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【横溝】ミステリ新人賞なんでも44【鮎川 】
日本ファンタジーノベル大賞\
【KDP】Kindle作家がまったりと雑談するスレ
群像新人剽窃賞 その73
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やけに設定だけ思いつくんだけど
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作家の待遇問題
☆創作とはあまり関係ない雑談スレ191☆
2ちゃんねる戦争起こそうぜ。

リレー小説 諸星島


1 :2011/07/04 〜 最終レス :2019/06/08
諸星あたるのような男が女だらけの孤島で生活したらどうなる?

2 :
ちゅど〜ん

3 :
あたるの乗った飛行機が謎の爆発を遂げた。

4 :
気が付くと、あたるは見知らぬ浜辺にいた。

5 :
「そうだ、学園祭をしよう!」
以下ループ。

6 :
無人島に校舎を建て、ひとりで学園祭をするあたる。

7 :
おR

8 :
諸星大二郎的世界の島かと思った

9 :
「日商簿記3級に受かった?」と、斜め前の席の女の子からきかれる

10 :
なんとなく、顔面にぶっかける。

11 :
あたるは女子に「彼女、お茶しませんか」と抱きついた

12 :
宅配便が送られてきた
ダンボールの中から声が聞こえる
セマイヨクライヨコワイヨと聞こえる
あたるは

13 :
勃起していた。

14 :
そんな時、さくらが水着姿で現れた。

15 :
のちの桜金造である。

16 :
のちのハンダースの一員である。

17 :
こんにちワン

18 :
えろす

19 :
さくらはある日、うんこよりは価値があると言われる伝説の秘宝「ヘキサゴンボール」を手に入れるために、いにしえの無人島「メンズアイランド」に行くことにした。
さくら「やっと着いたか…」
男の中の男「ここにはホテルなどはありませんからテントを支給しますね。」

20 :
日が傾いてきた。さくらは仕方なく男に渡されたテントを組み立て始めた。しかしさくらはテントを建てた経験などなく、テントの組み立ては難渋した。

21 :
さくら「洞窟の中で生活しよう。宝はたいてい洞窟にあるし、獣にも襲われない、一石二鳥」
そう言って洞窟を探した。

22 :
以外と洞窟はすぐ見つかった。
さくら「よし、ここにしよう。」
すると奥の方から白髭の老人が近づいて来た。
さくら「こんなところで何をしてるんですか?」
老人「君の目的はわかってる。しかし、そう簡単に手に入れることはできん。」

23 :
さくら「どういうことですか?」
老人「この先には想像を超える物が待っているかもしれぬ…それでも手にしたいか?」
さくら「はい。」
老人「では、これを持っていけ…」
老人は腰にある刀を取り出した。
さくら「本物ですか?」
老人は質問に答えず、刀を置いて洞窟の出口へ歩みよった。

24 :
この老人は何者なのかは別の話…
さくら「何かよくわからないけど、この洞窟らしいな…行ってみるか。」
洞窟は薄暗く丁度眼で見える明るさだった。

25 :
そこに、スライムが現れた。

26 :
スライムの後ろには

27 :
あたるが立っていた。
あたる「さくらさん、俺から逃げようとしても無駄ですよ。なぜならあなた
 の脳幹にはGPSが仕掛けられていてましてね。どこにいるかは手に取る
 ようにわかるんです」
さくら「なんじゃと? いったいいつの間にそんなことをしたのじゃ?」
あたる「俺を見くびらないでくれませんか。俺には鬼星の科学力が味方して
 るんです。何もかもラムのおかげですけどね」
さくらの全身に言いようのない悪寒が走った。
この男からは、逃れられない――

28 :
古臭い

29 :
さくらはあきらめて、あたるの言いなりになった。
「諸星、で、わしは何をすればいいのじゃ?」
「そうだなあ、じゃあこれを付けてよ」
さくらは驚いた。
「これは首輪じゃないか。しかも鎖付き」
あたるの笑みは普通ではなくなっていた。
「常識を離れた場所で、一度こういうのをやってみたかったんだよね。いいだろう? さくら先生」
さくらはあたるの目を見た。
その目の奥に、怯えるさくら自身が映っている。
さらくは生まれて初めて男というものに恐怖を感じた。
「断る、と言ったら?」
「さくらさんの体内に仕掛けた爆弾が作動するだけだよ。それはそれで楽しいけどね」
これが諸星中の本性。無人島に君臨する剥き出しの鬼畜がそこにいた――

30 :
弁天のエアバイクが故障した。
不時着したのは無人島だった。
後部座席のランちゃんが怒鳴った。
「こら、弁天、メンテくらいしっかりやっとけや!」
もう一人、お雪もいる。
「というより定員オーバーではないですの? 宇宙ポリスに見つからなかったからいいようなものの……」
「いや、違う」と弁天は否定した。
「この島の上空で急に制御が利かなくなった。吸い寄せられるかのようにここに着いた」
弁天はエアバイクの修理を試みた。
「ダメだ。完全にいかれている。原因はわからん」
「んなアホなことがあるかい?」
「いやだわ、だったら私たちこの島から出られないということなの?」
弁天が周囲を見回すと、密林の奥からこたつ猫が現れた。
こたつ猫は持っていたカンペに文字を書いて見せた。
『ようこそ、あたるアイランドへ』
「あたるアイランド?」
「不吉な名じゃ」
「なんだか寒気がしてきましたわ」
三人の娘は顔を見合わせた。
とりあえずこたつ猫についていき、様子を見ようと言うことになった。

31 :
「ふっふっふ、よく来たね、三人とも」
最初、それが諸星あたるだとは誰も気づかなかった。
なぜなら彼は全身に鋼鉄の甲冑をまとい、素顔を隠していた。
甲冑の王は玉座に座り、横に、手綱で拘束された異形の者を携えている。
それは四肢を切断された、全裸の人犬――さくら先生の成れの果てであった。
「ひでえな……」さすがの弁天も背筋が凍った。
「うぉえっぷ……」あまりのおぞましさにランが吐いた。
さくらは霊能力の大家だ。一回の高校生にそう易々とやられるわけがない。
それがこの有り様とはどういうことなのか。
「君たち、この島の名前を知っているかい? 諸星島。ぼくの島さ」
弁天が「お雪、何か感じるのか?」
お雪は「ええ、この島全体が諸星の思念で満たされているわ」
「どういうことだ?」
「言わば、私たちは諸星の頭の中に連れ込まれたようなものよ。ここでは彼
が王であり、絶対神。誰も逆らうことができないのよ」
諸星あたるにとっては天国、連れ込まれた者にとっては地獄。
それが――諸星島!

32 :
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33 :
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34 :
こうして、諸星島には、美女、美少女たちが着々と集められつつあった。
その中には、なんと音無響子や早乙女らんままでいるではないか。
らんま「ちょっと待て、俺は男だ!」
あたる「ふふふ、らんま君といったね。いや今はらんまちゃんか。いいこと
を教えてやろう。この諸星島では、君は男に戻ることができないんだ。呪泉
郷の呪いには、分子レベルで、ある仕掛けがあるんだが、この島では通常の
H2Oで遺伝子が元の配列を復元するようにはならないんだよ」
らんま「わけわかんねえこと言うんじゃねえよ。それは何故だ?」
あたる「それは――」
らんま「それは?」
あたる「ここが諸星島だからだ!」

35 :
 諸星あたるは突然放尿した。しかし冬の季節だった為、液体はすぐさまに凍りついた。
「ぐぉおおお、痛いッ」
 諸星あたるはキレた。淫欲の歪みによりつくられた伝説の魔剣がとんだ。
 しかしらんまは飛び上がってよけた。
 らんまは確信していた。いまこそ反撃のチャンス。
「らんまーチィムニーガード」
 これは自分のガードごと一緒に体当たりをする大技だ。
 だが諸星あたるは不敵な笑い声をあげた。
「西のらんま、当たるに弱しッ、ちょこざいが!!」
 伝説の淫剣が時空ごと斬った。
 らんまの身体が真っ二つに割れた。
「まるで薔薇のようだ」
 お雪は言った。
「くそッ、あいつがやられてしまうのなら、俺たちじゃ勝てない。なにか特別な知恵がなければ……。
 弁天は俯きながら言った。

36 :
へばーん・・・・・・・・

37 :
だが、うる星やつらのキャラに知恵のあるキャラは誰一人としていなかったのである。
面堂終太郎、チェリー、温泉マーク、そしてメガネ、全てバカである。

38 :
「待てよ……?」
 弁天の顔が曇った。しかしその目の奥は、何かを見つけたかのように光っていた。
「どうしたんじゃ、弁天?」
 ヤケクソになって全裸になりかけたランが訊いた。
「ラムはどうした? ここはあたるが君臨する妄想島だろう。だったらラムもいていいはずだ」
 お雪はあたりを見回してみた。
「そう言われてみれば、ラムの姿がないわね。あれだけ目立つ格好なのに」
「もしかしたら、このふざけた島から抜け出せる手がかりを見つけたのかもしれないぜ」
「なら、とりあえずラムを探すか」
 ランは全裸のまま立ち上がった。
 無毛であった。

39 :
ペニス一郎「見えた?」

40 :
ガラガラ・・・ただガラガラ

41 :
「おーい、ラム、どこだー!」
 弁天は両手を拡声器状に口の周りに持っていき、叫んでみた。
 それを覚めた目で見たランは、
「おい弁天、呼んで『はーい、うちラムだっちゃ』なんてすぐ答えが返るほ
ど諸星島はあまくないんとちゃうか?」
「うるせーな。やってみなきゃ始まらんだろうが」
「二人とも喧嘩はおよしになって。今はそんな時ではないはずよ」とお雪。
「してねーよ。ランなんか相手になんね」
「おいお雪、おぬしは何かいい考え、出ないんかい?」
「そーね。今のところはないわねぇ……」
「どーせ、CMが終わってもないんじゃろ」
「馬鹿か、CMなんかねえよ」
 と、三人の異星人トリオがじゃれ合っていたその時である。
「ああああああっ! あれは、あれは、なんじゃあ?」
 ランがあらぬ方向を見上げて絶叫した。(続)

42 :
 ランの目撃した光景は彼女を心底震え上がらせた。
 どんどら どんどら どんどら
 怪しい唱え言が響いていた。
 半裸の美女が古木に括りつけられている。
 露出した乳房は、ここにいる三人の宇宙娘のものより大きく、成熟していた。
 その周囲を数人の黒い小人が取り囲み、踊りながら周回していた。
「チェ、チェリーやないか! チェリーがいっぱいおるで!」
 ランはあまりの気持ち悪さに嘔吐した。
 黒い小人は皆、同じ顔をしていた。それは神出鬼没の怪僧、錯乱坊(チェリー)その人に違いなかった。
 一匹でもおぞましい錯乱坊が、黒くなって、増殖している!
「縛られているのは確かサクラさんとかいう友引高校の保健医だな」
「サクラさんと錯乱坊は、たしか親戚同士のはず、それがなぜ生贄と、野蛮な原住民の間柄になっているのかしら」
「錯乱坊は元々人間離れしていたからな。気が触れて親戚を嬲るくらいやりそうなキャラだぜ。ついに諸星島で本性が出たか」
「弁天、サクラさんを助けなくていいの?」
「いや、ほかっておこう」
「弁天、そりゃあ、ちと冷たいじゃろ! 冷たいのはお雪だけで十分じゃ」
「そんなに言うなら、ラン、お前行って、錯乱坊を倒してこい」
「いやだ……」
 ランは少しちびっていた。全裸なので内股を伝う雫が丸わかりであった。
「いいかげん服を着ろよ。油断してると、この島は本当に何が起こるかわからんぞ」(続)

