の主は、屍術師(ネクロマンサー)だったという訳だ』
屍術は術式が難解な上、禁呪とする国も多い。
行使可能な術者は実質存在しないと思っていたが‥思わぬ強敵に出くわしたものだ。

ゾンビは人形使いと打ち合わせ、門を抜けると兵士達に向かっていった。死んだ仲間を迎撃に利用するのだろう。
‥とある考えに思い及んだ。戦死した味方の兵。その死体を利用されたら‥どうなる?

外の騒ぎがひと際大きくなり、一瞬弓矢と投石の応酬が途絶えた。
彼は城壁に向かって走った。古代エルフ語を組み合わせた呪文(スペル)を呟く。
刹那、腰の鞭が生きた龍の如く伸び、届くはずもない屋上の鉄枠に巻きついた。
エルフは高く飛んだ。鞭の反動を利用し、屋上へと着地する。

闇の中、眼をこらし気配を読んだ。投石数から察するに敵はせいぜい2、3名。突破するは容易だろう。

100 :
イルマの放った最後の火矢が、かつてこの要塞の住人であった男の成れの果てに炸裂する。
爆炎と轟音とを伴って破裂したそれが敵兵を巻き込み、悲鳴と絶叫とが要塞の門前で渦を巻く。
まるで花火の上がったかのような、遠目で見れば美しいといえなくもない光景に、ワイズマンは唸った。

「いやはや、まったく派手だね」

穏やかに暮らしたいという願望を第一とする怪人ではあるが、この場合は止むを得ない。
むしろ、派手な方がよい。こちらの仕掛けが派手であればあるほど、示威行為としては有効である。
が、あまりイルマにばかり負担を強いてはいられない。そろそろ頃合か、などと胸中で算段する。

>痛たた…弓を引くのはもう無理そうね…! ワイズマン、治療はできないの?

「残念だがイルマ、わたしは僧侶でもなければ治療師(ヒーラー)でもない。傷をすぐに治すことは不可能だ。
ただ……君の傷の痛みを束の間忘れさせることなら可能だが、どうするね?」

敵も馬鹿ではない。当然、目立ちに目立っているイルマを優先して攻撃するであろうことは予想できた。
スケルトンを介して問うて来る彼女に軽く首を横に振るも、そんな代替案を提示する。
魔法を使えば、痛みを麻痺させて戦い続けることが可能となるだろう。だが、長時間の使用は命取りとなる。
むろん無理強いはしない。彼女の覚悟次第だ。

>クレイトン、大丈夫?! ワイズマン、敵に石を落とすよ!手伝って!

すぐにスケルトンを操るものの、敵の攻撃によって四体のうち三体はほとんど全損状態となっている。
残りの一体が石を落とすのを手伝うが、あまり役には立つまい。
――ならば。

「退却しろ、イルマ。君は充分時間を稼いだ。命を大切にしたまえ。
君がもし死んだら、わたしは君の死体でゾンビを作るよ?そんなのはいやだろう?
人形遣い君と合流しろ。人員を分散させるより、今は集まっていた方がいい。
今度はわたしの出番だ」

軽口を交えながら、ワイズマンは彼女に撤退を促し、そして言い放った。

「……さあ。ご覧に入れよう――このワイズマンの大魔術!」


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