43 :
 >>38で、ランは意味もなく全裸になっていたのだ。
「いやじゃ、弁天、おぬしの指図は受けん。わしは全裸でいたいんじゃ」
「しょうがねえ奴だな。いくらここが諸星島だからって貧相なヌード晒すんじゃねえって」
 しかし弁天も全裸ではないものの、ビキニ状の衣服を身につけているだけであった。
「二人とも、その話はもうよしましょう」白い和服をきちんと身につけているお雪が、とうとう口を開いた。
「そうじゃな。ページの無駄じゃ。ところで弁天よ、さくらは本当にほっといていいんじゃな」
「さくらは、>>31で人犬にされてるはず。それがなんで今は手足があるんだ? おかしいだろ」
「うーん、それは……」
「あら、諸星島にそのような整合性を求めても仕方ないのではなくて?」
 弁天は不意に後ろから肩を叩かれた気分になり、お雪を睨んでしまった。
「確かに、ここは諸星島だ。お雪の言葉は理にかなっている」
「問題は、どう動いたらこの状況が打破できるかよ。そう思わない?」
 お雪の言葉に弁天は握り拳を突きだした。
「わかったぜ、お雪。その状況ってやつを変えようじゃないか。手を貸せよ」
 というわけで、三人の娘は、奇声を上げて錯乱坊の増殖部隊に襲いかかった。(続)

44 :
 黒い錯乱坊は五匹いた。こちらは女三人。数では負けるが、リーチでは絶対的に有利だ。
「えい!」弁天が、鎖のついた鉄球を錯乱坊に振り下ろす。
 一人目の怪僧は、脳を破裂させて地に沈んだ。
「弁天、やるやないか」
 そう言ったランは、全裸のどこにそれを隠していたのか、レイガンを取り出して二人目の錯乱坊を灼き殺した。
「ハハッ、こいつら弱いで」
 タンパク質の焦げる匂いが意外に香ばしい。
「二人とも残酷ですこと」
 お雪は自身の体から強力な冷風を発し、近づいてくる二体の錯乱坊を凍り漬けにした。
「ごめん遊ばせ」お雪は氷の像と化した錯乱坊をちょんと突き飛ばす。
 二体の錯乱坊はごろんと倒れて、そのまま砕け散った。
 残る錯乱坊はあと一匹。
 最後の錯乱坊はようやく自身の苦戦を悟ったようだ。
「うぬ、女だと思って侮っておったわい。ここは逃げ時のようじゃのう」
「そうはイカの金玉だぜ」弁天が鉄球を投げつける。
 錯乱坊は寸前でそれをかわした。他の者に比べて少々素早い。こいつが本体か。
「さらばじゃ! 渇っ!」錯乱坊は大音声を上げると、自らの首を、体から切り離した。
「げっ!」ランが目をそらす。
 錯乱坊の首はロケットのように空高く飛んでいった。
 お雪は、これで第一戦が終わりか、と思った。
 そこに油断ができた。
 首を失った錯乱坊の体がお雪に抱きついた。「離して。汚らわしい!」
「お雪!」
「なんかヤバいで。チェリーの体から秒針の音がしよる」
 突然、錯乱坊の体が大爆発を起こした。
「オユキー!」(続)

45 :
 ぴちゃ。
「うわぁ」
 弁天の頬に、飛び散った肉片があたった。どちらの肉片なのか、もはや不明だ。
「お雪、大丈夫か」
 弁天と、全裸のランは、お雪に駆けよった。 まさか錯乱坊の体が人間爆弾だとは思わなかった。お雪は無事か?
「べん……てん……ラン……」
 お雪は生きていた。だが瀕死の重傷には違いない。腹部に穴が開いて、宇宙人の内臓がはみ出ている。死は確実だと思われた。
「ちくしょう、なんとか助ける手はねぇのかよ」
「手塚マンガじゃないんや。携帯用の手術道具なんかあらへん」
「大丈夫よ」
「お雪、喋るな。じっとしてろ」
「本当に大丈夫。みんな私から離れて」
「何をする気やねん?」
「自分を冷凍にするのよ。そうすれば出血は止まる。私は雪女だから冷凍にしても死なないわ」
「そうか、その手があったか!」
「私はここで待ってるから、あなたたち、全てが解決したら助けにいらして……」
「わかったぜ必ず来るからな」
 二人が離れると、お雪は自分自身を完全に冷凍化した。
 一体の美しい氷の彫像ができあがった。
「なんか帝国の逆襲のハンソロみたいだな」
「わしもそう思ったで。まあええやないか」
 こうしてお雪は負傷し、戦線を離脱した。
 冷凍化しているので死ぬことはない。それは長い冬眠であった。
「そういえばサクラのことを忘れていた」
 元々錯乱坊部隊に捕らえられたサクラを助けようとしていたのだ。
 サクラは、諸星あたるに捕まり、一時的にせよ彼と一緒に過ごしていたはずだ。何か情報を持っているかもしれない。(続)

46 :
 大きな木に縛り付けられたサクラは、気を失っていた。荒縄の間から見事な乳房が露出していた。三人の中では一番大きい。
 弁天とランはそれぞれ(でかいな……)と感嘆した。
「ラン、そろそろ服を着ろ。比べられて惨めなだけだぞ」
「断る。貧乳には貧乳の需要があるんや」
 ランは意地でも全裸を貫き通すようだ。
 ここは言わずと知れた諸星島である。
 この閉ざされた世界で、全裸になろうが、人を殺そうが誰も何も問われない。ここでは、各自が欲望の赴くままに生きることができる。
 二人はサクラの緊縛を解き、衣服を整えて横に寝かせた。
「おいサクラ、大丈夫か」
 弁天が肩を揺すると、友引高校の保健医であり、巫女でもある女性は、意識を取り戻した。
「ううん、ここはどこじゃ?」
「ランと似たような口調じゃ紛らわしいな」
「じゃあランちゃん、ここからぶりっ子モードになっちゃうネ きゃん♥」
「わしは、いったい……」
「サクラ、落ち着け。ここは諸星島だ。あたるが作った天国だよ。俺たちにとっては地獄だがな」
 サクラは遠い目をした。記憶を辿り、バラバラになったプロットを再構成しているのか。きれいな黒目が小刻みに動いている。
 弁天は、サクラの体験したことを早く知りたいと思った。
「サクラ、早速だが、訊いていいかな。お前は四肢を切断されて人犬にされたはずだろう。しかし今は元に戻っている。なぜだ?」
「ランちゃん、夢オチはいやーよ♥」
「うーむ」サクラは、自分の腕をしげしげと見つめた。自分でも不思議に感じているようだ。
 そこには、なに不自由ない女性の腕が付いている。
「待て、思い出してきたぞ……これは」
 サクラの目が見開かれ、弁天たちを睨んだ。
「なんだ、何があった?」
「それは、じゃな……」(続)

47 :
 記憶をたぐり寄せようとするサクラの視線は、遠くを見つめた。
「それは……」
「サクラ、頼む。何でもいいから思い出してくれ」弁天はサクラに詰め寄った。
「だめだ。腹が空いて思い出せん。おぬしたち、何か食うものはないか?」
「は?」
「腹が空いたと言っておるのじゃ。何か食べ物を持ってこんかい!」
「きゃっ、ランちゃんこわーい♥」
「わがままな女だな。だがあたるの側で恐ろしい体験をして取り乱しているのかもしれない。よし、俺が何か食べ物を探してくるよ」
 弁天は食料を探しにその場を離れた。
「弁天、はよー戻ってきーや。わしはこのおばさんと長時間、間を保たせる自信がない」
「おばさんじゃと?」
「きゃっ、ランちゃんちびっちゃう♥」
 弁天はものの十分で帰ってきた。
 両手に牛丼の入ったビニール袋を下げている。
 サクラはお祓い串を取り出した。
「牛丼ではないか。この孤島にそんなファーストフードがあるとは面妖な」
「知るか。向こうに牛丼屋が開いていたので、買ってきた。いらないなら俺とランで食べるぜ」
「いや食べる」
 サクラは牛丼を全部胃に収めてしまった。
「うむ、輸入牛だったが、まずくはない。腹の足しにはなった。次回は特盛で頼む」
「あの、俺とランの分は?」
「なんじゃ、あれは全部わしのために買ってきたのではなかったのか? 今からわしの胃袋から取り出すのは難儀だぞ」
「サクラ、おまえ、龍の子太郎の母親みたいな奴だな」
「わしもそう思ったで。釣った岩魚を全部一人で食べて龍になってしまうやつな。ランちゃんショックー♥」
「さて何の話じゃったかな――」
 サクラの胃に収められた牛丼はただちに消化吸収され、彼女の血液中は豊富なブドウ糖で満たされた。
 ブドウ糖は血管を巡って、サクラの脳に到達し、そのやつれ果てた脳細胞を活性化させた。
 サクラの目がカッと見開かれた。
「思い出した。わしは諸星に地獄の苦しみを味わわされたのじゃ!」
 弁天とランはごくりと生唾を飲んで、次の言葉を待った。(続)

48 :
>>29辺りから続くサクラの回想●
 諸星島の狂王である諸星の顔筋は別人のように隆起し、鬼面と化していた。
「サクラさん、早く首輪を付けて見せてよ」
「断っては、いかんのだろうな」
「いいよ。ただサクラさんの体内の爆弾が爆発するだけだけどね」
「生き恥をさらすか、潔く散るかの選択というわけじゃな」
「僕はサクラさんの体が粉々に吹っ飛ぶ姿も見たいなあ。どっちでもいいよ」
「わかった。首輪をしよう……」
 サクラは歯ぎしりを抑えて、自分の首に首輪を装着した。
「それじゃあ、だめだよ」
「何がじゃ?」
「サクラさんは犬なんだから、衣服も脱がなきゃ」
「そんなことができるか。わしは友引高の保健医、おぬしは生徒なんじゃぞ」
 諸星はくっくっと気味の悪い笑い声を漏らした。
「そんなの、この島では通用しないって言ってるでしょ」
「断る。裸になどなれるか!」
「じゃあR!」
 諸星は手元のスイッチを押した。
 サクラはうっと目をつむった。
 だが爆音はしなかった。その代わりにサクラは気を失った――
 どれくらい時間が過ぎたのかわからない。次にサクラが気づいたとき、彼女は自分が何者なのかわからなくなっていた。
 視界がやけに低い。そうか横になっているからか。では起きよう。
 あれ? おかしい。起きられない。一体どうなっているのだ。
「うわあーっ!」
 真相を目にしたサクラは気絶しそうになった。
 自分の手が、足が、肘、膝の付近からなくなっている。
 切断面は、特殊な馬蹄があてがわれていた。
 先の感覚が何も伝わってこない。
 ないのだ本当に。
「わ、わ、わしは一体、なんだ?」(続)

49 :
●サクラの回想続き●
 サクラのいる所は薄暗かったが、突然一面が明るくなった。
 アスペクト比が4対3ほどで、かなり大きな長方形だ。壁一面を使ったスクリーンだった。
 問題はそこに映し出された映像だ。
「な! に?」
 サクラはスクリーン映っているライブ映像を見て愕然とした。
 映っているのは紛れもなく自分だ。部屋のあちこち数カ所から隠し撮りしているのだろう。
 映像は数秒おきに切り替わり、正視に耐えない姿を様々なアングルで捕らえていた。
 映し出されたサクラには手足がなかった。両肘と両膝からきれいに切断され、ダルマの状態にされていた。
 衣服は奪われて、全裸だ。
「おのれ諸星、ゆるさんぞ!」残されたサクラの全身から、青白い焔が燃えはじめる。
「うぷぷ……」部屋の壁面に埋め込まれたスピーカーから諸星の笑い声が聞こえた。
「とってもきれいだよサクラさん。特に丸く付きだしたお尻がたまらないね」
 サクラは体を隠そうとしたが、隠すべき両手はもはやない。カメラの死角に逃げようとぐるぐると部屋を回るしかできなかった。
 だがカメラは部屋中に設置しているので、隠れることは不可能である。
「サクラさん、今そっちに友引高校の生徒がいくからね。保健の授業でもしようよ」
「友引高の生徒じゃと?」さくらは更に動揺した。
 扉が開いて、四人の男子生徒が現れた。
 メガネ。カクガリ。パーマ。チビ。校内ではラム親衛隊として、ときに過激な活動に従事していた集団だ。
「さ、サクラさん……」メガネはサクラの姿を見て絶句したようだ。他の三人も少し動揺している。
 だがリーダー格のメガネは、意を決してサクラに近寄った。そして諸星にわからないようにこう耳打ちをした。
「サクラさん、面目ありません。ゆえあって、諸星の下僕に甘んじていますが、心までは売ったつもりはさらさらない」
 メガネは激して、嗚咽し、涙と鼻水を流していた。
「しかし今は奴に従うしかない。苦渋の選択です。逆転の機会を信じて。自分たち四名は事件が終わったら退学届を出します。許して下さい」
「な、何をするのじゃ?」
 なんと、四人の生徒たちはサクラの裸身にローションを塗りはじめたのである。(続)

50 :
●サクラの回想続き●
 なんとラム親衛隊の面々によるサクラへの性感マッサージショーが始まった。
「やめろ、やめんか!」
「サクラ先生」メガネはサクラの口元に人差し指を突き出した。
「どうか、この人差し指を食いちぎって下さい。勿論それくらいで気の済むことではないことは承知の上。
我々とて趣味でこのような蛮行に出ているわけではない。全ては諸星のせいなのです」
 サクラは顔を背けた。
「指を噛み千切れじゃと? できるか、そんなこと」
「ここはとりあえず耐えていただけますか」
 サクラは目をつむった。
 何本もの指がサクラの背中を這い、乳房のほうに回ってくる。全身を虫に犯されている気がした。
 サクラが堪えきれずに「うっ」とうめき声を上げた瞬間、何かが起きた。
 サクラの全身に電撃が走った。比喩ではなく、本当に電流が走った。
 驚いたサクラが目を開けると、四人の執行人どもが電撃でしびれまくっていた。
(この電流は、なんだ?)
 ――ここまでサクラの話を訊いて、弁天は思わず叫んだ。
「おい、それはラムの仕業じゃないのか?」
 ラム。鬼星の娘。諸星あたるの妻。
 サクラは我に返って、弁天を見た。
「どうかな。ただわしは再び気を失った。そして気がつくと、錯乱坊の集団に捕らえられていた、というわけじゃ」
「なんか話がとんじゃってるね。ランちゃんよくわかんなーい♥」
「そして手足も元通りになっていたんだな。支離滅裂すぎるな。まるで行き先を見失ったリレー小説のようだぜ」
「いや、説明ができないわけではなかろう」
「というと?」
「わしは謎の電撃によって平行世界に飛ばされた。その世界では、わしは手足をもがれたという事実は書き換えられ、普通の状態に戻ったのじゃ」
「しかしあたいは、ちょっと前にサクラが人犬になっているのを見ているんだぜ」
「ランちゃんわかった♥ その記憶自体が他のパラレルワールドから飛ばされてきた破片なのよ。つまりここでは偽りの記憶。当たってるでしょ?」
「ラン、お前にしては名推理だ。しかし、現実はどこにあるんだ?」
 それにはサクラが答えた。
「現実はあるかもしれんし、ないかもしれん。ただ言えることは、今、この時が現実と呼べるものに近しい状態なのじゃ」(続)

51 :
「ねえねえ、これからどうするの♥」
 ランは、思案に耽る二人を見回して訊いた。
「ラン、とりあえずお前は服を着ろ」
 弁天かジロリとランを睨んで言った。
「それがね、さっき錯乱坊たちと乱闘したときに衣服がどこかにいっちゃったの」
「しょうがない奴だな。何か服の代わりになるものはないのか」
 弁天はあたりをきょろきょろと見渡した。
「これはどうじゃ」
 サクラが近くの木から一房のバナナをもいできた。そのうちの一本をちぎり取り、ランの股間に付けてみた。
「サクラ、冗談もほどほどにしてくれ。葉っぱなら貼り付けることができるかもしれんが、バナナが付く筈がない」
 弁天は呆れた。
「きゃ、バナナがくっついたよ♥」
「そんな馬鹿な。げっ、本当だ。くっついてる!」
 ランの股間に黄色いバナナが縦にくっついた。
「なんかオチンチンに見えるんだけど」
「ま、わしも一端の巫女じゃからな。これくらいの能力は持っておる」
 弁天は感服した。
「へえ、巫女ってのは超能力も持っているのか。気功の一種か何かなのか?」
「ランちゃん、こういうのテレビで見たことあるよ♥ 体中に何でも貼り付けちゃう磁石みたいな人いるよね」
「よし、ランの問題はとりあえず解決ズミ、と。これが解決になっとるのかどうか知らんが、次の問題に移ろうぜ」
「そうじゃな。とにかく諸星を倒すのが一番なんじゃが、今のわしらでは多分返り討ちに遭う公算が大じゃ」
「私たち、三人揃ってムカデ人間にされちゃうかも。こわーい。ランちゃん、弁天のお尻にだけは付きたくないわ♥」
「お前は黙れ。気になるのはサクラを別のシチュエーションに飛ばした謎の電撃だな」
「ワープして錯乱坊軍団の餌食にはされかけたが、切断されたはずの四肢が元に戻った。以前よりはよい状況に転化したわけじゃ」
「つまり電撃を再現できれば、さらに状況を好転させられる可能性が高い」
 弁天の言葉に、サクラは大きく頷いた。
「その前に腹が減った。さっきの牛丼屋に行こう」
「牛丼はさっき食べたじゃないか。サクラは俺たちの分も全部たいらげたろう。まだ食うのか?」
 弁天の質問に、サクラは大きく頷いた。
「腹が減ってはいくさはできん。違うか?弁天」(続)

52 :
 三人の女は吉野屋の店内に入った。
「なんじゃ。誰もおらんようだが」
「おかしいな。さっきは店員がいたんだけど」
 弁天は首を傾げた。
「でも牛丼はたっぷりあるみたいよ♥」
 ランは勝手に調理場に入って、大きな鍋を覗いた。
「まあ店員がいないのは、それはそれで都合がよい。ただで飯が食えるからの」
 サクラは勝手に丼に飯を放り込んで、牛肉をかけはじめた。
「おいサクラ、飯と牛肉の割合が随分違うようだが」
「こんな時でないと十分な牛肉を補充できんわ。見逃してくれ」
「教師とは思えん所業だな」
 弁天はサクラをとがめつつも、自分も極端に牛肉の多い牛丼を作って食べ出した。
 意外にもランだけがまともな牛丼の並を食べていた。
「だってー♥ ランちゃん、弁天みたいに筋肉つけたくないんだものー♥」
「使える筋肉を付けておかないと、この諸星島では生きていけんぞ。まあ食事中の説教は飯をまずくする。ここまでにしておこうか」
 三人は黙って牛丼を食べ始めた。
 店内には、飯をかき込むせわしない音だけが響いていた。
 小一時間もしないうちに牛丼屋の釜の飯はカラになった。サクラが一番大食いだったが、実は弁天も負けてはいなかった。
 弁天から見ればサクラは大人の女性である。そのプロポーションは女としての成熟を極め、他を圧倒している。
 弁天はそれをチラ見しているうちに、底知れぬ対抗心を燃やしていた。
 そしてそれが弁天の食欲へと繋がっていった。
 が、本筋には何の関係もない。
「ああ、食った食った。地獄の島で極楽とは夢にも思わなかったぜ」
 ここで相手のリアクションを期待したが、何も反応がない。
 弁天はお茶をがぶ飲みしながら、ふとランたちを見た。
 ランもサクラも、机に伏せて眠っていた。
「おかしいな。なんで二人とも寝てんだよ?」
 そう思ったとき、弁天も重たい睡魔に襲われた。
「げ、しまった。睡眠薬だ――」(続)

53 :
 弁天は嫌な予感がした。夢から覚めたら、とんでもない目に遭わされている気がする。
 サクラのように四肢をもがれ、獣に犯されるのか。いや、諸星が飽き性で残酷な男なら、さらに過激な実刑を下すかもしれない。
 例えば、だ――
 気がつくと弁天は全裸にされ衆目に晒される――
 両手と首はギロチン台に固定されて動けない――
 剥き出しの臀部のほうからは、陰茎を剥き出しにした何人もの男たちが並んでいる――
 彼女は知らなかったが、彼らは友引高校の生徒であった――
 弁天は順番にその相手をしなければならない――
 やがて下される死刑の執行――
 だがギロチンはすぐには落ちてこない。ゆっくりジワジワと刃が下がり、弁天の白いうなじを朱に染めていく――
 悪魔のささやきがテレパシーによって弁天の耳の中に送り込まれてきた――
(弁天さま、言っておくけど、首が切断されても輪姦刑は続くからね。首の落とされた君の体は、彼らが全員満足するまで犯され続けるんだよ)
 諸星あたるの声だった――
(弁天さまの体には特別な弛緩剤が打ってあるからね。死亡してからも体はしばらく柔らかくて気持ちいいんだ。素晴らしいだろう?)
 冷たく重い刃が、首の骨にあたった――
「うわあああっ!」
 ここで弁天は目が覚めた。
「ちっ、くだらん夢を見てしまったぜ」
 弁天はぬくぬくとした布団の中にいた。
「どこだここは?」
 狭い部屋だ。畳がある。和室か。部屋の隅の机。本立ての参考書。七時を表示している置き時計。日本の一般家庭の一風景。
「どうなってんだよ一体。あたいは諸星島にいたんじゃないのか? 牛丼屋で睡眠薬入りの牛丼を食べて眠らされた。そして気づいたらたらこのざまだ」
 すると声が聞こえた。
「弁天、いつまで寝ているの? 起きなさい」
 どうやらここは二階らしい。階下から女性の声がした。
 弁天は親指の爪を噛んで、思案を整えた。
「あの声は聞き覚えがある。そうだ。あれはたしか諸星あたるの母親じゃないか」
 ということは、ここは諸星の自宅?なのか。
 弁天は、とんでもない場所に跳ばされたものだと困惑した。(続)

54 :
「お、おはようございます」
 キッチンに顔を見せた弁天は、ドギマギせざるを得なかった。
 大きいとは言えないテーブルの席についているのは、あたるの母、冴えない父親、そして飯をがっついている諸星あたる。
 席が一つ空いている。弁天の席か?
「弁天ちゃん、寝坊するなんて珍しいわね」
「弁天ちゃん……?」あたるの母にそう呼ばれて、弁天は目眩がした。
 この状況は、まさか――
 弁天は一同を見回して訊ねた。
「あの、私もしかしてここに住んでいるんですか?」
 するとあたるが爆弾発言で答えた。
「何言ってるの、弁天さま。僕と君とは一つ屋根の下で夫婦じゃないか」
「はあ?!」弁天は口をあんぐりと開けて、しばし閉じられない。危うく顎が外れかけた。
 この状況において、あたるの父親は、広げた新聞に顔を隠したまま何も言わない。この人は諸星家において存在感が希薄なのである。
 あたるは、開かれた弁天の口に、丸いゆで卵を放り込んだ。
「弁天さま、昨晩は随分激しかったね。しっかり朝食を摂らないと、学校で保たないよ」
 激しかった? 弁天の全身に悪寒が走った。寝たのだろうか、諸星あたると。
「あたる、朝から変なこと言わないでちょうだい。あなたたちはまだ未成年なのよ」
「違うよ母さん、未成年だから抑えられないんじゃないか」
 すると父親が、初めて新聞から顔を覗かせて、
「あたる、弁天さんも。夜はもう少し静かにしようね。あんなに声をあげられちゃあ、寝られやしないよ」と言うと、またサッと新聞の楯に隠れる。
「や、やめてくれえ!」弁天は両耳を覆って伏せた。
「弁天さま、大丈夫かい?」あたるが駆けよろうとすると、
「諸星、ちょっと来い!」
 弁天はあたるの首根っこを捕まえて、キッチンを出た。「二人の寝室」に戻る。
 弁天はあたるの胸ぐらを掴んだ。
「おい諸星、どういうつもりだ。何を企んでいる? ここは本当はどこだ?」
 すると、あたるはニヤリと微笑んだ。両親には見せない悪魔の笑みだった。
「悪いね。サクラさんとランちゃんと君が一緒に行動していては、こちらにとって不利な展開になりそうなんでね。バラバラにさせてもらったよ」
「貴様ァ!」
「ここは僕の家だけど、諸星島の中でもあるんだ。君たちはここから逃れられない」(続)

55 :
「諸星よ、貴様の目的はなんだ?」弁天はあたるを睨みつけた。
「やだなあ、何年も付き合ってるんだから僕のしたいことなんてわかるでしょ」
「てめえなんかとなんか付き合っちゃいねえ!」
 弁天は迫ってくる変態王を、どんと突き飛ばした。
「あたいは出ていく。こんな場所にいられるか!」
「それは無理だね」
 あたるの言葉に弁天は振り返った。
「なぜ無理なんだ? サクラにしたように、あたいの体に爆弾でも仕掛けたか。面白い。爆発させてみろよ。あたいは貴様に虐げられるは死を選ぶ。強制された人生などいらん」
「うふふ」あたるは気持ち悪い声を発した。「この諸星あたる、同じネタは二度と使わない」
「何が言いたい?」
「くくく、確かに弁天さまの体内にはあるものを仕掛けさせてもらったよ。でもそれは爆弾なんかじゃない」
 あたるはポケットから、黒光りする小さな機械を取り出した。
「なんだそりゃ。携帯ラジオか。お前、株でもやってんのか?」
「これは弁天さまを愛する機械さ」あたるは機械のダイアルを回した。
「あ……あっ……なんだ?」
 弁天の体の奥から性的な快感がこみ上げてきた。陰部から乳房、そして背中、全身へと蕩ける感覚が駆け抜ける。
「やめろ……」弁天はその場にへなへなと座り込み、四つん這いになってしまった。
「はっはっは、弁天さまの神経のあちこちに特殊なチップを埋め込んでおいたんだ。それはこちらのコントロールによって性的な快感を発生させるものなんだよ」
「ひい……気持ちいい……やめろ、やめてくれえ」
 弁天は腰を振り始めた。エアセックス・ショーが始まった。ただし弁天本人は、本当に快感を味わっているのだ。演技を超えた生々しさがそこにあった。
 弁天のぶざまな様子を見て、諸星島の王は笑い転げた。
「弁天さま、最高だよ。あの気の強い弁天さまが、雌犬のように声をあげて一人セックスに興じているんだからね!」
 あたるは快感コントローラのダイアルを強めた。
「弁天さま、いく所を見せてよ」
「いや! やめてぇ!」
 弁天は絶叫して、その場に力尽きてしまった。弁天の腰と太股が時折ぴくっぴくっと引き攣っている。白目を剥いた彼女の顔は、汗で乱れていた。
 快感コントローラは肉体を爆発させるものではないが、弁天のプライドはずたずたに吹き飛ばしたようだ。(続)

56 :


57 :
      _
      |O\
      |   \ キリキリ
    ∧|∧   \ キリキリ
ググゥ>(;⌒ヽ    \
    ∪  |     (~)
     ∪∪   γ´⌒`ヽ
     ) )    {i:i:i:i:i:i:i:i:}
     ( (    ( ´・ω・)、
           (O ⌒ )O
            ⊂_)∪

58 :
ピン!
ガクッ
とぅるるるるるるる〜♪

59 :
バラバラ殺人の「星島」で検索したらこんなクソスレに来てしまった
どうしてくれる

60 :
「さあ弁天さん、一緒に学校へ行こうか。友引高校へ」
 諸星は、絶頂してその場に倒れた少女を見下ろし、暗闇の中でやけに白い歯を見せて言う。
「くそう。来世でてめえを踏みつぶしてやる」
「そんなに難しく考えないでよ。楽しくやりましょ。高校生活は一度しかないんだから」
「こんな事されて楽しいわけないだろ」
「気持ちよかったくせに。弁天山のイキ顔、最高だったよ」
 諸星は、歯ぎしりしそうな弁天に手を貸す。悪魔の手にしてはきれいな手だ。
 しかし、当然ながら弁天はその手を拒む。
「貴様の手は借りん」七福神の一人、弁天はゆっくりと自力で立ち上がる。
 不思議だ。彼女はいつの間にか友引高校の制服を、セーラー服を着ているではないか。
「ここは僕の島だからね。弁天さんのコスチュームを自在に変えられるのさ」
「何も着させられないよりはマシか。地球の学校に行くなら、鉄のビキニも着られないし……おい! 諸星」
「はいはい、なんですか?」
 弁天は自分のスカートを両手で摘んで抗議する。
「このスカート、少し短すぎないか。ラムのいた友引高校の制服はもっとお淑やかだったような気がするが」
「何言ってるの? 平成の今はそれが当たり前なの!」
 弁天ははっとする。更に重大なことに気がついたようだ。
「じゃあ、これはなんだ? これも当たり前なのか?」
 弁天は制服の超ミニスカートを全部まくってみせた。
 なんとまあ! その下は何も穿いておらず、二つに先割れした無毛の秘丘が丸見えだ。
 一介の高校生の皮を被った魔王は、何も答えず、上を向いて高らかに哄笑する。
(逆らえないのか、この男には……)
 弁天の心は石のように冷え、固まるのみだ。
諸星と弁天は電車に乗って友引高校へ向かった。
 満員電車の中で弁天は、諸星が何か猥褻な行為を仕掛けてくるのではないかと緊張したが、意外にも少年は宇宙の少女とは離れたところに身を置いて吊革に掴まっていた。
(あの男、何を企んでやがる?)
 弁天は安心しきれない。ここは奴の精神世界のようなものだ。油断は一物、いや禁物だ。
 それはふいに起こった。弁天の尻が何者かに触られている。勿論、離れている諸星は関係ない。別の誰かの仕業だ。弁天はおそるおそる顔の角度を変えて、裏側に反転しそうな目つきで相手を確かめた。

61 :
「温泉マーク!」
 その大猿のような教師の事を、弁天はラムから聞いたことがある。友引高校の独身教師で、ラムとあたるの担任だ。
「教師が生徒のケツ揉んでもいいって校則があるのかよ。友引高校には」
「黙れ不良娘。ラムの友人にはろくな奴がいないようだな」
 温泉マークは弁天の尻を執拗に揉み続けて、彼女の耳に息を吹きかける。
 変態教師のごつい手はスカートの上からではなく下から直に触っている。弁天はノーパンなので、生尻を撫で回される格好だ。
「確かお前は弁天だったな。貴様、なぜパンツを穿いておらん? エロい尻をしおって。この尻で男を誘っているのか」
「馬鹿な!」弁天は思わず叫ぶ。周囲が何事かとこちらを向くが、すぐに元の体勢に戻って見て見ぬふりを決め込む。
「これは諸星の仕業だ。私は奴に逆らえない。なぜならここは諸星島の一部だからだ」
「ふざけた事を。そういえばお前、奴と同棲しているようだな」
「それもこれも諸星の仕組んだ事だと言っている。私は一方的に被害を受けている身だ。それをわかれ」
「ふん、宇宙から来た雌犬の戯言など聞く耳持たぬわ。どうせラムから奴を奪って毎晩乳繰り合っているのだろう。体だけ発達したガキどものやる事はその程度だ」
 同棲はこの世界ではどうやら事実らしいのだが、弁天の記憶はその朝から始まっているので覚えていない。
 知らないところで何をしていたのか。考えればこんなに恐ろしい事はない。もしかしたら妊娠している事もあり得るのだ。
 と言っても、七福神と地球人の受精は可能なのか分からない。
「おい調子に乗るな」
 弁天は、エスカレートする温泉マークの手つきに耐えかねた。
 大きな手が彼女の尻の穴をほじり、前の隠された豆や、ふくよかな上体を弄る。
 だがここで声を上げても大した防衛にはならない気がする。ここは所詮、諸星島の劇場なのだ。
「ノーパンで登校した罰として俺のナニを扱いてみろ。俺が満足したら許してやる」
 弁天が躊躇する間もなく、温泉マークは自分のナニを取り出し、そこへ弁天の手を取って握らせた。
 温泉マークは弁天の後ろにピタリと付いているので、彼女からは見えないが、手に伝わる感触だけでも、それは長く、太かった。
「仕方ねえ」弁天は犯罪教師の命令に従い、彼のナニを扱きだした。
(私はなんて惨めなんだ)

62 :
「ウホホ! いいぞいいぞ。お前、なかなかのテクニシャンじゃないか。もしかして地球の繁華街でそういうバイトでもしていたのか?」
 温泉マークはナニに感じられる弁天の手の感触で陶酔の域にある。
 周囲は何事もないような素振りを続けている。こちらに被害が及ばない限りはどうでもいいのだろう。
 仕方なくナニを握る弁天の手は、ぬるぬると濡れている。奴の体液があふれ出ている。
(汚い。早くいっちまえ!)
 彼女の耳元に纏わり付く痴漢教師の荒い息づかいが、だんだん大きくなっていく。
「おい、もういい。手を退けろ」
 温泉マークは少女の手を払いのけると、弁天の尻に腰を押しつけた。
「アッ、何をする!」
 弁天の生尻の間にぬるりとした異物が滑り込んだ。もうちょっとで尻の穴に入るかどうかというところで、そいつは小刻みな前後運動を繰り返す。
「気違い! 離れろ」
 弁天の悲鳴は役に立たない。彼女の腰は男の両手に捕らえられ、獰猛な腰の動きから逃れられない。
 温泉マークの体が痙攣した。
 弁天の内股に、ぞっとする感触が流れ落ちる。放たれたばかりの生暖かい精液が滴り落ちた。
 七福神の娘はショックで抵抗の力を無くす。
 やられた。体内に出されたわけではないものの、これはもう犯されたと同じだ。
「ふう、なかなか良かったよ。弁天くんだったね。これから毎日ノーパンで登校したまえ」
 温泉マークは用を済ますと即座に賢者と化し、とっととその場を離れた。
 後には後ろを犯された弁天が残る。満員電車のはずが彼女の周り五十センチほどの空間がポッカリと空けられている。
 周囲の生徒たちはことの何たるかを知っており、温泉マークの体液で汚された弁天には近づきたくない気持ちが表れていた。
 事もあろうに、数人の生徒たちはそれをスマホや携帯のカメラで撮影している。
 弁天はそれも分かっていたが、やめろという気持ちは失せていた。
 もし外で大雨が降っていたら、思い切り当たりたい気持ちである。多分アニメの演出だったらそうなるだろう。
 だが外は無関係に晴れていた。これは奴の心理を表してでもいるのか?
 弁天は遠くに立っているだろう諸星を睨んだ。諸星は涼しい顔でスマホの音楽を聴いている。ふいに彼はこちらを向き、スマホの背面をかざして見せた。
 撮影したよ、という意味だ。

63 :
「いやあ、なかなかうまく撮れてたよ。弁天さん女優になれるよ、ただしAVの」
 電車を降りてから、諸星が撮影したスマホをちらつかせながら弁天をからかう。
 弁天は無言で諸星を振り返ると、彼の顔面に拳の一撃を食らわせた。
 世界の魔王はそれを避けるかと思われたが、少女の拳は見事に彼の鼻っ柱に命中する。
 手に伝わる確かな手応え。だが拳が血で汚れる。
「貴様、なぜ避けない? そういう趣味もあるのか? 女に殴られてイッちゃってるとか」
「うん、あるよ。弁天さん、もっとぶってぶって」
 諸星は鼻血を手で拭いながら白い歯を見せた。
「つくづく気持ち悪い奴だな」
 弁天は悪寒が走る。取りあえず話を続ける。
「撮影した動画を消去しろ」
「と言われて素直に消す俺じゃあない」
「そんなもので私を脅せると思うなよ」
「弁天さんを脅すなんてとんでもない。君は脅さなくても僕の玩具だよ。それは分かるだろ?」
 弁天は喋らない。ただ目に殺気が走る。
「あの動画は【友ちゃん動画】に投稿するんだよ」
「友ちゃん? なんだそれは」
「友引高校の動画部が運営するサイトさ。そして恥をかかせるのは弁天さんじゃなく温泉マークのほうだ。奴が君の尻で必死に腰を振ってイク姿は猿そのもの。実に愉快な動画が撮れたもんだよ。【友ちゃん動画】では毎週ベスト動画を選出している。いただきだね」
「他人の恥を撮影して面白いのか?」
「バカだなあ。面白いに決まってるじゃないか!」
 諸星は声を上げて言う。
「人は恥を晒すと正気ではいられなくなる。ある者は赤面し、泣き、そして人前から姿をくらます。もしかしたら死んでしまうかもしれない。でもそれが面白い!」
「貴様、殺されたいか!」
 弁天は本気で諸星に対峙した。
「いいよ、できるものならね。でもその前に君のほうが死んじゃうけどね」
 諸星の片手がポケットの中にあるのが気になる。弁天はあれが入っているのを思い出した。
 快感コントローラー!
「じゃあさっきのお返しをさせてもらおうか」
「あっ……」弁天は身をよじってしゃがみ込んだ。体内に仕掛けられている回路から電流が駆け巡った。為す術のない弁天は無様に蕩けるしかない。
「このままマックスにすると君は神経麻痺で死ぬことができる。史上もっとも苦痛のない死に方だよね」

64 :
「ひ、ひいっ」超ミニのセーラー服の少女、弁天はその場に蹲り、白目を剥いた。
 全身に走る快感。やばい、やばすぎる。「いいアヘ顔だ。写真に撮っておこう」諸星は、足下で悶絶する少女にスマホのレンズを向ける。
「この写真、弁天様の遺影にしたら面白いよね」
「やめろ……」弁天は腰を震わせながら切願した。
 通行人がちらちらとこちらを見つつ、時には足を止めて注目し始める。
「やめてほしいかい?」
「やめて、くれ」
「じゃあ、僕にキスするんだ。恋人みたいにね」
 諸星は天使のように笑っている。こいつ悪魔だ、と弁天は思う。
考える余裕はなかった。衆目にされされてよがり狂うわけにはいかない。
 宇宙から来た少女は何も考えずに諸星の唇に貪りつく。
 だがその瞬間、諸星はスイッチを最大限にする。
 弁天は全身を打ち震えさせ、失神した。消えゆく意識の果てで諸星が笑っている声がぐるぐると去来する。
 気がつくと、薄暗い天井があった。
「どこなんだ、ここは?」
 弁天は目を開く。ベッドの上で寝ているようだ。彼女のいる区画はカーテンで仕切られている。遠くで合唱の練習の声が聞こえる。ここは学校の保健室か?
 起きてみる。布団を少しめくると、「あっ!」弁天は衣服を着ていない。丸裸だ。
「いったい……何で?」
 混乱する記憶を手綱で導いて整理する。
 思い出した。身の毛がよだつ。だが、
「?!」布団を更にめくると、弁天を待ち構えていたのは、過ぎた驚愕だった。
 弁天の丸出しの下半身に、丸い化け物が取り憑いている。
「さだめじゃ」
「貴様、チェリーか!」
 弁天の股間に禿頭の顔面をすりつけていた物体とは。
 それは錯乱坊(チェリー)だ。チェリーのほうも丸裸で、弁天の股間に縋りついている。
「R! 妖怪が」弁天は太股でチェリーの頭部を挟み込み、両肘で奴の頭部に一撃を食らわせる。
 バキッと音がしてチェリーの頭部が凹んだ。丸い顔がしおれた風船のように縮む。
普通の人間なら『頭部を強く打って』死亡する状況だ。
 だが奴は死なない。元々人間ではない。

65 :
「貴様は十回死んでも足らないようだな」
 弁天は鬼の形相でチェリーの首を掴み、持ち上げる。首が絞められる状態なのでさすがのチェリーも赤くなる。妖怪にも呼吸は不可欠というわけか。
「なぜここに貴様が?」
「苦しい、離せ。でないと話せない」
「そりゃそうだ」
 弁天はチェリーを床に放り投げる。妖怪坊主は頭から墜落し、両目から流血し、両耳から脳汁を漏らす。それはさながら生きた汚物そのものだ。
「いつもながら乱暴な娘よのう」
「自分の股に妖怪がしゃぶりついていたら誰でも同じ事をするだろうさ」
「さて、どこから話したものか。お前はまず諸星に接吻した時に性的絶頂に達したのじゃ」
「あれは奴が私の体に仕掛けたチップのせいだ」
 弁天は頬を染めて釈明する。あれは、諸星の思惑に、まんまと体が反応してしまった。弁天の心も犯されたその瞬間だった。
「おぬしは気を失った。それを諸星が担いでここまで連れてきた。さすがに放置はできんからのう。ここは友引高校の保健室じゃよ」
「で、お前がここにいる理由は?」
「わしは元からここで昼寝をしておった。偶然に他ならぬ。保健室は元より姪のさくらの居場所じゃからの」
「ふん、一見理にかなっているようだが、お前が全裸なのが気に入らない」
「もののはずみじゃよ。誰にでも煩悩はある」
「ざけんじゃねぇ。R直球じゃねぇか」
「おぬし、ここはどこじゃったかのう?」
「友引……いや諸星島」
「ここはいわば諸星あたるの魔窟。何が起こっても何をされても、それはありなんじゃ」
 弁天は思い出した。生き別れになっているさくらは諸星に四肢を切断されたという。そして弁天は体内のあちこちに、官能チップを埋め込まれている。
「だからといって、てめえを許していい理由にはならねえぜ。死にな」
 どうせ何でもありの世界なら、坊主一匹殺そうが大事にはならないはず。弁天はVの字にした指をチェリーの両眼に突き刺そうとする。
「甘いぞ小娘!」満身創痍かと思われたチェリーは軽々と弁天の攻撃をかわす。
「法力!」チェリーは指を二本揃えて弁天に差し向ける。
「なんだ?」弁天は時が止まったかに思えた。動かない、体が。
「さてと、楽しませてもらおうかのぅ」
 止め処もなく残酷な笑みがチェリーの顔を歪ませる。
 はじまったのだ、悪魔の刻が。

66 :
(そんな馬鹿なことが!)
 弁天は叫ぶ事ができない。体が硬直している。得体の知れない法力で圧せられ、壁際に追いやられた弁天は、大の字に固定され、関節の動かないフィギュアとなる。口がポッカリ空いたまま、顎を操る事ができない。
「その口は閉じる事ができんよ。終わるまではな」
 チェリーは股間をいきり立たせていた。その姿は不気味や怪異を通り越して恐怖だ。さながら亀の生殖器のように、まるで内臓を半分も飛び出させたかのごとくはみ出している紫がかった〈それ〉。
 化け物が目指しているのは弁天の口である。
 弁天はいっそ気を失ってしまいたいと思うが、彼女にはその時さえ与えられない。
 チェリーが迫る。
「味見させてもらうぞ。七福神の弁財天よ」
 チェリーは法力で宙に浮き、弁天の顔面に短い足を絡めた。
 おぞましい異界の性器が弁天の口に侵入し、さらに喉の奥へ、ギュルギュルと突き進んでいく。
 先太りした〈鬼頭〉は一端胃の手前まで到達するとすぐに後戻りして、娘の舌先で柔らかな感触を堪能する。そしてまた喉の奥へ。顎を止められた少女に対する地獄のディープスロートが繰り返される。
「ほっほっほーっ! さくらの直腸もなかなかの味じゃったが、お主の喉もしまりが良いのう。これはたっぷり楽しめそうじゃ!」
 さくら? この坊主は姪のさくらとも変態的な交わりを成したのか。しかも、さくらの尻から宇宙怪異の肉棒を入れただと?
 だがこの怪物ならやりかねない所業だ。
 弁天嬢は体の動きが全て止められており、吐き気さえも覚えなかったが、それが不幸中の幸いと、果たして言えるものかどうか。
 肉体を弄ばれる屈辱。それが弁天を沸騰させている。やっとの事で返せる反応と言えば、血の混じった悔し涙を流すことくらいだ。
「気持ちええのう! 本当に気持ちええわ。お主のような生意気な小娘を犯し、吐き捨てる快感は諸星島でしか味わえん! あやつの配下になったのは全くもって正解じゃった!」
 弁天の口内に塩味が満ちてきた。カウパー氏腺液と唾液が混濁する。
 そしてそれは突然起きた。
 チェリーの低いうめき声とともに、粘ついた多量の液体が弁天の口内を満たす。あまりにも量が多いので、それは口の端から漏れて、彼女の体の起伏を流れ落ちる。
弁天は本日、二人目の男の液体を浴びせられた。

67 :
 その時、突然保健室のドアが開かれた。
「しまった。一足遅かったか!」
 と、女の子の声がする。
「誰じゃ?」チェリーは首だけをぎりぎりと反転させて振り返る。
 硬直して動けない弁天も眼球だけをなんとか動かしてそちらを見た。
 背の低い女子が立っていた。友引高校の制服ではない。彼女が着ているのは赤い派手なチャイナ服だ。髪はお下げ髪、とくれば。
「おぬし、この学校の生徒ではないな」
「オレは風林館高校一年F組」
(風林館?)弁天もその名を初めて耳にする。
「早乙女、乱馬!」
 名乗るなり少女は怪僧に蹴りかかった。
 左足のつま先がチェリーの側頭部を直撃する。こびとは弁天との結合を解かれて、勢いよく吹っ飛ぶ。
 自慢の法力が出ない。どうやら弁天との快楽で体力を消耗しているようだ。
 そんな抜け殻は、もはや早乙女乱馬の敵ではない。
 乱馬はチェリーを数発本気で殴り飛ばすと、最後は窓に向かって放り投げる。骨は確実に折れ、肉も内部で裂けているだろう。
 窓ガラスが派手に割れて、怪僧は外に飛び出す。そして二度と戻ってこない。
「大丈夫か」乱馬は弁天に駆け寄り、抱き起こす。弁天は裸体なので、乱馬はその上にシーツをかける。
 二人が目を合わせたところで、しかし弁天のほうは視線が宙を舞い、意識が遠のく。
「おい、しっかりしろ」
 弁天は人形に戻ったように首をがくんと後ろに傾ける。
 乱馬は弁天の口元や鼓動を確認する。
「やばい。この女、息をしてないぞ」
 あり得ないほどのストレスが弁天を壊していた。今の彼女にとっては、死の安らぎを拒めなくなっているのかもしれない。
 だが乱馬は焦る。
「ちくしょう、保健室だからAEDくらいあるだろ」
 ない! 辺りを見回したがそれらしき物はなかった。ああいう物は分かりやすい場所に設置されているはずなので、ちょっときょろきょろ見回してなかったら、それはないのだ。
 第一、あっても乱馬は使った事がない!
「しょうがない。じゃあ原始的にチューでいくか」
 乱馬は弁天の顔に近づく。
(こいつ、いい顔をしている。女にしては凜々しく、戦闘的だ。おそらく男に生まれてきたらかなりの頭角を現していたろうな)
 乱馬の数奇な運命と、弁天の寝顔が重なった。
 そして少女は少女に唇を押し当てる。

68 :
 呼吸の止まってしまった弁天! 早乙女乱馬(♀)は彼女に人工呼吸を施す。
(緊張すんな。俺は今、女の体なんだから……)
 彼女の微妙な態度について、説明せねばなるまい。早乙女乱馬は、お湯を被ると女になり、水を被ると男に戻るという変態体質なのだ! 彼は元は男子なのである。
 一度、二度、乱馬は弁天の肺に息を吹き込んだ。
(この女、気の強そうな顔をしているのに、何て柔らかい唇なんだ)
 弁天の鼓動は戻らない。だめか!
 乱馬は胸骨圧迫による心臓マッサージをしようと、弁天の胸をさらけ出した、その時である。
「なんか……ニンニク臭いぞ……」弁天の口から声が漏れる。どうやら蘇生したようだ!
「おい、しっかりしろ!」乱馬は弁天の乳房を揉みながら、声をかけ続ける。
 後で思うと、乱馬はなぜ弁天の乳房を揉んだのだろう? 多分、ダイミダラーを見ていたからだ。まあそんな事はいいとして。
「お前、餃子でも食ったのか?」
「あ、すまない。さっき無人の王将で食い放題やってきた……」
「それはそうと、その手を私の胸からどけてくれないか。気持ちいいんだが」
「あ……ああ! すまない」
 見ると、弁天の乳首が固くなっている。
「ところで乱馬よ、チェリーはどこに行ったんだ?」
「あのチビハゲのことか。奴は俺が倒した。窓の外に捨ててやったよ」
「すると私はお前に助けられたわけか」
「礼は無用だ」乱馬は両手の平で押し返す手振りをしながら言う。
「いや、礼をするとは言ってない」
「あ、そう……」
 乱馬はなぜかもじもじする。
 それから二人は互いの持っている情報を交換する。包み隠さず全部というわけではないが。
 生気を取り戻しすすある弁天は、訝しい目つきで乱馬の体を見る。
「お前が本当は女だと? そんな巨乳なのに? 信じられんな。じゃあ男に戻ってみろ」
「それができれば苦労はしないよ」
「というと?」弁天は乱馬に顔を近づける。
 早乙女は顔を赤くして少し後退った。
「この諸星島に迷い込んでから、男に戻れなくなったんだ。俺はずっとこの女の体のままだ」
 弁天は手で自分の顎を撫でる。
「なるほど、ここが諸星島なら考えられないこともない。しかし、お前が男である証拠はこれで何もなくなったわけだな」

69 :
「いや、俺が男である証拠はあるにはあるんだが」乱馬はもじもじを継続中である。
「ほう」弁天はなにやら興味深げに乱馬の小柄な体を眺める。「それは何だ?」
「言えない」
「言え! 男なんだろ」(あ、これギャバンの歌詞じゃん)
「まあ一緒に風呂にでも入れば分かる事だよ。と言えば分かるかな」
「さっぱりわかんね。お前は今、完全に女なんだろ? まさかチンコなんか生えてないよな」
「生えてないよ、今はね」
 今は、ね??
 沈黙、間……。
 学校の保健室で女二人が何を話してんだ?
「……話を戻そうぜ」乱馬がポツリと云う。
「そうだな。お前が男かどうかは、また別の機会に譲ろう。よく考えたら今はお前が女のほうがこっちはやりやすいし。そうだ、取りあえず私は今、衣服が欲しいんだが」
 そう云われて、乱馬は改めて弁天の姿を見る。全裸をシーツ一枚でくるんで、女体のディテールがシーツの皺からはっきりと見て取れるさまは、確かにエロい。
「じゃあ、他の女生徒の体育着でもかっぱらってくるか」
「じゃあお前、ブルマかスク水でも盗んできてくれるか。なるべくきれいなやつ」
「いや、盗むのは気が引ける。なんか変態みたいで」
「お前が言い出したんじゃないか。もう変態体質なんだろ? 失う物なんて何もないはずだ。頼む」
「いやだ。なんか変態の意味が違うぜ」
 さすがに女子の衣服を盗むのは頑なに拒む乱馬である。
「わかった。じゃあこの件は自分で何とかしよう」
 弁天は乱馬の見ている前で、一端シーツをめくり、器用に折りたたんでいく。まるで巨大な布の折り紙である。やがて貫頭衣のようなものができあがり、弁天はそれを着た。
「似合うかな」弁天は乱馬に悪戯っぽく聞いてみる。
「うーむ、生地が白いから、弁天というより天使みたいになったぞ。弁天使、なんちゃってな」
「弁天使だと? なんだかペテン師みたいで微妙だな」
「それは置いておいて、これで衣服を手に入れられたわけだ。これで多少の自由が利く」
「さて、これからどうしたものか。諸星を見つけ出して袋叩きにするか」弁天はすっかり体力を回復している。
「俺はまだその諸星という悪の根源には会ってないんだが、二人で大丈夫なんだろうかか? 聞けば以前は四人連れだったのを奴にバラバラに別れさせられたんだろう?」

70 :
 云われて弁天はふと旧友のことを思う。
 雪女のお雪はチェリーの自爆に巻き込まれて重傷を負った。今はハンソロのように自分を冷凍化して助けを待っている状態だ。ちなみにそのチェリーと先ほどのチェリーが同じ奴なのかは怪しい。大体チェリーは雑魚キャラだ。何人いてもおかしくはない。
 露出狂のランと巫女のさくら。この二人とは牛丼屋でともに睡眠薬を飲まされてから行方知れずだ。
 この諸星島にいるのか。それとも別のパラレルワールドとやらに飛ばされたのか。
 不明だ。
 他に思い出すべき重要な一件があったような気がする。
 弁天は、じっとこちらを見ている乱馬から目を離し、保健室の物品に目を滑らせる。
 いつ洗濯しているのか疑わしい小さなベッドが二つ。それぞれを仕切る白いカーテン。
 整頓された保健医の机。そしてなぜか小さな祓い串まで。そうか、これはさくらの机か。彼女はいない。机にはノートパソコンが置いてあって、電源のコードが壁下のコンセントに接続されている。
 電源、電気、電流……。
「あ、そうだ」弁天の頭の中で【電球】が光る。
「そうだ! ラムだ。ラムを探せ」
 すると乱馬の目が光る。
「ラムって諸星の婚約者のことか」
「いやもう結婚して妻になっている」
 にわかに乱馬の鼻息が荒くなる。
「なんと。じゃあ毎晩やりまくっていやがるのか、ちくしょう!」
「さあ、そこまでは……。テンというイトコのガキも同居しているので毎晩楽しんでいるとは思えないが」
「なんだ……」
 乱馬には許嫁がいる。天道あかねという。話に聞くラムに比べると色気が数段足りない。
 乱馬は天道家に居候をしており、同家の道場であかねとは何度も稽古を重ねている。勿論変な気になることは何回もあった。だが未だに結ばれずにいる。
「おい、乱馬どうした? 何を考えている?」
「いや、すまない。何でもない」
 弁天は乱馬の様子にニヤリせずにはいられない。
「そういえばおまえら地球の人間は、同じ年頃の奴がセックスしてんのかどうか、とても気になるらしいな」
「お前はならないのか弁天」
「ならない」
「なんでだ?」
「七福神の神様だから」弁天はぷはっと吹き出す。そして、意味ありげに乱馬を見つめた。
「ただ、そういう機能はあるにはあるんだぜぇ。試してみるかい、乱馬ちゃん」

71 :
「よせ」乱馬は、寄ってくる弁天から退く。
「冗談だよ。女同士では嵌める物がないしな」
「……まあ、それはそうだ」
「話を戻すが、私はこの島でラムが放ったらしい電撃の話を聞いたことがある」
「誰から聞いた?」
「ここの保健医のさくらだ。チェリーの姪でもあるのが微妙な点だが今回は省こう。なんでもさくらが絶体絶命の時、謎の電撃に見舞われ、ピンチを脱したというんだ」
「それはまた面妖な話だな。なぜラム本人が現れない?」乱馬は両腕を組み、眉間に皺を寄せる。
「これは仮定だが、諸星はラムが好きなくせに、彼女の独占欲には辟易していた。この諸星島でまでラムにつきまとわれては堪らないわけだな」
「それでこの世界ではラムの存在を消したってことか」
「惚れてるんだから簡単に消すはずはない。あるいはどこかに幽閉でもされているのか」
「そのラムがいれば諸星って奴を退治できるのか」
「ま、伴侶だから何かの切っ掛けは掴めるはずだ。場合によってはラムを盾にもできる」
「人質にするのか」乱馬の目つきが鋭くなる。
「やむを得ない。諸星の配偶者として責任を取ってもらわないとな。ここまで鬼畜に満ちた世界を構築するからには、ラムも何らかの影響を及ぼしているかも。なあ乱馬よ、お前だって元の世界に戻りたいだろう?」
「勿論。男に戻れない世界なんて困るからな」
 あらぬ方向から声がしたのはその時である。
「あ、あのー……」
「誰だ?」二人の少女は同時に叫ぶ。
 声のする入り口付近の物陰から一人の男が顔を覗かせていた。
「お前は! ……誰だっけ?」
 弁天はその男子生徒に見覚えがある。背が低く小柄で、髪型は適当な長髪。目が小さくまったく個性に乏しい面構え。――だめだ、思い出せない。
「チビです」
「おい、こういう時は、あだ名ではなく本名を名乗るべきだろ」乱馬は自分も背が低いことから彼の言葉に敏感になる。
「本名なんてものはありません。僕は友引高校に入学したときから、チビで通ってます」
「思い出した。メガネって奴と一緒にラムの親衛隊を作っている野郎どもの一人だな。メガネ、角刈り、パーマ、チビ。間違いない」「ありがとう、思い出してくれて!」
 チビは感動のあまり弁天の体に縋りつこうとする。鼻息が荒い。舌を出してれろれろしている。一介の変態がそこにいた。

72 :
「調子に乗るんじゃねぇ」弁天の鉄拳が飛んだ。
 発情した地球の少年は、弁天の乳房に到達する前にはたき落とされる。
「いってぇ〜」
「発情ザルめ。反省しやがれ」
「ザル……そういえば昔、未来惑星ザルドスって映画あったな」何気なく呟く乱馬。
「知らねーよそんなもん」弁天は地球にいたわけではないから当然知らない。
「乱馬さん、ザルつながりですか。知ってます。ショーン・コネリーでよすね。でもあの映画にサルは出てきませんよ」頭のコブを両手で押さえながら会話に加わるチビ。
「そんな話はいいんだよ!」弁天は一喝する。「おいチビ、何か用か? なぜこそこそ隠れていたんだ?」そして本題に入る。
「いやあ、美少女が二人保健室にいるもんだから、しかも何か怪しい雰囲気になりかけてるし、もしかしたら濃厚な百合のシーンが拝めるかな、なんて、あ、すいませ……」
 言い終わる前に弁天の拳骨がチビの頭蓋を直撃する。
 チビは頭をスローモーションで揺るがせ、目の焦点を失いかける。
「おい弁天、相手は人間だぞ。それ以上殴ったりしたら死ぬぞ」乱馬が止めに入る。
「知るか。どうせここは諸星島だ。何をやっても構わない無法地帯なんだよ」
「そんな……それは、そうだけど」
「あ、思い出した」瀕死のチビが閃いた。「その諸星島に関する話があるんです。聞いてください」
「なんだと?」目を見開く弁天。
「それを早く言えよ。そうすれば無駄に殴られずにすんだのに」
「いや美少女に殴られるのはご褒美ですから何発でもいただきます」
「フォローできない……」
「いいから話せ。でないと殴るだけではすまなくなるぜ」
「実はラムちゃんのことなんですが」
「知ってるのか?」詰め寄る弁天。
「知っているもなにも」
「じれったいな……」これは乱馬。
「知りたいですか?」
「当たり前だ」
「教えません!」
「はぁ?」
 チビは突然さくらの机の上に飛び乗り、左手を腰にやり、人差し指を突き出した右手を天に向けた。その人差し指で、次々と二人を指してこう云う。
「教えて欲しかったら条件があります! 弁天さん、乱馬さん、僕の目の前でレズビアンショーをやっていただけますか?」
 弁天と乱馬はお互いを見る。
 え? レズるの?

73 :
「しゃあないぜ。乱馬よ、いっちょやるか」弁天は乱馬を見つめながら呟く。磁力に引かれるように躙り寄る。
「なんでそういう展開になるんだ?」乱馬は泡を食って後退る。
「お前は暴力が嫌いなんだろう。暴力抜きでこのチビから情報を聞き出すには、可能な限り奴の云う事に従うしかねえだろが」
「可能じゃないよぉ」
「そうだよ。俺たちは叶姉妹なんかじゃない」
「なんでこの場でダジャレを?!」
「お前だってさっきザルドスがどうとか云ってた」
「二人ともその調子でがんばってくださいね」チビはポテトチップスをボリボリ頬張りながら、二人の美少女のやりとりを観戦している。
 乱馬はもじもじと急にしおらしい様子を見せる。まるで本当の女の子のような。それを見て弁天ははっとする。
「乱馬、もしかしてお前、初めてなのか?」
 視線を逸らし、こくんと頷く乱馬。
「案ずるな。私だって女とした事はないんだぜ」
 弁天は素早く体を覆っているシーツの貫頭衣を解く。美しい乳房が露わになり、それぞれの先端の二粒はきゅっと痼りつめている。
「さあお前も脱ぐんだ」
 頑なに拒む乱馬の両手を解き、弁天は乱馬のチャイナ服を脱がせていく。
 弁天はそれを見て目を見張る。
 巨乳。そう呼ばれるものが小さな少女の胸元から飛び出す。
「すごいもん、持ってんじゃねぇか乱馬ちゃん」
 弁天が貧乳というわけでは決してない。乱馬のミニマムな体のサイズからすると、乳房の大きさは規定の割合を大きく超えているのだ。
 かといってバランスが逸脱しているわけではなく、際立つ凹凸は奇跡的な造形美を保っている。
 弁天は女でありながらも、それを無性に弄りたくなる。
「あ、やめ……」
 弁天の指先がいきなり乱馬の乳頭に触れる。乱馬は激しく反応する。
 その口は弁天の唇に塞がれる。内部で縺れる舌と舌。それはもはやチビにはわからない暗闘。
 見ているチビはと云えば、ポテトチップスを囓る音は止まり、口を開けて二人のショーに見とれている。
 弁天が乱馬をリードし、小さな女の子の体のあちこちから官能のたぎりが吹き出す。
 弁天はじらすことをせず、常にダイレクトに患部をいじる。ただしゆっくりと、なめらかに。
「おお、なんだ?」
 弁天の指はいち早くその変化を感じ取る。
それは――異形であった。

74 :
 そこに異形があった。美少女の股間から突き出たそれは、弁天やチビを一瞬に凍らせる。
 早乙女乱馬の股間に著しい変化が生じている。
 最初はあるかないか分からない大きさで肉の裂け目に隠れていた核が、弁天の指に応じてどんどん肥大化し、大きさは小児のそれ、いや今は普通に勃起した男根ほどにまで成長しているではないか!
「頼む、見ないで」乱馬は懇願する。しかしそれは言葉だけで、実物は激しく自己主張している。
「お前、やっぱり男だったのか!」
 この世界では水を被っても男に戻れない。しかし、性的な興奮が高まると、下半身のものだけが男に変形する。と後で乱馬は説明することになるのだが――。
「乱馬、久しぶりにいい物を拝ませてもらったぜ」
 弁天はうっとりして、乱馬の怒張を扱く。「うわあっ……! はぐぅぅ……」
 もはや何を言っているのかわからぬ。乱馬は身もだえして震える。
 その興奮は弁天にも伝わってくる。
(やばいな。こっちも我慢できなくなってきた。チビが見ているが構わねえ。このまま嵌めちまおう……)
 目の前の見事な男根を中心に据えて、弁天は乱馬の体に跨がる。鈍く光る先端が弁天の股間にあてがわれる。位置は修正され、あとは弁天が上から沈み込めばよい。二人は結合する。
 はずだった。
「あぎゃ!?」叫んだのはチビである。
 女対シーメールの白黒ショーを目の当たりにしたチビは、突然視界がスパークしたことでひっくり返る。
 何が起こったのだろう。スパーク。電撃。
 ラム?? まさか。
 保健室内に蒸気とも煙とも塵ともつかないものが濛々と立ちこめている。
 目を擦るチビ。あたりをよく見回す。
 視界を妨げていたものが徐々に霧散する。
 するとそこには、今まで激しくもつれ合っていたはずの二人――その姿は忽然と消えている。
「いったいどこに行ったんですか? 最後まで見てないのに! 悔しい!」
 仕方なくチビは、残りのポテチを全部口に入れてばりばりと噛み砕く。
「げっ、ここはどこだ?」
 弁天は焦る。保健室で乱馬と結合寸前だった弁天は、謎の電撃を浴びてワープしていた。保健室ではチビ一人に見せていたが、そでは大勢の観客に取り囲まれている。
 スケッチブックを持ち、鉛筆でデッサンをする生徒たち。弁天と乱馬はそのモデルと入れ替わっていたのだ。

75 :
「おまえら……いったい何なんだ?」
 温泉マークは呆然とする。
 それぞれにスケッチブックを手にする生徒たちも絶句の真っ只中にある。どう反応していいかわからない。史上かつて、こんなばかげた事は起こったためしがない。
 美術の授業だった。内容は人物デッサン。モデルは生徒が順番に行う。各自のポーズをとる時間は二分ずつ。そうすれば全員がモデルをやることになり公平だ。ふざけた奴、恥じらう女子、大胆不敵なポーズの男子。皆それぞれに高校生の普通の授業風景だった。
 そこに突然現れた。体に何もまとわない女子が二人。彼女たちは怪しく絡み合い、何かの最中のようだった。赤い髪の小さな女の子が下になって喘ぐ。その上にまたがる野性的な女の子が相手に対して何かを仕掛けようとしている。
 その場の誰がどう見ても、なされうる事は一目瞭然だ。
「弁天……きさま、いつからAV女優になったんだ?」
 温泉マークは顔を真っ赤にして唸る。
 この教師は今朝方、電車の中で弁天に猥褻な行為を働いている。よってこの場で、弁天たちを破廉恥だとは罵れないはずだが、この男、記憶が鈍い上に厚顔無恥のようなのだ。そして他の生徒の前でもある。
「俺の授業の邪魔をするのが楽しいか?」
「なんだ温泉マークか。なんでおまえが美術の授業を仕切ってんだよ?」弁天は周囲の状況からここがどこで何をしている最中なのかを察する。
「黙れ。あまり云いたくはないが友引高校は教員のストックが足りんのだ。巫女であるさくらさんが先生をしているのもそのせいなんだが。俺はこれでも全教科を教えられる万能教師だぞ。どうだ分かったか!」
 そんな事どうだっていいや――。弁天は咄嗟に自分の下になっている乱馬のことを考える。確か彼女はアヘアヘになっていてチンコが生えているはず。それを他の生徒に見られるのは、いくら何でもマズいのではないか。
 弁天は焦って乱馬の股間に手をやる。しかし先ほどまで立っていった立派な肉の塔は、幻のように消え失せている。
 電撃のショックが効いたのか。訳の分からない瞬間移動をした衝撃でイッたのか。わからない。とにかく今の乱馬は「普通の女の子」だった。
 ここは、よかったと言うべきかどうか、はてさて。
(それにしてもあの電撃はなんなんだ?)
 弁天は姿は見えずとも間近にラムの存在を嗅ぎつけていた。

76 :
「おい乱馬、起きろ」
 荒っぽい女子の声がする。乱馬は夢から引き戻される。
 薄暗い部屋だ。目の前に見覚えのある女がいる。たしか弁天という七福神の娘だ。
 しかしその弁天の姿は惨めだ。裸でM字開脚させられ、両手は後ろに縄で縛られている。
 すぐに自分も同じ目に遭っている事を知る。手足が動かせない。
「これはどういうことだ?」
「見ての通りさ。私らは捕まったんだよ。温泉マークたちに」と弁天。
「なに?」
 弁天は事の次第を語り始める。乱馬は保健室でのレズ行為あたりから記憶があやふやになっているからそこから始まる。
 保健室で弁天は乱馬の肉棒を受け入れようとした。そのとき謎の電撃に遭い、二人は瞬間移動する。跳ばされた先は友引高校の美術室。そこでは温泉マークが美術の授業をしていた。
 弁天と乱馬は、あたかもヌードデッサンのモデルのようにそこへ放り出される。若い女性の生々しい裸体のために、教室は混乱する。
 温泉マークは授業を妨害されたと激怒し、男子生徒らに命じて二人を捕らえ、縄で緊縛して蔵のような場所に放り込んだ――以上。
「オレはそのとき抵抗しなかったのか? あんたと二人なら多少の人数は対処できるが」
「残念だが乱馬、お前は放心状態だったよ」
「そうか、すまん」乱馬はかくんと項垂れる。
「お前が謝ることではないさ。幸いにもこの状態で輪姦パーティにはならなかった。多分女子生徒もいたからだろうな」
 そして弁天は続ける。
「仮に襲われたとしても、また電撃に助けられる可能性もあるが」
「電撃か。ああ、確かにオレもそれを感じた」
 正体不明の電撃。それはまずサクラに起きたという。人犬にされたサクラがメガネたちに陵辱されかけたとき、電撃が発生して状況が一変した。
 その時は、サクラは夢をみていたというオチに助けられ、普通の体に戻っている。
 そして今回は弁天と乱馬が性的合体をしようとしたら電撃が発生した。
 二つの共通点は、性的な一線を越えようとすると、不可解な電撃が発生して状況がねじ曲げられるということだ。
 ただし弁天が電車で痴漢に遭ったり、保健室でチェリーのものをしゃぶらされたときは助けが来なかったとか。
「いずれにしろ、この世界で電撃を発生させられるのはラムくらいしかいない」
「ラムねぇ……」乱馬は今ひとつピンと来ない。

77 :
「取りあえず脱出するか」乱馬はもぞもぞと動き始める。
「簡単にいうなよ。この縄、結構キツく縛ってあるぞ。映画みたいにホイホイ縄抜けできないようだが」弁天の方は脱出をあきらめているふうだ。
「それができるんだな。俺は拳法を学んでいる。縄抜けなど朝飯前だ」乱馬は肩を器用に動かしながら縄をずらしていく。
 拳法と縄抜けの関係が今ひとつ分からない弁天は、ただ乱馬の様子を見守るしかない。
 @拳法は忍術と通じるものがある。
 A忍術で縄抜けは可能である。
 Bよって拳法で縄抜けはできる。
 なんていう三段論法も考えられるけど。
「ほら簡単だぜ。縛った奴が素人だからな」
 乱馬は立ち上がる。体に巻かれてあった縄がすとんと床に落ちる。素肌に縄の跡が赤く残っている。
 乱馬は弁天の縄を解きにかかる。だが途中で手が止まった。
「どうした?」弁天が乱馬を見上げて尋ねる。
「あのさ、さっきの続きしないか?」
「さっきの……えっ? ここで、この状態でか?」
 弁天はまだ縛られたままなのだ。
「まず縄を解いてくれないか」
「いや、このままやったほうが面白い。刺激的で」
 乱馬の股間は既に男根化が著しい。
「乱馬、お前やる気満々だな」
「さっきのお返しをしたくてね。それとも縄を解いたほうがいい?」
 そう云われて、弁天は乱馬を見上げる。目と、目が合う。何かが繋がった。
「任せる。それにまた電撃が発生するかどうかも試してみたいし」弁天の云うあとの理由は、取って付けたようなものだ。
 弁天の瞑目が合図となる。
 二人は柔らかい唇を重ねる。
弁天がまだ緊縛されているので、これは公正な情交とはいえない。しかし両者の力関係や身分が違えば違うほど、こういうことはいっそう燃えさかるのも、然るべきことなのだ。
 弁天は自分は「受け」ではないと思っていたが、実際はこれ以上はないほど溢れている。四肢の自由が利かない。乱馬の指にされるがままに跳ね狂う肉体。溶けてしまいそうだった。
「いくよ」乱馬のささやきが弁天の耳に響く。
 何かが入ってきた。痛くはない。むしろその真逆。
 自分の認めた美しい者に犯されている、という甘美な感覚に弁天は震える。
 動物のようなうめき声がする。
 相手の遺伝子がなだれ込んできた。

78 :
「ちょっと待てよ!」弁天は焦っている。あれから三分すぎている。乱馬は賢者モード中らしく、放心しきっている。
「乱馬てめえ、中出ししやがったな」
 乱馬の性器が引き抜かれたあと、弁天のそこからは有り余る体液が噴き出していた。早乙女乱馬の解き放った欲望だ。
「だってラムとかの電撃が発生するか試すって云ったじゃん」
 エロいことをすると謎の電撃が起きることがある。諸星島の謎を解明する鍵だ。
「だが電撃は起きなかった。お前の遺伝子がまんまと流し込まれただけだ!」
「そんなの知らないよ」
 全てを出し終えた乱馬は実に素っ気ない。これが賢者モードなのか。
 だが取りあえず乱馬は弁天の拘束を解いてやる。
 両手が自由になった弁天はいきなり乱馬を平手打ちする。
「いてえな」乱馬は不満そうな顔をする。
「いくらなんでも、最後にゃ外に出すとかするだろ。ばかかおめえは」
「大丈夫だよ。孕みはしないから」
「なんでそんなことが云える?」
「俺は今女の体だから……」
「でも陰茎は生えるんだろ。こんな白濁した液、たっぷり精子が混入してそうだぜ。それになんか臭いし」
 弁天は流れ出た液体を手にとって嗅ぎ、顔をしかめる。
「すまん、でも大丈夫と思う。地球人と七福神では遺伝子が合わないんじゃないかな」
「そんなこと分かるもんか……と長々とごねても埒が明かないか。まあいい。次いこう」
「それにしても」と乱馬は口を開く。「なぜ電撃は起きなかったのだろう?」
「いい加減な設定ってこったろ」
「整理して考えたら何か分かるかもしれないよ」
 この蔵には使われてない移動式黒板がある。乱馬はそこに板書していく。
@四肢をもがれたさくらが陵辱されそうになる→電撃により回避(夢オチか?)
A弁天があたるに弄ばれる→発生せず
B弁天、温泉マークに痴漢される→発生せず
C弁天、再びあたるに弄ばれる→発生せず
D弁天、チェリーに陵辱される→発生せず
E弁天と乱馬、合体する→電撃により回避
F弁天と乱馬、再び合体→発生せず
 弁天は腕を組み、怪訝な顔で項目を睨む。
「@〜DはRや痴漢。EFは合意だが電撃はその区別で発生の是が非があるわけではないな」

79 :
「だめだ、俺にはさっぱりわかんねえ」
 乱馬はお手上げらしい。もともと後先考えない格闘家タイプなので頭を使うのは苦手のようだ。
「ただ云えるのは、電撃の発生は、万有引力のような鉄板法則によるものではない、ということかな。人為的な気がする」
 弁天のおつむも本来は似たようなものだが、乱馬と比べるとやや頭を使う側にある。他に頭脳派がいないとなると、そうならざるを得ないのか。また諸星島にきて弁天が受けた仕打ちが、彼女を変えていたともとれる。
「待てよ。EとFは同じ状況なのに電撃の発生に違いがある。これはどういうことだ?」
「知らね」乱馬は両掌を上に向けてお手上げポーズを作る。
「乱馬、少しは考えろ。EとFの違いは?」
 乱馬は岡田斗司夫のように目を中空に睨ませて考える。
「うーん、チビがいるか、いないか」
「そうだな。チビに見せるのがNGなのか……なぜ?」
 弁天は当時の状況を必死に脳内で再生する。
 そして何かに気づいたのか、乱馬のほうに目を合わせる。
「どうしたんだ?」
「あのときチビは、ラムについて何か知っていると云ったな。それと引き替えに私たちにレズショーをやれと要求した。電撃は私たちがラムの情報を得ることを遮断したんじゃないのか?」
「そういえばチビはそんなようなこと云ってたな」乱馬も思い出してくる。
「だが電撃はラムの仕業だという仮定がある。それなのにラムの情報を私たちに流させないのは妙だ。私はこれでもラムの友人のつもりだ。ラムだったら私を近づけさせないようなことはしないと思うが」
「訳ありってことか。いずれにせよ、まだ材料が足りない感じだな」
 弁天と乱馬はしばし沈黙し、互いの思案を練る。口を開いたのは乱馬だ。
「なあ、そんなことより」
「なんだ乱馬?」
「衣服を着ないか? なんだか寒くなってきたんだが」乱馬は両手で自分を抱きしめる。巨乳が寄せられてかなり見物だ。
「そんなこと言ったって、どこにあるんだよ? お前、他人のを盗むのはいやなんだろ?」
「俺も友引高校の様子はよくわかんねえんだが、どこの高校にも購買部ってのがあるはずだが」
「購買部! 思い出したぜ。友引高校には確かに購買部がある。変態の親父が息子と、いや娘、どっちだっけ……とにかく二人で経営しているんだ」
 弁天が云っているのは藤波親子のことだ。

80 :
 弁天と乱馬は購買部の前に来た。授業中が幸いして、途中誰ともすれ違わない。二人は全裸なので、それはスリルではあったけれども。
「おい開けてくれ。買いたい物がある」
 弁天が小窓を叩くと、そこが開いて中から目つきの悪い男が顔を覗かせる。
「何が欲しい?」
「衣服だ。このとおりわけあって私たちは何も着ていない」二人は胸を両手で隠して頼み込む。
「その身なりで金はあるのか?」
「今はない。つけておいてくれないか」
 乱馬が愛想笑いを浮かべると、小窓はぴしゃりと閉まる。
「おい待てよ。裸の美少女をこのままにしておくのか?」
「金がないなら立ち去るがよい」
 小窓が閉じたままくぐもった声がする。それきり何も応えなくなる。気配が奥に消えた。
「なんか世知辛い奴だな。乱馬、地球人の親父はみんなこうなのか?」
 乱馬はふと自分の父を思い浮かべる。
「まあ似たり寄ったりかな」
「ラムの親父はもっと太っ腹だったような気がするが」
「色仕掛けで何とかならないかな」乱馬は小窓の隙間からフーフー息を吹きかけて無駄な努力を続ける。
「こうなったら、実力で奪うか」
「強盗するのか?」
 乱馬は地球人でしかも日本人。弁天は人類ではない。物を奪う感覚に違いがある。
「借りるだけだよ。金はあとから何とかするさ。労働で返してもいいし」
「ま、労働の種類にもよるけどな」
 弁天と乱馬は、せえのと声を合わせて、出入り口の扉に体当たりで突っ込む。
 多少の抵抗感はあったが、扉は内側に開かれる。
 二人は均衡を崩して床の畳に倒れ込む。
 室内は薄暗い。窓には厚いカーテンが下ろされている。昼間からこんなに暗くする必要があるのかと思って目をこらすと、部屋の奥に人影が見えた。人数は二人、炬燵に入っている。
 弁天たちに対して背中を向けているやや大きいほうが振り返る。
「またおまえらか、ここはスタッフオンリーだぞ」藤波の親父が目を細めて云う。
 だが弁天と乱馬は応えられない。
 親父と向かい合っている相手。様子がおかしい。
 弁天には藤波には一人娘がいる記憶があった。少年のように短髪で、学生服をボタンもはめずに着ている少女。
 だが今そこにいる者は、弁天の記憶とは大きく違う。
 炬燵には一体のミイラが座らされていたのだ。

81 :
「これは竜之介だ。ミイラではない」
 そんな親父の言葉に、二人はただ唖然とする。
「竜之介、コーヒーでも飲むか」親父はミイラを相手にインスタントコーヒーを作りだす。
「できたぞ。砂糖は二さじだったな」親父はミイラにコーヒーカップを勧める。
 無論ミイラは何も応えない。親父は静かにコーヒーカップをテーブルに置く。
 乱馬は乳房を隠すのも忘れて、弁天に囁く。
「なんかヤバいところにきちゃったな。逃げ出したいよ」
「気持ちは同じだが私たちには衣服が必要だ。全裸では身動きがとれない」
「おい、何を話している? おぬしたちも飲むか」
 親父が、二人の少女に目を向ける。だがその目は虚ろだ。女を見る目ではない。
 二人はかえって寒気がする。
「いや、いい。それよりも購買部で衣服を扱っているなら売ってほしい」
「現金払いなら応じる。カードは扱っておらんからな」
「私たちは今、手持ちがない。今あるのは……この体だけだ」
「おい、体とか、変なこと云うなよ」乱馬が焦って弁天の腕をつかむ。
「ふん、からだか」親父は改めて二人の裸をじろじろと見る。
「見ろよ。親父が変態的な目つきになってきたじゃないか。責任取れよな弁天」
「おまえだ!」親父は弁天を指さす。
「私?」どきりとした。
「おぬし、竜之介の妻になれ。この体つきなら何人でも子供が産めそうじゃ」
「ふ、ふざけるな」
 弁天は、諸星島において既にあたるの妻という設定なのだ。重婚になってしまう。――いやそんな問題ではない。
「ミイラ相手にどうやって子供を作るんだよ?」
「契りを交わせ。竜之介と口づけを交わしてみせよ。そうすれば衣服を分けてやる」
「ミイラと口づけだと?」
 弁天は意味をうまく捉えきれない。乱馬が耳打ちする。
「弁天、それは悪くはない条件だぞ。ほんの数秒ですむ。親父の肉奴隷にされるよりははるかにマシだ」
 少し考え込む弁天。
「わかった。やってやるぜ!」
 意を決して、呼吸を止め、弁天はミイラに唇を寄せる。
 眼前に迫るミイラの眼窟。その奥に無数の蟲が蠢いているのが見えた。すさまじい異臭が鼻につく。

82 :
 七福神の娘の視界が回りだした。あまりの魔気に意識が奪われていく。
(大丈夫なのか?)
 少し離れたところからそれを見守っている乱馬は、言いしれぬ悪寒を禁じ得ない。
 そして、いても立ってもいられなくなった。
 判断する以前に、鍛えられた乱馬の体が走る。
「弁天、よせ! そいつに触れてはダメだ」
 乱馬は弁天の体に体当たりし、ミイラに触れさせないよう抱き込んで横に転がる。
 間一髪。
「乱馬、いったい私は?」弁天は突然夢から覚めたように目を見開く。
 二人は抱き合って転がったので、顔と顔が急接近している。
 乱馬は辛うじて笑う。
「俺以外のやつと口づけなんて許さねえからな」
 女体モードでありながら乱馬は弁天を優しく叱りつける。
 だが甘美なひとときは、お預けのようだ。
「貴様、邪魔をする気か!」藤波の親父が怒声で室内を震わせる。
 立ち上がり、いつの間に用意したのか、右手の包丁を振りかざす。
「それは何のマネだ? このミイラはてめえの身内だろう。だったらてめえが優しく相手をしてやりな!」
 乱馬は身を伸ばし、ミイラの首部を足で引っかける。思いきり蹴った。
 ミイラの首がもげて、宙を飛ぶ。
 乱馬はサッカー部ではないのだが、拳法を極めていると色々な分野に応用が利くらしい。
 干からびたミイラの頭部は、その父親の顔面を直撃、見事なシュートが決まる。
 ミイラの口元と親父の唇がガチ合う。
 ミイラの頭はそのまま床に転がる。
 そして親父は、
「しまった……」包丁が床に落ちる。
 親父は両手で口元を覆う。指の間から苦悶の表情が垣間見える。
 何が起こったのか。
 乱馬、弁天は驚愕する。
 藤波のおやじが、父親のからだが、急激に朽ちていく。
 やせ衰えた四肢が黒ずみ、自重に耐えかねて千切れ、人形のように崩れ落ちる。
 購買部に、二体目のミイラが完成した。

83 :
だが、どこからともなく響く歌に耳を奪われる。
ペニス一郎「ペニゴ〜、ペニゴォオオゥ〜」

84 :
助けてくれ

きちがいだらけだ

85 :
そんなお前にもう一度チャンスをやろう

86 :
そのとき、空からラムが降りてきた。
「ようやくうちの出番だっちゃ!」

87 :
「あ、ラム」
諸星は咄嗟に手にしていたワルサーでラムを撃ってしまった。

88 :
「ラムちゃん、あぶない!」
ワルサーの銃弾とラムの柔らかい肉体の間に入ったものがいた。
・である。
いや、
テンである。
そしてちっぽけな銃弾はオニ星の幼児の心臓を貫いた。

89 :
テンはただの肉人形になり果て、地面に落ちた。
「テンちゃん!」
ラムは大粒の涙を流した。

90 :
「おのれ、諸星! 鬼畜にもほどがあるぞ!」
面堂が発狂して日本刀を振りかざした。
磨き抜かれた刃先には、恐怖する諸星の顔が映っている。

91 :
「よすんじゃ面堂!」
サクラさんが日本刀を振り回す生徒を羽交い締めにした。

92 :
「離してください、サクラさん。僕には諸星の鬼畜さが許せない!」
「落ち着け。奴を切ればこの世界が終わる。それだけはしてはならぬ」
サクラの言葉に面堂の目が見開かれていった。
「よいか面堂。忘れてはならぬ。ここは、諸星島なのじゃからな」
「じゃからなって……そんな」
面堂はそれ以上言葉を継げなかった。

93 :
「にゃははは、ま、そういうこって」
あたるは反省の色など微塵も見せず、テンの死骸を踏みつけて去っていった。

94 :
そうして野ざらしにされたテンの遺骸を野犬が貪り喰っていた

95 :
ラムは気を失った。
空中から落ち地面に叩きつけられる!
いやラムの体を受け止めた者がいた。
(ラムさん……)
メガネである。

96 :
メガネ すかさずラムを拉致。拘束してR開始

97 :
だがメガネは童貞だった。
やり方が分からない。

98 :
角刈り、チビ、パーマも参加。5Pの開始だ

99 :
1年後…
「うちのお腹の中にはあの4人の誰かの子がいるっちゃ」

100 :
そろそろ出産の時期だ。あたるは自分の子だと信じている


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